JP2016537228A - タイヤを監視する方法およびシステム - Google Patents

Abstract

本発明は、自動車両のタイヤを監視する方法であって、車輪内で実行される方法であり、タイヤの温度を測定（Ｔ（ｋ））するステップ（Ｅ１）と、タイヤの圧力を測定（Ｐ（ｋ））するステップ（Ｅ２）と、測定圧力と測定温度との比の変動を絶対値で計算するステップ（Ｅ３）と、計算された変動を所定の閾値（閾値＿Ｐ）と比較するステップ（Ｅ４）と、計算された変動が所定の閾値（閾値＿Ｐ）を超えた場合、車両のコンピュータへ警告メッセージを送信するステップ（Ｅ５）とを含む方法に関する。【選択図】図３

Description

本発明は、一般に、自動車両の分野に関し、より具体的には、車両のタイヤを監視する方法に関する。

実際に、欧州規則は、近いうちに、自動車両製造業者に、自車両の車輪の圧力を監視する手段を自社製の車両に備えるよう迫ることになるであろう。

現在、一部の車両には、自車両のタイヤの圧力を測定することを可能にするセンサが装備されている。そのようなセンサは、一般に、タイヤのバルブ内に配置され、無線リンクを経由して自車両のコンピュータに様々な情報項目を定期的に送信する。これら情報項目には、特に、
− タイヤの圧力
− タイヤの温度
− センサの識別子
− センサに給電するバッテリの充電レベルの情報
− タイヤを含む車輪の動きに関する情報
− その車輪の回転方向
− センサの不具合を検出することを可能にする情報項目
が含まれる。

これら情報項目は、車両のコンピュータによって処理され、それによって、これら情報項目から車両のタイヤに関する空気圧不足やその他の状態が導き出される。この空気圧不足の情報は、タイヤの温度、圧力、および場合によっては車両のコンピュータ内で利用可能なその他の情報を使用するモデルに依拠する判断の結果得られる。

このため、国際公開第２００７０１２７７１号パンフレットは、車両のタイヤによって発信された圧力情報に車両の車輪の垂直加速度値を勘案して、そのタイヤの空気圧を推定するシステムを記載する。

仏国特許出願第２９９８５１４号明細書は、自動車両の各タイヤに配置された圧力センサを使用してその車両のタイヤの圧力を監視するシステムであって、各タイヤに関して、正常状態もしくはパンク状態、または空気圧不足状態、さらには高速度に不適切な加圧状態までも、各タイヤの圧力とそれら状態のそれぞれに関する圧力閾値との比較の関数として判定するシステムを記載する。

しかし、これらタイヤに配置されたセンサによって定期的に伝達される圧力および温度の測定値を使用するこれら既存の方法は、これらタイヤの１つが空気圧不足か否かを判定するのが遅い。特に、車両のコンピュータが受け取る情報項目の伝送エラーにときどき至ることのある測定ノイズのために、タイヤが実際に空気圧不足であることの確認には、ディジタルフィルタ処理を行うこと、および／または低圧力のいくつかの推定値を高閾値の計算機構によって抹消することが必要になる場合もある。

したがって、これら方法は、特にパンクを素早く検出するのに有効でない。

本発明の目的の１つは、急速な空気漏れまたはパンク不具合を車両のコンピュータに迅速に伝達することを可能にする、自動車両のタイヤの監視方法およびそのシステムを提供することによって従来技術の欠点の少なくとも一部を改善することである。

このために、本発明は、自動車両のタイヤを監視する方法であって、前記タイヤを備える車輪内で実行され、
− 前記タイヤ内の温度を測定するステップと、
− 前記タイヤ内の圧力を測定するステップと
を含む方法において、
− 所定の継続時間を超えない期間にわたって、前記測定圧力と前記測定温度との比の変動を絶対値として計算するステップと、
− 前記計算された変動を所定の閾値と比較するステップと、
− 前記計算された変動が前記期間中に前記所定の閾値を超えた場合、前記車両のコンピュータへ警告メッセージを送信するステップと
をさらに含むことを特徴とする方法を提案する。

本発明によって、車両のコンピュータは、車両のタイヤ内の空気の質量の変動に関する情報項目を迅速に取得し、このとき、タイヤの圧力と温度との比が、タイヤに入っている空気の質量の指標になる。車輪に収納される本発明によるシステムによって直接供給されるこの情報項目は、たとえば、タイヤの温度を著しく上昇させる走行をある時間行った後車両が停止したときなど、既存のタイヤ監視方法では簡単にはフィルタを掛けることのできない環境的な圧力変動を排除することを可能にする。その結果、本発明は、本発明によるシステムによって送信されるメッセージの伝達による、エラーに対して強靭な態様で、タイヤのパンクまたは急速な漏洩タイプの警告を迅速に行いながら、誤った警告を阻止することを可能にする。

