JP2016523724A - 基板に凹みを形成するための方法、及び凹みを有する物品 - Google Patents

基板に凹みを形成するための方法、及び凹みを有する物品 Download PDF

Info

Publication number
JP2016523724A
JP2016523724A JP2016518346A JP2016518346A JP2016523724A JP 2016523724 A JP2016523724 A JP 2016523724A JP 2016518346 A JP2016518346 A JP 2016518346A JP 2016518346 A JP2016518346 A JP 2016518346A JP 2016523724 A JP2016523724 A JP 2016523724A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
recess
abrasive
article
structured
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016518346A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016523724A5 (ja
Inventor
ブルース エー. スヴェンテク,
ブルース エー. スヴェンテク,
キャスリン アール. ブレッチャー,
キャスリン アール. ブレッチャー,
デイヴィッド ジー. ベアード,
デイヴィッド ジー. ベアード,
リー エー. ファイン,
リー エー. ファイン,
ミッチェル エル. ネルソン,
ミッチェル エル. ネルソン,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
3M Innovative Properties Co
Original Assignee
3M Innovative Properties Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 3M Innovative Properties Co filed Critical 3M Innovative Properties Co
Publication of JP2016523724A publication Critical patent/JP2016523724A/ja
Publication of JP2016523724A5 publication Critical patent/JP2016523724A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/11Lapping tools
    • B24B37/20Lapping pads for working plane surfaces
    • B24B37/24Lapping pads for working plane surfaces characterised by the composition or properties of the pad materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B3/00Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form
    • B32B3/02Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by features of form at particular places, e.g. in edge regions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B3/00Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form
    • B32B3/26Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer
    • B32B3/30Layered products comprising a layer with external or internal discontinuities or unevennesses, or a layer of non-planar form; Layered products having particular features of form characterised by a particular shape of the outline of the cross-section of a continuous layer; characterised by a layer with cavities or internal voids ; characterised by an apertured layer characterised by a layer formed with recesses or projections, e.g. hollows, grooves, protuberances, ribs
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B9/00Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00
    • B32B9/04Layered products comprising a layer of a particular substance not covered by groups B32B11/00 - B32B29/00 comprising such particular substance as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2457/00Electrical equipment

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

アセンブリは、少なくとも1つの凹みを画定した基板と、凹みに隣接して配置され、基板に取り付けられた構成部品とを有することができる。一部の例では、凹みは、研磨物品の構造化研磨層を基板の表面と摩擦接触させ、基板の前記表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させ、基板を基板の前記表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させることにより、前記構造化研磨層が基板の前記表面と接触を維持して前記表面を研磨することにより前記表面に凹みを形成することによって形成することができる。一部の例では、この凹みは、前記構成部品が基板に取り付けられた後で基板に形成することができる。更に、この凹みは、添加された緩い研磨材粒子又は研磨材スラリーを使用せずに形成することができる。【選択図】図1

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年6月7日に出願された米国仮特許出願第61/832,330号に基づく利益を主張するものであり、参照によってその全容を本明細書に援用するものである。
(発明の分野)
本開示は、基板に凹みを形成するための方法及び材料、並びに当該材料から形成される物品に関する。
