JP2016525086A - 種子の消毒のための処理 - Google Patents

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Abstract

本発明は、植物物質、特に種子の処理に関する。その方法は、種子を病原体から消毒するために真空圧を用いる。種子の消毒は、病原体により感染された種子はそれらを増殖させて作物の高い喪失をもたらし得るため、重要である。その方法は、ウリ科の種、特にスイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリおよびヒョウタンからの種子だけでなく、ナス科の種、特にトマト、トウガラシおよびナスからの種子にも適用することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、種子の処理に関する。その方法は、種子を病原体、例えば真菌、細菌、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物、卵菌類、フィトプラズマ、原生動物、線虫等から消毒するために真空圧を用いる。その方法は、例えばウリ科の種、特にスイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリおよびヒョウタンからの種子、またはナス科の種、特にトマト、トウガラシおよびナスからの種子に適用することができる。
種子伝染性病原体は、毎年重大な経済的損失を引き起こしている。特に、それらは、作物収量を低減し、その質を悪化させ、野菜の貯蔵をより困難にする。従って、耕作者にとって、耕作シーズンの間は制御を達成するのが難しいため、病原体を含まない種子を受け取ることは必須である。
一般に、種子は、病原体のその種子から生長する作物への伝染が回避され、種子自体への害が予防されるように、種子上に存在する病原体を殺すために様々な処理を受ける。そのような処理は、種子の貯蔵寿命も増大させることができる。これは、播種のための種子およびおそらく発芽後に消費または産業的処理に適している種子の両方に当てはまる。繁殖を、または発芽プロセスの開始後の消費もしくは産業的処理を意図された種子に関して、発芽能力または酵素活性が保存されていることが、必然的に極めて重要である。
種子の消毒は、外部および内部の種子伝染性疾患を、種子の特徴、例えば生存可能性、発芽および出芽の速度ならびに植物の最終的な群落(stand)に負に影響を及ぼすことなく全滅させる必要がある。種子の消毒は、化学的技法から物理的技法までに及ぶ様々な技法により実施されることができる。
化学製品、例えばペルオキシ酢酸、塩酸または次亜塩素酸ナトリウムは、例えば種子伝染性のアシドボラクス・シトルリ(Acidovorax citrulli)の接種を低減することができるが、それらは一般に、感染した種子からの細菌を全滅させることができない(Dutta, B, Avci, U, Hahn, M.G. and Walcott R.R. 2012.Phytopathology 102/5 461-468)。
他の手段、例えば温湯浸漬または高温多湿空気の使用が現在用いられているが、それらは、全ての種子に適切に作用せず、一部の種子の欠陥をもたらし得る。
化学的および物理的手段の組み合わせ、例えば化学物質の真空浸透も、既知である。そのような技法の目標は、まだ種子の外部にであれ、直接その内部にであれ、消毒製品を病原体により近付けることである。例えば、真空浸透がアブラヤシの種子に適用されている国際公開第94/15448号を参照(Flood et al Gitaitis, R.D., and Walcott, R.R. 2008. Annu. Rev. Phytopathol., 45:371-397; Nagy et al)。Docea et al, May 1976, Acta Horticulturae, International Symposium Bucharest, 58/1977も参照、ここで、トマトの種子が、コリネバクテリウム・ミシガネンス(Corynebacterium michiganense)から、クリプトノール(cryptonol)を用いた真空浸透により消毒されている。
しかし、全てのこれらの研究において、種子は人為的に感染させられており、それは、自然に感染した種子との本質的な違いをもたらす。実際、人為的な感染は、成熟した種子に対してなされており、従って通常は表面的にしか種子を汚染していない。従って、消毒化学物質溶液および種子の外側に位置する病原体の間の接触は、比較的達成するのが容易であり、それにより、明らかに効率的に、人為的に接種された種子を消毒する。しかし、天然では、アシドボラクス・シトルリおよび他のそのような種子伝染性病原体の感染は、花の段階という早い段階で開始し、それは結実の一番最初の段階である。この段階において、感染は種子内部の非常に深い部分に達し、それは、後で標準的な湿式種子消毒により到達されることはできないであろう(Dutta, B, Avci, U, Hahn, M.G. and Walcott R..R.. 2012. Phytopathology 102/5 461-468)。
従って、これらの様々な消毒技法は、興味深く見えるが、それらは、商業的な品質の種子のロット、すなわち病原体が不活性化されている種子のロットを生産するために十分に効率的ではない可能性がある。その種子のロットは、それらを売り物にならなくするレベルで感染しているままである可能性があり、または警告および法的免責事項(legal disclaimer)の対象となる可能性がある。それらは、破棄されなければならない可能性があり、それは種子企業または栽培者に金銭の損失をもたらす。
従って、種子を消毒し、感染性病原体を含まない商業的に価値のある種子のロットを得るための新規のプロセスを開発することは興味深いであろう。
国際公開第94/15448号
Dutta, B, Avci, U, Hahn, M.G. and Walcott R.R. 2012.Phytopathology 102/5 461-468 Flood et al Gitaitis, R.D., and Walcott, R.R. 2008. Annu. Rev. Phytopathol., 45:371-397; Nagy et al Docea et al, May 1976, Acta Horticulturae, International Symposium Bucharest, 58/1977
本発明の目的は、以下の工程を含む、種子を消毒する方法により達成される:
a)種子および消毒溶液を真空反応器中に配置し;ここで、種子は、工程b)の前または後のどちらかに消毒溶液中に浸され;
b)真空圧を適用し;
c)真空圧を解除し;
d)工程b〜cを少なくとも1回繰り返し;
e)種子の沈んでいる画分を、浮いている画分から分離し;ここで、前記の沈んでいる画分は、消毒された種子を含有する。
好ましくは、工程b〜cは、工程cにおいて新規の沈んでいる画分が観察されなくなるまで繰り返される。一態様において、沈んでいる画分は、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に収集される。
別の態様において、工程a〜eの実施に、2時間より長くない時間、好ましくは1時間より長くない時間、より好ましくは30分より長くない時間がかかる。別の態様において、工程bにおいて適用される真空圧は、400〜985mbar、好ましくは500〜980mbar、最も好ましくは400〜500および975〜985mbarの間に含まれる。別の態様において、工程b〜cの複数のサイクルは、それぞれのサイクルにおいて真空圧を増大させながら実施され、例えば、真空圧は、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に100mbar増大する。真空圧のこれらのパラメーターは、当業者により決定されると考えられ、例えば、適用されるべき最大真空圧は、975〜985mbarの範囲である可能性があり、真空圧における増大する段階は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300mbarおよび間のいずれかの真空圧であることができる。さらに、増大する段階は、等しくてよいと考えられ、例えば真空圧は、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に50mbar増大し、または不規則であることもできると考えられ、例えば真空圧は、工程b〜cの第1サイクルの後に50mbar、b〜cの第2工程の後に60mbar、b〜cの第3工程の後に70mbar増大する。
