JP2010003682A - 有機発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機発光装置に保護膜を設ける場合、従来の方法では外部接続端子上に付着した保護膜の除去にかかる装置が大掛かりとなる上に、保護膜除去のための追加工程が必要となる。従って、有機発光装置の製造に必要な工程時間が長くなり、生産性が低下や製造コストの上昇という問題があった。
【解決手段】保護膜の形成前に外部接続端子上に保護膜除去層を設けておき、基板全面に保護膜を形成する。その後、保護膜除去層の断面が露出するように基板を切断した後、基板を水、水溶液または有機溶媒によって洗浄し、前記保護膜除去層と共に保護膜を除去する。
【選択図】図1

Description

本発明は有機発光装置の製造方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機発光装置が注目されており、開発が活発に行われている。
有機発光装置が有する発光特性を生かすために、外部から浸入し得る水分、酸素を遮断するための保護膜に関する技術が研究されてきた。ここで保護膜は、有機発光装置の構成部材である有機発光素子の上方及びその周辺の広い範囲において形成されるものであり、外部から有機発光装置内部への水分浸入を遮断するという機能を有する。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの透明な絶縁膜が知られている。
有機発光装置へ表示信号を送るため、フレキシブルプリント配線基板(以下、FPCという。)等の外部回路が有機発光装置の外部接続端子に電気接続される。このとき、絶縁膜である保護膜を外部接続端子上から除去しなければ、十分な電気接続が得られない。そこで、プラズマCVD等により保護膜を形成する際、この外部接続端子を金属マスク等で覆って保護膜の形成を防止する方法が採用されている。
特許文献1では、外部接続端子上に保護膜が形成されないようにする方法として以下の4つの方法が開示されている。第1は、保護膜を形成する前に外部接続端子表面を無極性化する方法である。この方法によれば、無極性化された端子表面には保護膜は形成されず、その後FPC等と電気接続する前に、端子表面をUVやオゾン処理を行なうことで、外部接続端子とFPC等の端子電極とを電気接続することができる。第2は、金属マスク以外の方法で外部接続端子上にマスキングテープを貼り、保護膜を形成した後にそのマスキングテープを剥がすことで、外部接続端子上にある保護膜をマスキングテープごと除去する方法である。第3は、有機発光素子を構成する有機化合物層に相当する薄膜又は陽極エッジ部被覆材料で外部接続端子表面を被覆した後、金属マスクを使用し、フォトエッチングして保護膜を上記薄膜又は被覆材料ごと除去する方法である。第4は、外部接続端子表面に外部接続端子に対して密着性の低い薄膜を設けた上で保護膜を形成した後、テープで保護膜を剥がす方法である。
また、特許文献2には、外部接続端子を含む領域にレーザー除去層を形成し、その上に保護膜を形成した後、レーザーを照射して保護膜をレーザー除去層ごと除去する方法が開示されている。
特開2002−151254号公報 特開2004−165068号公報
図3に示したように、外部接続端子は、基板の辺に沿って幅5mm以下の範囲に設けられるのが一般的である。従って、図2のように大判基板から複数のパネルを製造する場合、保護膜形成時に用いられるマスクとして、外部接続端子のピッチで遮蔽部を有するストライプ状、もしくは外部接続端子を含むようにパネルとパネルとの間に遮蔽部を設けた格子状のパターンが考えられる。いずれにせよ、これらのマスクは遮蔽部に比べて開口部が非常に大きいため、強度が弱く変形が大きい。そのため、外部接続端子を確実に覆うのは難しく、保護膜が回り込んで付着して外部回路接続時の電気抵抗となってしまう。マスクに強度を持たせるために遮蔽部を大きくすると、パネルの額縁が広くなったり、パネル間の距離が広くなるため、1枚あたりから製造できるパネル枚数が少なくなってしまう。
一方で、大判基板からより多くの基板を取り出すための方法として、特許文献1のようにマスキングテープを用いて保護膜を剥がす方法がある。しかしこの方法では、保護膜を形成する前にマスキングテープを貼る工程と、保護膜を形成した後にテープを剥がす工程とを必要とするため、工程数が増えるという問題が生じる。また、基板が大きい場合では、複数のマスキングテープを外部接続端子部上に正確に貼るためのテープ貼りつけ装置が別途必要となる。テープ貼りつけ装置は、貼り位置等の精度を求められるため、テープ送り機構、テープ貼り機構、テープ切断機構、移動機構等を必要とし、装置自体が大掛かりになるため装置コストが上昇するという問題点もある。