平板な基板に凹みを形成することは、エッチングプロセス、成型プロセス、及び研磨材スラリーを用いた研磨法によって行われてきた。
米国特許出願公開第2012/0270016 A1号(ハシモト(Hashimoto)ら)は、タッチパネル式携帯電話などの携帯機器で使用される、凹みを有するカバーガラスであって、携帯機器の前面から見た場合に文字又は数字として認識することができる凹み、又は携帯機器の前面から触れた場合に認識することができる凹みが、カバーガラスの互いに反対側の主面の少なくとも一方に形成されたカバーガラスについて述べている。この凹みの表面は化学エッチングプロセスによって形成される。こうした方法は、有害な化学物質の使用をともない、制御が難しく、かつ/又はカバーガラスの表面粗さ又は化学組成を変化させる可能性がある。
米国特許出願公開第2012/0287057 A1号(ウェイ(Wei))は、使用者による装飾又は識別のための文字、数字又はパターンを形成するために用いることができる多数の凹状の形状又は凸状の形状を有する立体彫刻された領域を有する一体型ガラスについて述べている。これらの形状は、加熱されたガラスプリフォームを金型に押しつけるプロセスによって形成される。このような大量のエネルギーを要するプロセスは特殊な装置(例えばガラスプリフォームを加熱するためのオーブンなど)を必要とし、金型の製造コストのために不経済となりうる少量又はカスタム用途にはそれほど適していない。
様々なディンプルグラインダー(例えばイー・エー・フィション・インスツルメンツ社(E. A. Fischione Instruments, Inc.)により販売されるモデル200ディンプルグラインダー)が市販されている。この装置は、通常、透過型電子顕微鏡(TEM)用の高品質の試料を調製し、また、コーティングの摩耗を評価するための試験として使用される。装置は、基板が載せられた水平方向に回転するステージと接触する、垂直方向に向けられた回転ホイールを有している。ホイール自体(例えばステンレス鋼、マイカータ、又は木材でありうる)は研磨材粒子を含まないが、液体媒体中に研磨材粒子を含むスラリーと組み合わせて使用される。このプロセスは比較的遅く、汚れを発生し、研磨材粒子を無駄に使うものであり、また、凹みの形状に歪みを生じ、仕上げ品質が低く、再現性に欠けたものとなりうる。
本開示では、基板に凹みを形成するための方法、並びに凹みが形成された基板を含む物品及びアセンブリを記載する。一部の実施形態では、凹みは、電子部品などの構成部品に取り付けられる基板に形成することができる。他の例では、凹みは基板の中に形成でき、その基板は、例えば化学的に改質された基板内のコーティング又は領域を有する少なくとも1つの改質された表面層を有することができる。一部の例では、凹みは、凹みの深さの少なくとも98%においてほぼ一致した(例えば一致又はほとんど一致した)曲率半径(ROC)を有しうる(ただし、凹みの深さは凹みの最も低い点から、凹みが形成された基板の表面の平面までで測定され、基板の表面の平面にほぼ垂直な方向である)。
1つの例では、本開示は、基板と、前記基板の第1の表面に取り付けられた構成部品とを含むアセンブリを形成することを含む方法であって、前記基板が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に含む方法を記載する。本方法は、更に、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記第2の表面と摩擦接触させる工程を含みうる。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有してよく、前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を備える。前記裏材は前記支持部材と隣接してよく、前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む。本方法は、前記基板の前記第2の表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、前記構造化研磨層が前記基板の前記第2の表面と接触を維持して前記基板の前記第2の表面を研磨することにより前記第2の表面に凹みを形成するように前記基板を基板の前記第2の表面に垂直な回転軸を中心として回転させる工程とを更に含んでよい。
別の例では、本開示は、改質された表面を有する処理基板を形成する工程と、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記改質された表面と摩擦接触させる工程とを含む方法を記載する。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有してよく、前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を備える。前記裏材は前記支持部材と隣接してよく、前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む。本方法は、前記基板の前記改質された表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、前記基板を基板の前記改質された表面に垂直な回転軸を中心として回転させる工程とを更に含んでよく、これにより、前記構造化研磨層が前記基板の前記改質された表面と接触を維持して、前記基板の前記改質された表面を研磨することにより前記表面に凹みを形成する。
更なる例では、本開示は、凹みを画定する表面を有する基板を含む物品を記載する。一部の例では、凹みは凹みの深さの少なくとも約98%において、前記表面にほぼ垂直な少なくとも1つの平面内でほぼ一致した曲率半径を有し、前記凹みの深さは、前記表面の平面から前記表面の平面にほぼ垂直な方向に前記表面から最も遠い凹みの点までで測定される。
更なる例では、本開示は、凹みを有する基板と、前記凹みに隣接して配置され、前記基板に取り付けられた構成部品とを有するアセンブリを記載する。前記凹みは、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の表面と摩擦接触させる工程、前記基板の前記表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程、及び前記基板を基板の前記表面に垂直な回転軸を中心として回転させることにより、前記構造化研磨層が前記基板の前記表面と接触を維持して前記基板の前記表面を研磨する工程により前記表面に凹みを形成することによって形成される。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有してよく、前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を備える。前記裏材は前記支持部材と隣接してよく、前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む。
本明細書で使用する場合、
「研磨材組成物」とは、有機バインダー材料(通常、架橋されたポリマー材料)中に保持された研磨材粒子の混合物のことを指す。
「ディスプレイカバー」とは、電子ディスプレイのカバーとしての使用に適合された任意の透明材料(例えばガラス又はサファイアなど)のことを指す。
「ディンプル」とは、球の部分的表面に一致した表面を有する、表面に形成された凹みのことを指す。
「摩擦を接触する」とは、摩擦力(例えば静摩擦係数及び/又は動摩擦係数)が確立されるだけの充分な力で接触するように押しつけることを意味する。
