JP2017001622A - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数を削減しつつ、簡素な動作によって操舵部材の位置を調整することができるステアリング装置を提供すること。
【解決手段】ステアリング装置1では、ロアージャケット19に一対の被締付部材26が設けられている。ロアージャケット19に形成されたスリット25内に配置された第2ツース部材42の第2歯42Aは、アッパージャケット18に固定された第1ツース部材41の第1歯41Aに噛合可能である。第2ツース部材42は、一対の被締付部材26が互いに対向する対向方向Bに対する交差方向Sから第1ツース部材41と対向する。一対の被締付部材26によって支持された押圧部材43は、一対の被締付部材26に対して締付力Fが付与されると、第2ツース部材42を第1ツース部材41へ押圧する。押圧部材43は、一対の被締付部材26に対する締付力Fが解除されると、第2ツース部材42に対する押圧を解除する。
【選択図】図2

Description

この発明は、ステアリング装置に関する。
下記特許文献1に記載のステアリング装置は、アウタコラムと、アウタコラムに挿通されたインナコラムとを備えている。インナコラムは、ステアリングホイールが固定されたステアリングシャフトを回転自在に支持する。アウタコラムには、通孔および貫通孔が形成されている。通孔には、杆状部材が挿通されている。杆状部材の基端部には、調節レバーが固定されている。杆状部材には、ロック解除レバーが嵌合されている。貫通孔には、杆状部材と平行に配置された支持軸が挿通されている。支持軸の中央部には、テレスコロック用偏心カムが外嵌されている。ロック解除レバーの先端部は、テレスコロック用偏心カムの受段差面に対向している。テレスコロック用偏心カムは、インナコラムの上面に対向している。テレスコロック用偏心カムとアウタコラムとの間には、テレスコロック付勢ばねが設けられている。
テレスコロック付勢ばねは、テレスコロック用偏心カムに形成されたテレスコロック用凹凸部を、インナコラムの上面に突き当てる方向の弾力で付勢している。テレスコロック用偏心カムに形成されたテレスコロック用凹凸部がインナコラムの上面に突き当たることで、ステアリングホイールの位置が固定される。
調節レバーを回動させると、ロック解除レバーの先端部が受段差面を下方に押圧し、テレスコロック付勢ばねの弾力に抗してテレスコロック用偏心カムが回動する。これにより、テレスコロック用凹凸部をインナコラムの上面から離隔させてステアリングホイールの位置の固定が解除される。
特開2010−254204号公報
特許文献1に記載のステアリング装置では、ステアリングホイールなどの操舵部材の位置を固定するためには、テレスコロック用凹凸部をインナコラムの上面に突き当てるためのテレスコロック付勢ばねが必要である。また、操舵部材の位置の固定を解除するために、テレスコ用ロック凹凸部をインナコラムの上面から離隔させるためのロック解除レバーおよび支持軸が必要である。つまり、特許文献1のステアリング装置では、操舵部材の位置を調整のために多数の部品が必要である。
また、テレスコロック用偏心カムを支持軸回りに回転させる必要があるため、各部材の動作が複雑になる虞がある。
この発明は、かかる背景のもとでなされたものであり、部品点数を削減しつつ、簡素な動作によって操舵部材の位置を調整できるステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、一端(3A)に操舵部材(10)が連結され、軸方向(X)に伸縮可能なステアリングシャフト(3)と、前記操舵部材側(X1)で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケット(18)と、前記操舵部材側とは反対側(X2)で前記ステアリングシャフトを保持し、前記アッパージャケットに対して外嵌されたロアージャケット(19)とを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケット(4)と、前記ロアージャケットを支持し、車体(2)に固定されるブラケット(6)と、前記ロアージャケットに形成された前記軸方向に延びるスリット(25)の両側に配置されて互いに対向し、前記ロアージャケットと一体的に設けられた一対の被締付部材(26)と、前記一対の被締付部材の間隔を狭めるための締付力(F)を前記一対の被締付部材に付与する締付機構(7)と、前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の第1歯(41A)を有する第1ツース部材(41)と、前記スリット内に配置され、前記一対の被締付部材の対向方向(B)に対する交差方向(S)から前記第1ツース部材と対向し、前記第1歯に噛合可能な第2歯(42A)を有する第2ツース部材(42)と、前記スリット内で前記一対の被締付部材によって支持され、前記一対の被締付部材に対して前記締付力が付与されると前記第2ツース部材を前記第1ツース部材へ押圧し、前記一対の被締付部材に対する前記締付力が解除されると前記第2ツース部材に対する押圧を解除する押圧部材(43)と、を含むことを特徴とする、ステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記押圧部材は、弾性変形することによって前記第2ツース部材を押圧する弾性部材であることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、ステアリング装置では、コラムジャケットが、操舵部材側のアッパージャケットと、操舵部材とは反対側のロアージャケットとを有していて、アッパージャケットおよびロアージャケットによってステアリングシャフトを保持している。ロアージャケットは、車体に固定されるブラケットによって支持されている。アッパージャケットがロアージャケットに対して軸方向に移動することによって、コラムジャケットがステアリングシャフトとともに伸縮するので、ステアリングシャフトに連結された操舵部材の軸方向の位置を調整できる。