特許文献1に開示された他の方法のいずれにおいても、除去にかかる装置が大掛かりとなる上に、保護膜除去のための追加工程が必要となる。従って、有機発光装置の製造に必要な工程時間が長くなり、生産性が低下や製造コストの上昇という問題がある。
本発明の目的は、外部接続端子上の保護膜を除去するために必要な工程を減らすと共に、大判基板からより多くの有機発光装置を得ることが可能な有機発光装置の製造方法を提供することである。
前記課題を解決するため、本願発明の有機発光装置の製造方法は、
外部接続端子を備える基板と、
該基板上に設けられる有機発光素子と、
該有機発光素子を覆う保護膜と、を有する有機発光装置の製造方法であって、
前記外部接続端子上に保護膜除去層を設ける保護膜除去層配置工程と、
前記基板上に前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、
前記保護膜が形成された基板を分断する基板分断工程と、
前記基板を水、水溶液または有機溶媒にて洗浄する洗浄工程と、をこの順で含み、
前記洗浄工程の結果、前記保護膜除去層及び前記保護膜が前記外部接続端子上から除去されることを特徴とする。
本発明によれば、少ない工程で大判基板からより多くの有機発光装置を得ることが可能な有機発光装置の製造方法を提供することができる。即ち、外部接続端子を覆う保護膜を剥離するための専用工程を追加することなく、外部接続端子を露出させることができる。その結果、生産性が向上し製造コストを低減することができる。
本発明の製造方法における実施形態を示す断面概略図。 本発明の製造方法における第一の実施形態を示す平面概略図。 本発明における外部接続端子部のマスク開口形状を示す概略図。 本発明の製造方法におけるACF接続状態を示す断面概略図。 本発明の製造方法における第二の実施形態を示す断面概略図。 実施例2において接触抵抗測定した箇所を示す図。
本発明の方法で製造される有機発光装置は、外部接続端子を備える基板と、この基板上に設けられる複数の有機発光素子と、この有機発光素子を覆う保護膜と、から構成されるものである。
また本発明の製造方法は、以下に示す工程(i)〜(iv)をこの順で含むものである。
(i)外部接続端子上に設けられている保護膜を除去するための保護膜除去層を該外部接続端子上に設ける工程(保護膜除去層配置工程)
(ii)基板上に該保護膜を形成する工程(保護膜形成工程)
(iii)保護膜の形成された基板を分断する工程(基板分断工程)
(iv)基板を洗浄する工程(洗浄工程)
以下、図面を参照しながら第1の実施形態について説明する。図1は、本発明の製造方法における実施形態を示す断面模式図である。
[第一の実施形態]
まず有機発光装置について説明する。第1の実施形態で製造される有機発光装置は、基板1上に対応した位置にTFT回路2が形成されている。ここで、有機発光装置に使用される基板1として、ガラス基板、合成樹脂等からなる絶縁性基板、表面に酸化シリコンや窒化シリコン等の絶縁層を形成した導電性基板若しくは半導体基板等が挙げられる。また基板1は、透明であっても不透明であってもよい。
TFT回路2を含んだ基板1上には、アクリル樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂等からなる平坦化膜3がフォトリソグラフィー法等によって所望のパターンにて形成されている。ここで、平坦化層3は、TFT回路2を設けることで生じる凹凸を平坦化するための層である。また平坦化層3は、TFT回路2を設けることで生じる凹凸を平坦化できるものであれば、材料、製法は特に限定されるものではない。尚、平坦化膜とTFT回路との間に、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等の無機材料からなる絶縁層3aを形成してもよい。
平坦化層3上の有機発光素子と対応する位置に、TFT回路2の一部と電気接続するように下部電極4が形成される。下部電極4は透明電極であってもよいし反射電極であってもよい。下部電極4が透明電極である場合、その構成材料として、ITO、In23等が挙げられる。下部電極4が反射電極である場合、その構成材料として、Au、Ag、Al、Pt、Cr、Pd、Se、Ir等の金属単体、これら金属単体を複数組み合わせた合金、ヨウ化銅等の金属化合物等が挙げられる。下部電極4の膜厚は、好ましくは、0.1μm〜1μmである。
下部電極4の周縁部にはバンク5が設けられている。バンク5の構成材料として、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化シリコン等からなる無機絶縁層やアクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等が挙げられる。バンクの膜厚は、好ましくは、1μm〜5μmである。