「長手方向に前進する」とは、研磨ベルトホイール又はベルトの最も外側の研磨表面が、通常の使用において基板を研磨しながら、研磨表面の移動の方向に沿って動くことを意味する。
「成形研磨材複合体」とは、成形研磨材複合体を成形するために使用される金型空洞から複製された所定の形状を有する研磨材複合体のことを指す。
「球状凹面」とは、球の一部の形の凹状に湾曲した表面を意味する。
「エッジロールオフ」とは、凹みが形成された基材の表面と凹みの表面との間の曲率を指す。
本開示の特徴及び利点は、発明を実施するための形態」、及び添付の「特許請求の範囲」を考慮することで更に深い理解が得られるであろう。
本開示による一方法を実施するための代表的な構成の概略側面図である。 図1に示される領域1Aの拡大概略平面図である。 本開示を実施するのに適した構造化研磨ホイールの概略斜視図である。 図2の研磨ホイール130の一部分の拡大概略平面図である。 本開示による代表的なカバーの概略側面図である。 本開示による別の代表的なカバーの概略側面図である。 例示的なディスプレイアセンブリの概念的かつ概略的な図である。 ガラスカバーを含む別の例示的なアセンブリの概念的かつ概略的な図である。 ガラスカバーを含む別の例示的なアセンブリの概念的かつ概略的な図である。 基板の第1の表面に形成されたディンプル、及びディンプルによって画定される体積の内部に少なくとも部分的に配置された構成部品を有する例示的な基板を示した概念的かつ概略的な図である。 基板、ディンプル、及びディンプルとは反対側の表面に隣接して配置された構成部品を有する例示的なアセンブリを示す概念的及び概略的な図である。 基板の第1の表面に形成されたディンプル、及び基板の第2の表面に隣接して配置された構成部品を有する例示的なアセンブリを示した概念的かつ概略的な図である。 基板の第1の表面に形成された第1のディンプル、及び流体、気体、又はポリマーのリザーバを有する基板の第2の表面に形成された第2のディンプルを有する例示的なアセンブリを示した概念的かつ概略的な図である。 円環面の部分として形成された表面を有する陥凹した環を有する例示的な基板を示す概念的及び概略的な図である。 円環面の部分として形成された表面を有する陥凹した環を有する例示的な基板を示す概念的及び概略的な図である。 基板に形成されたディンプルの例示的な配列を示す概念的かつ概略的な図である。 基板に形成されたディンプルの例示的な配列を示す概念的かつ概略的な図である。 基板に形成されたディンプルの例示的な配列を示す概念的かつ概略的な図である。 4個の凹みが形成された例示的なカバーシートを示す概念的かつ概略的な図である。 電子機器と対話する際に使用者のグリップ補助として、又は位置決め補助として機能しうる複数の凹みを有するハウジングの例示的な部分を示す概念的かつ概略的な図である。 実施例2に基づいて作製されたディンプルの表面プロファイルである。 比較例Aに基づいて作製されたディンプルの表面プロファイルである。
本明細書及び図中で繰り返し使用される参照符合は、本開示の同じ若しくは類似の機構又は要素を表すものとする。本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれる他の多くの改変及び実施形態が当業者によれば考案されうる点は理解されるべきである。図面は縮尺通りに描かれていない場合がある。
図1は、本開示による代表的な一方法100を示している。ここで図1を参照すると、保持アセンブリ127に取り付けられ、第2のモータ192により駆動される基板120の表面122と摩擦接触する、第1のモータ190によって駆動される研磨ホイール130(図2及び下記の説明も参照)が回転されるのにしたがって、ディンプル110(代表的な凹み)が基板120に形成される。図に示される実施形態では、研磨ホイール130は、第1の回転軸162を中心として回転する。研磨ホイール130が回転するにしたがって、研磨ホイール130の構造化研磨層136が基板120の表面122において第1の方向160に沿って長手方向に前進する(図1Aを参照)。同時に、基板120が、第1の回転軸162にほぼ直交する第2の回転軸164を中心として回転する。このプロセスが継続すると、ディンプル110が次第に形成され、ディンプルの大きさは研磨材粒子が基板内に入り込む深さによって決定される。
研磨が生じる速度は、摩擦接触圧、研磨粒子の粒径、研磨ホイール(又は研磨ベルト)の回転速度、研磨材の粒径及び硬度、並びに成形研磨材複合体の形状及び密度などの因子によって決まる。通常、研磨材粒子が大きく、かつ/又は固いほど、基板120を速く研磨するが、より小さく、かつ/又はより軟らかい研磨材粒子よりも粗い仕上げとなる。したがって、比較的大きく、かつ/又は固い研磨材粒子(スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)より販売される3M TRIZACTダイヤモンドタイル677XA 20ミクロンダイヤモンド公称グレード構造化研磨材)を使用してプロセスを行うことで凹みの中を粗面化し、次いでより小さく、かつ/又は軟らかい研磨材粒子(スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)より販売される3M TRIZACT酸化セリウムラッピングフィルムM−568XA(0.5ミクロン)構造化研磨材)を使用してプロセスを繰り返すことで光学的に研磨された仕上げを与えることが望ましい場合がある。
より大きな凹み(例えば約0.125インチ(0.318cm)よりも大きい直径を有するディンプル110)では、上記に述べたような2工程の手順が通常は好ましい。より小さな凹みでは、本方法の1回の適用で細密な表面仕上げを得るのに1工程で充分な速さを得ることができる。
次に図2及び2Aを参照すると、代表的な研磨ホイール130は、支持ホイール131の外周面134に沿って配置された構造化研磨部材132を有している。構造化研磨部材132は、裏材139に固定された構造化研磨層136からなる。構造化研磨層136は、無機バインダー材料152中に保持された研磨材粒子150を含んだ成形研磨材複合体138からなる。構造化研磨層136は、ほぼ均一な幅142を有している。高品質のディンプルを形成するうえで有用となるように、支持ホイール131は直径144を有している。直径144に対する幅142の比は0.125以下である。
有利な点として、必要条件ではないが、本開示による方法は、添加された緩い研磨材粒子、及び/又は液体媒体中に研磨材粒子を含む追加される研磨材スラリーなしで行うこともできる。これにより一般的に汚れの発生や無駄が少なくなり、ディンプル110が基板120の周囲表面122と接する箇所においてより鋭い縁の仕上がり度が与えられる。
研磨物品は、例えば、研磨ホイール130(例えば図1及び2に示されるような)、研磨ローラ、研磨ドラム、又は研磨ベルトを含むことができる。必要条件ではないが、支持部材(例えば支持ホイール131)の幅(例えば幅142)は、その外側外周面(例えば外周面134)に取り付けられた構造化研磨層(構造化研磨層136)の幅とほぼ同じであることが好ましい。一部の例では、研磨物品の表面は、ホイール面の幅(例えば幅142)にわたって凸形状を有してもよく、その際、凸形状の曲率は研磨物品(例えば研磨ホイール130)の半径にほぼ等しい。これは、形状一致するように裏打ちされた研磨材によって、又は基板を研磨する前に研磨物品の表面にその形状を形成する(dressing)ことによって実現することができる。研磨物品は一般的にモータ(例えば第1のモータ190)によって駆動されるが、手動動力を用いることもできる。
