JP2016540260A - 偏光板およびこれを含む画像表示装置 - Google Patents

偏光板およびこれを含む画像表示装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に形成される保護層とを含む偏光板であって、前記保護層は、(A)少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を有する酸無水物系化合物;(B)少なくとも1つの電子ドナー(Donor)基を有するビニル系化合物;(C)ラジカル開始剤;および(D)陽イオン発生剤を含むラジカル硬化型組成物の硬化物である偏光板およびこれを含む画像表示装置に関するものである。

Description

本発明は、偏光板およびこれを含む画像表示装置に関するものであって、より具体的には、水素結合でない共有結合を通じて偏光子と保護層の接着力の確保が可能な偏光板およびこれを含む画像表示装置に関するものである。
偏光板は、通常、二色性染料またはヨウ素で染色されたポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol、以下、「PVA」という)系樹脂からなる偏光子の両面に保護フィルムを積層した構造で使用されてきた。この時、前記保護フィルムとしては、光学的透明性や透湿性に優れる点で、トリアセチルセルロース(TAC、triacetyl cellulose)系フィルムが多く使用されている。
一方、最近、液晶表示装置のノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話、カーナビゲーションなどのモバイル機器への展開に伴い、液晶表示装置を構成する偏光板には薄型軽量化が要求されている。しかし、前記のように保護フィルムとしてTACフィルムなどを積層した偏光板では、作業時の取り扱い性や耐久性能の観点で保護フィルムの厚さを20μm以下にすることが困難で、薄型軽量化に限界があった。
前記のような問題を解決するために、偏光子の一方の面にのみ保護フィルムを備え、反対面には活性エネルギー線硬化性組成物を塗工して、透明薄膜層を形成する技術が提案されている。一方、現在まで提案された前記透明薄膜層は、大部分がPVA系樹脂からなる偏光子のヒドロキシ基と透明薄膜層の親水性官能基との間の水素結合を通じて接着力を確保している。しかし、このように水素結合を利用する場合には、高湿雰囲気では水分子も前記PVA系樹脂からなる偏光子のヒドロキシ基または透明薄膜層の親水性官能基と水素結合が可能であるため、PVA系樹脂からなる偏光子のヒドロキシ基と透明薄膜層の親水性官能基との間の水素結合回数が減少し、接着力が低下する欠点がある。
前記のような問題を解決するために、水素結合でない共有結合を通じて接着力を確保しようとする研究が活発に行われており、なかでも特にエポキシ化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物に対する研究が最も活発に行われている。エポキシ化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物の場合、紫外線照射による硬化過程において、PVA系樹脂からなる偏光子のヒドロキシ基とエポキシ化合物との間の開環反応が起こり、前記開環反応によって共有結合が発生するので、高湿雰囲気においても優れた接着力を確保することができる。しかし、このようなエポキシ化合物を含む活性エネルギー線硬化性組成物は、ラジカル方式で硬化が進行するのではなく、陽イオン方式で硬化が進行するため、硬化速度が遅く、また、硬化度が低いため、製造工程上多くの欠点を有する。
したがって、水素結合でない共有結合による接着力の確保が可能で、偏光子および保護層の密着性に優れ、耐水性および耐熱性に優れ、薄型に製造が可能な新たな偏光板が要求されている。
本発明は、水素結合でない共有結合による接着力の確保が可能で、偏光子および保護層の密着性に優れ、耐水性および耐熱性に優れ、薄型に製造が可能な偏光板およびこれを含む画像表示装置を提供する。
一側面において、本発明は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に形成される保護層とを含む偏光板であって、前記保護層は、(A)少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を有する酸無水物系化合物;(B)少なくとも1つの電子ドナー(Donor)基を有するビニル系化合物;(C)ラジカル開始剤;および(D)陽イオン発生剤を含むラジカル硬化型組成物の硬化物である偏光板を提供する。
この時、前記偏光子および保護層は、前記偏光子のヒドロキシ基と前記保護層の酸無水物基との間のエステル化反応の結果発生する共有結合を通じて接着力が確保されることが好ましい。
一方、前記酸無水物系化合物と前記ビニル系化合物の含有量は、下記の式(1)で表される配合当量比で0.8〜1.0であることが好ましい。
式(1):配合当量比=M/N
前記式(1)において、Mは、前記酸無水物系化合物中に含まれる酸無水物基を含む分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数であり;Nは、前記ビニル系化合物中に含まれる分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数である。
一方、前記酸無水物系化合物は、下記の化学式I〜化学式IVで表される化合物からなる群より選択された1種以上の化合物であってよい。
Figure 2016540260
前記化学式Iにおいて、Rは、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルアルキル基、または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基であり;Rは、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であり;aは、1〜2の整数であり;bは、0〜2の整数であり;Xは、単結合、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−である。
Figure 2016540260
前記化学式IIにおいて、R〜Rは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
Figure 2016540260
前記化学式IIIにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
Figure 2016540260
前記化学式IVにおいて、R〜R11は、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
一方、前記ビニル系化合物の電子ドナー(Donor)基は、下記の化学式Aまたは化学式Bで表される官能基であることが好ましい。
Figure 2016540260
前記化学式Aにおいて、R12は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
Figure 2016540260
前記化学式Bにおいて、R13は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
より具体的には、前記ビニル系化合物は、下記の化学式Vで表される化合物であってよい。
Figure 2016540260
前記化学式Vにおいて、R14は、水素、またはC1〜10のアルキル基であり;R15は、c価のC1〜10の脂肪族鎖、C4〜14の脂肪族環、C6〜14の芳香族環、またはこれらの組み合わせであり;cは、1〜4の整数であり;Xは、−O−または−OCO−である。
一方、本発明の前記ラジカル硬化型組成物は、下記の化学式VIで表されるラジカル重合性化合物をさらに含むことができる。
Figure 2016540260
