JP2006196753A - 回路基板の製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
低粘度のレジストインクでも、塗布面(導電体)の表面状態の影響を受けることなく、所定領域外に拡がらずに、シャープなエッジ形状を有する高精度な回路基板を得る。さらに、同一基板上に、W(電極幅)/L(電極間ギャップ)が大きい電極配線パターンと小さい電極配線パターンが混在する回路基板の製作を容易にする。
【解決手段】
回路基板素材(1)の導電体(3)の表面に、インクジェットヘッド(4)によりバンク(土手)部材のインク(6)を吐出し、バンク(11)に挟まれた領域が、形成すべき電極配線パターンとなるように、バンク(11)の印刷を行う工程と、インクジェットヘッド(12)あるいは分注器により、レジストインク(14)を滴下または塗布して、レジストパターン(16a)を形成する工程と、バンク(11)を除去する工程とを含む回路基板の製作方法とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板上に金属箔あるいは金属板を積層した回路基板素材の、金属箔あるいは金属板の表面にインクジェットヘッド等を用いてレジストインクで配線パターン(以下、レジストパターンと称する)を印刷し、その後、エッチング処理により金属の電極配線パターンを有する回路基板を製作する方法に関するものである。特に、同一回路基板素材上に、W(電極幅)/L(電極間ギャップ)の異なる電極が混在した場合の回路基板の製作方法に関するものである。
プリント基板等の回路基板上に、電極配線パターンを形成するフローチャートを図4に示す。樹脂やセラミック等の絶縁体である基板に貼り付けられた銅箔等の導電体の表面に、レジストインクによりレジストパターンを形成する。次に、これをマスクとして塩化第二鉄や塩化第二銅等のエッチング液でエッチング処理を行うと、レジストインクで保護されていない導電体が溶解され、レジストインクで保護されていた導電体の部分のみが残る。最後に、不要となったレジストパターンを剥離・除去および洗浄後、所定の電極配線パターンが形成された回路基板を得る。導電体としては、銅の他、アルミニウムおよび酸化錫―インジウム等がある。
従来のレジストパターンの形成は、銅箔等の導電体の表面にレジスト材を塗布した後、またはドライフィルムを接着した後に、ネガまたはポジ写真による配線のマスクとなる版を用いて露光を行い、露光された部分を硬化または軟化させ、これを現像処理して不要な部分のレジスト材を除去する方法や、シルクスクリーン印刷機を用いて行われていた。
また、絶縁体である基板の表面に貼り付けられた銅箔等の導電体の表面に、インクジェットヘッドからレジストインクを吐出して、電極配線パターンに対応するレジストパターンを描画することにより版の作製を省略する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
産業用途にインクジェット法を用いる場合としては、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの形成方法等が知られている(例えば、特許文献2および3参照)。カラーフィルタは、インクがオーバーフローしないように、フォトリソグラフィーにより感光性樹脂層を基材にパターニングして形成されたバンク(土手)で囲まれた領域に、カラーフィルタ用のインクをインクジェットヘッドから滴下し、溶剤を乾燥して完成する。バンクは液晶ディスプレイのブラックマトリックスとしての遮光効果とR(赤)、G(緑)およびB(青)の混色防止機構を有し、カラーフィルタ層形成基板の構成物として使用されていた。
また、有機ELの製造において、バンクは発光層(R、GおよびB)の仕切用部材として使用されていた。この場合も、バンクはブラックマトリックスとしての遮光効果とR、GおよびBの混色防止機構としての役割を持ち、ディスプレイの構成部材として使用されていた。