構造化研磨層136は、基板の表面(例えば図1の基板120の表面122)と摩擦接触する箇所において、回転軸を囲んで長手方向に前進されることが好ましい。これは、研磨物品が、研磨ホイール130、研磨ローラ、又は研磨ドラムであり、更にホイール(例えば駆動ホイール又はガイドホイール)を囲んだ研磨ベルトの移動に一致する場合に本質的に実現される。このような実施形態では、研磨物品(例えば研磨ホイール130)の回転軸と、基板の表面(図1の基板120の表面122)の回転軸とは平行であってはならない。一部の実施形態では、回転軸同士はほぼ直交するが、これは必要条件ではない。
基板120にディンプル110を形成するには、研磨物品(研磨ホイール130)と基板120との摩擦接触の領域は、ディンプル110の最深点と一致する基板120の回転軸上の点を一般的に含む。
他の実施形態では、研磨物品(例えば研磨ホイール130)と基板120とが摩擦接触する箇所を基板120の回転の中心に対して動かすか、かつ/又はオフセットさせることができる。例えば、基板120の表面122が第1の回転軸を中心として回転し、研磨ホイール130が第2の回転軸(例えば第1の回転軸と平行ではない)を中心として回転する場合、研磨ホイール130及び/又は基板120を、基板120の表面122に平行な平面内の第3の異なる方向に沿って平行移動させることができる。このような運動によって、例えば溝、長円、又は楕円体などの球状の丸みを帯びた端部を有する円筒の一部として形成された表面を有する溝を形成することができる。
更に追加の実施形態では、研磨物品(例えば研磨ホイール130)と基板120との間で摩擦接触する領域を基板120の回転軸からオフセットさせることができる。例えば、基板120の表面122が摩擦接触の領域から横にオフセットした第1の回転軸を中心として回転し、研磨ホイール130が第2の回転軸(第1の回転軸に平行ではない)を中心として回転する場合、本方法によって、円環面の一部に一致した表面を有する環状の凹みが一般的に形成される。
本開示による方法の実施において、研磨物品(例えば研磨ホイール130)と基板120の表面122との間に摩擦接触が確立され、時間とともに基板120内に研磨物品が入り込むことになる。このように、基板120の研磨及びディンプル(例えば凹み)110の形成は、研磨物品及び/又は基板120に対して、互いに向かってそれらを押し圧する、ある程度の力を、研磨物品及び基板120の他の運動と組み合わせて、加えることによって実現される。加える力の適切な量の選択は、当業者の能力の範囲内である。この力は、研磨の良好な速度を得るうえで充分であるが静摩擦が起きるほどには高くないものであることが好ましい。
一部の実施形態では、研磨物品(例えば研磨ホイール130)は、基板120を研磨する間、基板120の表面122にほぼ垂直に(例えば垂直又はほとんど垂直に)位置合わせされる。一部の実施形態では、研磨物品は、基板120の表面122に対して90°、80°、70°、60°、50°、40°、30°、又は更には20°よりも小さい角度で傾けることができる。
基板120の研磨の間、研磨液を用いて熱の蓄積を低減し、かつ/又は破片を流し去ることができる。研磨液としては、例えば、水、1つ又は複数の界面活性剤を含む水(例えばウー(Woo)らに付与された米国特許第7,278,904号に述べられるもの)、オイル、グリコール、又は他の潤滑剤が挙げられる。
基板120は任意の形状を有することができる。一部の実施形態では、基板120はほぼ平板な表面を有し、他の実施形態では、基板120の表面は凸状、凹状、平板、又はこれらの組み合わせとすることができる。適当な基板の形状の例としては、シート、ブロック、ウェーハ、及びスラブが挙げられる。基板120は任意の材料を含みうるが、基板120(及び特に研磨される基板表面122)はガラス、セラミックス(サファイアなど)、又は結晶化ガラス材料のうちの少なくとも1つを含むことが好ましい。適当なガラスの例としては、ソーダ石灰シリカガラス、ホウケイ酸ガラス、フッ素ガラス、アルミノケイ酸ガラス(例えばリン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、及びカルコゲナイドガラスなど)、エリソン(Ellison)らに付与された米国特許出願公開第2012/0135852号に述べられるもののようなアルミノホウケイ酸ガラス、及び化学強化ガラス(例えば、コーニング社(Corning)、ニューヨーク州コーニングによりGORILLA GLASSの商品名で市販されるアルカリアルミノケイ酸シートの強靱化ガラス)が挙げられる。適当なセラミックスの例としては、アルミナ、サファイア、ルビー、ジルコニア、イットリア、及び/又は、希土類酸化物を含有する結晶化ガラス、及びこれらの組み合わせが挙げられる。好ましい実施形態では、基板120は透明であるが、これは必要条件ではない。これらの実施形態の一部のものでは、基板120はほぼ無色である。一部の実施形態では基板120は金属又は金属合金を含む。
有利な点として、本開示による方法は、例えば、ディンプル、楕円体状の凹み(すなわち、楕円体の一部として形成された表面を有するもの)、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹み(例えば円環面の部分として形成された表面を有する押し付けられた環状物又は溝)をはじめとする様々な凹みを形成することができる。典型的な実施形態では、凹みは滑らかで連続的な凸面を有するがこれは必要条件ではない。一部の実施形態では、凹みは、凹みの深さの少なくとも約98%についてほぼ一致した(例えば一定の)曲率半径を有することができる(例えば、その場合、深さは凹み(例えばディンプル110)の最深点から表面122の平面まで表面122にほぼ垂直な方向に測定される)。一部の例では、凹みの曲率半径は、表面122の平面に垂直なすべての平面内でほぼ一致していて(例えば一定であって)よい(例えば凹みがディンプル110を含む場合)。他の例では、凹みの曲率半径は、表面122の平面に垂直な少なくとも1つの平面内でほぼ一致していて(例えば一定であって)よい(例えば凹みが楕円体状の凹み、及び長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、並びに環状の凹みを含む場合)。
また、典型的な実施例では、凹みは、凹みが基板120の表面122と境を接する明確に形成された境界において突然終端するが、これは必要条件ではない。一部の例では、エッジロールオフは、凹みの全体の深さの約0.1%〜約2%のように、凹みの全体の深さ(例えば深さを、凹みの最深点から表面122の平面にまで表面122とほぼ直交する方向に測定した場合)の約2%未満に制限される。エッジロールオフとは、基板120の表面122と凹みの表面との間の湾曲のことを指す(例えば表面122と凹みの表面との間に明瞭に形成されたエッジではなくて)。これらの凹みの特性のため、本方法は電子ディスプレイカバー(例えば指又はスタイラスを用いた触知相互作用に適したディスプレイカバー)を作製するうえで非常に好適なものとなっている。
本開示による方法は、例えば電子ディスプレイカバー、医療機器カバー、センサ装置カバー、及び/又は携帯型電子機器のハウジングなど、ディスプレイカバー、カバーシート、及び/又はハウジングを含む基板に、複雑な形状の凹みを形成するために使用することができる。凹みを含む一部の例示的な構造について以下に説明する。
