JP2017002618A - 非常用扉の開閉装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 左右の扉の開閉順序があらかじめ決められている両開き式の非常用扉において、親扉と子扉のどちらから先に操作しても両扉が円滑に開扉される開閉装置を提供する。【解決手段】 親扉1A及び子扉1Bに、それぞれのハンドル操作によって各扉1の閉鎖手段を解除側に動かす開扉操作手段が設けられるとともに、親扉1Aと子扉1Bとの召合せ部分には、子扉1B側の開扉操作を親扉1A側に伝達する開扉連係手段が設けられる。この開扉連係手段は、子扉1B側の開扉操作手段によって親扉1A側に作用する子扉1B側の作動機構と、それに応じて親扉1A側の開扉操作手段を動かす親扉1A側の従動機構とを備え、子扉1B側の開扉操作手段を用いて子扉1B側の閉鎖手段を解除すると、前記作動機構及び従動機構を介して親扉1A側の閉鎖手段も解除される。【選択図】 図9

Description

本発明は、特に緊急時の脱出用として各種施設に設置される両開き式の非常用扉を、簡単迅速に開放するための開閉装置に関する。
大勢の人々が利用する公共施設や商業施設、業務施設等においては、火災等の緊急事態が発生した際に、人々が安全かつ迅速に屋外へと脱出するための避難経路を設ける必要がある。そのような避難経路に設置される非常用扉の開閉装置として、例えば特許文献1〜3等に開示されたものが公知である。
かかる開閉装置の基本的な構成は、扉(ウイング)の屋内側に取り付けられた横長のプッシュハンドル(「パニックハンドル」とも称される。)を押すと、該ハンドルに連結されたアームが、扉の戸先近傍に取り付けられた施錠装置を解錠方向に動かして、扉の戸先面から突出しているドアボルト(デッドボルト又はラッチボルト)を没入させることにより、扉の拘束が解除されて開扉可能になる、というものである。このようなドアボルトを有する施錠装置と、扉の上下にピンまたはラッチ状の固定部材を突出させて開口枠の上下2ヶ所に係合させる固定具とを組み合わせた、3点締り(多点締り)式の開閉装置もよく利用されている。プッシュハンドルを押すことによって扉を屋外側に開放するように構成された開閉装置は、非常口に押し寄せる人波の圧力に逆らわず、人々を円滑に避難させる、という利点を有する。
本出願人も特許文献4において、非常用扉を、より素早く確実に開くことができるように改良した開閉装置を提案している。
かかる非常用扉は、間口を大きく取れるように両開き方式で設置されることも多い。その種の両開き扉においては、平常時の閉扉状態における防犯や風除けのため、両扉の召合せ部分に沿って目板(目隠し板)が取り付けられる場合がある。そのような目板が取り付けられた両開き扉は、一方の扉が先開き・後閉め側となり、他方の扉が後開き・先閉め側となるように規定される。
特許文献5〜8には、先開き・後閉め側になる扉(本発明においては、説明の便宜上、この種の扉を「親扉」と総称する。)と、後開き・先閉め側になる扉(同じく、「子扉」と総称する。)とによって構成される両開き方式の非常用扉に関して、親扉を開くと子扉も開扉可能になり、親扉を閉めると子扉も固定されるように構成された開閉装置が提案されている。また、特許文献9には、子扉を先に固定しておかなければ親扉を閉めて施錠できず、親扉を閉めて施錠した状態では子扉の固定を解除できないように構成した開閉装置が提案されている。
特開昭60−253675号公報 実公平3−32697号公報 特開平8−86133号公報 特開2012−233304号公報 特開平6−58032号公報 特開2007−170071号公報 特開2007−315139号公報 特開2010−37779号公報 特開2003−307067号公報
前述のような両開き式の非常用扉においては、非常時に、まず先開き側の親扉を開き、続いて後開き側の子扉を開くことによって、避難のための間口を確保することができる。しかしながら、いざというときに、非常用扉の近くに居る人が、親扉と子扉の位置関係を的確に判断し、正しい手順で親子扉を開扉できるとは限らない。特に、左右の扉幅が同程度である場合は、親扉と子扉との区別がつきにくいので、当該施設に不馴れな人が、慌てて子扉側から避難しようとして、子扉側のハンドルを先に操作する、といった事態も起こり得る。
前記従来のような親子扉では、そのような状況で先に子扉側の固定を解除したとしても、親扉側の固定を解除するまでは、どちらの扉も開かない。そして、子扉を無理に押し続けると、両扉の召合せ部分を介して親扉にも異常な負荷が加わり、各部に好ましくない摩擦力が生じるなどして、ドアボルトや上下の固定具の解除が阻害されるおそれがある。すると、親扉側のハンドルを押し下げても親扉が円滑に開かず、その結果、避難が遅れてしまうことにもなりかねない。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、召合せ部分に目板が取り付けられるなどの理由により左右の扉の開閉順序があらかじめ決められている両開き式の非常用扉において、先開き・後閉め側になる親扉と、後開き・先閉め側になる子扉のどちらから先に開扉操作しても、両扉が円滑に開扉される開閉装置を提案するものである。
なお、本発明における「非常用扉」とは、扉の種類や日常的な利用態様について特に厳密に規定されるものではなく、緊急時の避難用として利用される可能性がある扉全般を包括する。