なお、本発明で使用するバンク部材は、回路基板製作工程においてレジストパターン形成のための補助的手段として一時的に使用されるもので、レジストパターン形成後に除去されるものである。従って、前述のディスプレイの構成部材として使用されるバンクとは異なる。
また、2種類のインクをインクジェットヘッドで吐出して2種類の材料からなる二層構造体を作り、最後に外層部材を除去する、インクジェット法を用いた三次元造型装置がある。これは、サポート部材用インクを吐出するヘッドとモデル部材を吐出するヘッドを有し、それぞれのヘッドから、交互にインクを吐出して平面上に2.5次元の造型を製作して、これを順次積層して三次元に造型し、最後にサポート部材をとりはずして三次元の立体モデルを製作するものであり、サポート部材とモデル部材を交互に吐出することが不可欠である。サポート部材としてはホットメルトインクを用いていた(例えば、特許文献4および5参照)。
なお、本発明は、最初にホットメルトインクでバンクを作り、次にこのバンクで囲まれた領域にレジストインクを滴下してレジストパターンを形成するものである。三次元造型装置とは、各ヘッドの吐出シーケンスが異なり、さらに二次元印刷形態をとるところ等が大きく異なる。
特開平6−228774号公報
特開平10−142418号公報
特開2001−66408号公報
米国特許第4992806号公報
特開2004−90530号公報
上記した従来の回路基板の製作方法は、露光マスクやシルクスクリーン印刷用の版が必要で、その製作に所定の日数と費用を要していた。また、導電体の表面にレジスト材としてドライフィルムを接着・露光および現像処理し、その後除去する従来の方式や、シルクスクリーン印刷方式では、凹凸や段差のある基板には適用できなかった。また、同一基板上でレジストパターンの膜厚を変えることができなかった。
基板に非接触でレジストパターンを形成することが可能で、かつマスクを必要としない回路基板の製作を、インクジェット法で行う場合について、図7〜図10を用いて説明する。
図7(a)は、絶縁基板2に銅箔やアルミ板等の導電体3が貼り付けられた回路基板素材1の表面に、レジストインク吐出用インクジェットヘッド12が矢印→の方向に移動しながら、ノズル13より紫外線硬化型のレジストインク14を吐出し、導電体3に着弾してインク滴群14a、14bおよび14cが形成された状態を示す。このインク滴群14a、14bおよび14cはレベリングによりそれぞれ拡がりやがて合体する。その断面は図7(b)に示すように、レジストインク14と導電体3表面の物性によって決まる接触角θを有した形状となり、ランプ15を用いて紫外線を照射した後は、幅Wdのレジスト膜16bとなる。導電体3の表面は、予め脱脂等のために洗浄・乾燥およびコロナ放電処理等の前処理が行われる。
インクジェット法の場合は、通常、吐出できるインクの粘度は、20mPa・s以下である。この値は、シルクスクリーン印刷で使用されるインクの粘度(2000から3000mPa・s)の2桁程度低い値となっている。このため、インクジェット法によるレジストパターンの形成では、シルクスクリーン印刷法に比べてエッジのシャープ性が不十分で、だれが生じやすいという欠点があった。これについて、図8を用いて説明する。
インクジェット法で導電体3上に形成したレジスト膜16bの形状を図8(a)に示す。平面図に示すように、導電体3表面でのレジストインク14の濡れ性が不均一であるため、エッジのシャープ性が不十分であった。また、レジストインク14は粘度が低いため、断面図に示すように、中央部でのレジスト膜16bの膜厚Ld1は、0.5〜3μmとなる。さらに、レジストインク14の拡がりによりW1およびW1’の領域(数〜数十μm)では、レジスト膜16bの膜厚は、0.5μm以下になりピンホール等が発生しやすかった。このため、導電体3の材質やエッチング処理すべき厚み、あるいは、エッチング液の濃度や温度等のエッチング処理条件によっては、処理工程において、レジスト膜16bが薄いW1およびW1’の領域では、エッチング液に対するレジスト膜16bの保護効果が不十分であった。