ある好ましい態様において、種子は、ウリ科の種、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、およびヒョウタン種からなる群から選択される種、またはナス科の作物、より具体的には、トマト、トウガラシおよびナス種からなる群から選択される作物からのものである。別の態様において、消毒溶液は、あらゆる病原体、例えば真菌、細菌、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物、卵菌類、フィトプラズマ、原生動物および/または線虫を破壊する化学薬剤、例えば少なくとも0.1%、0.2%、0.3%;0.4%、0.5%、0.75%、1%、1.5%、2%、3%、4%、または5%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸カルシウムを含有する溶液であることができる。本発明は、天然に病原体に感染している種子に好都合に適用されることができる。“天然に病原体に感染している種子”により、その種子が、植物中または植物上での種子の形成の間に病原体に感染していることが意味される。種子にそれらの形成の間に感染するそのような病原体は、一般に、種子伝染性病原体と呼ばれる。種子伝染性病原体の例は、以下のものである:(i)マメにおけるシュードモナス・サバスタニ病原型ファゼオリコーラ(Pseudomonas savastanoi pv. phaseolicola)およびザントモナス・アクソノポディス病原型ファゼオリ(Xanthomonas axonopodis pv. phaseoli)、(ii)アブラナ属におけるフォーマ・リンガム(Phoma lingam)およびザントモナス・カンペストリス病原型カンペストリス(Xanthomonas campestris pv. campestris)、(iii)ニンジンにおけるアルテルナリア・ダウシ(Alternaria dauci)、アルテルナリア・ラジシナ(Alternaria radicina)、アルテルナリア・ラジシナおよびザントモナス・ホルトールム病原型カロタエ(Xanthomonas hortorum pv. carotae)、(iv)セロリにおけるセプトリア・アピイコラ(Septoria apiicola)、(v)ノヂシャ属におけるアシドボラックス・バレリアネラ(Acidovorax valerianellae)、(vi)ウリ科におけるアシドボラックス属の種、アシドボラックス・アベナエ(Acidovorax avenae)亜種シトルリ、スカッシュモザイクウイルス、キュウリ緑斑モザイクウイルス、キュウリ果実斑モザイクウイルスおよびメロン壊疽斑点ウイルス、(vii)レタスにおけるレタスモザイクウイルス、(viii)マメにおけるマメ種子伝染性モザイクウイルス、マメ早期褐色化ウイルス(Pea early browning virus)およびシュードモナス・シリンガエ病原型ピシ(Pseudomonas syringae pv. pisi)、(ix)トウガラシにおけるトバモウイルスおよびザントモナス属の種(Xanthomonas spp.)、(x)トマトにおけるクラビバクター属の種(Clavibacter spp.)、クラビバクター・ミシガネンシス亜種ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis)、ペピーノモザイクウイルス、トバモウイルス、シュードモナス属の種およびザントモナス属の種。
本発明は、以下の工程を含む、病原体を本質的に含まない、例えば種子伝染性病原体を含まない種子を生産する方法にも関する:
a.種子を提供し;
b.本発明の消毒法を適用することにより前記の種子を処理し;そして
c.前記の処理された種子を、生存可能な病原体を本質的に含まない種子として回収する。
本発明はさらに、上記の生産法により得られた、または得ることができる種子に関する。本発明はさらに、生存可能な病原体を本質的に含まない、例えば種子伝染性病原体を本質的に含まない種子であって、消毒溶液、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸カルシウムを含有する種子に関する。本発明は、ウリ科およびナス科の種、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、ヒョウタン、トマト、トウガラシおよびナス種からなる群から選択される種子に、好都合に適用されることができる。
別の観点において、本発明は、種子を処理するための消毒剤としての使用のための、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む溶液に関する。特定の態様において、前記の溶液は、真空浸透により種子中に導入される。別の観点において、本発明は、外部的に感染している種子を処理するための消毒剤としての使用のための、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む溶液に関する。これらの溶液は、例えば、少なくとも0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.75%、1%、1.5%、2%、3%、4%、または5%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する。
さらに別の観点において、本発明は、以下:
i.チャンバーの内部で真空圧を適用するために密閉されることができるチャンバーを含む反応器、
ii.反応器チャンバー中で真空圧を適用するための手段、
iii.種子の沈んでいる画分を集めるための手段、
iv.真空圧を解除するための手段、
v.消毒溶液を、集められた種子の沈んでいる画分から分離し、集められた消毒溶液を反応チャンバー中に再導入するための手段、
vi.場合により、溶液において種子を、所望の真空圧が適用された後にのみ導入するための手段;
を含む、本発明の消毒法を実施するための装置にも関する。
従って、本発明は、沈んでいる画分の選択工程によりさらに完了される第1工程の消毒溶液の真空浸透に基づく2工程法を提供する。より具体的には、本発明は、以下の工程を含む、種子を消毒する方法に関する:
a)種子および消毒溶液を真空反応器中に配置し;ここで、種子は、工程b)の前または後のどちらかに消毒溶液中に浸され;
b)真空圧を適用し;
c)真空圧を解除し;
d)工程b〜cを少なくとも1回繰り返し;
e)種子の沈んでいる画分を、浮いている画分から分離し;ここで、前記の沈んでいる画分は、消毒された種子を含有する。
あらゆる種類の種子が、本発明の方法に従って処理されることができる。例えば、種子は、農学的、園芸的、または装飾的目的に有用であり得る単子葉および双子葉植物の両方の種子を含むことができる。特に、本発明の方法により処理されることができる種子を提供する植物の重要な群は、野菜、穀草および草である。穀草は、コムギ、ライコムギ、オオムギ、ライムギ、イネ、およびエンバクを含むが、それらに限定されない。草は、芝およびイソマツ科の草、例えばブロムグラス、ブルーグラス、トールフェスクグラス、およびバーミューダグラスを含む。他の草は、熱帯草、例えばサトウキビ、トウモロコシ、キビ、およびモロコシである。野菜は、ナス科の植物およびウリ科の植物を含む。ナス科の種子、例えばジャガイモ、トマト、タバコ、ナス、およびトウガラシの種子は、本発明の方法に従って処理されるべき適切な種子であり、アブラナ科の種子、例えばカリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ケール、およびコールラビも同様である。他の適切な種子は、ニンジン、パセリ、テンサイ、ワタ、果樹、ベリー植物、およびブドウの種子を含む。加えて、本発明の方法は、樹木種、例えばマツ、トウヒ、モミ、ポプラおよび様々な広葉樹の種子に関して用いられることができる。イネ科、マメ科、およびアオイ科の種子も用いられることができる。特に、その方法は、5章に対する補遺、種子試験に関する国際ルール、国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、1996において列挙されているような種子を処理するために用いられる。
