JP2016537429A - フェロポルフィリン固体分散体およびその製造方法 - Google Patents

フェロポルフィリン固体分散体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

フェロポルフィリン固体分散体、その製造方法、および前記固体分散体を含んでなり、前記分散体中のフェロポルフィリンと担体材料の重量比が1:1〜1:10である医薬組成物が開示される。本発明の固体分散体は、フェロポルフィリンの望ましくない味をマスキングし、消化管に対するその刺激作用を改善し、同時にその溶解度を高め、そのバイオアベイラビリティを改善する。

Description

関連出願の参照
本出願は2013年11月22日に出願された「フェロポルフィリン固体分散体およびその製造方法」という名称の中国出願第201310596082.6号の優先権を主張するものであり、その全内容は引用することにより本明細書の一部とされる。
本発明は、有効成分としてフェロポルフィリンを含んでなる固体分散体、前記固体分散体を製造する方法、および前記固体分散体を含んでなる固体処方物に関する。
重要な栄養元素としての鉄は、ヒトの身体に必須である。鉄の欠乏または利用度の低さは、酸素の輸送および貯蔵、二酸化炭素の輸送、ならびに酸化および還元などの代謝プロセスの障害に至り、成長および発達に影響を及ぼし、貧血などの様々な疾患に至ることさえあり、鉄の貯蔵または取り込みが不十分であれば、鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)(IDA)が起こる。IDAは、ヘモグロビンの生産に利用できる体内の貯蔵鉄が枯渇してしまい、赤血球新生障害が発生する際に起こる貧血を意味する。IDAは最も高い罹患率を有する栄養欠乏性疾患の1つであり、小児、妊婦および授乳中の女性、ならびに慢性疾患患者に多い。WHO(世界保健機関)からの報告によれば、世界の人口の約10%〜30%が種々のレベルで鉄欠乏症に罹患しており、罹患率は男性で約10%、女性で>20%である。ある調査では、中国では、種々のレベルで貧血に罹患している人は最大3800万人いることを示す。
現在、鉄欠乏性貧血の予防および治療は、主として鉄補給剤によって達成される。従来の鉄補給剤には、硫酸第一鉄、塩化第一鉄、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、コハク酸第一鉄、フマル酸第一鉄などが含まれる。これらの鉄補給剤は高い鉄含量と良好な鉄補給効果を有するが、独特な錆のような味があり、長期摂取には適さない。さらに、これらの鉄補給剤はヒト体内での利用度が低く、相当な有害作用がある(悪臭、吐き気、鼓脹、消化器障害、下痢、および便秘などの種々の症状が生じやすい)。さらに、第一鉄は消化管内で不安定であり、酸化して第二鉄になりやすい。ヘモグロビンのヘムに含まれる鉄は第一鉄の形態であり、従って、ヒト体内でのその低い利用度につながる。
フェロポルフィリン(ポルフィリン鉄)は天然物質に属し、従来からブタの血液から抽出されている。これは赤血球の主成分であり、従って、「ヘム」としても知られる。フェロポルフィリンは、ポルフィリンと1分子単位の第一鉄からなる鉄ポルフィリン複合体である。優れた鉄補給製品として知られるポルフィリン鉄は、リン酸、炭酸、タンニン酸、シュウ酸、フィチン酸などによって影響されることがなく、腸管粘膜により直接血中に吸収され得る。そのバイオアベイラビリティは従来の鉄補給剤よりもやや高い。
ポルフィリン鉄は良好な鉄補給効果を有するが、ブタの血液から抽出されるので、独特な血液臭があり、結果として味が悪い。加えて、ポルフィリン鉄は構造的に不安定であり、酸化しやすく、また、例えば胸焼け、吐き気など、消化管に対して刺激作用を持ち、その結果、投与に対する患者のコンプライアンスは低い。ポルフィリン鉄は水酸化ナトリウム溶液、温アルコールまたはアンモニアに可溶であり、温ピリジンにやや可溶性があるが、水、希酸、エーテル、クロロホルムなどには不溶である。消化管でのその吸収は、その比較的低い水溶解度によって制限される。Zhao Di (Absorption Of 58Iron Originating From Hemin In Rat Using Extrinsically Label Method, Chinese Journal of Clinical Pharmacology and Therapeutics, 2012, 17(6): 639-643)による報告によれば、ラットにおけるポルフィリン鉄の絶対経口バイオアベイラビリティはわずか0.93%である。他方、ポルフィリン鉄はヘム中の鉄含量が極めて低い。上記の構造に示されるように、ポルフィリンの6つの環が鉄原子と錯体を形成し、これらのポルフィリンの6環が崩壊した後にのみ2価の鉄イオンが遊離し得る。従って、鉄補給効果を改良するためには、一般にポルフィリン鉄の用量を増やさなければならない。しかしながら、この用量増は、投与に対する患者のコンプライアンスを低下させ、不十分な鉄補給効果につながる。よって、このような欠点により、食品および健康製品におけるポルフィリン鉄の開発および適用が大幅に制限される。
現在市販されているポルフィリン鉄製品のほとんどは、血液臭および消化管に対する刺激作用に関して有意な改良がされていない従来のポルフィリン鉄カプセル剤である。加えて、鉄の吸収を改善するためのカゼインホスホペプチド(CPP)およびビタミンが添加された経口ポルフィリン鉄溶液が開発されている。この製品は血液臭および消化管の刺激作用の改善またはポルフィリン鉄のバイオアベイラビリティの改善ができていないばかりか、CPPのアレルゲン性のために、牛乳または海産食品にアレルギーを持つ患者ではCPPがアレルギー反応を誘発することから、その適用も限られる。
ポルフィリン鉄に関する多くの特許および文献が開示および刊行され、それらのほとんどはその抽出および製造に焦点を当てたものであるが、その血液臭の改善またはその消化管刺激作用の軽減に着目するものはほとんどない。
CN101254207Aは、ポルフィリン鉄および/または無機鉄を含んでなるリポソーム製剤、ならびにその製造方法を開示し、この場合、ポルフィリン鉄および/または無機鉄、コレステロールおよびレシチンを含んでなるリポソームが、回転薄膜超音波法の使用によって製造される。このリポソーム製剤はポルフィリン鉄の安定性およびバイオアベイラビリティを改善する。しかしながら、この方法によって製造されたポルフィリン鉄リポソームはカプセル封入率が30〜36%に過ぎず、この製剤中のレシチンは酸化しやすく、高コストである。加えて、リポソームはそれ自体、物理的安定性が低く、貯蔵および輸送に不利であるため、その工業生産は困難となる。
