JP2017001254A - スピュートリミング装置 - Google Patents

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慧 萩原
Satoshi Hagiwara
慧 萩原
修作 児玉
Shusaku Kodama
修作 児玉
哲貴 野田
Noritaka Noda
哲貴 野田
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Abstract

【課題】切断刃によってタイヤの表面が傷付けられることを適切に防止しながら、トリミング処理後のスピュー跡の面積を小さくすることができ、その後の仕上げ処理を不要として生産性の低下を抑制することができるスピュートリミング装置を提供する。
【解決手段】底面に開口部が設けられた箱型のホルダーに切断刃が取り付けられ、切断刃により加硫後のタイヤの表面に形成されたスピューを刈り取るスピュートリミング装置であって、切断刃の傾斜面とタイヤの表面とが略平行になるように切断刃のホルダーへの取付角度を調整する角度調整機構と、ホルダー底面の開口部の一部を覆うように設けられ、スピューの刈り取り時に前記タイヤの表面に接触する底面カバーとを備えているスピュートリミング装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、加硫後のタイヤ表面に形成されたスピューを刈り取るスピュートリミング装置に関する。
タイヤの加硫用金型には、加硫中の生タイヤと金型との間に空気が溜まることを防止するために多数のベントホールが設けられているが、このベントホール内にゴムが流れ込むと、加硫後のタイヤ表面にスピューと呼ばれる微小な突起が形成される。従来より、このスピューは、外観品質向上の観点からスピュートリミング装置を用いて切除されている(特許文献1、2)。
図4は従来のスピュートリミング装置を模式的に説明する側面図である。また、図5は従来のスピュートリミング装置を用いたトリミング処理を説明する図であり、(a)はトリミング処理を模式的に示す側面図であり、(b)はトリミング処理後のスピュー跡を模式的に示す側面図である。
スピュートリミング装置1は、底面が開放された箱型のホルダー3を備えており、ホルダー3の底面の全面に切断刃2が取り付けられている。この切断刃2は、トリミング時、刃先2cがタイヤ4の表面を傷付けることがないように、基部16から刃先2cに向けて所定の傾斜角度θ2で傾斜する傾斜面14が形成されている。
そして、図5(a)に示すように、切断刃2の基部16をタイヤ4表面に押し付けた状態でタイヤ4を回転させることにより、タイヤ4表面に形成されたスピュー5を刈り取ることができる。
特開2010−52204号公報 特開平4−338530号公報
しかしながら、上記した従来のスピュートリミング装置の場合、切断刃2は傾斜面14によりスピュー5を斜めに刈り取っているため、刈り取り後には、図5(b)に示すような傾斜した刈り取り断面5bを有するスピュー跡5aが形成される。このようなスピュー跡5aは、刈り取り断面5bの面積が大きくタイヤ外観を悪化させる恐れがあり、その程度によってはトリミング処理後、さらに作業者が手動で仕上げ処理を行う必要が生じて生産性を低下させる原因となっていた。
そして、上記したように、切断刃2の刃先2cでタイヤ4表面を傷付けないようにするためには、傾斜角度θ2をある程度大きな角度にする必要があり、この面からも、スピュー跡5aの刈り取り断面5bの面積が大きくなってしまう。
本発明は、切断刃によってタイヤの表面が傷付けられることを適切に防止しながら、トリミング処理後のスピュー跡の面積を小さくすることができ、その後の仕上げ処理を不要として生産性の低下を抑制することができるスピュートリミング装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
底面に開口部が設けられた箱型のホルダーに切断刃が取り付けられ、前記切断刃により加硫後のタイヤの表面に形成されたスピューを刈り取るスピュートリミング装置であって、
前記切断刃の傾斜面と前記タイヤの表面とが略平行になるように、前記切断刃の前記ホルダーへの取付角度を調整する角度調整機構と、
前記ホルダー底面の開口部の一部を覆うように設けられ、前記スピューの刈り取り時に前記タイヤの表面に接触する底面カバーと
を備えていることを特徴とするスピュートリミング装置である。
請求項2に記載の発明は、
前記切断刃の刃先と前記タイヤ表面との距離を調整する機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスピュートリミング装置である。
