JP2016537611A - 直接的に連続したさらなるバンドセグメントによってそれぞれがオーバーラップした連結バンドセグメントを有する超伝導構造からなる巻線を有する超伝導マグネットコイルを含むnmr分光計 - Google Patents

直接的に連続したさらなるバンドセグメントによってそれぞれがオーバーラップした連結バンドセグメントを有する超伝導構造からなる巻線を有する超伝導マグネットコイルを含むnmr分光計 Download PDF

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Abstract

NMRマグネットコイル(91)を有するNMR分光計(131)であって、少なくとも1つのセクション(121)において、超伝導構造(1)を有する伝導体の巻線を含み、当該構造(1)は、帯状の超伝導体からなる複数のバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)を含み、各バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、可撓性基材(3)および当該基材(3)上に堆積した超伝導層(4)を含み、バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)はそれぞれ、20m以上の長さを有し、バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、互いに接続されており、バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の少なくとも1つは、連結バンドセグメント(2、2a)を形成し、各連結バンドセグメント(2、2a)は、少なくとも2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)の組み合わせが、連結バンドセグメント(2、2a)の全長(L)の少なくとも95%とオーバーラップするように、少なくとも2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)に接続されているNMR分光計。本発明は、特に、分光計のマグネットコイルがサンプル体積内に特に高い磁場を発生させることができ、且つ低いドリフトを有する、改善されたNMR分光計を提供する。【選択図】 図1

Description

本発明は、NMRマグネットコイルを有するNMR分光計に関し、NMRマグネットコイルの少なくとも1つのセクションは超伝導構造を有する伝導体の巻線を含み、当該構造は、帯状の超伝導体の複数のバンドセグメントを含み、それぞれのバンドセグメントは、基材およびその上に堆積された超伝導層を含み、このバンドセグメントは互いにジョイントされている。
超伝導体は、実質的に抵抗損なく電流を運ぶことができる。超伝導体は、高電流が必要とされる場所、例えばマグネットコイルに特に配置される。
超伝導体は、臨界温度(転移温度とも呼ばれる)未満および温度依存性臨界磁場強度(方向依存性でもあり得る)未満でのみ、臨界電流密度まで損失なく電流を運ぶことができる。これらの臨界パラメータ、すなわち互いに依存した臨界電流密度、臨界温度および臨界磁場強度を超えると、超伝導体は常伝導状態に入る。
ワイヤとして加工処理され得る金属超伝導材料、例えばNbTiは、相対的に低い臨界温度(NbTiに関して、例えば約9K)を有し、そのため、特に必要な冷却に用いると非常に高価である。さらに、金属超伝導体は、相対的に低い臨界磁場を有しており、これを超えると金属超伝導体は超伝導特性を失う。
高温超伝導体(HTSL)、例えばイットリウムバリウム銅酸化物(YBCO)は、顕著に高い臨界温度を有し、YBCOについては例えば約90Kであるが、そのセラミック特性に起因して加工処理が困難である。臨界温度よりも顕著に低い温度で使用される場合、HTSLは比較的大きな電流を伝導でき、すなわち、HTSLは高い臨界電流密度を有する。比較的高い臨界磁場強度を有しているため、これらの材料は、高いスペクトル分解能を得るために、例えばNMR分光計に所望されるような強磁場における低い操作温度にも好適である。
技術的応用については、HTSLは、通常、帯状の通常は金属の基材上に薄層として堆積し、概して1つ以上のバッファ層が基材と超伝導層との間に介在し、1つ以上の最終金属層が超伝導層の頂部に堆積する。この構造はまた帯状の超伝導体と称され、英語では「coatedconductor(コーティングされた伝導体)」として一般に知られている。
しかし、良質な超伝導層を堆積させることは相対的に困難である。概して、特別なテクスチャを有する基材表面が必要であるが、これは限られた長さでしか提供することができない。現在、帯状の超伝導体の良質なバンドセグメントは、約100〜500mの最大範囲に限定される。結果として、マグネットコイルにおいて、すなわちNMR分光計において巻き付けることができるコイルセクションのサイズは制限される。マグネットコイルにおいてジョイントを用いてバンドセグメントを接続することは技術的に困難であり、一般にマグネットコイルのドリフトを増大させる。これは、高分解能NMR分光法の分野において特に望ましくない。
欧州特許出願公開第0545608(A2)号明細書には、より長い距離、例えば数キロメートルにわたって電流を輸送可能にするために、限定された長さのみ良質に製造することができる接合伝導体セグメントが提案されている。
米国特許出願公開第2005/0173679(A1)号明細書には、帯状の超伝導体の2つのバンドセグメントを接合し、それぞれの基材上の超伝導層は互いに対向することが開示される。超伝導層は超伝導接触状態となり、2つの多結晶超伝導層が近接することによって有効な粒子境界面を増大させ、ひいては臨界電流を改善することが意図されている。
米国特許第6828507(B1)号明細書にはまた、帯状の超伝導体の2つのバンドセグメントを接合し、それぞれの基材上の超伝導層は互いに対向するが開示される。超伝導層は、1つ以上の常伝導中間層(例えば個々のバンドセグメントの被覆層)によって接合される。
米国特許第6121205(A)号明細書には、オーバーラップする複数の超伝導体ユニットを含む超伝導構造において、超伝導体ユニットは、それぞれ金属酸化物結晶、例えばZrOまたはMgOからなる基材および超伝導層、例えばReBCO材料からなる超伝導層を含むことが開示される。超伝導構造において、超伝導体ユニットの超伝導層は互いに対向する。
米国特許出願公開第2003/0213611(A1)号明細書には、オーバーラップする固体YBCOからなる複数の棒状の超伝導体ユニットからなる超伝導構造が開示されている。棒状の超伝導体ユニットは、特に、積み重ねられた3つの面に配置されてもよく、直線方向に沿って接続されてもよい。1つの記載された実施形態において、超伝導体材料は単結晶MgO基材上に薄層を形成する。
独国特許出願公開第60031784(T2)号明細書には、HTSによってコーティングされた2つの要素の配置が開示されており、これらの要素は、金属性カバー層を介して互いに対向するHTS層において互いに接続されている。HTS被覆要素は、長手伸張方向に対して垂直な方向に、互いにわずかにオフセットするように配置されてもよい。
本発明の目的は、サンプル体積内に特に高い磁場強度を発生させることができ、低いドリフトを有する、特に分光計のマグネットコイルを有する改善されたNMR分光計を提供することである。特に、マグネットコイルが高い磁場強度において高い電流保持容量を有し、動作中、スイッチを介して短絡されることができ、マグネットコイル内側のサンプル体積内において均一且つ一時的に極めて安定な磁場を発生させるのに好適であり、すなわち、持続モード動作において、マグネットコイルの伝導体、そのセクション間のジョイントおよび/またはスイッチの残留抵抗によって発生した磁場のドリフトが、例えば高分解能NMR分光法に関して許容限度内に留まるようなNMR分光計が提供される。
この目的は、少なくとも1つのセクションにおいて超伝導構造を有する伝導体の巻線を含むNMRマグネットコイルを有するNMR分光計によって達成され、超伝導構造は、帯状の超伝導体の複数のバンドセグメントを含み、ここで、各バンドセグメントは、可撓性基材およびその上に堆積された超伝導層を含み、バンドセグメントのそれぞれは20m以上の長さを有し、バンドセグメントは互いに接続され、バンドセグメントの少なくとも1つは、連結バンドセグメントであり、各連結バンドセグメントのさらなるバンドセグメントが共に、連結バンドセグメントの全長の少なくとも95%とオーバーラップするように少なくとも2つのさらなるバンドセグメントに接続する。バンドセグメントは、さらに上述したように、市販の超伝導体テープであってもよい。
本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルの少なくとも1つのセクションにおいて、超伝導構造は、1つ以上の連結バンドセグメントに基づく。連結の範囲において、超伝導構造は特に高い電流保持容量を有し、これにより、(概して臨界電流よりも顕著に低い電流を用いた)マグネットコイルの操作中、局所的に生じる臨界電流密度の不均一性およびその結果局所的に生じる(依然として非常に小さい)オーム抵抗に耐えることができる。電流は、互いに対向している平行な連結バンドセグメント間で交換され得る。バンドセグメントの1つにおいて臨界電流密度が不均一(例えば、超伝導層における常伝導ns)である場合、臨界電流密度の不均一性は、対応する対向バンドセグメントによってブリッジされ、また逆も同様に行われる。結果として、このような不均一性は、超伝導構造全体の電流保持容量に顕著な障害を引き起こさない。特に、このことはまた、この種の最も大規模な妨害、すなわちバンドセグメントがつなぎ合わされるギャップにおいても同様である。
さらに、互いに対向するバンドセグメント間の接触領域は非常に大きい。本発明の範囲内では、一般に連結バンドセグメントの全長は、横方向の電流交換に使用されてもよく、接触抵抗(横方向の抵抗)は非常に小さくなる。特に、超伝導層間のコンタクトとして常伝導材料の1つ以上の層を使用することができ、それによって顕著なレベルまでオーム抵抗を増大させることはない。それでもなお、これらの常伝導層は、良好な電気伝導性を有する材料(例えば、貴金属または銅、またはこれら金属の合金)から製造されるべきである。これらの中間層は、超伝導構造の製造プロセスを単純化でき、熱伝導体として、超伝導状態を安定化させるために超伝導層に対して平行に延在する電流経路として、およびクエンチ保護としても役立ち得る。特に、平行バンドセグメントはまた、それぞれの銅カバーの単純なハンダ付けによって接続され得る。一般に、ハンダ付けは、5mを超える、好ましくは20mを超えるバンド方向に沿って延在する。いずれにせよ、それはセクションにおいて複数の巻線を含む。
本発明の範囲内では、多数のバンドセグメントを連続的に連結させる場合にも、顕著なオーム伝導体抵抗の発生を回避することができる。このように、本発明はまた、多数の巻線を、例えばキロメートル範囲で有するコイルにも非常に適している。NMRの目的のために、数十nOhm未満の総横方向抵抗を得ることが望ましく、1桁大きくても許容可能である可能性が高い。銅エンクロージャを介して2つのバンドセグメントをハンダ付けすることにより、典型的な市販のHTSテープ伝導体に関して、約40nOhm/cmの横方向抵抗がもたらされた。
本発明の範囲内において、超伝導層が互いに隣り合う(互いに対向する)2つのバンドセグメントを接続することにより、全体としてはオーム抵抗が消失するように超伝導または擬超伝導電気的接触がもたらされ得る。テープ伝導体の銅カバーが基材を包み込む場合、テープは積み重ねるように(as stacks)ハンダ付けされてもよく、すなわち超伝導層は(鏡面方式で)互いに対向している必要はない。したがって、個々のテープの基材層を結果として半径方向外側位置に維持することができるようになり(増大した横方向抵抗を犠牲にして)、これにより、ローレンツ力による超伝導層の分離リスクが低減される。