前記化学式VIにおいて、R16は、エステル基(−COO−)、アミド基(−CON−)、またはチオエート基(−COS−)であり;R17は、C1〜10のアルキル基、C4〜10のシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、この時、R17は、分子内に少なくとも1つのヒドロキシ置換基を有し;R18は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
一方、ラジカル硬化型組成物100重量部に対して、前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物1〜50重量部;前記ラジカル重合性化合物40〜97重量部;前記ラジカル開始剤1〜10重量部;および前記陽イオン発生剤1〜10重量部を含むことが好ましい。
一方、前記ラジカル硬化型組成物の硬化後のガラス転移温度は、60℃以上であることが好ましい。
また、前記ラジカル硬化型組成物は、粘度が10〜200cPであることが好ましい。
一方、前記保護層は、厚さが0.5〜20μmであることが好ましい。
一方、本発明の前記偏光板は、前記偏光子の保護層が形成された面の反対面に、接着剤層を介して保護フィルムがさらに付着することができる。
また、本発明の前記偏光板は、前記保護層の上部に粘着層をさらに含むことができる。
一方、前記偏光子は、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール系フィルムであることが好ましい。
他の側面において、本発明は、前記偏光板を含む画像表示装置を提供する。
本発明の偏光板は、水素結合でない共有結合による偏光子と保護層の接着力の確保が可能で、偏光子および保護層の密着性に優れ、耐水性に優れている。
また、本発明の偏光板は、前記保護層がガラス転移温度の高いラジカル硬化型組成物の硬化物であるので、高温環境においても偏光子を十分に保護することができ、したがって、偏光板の耐熱性に優れている。
さらに、本発明の偏光板は、従来の透明保護フィルムを有する偏光板に比べて厚さの薄い保護層を有するので、薄型に製造が可能である。
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、種々の異なる形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
1.偏光板
本発明者らは、研究を重ねた結果、保護層を形成するためのラジカル硬化型組成物に、少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を有する酸無水物系化合物を、少なくとも1つの電子ドナー(Donor)基を有するビニル系化合物、ラジカル開始剤、および陽イオン発生剤と混合して使用する場合、水素結合でない共有結合による接着力の確保が可能で、偏光子および保護層の密着性に優れ、耐水性および耐熱性に優れ、薄型に製造が可能であることを見出して、本発明を完成した。
より具体的には、本発明の偏光板は、偏光子と、前記偏光子の少なくとも一面に形成される保護層とを含む偏光板であって、前記保護層は、(A)少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を有する酸無水物系化合物;(B)少なくとも1つの電子ドナー(Donor)基を有するビニル系化合物;(C)ラジカル開始剤;および(D)陽イオン発生剤を含むラジカル硬化型組成物の硬化物である。
この時、前記偏光子および保護層は、前記偏光子のヒドロキシ基と前記保護層の酸無水物基との間のエステル化反応の結果発生する共有結合を通じて接着力が確保されることが好ましい。この場合、本発明の偏光板は、偏光子と保護層が共有結合を通じて接着力が確保されるため、高湿環境においても偏光子および保護層の密着性が安定的に維持できる。
1−1.偏光子
まず、本発明の前記偏光子は、当該技術分野でよく知られている偏光子、例えば、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール(PVA)からなるフィルムを使用することができる。前記偏光子は、ポリビニルアルコールフィルムにヨウ素または二色性染料を染着させて製造できるが、その製造方法は特に限定されない。本明細書において、偏光子は、保護層(または保護フィルム)を含まない状態を意味し、偏光板は、偏光子と保護層(または保護フィルム)とを含む状態を意味する。
一方、前記偏光子がポリビニルアルコール系フィルムの場合、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール樹脂またはその誘導体を含むものであれば特別な制限なく使用が可能である。この時、前記ポリビニルアルコール樹脂の誘導体としては、これに限定されるものではないが、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂などが挙げられる。あるいは、前記ポリビニルアルコール系フィルムは、当該技術分野において偏光子の製造に一般的に使用される市販のポリビニルアルコール系フィルム、例えば、クラレ社のP30、PE30、PE60、日本合成社のM2000、M3000、M6000などを使用することもできる。
一方、前記ポリビニルアルコール系フィルムは、これに限定されるものではないが、重合度が1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度であるのが良い。重合度が前記範囲を満足する時、分子の動きが自由で、ヨウ素または二色性染料などと柔軟に混合できるからである。
1−2.保護層
次に、本発明の前記保護層は、偏光子を支持および保護するために、前記ラジカル硬化型組成物を用いて形成されたものであり、当該技術分野でよく知られている方法によって形成されてよい。例えば、偏光子の一面に、前記ラジカル硬化型組成物を、当該技術分野でよく知られているコーティング法、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、ブレードコーティングなどの方法で塗布して保護層を形成した後、活性エネルギー線の照射によって硬化させる方法で行われてよい。この時、照射方法は特に限定されず、例えば、紫外線照射装置(fusion lamp、D bulb)を用いて、10〜2500mJ/cm程度の紫外線を照射する方法で行うことができる。
イ.酸無水物系化合物
まず、本発明の前記ラジカル硬化型組成物に含まれる前記酸無水物系化合物は、ラジカル硬化を通じて組成物の硬化を可能にし、ひいては、偏光子のヒドロキシ基とエステル化反応(esterification)をして共有結合による接着力を確保するための成分で、分子内に少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を含むことにより、ラジカル硬化が可能な多様な酸無水物系化合物が使用できる。
一方、これに限定されるものではないが、前記酸無水物系化合物の少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合は、酸無水物基の少なくとも1つのカルボニル基と共役化(conjugated)されていることが、より優れたラジカル硬化のために好ましい。
例えば、本発明において、前記酸無水物系化合物は、これに限定されるものではないが、下記の化学式I〜化学式IVで表される化合物からなる群より選択された1種以上の化合物であってよい。
Figure 2016540260
前記化学式Iにおいて、Rは、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルアルキル基、または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基であり;Rは、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であり;aは、1〜2の整数であり;bは、0〜2の整数であり;Xは、単結合、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−である。