アッパージャケットに対して外嵌されたロアージャケットに形成された軸方向に延びるスリットの両側には、ロアージャケットと一体的に設けられた一対の被締付部材が配置されている。一対の被締付部材には、締付機構によって、互いに対向する一対の被締付部材の間隔を狭めるための締付力が付与される。これによって、ロアージャケットの内周が狭まってアッパージャケットに締め付けられるので、軸方向における操舵部材の位置がロックされる。
アッパージャケットには、軸方向に沿って並ぶ複数の第1歯を有する第1ツース部材が固定されている。スリット内には、第1歯と噛合可能な第2歯を有する第2ツース部材が配置されている。第2ツース部材は、一対の被締付部材の対向方向に対する交差方向から第1ツース部材と対向する。
一対の被締付部材に対して締付力が付与されると、スリット内で一対の被締付部材によって支持された押圧部材は、交差方向から第2ツース部材を第1ツース部材へ押圧する。これにより、交差方向に移動した第2ツース部材の第2歯と、第1ツース部材の第1歯とが噛み合い、軸方向における操舵部材の位置が強固にロックされる。
一方、一対の被締付部材に対する締付力が解除されると、押圧部材は、第2ツース部材を交差方向において第1ツース部材側とは反対側へ移動させて第2ツース部材に対する押圧を解除する。これにより、第2歯と第1歯との噛み合いが解除され、さらに、ロアージャケットの内周によるアッパージャケットに対する締め付けが解除されるので、軸方向における操舵部材の位置のロックが解除される。
このように、第2ツース部材の交差方向における直線的な動作によって第2歯と第1歯とを噛み合わせることができる。したがって、簡素な動作によって軸方向における操舵部材の位置を調整することができる。
また、締付力を利用して、第2歯と第1歯とを噛み合わせたり、第2歯と第1歯との噛み合いを解除したりすることによって、押圧部材を駆動するためだけの機構を別途設けずに済むので、部品点数を削減することができる。
請求項2記載の発明によれば、押圧部材が弾性部材であるため、押圧部材を弾性変形させることによって、第2ツース部材に対する押圧と押圧の解除とを繰り返し行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置の概略構成を示す側面図である。 図2は、図1におけるII−II線に沿った断面図である。 図3は、ツースロック機構の周辺の分解斜視図である。 図4は、図2におけるIV−IV線に沿った断面を模式的に示した図である。 図5は、ステアリング装置が解除状態であるときのツースロック機構の周辺を示した概略断面図である。 図6は、ステアリング装置がロック状態であるときのツースロック機構の周辺を示した概略断面図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るステアリング装置1の概略構成を示す側面図である。図1において、紙面左側が、ステアリング装置1が取り付けられる車体2の前側であり、紙面右側が車体2の後側であり、紙面上側が車体2の上側であり、紙面下側が車体2の下側である。
図1を参照して、ステアリング装置1は、ステアリングシャフト3と、コラムジャケット4と、ロアーブラケット5と、ブラケットとしてのアッパーブラケット6と、締付機構7と、ツースロック機構9とを主に含んでいる。
ステアリングシャフト3では、後端である一端3Aに操舵部材10が連結されている。ステアリングシャフト3において前端である他端3Bが、自在継手11、インターミディエイトシャフト12および自在継手13を順に介して、転舵機構14のピニオン軸15に連結されている。転舵機構14は、ラックアンドピニオン機構などで構成されている。転舵機構14は、ステアリングシャフト3の回転が伝達されたことに応じて、図示しないタイヤなどの転舵輪を転舵させる。
ステアリングシャフト3は、車体2の前後方向に延びている。以下では、ステアリングシャフト3が延びる方向を軸方向Xとする。軸方向Xは、他端3Bが一端3Aよりも低くなるように水平方向に対して傾斜している。軸方向Xにおいて操舵部材10側である後側には、符号「X1」を付し、軸方向Xにおいて操舵部材10とは反対側である前側には、符号「X2」を付す。
軸方向Xに対して直交する方向のうち、図1において紙面と垂直な方向を左右方向Yといい、図1において略上下に延びる方向を上下方向Zという。左右方向Yにおいて、図1の紙面の奥側は、右側Y1であり、紙面の手前側は、左側Y2である。上下方向Zにおいて、上側には、符号「Z1」を付し、下側には、符号「Z2」を付す。
なお、図1以外の各図において図1の軸方向X、後側X1、前側X2、左右方向Y、右側Y1、左側Y2、上下方向Z、上側Z1および下側Z2に対応する方向には、図1と同じ符号を付している。