下部電極4上に設けられる有機化合物層6は、一層で構成されてもよいし、複数の層で構成されてもよく、有機発光素子の発光機能を考慮して適宜選ぶことができる。また有機化合物層6を構成する層として、具体的には、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられる。またこれらの層の構成材料として、公知の化合物を使用することができる。尚、有機化合物層6は、発光する領域が特定の層内であってもよいし、隣接する層同士の界面であってもよい。有機化合物層6は、真空蒸着法、インクジェット法等により形成される。蒸着法等の場合は高精細マスクを用い、インクジェット法等の場合は高精度吐出を用いて発光エリアに有機層を形成する。
有機化合物層6上には、上部電極7が形成される。上部電極7は、透明電極であってもよいし反射電極であってもよい。また上部電極7の構成材料は、上記下部電極4と同様の材料を使用することができる。
上部電極7を形成することにより、基板1上には下部電極4と有機化合物層6と上部電極7とからなる有機発光素子が形成される。ここで大判の基板から複数の有機発光装置を形成する際には、図2で示されるように、大判基板10上に複数の有機発光装置がマトリックス状に配列される。尚、有機発光装置それぞれに存在する外部接続端子8は、下部電極4を形成する際に同時に形成されるものである。
次に、工程(i)(保護膜除去層配置工程)について説明する。
工程(i)(保護膜除去層配置工程)では、外部接続端子上に保護膜除去層12である可溶性薄膜を形成する。可溶性薄膜を形成する方法として、蒸着法、スパッタ法が挙げられる。ここで可溶性薄膜が有機化合物層と同じ材料である場合は、有機化合物層を形成するのと同時に可溶性薄膜を形成してもよい。尚、可溶性薄膜は、図3(a)に示されるように、有機発光素子が配置された表示領域20から離れて外部接続端子とその周辺だけに形成してもよいし、図3(b)に示されるように、外部接続端子が設けられた基板の辺の端から端まで形成してもよい。
本工程では、外部接続端子上だけに可溶性薄膜を形成するために金属マスクを用いる。ただし、本工程で用いるマスクは、従来技術のように外部接続端子部だけを遮蔽するマスクとは異なり、遮蔽部に比べて開口部が非常に小さいため、強度が強くマスクの変形も小さい。そのため、外部接続端子上に保護膜を形成しないように成膜する場合のように、膜の回り込みや額縁が広くなるという問題は発生せず、所望箇所への成膜が可能となる。
可溶性薄膜とは、後述する洗浄工程(工程(iv))において、洗浄に使用する溶媒に対して可溶性であれば特に限定されない。可溶性薄膜の構成材料として、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物又は有機化合物である。
アルカリ金属の具体例として、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムが挙げられる。アルカリ土類金属の具体例として、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、ベリリウム、マグネシウムが挙げられる。アルカリ金属化合物の具体例として、上述したアルカリ金属の水酸化物、炭酸化物が挙げられる。アルカリ土類金属化合物の具体例として、上述したアルカリ土類金属の酸化物が挙げられる。有機化合物の具体例として、有機化合物層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層等からなる積層体又は何れかの単層)の構成材料を使用することができる。
次に、工程(ii)(保護膜形成工程)について説明する。本実施形態では、工程(ii)を行う前に、工程(i)において、外部接続端子8を覆う保護膜除去層12である可溶性薄膜が形成されている。このため、外部接続端子8を含む領域を金属等で形成されたエリアマスクで覆う必要がない。図2に示されるように、大判基板10の全面を覆うように形成される保護膜9の構成材料は、電気絶縁性と気密性を有し、有機発光素子の劣化を防止することができる材料であれば特に限定されるものではない。具体的には、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン等が挙げられる。また、保護膜9の形成方法としては、真空蒸着法、プラズマCVD法、スパッタ法等を採用することができるが、これに限定されるものではない。尚、保護膜9は、高温高湿条件下(例えば、温度60℃湿度90%の条件下)における耐久試験において水分等の浸入がないと確認された膜を使用するのがよい。
