JP2016527003A - 遊動せずかつ柔軟な組織を保護する特徴を有する幾何学的形態の外科手術用バー - Google Patents

遊動せずかつ柔軟な組織を保護する特徴を有する幾何学的形態の外科手術用バー Download PDF

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Abstract

外科手術用バー120は、本体176と、ドリル先端部194とを備えている。該本体は、縦溝180と、ランド部178とを含む。縦溝は夫々、切刃部186と、掬い面184と、クリアランスも面188とを含む。ランド部は夫々、凸型形状をしており、かつ一対の縦溝の間に配設されている。該ドリル先端部は、軸方向逃げ面198含む。該軸方向逃げ面は夫々、平面状領域を有し、iランド部と相違し、かつ切刃部の1つの末端部分と、iiランド部の1つと、iii隙間面の1つと境を接している。

Description

[0001] 本発明は、骨を切削し又は整形するための外科手術用システム、より特定的には、外科手術用バー(surgical burs)に関する。
[0002] この章は、必ずしも先行技術ではない、本発明に関係した背景情報を提供するものである。
[0003] 外科手術用バーは、外科手術を行う間、骨を効率よく切開し、切削しかつ/または整形するため、鋭利でかつ耐久性のある切刃部を必要とする。人間の人体器官は、神経及び血管のような傷付き易くかつ柔軟な組織構造を保護のため、骨の近くに位置する傾向がある。これらの構造は、硬膜を含むことがある。硬膜(またはdura)は、患者の脳及び脊柱を取り囲む、保護のための柔軟な組織の最外側層を意味する。脳及び脊柱の手術の間、バーの末端が硬膜と接触する可能性がある。「末端」という語は、回転するバーを有する外科手術用ツールを保持する医療従事者から最も遠い部分を意味する。「基端」という語は、医療従事者に向けてかつ患者から遠い部分を意味する。
[0004] 硬膜の損傷は、(例えば、髄膜)の感染症の恐れを増しかつ/または外科手術合併症(例えば、脳の膨張)を招来する可能性がある。このため、硬膜の無傷を保つため、骨を切開することを目的とする、外科手術用バーは、高度の制御性(震動及びガタ付き音が最小)を有しかつ柔軟な組織を切開する傾向のない幾何学的形態のものであることが望ましい。
[0005] この章は、本発明の全体的な概要を提供するものであり、その特徴の全範囲又は全てを包括的に開示するものではない。
[0006] 外科手術用バーが提供され、また、該外科手術用バーは、本体と、ドリル先端部とを含む。該本体は、縦溝(flutes)と、ランド部(lands)とを含む。該縦溝は夫々、切刃部(cutting edge)と、掬い面(rake face)と、隙間面(clearance surface)とを含む。ランド部は夫々、凸型形状であり、1対の縦溝の間に配設されている。ドリル先端部は、軸方向逃げ面(axial relief surface)を含む。軸方向逃げ面は夫々、平面状領域を有し、ランド部と相違し、(i)切刃部の1つの末端部分と、(ii)ランド部の1つと、(iii)隙間面の1つと境を接している。
[0007] その他の特徴において、外科手術用バーが提供され、該外科手術用バーは、本体と、ドリル先端部とを含む。該本体は、縦溝と、ランド部とを含む。縦溝は夫々、切刃部と、隙間面とを含む。ランド部は夫々、1対の縦溝の間に配設されている。該ドリル先端部は、軸方向逃げ面を含む。軸方向逃げ面は夫々、ランド部と相違し、かつ(i)切刃部の1つの末端部分と、(ii)ランド部の1つと、(iii)隙間面の1つと境を接している。軸方向逃げ面の少なくとも1つの軸方向逃げ角は、所定の範囲内にある。
[0008] その他の特徴において、外科手術用バーが提供され、該外科手術用バーは、本体と、ドリル先端部とを含む。該本体は、縦溝と、ランド部とを含む。縦溝は夫々、切刃部と、隙間面とを含む。ランド部は夫々、1対の縦溝の間に配設されている。該ドリル先端部は、軸方向逃げ面を含む。軸方向逃げ面は夫々、ランド部と相違し、かつ(i)切刃部の1つの末端部分と、(ii)ランド部の1つと、(iii)隙間面の1つと境を接している。ドリル先端部は、所定の角度よりも大きいドリル先端角を有している。
[0009] 更なる適用分野は、本明細書に記載した説明から明らかになるであろう。この概要における説明及び特定の例は、説明のためだけに記載したものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[0010] 本明細書にて説明する図面は、選択した実施の形態を説明する目的のためにのみ図示したものであり、必ずしも全ての実施形態を示すものではなく、また、本発明の範囲を限定することを意図するものでもない。