ステアリングシャフト3は、少なくとも前側X2の一部が円筒状になったアッパーシャフト16と、円柱状のロアーシャフト17とを有している。アッパーシャフト16は、ロアーシャフト17よりも後側X1で同軸状に配置されている。
アッパーシャフト16における後端16Aが、ステアリングシャフト3の一端3Aであり、アッパーシャフト16の後端16Aに操舵部材10が連結されている。
ロアーシャフト17における前端が、ステアリングシャフト3の他端3Bである。ロアーシャフト17の後端は、アッパーシャフト16の前端に対して前側X2から挿入されている。ロアーシャフト17は、スプライン嵌合やセレーション嵌合によってアッパーシャフト16に嵌合されることでアッパーシャフト16の前端に連結されている。そのため、アッパーシャフト16とロアーシャフト17とは、一体回転可能であるとともに、軸方向Xに沿って相対移動可能である。ロアーシャフト17に対するアッパーシャフト16の軸方向Xへの移動によって、ステアリングシャフト3は、軸方向Xに伸縮可能である。
コラムジャケット4は、全体として、軸方向Xへ延びる中空体である。コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を収容している。コラムジャケット4は、軸方向Xに延びるアッパージャケット18およびロアージャケット19を有している。
アッパージャケット18は、ロアージャケット19よりも後側X1に位置している。ロアージャケット19は、アッパージャケット18に対して外嵌されている。詳しくは、アッパージャケット18の前端がロアージャケット19の後端に対して後側X1から挿入されている。この状態で、アッパージャケット18は、ロアージャケット19に対する軸方向Xへの移動が可能である。この移動によって、コラムジャケット4の全体は、軸方向Xに沿って伸縮可能である。
コラムジャケット4は、軸受20および軸受21によってステアリングシャフト3に連結されていることから、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3を回転自在に支持し、ステアリングシャフト3を保持している。
詳しくは、アッパージャケット18の後端は、軸受20によってアッパーシャフト16に連結されている。アッパージャケット18は、アッパーシャフト16を回転自在に支持し、アッパーシャフト16を後側X1で保持している。また、ロアージャケット19の前端は、軸受21によってロアーシャフト17に連結されている。ロアージャケット19は、ロアーシャフト17を回転自在に支持し、ロアーシャフト17を前側X2で保持している。そのため、アッパーシャフト16およびアッパージャケット18のまとまりは、ロアーシャフト17およびロアージャケット19のまとまりに対して、軸方向Xに移動可能である。これにより、コラムジャケット4は、ステアリングシャフト3とともに伸縮可能である。
ここでのステアリングシャフト3およびコラムジャケット4の伸縮を「テレスコ」と呼び、この伸縮調整、つまり、テレスコによる操舵部材10の軸方向Xでの位置調整をテレスコ調整と呼ぶ。アッパージャケット18は、テレスコ調整の際にロアージャケット19に対して軸方向Xへ移動するため、テレスコジャケットともいう。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット19の前側X2の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
ロアーブラケット5は、ロアージャケット19に固定された一対の可動ブラケット5Aと、車体2に固定された固定ブラケット5Bと、左右方向Yに延びる中心軸5Cとを含んでいる。
可動ブラケット5Aは、固定ブラケット5Bによって、中心軸5Cを介して回動可能に支持されている。そのため、コラムジャケット4全体は、ステアリングシャフト3を伴って、中心軸5Cを中心に上下に回動することができる。ここでの回動を「チルト」と呼び、中心軸5Cを中心とした略上下方向をチルト方向と呼ぶ。また、チルトによる操舵部材10の向き調整をチルト調整と呼ぶ。
アッパーブラケット6は、ロアージャケット19の後側X1の部分を支持し、ステアリング装置1を車体2に連結している。
図2は、図1におけるII−II線に沿った断面図である。
図2を参照して、アッパーブラケット6は、下向きに開放する溝形であり、軸方向Xから見て上下が逆になった略U字状をなすように、コラムジャケット4を挟んで左右対称に形成されている。詳述すると、アッパーブラケット6は、左右方向Yに薄くコラムジャケット4を挟んで対向する一対の側板22と、一対の側板22のそれぞれの上端部に連結された上下方向Zに薄い連結板23とを一体的に備えている。
一対の側板22において、左右方向Yから見て同じ位置には、チルト溝24が形成されている。チルト溝24は、上下方向Z、厳密には、中心軸5C(図1参照)を中心とした周方向であるチルト方向に延びている。連結板23は、たとえば一対の側板22よりも左右方向Yにおいて両外側へ延びた部分を有しており、当該部分に挿通される図示しないボルトなどによって、アッパーブラケット6全体が車体2(図1参照)に固定されている。
ロアージャケット19の下側Z2の部分には、軸方向Xに延びて上下方向Zにロアージャケット19を貫通するスリット25が形成されている。