図8(b)にエッチング処理後の電極17の形状を示す。平面図からわかるように、エッジのシャープさがなく、さらにW2およびW2’の領域では、レジスト膜16bエッジ部のだれの影響を受けて、導電体3の表層が浸食され、シャープなエッジを有する高精度な電極17が得られないという問題があった。
また、導電体3の表面にキズ23が存在する場合の問題点を、図9を用いて説明する。通常、導電体3の表面は導電体層の厚みの均一化と平坦化のため研磨が行われる。この際、導電体3の材質によっては、表面にミクロなキズ23を生じる場合がある。このキズ23の幅をLkw、キズ23の溝24の深さをLkdとする。キズ23を有する導電体3を使用して、図9(a)に示すような四角形状のレジストパターン16aを形成する場合は、導電体3に吐出されたレジストインク14は、キズ23の溝24に沿って拡がるため、図9(b)に示すように、レジストインク14の着弾位置周辺では、はみ出し領域26のあるレジストパターン16aとなってしまう。この状態でエッチング処理されると、図9(c)に示すように、はみ出し領域26は、エッチング処理された部分とされなかった部分が不均一な、電極のバリ27として残存し、シャープなエッジ形状でない電極17となってしまう。また、図9(b)下図に示すように、溝24の深さLkdが大きい場合は、塗布されたレジストインク14は溝24に入り込み、レジスト膜16bの膜厚が不均一になるため、良好な四角形状のレジストパターン16aの形成が難しくなる。レジスト膜16bが薄い領域ではピンホール等が発生しやすくなり、エッチング処理後の電極配線パターンに断線や欠損不良等が発生する場合があった。
一方、L(電極間ギャップ)が比較的広い場合に対応していたレジストパターンの形成法においても、改善すべき課題が浮上した。
各種情報端末機器の性能向上に伴い、回路基板の高密度実装のニーズが高まり、電極配線パターンのピッチが年々狭くなってきており、W(電極幅)/L(電極間ギャップ)が30μm/30μmのものも要求されている。
従来のドライフィルムの接着・露光および現像による方式や、シルクスクリーン印刷等で、導電体3上にレジストパターン16aを形成する方法においては、レジスト膜16bは、エッチング処理に耐えピンホール等の発生を防ぐために、30〜40μmの膜厚が必要であった。具体的には、図10(c)に示すように、同一絶縁基板2に、電極間ギャップLg2が30μmと狭い電極17bおよび電極17cと、電極間ギャップLg1が100μmと広い電極17aおよび電極17dとが混在する場合においても、電極17bおよび電極17cと、電極17aおよび電極17dとを保護するレジストパターン16aの膜厚Ldは、30〜40μmと均一であった(10(a))。
このため、広電極間ギャップ18bは良好なエッチング処理が行われるが、狭電極間ギャップ18aは、液溜りが発生しやすく、エッチング処理速度が遅くなり、さらには、図10(b)に示すように、エッチング残り28が発生するという問題があった。
上記したように、W(電極幅)/L(電極間ギャップ)の大きい電極配線パターンと小さい電極配線パターンとが混在する回路基板に対応できる技術がなかった。
本発明は、エッチング処理により金属配線パターンを形成した回路基板を製作する方法において、少なくとも、基板上に金属箔あるいは金属板等の導電体を積層した回路基板素材の前記導電体の表面に、インクジェットヘッドにより、バンク(土手)部材のインクを吐出し、バンクに挟まれた領域が、形成すべき電極配線パターンとなるように、バンクの印刷を行う工程と、インクジェットヘッドあるいは分注器により、レジストインクを滴下または塗布して、レジストパターンを形成する工程と、前記バンクを除去する工程とを含むことを特徴とする。
