JP2017004747A - 有機el表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】封止基板が剥離するのを抑制できる有機EL表示装置を提供する。
【解決手段】有機EL素子部2と、表面に有機EL素子部2が形成された、可撓性を有する有機EL素子基板3と、有機EL素子基板3と対向配置された、可撓性を有する封止基板4と、有機EL素子部2の周囲に配置されて、有機EL素子基板3と封止基板4とを接着する接着剤5と、を備え、有機EL素子基板3は、第一有機樹脂基材31と、第一有機樹脂基材31の封止基板4側に配置される第一無機保護膜32と、を備え、封止基板4は、第二有機樹脂基材41と、第二有機樹脂基材41の有機EL素子基板3側に配置される第二無機保護膜42と、を備え、接着剤5は、第一無機保護膜32と第二無機保護膜42とに接着される。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL表示装置に関する。
近年、表示装置として、有機EL表示装置が利用されるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。有機EL表示装置は、有機EL素子部が有機EL素子基板及び封止基板の間に配置されており、有機EL素子部を囲む接着剤により有機EL素子基板と封止基板とが接着されている。有機EL表示装置は、可撓性を有することを一つの特徴としていることから、有機EL素子基板及び封止基板としては、通常、有機樹脂フィルムが用いられる。
特開2011−107556号公報
このような有機EL表示装置の製造は、まず、複数の有機EL素子部が配列された基板と、接着剤が塗布された封止基板と、を接着して、マザー基板を作製する。次に、接着剤に沿ってマザー基板を切断する切断工程を行うことで、複数の個片に分割する。そして、IC及びフレキシブルプリント回路基板を実装することで、有機EL表示装置が得られる。
上述した切断工程では、まず、位置決めしたマザー基板をトムソン刃等の切断刃で打抜くことで、マザー基板を複数の個片に分割する。その後、切断刃を引き抜くことで、切断工程が終了する。ここで、マザー基板を切断刃で打抜いた状態では、分割された個片の端面が切断刃に押圧された状態となる。このため、切断刃をマザー基板から引き抜くと、分割された個片の端面と切断刃との摩擦力により、封止基板が剥離する可能性がある。
また、接着剤に対する有機EL素子基板及び封止基板の接着強度が弱いと、有機EL表示装置の使用時にも、有機EL表示装置の端面が他部材と接触することにより、封止基板が剥離する可能性がある。
そこで、本発明は、封止基板が剥離するのを抑制できる有機EL表示装置及び有機EL表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る有機EL表示装置は、有機EL素子部と、表面に有機EL素子部が形成された、可撓性を有する有機EL素子基板と、有機EL素子基板と対向配置された、可撓性を有する封止基板と、有機EL素子部の周囲に配置されて、有機EL素子基板と封止基板とを接着する接着剤と、を備え、有機EL素子基板は、第一有機樹脂基材と、第一有機樹脂基材の封止基板側に配置される第一無機保護膜と、を備え、封止基板は、第二有機樹脂基材と、第二有機樹脂基材の有機EL素子基板側に配置される第二無機保護膜と、を備え、接着剤は、第一無機保護膜と第二無機保護膜の端縁部とに接着される。
本発明に係る有機EL表示装置では、接着剤が第一無機保護膜と第二無機保護膜の周縁部とに接着されるため、有機EL素子基板及び封止基板と接着剤との間の接着強度が高くなる。これにより、封止基板が剥離するのを抑制できる。
本発明において、第一有機樹脂基材及び封止基板の厚さは、それぞれ200μm以下であることが好ましい。
本発明において、接着剤の厚さは、20μm以下であることが好ましい。
本発明において、接着剤は、エポキシ系接着剤であることが好ましい。
本発明において、有機EL素子基板と封止基板との間に位置する有機EL素子部の収容領域に、少なくとも−40℃〜85℃の温度範囲において固体状又はゲル状である充填材が充填されることが好ましい。この場合、充填材は、補水機能を有することが好ましい。
本発明において、有機EL素子部の表面を被覆する第三無機保護膜を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、封止基板が剥離するのを抑制できる。