一態様において、本発明は、ウリ科、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、およびヒョウタン種の群から選択されるウリ科、またはナス科、より具体的には、トマト、トウガラシおよびナス種の群から選択されるナス科からの種子に適用されることができる。好ましくは、ウリ科またはナス科の種子の消毒は、種子が検疫の規定を満たすことができるように、種子を、あらゆる生存可能な病原体、例えば種子伝染性病原体を本質的に含まないようにするために十分な消毒溶液を含有する。
好ましくは、その方法は、天然に病原体に感染された種子、すなわち種子伝染性病原体により感染された種子に適用されることができる。ウリ科の種子、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、およびヒョウタン種の群から選択されるウリ科の種子の場合、最も重大な種子伝染性細菌感染症は、アシドボラックス属の種、より具体的にはアシドボラックス・シトルリにより引き起こされ;最も重大な種子伝染性ウイルス感染症は、トバモウイルス属の種、より具体的にはキュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)またはキュウリ果実斑モザイクウイルス(CFMMV)により引き起こされる。ナス科の種子、より具体的にはトマト、トウガラシおよびナス種の群から選択されるナス科の種子に関して、最も重大な種子伝染性細菌感染症は、クラビバクター属の種、より具体的にはC.ミシガネンシス、さらにもっと具体的にはC.ミシガネンシス亜種ミシガネンシス、シュードモナス属の種、ザントモナス属の種により引き起こされ;最も重大な種子伝染性ウイルス感染症は、TMV、PepMVにより引き起こされる。ウイロイドも感染症を引き起こし得る。
一部の態様において、本発明に従う方法は、種子の少なくとも90、95、96、97、98、99または100%が消毒されている種子のロットの生産を可能にする。特定の好ましい態様において、本発明に従う方法は、種子の100%が消毒されている種子のロットの生産を可能にする。
一部の態様において、本発明に従う方法は、それらの発芽品質に影響を及ぼすことのない消毒された種子の生産を可能にする。一部の態様において、得られた消毒された種子は、少なくとも85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%の発芽率を有する。特定の好ましい態様において、得られた消毒された種子は、100%の発芽率を有する。換言すると、本発明に従う方法は、消毒された種子の少なくとも90、95、96、97、98、99または100%が発芽する種子のロットの生産を可能にする。特定の好ましい態様において、本発明に従う方法は、消毒された種子の100%が発芽する種子のロットの生産を可能にする。
真空浸透工程
本発明の方法の真空浸透の工程は、消毒溶液中に含有される消毒剤を種子中に浸透させることを目的としている。それは、真空を適用して種子組織中の空間から空気を除去し、種子を(浸漬により)消毒溶液と接触させ、そして真空を解除することにより実施される。ある第1態様において、処理されるべき種子は、真空圧を適用する前に消毒溶液中に浸される。理論により束縛されるわけでは一切ないが、従って、種子中の空いた空間が消毒溶液により満たされると信じられる。
消毒溶液に浸される種子に適用される最初の真空圧は、400〜500および975〜985mbarの間、例えば550mbar〜700mbar、または700〜820mbar、さらに例えば576〜667mbarまたは740〜816mbarに設定されることができる。好ましくは、真空工程は、まず400〜700mbar、好ましくは400〜600mbarに含まれる真空圧を適用することにより実施される。次いで、真空が、即時に、または1秒〜5分に含まれる期間の後、好ましくは2分未満、好ましくは1分未満の真空期間の後、解除される。これらの時間および真空圧のパラメーターは、当業者により、特に、種子のタイプおよび種子の量に応じて、容易に決定されるであろう。
消毒溶液、好ましくは水溶液中に導入された際、一部または全部の種子が最初は浮く可能性がある。理論により束縛されるわけでは一切ないが、真空/脱真空のそれぞれのサイクル工程において、溶液が圧力差により種子組織の排気された空間の中に入らせられ、それは種子を沈ませることができる。溶液は消毒剤製品(単数または複数)を含有するため、溶液の種子の真空により一掃された(cleared)空気空間中への浸透は、溶液および病原体の表面の間の接触を向上させることができ、消毒処理の有効性を増大させる。真空/脱真空のこの工程サイクルは、その方法の効率を増大させるため、典型的には少なくとも1回繰り返される。好ましくは、それは、真空圧の解除の後に新しい沈んでいる画分が観察されなくなるまで繰り返される。本明細書で用いられる際、“沈んでいる画分”は、水または水溶液よりも上の密度を有する種子の画分を指す。
真空/脱真空サイクルを繰り返す場合、好都合には、各サイクルにおいて真空圧を増大させ、例えば、真空圧は、真空/脱真空の各サイクル後に100mbar増大する。これらの真空圧のパラメーターは、当業者により決定されると考えられ、例えば、適用されるべき最大真空圧は、975〜985mbarの範囲であることができると考えられ、真空圧における増大する段階は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750mbarおよび間のあらゆる真空圧であることができる。さらに、増大する段階は、等しくてよいと考えられ、例えば真空圧は、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に50mbar増大し、または不規則であってもよいと考えられ、例えば真空圧は、工程b〜cの第1サイクルの後に50mbar、b〜cの第2工程の後に60mbar、b〜cの第3工程の後に70mbar増大する。
それぞれの真空/脱真空工程の特定の真空圧およびタイミングは、種子の2つの画分(1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分)を得るように決定される。当業者は、その特定の条件を、好ましくは最小限の期間内に、十分な量の沈んでいる種子を得るように決定するであろう。
典型的には、約1kgの種子の均等物が、5〜10リットルの消毒溶液、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、例えば0.1%ジクロロイソシアヌレート、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム、または0.1%の次亜塩素酸カルシウム中に浸され、真空圧が、最初は400〜700mbar、好ましくは400〜600mbarに含まれる圧力で適用され、次いで真空圧が、2分未満、好ましくは1分未満の期間の後に解除され、そして真空圧が、好ましくは増大する真空圧において、例えば真空圧が水溶液を含有する密閉された空間において可能な最大レベル、すなわち975〜985mbarに達するまで、再度適用される。