また、エッチング処理により金属配線パターンを形成した回路基板を製作する方法において、少なくとも、基板上に金属箔あるいは金属板等の導電体を積層した回路基板素材の前記導電体の表面に、インクジェットヘッドにより、バンク(土手)部材のインクを吐出し、バンクに挟まれた領域が、形成すべき電極配線パターンとなるように、バンクの印刷を行う工程と、インクジェットヘッドあるいは分注器により、レジストインクを滴下または塗布して、レジストパターンを形成する工程と、エッチング液で前記導電体およびバンクの溶解・除去を行うエッチング処理工程とを含むことを特徴とする。
また、前記バンクをホットメルトインクで印刷することを特徴とする。
また、ホットメルトインクの融点が、エッチング処理工程のエッチング液温以下であることを特徴とする。
また、前記回路基板素材上に膜厚の異なるレジストパターンを形成することを特徴とする。
また、前記電極配線パターンのW(電極幅)/L(電極間ギャップ)、または前記導電体の厚みに応じて、レジストインクの滴下量を調整することにより、前記回路基板素材上に膜厚の異なるレジストパターンを形成することを特徴とする。
本発明によれば、導電体の表面にバンク(土手)を設けたことにより、低粘度のレジストインクでも、塗布面(導電体)の表面状態の影響を受けず、レジストインクが所定領域外に拡がらないように防御できるため、シャープなエッジを有する高精度な電極配線パターンを得ることができる。
また、バンク(土手)の印刷にホットメルトインクを用いることにより、レジストパターンの膜厚を電極間ギャップに応じて自由に設定することができるため、同一基板上にW(電極幅)/L(電極間ギャップ)の大きい電極配線パターンと小さい電極配線パターンとが混在する回路基板の製作が容易になった。
図5を用いて説明する。回路基板素材1は、絶縁基板2上に銅箔などの導電体3が貼り付けられた積層板からなる。図5(a)は、導電体3の表面に膜厚Ld1のレジスト膜16bが形成された状態、(b)は、レジスト膜16bを溶解・除去することにより、絶縁基板2上に電極17が形成された状態を示す。 エッチング処理後に良好な電極配線パターンを得るためには、レジスト膜16bは、(1)ピンホール等が無く、かつ、膜厚Ld1は、1〜30μm、好ましくは2〜20μmであること。(2)エッジ部19aがシャープであること。(3)導電体3との境界部19bにおける密着性が優れること。(4)エッチング処理時に、エッチング液溜まりが発生しないように、導電体3上に形成する電極配線パターンのW(電極幅)/L(電極間ギャップ)に応じて、膜厚Ld1が変えられること、等の上記(1)〜(4)を満足する必要がある。
これらを実現するための方法を、図6を用いて説明する。
図6(a)に示すように、導電体3の表面にレジストパターン領域20bを囲むようにバンク20a1、バンク20a2、バンク20a3およびバンク20a4が設けられていることが望ましい。さらに、このすべてのバンク20a1〜20a4は、遅くとも、エッチング処理工程においては、導電体3の表面から除去されることが望ましい。エッチング処理工程の前に、バンクを除去する工程を設けてもよい。また、エッチング処理工程においてバンクを除去してもよい。
このバンク20a1〜20a4は、バンク部材インク吐出用インクジェットヘッド4からバンク部材インク6を吐出して、印刷することにより形成することができる(図1)。このバンク20a1の高さをLbとする。
バンク20a1〜20a4で囲まれたレジストパターン領域20bに、レジストインク14を滴下し、硬化させる。バンク20a1とバンク20a2の境界は“ Coffee stain effect ”で盛り上がり、エッジ領域21aおよびエッジ領域21bを有するレジスト膜16bとなる(図6(b))。ここで、レジストパターン領域20bへのレジストインク14の滴下は、レジストインク吐出用インクジェットヘッド12(図1)または分注器を用いることができる。レジストパターン領域20bのサイズによって使い分けても良い。
図6(a)では、バンク20a1〜20a4はレジストパターン領域20bの周囲を取り囲む構成を示したが、レジストパターン領域20bの形状によっては、一部を解放状態にしても良い。例えば、W1が狭く、W2が広い線形の場合には、レジストインク14はW2の方向に拡がりにくいので、バンク20a3およびバンク20a4を省くことができる。即ち、レジストパターン領域20bをバンク20a1とバンク20a2とで挟んだ構成でも良い。
