JP2016536530A - 圧力逃し一方向弁、密封容器、および圧力逃し一方向弁の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は密封包装体用の圧力逃し一方向弁に関する。密封容器用の圧力逃し一方向弁は、弁本体(A)と、弁キャップ(B)と、弁膜(C)と、を備え、弁本体(A)は、弁膜Cのためのシール台座(11)及び弁(1)を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔(6)を有するベース(13)を備え、弁キャップ(B)は、弁本体(A)内に収納されるとともに圧力逃し開口(4)を備え、弁膜(C)は、可撓性でありかつシール台座(11)内で弁本体(A)と弁キャップ(B)との間に配置されている。この圧力逃し一方向弁において、弁キャップ(B)は、圧力逃し開口(4)の側方に配置された第1のリブ(2)であって、圧力逃し動作中に、弁膜(C)が片側だけ持ち上がるとともに、弁膜(C)の、自由に持ち上がる部分の長さ(L,L’)が第1のリブ(2)と弁膜(C)の非固定端(12)との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、弁膜(C)をシール台座(11)内に保持する第1のリブ(2)を備える。密封容器及び圧力逃し一方向弁の製造方法もまた提供される。
Description
本発明は、密封容器用、例えば食品用密封容器用の圧力逃し一方向弁の分野に関する。
従来、いくつかの種類の圧力逃し一方向弁が知られている。近年、これらの弁の市場は大幅に増大してきており、数十億ユニットにも及ぶ年間生産量が求められている。その高い市場の要請は、現在なお増大しており、速くかつ低コストで製造可能な弁が要求されている。
従来公知の弁は通常、ゴム膜を有していて、ゴム膜は、弁本体内で当該ゴム膜用のシール台座上にシリコンオイルを介して保持されている。密封容器内の物質によって発生した高圧ガスを容器外に放出する必要がある場合には、そのガスによってゴム膜は台座から離れてガスは逃され、その後ゴム膜は元の位置に戻る。
上記タイプの弁には不都合があり、特に、従来公知の弁では開閉にしばしば不全が生じる。より具体的には、或る公知の弁は、圧力逃し動作の後、適切に閉じることができない。これにより、容器内に空気が進入し、内部製品の品質は維持できなくなる。また、或る公知の弁は適切に開かず、圧力のリリーフを阻害するとともに容器内の圧力増大の危険性がある。
或る公知の弁では、ゴム膜はシリコンオイル層によってのみ定位置に保持されているので、空気の流通が過度に激しい場合には、ゴム膜は弁本体から完全に離れてしまう。このようになると、ゴム膜が離れて空気が容器内に進入可能な状態になり、ゴム膜による一方向機能は失われる。
更に、ゴム膜は、製造される場所から弁の他の部品への組立て場所まで移動させる必要がある。
これは明らかに、弁の製造時間及びコストを大幅に増大させる。
それ故、本発明は、上述の問題点を解消することを目的とするものである。
特には、本発明は、密封容器用の、最適な開閉機能を有する弁を提供することを目的とするものである。
更には、本発明は、密封容器用の、経済的で組み立て易い弁を提供することを目的とするものである。
本発明は、弁本体と、弁キャップと、弁膜と、を備え、弁キャップが、弁膜を弁本体のシール台座内に保持するとともに、弁膜の、所定長さの片側だけ持ち上がりを許容する少なくとも1つのリブを備える圧力逃がし一方向弁を提供するという思想に基づくものである。特に、本発明に従うと、弁膜は、その一部分のみが弁が適用される包装体内のガス圧力の作用によって持ち上がるものである。その自由に持ち上がる部分は断面において所定の長さを有する。このようにして、弁膜はリブによって所定位置にしっかりと固定される。弁膜が台座から回復不能に離れる可能性は大幅に低減される。更に、弁膜を片側だけ自由に持ち上がるようにしたので、弁の開放は最適化される。
本発明に従う弁は、焙煎コーヒー等の食品を収容する密封容器又は包装体に用いることができる。
本発明の実施形態に従うと、密封包装体用の圧力逃し一方向弁が提供され、この弁は、
弁本体と、弁キャップと、弁膜と、を備え、弁本体は、弁膜のためのシール台座及び弁を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔を有するベースを備え、弁キャップは、弁本体内に収納されるとともに圧力逃し開口を備え、弁膜は、可撓性でありかつシール台座内で弁本体と弁キャップとの間に配置されている。圧力逃し一方向弁は、次のように構成され、すなわち、弁キャップは、圧力逃し開口の側方に配置された第1のリブであって、圧力逃し動作中に、弁膜が片側だけ持ち上がるとともに、弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さが第1のリブと弁膜の非固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、弁膜をシール台座内に保持する第1のリブを備える。このようにして、第1のリブによってシール台座内に保持された弁膜は、シール台座から完全に離れることはなく、弁の一方向機能を確実に得ることができる。更に、弁膜の自由に持ち上がる部分の長さを最大化することで、弁における最大可能開放角度を最大化することができる。更に、本発明に従う弁キャップの構成によれば、有利には例えばフィルムからカットすることで得られる薄い弁膜と協働とすることができる。弁膜が極めて薄い場合においても、本発明に従う弁キャップの構成によれば、弁の密封性を確実に得ることができる。特に、弁膜は、何度も弁の開閉動作を行った後でもシール台座内に効果的に保持される。