バンドセグメントが少なくとも2つのさらなるバンドセグメントに接続され、これらの組み合わせが(バンドセグメントの伸長方向/長手方向において)バンドセグメントの全長と実質的にオーバーラップする場合に、このバンドセグメントは、連結バンドセグメントとして指定される。このように、さらなるバンドセグメントは、特に連結バンドセグメントの欠陥範囲において、連結バンドセグメントのための平行電流経路として作用し得る。逆も同様に、連結バンドセグメントは、特にさらなるバンドセグメント間のギャップ(接触点)において、さらなるバンドセグメントのための平行電流経路を提供する。
本発明に係る連結バンドセグメントにオーバーラップして接続されたさらなるバンドセグメントの1つ以上(特に同様にすべて)は、それらのターンでは連結バンドセグメントであり得る。したがって、単純な方法で、有効な任意の巻線長さは本発明に係る超伝導構造を用いて実現することができる。さらに、超伝導構造のバンドセグメントは、1つ以上の連結バンドセグメントに対してさらなるバンドセグメントとしても作用し得る。
超伝導構造の長手方向において互いに続くさらなるバンドセグメント間において、(できる限り狭い)ギャップ(隣接端部、収容範囲(fitting range))が形成され、連結バンドセグメントによってブリッジされる。さらに、通常、さらなるバンドセグメントのそれぞれは、連結バンドセグメントを越えて一方の端部で長手方向に延在する。
本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイルは、シム調整を行っていない状態で、好ましくは少なくとも1cm、最も好ましくは少なくとも10cmのサンプル体積において、100ppmまたはより高い、好ましくは10ppmまたはより高い、最も好ましくは2ppmまたはより高い均一性を含み、サンプル体積にわたって、好ましくは10テスラ以上、特に20テスラ以上、またはさらに23.5テスラ以上、例えば28.2テスラ(=1200MHzのプロトン共鳴周波数)の磁束密度を生じる。超伝導構造のバンドセグメントはそれぞれ、特にNMRマグネットコイルのセクションの周りに巻き上げることができる可撓性の、好ましくは金属性の基材、例えば鋼製の基材を含む。バンドセグメントの典型的な幅は、2mm〜60mmの範囲である。バンドセグメントの典型的な厚さは、25μm〜300μmの範囲である。バンドセグメントの長さは、約20m以上、多くは100m以上である。
本発明に係るNMR分光計の好ましい実施形態において、超伝導構造は、少なくともN個の連結バンドセグメントを含み、N≧5、好ましくはN≧20である。特に、N個連結したバンドセグメントは、連結バンドセグメントのそれぞれのさらなるバンドセグメントの少なくとも1つが、そのターンでは連結バンドセグメントであるような方法で、連続して互いに接続される。このように、その利点を含む超伝導構造は、任意の、特に大きな長さにおいても用いられ得る。互いに連続してリンクした連結バンドセグメントの配列において(テープ方向に関して)内側バンドセグメントのすべてに関し、2つのさらなるバンドセグメントはそれぞれ連結バンドセグメントであり、当該配列の外側のバンドセグメントの両方に関しては、さらなるバンドセグメントの一方だけが連結バンドセグメントを形成する。変形例の超伝導構造は、少なくとも2つの面(上方および下方面)において基本的に平行なバンドセグメントを含む。上方面の連結バンドセグメントは、好ましくはそれらの超伝導層が下方に向かって配向されるように列をなして配置され、下方面の連結バンドセグメントはまた、好ましくはそれらの超伝導層が上方に向かって配向されるように列をなして配置される。
本実施形態の好ましい変形例において、超伝導構造は、連結バンドセグメントの伸長方向に沿って連結バンドセグメントを介して周期的に構成される。この手段によって構造が特に容易となり、特に同じ長さのバンドセグメントが本設計に使用されてもよい。
好ましい実施形態において、少なくとも1つの連結バンドセグメントは少なくとも1つの既知の欠陥領域を含み、当該特定の連結バンドセグメントとオーバーラップするさらなるバンドセグメントの少なくとも1つは、さらなるバンドセグメントが既知の欠陥領域の周りの第1の長手方向範囲において、特に既知の欠陥領域の両側の少なくとも10mの第1の長手方向範囲において欠陥を含まないように、選択され、および/または長手方向に位置付けられる。特定のバンドセグメントにおける欠陥領域が既知の(および受容された)位置である場合、当該バンドセグメントは、オーバーラップするバンドセグメントに接続されるべきであり、オーバーラップするバンドセグメントは、第1のバンドセグメントの既知の欠陥位置の周りの長手方向範囲、概して約10mから数十メートルの範囲に沿って欠陥を含まないように選択され、必要により長手方向にシフトされる。当該範囲によって、十分低い横方向のオーム抵抗を伴う電流移動が可能となる。
もちろん同様に、特に最も関連のある欠陥領域に関して、すなわち2つのセグメントが共につなぎ合わせられる場所であればこれがあてはまる。結果として、連結バンドセグメントは、2つのさらなるバンドセグメント間のギャップの周りの第2の長手方向範囲に欠陥を含まず、2つのさらなるバンドセグメントは、特にギャップの両側に向かって少なくとも10mの第2の長手方向範囲において、連結バンドセグメントとオーバーラップして接続される実施形態が好ましい。
好ましい実施形態において、セクションは半径方向に複数の巻線層を含み、同じ連結バンドセグメントにオーバーラップして接続された2つのさらなるバンドセグメント間のギャップの位置は、半径方向に互いに重なり合う巻線層において方位角方向にずれる。バンドセグメントが共につなぎ合わされる位置(ギャップ)は潜在的に機械的に弱いスポットでもあるため、多層巻線の場合、半径方向に互いに重なり合って配置されるべきではなく、長手方向に互いに隣接させて配置されるべきでもない。このように、マグネットコイルの機械的安定性を増大させることができる。好ましくは可能な限り、連結バンドセグメントの構造を有する伝導体の製造中に、重要な伝導体セグメントがコイルセクションにおいて最終的な位置がどこになるかを予め考慮しておくべきである。この目的を達成するために、特定の利用可能なバンドセグメントは、上述の基準を満たすために、意図的に短くしてもよく、ジョイントしてもよい。
従って、セクションが、少なくとも1つの巻線層において軸方向に隣接したいくつかの巻線を含み、同じ巻線層のギャップは方位角方向にずれることがさらに有利である。
本発明に係るNMR分光計の有利な実施形態において、セクションは、少なくとも1つの単一バンドの部分セクションを含み、当該単一バンド部分セクションには単一の連続バンドセグメントが巻き付けられ、セクションはさらに、少なくとも1つの多重バンド部分セクションを含み、当該少なくとも1つの多重バンド部分セクションには超伝導構造を有する伝導体が巻き付けられる。欠陥を含まないテープ伝導体が大きな長さで利用可能であるが、当該長さが所望のコイルセクション全体に連続的に巻き付けるのには不十分である場合、(完全な電流密度を有する)連続テープ伝導体(バンドセグメント)のみから巻き付けられる単一バンド部分セクションが形成されてもよく、さらに、(電流密度が低減された)連結バンドセグメントを有する複数テープ部分セクションが形成されてもよい。マグネットコイル内で設計が可能な幾何学形状配置は、連続テープ伝導体を有する2つの部分セクションに軸方向を囲まれたリンクを有する軸方向内側の部分セクションであってもよい。しかし、あるいは、例えば巻線層から巻線層に、単一バンドから連結二重バンドに、切り替えてもよい(適宜戻す)。極端な場合では、二重バンドに連結した単一バンドを有する二重バンドにおける1つの層は、セクション内で(擬)超伝導ジョイントとして作用する。これは2つの有利な方法で達成されてもよい。第1の変形例において、単一バンドは、セクションの軸端部で、半径方向に1つあいて隣の巻線層まで上がる。中間巻線層において、セクションを覆うセクション端部からその他方の軸端部まで共に巻き付けられたさらなるバンドセグメントが存在する。元々のバンドセグメントおよび共に巻き付けられたバンドセグメントは、セクションの軸中心の周りまで二重バンドを形成するようにハンダ付けされる。そこで(1つあけて隣の層において)、元々のバンドセグメントが終了し、新しいバンドセグメントがそれにつなぎ合わされ、共に巻き付けられたバンドセグメント(セクションの軸端部まで)にハンダ付される。このように、コイル電流は、元々のバンドセグメントから共に巻き付けられたバンドセグメントへ第1の軸方向の半分を介して移動し、残り半分においては共に巻き付けられたバンドセグメントからつなぎ合わされたバンドセグメントに移動する。好ましくは、ハンダ付けされたバンドセグメントの超伝導層は互いに対向する。第2の変形例(請求項29および図15a、15bを参照)において、セクションの一方の軸端部から他方の端部まで延在する少なくとも1つの二重層では、コイル電流が、1つの層の1つの到達バンドセグメントから次の層のハンダ付けされたバンドセグメントまで移動する。セクションの全軸長は、この目的を果たすことができ、いくつかの二重層を介してハンダ接続する場合、セクションの軸長の倍数が利用可能であり、さらに転移抵抗を低下させる。この第2の変形例において、半径方向外側に基材を維持するためにハンダ付けされたバンドセグメントを単に積み重ねることがより有利であると思われる。バンドセグメントそれぞれが完全に、電気的に伝導性が高い材料、好ましくは銅によって(例えば、帯状の超伝導体全体を、一側部、好ましくは基材側においてハンダ付けされるとじ目を形成する銅箔によって完全に取り囲むことによって)包まれる場合、ハンダ付けされたバンドセグメント間の電流移動のための大きな移動長さと組み合わせて、横方向のオーム抵抗は、許容可能な範囲内に留まる。最初のテスト実験では、1nOhmを大きく下回る移動抵抗が生じた。
上記実施形態の好ましい変形例において、セクションは、2つの軸方向外側の単一バンド部分セクションおよび軸中心の多重バンド部分セクションを含む。軸中心の多重バンド部分セクションは単に1つの連結バンドセグメントを含むことが特に好ましい。電流密度が単一バンド部分セクションに対して低減する軸中心の多重バンド部分セクションは、特に高い磁場強度が生じるマグネットコイルの中心範囲に位置する。
特に好ましい実施形態において、一方の連結バンドセグメントおよび他方のさらなるバンドセグメントは、超伝導層が互いに対向するようにオーバーラップして接続される。したがって、連結バンドセグメントとそのそれぞれのさらなるバンドセグメントとの間の電気抵抗は、特に低いレベルで維持され得る。コイルセクション内側において現れる半径方向の力に有利であり得る代替実施形態において、バンドセグメントにおける超伝導層は、同じ側部に向かって配向した超伝導構造の両方の面にある(すなわち、両方において、つまり、連結バンドセグメント、およびそれぞれのさらなるバンドセグメントにおいて)。通常、すべてのバンドセグメントに対して巻き付けられたマグネットコイルにおいて、基材(通常鋼シート)は半径方向外側に配向され、超伝導層は半径方向内側に配向される。この場合、横方向の電流輸送は、通常、バンドセグメントのハンダ付けされた銅のエンケーシング(encasings)を介して少なくとも部分的に行われる。
他の好ましい実施形態において、超伝導構造は、少なくとも2つの端部バンドセグメントを含み、各端部バンドセグメントは、連結バンドセグメントが端部バンドセグメントの全長と実質的にオーバーラップするように連結バンドセグメントに接続される。端部バンドセグメントによって、超伝導構造はその両端部において末端処理されてもよく、セクション/部分セクションの巻線インプットまたはアウトプットをそれぞれ形成してもよい。端部バンドセグメントは、同じ面またはさらに異なる面において配置されてもよい。通常、連結バンドセグメントは、端部バンドセグメントの長さの少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%、またはさらには100%でオーバーラップする。
