JP2017001325A - 印刷用凹版、印刷装置および印刷方法 - Google Patents

印刷用凹版、印刷装置および印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の凹部に複数種類の線幅を有する印刷用凹版について、デバイス製造に好適な深さの組合せの選択手法が確立されていなかった。
【解決手段】印刷用凹版2に複数種類の線幅を有する複数の凹部を形成する際、完全転写が可能な凹部の線幅と深さの組合せの中から、線幅比が1.0に近くなる深さを選択する。このとき、線幅比の許容範囲において、インキ量が多くなるようにより深い深さを選択する。これにより、ブランケット胴3からの完全転写を得つつ、線幅比を所望の範囲に抑え、かつ抵抗率も低く抑えられる好適な導電パターン71をワーク4の表面に形成することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、印刷用凹版と、当該印刷用凹版を用いる印刷装置および印刷方法に関する。
近年、電子回路基板やタッチパネル基板等のデバイスにおける電極パターン形成への印刷技術の応用が期待されている。従来、これら電極の形成に関しては、比較的線幅が太く、高精度が要求されないパターンについてはスクリーン印刷技術を用い、線幅が細く、高精細なパターンが必要な箇所にはフォトリソグラフィ技術が用いられていた。かかる技術では露光工程や現像工程等、工程が煩雑であり、さらに現像液等の排液が発生する等の課題があった。
一方、凹版を用いた印刷技術は、微細なパターンを高精度に形成でき、工程が比較的単純であり、現像液などの排液が生じないため、電極パターン形成への凹版印刷技術の応用が試みられている。
特許文献1では、凹版オフセット印刷を用いて印刷用インキとしての導電性インキ組成物を印刷用ブランケット表面からガラス基板の表面に移転させる際に、ブランケット材料としてシリコーンゴムを用い、印刷用インキにはシリコーンゴムに溶解しやすい溶剤を加えることで、シリコーンゴムから印刷用インキを剥離しやすくする技術について記載されている(段落0003等)。
また、特許文献2や特許文献3のように、凹版としては、線幅が比較的大きい大面積パターンと、線幅が比較的小さい微細パターンとが、1つの凹版中に形成されたものが知られている。
特許文献2では、シリコーンブランケットを用いて凹版印刷を行う際に、ブランケット上での溶剤揮発に起因するインキ凝縮力の向上度合いが異なると、種々の印刷絵柄を一度に印刷することが困難である点が記載され(段落0004等)、また、この凝縮力の向上度合いを複数の凹部において揃えるために、凹部の断面積を互いに同一となるように設定する技術について記載されている(段落0022等)。
特許文献3では、凹パターン底面へのブランケットの接触を防止するために、開口幅が大きい凹パターンほど、大きい深さを有する凹パターンを形成する技術について記載されている(段落0038等)。
特許文献4には、複数の凹部を有するレジストパターンの形成方法について記載されている。特許文献4では、支持部上に多層レジストを形成し、複数種類の波長を有する光による露光処理によって、深さの異なる複数のトレンチ(溝)を多層レジストに形成する技術が記載されている(図4等)。
特許文献5には、凹部のアスペクト比が高い印刷用凹版を製造する技術が記載されている。特許文献5では、酸を用いたエッチングにより印刷用凹版を製造する場合、凹部の深さと幅の比(アスペクト比)を高くすることができないという問題が有る点、また、銅板等の基材表面へレーザ照射することによりアスペクト比の高い凹部を形成する方法があるものの、高出力のレーザを用いること等から設備・エネルギーコストが掛かり実用的でない点が記載され(段落0004〜0006等)、特許文献5の技術によれば、印刷用凹版の凹部の深さと幅の比(深さ/幅)が0.85であり、かつ凹部の幅が20.1μmである印刷用凹版が製造されると記載されている(段落0057等)。
特開2008−221842号公報 特開2011−240568号公報 特開2009−274299号公報 特開2012−208350号公報 特開2011−93124号公報
上記のように、線幅が比較的大きい大面積パターンと、線幅が比較的小さい微細パターンとが形成されている1つの凹版について、全ての線幅を一度の印刷処理により印刷することが、印刷処理のスループットの観点から求められている。
特許文献2に記載されているように、複数の線幅を有する凹版について、一度の印刷処理により印刷するためには、凹部の幅および深さの調整が必要であり、特許文献2では、幅と深さにより求められる断面積を同一にすることが提案されている。
上記のように、凹部の幅および深さにより算出される断面積を同一にする場合、例えば線幅100μmと10μmの2種類の凹部を1つの凹版に作成する場合に、断面積が同じである条件を満たす組合せとしては、例えば線幅100μmの凹部に対して深さ5μmを採用すれば、線幅10μmの凹部に対しては深さ50μmの凹版が必要となる。かかる凹版はアスペクト比が5以上と非常に高いものとなる。特許文献5に開示されているように、かかるアスペクト比を達成するには加工コストが高くなり、安価に当該凹版を供給することは困難である。
また、上記のように凹部のアスペクト比の増大を抑えるには、太い線幅を有する凹部の深さを浅くすればよい。しかしながら、特許文献3に開示されているように、線幅(開口幅)が大きい凹部(凹パターン)の深さは、当該凹部の底面へのブランケットの接触を防止するために、ある程度の深さが必要とされる。また、線幅に限らず、凹部において深さが浅すぎると、凹版へインキを供給した後、ブランケットへインキを転写する前に凹部内のインキが乾燥し、凹版からブランケットへインキが良好に転写されない事態も生じうる。
したがって、凹部のアスペクト比の増大を抑えるために、太い線幅を有する凹部の深さを浅くするには限界がある。かかる状況において、凹部の幅および深さを設計するにあたり、特に凹部の線幅の微細化が進む近年においては、特許文献2にて採用される「同断面積」とは異なる着想に基づく必要が生じている。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、一度の印刷処理により良好な印刷を行うために、複数種類の線幅の凹部について線幅および深さの好適な組合せを有する印刷用凹版を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、上記の印刷用凹版を用いる印刷装置および印刷方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の第1発明にかかる印刷用凹版は、ブランケット胴と当接する当接面と、インキが供給される複数の凹部とを備え、前記複数の凹部は、前記当接面側において複数種類の線幅を有し、前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(5)の5条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする。
(1)前記凹部の線幅が9μm以上11μm以下のとき、当該凹部の深さが28μm以上36μm以下である。
(2)前記凹部の線幅が13μm以上17μm以下のとき、当該凹部の深さが17μm以上28μm以下である。
(3)前記凹部の線幅が22μm以上28μm以下のとき、当該凹部の深さが9μm以上14μm以下である。
(4)前記凹部の線幅が50μm以上60μm以下のとき、当該凹部の深さが5μm以上10μm以下である。
(5)前記凹部の線幅が85μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
本願の第2発明は、第1発明の印刷用凹版であって、前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(5)の5条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする。
