JP6058577B2 - 高温超電導線材および高温超電導コイル - Google Patents
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Description
よって、次世代の超電導線材として様々な分野での応用が期待されている。
数mm程度の幅をもつテープ形状にして使用されるこのRE系の線材は、その各々の層が非常に剥離しやすい。
よって、超電導特性はこの剥離やその他の応力によるクラックなどで容易に劣化する。
線材が上述のようなテープ形状をしていると、テープ断面のアスペクト比から、遮蔽電流は、テープ面垂直方向の外部磁場に対するものが大部分となる。
さらに、遮蔽電流は、発生磁場とは逆方向のいわゆる遮蔽外部磁場を発生させて、外部磁場の設計値を低減させるとともに、時間的な安定度および均一度を低下させてしまう。
このように素線およびスリット溝の表面に安定化層を配置することで、素線を流れる電流の一部が他の素線へ流れる転流が可能となり、素線間の電流量の偏りである偏流を低減することができる。
よって、線材はこれらの素線の並列導体となり、素線間のインダクタンスが僅かにでもずれると、容易に偏流が生じてしまっていた。
また、偏流によって線材の電気的負荷が偏在することで、線材全体における臨界電流値も不均一となり、超電導性を不安定にさせていた。
すなわち、素線をハンダなどの接合部材で覆うことで、高電流密度という高温超電導体の優位性が損なわれてしまう。
図1は、第1実施形態にかかる高温超電導線材10a(10)(以下、単に「線材10a」という)のテープ幅方向の断面図である。
なお、第1実施形態では、細線化されてできる超電導層12の素線間は、安定化層14で充填される。
この基板11に蒸着、めっきまたは塗布などで複数の層を積層して線材10aを形成する。
この中間層15を基板11の表面に配向させるマグネシウムなどからなる配向層(図示せず)を形成してもよい。
そして、中間層15の上に超電導層12が積層される。
超電導層12は、例えばBSCCO(Bi2Sr2Ca2Cu3O10)またはREBCO((RE)Ba2Cu3O7、RE:希土類)などの銅酸化物系の高温超電導体から構成される。
なお、超電導層12は、例えばMgB2など、高温超電導体から構成されれば種類は上述のものに限定されない。
第1実施形態では、保護層13は、超電導層12とともに細線化されて超電導層12の上面に配置される。
保護層13は、銀、金または白金などから組成され、超電導層12に含まれる酸素の拡散などによる劣化から超電導層12を保護している。
そして、安定化層14は、超電導層12および保護層13が細線化されることでこれらの素線間に形成されるスリット溝16に充填される。
安定化層14には、銅またはアルミニウムなどの良伝導性の金属が用いられる。
つまり、素線12aどうしをハンダ付けして、素線12aに対するハンダの抵抗比に反比例した微小な電流を、電流量の少ない素線12aへ転流させていた。
よって、有限の電気抵抗を有する常電導金属で電気的に接続しても、遮蔽電流は、十分に低減される。
そこで、ハンダによる素線12aの接続に替えて、安定化層14でスリット溝16を充填して、充填された安定化層14を介した転流を発生させる。
つまり、安定化層14でスリット溝16を充填することで、線材10aを構成する層を増加させることなく、偏流の発生を軽減させることができる。
安定化層14もまた、容易に剥離して素線12aどうしを絶縁状態にしてしまう。
そこで、保護層13の上面および基板11の下面に積層した安定化層14どうしを接続して、超電導層12、保護層13および基板11の表面を全周にわたって被覆する。
このように被覆することで、安定化層14が剥離して素線12aどうしを絶縁状態にしてしまうことを防止する。
また、このように表面を全周にわたって被覆することで、剥離方向の全体的な物理強度も向上する。
ただし、例えば、スリット溝16の形状に合わせた凹凸部を備えた保護層側半分のピースと、基板11の形状に合わせた凹部のみを備えた基板側半分のピースと、を嵌め合わせて一つの安定化層14を形成させてもよい。
なお、基板11を安定化層14と同一の組成として、安定化層14および基板11を一体化してもよい。
すなわち、テープ幅方向の両端の素線間で転流させることで、素線間の偏流をより低減することができる。
図2は、第2実施形態にかかる線材10b(10)のテープ幅方向の断面図である。
銀、金または白金などから組成される保護層13は、銅またはアルミニウムなどから組成される安定化層14に比べて、一般的に導電性が高い。
スリット溝16の形状に沿って確実で均一に固着することができることから、保護層13の形成には、電気めっき法を用いることが望ましい。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
また、偏流を低減させることで、線材10bへの電気的負荷を防止することができる。