また、本発明においては、扉が「屋内側」から「屋外側」に向けて開放されるものと設定し、各部位・部材の位置関係を、「屋内(側)/屋外(側)」という表現で説明するが、この基準は説明の便宜上のものであって、「屋内」及び「屋外」に相当する各領域の形態や規模、利用態様等は特に限定しない。つまり、本発明の構成は、非常用扉が設置される施設において、緊急時に退出すべき区域が「屋内」、相対的に安全な区域が「屋外」に該当するものとして理解されるべきである。
前述の目的を達成するために本発明が採用した基本的構成は、開口枠の内側に、先開き・後閉め側になる親扉と、後開き・先閉め側になる子扉とが屋外側に向けて両開きとなるように取り付けられ、前記子扉には、子扉の上下に出没して前記開口枠に係脱する固定具により閉扉状態の子扉を前記開口枠に対して固定する子扉側の閉鎖手段が設けられるとともに、前記親扉には、親扉の上下に出没して前記開口枠に係脱する固定具と、親扉の戸先錠面に出没して子扉に係脱するドアボルトとにより、閉扉状態の親扉を前記開口枠及び前記閉扉状態の子扉に対して固定する親扉側の閉鎖手段が設けられた親子式の非常用扉の開閉装置であって、前記親扉及び前記子扉には、各扉の屋内側に個別に取り付けたハンドルの押込操作によって各扉の閉鎖手段を解除側に動かす開扉操作手段がそれぞれ設けられるとともに、前記親扉と前記子扉との召合せ部分には、子扉側の開扉操作を親扉側に伝達する開扉連係手段が設けられ、前記開扉連係手段は、子扉側の開扉操作手段によって親扉側に作用する子扉側の作動機構と、前記作動機構の動きに応じて親扉側の開扉操作手段を動かす親扉側の従動機構とを備え、前記子扉側の開扉操作手段を用いて子扉側の閉鎖手段を解除すると、前記作動機構及び従動機構を介して親扉側の閉鎖手段も解除されることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記基本的構成において、前記親扉と前記子扉との召合せ部分に目板が取り付けられ、子扉側のハンドル操作によって閉鎖手段が解除された子扉を押し開くと、前記目板を介して親扉も押し開かれ、親扉が親扉側のハンドル操作を要さずに開扉可能になることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記子扉側の作動機構が、子扉の戸先錠面に出没する作動杆及びボルト押戻部材と、前記作動杆及び前記ボルト押戻部材を子扉側のハンドル操作に連動して動かす連係リンク部材と、を含んで構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記親扉側の従動機構が、親扉の戸先錠面に主没して前記作動杆に当接する従動杆と、前記従動杆の出没に連動してドアボルトの出没を規制するドアボルトストッパと、を含んで構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記連係リンク部材が、前記作動杆の始動に対して前記ボルト押戻部材の始動をわずかに遅らせるように構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記親扉側に、前記ドアボルトが没入して親扉側の閉鎖手段が解除された状態で、前記親扉側の開扉操作手段を拘束する開扉状態保持手段が設けられるとともに、前記開扉状態保持手段は、前記子扉及び前記親扉が閉扉して両扉の召合せ面が相対すると該拘束状態を解除するリセット手段を具備していることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記子扉に、子扉側の閉鎖手段が解除されて、前記作動杆が召合せ面から突出するとともに前記ボルト押戻部材がドアボルトの受口を塞いだ状態で、前記連係リンク部材を拘束する開扉状態保持手段が設けられるとともに、前記開扉状態保持手段は、前記子扉及び前記親扉が閉扉して両扉の召合せ面が相対すると該拘束状態を解除するリセット手段を具備していることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記親扉に屋外側から操作可能な錠装置及び外ハンドルが取り付けられ、前記錠装置の解錠操作により前記親扉側の従動機構が動いてドアボルトの出没規制が解除され、前記外ハンドルの操作により親扉側の閉鎖手段が解除されることを特徴とする。
上述のように構成される本発明の非常用扉の開閉装置は、先開き・後閉め側になる親扉の屋内側に取り付けられたハンドルの押込操作によって親扉が開扉可能になるだけでなく、後開き・先閉め側になる子扉の屋内側に取り付けられたハンドルの押込操作によっても子扉と親扉の両方が開扉可能になるように構成されている。つまり、どちらか一方の扉のハンドルを押せば、少なくともその扉は無理なく開くので、緊急時に扉を開く際の先後順がわからなくても、戸惑うことなく扉を開いて迅速に避難することができる。
さらに、親扉と子扉との召合せ部分に目板が取り付けられている場合には、子扉側のハンドル操作によって閉鎖手段が解除された子扉を押し開くと、目板を介して親扉も押し開かれるので、両扉の開扉がさらに容易になる。