センサが車両のコンピュータへ測定値を定期的、たとえば１秒ごとに送信する既存の方法とは対照的に、本発明は、この定期性を廃して、遥かに迅速に、たとえば数十ミリセカンド内に問題をコンピュータに警告することを可能にすることに留意されたい。

さらに、本発明は、既存の方法に加えて使用することもできるが、この定期的にコンピュータへ測定値を送信する代わりに使用すると、センサに給電するバッテリを節約することを可能にする。

本発明の有利な特徴によれば、前記警告メッセージは、前記計算された変動の正負の符号を含む。これによって、本発明は、タイヤの再空気圧充填から圧力漏洩を区別することが可能になる。

本発明の別の有利な特徴によれば、前記警告メッセージは、前記計算された変動の絶対値、ならびに前記期間の値を含む。

これらさらに別の情報項目は、車両のコンピュータが、急速なタイヤ圧力の漏洩から緩慢なパンクを区別することを可能にする。

本発明の別の有利な特徴によれば、前記警告メッセージは、前記期間にわたる前記測定圧力および前記測定温度の測定値を含む。

これらさらに別の情報項目は、コンピュータが、本発明によるシステムによって供給されたデータの整合性をチェックし、それらデータからシステムのあらゆる不具合の可能性を導き出すことを可能にする。

本発明の別の有利な特徴によれば、前記警告メッセージは暗号化される。この追加の特徴は、また、本発明によるシステムによって供給される警告の、伝送エラーに対するロバスト性を向上させることを可能にする。メッセージの暗号化は、たとえば、車両のコンピュータによるメッセージの取得時間を増加させないために単純な巡回冗長方式から成る。

本発明は、また、自動車両のタイヤを監視するシステムであって、前記タイヤ内に配置されるシステムであり、前記タイヤの温度を測定する手段と、前記タイヤの圧力を測定する手段とを備え、無線発信器をさらに備えるシステムにおいて、
− 所定の継続時間を超えない期間にわたって、前記圧力測定手段によって測定された圧力と前記温度測定手段によって測定された温度との比の変動を絶対値として計算するのに適した計算手段と、
− 前記変動を所定の閾値と比較する手段と、
− 前記変動が前記期間中に所定の閾値を超えた場合、前記車両のコンピュータへ警告メッセージを送信する送信手段と
を備えることを特徴とするシステムに関する。

本発明による自動車両のタイヤを監視するシステムの有利な特徴によれば、前記警告メッセージは、
− 前記測定圧力と前記測定温度との前記比の前記変動の正負の符号と、
− 前記測定圧力と前記測定温度との前記比の前記変動の絶対値と、
− 前記期間の値と、
− 前記期間にわたる前記測定圧力および前記測定温度の測定値と
から選択される少なくとも１つの情報項目を含む。

本発明による自動車両のタイヤを監視するシステムの別の有利な特徴によれば、前記送信手段は、前記警告メッセージを暗号化する手段を備える。

本発明によるタイヤを監視するシステムは、本発明によるタイヤを監視する方法と同様な利点をもたらす。

他の特徴および利点が、図面を参照して説明される好ましい実施形態を読むことによって明らかになる。

本発明による監視システムを備える車両の図である。 好ましい実施形態における、本発明による監視システムの図である。 この好ましい実施形態における、本発明による監視方法のステップの図である。

図１に表された本発明の好ましい実施形態によれば、車両Ｖには、その各車輪に本発明による監視システムが装備されている。すなわち、車輪Ｒ１は、本発明による監視システムＳ１をそのバルブ内に備えるタイヤＰ１を具備し、車輪Ｒ２は、本発明による別の監視システムＳ２をそのバルブ内に備えるタイヤＰ２を具備する。

これら監視システムＳ１およびＳ２は、たとえばＩＥＥＥ８０２．１１規格またはブルートゥース（「Bluetooth」は登録商標）規格に則したＷｉ−Ｆｉ（登録商標）技術を使用して車両ＶのコンピュータＥＣＵと無線通信を行うのに適合した高性能センサと連係することができる。車両のコンピュータＥＣＵは、車両の使用者への警告情報を、ヒューマンマシーンインターフェース上に表示するように適合されている。