本発明に係る超伝導構造の特に好ましい実施形態において、さらなるバンドセグメントの組み合わせは、連結バンドセグメントの全長の少なくとも95%、好ましくは少なくとも99%オーバーラップする。このように、オーバーラップするバンドセグメント間には非常に大きな接触領域が達成され得、それにより、小さい電気抵抗が達成され得る。連結バンドセグメントの潜在的に残った(オーバーラップされていない)長さは、通常、さらなるバンドセグメント間のギャップ(またはいくつかのギャップ)に、および/または電流のインプットまたはアウトプット(後者の場合、通常はマグネットコイルのセクションの端部または部分セクションの端部において)に割り当てられる。
さらに好ましい実施形態において、連結バンドセグメントは、少なくとも100m、好ましくは少なくとも200mの長さを有する。これにより、一方では、さらなるバンドセグメントとのオーバーラップの長さも大きいことが保証され(通常は、各さらなるバンドセグメントについて連結バンドセグメントの長さの約半分)、他方では、このような大きなバンドセグメント長を使用することによって、コイルセクションの伝導体の大きな全長が効率の良い方法で達成され得る。
さらに好ましい実施形態において、超伝導構造(またはセクション/部分セクションの伝導体)は、少なくとも1000m、好ましくは少なくとも2000mの全長を含む。本発明に係る構造は、このような大きな全長を容易に提供でき、結果として、高い磁束密度を有するマグネットコイルが製造され得る。
好ましい実施形態において、同じ連結バンドセグメントにオーバーラップして接続された2つのさらなるバンドセグメント間のギャップは、5mm以下、好ましくは2mm以下のバンドセグメントの伸長方向におけるギャップ幅を含み、特にギャップは、さらなるバンドセグメントを隣接させるために閉じられてもよい。このように、さらなるバンドセグメントではなく、連結バンドセグメントのみが電流を運ぶのに利用可能である場合の距離は最小限になる。
さらに好ましい実施形態において、同じ連結バンドセグメントにオーバーラップして接続された2つのさらなるバンドセグメント間のギャップは、連結バンドセグメントの長さに対して少なくともおおよそ中心に配置される。ギャップを中心に配置した結果、おおよそ同一長さが、さらなるバンドセグメントに対する接触領域に利用可能であり、これにより、さらなるバンドセグメントの1つに対する接触抵抗を不均衡に増大させることが回避される。通常、ギャップ位置は、連結バンドセグメントの長さに対して連結バンドセグメントの中心から最大10%、好ましくは最大5%外れる。
本発明に係る超伝導構造の有利な実施形態において、同じ連結バンドセグメントにオーバーラップして接続された互いに対向する2つのさらなるバンドセグメントの端部はそれぞれ、他のさらなるバンドセグメントの方向に先細り且つ狭くなり、特に、少なくともセクションにおいて、これら2つのさらなるバンドセグメント間のギャップは、バンドセグメントの伸長方向に対して5°から30°の角度で延在する。この変形例において、さらなるバンドセグメント間のギャップは、少なくとも、連結バンドセグメントの伸長方向に対して傾いた(特に、垂直ではない)セクションにおいても延在する。ギャップは相当な距離を介して(連結バンドセグメントの伸長方向において)延在するが、決して超伝導構造の総幅に到達しない(2mm〜6cmの典型的なバンド幅を参照のこと)。この設計は、実際に有用であることが証明されている。
さらなる実施形態において、オーバーラップして接続されたバンドセグメントの超伝導層は、
−直接隣接し、
−または、貴金属を含有する1つ以上の層、特に銀を含有する層、および/または銅、を含有する1つ以上の層、特に銅層によって互いに接続される。超電導層が直接隣接する場合には、原理上、非常に良好な接触状態が(超伝導でさえ)超伝導層間において達成され得るが、ジョイント技術は習得が困難である。常伝導層(またはこのようないくつかの層)を介する接続の場合、超伝導構造の製造は容易になり、このような層が機能的に(例えば、安定化、およびクエンチ保護のために)使用され得る。接触領域が大きいため、常伝導層(またはこのような複数の層)は、好適な材料(例えば、十分良好な電気伝導性を有する材料)および好適な層厚さ(厚過ぎない)が選択される場合に、無視できるオーム抵抗のみを生じる。
さらに有利な実施形態において、超伝導構造のバンドセグメントは、その外側表面にシャント構造を含み、特に、バンドセグメントは、部分的にまたは完全にシャントカバーによって囲まれてもよい。このように、超伝導性の突然のブレイクダウン(「クエンチ」)が発生した場合に先の超伝導電流を引き継ぎ得る、超伝導層に対して平行な常伝導電流経路が生成される。このように、超伝導層の過熱(「バーンアウト」)が回避される。シャント構造は、特に銅で製造されてもよい。
本実施形態の好ましい変形例において、オーバーラップして接続される2つのバンドセグメントは、バンドセグメントの伸張方向に対して垂直な1つ以上の突出範囲においてオーバーラップせず、シャント構造は、当該突出範囲の少なくとも1つにおいて関連するバンドセグメントと接触する。このように、クエンチの場合のバンドセグメントの超伝導層からの電流の放電が、特に単純化される。伸張方向に対して垂直な等しい幅のバンドセグメントのずれは、2つの突出範囲を生じる場合があり、1または2つの突出範囲は、異なる幅を有するバンドセグメントを用いることによって生じ得る。
さらに特に好ましい実施形態において、超伝導層は、高温超伝導材料、特にYBCOまたはBSCCOタイプの高温超電導材料を含む。HTSL材料を用いることによって、特に高い電流保持容量(低温での、例えば、LHeを用いる冷却による)が達成され得る。本発明の範囲内において、40Kを超える転移温度を有するすべての材料はHTSL材料として指定される。BSCCO材料は、BiSrCaCu8+xおよび/またはBiSrCaCu10+xを含んでいてもよい。
本実施形態の有利な変形例において、さらなるバンドセグメントの少なくとも1つは、LTS超伝導材料のフィラメントを含有する低温超伝導体(=LTS)のワイヤへのジョイントを形成し、当該さらなるバンドセグメントおよびLTSワイヤは、ハンダによってさらなるバンドセグメントの長手方向において、少なくとも1m、好ましくは少なくとも10mに沿って互いにオーバーラップしてハンダ付けされる。このように、LTSワイヤへの低いオーム転移が生じ得る。ジョイントは、良好な電流保持容量を達成するために、高い磁場領域の外側に配置されるべきである。通常、NbTiは、LTS材料として使用される。好ましくは、このようなジョイントは超伝導構造の各端部に設けられる。ジョイント領域において、エンケーシングまたは保護カバーは、フィラメントから、および/または超伝導層から除去されてもよい。本発明の範囲内において、40K未満の転移温度を有するすべての材料、特に、NbTiおよびNb3SnはLTS材料として指定される。
好ましい変形例において、マグネットコイルは、そのターンでは、超伝導構造を有する伝導体の巻線を含む少なくとも1つのHTSセクション、およびそのターンではLTSワイヤの巻線を含む少なくとも1つのLTSセクションを含む。特に、HTSセクションおよびLTSセクションは、HTSセクションが内側に位置するように積み重ねられる。このように、特に高い磁場強度に関しては好適であるコイル設計が実現されてもよい。HTSセクションおよびLTSセクションは、直列に接続され、好ましくは超伝導短絡モードにおいて、「持続モード」において操作され、残留ドリフトに対する本質的に既知の手段は、いずれかの通常の方法で使用されてもよい。
さらに好ましい実施形態において、バッファ層、特にCeOを含有する層が、基材と超伝導層との間に配置される。これにより、超伝導層の品質が改善され得る。場合によっては、複数のバッファ層を挿入してもよい。
3つ以上のバンド層を使用する実施形態
本発明に係るNMR分光計のさらに好ましい実施形態において、超伝導構造は、少なくとも1つのセクションにおいて、M倍バンド設計を含み、Mは3以上の自然数であり、バンドセグメントの少なくとも1つは、複数連結バンドセグメントとして構成され、各複数連結バンドセグメントは、さらなるバンドセグメント(7a〜7e)の各セットの組み合わせが複数連結バンドセグメント(2a)の全長(L)の少なくとも95%とオーバーラップされるように、M−1セットの少なくとも2つのさらなるバンドセグメントそれぞれ(7a〜7e)に接続される。複数セットのさらなるバンドセグメントを用いることによって、欠陥またはギャップをブリッジする電流経路の数は、複数連結バンドセグメントまたは複数連結バンドセグメントに基づく超伝導構造の各位置で増加し得、これにより、超伝導構造のバンドセグメントの有効な電流密度を増加させることができる。
二重バンド(2倍バンド)を有するセクションは、二重バンドにおける隣接位置では、ブリッジするバンドセグメントのみが電流フロー全体を運ばなければならないため、単一の(つなぎ合わされていない)欠陥のない単一バンドを有するセクションとほぼ同じ電流のみをほぼ損失がない方法で運ぶことができる。その結果、二重バンドにおいて使用可能な電流密度は、単一バンドに対して効率的にほぼ半分となる。利用可能な長さ、欠陥がないこと、および長さあたりの発生している横方向抵抗に応じて、一連(積み重ね)の2つを超えるバンド層(面)、例えば、3つを組み合わせて連結させることが賢明な場合がある。このように、隣接位置(ギャップ)間の距離は、実際短くなる。しかしながら、この場合、各位置におけるM個の層に関して、M−1個の長手方向に連続する電流経路を使用することができる。M=3個の層に関し、超伝導構造において、各隣接位置において2つの電流経路又はブリッジするバンドセグメントがそれぞれ利用可能であるため、単一バンド電流または二重バンド電流を(ほぼ)倍増させることが可能となる。すなわち、三重バンドの有効電流密度が、実際には(単一バンドの臨界電流密度の約1/2の)二重バンドの場合よりも幾分大きくなり得る(単一バンドの臨界電流密度の約2/3)。
有効な電流密度は、層が増加すること(より大きなM)によってさらに増大し得る。しかしながら、Mが増加するにつれて、伝導体の製造および巻線処理はより困難になり、より高価になり、欠陥を生じ易くなる。したがって、ほとんどの場合、二重バンドまたは三重バンドが最良の選択である。
M倍バンドを用いる設計は、基本的に、複数連結バンドセグメントを提供し、さらにのM個積み重ねられた面(バンド層)の総数に対応する超伝導構造において、各セットに1つの面(バンド層)を提供する。通常、超伝導構造は、5つ以上、好ましくは20つ以上の複数連結バンドセグメントを含み、これらは、通常、複数リンクしたバンドセグメントの各セットにおいて、さらなるバンドセグメントの少なくとも1つがそのターンにおいて連結バンドセグメントであるように、連続して互いに接続される。
本発明の範囲内において、マグネットコイルは、一般に、単一バンド伝導体が巻き付けられ、および/または個々の連結バンドセグメントの上述の連結構造を有する二重バンドが巻き付けられ、および/またはM>2のM倍バンドが巻き付けられた、直列に接続された複数のセクションまたは部分セクションを含むことに留意すべきである。ただし、少なくとも1つのセクションまたは部分セクションには、多重バンドが巻き付けられる。先に列挙された二重バンドバージョンの有利な変形例も、M倍バンドに変更してもよい。
本実施形態の有利な変形例において、同じ複数連結バンドセグメントとオーバーラップする、異なるセットの2つのさらなるバンドセグメント間のギャップは、複数連結バンドセグメントの長さに沿っておおよそ均等に分布する。これにより、一方では異なるセットのギャップが互いに重なり合うことが回避され、他方では超伝導構造におけるギャップ間の長さが統一されてもよい。このように、連結バンドセグメントの電流保持容量が最適に用いられる。