CN102726738Aは、鉄材料(ポルフィリン鉄/フマル酸第1鉄)、ビタミンC、カゼインホスホペプチド、大豆油、葉酸、密蝋、およびゼラチンカプセル剤皮を含んでなり、鉄補給機能を備えたオイル懸濁液タイプのソフトカプセルを開示している。このソフトカプセルは血液臭をいくらかマスキングでき、添加されたビタミンCおよびカゼインホスホペプチドがヒト体内での鉄の吸収を改善し得るが、ビタミンCはそれ自体不安定で、酸化しやすい。さらに、牛乳または海産食品にアレルギーを持つ患者ではCPPがアレルギーを誘発するリスクがある。また、ソフトカプセルはそれ自体、重大な安定性の問題があり、すなわち、カプセル剤皮の成分であるゼラチンは、架橋反応のために経時的に劣化しやすく、カプセル剤皮の不溶性に変化をもたらし、それにより、ソフトカプセルの崩壊速度に影響を及ぼす。さらに、カプセル剤皮に使用されるプロピレングリコールおよびソルビトールは貯蔵中に酸化しやすく、少量の低分子量アルデヒドを形成し、それにより、ゼラチンの架橋反応を加速化し、ソフトカプセルの崩壊が遅延する。
従って、ポルフィリン鉄それ自体の欠点を克服できるだけでなく、ある程度安定で、低コストかつ非アレルギー性の補助剤を組み込み得るポルフィリン鉄製剤の必要性がなお存在する。同時に、単純で容易に操作できる調剤法により、消化管刺激作用が改善され、口当たり、バイオアベイラビリティおよび/または安定性が改善されたポルフィリン鉄組成物を得ることが望まれている。
一つの態様において、本発明は、ポルフィリン鉄と担体材料を含んでなるポルフィリン鉄固体分散体を提供し、前記担体材料はビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物;エチレングリコール単位を含んでなるポリマー;およびセルロースまたはセルロースエステルの1以上から選択される。
本発明の一つの実施態様では、ポルフィリン鉄は前記担体材料中に分子レベルで分散されている。
本発明の別の実施態様では、前記ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物、およびビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーの1以上から選択される。
本発明のさらなる実施態様では、前記ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物は、約10〜95、好ましくは25〜70のK値を有する。フィッケンチャー(Fikentscher)K値とも呼ばれる前記K値は、当技術分野で従来から使用され、ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物の分子量の指標である。K値は、H. Fikentscher, Cellulose-Chemie, 1932, 13:58-64/71-74に記載の方法に従い、1重量%水溶液を用いて決定され得る。
本発明のさらなる実施態様では、前記ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物中のポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの重量比は、約1:9〜約9:1、好ましくは約2:8〜約8:2である。
本発明のさらなる実施態様では、前記ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー中のビニルピロリドン単位と酢酸ビニルの重量比は、約1:9〜約9:1、好ましくは約4:6〜約6:4である。
本発明のさらなる実施態様では、前記エチレングリコール単位を含んでなるポリマーは、ポリエチレングリコール/ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルのコポリマーである。
本発明のさらなる実施態様では、前記セルロースまたはセルロースエステルは、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および酢酸フタル酸セルロースのうちの1以上から選択され、好ましくは、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
本発明のさらなる実施態様では、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースにおける酢酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースの重量に対して約8重量%〜約12重量%であり、コハク酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースの重量に対して約6重量%〜約15重量%である。
本発明のさらなる実施態様では、前記ポルフィリン鉄固体分散体中のポルフィリン鉄と前記担体材料の重量比は、約1:1〜約1:10、好ましくは約1:1〜約1:4、より好ましくは約1:1〜約1:3である。
本発明のさらなる実施態様では、ポルフィリン鉄固体分散体は、界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤のうちの1以上から選択される薬学上許容可能な医薬補助剤をさらに含んでなる。
別の態様では、本発明は、前記ポルフィリン鉄固体分散体を製造する方法であって、
ポルフィリン鉄と担体材料を1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、より好ましくは1:1〜1:3の重量比で均質混合した混合物、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、または単に前記重量比のポルフィリン鉄と担体材料、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、約120℃〜約180℃に予熱したホットメルト押出機に送ること;および
押出された混合物を冷却し、粉砕し、篩いに掛けてポルフィリン鉄固体分散体を得ること
を含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤または錠剤の形態の、前記ポルフィリン鉄固体分散体を含んでなる医薬組成物を提供する。
本発明の一つの実施態様では、前記医薬組成物は、界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤のうちの1以上から選択される薬学上許容可能な医薬補助剤をさらに含んでなる。
発明の具体的説明
そうではないことが定義されない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の熟練者によって共通に理解されているものと同じ意味を持つ。矛盾がある場合には、本出願に示される定義が優先するものとする。