この時、前記Rにおいて、前記(メタ)アクリロイルアルキル基のアルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。この時、前記(メタ)アクリロイルアルキル基の(メタ)アクリロイル基は、アルキル基の任意の位置に位置することができる。すなわち、前記(メタ)アクリロイル基は、アルキル基の末端にきてもよく、アルキル基の中間にきてもよい。また、前記アルキル基に含まれている残りの水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
また、前記Rにおいて、前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル基のアルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。この時、前記(メタ)アクリロイルオキシアルキル基の(メタ)アクリロイルオキシ基は、アルキル基の任意の位置に位置することができる。すなわち、前記(メタ)アクリロイルオキシ基は、アルキル基の末端にきてもよく、アルキル基の中間にきてもよい。また、前記アルキル基に含まれている残りの水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
さらに、前記Rにおいて、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
Figure 2016540260
前記化学式IIにおいて、R〜Rは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
この時、前記R〜Rにおいて、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
また、前記R〜Rにおいて、前記シクロアルキル基は、4〜14個、または4〜10個、または4〜6個の環炭素の非芳香族モノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記シクロアルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記シクロアルキル基としては、これに限定されるものではないが、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環などを例として挙げることができる。
さらに、前記R〜Rにおいて、前記アリール基は、6〜14個、または6〜12個の環原子を有するモノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環などを例として挙げることができる。
一方、前記R〜Rは、これに限定されるものではないが、なかでも、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜6のアルキル基であることがより好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
Figure 2016540260
前記化学式IIIにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
この時、前記RおよびRにおいて、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
また、前記RおよびRにおいて、前記シクロアルキル基は、4〜14個、または4〜10個、または4〜6個の環炭素の非芳香族モノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記シクロアルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記シクロアルキル基としては、これに限定されるものではないが、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環などを例として挙げることができる。
さらに、前記RおよびRにおいて、前記アリール基は、6〜14個、または6〜12個の環原子を有するモノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環などを例として挙げることができる。
一方、前記RおよびRは、これに限定されるものではないが、なかでも、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜6のアルキル基であることがより好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
Figure 2016540260
前記化学式IVにおいて、R〜R11は、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
この時、前記R〜R11において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
また、前記R〜R11において、前記シクロアルキル基は、4〜14個、または4〜10個、または4〜6個の環炭素の非芳香族モノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記シクロアルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記シクロアルキル基としては、これに限定されるものではないが、シクロペンタン環、シクロペンテン環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環などを例として挙げることができる。
さらに、前記R〜R11において、前記アリール基は、6〜14個、または6〜12個の環原子を有するモノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環などを例として挙げることができる。
一方、前記R〜R11は、これに限定されるものではないが、なかでも、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜6のアルキル基であることがより好ましく、水素、ハロゲン原子、またはC1〜4のアルキル基であることがより好ましい。
より具体的には、前記化学式I〜化学式IVで表される化合物は、これに限定されるものではないが、例えば、下記の化学式1〜化学式6で表される化合物などであってよい。これらは、単独または混合して使用することができる。
Figure 2016540260
ロ.ビニル系化合物
次に、本発明の前記ラジカル硬化型組成物に含まれる前記ビニル系化合物は、ラジカル硬化型組成物の硬化時、電子ドナー(Donor)基によって前記酸無水物系化合物とチャージコンプレックス(Charge complex)を形成し、その結果、前記酸無水物系化合物と共重合反応をしてラジカル硬化を極めて効果的に生じさせることができる。
一方、前記ビニル系化合物は、電子ドナー(Donor)基を有することにより、ラジカル硬化型組成物の硬化時、前記酸無水物系化合物とチャージコンプレックス(Charge complex)を形成することができるものであれば特別な制限なく使用が可能である。ただし、本明細書では、前記ビニル系化合物は、下記に並べた例を除いては、後述のラジカル重合性化合物と重複する化合物は除くことを意味する。
一方、これに限定されるものではないが、前記ビニル系化合物の電子ドナー(Donor)基は、下記の化学式Aまたは化学式Bで表される官能基であることが好ましい。この場合、より優れたものとして前記酸無水物系化合物とチャージコンプレックス(Charge complex)を形成することができるからである。
Figure 2016540260
前記化学式Aにおいて、R12は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
この時、前記R12において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
Figure 2016540260
前記化学式Bにおいて、R13は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
この時、前記R13において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