ドリル先端角を示す3つのドリルビットの斜視図である。 切開ツールの側面図である。 図2の切開ツールの端面図である。 バーを含み、本発明の1つの実施の形態に従って患者にて使用されている外科手術用切開カッタ組立体の斜視図である 図4の外科手術用切開カッタ組立体の斜視図である。 本発明の1つの実施の形態に従った掬い角及び逃げ角を示す外科手術用バーの一部分の斜視図である。 本発明の1つの実施の形態に従った外科手術用バーを含む、切開ツールの斜視図である。 図7の切開ツールの側面図である。 外科手術用バーの多数の切刃部の1つの末端部分に直交する図7の外科手術用バーの側面図である。 図7の切開ツールの別の側面図である。 図7の外科手術用バーの末端図である。 本発明の別の実施の形態に従った外科手術用バーを有する別の切開ツールの斜視図である。 図12の切開ツールの末端図である。 ドリル先端角度を示す、図12の外科手術用バーの側面図である。
[0025] 相応する参照番号は、図面の幾つかの図の全体を通じて相応する部品を示す。
[0026] 金属、木及びプラスチックのような、天然の/または技術加工した材料用のドリルビットは、改良された切削効率、安定性及び送り速度が得られ、かつ機械加工する間、熱エネルギーの蓄積が最小であるようなドリル先端部の幾何学的形態を有している。全体として、柔軟な材料を機械加工するためのドリル先端角は、より硬い材料を機械加工するものよりも鋭角である。
実施の形態の説明
[0027] 図1には、3つのドリルビット10、12、14及び相応するドリル先端角16、18、20の側面図が示されている。ドリル先端角とは、ドリルビットの先端(例えば、先端26)の先端切刃部(例えば、先端切刃部22、24)の間の角度を意味する。先端切刃部は、(i)先端の中心(例えば、中心28)及び(ii)ドリルビットの鑿切刃部(例えば、鑿切刃部30)のそれぞれの端部から半径方向に伸びている。
[0028] ドリルビット10、12、14は、異なる硬さ特徴を有する材料を加工し得る形状とされている。第一のドリルビット10のドリル先端角16は、例えば、118度とすることができ、また、第一の硬さを有する材料に使用される。第一のドリルビット10は、先端切刃部22、24を有している。第二のドリルビット12のドリル先端角18は、例えば、135度とすることができ、また、第二の硬さを有する材料に使用される。第二の硬さは、第一の硬さを上回るものとする。第二のドリルビット12は、先端切刃部32、34を有している。第三のドリルビット14のドリル先端角20は、例えば、90度とすることができ、また、第三の硬さを有する材料に使用される。第三の硬さは、第二の硬さ及び第二の硬さより小さいものとする。第三のドリルビット14は、先端切刃部36、38を有している。
[0029] ドリルビット10、12、14は、それぞれの先端26、39、40を有している。該先端26、39、40は夫々、それぞれの切刃部22、24、32、34、36、38から伸びる逃げ面を有している。逃げ面は、相違する面であるが、逃げ面は、数字符号41にて識別されている。逃げ面41は、凸型形状をしている。
[0030] ドリルビット10、12、14は夫々、らせん状の形状の2つのランド部と、2つの縦溝とを有している。ランド部は、相違する面であるが、ランド部は、数字符号40により識別されている。縦溝は、互いに相違するが、縦溝は、数字符号42により識別されている。ランド部40は、凸型形状ではない。縦溝42は夫々、1対のランド部40の間に配置されており、また、縦溝に沿ってかつ縦溝内にて相応するチップ空間43を有している。ランド部40は、相応する長手方向軸線の回りにてそれぞれ180度の位置にある(長手方向軸線は、数字符号44により識別されている)。縦溝42もまた、相応する長手方向軸線の回りにてそれぞれ180度の位置にある。
[0031] 図2−3には、外科手術用バー52を含む、従来の切開ツール50の側面図及び末端図が示されている。該外科手術用バー52は、カム形状の3つのランド部54と、3つの縦溝56とを含む。縦溝56は夫々、1対のランド部54の間に配置され、また、相応するチップ空間57を有している。ランド部54は、外科手術用バー52の長手方向軸線58の回りにて等間隔に隔てられている。該長手方向軸線58は、図2にて点60で示されている。ランド部54の末端部分62は、凸型形状をした軸方向逃げ面63と称する。該軸方向逃げ面62は、ランド部54と相違しないが、それは、ランド部54及び軸方向逃げ面62は共に、凸型形状をしている(すなわち同一型式の面を有する)こと、軸方向逃げ面62は、軸方向逃げ面62とランド部54との間の遷移面又は境界無しにてランド部と連続的であることのためである。