(1)前記凹部の線幅が9μm以上11μm以下のとき、当該凹部の深さが32μm以上36μm以下である。
(2)前記凹部の線幅が13μm以上17μm以下のとき、当該凹部の深さが22μm以上28μm以下である。
(3)前記凹部の線幅が22μm以上28μm以下のとき、当該凹部の深さが12μm以上14μm以下である。
(4)前記凹部の線幅が50μm以上60μm以下のとき、当該凹部の深さが5μm以上10μm以下である。
(5)前記凹部の線幅が85μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
本願の第3発明は、印刷用凹版であって、ブランケット胴と当接する当接面と、インキが供給される複数の凹部とを備え、前記複数の凹部は、前記当接面側において複数種類の線幅を有し、前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(4)の4条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする。
前記凹部の線幅をXとすると、
(1)前記凹部の線幅が10μm以上15μm以下のとき、当該凹部の深さが(−2.1*X+49)μm以上(−1.5*X+51)μm以下である。
(2)前記凹部の線幅が15μm以上25μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.8*X+29.5)μm以上(−1.45*X+50)μm以下である。
(3)前記凹部の線幅が25μm以上55μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.15*X+13)μm以上(−0.1*X+16)μm以下である。
(4)前記凹部の線幅が55μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
本願の第4発明にかかる印刷装置は、第1発明から第3発明までのいずれかの印刷用凹版の前記凹部にインキを供給する塗布ユニットと、前記印刷用凹版の前記凹部からインキが受理されるブランケット胴と、前記ブランケット胴から前記インキが転写されるワークを配置するワーク配置部とを有することを特徴とする。
本願の第5発明にかかる印刷方法は、印刷用凹版からワークへブランケット胴を介してインキを転写する印刷方法であって、第1発明から第3発明までのいずれかの印刷用凹版の前記凹部に前記インキを供給する塗布工程と、前記印刷用凹版の前記凹部から前記ブランケット胴へ前記インキを転写するブラン転写工程と、前記ブラン転写工程の後、前記ブランケット胴から前記ワークへ前記インキを転写するワーク転写工程とを備える。
本発明によれば、ブランケット胴と当接する当接面と、インキが充填される複数の凹部とを備え、凹部として複数種類の線幅を有する印刷用凹版において、凹部の線幅と、当該凹部の深さを好適な範囲で選択できる。当該範囲内に含まれる凹部の線幅と深さを選択した印刷用凹版を用いれば、ブランケット胴からの完全転写を得つつ、線幅比を所望の範囲に抑えられる好適な導電パターンをワークの表面に形成することができる。
本発明に係る印刷装置を示す概念図である。 本発明に係る印刷用凹版を示す平面図である。 図2のA−A'先における印刷用凹版の断面図を概念的に示す図である。 本発明に係る印刷方法を示すフローチャートである。 図4のフローチャートにおける塗布工程を示す模式図である。 図4のフローチャートにおけるブラン転写工程を示す模式図である。 図4のフローチャートにおけるワーク転写工程を示す模式図である。 図4のフローチャートにおける乾燥工程を示す模式図である。 ブラン転写工程における転写不良を示す模式図である。 ワーク転写工程における転写不良を示す模式図である。 印刷試験結果における凹部深さと導電パターンの断面積との関係を凹部線幅ごとに示すグラフである。 印刷試験結果における凹部線幅と導電パターン線幅との線幅比を示すグラフである。 印刷試験から求められた凹部線幅に対する凹部深さの好適範囲を示すグラフである。 印刷試験から求められた凹部線幅に対する凹部深さの好適範囲を示すグラフである。
<第1実施形態>
<1.印刷装置>
本発明の第1実施形態に係る印刷装置について説明する。図1に、第1実施形態に係る印刷装置1の全体構成についての概念図を示す。印刷装置1は、印刷用凹版2に塗布されたインキをブランケット胴3に転写し、ブランケット胴3からワーク4へインキを転写することにより、印刷用凹版2に形成された凹部に基いた導電パターンをワーク4に形成する装置である。
印刷用凹版2については、後に詳述する。転写先であるワーク4としては、例えばガラス基板、石英基板、半導体ウエハ等の各種基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)シート、ポリイミド(PI)シート等の各種樹脂シートが用いられる。第1実施形態では、PETシートをワーク4として用いる。
以下、印刷装置1の各部構成について説明する。
印刷装置1は、天板、側壁および底板を有する筐体10と、筐体10の内部に設けられる基台11と、基台11の上部に紙面左右方向に延設され、紙面方向に2本設けられるガイドレール12とを備える。紙面方向手前側のガイドレール12(図1に図示のガイドレール)は、第1溝部(図示省略)と第1ボールねじ(図示省略)を有する。また、紙面方向奥側のガイドレール12(図1に図示のガイドレール12の奥側に位置する図示省略のガイドレール)は、第2溝部(図示省略)と第2ボールねじ(図示省略)を有する。
印刷装置1は、さらに、紙面方向手前側のガイドレール12の第1溝部に嵌合して、第1ボールねじと接続するように設置されるステージ13と、紙面方向奥側のガイドレール12の第2溝部に嵌合して、第2ボールねじと接続するように設置されるステージ14と、紙面方向に2本対向して設けられる支柱15(図1に図示の支柱15は、2本のうち手前側の支柱)と、支柱15に支持されるブランケット胴3と、第1または第2ボールねじを回転駆動させることでステージ13またはステージ14をガイドレール12の第1溝部または第2溝部に沿って移動させる駆動部16と、ブランケット胴3を上下移動および紙面方向を軸として回転移動させる駆動部17と、駆動部16および駆動部17の動作を制御する制御部5と、を備える。
ステージ13、14は、ガイドレール12の第1、第2溝部および第1、第2ボールねじとそれぞれ独立して接続する。これにより、ステージ13およびステージ14は、それぞれ個別に、それぞれのガイドレール12の第1溝部または第2溝部に沿って移動する。
制御部5が駆動部16に動作指令を行い、駆動部16がガイドレール12に備えられる第1ボールねじを回転駆動させると、これに伴いステージ13が第1溝部に沿って図1の左右方向に移動する。制御部5が駆動部16に動作指令を行い、駆動部16がガイドレール12に備えられる第2ボールねじを回転駆動させると、これに伴いステージ14が第2溝部に沿って図1の左右方向に移動する。
制御部5が駆動部17に動作指令を行うと、駆動部17はブランケット胴3を図1の上下方向に移動させ、または/およびブランケット胴3を図1の紙面方向を軸として反時計回りに回転移動させる。
ブランケット胴3は、圧胴31と、圧胴31に設けられる前端クランプ32と、圧胴31に設けられる後端クランプ33と、を備える。
圧胴31は円筒状の部材であり、円筒面を紙面方向に平行な方向に向けて2本の支柱15の間に支持される。前端クランプ32および後端クランプ33は、後述する印刷用凹版2からインキ7を受理して支持する支持体34を把持するクランプである。支持体34としては、シリコーンゴムが用いられ、前端クランプ32および後端クランプ33に把持された支持体34は、圧胴31の円筒面に密着して保持される。