ところで保護膜9は、外部からの酸素、水分の浸入を防ぎ、素子の劣化を防ぐ役割をするため、膜中の欠陥を極力抑える必要がある。このため、使用する基板1上に元々存在し得るパーティクル、保護膜9形成前までのプロセス中に発生し得るパーティクル及びプラズマCVDプロセス中に発生し得るパーティクルを、それぞれ管理する必要がある。また、基板表面の凹凸が大きいことによっても保護膜9に欠陥が発生してしまうので、下部電極の周辺に設けられるバンクの形状、及びスルーホール(不図示)の形状は、水平方向に対して急峻な角度とならないようにするのが好ましい。保護膜形成後は、エージング工程を行ってもよい。エージング工程とは、高温高湿度の条件下に有機発光装置を数時間程度さらすことにより、初期劣化を促進させる工程である。これにより、所望の規格に達しなかった有機発光装置を不良品として除外することができる。
次に、工程(iii)(基板分断工程)について説明する。工程(ii)(保護膜形成工程)を行った後、大判基板10はスクライバーやレーザー光を用いて切断される。基板を切断するときは、図1(a)や図2に示されるスクライブライン30で切断する。このスクライブライン30で切断すれば、図1(b)のように外部接続端子8上に形成した保護膜除去層12である可溶性薄膜の断面を露出させることができる。
スクライバーにて基板を切断する場合、基板の切断部近傍にはカレット(切りくず)が付着することがある。このカレットが外部接続端子に付着していると、ACFにて外部接続端子とFPCとを電気接続するとき接続不良の原因となり得る。
このため、次の工程(iv)(洗浄工程)により、工程(iii)(基板分断工程)を行ったときに発生するカレットを落とす必要がある。カレットはエアーの吹き付けや超音波洗浄のみだけで落とすことは困難である。カレットの洗浄方法は、水や溶媒等の液体を流しながらブラシ等でこすって直接的に落とす方法が用いられる。
基板10を洗浄する際、基板の切断により露出した可溶性薄膜の断面が洗浄溶媒に触れる。そのため可溶性薄膜は断面から溶解し始め、さらに可溶性薄膜と基板との界面を伝って溶媒が浸透する。そして最終的に可溶性薄膜と基板との密着力が失われるか、若しくは可溶性薄膜全体が溶解する。その結果、外部接続端子8上に設けられる可溶性薄膜を除去すると共に、外部接続端子8上に設けられる保護膜9を可溶性薄膜の残渣ごと剥離除去することができる。
可溶性薄膜の構成材料がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物である場合、工程(iv)において使用される洗浄溶媒は、好ましくは、これらの金属、金属化合物を溶解する純水である。尚、純水による洗浄の後、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やアセトン等の有機溶媒を使用した洗浄を行ってもよい。
一方、可溶性薄膜の構成材料が有機化合物である場合、工程(iv)において使用される洗浄溶媒は、好ましくは、この有機化合物を溶解するエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やアセトン等の有機溶媒である。尚、これらの溶媒による洗浄の後、純水を使用した洗浄を行ってもよい。
また工程(iv)において、基板1を洗浄する際に、図1(c)に示すように、洗浄槽内の洗浄ブラシ40で基板の切断部をブラッシングすると、大判基板を切断する時に生じたカレットと共に保護膜の膜片をきれいに除去できるので好ましい。さらに有機化合物を溶解するエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類やアセトン等の有機溶媒を浸透させた綿コットン等で、外部接続端子8を拭くと、有機化合物を除去する効果は大きい。
以上説明したように、工程(iv)を行うことにより、図1(c)及び図1(d)に示されるように、外部接続端子8上に設けられる保護膜9が除去される。
工程(iv)の後、有機発光装置を乾燥させる。このとき乾燥オーブンで有機発光装置を乾燥してもよいし、温水引き上げやドライエアーブローを行ってもよい。
次に、外部接続端子8とFPC14とを電気接続する(図4)。具体的には、ACF13を外部接続端子8上に仮圧着し、FPC14と外部接続端子8との位置合わせを行う。仮圧着を行う際は、好ましくは、低温圧着を行う。また、位置合わせは、自動アライメントでもよい。
使用されるACF13は、フィルムに含まれる導電粒子の形状が、好ましくは、突起のある形状である。導電粒子の表面が球状ではなく突起状であれば、導通をとりやすい。導電粒子は、金属粉末を含むものであってもよいし、樹脂に金属をコーティングしたものであってもよい。また、安価で劣化しにくいカーボン等を導電粒子として使用してもよい。導電粒子の直径は、有機化合物層の膜厚にもよるが、一般的には10μm以下のものが使用される。また導電粒子の表面の突起の角度は90°以下が望ましい。
仮圧着を行った後、熱圧着ヘッドにより熱圧着を行う。尚、熱圧着を行う際に必要な圧力、温度、時間は、外部接続端子8とFPC14の電極端子との電気接続が確保できていれば特に限定されるものではない。