実施形態の有機EL表示装置の拡大断面図である。 有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。 有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。 有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。 切断工程を説明するための図である。 有機EL素子基板の概略平面図である。 封止基板の概略平面図である。 マザー基板を示す概略平面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、実施形態の有機EL表示装置の拡大断面図である。図1に示すように、本実施形態の有機EL表示装置1は、有機EL素子部2と、有機EL素子基板3と、封止基板4と、接着剤5と、充填材6と、を備える。
有機EL素子部2は、有機EL素子基板3の表面に形成される。有機EL素子基板3と封止基板4とは、有機EL素子部2を挟んで対向配置される。接着剤5は、有機EL素子部2の周囲に配置されて、有機EL素子基板3と封止基板4とを接着する。充填材6は、有機EL素子基板3と封止基板4との間に位置する有機EL素子部2の収容領域Aに配置される。
有機EL素子部2は、電極、当該電極上に形成された所定の絶縁膜(カソードセパレーター含む)、有機EL層等を備える発光部を備える。なお、有機EL素子部2としては、一般的な構成のものを用いることができる。
有機EL素子基板3は、有機EL素子部2を形成する基板である。有機EL素子基板3は、可撓性を有する。有機EL素子基板3の厚さは、強度と屈曲しやすさの両立という観点から、5〜200μmであることが好ましい。有機EL素子基板3は、第一有機樹脂基材31と、第一無機保護膜32と、を備える。
第一有機樹脂基材31としては、種々の有機樹脂基材のうちから用途に合わせて適宜選択することができる。したがって、有機樹脂基材としては特に限定されるものではない。
第一有機樹脂基材31の厚さは、屈曲しやすさという観点から、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。また、第一有機樹脂基材31の厚さは、強度、取り扱いやすさ、ICやフレキシブルプリント回路基板の実装のしやすさという観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。
第一無機保護膜32は、第一有機樹脂基材31の封止基板4側に配置される。第一無機保護膜32は、無機物により形成された保護膜である。第一無機保護膜32は、収容領域Aに水蒸気が入り込まないように、収容領域Aの有機EL素子基板3側を気密に封止する。
第一無機保護膜32としては、無機酸化物等の無機物を、化学的気相成長法、原子層堆積法、又はスパッタリング法等により形成された膜を用いることができる。このような無機物としては、水蒸気を遮蔽することができるものであれば特に制限なく使用することができ、例えば酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化イットリウム、酸化ゲルマニウム、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。これらの無機物は、それぞれ単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。なお、第一無機保護膜32としては、ポリシラザン溶液等のガラスコーティング剤をコーティングしたのちに硬化させたものを積層して使用することもできる。
第一無機保護膜32の厚さは、水蒸気の遮蔽という観点から、0.5〜10μmであることが好ましく、1.5〜5μmであることが更に好ましい。
封止基板4は、有機EL素子部2を封止する基板である。封止基板4は、可撓性を有する。封止基板4の厚さは、屈曲しやすさという観点から、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることが更に好ましい。また、封止基板4の厚さは、強度確保、取り扱いやすさという観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることが更に好ましい。封止基板4は、第二有機樹脂基材41と、第二無機保護膜42と、を備える。
第二有機樹脂基材41としては、種々の有機樹脂基材のうちから用途に合わせて適宜選択することができる。したがって、有機樹脂基材としては特に限定されるものではない。
第二有機樹脂基材41の厚さは、屈曲しやすさという観点から、5〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることが更に好ましい。