例えば、本発明において、前記ビニル系化合物は、これに限定されるものではないが、下記の化学式Vで表される化合物であってよい。
Figure 2016540260
前記化学式Vにおいて、R14は、水素、またはC1〜10のアルキル基であり;R15は、c価のC1〜10の脂肪族鎖、C4〜14の脂肪族環、C6〜14の芳香族環、またはこれらの組み合わせであり;cは、1〜4の整数であり;Xは、−O−または−OCO−である。
この時、前記R14において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
また、前記R15において、前記脂肪族鎖は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の飽和または不飽和の3価の炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、3価の、メタン鎖、エタン鎖、プロパン鎖、ブタン鎖、ペンタン鎖、ヘキサン鎖、ヘプタン鎖、オクタン鎖、ノナン鎖、デカン鎖などのアルカン(alkane)鎖などを例として挙げることができる。前記脂肪族炭化水素鎖に含まれている1つ以上の水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
さらに、前記R15において、前記脂肪族環は、4〜14個、または4〜10個、または4〜6個の環炭素の飽和または不飽和の非芳香族の3価のモノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、3価の、シクロペンタン環、シクロヘキサン環などのシクロアルカン(cycloalkane)環、または3価の、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロオクテン環などのシクロアルケン(cycloalkene)環などを例として挙げることができる。前記脂肪族炭化水素環に含まれている1つ以上の水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
また、前記R15において、前記芳香族環は、6〜14個、または6〜12個の環原子を有する3価のモノサイクリック、ビサイクリックまたはトリサイクリック芳香族炭化水素部位を意味し、これに限定されるものではないが、3価の、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ビフェニル環などを例として挙げることができる。前記芳香族炭化水素環に含まれている1つ以上の水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
より具体的には、前記化学式Vで表される化合物は、これに限定されるものではないが、例えば、下記の化学式7〜化学式17で表される化合物などであってよい。これらは、単独または混合して使用することができる。
Figure 2016540260
Figure 2016540260
ハ.配合当量比
一方、前記酸無水物系化合物と前記ビニル系化合物の含有量は、下記の式(1)で表される配合当量比で0.8〜1.0であることが好ましく、0.9〜1.0であることがより好ましく、1.0であることが特に好ましい。
式(1):配合当量比=M/N
Mは、前記酸無水物系化合物中に含まれる酸無水物基を含む分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数であり、Nは、前記ビニル系化合物中に含まれる分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数である。
例えば、前記ラジカル硬化型組成物において、前記酸無水物系化合物中に含まれる重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数Mは、(各酸無水物系化合物の重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数)×(当該酸無水物系化合物のモル分率)の合計量になり、また、前記ビニル系化合物中に含まれる重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数Nは、(各ビニル系化合物の重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数)×(当該ビニル系化合物のモル分率)の合計量になる。
本発明のラジカル硬化型組成物において、このような配合当量比の範囲を満足するように前記酸無水物系化合物と前記ビニル系化合物が含まれる場合に、前記酸無水物系化合物と前記ビニル系化合物がチャージコンプレックス(Charge complex)を形成することができ、その結果、共重合による優れたラジカル硬化が可能になる。
ニ.ラジカル開始剤
次に、本発明にかかるラジカル硬化型組成物に含まれる前記ラジカル開始剤は、ラジカル重合性を促進して硬化速度を向上させるためのものであり、前記ラジカル開始剤としては、当該技術分野で一般的に使用されるラジカル開始剤が制限なく使用できる。
より具体的には、前記ラジカル開始剤は、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(1−Hydroxy−cyclohexyl−phenyl−ketone)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン(2−Hydroxy−2−methyl−1−phenyl−1−propanone)、2−ヒドロキシ−1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−メチル−1−プロパノン(2−Hydroxy−1−[4−(2−hydroxyethoxy)phenyl]−2−methyl−1−propanone)、メチルベンゾイルホルメート(Methylbenzoylformate)、オキシ−フェニル−酢酸−2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]−エチルエステル(oxy−phenyl−acetic acid−2−[2oxo−2phenyl−acetoxy−ethoxy]−ethyl ester)、オキシ−フェニル−酢酸−2−[2−ヒドロキシ−エトキシ]−エチルエステル(oxy−phenyl−acetic acid−2−[2−hydroxy−ethoxy]−ethyl ester)、アルファ−ジメトキシ−アルファ−フェニルアセトフェノン(alpha−dimethoxy−alpha−phenylacetophenone)、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(2−Benzyl−2−(dimethylamino)−1−[4−(4−morpholinyl)phenyl]−1−butanone)、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(2−Methyl−1−[4−(methylthio)phenyl]−2−(4−morpholinyl)−1−propanone)、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキサイド(Diphenyl(2,4,6−trimethylbenzoyl)−phosphine oxide)、ホスフィンオキサイド(Phosphine oxide)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキサイド(phenylbis(2,4,6−trimethylbenzoyl)−phosphineoxide)からなるグループより選択された1種以上であってよい。特に、本発明において、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキサイド(phenylbis(2,4,6−trimethylbenzoyl)−phosphineoxide)が好ましく使用できる。