弁本体と、弁キャップと、弁膜と、を備え、弁本体は、弁膜のためのシール台座及び弁を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔を有するベースを備え、弁キャップは、弁本体内に収納されるとともに圧力逃し開口を備え、弁膜は、可撓性でありかつシール台座内で弁本体と弁キャップとの間に配置されている。圧力逃し一方向弁は、次のように構成され、すなわち、弁キャップは、圧力逃し開口の側方に配置された第1のリブであって、圧力逃し動作中に、弁膜が片側だけ持ち上がるとともに、弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さが第1のリブと弁膜の非固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、弁膜をシール台座内に保持する第1のリブを備える。このようにして、第1のリブによってシール台座内に保持された弁膜は、シール台座から完全に離れることはなく、弁の一方向機能を確実に得ることができる。更に、弁膜の自由に持ち上がる部分の長さを最大化することで、弁における最大可能開放角度を最大化することができる。更に、本発明に従う弁キャップの構成によれば、有利には例えばフィルムからカットすることで得られる薄い弁膜と協働とすることができる。弁膜が極めて薄い場合においても、本発明に従う弁キャップの構成によれば、弁の密封性を確実に得ることができる。特に、弁膜は、何度も弁の開閉動作を行った後でもシール台座内に効果的に保持される。
本発明の更なる実施形態に従うと、弁キャップは、弁キャップの、圧力逃し開口に対して第1のリブと同じ側に配置された第2のリブであって、圧力逃し動作中、弁膜の自由に持ち上がる部分を、第1のリブと弁膜の非固定端との間の距離よりも小さい所定の長さとする第2のリブを備える。第2のリブは、好ましくは、第1のリブと圧力逃し開口の、第1のリブに対して平行な接線との間に配置される。このようにして、弁膜は、シール台座から完全に離れないように第1及び第2のリブによってシール台座内に保持され、それにより弁の一方向機能を確実とするだけではなく、圧力逃し動作中の弁の開放を確実とし、より短く従って速い。したがって、弁の開放圧力リミットはより高くなるとともに、弁の閉鎖はより速くなる。第1のリブに多少近く、弁膜の自由に持ち上がる部分の長さを定めることになる第2のリブの位置は、弁の開放圧力リミットに影響を与える。更に、本発明のこの実施形態に従う弁キャップの構成は、例えば有利には薄いフィルムから切り出して得られる特に薄い弁膜と協働することができる。膜が特に薄い場合においても、本発明のこの実施形態に従う弁キャップの構成は、弁の密封性を確実にすることができる。特に、弁膜は、弁の何回にも及ぶ開閉動作の後においてもシール台座内に効率よく保持される。
本発明の更なる実施形態によると、膜の自由に持ち上がる部分の所定長さは、膜の最大幅の少なくとも半分と等しく、好ましくは、弁膜の最大幅の少なくとも2/3又は4/5と等しい。
本発明の更なる実施形態によると、圧力逃し開口は弁キャップの中央に位置する。
本発明の更なる実施形態によると、弁膜は10ミクロンと100ミクロンの範囲内、好ましくは、40ミクロンと60ミクロンの範囲内、より好ましくは50ミクロンと等しい厚みを有する。これらの厚みは、膜の可撓性及び弾性特性を向上させ、弁の機能を最適化する。膜は、約9mmの直径を有することができる。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップは更に、圧力逃し動作中に膜の屈曲を制限するのに適した膨出要素を備える。これにより、弁膜が弁キャップに完全に重なることはなく、圧力逃し中に空気の弁外への通り道が阻害されないことを確実にすることができる。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップの上面は弁本体の上面と同一平面上にある。したがって、弁はフラットタイプである。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップの上面は弁本体の上面に対して低い位置にある。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップは両面仕様であり、つまり弁本体内へ挿入され得る方向にはよらずその機能が同じになるよう形成される。このようにして、弁キャップは弁本体内への選好的な配向に従って配置される必要はなくなる。これにより、弁の組立て作業を大幅に単純化することができる。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップは、弁本体内への選好的な配向に従って配向される必要がないよう、弁本体のベースに平行でかつ弁キャップの中心を通る平面に対して対称である。これにより、弁の組立て作業を単純化するとともに高速化することができる。実際には、弁キャップは、弁本体内への配置に先立って予配向する必要がなくなる。
本発明の更なる実施形態によると、シール台座は、弁膜の密封性を高めるよう、例えばシリコンオイルからなる粘性層によって覆われている。このようにして、弁膜は第1及び/又は第2のリブによってだけでなく、弁の非作動時に膜が弁本体のベース上の1又はそれ以上の孔を閉じるのを確実にする粘性層によってもシール台座内に保たれる。