本発明によれば、切断刃によってタイヤの表面が傷付けられることを適切に防止しながら、トリミング処理後のスピュー跡の面積を小さくすることができ、その後の仕上げ処理を不要として生産性の低下を抑制することができるスピュートリミング装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るスピュートリミング装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。 本発明の一実施の形態に係るスピュートリミング装置を用いたトリミング処理を説明する図であり、(a)はトリミング処理を模式的に示す側面図であり、(b)はトリミング処理後のスピュー跡を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係るスピュートリミング装置の切断刃を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線における断面図である。 従来のスピュートリミング装置を模式的に示す側面図である。 従来のスピュートリミング装置を用いたトリミング処理を説明する図であり、(a)はトリミング処理を模式的に示す側面図であり、(b)はトリミング処理後のスピュー跡を模式的に示す側面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を参照して説明する。
1.本実施の形態に係るスピュートリミング装置の概要
最初に、本実施の形態に係るスピュートリミング装置の概要について説明する。図1は本実施の形態に係るスピュートリミング装置を示す図であり、(a)は側面図、(b)は平面図、(c)は底面図である。そして、図2は本実施の形態に係るスピュートリミング装置を用いたトリミング処理を説明する図であり、(a)はトリミング処理を模式的に示す側面図であり、(b)はトリミング処理後のスピュー跡を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るスピュートリミング装置1は、底面に開口部12が設けられた箱型のホルダー3に切断刃2が取り付けられており、切断刃2により加硫後のタイヤの表面に形成されたスピューを刈り取る点において、従来のスピュートリミング装置と同様である。
しかし、本実施の形態においては、取り付けられた切断刃2の傾斜面14とトリミング対象のタイヤ4の表面とが略平行になるように切断刃2のホルダー3への取付角度θ1を調整する角度調整機構と、ホルダー3底面の開口部12の一部を覆うように設けられてスピュー5の刈り取り時にタイヤ4の表面に接触する底面カバー8とを備えている点において、従来のスピュートリミング装置と異なる。
このようなスピュートリミング装置を用いて、図2(a)に示すように、底面カバー8(図1参照)をタイヤ4表面に接触させながらトリミング処理を行うことにより、切断刃2によってタイヤ4の表面が傷付けられることを適切に防止することができる。そして、このとき、切断刃2の傾斜面14とタイヤ4の表面とが略平行になるようにしてトリミング処理を行うため、図2(b)に示すように、トリミング処理後のスピュー跡5aの刈り取り断面5bの面積を小さくすることができる。この結果、トリミング処理後のタイヤにおいて外観が悪化する恐れが大きく低減して、トリミング処理後に作業者が手動で仕上げ処理を行う必要がなくなり、生産性の低下を十分に抑制することができる。
2.本実施の形態に係るスピュートリミング装置の具体的な構造
次に、本実施の形態に係るスピュートリミング装置の具体的な構造について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係るスピュートリミング装置1は、箱型のホルダー3を備えており、このホルダー3の底面に開口部12が設けられている。そして、ホルダー3の底面には、開口部12の一部を覆うように底面カバー8が取り付けられている。この底面カバー8の厚みは4〜5mm程度が好ましい。
また、ホルダー3の後方側面には切断刃2が挿入される挿入口9が形成されている。切断刃2は、この挿入口9から前方に向けて傾斜する板状の切断刃装着部材10の上面に沿って刃先2cが所定の位置に至るまで挿入された後固定される。本実施の形態においては、この切断刃装着部材10が前記した角度調整機構として用いられており、ホルダー3底面の底面カバー8に対する切断刃装着部材10の傾斜角度を調整することにより切断刃2の取付角度θ1を調整することができる。
なお、本実施の形態においては、切断刃2の刃先2cとタイヤ4の表面との距離を調整する機構を備えていることが好ましい。これにより、トリミング処理中、刃先2cとタイヤ4の表面との間に適切な隙間が形成されて、トリミング中のタイヤにブレが生じても切断刃2の刃先2cによりタイヤ4の表面が傷つけられることを防止することができる。
具体的には、ホルダー3の上部に設けられた固定ネジ11を緩めて切断刃2を出し入れして、傾斜した切断刃装着部材10上面における切断刃2の位置を調整した後に固定ネジ11を締め込む。このとき、切断刃2によりタイヤが傷付けられない範囲で刈り取り後のスピュー跡5aの高さが可能な限り短くなるような位置に切断刃2の刃先2cを調整することが好ましい。