本明細書で用いられる際、用語“消毒溶液”は、有害な生物、すなわちあらゆる病原体を破壊する消毒剤、例えば化学薬剤を含むあらゆる溶液を意味する。その溶液は、好ましくは水溶液である。あらゆる既知の殺真菌薬および殺菌薬、例えば抗生物質、抗細菌薬、抗ウイルス薬、抗真菌薬、抗原虫薬および抗寄生生物薬ならびに植物物質、好ましくは種子に関する他の消毒剤が、本発明の方法により用いられることができる。消毒剤の例は、限定ではなく、臭素、塩素、亜塩素酸塩、ヨウ素、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、塩酸、過酢酸、ペルオキシ酢酸(Peroxiacetic acid)、硫酸、リン酸、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、水酸化ナトリウム、フェノール、ペルオキソモノ硫酸、リン酸三ナトリウム、四級アンモニウム、銀および銅(イオンまたは塩類)、ヨウ素、臭素、トリクロサン等を含む。好ましい態様において、消毒溶液は、塩素に基づく消毒剤、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムを含有する。好ましい態様において、消毒溶液は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを消毒剤として含有し、それは花瓶において切花を維持するために用いられることが既に知られている。別の好ましい態様において、消毒溶液は、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムを消毒剤として含有する。好ましくは、その消毒溶液は、少なくとも0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.75%、1%、1.5%、2%、3%、4%、または5%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸カルシウムを含む水溶液である。好ましくは、消毒溶液は、0.1〜2%、好ましくは0.25%〜2.5%、さらに好ましくは0.5%〜2%に含まれるジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸カルシウムの濃度を有する。
交互の真空浸透工程
本発明の方法の真空浸透工程の第2態様において、種子および消毒溶液は、真空反応器中に置かれるが、種子は、真空圧を適用する前には消毒溶液と接触させられない。例えば、種子は、真空圧の適用の前は、消毒溶液の上の籠において反応器チャンバー中に維持されることができる。次いで、種子を消毒溶液中に浸すために籠が下げられる。
その方法の残りの部分は、第1態様に関して記載されたように実施される。
典型的には、約1kgの種子の均等物が、消毒溶液の上部の籠において保持されることができ、真空圧が、400〜700mbar、好ましくは400〜600mbarに含まれる圧力で適用され、次いで種子が、5〜10リットルの消毒溶液、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、または次亜塩素酸カルシウム、例えば0.1%ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、0.1%次亜塩素酸ナトリウム、または0.1%次亜塩素酸カルシウム中に浸され、次いで真空圧が、2分未満、好ましくは1分未満の期間の後に解除され、そして真空圧が、好ましくは増大する真空圧において再度適用される。
選択工程
処理された種子の沈む挙動は、実際に消毒溶液の種子物質中への浸透の程度を反映していることを理解したこと、ならびに消毒プロセスの効率を可視化するための、および処理された種子を未処理の種子から選別するための便利な手段を提供することは、発明者らの功績である。
従って、本プロセスの第2工程は、浮いたままである種子画分を、沈んでいる種子画分から、真空浸透工程後に浮いたままである種子画分を廃棄することによるか、および/または沈んでいる画分を集めることによるかのどちらかで分離することを目的としている。
浮いている種子は、実際、十分な量の消毒溶液を吸収しておらず、従ってまだ残っている病原体の衛生上の危険性を示すと推定される。加えて、沈んでいる画分を集めることまたは浮いている画分を廃棄することは、驚くべきことに、全体の種子のロットの発芽品質に利益を与えるようであり、それにより、種子の少なくとも90、95、96、97、98、99または100%が消毒されている種子のロットの生産を可能にし、より好ましくは、種子の100%が消毒されている種子のロットの生産を可能にする。一部の態様において、沈んでいる画分は、少なくとも90、95、96、97、98、99または100%の消毒された種子、より好ましくは100%の消毒された種子を含有する。一部の態様において、沈んでいる画分の種子は、少なくとも85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100%の発芽率を有する。特定の好ましい態様において、沈んでいる画分の種子は、100%の発芽率を有する。
沈んでいる画分は、真空/脱真空の各サイクル後に、またはプロセスの終了時に集められることができる。一部の種子に関して、沈んでいる画分が唯一の画分である可能性があり、すなわち、種子の浮いている画分は存在しない。
本発明の第2工程において、浮いている画分の分離は、好ましくは迅速であり、典型的には数分以内、例えば1秒〜5分、例えば2分未満、好ましくは1分未満である。好ましくは、本発明の方法は、浸け置き(soaking)工程、例えば国際公開第94/15448号において記載されている浸け置き工程を一切含まず、特にそれは、12時間より長い漬け置き工程を一切含まないことができる。
好都合には、種子の浸漬から種子の収集までの方法全体は、好ましくは2時間より長くない時間、好ましくはさらには1時間より長くない時間、より好ましくは30分より長くない時間がかかる。
収集後、種子は洗浄および乾燥されることができる。種子はさらに、種子の汚染除去または保護のための代替処理により処理されることができる。例えば、他の従来の種子処理が、コーティング、ペレット化、または薄膜コーティングにより、特に種子または小植物の損傷を予防するために適用されることができ、それは限定ではなく殺真菌薬または殺虫薬処理を含む。
生存可能な病原体を本質的に含まない種子を生産する方法
第2観点において、本発明は、以下の工程を含む、生存可能な病原体を本質的に含まない、例えば生存可能な種子伝染性病原体を含まない種子を生産するための方法を提供する:
a).種子を提供し;
b).本発明の消毒法を適用することにより前記の種子を処理し;そして
c).前記の処理された種子を、生存可能な病原体を本質的に含まない種子として回収する。
本明細書で用いられる際、“病原体を本質的に含まない”または“生存可能な病原体を本質的に含まない”種子は、発芽後に無菌環境において感染症を一切発現しないであろう種子である。一態様において、“病原体を本質的に含まない”または“生存可能な病原体を本質的に含まない”種子は、両方とも互換的に用いられており、生存可能な形態または感染性形態の以下の感染性要素のいずれも含有しない種子である:真菌、細菌、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物、卵菌類、フィトプラズマ、原生動物および/または線虫。前記の方法は、典型的には、以下の工程を含む:(i)種子を提供し、(ii)上記のような消毒法を適用することにより前記の種子を処理し、そして(iii)前記の処理された種子を、病原体を本質的に含まない種子として回収する。一部の態様において、そのような方法により生産された種子は、“生存可能な種子伝染性病原体を本質的に含まない”または“種子伝染性病原体を本質的に含まない”。
この生産法により得られた、または得ることができる種子は、(i)それらが生存可能な病原体を本質的に含まず、そして(ii)それらが消毒溶液、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムを含有することを特徴とする。