例えば、基板を貫通する円筒状の孔(すなわちビア)を中心としたディンプルを形成することができる。そのような場合、本開示による1つ又は複数の方法を実施するのに先立って円筒状の孔を形成する(例えば穿孔により)ことが一般的には好ましい。このようにすることで、穿孔によって形成される可能性のある基板内のすべての切りくずを研磨プロセスにおいて除去することができる。例示的な構造の1つを図3に示す。カバー300は、第1及び第2の互いに反対側の平行な主面320、322を有する化学強化ガラスシート310で構成されている。球状に凹んだ凹み330が第1の主面320と境を接し、第1の主面320から内側に形成されている。球状に凹んだ凹み330は、その最深点350において円筒状通路340と境を接していて、円筒状通路は球状に凹んだ凹み330と第2の主面322との間に延びて境を接している。円筒状通路340は、第1及び第2の互いに反対側の平行な主面320、322にほぼ垂直である。一部の例では、円筒状通路340は、第1の平行な主面320及び第2の平行な主面322に隣接して配置される構成部品を電気的に接続するために用いることができる。例えば、圧力センサ、容量性センサ、触覚装置、又はこれに類するものなどの1つ又は複数の電子構成部品を、球状に凹んだ凹み330内に配置し、第2の平行な主面322に隣接して配置された別の電気的構成部品と円筒状通路340を利用して(例えば、円筒状通路340の表面に形成された導電性コーティングを利用して)電気的に接続することができる。
次に図4を参照すると、ディスプレイカバー400は、第1及び第2の互いに反対側の平行な主面420、422を有する透明シート410で構成されている。第1の球状に凹んだ凹み430が、第1の主面420と境を接し、第1の主面420から内側に形成されている。第2の球状に凹んだ凹み432が、第2の主面422と境を接し、第2の主面422から内側に形成されている。第1及び第2の球状に凹んだ凹み430、432の間に延びてそれらの最深点450、452において凹み430、432と境を接する円筒状通路440は、第1及び第2の互いに反対側の平行な主面420、422に垂直である。一部の例では、円筒状通路440は、第1の平行な主面420及び第2の平行な主面422に隣接して配置された(例えば第1の球状に凹んだ凹み430及び第2の球状に凹んだ凹み432内に配置された)構成部品同士を、例えば円筒状通路440の表面に形成された導電性コーティングを利用して電気的に接続するために使用することができる。他の例では、1つ又は複数の構成部品を、図3の円筒状通路340又は図4の円筒状通路440内に少なくとも部分的に配置することができる。図3及び4に示されるような凹みは、ディスプレイカバーに近接した対話型要素の製造における構成部品として製造することに有用でありうる。
一部の例では、本明細書に述べられる方法を使用して、(例えば基板の前処理によって)少なくとも1つの更なる層がその表面上又はその内部に形成される基板に凹み(例えばディンプル110、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、又は環状の凹み)を形成することができる。一部の場合では、前記少なくとも1つの層は、クリップ、接着剤、又はこれに類するものなどの締結要素によって基板に機械的に取り付けることができる。例えば、本明細書に述べられる方法を用いてディスプレイアセンブリの一部をなすガラス基板に凹みを形成することができる。図5は、例示的なディスプレイアセンブリ500の概念的かつ概略的な図である。ディスプレイアセンブリ500は、例えばカバーガラス502、1つ又は複数の光学フィルム504,液晶層506、及びバックライト508を有することができる。一部の例では、カバーガラス502は1つ又は複数の光学フィルム504に取り付けることができ、液晶層506は1つ又は複数の光学フィルム504の反対側に取り付けることができ、バックライト508は液晶層506のカバーガラス502とは反対側に配置することができる。他の例では、ディスプレイアセンブリは、例えばバックライト508と液晶層506との間に配置された更なる光学フィルム層などの更なる層を有することができる。液晶層506及びバックライト508は、液晶層506及びバックライト508の動作を制御する制御回路(図5には示されていない)に電気的に接続することができる。
図6は、カバーシート及びガラスカバーに取り付けられた構成部品を有する別の例示的アセンブリの概念的かつ概略的な図である。図の例では、アセンブリ600はカバーシート602及び電子モジュール604を有している。電子モジュール604は、例えば光学センサ、赤外線センサ、触覚装置、存在検知センサ、バイオメトリックセンサ、又は本明細書に述べられる他の任意の電子装置若しくはモジュールが含まれうる。一部の例では、電子モジュール604は、電荷結合素子(CCD)センサ又は相補型金属酸化物半導体(CMOS)センサなどの光学及び/又は赤外線センサを、付属する処理回路とともに含むことができる。一部の例では、カバーシート602に形成された凹みは光学及び/又は赤外線センサ用のレンズとして機能することができる。
図7は、ガラスカバーを含む別の例示的なアセンブリの概念的かつ概略的な図である。図7に示されるアセンブリ700は、例えば前記少なくとも1つの層が、ガラス基板702を化学的に処理することにより化学的改質層704をガラス基板702の表面706に隣接して形成するか、ガラス基板702の表面706上に化学コーティングを形成することによって形成された、処理ガラス基板702を有することができる。単一の化学改質層704が示されているが、他の例では、ガラス基板702のすべての表面が表面に隣接して化学改質層704を有することができる。一部の例では、処理ガラス基板702は、例えばディッピング、ローラコーティング、又はスプレイングを用いてガラス基板702の表面上に形成されたアクリル又はメタクリルコーティングを有するガラス基板などの積層ガラスを含むことができる。一部の例では、ガラス基板702は、溶融ドロープロセスによって形成することができる。アクリル又はメタクリルコーティングは、例えばアクリル又はメタクリルコポリマーを含むことができる。ガラス基板の表面にコーティングが堆積された後、コーティングを乾燥、硬化、又は焼き付けすることができる。本開示の方法で使用することができる積層ガラスの例としては、米国特許出願公開第2009/0258187 A1号(ブラディー(Brady)ら)に述べられるものが挙げられる。
他の例では、処理ガラス基板702はアルミノケイ酸ガラス材料などの化学強化ガラスを含みうる。一部の例では、アルミノケイ酸ガラス材料は、アルカリアルミノケイ酸ガラス材料を含むことができる。他の例では、アルミノケイ酸ガラス材料はアルカリを含有せずともよい。
一部の例では、アルミノケイ酸ガラス材料は、イオン交換処理を受けた少なくとも1つの表面を有することができる。イオン交換処理では、ガラス中に存在するより小さな金属イオンがより大きな金属イオンで置換されうる。一部の場合では、より小さな金属イオンとより大きな金属イオンとは同じ価数のものである。イオン交換処理は、アルミノケイ酸ガラスの表面層を処理することができる。より小さい金属イオンをより大きな金属イオンで置換することによって、圧縮ストレスが表面層704内で発生し、これによりアルミノケイ酸ガラスの表面層704が強化される。
一部の例では、イオン交換処理は、アルミノケイ酸ガラスをより大きな金属イオンの溶融塩中に浸漬することによって行うことができる。表面層704は、アルミノケイ酸ガラスの厚さの2%よりも大きいか又はこれに等しい深さを有することができる。化学強化されたアルミノケイ酸ガラスに関する更なる詳細は、米国特許出願公開第2011/0165380 A1号(ガハガン(Gahagan)ら)に見ることができる。