図3(A)は、第3実施形態にかかる高温超電導コイル30(以下、単に「超電導コイル30」という)の一例を示す図、図3(B)は、図3(A)の超電導コイル30のI−I断面を示す図である。
また、図3(B)に示される外部磁場Bは、主に自他のパンケーキコイルPによる発生磁場の総和からなるものである。
線材10は、スリット溝16の分だけ、線材10の断面積における超電導層12の占める割合が小さくなっている。
さらに、線材10は、スリット加工の分だけ工数が増加して、非細線化高温超電導線材20に比べて高価なものとなる。
前述したように、遮蔽電流は、テープ断面のアスペクト比から、テープ面垂直方向の外部磁場Bに対するものが大部分となる。
よって、図3(B)に示されるように、外部磁場Bの垂直成分が大きくなる、パンケーキコイルPの中腹部に線材10を配置することが望ましい。
さらに、線材10のパンケーキコイルPaの内径および外径をそれぞれ外径または内径とする非細線化高温超電導線材20のパンケーキコイルPb,Pcを嵌め込んでもよい。
パンケーキコイルPnは、図5に示されるように、中心軸Cに(巻回中心軸方向に)沿って積層されて用いられることがある。
図6から、積層されるパンケーキコイルPnは、中心軸Cに沿って内側に位置するほど、外部磁場Bのテープ面垂直成分が小さく、遮蔽電流の影響が小さいことがわかる。
そして、外部磁場Bのテープ面垂直成分が少ない中心軸Cに沿った内側のパンケーキコイルPn(n=2,3)には、スリット溝16を備えない非細線化高温超電導線材20を用いる。
このように、超電導コイル30におけるパンケーキコイルPの位置によっても、線材10および非細線化高温超電導線材20を使い分けることが望ましい。
よって、線材10が配置される位置は、外部磁場Bの形状によって、適宜決定される。
必要な場合は、超電導コイル30のすべてを線材10のみで構成させてもよい。
コイル冷却部22には、線材10よりも熱伝導率が高い素材が選択されて、冷熱を接触面へ伝導させて、冷却が容易でない内部のパンケーキコイルPも確実に冷却する。
さらに外部磁場Bの垂直成分の大きい部分に限定的に用いることで、超電導コイル30の全体として安価で高い電流密度に維持することができる。
つまり、発熱による局所的な臨界電流密度の低下を軽減することで、発生磁場を安定させることができる。
さらに、電気的負荷の偏在を防止することで、超電導コイル30の超電導性を安定化させることも可能となる。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
しかし、適用できる超電導コイル30は、パンケーキコイルPに限定されない。
また、線材10は、非円形に巻きまわしたレーストラック型、鞍型、楕円または図8で示されるソレノイド型の超電導コイル30などにも適用できる。
Claims (10)
- テープ形状の金属材からなる基板と、
テープ長さ方向に沿って細線化されるとともに前記基板のテープ幅方向に複数並置される超電導層と、
前記超電導層の少なくとも上面に積層されて前記超電導層の劣化を防止する保護層と、
積層された前記基板、前記超電導層および前記保護層の表面を全周にわたって被覆する安定化層と、を備え、
細線化されてできる前記超電導層の素線間は、前記保護層で充填されることを特徴とする高温超電導線材。 - 細線化されてできる前記超電導層の素線間は、前記安定化層で充填されることを特徴とする請求項1に記載の高温超電導線材。
- 前記安定化層の形成には、電気めっき法を用いることを特徴とする請求項2に記載の高温超電導線材。
- 前記保護層の形成には、電気めっき法を用いることを特徴とする請求項3に記載の高温超電導線材。
- 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の高温超電導線材を少なくとも一部に用いた高温超電導コイル。
- 前記高温超電導線材および超電導層が細線化されていない非細線化高温超電導線材が電気的に接続され巻回して形成されることを特徴とする請求項5に記載の高温超電導コイル。
- 巻回中心軸方向に沿って積層された複数のパンケーキコイルを備え、
前記複数の前記パンケーキコイルの少なくとも1つは前記高温超電導線材からなることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の高温超電導コイル。 - 前記高温超電導線材は、前記巻回中心軸方向に沿った端部の前記パンケーキコイルに用いられることを特徴とする請求項7に記載の高温超電導コイル。
- 隣接する前記パンケーキコイルの接触面に差し込まれて冷熱源の冷熱を前記パンケーキコイルに伝導させるコイル冷却部を備えることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の高温超電導コイル。
- 前記コイル冷却部は、前記高温超電導線材よりも熱伝導率が高いことを特徴とする請求項9に記載の高温超電導コイル。
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