[0032] 縦溝56は、また、長手方向軸線58の回りにて等間隔に隔てられている。縦溝56は夫々、切刃部66と、隙間面68とを有する掬い面64を備えている。隙間面68は夫々、末端部分(または面)と、基端部分(または面)とを含む。隙間面68の末端部分は、数字符号70にて識別されている。隙間面68の基端部分は、数字符号72にて識別されている。
[0033] 図1のドリルビット10、12、14及び図2−3の外科手術用バー52の幾何学的形態は、関連する不利益な点がある。ドリルビット10、12、14は、相応するドリル先端角のため、切削効果及び安定性を提供するが、ドリルビット10、12、14の幾何学的形態は、特定の手術法の外科手術の用途には不適当であろう。その理由は、ドリルビットは、硬膜を切削する可能性があり、また、整形の目的のためには使用し難しいからである。ドリルビット10、12、14の先端26、39、40は、硬膜を切削する可能性を増すであろう接触面積が最小である。外科手術用バー52は、丸型であり、また、ドリルビット10、12、14よりも硬膜を切削する傾向は少ないが、外科手術用バー52は、該外科手術用バー52の末端又は先端74の幾何学的形態のため遊動する傾向が増す。該外科手術用バー52は、摩擦を軽減するためにはより多くの洗浄を必要とするより大きい接触面積を有し、また、下層の柔軟な組織構造に付与されるであろう付随的な捩りせん断力を有する。少なくとも3つの理由のため、丸型の先端と、特定の掬い面と、軸方向逃げ角及びドリル先端角とを含む、幾何学的形態を有する外科手術用バー(またはドリルツール)を構成し、外科手術用バーが柔軟な組織及び/または硬膜と係合しないようにすることが望ましい。
[0034] 以下の説明は、回転可能な外科手術用バー(以下に、外科手術用バーとして説明)を開示する。該外科手術用バーは、硬膜を切削する傾向は少なく、外科手術用バーの幾何学的形態のため、従来のバーと比較して、より効果的に切削する傾向が大きい。該外科手術用バーは、傷付き易い人体器官内に遊動する傾向も少ない。該外科手術用バーは、外科手術用バーが、十分な洗浄により、硬膜と係合しかつ/または硬膜を引き裂くことなく、硬膜上を摺動することを許容する末端の幾何学的形態の先端を備えている。該末端の幾何学的形態は、平面状の形状及び大きい表面積を有する軸方向逃げ面と、所定の範囲のドリル先端角と、所定の範囲の軸方向逃げ面とを含む。末端の幾何学的形態は、最大の切削性能及び安定性の性能と、硬膜との係合傾向が最小となるように設定される。滑動する特性は、硬膜の柔軟で可撓性の性質のため、及び軸方向逃げ面の表面積、形状、及び角度が釣り合っているため、骨に対向する硬膜上にて生ずる。該外科手術用バーは、付近の人体器官内に遊動することなく、外科手術用バーが配置される個所である骨内に切り込む傾向が増大する。
[0035] 本明細書にて開示した外科手術用バーは、例えば、骨を切削しかつ整形するため使用することができるが、該外科手術用バーは、その他の切開、切削及び/又は整形目的のために使用することができる。開示した機器は、傷付き易い人体器官、特に、硬膜を傷付ける危険性を最小にするバーの形態を含む。該外科手術用バーは、外科医が硬膜の頂部に時々接触することを含む、手術方法(例えば、脳切開術)を実施することを許容する構造とされている。該外科手術用バーは、外科医が骨に穴を形成しかつ/または硬膜を引き裂くことなく、骨に側方向通路を形成することを許容する。
[0036] 一例としての実施の形態について、添付図面を参照しつつ、より詳細に説明する。以下の説明は、単に、性質上、例示であり、本発明、適用例又は用途を限定することを意図するものではない。図面の全体を通じて、相応する参照番号は、同様の又は相応する部品及び特徴を示すものであることを理解すべきである。
[0037] 図4には、患者102にて使用されている、回転型の外科手術用バーを含む外科手術用切開カッタ組立体100が図示されている。患者に対し神経手術法が行われている。脳又はその他の神経構造体へのアクセスは、骨及びその他の組織を慎重に切開することを必要とすることが多い。図4は、例示の目的のためにのみ提供したものであり、本明細書にて開示した外科手術用バーは、異なるツール及び/またはカッタ組立体にて使用することができ、また、その他の術及び/または手術にて使用することができる。該切開カッタ組立体100は、切開ツールドライバー104を含み、該ドライバーは、外科手術用アクセス部位106にて患者102の骨及び隣接する組織の一部分を切開するため利用される。