また、通常は、外部接続端子8とFPC14の電極端子とを電気接続した後は、その接続部分に保護樹脂を塗布する。保護樹脂は接続部分に水分が侵入するのを防止すると共に、イオンマイグレーションの発生を押さえる役割を果たす。また、ACF13だけでは接着力が強くない場合は、接着力補強という観点からも塗布することが好ましい。
以上の工程を経て、有機発光装置が製造される。
尚、図4に示されるように、有機発光素子上に設けられている保護膜9上に、粘着剤16を介して円偏光板17を貼り付けてもよい。この円偏光板17は、公知の円偏光板と同様に、偏光板と1/4λ板(位相差板)とを組み合わせたものである。
本実施形態では、外部接続端子のマスキングや、保護膜剥離除去工程を簡素化することができる。また工程(iv)(洗浄工程)において、外部接続端子8上に設けられる保護膜9を可溶性薄膜の残渣とともに剥離除去するので、外部接続端子8上に設けられる保護膜9を選択的に剥離除去する工程を新たに設けなくてもよい。このため、有機発光装置の製造コストを削減できる。
また、本実施形態で作製される有機発光装置は、アクティブ型の有機発光装置であるが、パッシブ型の有機発光装置でもよい。また本実施形態で作製される有機発光装置は、外部接続端子が、1辺にのみ設けられているものであるが、2辺以上に外部接続端子が設けられている形式であってもよい。
[第二の実施形態]
以下、第二の実施形態について説明する。尚、第一の実施形態と同様のものについては説明を省略することがある。
本実施形態において、基板上に形成される有機発光素子及び外部接続端子は第一の実施形態と同様の方法で形成される。
本実施形態で用いる保護膜除去層は有機材料であり、好ましくは、保護膜除去層が有機発光素子に含まれる有機化合物層である。このため、本実施形態では、有機発光素子を形成する工程において、有機発光素子を形成するのと同時に、外部接続端子上に、有機化合物層と同様の層構成である保護膜除去層を形成することで、工程(i)(保護膜除去層配置工程)を行う。
本実施形態では、工程(i)の後、第一の実施形態と同様の方法で、工程(ii)(保護膜形成工程)と、工程(iii)(基板分断工程)とを順次行う。工程(iii)を行った時点で、切断面には、有機化合物層からなる保護膜除去層が露出している。
本実施形態では、工程(iv)(洗浄工程)を行うにあたり、好ましくは、露出されている有機化合物層(有機化合物層の露出部)を水又は水溶液に接触させる。露出部を水又は水溶液に接触させることにより、外部接続端子上に設けられている保護膜は、保護膜除去層である有機化合物層ごと剥離する。工程(iv)において、使用される水溶液として、純水やオゾン水、有機アルカリ洗浄液、DHF、界面活性剤添加水溶液が挙げられる。
水又は水溶液に接触させることにより、保護膜が剥離するのは、無機化合物で構成される保護膜と、有機化合物で構成される有機化合物層との吸水率の違いによるものである。
保護膜を構成する無機材料は、吸水率がほぼ0%であるのに対し、保護膜除去層を構成する有機化合物層は、吸水率が10-1%から数%である。このため、水又は水溶液に露出部を接触させることにより、保護膜除去層のみが膨張することで保護膜除去層上に設けられている保護膜が剥れることになる。また有機化合物層は、外部接続端子に対する密着性が低いので、超音波洗浄、あるいはブラシ洗浄を行うことによって、外部接続端子から容易に剥離できる場合もある。こうして工程(iv)を行った後には、外部接続端子上には、保護膜も有機化合物層もほとんど形成されていない状態となる。
得られた有機発光素子については、エージングを行い、初期劣化により規格値以下まで落ちた有機発光装置をふるい落としてもよい。
エージングを行う際は、通常、高温高湿度の条件に有機発光装置を数時間ほど置くことによって行う。ここで高温高湿度の条件とは、例えば、温度60℃湿度90%の条件をいう。保護膜に欠陥があれば、高温高湿環境下にさらすことにより、有機発光装置の表示部に白濁等の変化が早期に現れる。
以下、本発明の有機発光装置を具体的実施例に基づき詳細に説明する。尚、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変更することができる。
[実施例1]
以下に示す方法で有機発光装置を作製した。
(有機発光素子と保護膜除去層の作製)
まずガラス基板(基板1)上にTFT2を形成した。尚、TFT2には、信号配線2aも含まれる。次に、このガラス基板上に絶縁層3a、平坦化層3をこの順で所望のパターンで積層形成した。次に、平坦化層3上に、画素単位でアルミ(Al)/インジウム錫酸化物(ITO)製の薄膜を形成し、下部電極6を形成した。このとき下部電極6の膜厚を150nmとした。次に、フォトリソ工程法により、先程形成した下部電極6の周囲を囲むようにバンク5(ポリイミド製、商品名:フォトニース DL−1000)を形成した。このときバンク5の膜厚は2000nmであった。