本発明の実施形態にかかる親子式の非常用扉の全体的構成を示す屋内側正面略図である。 前記非常用扉の屋外側正面略図である。 前記非常用扉における召合せ部分近傍の上面略図である。 前記非常用扉の親扉の屋内側に取り付けられるハンドルの構成を示す横断面略図であり、(a)は閉扉時の状態、(b)は開扉操作時の状態をそれぞれ示す。 前記非常用扉の開閉装置の全体的構成を示す屋内側正面略図である。 前記開閉装置における親扉側の閉鎖手段を解除側に動かし始めた状態を示す屋内側正面略図である。 同、親扉側の閉鎖手段を解除し終えた状態を示す屋内側正面略図である。 前記開閉装置における子扉側の閉鎖手段を解除側に動かし始めた状態を示す屋内側正面略図である。 同、子扉側の閉鎖手段を解除し終えた状態を示す屋内側正面略図である。 前記開閉装置における親扉側の閉鎖手段を屋外側から解錠して開扉する際の動作を示す屋内側正面略図である。 前記開閉装置における親扉側の開扉状態保持手段と、そのリセット手段の構成を示す屋内側正面略図である。 前記開閉装置における子扉側の開扉状態保持手段と、そのリセット手段の構成を示す屋内側正面略図である。 前記非常用扉の開閉時における前記開閉装置の内部の組み付け状態を立体的に示した斜視略図である。 同じく、別方向からの斜視略図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
(非常用扉の全体的構成)
図1〜図3は本発明の実施形態にかかる親子式の非常用扉の全体的構成を示す。図1は、非常用扉を屋内側(退室側)から見た外観を示し、図2は前記非常用扉を屋外側(入室側)から見た外観を示している。また、図3は、前記非常用扉の召合せ部分近傍を上方から見た外観を示している。
例示の非常用扉は、開口枠2内に、2枚の扉(ウイング)1、1が屋外側に向けて両開きとなるように取り付けられたものである。図2及び図3に示すように、両扉1、1の召合せ部分には、両扉1、1の隙間を防ぐ目板(目隠し板)3が、扉1の高さ方向略全体にわたって取り付けられている。例示形態においては、図3に示すように、屋内側から見て右側の扉1の屋外側に目板3が取り付けられており、この目板3の位置によって左右の扉1、1の開閉順序が規定される。つまり、図1及び図3において、右側が先開き・後閉め側の親扉1Aとなり、左側が後開き・先閉め側の子扉1Bとなる。この目板3は子扉1Bの屋内側に取り付けられていてもよいし、親扉1Aの屋外側と子扉1Bの屋内側との両方に取り付けられていてもよい。以下、両扉1、1に共通する構成要素の説明に関して親扉1A側と子扉1B側とを区別する必要がある場合は、各構成要素の符号に「A(親扉)」または「B(子扉)」を付す。
各扉1の吊元側には、各扉1を回動自在に保持する適宜のヒンジ部材4が取り付けられている。また、開かれた各扉1を閉扉側に付勢して自動的に閉じるために、各扉1に適宜のドアクローザ(図示せず)等が取り付けられる。ただし、本発明においては、ヒンジ部材4やドアクローザ等の具体的構成は特に限定しない。
各扉1には、閉扉状態にある各扉1を、不用意に開かないように開口枠2内に固定する閉鎖手段と、それを解除側に動かす開扉操作手段とが組み付けられている。子扉1B側の閉鎖手段は、子扉1Bの上下に固定具が出没して開口枠2の上枠部及び下枠部にそれぞれ係脱する2点締まりとなっている。また、親扉1A側の閉鎖手段は、親扉1Aの上下に固定具が出没して開口枠2の上枠部及び下枠部にそれぞれ係脱するとともに、親扉1Aの戸先錠面にドアボルト5が出没して子扉1Bの戸先錠面に係脱する3点締まりとなっている。なお、本明細書中の記載における「開口枠」には、枠内の床部材も含む。
各扉1の開扉操作手段は、各扉1の屋内側にそれぞれ取り付けられた横長のハンドル6を手動で操作することにより駆動される。親扉1A及び子扉1Bにそれぞれ取り付けられるハンドル6A、6Bは同一の構成を具備しており、内部機構の動作が互いに左右対称になるように取り付けられている。以下、図3及び図4を参照しつつ、親扉1A側に取り付けられるハンドル6Aの構成を説明する。
(ハンドル)
親扉1A側のハンドル6Aは、ハンドルボックス61A、プッシュバー62A、リンクプレート63、リンクプレート取付片64、スライドバー65、作動レバー66A、バネ部材67、等を組み合わせて構成されている。
ハンドルボックス61は、横長の箱状部材で、親扉1Aの屋内面に固定されている。プッシュバー62Aは、ハンドルボックス61の屋内側に被せられて、ハンドルボックス61の内側に取り付けられたバネ部材67による反発力を受けながら、屋外側に向けて適宜のストロークで押し込むことができるように保持される。
ハンドルボックス61の内側の左右2ヶ所にはリンクプレート取付片64が固定されており、このリンクプレート取付片64にそれぞれリンクプレート63が取り付けられている。リンクプレート63は上面視略三角形状の板状部材で、その角部近傍3ヶ所に軸部材が取り付けられている。図中右側に配された第1の軸部材631は、リンクプレート取付片64に不動状態で軸着されており、この軸部材631を支点にしてリンクプレート63が水平面内で揺動し得るように保持される。図中左側に配された第2の軸部材632は、プッシュバー62の裏面に当接する状態に保持され、プッシュバー62の押し込み操作によって図中上向きに揺動する。図中上側に配された第3の軸部材633は、スライドバー65に連結され、プッシュバー62の押し込み操作によって図中右向きに揺動する。スライドバー65は、横方向に延びる棒状の部材で、その左右2ヶ所が軸部材633を介してリンクプレート63に連結され、リンクプレート63の揺動に伴って図中右向きに平行移動する。
なお、この種の軸部材に関する以下の説明において、対応する図面には、その位置が動かずに動作の支点となる軸部材(固定軸)を黒丸で表し、その位置が動いて力点または作用点になる軸部材(作動軸)を白丸で表すこととする。
作動レバー66Aは、その基端が固定軸661を介してハンドルボックス61に軸着され、その中間部が作動軸662を介してスライドバー65の吊元側端部に連結されている。そして、先端に延びる作動爪部68Aが、親扉1Aに組み付けられた錠ケース10Aの内部まで挿入されている。