別の好ましい変形例において、超伝導構造は、M=3の三重バンド設計を含み、バンドセグメントは互いに積み重ねられた3つの層に配置され、両方の外層のバンドセグメントの超伝導層は中心層のバンドセグメントに対向し、中心層のバンドセグメントの超伝導層は交互に両方の外層のバンドセグメントに対向する。このように、少なくともセクションに関しては、両方の外層及び中心層の間で低オーム転移が達成され得る。
有利には、両方の外層のバンドセグメント間のギャップは、互いに対して長手方向にずれ、中心層のバンドセグメントの超伝導層は、各中心層のバンドセグメントの長さにわたってギャップを示す特定の外層と対向する。このように、両方の外層のバンドセグメントから中心層のバンドセグメントへの低オーム電流転移は、最も必要な箇所であればどこでも、すなわちギャップの周りに提供され、これにより、超伝導構造の総抵抗が低レベルに維持される。中心層のバンドセグメントは、単純な方法で、外層のバンドセグメントの長さの半分の長さで選択されてもよく、さらには一方の外層の各ギャップは、他方の外層の各ギャップに対して中心に配置されてもよく、さらに中心層の各バンドセグメントは、外層のそれぞれブリッジされたギャップに対して中心に配置されてもよい。
二重層を使用する本発明の変形例
本発明の範囲はまた、NMRマグネットコイルを有するNMR分光計を含み、当該NMRマグネットコイルは少なくとも1つのセクションにおいて、ソレノド状に複数の層が巻き付けられ、直列に接続された帯状の超伝導体のいくつかのバンドセグメントを含超伝導構造を有する伝導体の巻線を含み、各バンドセグメントは、可撓性の金属基材および当該基材上に堆積された超伝導層を含み、セクションの少なくとも2つのバンドセグメントは、常伝導方式で少なくとも20mのバンド長に沿って互いにハンダ付けされ、常伝導方式でハンダ付けされたバンド長に沿って完全な二重層としてまたは複数の完全な二重層として巻き付けられる。この設計において、両方のバンドセグメントは、少なくとも1つの二重層として常伝導方式でハンダ付けされたバンド長に沿って巻き付けられ、各二重層はセクションの全体軸長に沿って延在する。超伝導構造によって、低電気抵抗を有する2つ(または連続するさらに多くの)バンドセグメントは互いに連結されてもよく、いずれの場合にも、両方のバンドセグメントは、常伝導方式でハンダ付けされるバンド長を介してオーバーラップする。常伝導方式でハンダ付けされたバンド長が大きいため、1つのバンドセグメントから直列に接続された他のバンドセグメントへの電流転移のオーム抵抗は非常に低く、実際には、これまで1nOhm未満の転移抵抗に到達している。二重層の各軸端部において、両方のバンドセグメントの1つは、二重層の下にまたは頂部に巻き付けられる単一層に(または場合によっては両方のバンドセグメントがさらなる二重層に)転移する。二重層の軸端部における転移によって、セクションの巻き付けの間の工程が回避され、マグネットコイル操作中のローレンツ力によって生じるピーク力が排除される。バンドセグメントのハンダ付けは、互いに対向する超伝導層を用いて行われてもよく、または好ましくは、半径方向に同じ側に、特に半径方向内側にある超伝導層を用いて行われてもよいことに留意すべきである。これは、超伝導層に作用する半径方向のローレンツ力に対して有利であり、当該ローレンツ力は外側に位置付けされた金属性基材によって吸収される。さらに上述のバンドセグメントの銅エンケースメントと組み合わせると、互いに対向する超伝導層を有する実施形態に比較して増大したオーム転移抵抗は、許容可能な限度内に維持され得る。なお、NMR分光計ならびに超伝導構造、および特にバンドセグメントは、(少なくとも1つの連結バンドセグメントを含む)記載される本発明の変形例に従って構築され得る。
本発明のさらなる利益は、明細書および図面からもたらされる。同様に、本発明の範囲内において、上述の特徴およびさらに下記の特徴のそれぞれは、それ自体が使用されてもよく、任意の組み合わせで使用されてもよい。示され且つ記載される実施形態は、決定的な列挙とはみなされず、むしろ本発明を示すための例示的な特徴を有する。
本発明および図面の詳細な説明
本発明は、図示され、実施形態を参照して詳細に記載される。
本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の周期的な詳細を横断する長手方向における概略断面である。 5つの連結バンドセグメントおよび2つの端部バンドセグメントを有する、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向における概略断面である。 伸張方向に対して垂直な方向に延在するギャップの範囲において、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の詳細に関する概略斜視図である。 伸張方向に対して傾いた方向に延在するギャップの範囲において、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の詳細に関する概略斜視図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造の実施形態の概略断面図である。 本発明に係る超伝導構造の伸長方向に沿った位置の関数として超伝導構造の連結バンドセグメントに沿った横方向電流を概略的に表すダイアグラムである。 種々の長さのバンドセグメントを有する本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 均一に分布するギャップを有する三重バンド設計を用いた本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する概略長手方向断面である。 面VIIbにおける図7aの超伝導構造を横断する断面図である。 中心層にバンドセグメントの交互に配向された超伝導層を有する三重バンド設計を用いた本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 二重バンドとして構成されている超伝導構造が巻き付けられた本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 方位角方向に分布するギャップを有する本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 2つの単一バンド部分セクションおよび1つの二重バンド部分セクションを含む超伝導構造が巻き付けられた本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルのための超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 図11aのマグネットコイルの巻かれていない超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 HTSセクションおよびLTSセクションを有する本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルを横断する長手方向の概略断面である。 図12aの切断面XIIbの範囲において図12aのマグネットコイルのさらなるバンドセグメントおよびLTSワイヤがオーバーラップする範囲を横断する概略断面である。 本発明に係るNMR分光計の概略図である。 二重層において連結バンドセグメントが巻き付けられた本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイルの長手方向の概略断面図である。 図14aのマグネットコイルの巻き付けられていない超伝導構造の長手方向概略断面である。 二重層において常伝導方式で互いにハンダ付けされた超伝導構造の2つのバンドセグメントが巻き付けられた本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイルの長手方向の概略断面図である。 図15aのマグネットコイルの巻き付けられていない超伝導構造を横断する長手方向の概略断面である。 二重バンド範囲において、図15bの超伝導構造を横断する概略断面である。
図1は、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルの超伝導構造1の詳細を長手方向の概略断面において示す。超伝導構造1は、帯状の超伝導体の複数の接続されたバンドセグメントを含み、これらが互いに連結して、長手方向に延在する伝導体を形成(図1において、左から右)する。図が示す部分は、いわゆる連結バンドセグメント2のみを含む。詳細には、互いに接続された全部で11個連続する連結バンドセグメント2が部分的にまたは完全に示される(単純化のために、図においてはバンドセグメントの1つだけを参照番号2で標識する)。
各バンドセグメント2は、基材3(例えばシート鋼で構成される)および基材3上に堆積された1つの超伝導層4を含む。図示の例において、バンドセグメント2は、2つの面(または層)E1、E2において配置される。上方面E1におけるバンドセグメント2は、下方を向く(下方面E2に向く)超伝導層4を有し、下方面E2におけるバンドセグメント2は、上方を向く(上方面E1に向く)超伝導層4を有する。すなわち、超伝導層4は互いに対向する。異なる面E1、E2のバンドセグメント2間において、図示の例では銀を含有する合金からなるハンダ層5が配置される。
示される実施形態において、各面E1、E2の隣接するバンドセグメント2間には、バンドセグメント2の長さLよりも非常に小さいギャップ幅SPを有するギャップ6が存在する。図示の詳細では、超伝導構造1は、(各面E1、E2及び全体において)伸張方向(x方向)において周期性を有する。特に、図示の例では、すべての連結バンドセグメント2は、等しい長さLを有し、ギャップ6は等しいギャップ幅SPを有する。
図1(さらに後続の図も)は、正確な寸法ではなく、容易に認識可能なように多くの構成要素を拡大して示していることに留意すべきである。超伝導構造1の伸長方向xにおいて、バンドセグメント2のそれぞれは、通常、10メートル以上の長さLを有し、ギャップ幅SP(x方向)は通常5mm以下である。図1の投影面に垂直なバンドセグメント2の幅(y方向)は、通常、2mm〜6cmであり、z方向のバンドセグメント2の厚さは、通常、200μm以下、通常は約100μm以下の範囲である。(z方向における)超伝導層4の厚さは、通常、数μmであり、典型的なハンダ層5の厚さは、通常、100μm以下の範囲、多くの場合25μm以下である。
超伝導構造1は、その伸張方向x(長手方向において)に沿って電流を輸送するという目的を果たす。この目的のために、バンドセグメント2は、本発明に係る連結バンドセグメント2として設計される。この例において、各連結バンドセグメント2は、2つのさらなるバンドセグメント7a、7b(それらのターンでは共に連結バンドセグメントである)とx方向においてオーバーラップし、さらなるバンドセグメント7a、7bは、バンドセグメント2にオーバーラップして接続される。これにより、連結バンドセグメント2の長さLは、両方のバンドセグメント7a、7bの組み合わせによって実質的に完全にオーバーラップされ、さらなるバンドセグメント7a、7b間のギャップ6の範囲においてだけは、示される実施形態においてオーバーラップされない。ここで、ギャップ6は、各バンドセグメント7a、7bとのオーバーラップ長さが約L/2であるように、連結バンドセグメント2に対して中心に位置する。
さらなるバンドセグメント7aにおいて(またはそれらの超伝導層4において)、超伝導構造1の伸長方向(x方向)に沿って輸送されるべき電流は、ギャップ6が伸長方向xにおいてさらなる電流フローをブロックするまで、連結バンドセグメント2に非常に大きい面積を介して移動され得る(z方向の横方向電流フロー)。結果として、この転移におけるオーム抵抗は低い。この転移後、電流フローは、連結バンドセグメント2おいてギャップ6をバイパスしてもよい。続いて、同様の方法で、電流は、続くギャップなどをブリッジするために、さらなるバンドセグメント7bに移動してもよい。