ロアージャケット19の後端部19Aには、左右方向Yにおいてスリット25の両側に配置されて互いに対向する一対の被締付部材26が一体的に設けられている。被締付部材26は、下側Z2に延びており、軸方向Xおよび上下方向Zに広がる略直方体である。一対の被締付部材26が対向する方向を対向方向Bということにする。対向方向Bは、左右方向Yと一致している。一対の被締付部材26のそれぞれは、互いに対向する対向面26Bを有している。
一対の被締付部材26のそれぞれには、左右方向Yに被締付部材26を貫通する軸挿通孔26Aが形成されている。一対の被締付部材26の軸挿通孔26Aは、左右方向Yから見て同じ位置にある。一対の被締付部材26の軸挿通孔26Aは、左右方向Yから見て、アッパーブラケット6の一対の側板22のチルト溝24の一部と重なっている。
ロアージャケット19の上側Z1の部分には、軸方向Xに延びる案内溝27が形成されている。案内溝27には、アッパージャケット18に固定された被案内突起28が挿通されている。案内溝27は、被案内突起28を介してアッパージャケット18の軸方向移動を案内しつつ、ロアージャケット19に対するアッパージャケット18の回転を規制する。また、案内溝27の軸方向Xの端部(図示せず)が被案内突起28と当接することにより、ロアージャケット19からのアッパージャケット18の抜けが防止されている。
締付機構7は、操舵部材10(図1参照)のチルト調整およびテレスコ調整を可能にしたり、チルト調整やテレスコ調整を終えた操舵部材10の位置をロックしたりするための機構である。
締付機構7は、締付軸30と、操作部材31と、リング状のカム32およびカムフォロワ33と、ナット34と、リング状の介在部材35、針状ころ軸受36およびスラストワッシャ37とを含む。
締付軸30は、左右方向Yに延びる棒状であり、中心軸線C1を有する。締付軸30は、左右方向Yから見て軸挿通孔26Aとチルト溝24とが重なる部分に挿通される。締付軸30は、アッパーブラケット6の一対の側板22によって支持されている。締付軸30は、ステアリングシャフト3よりも下側Z2に位置している。
締付軸30の一端である左端部は、アッパーブラケット6の左側Y2の側板22よりも左側Y2に位置している。締付軸30の他端である右端部は、アッパーブラケット6の右側Y1の側板22よりも右側Y1に位置している。
締付軸30の左端部には、締付軸30の他の部分よりも大径な頭部30Aが設けられており、締付軸30の外周面の右端部には、ねじ溝30Bが設けられている。
操作部材31は、たとえば把持可能なレバーである。操作部材31は、締付軸30の頭部30A付近に取り付けられている。締付軸30は、操作部材31の操作に応じて回転する。
締付軸30の左端部は、カム32およびカムフォロワ33に挿通されている。操作部材31と左側Y2の側板22との間には、カム32およびカムフォロワ33が、左側Y2からこの順に並んでいる。
カム32は、締付軸30に対して一体回転可能であるのに対して、カムフォロワ33は、締付軸30に対して相対回転可能かつ左右方向Yに移動可能である。ただし、カムフォロワ33において左側Y2の側板22のチルト溝24に挿通される部分には、二面幅が形成されているので、カムフォロワ33の空転がチルト溝24によって防止されている。
締付軸30のねじ溝30Bには、ナット34が取り付けられている。ナット34と右側Y1の側板22との間には、介在部材35、針状ころ軸受36およびスラストワッシャ37が、左側Y2からこの順に並んでいる。締付軸30は、介在部材35、針状ころ軸受36およびスラストワッシャ37のそれぞれに対して挿通されている。
締付軸30は、アッパーブラケット6の各チルト溝24内で、前述したチルト方向に移動可能である。運転者がチルト調整のために操舵部材10(図1参照)をチルト方向に移動させると、コラムジャケット4全体が、アッパーブラケット6に対し相対的にチルトする。操舵部材10のチルト調整は、締付軸30がチルト溝24内で移動可能な範囲で行われる。
運転者がテレスコ調整やチルト調整をした後に、操作部材31を回動させると、カム32が回転し、カム32およびカムフォロワ33に形成されたカム突起38が互いに乗り上げる。これにより、カムフォロワ33は、締付軸30の軸方向に沿って右側Y1に移動し、左側Y2の側板22に押し付けられる。カムフォロワ33による押し付けによって、一対の側板22は、カムフォロワ33と介在部材35との間で左右方向Yの両側から締め付けられる。これにより、一対の側板22が左右方向Yの両側からロアージャケット19の被締付部材26を挟持することで各側板22と被締付部材26との間に摩擦力が生じる。当該摩擦力によって、コラムジャケット4の位置がロックされ、操舵部材10(図1参照)がチルト調整後の位置でロックされてチルト方向に移動できなくなる。
また、ロアージャケット19の一対の被締付部材26が側板22によって挟持されることによって、一対の被締付部材26の間隔が狭まる。このとき、一対の被締付部材26のそれぞれには、左右方向Y(対向方向B)の締付力Fが、側板22を介して締付機構7から付与される。具体的には、右側Y1の被締付部材26は、左側Y2への締付力Fを受け、左側Y2の被締付部材26は、右側Y1への締付力Fを受ける。
一対の被締付部材26の間隔が狭まることにより、ロアージャケット19の内周が狭まって、ロアージャケット19内のアッパージャケット18にロアージャケット19が締め付けられる。