本発明の更なる実施形態によると、圧力逃し一方向弁は、弁本体の1つ以上の孔を流れるガスを濾過するのに適したフィルタ要素を更に備える。このようにして、空気分子は弁を自由に通過し、密封容器から排出させる一方、香気分子はフィルタ要素によって容器内に留めることができる。これにより、弁が適用される容器内に収容された製品の官能特性を最適化することができる。
本発明の更なる実施形態によると、フィルタ要素はSMASH(登録商標)等のポリエステル不織布を有する。SMASH(登録商標)は長繊維不織布からなる特殊なポリエステルである。SMASH(登録商標)は熱可塑性材料であり、高温において容易に変形し、ホット成形が可能であり、更には、耐熱水性であり、安定した抽出が可能である。この材料は安価であり、密封容器内のガスを簡便にろ過するのに特に適している。
本発明の更なる実施形態によると、弁本体及び/又は弁キャップは、生分解性材料製、例えばオキソ生分解性材料製である。これは環境に対する周知の利点を有する。
本発明の更なる実施形態によると、弁膜は、PET等の非生分解性材料を有する。
本発明の更なる実施形態によると、弁膜の重量は弁の総重量の0.1%以下、例えば弁の総重量の0.06%である。これにより、たとえ弁膜が生分解性材料製でない場合でも、弁の全材料に対する非生分解性材料の割合は現在の規制で定められた制限内に収まるため、弁は生分解可能であると考えることができる。例えば、弁膜が約0.0006gの重量を有することができる場合、弁は約1gの総重量を有してよい。
本発明の更なる実施形態によると、弁を構成する材料は、添加剤を富化したものとすることができる。添加剤は弁構造における欠陥識別を容易化するので、製造過程において弁の品質コントロール作業を単純化することができる。
本発明の更なる実施形態によると、本発明に従う弁が適用された密封容器、好ましくは食品用の容器が提供される。密封容器は、例えば、コーヒー豆用の包装体であることができる。
本発明の更なる実施形態によると、弁本体と、弁キャップと、弁膜と、を備え、弁本体は、弁膜のためのシール台座及び弁を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔を有するベースを備え、弁キャップは、弁本体内に収納されるとともに圧力逃し開口を備え、弁膜は、可撓性でありかつシール台座内で弁本体と弁キャップとの間に配置されている、密封包装体用の圧力逃し一方向弁を製造する方法であって、弁キャップの圧力逃し開口の側方に、第1のリブであって、圧力逃し動作中に、弁膜が片側だけ持ち上がるとともに、弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さが第1のリブと弁膜の固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、弁膜がシール台座内に固定された状態に保持する第1のリブを形成することを含む圧力逃し一方向弁の製造方法が提供される。
本発明の更なる実施形態によると、弁本体と、弁キャップと、弁膜と、を備え、弁本体は、弁膜のためのシール台座及び弁を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔を有するベースを備え、弁キャップは、弁本体内に収納されるとともに圧力逃し開口を備え、弁膜は、可撓性でありかつシール台座内で弁本体と弁キャップとの間に配置されている、密封包装体用の圧力逃し一方向弁を製造する方法であって、弁キャップの圧力逃し開口の側方に、第1のリブであって、圧力逃し動作中に、弁膜が片側だけ持ち上がるとともに、弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さが第1のリブと弁膜の非固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、弁膜がシール台座内に固定された状態に保持する第1のリブを形成することを含む圧力逃し一方向弁の製造方法が提供される。
本発明の更なる実施形態によると、弁キャップの、圧力逃し開口に対して第1のリブと同じ側に、圧力逃し動作中、弁膜の自由に持ち上がる部分を、第1のリブと弁膜の非固定端との間の距離よりも小さい所定の長さとする第2のリブを形成することを更に含む圧力逃し一方向弁の製造方法が提供される。
本発明の更なる実施形態によると、単一の工程において、フィルムから弁膜をカットするとともに弁本体のシール台座内に配置する圧力逃し一方向弁の製造方法が提供される。これにより、早くて安価に弁を製造する方法が提供される。
本発明の更なる実施形態によると、弁本体及び/又は弁キャップが射出成形される圧力逃し一方向弁の製造方法が提供される。
本発明を添付の図面を参照して説明する。同一の符号及び/又は参照記号は同一の部品及び/又は同様の部品及び/又はシステムの対応する部品を示すものである。
以下、本発明を添付の図面に示される特定の実施形態を参照して説明するが、本発明は以下の詳細な説明及び図面で示された特定の実施形態に限定されず、開示される実施形態はむしろ、特許請求の範囲の記載によって規定される本発明のいくつかの側面を示すにすぎない。当業者には、本発明の更なる修正及び変更が明らかである。
図1Aは、本発明の一実施形態に係る、密封容器用の圧力逃し一方向弁を概略的に示している。
当該弁を適用し得る密封容器は、食品容器であってよく、例えば焙煎されたコーヒー用の包装体であってよい。
この弁は、3つの主要な要素、すなわち弁本体A、弁キャップB及び弁膜Cを備えている。弁本体Aは、弁膜Cのためのシール台座11と、弁1を通じて容器からガスを放出させる1つ又は複数の孔6とを有するベースを備える。弁本体Aは弁キャップBのための台座を更に備える。弁キャップBは、実際には弁本体A内に配置されている。シール台座11は弁キャップBのための台座のベースに形成されている。弁キャップBは圧力逃し開口4を備える。図1Aに示すように、弁キャップBの圧力逃し開口4は、有利には、弁キャップBの中央に配置することができる。弁膜Cは可撓性であり、かつシール台座11内で弁本体Aと弁キャップBとの間に配置されている。