支持体34を把持した状態で、支持体34よりも回転方向側に位置する一方のクランプが前端クランプ32であり、支持体34よりも回転方向反対側に位置する他方のクランプが後端クランプ33である。
さらに印刷装置1は、印刷用凹版2を搬出入する凹版搬出入口と、ワーク4を搬出入するワーク搬出入口と、印刷用凹版2にインキを塗布する塗布ユニットと、を備えるが、図1ではこれらは図示省略する。
<2.印刷用凹版>
次に、本発明の第1実施形態に係る印刷用凹版について説明する。図2および図3に、第1実施形態における印刷用凹版2の概念図を示す。
図2は、印刷用凹版2の平面図であり、図3は、図2のA−A'線で切断した印刷用凹版2の断面図である。
印刷用凹版2の材質としては、印刷用凹版2上のインキを確実にブランケット胴3へ受理させる観点からは使用するインキに対する濡れ性が低い材質(すなわち、インキをより弾く材質)が好適であり、また印刷用凹版2が繰り返しブランケット胴3に押圧される観点からは耐擦性の高い材質が好適である。第1実施形態における印刷用凹版2の材質には、レジスト樹脂が用いられるが、本願発明の実施に関してはこれに限られず、レジスト樹脂をベースとして表面に保護膜を実装した印刷用凹版2を用いても良い。保護膜としては、めっき膜またはダイヤモンドライクカーボン膜等の膜が用いられる。めっき膜としては、めっき加工の簡易性の観点からはニッケル膜が好適である。
図3の断面図を参照する。印刷用凹版2は、後述する印刷方法におけるブラン転写工程(S12)においてブランケット胴3と当接する当接面21と、ブランケット胴3とは直接接触しない側壁面22と底面23を有する。印刷用凹版2には側壁面22および底面23に囲まれた3箇所の凹部が設けられ、それぞれ第1凹部C1、第2凹部C2、第3凹部C3と称する。
なお、第1実施形態では、図2,3に示すように凹部が3箇所設けられるが、本願発明の実施に関してはこれに限られず、凹部は印刷用凹版2の当接面21に対し、任意の複数箇所に設けられる。
第1凹部C1、第2凹部C2、第3凹部C3は、それぞれ第1深さD1、第2深さD2、第3深さD3を有する。図3に示すように、第1深さD1は、当接面21から、第1凹部C1における底面23までの距離であり、第2深さD2は、当接面21から、第2凹部C2における底面23までの距離であり、第3深さD3は、当接面21から、第3凹部C3における底面23までの距離である。
第1凹部C1、第2凹部C2、第3凹部C3は、それぞれ第1線幅W1、第2線幅W2、第3線幅W3を有する。図2に示すように、第1線幅W1、第2線幅W2および第3線幅W3は、第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3における短尺側の幅であり、図3に示すように、第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3における当接面21側の幅である。
第1実施形態において、第1線幅W1は10μmであり、第2線幅W2は15μmであり、第3線幅W3は25μmである。
また、第1深さD1は30μmであり、第2深さD2は20μmであり、第3深さD3は10μmである。
線幅の異なる複数の凹部(第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3)を有する印刷用凹版2において、これら複数の線幅(第1線幅W1、第2線幅W2および第3線幅W3)と、当該凹部の深さ(第1深さD1、第2深さD2および第3深さD3)との関係を、上記の関係とすることによって、後述する印刷処理において線幅の異なる複数の凹部を有する印刷用凹版2からブランケット胴3を介してワーク4へ好適にインキを転写することができる。
これら第1深さD1、第2深さD2および第3深さD3と、第1線幅W1、第2線幅W2および第3線幅W3の好適な関係の数値的根拠については、後の<印刷試験>において詳述する。
なお、第1実施形態では凹部を第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の3箇所設けたが、本発明の実施に関してはこれに限られず、2箇所であってもよいし、3箇所より多くてもよい。
また、第1実施形態では、複数の凹部の線幅と深さが上記の関係であったが、本発明の実施に関してはこれに限られず、印刷用凹版2に含まれる複数の凹部において、それぞれの線幅と深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(5)の5条件のうち、2つ以上を満たせば、線幅の異なる複数の凹部を有する印刷用凹版2からブランケット胴3を介してワーク4へ好適にインキを転写することができる。
(1)前記凹部の線幅が9μm以上11μm以下のとき、当該凹部の深さが28μm以上36μm以下である。
(2)前記凹部の線幅が13μm以上17μm以下のとき、当該凹部の深さが17μm以上28μm以下である。
(3)前記凹部の線幅が22μm以上28μm以下のとき、当該凹部の深さが9μm以上14μm以下である。
(4)前記凹部の線幅が50μm以上60μm以下のとき、当該凹部の深さが5μm以上10μm以下である。
(5)前記凹部の線幅が85μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
第1実施形態では、第1凹部C1が条件(1)を満たし、第2凹部C2が条件(2)を満たし、第3凹部C3が条件(3)を満たす。この範囲であれば、線幅の異なる複数の凹部から1回の印刷処理により良好な転写を実現できる。
他の選び方としては、例えば第1凹部C1が条件(1)を満たし、第2凹部C2が条件(3)を満たし、第3凹部C3が条件(5)を満たすものとしてもよい。この範囲でも同様に、線幅の異なる複数の凹部から1回の印刷処理により良好な転写を実現できる。
また、他の選び方としては、例えば第1凹部C1が条件(1)を満たし、第2凹部C2が条件(5)を満たし、第3凹部C3が条件(5)を満たすものとしてもよい。すなわち、複数の凹部が同一の条件を満たしてもよい。この場合でも同様に、線幅の異なる複数の凹部から1回の印刷処理により良好な転写を実現できる。
<3.印刷方法>
次に、本発明の第1実施形態に係る印刷方法について説明する。図4に、第1実施形態における印刷方法の各工程のフローチャートを示す。また、図5ないし図8に、図4のフローチャートにおける各工程の模式図を示す。
図4を参照する。印刷装置1(図1参照)は、制御部5の動作指令により、図4に示す印刷処理を実行する。ここで、印刷装置1は、印刷処理を実行する前に以下の初期化動作を行い、予め印刷用凹版2およびワーク4をそれぞれステージ13およびステージ14に載置し、支持体34を圧胴31に保持させる。そして、ステージ13、ステージ14およびブランケット胴3を初期位置に位置させる。
すなわち、制御部5が駆動部16に動作指令を行い、ステージ13およびステージ14をそれぞれ印刷用凹版2およびワーク4を載置可能な搬入位置に位置させる。印刷用凹版2は、凹版搬出入口(図示省略)からロボットアーム等により搬入され、ワーク4はワーク搬出入口(図示省略)からロボットアーム等により搬入され、それぞれステージ13およびステージ14に載置される。また、支持体34が、前端クランプ32および後端クランプ33に把持されることにより、圧胴31の円筒面に保持される。
次に、制御部5は印刷装置1の零点復帰を実行する。駆動部16および駆動部17に動作指令を行い、ステージ13、ステージ14およびブランケット胴3をそれぞれ初期位置に位置させる。
以上の初期化動作を実行した後、制御部5は図4に示す印刷処理を実行する。
制御部5が印刷処理を実行すると、はじめに塗布工程(S11)が実行される。図5は、塗布工程中における印刷用凹版2の様子を示す模式図である。塗布工程では、塗布ユニットが印刷用凹版2にインキ7を塗布する。塗布ユニットは、印刷用凹版2にインキ7を供給するインキ供給機構(図示省略)と、インキ供給機構から供給されるインキ7を印刷用凹版2の当接面21から掻き取るドクターブレード6を有するユニットである。