ある特定の量もしくは濃度、または他の値もしくはパラメーターが範囲、好ましい範囲、または好ましい上限値もしくは好ましい下限値の形で示される場合、これはそれらの範囲または好ましい値の任意の上限とそれらの範囲または好ましい値の任意の下限を組み合わせることによって定義されるいずれの範囲も、それらの範囲が具体的に開示されているかどうかに関わらず、具体的に示唆されているのに等しいと理解されるべきである。そうではないことが示されない限り、本明細書に挙げられる数値範囲はその範囲の終点ならびにその範囲内のいずれの整数および分数も含むことが意図される。
ある値、またはある範囲の終点を記載する場合の「約」という用語は、特定の値または関連の集団を含むことが意図されると理解されるべきである。
そうではないことが示されない限り、本明細書使用される総てのパーセンテージ、部、および比率は重量により示される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ポルフィリン鉄固体分散体を提供する。従来技術に比べ、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散されている本発明による固体分散体は、改善された口当たり、低い消化管刺激作用、高いバイオアベイラビリティ、および高い安定性などの利点を持つ。さらに、固体分散体は、単純かつ容易に操作できる本発明によるホットメルト押出法を使用することによって製造することができる。具体的には、本発明によるホットメルト押出法で処理した後に、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散された固体分散体中に特定の比率の担体材料とポルフィリン鉄が調製され得ることが見出された。予期しないことに、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散された固体分散体はポルフィリン鉄の血液臭をマスキングし、ポルフィリン鉄の口当たりを著しく改善し、ポルフィリン鉄により誘発される例えば胸焼けおよび吐き気などの症状のような消化管に対する刺激作用を軽減できるとともに、ポルフィリン鉄の溶解度、in vitro溶解速度およびバイオアベイラビリティを著しく改善することが見出される。加えて、ホットメルト押出法はまた、ポルフィリン鉄の化学安定性を高めることもでき、本方法は単純かつ再現性がかなり良好である。
本発明において用語「分子レベルで分散される」は、当業者に知られている共通の意味を持つ。具体的には、それはポルフィリン鉄が前記担体材料中に分子レベルで分散されて単相の固体分散体または固溶体を形成していることを意味する。得られた鉄固体分散体のTg値は担体材料のものと異なる。
本発明は、ポルフィリン鉄と担体材料を含んでなる固体分散体を提供する。本発明に好適な担体材料としては、限定されるものではないが、ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物;エチレングリコール単位を含んでなるポリマー;およびセルロースまたはセルロースエステルの1以上を含む。
担体として好適な前記ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物、およびビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーのうちの1以上から選択できる。
ポビドンとも呼ばれるポリビニルピロリドンは、例えば、水または2−プロパノール中でのビニルピロリドンのフリーラジカル重合によって製造することができる。ポリビニルピロリドンは約10〜約95のK値を有し、ここで、K値は上記のような定義を有する。本発明に好適なポリビニルピロリドンは、例えば、International Specialty Products社からPlasdone(登録商標)K12、Plasdone(登録商標)K17、Plasdone(登録商標)K25、Plasdone(登録商標)K29/32、Plasdone(登録商標)K90もしくはPlasdone(登録商標)K90Dとして、またはBASF社からKollidon(登録商標)12PF、Kollidon(登録商標)17PF、Kollidon(登録商標)25、Kollidon(登録商標)30、もしくはKollidon(登録商標)90Fとして購入することができるが、これらに限定されない。
本発明において担体として好適なポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物中のポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの重量比は、約1:9〜約9:1、より好ましくは約2:8〜約8:2である。前記混合物は約50〜約70のK値を有する。前記ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物は、例えば、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルを上記の比率で噴霧乾燥により物理的に混合することによって作製することができる。前記ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物はまた、CN1227002Cに開示されているように、例えば、1:9〜4:6の重量比のポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物であり得る。本発明において使用可能であるポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物はまた、例えば、BASF社からの市販品Kollidon(登録商標)SRであってもよく、これは2:8の重量比のポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの噴霧乾燥させた物理的混合物である。本発明の好ましい実施態様では、前記担体はKollidon(登録商標)SRである。
本発明において担体として好適なビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーは、例えば、2−プロパノール中でN−ビニルピロリドンと酢酸ビニルのフリーラジカル重合を行うことによって製造することができる。前記ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーはまた、US5426163Aに開示されている15:85〜40:60の重量比のビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーでもあってもよい。本発明において担体として好適なコポリマー中のビニルピロリドンと酢酸ビニルの重量比は、約1:9〜約9:1、好ましくは約4:6〜約6:4であり、このコポリマーは約25〜約70のK値を有する。本発明において使用可能であるビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーはまた、例えば、BASF社からの市販品Kollidon(登録商標)VA 64およびInternational Specialty Products社からの市販品Plasdone(登録商標)S630(両方とも6:4の重量比のビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーである)であってもよいが、これらに限定されない。本発明の好ましい実施態様では、前記担体はKollidon(登録商標)VA 64である。