バンク5まで形成されている基板1を、純水で約5分間洗浄した後、約200℃、2時間の条件でベークすることにより、脱水処理した。続いて基板に形成された下部電極をUV/オゾン洗浄処理した後、真空蒸着法により、有機化合物層を構成する正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を、この順で形成した。具体的には、1×10-3Paの圧力条件下で、下部電極4上にN,N’−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を成膜し正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を40nmとした。次に、正孔輸送層上に、緑色発光することが知られているクマリン色素(クマリン−540)とトリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)とを共蒸着して発光層を形成した。このときクマリン色素が発光層の全体量に対して1.0体積%となるように共蒸着し、膜厚を30nmとした。
次に、発光層上に、下記に示されるフェナントロリン化合物を成膜し電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。
Figure 2010003682
次に、電子輸送層上に、炭酸セシウムとフェナントロリン化合物とを共蒸着して電子注入層を形成した。このとき炭酸セシウムが電子注入層の全体量に対して2.9体積%となるように共蒸着し、膜厚を40nmとした。
次に、電子注入層まで形成されている基板を、別のスパッタ装置へ移動させた後、この電子注入層上にインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタ法にて成膜して上部電極7を形成した。このとき上部電極7の膜厚を60nmとした。
次に、有機発光装置の外部接続端子8のみが開口部となっている金属合金製のマスクを用いて、スパッタ法で可溶性薄膜であるストロンチウム膜を外部接続端子8上に形成した。具体的には、まず有機発光装置をスパッタ室(予め室内に、ストロンチウムを含むスパッタリングターゲットが配置されている。)に搬送し、外部接続端子8がエリアマスクと重なるように位置決めを行い、有機発光装置を固定した。次に、アルゴンガスを100sccmでスパッタ室にフローして圧力を2.0Paに保ち、DC電源でプラズマを生起させることによりストロンチウム膜(保護膜除去膜12)を成膜した。このときストロンチウム膜の膜厚は100nmであった(図1(a))。
(保護膜の形成と基板取り出し)
次に、図1(b)に示すようにVHFプラズマCVD法により、先程成膜したストロンチウム膜等を覆うように、保護膜9を有機発光装置全体に形成した。保護膜を形成するときは、材料ガスとして、SiH4ガス及びN2ガスを使用し、それぞれ4sccm及び200sccmの流量で流した。また保護膜を形成するときは、高周波電力40W、圧力70Paの条件の下で行った。このとき保護膜の膜厚を3μmであった。保護膜を形成した後、大判基板を成膜装置から前室に移動した後、ベント(真空の解除)を開始し、ベント完了後にチャンバーの蓋を開けて保護膜が形成されている基板を外に取り出した。
(基板の切断と基板の洗浄)
次に、有機発光装置がマトリックス状に形成されている大判基板を、図2に示すように、スクライバーで外部接続端子8上に形成したストロンチウム膜にスクライブライン30がかかるように設定して装置1基ごとに切断した。切断された有機発光装置の切断部分にはカレットが付着しているため基板の洗浄を行なった。洗浄は、図1(c)に示すように、洗浄液(溶媒)が純水である洗浄槽で有機発光装置を洗浄ブラシ40を用いて行った。このとき、可溶性薄膜と外部接続端子との界面を伝って溶媒が浸透して可溶性薄膜が溶解すると考えられ、その結果、可溶性薄膜の残渣と共に外部接続端子8上に形成されている保護膜9が剥離除去された。次に、ドライエアーで有機発光装置を乾燥した。
(外部回路の実装工程)
次に、有機発光装置を駆動させるための駆動回路と外部回路とを電気接続するのに必要なFPC実装を行った。有機発光装置の外部接続端子8上にACF13を乗せて80℃で1秒程度の条件で仮圧着した。ACF13上の保護シートを除去し、FPC14を外部接続端子8と位置合わせした。次に、温度230℃に加熱した熱圧着ヘッドをFPC14上に当てて、圧着圧力3MPa、圧着時間12秒の条件で熱加圧することで、外部接続端子8とFPC14とを熱圧着した。
次に、粘着剤16で保護膜9上に円偏光板17を貼り付けることにより有機発光装置を得た。尚、有機発光装置は5枚製造した。