[0038] 図5は、外科手術用カッタ組立体100の斜視図である。該切開ツールドライバー104は、ホース又はケーブル組立体と接続されたモータハウジング108の斜視図である。該ホース組立体110は、モータハウジング108に対する外部電力を供給しかつ該モータハウジングを制御する。該切開ツールドライバー104は、切開ツール118と接続する装着ハウジング112を更に備えている。切開ツール118の末端は、外科手術用バー120を含む。切開ツール118の例は、図6−13に関して図示しかつ説明する。
[0039] 図6は、外科手術用バーの一部分130の斜視図である。該部分130は、切刃部134を有する掬い面132と、逃げ面136とを含む。該切刃部134は、外科手術用バーの末端にありかつ軸方向逃げ面136に隣接する位置にあるようにすることができる。掬い面132の掬い角138は、(i)掬い面132の上の線(または平面)及び切刃部134に対して垂直な線(または平面)と(ii)外科手術用バーが切り込む骨145の面144に対して垂直に伸びると共に、切削方向に伸びる線(または平面)142と、及び/または線142に対して垂直な線(または平面)146との間とすることができる。軸方向逃げ角148は、(i)軸方向逃げ面136上の線(または平面)150及び切刃部134に対して垂直な平面と、(ii)線146との間にあるようにすることができる。
[0040] 以下の外科手術用バーは、特定数の縦溝、ランド部、軸方向逃げ面、隙間面等を有するものとして図示されているが、該外科手術用バーは、これらの部分の数を異なるものとしてもよい。
[0041] 図7は、切開ツール170の斜視図である。該切開ツール170は、軸172と、外科手術用バー174とを含む。該外科手術用バー174は本体176を含む。該本体176は、カム形状の3つのランド部178と、3つの縦溝180とを有する。縦溝180は夫々、1対のランド部178の間に配置されており、また、相応するチップ空間181を有している。ランド部178は、凸型形状であり、かつ/または丸型であり、また、切開ツール170、軸172、及び/または外科手術用バーの長手方向軸線182の回りにてそれぞれ120度の位置にあるようにすることができる。縦溝180は、長手方向軸線182の回りにてそれぞれ120度の位置にあるようにしてもよい。縦溝180は夫々、切刃部186と、隙間面188とを有する掬い面184を備えている。隙間面188は夫々、末端部分(または面)190と、基端部分(または面)192とを含む。
[0042] 該外科手術用バー174は、外科手術用バー174の末端におけるドリル先端部194を含む。該ドリル先端部194は、中心点196と、3つの軸方向逃げ面198とを含むことができる。長手方向軸線182は、中心点196を貫通する。軸方向逃げ面198は、縦溝180の端部にあり、かつランド部178と相違している。軸方向逃げ面198は、ランド部178と相違しており、それは、軸方向逃げ面198は、ランド部と異なる型式の面であること(例えば、ランド部178は、凸型形状とし、また、軸方向逃がし面198は、平面状の形状とすることができる)、軸方向逃げ面198とランド部178との間には遷移面(または境界)があること、かつ/または軸方向逃げ面198は、ランド部に対して非遷移面(または連続面)を提供することのためである。
[0043] 軸方向逃げ面198は夫々、(i)切刃部186の1つのそれぞれの末端部分200と、(ii)ランド部178の1つの末端部分202と、(iii)隙間面188の1つの末端部分190の1つと境を接している。軸方向逃げ面198は、図示するように、平坦(または平面状)面とすることができる。軸方向逃げ面198は夫々、2つの名目的に直角の端縁(名目的に直角の端縁の2つは、数字符号204にて識別されている)と、湾曲した端縁(湾曲したその端縁の1つは、数字符号により識別されている)とを有する三角形状をしている。軸方向逃げ面198の湾曲した端縁206は、それぞれランド部178と境を接している。
[0044] 図8には、外科手術用ツール174を含む切開ツール170の別の側面図が図示されている。該外科手術用バー174は、切刃部186を含む。該切刃部186は、長手方向軸線182に対して右巻きへリックス、直角又は左巻きへリックスを提供することができる。該切刃部186は、右巻きへリックスを提供するものとして図示されている。側部から見たとき、また、図示するように、右巻きへリックスの形態の切刃部186は、全体として、ドリル先端部194の上方から下方にかつ該ドリル先端部に向けて長手方向軸線182に沿って伸びている。側部から見たとき、直角の形態の切刃部186は、ドリル先端部194に向けて、かつ長手方向軸線182に対して平行に伸びている。側部から見たとき、左巻きへリックスの形態の切刃部186は、全体として、ドリル先端部194の上方から下方までかつ該ドリル先端部に向けて長手方向軸線182に沿って伸びている。