本発明において担体として好適なエチレングリコール単位を含んでなるポリマーは、例えば、例えば、BASF社からの市販品Soluplus(登録商標)であり得るポリエチレングリコール/ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルのコポリマーであり得る。本発明の好ましい実施態様では、前記担体はSoluplus(登録商標)である。
本発明において担体として好適なセルロースは、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシルエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)であり得る。本発明において担体として好適なセルロースエステルは、例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、および酢酸フタル酸セルロース(CAP)であり得る。本発明の好ましい実施態様では、前記担体材料は酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースであり、この場合、酢酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースの重量に対して約8重量%〜約12重量%であり、コハク酸基の含量は約6重量%〜約15重量%であり、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースは、例えば、Shin−Etsu社からの市販品AQOAT AS−L、AS−MおよびAS−Hであり得る。本発明の好ましい実施態様では、前記担体はAQOAT AS−Mである。
前記担体材料に加え、ポリメタクリル酸およびその塩、メタクリレートコポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー;ポリビニルアルコール(PVA)およびその他の材料、それらの組合せ、前記材料とそれらの組合せも本発明による担体材料として使用可能である。
本発明における有効成分としてのポルフィリン鉄と担体材料の比率は特に制限されず、実際の要求に応じて調整することができる。一般に、ポルフィリン鉄と前記担体材料の重量比は約1:1〜約1:10、好ましくは約1:1〜約1:4、最も好ましくは約1:1〜約1:3である。
別の態様では、本発明はまた、本発明によるポルフィリン鉄固体分散体を製造する方法も提供し、これには、限定されるものではないが、熱間押出法および噴霧乾燥法が含まれる。例えば、熱間押出法は以下の特定の工程:
ポルフィリン鉄と担体材料を前記の重量比で均質混合した混合物、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、または単に前記重量比のポルフィリン鉄と担体材料、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、約120℃〜約180℃に予熱したホットメルト押出機に送る工程;および
押出された混合物を冷却し、粉砕し、篩いに掛けてポルフィリン鉄固体分散体を得る工程
を含む。
本発明による製造方法に記載される冷却を行う方法は特に限定されず、これには空冷、水冷、機械冷却などを含み得る。
本発明に好適な押出機のタイプは特に限定されない。これには、限定されるものではないが、単軸または二軸ホットメルト押出機が含まれる。本発明の一つの実施態様では、本発明によるポルフィリン鉄固体分散体を製造するための押出機は、二軸押出機である。その場合、軸の回転様式は特に限定されず、それには、限定されるものではないが、共回転二軸、逆回転二軸、および円錐二軸回転様式を含み得る。本発明の一つの実施態様では、本発明によるポルフィリン鉄固体分散体を製造するための押出機は、共回転二軸押出機である。
ホットメルト押出機の溶融温度は約120℃〜約180℃に設定され、回転速度は約50〜約500rpmに設定される。スクリューの長さ/直径比(L/D)は約15〜約40から選択することができる。溶融温度が低すぎるか、L/Dが低すぎるか、またはスクリューの回転速度が遅すぎれば、ホットメルト法の間の熱エネルギーまたは機械エネルギーが不十分となり、従って、ポルフィリン鉄(または担体材料)は溶融状態を達成しないか、またはポルフィリン鉄が溶融した担体材料中に溶解しない。その場合、よく混合しても、ポルフィリン鉄と担体材料は、分子レベルで分散されている単相固体分散体(固溶体)を形成できない。溶融温度が高すぎるか、L/Dが高すぎるか、またはスクリューの回転速度が速すぎれば、ホットメルト法の間に過剰な熱エネルギーまたは機械エネルギーが供給される。その場合、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散されている単相固体分散体(固溶体)が形成されるとしても、ポルフィリン鉄および/または担体材料の不必要な分解が起こる。
さらに、本発明はまた、ポルフィリン鉄固体分散体を含んでなる医薬組成物を提供する。本発明の一つの実施態様では、前記医薬組成物は、散剤、顆粒、丸剤、カプセル剤、または錠剤の形態である。
本発明によるポルフィリン鉄固体分散体はまた、薬学上許容可能な医薬補助剤も含んでなることができる。さらに、本発明による医薬組成物は、実際の要求に応じて薬学上許容可能な医薬補助剤とさらに組み合わせて種々の固体投与形を形成することができる。
前記薬学上許容可能な医薬補助剤としては、限定されるものではないが、界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤の1以上が挙げられる。前記界面活性剤は、例えば、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドコポリマー、例えば、ポロキサマー;およびポリエチレングリコールのコポリマー、例えば、BASF社からのビタミンEコハク酸ポリエチレングリコール1000製品、Kolliphor(登録商標)TPGSとされる。本発明の好ましい実施態様では、前記ポルフィリン鉄固体分散体は、界面活性剤としてビタミンEコハク酸ポリエチレングリコール1000を含んでなる。前記希釈剤は、微晶質セルロース、デンプン、アルファー化デンプン、ラクトース、マンニトール、およびリン酸水素カルシウムの1以上であり得る。前記崩壊剤は、低置換セルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルデンプンナトリウム、架橋ポリビニルピロリドンの1以上であり得る。前記結合剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースの1以上であり得る。前記滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、微粉シリカゲル、ステアリン酸、および硬化植物油の1以上であり得る。