開扉操作に際しては、図4(a)の状態からプッシュバー62Aを押し込むと、リンクプレート63が固定軸631を支点にして図中時計回りに揺動し、スライドバー65が図中右向きに平行移動して、作動レバー66Aの作動爪部68Aが図中右向きに揺動する。このようにして、親扉1A内に組み付けられた開扉操作手段に図中右向きの駆動力が作用することになる。
他方、詳細な説明は省くが、図3に示したように、子扉1B側のハンドル6Bは親扉1A側のハンドル6Aを左右反転させるようにして子扉1Bの屋内側に取り付けられており、プッシュバー62Bを押し込むと、作動レバー66Bの作動爪部68Bが屋内側から見て左向きに揺動する。それ以外の構成は親扉1A側と同じである。
(開閉装置の全体的構成)
図5は、この非常用扉が閉じられて、特に何も操作されていない状態における開閉装置の全体的構成を示した屋内側正面略図である。各扉1を閉扉状態のまま保持する閉鎖手段と、それを解除側に動かす開扉操作手段の主要部は、各扉1の戸先側にそれぞれ取り付けられた略箱状の錠ケース10A、10B内に組み付けられている。また、図13及び図14は、該閉鎖時における錠ケース10A、10B内部の主要な部材の組み付け状態を立体的なイメージで示したものである。以下、主に図5を参照しつつ、各扉1の閉鎖手段及び開扉操作手段等の詳細な構成について説明する。
(親扉の閉鎖手段及び開扉操作手段)
図5の右側に示した親扉1Aの閉鎖手段は、親扉1Aの上下に出没して開口枠2に係脱する2点締めの固定具と、親扉1Aの戸先から出没して子扉1Bの戸先錠面に係脱するドアボルト5とを連係させたものとして構成される。
固定具は、錠ケース10Aから上方及び下方に延びる上下一対の延伸ロッド11、延伸ロッド11の先端にそれぞれ取り付けられた上下一対の係合部材12(図1、2参照)、各延伸ロッド11の基部にそれぞれ結合されて錠ケース10A内に組み込まれる上下一対のロッドコネクタ13、上下のロッドコネクタ13にそれぞれ連結された上下一対のベルクランク14、上下のベルクランク14同士を連結するクランクコネクタ15、ロッドコネクタ13を突出側に付勢するバネ部材16、クランクコネクタ15に結合された受動シャフト17A及び受動フレーム18、等を組み合わせて構成されている。
閉鎖時には、バネ部材16がロッドコネクタ13を上下に押し出し、延伸ロッド11の先端に取り付けられた係合部材12が、開口枠2の上枠部及び下枠部(または床面)にそれぞれ設けられた適宜の係合凹部21に係合する。なお、係合部材12は、単純な棒状の部材でもよいし、扉1が閉じて開口枠2に当接すると自動的に没入した後、弾性復帰して係合するラッチ状の部材でもよい。また、開口枠2側の係合凹部21の形状も、係合部材12に合わせて適宜設計されればよい。
ベルクランク14は、略L字状をなし、その屈曲部近傍に設けられた固定軸141を介して錠ケース10A内に揺動自在に取り付けられている。ベルクランク14の一端は作動軸142を介してロッドコネクタ13に連結され、他端は作動軸143を介してクランクコネクタ15に連結されている。
クランクコネクタ15には、受動シャフト17Aと受動フレーム18とが一体的に結合され、さらに受動フレーム18の戸先側にはドアボルト5が結合されている。これらの結合体は、錠ケース10A内を図中左右方向に摺動し得るように保持されている。さらに、受動シャフト17Aにはバネ部材171が挿装されて、該結合体を図中左向きに付勢しており、これによってドアボルト5が親扉1Aの戸先上面から突出するように保持される。
この受動フレーム18の内側には、錠ケース10Aに形成された横長矩形のガイド孔101を通じて、前述した作動レバー66Aの作動爪部68Aが挿し込まれている。例示形態では、作動爪部68Aは上下一対で動作するように組み付けられている。
また、受動フレーム18の上側には、ドアボルト5の出没を規制するドアボルトストッパ31が、固定軸311を介して錠ケース10A内に揺動自在に取り付けられている。閉鎖時には、ドアボルトストッパ31の戸先側端部が自重で自然に下がってドアボルト5の背面近傍に掛止され、ドアボルト5を含む結合体が図中右向きに移動するのを規制している。
また、ドアボルトストッパ31の図中右側には、ストッパ解除フック32が、固定軸321を介して錠ケース10A内に揺動自在に取り付けられている。ストッパ解除フック32の図中左端は掛止ピン322を介してドアボルトストッパ31の図中右端に掛止しており、ストッパ解除フック32の図中右端は作動レバー66の作動爪部68付近に保持されている。
これらによって構成された親扉1A側の閉鎖手段は、親扉1A側のハンドル操作により、図6から図7に示すようにして解除される。すなわち、図5の状態で、親扉1Aの屋内側からプッシュバー62A(図3参照)を押すと、作動レバー66Aの作動爪部68Aが図中右向きに動いて、図6に示すように、まず、ストッパ解除フック32の図中右端を摺り上げる。すると、ストッパ解除フック32の図中左端が下向きに動き、掛止ピン322を介してドアボルトストッパ31の図中右端も下向きに動く。これにより、ドアボルトストッパ31の戸先側端部が持ち上げられてドアボルト5の背面から離れ、ドアボルト5とこれに結合された受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15との結合体が右向きに摺動可能になる。