その結果、アッパージャケット18とロアージャケット19との間に摩擦力が生じる。アッパージャケット18とロアージャケット19との間の摩擦によって、アッパージャケット18の位置がロックされ、操舵部材10(図1参照)がテレスコ調整後の位置でロックされて軸方向Xに移動できなくなる。
チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材10(図1参照)の位置が固定されているときのステアリング装置1の状態を「ロック状態」と呼ぶ。ロック状態では、前述したように一対の被締付部材26に対して締付力Fが付与されている。なお、通常の運転時ではステアリング装置1はロック状態である。
ロック状態のステアリング装置1において、操作部材31を先程とは逆方向へ回動させると、カム32がカムフォロワ33に対して回転し、カムフォロワ33は、締付軸30の軸方向に沿って左側Y2に移動する。すると、カムフォロワ33と介在部材35との間における一対の側板22に対する締め付けが解除され、各側板22と被締付部材26との間の摩擦力や、ロアージャケット19とアッパージャケット18との間の摩擦力が無くなるので、操舵部材10(図1参照)が軸方向Xおよびチルト方向に移動できるようになる。これにより、操舵部材10のテレスコ調整やチルト調整が再び可能となる。
このように、チルト方向および軸方向Xにおいて操舵部材10の位置の固定が解除されているときのステアリング装置1の状態を「解除状態」と呼ぶ。解除状態では、一対の被締付部材26に対する締付力Fは、解除されている。
なお、ステアリング装置1が解除状態からロック状態へ変化することによって、一対の被締付部材26が左右方向Yに撓む量(スリット25の締め込みストローク)は、1mmにも満たない。
次に、ツースロック機構9の構成について説明する。
ツースロック機構9の周辺の分解斜視図である図3を参照して、ツースロック機構9は、複数の第1歯41Aを有する第1ツース部材41と、複数の第1歯41Aと噛合可能な複数の第2歯42Aを有する第2ツース部材42と、押圧部材43とを含む。ツースロック機構9は、第1歯41Aと第2歯42Aとの噛み合いによるロック(ポジティブロック)によって、アッパージャケット18とロアージャケット19との軸方向Xにおける位置を固定するための機構である。
図3を参照して、第1ツース部材41は、アッパージャケット18の後端部の下側部分の周壁をプレス加工などにより下側Z2へ突出させることにより形成された第1歯列41Lによって構成されている。第1ツース部材41は、アッパージャケット18と一体的に形成されており、アッパージャケット18の外周面18Aにおいてスリット25内に露出されている部分に固定されている(図2参照)。第1ツース部材41は、アッパージャケット18と別体で設けられて溶接などによりアッパージャケット18の外周面18Aに固定されてもよい。
図4は、図2におけるIV−IV線に沿った断面を模式的に示した図である。
図4を参照して、第1歯列41Lは、複数の第1歯41Aによって構成されている。複数の第1歯41Aは、軸方向Xに隣接して並んでいる。第1歯41Aは、下側Z2へ向けて突出する略三角形状である。各第1歯41Aは、上下方向Zに延びる第1垂直面41Bと、第1垂直面41Bよりも後側X1に配置され第1垂直面41Bに対して傾斜する第1傾斜面41Cとを含む。第1垂直面41Bの下端と第1傾斜面41Cの下端とは、連結されていて、第1傾斜面41Cは、第1垂直面41Bの下端と後続の第1垂直面41Bの上端との間に架設されている。
第2ツース部材42は、全体としてブロック状である(図3参照)。図2を参照して、第2ツース部材42は、スリット25内に配置されている。
第2ツース部材42は、対向方向Bに対する交差方向Sから第1ツース部材41に対向している。本実施形態では、交差方向Sは、上下方向Zと一致している。詳しくは、第2ツース部材42を基準として、交差方向Sにおける第1ツース部材41側S1は、上側Z1と一致しており、交差方向Sにおける第1ツース部材41側S1の反対側S2は、下側Z2と一致している。
図3を参照して、第2ツース部材42は、軸方向Xに延びる略直方体状の本体部44と、本体部44の上面に設けられた第2歯列42Lと、本体部44の下面から下側Z2へ向けて突出した円柱状である複数の係合部45とを一体的に含む。係合部45は、たとえば、樹脂製のピンである。第2歯列42Lおよび複数の係合部45のそれぞれは、本体部44と別体で設けられていてもよい。
図4を参照して、第2歯列42Lは、複数の第2歯42Aによって構成されている。複数の第2歯42Aは、軸方向Xに隣接して並んでいる。第2歯42Aは、本体部44の上面から上側Z1へ向けて突出する略三角形状である。各第2歯42Aは、上下方向Zに延びる第2垂直面42Bと、第2垂直面42Bよりも前側X2に配置され第2垂直面42Bに対して傾斜する第2傾斜面42Cとを含む。第2垂直面42Bの上端と第2傾斜面42Cの上端とは、連結されており、各第2歯42Aにおいて、第2垂直面42Bの上端と第2傾斜面42Cの上端との連結部分およびその周辺を歯先42Dということにする。
押圧部材43は、一枚の板状の金属をプレス成形などにより加工して形成された板ばねなどの弾性部材であり、軸方向Xに延びている(図3参照)。
図5は、ステアリング装置1が解除状態であるときのツースロック機構9の周辺を示した概略断面図である。