図2はまた、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルの超伝導構造1の長手方向の断面を示し、ここでは正確に連結バンドセグメント2を5つ、および端部バンドセグメント8a、8bを2つを有し、超伝導構造1はx方向に沿って延在する。本実施形態において、両方の面(層)E1、E2内で互いに隣にあるバンドセグメント2、8a、8b間のギャップ6は、先細ギャップ幅(x方向)を有する。
上方面E1において、左および右両方の外側の連結バンドセグメント2は、さらなるバンドセグメント7a、7bがハンダ層5を介してオーバーラップして接続されるとき、超伝導層4が、端部バンドセグメント8a、8bの1つおよび連結バンドセグメント2と対向するように配向される。ここで端部バンドセグメント8a、8bは、それぞれの隣接する外側の連結バンドセグメント2によってx方向に完全にオーバーラップされる。
示される実施形態では、バンドセグメント2、8a、8bのバッファ層9が描かれ、当該バッファ層9は例えばCeO2を含有し、基材3と超伝導層4との間に配置される。
図2に示される実施形態において超伝導構造1の全長GLは約1200mである。
図3aは、超伝導構造1の上方面において隣接する2つの連結バンドセグメント2間のギャップ6の範囲において図1に示されるような超伝導構造の例に関して、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルの超伝導構造1の詳細を概略斜視図で示し、これらのバンドセグメントの両方は、下方面におけるバンドセグメント2に対してはさらなるバンドセグメント7a、7bを表す。示される実施形態において、ギャップ6は、超伝導構造1の伸長方向xに対して横方向(垂直に)延在し、このギャップ幾何学形状は特に容易な方法で製造され得る。
ただし、あるいはギャップ6はまた、図3bの超伝導構造1に示されるように、伸長方向(x方向)に対して傾いていてもよい。超伝導構造1の上方面において、バンドセグメント2または7a、7bの端部10a、10bはそれぞれ、他のバンドセグメント2または7a、7bそれぞれに向かう方向に先細になるが、端部10a、10bは、2つのバンドセグメント2または7a、7bの総幅Bで実質的に組み合わされる。残りのギャップ6は、大抵の場合、伸張方向xに対して約15°の角度αで延在する。
本発明の範囲内において、ギャップ幅SPは、ギャップ6が伸張方向xに対して傾くべきであるような場合であっても、伸張方向xにおいて常に測定されることに留意すべきである。ギャップ幅がギャップ6に沿って変動すべきである場合、ギャップ全体のギャップ幅SPは、結果としてギャップ6に沿って生じる最大ギャップ幅に従って決定される。
図4aから4fにおいて、本発明に係るNMR分光計のマグネットコイルの超伝導構造1の種々の実施形態にわたる断面(図1の面IVを参照)を示す。断面の位置はギャップからの距離で選択される。
図4aからわかるように、超伝導構造1の隣接する、ここでは等しい幅の隣接バンドセグメント2は、2つの突出領域13が伸長方向xに対して垂直に維持されるように、互いに対して側部方向に(y方向において)配置されてもよい。これらは、超伝導層4に平行な2つの常伝導電流経路がもたらされ、それによってシャント構造12が形成されるように、好ましくは銅製の2つのシャント要素11a、11bによって接触する。超伝導層4間において(ただし、この例において、シャント要素11a、11b間ではない)、銀を含有するハンダが良好な電気的接触を達成するために提供される。
図4bに係る超伝導構造1の実施形態において、異なる幅の2つのバンドセグメント2が使用される。より狭い上方バンドセグメント2は、下方のより広いバンドセグメント2に対して中心に配置され、シャントカバー14によって囲まれ、当該シャントカバー14はまた下方バンドセグメント2の突出領域13をカバーする。示される実施形態において、シャントカバー14(好ましくは銅製)は、ハンダ層5と接触させることによって、両方の超伝導層4に対して良好な電気的接触を確実にする。このようにして、シャントカバー14を両方のバンドセグメント2に対してのシャント構造12として容易に作用し得る。
図4cの超伝導構造の実施形態において、隣接するが、側部方向にずれた2つのバンドセグメント2は、シャントカバー14によって完全に囲まれ、シャンとカバー14はまた同様に、(ここではハンダ層5を介して)突出領域13と接触する。シャントカバー14は、シャント構造12として作用するだけでなく、両方のバンドセグメント2に対する機械的クランプとしても作用する。
図4dは、図4aの実施形態の変形例を示し、ここで追加のL字形状シャントカバー14は、両方のシャント要素11a、11bおよび上方バンドセグメント2を留める。このように、シャント構造12の全体の断面積を増大させてもよい。
突出領域13が保持されるように、図4eにおいて下方に配置されるバンドセグメント2を上方バンドセグメント2とy方向における側部方向に部分的にのみオーバーラップさせ、突出領域13と補助バンドセクション15とを接触させることもできる。補助バンドセクションは、超伝導構造1の連結バンドセグメントであってもよいが、そうでなくてもよい。補助バンドセクション15は補助突出領域13aを生じ、当該補助突出領域13aはシャント要素11と接触してもよい。補助突出領域13aの幅(y方向)は、補助バンドセクション15の幅によって自由自在に実質的に調節されてもよい。このように、シャント構造12の効率が調節されてもよい。
さらに、2つのシャントカバー14a、14b(ここでは銅製)によってシャント構造12を構成することができ、シャントカバー14a、14bはそれぞれ、それ自体で両方のバンドバンドセグメント2の1つを囲み、ハンダ層5を介して2つのシャントカバー14a、14bを接続させることができる(図4fを参照)。このように、2つのバンドセグメント2の隣接する超伝導層4間において、2つの銅層14c、14dおよび1つのハンダ層5(ここでは銀を含有する)を効果的に位置させている。
図5は、伸張方向xにおいて輸送される本発明に係る超伝導構造1における電流50のフローを示す。超伝導構造1は、少なくとも1つの連結バンドセグメント2および先のセグメントに接続された2つのさらなるバンドセグメント7a、7bを含み、これらは組み合わせて、y方向に延在するギャップ6は別にして、x方向の全長に沿ってバンドセグメント2と完全にオーバーラップする。図において、横方向の電流フローI、すなわちバンドセグメント2の超伝導層4に垂直に入るz方向の電流フロー(または負号に関してはこの層4から出る)は、x位置の関数として示される。より明確には、バンドセグメント2、7a、7bは、図の上方部分においてある程度拡大されたスケールで表される。
まず、図5においてバンドセグメント2の左端部51の近くでは、この領域において左から来て、さらなるバンドセグメント7aを通って流れる電流がまた、最初にバンドセグメント2に到達して、バンドセグメント2利用し得るので、横方向電流Iは最大値Max1を有する。ギャップ6の前に、最終的に(残留)電流全体は、さらなるバンドセグメント7aからバンドセグメント2まで移動しなければならず、これは、さらなる最大値Max2を導く。通常、Max1およびMax2は等しい強度を有することに留意すべきである。両方のさらなるバンドセグメント7a、7b間のギャップ6のすぐ上方には(zに対して同じ位置を有する、すなわち1つの面にある)、横方向の電流フローは不可能である。ギャップ6の後初めて、電流は、さらなるバンドセグメント7b内を流れることができ、これは、横方向電流Iの第1の最小値Min1を導く。バンドセグメント2の右末端52の直前において、最終的に(残留)電流全体は、さらなるバンドセグメント7bに移動しなければならず、これはさらなる最小値Min2によって示される。
臨界電流の不均一性(例えば超伝導層4における常伝導欠陥領域)は、ギャップ6がバイパスされるのと同様の方法で電流50によってバイパスされ得る。
図6は、本発明に係る超伝導構造1のさらなる実施形態を示し、伸長方向xにおいて異なる長さのバンドセグメント2、7a、7b、7cを組み込む。バンドセグメント2、7a、7b、7cはそれぞれ、基材3および超伝導層4を含む。
ここで、参照番号2によって標識された連結バンドセグメントは、全部で3つのさらなるバンドセグメント、すなわちさらなるバンドセグメント7a、7bおよび7cにオーバーラップして接続される。これらの3つのバンドセグメント7a、7bおよび7cは、組み合わせて、連結バンドセグメント2の全体長さLとオーバーラップする。ここで、連結バンドセグメント2の長さLは、さらなるバンドセグメント7cの長さL7cの約1.5倍の大きさである。超伝導構造1において異なる長さのバンドセグメント2、7a、7b、7cを用いることによって、高価な帯状の超伝導体の浪費が回避され得るか、または少なくとも低減され得る。
しかしながら、超伝導構造1の製造中、バンドセグメントにおける既知の欠陥領域の周りの範囲において、この欠陥領域をブリッジするバンドセグメントは、既知の欠陥領域を含まないことを確かめる必要がある。例えば、連結バンドセグメント2の既知の欠陥領域FB(例えば連結バンドセグメント2の超伝導体層4の常伝導スポット)をブリッジするさらなるバンドセグメント7cは、第1の長手方向範囲LB1内に既知の欠陥領域を含まず、欠陥領域FBの前および後方にそれぞれ少なくとも10mにわたって延在する。
ギャップの周りにおいて当該ギャップをブリッジするバンドセグメントは既知の欠陥領域を含まないことも保証すべきである。例えば、さらなるバンドセグメント7a、7c間のギャップの周りにおいて、このギャップは参照番号6によって図6に示されており、連結バンドセグメント2は、第2の長手方向範囲LB2内において既知の欠陥領域(例えば連結バンドセグメント2の超伝導体層4における常伝導スポット)を含まず、この場合に、欠陥領域FBの前および後方にそれぞれ少なくとも10mにわたって延在する。
計画中、どのバンドセグメントがどこで互いにオーバーラップして接続され得るかというこれらの基本的な概念を考慮する場合、既知の欠陥領域を有するバンドセグメントを利用することも容易に可能になる。既知の欠陥領域はギャップと同様の方法でブリッジされてもよく、結果として全体でそれらが電流保持容量をそれ以上妨げることはない。それによってバンドセグメントにおける既知の欠陥領域により生じる浪費は最小限にできる。
ここでさらなるバンドセグメント7cは、1つだけのバンドセグメント、すなわちバンドセグメント2とオーバーラップするので、連結バンドセグメントを構成するとはみなされないことに留意すべきである。対照的に、さらなるバンドセグメント7a、7bは、そのターンでは、本発明の意味において連結バンドセグメントであり、バンドセグメント7a、2および7cは、連続して接続された連結バンドセグメントを構成するとみなされ得る。
図1から6はそれぞれ二重バンド設計を有する超伝導構造を示したが、図7aは、本発明に係る超伝導構造1を表し、当該超伝導構造1は、2つを超える面(層)、具体的には3つの面(層)E1、E2、E3においてバンドセグメントを有する多重バンド設計を含む。また、バンドセグメントはそれぞれ基材3および超伝導層4を含む。
示される実施形態において、超伝導構造1は、多くの複数連結バンドセグメント2a(単純化のために、これらのうちの1つだけが図7aにおいて標識される)および4つの端部バンドセグメント8a〜8dを含む。例として、2aが標識された複数連結バンドセグメントは、ここでより詳細に考慮される。
上方面E1に位置する複数連結バンドセグメント2aの全長Lは、さらなるバンドセグメント7a、7bの組み合わせによって中心面E2においてオーバーラップされる(バンドセグメント7a、7b間のギャップ6を除く)。したがって、さらなるバンドセグメント7a、7bは、第1のセットのさらなるバンドセグメント7a、7bを形成し、複数連結バンドセグメント2aにオーバーラップして接続される。