塗布工程では、まず、インキ供給機構により印刷用凹版2の当接面21にインキ7が所定量供給される。次に、ドクターブレード6を印刷用凹版2の当接面21に当接させて、図5の紙面方向左側へスライドさせることにより、当接面21に供給されたインキ7を第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の内部へ供給し、当接面21におけるインキ7を掻き取って除去する。これにより、印刷用凹版2において、第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の内部のみにインキ7が供給される。
ここで、インキ7としては、導電性材料および溶剤を含む導電性ペーストが用いられる。第1実施形態では、導電性材料として銀粉末を用い、溶剤としてブチルカルビトールアセテート(Butyl carbitol acetate、以下「BCA」と称する)を用いるが、本願発明の実施に関してはこれに限られない。導電性材料としては各種の金属粉末を使用できるが、比較的低抵抗率である金属が好適であり、第1実施形態では銀を用いる。溶剤としては各種の有機溶剤を使用できるが、支持体34により吸収される溶剤が好適であり、第1実施形態では支持体34として用いるシリコーンゴムにより吸収されるBCAを用いる。
第1実施形態では、インキ7のうち導電性材料を60重量%以上80重量%以下含み、溶剤を1重量%以上10重量%以下含む。導電性材料の割合が高く、溶剤の割合が低いほどインキ7は高粘度になる傾向があり、第1実施形態で用いるインキ7も比較的高粘度に設定される。後述するように、インキ7のうち溶剤は、印刷処理中に除去され、実際にワーク4上へ転写して用いるのは導電性材料であるから、高粘度材料である方がインキ7の量を少なく抑えられ、省材料を実現できる観点から好適である。
図4に戻る。第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の内部にインキ7が供給されると、次にブラン転写工程(S12)が実行される。
図6は、ブラン転写工程中における印刷用凹版2およびブランケット胴3の様子を示す模式図である。制御部5(図1参照)の動作指令により駆動部16が印刷用凹版2を載置したステージ13をブランケット胴3の下方に移動させ、駆動部17がブランケット胴3を下方へ移動させることにより、表面に支持体34が取り付けられたブランケット胴3が印刷用凹版2の当接面21(図3参照)に圧接される。そして、制御部5の動作指令により駆動部16がステージ13を図6の紙面方向右側へ移動させるとともに、駆動部17がブランケット胴を図6の紙面方向を軸に反時計回りに回転移動させる。これにより、図6に示すように印刷用凹版2の第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の内部のインキ7が支持体34に受理されることで、印刷用凹版2からブランケット胴3へのインキ7の転写が実行される。
インキ7がブランケット胴3へ転写された後、制御部5の動作指令により、駆動部17がブランケット胴3を印刷用凹版2と圧接する位置よりも上方へ移動させ、駆動部16がステージ13をブランケット胴3の下方から初期位置へと退避させる。
ブラン転写工程において、ブランケット胴3の周速と、ステージ13の移動速度を等しくすることで、印刷用凹版2の複数の凹部C1,C2,C3のサイズのまま、インキ7をブランケット胴3へ転写することができる。第1実施形態では、これらの速度が等しくなるように制御部5が駆動部16,17を制御する。
図4に戻る。印刷用凹版2からブランケット胴3における支持体34へインキ7が転写されると、次にワーク転写工程(S13)が実行される。
図7は、ワーク転写工程におけるブランケット胴3およびワーク4の様子を示す模式図である。制御部5(図1参照)の動作指令により駆動部16がワーク4を載置したステージ14をブランケット胴3の下方に移動させ、駆動部17がブランケット胴3を下方へ移動させることにより、表面に支持体34が取り付けられたブランケット胴3がワーク4の表面に圧接される。そして、制御部5の動作指令により駆動部16がステージ14を図7の紙面方向右側へ移動させるとともに、駆動部17がブランケット胴を図7の紙面方向を軸に反時計回りに回転移動させる。これにより、図7に示すように支持体34上のインキ7がワーク4の表面に受理されることで、ブランケット胴3からワーク4へのインキ7の転写が実行される。
ブラン転写工程により支持体34へインキ7が転写された後、インキ7に含まれる溶剤としてのBCAが支持体34としてのシリコーンゴムに吸収されることにより、支持体34の表面に溶剤を含んだ吸収層が形成される。この吸収層は、通常の支持体34の表面と比較してインキ7との接着力が弱い傾向があり、上記のワーク転写工程においてインキ7を支持体34の表面に残留させることなくワーク4へインキ7を転写しやすくすることができる。
したがって、ブラン転写工程により印刷用凹版2から支持体34へインキ7が転写された後、ワーク転写工程により支持体34からワーク4へインキ7を転写するまでの間に、インキ7中の溶剤を支持体34に吸収させる時間を確保することが好適である。また、上記の時間がより長くなると、インキ7に含まれる溶剤が必要以上に吸収されたり、大気中へ揮発除去されることで、支持体34のインキ7がワーク4に接着しなくなることから、かかる時間は、適度な時間に調整することが好適である。第1実施形態では、ブラン転写工程により印刷用凹版2から支持体34へインキ7が転写されてから、2秒以上6秒以下の時間で、ワーク転写工程により支持体34からワーク4へインキ7が転写される。
インキ7がワーク4へ転写された後、制御部5の動作指令により、駆動部17がブランケット胴3をワーク4と圧接する位置よりも上方へ移動させ、駆動部16がステージ14をブランケット胴3の下方から初期位置へと退避させる。
図4に戻る。ブランケット胴3における支持体34からワーク4へインキ7が転写されると、次に乾燥工程(S14)が実行される。
図8は、乾燥工程終了後におけるワーク4の様子を示す模式図である。ワーク転写工程の後、ワーク4の表面にはインキ7が所定のパターンにて形成されている。このインキ7には上述のように導電性材料のほか、溶剤が含まれており、ワーク4をデバイスとして用いる上で、この溶剤を除去する必要がある。乾燥工程では、かかる溶剤を自然乾燥により除去する。すなわち、ワーク転写工程後のワーク4をそのまま放置することで、揮発により溶剤がワーク4の表面から除去され、図8に示すようにワーク4の表面には導電性材料を含む導電パターン71が形成される。
第1実施形態では、上記のように自然乾燥によりワーク4の表面からインキ7中の溶剤を除去するが、かかる構成は特に乾燥工程のために別途乾燥ユニットを設ける必要がなく、印刷装置1の装置コストを抑制する観点から好適である。
なお、本願発明の実施に関しては、自然乾燥に限られず、諸々の乾燥手法を用いてインキ中の溶剤を除去する構成としてもよい。自然乾燥では十分な乾燥速度が得られず、印刷処理における所望のスループットが達成できない場合には、熱風をワーク4の表面へ供給する乾燥ユニットをさらに設けて、乾燥工程においてワーク4の表面へ熱風を供給することで溶剤の乾燥速度を高めてもよい。
また、熱風を供給するほか、ワーク4の表面における雰囲気を減圧する乾燥ユニットを用いることで溶剤の乾燥速度を高める構成としてもよい。
さらに、第1実施形態では印刷装置1のステージ14上にワーク4を載置したまま乾燥工程を実行したが、本願発明の実施に関してはこれに限られず、ワーク4をワーク搬出入口から印刷装置1の外部へ搬出して、別途用意される乾燥装置へ導入してからワーク4の表面からインキ7中の溶剤を除去する構成としてもよい。
