JP2016537544A - 回転機の筐体及びそのような筐体を含む回転機 - Google Patents

Abstract

回転機（１０）の筐体（１）であって、回転機の回転子を収容するための内部容積部（Ｖ）の境界を定める内部表面（Ｓ）と、分割可能に接合される第１及び第２のシェル（１１、１２）であって、第１及び第２のシェルが接合されたときに互いに接触する第１及び第２の分割面（１３ａ、１４ａ）を有する第１及び第２のスプリットフランジ（１３、１４）をそれぞれ備える、第１及び第２のシェルと、複数のボルトを収容するための、第１及び第２の分割面）を貫通する第１及び第２のスプリットフランジの複数の穴（１７）と、複数の穴を接続する第１の溝（２１）と、筐体の第１の溝と内部表面（Ｓ）との間の第２の溝（２２）と、第１及び第２の溝（２１、２２）に、及び第１及び第２の溝から、それぞれ流体を循環させるための第１の導管（２３）及び第２の導管（２４）と、を含む、筐体。【選択図】図２

Description

本発明は、筐体の密閉性能を制御するため密閉デバイスを含む、回転機、例えば、蒸気タービンまたはガス圧縮機等のターボ機関の筐体に関する。本発明はまた、そのような筐体を含む回転機にも関する。

上記分野において、それぞれのスプリットフランジに沿って接合される２つのハーフシェルを含む筐体を構築することが知られており、複数のボルトによってフランジに加えられる引張力によって密閉が可能となる。いくつかの用途において、ボルト穴周辺の領域は、接触面積を減少させるように機械加工され、それによって密閉性を向上させる。

典型的には、スプリットフランジからのガス漏れを検出するための手段は機械内に存在しない。例えば、米国特許第８１１８５５１号明細書に記載される、外部ガス漏れを防止するための既存の解決策は、製造中に追加の構成要素または操作を必要とし、かつスプリットフランジボルトをプロセスガスへの曝露から保護することができない。既存の解決策、特に、米国特許第８１１８５５１号明細書に記載される解決策の不利点は以下の通りである。

・人または機械に関するリスクを回避するための先制措置をとることができない。特に有害ガスまたは刺激性ガスが処理されるとき、漏出のあった場合に緊急対応をとることができるのみである。

・プロセスガスの漏出の場合、漏出源の制御ができず、点検のため、及び可能な修正動作を明確にするために、機械の運転停止が通常必要となる。

・既知の解決策は、ＡＰＩ６１７規格外であるか、または製造及びメンテナンス中に追加の構成要素もしくは操作を必要とし、コスト及び複雑性の増加を伴う。

・密閉性能及び最終的な漏出を受動的または能動的に制御するために、組み込み制御システムを適用することができない。

したがって、上記の不便さを回避することができる、改善された筐体を提供することが望ましい。

旧東独国経済特許第２３０９１３号明細書

第１の実施形態によれば、本発明は、回転機の筐体であって、
回転機の回転子を収容するための内部容積部の境界を定める内部表面と、
内部容積部を構成するために分割可能に接合される第１及び第２のシェルであって、第１及び第２のシェルが接合されたときに互いに接触する第１及び第２の分割面をそれぞれ有する第１及び第２のスプリットフランジをそれぞれ備える、第１及び第２のシェルと、
第１及び第２の分割面を貫通する第１及び第２のスプリットフランジの複数の穴であって、第１及び第２のシェルを接合するための複数のボルトを収容するように寸法決めされている、複数の穴と、
複数の穴を接続する第１及び第２の分割面の一方にある第１の溝と、
筐体の第１の溝と内部表面との間の、第１及び第２の分割面の一方にある第２の溝と、
第１の溝に、及び第１の溝から流体を循環させるための第１及び第２のフランジの一方における第１の導管と、
第２の溝に、及び第２の溝から流体を循環させるための第１及び第２のフランジの一方における第２の導管と、を含む、筐体を提供することによって、そのような目的を達成する。

ボルト穴周辺の分離溝の存在、及び別の溝、すなわち、分離溝と筐体内径との間の制御溝の存在により、機械の内部容積部からのプロセスガスの漏出を効率的に監視及び制御することが可能となる。

本発明の他の目的、特徴、及び利点は、本発明の実施形態の以下の説明を以下の図面と併せ読むことによって明らかになるであろう。

本発明による筐体を含む回転機の図である。 図１の筐体の詳細の断面図である。 図１の筐体の詳細の縦断面図である。 図３の詳細ＩＶの拡大図である。 本発明の筐体を含む機械の部分概略図である。