さらに、複数連結バンドセグメント2aの全長Lは、さらなるバンドセグメント7c、7dの組み合わせによって下方面E3においてオーバーラップされる(バンドセグメント7c、7dの間のギャップ6は除く)。したがって、さらなるバンドセグメント7c、7dは、第2のセットのさらなるバンドセグメント7c、7dを形成し、複数連結バンドセグメント2aにオーバーラップして接続される。
さらなるバンドセグメント7a〜7dは、それらのターンにおいて、連結バンドセグメントを構成することに留意すべきであり、さらなるバンドセグメント7a〜7dはそれぞれ完全に、2つのセットのさらなるバンドセグメントによって完全にオーバーラップされる(ギャップ6は除く)。
さらなるバンドセグメント7c、7d間および7a、7b間のギャップ6は、複数連結バンドセグメント2aの長さLの約1/3および2/3に位置し、したがって、複数連結バンドセグメント2aの長さLに沿って均一に分布する。このように、複数連結バンドセグメント2aの長さLの約1/3に対応する長さは、常に電流移動に利用可能である。
示される実施形態において、すべてのバンドセグメントの超伝導層4は、同じサイド(上方)に対向するように配向される。こうした設計は、超伝導構造1が巻き付けられたマグネットコイル内における力の分配に対して有利である。面E1、E2、E3間の横方向電流バランスは、この場合、超伝導構造1を囲む(図7bを参照)、例えば銅のシャントカバー14によって促進されてもよく、ここで図7bは切断面VIIbにおける図7aの断面を示す。例えば、電流は、面E2の中心超伝導層4から側部方向に、良好な伝導率を有するシャントカバー14に移動でき、(別の長手方向位置においては)再びそこから側部方向に下方面E3の超伝導層4に移動できる。
異なる面E1、E2、E3のバンドセグメント間の直接横方向電流移動は、三重バンド設計を用いて超伝導構造1の中心面E2における超伝導層4の交互配向によって行われてもよい(すなわち、図8に表されるように、面E2におけるバンドセグメントからバンドセグメントへ配向が変化する)。
示される実施形態において、上方面(層)E1および下方面(層)E3のバンドセグメントの超伝導層4は共に、中心面(層)E2に向かって配向される。中心面E2の各バンドセグメントは、それぞれの超伝導層4が面E1、E3に対向するように配向され、これにより、ギャップ6を含むようになる。
これは、下方面E3の複数連結バンドセグメント(参照番号2aと標識される)について例示され、図示される。複数連結バンドセグメント2aは、中心面E2のさらなるバンドセグメント7a、7b、7cのセットによって、および上方面E1のさらなるバンドセグメント7d、7eのセットによってオーバーラップされる。複数連結バンドセグメント2aの左および右端部におけるギャップ6をブリッジするために、さらなるバンドセグメント7aおよび7cの超伝導層4は、複数連結バンドセグメント2a(およびその超伝導層4)に対向する。さらなるバンドセグメント7d、7e間のギャップ6をブリッジするために、さらなるバンドセグメント7bの超伝導層4は、さらなるバンドセグメント7d、7e(およびそれらの超伝導層4)に対向する。良好な電気的接触は、それぞれの場合において、超伝導層4間に良好な電気伝導率を有するハンダ5(好ましくは貴金属を含有する)を用いることによって達成され得る。
次いで、図8の超伝導構造1において、電流は、長手方向(x方向)に2つの実質的に超伝導である電流経路81、82に沿って流れ得る。電流経路81において、電流フローは、上方面E1と中心面E2との間で変化し、電流は、上方面E1のギャップ6それぞれにおいて、中心面E2を介して側部方向にそれる。電流経路82において、電流フローは、下方面E3と中心面E2との間で変化し、電流経路は、下方面E3のギャップ6それぞれにおいて、中心面E2を介して側部方向にそれる。
本実施形態において、中心面E2のバンドセグメントはそれぞれ、外側面E1、E3のバンドセグメントの約半分の長さであることに留意すべきである。
本発明によれば、図1から8に示されるような超伝導構造は、NMR分光計のNMRマグネットコイルに使用される。図9は、コイルセクションを有する本発明に係る、使用され得るNMRマグネットコイル91を例示し、当該NMRマグネットコイル91には(例えば図1から図6に表されるような)二重バンド設計を有する超伝導構造が巻き付けられる。この例において、巻線は、ソレノイドコイル状に行われる。
二重バンド93(図9の底部において拡大された詳細を参照)は、2つの面E1、E2において連結バンドセグメント2を含み、このオーバーラップする連結バンドセグメント2の超伝導層4は互いに対向し、ハンダ5が超伝導層4間に導入される。
コイル形態92において、二重バンド93には、半径方向に複数の巻線層WL1〜WL6(ここで6つの巻線層が示される)が巻き付けられ、各巻線層WL1〜WL6はそそのターンでは、複数の軸方向の連続巻線を含む。巻き付けられた二重バンド93によって、軸方向の均質磁場が、コイル形態92の軸ボアに位置するサンプル体積94に生じる。ここでサンプル体積94は、少なくとも1cm、好ましくは少なくとも10cmを占め、シム調整をすることなく、またはシム調整処理を行なう前に、すなわち、独立シム電流によって駆動されるシムコイルによってさらなる均質化を行うことなく、および/または、フェロ磁性シムプレートレットなしで100ppmまたはより高い、好ましくは10ppmまたはより高い均一性を有する。シム調整後には、サンプル体積94においてはるかに良好な均一性、約10−9以上、好ましくは10−10以上を達成し得る。サンプル体積94において、好ましくは10テスラ以上、好ましくは20テスラ以上の磁場が生じ得る。ここで、サンプル体積94は、球体形状を有するように示される。一般には、サンプル体積は、通常、半径2.5〜7.5mmの円形ベース領域および少なくとも20mm、好ましくは少なくとも40mmの軸方向における長手方向伸張を有する円筒状空間をも占め得ることに留意すべきである。
ギャップ6は、二重バンド93において生じ、ギャップ6それぞれの位置は、巻線の黒色標識によって図9に示される。示される実施形態において、図示の長手方向切断面には6つのギャップ6が存在する。
NMRコイル、例えばNMRマグネットコイル91においてローレンツ力による機械的応力を低レベルに維持するために、ギャップ6の配列を有する超伝導構造は、(連結バンドセグメントの長さを選択することによって)機械的に弱いスポットが回避されるように設計される。本発明によれば、ギャップ6は、特に半径方向において互いに重なり合って配置されるべきではなく(半径方向Rを参照)、さらに軸方向において互いに隣接するべきでもない(軸方向Aを参照)。ギャップ6は、同じ(バンド)面E1、E2にある連続する2つのバンドセグメント間、特に同じ連結バンドセグメントに接続される2つのさらなるバンドセグメント間に生じる。
一般に、2つのギャップ6が同じ巻線層WL1〜WL6の巻線に生じる場合に、これらのギャップは、方位角方向(方位角方向AZ参照)に、特に少なくとも30°ずれるべきである。この基準は、巻線層WL1〜WL6ごとに最大1つのギャップ6を設けることによって最も容易に達成され得る。軸方向に直接隣接した巻線において同じ巻線層WL1〜WL6におけるギャップ6を有していないこと好ましい。好ましくは少なくとも2つ、特に好ましくは少なくとも3つの完全な巻線がギャップ6の間にあるべきである。
さらに、異なる巻線層WL1〜WL6に位置するが、同じ軸位置において生じるギャップ6の場合に、これらのギャップ6が方位角距離、好ましくは少なくとも30°にあることが一般に保証されるべきである。異なる巻線層WL1〜WL6におけるギャップ6が同じ軸位置で生じる場合、それらは隣接する巻線層には生じるべきではないことも好ましい。
すべてのギャップ6は(特定の層に対する割り当てまたは方位角位置にかかわらず)、特に少なくとも3つの巻線幅で、軸方向に互いにずれることが特に好ましい。すべてのギャップ6は(特定の層に対する割り当てまたは方位角位置にかかわらず)、方位角方向に特に、少なくとも30°互いにずれることも特に好ましい。
図10は、断面図において、本発明に係る別のNMRマグネットコイル91を示す。マグネットコイル91は、二重バンド93の2つの巻線層WL1、WL2を含む。マグネットコイル91において、2つのギャップ6が生じ、これらは黒色セクタによって示された断面において標識され、ギャップ6によって生じるマグネットコイル91の機械的脆弱性を低く維持するために、方位角距離(ここでは約100°)にある。
図11aは、長手方向切断面において、本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイル91の他の実施形態を示す。NMRマグネットコイル91は、3つの部分セクション111、112、113を有するコイルセクションを含み、これらは電気的に直列に接続されるべきであると考えられ、且つコイル形態92上に巻き付けられる。図11bは、巻き付けられ相互に接続された超伝導構造1の設定を示す。
第1の左部分セクション111において、超伝導構造1は単一バンド114を用いて設計される。第2の中心部分セクション112において、超伝導構造は、多重バンド115、すなわち二重バンド93を用いて設計される。部分セクション112は、ギャップ6を含む。第3の右部分セクション113は、再び単一バンド114として設計される。
単一バンド114として延在するコイルセクションの部分セクションは、さらなるバンドセグメント7a、7bによって形成され、これらは、二重バンド93として延在するコイルセクションの部分セクションの範囲において連結バンドセグメント2にオーバーラップして接続される。したがって、ここでは連結バンドセグメント2は、さらなるバンドセグメント7a、7b間のコイルセクションに位置するジョイントとして作用する。
図12aは、直列に超伝導接続され、半径方向に並べられた2つのコイルセクション121、122を有する、本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイル91を示す。
内側の第1コイルセクション121には、例えば図1から8に記載されるようなバンドセグメントの超伝導構造が巻き付けられる。そこではバンドセグメントは高温超伝導体材料(ここではYBCO)によってコーティングされ、したがって、第1のコイルセクション121はHTSセクション121を表す。
第2の外側コイルセクション122には、低温超伝導体材料(ここではNb3Sn)のフィラメントを含有するLTSワイヤ124が巻き付けられ、したがって、この第2のコイルセクションは、LTSセクション122を表す。
HTSセクション121の超伝導構造は、さらなるバンドセグメント7aの部分セクションによって第1のコイルセクション121の外へ導かれる。さらなるバンドセグメント7aは、ここではNbTiのフィラメントを含有するLTSワイヤ123とのジョイント125を形成し、さらなるバンドセグメント7aおよびLTSワイヤ123は、1m以上、好ましくは10m以上の長さにわたって互いにオーバーラップして接続される。オーバーラップの範囲は、コンパクトな構成を得るために、図示のように巻き付けられてもよい。図12aの切断面XIIbにおけるジョイント125のオーバーラップ範囲にわたる断面を示す図12bにおいて表されるように、さらなるバンドセグメント7aおよびLTSワイヤ123は、ハンダ127(これは、通常、貴金属および/または銅を含有する)を介して互いに二次元で接続される。図示の実施形態において、LTSワイヤ123は、平らに圧延され且つその上方部分においてエッチング除去され、その結果、フィラメント128の少なくとも一部は、ハンダ127によって直接接触してもよい。さらなるバンドセグメント7aの超伝導層4は、ハンダ127に対向し、ハンダ127によって直接接触し、結果として転移抵抗を特に低下させる。