以上の工程により、第1実施形態における印刷方法が実行され、印刷用凹版2の複数の凹部である第1凹部C1、第2凹部C2および第3凹部C3の形状にもとづいた導電パターン71が、ワーク4の表面に形成される。
また、本願の第1実施形態では、印刷用凹版2として第1線幅W1が10μmであり、第2線幅W2が15μmであり、第3線幅W3が25μmである、複数種類の線幅を有する凹版を用いる。
このように、複数種類の線幅を有する凹版において、それぞれの線幅に対する深さとして第1深さD1を30μmとし、第2深さD2を20μmとし、第3深さD3を10μmとすることによって、印刷用凹版2からブランケット胴3を介してワーク4へ好適にインキを転写することができる。
これら第1深さD1、第2深さD2および第3深さD3と、第1線幅W1、第2線幅W2および第3線幅W3の好適な関係の数値的根拠については、後の<印刷試験>において詳述する。
<4.印刷用凹版の製造方法>
次に、本発明の第1実施形態に係る印刷用凹版2(図2、図3参照)の製造方法について説明する。第1実施形態に係る印刷用凹版2は、レジスト層の形成と、当該レジスト層に対する露光とを各層で繰り返し行って生成されるレジスト積層体を現像することで製造される。
上記の製造方法により、印刷用凹版2として第1線幅W1が10μmであり、第2線幅W2が15μmであり、第3線幅W3が25μmである、複数種類の線幅を有する凹版において、それぞれの線幅に対する深さを、第1深さD1を30μmとし、第2深さD2を20μmとし、第3深さD3を10μmとすることができる。
<第2実施形態>
本願の第2実施形態では、印刷用凹版2における複数の凹部の線幅と深さとの関係で、第1実施形態と異なるが、その他の点については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
第2実施形態における印刷用凹版2は、印刷用凹版2に含まれる複数の凹部において、それぞれの線幅と深さの関係が、前記凹部の線幅をXとして少なくとも以下の(1)から(4)の4条件のうち、2つ以上を満たせば、線幅の異なる複数の凹部を有する印刷用凹版2からブランケット胴3を介してワーク4へ好適にインキを転写することができる。
(1)前記凹部の線幅が10μm以上15μm以下のとき、当該凹部の深さが(−2.1*X+49)μm以上(−1.5*X+51)μm以下である。
(2)前記凹部の線幅が15μm以上25μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.8*X+29.5)μm以上(−1.45*X+50)μm以下である。
(3)前記凹部の線幅が25μm以上55μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.15*X+13)μm以上(−0.1*X+16)μm以下である。
(4)前記凹部の線幅が55μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
例えば、第1凹部C1が条件(1)を満たし、第2凹部C2が条件(2)を満たし、第3凹部C3が条件(3)を満たす。この範囲であれば、線幅の異なる複数の凹部から1回の印刷処理により良好な転写を実現できる。
他の選び方としては、例えば第1凹部C1が条件(1)を満たし、第2凹部C2が条件(3)を満たし、第3凹部C3が条件(4)を満たすものとしてもよい。この範囲でも同様に、線幅の異なる複数の凹部から1回の印刷処理により良好な転写を実現できる。
<変形例>
上記の第1実施形態および第2実施形態では、図1に示す印刷装置1を用いて印刷用凹版2からワーク4へのインキ7の転写を行い、ワーク4の表面に導電パターン71を形成した。本発明の実施においては、印刷装置の構成としては印刷装置1に限られず、印刷装置1に諸々の変更を加えた印刷装置を用いてもよい。
第1実施形態等では、前端クランプ32および後端クランプ33により、圧胴31の円筒面の一部に支持体34が設けられる構成とした。しかしながら、本発明の実施においてはこれに限られず、圧胴31の円筒面の全面に支持体34が巻回された構成としてもよい。また、支持体34の保持手法としては、前端クランプ32および後端クランプ33による把持に限られず、円筒面に設けられた溝部から空気の吸引を行うことによる吸引保持(いわゆる真空チャック)をする構成としてもよい。
第1実施形態等では、図1に示すようにブランケット胴3が支柱15に支持され、支柱15を基準に上下・回転駆動し、ステージ13およびステージ14が都度ブランケット胴3の下方へ移動する構成とした。しかしながら、本発明の実施においてはこれに限られず、支柱15自体を左右に移動可能に構成し、ブランケット胴3を左右に移動させ、ステージ13およびステージ14は基台11に固定する構成としてもよい。本発明の実施においては、ブランケット胴3と印刷用凹版2、およびブランケット胴3とワーク4が、それぞれ相対的に移動する構成とされていればよい。
<印刷試験>
本発明における印刷用凹版の作用および効果を検証するために、発明者らは多くの印刷試験を行った。その試験の内容と結果について、以下に示す。当該印刷試験は、複数種類の線幅を有する印刷用凹版における、その線幅と、深さとの好適な関係を得るための試験である。
<試験内容>
まず、印刷試験の実施内容を説明する。印刷試験では、はじめに、線幅および深さがそれぞれ異なる複数の印刷用凹版を準備した。具体的には、凹部の線幅がそれぞれ10μm、15μm、25μm、55μm、85μmおよび100μmの6種類の線幅を選択し、これら6種類に対して、それぞれ深さが5μm、10μm、20μm、30μmおよび40μmの5通りの深さを有する凹部を準備した。すなわち、準備した凹部は(線幅6種類)×(深さ5通り)の30種類の凹部である。
なお、当該印刷試験では、深さとして5μm以上、40μm以下を選択している。凹部の深さが5μmよりも浅い場合には、凹部に供給されるインキの単位面積当たりの体積が小さくなり、印刷用凹版へインキが供給された後、ブランケット胴へインキが受理される前に、インキ中から溶剤が揮発することでインキが乾燥し、ブランケット胴へ良好に転写されなくなる観点、また、線幅が大きい凹部について深さがある程度以上に浅いと、インキの塗布工程においてドクターブレードが凹部の底面と接触する、いわゆる底掻きが生じて凹部への良好なインキ供給ができなくなる観点から、5μm以上の深さを選択した。
また、凹部の深さが40μmよりも深い場合には、印刷用凹版からブランケット胴へインキが完全に転写されず、一部のインキが印刷用凹版の凹部の底に残留したままとなるおそれがある。この残留したインキから溶剤が揮発して粉粒状となったインキと、次に続く印刷処理において供給されたインキとが混合することで、予期しない溶剤濃度のインキが印刷用凹版からブランケット胴へ転写されることになり、ブランケット胴からワークへのインキの転写が良好に行われない等の不具合が生じるおそれがあり、連続印刷には適さない。また、ワークの表面に転写されるインキの量は、凹部の深さが深くなるほど多くなる傾向を有するが、このインキ量の増加傾向は、ある程度の深さ以上となった時点で飽和することが後述の実験により明らかとなった。この観点からも、凹部の深さとして40μm以下の深さを採用した。
これら30種類の凹部を有する印刷用凹版をそれぞれ用いて、図4に示した印刷処理を実行した。かかる印刷処理において、凹部の寸法が異なる以外は、同じ印刷条件とした。
より具体的には、まず、印刷用凹版2から、支持体34としてシリコーンゴムを用いるブランケット胴3へ、インキ7を転写した(ブラン転写工程)。インキ7としては、銀ペーストが80重量%含まれ、BCAが10重量%含まれるインキを用いた。ステージ13は、移動速度を40mm/秒とし、ステージ13の移動速度とブランケット胴3の周速が等しくなるように移動させた。