本発明の上記およびその他の目的および特徴は以下の図面を参照すれば明らかとなる。
ポルフィリン鉄の溶解度に及ぼす種々の処方物のポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体中の担体材料/有効医薬成分の重量比の影響。 種々の処方物のポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体の溶解度に関する写真、ここで、Aは処方物1−1に相当し、Bは処方物1−2に相当し、Cは処方物1−4に相当する。 種々の処方物のポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体のin vitro溶解特性。 模擬in vivo条件下での種々の処方物のポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体の溶解特性、ここで、図4aは絶食条件の模擬胃液下でのin vitro溶解特性であり、図4bは給餌条件の模擬胃液下でのin vitro溶解特性である。 ポルフィリン鉄の溶解度に及ぼす処方物1−2のポルフィリン鉄−Soluplus(登録商標)固体分散体中の担体材料/有効医薬成分の比率の影響。 種々の処方物のポルフィリン鉄−Soluplus(登録商標)固体分散体の溶解度に関する写真、ここで、Aは処方物2−1に相当し、Bは処方物2−2に相当し、Cは処方物2−3に相当する。 ポルフィリン鉄の溶解度に及ぼすポルフィリン鉄−HPMCAS固体分散体中の担体材料/有効医薬成分の比率の影響。 種々の処方物のポルフィリン鉄−HPMCAS固体分散体の溶解度に関する写真、ここで、Aは処方物3−1に相当し、Bは処方物3−2に相当し、Cは処方物3−3に相当する。
本発明をより詳細に記載するために以下に実施例を示す。以下の実施例は単に例示を目的とし、本発明を何ら限定することを意図しない。当業者ならば種々のノンクリティカルパラメーターに容易に気づき、実質的に同じ結果を得るためにこれらのパラメーターを改変または変更することができる。
ポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体の製造
実施例1−1 ポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体の製造
種々の固体分散体処方物中の特定の重量比を表1−1に示す。
製造方法: ポルフィリン鉄と担体材料を表1−1の処方に示された量でそれぞれ混合機に加え、均質に混合した。あるいは、ポルフィリン鉄と担体材料を表1−1の処方に示された量で共回転二軸押出機(Omicron 12、Steer Engineering Private Limited、インド)のローディングホッパーに供給した。共回転二軸押出機の溶融温度は約120℃〜約180℃の間に制御し、スクリューの回転速度は約50〜約500rpmとした。押出混合物を冷却し、粉砕し、篩いにかけて固体分散体を得た。
ポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体の物理・化学的特性の評価
試験例1−2 固体分散体のガラス転移温度(Tg)の決定
>3mgの有効医薬成分(API)ポルフィリン鉄、Kollidon(登録商標)VA 64から製造した押出ブランク材料、および表1−1の処方に従って製造した材料をそれぞれ正確に秤量し、示差走査熱量測定分析(mDSC分析、TA Q2000示差走査熱量計)を行った。試験結果は、結晶性ポルフィリン鉄は融点に達する前に完全に分解されたために、40〜180℃の温度範囲においてAPIポルフィリン鉄(結晶タイプ)の走査中に融点もTg値も決定されなかったことを示した。ブランクKollidon(登録商標)VA 64固体分散体のTg値は98.73℃であり、処方物1−2のTg値は101.3℃であった。処方物1−2のTg値はブランク固体分散体に比べて有意な変動を示し、ポルフィリン鉄のTg値とも違いがあり、このことは、ポルフィリン鉄が分散体中に分子レベルで分散されている状態であり、担体補助剤とともに固体分散体または固溶体を形成していたことを示す。
試験例1−3 固体分散体中のポルフィリン鉄の含量の決定
サンプル調製: 各処方物の適当量の固体分散体を秤量し、0.1N NaOH水溶液に溶かし、ポルフィリン鉄濃度が約50μg/mlの試験サンプルを調製した。分析はHPLC法により行った。含量を決定するための方法は次の通りであり、結果を表1−2に示した。
表1−2から分かるように、総ての処方物の薬物の表示量は>93%であり、このことはホットメルト押出法が薬物の安定性にほとんど影響しなかったことを示す。薬物の比較的低い表示量は、固体分散体に含まれる約3%〜6%の水によるものであった。
試験例1−4 固体分散体の見掛けの溶解度の決定
サンプル調製: 種々の処方物のポルフィリン鉄固体分散体およびポルフィリン鉄と担体材料の物理的混合物(有効医薬成分と担体補助剤を処方に示された量で秤量し、それらを単に混合することにより調製)の過剰量をそれぞれ秤量し、適当な容器に入れ、pH6.8、容器の容積の約2/3の容量のリン酸緩衝溶液を加え、次いでこれを37℃の振盪台にのせ、24時間振盪した。得られた溶液を0.45μmのフィルターメンブレンで濾過し、次いで、濾液を回収し、適当量の0.1N NaOHでさらに希釈し、ボルテックス混合の後にHPLCにより分析した。分析方法は、実施例1−3の固体分散体の含量決定のための方法と同様であった。測定結果を表1−3に示した。