次に、図12aからわかるように、LTSワイヤ123(NbTiワイヤ)は、従来のジョイント126によって、第2のコイルセクション122のLTSワイヤ124(Nb3Snワイヤ)に接続される。
このようなジョイント設計を用いることによって、HTSセクション121およびLTSセクション122を、単純で信頼性のある擬超伝導方式によって接続することができる。特に、NMRマグネットコイル91の全体は、図12に示される2つのジョイントおよび通常は超伝導スイッチ(詳細は示さず)を用いて、操作の超伝導短絡モード(「持続モード」)で操作され得る。
図13は、例として、本発明に係るNMR分光計131を概略的に図示する。
NMR分光計131は、例えば図12または図14または図15に記載されるように、低温保持装置(詳細は示さず)内に通常配置されるNMRマグネットコイル91を含む。マグネットコイル91の磁性中心に位置するサンプル体積において、サンプル132(例えば調査されるべき物質が満たされたサンプル管)が配置される。サンプル132は、RF伝送コイル133およびRF検出コイル134によって囲まれる(他の設計において、RF伝送および検出コイルが可能であることに留意すべきである)。RF発生器135および検出コイル133によって、RFパルスはサンプル132に伝送される。RF検出器136およびRF検出コイル134によって、サンプル132の応答が登録される。測定結果は、評価ユニット137によって処理され、例えばNMRスペクトルに変換される。
本発明に係るNMR分光計131は、好ましくは、高分解能NMR分光法の要件を満たす。
図14aは、さらなる実施形態における本発明に係るNMR分光計のNMRマグネットコイル91を長手方向切断面で示す。コイル形態92において、この場合に全部で4つの巻線層WL1〜WL4がソレノイドコイル状に巻き付けられた1つの連結バンドセグメント2および2つのさらなるバンドセグメント7a、7bを含む超伝導構造1が配置される。図14bの巻き付けられていない表示からもわかるように、第1の巻線層WL1は、単一バンド114としてさらなるバンドセグメント7aが巻き付けられる。第2の巻線層WL2は、連結バンドセグメント2が巻き付けられる。第3の巻線層WL3の半分(ここでは左半分)は、さらなるバンドセグメント7a(点)が巻き付けられ、他の半分(ここでは右半分)はさらなるバンドセグメント7b(斜交平行)が巻き付けられる。したがって、第3の巻線層WL3は、ギャップ6を含む。第4の巻線層WL4は、単一バンド114として第2のさらなるバンドセグメント7bが巻き付けられる。巻線層WL2およびWL3は、それぞれ二重層DLまたは多重バンド115を形成する。二重層DLにおいて、バンドセグメント2および7aならびに2および7bは、互いにオーバーラップして接続され、この場合、常伝導方式において互いにハンダ付けされる(ハンダ層140を参照)。
ここでさらなるバンドセグメント7a、7bの超伝導層4は、それぞれ半径方向内側に配向され、一方で、連結バンドセグメント2の超伝導層4は半径方向外側に配向される。したがって、二重層DLにおいて、巻線層WL2およびWL3の超伝導層4は互いに対向し、特に低い転移抵抗を可能にする。
利用可能な欠陥のないバンド長に応じて、さらに2つ以上の巻線層には単一バンドバンド114として、それぞれが内側および/または外側にさらなるバンドセグメント7a、7bが巻き付けられ得ることに留意すべきである。同様に、コイルセクション内において、上述の通り、単一バンド114から多重バンド115へ、およびその逆に数回切り替えられ得る。
図15aにおいて、本発明に係るNMR分光計のさらなるNMRマグネットコイル91が表される。サンプル体積94を有するボアを含むコイル形態92において、超伝導構造1がソレノイドコイル状に巻き付けられ、ここで超伝導構造1は全部で4つの巻線層WL1、WL2、WL3、WL4において2つのバンドセグメント150、151を含む。図15bの巻き付けられていない表示からもわかるように、第1の巻線層WL1において、第1のバンドセグメント150(ドット)が単一バンド114として巻き付けられる。第2の巻線層WL2にはまた、第1のバンドセグメント150が巻き付けられる。第3の巻線層WL3には、第2のバンドセグメント151(白色)が巻き付けられる。第4の巻線層WL4には、第2のバンドセグメント151がまた単一バンド114として巻き付けられる。巻線層WL2およびWL3は、それぞれ二重層DLまたは多重バンド115を形成する。二重層DLにおいて、バンドセグメント150および151は、バンド長152に沿って互いにオーバーラップして接続され、すなわち常伝導方式で互いにハンダ付けされる(ハンダ層140を参照)。両方のバンドセグメント150、151の超伝導層4は、それぞれ半径方向内側に配向され、または両方のバンドセグメント150、151の基材3は、半径方向外側に配向される。これにより、操作中にローレンツ力によって超伝導層4が分離することを防止する。本実施形態において、二重層DLは、2つのバンドセグメント150、151のためのジョイントを形成し、これにより、NMRマグネットコイル91の示されたセクションの総軸長が正確に用いられる。ジョイントによって、バンドセグメント150、151は直列に電気的に接続される。本発明によれば、常伝導方式でハンダ付けされているバンド長152は、転移抵抗を低く維持するために少なくとも20mになる。図15a〜15bの実施形態では、コイルまたはセクションそれぞれの全長に沿って正確に1つの(完全な)二重層であるが、特に正確に2つまたは正確に3つのまたはさらに(完全な)二重層の整数も必要となり得る。したがって、単一バンド114から多重バンド115への転移は、コイルまたはセクションそれぞれの軸端部において常に生じる。
利用可能な欠陥のないバンド長に応じて、さらに2以上の巻線層には単一バンドバンド114として、それぞれ内側および/または外側にさらなるバンドセグメント150、151が巻き付けられ得ることに留意すべきである。
さらに、1つ以上のバンドセグメントの両端部(中心部分ではない)はまた、容易な方法で2つを超えるバンドセグメントを直列に接続するために、他のバンドセグメントに常伝導方式でハンダ付けされてもよい。常伝導方式でハンダ付けされたそれぞれのバンド長は(少なくとも20mの長さ)は、NMRマグネットコイルにおいて少なくとも1つの二重層を再び形成する。
さらに、図15cは、二重層DLの範囲における超伝導構造1を横断する断面を表す(この文脈において、図15b、面XVcを参照)。バンドセグメント150、151はそれぞれ、伝導性の高いカバー152、153、特に銅カバー(例えば、約50μm)の厚さを有する銅箔からなる)によって囲まれる。エンケースメント152、153は、互いにハンダ付けされ(ハンダ層140を参照)、超伝導層4はそれぞれ、半径方向内側に配向される(図15cにおいては下方)。特に、超伝導層4およびハンダ層140それぞれにおいて直接配置されたエンケースメント153の左側および右側セクションおよびエンケースメント152、153のセクションは、バンドセグメント150、151の超伝導層4のオーム接続に本質的に寄与する。
バンドセグメント150、151の基材3は、可撓性の金属性材料、例えばシート鋼からなる。超伝導層4は、通常、YBCOタイプまたはBSCCOタイプの高温超伝導体材料を含む。常伝導ハンダに関し、特に貴金属および/または銅を含有するハンダが使用されてもよい。

Claims (29)

  1. NMRマグネットコイル(91)を有するNMR分光計(131)であって、
    前記NMRマグネットコイル(91)の少なくとも1つのセクション(121)は、超伝導構造(1)を有する伝導体の巻線を含み、前記構造は、帯状の超伝導体の複数のバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)を含み、
    各バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、可撓性基材(3)および当該基材(3)上に堆積した超伝導層(4)を含み、
    前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)はそれぞれ、20m以上の長さを含み、
    前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、互いに接続されており、
    前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の少なくとも1つは、連結バンドセグメント(2、2a)を形成し、
    各連結バンドセグメント(2、2a)は、さらなるバンドセグメント(7a〜7e)が共に、前記連結バンドセグメント(2、2a)の全長(L)の少なくとも95%とオーバーラップするように、少なくとも2つの前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)に接続されているNMR分光計。
  2. 前記超伝導構造(1)は、少なくともN個の前記連結バンドセグメント(2、2a)を含み、N≧5、好ましくはN≧20であり、
    特に、前記N個の連結バンドセグメント(2、2a)は、前記連結バンドセグメント(2、2a)のそれぞれのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)の少なくとも1つがそのターンでは連結バンドセグメント(2、2a)であるように、互いに連続して接続されることを特徴とする請求項1記載のNMR分光計(131)。
  3. 前記超伝導構造(1)は、前記連結バンドセグメント(2、2a)の伸長方向(x)に沿って前記連結バンドセグメント(2、2a)を介して周期的に構成されることを特徴とする請求項2記載のNMR分光計(131)。
  4. 前記連結バンドセグメント(2、2a)の少なくとも1つが、少なくとも1つの既知の欠陥領域(FB)を含み、
    前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)が、前記既知の欠陥領域(FB)の周りの第1の長手方向範囲(LB1)、特に、前記既知の欠陥領域(FB)の両側の少なくとも10mの第1の長手方向範囲(LB1)において欠陥を含まないような方法で、特定の連結バンドセグメント(2、2a)とオーバーラップしたさらなるバンドセグメント(7a〜7e)の少なくとも1つが、選択され、および/または長手方向において位置付けられることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  5. 前記連結バンドセグメント(2、2a)は、オーバーラップして当該連結バンドセグメント(2、2a)に接続される2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間のギャップ(6)の周りの第2の長手方向範囲(LB2)、特に、ギャップ(6)の両側に向かって少なくとも10mの第2の長手方向範囲(LB2)において欠陥を含まないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  6. 前記セクション(121)は、半径方向に複数の巻線層(WL1〜WL6)の巻線を含み、
    同じ連結バンドセグメント(2、2a)にオーバーラップして接続された前記2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間の前記ギャップ(6)は、半径方向に互いに重なり合う前記巻線層(WL1〜WL6)において方位角方向に分離されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  7. 前記セクション(121)は、少なくとも1つの巻線層(WL1〜WL6)において、軸方向に隣接した複数の巻線を含み、