図9は、上記のブラン転写工程における、印刷用凹版2から支持体34へのインキ7の転写不良を示す模式図である。図9において、支持体34は簡単のため平板状に示しているが、実際には図1に示すように円筒状の圧胴31に保持されることにより、支持体34は曲面となっている。
図9に示すように、印刷用凹版2の凹部に供給されたインキ7がブラン転写工程後に支持体34へ受理されず、印刷用凹版2の凹部に残留したままとなっているものを、「転写不良インキ72」と称する。
印刷用凹版2の凹部の深さが浅く、凹部の線幅が狭いほど、ブランケット胴3へインキ7が転写されず、印刷用凹版2の凹部に転写不良インキ72として残る傾向が強い。これは、線幅が同一である凹部においては、凹部の深さが浅いほど、深さが同一である凹部においては、凹部の線幅が狭いほど、内部に供給されるインキ7の体積も小さくなり、インキ中の溶剤が他の凹部と比較して少ないため、支持体34への転写前に凹部内のインキ7から溶剤が揮発して乾燥し、支持体34への十分な接着力を有せなくなることに起因する。
次に、ブランケット胴3からワーク4へ、インキ7を転写した(ワーク転写工程)。ブラン転写工程からワーク転写工程までの間の時間は、2秒以上6秒以下の範囲であった。ステージ14は、移動速度を40mm/秒とし、ステージ14の移動速度とブランケット胴3の周速が等しくなるように移動させた。
図10は、上記のワーク転写工程における、支持体34からワーク4へのインキ7の転写不良を示す模式図である。図10において、支持体34は簡単のため平板状に示しているが、実際には図1に示すように円筒状の圧胴31に保持されることにより、支持体34は曲面となっている。
図10に示すように、支持体34に供給されたインキ7がワーク転写工程後にワーク4へ完全に転写されず、支持体34の表面に一部または全部のインキが残留したままとなっているものを、「転写不良インキ73」と称する。
印刷用凹版2の凹部の深さが深く、凹部の線幅が広いほど、ブランケット胴3からインキ7が完全に転写されず、支持体34の表面に転写不良インキ73として残る傾向が強い。ブランケット胴3からインキ7が完全に転写されるには、インキ7同士の結合力が十分に強く、ブランケット胴3とインキ7の接着力よりもワーク4とインキ7の接着力が強い必要がある。
印刷用凹版2の深さが深いほど、また、凹部の線幅が広いほど、インキ7の体積が大きくなり、インキ7同士の結合力は弱くなる傾向がある。そして、インキ7同士の結合力がブランケット胴3とインキ7の接着力、およびワーク4とインキ7の接着力を下回ると、インキ7が分断され、転写不良インキ73となる。
最後に、ワーク転写工程のあと、自然乾燥によりワーク4の表面においてインキ7中の溶剤を除去して導電パターン71を得た(乾燥工程)。
以上の印刷処理を、30種類の凹部を対象に実行した結果を表1に示す。表1では、凹部に供給されたインキ7が「転写不良インキ72」となった結果を「−」マークで示し、凹部に供給されたインキ7が「転写不良インキ73」となった結果を「×」マークで示し、凹部に供給されたインキ7が転写不良インキ72,73とならず、印刷用凹版2から支持体34に正常に転写され、支持体34から完全にワーク4へ転写されて導電パターン71が得られた結果を正常転写として「○」マークで示す。
Figure 2017001325
また、図11に、以上の印刷処理を実行した結果得られる、ワーク4の表面における導電パターン71の断面積と、印刷用凹版2の凹部の深さとの関係を、当該凹部の線幅ごとに示す。
ワーク4の表面における導電パターン71の断面積は、印刷用凹版2の凹部に供給されたインキ7の断面積よりも必然的に少ない値となる。これについては、以下の理由が挙げられる。
(1)ブランケット胴3の支持体34に吸収され、または乾燥処理においてインキ7から溶剤が除去されることに起因して、導電パターン71となるインキ7の量が減少する。
(2)ブラン転写工程において印刷用凹版2からブランケット胴3へ凹部のインキ7が完全に転写されずに凹部の底にインキ7が残留することに起因して、導電パターン71となるインキ7の量が減少する。
理由(1)に起因する導電パターン71の断面積の減少は、印刷用凹版2の凹部の深さにかかわらず、インキ7の導電性材料と溶剤の割合に依存するため、同一組成のインキ7を使用する当該実験においては、理由(1)に起因する導電パターン71の断面積の減少は、いずれの深さの凹部においても一律に生じると考えられる。
これに対し、理由(2)に起因する導電パターン71の断面積の減少は、印刷用凹版2の凹部の深さが深いほど、顕著に生じる。すなわち、凹部の深さが深いほど、印刷用凹版からブランケット胴へインキが完全に転写されず、一部のインキが印刷用凹版の凹部の底に残留したままとなっていることが実験結果によって明らかとなった。
図11に示されるように、線幅10μm、15μm、25μmのいずれの線幅においても、凹部の深さが5μmから30μmまでの間においては、ワーク4の表面に形成される導電パターン71の断面積は、凹部の深さが深くなるほど大きくなる傾向を有し、凹部の深さが20μmから30μmまでの間における増加率は線幅10μmが80%、線幅15μmが40%、線幅25μmが50%である。
これに対し、凹部の深さが30μmから40μmになる際の導電パターン71の断面積の増加率は、線幅10μmが20%、線幅15μmが10%、線幅25μmが10%となり、それぞれ20μmから30μmまでの増加率の1/4よりも小さくなる。これにより、40μm以上では当該増加率が飽和することが実験結果から示唆されている。
ワーク4の表面の導電パターン71の断面積は、デバイス化の際に実際に用いられるいわゆる有効インキ量に相当する。印刷用凹版2の凹部断面積に対する導電パターン71の断面積の比が高いほど、印刷用凹版2に供給するインキ7が有効に使用されることとなる。換言すれば、印刷用凹版2の凹部断面積が大きくても、導電パターン71の断面積がそれに伴って大きくならないのであれば、それはインキ7の無駄が多いこととなり、省材料の観点から好ましくない。
以上より、印刷用凹版2の凹部深さと導電パターン71の断面積を評価することにより、印刷処理に好適な印刷用凹版2の凹部の深さの上限が求められる。本実施例では、40μm以上で導電パターン71の断面積の増加率が飽和する傾向が得られたため、40μmを凹部深さの上限とする。
なお、印刷用凹版2とインキ7の接着力、およびブランケット胴3の支持体34とインキ7との接着力の関係によって、図11のようなグラフを用いて評価した際に飽和傾向が得られる凹部の深さが40μmよりも大きいのであれば、40μmよりも大きい凹部深さの上限を採用してもよいことは言うまでもない。
次に、表1を参照する。表1の線幅10μm、深さ5μmの印刷条件に示すように、線幅が小さく、深さが浅い凹部におけるインキ7は、転写不良インキ72となる傾向が得られた。また、線幅55μmにおける深さ20μm以上の印刷条件、および線幅85μm以上における深さ10μm以上の印刷条件に示すように、線幅が大きく、深さが深い凹部におけるインキ7は、転写不良インキ73となる傾向が得られた。そして、印刷実験により、表1中の「○」で示す条件であれば、正常転写されることが実証された。
したがって、単に正常転写さえすればよいのであれば、印刷用凹版2として表1中の「○」で示す条件を用いて、複数種類の線幅を有する複数の凹部の深さを決定すればよい。
また、単にワーク4へ転写されるインキ7の量を多くしたいのであれば、表1中の「○」で示す条件のうち、各線幅について最も深い深さを選択すればよい。すなわち、線幅10μm〜25μmに対して、凹部の深さを40μmとし、線幅55μmに対して凹部の深さを10μmとし、線幅85μm以上のものに対しては、凹部の深さを5μmとした印刷用凹版2を用いることが好適である。
しかし、発明者らは、さらに印刷結果の評価を進めることにより、印刷用凹版2における線幅と深さのより好適な選択手法を明らかにした。