表1−3の溶解度測定結果から分かるように、ホットメルト押出法によって調製された種々の処方物の総ての固体分散体はポルフィリン鉄に対して著しい溶解効果を有しており、 Kollidon(登録商標)VA 64はポルフィリン鉄に対してかなり良好な溶解効果を有していたことを示す。一変数実験計画(DOE)から得られた結果から分かるように、図1に示されるように、固体分散体中の担体(Kollidon(登録商標)VA 64)とAPIポルフィリン鉄の重量比と固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度の間には特定の関係が存在する。特に、担体とAPIであるポルフィリン鉄の重量比が3:1であった場合に固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度がその最大に達した。図2では、pH6.8のバッファー中に3分間分散させた場合に、調製された種々の処方の固体分散体は総て、物理的混合物よりも有意に濃い色を持っており、このことはこれらの担体を用いて調製され、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散された状態である固体分散体がポルフィリン鉄の溶解度を大幅に高め得ることを示す。
試験例1−5 固体分散体のin vitro溶解試験
溶解試験の条件:
サンプル溶解に関する分析方法: 実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様。
固体分散体のin vitro溶解結果を表1−4および表1−5に示した。
表1−4および表1−5から分かるように、物理的混合物に比べて、担体材料としてKollidon(登録商標)VA 64を使用することによって調製された種々の処方物の固体分散体は、pH1.2およびpH6.8で溶解ポルフィリン鉄の濃度およびポルフィリン鉄の溶解速度を大幅に高めることができた。図3は、pH6.8の媒体中での種々の処方物のポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体およびポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64の物理的混合物のin vitro溶解特性を示し、各時点での物理的混合物の濃度は、この図に点線で示されるものよりも低かった。
試験例1−6 模擬(stimulated)in vivo条件下での溶解試験
ヒトにおいて絶食条件で、胃液のpHは約1.2であり、腸液のpHは約6.8である。食物の影響により、胃液のpHは1.2と低いと思われ、腸液のpHは約5.0である。本試験例では、最大の溶解度を有する処方物1−2を、模擬(stimulated)in vivo条件下での溶解試験のために選択した。これらの試験条件を以下に示した。
サンプル溶解の分析方法: 実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様。
固体分散体のin vitro溶解結果を表1−6および表1−7に示した。
表1−6および表1−7から分かるように、模擬(stimulated)in vivo絶食条件(pH1.2→6.8媒体遷移)および給餌条件(pH1.2→5.0媒体遷移)の両方の下での処方物1−2の溶解は80%を超え、これは胃液から腸液への種々のpHの遷移が処方物1−2の固体分散体の溶解にほとんど影響を及ぼさなかったことを示す。
試験例1−7 固体分散体の安定性試験
処方物1−2の一定量のAPIポルフィリン鉄および固体分散体を30mLの褐色ガラスバイアルに入れ、サンプル安定性試験の方法は、実施例1−3における固体分散体の含量決定の方法と同様であった。試験結果を表1−8および表1−9に示した。
表1−8および表1−9から分かるように、25℃ 60%RHおよび40℃ 75%RHで35日間置いた後のAPIポルフィリン鉄およびポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体に関して、ポルフィリン鉄の含量は、実施例1−3の固体分散体の含量決定に関して確立された分析方法の96%〜104%信頼区間内にあった。薬剤のやや低い表示量は固体分散体中に含まれる約3%の水によるものである。これらの試験結果は、ポルフィリン鉄−Kollidon(登録商標)VA 64固体分散体中で.ポルフィリン鉄が極めて安定であったことを示した。
ポルフィリン鉄−Soluplus(登録商標)固体分散体の製造
実施例2−1 ポルフィリン鉄−Soluplus(登録商標)固体分散体の製造
処方物: 各固体分散体処方物の具体的組成を表2−1に示した。
製造方法: ポルフィリン鉄と担体材料を表2−1の処方に示された量でそれぞれ混合機に加え、均質に混合した。あるいは、ポルフィリン鉄と担体材料を表2−1の処方に示された量で共回転二軸押出機(Omicron 12、Steer Engineering Private Limited、インド)のローディングホッパーに供給した。スクリュー押出機の溶融温度は約120℃〜約180℃に制御し、スクリューの回転速度は約50〜約500rpmとした。押出混合物を冷却し、粉砕し、篩いにかけて固体分散体を得た。
ポルフィリン鉄−Soluplus(登録商標)固体分散体の物理・化学的特性の評価
試験例2−2 固体分散体中のポルフィリン鉄の含量の決定
サンプル調製: 各処方物の適当量の固体分散体を秤量し、0.1N NaOH水溶液に溶かしてポルフィリン鉄濃度が約50μg/mlの試験サンプルを調製した。分析はHPLC法により行った。含量決定のための分析方法は、実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様であった。結果を表2−2に示した。
表2−2から分かるように、押出後の総ての処方物の薬剤の表示量は90%を超え、これはホットメルト押出法が薬剤の安定性にほとんど影響を及ぼさなかったことを示す。薬剤のやや低い表示量は固体分散体中に含まれる約3%〜6%の水によるものであった。
試験例2−3 固体分散体の見掛けの溶解度の決定
サンプル調製: 種々の処方物のポルフィリン鉄固体分散体およびポルフィリン鉄と担体材料の物理的混合物(有効医薬成分と担体補助剤を処方に示された量で秤量し、それらを単に混合することにより調製)の過剰量をそれぞれ秤量し、適当な容器に入れ、pH6.8、容器の容積の約2/3の容量のリン酸緩衝溶液を加え、次いでこれを37℃の振盪台にのせ、24時間振盪した。得られた溶液を0.45μmのフィルターメンブレンで濾過し、次いで、濾液を回収し、適当量の0.1N NaOHでさらに希釈し、ボルテックス混合の後にHPLCにより分析した。分析方法は、実施例1−3の固体分散体の含量決定のための方法と同様であった。測定結果を表2−3に示した。
表2−3および図5の溶解度決定結果から分かるように、ホットメルト押出法により製造された種々の処方物の総てのSoluplus(登録商標)固体分散体は、ポルフィリン鉄に対して著しい溶解効果を有した。一変数実験計画(DOE)から得られた結果から分かるように、固体分散体中の担体とポルフィリン鉄の重量比と固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度の間には特定の関係が存在する。図5に示されるように、固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度は、担体とポルフィリン鉄の重量比の増加とともに高まった。Soluplus(登録商標)は、ポルフィリン鉄に対してかなり良好な溶解効果を有した。図6では、pH6.8のバッファー中に3分間分散させた場合、調製された種々の処方の固体分散体は総て、物理的混合物よりも有意に濃い色を持っており、このことはSoluplus(登録商標)を用いて調製され、ポルフィリン鉄が分子レベルで分散された状態にある固体分散体がポルフィリン鉄の溶解度を大幅に高め得ることを示す。