[0045] 外科手術用バー174は、また、末端面190を有する隙間面188も含む。該末端面190は、相応するギャッシュ(gash angle)角(1つのギャッシュ角210が図示されている)を有している。ギャッシュ角は夫々、(i)末端面190の1つに対して平行にかつ中心点196及び/または長手方向軸線182から離れる方向に伸びる線(または平面)と、(ii)長手方向軸線182に対して垂直に伸びる線(または平面)との間の角度を意味する。
[0046] 図9には、切刃部18の1つの末端部分200に直交する外科手術用バー174の別の側面図が図示されている。該外科手術用バー174は、軸方向逃げ面198(その1つが図9に図示されている。)と、掬い面184(その1つが図9に図示されている。)とを含み、相応する切刃部186がその間にある。
[0047] 軸方向逃げ面198は夫々、相応する軸方向逃げ角(1つの軸方向逃げ角220が図示されている。)と、軸方向掬い角(1つの軸方向掬い角221が図示されている)とを有している。軸方向逃げ角220は夫々、(i)軸方向逃げ面の上でかつ切刃部186の1つの末端部分200に対して垂直と計測測定された第一の線(または平面224)と、(ii)長手方向軸線182に対して垂直な第二の第の線(または平面)226との間にて測定することができる。第二の平面226は、また、切削される対物の表面(例えば、骨の表面)を横断して伸びるようにしてもよい。軸方向掬い角は夫々、(i)掬い面184の1つの上にありかつ切刃部186の1つの末端部分200に対して垂直と計測された第三の線(または平面)230と、(ii)長手方向軸線182に沿って、該長手方向軸線を貫通してかつ/または該長手方向軸線に対して平行に伸びる第四の線(または平面)との間の角度を意味する。
[0048] 軸方向逃がし面198の相応する1つに沿った、切刃部186の末端部分222は夫々、相応する軸方向逃げ面角と、ドリル先端角と、剰余角(reminder angle)とを有している。該軸方向逃げ面角(例えば、軸方向逃げ面角220)は、(i)軸方向逃げ面198の1つに沿ってかつ該1つの面に対して平行に、かつ長手方向軸線182及び/または切刃部分186の1つの末端部分222から離れる方向に伸びる線(または平面)224と、(ii)長手方向軸線182に対して垂直に伸びかつ中心点196を通る線(または平面)226との間の角度を意味する。
[0049] 剰余角(例えば、剰余角218)は、(i)掬い面184の1つの上にありかつ切刃部186の1つの末端部分200に対して垂直と計測された線(または平面)230と、(ii)長手方向軸線182に沿って、かつ該長手方向軸線の1つに対して平行に伸び、長手方向軸線182及び/または切刃部分186の1つの末端部分222から離れる方向に伸びる線(または平面)224との間の角度を意味する。剰余角218は、図7及び図9に図示されている。該剰余角218は、鋭角、直角、又は鈍角とすることができる。1つの実施例において、剰余角218は鈍角である。
[0050] ドリル先端角は、図10に関して説明し、該ドリル先端角の一例は、図14に図示されている。図10には、外科手術用バー174を含む切開ツール170の側面図が図示されている。多数の技術を使用して、ドリル先端角を決定することができる。ドリル先端角DP(図9に図示せず)は、180度−鋭度(AA)の2倍とする(すなわち、DP=180度−2AA)。鋭角AAは、(i)長手方向軸線に対して垂直に伸び且つかつ中心点196に対して正接する線(または平面)240と、(ii)切刃部186の1つの末端部分222に対して平行に伸びる線(または平面)242との間の角度を意味する。外科手術用バーが2つの縦溝及び/または対向した切刃部とを有し、末端部分が180度隔てられかつ中心点から離れる方向に伸びる場合、外科手術用バーの相応するドリル先端角は、切刃部の末端部分の間の角度を意味する。2つの縦溝を有する一例としての外科手術用バーが図12−13に図示されている。