なお、導電体3表面をコロナ放電処理やプラズマ処理等で前処理しておくことにより、導電体3とレジスト膜16bの境界部19bの密着性を向上することができる(図5)。
導電体3の表面から、バンク20a1〜20a4を除去した状態を図6(c)に示す。これからわかるように、本発明におけるレジスト膜16bのエッジ領域21aおよびエッジ領域21bの形状は、図7(b)に示す従来の形状と異なり、レジスト膜16bの中央部の膜厚Ld1よりも、エッジ領域21aおよびエッジ領域21bの膜厚LRが高くなる。
ここで、バンク部材インク6としては、各種の材料を使用することができるが、後工程で剥離・除去することを考慮すると、粘度が高く、かつ、導電体3に接触した際に直ちに固化するワックス系のホットメルトインクが好ましい。ホットメルトインクを用いると、導電体3の表面に着地後直ちに固化して高粘度となるため、低粘度の液状インクのようなインクの拡がりがなく、エッジがシャープなバンク20a1〜20a4を形成できる。バンク部材インク6の形状は、図6(a)に示すバンク20a1およびバンク20a2のようにドーム状となり、高さLbは、吐出インク量や吐出数を変えることにより、18〜35μmにすることができる。また、ホットメルトインクの組成物は、特定の有機溶剤に溶解するもの、温度を加えることにより比較的容易に基板から剥離できるもの、さらには、エッチング液と反応して溶解する官能基を有する材料等から選定することができる。
一般に、レジスト膜16bは硬化・乾燥後の膜厚が0.5〜50μm、好ましくは3〜30μmの範囲が好ましいとされているが、用途により様々で、プリント基板の場合には2〜12μm、パワーモジュール用の基板では、導電体3が厚いため10〜30μmが適切とされている。しかし、本発明におけるバンク20a1〜20a4の高さは18〜35μmの間で任意に設定できるため、例えば同一基板上に、単純な電極形状を有する部位と高精細で複雑な電極形状を有する部位が混在するような回路基板に対しても、この範囲内でレジスト膜厚を部位ごとに適正化することができるため、エッチング処理が容易でかつそれに耐えうるレジストパターン16aを形成することが可能である。さらに、バンク20a1〜20a4による障壁効果と、“ Coffee stain effect ”により、レジスト膜16bのエッジ領域21aおよびエッジ領域21bは、従来のようなエッジのダレもなく所定以上の膜厚を確保できるため、エッチング処理に耐えるレジストパターン16aを得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
図1は、本発明の回路基板の製作工程を示す図である。回路基板素材1は、絶縁基板2上に、厚み12μmの銅箔からなる導電体3が形成された積層板である。前処理として、導電体3表面の脱脂等のため洗浄・乾燥処理を行い、導電体3表面にマイナスのコロナ放電処理をしてレジストインク14の濡れ性を改善した後、下記の工程により回路基板の製作を行った。
(1)導電体3上へのバンクパターン11印刷工程
図1(a)にて説明する。導電体3上にバンク部材インク吐出用インクジェットヘッド4のバンク部材インク吐出ノズル5よりバンク部材インク6を吐出し、導電体3上にバンクパターン11を形成する。バンクパターン11は、電極配線パターン領域10を取り囲み、即ち、電極配線パターンに対するネガパターンとなっている。バンクパターン11を形成するバンク部材インク6の材料としては、ポリアミド樹脂、テンペン系樹脂およびワックスなどの熱溶融性材料を主体とし、色材や界面活性剤や各種の添加剤を適宜含んだホットメルトインクを用いることができる。ここではパラフィンワックスを主成分とする、融点が約80℃のバンク部材インク6を用いた。バンク部材インク吐出用インクジェットヘッド4に設けられたヒータ7で、バンク部材インク6を80℃に加熱し、吐出可能な粘度(5〜15mPa・s)とし、バンク部材インク吐出ノズル5より吐出して、バンクパターン11を形成した。溶融したバンク部材インク6は、導電体3上に滴下されると直ちに固化する。バンクパターン11の高さLbは34μmであった。なお、バンク部材インク6は固化すると図6のバンク20a1に示すようなドーム状の断面形状を成すが、本発明の実施例では、バンクパターン11のように四角形で簡略化して図示する。