試験例2−4 固体分散体のin vitro溶解試験
溶解試験の条件は、実施例1−5における固体分散体の溶解試験と同様であった。
サンプル溶解の分析方法は、実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様であった。結果を表2−4および表2−5に示した。
表2−4および表2−5から分かるように、Soluplus(登録商標)を含有する各処方物は、溶解ポルフィリン鉄の濃度およびポルフィリン鉄の溶解速度を高め得る。
ポルフィリン鉄−HPMCAS固体分散体の製造
実施例3−1 ポルフィリン鉄−HPMCAS(AQOAT AS−M)固体分散体の製造
処方物: 各固体分散体処方物の具体的組成を表3−1に示した。
製造方法: ポルフィリン鉄と担体材料を表3−1の処方に示された量でそれぞれ混合機に加え、均質に混合した。あるいは、ポルフィリン鉄と担体材料を表3−1の処方に示された量で共回転二軸押出機(Omicron 12、Steer Engineering Private Limited、インド)のローディングホッパーに供給した。スクリュー押出機の溶融温度は約120℃〜約180℃に制御し、スクリューの回転速度は約50〜約500rpmとした。押出混合物を冷却し、粉砕し、篩いにかけて固体分散体を得た。
ポルフィリン鉄−HPMCAS固体分散体の物理・化学的特性の評価
試験例3−2 固体分散体中のポルフィリン鉄の含量の決定
サンプル調製: 各処方物の適当量の固体分散体を秤量し、0.1N NaOH水溶液に溶かしてポルフィリン鉄濃度が約50μg/mlの試験サンプルを調製した。分析はHPLC法により行った。含量決定のための分析方法は、実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様であった。結果を表3−2に示した。
表3−2から分かるように、押出後の総ての処方物の薬剤の表示量は85%を超え、これはホットメルト押出法が薬剤の安定性にほとんど影響を及ぼさなかったことを示す。薬剤のやや低い表示量は固体分散体中に含まれる約3%〜6%の水によるものであった。
試験例3−3 固体分散体の見掛けの溶解度の決定
サンプル調製: 種々の処方物のポルフィリン鉄固体分散体およびポルフィリン鉄と担体材料の物理的混合物(有効医薬成分と担体補助剤を処方に示された量で秤量し、それらを単に混合することにより調製)の過剰量をそれぞれ秤量し、適当な容器に入れ、pH6.8、容器の容積の約2/3の容量のリン酸緩衝溶液を加え、次いでこれを37℃の振盪台にのせ、24時間振盪した。得られた溶液を0.45μmのフィルターメンブレンで濾過し、次いで、濾液を回収し、適当量の0.1N NaOHでさらに希釈し、ボルテックス混合の後にHPLCにより分析した。分析方法は、実施例1−3の固体分散体の含量決定のための方法と同様であった。測定結果を表3−3に示した。
表3−3および図7における溶解度決定結果から分かるように、ホットメルト押出法により製造された種々の処方物の総てのHPMCAS固体分散体は、ポルフィリン鉄に対して著しい溶解効果を有した。一変数実験計画(DOE)から得られた結果から分かるように、固体分散体中の担体とポルフィリン鉄の重量比と固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度の間には特定の関係が存在する。図7に示されるように、固体分散体中のポルフィリン鉄の溶解度は、担体とポルフィリン鉄の重量比の増加とともにやや高まった。図8では、pH6.8のバッファー中に3分間分散させた場合、調製された種々の処方の固体分散体は総て、物理的混合物よりも有意に濃い色を持っており、このことはこの固体分散体技術がポルフィリン鉄の溶解度を大幅に高め得ることを示す。
試験例3−4 固体分散体のin vitro溶解試験
溶解試験の条件は、実施例1−5における固体分散体の溶解試験と同様であった。
サンプル溶解の分析方法は、実施例1−3における固体分散体の含量決定と同様であった。結果を表3−4および表3−5に示した。
表3−4および表3−5から分かるように、各処方物のHPMCAS固体分散体は、pH6.8の媒体において溶解ポルフィリン鉄の濃度およびポルフィリン鉄の溶解速度を高め得る。HPMCASは腸内物質であることから、pH1.2の媒体における溶解量は極めて少なかった。
実施例4 ポルフィリン鉄固体分散体口当たりおよび消化管刺激作用に対する臨床試験
ポルフィリン鉄固体分散体の口当たりおよび消化管刺激作用を評価するために、6名の健康なボランティアを処方物1−1、処方物1−2、処方物1−4、処方物2−2、処方物3−2およびポルフィリン鉄のAPIなどのサンプルの口当たりおよび消化管刺激作用に関する試験に登録した。試験結果を表4−1にまとめた。
口当たりおよび消化管刺激作用に関する試験手順: 喫煙および飲酒などの悪習慣がなく、一定の官能評価経験を持った6名の健康なボランティアを登録した。毎日午前10時に各ボランティアはサンプルを口に含み、湯で摂取し、20分後の実感を記録した。試験は連続6日間行い、各ボランティアは総てのサンプルを1つずつ摂取した。
表4−1の結果は、ポルフィリン鉄と、Kollidon(登録商標)VA 64、Soluplus(登録商標)およびHPMCASを固体分散体として調製することにより、ポルフィリン鉄の血液臭および望ましくない味が効果的にマスキングおよび除去でき、ポルフィリン鉄の胸焼けおよび吐き気が著しく軽減され得るか、または回避さえでき、その結果、患者のコンプライアンスを向上させることができることを示した。
本発明のさらなる実施態様では、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースにおける酢酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量に対して約8重量%〜約12重量%であり、コハク酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量に対して約6重量%〜約15重量%である。