さらに作動レバー66Aの作動爪部68Aを右方へ動かすと、図7に示すように、作動爪部68Aが受動フレーム18を含む結合体をさらに右方へと移動させる。これにより、ドアボルト5が子扉1Bの戸先錠面から離脱するとともに、ベルクランク14が固定軸141を支点に揺動して、ベルクランク14とロッドコネクタ13との連結部が受動シャフト17A側へと引き寄せられ、延伸ロッド11が後退して、それらの先端に取り付けられた係合部材12が開口枠2から離脱する。こうして3ヶ所の固定点が解除されると、プッシュバー62Aを押している力で、そのまま親扉1Aを屋外側に開くことができる。
(子扉の閉鎖手段及び開扉操作手段)
子扉1Bの閉鎖手段は、子扉1Bの上下に出没して開口枠2に係脱する2点締めの固定具によって構成される。この固定具の構成は、前述した親扉1A側の固定具の構成とほぼ同一である。すなわち、図5の左側に示したように、上下一対のロッドコネクタ13から延伸ロッド11がそれぞれ延び、その先端に取り付けられた係合部材12(図1、2参照)が、バネ部材16の付勢力を得て、開口枠2の上枠部及び下枠部(または床面)にそれぞれ設けられた係合凹部21に係合する。ロッドコネクタ13にはベルクランク14が連結され、さらに上下のベルクランク14同士はクランクコネクタ15に連結されている。
クランクコネクタ15には、受動シャフト17B及び受動プレート19が一体的に結合されており、これらの結合体は、錠ケース10B内を図中左右方向に摺動し得るように保持されている。受動プレート19の図中右側には、錠ケース10Bに形成された横長矩形のガイド孔101を通じて、作動レバー66Bの作動爪部68Bが挿し込まれている。
これらによって構成された子扉1B側の閉鎖手段は、子扉1B側のハンドル操作により、図8から図9に示すようにして解除される。すなわち、図5の状態で、子扉1Bの屋内側に取り付けられたハンドル6Bのプッシュバー62B(図3参照)を押すと、作動レバー66Bの作動爪部68Bが図中左向きに動いて、受動プレート19、受動シャフト17B及びクランクコネクタ15の結合体を左方へと移動させる。すると、ベルクランク14が固定軸141を支点に揺動して、ロッドコネクタ13及び延伸ロッド11が受動シャフト17B側へと引き寄せられ、延伸ロッド11の先端に取り付けられた係合部材12が開口枠2から離脱する。
ただし、このようにして上下2ヶ所の固定点を解除しても、子扉1Bの戸先錠面には親扉1A側のドアボルト5が係合したままなので、まだ子扉1Bは開かない。そこで、この開閉装置には、子扉1B側の開扉操作を親扉1A側にも伝達して、親扉1Aの閉鎖手段も解除するための開扉連係手段が設けられている。
(開扉連係手段)
開扉連係手段は、子扉1B側から親扉1A側に作用する子扉1B側の作動機構と、それに応じて親扉1A側の開扉操作手段を動かす親扉1A側の従動機構とによって構成される。
子扉1B側の作動機構は、子扉1Bの戸先錠面に出没して親扉1Aとの召合せ面に作用する作動杆41と、子扉1Bの錠ケース10B内からドアボルト5の先端に向けて主没するボルト押戻部材42と、それら作動杆41及びボルト押戻部材42を子扉1B側のハンドル操作に連動して動かす連係リンク部材と、を具備する。
連係リンク部材は、ロッカアーム43とリンクレバー44とを連結して構成される。ロッカアーム43は、その一端が受動シャフト17Bの戸先側端部に作動軸431を介して連結され、他端がリンクレバー44の下端近傍に作動軸432を介して連結されている。リンクレバー44は、その中間部が固定軸441を介して錠ケース10B内に軸支され、上端近傍が作動軸421を介してボルト押戻部材42に連結されている。さらに、リンクレバー44の上端には突出爪部442が延設されている。
作動杆41は、錠ケース10B内に取り付けられたホルダ411を介して、図中左右方向に摺動し得るように保持されている。作動杆41の頭部412は子扉1Bの戸先錠面からわずかに突出しているが、作動杆41の図中略左半部にはバネ部材413が挿装されて、頭部412の突出に抗する向きの付勢力を与えている。
作動杆41の中間部には、正面視略三角形状の揺れ子45がピン連結されて揺動自在に保持されている。揺れ子45の下端は、図5の状態では、略直立状態にあるリンクレバー44の突出爪部442によって持ち上げられている。
ボルト押戻部材42は、その平坦な頭側面をドアボルト5の先端に当接させ、錠ケース10B内で図中左右方向に摺動し得るように保持されている。
親扉1A側の従動機構は、親扉1Aの戸先錠面に主没して作動杆41に当接する従動杆51と、前述したドアボルトストッパ31から上方に延出された従動アーム33と、を組み合わせて構成される。従動杆51は、錠ケース10A内で図中左右方向に摺動し得るように保持され、その中間部には従動アーム33の上端に取り付けられた従動ピン331が係合している。従動杆51の頭部511は、親扉1Aの戸先錠面から突出して、作動杆41の頭部412に相対している。従動アーム33は、ドアボルトストッパ31の固定軸311を支点にして、ドアボルトストッパ31と一体的に揺動し、これに応じて従動ピン331が図中左右方向に揺動するように保持される。
これらの部材によって構成される開扉連係手段は、図8から図9に示すようにして親扉1A側の閉鎖手段を解除する。すなわち、図5の状態から、子扉1B側のハンドル操作によって作動レバー66Bの作動爪部68Bが図中左向きに動き、受動プレート19、受動シャフト17B及びクランクコネクタ15の結合体が左方へ移動し始めると、図8に示すように、受動シャフト17Bに連結されたロッカアーム43がリンクレバー44の下端を図中左方に引っ張って、リンクレバー44を図中右回りに回動させる。すると、まず、リンクレバー44の上端に形成された突出爪部442が揺れ子45を戸先側に押しやり、作動杆41の頭部412が親扉1A側にせり出して、親扉1A側の従動杆51を親扉1Aの錠ケース10A内に押し込む。