図5を参照して、押圧部材43は、スリット25内に配置されている。押圧部材43は、左右方向Yに平坦な左右一対の被支持部50と、上下方向Zに平坦な左右一対の受け部51と、対応する被支持部50と略上下方向Zから対向する左右一対の浮き上がり抑制部52とを含む。押圧部材43は、一対の被支持部50よりも上側Z1に配置された左右方向Yに平坦な押圧部53と、押圧部53と各被支持部50との間に1つずつ架設された変形部54とをさらに含む。
一対の被支持部50、一対の受け部51、一対の浮き上がり抑制部52、押圧部53および一対の変形部54は、一体的に形成されている。詳しくは、一対の被支持部50は、左右方向Yに互いに間隔を隔てて配置されている。受け部51の下端部は、一対の被支持部50の左右方向Yにおける両外側の端部のそれぞれに1つずつ連結されている。受け部51の上端部は、一対の浮き上がり抑制部52の左右方向Yにおける両外側の端部のそれぞれに1つずつ連結されている。押圧部53は、押圧部材43の左右方向Yにおける略中央に位置している。右側Y1の変形部54は、押圧部53の右側Y1の端部と右側Y1の被支持部50の左側Y2の端部とを連結している。左側Y2の変形部54は、押圧部53の左側Y2の端部と左側Y2の被支持部50の右側Y1の端部とを連結している。一対の変形部54は、左右方向Y(対向方向B)の力を受けることで弾性変形可能である。
押圧部材43に関連して、一対の被締付部材26の対向面26Bのそれぞれには、互いに離間する方向に窪んだ凹状の支持穴60が1つずつ形成されている。支持穴60は、スリット25の一部である。対向面26Bにおいて一対の支持穴60のそれぞれの下側Z2の周縁部には、それぞれの被締付部材26の一部として互いに近づく方向に突出した支持突起61が形成されている。押圧部材43の左右方向Yにおける両端部は、支持穴60に嵌められている。そのため、押圧部材43の軸方向Xおよび左右方向Yの移動は、ロアージャケット19の一対の被締付部材26によって規制されている。これにより、押圧部材43は、スリット25内でロアージャケット19の一対の被締付部材26によって支持(保持)されている。支持穴60は、ロアージャケット19において押圧部材43の保持部位である。
一対の被締付部材26において支持穴60を下側Z2から区画する面と、支持突起61の上面とは、連続していて、左右方向Yに平坦な支持面62を構成している。支持面62は、一対の被支持部50の下面に接している。押圧部材43の一対の被支持部50の下面は、支持面62に上側Z1から接触している。一対の被締付部材26において、被締付部材26の支持穴60の底面63は、各受け部51に1つずつ接している。一対の被締付部材26において、被締付部材26の支持穴60を上側Z1から区画する上面64は、各浮き上がり抑制部52に上側Z1から1つずつ接している。
押圧部53の上面には、第2ツース部材42の下面が上側Z1から接している。押圧部53には、上下方向Zに押圧部53を貫通する係合孔53Aが、第2ツース部材42の係合部45と同数形成されている。各係合孔53Aには、係合部45が上側Z1から1つずつ挿通されている。これにより、第2ツース部材42は、軸方向Xおよび左右方向Yの動きが規制された状態で押圧部材43の押圧部53に上側Z1から取り付けられている。そのため、第2ツース部材42は、押圧部材43を介して、スリット25内でロアージャケット19の一対の被締付部材26によって支持されている。
前述したように、解除状態では、一対の被締付部材26に対する締付力Fは、解除されている。そのため、解除状態では、押圧部材43の一対の受け部51には、左右方向Y(対向方向B)の力が伝達されていないため、押圧部材43の一対の変形部54は、弾性変形していない。このときの各変形部54が被支持部50に対して傾く角度をセット角度θとする。セット角度θが小さければ上下方向Zにおける押圧部材43のサイズも小さくなり、ツースロック機構9のパッケージング性(一対の被締付部材26への取り付け易さ)も向上する。なお、セット角度θは、10度であることが好ましい。
以下では、ステアリング装置がロック状態であるときのツースロック機構9の周辺を示した概略断面図である図6も参照して、ツースロック機構9の動作について説明する。
解除状態からロック状態に変化する際、締付機構7からの締付力Fが一対の被締付部材26に付与されることによって、一対の被締付部材26の間隔が狭められる。図6に示すように、一対の被締付部材26のそれぞれの支持穴60の底面63に1つずつ接する押圧部材43の受け部51は、締付力Fの一部として一対の被締付部材26から伝達された伝達力Tを受ける。詳しくは、右側Y1の受け部51は、締付力Fの一部として右側Y1の被締付部材26から伝達された左側Y2への伝達力Tを受ける。左側Y2の受け部51は、締付力Fの一部として左側Y2の被締付部材26から伝達された右側Y1への伝達力Tを受ける。
各受け部51が伝達力Tを受けると、押圧部材43は、弾性変形する。具体的には、一対の変形部54が、左右方向Yにおける互いに近い側の端部を上側Z1へ移動させ、且つ、左右方向Yにおける互いに遠い側の端部を左右方向Yにおける両内側へ移動させるように、上側Z1へ突出しつつ閉脚するように変形する。これにより、一対の変形部54の左右方向Yにおける両内側の端部に連結された押圧部53は、押圧部材43が弾性変形していない自由状態のときよりも上側Z1(第1ツース部材41側S1)へ移動する。なお、セット角度θが小さければ、第2ツース部材42を上側Z1(第1ツース部材41側S1)へ移動させる量(押し上げ量)が大きくなる。