本発明において担体として好適なセルロースは、例えばメチルセルロース(MC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシルエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、カルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)であり得る。本発明において担体として好適なセルロースエステルは、例えば、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCAS)、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMCP)、および酢酸フタル酸セルロース(CAP)であり得る。本発明の好ましい実施態様では、前記担体材料は酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、この場合、酢酸基の含量は、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースの重量に対して約8重量%〜約12重量%であり、コハク酸基の含量は約6重量%〜約15重量%であり、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、例えば、Shin−Etsu社からの市販品AQOAT AS−L、AS−MおよびAS−Hであり得る。本発明の好ましい実施態様では、前記担体はAQOAT AS−Mである。

Claims (14)

  1. ポルフィリン鉄および担体材料を含んでなるポルフィリン鉄固体分散体であって、前記担体材料が、ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物;エチレングリコール単位を含んでなるポリマー;およびセルロースまたはセルロースエステルの1以上から選択される、ポルフィリン鉄固体分散体。
  2. 前記ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物、およびビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーの1以上から選択される、請求項1に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  3. 前記ビニルピロリドン単位を含んでなるポリマーまたはその混合物が、10〜95、好ましくは25〜70のK値を有する、請求項1または2に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  4. 前記ポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの混合物中のポリビニルピロリドンとポリ酢酸ビニルの重量比が、1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である、請求項2に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  5. 前記ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマー中のビニルピロリドン単位と酢酸ビニルの重量比が、1:9〜9:1、好ましくは4:6〜6:4である、請求項2に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  6. 前記エチレングリコール単位を含んでなるポリマーが、ポリエチレングリコール/ビニルカプロラクタム/酢酸ビニルのコポリマーである、請求項1に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  7. 前記セルロースまたはセルロースエステルが、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および酢酸フタル酸セルロースの1以上から選択され、好ましくは酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  8. 前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースにおける酢酸基の含量が、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースの重量に対して8重量%〜12重量%であり、コハク酸基の含量が、前記酢酸コハク酸ヒドロキシプロピルセルロースの重量に対して6重量%〜15重量%である、請求項7に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  9. ポルフィリン鉄と担体材料の重量比が、1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、より好ましくは1:1〜1:3である、請求項1に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  10. 界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤の1以上から選択される薬学上許容可能な医薬補助剤をさらに含んでなる、請求項1に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  11. ポルフィリン鉄が前記担体材料中に分子レベルで分散されている、請求項1または2に記載のポルフィリン鉄固体分散体。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のポルフィリン鉄固体分散体を製造する方法であって、
    ポルフィリン鉄と担体材料を1:1〜1:10、好ましくは1:1〜1:4、より好ましくは1:1〜1:3の重量比で均質混合した混合物、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、または単に前記重量比のポルフィリン鉄と担体材料、および所望により薬学上許容可能な医薬補助剤を、約120℃〜約180℃に予熱したホットメルト押出機に送ること;および
    押出された混合物を冷却し、粉砕し、篩いに掛けてポルフィリン鉄固体分散体を得ること
    を含んでなる、方法。
  13. 散剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤または錠剤の形態の、請求項1〜11のいずれか一項に記載のポルフィリン鉄固体分散体を含んでなる医薬組成物。
  14. 界面活性剤、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および滑沢剤の1以上から選択される薬学上許容可能な医薬補助剤をさらに含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。
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