[0051] 図11には、外科手術用バー174の末端図が示されている。該外科手術用バー174は、掬い面184を含む。掬い面184は夫々、相応する半径方向掬い角250を有している。半径方向掬い角250とは、(i)掬い面に対して平行な線(または平面)252と、(ii)切刃部186及び長手方向軸線を通る線(または平面)254との間の角度を意味する。掬い面184の半径方向掬い角250は、長手方向軸線182(先の図7−9に図示)に対する左巻きへリックス、直角状又は右巻きへリックスと関係付けることができる。外科手術用バー174の掬い面184は、図示したように、右巻きへリックスを提供する。
[0052] 図12及び図13には、外科手術用バー302を有する別の切開ツール300の斜視図及び末端図が図示されている。該外科手術用バー302は、図示するように、直角状の形態を有している。該外科手術用バー302は、長手方向軸線357の回りにて等しく隔てられた2つの縦溝306を有する本体304を備えている。
[0052] 縦溝306は夫々、切刃部310と、隙間面312とを有する掬い面308を備えている。隙間面312は夫々、基端部分(又は表面)314と、中央部分(又は表面)316と、末端部分(又は表面)318とを含むことができる。切刃部310の各々と相応する隙間面312との間には、ランド部320が存在する。該ランド部320は、凸型形状をしている。
[0054] 該外科手術用バー302は、中心点324と、軸方向逃げ面326とを有するドリル先端部322も含む。該軸方向逃げ面326は、平坦(又は平面状)面とすることができる。ブリッジ328が軸方向逃げ面326の間を伸びることができ、かつ/または軸方向逃げ面326の一部とすることができる。該ブリッジ328は、中心点324を横断して伸びかつ相応する厚さ及び/または鑿切刃部330を有することができる。1つの実施例において、該ブリッジ328は、鑿切刃部を含まない。該鑿切刃部330は、縦溝306の間にてブリッジ328を横断して伸びることができる。軸方向逃げ面326は夫々、2つの真直状切刃部340と、湾曲形切刃部342との間を伸びることができる。該湾曲形切刃部342は、それぞれランド部320と境を接する。軸方向逃げ面326は夫々、円形の領域346を含むことができる。1つの実施例において、該円形の領域346は、平坦(又は平面状)であり、軸方向逃げ面326の他の部分から突き出し、かつブリッジ328から(または該ブリッジからより末端方向に)は突き出さない。別の実施例において、軸方向逃げ面326は、円形の領域346を含まない。
[0055] 該掬い面308は、互いに平行に伸び、互いに整合されず、互いにオフセットされており、かつブリッジ328にて重なり合い部分を有している(すなわち、該部分は、横に並んでいる)。同様に、直角切部340は、互いに平行に伸び、互いに整合されず、互いにオフセットされており、かつブリッジ328にて重なり合い部分を有している(すなわち、該部分は、横に並んでいる)。
[0056] 図14には、外科手術用バー302の側面図が図示されている。該外科手術用バー302は、切刃部310と、軸方向逃げ面326とを含む。切刃部310の末端部分は、関係したドリル先端角354を有している。該ドリル先端角354は、鈍角である。(i)末端部分352と、(ii)線(または平面)356との間の角度は鋭角である。ドリル先端角354と鋭角356、358との合計は180度である。平面356は、外科手術用バー302の長手方向軸線357に対して垂直である。軸方向逃げ面326に正接する線(または平面)358が図示されている。
[0057] 上記に開示した実施例は、柔軟な組織構造を引き裂くことなく、傷付き易い柔軟な組織構造(例えば、神経、血管、薄膜等)との接触を許容する一方にて、骨を効果的に切削しかつ整形する構造とされた外科手術用バーの形態を含む。このことは、硬膜がバーの末端部分に露出される可能性のある、神経学的及び脊柱の手術にて特に適用可能である。
[0058] 特定の実施例において、外科手術用バー(例えば、外科手術用バー174、302)のドリル先端角は、第一の所定の角度(例えば、140度)以上の鈍角でありかつ/又は第一の所定の範囲(例えば、140度−160度)以内にある。外科手術用バーの相応する軸方向逃げ角は、第二の所定の角度(例えば、25度)以下でありかつ/又は第二の所定の範囲(例えば、5度−25度)以内にある。一例としてのドリル先端角は、図14に図示されている。一例としての軸方向逃げ角が図6及び図9に図示されている。これらのドリル先端角及び軸方向逃げ角は、外科手術用バーが柔軟な表面(例えば、硬膜の表面)の上を滑動するのを許容する一方にて、硬い表面(骨の表面のような)を安定的に切削することを可能にする。このことは、軸方向逃げ面を平面状の表面とすることにより、更に向上させることができる。外科手術用バーの掬い角は、所定の範囲にあり、かつ用途に基づくものとすることができる。