このように、押圧部材43が左右方向Y(対向方向B)に弾性変形することによって、押圧部53に取り付けられた第2ツース部材42は、上側Z1(第1ツース部材41側S1)へ移動する。上側Z1へ移動した状態の第2ツース部材42は、押圧部材43によって第1ツース部材41へ押圧され、第1ツース部材41の第1歯41Aと第2ツース部材42の第2歯42Aとが噛み合う。
図4を参照して、第2歯42Aと第1歯41Aとが噛み合った状態では、第2ツース部材42の第2傾斜面42Cと第1ツース部材41の第1傾斜面41Cとが接しており、第2ツース部材42の第2垂直面42Bと第1ツース部材41の第1垂直面41Bとが接している。また、第2歯42Aと第1歯41Aとが噛み合った状態では、歯先42Dは、互いに隣接する第1歯41Aの間の歯底に到達している。第2歯42Aと第1歯41Aとが噛み合った状態では、第2ツース部材42に対する第1ツース部材41の軸方向Xにおける移動が規制される。
そのため、第1ツース部材41が固定されたアッパージャケット18は、第2ツース部材42を支持するロアージャケット19に対しての軸方向Xへ移動することを規制される。したがって、テレスコ調整が規制されたロック状態となり、第1歯41Aと第2歯42Aとが噛み合うことによって、軸方向Xにおける操舵部材10(図1参照)の位置がロックされる。
したがって、ロック状態では、ロアージャケット19とアッパージャケット18との間の摩擦力と、第1歯41Aと第2歯42Aとの噛み合いとによって、アッパージャケット18が軸方向Xにおいてさらに強固にロックされる。
また、前述したように一対の被締付部材26において、被締付部材26の支持穴60を上側Z1から区画する上面64は、各浮き上がり抑制部52に上側Z1から1つずつ接している。そのため、押圧部材43全体が上側Z1へ移動することを抑制できる。
ロック状態から解除状態に変化する際、一対の被締付部材26の間隔が広げられる。そのため、押圧部材43の一対の変形部54は、弾性変形する前の自由状態へ変化する。
具体的には、一対の変形部54が、自由状態へ戻るために、左右方向Yにおける互いに近い側の端部を下側Z2へ移動させ、且つ、左右方向Yにおける互いに遠い側の端部を左右方向Yにおける両外側へ移動させるように開脚する。これにより、一対の変形部54の左右方向Yにおける両内側の端部に連結された押圧部53は、下側Z2(反対側S2)へ移動する。したがって、押圧部53に取り付けられた第2ツース部材42も、ロック状態のときよりも下側Z2(反対側S2)へ移動する。
ステアリング装置1が解除状態に達すると、一対の被締付部材26に対する締付力Fが解除される。そのため、押圧部材43の一対の受け部51に対する伝達力Tが解除され、押圧部材43は、自由状態に戻る。この状態で、第2ツース部材42に対する押圧部材43の押圧が解除されており、第1ツース部材41の第1歯41Aと第2ツース部材42の第2歯42Aとの噛み合いは、解除されている(図4の二点鎖線参照)。同時に、前述したように、ロアージャケット19の内周によるアッパージャケット18に対する締め付けが解除される。これにより、軸方向Xにおける操舵部材10の位置のロックが解除される。
以上のように、第2歯42Aと第1歯41Aとは、第2ツース部材42の交差方向Sへの直線的な動作によって噛み合わせることができる。したがって、簡素な動作によって軸方向Xにおける操舵部材10の位置を調整することができる。
また、締付力Fを利用して、第2歯42Aと第1歯41Aとを噛み合わせたり、第2歯42Aと第1歯41Aとの噛み合いを解除したりすることによって、押圧部材43を駆動するためだけの機構を別途設けずに済むので、部品点数を削減することができる。
詳しくは、第2歯42Aと第1歯41Aとの噛み合いを解除するように第2ツース部材42を駆動するために締付軸30とともに回転するカム部材や、第2ツース部材42を支持するために締付軸30とは別に設けられる軸およびカラーなどを省略することができる。部品点数を削減できることによって、ツースロック機構9のレイアウト性が向上し、コストの低減も図ることができる。
また、前述したように、スリット25の締め込みのストロークは、非常に小さいが、締付力Fによって押圧部材43を上下方向Z(交差方向S)に弾性変形させることができる。これにより、第2歯42Aと第1歯41Aとを噛み合わせたり、第2歯42Aと第1歯41Aとの噛み合いを解除させたりできる程度に第2ツース部材42を上下方向Z(交差方向S)に移動させることができる。
また、第2ツース部材42を駆動するために締付軸30に設けられるカム部材を省略することによって、当該カム部材を締付軸30と一体回転させるための二面幅やセレーションを締付軸30に設ける必要がない。これにより、締付軸30の加工コストを低減することができる。
また、本実施形態では、押圧部材43が弾性部材であるため、押圧部材43を弾性変形させることによって、第2ツース部材42に対する押圧と押圧の解除とを繰り返し行うことができる。
また、係合部45と係合孔53Aとの係合によって第2ツース部材42を押圧部材43に取り付けることができるため、ステアリング装置1に対する第2ツース部材42の組み付けが容易である。