第二無機保護膜42は、第二有機樹脂基材41の有機EL素子基板3側に配置される。第二無機保護膜42は、無機物により形成された保護膜である。第二無機保護膜42は、収容領域Aに水蒸気が入り込まないように、収容領域Aの封止基板4側を気密に封止する。
第二無機保護膜42としては、第一無機保護膜32と同じ素材を用いることができる。第一無機保護膜32と第二無機保護膜42とは、同じ素材を用いてもよく、異なる素材を用いてもよい。
第二無機保護膜42の厚さは、水蒸気の遮蔽、クラックの発生しにくさという観点から、0.5〜10μmであることが好ましく、1.5〜5μmであることが更に好ましい。
接着剤5は、有機EL素子部2を囲むように有機EL素子部2の周囲に配置されて、有機EL素子基板3と封止基板4とを接着する。具体的には、接着剤5は、有機EL素子部2を囲むように、各有機EL表示装置1の周縁部に形成される。そして、接着剤5は、第一無機保護膜32と第二無機保護膜42の端縁部とに接着される。ここで、第二無機保護膜42の表面のうち、収容領域Aを形成する部分を、収容領域形成面4aという。この場合、収容領域形成面4aと第二無機保護膜42の四方端縁との間の部分、つまり、収容領域形成面4aの外側全域が、第二無機保護膜42の端縁部となる。なお、収容領域Aは、第一無機保護膜32と、第二無機保護膜42と、接着剤5とに囲まれる領域となる。
接着剤5としては、特に限定されるものではないが、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、オレフィン系接着剤を用いることができる。
接着剤5の厚さは、水蒸気が侵入してくることを抑制する観点から、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることが更に好ましい。また、接着剤5の厚さは、十分な接着強度及び弾性を確保する観点から、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることが更に好ましい。
充填材6は、収容領域Aに充填される。充填材6は、収容領域Aに浸入してくる水蒸気を吸湿する補水機能(乾燥機能)を有する乾燥剤であることが好ましい。なお、収容領域Aに水蒸気が入らない場合は、充填材6がなくてもよい。
充填材6は、少なくとも−40℃〜85℃の温度範囲において、固体状又はゲル状であることが好ましい。充填材6としては、特に限定されるものではないが、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などに酸化カルシウム、酸化ストロンチウムなどの水とよく反応し安定化する材料を分散させたものや、アルミニウムアルコキシド等を用いることができる。なお、有機EL素子部2上に前述の第一無機保護膜32や第二無機保護膜42のような水蒸気を遮蔽する薄膜が形成されている場合は、必ずしも充填材6は補水機能を有しなくてもよい。この場合、充填材6として、シリコーン樹脂や接着剤などの補水機能を有さない樹脂を用いてもよい。
次に、図2〜図4を参照して、有機EL表示装置1の製造方法について説明する。図2〜図4は、有機EL表示装置の製造方法を説明するための図である。
まず、有機EL素子基板3を作製する有機EL素子基板作製工程を行う。図2(a)に示すように、有機EL素子基板作製工程では、まず、ガラス基板11上に、第一有機樹脂基材31を仮固定する。この第一有機樹脂基材31は、複数の有機EL表示装置1の第一有機樹脂基材31に対応したもので、後述する切断工程において切断されることで、各有機EL表示装置1の第一有機樹脂基材31となる。
ガラス基板11上に第一有機樹脂基材31を仮固定すると、次に、図2(b)に示すように、第一有機樹脂基材31上に、平坦化層(不図示)を塗布してこれを硬化させた後、第一無機保護膜32を成膜する。この第一無機保護膜32は、複数の有機EL表示装置1の第一無機保護膜32に対応したもので、後述する切断工程において切断されることで、各有機EL表示装置1の第一無機保護膜32となる。
そして、場合によって、第一無機保護膜32の第一有機樹脂基材31とは反対側の面に、接着剤5との接着性を向上するための表面処理を施してもよい。この表面処理としては、UV照射、オゾン照射等を行うことができる。このような表面処理により、第一無機保護膜32の接着面がクリーニング及び活性化されて、接着剤5と接着されやすい状態となる。
次に、第一無機保護膜32(有機EL素子基板3)上に有機EL素子部2を積層する有機EL素子部形成工程を行う。図2(c)に示すように、有機EL素子部形成工程では、第一無機保護膜32上に、複数の有機EL素子部2を積層する。有機EL素子部形成工程は、例えば、次のように行うことができる。