[0059] その結果、硬い表面の上を「滑る」ことが防止され、硬膜の完全性を損なう(または、悪影響を与える)ことなく、改良されかつ均一な穿孔作用の制御を実現する。滑りの減少は、硬膜の引き裂きに付随する外科的合併症の危険を軽減することになる。ドリル先端角及び軸方向逃げ角を含む外科手術用バーの幾何学的形態は、用途に基づいて修正可能である(すなわち、調節可能である)。
[0060] 本発明が完全であり、かつ範囲を当業者に完全に伝えることができるように、一例としての実施例について説明した。特定の構成要素、装置、及び方法の例のような、多数の特定的な詳細を記載して本発明の実施の形態を完全に理解し得るようにした。特定の詳細は、採用する必要がないこと、一例としての実施の形態は、多数の異なる形態にて具体化可能であること、及びいずれも本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことが当業者に明らかであろう。幾つかの一例としての実施の形態において、周知の方法、周知の装置の構造及び周知の技術は詳細に記載していない。
[0061] 本明細書にて使用した技術用語は、単に、特定の一例としての実施の形態を説明するためにのみ使用したものであり、限定的なものであることを意図するものではない。本明細書にて使用したように、「1つ」「それ」のような、単数の用語は、文脈上、別段の表示がない限り、複数の形態をも含むことを意図するものである。
[0062]実施の形態の上記の説明は、説明及び図示のために記載したものである。これは、制限的ではなく、また、本発明を限定することを意図するものではない。特定の実施の形態の個別の要素又は特徴は、全体として、該特定の実施の形態に限定されるものではなく、適用可能である場合、特定的に図示し又は記載されていない場合であっても、選んだ実施の形態にて、互換可能である。これらは、多数の態様にて変更可能である。かかる変更は、本発明から逸脱するものとみなすべきではなく、かかる改変例の全ては、本発明の範囲に包含することを意図するものである。

Claims (21)

  1. 外科手術用バーにおいて、
    本体であって、該本体が、複数の縦溝であって、該縦溝が夫々、切刃部と、掬い面と、隙間面とを備える、前記複数の縦溝と、複数のランド部であって、該ランド部の各々が凸型形状をしており、かつ1対の複数の縦溝の間に配設された前記複数のランド部とを備える、前記本体と、
    複数の軸方向逃げ面を備えるドリル先端部であって、該複数の軸方向逃げ面が夫々、平面状面を有し、ランド部と相違し、かつ(i)切刃部1つの末端部分と、(ii)ランド部の1つと、(iii)隙間面の1つと境を接する、前記ドリル先端部と、
    を備える、外科手術用バー。
  2. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、前記切刃部の末端部分のドリル先端角は、140度−160度の範囲内にある、外科手術用バー。
  3. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、前記軸方向逃げ面の軸方向逃げ角は夫々、5度−25度の範囲内にある、外科手術用バー。
  4. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、前記軸方向逃げ面は、平面状面であり、かつ中心点にて交わる、外科手術用バー。
  5. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記切刃部の末端部分のドリル先端角は夫々、140度―160°の範囲内にあり、
    前記軸方向逃げ面の軸方向逃がし角は夫々、5度−25度の範囲内にある、外科手術用バー。
  6. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記軸方向逃げ面は、三角形状であり、かつ2つの真直状切刃部と、湾曲形切刃部とを備え、
    前記複数の軸方向逃げ面の前記湾曲形切刃部は夫々、前記複数のランド部のそれぞれ1つと境を接する、外科手術用バー。
  7. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記平面状領域は、円形状である、外科手術用バー。
  8. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の軸方向がし面の少なくとも1つの軸方向逃げ角は、所定の角度と等しいか又はそれより小さく、前記外科手術用バーは、回転する間、第一の型式の表面を切削するが、第二の型式の表面は切削しない傾向であり、