また、ステアリング装置1は、操作部材31が固定された締付軸30がアッパージャケット18よりも下側Z2に配置された、いわゆるレバー下置きタイプのステアリング装置であるが、ツースロック機構9のレイアウト性が向上されているため、操舵部材10がアッパージャケット18よりも上側Z1に配置された、いわゆるレバー上置きタイプのステアリング装置に本発明を適用することが容易である。
また、テレスコ調整後に、第1ツース部材41と第2ツース部材42との軸方向Xにおける相対位置が、第1歯41Aと第2歯42Aとが正しく噛み合う位置(図4参照)からずれている場合を想定する。この場合、ステアリング装置1が解除状態からロック状態へ変化する途中において歯先42Dが第1歯41Aの歯底に到達しない状態で、第1傾斜面41Cと第2傾斜面42Cとが接触する。すると、第2傾斜面42Cに対して第1傾斜面41Cを滑らせるように第1ツース部材41がガイドされる。これにより、第1ツース部材41が軸方向Xにずれることで、ステアリング装置1がロック状態に変化したときに、歯先42Dが第1歯41Aの歯底に到達する。そのため、テレスコ調整後に、第1ツース部材41と第2ツース部材42との軸方向Xにおける相対位置が正しく噛み合う位置からずれていた場合であっても、第1歯41Aと第2歯42Aとを確実に噛み合わせることができる。
また、車両衝突において運転者が操舵部材10に衝突する二次衝突時には、操舵部材10からの衝撃を受けるアッパージャケット18とともに、第1ツース部材41が前側X2へ移動しようとする。そのため、第1歯41Aの第1垂直面41Bが第2歯42Aの第2垂直面42Bに押し付けられる。同時に、押圧部材43は、第2ツース部材42を第1ツース部材41へ向けて押圧している。そのため、第1ツース部材41と第2ツース部材42とが互いに食い込む。
詳しくは、第1歯41Aの歯先が第2歯の歯底に食い込み、第2歯42Aの歯先42Dが第1歯の歯底に食い込む。第1歯41Aおよび第2歯42Aは、このように相対移動時に相手側の部材に食い込む形状(自己ロック形状)を有している。
第1ツース部材41と第2ツース部材42とが互いに食い込むことで二次衝突時の初期拘束が安定化されるため、第2ツース部材42の係合部45が、押圧部材43の係合孔53Aの周縁部によって確実に剪断される。その結果、第2ツース部材42が、二次衝突時の衝撃の一部を吸収する離脱荷重を発生させて第1ツース部材41とともに前側X2へ離脱する。その後、ステアリングシャフト3およびコラムジャケット4が軸方向Xに収縮することによって二次衝突時の衝撃の残りが吸収される。このように、係合部45は、離脱荷重発生用に用いられる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、ステアリング装置1は、操舵部材10の操舵が補助されないマニュアルタイプのステアリング装置に限らず、電動モータの動力をステアリングシャフト3に与えて操舵部材10の操舵を補助するコラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置(C−EPS)でもよい。
また、ツースロック機構9は、ステアリングシャフト3の周方向において、いずれの位置に配置されていてもよい。
1…ステアリング装置、2…車体、3…ステアリングシャフト、3A…一端、4…コラムジャケット、6…アッパーブラケット、7…締付機構、10…操舵部材、18…アッパージャケット、19…ロアージャケット、25…スリット、26…被締付部材、41…第1ツース部材、41A…第1歯、42…第2ツース部材、42A…第2歯、43…押圧部材、B…対向方向、F…締付力、S…交差方向、X…軸方向、X1…後側、X2…前側

Claims (2)

  1. 一端に操舵部材が連結され、軸方向に伸縮可能なステアリングシャフトと、
    前記操舵部材側で前記ステアリングシャフトを保持するアッパージャケットと、前記操舵部材側とは反対側で前記ステアリングシャフトを保持し、前記アッパージャケットに対して外嵌されたロアージャケットとを有し、前記ロアージャケットに対する前記アッパージャケットの前記軸方向への移動によって前記ステアリングシャフトとともに前記軸方向に伸縮可能なコラムジャケットと、
    前記ロアージャケットを支持し、車体に固定されるブラケットと、
    前記ロアージャケットに形成された前記軸方向に延びるスリットの両側に配置されて互いに対向し、前記ロアージャケットと一体的に設けられた一対の被締付部材と、
    前記一対の被締付部材の間隔を狭めるための締付力を前記一対の被締付部材に付与する締付機構と、
    前記アッパージャケットに固定され、前記軸方向に沿って並ぶ複数の第1歯を有する第1ツース部材と、
    前記スリット内に配置され、前記一対の被締付部材の対向方向に対する交差方向から前記第1ツース部材と対向し、前記第1歯に噛合可能な第2歯を有する第2ツース部材と、
    前記スリット内で前記一対の被締付部材によって支持され、前記一対の被締付部材に対して前記締付力が付与されると前記第2ツース部材を前記第1ツース部材へ押圧し、前記一対の被締付部材に対する前記締付力が解除されると前記第2ツース部材に対する押圧を解除する押圧部材と、を含むことを特徴とする、ステアリング装置。
  2. 前記押圧部材は、弾性変形することによって前記第2ツース部材を押圧する弾性部材であることを特徴とする、請求項1記載のステアリング装置。
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