まず、第一無機保護膜32上に、スパッタリングにより透明電極(陽極)膜を成膜する。なお、陽極材料としては、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛、酸化スズ、金、ポリアニリン等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、フォトリソグラフィにより透明電極(陽極)膜をパターニングした後、スパッタリングにより配線電極膜を成膜する。配線電極膜としては、Cr(クロム)、MoNb(モリブデンニオブ)合金、Mo合金/Al合金/Mo合金の積層膜等が挙げられる。
その後、さらにフォトリソグラフィにより配線電極膜のパターニング、絶縁膜(層間絶縁膜及びカソードセパレーター)の形成を行う。絶縁膜の材料としては、感光性ポリイミド樹脂やノボラック系フォトレジスト、感光性アクリル樹脂、感光性シクロオレフィン樹脂など感光性の材料が適する。ただし、非感光性ポリイミド樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化シリコンを成膜した後にフォトレジストを用いてパターン加工し、絶縁膜としてもよい。
次に、真空蒸着法により有機EL材料及び陰極をこの順に成膜する。これにより、第一無機保護膜32に有機EL素子部2が積層される。
有機EL表示装置1は、有機EL素子部2の表面を被覆する第三無機保護膜を備えてもよい。第三無機保護膜は、有機EL素子部2の表面を被覆する保護膜である。第三無機保護膜は、第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42と同じ素材を用いてもよく、異なる素材を用いてもよい。なお、有機EL表示装置1は、第三無機保護膜を備えなくてもよい。
図6は、有機EL素子基板作製工程終了後の有機EL素子基板を示す概略平面図である。なお、図6に示す一点鎖線は、切断工程により切断される切断線を示している。図6に示すように、有機EL素子部形成工程では、各有機EL素子部2が各有機EL表示装置1と対応するように、第一無機保護膜32(有機EL素子基板3)上に有機EL素子部2を格子状に配列する。具体的には、横方向(図6の左右方向)に一列に並列された複数の有機EL素子部2を、縦方向(図6の上下方向)に複数段に配置する。
一方、封止基板を作製する封止基板作製工程を行う。図3(a)に示すように、封止基板作製工程では、第二有機樹脂基材41上に、第二無機保護膜42を成膜する。第二有機樹脂基材41及び第二無機保護膜42は、それぞれ、複数の有機EL表示装置1の第二有機樹脂基材41及び第二無機保護膜42に対応したもので、後述する切断工程において切断されることで、各有機EL表示装置1の第二有機樹脂基材41及び第二無機保護膜42となる。
図7は、封止基板の概略平面図であり、図7(a)は接着剤を塗布する前の状態、図7(b)は接着剤を塗布した後の状態を示している。なお、図7に示す一点鎖線は、切断工程により切断される切断線を示している。図6及び図7(a)に示すように、封止基板作製工程では、IC及びフレキシブルプリント回路基板が実装される領域3aを露出させるとともに、横一列に並列された複数の有機EL素子部2を一体的に覆う矩形形状の封止基板4を作製する。
有機EL素子部形成工程及び封止基板作製工程が終了すると、次に、有機EL素子基板に封止基板を接着する接着工程を行う。図3(b)に示すように、接着工程では、まず、第二無機保護膜42上に接着剤5及び充填材6を塗布する。
図7(b)に示すように、接着工程では、収容領域形成面4aを除く第二無機保護膜42の全面に、接着剤5を塗布する。これにより、収容領域形成面4aの周囲に接着剤5が塗布されるとともに、隣り合う収容領域形成面4aの間も接着剤5が隙間なく塗布される。また、接着工程では、接着剤5に囲まれた収容領域形成面4aに、充填材6を塗布する。
第二無機保護膜42上に接着剤5及び充填材6を塗布すると、次に、第一無機保護膜32と第二無機保護膜42とを接着する接着工程を行う。図3(c)に示すように、接着工程では、封止基板4を有機EL素子基板3に重ね合せて、接着剤5により第一無機保護膜32と第二無機保護膜42とを接着する。このとき、第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42は、ともに無機物で形成されているため、接着剤5と第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42との間で十分な接着強度が得られる。また、封止基板4を有機EL素子基板3に重ね合せることで、充填材6が収容領域Aに充填される。これにより、有機EL素子基板3と封止基板4との間に複数の有機EL素子部2が封止されたマザー基板12が作製される。