従動杆51が親扉1A側に押し込まれると、従動杆51の中間部に係合している従動ピン331を介して従動アーム33が図中右方に傾き、ドアボルトストッパ31の戸先側端部が持ち上げられてドアボルト5の背面から離れ、ドアボルト5とこれに結合された受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15の結合体が右向きに摺動可能になる。
この状態から、子扉1B側の作動レバー66Bの先端爪部68Bがさらに左方に動くと、図9に示すように、ロッカアーム43に引っ張られたリンクレバー44が大きく回動して、その突出爪部442が揺れ子45から離れる。しかし、揺れ子45の下端は錠ケース10B内に設けられた揺れ子掛止段部46に引っ掛かって、作動杆41はその頭部412をせり出した状態に保持される。
リンクレバー44が固定軸441を支点にして回動することにより、リンクレバー44の上端近傍に係合している作動軸421を介して、ボルト押戻部材42も右向きに移動する。より詳細には、リンクレバー44の固定軸441から、揺れ子45に当接する突出爪部442までの距離と、ボルト押戻部材42を連結する作動軸421までの距離との遠近差や、作動軸421の長孔形状等を調整することにより、作動杆41の始動に対してボルト押戻部材42の始動がわずかに遅れるように構成されている。
こうして、子扉1B側のボルト押戻部材42がドアボルト5を子扉1B側から押し出して親扉1A側に押し込むと、親扉1A側のハンドル6を操作したときと同様に、ドアボルト5、受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15の結合体が右方に移動して、ベルクランク14が揺動し、延伸ロッド11が後退して、親扉1A側の上下2ヶ所の固定点も解除される。
この状態になると、前述の通り子扉1B側の上下2ヶ所の固定点も解除されるので、子扉1B側のプッシュバー62Bを押せば、その力が目板3を介して親扉1Aに伝わり、子扉1Bと親扉1Aとを一緒に開くことができる。このような構成により、親扉1A側のハンドル操作を要さずに、子扉1B側のハンドル操作だけで子扉1Bと親扉1Aとを開扉することのできる開閉装置が実現する。
(屋外側からの開扉操作)
この種の非常用扉は、平常時においては、屋外側からは勝手に入れないように施錠され、必要があればキーで解錠して開扉できるのが実用的である。そこで、この非常用扉にも、図2に示すように、屋外側から操作可能な錠装置及び外ハンドルが親扉1A側に取り付けられている。それらについて、図10(a)及び(b)を参照しつつ説明する。
錠装置は、親扉1A側の錠ケース10Aの上部寄りに、屋外側からキーで解錠するシリンダ錠7等を取り付けて構成されている。シリンダ錠7の軸部には解錠カム71が結合されており、解錠時には、解錠カム71の先端が、従動杆51の図中右端に取り付けられた解錠ピン512に当接して、従動杆51を右方に動かす。すると、前述した開扉連係手段によって従動杆51が親扉1A側に押し込まれたときと同様に、従動ピン331を介して従動アーム33が図中右方に傾き、ドアボルトストッパ31の戸先側端部が持ち上げられてドアボルト5の背面から離れ、ドアボルト5とこれに結合された受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15との結合体が右向きに摺動可能になる。
外ハンドルは、親扉1A側の錠ケース10Aの下部寄りに、レバーハンドル8、或いはこれに類するノブその他の把手部材を取り付けて構成されている。レバーハンドル8の軸部81にはレバーカム82が結合されており、レバーカム82の先端は受動フレーム18に当接している。ドアボルトストッパ31がドアボルト5と受動フレーム18等との結合体の移動を規制している状態では、レバーハンドル8を操作しようとしても動かないが、前述の解錠操作によって該結合体を摺動可能にすると、レバーハンドル8を操作して、レバーカム82で該結合体を右方に動かすことができる。これにより、ドアボルト5が子扉1Bの戸先錠面から離脱するとともに、ベルクランク14も揺動して上下2ヶ所の固定点が解除され、親扉1Aが開扉可能になる。
(親扉の開扉状態保持手段とリセット手段)
これまで説明したように、親扉1A側の閉鎖手段は、(1)親扉1A側のハンドル操作、(2)子扉1B側のハンドル操作から開扉連係手段を介した開扉操作、(3)屋外側からの解錠操作を伴う外ハンドル操作、の3通りの方法によって、同様に解除される。ただし、どの方法で解除された場合でも、親扉1Aのドアボルト5及び固定具は突出側に常時付勢されているので、親扉1Aが開いてハンドル6Aから手が離れるなどすれば、ドアボルト5及び固定具は突出位置に復帰する。すると、ドアクローザ等の付勢力によって親扉1Aが自動的に閉じようとしても、突出したドアボルト5が子扉1Bの戸先にぶつかって閉扉できないので、日常的な使い勝手が良くない。
そこで、この非常用扉には、いずれかの開扉操作によって親扉1A側の閉鎖手段が解除され、ドアボルト5が一旦、引き込まれたら、親扉1A及び子扉1Bの両方が閉扉位置に戻って召合せ面同士が相対するまで、その状態を保持する開扉状態保持手段と、そのリセット手段とが設けられている。具体的には、図11に示すように、ドアボルト5が突出位置に戻るのを規制する復帰ストッパ91Aが、受動フレーム18の下面に相対するようにして取り付けられるとともに、さらにその下方に、両扉の召合せ面同士が相対したときに復帰ストッパ91Aを解除するリセットトリガ92Aが取り付けられている。