得られた有機発光装置について、有機発光素子を発光させたときの輝度を測定し、その輝度の値から外部接続端子8の実装が正常であるかを評価した。その結果を表1に示す。尚、判断基準としては、所定の輝度に対して2%以上低下したものを×(不良)として、それ以外のものは○(良)とした。
また、外部接続端子8上に形成する可溶性薄膜(保護膜除去層12)の膜厚を変えたときに、FPC14の実装が正常に行われたか、についても同様の方法により判断した。
Figure 2010003682
また、得られた有機発光装置を、温度60℃湿度90%の条件下で500時間さらすことで加速試験を行った。また加速試験後の有機発光装置の性能を、有機発光素子を発光させたときの輝度で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2010003682
可溶性薄膜であるストロンチウムの膜厚が10nmの場合、加速試験前において、有機発光装置5枚のうち1枚に有機発光素子の一部に輝度が5%低下した部分が発生した。これは、ストロンチウムの膜厚が薄いために外部接続端子10を完全に覆うことができず、外部接続端子10の一部に保護膜が直接形成されたために、保護膜を剥離除去できない部分ができたために接触不良が発生したことが原因であると考えられる。
また加速試験を行った後、ストロンチウム膜の膜厚が10nmであった有機発光装置5枚のうち先とは別の1枚は、有機発光素子の輝度低下が新たに発生した。一方、可溶性薄膜の膜厚が20nm〜500nmの有機発光装置では、加速試験を行った後も輝度低下部は発生しなかった。このように、外部接続端子8上に十分な膜厚の可溶性薄膜(保護膜除去層12)を形成することにより、保護膜9を可溶性薄膜ごと剥離することができたために、FPC14の実装が正常に行えることがわかった。
以上の工程により、有機発光装置を作製した。本発明で用いた有機発光装置の製造方法は、外部接続端子上から保護膜を除去する工程を他のプロセスと兼ねることができるため、工程数の増加が少なく、生産性が向上しコストを低減することができた。
[実施例2]
実施例1と同様にして、ガラス基板上に下部電極までを形成した。ただし、図5(a)に示したように、実施例1とは大判基板上のパネル一つおきに外部接続端子が向き合うように配置した点で異なっている。
次に、下部電極上及び外部接続端子上に有機化合物層及び上部電極を順次形成した。
具体的には、まず真空蒸着法により、αNPDを成膜し正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を50nmとした。次に、真空蒸着法により、アルミキレート錯体(Alq3)とクマリン6とを重量比で100:6となるように共蒸着し発光層を形成した。このとき発光層の膜厚を50nmとした。次に、フェナントロリン化合物(Bphen)を成膜し電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。次に、先程のフェナントロリン化合物と炭酸セシウム(Cs2CO3)とを重量比で100:1となるように共蒸着して電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を40nmとした。これらの有機化合物層は蒸着を行なう際にマスクを用いることにより、バンクで分離される各々の有機発光素子の領域上、及び外部接続端子8上に分けて形成される。尚、外部接続端子8上に設けられている有機化合物層は、保護膜除去層12として機能する(図5(b))。
次に、スパッタリング法により電子注入層上にITOを成膜し上部電極を形成した。このとき上部電極の膜厚を220nmとした。これにより、大判基板10上に、マトリックス状に配列された有機発光装置を形成した。
次に、プラズマCVD法により、図5(c)に示すように、有機発光装置の全面を覆うように保護膜9を形成した。具体的には、材料ガスとして、SiH4ガスとN2ガスと流量を、それぞれ10sccm、500sccmとし、高周波電力80W、圧力90Paの条件下で、プラズマCVD法により成膜した。形成された保護膜の膜厚は3μmであった。
次に、大判基板10の有機発光素子、保護膜等が形成されていない側から、スクライブマシンによって有機発光装置1基ごとに分割した。ここで、スクライブライン30の切断面は、保護膜及びガラス基板で構成される積層構造となっている。一方、外部接続端子に最も近いスクライブライン30aの切断面は、保護膜、有機化合物層、ガラス基板で構成される積層構造である。