本開示に述べられる方法は、添加された緩い研磨材粒子及び/又は添加される研磨材スラリーなしで行うこともできるため、これらの方法は、少なくとも1つの更なる層がその内部又はその表面上に形成されたガラス基板上で行うことができる。これにより、電子構成部品と凹みとが精密に位置合わせされた装置の製造が可能となりうる。例えば、凹みは電子モジュール604(図6)の上でかつ電子モジュールと精密に位置合わせしてガラス又はサファイアカバー層に形成することができる。一部の例では、凹みは電子モジュール604用のレンズとして構成することもできる。別の例では、凹みはカバー層の下層となるセンサ上でかつセンサと精密に位置合わせしてガラスカバー層内に又はサファイアカバー層に形成することができる。
これに対して、電子構成部品を基板に取り付けた後で化学エッチング又はスラリーによる研磨を用いて基板に凹みを形成することは、スラリー中の液体及び/又は腐食性のエッチング化学薬品によって電子構成部品が影響を受けやすいことから実用的ではない場合がある。同様に、電子構成部品を基板に取り付けた後、又は積層ガラス又は化学処理されたガラスを形成した後で型成形を用いて基板に凹みを形成することは、ガラスを型成形するために用いられる温度によって電子構成部品又はコーティング/処理表面が影響を受けやすいことから実用的ではない場合がある。したがって、本明細書に述べられる技法は、凹みが形成された基板を有する物品を製造するうえで更なる柔軟性を与えうるものである。
基板に凹みを形成するための本技法を用いることで、様々な装置及びアセンブリの構築又は製造を容易にすることができる。次に、本明細書に述べられる技法を用いて形成された凹みを有する例示的な装置及びアセンブリについて説明する。
一部の例では、ディンプル110が比較的小さい表面粗度及び制御された曲率を有する研磨表面を有しうることから、ディンプル110をレンズとして構成することができる。一部の例では、有機バインダー材料152中に保持された研磨材粒子150からなる成形研磨材複合体138を含む構造化研磨層136を制御してディンプル110の曲率を制御することができる。例えば、構造化研磨層136が比較的圧縮性が低いものである場合、ディンプル110の形状は研磨ホイール130の形状をより精密に再現したものとなりうる。例えば球状のディンプルの曲率半径は、研磨ホイール130の半径とほぼ等しくなりうる。したがって、研磨ホイール130が円として成形され、構造化研磨層136が比較的圧縮性が低いものである場合、ディンプル110の形状は球の表面の関数として記述することができる。一部の実施形態では、ディンプル110は、凹みの深さの少なくとも約98%においてほぼ一致した(例えば一定の)曲率半径を有することができる(例えば、その場合、深さは凹み(例えばディンプル110)の最深点から表面122の平面まで表面122にほぼ垂直な方向に測定される)。これに対して、構造化研磨層136が比較的圧縮性が高いものである場合、ディンプル110の形状は研磨ホイール130の形状からより多く外れたものとなり、ひいては球形状から外れたものとなりうる。
一部の例では、ディンプル110の表面の表面粗度は比較的小さくでき、結果として光学的に滑らかな表面をもたらし得る。例えば、適切な研磨材粒子150を使用することにより、ディンプル110の表面の平均の表面粗度を約30オングストローム(Å)とすることができる。一部の例では、ディンプル110の表面の平均の表面粗度は、ディンプル110の表面全体にわたってほぼ一定にでき、かつ構造化研磨層136に使用される研磨材のグレード及び鉱物の種類を選択することによって制御することができる。
一部の例では、ディンプル110を用いることでディンプル110によって画定される体積の内部の少なくとも一部に構成部品を配置することが可能となる。図8は、基板800の第1の表面806に形成されたディンプル802、及びディンプル802によって画定される体積の内部の少なくとも一部に配置された構成部品804を有する例示的な基板800を示した概念的かつ概略的な図である。図8に示されるように、ディンプル802によって構成部品804を基板800の第2の表面808のより近くに配置することが可能である。これにより、例えば、構成部品804がディンプル802によって画定される体積の内部の少なくとも一部に配置されていない例と比較して装置が薄くなり、また、構成部品804と基板800の第2の表面808との間の材料を減らせるといった1つ又は複数の利点を与えることができる。
構成部品804は、例えば電子モジュール604(図6)のような電子モジュールを含みうる。電子モジュールは、例えば光学センサ又はIRセンサを付属する処理回路とともに含みうる。基板800の第2の表面808と構成部品804との間の材料がより少ないことから、凹みを有さない基板と比較して光学又はIRセンサまでの経路長を短くすることができる。一部の例では、これにより基板800によって生じる歪みを低減させることができる。
一部の例では、ディンプル802は、ディンプル802に隣接して配置される電子モジュール(例えば光学センサ又はIRセンサ)用の集束レンズとすることができる。他の例として、ディンプル802は、電子機器のディスプレイ用のレンズ、例えばテレビのリモートコントロール、モバイルコンピューティングデバイス、若しくはこれに類するもののディスプレイの一部の拡大レンズ、ソーラーパネルの集光(集束)レンズ、ディンプル802とディンプル802の下にある画像との組み合わせによって生成される3次元(3D)光学効果用のレンズ、又はこれに類するものとすることができる。
一部の例では、ディンプル802は、1つ又は複数のコーティング材でコーティング、積層、又は蒸着することができる。一部の場合では、コーティングは、反射防止コーティング、高反射性コーティング、誘電体コーティング(例えば、基板800と異なる屈折率を有する1つ又は複数の材料を用いた)、又はこれらに類するものなどの光学コーティングを含むことができる。他の例では、コーティングは傷防止コーティングを含むことができる。他の例では、コーティングは発光性コーティングを含むことができる。例えば、ディンプル802がタッチ式又は存在検知式の入力装置のボタンとして使用される場合、発光コーティングによって使用者が低光量の状況でボタンの位置をより簡単に特定することが可能となる。
他の例では、構成部品804は触覚装置(haptic device)(力覚提示デバイス)を含むことができる。触覚装置をディンプル802によって画定される体積の内部の少なくとも一部に配置することにより、触覚装置を基板800の第2の表面808のより近くに配置することができる。一部の例では、触覚装置を第2の表面808のより近くに配置することによって、第2の表面808において同様の触覚効果を生じさせるために必要とされる電力を低減させることができる。更に、一部の例では、触覚装置を第2の表面808のより近くに配置することによって、より精細度の高い触覚信号を促進することができる。より精細度の高い触覚信号には、例えば触覚装置が組み込まれた装置のより大きな面積又は体積にではなく、触覚装置に近接した位置により限定された触覚信号が含まれうる。