従って、本発明は、生存可能な病原体を本質的に含まず、消毒溶液、例えばジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウムまたは次亜塩素酸カルシウムを含有する種子に関する。好ましくは、そのような種子は、ウリ科およびナス科の種、より具体的にはスイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、ヒョウタン、トマト、トウガラシおよびナス種からなる群から選択される。
本発明は、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの、種子を処理するための消毒剤としての使用にも関する。一態様において、前記のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは、種子中に真空浸透により、例えば少なくとも0.1%、0.4%、0.75%、1%、1.5%、2%、3%、4%、または5%の濃度で導入されている。
今までに花瓶において切花を維持するために用いられることが知られているジクロロイソシアヌル酸ナトリウムが、種子を消毒するために用いられることができることを理解したことも、本発明者らの功績である。さらに、そして今日の時点で知られている全ての他の消毒溶液とは逆に、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは、種子の発芽品質を保ち、一部の場合では向上させることさえある。
本発明の方法を実施するための装置
本発明は、本発明の方法を実施するための装置にも関する。
一態様において、本発明の消毒法を実施するための装置は、以下:
i.内部で真空圧を適用するために密閉されることができるチャンバーを含む反応器、
ii.種子の沈んでいる画分を集めるための手段、
iii.反応器チャンバーの内部で真空圧を適用するための手段、
iv.圧力を解除するための手段、
v.場合により、消毒溶液を、集められた種子の沈んでいる画分から分離し、集められた消毒溶液を反応チャンバー中に再導入するための手段、
vi.場合により、種子を溶液中に、所望の真空圧が適用された後に導入するための手段;
を含む。
図1は、本発明に従う反応器の一例を図説する。
装置の反応器(1)は、消毒溶液(2)中に浸された種子を含有するための、真空に耐性のチャンバー(真空チャンバーとも呼ばれる)を有するあらゆる反応器であることができる。典型的には、それは、Plexiglasまたは真空圧に耐性の他の材料で作られており、好ましくはプロセスの間の種子の挙動(沈みまたは浮き)を可視化するために透明であることができる。例えば、反応チャンバーは、10〜50リットルの体積の消毒溶液を、種子と共に、70リットルのPlexiglas反応器中に収容することができる。
反応器は、蓋(3)を、好ましくはその上部に含有することができ、それは、種子および/または消毒溶液を導入するために開けられることができ、真空圧を反応チャンバー内で適用することを可能にするために密閉されることができる。
装置は、さらに、例えば、反応器の上側の、蓋に連結されている真空パイプ(4)、および反応チャンバー内に真空圧を適用するための真空ポンプ(5)を含有することができる。好都合には、反応器は、さらに、圧力ゲージ(7)および/または反応チャンバー内の真空圧を制御するための手段および/または真空を解除するための手段(6)を含有する。あるいは、浮いている画分は、溶液の上部から、ストレーナーの使用により、またはチャンバーを回転させて浮いている種子を器の上部から別の容器に廃棄することにより、集められることができる。
反応器は、好ましくは、例えばスタンド(11)を用いて上げられており、例えばその下部において、種子の沈んでいる画分を排出し、それをコレクター(9)中に集めるための出口弁(8)を含み、コレクターは、例えば反応器チャンバーの下に置かれている。コレクターは、種子が容器中に収容され、集められた消毒溶液が容器の外に出ることができることができるように、有孔壁を有する(または半透過性の)容器を含むことができる。好都合には、装置は、さらに、集められた消毒溶液をコレクターから引き出し、それを反応チャンバー(10)中に再導入するための手段(例えばパイプおよびポンプによる)を含む。
特定の態様において、真空パイプ(4)は、さらにトラップを含有することもできる。
本発明の特定の態様は、ここで、以下の実施例において説明されるであろう。
実施例1:天然に果実汚斑細菌病(BFB)に感染したスイカ種子の消毒:
果実汚斑細菌病(BFB)は、細菌アシドボラクス・シトルリにより引き起こされる疾患であり、それは、果実の喪失が生産現場の90%より多くに達し得るため、農業者にとって壊滅的であり得る。Walcott, R.R. 2005. The Plant Health Instructor. DOI: 10.1094/PHI-I-2005-1025-02 - http://www.apsnet.org/edcenter/intropp/lessons/prokaryotes/Pages/BacterialBlotch.aspx.によれば、果実汚斑細菌病(BFB)は、広い範囲のウリ科の宿主の全ての生長期における葉および果実に影響を及ぼす。子葉の下側における水濡れ(water−soaking)のような症状が、最初にウリ科の実生において、植付けの5〜8日後に観察され得る。BFBと関係する病変は、油光りする外観を有し、乾燥条件下で持続し、すなわち正午後に観察可能である。水濡れ状の病変は、分離した斑点として開始するが、次いで融合し、子葉の葉脈に沿って拡大する。それらは、最終的に乾燥し、細長い黒ずんだ〜赤褐色の病変を形成し、それは子葉の葉脈上に、およびそれに沿って発達する。類似の症状が、メロンおよび他のウリ科の実生においてもたらされる。成熟したスイカの葉において、明瞭な黒ずんだ〜赤褐色の病変が葉脈に沿って発現する。経済的損失が、疾患の果実腐敗期の結果もたらされる。実際、スイカの果実におけるBFBの症状は、成熟したものを収穫する直前に、小さい(直径1ミリメートル未満)、不規則な形状の、オリーブ色の斑点として、果実の上側表面上に現れる。これらの病変は、最初は小さいが、広がって果実の上側表面全体を覆い得る。感染の早期において、これらの病変は硬く、稀にしか果実の果肉中に浸透しない。褐色の割れ目が果皮の病変において発現し得る。進行期において、果実は、二次的なコロニー形成生物による侵入により崩壊して水っぽい腐敗物になる。
生産におけるBFB外寄生の管理は、極めて難しい。好ましくは、種子はBPBの存在の記録が一切ない地域でのみ、畑をローテーションして生産される。Walcottによれば、“化学的または物理的な種子の処理で、アシドボラックス・アベナエ亜種シトルリの全滅において100%有効なものはない。熱療法、NaOCl、発酵、HClおよびペルオキシ酢酸を含む種子の処理は、BFBの実生への伝染を有意に低減するが、それらは、種子の生理に悪影響を及ぼし得る。種子の処理効率に影響を及ぼす2つの要因は、以下のものである:1)種子の処理が種皮を浸透することができないこと、および2)種子の上/中の細菌の位置。移植ハウス(transplant house)におけるBFBの発現の危険性は、低レベルの外寄生を有する種子に関して高いため、種子の処理のみではBFBを制御することはできない。”
従って、今日の時点で、化学的疾患管理および種子の健全性試験は、限られた作用を有すると信じられている:重度に外寄生された種子のロットを検出することは可能であるが、非常に低い外寄生を有するロットは同定するのが難しい。
一般に、種子企業は、種子のロットあたり30,000〜50,000個の種子を試験しており(Gitaitis, R.D., and Walcott, R.R. 2008. Annu. Rev. Phytopathol., 45:371-397)、それは、種子のロットは30,000または50,000個の種子のいずれも試験で陽性でなかった場合に受け入れられ得るため、時間および金銭の両方の点で重い負担である。そのような大量の試料を用いてさえ、種子企業および栽培者は、種子のロットが50,000個の種子の試料において検出できないような低いレベルで感染している可能性があるため、なお脅威に直面している。