一方、前記ラジカル開始剤の含有量は、例えば、ラジカル硬化型組成物100重量部に対して、1〜10重量部、1〜5重量部、または2〜4重量部程度であることが好ましい。ラジカル開始剤の含有量が前記数値範囲を満足する場合、ラジカル硬化型組成物の硬化が円滑に実施できるからである。
ホ.陽イオン発生剤
次に、本発明にかかるラジカル硬化型組成物に含まれる前記陽イオン発生剤は、ラジカル硬化型組成物の硬化時、前記酸無水物系化合物に陽イオン(H+)を伝達して、偏光子のヒドロキシ基とのエステル化反応(esterification)を促進する触媒の役割を果たすものであり、このように、本発明は、陽イオン発生剤を使用するため、低温の条件においてもエステル化反応によって発生する共有結合を通じて偏光子との優れた接着力の確保が可能になる。
この時、本発明で使用可能な陽イオン発生剤は、例えば、スルホニウム塩(Sulfonium salt)またはヨードニウム塩(Iodonium salt)が含まれているものが好ましい。スルホニウム塩(Sulfonium salt)またはヨードニウム塩(Iodonium salt)が含まれている陽イオン発生剤の具体例としては、例えば、ジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート(Diphenyl(4−phenylthio)phenylsulfonium hexafluoroantimonate)、ジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(Diphenyl(4−phenylthio)phenylsulfonium hexafluorophosphate)、(フェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート((phenyl)[4−(2−methylpropyl)phenyl]−Iodonium hexafluorophosphate)、(チオジ−4,1−フェニレン)ビス(ジフェニルスルホニウム)ジヘキサフルオロアンチモネート((Thiodi−4,1−phenylene)bis(diphenylsulfonium)dihexafluoroantimonate)、および(チオジ−4,1−フェニレン)ビス(ジフェニルスルホニウム)ジヘキサフルオロホスフェート((Thiodi−4,1−phenylene)bis(diphenylsulfonium)dihexafluorophosphate)からなるグループより選択された1種以上が挙げられるが、これに限定されるものではない。
一方、前記陽イオン発生剤の含有量は、例えば、ラジカル硬化型組成物100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは1〜10重量部、2〜8重量部、または2〜6重量部であってよい。本発明にかかるラジカル硬化型組成物に陽イオン発生剤が前記数値範囲の含有量で含まれる場合、前記エステル化反応がよく行われるからである。
ヘ.追加の組成
一方、本発明の前記ラジカル硬化型組成物は、優れた密着性を維持しながら、ヒドロキシ基が酸無水物との反応を通じて保護層膜がより硬くなるようにするために、下記の化学式VIで表されるラジカル重合性化合物をさらに含むことができる。
Figure 2016540260
前記化学式VIにおいて、R16は、エステル基(−COO−)、アミド基(−CON−)、またはチオエート基(−COS−)であり;R17は、C1〜10のアルキル基、C4〜10のシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、この時、R17は、分子内に少なくとも1つのヒドロキシ置換基を有し;R18は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
この時、前記R17において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。
一方、前記ヒドロキシ基は、アルキル基またはシクロアルキル基内の任意の位置に置換されていてよい。例えば、前記ヒドロキシ基は、アルキル基の末端にきてもよく、アルキル基の中間にきてもよい。一方、前記アルキル基またはシクロアルキル基に含まれている残りの水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
また、前記R18において、前記アルキル基は、1〜10個、または1〜8個、または1〜4個の炭素原子の直鎖もしくは分枝鎖の炭化水素部位を意味し、本明細書において、前記アルキル基は、分子内に少なくとも1つの不飽和結合を含むこともできる。一方、前記アルキル基としては、これに限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカニルなどを例として挙げることができる。前記アルキル基に含まれている1つ以上の水素原子は、任意の置換基で置換されていてよい。
より具体的には、前記ラジカル重合性化合物は、これに限定されるものではないが、例えば、下記の化学式18〜化学式28で表される化合物などであってよい。これらは、単独または混合して使用することができる。
Figure 2016540260
Figure 2016540260
一方、このように前記ラジカル重合性化合物がさらに含まれる場合には、本発明の前記ラジカル硬化型組成物は、全体組成物100重量部において、前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物1〜50重量部;前記ラジカル重合性化合物40〜97重量部;ラジカル開始剤1〜10重量部;および陽イオン発生剤1〜10重量部を含むことが好ましい。この時、前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物の含有量は、前記のような当量比で添加された2つの化合物の全体含有量を意味する。
より具体的には、前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物の含有量は、全体組成物100重量部に対して、1〜50重量部程度、好ましくは5〜45重量部程度、より好ましくは10〜40重量部程度であってよい。前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物が前記数値範囲の含有量で含まれる場合、特に密着性に優れ、粘度上昇などの問題が発生しない。
また、前記ラジカル重合性化合物の含有量は、全体組成物100重量部に対して、40〜97重量部程度、好ましくは45〜90重量部程度、より好ましくは50〜80重量部程度であってよい。前記ラジカル重合性化合物の含有量が前記数値範囲の含有量で含まれる場合、より優れた密着性の確保が可能である。
さらに、前記ラジカル開始剤の含有量は、全体組成物100重量部に対して、1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度、より好ましくは2〜4重量部程度であってよい。前記ラジカル開始剤の含有量が前記数値範囲の含有量で含まれる場合、硬化が円滑に実施できる。
また、前記陽イオン発生剤の含有量は、全体組成物100重量部に対して、1〜10重量部程度、好ましくは2〜8重量部程度、より好ましくは2〜6重量部程度であってよい。前記陽イオン発生剤の含有量が前記数値範囲の含有量で含まれる場合、エステル化反応を効果的によく生じさせることができる。
ト.組成物の物性
一方、前記ラジカル硬化型組成物は、硬化後のガラス転移温度が60℃以上であることが好ましく、例えば、60〜200℃、65〜150℃、または70〜120℃程度であってよい。この場合、形成される保護層が熱的に極めて安定しており、これを含む偏光板の耐熱性に優れているからである。
また、前記ラジカル硬化型組成物は、粘度が10〜200cPまたは20〜100cP程度であることが好ましい。組成物の粘度が前記数値範囲を満足する場合、保護層の厚さを薄く形成することができ、低粘度を有するため、作業性に優れる利点がある。