    同じ巻線層(WL1〜WL6)に位置する前記ギャップ(6)は、互いに方位角方向に分離されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  8. 前記セクション(121)は、少なくとも1つの単一バンド部分セクション(111、113)を含み、当該単一バンド部分セクション(111、113)には単一連続バンドセグメントが巻き付けられ、且つ少なくとも1つの多重バンド部分セクション(112)を含み、当該少なくとも1つの多重バンド部分セクション(112)には超伝導構造(1)を有する伝導体が巻き付けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  9. 前記セクション(121)は、2つの軸方向外側の単一バンド部分セクション(111、113)、および軸方向中心の多重バンド部分セクション(112)を含み、
    特に、前記軸方向中心の多重バンド部分セクション(112)は、連結バンドセグメント(2、2a)を1つだけ含むことを特徴とする請求項8に記載のNMR分光計(131)。
  10. 一方の前記連結バンドセグメント(2、2a)および他方の前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)が、互いに対向するそれらの超伝導層(4)とオーバーラップして接続されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  11. 前記超伝導構造(1)は、少なくとも2つの端部バンドセグメント(8a〜8d)を含み、
    各バンドセグメント(8a〜8d)は、前記連結バンドセグメント(2、2a)が、前記端部バンドセグメント(8a〜8d)の全長と実質的にオーバーラップするように前記連結バンドセグメント(2、2a)に接続されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  12. 組み合わされた前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)は、前記連結バンドセグメント(2、2a)の全長(L)の少なくとも99%とオーバーラップすることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  13. 前記連結バンドセグメント(2、2a)は、少なくとも100m、好ましくは少なくとも200mの長さ(L)を含むことを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  14. 前記超伝導構造(1)は、少なくとも1000m、好ましくは少なくとも2000mの全長(GL)を含むことを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  15. 前記同じ連結バンドセグメント(2、2a)にオーバーラップして接続された前記2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間の前記ギャップ(6)は、5mm以下、好ましくは2mm以下の、前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)の伸長方向(x)におけるギャップ幅(SP)を含み、特に、前記ギャップ(6)は、前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)が物理的に直接接触している場合に閉じられることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  16. 前記同じ連結バンドセグメント(2、2a)にオーバーラップして接続された前記2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間の前記ギャップ(6)は、前記連結バンドセグメント(2、2a)の前記長さ(L)に対しておおよそ中心に位置することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  17. 2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)の端部(10a、10b)が、互いに対向し、前記同じ連結バンドセグメント(2、2a)にオーバーラップして接続され、それぞれ前記他のさらなるバンドセグメント(7a〜7e)に向かって先細り且つ狭くなり、特に、前記2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間のギャップ(6)が、前記バンドセグメント(7a〜7e)の伸長方向(x)に対して5°から30°の角度(α)で少なくとも部分的に延在することを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  18. オーバーラップして接続されたバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の前記超伝導層(4)は、
    −互いに直接隣接し、
    −または、貴金属を含有する1つ以上の層、特に銀を含有する層(5)、および/または銅を含有する1つ以上の層、特に銅層(14c、14d)を介して互いに接続されることを特徴とする請求項1から17のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  19. 前記超伝導構造(1)の前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の外側表面が、シャント構造(12)、特にシャントカバー(14;14a、14b)によって部分的にまたは完全に囲まれたシャント構造(12)を含むことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  20. オーバーラップして接続された2つのバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の伸張方向(x)に対して垂直な1つ以上の突出範囲(13、13a)においてオーバーラップせず、
    前記シャント構造(12)は、前記突出範囲(13、13a)の少なくとも1つにおいて、関連するバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)と接触することを特徴とする請求項19記載のNMR分光計(131)。
  21. 前記超伝導層(4)は、高温超伝導体材料、特にYBCOタイプまたはBSCCOタイプの高温超電導材料を含むことを特徴とする請求項1から20のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  22. 前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)の少なくとも1つが、LTS超伝導材料のフィラメント(128)を含有する低温超伝導体(=LTS)(123)のワイヤ(123)へのジョイント(125)を形成し、
    前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)および前記LTSワイヤ(123)は、ハンダ(127)によって前記さらなるバンドセグメント(7a)の長手方向において、少なくとも1m、好ましくは少なくとも10mに沿って互いにオーバーラップしてハンダ付けされることを特徴とする請求項21記載のNMR分光計(131)。
  23. 前記マグネットコイル(91)は、前記超伝導構造(1)を有する伝導体の巻線をそのターンで含む少なくとも1つのHTSセクション(121)、およびLTSワイヤ(124)の巻線をそのターンで含む少なくとも1つのLTSセクション(122)を含み、
    特に、前記HTSセクション(121)および前記LTSセクション(122)は、前記HTSセクション(121)が内側に位置するようにスタックされることを特徴とする請求項21または22記載のNMR分光計(131)。
  24. 特にCeOを含有するバッファ層(9)が、前記基材(3)と前記超伝導層(4)との間に配置されることを特徴とする請求項1から23のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  25. 前記超伝導構造(1)は、少なくとも1つのセクションにおいて、M倍バンド設計を含み、Mは3以上の自然数であり、前記バンドセグメントの少なくとも1つは、複数連結バンドセグメント(2a)として構成され、
    各複数連結バンドセグメント(2a)は、各セットの前記さらなるバンドセグメント(7a〜7e)の組み合わせが前記複数連結バンドセグメント(2a)の前記全長(L)の少なくとも95%とオーバーラップするように、M−1セットの前記少なくとも2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)に接続されることを特徴とする請求項1乃至24のいずれか1項に記載のNMR分光計(131)。
  26. 前記同じ複数連結バンドセグメント(2a)とオーバーラップする、異なるセットの2つのさらなるバンドセグメント(7a〜7e)間の前記ギャップ(6)は、前記複数連結バンドセグメント(2a)の前記長さ(L)に沿っておおよそ均等に分布することを特徴とする請求項25に記載のNMR分光計(131)。
  27. 前記超伝導構造(1)は、M=3の三重バンド設計を含み、前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)は、互いに積み重ねられた3つの層(E1、E2、E3)に配置され、両方の外層(E1、E3)の前記バンドセグメントの前記超伝導層(4)は、前記中心層(E2)の前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)に対向し、前記中心層の前記バンドセグメントの前記超伝導層(4)は、前記両方の外層(E1、E3)の前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)に交互対向することを特徴とする請求項25または26記載のNMR分光計(131)。
  28. 前記両方の外層(E1、E3)の前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)間のギャップ(6)は、互いに対して長手方向にずれ、前記中心層(E2)の前記バンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の前記超伝導層(4)は、前記中心層(E2)の前記それぞれのバンドセグメント(2、2a、7a〜7e、8a〜8d、15)の長さにわたってギャップ(6)を示す特定の外層(E1、E3)に対向することを特徴とする請求項27記載のNMR分光計(131)。
  29. NMRマグネットコイル(91)を有するNMR分光計(131)であって、
    前記NMRマグネットコイル(91)には、少なくとも1つのセクション(121)においてソレノイド状に複数の層が巻き付けられ、前記NMRマグネットコイル(91)は直列に接続した帯状の超伝導体のいくつかのバンドセグメント(150、151)を含む超伝導構造(1)を有する伝導体の巻線を含み、
    各バンドセグメント(150、151)は、可撓性の金属基材(3)および当該基板(3)上に堆積された超伝導層(4)を含み、
    前記セクションの少なくとも2つのバンドセグメント(150、151)は、常伝導方式で少なくとも20mのバンド長(152)に沿って互いにハンダ付けされ、常伝導方式でハンダ付けされた前記バンド長(152)に沿って完全な二重層(DL)として、または複数の完全な二重層(DL)として巻き付けられるNMR分光計(131)。
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