シール台座11は、弁本体Aのベース内に形成されるとともに弁膜Cの寸法に対応した寸法を有するくぼみ(キャビティ)を備えることができる。特に、くぼみの深さは膜Cの厚みと同じにすることができる。シール台座は、膜を弁キャップBと接触した状態に維持するとともに弁膜を弁キャップBと接触した状態に保ち、かつ弁膜Cのどの部分も持ち上げられていない場合に弁密性が確保されるよう、例えばシリコンオイルであるシール材料5で満たすことができる。
弁本体Aは、ワイド側が開放しその反対側が閉鎖した円錐台形状を有していてよい。弁本体Aの当該閉鎖側を弁本体のベース13と称するものとする。弁本体Aは更に、弁本体の、円錐の開放側からその外側に向けて弁本体のベース13と平行に突き出た平坦な境界部10を備える。境界部10は、弁1を当該弁が適用される密封容器に固定するのに適している。
図1Aに示す弁1は内蔵弁である。実際には、弁1は、弁本体Aの境界部10の上面を密封容器それ自体の内面に固定することにより密封容器に適用されるのに適している。図1Bには密封食品容器に適用された弁1が示されている。図1Bにおいて、Fは弁1が固定される密封容器のフィルムである。フィルムFは、弁1の密封容器内への適用後、弁キャップBの圧力逃し開口4に対応する箇所をニードルPによって貫通することができる。密封食品容器は、図1Bに概略的に示すように、コーヒー豆を収納する。
弁が密封容器に適用された際に当該密封容器の内側の方を向く、弁本体のベース13の内側の面上には、有利にはフィルタ要素7を配置することができ、例としてフィルタ紙製またはSMASH(登録商標)等のポリエステル不織布製の膜が挙げられる。SMASH(登録商標)は長繊維不織布からなる特殊なポリエステルである。SMASH(登録商標)は熱可塑性材料であり、高温において容易に変形し、ホット成形が可能であり、更には、実質的に耐熱水性であり、安定した抽出が可能である。フィルタ要素は空気分子を密封容器から排出させることができ、これと同時に容器内に収納された食品によって生成された香気分子を内部に閉じ込めることができる。更に、フィルタ要素7は気体を透過するが液体を透過しないものとすることができる。この場合、このような特徴のフィルタ要素を備えた弁は、例えば液状イーストのような密閉充填された後に気体を生成する液体を収容する密封容器に有利に用いることができる。
弁キャップBは、図1Fに詳細に示すように、弁本体A内に嵌入されており、当該図ではキャップBと弁本体Aとの間の嵌合領域は拡大して示されている。弁本体AのキャップBのための座の側壁は、弁キャップBの側面と嵌合する構造であることに留意されたい。特に、座の側壁Aは凹部14を備える。弁キャップBの側面は凸部15を備える。凹部14は弁本体Aの内側に弁キャップBを固定するよう凹部15に適合する。このようにして弁キャップBは弁本体Aの内側に安定して固定される。
有利には、弁キャップBは両面仕様とすることができる。図1Aに示す弁キャップBは、例えば、弁本体A内に挿入される向きに拘わらず、同じ機能を発揮するように構成することができる。これにより、弁キャップBを弁本体A内に配置するに際して、好適な向きで配置する必要はない。これは、明らかに弁1の組立工程を十分に単純化する。可能な一実施形態では、図示は省略するが、弁キャップは、弁本体のベースに平行でかつ弁キャップの中心点Oを通るX平面に対して対称に構成することができる。
弁キャップBは更に、圧力逃し圧力逃し開口4の側方に配置された第1のリブ2を備え、該第1のリブ2は、弁膜Cが圧力逃し動作中に片側だけ自由に持ち上がるとともに、弁膜Cの自由に持ち上がる部分が第1のリブ2と弁膜Cの固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さい一定の長さLを有するように、弁膜Cをシール台座11に固定する。第1のリブ2は弁キャップBに沿ってその周縁の2点間に延在していてよい。一定の長さLは弁膜の最大長さの少なくとも半分と等しくすることができる。好ましくは、デフォルト長さLは弁膜Cの最大長さの4/5とすることができる。
図1Aに示すように、第1のリブ2は膜Cを2つの部分に分け、そのうちの第1の部分は弁に適用される容器内の圧力下にあるガスの作用によって自由に持ち上がる部分であり、第2の部分は持ち上がらない部分である。第1の部分は、断面でみて長さLを有する。第1の部分は、膜Cの、弁が適用される容器内の圧力下のガスによって持ち上がる唯一の部分である。
弁キャップBは更に、圧力逃し動作中に弁膜Cの屈曲を制限するのに適した膨出要素3を備える。膨出要素3は弁膜Cが弁キャップBに完全にもたれかかるのを回避する。このようにして、弁膜の持ち上がり部分が弁からのガスの排出を妨げることは効率的に回避される。換言すると、膨出要素3は、弁が適用される容器からの圧力下のガスの作用によって、膜の自由に持ち上がる部分が完全に持ち上げられた場合においても、そのガスのための排出経路を形成する。膨出要素3は弁キャップBの直径方向のうちの1つに沿って配置された半球体または球体を備えていてよい。膨出要素3は有利には、弁キャップBの圧力逃し開口4の、第1のリブ2が形成された側とは反対側の側方に配置される。
弁キャップBの、弁1の外側を向く上面は、図1Aに示す実施形態において、弁本体Aの平坦な境界部の上面と同一平面上にある。したがって、弁1はフラットタイプである。