図3は本実施の形態に係るスピュートリミング装置の切断刃を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X線における断面図である。図3に示すように、切断刃2の傾斜面14は所定の傾斜角度θ2で傾斜しており、図1に示すように、この傾斜面14が底面側に配置されるようにホルダー3に取り付けられる。
また、図3(a)に示すように、本実施の形態の切断刃2では、複数の刃面2aが並列して配置されており、それぞれの刃面2aの間にスピューを誘導するためのガイド溝2bが設けられており、このガイド溝2bは切断刃2の刃先2c側から基部側に向かって所定の角度で奥細りしている。
3.本実施の形態に係るスピュートリミング装置を用いたトリミング処理
次に、本実施の形態に係るスピュートリミング装置を用いたトリミング処理について説明する。
トリミング処理の開始に先立って、ホルダー3の挿入口9より切断刃2を挿入し、切断刃2の傾斜面14がタイヤ4の表面と略平行となるように取付角度θ1を調整して、切断刃装着部材10に切断刃2を装着する。
次に、この状態で、ホルダー3の底面カバー8をタイヤ4の表面に接触させながらタイヤ4を回転させる。これにより、タイヤ4の表面のスピュー5がホルダー3の開口部12から露出した切断刃2によって刈り取られる。
このとき、上記したように切断刃2の傾斜面14とタイヤ4の表面とが略平行となっているため、タイヤ4表面のスピュー5が略平行に刈り取られて、刈り取り断面5bには略平行なスピュー跡5a(図2(b)参照)が形成される。
このように本実施の形態に係るスピュートリミング装置においては、トリミング処理に際して、切断刃2によりタイヤが傷付けられない範囲でスピュー5を水平な刈り取り面で限界まで短く刈り取ることができるため、優れた外観のタイヤを提供することができる。
また、図4のような従来のスピュートリミング装置においては、処理対象のタイヤに応じて、傾斜面14の傾斜角度θ2が異なる切断刃2を用いる必要があったが、このような傾斜角度θ2を研磨加工によって得ることは困難であった。これに対して、本実施の形態のスピュートリミング装置においては、切断刃2の取付角度θ1を調整するのみで種々のサイズのタイヤに対応してトリミングすることができるため、切断刃2を研磨して傾斜面14の傾斜角度θ2(図3(b)参照)を変更させる必要がない。
以下、実施例を用いて本発明をより具体的に説明する。
(1)実施例
上記した実施の形態に係るスピュートリミング装置を用いて、タイヤサイズ165/55R14の加硫タイヤのトリミング処理を実施した。なお、本実施例においては、新品の超硬刃の切断刃(傾斜角度:5°)を用い、傾斜面がタイヤ表面と略平行になるように、切断刃の取付角度を5°に設定した。
(2)比較例
図4に示すような従来のスピュートリミング装置を用いトリミング処理を実施した。なお、切断刃の傾斜面の角度は実施例と同様に5°であり、ホルダーの底面を覆うように切断刃を取り付けた。また、この点を除いた条件は実施例1と同じに設定した。
(3)評価
実施例および比較例の両方において、刈り取り後のスピュー跡5a高さの目標値を1mmとしてトリミング処理を行い、刈り取り後のスピュー跡5aの形状を観察すると共に高さを測定した。
(4)結果
比較例においては、図5(b)に示すような刈り取り断面5bが傾斜したスピュー跡5aが形成された。このスピュー跡5aの高さは、切り始めに1mmとなった一方で、切り終わりに2.5mmとなった。また、トリミング処理後のタイヤのショルダー部に傷が発生することがあった。
一方、実施例においては、刈り取り断面5bがタイヤ表面と略平行であり、高さが1mm〜1.5mmのスピュー跡5aが形成され、仕上げ処理を行なわなくても外観品質が高いタイヤが得られた。また、タイヤのショルダー部における傷の発生が適切に防止されていることも確認できた。
1 スピュートリミング装置
2 切断刃
2a 刃面
2b ガイド溝
2c 刃先
3 ホルダー
4 タイヤ
5 スピュー
5a スピュー跡
5b 刈り取り断面
8 底面カバー
9 挿入口
10 切断刃装着部材
11 固定ネジ
12 開口部
14 切断刃の傾斜面
16 切断刃の基部
θ1 切断刃の取付角度
θ2 傾斜面の傾斜角度

Claims (2)

  1. 底面に開口部が設けられた箱型のホルダーに切断刃が取り付けられ、前記切断刃により加硫後のタイヤの表面に形成されたスピューを刈り取るスピュートリミング装置であって、
    前記切断刃の傾斜面と前記タイヤの表面とが略平行になるように、前記切断刃の前記ホルダーへの取付角度を調整する角度調整機構と、
    前記ホルダー底面の開口部の一部を覆うように設けられ、前記スピューの刈り取り時に前記タイヤの表面に接触する底面カバーと
    を備えていることを特徴とするスピュートリミング装置。
  2. 前記切断刃の刃先と前記タイヤ表面との距離を調整する機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載のスピュートリミング装置。
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