図12に、以上の印刷処理を実行した結果得られる、ワーク4の表面における導電パターン71の線幅と、印刷用凹版2の凹部の線幅との比である線幅比(導電パターン71の線幅/印刷用凹版2の凹部の線幅)と、印刷用凹版2の凹部の深さとの関係を、当該凹部の線幅ごとに示す。
表1に示すように、線幅55μmと線幅85μmについては、深さが10μm程度よりも大きくなると、ブランケット胴3からワーク4への完全転写ができないことから、採用しえる凹部の深さが10μm程度以下に限られる。したがって、図12には、転写不良なく比較的多くの深さを採用し得る線幅10μmから線幅25μmまでの関係を示している。
図12を参照する。図12において、線幅10μmにおける凹部の深さと線幅比との関係の実測値を「◆」でプロットし、同様に線幅15μmについては「●」、線幅25μmについては「×」でプロットしている。また、これらそれぞれのプロットに対し、多項式近似(次数を2とした)により近似式を取り、それぞれ点線にて示している。また、当該近似式上において、線幅比が「0.9」「1.0」「1.1」となる点に、それぞれ「○」印を示している。
図12から、線幅全ての線幅において、凹部の深さが大きくなるほど、線幅比は増加する傾向が示された。これは、凹部が深くなるほどワーク4へ転写されるインキ7の高さも高くなり、乾燥前にインキ7が重力や、ブランケット胴3からワーク4へ押圧される力によって、ワーク4の表面で拡がりやすくなることに起因する。
インキ7は、印刷用凹版2からブランケット胴3へ受理された後、ブランケット胴3において溶剤が吸収されること等に起因して、ブランケット胴3からワーク4へ転写されたときのインキ7の線幅は印刷用凹版2の凹部の線幅よりも小さくなる。その後、ワーク4の表面でインキ7がその高さを消費しながら拡がることで、線幅が増大し、乾燥工程により導電パターン71となることで線幅が固定される。
図12の近似式に示すように、線幅10μmの場合、印刷用凹版2の凹部の線幅(10μm)とワーク4の表面の導電パターン71の線幅の差は、凹部の深さが32μmであるときに最も小さくなり、線幅比は1となる。また、10μmの線幅に対し、線幅比が0.9以上1.1以下となる範囲は、凹部の深さ28μmから深さ36μmである。
また、線幅15μmの場合、印刷用凹版2の凹部の線幅(15μm)とワーク4の表面の導電パターン71の線幅の差は、凹部の深さが22μmであるときに最も小さくなり、線幅比は1となる。また、15μmの線幅に対し、線幅比が0.9以上1.1以下となる範囲は、凹部の深さ17μmから深さ28μmである。
また、線幅25μmの場合、印刷用凹版2の凹部の線幅(25μm)とワーク4の表面の導電パターン71の線幅の差は、凹部の深さが12μmであるときに最も小さくなり、線幅比は1となる。25μmの線幅に対し、線幅比が0.9以上1.1以下となる範囲は、凹部の深さ9μmから深さ14μmである。
以上の結果より、2つの観点から、ワーク4に良好に転写するための好適な線幅と深さを決めることができる。第1の観点は、インキ量であり、第2の観点は、線幅比である。
第1の観点は、導電パターン71の抵抗率に作用する。ワーク4に転写されるインキの量が多いほど、導電パターン71の断面積が大きくなる傾向が図11から得られた。導電パターン71の断面積が大きいほど導電パターン71の抵抗率は低くなる。ワーク4をデバイス化する際には、導電パターン71等の配線の抵抗率は低いほどよい。したがって、抵抗率の観点から、インキ量は多い方が好適であり、すなわち凹部の深さはできるだけ深いほうが好適である。
第2の観点は、導電パターン71の作成精度に作用する。導電パターン71が設計値どおりのサイズで作成されることは、導電パターン71の高精細化に必要である。線幅比は、印刷用凹版2で設計した凹部の線幅がそのままワーク4の表面の導電パターン71の線幅となれば、導電パターン71のサイズ設計が容易となる点から、小さいほうが望ましい。このため、線幅比が1に近い深さを選択する。具体的には、線幅に対し、線幅比が0.9以上1.1以下となる範囲(すなわち、導電パターン71の線幅と印刷用凹版2の凹部の線幅の差が0となる深さに対し、±10%の範囲の深さ)であれば、実用に耐えうる誤差の範囲内となりえる。
以上をまとめると、印刷用凹版2に複数種類の線幅を有する複数の凹部を形成する際、まず、第2の観点を重視して線幅比が1に近くなる深さを選択することが好適であることを、発明者らは印刷試験により明らかにした。これにより、印刷用凹版2で設計した凹部の線幅がそのままワーク4の表面の導電パターン71の線幅に反映されず、サイズのずれが生じた場合、隣接する導電パターン71同士が本来接触しない位置で接触し、不良デバイスが製造されるのを防止することができる。
そして、次に、許容範囲である線幅比0.9以上1.1以下の深さ領域に対し、第1の観点であるインク量による低抵抗率の観点を適用することで、線幅比を小さく抑えつつ、抵抗率の低い導電パターン71を得ることができる。
すなわち、線幅比0.9以上1.1以下の許容範囲の中でも、凹部形状の条件として、より深い凹部を選択する。具体的には、線幅比1.0以上1.1以下の範囲がより好適な凹部形状の条件である。
これらより、図11の結果から、採用し得る深さの好適な上限が40μmとされ、表1と図12の結果から、印刷用凹版2として複数種類の線幅を有する凹版を用いるとき、線幅が10μmの凹部には、当該凹部の深さとして28μm以上36μm以下が好適であり、32μm以上36μm以下の深さがより好適である。また、線幅が15μmの凹部には、当該凹部の深さとして17μm以上28μm以下が好適であり、22μm以上28μm以下の深さがより好適である。また、線幅が25μmの凹部には、当該凹部の深さとして9μm以上14μm以下が好適であり、12μm以上14μm以下の深さがより好適である。
また、線幅が55μmの凹部には、凹部の深さとして5μm以上10μm以下が好適であり、線幅が85μm以上の凹部には、凹部の深さとして5μmが好適である。
複数種類の線幅を有する印刷用凹版2において、上記のような線幅と深さの関係を選択することによって、印刷用凹版2からブランケット胴3を介してワーク4へ好適にインキを転写することができる。
なお、複数種類の線幅を有する複数の凹部が、複数の線幅と、それぞれの線幅に対応する凹部の深さの関係が、少なくとも上記の条件のうち、2以上を満たせば、複数種類の線幅を有する印刷用凹版2において一回の印刷処理により良好にインキ7の転写をすることができる。
また、上記の条件であれば、線幅が10μmの場合でも最大の好適な深さが36μmであり、線幅と深さのアスペクト比は3.6となる。上記条件では、線幅85μm以上に対し深さ5μmが好適であり、線幅10μmの場合には28μm以上36μm以下が好適である。
ここで、特許文献2においては、線幅と深さとの関係として具体的に転写可能な値については言及していなかった。これに対し、発明者らは、好適に転写可能な線幅と深さの関係を明らかにし、さらに線幅比の観点を新たに提案し、評価に組み込むことによって、より好適な線幅と深さの具体的範囲を提供できた。また、上記のように微細パターン(線幅10μm)と大面積パターン(線幅85μm以上)を1つの印刷用凹版にて印刷する場合に、いずれのパターンも良好に転写される線幅と深さの関係を明らかにできた。
また、印刷用凹版2の線幅としては、線幅に対し±10%程度の差を有していても、インキ7の転写良否には大きく影響しないものと考えられるため、印刷用凹版2として複数種類の線幅を有する凹版を用いるとき、線幅が9μm以上11μm以下の凹部には、当該凹部の深さとして28μm以上36μm以下が好適であり、32μm以上36μm以下の深さがより好適である。また、線幅が13μm以上17μm以下の凹部には、当該凹部の深さとして17μm以上28μm以下が好適であり、22μm以上28μm以下の深さがより好適である。また、線幅が22μm以上28μm以下の凹部には、当該凹部の深さとして9μm以上14μm以下が好適であり、12μm以上14μm以下の深さがより好適である。