弁膜Cはシール台座11内で弁本体Aと弁キャップBとの間に配置されている。弁膜Cは可撓性の膜であり、好ましくはプラスチック製、例えばPET製である。弁膜Cは10ミクロンと100ミクロンの範囲内の厚みを有していてよい。好適には、弁膜Cは40ミクロンと60ミクロンの範囲内の厚みを有している。例えば、その厚みは50ミクロンとしてよい。
弁本体Aと弁膜Cとの間には、シリコンオイル等の粘性材料層5が介装可能である。この層は、弁の休止位置において、リブ2によって弁膜Cをシール台座11内に保つとともに、弁によって弁本体Aの1つ以上の孔6を密閉状態に閉鎖させるのに役立つ。特に、粘性材料層5は、圧力逃し動作中、シール台座11と膜Cの自由に持ち上がる部分との間の密封性を最適化させる。
本実施形態では、薄い弁膜Cは粘性層5によってだけではなく、弁キャップBの第1のリブ2によっても定位置に保持される。このようにして、動作フェーズの間、すなわち圧力逃しフェーズの間、空気が激しく流過する場合でも、弁膜Cがシート台座11から完全に外れる危険はない。実際には、膜はそのシート台座11を完全に離れることはなく、密封容器からのガスの押出しが止まると、閉まってシール台座に戻る。対照的に、従来既知の弁では、ゴム製の膜はその台座から完全に離れ得る。膜が一旦引き離されると、弁本体の孔が開放したままになるので、弁はその一方向機能を失う。
弁1の弁本体A及び/又は弁キャップBは有利には生分解性材料製であってもよい。特には、弁本体A及び/又は弁キャップBはオキソ生分解性材料製であってもよい。有利には、弁本体A及び弁キャップBの両方が生分解性材料製である。
本発明において使用可能な生分解性材料の例は、脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)及び比率の異なる脂肪族ポリエステルとポリ乳酸との混合物である。
弁膜Cは弁1の全重量の0.1%以下、例えば0.06%の重量を有することができる。その理由は、弁本体A及び弁キャップBが生分解性材料製である場合には、たとえ膜Cが非生分解性材料製、例えばPET製の場合においても、弁1は、完全に生分解可能であると考えることができるからである。
図1Cは図1Aに示した弁1を上から見たときの概略図であり、すなわち弁キャップBを示している。この図から、弁本体Aの、密封容器を弁1に密封するのに適している境界部10と、弁キャップBの中央開口4と、膜Cを弁本体A内側のシール台座内の所定位置に保持する第2のリブとが見てとれる。第1のリブ2は弁キャップBに沿ってその周縁の2点間に延在していてよい。
図示の実施形態に係る弁1は、円形の弁本体Aを有している。更に、弁キャップB用の台座も円形である。弁キャップB及び弁膜Cは円形である。特に、弁キャップBは、弁1を閉じるように弁本体Aの台座内に配置することができる。弁膜Cを台座11内に保持する第1のリブ2は、圧力逃し開口4を横切らないように弁キャップBの第の1弦に沿って形成されている。第1のリブ2は、第1の弦の全長に沿って延在する。
図1Dは、弁本体のベース13を示すように置かれた弁1の立体視を示す概略図である。この図において、フィルタ要素7を見ることができ、弁本体のベース13上であってフィルタ要素7の下側には孔6が点線で示されている。図1Eは弁キャップを示すように置かれた弁1の立体視を示す概略図である。このイメージにおいて、弁本体Aの境界部10、弁キャップBの圧力逃し開口4、及び第1のリブ2を見てとれる。
図2Aから2Eは、図1Aから1Eにそれぞれ対応し、既に示した図に従う圧力逃し一方向弁を示している。図1Aから1Dに示した弁と図2Aから2Eに示したものとの違いは、図2Aから2Eに示す弁1は、弁キャップBが第2のリブ8を更に備えることを含む。図2Bは、焙煎コーヒーを収容する密封容器に適用された図2Aに示す圧力逃し弁を示している。食品用の密封包装体のフィルムF、弁キャップの圧力逃し開口に対応する箇所を貫通するのに適したニードルP、及びコーヒー豆が示されている。
第2のリブ8は、弁キャップBの、圧力逃し開口4に対して第1のリブ2と同じ側に配置されている。特に、第2のリブ8は第1のリブ2と、弁キャップBの圧力逃し開口4の、第1のリブ2に平行な接線との間に配置されている。第2のリブ8は更に、弁膜Cをシール台座11内でブロックされた状態に保持する。このようにして、圧力逃し動作の最中、弁膜Cは、上記距離Lよりも小さい距離L’であって第2のリブ8と弁膜の非固定端12との間の距離だけ片側だけ持ち上がることができる。また、圧力逃し動作の最中、膜の当該持ち上がる部分は屈曲し、第2のリブ8を中心に回転(揺動)する。第2のリブ8は、周縁部の2点間で第1のリブ2に平行にかつ圧力逃し開口4により近い位置で、弁キャップCに沿って延在していてよい。
図2Aに示すように、第1のリブ2及び第2のリブ8は膜Cを3つに分け、そのうちの第1の部分は弁が適用される容器内の圧力下にあるガスの作用によって自由に持ち上がる部分であり、第2の部分は2つのリブ2及び8間の部分であり、そして第3の部分である。第2及び第3の部分は持ち上がらない。第1の部分は断面視で長さL’を有する。長さL’は、少なくとも弁膜の最大長さの半分と等しくすることができる。好適には、所定の長さL’は弁膜Cの最大長さの2/3とすることができる。第1の部分は、弁膜Cの、弁が適用される容器内の圧力下にあるガスの作用で持ち上がる唯一の部分である。