一方、前記ラジカル硬化型組成物を用いて形成された保護層の厚さは、0.5〜20μmであることが好ましく、例えば、0.5〜15μmまたは0.5〜10μmであってよい。保護層の厚さが前記範囲を満足する場合、製造される偏光板の薄型軽量化が可能であるからである。0.5μm未満の場合、偏光子の熱衝撃安定性およびカール特性が脆弱であり、20μm以上の場合には、偏光板の薄型化が難しい。
1−3.保護フィルム
一方、本発明の前記偏光板は、必要に応じて、偏光子の一面に保護フィルムをさらに備えることができる。より具体的には、本発明の前記偏光板は、前記保護層が偏光子の一面に形成された場合、保護層が形成された面の反対面に、偏光子を支持および保護するために、接着剤層を介して別の保護フィルムを付着させることができる。
この時、前記保護フィルムは、偏光子を支持および保護するためのものであり、当該技術分野で一般的に知られている多様な材質の保護フィルム、例えば、セルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET、polyethylene terephthalate)フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP、cycloolefin polymer)フィルム、アクリル系フィルムなどが制限なく使用できる。なかでも、光学特性、耐久性、経済性などを考慮する時、アクリル系フィルムを使用することが特に好ましい。
一方、本発明で使用可能なアクリル系フィルムは、(メタ)アクリレート系樹脂を主成分として含む成形材料を押出成形によって成形して得ることができる。この時、前記(メタ)アクリレート系樹脂は、(メタ)アクリレート系単位を含む樹脂を主成分とするもので、(メタ)アクリレート系単位からなるホモポリマー樹脂だけでなく、(メタ)アクリレート系単位以外に他の単量体単位が共重合された共重合体樹脂、および前記のような(メタ)アクリレート系樹脂に他の樹脂がブレンドされたブレンド樹脂も含む概念である。
一方、前記(メタ)アクリレート系単位は、例えば、アルキル(メタ)アクリレート系単位であってよい。ここで、前記アルキル(メタ)アクリレート系単位は、アルキルアクリレート系単位およびアルキルメタクリレート系単位をすべて意味するもので、前記アルキル(メタ)アクリレート系単位のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜4であることがより好ましい。
また、前記(メタ)アクリレート系単位と共重合が可能な単量体単位としては、スチレン系単位、マレイン酸無水物系単位、マレイミド系単位などが挙げられる。この時、前記スチレン系単位としては、これに限定されるものではないが、スチレン、α−メチルスチレンなどを例として挙げることができ;前記マレイン酸無水物系単量体としては、これに限定されるものではないが、マレイン酸無水物、メチルマレイン酸無水物、シクロヘキシルマレイン酸無水物、フェニルマレイン酸無水物などを例として挙げることができ;前記マレイミド系単量体としては、これに限定されるものではないが、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどを例として挙げることができる。これらは、単独または混合して使用できる。
一方、前記アクリル系フィルムは、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリレート系樹脂を含むフィルムであってよい。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリレート系樹脂の具体例としては、例えば、特開2000−230016号公報、特開2001−151814号公報、特開2002−120326号公報などに記載されたラクトン環構造を有する(メタ)アクリレート系樹脂が挙げられる。
前記アクリル系フィルムの製造方法は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂とその他の重合体、添加剤などを任意の適切な混合方法により十分に混合して、熱可塑性樹脂組成物を製造した後、これをフィルム成形して製造するか、または(メタ)アクリレート系樹脂と、その他の重合体、添加剤などを別の溶液に製造した後、混合して均一な混合液を形成した後、これをフィルム成形することもできる。また、前記アクリル系フィルムは、未延伸フィルムまたは延伸フィルムのうちのいずれかであってよい。延伸フィルムの場合には一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムであってよく、二軸延伸フィルムの場合には、同時二軸延伸フィルムまたは逐次二軸延伸フィルムのうちのいずれかであってよい。
一方、本発明の前記偏光板は、接着力をより向上させるために、前記接着剤層と前記保護フィルムとの間にプライマー層をさらに含むこともできる。この時、前記プライマー層は、水分散性高分子樹脂、水分散性微粒子、および水を含むコーティング液を、バーコーティング法、グラビアコーティング法などを用いて保護フィルム上に塗布して乾燥する方法によって形成されてよい。前記水分散性高分子樹脂は、例えば、水分散ポリウレタン系樹脂、水分散アクリル系樹脂、水分散ポリエステル系樹脂、またはこれらの組み合わせなどであってよく、水分散性微粒子は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニアなどの無機系微粒子や、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、架橋ポリビニルアルコール、およびメラミン系樹脂からなる有機系微粒子、またはこれらの組み合わせを用いることができるが、これに限定されるものではない。
一方、前記偏光子と保護フィルムとの付着は、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーター、ナイフコーター、またはキャピラリーコーターなどを用いて偏光子または保護フィルムの表面に接着剤を塗布した後、これらを合紙ロールで加熱合紙するか、常温圧着して合紙する方法、または合紙後、UV照射する方法などによって行われてよい。一方、前記接着剤としては、当該技術分野で使用される多様な偏光板用接着剤、例えば、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、陽イオン系またはラジカル系接着剤などが制限なく使用できる。
1−4.粘着層
一方、本発明の偏光板は、表示装置パネルまたは位相差フィルムのような光学フィルムとの付着のために、必要に応じて、前記保護層の上部に粘着層を含むことができる。
この時、前記粘着層は、当該技術分野でよく知られている多様な粘着剤を用いて形成されてよく、その種類が特に制限されるものではない。例えば、前記粘着層は、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤、ポリビニルピロリドン系粘着剤、ポリアクリルアミド系粘着剤、セルロース系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤などを用いて形成されてよい。なかでも、透明性および耐熱性などを考慮する時、アクリル系粘着剤を使用することが特に好ましい。
一方、前記粘着層は、保護層の上部に粘着剤を塗布する方法で形成されてもよく、離型シート上に粘着剤を塗布した後、乾燥させて製造される粘着シートを保護層の上部に付着させる方法で形成されてもよい。
2.画像表示装置
前記のような本発明の偏光板は、液晶表示装置などのような画像表示装置に有用に適用可能である。前記画像表示装置は、例えば、液晶パネルと、この液晶パネルの両面にそれぞれ備えられた偏光板とを含む液晶表示装置であってよく、この時、前記偏光板のうちの少なくとも1つが本発明にかかる偏光板であってよい。この時、前記液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は特に限定されない。例えば、その種類に制限されず、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型、またはPD(polymer dispersed)型のようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用可能である。また、液晶表示装置を構成するその他の構成、例えば、上部および下部基板(ex.カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類も特に制限されず、この分野で公知の構成が制限なく採用可能である。