また、同様に、線幅が50μm以上60μm以下の凹部には、凹部の深さとして5μm以上10μm以下が好適である。また、線幅が85μm以上のときには、凹部の深さとして5μmが好適である。
上記の関係を、図13のグラフに示す。図13は、横軸に印刷用凹版2の凹部の線幅を、縦軸に当該凹部の深さを取り、各凹部の線幅ごとに、好適な凹部の深さを矩形範囲により示している。
また、印刷用凹版2の線幅と深さは、別の観点から着目すれば、図14に示すような関係をとる。図13では、印刷用凹版2の線幅としては、線幅に対し±10%程度の差を有していても、インキ7の転写良否には大きく影響しないものとして、各線幅10μm、15μm、25μm、55μmに対しそれぞれ±10%の範囲内で同一の好適な深さが存するものとして線幅と深さを選択した。実際には、インキ7がブラン転写工程、ワーク転写工程において、容易に転写されやすい材料である等、比較的条件を振ってもインキ7の転写が良好に行われるような印刷条件の際には、図13のグラフに示す観点により印刷用凹版2の線幅と深さを選択することが好適である。
これに対し、インキ7が上記と比べ転写される条件が限定される場合、すなわち線幅に伴って好適な深さが厳密に変化する場合には、図14に示すように、上記の許容範囲が線幅比0.9以上1.1以下となる値について、それぞれ各深さ間で1次関数をとった範囲内において、凹部の線幅と深さを選択することが好適である。
すなわち、凹部の線幅をXとして、線幅10μm以上15μm以下の範囲では、凹部の深さが(−2.1*X+49)μm以上(−1.5*X+51)μm以下の範囲とし、線幅15μm以上25μm以下の範囲では、凹部の深さが(−0.8*X+29.5)μm以上(−1.45*X+50)μm以下の範囲とし、線幅25μm以上55μm以下の範囲では、凹部の深さが(−0.15*X+13)μm以上(−0.1*X+16)μm以下の範囲となる線幅と深さの関係を選択することが好適である。
また、表1より、線幅が55μm、85μm、100μmのときには5μmにおいて正常に転写されることが示されたため、線幅55μm以上のときには、凹部の深さとしては5μmが好適である。
上記の印刷実験により、発明者らは印刷用凹版2に複数種類の線幅を有する複数の凹部を形成する際、凹部の線幅と深さについての好適な関係を明らかにした。上記の範囲内に含まれる凹部の線幅と深さを選択した印刷用凹版2を用いれば、ブランケット胴3からの完全転写を得つつ、線幅比を所望の範囲に抑え、かつ抵抗率も低く抑えられる好適な導電パターン71をワーク4の表面に形成することができる。かかるワーク4をデバイス化することにより、従来の凹版印刷技術により製造されるデバイスよりも品質が向上したデバイスを製造することができる。
この発明は、印刷用凹版、印刷用凹版を用いた印刷装置および印刷方法に適用することができる。
1 印刷装置
2 印刷用凹版
3 ブランケット胴
4 ワーク
5 制御部
6 ドクターブレード
7 インキ
10 筐体
11 基台
12 ガイドレール
13 ステージ
14 ステージ
15 支柱
16 駆動部
17 駆動部
21 当接面
22 側壁面
23 底面
31 圧胴
32 前端クランプ
33 後端クランプ
34 支持体
71 導電パターン
72 転写不良インキ
73 転写不良インキ
C1,C2,C3 第1凹部、第2凹部、第3凹部
W1,W2,W3 第1線幅、第2線幅、第3線幅
D1,D2,D3 第1深さ、第2深さ、第3深さ

Claims (5)

  1. 印刷用凹版であって、
    ブランケット胴と当接する当接面と、
    インキが供給される複数の凹部と
    を備え、
    前記複数の凹部は、前記当接面側において複数種類の線幅を有し、前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(5)の5条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする、印刷用凹版。
    (1)前記凹部の線幅が9μm以上11μm以下のとき、当該凹部の深さが28μm以上36μm以下である。
    (2)前記凹部の線幅が13μm以上17μm以下のとき、当該凹部の深さが17μm以上28μm以下である。
    (3)前記凹部の線幅が22μm以上28μm以下のとき、当該凹部の深さが9μm以上14μm以下である。
    (4)前記凹部の線幅が50μm以上60μm以下のとき、当該凹部の深さが5μm以上10μm以下である。
    (5)前記凹部の線幅が85μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
  2. 請求項1に記載の印刷用凹版であって、
    前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(5)の5条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする、印刷用凹版。
    (1)前記凹部の線幅が9μm以上11μm以下のとき、当該凹部の深さが32μm以上36μm以下である。
    (2)前記凹部の線幅が13μm以上17μm以下のとき、当該凹部の深さが22μm以上28μm以下である。
    (3)前記凹部の線幅が22μm以上28μm以下のとき、当該凹部の深さが12μm以上14μm以下である。
    (4)前記凹部の線幅が50μm以上60μm以下のとき、当該凹部の深さが5μm以上10μm以下である。
    (5)前記凹部の線幅が85μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
  3. 印刷用凹版であって、
    ブランケット胴と当接する当接面と、
    インキが供給される複数の凹部と
    を備え、
    前記複数の凹部は、前記当接面側において複数種類の線幅を有し、前記凹部の前記線幅と、当該凹部の深さの関係が、少なくとも以下の(1)から(4)の4条件のうち、2つ以上を満たすことを特徴とする、印刷用凹版。
    前記凹部の線幅をXとすると、
    (1)前記凹部の線幅が10μm以上15μm以下のとき、当該凹部の深さが(−2.1*X+49)μm以上(−1.5*X+51)μm以下である。
    (2)前記凹部の線幅が15μm以上25μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.8*X+29.5)μm以上(−1.45*X+50)μm以下である。
    (3)前記凹部の線幅が25μm以上55μm以下のとき、当該凹部の深さが(−0.15*X+13)μm以上(−0.1*X+16)μm以下である。
    (4)前記凹部の線幅が55μm以上のとき、当該凹部の深さが5μmである。
  4. 印刷装置であって、
    請求項1から請求項3までのいずれか1項の印刷用凹版の前記凹部にインキを供給する塗布ユニットと、
    前記印刷用凹版の前記凹部からインキが受理されるブランケット胴と、
    前記ブランケット胴から前記インキが転写されるワークを配置するワーク配置部と
    を備えることを特徴とする、印刷装置。
  5. 印刷用凹版からワークへブランケット胴を介してインキを転写する印刷方法であって、
    請求項1から請求項3までのいずれか1項の印刷用凹版の前記凹部に前記インキを供給する塗布工程と、
    前記印刷用凹版の前記凹部から前記ブランケット胴へ前記インキを転写するブラン転写工程と、
    前記ブラン転写工程の後、前記ブランケット胴から前記ワークへ前記インキを転写するワーク転写工程と
    を備えることを特徴とする、印刷方法。
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