添付の図面を参照すると、回転機１０、例えば、蒸気タービン（図示せず）またはガス圧縮機（図１）の筐体１は、回転機１０の回転子を収容するための内部容積部Ｖの境界を定める内部表面Ｓを含む。筐体１は、内部容積部Ｖを構成するために分割可能に接合される第１の上シェル１１及び第２の下シェル１２を含む。第１及び第２のシェル１１、１２は、第１及び第２の分割面１３ａ、１４ａをそれぞれ備える第１及び第２のスプリットフランジ１３、１４をそれぞれ備える。筐体１を形成するようにシェル１１、１２を接合させると、第１及び第２の分割面１３ａ、１４ａは、分割平面Ａに沿って互いに接触し、したがって回転機１０の回転子を収容するための内部容積部Ｖを構成する。

筐体１は、第１及び第２のスプリットフランジ１３、１４に、第１及び第２のシェル１１、１２を接合するための複数の有底穴１７を備える。有底穴は、第１及び第２の分割面１３ａ、１４ａを貫通しており、複数のボルト（図示せず）を収容するように寸法決めされている。各有底穴１７は、第１の貫通部１７ａ及び第２の有底部１７ｂによって構成される。第１の貫通部１７ａは、第１のスプリットフランジ１３を貫通し、第１の分割面１３ａから反対側の面１３ｂまで延在する。第２の底部１７ｂは、ねじ山を備え、第２のスプリットフランジ１４内に延在し、第２の分割面１４ａから延在する。筐体１を形成するようにシェル１１、１２を接合させると、各有底穴１７は、互いに位置合わせされた２つそれぞれの穴部１７ａ、１７ｂによって構成される。接合させた後、シェル１１、１２は、複数の有底穴１７内にそれぞれ収容される複数のボルト（図示せず）によって締結される。各ボルトは、一方の端部ではそれぞれの底部１７ｂに螺着され、反対側の端部では、反対側の面１３ｂに対して作用するそれぞれのナット（図示せず）に螺着される。

筐体１は、第２の分割面１４ａに、複数の穴１７の全ての穴の間を接続する第１の分離溝２１をさらに備える。第２のフランジ１４において、各穴１７の各有底部１７ｂの開放端は、第１の分離溝２１と連通する。分離溝２１は、分割平面Ａに平行な平坦底面２５を備える。したがって、分割平面Ａに垂直な断面図（図２）において、分離溝２１は長方形状である。分離溝２１は、穴１７の直径よりも大きな幅、すなわち、分割平面Ａに平行な方向に沿った、穴１７の軸に垂直な寸法を有し、穴１７の各々を完全に取り囲むために位置付けられている。

本発明の異なる実施形態（図示せず）によれば、分離溝は、第１の分割面１３ａに画定されている。

本発明の別の実施形態（図示せず）によれば、分離溝は、第１及び第２の分割面１３ａ、１４ａの両方に画定されている。

筐体１は、筐体１の第１の分離溝２１と内部表面Ｓとの間の第２の分割面１４ａに狭い第２の制御溝２２をさらに備える。

本発明の異なる実施形態（図示せず）によれば、第２の制御溝は、第１の分割面１３ａに画定されている。

本発明の別の実施形態（図示せず）によれば、第２の制御溝は、第１及び第２の分割面１３ａ、１４ａの両方に画定されている。

筐体１は、それぞれの流体を、第１及び第２の溝２１、２２に、及び第１及び第２の溝２１、２２からそれぞれ循環させるために、第２のフランジ１４内に第１及び第２の導管２３、２４を備える。

あるいは、本発明の異なる実施形態（図示せず）によれば、第１及び第２の導管２３、２４の一方または両方は、第１のフランジ１３内に提供される。

第１及び第２の導管２３、２４は、それぞれ、第１及び第２の流体回路３１、３２によって、不活性ガス、例えば、窒素（Ｎ₂）の源に接続されている。

第１の流体回路３１は、第１の不活性ガス源４１を第１の導管２３に接続するための第１の入力分岐部３１ａと、第１の溝２１を第１の通気口５１に接続するための第１の出力分岐部３１ｂとを備える。第１の出力分岐部３１ｂは、少なくとも圧力変換器５３を備える。

第２の流体回路３２は、第２の不活性ガス源４２を第２の導管２４に接続するための第２の入力分岐部３２ａと、第２の溝２２を第２の通気口５２に接続するための第２の出力分岐部３２ｂとを備える。第２の出力分岐部３２ｂは、少なくとも第２の圧力変換器５４と、第２の溝２２からのガスの漏出を検出するためのガス検出器５５とを備える。