図2Cに示す実施形態に係る弁1は、円形の弁本体Aを有する。更に、弁キャップBのためのハウジングも円形である。弁キャップB及び弁膜Cは円形である。特に、弁キャップBは弁本体A内のハウジング内に弁1を閉じるように配置することができる。第1のリブ2は弁キャップBの第1の弦に沿って形成され、第2のリブ8は、第1のリブ2が形成された当該第1の弦に平行な、弁キャップBの第2の弦に沿って、圧力逃し開口4により近い位置に形成されている。第2のリブ2は第2の弦の全長に沿って延在している。第2のリブは連続した線状でも不連続な線状でもよく、例えば、第2のリブは空間によって分断された2つ又はそれ以上の一連の部分によって形成された線(ライン)とすることができる。
第2のリブ8を設けたことによる利点は、第1のリブ2に関して既に記載したものであり、したがって、圧力逃し弁の一方向機能を確保するということの保証に関する。加えて、本実施形態では、膜Cの、圧力逃し動作時に持ち上がる部分の長さL’は長さLよりも小さいため、図1Aから1Eに示された圧力逃し弁1よりも、密封容器内側の圧力逃し弁1の開放圧力リミットを高くすることができる。特に、必要に応じて、弁は、必要とされる開放圧力リミットに従い弁膜Cが異なる長さL’で側方に持ち上がるように配置された第2のリブ8を有するよう構成することができる。
また、本実施形態において弁キャップBは、図1Fを参照して先に述べたように、弁本体A内に嵌入されている。
図3A及び3Bは、本発明の更なる実施形態に従う圧力逃し一方向弁を概略的に示している。
図3A及び3Bは図1A及び1Bにそれぞれ対応し、既に示した同一の先見性に従う圧力逃し一方向弁を示している。図1A及び1Bに示す弁と図3A及び3Bに示す弁との違いは、図3A及び3Bに示す弁1が弁キャップBの上面よりも高い境界部10を有する弁本体Aを備えることである。特に、図3Aの断面図では、弁本体Aの境界部10が弁キャップBの、弁の外側を向く上面に対して上方位置に配置されていることが見てとれる。図4A及び4Bは図2A及び2Bにそれぞれ対応し、既に示した同一の先見性に従う圧力逃し一方向弁を示している。図2A及び2Bに示す弁と図4A及び4Bに示す弁との違いは、図4A及び4Bに示す弁1が弁キャップBの上面よりも高い境界部10を有する弁本体を備えることを含み、特に、図4Aの断面図では、弁本体Aの境界部10が弁キャップBの、弁の外側を向く上面に対して上方位置に配置されていることが見てとれる。
本発明に従うと、弁本体Aと、弁キャップBと、弁膜Cとを備え、弁本体Aは、弁膜Cのためのシール台座11及び弁1を通じてガスを流過させるに適した1つ以上の孔6を有するベースを備え、弁キャップBは弁本体A内に配置されるとともに圧力逃し開口4を有し、弁膜Cは可撓性でありかつ弁本体Aと弁キャップBとの間でシール台座11内に配置されている圧力逃し一方向弁を製造する方法が提供される。
特に、本発明に従う一方向弁1の製造方法は、以下のステップ、すなわち、弁膜Cが圧力逃し動作中に片側だけ自由に持ち上がるとともに、弁膜Cのその自由に持ち上がる部分が第1のリブ2と弁膜Cの非固定端との間の距離と等しいかそれよりも小さい長さLを有するように、シール台座11内で弁膜Cをブロックする第1のリブ2を、弁キャップBの、圧力逃し開口4の側方に形成することを含む。本発明に従うと、弁本体A及び/又は弁キャップBは射出成形することができる。
本発明の更なる実施形態に従うと、一方向弁の製造方法は更に、以下のステップ、すなわち、弁膜Cの、圧力逃し動作中に自由に持ち上がる部分が第1のリブ2と弁膜Cの非固定端12との間の距離Lよりも小さい一定の距離L’を有するように、圧力逃し開口4に対して第1のリブ2が配置された側と同一側に配置された第2のリブ8を弁キャップBに形成することを含む。
この場合においても、弁本体A及び/又は弁キャップBは有利には射出成形することができる。
本発明の更に有利な実施形態に従うと、弁膜Cはフィルムからなり、単一の操作で切断されるとともに弁本体A内のシール台座11内に挿入される。特に、フィルムからの弁膜Cの切断及びそれの弁本体Aのシール台座への配置は、本発明の一実施形態に従う一方向弁の製造方法の単一のステップで行われる。
これを図5に概略的に示す。弁膜Cと同一の材料からなるフィルム17は、繰り出しボビン16から巻き取りボビン18に移される。フィルムの滑動は1つ以上のガイド21,22、例えばガイドローラによって補助することができる。ボビン16,18間には1つ以上のカッターを配置することができる。図示の実施形態では、2つのカッター19,20が示されるが、カッターの数はこれに限定されない。弁本体Aは1つのカッター19に対応して配置され、カッターはフィルム17から弁膜Cをカットするだけはなく、当該カットされた弁膜Cを弁本体Aのシール台座11の内側に直接押し入れる。実際には、各カッター19,20は、切断と弁本体のシール台座への弁膜の配置とを同時に行うよう構成されている。例えば、図5に示す装置において、カッター19は下降することでフィルム17から弁膜Cをカットし、続いて下方に移動して新たにカットした膜Cを弁本体Aのシール台座11内に押し入れる。
このようして得られる弁1は、図5に示すように台座内に配置される弁膜Cの製造コストを、製造場所から組立て場所まで移送しなければならないゴム製の弁膜に比べて低くすることができることから、製造コストが大幅に低減されている。
なお、上述の実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者には、上述した教示に基づき、特許請求の範囲の記載内でかつ本発明の目的及び保護の範囲から逸脱することなく、本発明に種々の修正、変更及び改変をなし得ることは明らかである。
例えば、図示例では圧力逃し一方向弁が円形であったとしても、それとは異なる形状、例えば四角形や六角形のような多角形とすることができることは明らかである。