    前記第一の型式の面は、第一の硬さを有し、
    前記第二の型式の面は、前記第一の面より小さい第二の硬さを有する、外科手術用バー。
  9. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の縦溝は、対向しない縦溝であり、
    前記複数の軸方向逃げ面は、ブリッジ部を介して接続される、外科手術用バー。
  10. 請求項1に記載の外科手術用バーにおいて、
    本体であって、該本体が、複数の縦溝であって、該縦溝が夫々、切刃部と、掬い面と、隙間面とを備える、前記複数の縦溝と、複数のランド部であって、該ランド部が夫々、1対の複数の縦溝の間に配設された前記複数のランド部と、を備える、前記本体と、
    複数の軸方向逃げ面を備えるドリル先端部であって、該複数の軸方向逃げ面が夫々、ランド部と相違し、かつ(i)切刃部の1つの末端部分と、(ii)ランドの1つと、(iii)隙間面の1つと境を接し、前記複数の軸方向逃げ面の少なくとも1つの軸方向逃げ角は、所定の範囲内にある、前記ドリル先端部と、
    を備える、外科手術用バー。
  11. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数のランド部は夫々、凸型形状であり、
    前記複数の軸方向逃げ面は夫々、平面状面である、外科手術用バー。
  12. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    複数の軸方向逃げ面の少なくとも1つの軸方向逃げ角は、所定の角度と等しいか又はそれより小さく、前記外科手術用バーは、回転する間、第一の型式の表面を切削するが、第二の型式の表面は切削しない傾向であり、
    前記第一の型式の面は、第一の硬さを有し、
    前記第二の型式の面は、前記第一の面より小さい第二の硬さを有する、外科手術用バー。
  13. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の軸方向逃げ面の軸方向逃がし角は、25度と等しいか又はそれおり小さい、外科手術用バー。
  14. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記軸方向逃げ面の軸方向逃げ角は夫々、5度−25度の範囲内にある、外科手術用バー。
  15. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記切刃部の末端部分のドリル先端角は夫々、140度―160°の範囲内にある、外科手術用バー。
  16. 請求項10に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の軸方向逃げ面は平面状面である、外科手術用バー。
  17. 外科手術用バーにおいて、
    本体であって、該本体が、複数の縦溝であって、該縦溝が夫々、切刃部と、隙間面とを備える、前記複数の縦溝と、複数のランド部であって、該ランド部の各々が1対の複数の縦溝の間に配設された前記複数のランド部とを備える、前記本体と、
    複数の軸方向逃げ面を備えるドリル先端部であって、該複数の軸方向逃げ面が夫々、ランド部と相違し、かつ(i)切刃部の1つの末端部分と、(ii)ランド部の1つと、(iii)隙間面の1つと境を接し、該ドリル先端部は、所定の角度と等しいか又はそれより大きいドリル先端角を有する前記ドリル先端部と、
    を備える、外科手術用バー。
  18. 請求項17に記載の外科手術用バーにおいて、
    ドリル先端角は、所定の角度以内にあり、前記外科手術用バーは、回転する間、第一の型式の表面を切削するが、第二の型式の表面は切削しない傾向であり、
    前記第一の型式の面は、第一の硬さを有し、
    前記第二の型式の面は、前記第一の面より小さい第二の硬さを有する、外科手術用バー。
  19. 請求項18に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記切刃部の末端部分のドリル先端角は夫々、140度−160度の範囲内にある、外科手術用バー。
  20. 請求項17に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の軸方向逃げ面の軸方向逃がし角は夫々、5度−25度の範囲内にある、外科手術用バー。
  21. 請求項17に記載の外科手術用バーにおいて、
    前記複数の軸方向逃げ面は平面状面である、外科手術用バー。
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