図２を参照して、次に、監視システムＳ１を説明する。監視システムＳ１は、センサＣＡＰを具備し、センサＣＡＰは、タイヤＰ１内の圧力を測定する手段と、タイヤＰ１内の温度を測定する手段とをそれ自体が備える。変形形態として、システムＳ１が２つのセンサを備え、それらセンサのそれぞれが、圧力または温度の測定に指定されている。

センサＣＡＰは、測定ステップｋ毎に温度Ｔ（ｋ）および圧力測定値Ｐ（ｋ）を測定する。これら測定ステップは、たとえば１ｓ（秒）間隔になっている。圧力Ｐ（ｋ）および温度Ｔ（ｋ）の測定値は、各新たな測定ステップ毎にコンピュータボードＣＩへ送られる。このコンピュータボードＣＩは、コンピュータＣＰＵと、ランダムアクセスメモリＲＡＭと、読出し専用メモリＲＯＭとを備える。

コンピュータＣＰＵは、タイヤの空気の質量の変動を計算し、この変動を絶対値として所定の閾値である閾値＿Ｐと比較するように適合されている。この閾値を超えると、コンピュータボードＣＩが無線発信器ＥＭＥへ伝送する警告メッセージを作成し、無線発信器ＥＭＥ自体は、この警告メッセージをＷｉ−Ｆｉまたはブルートゥースによって車両Ｖのコンピュータへ送信する。

コンピュータボードＣＩ、発信器ＥＭＥ、およびセンサＣＡＰは、バッテリＢＡＴＴによって給電される。

図３を参照すると、本発明による監視方法は、ステップＥ１〜Ｅ５を含むアルゴリズムの形で表される。

その方法は、本発明による監視システムＳ１内で実行される。その方法は、また、全く同様に車両Ｖの他の３つの車輪内でも実行される。

ステップＥ１はタイヤＰ１の圧力の測定である。この測定は、基準大気圧に対する圧力であり、ステップｋ毎に連続して行われる。

ステップＥ２はタイヤＰ１の温度の測定である。この測定は、やはり、測定ステップｋ毎にステップＥ１と並行に連続して行われ、タイヤＰ１のバルブ内の温度を表す。

ステップＥ３は値

の計算であり、
式中、
Ｐ（ｋ_０＋ｌ）は、測定ステップｋ_０＋ｌにおいてタイヤ内で測定された圧力であり、ｌは整数の変数であり、
Ｔ（ｋ_０＋ｌ）は、測定ステップｋ_０＋ｌにおいてタイヤ内で測定された温度であり、
Ｐ（ｋ_０）は、測定ステップｋ_０での測定圧力であり、
Ｔ（ｋ_０）は、測定ステップｋ_０での測定温度である。

このように、開始測定ステップｋ_０から、コンピュータＣＰＵは、新たな測定ステップ毎に測定圧力と測定温度との比の絶対値の変動を、所定の期間ｌにわたって測定する。ｌは、１から開始され、新たな測定ステップ毎に、所定の継続時間を超えない整数値まで１ずつ増加する変数である。この所定の継続時間は、本発明が別のタイヤ監視モードと共に使用される場合、たとえば１０測定ステップに設定され、あるいは、本発明が車両Ｖのタイヤを監視する唯一のモードとして使用される場合、３０測定ステップに設定される。この所定の継続時間を超えると、コンピュータＣＰＵは、測定圧力と測定温度との比の絶対値の変動の計算を、新たな開始測定ステップｋ_０から再開する。

変形形態として、コンピュータＣＰＵは、測定圧力と測定温度との比の絶対値の変動を、ｌが固定された状態で測定し、この場合、ｌ測定ステップ毎に新たな開始測定ステップｋ_０を取る。この変形形態では、ｌはたとえば１０に等しい。

ステップＥ４では、ステップＥ３において絶対値として計算された変動を、所定の閾値、たとえば０．３バールに等しい閾値＿Ｐと比較する。このステップＥ４は、ステップＥ３で行われる新たな計算毎に、したがって連続して実施される。このステップＥ４において、コンピュータＣＰＵが、ステップＥ３で計算された変動が閾値、すなわち閾値＿Ｐ未満であると判定した場合、次のステップは新たなＥ３であり、そうでなければ次のステップはＥ５である。

ステップＥ５は、車両のコンピュータＥＣＵへ発信器ＥＭＥによって警告メッセージを送信することである。このメッセージは、好ましくは、たとえば巡回冗長符号を使用して暗号化される。この警告メッセージには、タイヤの空気の質量の減少を表す、閾値、すなわち閾値＿Ｐを超過したとの表示が含まれる。この警告メッセージには、好ましくは、その他の情報項目が含まれ、それらは、特に、
− それに先行するステップＥ３で計算された、測定圧力と前記測定温度との比の正負の符号付き変動であり、このデータは、空気圧低下を再空気圧充填から区別することを可能にし、
− ステップＥ３で使用され、ステップＥ３での測定圧力と測定温度との比の変動を計算するのに使用された期間に対応する整数ｌの値であり、この値は、急速な空気漏れを緩慢なパンクから区別することを可能にし、
− この期間にわたる測定圧力および測定温度の測定値であり、これら値は、本発明によるシステムによって伝達された情報の整合性をチェックすることを可能にする。