以下、具体的な実施例を通じて、本発明をより詳細に説明する。
製造例1−アクリル系保護フィルムの製造
ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、およびフェノキシ系樹脂を100:2.5:5の重量比で均一に混合した樹脂組成物を、原料ホッパー(hopper)から押出機までを窒素置換した24φの押出機に供給し、250℃で溶融して、原料ペレット(pellet)を製造した。
フェノキシ系樹脂は、InChemRez社のPKFE(Mw=60,000、Mn=16,000、Tg=95℃)を使用し、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂は、スチレン85重量%、無水マレイックアンハイドライド15重量%のDylaeck332を使用し、ポリ(N−シクロヘキシルマレイミド−co−メチルメタクリレート)樹脂は、NMR分析の結果、N−シクロヘキシルマレイミドの含有量が6.5重量%のものを使用した。
得られた原料ペレットを真空乾燥し、260℃で押出機で溶融、コートハンガータイプのTダイ(T−die)に通過させ、クロムめっきキャスティングロールおよび乾燥ロールなどを経て、厚さ150μmのフィルムを製造した。このフィルムを、パイロット延伸装備を用いて、125℃で、MD方向にロールの速度差を利用して170%の割合で延伸して、アクリルフィルムを製造した。
前記のような過程を通じて製造されたアクリルフィルムをコロナ処理した後、前記アクリルフィルムの一面にCK−PUD−F(Chokwangウレタン分散液)を純水で希釈して製造された、固形分含有量10重量%のプライマー組成物に、オキサゾリン架橋剤(日本触媒社、WS700)20重量部を添加したプライマー組成物を、#7バー(bar)でコーティングした後、TD方向に、130℃で、テンターを用いて190%延伸して、最終的にプライマー層の厚さが400nmのアクリル系保護フィルムを製造した。
製造例2−ラジカル硬化型組成物の製造
(1)ラジカル硬化型組成物A
イタコン酸無水物20重量部、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル15重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート57重量部、ラジカル開始剤(Igarcure819)3重量部、陽イオン発生剤のジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート5重量部を混合して、ラジカル硬化型組成物Aを製造した。
(2)ラジカル硬化型組成物B
マレイン酸無水物20重量部、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル15.7重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート56.3重量部、ラジカル開始剤(Igacure819)3重量部、陽イオン発生剤のジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート5重量部を混合して、ラジカル硬化型組成物Bを製造した。
(3)ラジカル硬化型組成物C
マレイン酸無水物20重量部、ビニルアセテート15.3重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート56.7重量部、ラジカル開始剤(Igacure819)3重量部、陽イオン発生剤のジフェニル(4−フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート5重量部を混合して、ラジカル硬化型組成物Cを製造した。
(4)ラジカル硬化型組成物D
アクリロモルホリン20重量部、ヒドロキシエチルアクリルアミド40重量部、ヒドロキシエチルアクリレート37重量部、ラジカル開始剤(Igacure819)3重量部を混合して、ラジカル硬化型組成物Dを製造した。
実施例1
製造例1により製造されたアクリルフィルム系保護フィルムのプライマー層にスポイトでラジカル硬化型組成物Aを塗布し、偏光子(PVA素子)の一面に積層した後、最終接着層の厚さが1〜2μmとなるように条件を設定した後、ラミネータ(5m/min)を通過させた。その後、前記アクリルフィルムが積層された面に、紫外線照射装置(fusion lamp、D bulb)を用いて、900mJ/cmの紫外線を照射して、偏光子の一面に保護フィルムを備える偏光板を製造した。
次に、前記製造した偏光板のPVA素子の保護フィルムが積層された面の他面にラジカル硬化型組成物Aを塗布し、離型力のあるPETフィルムを積層した後、最終保護層の厚さが5〜6μmとなるように条件を設定した後、ラミネータ(5m/min)を通過させた。その後、離型PETフィルムが積層された面に、紫外線照射装置(fusion lamp、D bulb)を用いて、900mJ/cmの紫外線を照射し、PETフィルムを除去して、偏光子の一面には保護フィルムを備え、他面には保護層を備える偏光板を製造した。偏光板は、温度20℃、湿度50%の恒温恒湿環境で製造した。
実施例2
前記実施例1において、ラジカル硬化型組成物Aの代わりにラジカル硬化型組成物Bを使用したことを除いては、同様の方法で偏光板を製造した。
実施例3
前記実施例1において、ラジカル硬化型組成物Aの代わりにラジカル硬化型組成物Cを使用したことを除いては、同様の方法で偏光板を製造した。
比較例
前記実施例1において、ラジカル硬化型組成物Aの代わりにラジカル硬化型組成物Dを使用したことを除いては、同様の方法で偏光板を製造した。
前記実施例1〜3で使用したラジカル硬化型組成物の酸無水物系化合物とビニル系化合物の、前記式(1)で表される配合当量比を計算して、下記の表1に示した。この時、前記酸無水物系化合物中に含まれる重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数Mは、(各酸無水物系化合物の重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数)×(当該酸無水物系化合物のモル分率)の合計量で計算し、また、前記ビニル系化合物中に含まれる重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数Nは、(各ビニル系化合物の重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数)×(当該ビニル系化合物のモル分率)の合計量で計算した。
また、前記実施例1〜3および比較例で製造された偏光板の保護層の密着性、熱衝撃安定性、ガラス転移温度、耐水性などを測定するために、下記のような実験を行った。その結果を下記の表1に示した。
1.密着性評価:偏光子(PVA素子)上に前記実施例1〜3および比較例で使用されたラジカル硬化型組成物を塗布し、その上に偏光子(PVA素子)を積層してラミネータを通過させた後、紫外線照射装置(fusion lamp、D bulb)を用いて、900mJ/cmの紫外線を照射して、偏光子/保護層/偏光子からなる剥離力サンプルを製造した。製造されたサンプルを幅20mm、長さ100mmに裁断した後、Texture Analyzer装備(Stable Micro Systems社のTA−XT Plus)で、速度300mm/min、90度で、剥離時の剥離力を測定し、剥離力が1N/cmを超えた場合を優秀、0.5N/cm〜1.0N/cmの場合を良好、0.5N/cm未満の場合を劣悪と表示した。一方、実験は、温度20℃、湿度50%の恒温恒湿環境で行った。
2.耐水性評価:実施例1〜3および比較例で製造された偏光板をガラス基板にラミネーション(glass lamination)した後に、60℃の恒温槽に浸漬させた。24時間経過後、偏光板端部の脱色の有無で耐水性を判断し、変形がない場合を優秀、脱色が生じた場合を劣悪と表示した。