(2)レジストパターン16a形成工程
図1(b)にて説明する。レジストインク吐出用インクジェットヘッド12を用い、レジストインク吐出ノズル13よりレジストインク14を、バンクパターン11で囲まれた電極配線パターン領域10に滴下しレジストパターン16aを得た。ここで使用したレジストインク14は、光重合性組成物の有機溶媒からなる溶液である。光重合性組成物としては、特に限定はないが、例えば、特開平7−281439号公報記載の、重合性不飽和基及びオニウム塩含有基を有するビニル重合樹脂及び光重合開始剤を主要成分とするもの等を使用することができる。レジストパターン16aの膜厚Ldが20μmとなるように吐出量を設定した。次に、ランプ15を用いて紫外線を照射してレジストインク14を硬化させ、レジストパターン16aを形成した。硬化収縮による体積の減少は10%以内であった。
(3)バンクパターン11除去工程
導電体3の表面にバンクパターン11とレジストパターン16aが形成された回路基板素材1を、低沸点のパラフィン系炭化水素の溶剤中に浸漬し、バンクパターン11を溶解・除去した。レジストパターン16aが残された状態を図1(c)に示す。なお、バンクパターン11の除去に際しては、トルエンやキシレン等の溶剤を使用しても良い。
(4)エッチング処理工程
塩化第二銅の酸性エッチング液を用い、レジストパターン16aで保護されていない導電体3の領域を除去した(図1(d))。
(5)洗浄工程
アルカリ又は酸の希薄水溶液を用いて、レジストパターン16aを溶解・除去することにより、絶縁基板2上に銅の電極17が形成された回路基板(図1(e))を得た。
本実施例では、バンクパターン11により、膜厚Ldが約20μmの均一なレジストパターン16aが形成可能となり、図8(b)および図9(c)に示すような不良がない良好な電極17を有する回路基板を製作することができた。なお、図8(b)および図9(c)の説明は上述したため省略する。
図2を用いて本発明の第二の実施例を説明する。実施例1との違いは、バンクパターン11の除去をエッチング処理工程中に行う方法を提案することにある。回路基板素材1やその処理方法は実施例1と同様であるため説明を省略する。
(1)導電体3上へのバンクパターン11印刷工程
図2(a)に示す。バンクパターン11を形成するバンク部材インク6として、ワックスの融点が、エッチング処理時の反応温度よりも低いものを選び、バンクパターン11の高さLbを18μmとした以外は、実施例1と同様の方法で行った。回路基板素材1を塩化第二鉄の酸性エッチング液中に浸漬した際、両者の反応により液温は約60℃に上昇するため、融点が50〜60℃のワックスを用いた。なお、形成する回路基板の電極間ギャップLg3は、50μmである。
(2)レジストパターン16a形成工程
レジストインク吐出用インクジェットヘッド12を用い、レジストパターン16aの膜厚Ldが12μmとなるように吐出量を設定した以外は実施例1と同様に行った(図2(b))。
(3)エッチング処理工程
導電体3表面のバンクパターン11とレジストパターン16aが形成された回路基板素材1を、塩化第二鉄(FeCl)の酸性エッチング液にてエッチング処理した。この場合の反応式は、
Cu+FeCl=CuCl+FeCl+88.7kJ/mol
となり、銅の溶解反応においては大きな発熱を伴い、反応熱の蓄積によりエッチング液の温度が上昇する。