復帰ストッパ91Aは横長の部材で、その中間部が固定軸911を介して錠ケース10A内に取り付けられ、シーソーのように揺動する。復帰ストッパ91Aは、戸先側のほうが吊元側よりもやや重くなるように形成されて、外力を受けなければ自重で図中左下がりになるが、閉鎖時には、復帰ストッパ91Aの上縁が受動フレーム18の下面に形成されたストッパ掛止段部181に接触して、略水平の姿勢に保持される。
そして、前記いずれかの開扉操作によってドアボルト5、受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15の結合体が図中右方に移動すると、ストッパ掛止段部181が復帰ストッパ91Aの吊元側端部を超えたところで復帰ストッパ91Aが左下がりに傾き、吊元側端部の角部をストッパ掛止段部181に掛止させた状態で該結合体を拘束する。こうして、ドアボルト5及び固定具が突出位置に復帰することが規制され、親扉1A側の開扉状態が保持されることとなる。
なお、例示形態では、親扉1A側からの開扉操作と子扉1B側からの開扉操作との間で、ドアボルト5の押し込まれる位置が若干相違するため、それに合わせてストッパ掛止段部181を2ヶ所設けているが、設計寸法の調整等によってストッパ掛止段部181が1ヶ所に統一されてもよい。
リセットトリガ92Aは略棒状の部材で、錠ケース10A内で略水平に摺動しうるように、適宜のホルダ921を介して取り付けられている。リセットトリガ92Aにはバネ部材922が挿装され、その付勢力によって、頭部923が親扉1Aの戸先錠面から突出するように保持されている。戸先錠面からの突出長さは、親扉1Aと子扉1Bとの召合せ部の隙間よりも大きくなるように設定されている。頭部923の先端は、子扉1Bの戸先に接触すると自然に押し込まれるようなラッチ形状に形成されている。
リセットトリガ92Aの中間部には、復帰ストッパ91Aの戸先側下縁に干渉するリセット突片924が取り付けられている。そして、親扉1A及び子扉1Bの両方が閉扉位置に戻って召合せ面同士が相対すると、リセットトリガ92Aの頭部923が子扉1Bに接触して押し込まれ、リセット突片924が復帰ストッパ91Aの戸先側下縁を摺り上げる。すると、復帰ストッパ91Aが略水平の姿勢に戻り、その吊元側端部が受動フレーム18のストッパ掛止段部181から外れ、ドアボルト5、受動フレーム18、受動シャフト17A及びクランクコネクタ15の結合体の拘束が解かれて移動が可能になり、ドアボルト5及び固定具が閉鎖時の突出位置(図5参照)に復帰する。
このような開扉状態保持手段と、そのリセット手段を設けることにより、親扉1Aの日常的な使い勝手が向上する。
(子扉の開扉状態保持手段とリセット手段)
この非常用扉は、子扉1B側にも、前述した親扉1A側と同様の開扉状態保持手段及びそのリセット手段が設けられている。具体的には、図12に示すように、ボルト押戻部材42が没入位置に戻るのを規制する復帰ストッパ91Bが、ロッカアーム43及びリンクレバー44の下方に取り付けられるとともに、さらにその下方に、両扉1、1の召合せ面同士が相対したときに復帰ストッパ91Bを解除するリセットトリガ92Bが取り付けられている。
復帰ストッパ91Bは、親扉1A側の復帰ストッパ91Aと同様の部材で、親扉1A側とは左右対称になるように錠ケース10B内に取り付けられている。閉鎖時には、図5に示したように、復帰ストッパ91Bの上縁にロッカアーム43またはリンクレバー44の下端縁が接触して、復帰ストッパ91Bが略水平の姿勢に保持される。
リセットトリガ92Bも親扉1A側のリセットトリガ92Aと同様の部材で、親扉1A側とは左右対称になるように錠ケース10B内に取り付けられ、バネ部材922の付勢力によって、頭部923を子扉1Bの戸先錠面から突出させている。
子扉1B側の開扉操作によって、受動プレート19、受動シャフト17B及びクランクコネクタ15の結合体が左方に移動し、受動シャフト17Bに引っ張られたロッカアーム43及びリンクレバー44が大きく回動すると、図9に示したように、ロッカアーム43及びリンクレバー44が復帰ストッパ91Bから離れて、復帰ストッパ91Bが自由になる。さらに、子扉1B及び親扉1Aが開かれて両扉1、1の召合せ面が離れると、図12に示すように、リセットトリガ92Bが子扉1Bの戸先錠面から大きく突出するとともに、復帰ストッパ91Bが右下がりに傾き、その吊元側端部の角部を、ロッカアーム43の下端縁に形成されたストッパ掛止切欠部433に掛止させる。こうして、ロッカアーム43及びリンクレバー44の姿勢が拘束され、ボルト押戻部材42を戸先錠面に突出させた子扉1B側の開扉状態が保持される。
そして、親扉1A及び子扉1Bの両方が閉扉位置に戻り、両扉1、1の召合せ面同士が相対すると、リセットトリガ92Bの頭部923が親扉1Aに接触して押し込まれ、リセット突片924が復帰ストッパ91Bの戸先側下縁を摺り上げる。すると、復帰ストッパ91Bの吊元側端部がロッカアーム43のストッパ掛止切欠部433から外れて、復帰ストッパ91Bが略水平の姿勢に戻り、受動プレート19、受動シャフト17B及びクランクコネクタ15の結合体、上下の固定具、ボルト押戻部材42がそれぞれ閉鎖時の位置(図5参照)に復帰する。また、リンクレバー44が直立状態に戻る際に、その突出爪部442で揺れ子45を一度押し上げることにより、揺れ子45が揺れ子掛止段部46から外れて、作動杆41も閉扉時の位置に戻る。
このような開扉状態保持手段と、そのリセット手段を子扉1Bにも設けることにより、非常用扉全体の日常的な使い勝手がさらに向上する。
(本発明の技術的範囲)