図8は、マザー基板を示す概略平面図である。なお、図8に示す一点鎖線は、切断工程により切断される切断線を示している。また、図8では、充填材6の図示を省略している。図8に示すように、接着工程により作製されたマザー基板12では、横一列に並列された複数の有機EL素子部2が、封止基板4により一体的に覆われている。そして、IC及びフレキシブルプリント回路基板が実装される領域3aが、封止基板4から露出しており、縦方向に複数段に配列された各有機EL素子部2は、異なる封止基板4により覆われている。
接着工程が終了すると、次に、マザー基板を切断する切断工程を行う。切断工程では、まず、図4(a)に示すように、ガラス基板11から第一有機樹脂基材31を剥離し、その後、図4(b)に示すように、マザー基板12を切断して個片14に分割する。個片14は、有機EL表示装置1の一部を構成する部材であり、後述するように、個片14に、IC及びフレキシブルプリント回路基板を実装して実装用保護樹脂を塗布することで、有機EL表示装置1となる。但し、個片14自体が有機EL表示装置1であってもよい。
図5を参照して、切断工程について詳しく説明する。図5は、切断工程を説明するための図である。
切断工程では、まず、図5(a)に示すように、接着剤5に沿って、位置決めしたマザー基板12をトムソン刃等の切断刃13で打抜く打抜き工程を行う。つまり、打抜き工程では、接着剤5が充填されている位置において、マザー基板12を切断刃13で打抜く。これにより、マザー基板12は、複数の個片14に分離される。また、分離された個片14の切断面まで、接着剤5が充填された状態となる。
このとき、個片14の端面が切断刃13に押圧されて、個片14の端面と切断刃13との間に大きな摩擦力が働いている状態となる。
また、打抜き工程では、接着剤5が充填されている部分を切断刃13で打抜くため、有機EL素子基板3及び封止基板4の変形量は抑えられる。その結果、第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42にクラックが入るのを抑制できるため、当該クラックから収容領域Aに水蒸気が流れ込むのを抑制できる。
次に、図5(b)に示すように、切断刃13を引き抜く引き抜き工程を行う。このとき、個片14の端面と切断刃13との間の摩擦力により、切断刃13の引き抜きに伴い封止基板4が剥離しようとする。しかしながら、接着剤5は、無機物で形成される第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42に接着されているため、封止基板4の剥離が抑制される。
また、打抜き工程で、接着剤5が充填されている部分に切断刃13が打抜かれているため、打抜き工程でも、有機EL素子基板3及び封止基板4の変形量は抑えられる。その結果、第一無機保護膜32及び第二無機保護膜42にクラックが入るのを抑制できるため、当該クラックから収容領域Aに水蒸気が流れ込むのを抑制できる。
その後、このようにして得られる個片14に、さらにIC及びフレキシブルプリント回路基板を実装し、またICを封止するように実装用保護樹脂を塗布することにより、有機EL表示装置1が得られる。
このような有機EL表示装置1としては、フィルム型パッシブマトリクス型有機ELディスプレイ(フィルムPMOLED)が挙げられる。
このように、本実施形態に係る有機EL表示装置1では、接着剤5が第一無機保護膜32と第二無機保護膜42とに接着されるため、有機EL素子基板3及び封止基板4と接着剤5との間の接着強度が高くなる。これにより、マザー基板12を切断して有機EL表示装置1を製造する場合等に、封止基板4が剥離するのを抑制できる。また、有機EL表示装置の使用時に、有機EL表示装置の端面が他部材と接触しても、封止基板が剥離するのを抑制できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。
以下、実施例によって本発明の詳細を説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
本実施例では、有機ELディバイスとしてフィルム型パッシブマトリクス型有機ELディスプレイ(フィルムPMOLED)を作製した例を示す。
まず、第一有機樹脂基材31となるPETフィルム(基材PETフィルム)を、ガラス基板上に両面テープで仮留めした。そのフィルム表面にアクリル樹脂を塗布して硬化させた後、第一無機保護膜32として窒化酸化シリコン膜をプラズマCVD法で成膜した。PETフィルムの厚さは、125μmであった。