更に、本発明に従う弁は、異なる寸法及び厚みを有していてもよい。例えば、本発明の一実施形態に従うと、弁は約2cmの直径と0.4cmの厚みを有することができるが、これらの数値に関し異なる寸法範囲とすることができる。
加えて、本発明を不当に曖昧にするのを避けるため、当業者に既知であると考えられる態様は説明しない。したがって、本発明は上述の実施形態によって何ら制限を受けず、特許請求の範囲の保護範囲によってのみ制限される。
1:圧力逃し弁
A:弁本体
B:弁キャップ
C:弁膜
O:弁キャップの中心
L,L’:弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さ
2:弁キャップの第1のリブ
3:膨出要素
4:弁キャップの圧力逃し開口
5:シリコンオイル層
6:弁本体の貫通孔
7:フィルタ要素
8:弁キャップの第2のリブ
10:弁本体の平坦な縁部(リム)
11:弁膜のシール台座
12:弁膜の非固定端
13:弁本体のベース
14:弁本体の凹部
15:弁キャップの凸部
16:繰り出しボビン
17:弁膜が得られるフィルム
18:巻き取りボビン
19,20:カッター
21,22:ガイド
A:弁本体
B:弁キャップ
C:弁膜
O:弁キャップの中心
L,L’:弁膜の、自由に持ち上がる部分の長さ
2:弁キャップの第1のリブ
3:膨出要素
4:弁キャップの圧力逃し開口
5:シリコンオイル層
6:弁本体の貫通孔
7:フィルタ要素
8:弁キャップの第2のリブ
10:弁本体の平坦な縁部(リム)
11:弁膜のシール台座
12:弁膜の非固定端
13:弁本体のベース
14:弁本体の凹部
15:弁キャップの凸部
16:繰り出しボビン
17:弁膜が得られるフィルム
18:巻き取りボビン
19,20:カッター
21,22:ガイド
Claims (20)
- 弁本体(A)と、
弁キャップ(B)と、
弁膜(C)と、を備え、
前記弁本体(A)は、前記弁膜Cのためのシール台座(11)及び弁(1)を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔(6)を有するベース(13)を備え、
前記弁キャップ(B)は、前記弁本体(A)内に収納されるとともに圧力逃し開口(4)を備え、
前記弁膜(C)は、可撓性でありかつ前記シール台座(11)内で前記弁本体(A)と前記弁キャップ(B)との間に配置されている、密封包装体用の圧力逃し一方向弁(1)であって、
前記弁キャップ(B)は、前記圧力逃し開口(4)の側方に配置された第1のリブ(2)であって、
圧力逃し動作中に、前記弁膜(C)が片側だけ持ち上がるとともに、前記弁膜(C)の、自由に持ち上がる部分の長さ(L,L’)が前記第1のリブ(2)と前記弁膜(C)の非固定端(12)との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、前記弁膜(C)を前記シール台座(11)内に保持する第1のリブ(2)を備えることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。 - 請求項1に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁キャップ(B)は、弁キャップ(B)の、前記圧力逃し開口(4)に対して前記第1のリブ(2)と同じ側に配置された第2のリブ(8)であって、圧力逃し動作中、前記弁膜(C)の自由に持ち上がる部分を、前記第1のリブ(2)と前記弁膜(C)の前記非固定端(12)との間の前記距離よりも小さい所定の長さ(L’)とする第2のリブ(8)を備えることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1又は2に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記長さ(L,L’)は、前記弁膜(C)の最大幅の少なくとも半分の長さ、好ましくは、前記弁膜(C)の最大幅の少なくとも2/3又は3/4の長さを有することを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から3までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記圧力逃し開口(4)は前記弁キャップ(B)の中央に位置することを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から4までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁膜(C)は10ミクロンから100ミクロンまでの範囲内、好ましくは40ミクロンから60ミクロンまでの範囲内、好ましくは50ミクロンの厚みを有することを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から5までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁キャップ(B)は、圧力逃し動作中に前記弁膜(C)の屈曲を制限するのに適した膨出要素(3)を更に備えることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から6までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁キャップ(B)の上面は、前記弁本体(A)の上面と同一平面上にあることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から6までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁キャップ(B)の上面は、前記弁本体(A)の上面に対して低い位置にあることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から8までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁キャップ(B)は、前記弁本体(A)内への選好的な配向に従って予配向する必要がないよう、前記弁本体(A)の前記ベース(13)に対して平行でありかつ前記弁キャップ(B)の中心(O)を通る平面(X)に対して対称であることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から9までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記シール台座(11)は、前記弁膜(C)の密封性を高めるよう、シリコンオイル等の粘性層(5)によって覆われていることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から10までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁本体(A)の前記1つ以上の孔(6)を流れるガスを濾過するのに適したフィルタ要素(7)を更に備えることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項11に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記フィルタ要素(7)は、SMASH(登録商標)等のポリエステル不織布を有することを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項11又は12に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記フィルタ要素(7)は液不透過性であることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から13までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁本体(A)及び/又は弁膜(C)は、オキソ生分解性材料等の生分解性材料製であることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から14までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁膜(C)はPET等の非生分解性材料製であることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 請求項1から15までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)であって、前記弁膜(C)の重量は、前記弁(1)の総重量の0.1%以下、例えば0.06%であることを特徴とする圧力逃し一方向弁(1)。
- 密封容器、好ましくは食品用の密封容器であって、請求項1から16までの何れか一項に記載の圧力逃し一方向弁(1)を備えることを特徴とする密封容器。
- 弁本体(A)と、
弁キャップ(B)と、
弁膜(C)と、を備え、
前記弁本体(A)は、前記弁膜Cのためのシール台座(11)及び弁(1)を通じてガスを流過させるのに適した1つ以上の孔(6)を有するベース(13)を備え、
前記弁キャップ(B)は、前記弁本体(A)内に収納されるとともに圧力逃し開口(4)を備え、
前記弁膜(C)は、可撓性でありかつ前記シール台座(11)内で前記弁本体(A)と前記弁キャップ(B)との間に配置されている、密封包装体用の圧力逃し一方向弁(1)を製造する方法であって、
前記圧力逃し開口(4)の側方に、第1のリブ(2)であって、圧力逃し動作中に、前記弁膜(C)が片側だけ持ち上がるとともに、前記弁膜(C)の、自由に持ち上がる部分の長さ(L,L’)が前記第1のリブ(2)と前記弁膜(C)の非固定端(12)との間の距離と等しいかそれよりも小さくなるように、前記弁膜(C)を前記シール台座(11)内に保持する第1のリブ(2)を形成することを含むことを特徴とする圧力逃し一方向弁の製造方法。 - 請求項18に記載の圧力逃し一方向弁の製造方法であって、前記弁キャップ(B)の、前記圧力逃し開口(4)に対して前記第1のリブ(2)と同じ側に、圧力逃し動作中、前記弁膜(C)の自由に持ち上がる部分を、前記第1のリブ(2)と前記弁膜(C)の前記非固定端(12)との間の前記距離よりも小さい所定の長さ(L’)とする第2のリブ(8)を形成することを含むことを特徴とする圧力逃し一方向弁の製造方法。
- 請求項18又は19に記載の圧力逃し一方向弁の製造方法であって、単一の工程において、テープから前記弁膜(C)をカットするとともに前記弁本体(A)の前記シール台座(11)内に配置することを特徴とする圧力逃し一方向弁の製造方法。
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PCT/IB2014/065117 WO2015052650A1 (en) | 2013-10-07 | 2014-10-07 | Pressure relief one-way valve, hermetic container and method to manufacture a pressure relief one-way valve |
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