次に、分割した有機発光装置をブラシ洗浄し、切断面に付着するカレット(切りくず)を除去した。尚、ブラシ洗浄を行うときは、切断面近くに多くあるカレットを除去するために、切断面から10mmの範囲について、回転ブラシ40を回転させながらブラシ洗浄した。また洗浄の際に純水を洗浄液として使用した。この結果、外部接続端子に最も近いスクライブライン30aでは、外部接続端子上に設けられている有機化合物層及び保護膜が、共に剥離してほとんどなくなっていた。これは、有機化合物層の構成材料が水を吸収して膨張するのに対して保護膜はほとんど膨張しないため、保護膜が有機化合物層から剥離し、外部接続端子に対して密着力の低い有機化合物層もブラシ洗浄により洗い落とされたからと考えられる。
次に、有機発光装置を80℃に加熱して乾燥させた。以上の工程により、有機発光装置を得た。
次に、外部接続端子上に必要な長さのACFを仮圧着した。ACF13に含まれる導電粒子13aには、直径約5μmのプラスチックビーズ上に金メッキしたものを用いた。尚、この導電粒子13aは真球形状ではなく、高さ0.5μm程度の突起が形成されており、表面を金でコーティングしたものである。次に、基板位置合わせマーク(不図示)とFPCのFPC位置合わせマーク(不図示)の位置合わせを行った。マーク位置が合った後、熱圧着ヘッド(不図示)の下にセットし、ACFの融解温度までヒーターヘッドを加熱し、圧着圧力3MPa、圧着時間15秒で圧着を完了した。以上により4基の有機発光装置を作製した。
(有機発光装置の評価)
得られた有機発光装置について、まず外部接続端子の接触抵抗を測定した。図6において、有機発光装置の基板1上には、保護膜及び有機化合物層が除去された領域60があり、この領域に外部接続端子8が露出している。また外部接続端子8上にはACFが貼り付けられている領域61があり、その上からFPC14が圧着されている。
ここで、外部接続端子8とFPC14側の端子部14aと間の初期抵抗値を測定した。測定には、岩通デジタルマルチメーターVOACを用いて行った。
その結果、外部接続端子中の任意の5ライン(装置1基あたり)の接触抵抗は、作製した有機発光装置のうち測定した4基全てが3.0Ω〜5.0Ωの範囲内にあった。
また作製した有機発光装置に外部回路から発光信号を供給したところ、4基の有機発光装置の全てにおいて発光が確認された。
さらに本実施例で作製した有機発光装置について、温度60℃湿度90%の条件下で、高温高湿度条件下における耐久試験を実施した。試験後の有機発光装置について、前述した方法で外部接続端子の接触抵抗を測定した。その結果、耐久試験を行う前と比べて抵抗値の上昇は10%以内に収まった。また、試験後の有機発光装置に外部回路から発光信号を供給したところ、4基の有機発光装置の全てに発光が確認された。
以上より、従来のマスキング法、フォトリソグラフ法を用いることなく、プロセスを追加することなく、かつ低コストで外部接続端子上の保護膜を除外することができた。また本実施例で作製された有機発光装置の実装部分は、従来と変わらぬ耐久性を有することがわかった。
1:基板、2:TFT回路、3:平坦化膜、4:下部電極、5:バンク、6:有機化合物層、7:上部電極、8:外部接続端子、9:保護膜、12:保護膜除去層、30(30a):スクライブライン

Claims (4)

  1. 外部接続端子を備える基板と、
    該基板上に設けられる有機発光素子と、
    該有機発光素子を覆う保護膜と、を有する有機発光装置の製造方法であって、
    前記外部接続端子上に保護膜除去層を設ける保護膜除去層配置工程と、
    前記基板上に前記保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜が形成された基板を分断する基板分断工程と、
    前記基板を水、水溶液または有機溶媒にて洗浄する洗浄工程と、をこの順で含み、
    前記洗浄工程の結果、前記保護膜除去層及び前記保護膜が前記外部接続端子上から除去されることを特徴とする有機発光装置の製造方法。
  2. 前記保護膜除去層は、前記洗浄工程で用いられる水、水溶液または有機溶媒に溶解する可溶性薄膜であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
  3. 前記可溶性薄膜がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物又は有機化合物のいずれかよりなることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光装置の製造方法。
  4. 前記保護膜除去層が前記有機発光素子に含まれる有機化合物層であり、
    前記有機化合物層は前記洗浄工程で用いられる水、水溶液または有機溶媒により膨張する膜であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光装置の製造方法。
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