内部容積部Ｖ内のプロセスガスが、最終的に筐体１の第１及び第２のスプリットフランジ１３、１４の間に存在する接触圧に打ち勝つと、第２の制御溝２２が漏出物を回収し、通気口を介して漏出ガスを除去する。

さらに、分離溝２１は、漏出を能動的に阻止し、プロセスガスをボルトに到達させない、さらなるガスバリアを構成するように加圧されている。

前述の解決策の利点は、以下の通りである。

・機械の運転を停止することなく修正動作が可能であること
・考えられるガス漏出から、スプリットフランジ内のボルトが隔離されていること
・非常にわずかなコストで既存の機械に組み込むことが可能であること
・分割面にガスケットが含まれていないため、ＡＰＩ６１７が遵守されていること
・接触面の減少により接触が改善されていること

１ 筐体
１０ 回転機
１１ 上シェル、第１のシェル
１２ 下シェル、第２のシェル
１３ 第１のスプリットフランジ、第１のフランジ
１３ａ 第１の分割面
１３ｂ 反対側の面
１４ 第２のスプリットフランジ、第２のフランジ
１４ａ 第２の分割面
１７ 有底穴、穴
１７ａ 第１の貫通部、穴部
１７ｂ 第２の有底部、第２の底部、穴部、底部
２１ 第１の分離溝、分離溝
２２ 第２の制御溝、第２の溝
２３ 第１の導管
２４ 第２の導管
２５ 平坦底面
３１ 第１の流体回路
３１ａ 第１の入力分岐部
３１ｂ 第１の出力分岐部
３２ 第２の流体回路
３２ａ 第２の入力分岐部
３２ｂ 第２の出力分岐部
４１ 第１の不活性ガス源
４２ 第２の不活性ガス源
５１ 第１の通気口
５２ 第２の通気口
５３ 圧力変換器
５４ 第２の圧力変換器
５５ ガス検出器

Claims (6)

1. 回転機（１０）の筐体（１）であって、
   前記回転機（１０）の回転子を収容するための内部容積部（Ｖ）の境界を定める内部表面（Ｓ）と、
   前記内部容積部（Ｖ）を構成するために分割可能に接合される第１及び第２のシェル（１１、１２）であって、前記第１及び第２のシェル（１１、１２）が接合されたときに互いに接触する第１及び第２の分割面（１３ａ、１４ａ）をそれぞれ有する第１及び第２のスプリットフランジ（１３、１４）をそれぞれ備える、第１及び第２のシェル（１１、１２）と、
   前記第１及び第２の分割面（１３ａ、１４ａ）を貫通する前記第１及び第２のスプリットフランジ（１３、１４）の複数の穴（１７）であって、前記第１及び第２のシェル（１１、１２）を接合するための複数のボルトを収容するように寸法決めされている、複数の穴（１７）と、
   前記複数の穴（１７）を接続する前記第１及び第２の分割面の一方にある第１の溝（２１）と、
   前記筐体（１）の前記第１の溝と前記内部表面（Ｓ）との間の、前記第１及び第２の分割面（１３ａ、１４ａ）の一方にある第２の溝（２２）と、
   前記第１の溝（２１）に、及び前記第１の溝（２１）から流体を循環させるための前記第１及び第２のフランジ（１３、１４）の一方内の第１の導管（２３）と、
   前記第２の溝（２２）に、及び前記第２の溝（２２）から流体を循環させるための前記第１及び第２のフランジ（１３、１４）の一方内の第２の導管（２４）と、を含む、筐体（１）。
2. 前記第１の溝は、前記第１の導管によって不活性ガス源に接続されている、請求項１に記載の筐体。
3. 前記第２の溝は、前記第２の導管によって不活性ガス源に接続されている、請求項１または請求項２に記載の筐体。
4. 請求項１乃至３のいずれか１項に記載の筐体を備える回転機（１０）。
5. 前記回転機（１０）は、第１及び第２の流体回路（３１、３２）を含み、前記第１及び第２の流体回路（３１、３２）の各々は、流体源を前記第１及び第２の導管（２３、２４）にそれぞれ接続するための入力分岐部（３１ａ、３２ａ）と、前記第１及び第２の溝（２１、２２）を、それぞれ通気口に接続するための出力分岐部（３１ｂ、３２ｂ）と、を含み、前記出力分岐部（３１ｂ、３２ｂ）は、前記第１及び第２の溝（２１、２２）の内部の圧力を監視するための圧力変換器（５３、５４）を含む、請求項４に記載の回転機（１０）。
6. 前記第２の回路（３２）の前記出力分岐部（３２ｂ）は、前記内部容積部からのプロセス流が前記第２の回路（３２）内に漏入しているか否かを検出するための流体検出器（５５）をさらに含む、請求項５に記載の回転機。