エッチング処理は、通常シャワーリングによって、エッチング処理する部位にエッチング液を供給する方式がとられ、常に新しく供給されるエッチング液により、銅が溶解する際の反応熱の一部は緩和される。本実施例においては、エッチング液の濃度と供給条件を制御することにより、エッチング液の温度を、バンク部材インク6の融点以上である60℃に設定した。このため、バンクパターン11を形成していたバンク部材インク6は、粘度が低下して液状となり、導電体3から剥離した。また、エッチング液のシャワーリングの圧力を0.25MPaに適正化することにより、バンクパターン11を完全に除去でき、さらにレジストパターン16aで保護されていない導電体3の領域も除去できた(図2(c))。
(4)洗浄工程
実施例1と同様の方法でレジストパターン16aを溶解・除去することにより、絶縁基板2上に銅の電極17が形成された回路基板(図2(d))を得た。
本実施例では、バンクパターン11により、膜厚Ldが12μmの均一なレジストパターン16aが形成可能となり、図8(b)および図9(c)に示すような不良がない良好な電極17を有する回路基板を製作することができた。なお、図8(b)および図9(c)の説明は上述したため省略する。
アルカリ又は酸の希薄水溶液や各種の有機溶剤等を用いて、レジストパターン16aを溶解・除去することにより、絶縁基板2上に銅の電極17が形成された回路基板(図2(d))を得た。
本実施例では、実施例1と同様の効果に加え、エッチング処理工程にて、導電体3上に形成したレジストパターン16aだけでなく、バンクパターン11の除去も可能であり、バンク除去工程が不要になる。
図3を用いて本発明の第3の実施例を説明する。実施例1および2との違いは、電極17のW(電極幅)/L(電極間ギャップ)が異なる電極配線パターンを形成する方法を提案することにある。絶縁基板2に、電極間ギャップLg2が30μmと狭い電極17bおよび電極17c、さらに、電極間ギャップLg1が100μmと広い電極17aおよび電極17dを形成する。回路基板素材1やその処理方法は実施例1と同様であるため説明を省略する。
(1)導電体3上へのバンクパターン11印刷工程
バンク部材インク吐出用インクジェットヘッド4を用い、実施例1と同様の方法でバンクパターン11を形成した(図3(a))。
(2)レジストパターン16a形成工程
レジストインク吐出用インクジェットヘッド12を用い、バンクパターン11で囲まれた電極配線パターン領域10にはレジスト膜16bの膜厚Ld1が30μm、電極幅が狭い電極配線パターン領域10aにはレジスト膜16b1の膜厚Ld2が15μmになるように、レジストインク14の滴下量を制御してレジストパターン16aを得た。レジストインク14の滴下はレジストインク吐出用インクジェットヘッド12を矢印→方向に移動させながら行うが、インク量の制御は、PZTの駆動周波数や駆動電圧を制御することによって行うことができる。滴下後、ランプ15を用いて紫外線を照射してレジストインク14を硬化させ、膜厚が異なるレジスト膜16bおよび16b1から成るレジストパターン16aを形成した(図3(b))。
(3)バンクパターン11除去工程
実施例1と同様の方法で、導電体3の表面に形成されたバンクパターン11を溶解・除去した。レジストパターン16aが残された状態を図3(c)に示す。
(4)エッチング処理工程
実施例1と同様の方法で、レジストパターン16aで保護されていない導電体3の領域を除去した(図3(d))。
(5)洗浄工程
実施例1と同様の方法で、レジストパターン16aを溶解・除去することにより、絶縁基板2上に銅の電極a〜d(17a〜d)が形成された回路基板(図3(e))を得た。
本実施例では、電極間ギャップに対応して、膜厚が異なるレジスト膜16bおよび16b1から成るレジストパターン16aを形成した。これにより、従来問題となったエッチング処理時のエッチング液溜りの発生によるエッチング処理速度の遅れという問題が発生しなかった。また、図10(c)に示すエッチングの残り28の発生もなく、W(電極幅)/L(電極間ギャップ)の大きい電極配線パターンと、小さい電極配線パターンが混在する場合でも目標とする回路基板が得られた。