一部の例では、ディンプル802は、触覚装置がディンプル802によって画定される体積の内部にほぼ完全に配置されるような大きさとすることができる。これにより触覚装置に保護を与えることができるばかりでなく、触覚装置から基板800への振動伝達の効率を高めることができる。一部の例では、触覚装置及びディンプル802は、触覚装置ディンプル802の側壁と接触しないような大きさとすることができる(例えば触覚装置は第2の表面808に近いディンプル802の位置においてのみ基板800と接触する)。これによっても、触覚装置から基板800への振動伝達の効率を高めることができる。
一部の例では、触覚装置は触覚又は運動感覚を発生することができる。本明細書で使用するところの、触覚的触覚装置とは、振動、触感、又は熱を発生するものであり、運動感覚触覚装置(kinesthetic haptic device)とは、能動素子(圧電アクチュエータなど)であるか又は抵抗力のフィードバックを与えるものである。
一部の例では、構成部品804は容量性センサなどの存在検知装置の構成部品を含みうる。触覚装置と同様、一部の例では、第2の表面808のより近くに存在検知センサを配置することにより、第2の表面808において検知感度を生じるために必要とされる電力を低減することができるばかりか、更には、基板800が組み込まれた装置をより薄くすることができる。
他の例では、ディンプル802により画定される体積の内部の少なくとも一部に構成部品804を配置し、第2の表面808を使用者に面する表面とする代わりに、ディンプル802を基板の使用者に面する表面上となるように方向付けることができる。図9は、基板902、ディンプル904、及び、ディンプル904とは反対側の表面910に隣接して配置された構成部品906を有する例示的なアセンブリ900を示す概念的及び概略的な図である。ディンプル904は基板900の第1の表面908に形成され、構成部品906は第2の表面910に隣接して配置されている。
一部の例では、構成部品906は電子モジュール(例えば図6の電子モジュール604)とすることができ、ディンプル904のために電子モジュールはモジュールと表面908の反対側の環境との間により少ない材料を有することができる。これに加えるか又はこれに代えて、ディンプル904を、電子モジュールのセンサに光を集束するためのレンズとして構成することもできる。
他の例では、構成部品906は存在検知センサである。ディンプル904は、触覚ボタン、例えばタッチ式又は存在検知式の入力装置の一部として構成することができる。例えば、基板902は存在検知入力装置のカバーグラスを形成することができる。存在検知入力装置は、例えば、抵抗技術、表面弾性波技術、容量技術、赤外線技術、光学技術、分散信号技術、音響パルス検出技術、又は他の任意の適当な存在検知技術に基づいて動作するものでよい。異なる例において、存在検知入力装置は、スマートフォン若しくはタブレットコンピュータ、自動車のユーザインターフェース、又はこれに類するものなどの計算装置を含むか、又はこれらと関連付けることができる。ディンプル904は、表面908及び滑らかな曲率とぶつかる際に比較的明瞭なエッジを形成するため、ディンプル904は使用者がタッチのみを用いて容易に位置特定することが可能である。これにより、ディンプル904はユーザ入力を受信するための触覚式ボタンとして有用となりうる。これは、ディンプル904が、前面にディスプレイを有する電子機器の背面、又はボタンを見ずに操作できることが有用である自動車のディスプレイに配置される場合に有用となりうる。一部の例では、触覚式ボタンは、ホーム機能、バック機能などの専用機能と関連付けるか、又は単一の関連付けられたアプリケーションを実行するように(例えば関連付けられたアプリケーションの専用起動ボタンとして)構成可能とするか若しくは構成することができる。他の例では、触覚式ボタンは、触覚式ボタンの下に配置されたディスプレイ装置に表示された内容に応じた機能と関連付けることができる。
他の例では、構成部品906はバイオメトリックセンサとすることができる。ディンプル904は、使用者が指先をバイオメトリックセンサに提示することができる再現式の表面を与えることができる。バイオメトリックセンサの一例としては、指紋センサ、生体医療センサ、又は他の診断装置が挙げられる。
一部の例では、図8及び9に示される例を、ディンプルと基板の反対側の表面との間の円筒状通路(例えば図3の円筒状通路340又は図4の円筒状通路440)と組み合わせることができる。円筒状通路440は、基板800又は900の一方の側から基板800又は900の他方の側に流れる電気的接続の経路を与えることができる。
図10は、基板1002の第1の表面1008に形成されたディンプル1004、及び基板1002の第2の表面1010に隣接して配置された構成部品1006を有する例示的なアセンブリ1000を示した概念的かつ概略的な図である。更に、アセンブリ1000は、ディンプル1004と第2の表面1010との間に延びる円筒状通路1012を有している。円筒状通路1012は、ディンプルの内部に配置された構成部品と構成部品1006との間の電気的接続の通路を与えることができる。
他の例では、円筒状通路1012の内部に構成部品を配置することができる。例えば、圧力センサを円筒状通路1012の内部に、圧力センサの表面がディンプル1004の表面に近くなるようにして配置することによって、ディンプル1004の表面に作用する圧力を圧力センサによって感知することができる。このようにして、ディンプル1004は圧力がディンプル1004の表面に作用する際に作動するボタンとすることができる。一部の例では、ディンプル1004は、使用者が見る、又は視覚的に焦点を合わせることが困難な装置の位置に配置することができる。例えば、ディンプル1004は、モバイルコンピューティング装置(例えばスマートフォン又はタブレット)の背面(画面の反対面)に配置してもよく、又は自動車のユーザインターフェースの一部としてもよい。ディンプル1004は、使用者が視覚に頼らずに主としてタッチを用いて、又はタッチのみを用いてボタンの位置を特定することを可能とする。
別の例として、スピーカー又はマイクロフォンを円筒状通路1012の内部に配置し、ディンプル1004をスピーカー又はマイクロフォン用の導波管として機能させることができる。これにより、スピーカー又はマイクロフォンの効率を高めることができる。
図11は、基板1102の第1の表面1108に形成された第1のディンプル1104、及び基板1102の第2の表面1110に形成された第2のディンプル1106を有する例示的なアセンブリ1100を示した概念的かつ概略的な図である。更に、アセンブリ1100は、第1のディンプル1104と第2のディンプル1106との間に延びる円筒状通路1118を有している。アセンブリ1100は、第1の表面1108に隣接したリザーバ1114、及び第1の表面1110に取り付けられ、第2のディンプル1106を覆う可撓性膜1112を更に有している。
アセンブリ1100は所定の事象に対して応答するために利用可能な物理的に隆起したボタンとすることができる。例えば、アセンブリ1100はディスプレイ用のカバーガラスの一部とすることができる。アセンブリ1100(例えば第2のディンプル1106)と位置合わせされた位置においてディスプレイに表示されるユーザインターフェース要素に応じて、制御モジュールがボタンを隆起させ、ユーザインターフェース要素を選択するために使用者が対話することができる物理的なボタンを与えることができる。