本発明の技術的範囲は、前述の実施形態によって限定的に解釈されるべきものではなく、特許請求の範囲に記載された基本的構成及び全体的作用に基づいて概念的に解釈されるべきものである。したがって、本発明は、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる範囲において、各部を構成する個々の部材の形状や互いの係合形態、位置関係等を適宜改変して実施することが可能である。
1 扉
1A 親扉
1B 子扉
2 開口枠
3 目板
5 ドアボルト
6(6A、6B) ハンドル
7 シリンダ錠(錠装置)
8 レバーハンドル(外ハンドル)
41 作動杆
42 ボルト押戻部材
51 従動杆
31 ドアボルトストッパ
91A、91B 復帰ストッパ(開扉状態保持手段)
92A、92B リセットトリガ(リセット手段)

Claims (8)

  1. 開口枠の内側に、先開き・後閉め側になる親扉と、後開き・先閉め側になる子扉とが屋外側に向けて両開きとなるように取り付けられ、
    前記子扉には、子扉の上下に出没して前記開口枠に係脱する固定具により閉扉状態の子扉を前記開口枠に対して固定する子扉側の閉鎖手段が設けられるとともに、
    前記親扉には、親扉の上下に出没して前記開口枠に係脱する固定具と、親扉の戸先錠面に出没して子扉に係脱するドアボルトとにより、閉扉状態の親扉を前記開口枠及び前記閉扉状態の子扉に対して固定する親扉側の閉鎖手段が設けられた親子式の非常用扉の開閉装置であって、
    前記親扉及び前記子扉には、各扉の屋内側に個別に取り付けたハンドルの押込操作によって各扉の閉鎖手段を解除側に動かす開扉操作手段がそれぞれ設けられるとともに、
    前記親扉と前記子扉との召合せ部分には、子扉側の開扉操作を親扉側に伝達する開扉連係手段が設けられ、
    前記開扉連係手段は、子扉側の開扉操作手段によって親扉側に作用する子扉側の作動機構と、前記作動機構の動きに応じて親扉側の開扉操作手段を動かす親扉側の従動機構とを備え、前記子扉側の開扉操作手段を用いて子扉側の閉鎖手段を解除すると、前記作動機構及び従動機構を介して親扉側の閉鎖手段も解除されることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  2. 請求項1に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記親扉と前記子扉との召合せ部分に目板が取り付けられ、
    子扉側のハンドル操作によって閉鎖手段が解除された子扉を押し開くと、前記目板を介して親扉も押し開かれ、親扉が親扉側のハンドル操作を要さずに開扉可能になることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  3. 請求項1または2に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記子扉側の作動機構は、子扉の戸先錠面に出没する作動杆及びボルト押戻部材と、前記作動杆及び前記ボルト押戻部材を子扉側のハンドル操作に連動して動かす連係リンク部材と、を含んで構成されていることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  4. 請求項3に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記親扉側の従動機構は、親扉の戸先錠面に主没して前記作動杆に当接する従動杆と、前記従動杆の出没に連動してドアボルトの出没を規制するドアボルトストッパと、を含んで構成されていることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  5. 請求項3または4に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記連係リンク部材は、前記作動杆の始動に対して前記ボルト押戻部材の始動をわずかに遅らせるように構成されていることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記親扉側には、前記ドアボルトが没入して親扉側の閉鎖手段が解除された状態で、前記親扉側の開扉操作手段を拘束する開扉状態保持手段が設けられるとともに、
    前記開扉状態保持手段は、前記子扉及び前記親扉が閉扉して両扉の召合せ面が相対すると該拘束状態を解除するリセット手段を具備していることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記子扉には、子扉側の閉鎖手段が解除されて、前記作動杆が召合せ面から突出するとともに前記ボルト押戻部材がドアボルトの受口を塞いだ状態で、前記連係リンク部材を拘束する開扉状態保持手段が設けられるとともに、
    前記開扉状態保持手段は、前記子扉及び前記親扉が閉扉して両扉の召合せ面が相対すると該拘束状態を解除するリセット手段を具備していることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載された非常用扉の開閉装置において、
    前記親扉には屋外側から操作可能な錠装置及び外ハンドルが取り付けられ、
    前記錠装置の解錠操作により前記親扉側の従動機構が動いてドアボルトの出没規制が解除され、
    前記外ハンドルの操作により親扉側の閉鎖手段が解除されることを特徴とする非常用扉の開閉装置。
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