上記の実施例では、平坦な絶縁基板2の表面に導電体が形成された回路基板素材1について説明したが、インクジェット方式は非接触でレジストパターン16aを形成できるため、凹凸や段差のある基板にも適用できる。
特にパワーモジュール等で使用される回路基板は、アルミナ、ベリリア、窒化ケイ素および窒化アルミニウム等の絶縁基板の表裏面に、銅やアルミニウム、またはそれらの金属を成分とする合金等の回路と放熱板とがそれぞれ形成されたもので、単純な回路配線を有する部位と高精細で複雑な回路配線を有する部位が混在したニーズが多い。本発明は、この回路基板に対しても適用することができる。
本発明の第1の実施例を示す図。 本発明の第2の実施例を示す図。 本発明の第3の実施例を示す図。 プリント基板等の回路基板素材に電極配線パターンを形成する工程を示すフローチャート。 レジスト膜に対する要求を示す図。 本発明の要点を示す図。 インクジェットヘッドにより導電体に吐出されたレジスト膜の状態を示す図。 導電体に形成されたレジスト膜の形状(a)と、エッチング処理後の導電体(電極)の形状(b)を示す平面および断面図。 導電体の表面にキズが存在した場合(a)のレジストパターンと(b)と、エッチング処理後の導電体(電極)の形状(c)を示す図。 同一基板上にW(電極幅)/L(電極間ギャップ)の異なる電極配線パターンが混在した回路基板を製作する場合に生じる問題点を示す図。
符号の説明
1:回路基板素材
2:絶縁基板
3:導電体
4:バンク部材インク吐出用インクジェットヘッド
5:バンク部材インク吐出ノズル
6:バンク部材インク
7:ヒータ
10:電極配線パターン領域
11:バンクパターン
12:レジストインク吐出用インクジェットヘッド
13:レジストインク吐出ノズル
14:レジストインク
15:ランプ
16a:レジストパターン
17:電極

Claims (6)

  1. エッチング処理により金属配線パターンを形成した回路基板を製作する方法において、少なくとも、基板上に金属箔あるいは金属板等の導電体を積層した回路基板素材の前記導電体の表面に、インクジェットヘッドにより、バンク(土手)部材のインクを吐出し、バンクに挟まれた領域が、形成すべき電極配線パターンとなるように、バンクの印刷を行う工程と、インクジェットヘッドあるいは分注器により、レジストインクを滴下または塗布して、レジストパターンを形成する工程と、前記バンクを除去する工程とを含むことを特徴とする回路基板の製作方法。
  2. エッチング処理により金属配線パターンを形成した回路基板を製作する方法において、少なくとも、基板上に金属箔あるいは金属板等の導電体を積層した回路基板素材の前記導電体の表面に、インクジェットヘッドにより、バンク(土手)部材のインクを吐出し、バンクに挟まれた領域が、形成すべき電極配線パターンとなるように、バンクの印刷を行う工程と、インクジェットヘッドあるいは分注器により、レジストインクを滴下または塗布して、レジストパターンを形成する工程と、エッチング液で前記導電体およびバンクの溶解・除去を行うエッチング処理工程とを含むことを特徴とする回路基板の製作方法。
  3. 前記バンクをホットメルトインクで印刷することを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製作方法。
  4. 前記ホットメルトインクの融点が、エッチング処理工程のエッチング液温以下であることを特徴とする請求項3記載の回路基板の製作方法。
  5. 前記回路基板素材上に、膜厚の異なるレジストパターンを形成することを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製作方法。
  6. 前記電極配線パターンのW(電極幅)/L(電極間ギャップ)、または前記導電体の厚みに応じて、レジストインクの滴下量を調整することにより、前記回路基板素材上に膜厚の異なるレジストパターンを形成することを特徴とする請求項1または2記載の回路基板の製作方法。
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