本件では、0.2kgのスイカの種子を、生産現場において天然にBFBに感染した商業的な種子のロットから得た。1.0%ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの標準的な消毒プロセスの後、それらはまだ感染していた。5.5〜7.5%の標準的な含水量を有する乾燥種子を、10リットルのガラスの器に、1.0リットルの0.2%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む消毒溶液と一緒に入れる。真空を適用し、約500mbarまで上げ、次いで解除する。この真空/脱真空のプロセスを繰り返し、そのたびに真空圧を、約975〜985mbarの最大到達可能真空圧に至るまで、おおよそ100mbar増大させる。このプロセスは、器において2つの種子の画分の形成をもたらす:1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分。種子の浮いている画分を集め、再度それに真空プロセスを適用する。真空サイクルは、浮いている種子がもはや沈まなくなるまで続く。次いで、浮いている種子を除去し、廃棄する。このプロセスは20〜30分かかる。
次いで、沈んだ種子を、流水で10分間洗浄し、乾燥させる。これらの種子は、BFBから消毒されている。それらはさらに、種子の内側がまだ微量の消毒製品を含有しているため、容易に同定可能である。
4200個の種子を試験し、スウェットボックスアッセイ(sweat box assay)(下記の参考文献参照)により、BFBに関して陰性であることが分かった。
実施例2:天然に果実汚斑細菌病に感染したメロン種子の消毒:
天然にBFBに感染した49キログラムのメロン種子を、標準的な消毒プロトコル(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、1%および2%濃度;期間:10分間;すすぎ10分間)により2回消毒した。次いで、消毒した種子を、BFBに関して試験し、まだ重度に外寄生されていることが分かった。この種子のロットの4.5キログラムのバッチを、(図1において記載されているような)70リットルの反応器中に、0.5%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む20リットルの消毒溶液と一緒に入れた。
真空を適用し、約500mbarまで上げ、次いで解除する。この真空/脱真空のプロセスを繰り返し、そのたびに真空圧を、約975〜985mbarの最大到達可能真空圧に至るまで、おおよそ100mbar増大させる。このプロセスは、器において2つの種子の画分の形成をもたらす:1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分。真空サイクルは、浮いている種子がもはや沈まなくなるまで続く。次いで、その浮いている種子を除去し、廃棄する。このプロセスは20〜30分かかる。
次いで、沈んだ種子を、流水で10分間洗浄し、乾燥させる。これらは、BFBから消毒されている商業的価値のある種子のロットである。それらはさらに、種子の内部がまだ微量の消毒製品を含有しているため、容易に同定可能である。
その49kgから、消毒された部分は48kgの種子に相当する。消毒プロセスを試験するため、健全性試験を40,000個の種子に対して以下のように実施した:
10,000個の種子を、USDA国家種子健全性システム(National Seed Health System)Cb1.2 Seminis Inc. PCR−洗浄法に従うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイにより試験した。標準的なプロトコルは、民間および公共団体の両方が特定の活動を実施することを認可するための、USDA−APHISにより認定され、アイオワ州立大学種子科学センターにより運営されるプログラムである国家種子健全性システムから得ることができ、それは種子の国際的な動きに関する連邦政府の植物衛生証明書の発行を支持するために必要とされる。http://www.seedhealth.org/files/pdf/Vegetable_Crops.pdfにおいて入手できる、“Vegetable Crop Method - Reference Manual B”(国家種子健全性システム)の2014年5月版の56ページを参照。
20,000個の種子を、既知であり、国家種子健全性システムから得ることができるUSDA国家種子健全性システムCb1.1 実生生長(Grow−out)法に従う実生生長アッセイにより試験した。
10,000個の種子を、スイートボックスアッセイにより試験し、それは前の生長アッセイに類似しているが、それにより種子は、閉鎖された容器中で、疾患が発現するために最適な生長チャンバー条件下でまかれる。次いで実生を、生長法と同様に試験する。
感染していることが分かった種子はなく、一方で、逆に、浮いている画分は、約1kgに相当し、試験でBFBに関して陽性であった(10,000個の種子におけるスイートボックスアッセイ)。
発芽を4および7日目に計数し、結果は重い画分に関して99%/99%であり、浮いている画分に関して96%/92%であった(5章に対する補遺、種子試験に関する国際ルール、国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、1996に従う発芽試験)。
実施例3:天然にキュウリ緑色マイルドモットルウイルス(Cucumber green mild mottle virus)(CGMMV)により感染されたキュウリ種子の消毒:
この場合では、キュウリの種子を、生産現場において天然にCGMMVにより感染された商業的な種子のロットから得た。
種子を、標準的な方法により、そして真空浸透法により消毒した。この場合では、真空を、最初から975〜985mbarの最大圧力で適用する。このプロセスは、器において2つの種子の画分の形成をもたらす:1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分。真空サイクルは、浮いている種子がもはや沈まなくなるまで続く。次いで、浮いている種子を除去し、廃棄する。このプロセスは、15〜20分かかる。
この場合では、2種類の化学物質を用いた。標準的な消毒による(A)、および真空浸透による(B)10%のリン酸三ナトリウム、標準的な消毒による(C)、および真空浸透による(D)0.4%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム。CGMMV ELISAアッセイの結果および発芽の結果に関して、表Iを参照。
我々は、真空浸透により適用されたジクロロイソシアヌル酸ナトリウムの異なる濃度の、CGMMVおよび発芽への作用も試験し(表II)、処理Eは未処理の対照であり;処理Fはジクロロイソシアヌル酸ナトリウム0.75%の真空浸透であり;処理Gはジクロロイソシアヌル酸ナトリウム1.5%の真空浸透であり、処理Hはジクロロイソシアヌル酸ナトリウム2.0%の真空浸透である。
Figure 2016525086
Figure 2016525086
CGMMVを、種子試験に関する国際ルールの方法7−026、7章に対する補遺:種子健全性試験法;国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、2010に従うELISAアッセイにより試験した。
発芽試験を、5章に対する補遺、種子試験に関する国際ルール、国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、1996に従って実施した。
実施例4:天然にタバコモザイクウイルス(ToMV)により感染されたトマト種子の消毒:
トマト種子を、生産現場において天然にToMVにより感染された商業的な種子のロットから得た。その種子のロットは、以前に標準的な方法により3回消毒され、成功しなかった(対照)。
この場合では、30グラムの乾燥種子を、4リットルの2%Virkon(ペルオキソ一硫酸カリウム50%、スルファミン酸5%およびアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(sodium alkyl enzene sulphonate)15%。Virkonは、DuPont(米国)の子会社であるAntec International Limitedの登録商標である)を用いる真空浸透法により消毒した。
真空を適用し、一方で種子を、閉鎖されたチャンバー中で、消毒剤溶液の上の穴のあいた籠の中に配置した。真空圧を、約975〜985mbarの最大到達可能真空圧で適用し、続いて、種子を溶液中に浸し、真空を解除した。真空/脱真空サイクルを4回繰り返し、終了時に全ての種子は沈んでいた。種子を集め、5分間すすぎ、乾燥させた。結果:全てのトマト種子のロットにおいて、ToMVレベルは対照レベルの0%まで低減した(表III参照)。発芽レベルは、1つの種子のロットにおいて2%増大し、その他の種子のロットで5%減少した。
Figure 2016525086
ToMVを、ISHIルール(国際種子健全性イニシアチブ、7章に対する補遺:種子健全性試験法7−028:ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)植物に対する局所病変アッセイ(指標付け(indexing))による、リュコペルシコン・エスクレントゥム(Lycopersicon esculentum)(トマト)における感染性トバモウイルスの検出。p1〜10、国際種子試験協会(ISTA)による発行、Zuerichstr. 50, CH-8303 バッサースドルフ、スイス。2013年1月1日)の下で試験した。
発芽試験を、AOSAルール種子試験(1巻、原理および手順、表6A。実験室発芽を試験する方法。p6〜55、ソラヌム・リコペルシコン変種リコペルシコン(Solanumn lycopersicum var. lycopersicum)(トマト)、公式種子分析者協会(AOSA)1601 52nd Avenue, Suite 1, イリノイ州モリン 61265 米国、2012年10月1日)に従って実施した。
実施例5:標準的なジクロロイソシアヌル酸ナトリウム消毒(外部洗浄):
種:メロンまたはスイカ
プロセス:10kgの種子を、45リットルの1%または2%ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムに添加する。種子を、溶液中で30分間混合し、次いで流水中で10分間洗浄し、次いで元の含水量まで乾燥させる。
実施例6:低減した真空圧による、天然に果実汚斑細菌病に感染したメロン種子の消毒:
天然にBFBに感染したメロン種子を、実施例5において記載されたような標準的な消毒プロトコルにより2回消毒し、それはまだBFBに感染していることが分かった。
1kgのこの種子のロットの3つのバッチを、10リットルのガラスの器に、1.0%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む3.0リットルの消毒溶液と一緒に入れた。30サイクルの真空/脱真空(それぞれのサイクルは、1〜1.5分間の期間を有する)を、3つの異なるレベルで適用した:(i)レベルA:975〜985までの完全真空、(ii)レベルB:740〜816mbarの中程度のレベル、および(iii)レベルC:576〜667mbarの低レベル。40分後(すなわち、30サイクルの真空/脱真空を達成した後)、浮いている画分を廃棄し、沈んでいる画分を集め、40分間洗浄し、乾燥させた。
それぞれの処理レベル(A、B、C)の5000個の種子を試験し、USDA国家種子健全性システムCb1.4 Monsanto向上PCR法に従うポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法により、BFBに関して陰性であることが分かった。標準的なプロトコルは、民間および公共団体の両方が特定の活動を実施することを認可するための、USDA−APHISにより認定され、アイオワ州立大学種子科学センターにより運営されるプログラムである国家種子健全性システムから得ることができ、それは種子の国際的な動きに関する連邦政府の植物衛生証明書の発行を支持するために必要とされる。http://www.seedhealth.org/files/pdf/Vegetable_Crops.pdfにおいて入手できる、“Vegetable Crop Method - Reference Manual B”(国家種子健全性システム)の2014年5月版の69ページを参照。
実施例7:天然にキュウリ緑色マイルドモットルウイルス(CGMMV)により感染されたスイカ種子の消毒:
0.150kgのスイカ種子を、生産現場において天然にキュウリ緑色マイルドモットルウイルス(CGMMV)により感染された商業的な種子のロットから得た。この試料を、1リットルのガラスの器に、0.5リットルの0.2%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む消毒溶液と一緒に入れた。真空を適用し、約700mbarまで上げ、次いで解除した。この真空/脱真空のプロセスを繰り返し、そのたびに真空圧を、おおよそ985mbarの最大真空圧に至るまで、おおよそ50mbar増大させる。このプロセスは、40分間続き、次いで沈んでいる画分を集めた。CGMMVを、2000個の種子において、種子の試験に関する国際ルールの方法7−026、7章に対する補遺(種子健全性試験法;国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、2010)に従うELISAアッセイにより試験し、陰性であることが分かった。
実施例8:天然にCCM(クラビバクター・ミシガネンシス亜種ミシガネンシス)により感染されたトマト種子の、Ca(ClO)2処理を用いた消毒:
トマト種子を、生産現場において天然にCCMにより感染された商業的な種子のロットから得た。真空処理を、以下で記載されるように、4リットルの1%次亜塩素酸カルシウムを用いた真空浸透(VI)法により行った。真空を適用し、一方で種子を、閉鎖されたチャンバー中で、消毒剤溶液の上の穴のあいた籠の中に配置した。真空圧を、約975〜985mbarの最大到達可能真空圧で適用し、続いて、種子を溶液中に浸し、真空を解除した。真空/脱真空サイクルを4回繰り返し、終了時に全ての種子は沈んでいた。種子を集め、5分間すすぎ、乾燥させた。浸漬処理を、VI処理の後、またはVI処理なしで、同じ溶液において1時間行った。
発芽試験を、公式種子分析者協会(AOSA)(http://www.aosaseed.com/)に従って行った。
クラビバクター・ミシガネンシス亜種ミシガネンシス感染の結果を、インターネットサイト:http://www.worldseed.org/isf/ishi_vegetable.htmlにおいて見付けることができるような、国際種子連盟(ISF)の種子健全性法のマニュアルに従って“トマト種子におけるクラビバクター・ミシガネンシス亜種ミシガネンシスの検出のための方法”を用いることにより得た。
全ての結果を、下記の表IVにおいて示す。
Figure 2016525086
実施例9:天然にキュウリ緑色マイルドモットルウイルス(CGMMV)により感染されたキュウリ種子の消毒:
この場合では、天然にCGMMVにより感染された商業的なキュウリ種子のロット(2kg)を処理した。感染した種子を、20リットルの1.33%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する反応器中に入れた。真空/脱真空サイクル(すなわち真空浸透)を、500mbarで開始し、985mbarの最大値に至るまで、各サイクル50mbar増大させて、段階的に適用した。次いで、我々は、真空/脱真空サイクルを、985mbarの最大真空圧において、合計30サイクル続けた。このプロセスは、器において2つの種子の画分の形成をもたらす:1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分。両方の画分を、別々に集めた。これは45分間かかった。CGMMVを、種子の試験に関する国際ルールの方法7−026、7章に対する補遺:種子健全性試験法;国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、2010に従うELISAアッセイにより試験した。
発芽試験を、ペトリ皿上で24℃のインキュベーターにおいて実施し(TOP)、根の突出を、播種の4日後に計数した(4日目におけるTOP)。
結果を、下記の表Vにおいて示す。
Figure 2016525086
実施例10:天然にキュウリ緑色マイルドモットルウイルス(CGMMV)により感染されたキュウリ種子の消毒:
生産現場において天然にCGMMVにより感染された2つの商業的なキュウリ種子のロットの試料を、標準的な消毒により、または真空浸透法により処理した。全ての処理を、1500個の種子に対して300ml溶液中で40分間行い、続いて流水下で40分間洗浄した。標準的な消毒に関して、我々は、2.5%ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム溶液を用いて、真空浸透に関して、我々は、1.5%ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する溶液を用いた。真空/脱真空サイクルを、500mbarで開始し、985mbarの最大値に至るまで、各サイクル100mbar増大させて、段階的に適用した。次いで、我々は、真空/脱真空サイクルを、985mbarの最大真空圧において、合計30サイクル続けた。処理の終了時に、浮いている種子を廃棄し、試験のために重い画分を集め、洗浄し、乾燥させた。
CGMMVを、種子の試験に関する国際ルールの方法7−026、7章に対する補遺:種子健全性試験法;国際種子試験協会、チューリッヒ、スイス、2010に従うELISAアッセイにより試験した。発芽試験を、ペトリ皿上で24℃のインキュベーターにおいて実施し(TOP)、根の突出を、播種の4日後に計数した(4日目におけるTOP)。結果を表VIにおいて示す。
Figure 2016525086
1 反応器
2 消毒溶液
3 蓋
4 真空パイプ
5 真空ポンプ
6 反応チャンバー内の真空圧を制御するための手段および/または真空を解除するための手段
7 圧力ゲージ
8 出口弁
9 コレクター
10 反応チャンバー
11 スタンド

Claims (17)

  1. 種子を消毒する方法であって、以下の工程:
    a)前記種子および消毒溶液を真空反応器中に配置し;ここで、前記種子は、工程b)の前または後のどちらかに前記消毒溶液中に浸され;
    b)真空圧を適用し;
    c)前記真空圧を解除し;
    d)工程b〜cを少なくとも1回繰り返し;そして、
    e)前記種子の沈んでいる画分を、浮いている画分から分離し;ここで、前記の沈んでいる画分は、消毒された種子を含有する;
    を含む方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記沈んでいる画分が、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に収集される方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、工程a〜eの実施に、2時間より長くない時間、好ましくは1時間より長くない時間、より好ましくは30分より長くない時間がかかる方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、工程bにおいて適用される真空圧が、400〜985mbarに含まれる方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、工程bおよびcが、種子の2つの画分である、1つの沈んでいる画分および1つの浮いている画分を得るために適した条件下で実施される方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、工程b〜cの複数のサイクルが、それぞれのサイクルにおいて前記真空圧を増大させながら実施され、例えば、前記真空圧が、工程b〜cのそれぞれのサイクルの後に100mbar増大する方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記の種子が、以下:
    (i)ウリ科の種、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、およびヒョウタン種からなる群から選択されるウリ科の種、または
    (ii)ナス科の種、より具体的には、トマト、トウガラシおよびナス種からなる群から選択されるナス科の種;
    からのものである方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、前記消毒溶液が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する溶液、例えば、少なくとも0.1%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する溶液である方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、前記の種子が、天然に病原体により感染されている方法。
  10. 生存可能な病原体を本質的に含まない種子を生産する方法であって、以下の工程:
    a.種子を提供し;
    b.請求項1〜9のいずれか1項に記載の消毒法を適用することにより前記の種子を処理し;そして
    c.前記の処理された種子を、生存可能な病原体を本質的に含まない種子として回収する;
    を含む方法。
  11. 請求項10に記載の方法により得ることができる種子。
  12. ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する、生存可能な病原体を本質的に含まない種子。
  13. 請求項12に記載の種子であって、ウリ科およびナス科の種、より具体的には、スイカ、メロン、スカッシュ、カボチャ、キュウリ、ヒョウタン、トマト、トウガラシおよびナス種からなる群から選択される種子。
  14. 種子を処理するための消毒剤としてジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含む溶液の使用。
  15. 請求項14に記載の使用であって、前記の消毒剤が、真空浸透により種子中に導入される使用。
  16. 請求項14〜15のいずれか1項に記載の使用であって、前記の溶液が、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する溶液、例えば、少なくとも0.1%のジクロロイソシアヌル酸ナトリウムを含有する溶液である使用。
  17. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、以下:
    a)内部で真空圧を適用するために密閉されることができるチャンバーを含む反応器、
    b)種子の沈んでいる画分を集めるための手段、
    c)前記反応器チャンバーの内部で真空圧を適用するための手段、
    d)前記圧力を解除するための手段、
    e)場合により、前記消毒溶液を、前記集められた種子の沈んでいる画分から分離し、前記消毒溶液を前記反応チャンバー中に再導入するための手段、
    f)場合により、前記種子を前記溶液中に、前記所望の真空圧が適用された後にのみ導入するための手段;
    を含む装置。
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