ステップＥ５を終了すると、変数ｌの値は１に更新され、ステップＥ３に戻り、コンピュータは、現在の測定ステップｋを新たな開始測定ステップｋ_０とする。変形形態として、この変数ｌの更新およびステップＥ３からの再開は、車両ＶのコンピュータＥＣＵによって要求されたときにのみ行われ、それによって、タイヤＰ１の急速な漏洩の場合、車両Ｖのコンピュータに連続的に警告メッセージを受けさせるのを避ける。

Claims (8)

1. 自動車両（Ｖ）のタイヤ（Ｐ１）を監視する方法であって、前記タイヤ（Ｐ１）を備える車輪内で実行され、
   − 前記タイヤ（Ｐ１）内の温度を測定（Ｔ（ｋ））するステップ（Ｅ１）と、
   − 前記タイヤ（Ｐ１）内の圧力を測定（Ｐ（ｋ））するステップ（Ｅ２）と
   を含む方法において、
   − 所定の継続時間を超えない期間（ｌ）にわたって、前記測定圧力と前記測定温度との比の変動を絶対値として計算するステップ（Ｅ３）と、
   − 前記計算された変動を所定の閾値（閾値＿Ｐ）と比較するステップ（Ｅ４）と、
   − 前記計算された変動が前記期間（ｌ）中に前記所定の閾値（閾値＿Ｐ）を超えた場合、前記車両のコンピュータ（ＥＣＵ）へ警告メッセージを送信するステップ（Ｅ５）と
   をさらに含むことを特徴とする方法。
2. 前記警告メッセージが、前記計算された変動の正負の符号を含むことを特徴とする、請求項１に記載の監視方法。
3. 前記警告メッセージが、前記計算された変動の絶対値、ならびに前記期間（ｌ）の値を含むことを特徴とする、請求項１または２に記載の監視方法。
4. 前記警告メッセージが、前記期間（ｌ）にわたる前記測定圧力および前記測定温度の測定値を含むことを特徴とする、請求項１から３のいずれか一項に記載の監視方法。
5. 前記警告メッセージが暗号化されていることを特徴とする、請求項１から４のいずれか一項に記載の監視方法。
6. 自動車両（Ｖ）のタイヤ（Ｐ１）を監視するシステム（Ｓ１）であって、前記タイヤ（Ｐ１）内に配置されるシステム（Ｓ１）であり、前記タイヤの温度を測定する手段（ＣＡＰ）と、前記タイヤ（Ｐ１）の圧力を測定する手段（ＣＡＰ）とを備え、無線発信器（ＥＭＥ）をさらに備えるシステム（Ｓ１）において、
   − 所定の継続時間を超えない期間（ｌ）にわたって、前記圧力測定手段（ＣＡＰ）によって測定された圧力と前記温度測定手段（ＣＡＰ）によって測定された温度との比の変動を絶対値として計算するのに適した計算手段（ＣＰＵ）と、
   − 前記変動を所定の閾値（閾値＿Ｐ）と比較する手段と、
   − 前記変動が前記期間（ｌ）中に所定の閾値（閾値＿Ｐ）を超えた場合、前記車両（Ｖ）のコンピュータ（ＥＣＵ）へ警告メッセージを送信する送信手段（ＥＭＥ）と
   を備えることを特徴とするシステム（Ｓ１）。
7. 前記警告メッセージが、
   − 前記測定圧力と前記測定温度との前記比の前記変動の正負の符号と、
   − 前記測定圧力と前記測定温度との前記比の前記変動の絶対値と、
   − 前記期間（ｌ）の値と、
   − 前記期間（ｌ）にわたる前記測定圧力および前記測定温度の測定値と
   から選択される少なくとも１つの情報項目を含むことを特徴とする、請求項６に記載の自動車両（Ｖ）のタイヤ（Ｐ１）を監視するシステム（Ｓ１）。
8. 前記送信手段（ＥＭＥ）が、前記警告メッセージを暗号化する手段を備えることを特徴とする、請求項６または７に記載の自動車両（Ｖ）のタイヤ（Ｐ１）を監視するシステム（Ｓ１）。

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