次に陽極材料としてITO(酸化インジウムスズ)をスパッタリングで成膜し、その後、陽極パターンをフォトリソグラフィにより形成した。次に配線電極用金属としてMo(モリブデン)合金/Al(アルミニウム)合金/Mo合金の積層膜(以下MAM配線膜と記載)を、真空を維持したままスパッタリングで連続成膜し、さらに陽極とドライバーICを繋ぐための配線パターンをフォトリソグラフィで形成した。なお、これら一連の加工方法としては、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイで一般的に用いられている方法を用いたため詳述は行わない。
次に、ITO陽極のパターン段差や露出させたくない部分のMAM配線膜を、ノボラック系感光性樹脂からなる絶縁膜で被覆した。さらに絶縁膜の上には、断面が概ね台形(上底>下底)構造の構造体をネガレジストで形成した。この構造体は、パッシブマトリクス型有機ELディスプレイに於いて、隣接する素子のカソード電極を分離する役割を持つ素子分離構造体(カソードセパレーター)である。
カソードセパレーターまでが形成された基材PETフィルムを十分に乾燥させた後に、α−NPD、フェニルアントラセン誘導体、アルミキノリノール錯体、他の複数の有機EL材料と電子注入電極としてMg/Ag合金を真空蒸着法で連続成膜した。カソード電極は、カソードセパレーターにより複数の電極に分離された。これにより、格子状に画素が並ぶフィルムPMOLEDの基本構造が形成された。このようにして有機EL素子部2を形成した。さらに真空を維持したまま連続して第三無機保護膜として窒化シリコン膜をプラズマCVD法で成膜した。この無機保護膜は、ICやFPCと接続する配線部分以外に形成した。
一方、第二有機樹脂基材41となるPETフィルムの片面に、第二無機保護膜42となる窒化シリコン膜を製膜して、封止基板4となる封止フィルム基板を作製した。封止フィルム基板の厚さは、100μmであった。
窒化シリコン膜に、有機EL素子部2の上方となる位置に乾燥剤及びエポキシ系樹脂の接着剤を塗布した。そして、PETフィルムが外側、窒化シリコン膜が内側(有機EL素子部側)として、第二無機保護膜である窒化シリコン膜と第一無機保護膜である酸化窒化シリコン膜とを接着剤で接着した。接着剤の厚さは、10μmであった。
次に、ガラス基板から基材PETフィルムを剥がし、トムソン刃による打抜きにより、PMOLEDの個片に切断した。そして、ICとフレキシブルプリント回路基板を実装し、フィルムPMOLEDを完成させた。
本実施例におけるフィルムPMOLEDは、接着剤が第一無機保護膜及び第二無機保護膜に接着されているため、PMOLEDの個片に切断した際に、封止基板が剥離しなかった。
1…有機EL表示装置、2…有機EL素子部、3…有機EL素子基板、31…第一有機樹脂基材、32…第一無機保護膜、4…封止基板、41…第二有機樹脂基材、42…第二無機保護膜、5…接着剤、6…充填材、11…ガラス基板、12…マザー基板、13…切断刃、14…個片。

Claims (6)

  1. 有機EL素子部と、
    表面に前記有機EL素子部が形成された、可撓性を有する有機EL素子基板と、
    前記有機EL素子基板と対向配置された、可撓性を有する封止基板と、
    前記有機EL素子部の周囲に配置されて、前記有機EL素子基板と前記封止基板とを接着する接着剤と、を備え、
    前記有機EL素子基板は、
    第一有機樹脂基材と、
    前記第一有機樹脂基材の前記封止基板側に配置される第一無機保護膜と、を備え、
    前記封止基板は、
    第二有機樹脂基材と、
    前記第二有機樹脂基材の前記有機EL素子基板側に配置される第二無機保護膜と、を備え、
    前記接着剤は、前記第一無機保護膜と前記第二無機保護膜の端縁部とに接着される、
    有機EL表示装置。
  2. 前記第一有機樹脂基材及び前記封止基板の厚さは、それぞれ200μm以下であり、
    前記接着剤の厚さは、20μm以下である、
    請求項1に記載の有機EL表示装置。
  3. 前記接着剤は、エポキシ系接着剤である、
    請求項1又は2に記載の有機EL表示装置。
  4. 前記有機EL素子基板と前記封止基板との間に位置する前記有機EL素子部の収容領域に、少なくとも−40℃〜85℃の温度範囲において固体状又はゲル状である充填材が充填される、
    請求項1〜3の何れか一項に記載の有機EL表示装置。
  5. 前記充填材は、補水機能を有する、
    請求項4に記載の有機EL表示装置。
  6. 前記有機EL素子部の表面を被覆する第三無機保護膜を更に備える、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の有機EL表示装置。
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