3.熱衝撃物性評価:前記実施例1〜3および比較例で製造した偏光板をガラス基板にラミネーション(glass lamination)し、これを−40℃で30分間放置した後、これを再び80℃で30分間放置することを100回繰り返し行った。その後、偏光板の外観における変形の有無を肉眼で評価した。偏光板の外観において、端部にのみ2mm以下のクラックの発生があった場合を優秀、端部以外の5mm以上の短い線状のクラックのみが確認された場合を良好、偏光板の全面に多数のクラックが発生した場合を劣悪と表示した。
4.ガラス転移温度の測定:前記のような硬化条件で製造された実施例1〜3および比較例の偏光板の保護層を分離した後、示差走査熱量計(DSC Mettler社)を用いて、−30〜200℃に昇温させて、セカンドラン(second run)でのガラス転移温度を測定した。
Figure 2016540260
前記表1から明らかなように、本発明の実施例1〜3の場合、密着性、熱衝撃安定性、耐水性などに優れており、ガラス転移温度が高いことが分かる。しかし、水素結合を通じて接着力を確保する比較例の場合には、密着性には優れているものの、耐水性に極めて脆弱であることが分かる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な修正および変形が可能であることは当技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明である。

Claims (15)

  1. 偏光子と、
    前記偏光子の少なくとも一面に形成される保護層とを含む偏光板であって、
    前記保護層は、(A)少なくとも1つの炭素間不飽和二重結合を有する酸無水物系化合物;(B)少なくとも1つの電子ドナー(Donor)基を有するビニル系化合物;(C)ラジカル開始剤;および(D)陽イオン発生剤を含むラジカル硬化型組成物の硬化物であることを特徴とする、偏光板。
  2. 前記偏光子および保護層は、前記偏光子のヒドロキシ基と前記保護層の酸無水物基との間のエステル化反応の結果発生する共有結合を通じて接着力が確保されることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記酸無水物系化合物と前記ビニル系化合物の含有量が、下記の式(1)で表される配合当量比で0.8〜1.0であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
    式(1):配合当量比=M/N
    前記式(1)において、Mは、前記酸無水物系化合物中に含まれる酸無水物基を含む分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数であり;Nは、前記ビニル系化合物中に含まれる分子において重合に参加可能な炭素間不飽和二重結合の数である。
  4. 前記酸無水物系化合物は、下記の化学式I〜化学式IVで表される化合物からなる群より選択された1種以上の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
    Figure 2016540260
    前記化学式Iにおいて、Rは、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルアルキル基、または(メタ)アクリロイルオキシアルキル基であり;Rは、ハロゲン原子、またはC1〜10のアルキル基であり;aは、1〜2の整数であり;bは、0〜2の整数であり;Xは、単結合、−O−、−CO−、−COO−、または−OCO−である。
    Figure 2016540260
    前記化学式IIにおいて、R〜Rは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
    Figure 2016540260
    前記化学式IIIにおいて、RおよびRは、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
    Figure 2016540260
    前記化学式IVにおいて、R〜R11は、それぞれ独立して、水素またはハロゲン原子であるか;C1〜10のアルキル基、C4〜14のシクロアルキル基、C6〜14のアリール基、またはこれらの組み合わせである。
  5. 前記ビニル系化合物の電子ドナー(Donor)基は、下記の化学式Aまたは化学式Bで表される官能基であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
    Figure 2016540260
    前記化学式Aにおいて、R12は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
    Figure 2016540260
    前記化学式Bにおいて、R13は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
  6. 前記ビニル系化合物は、下記の化学式Vで表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
    Figure 2016540260
    前記化学式Vにおいて、R14は、水素、またはC1〜10のアルキル基であり;R15は、c価のC1〜10の脂肪族鎖、C4〜14の脂肪族環、C6〜14の芳香族環、またはこれらの組み合わせであり;cは、1〜4の整数であり;Xは、−O−または−OCO−である。
  7. 前記ラジカル硬化型組成物は、下記の化学式VIで表されるラジカル重合性化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
    Figure 2016540260
    前記化学式VIにおいて、R16は、エステル基(−COO−)、アミド基(−CON−)、またはチオエート基(−COS−)であり;R17は、C1〜10のアルキル基、C4〜10のシクロアルキル基、またはこれらの組み合わせであり、この時、R17は、分子内に少なくとも1つのヒドロキシ置換基を有し;R18は、水素、またはC1〜10のアルキル基である。
  8. 前記ラジカル硬化型組成物は、全体組成物100重量部に対して、前記酸無水物系化合物およびビニル系化合物1〜50重量部;前記ラジカル重合性化合物40〜97重量部;前記ラジカル開始剤1〜10重量部;および前記陽イオン発生剤1〜10重量部を含むことを特徴とする、請求項7に記載の偏光板。
  9. 前記ラジカル硬化型組成物の硬化後のガラス転移温度は、60℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  10. 前記ラジカル硬化型組成物の粘度は、10〜200cPであることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  11. 前記保護層は、厚さが0.5〜20μmであることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  12. 前記偏光子の保護層が形成された面の反対面に、接着剤層を介して保護フィルムがさらに付着していることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  13. 前記保護層の上部に粘着層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  14. 前記偏光子は、ヨウ素または二色性染料を含むポリビニルアルコール系フィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の偏光板。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の偏光板を含むことを特徴とする、画像表示装置。
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