図11は、隆起したボタンに対応した、撓んだ位置にある可撓性膜1112を示している。可撓性膜1112を撓ませるには、リザーバ1114内の流体(例えば液体、気体、又はポリマーなど)を円筒状通路1118から第2のディスプレイ1106に強制的に送る。流体1116の圧力が可撓性膜1112を撓ませ、膜1112を第1の表面1110から突出させる。ボタンがそれ以上必要とされなくなった時点で(例えばユーザインターフェース要素がディスプレイにそれ以上表示されなくなった時点で)、リザーバ1114内の流体1116に作用する圧力を低下させることができ、これにより、流体が第2のディンプル1106からリザーバ1114内に流れ戻る。流体の圧力が低下すると膜1112はそれ以上撓まなくなる。適当な流体の圧力において、膜1112は表面1110とほぼ平行であり、表面1110と同一平面上にある表面を形成することができる。
一部の例では、凹みはディンプルとして形成されずともよい。代わりに、凹みを、円環面の部分として形成された表面を有する陥凹した環又は溝として形成することができる。図12A及び12Bは、円環面の部分として形成された表面を有する陥凹した環1202を有する例示的な基板1200を示す概念的及び概略的な図である。陥凹した環1202は、陥凹した環1202内に平坦部1204を画定している。一部の例では、陥凹した環1202を第1のユーザインターフェース要素(例えば基板1200の第1の存在検知部分)とし、平坦部1204を第2のユーザインターフェース要素(例えば基板1200の第2の存在検知部分)とすることができる。例えば陥凹した環1202をノブ又は回転式コントロールとして機能させ、平坦部1204をボタンとして機能させることができる。一部の例では、平坦部1204を含む陥凹した環内の部分の代わりに、その部分がディンプル又は他の凹みを有してもよい。
上記の例は、1個の凹み(例えばディンプル)を有するアセンブリを示したものであるが、他の実現形態では、アセンブリは特定の配列に形成された複数の凹みを有してもよい。図13〜15は、ディンプルの例示的な配列を示す概念的かつ概略的な図である。図13に示されるように、基板1300は、ディンプル1302a〜1302eの直線的な配列を有することができる。一部の例では、ディンプル1302a〜1302eは、図13に示されるように少なくとも部分的に重なり合うようにして形成することができる。他の例では、ディンプル1302a〜1302eは、重なり合わないように形成することもできる。
図14は、ディンプル1402の配列を有する基板1400を示す概念的かつ概略的な図である。図14の例における配列は、ディンプル1402が行(図14のY軸方向。ただし、直交するXYZ軸はあくまで説明の目的で示される)と列(例えばX軸方向)とにほぼ整列された規則的なグリッドを有している。他の例では、ディンプル1402を、X軸、Y軸、又はその両方において互いからオフセットさせてもよい。ディンプル1402が基板1400の面積全体にわたって間隔をおいて設けられているため、触覚装置(又は他の構成部品)を基板1400の面積全体にわたって間隔をおいて設けることができる。触覚装置を基板1400の面積全体にわたって間隔をおいて設けることにより、触覚装置のアレイを利用して基板1400の複数の位置に限定された触覚フィードバックを与えることができる。これにより、触覚フィードバックを、タッチ事象が生じる基板1400の位置に近接した位置にほぼ限定させることができる。
図15は、ディンプル1502の配列を有する別の例示的な基板1500を示す概念的かつ概略的な図である。図15の例に示されるように、ディンプル1502の配列は、QWERTYキーボード配列に似た形態に形成されている。図15には、複数の文字1504も示されている。複数の文字1504のそれぞれは、ディンプル1502のそれぞれとほぼ整列されている。これにより、ディンプル1502のそれぞれは、複数の文字の対応する1つのボタンとして機能することができる。例えば、存在検知センサ(例えば容量性センサ又は圧力センサ)をディンプル1502のそれぞれに配置することにより、使用者がディンプル1502の対応する1つに触れることによって文字を選択することができる。一部の例では、複数の文字1504を基板1500に隣接してディスプレイ装置に表示させてもよく、基板1500がカバーガラスを有してもよい。これにより、複数の文字1504を例えば他の文字に換えるか、又は複数の文字1504に選択されたフォーマットの選択肢(例えばリッチテキストフォーマット)を反映させることができる。他の例では、複数の文字1504を基板1500の下の層に印刷するか、又は他の方法で永久的に形成することができる。
他の例では、QWERTYキーボード配列に似た形態のディンプル1502の配列の代わりに、ディンプル1502のアレイを任意の選択された配置で形成することができる。この配置は、基板1500が供される用途に基づいて選択することができる。例えば、ディンプル1502の配列は、自動車のユーザインターフェース(例えばクライメットコントロール、オーディオコントロール、又はこれに類するものなど)として使用される場合では、リモートコントロール(例えばテレビ又はステレオ用の)として使用される場合とは異なる配置を有することができる。
他の例では、装置又はアセンブリは、電子機器のハウジング又はカバーシート(例えばカバーガラス)に(例えば電子機器を保持する際に使用者の指が置かれうるハウジング又はカバーシートの位置に)形成された凹みの配列を有してもよい。このような凹みの配列は、使用者が特定の位置にある手によって電子機器を握るか又は電子機器を保持することを助ける特徴部として機能することができる。図16は、4個の凹み1602、1604、1606、及び1608が形成された例示的なカバーシート1600を示す概念的かつ概略的な図である。図16に示される例では、凹み1602〜1608はディンプルである。他の例では、凹み1602〜1608の少なくとも1つは、楕円体状の凹み、細長い水槽状の凹み、長円形の凹み、又は環状の凹みなどの異なる形状を有することができる。更に、一部の例では、カバーシート1600は4個よりも少ないか又は多い凹み1602〜1608を有することができる。
凹み1602〜1608のそれぞれは、使用者が特定の位置又は向きで電子機器を保持する際に指(例えば親指)を置く位置としておおよそ決定される位置においてカバーシート1600に形成することができる。例えば、第1の凹み1602及び第2の凹み1604を、使用者が電子機器を第1の位置又は向きで保持する際に使用者の親指が第1の凹み1602及び第2の凹み1604の上又はその近くに置かれるように配置することができる。別の例として、第3の凹み1606及び第4の凹み1608を、使用者が電子機器を第2の位置又は向きで保持する際に使用者の親指が第3の凹み1606及び第4の凹み1608の上又はその近くに置かれるように配置することができる。これにより、凹み1602〜1608は、電子機器と対話する際の使用者の位置決めの補助として機能することができる。
図17は、電子機器と対話する際に使用者のグリップ補助として、又は位置決め補助として機能しうる複数の凹み1702〜1716を有するハウジング1700の例示的な部分を示す概念的かつ概略的な図である。図16に示される例と異なり、複数の凹み1702〜1716は電子機器のハウジング1700の前記部分に形成されている。例えば、ハウジング1700の前記部分は、電子機器のディスプレイにより画定される表面のほぼ反対側の表面を画定することができる(すなわち、ハウジング1700の前記部分は電子機器の背面とすることができる)。一部の例では、電子機器は、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はスマートフォンなどの携帯型コンピューティング装置でありうる。図17に示される例では、凹み1702〜1716はディンプルである。他の例では、複数の凹み1702〜1716の少なくとも1つが楕円体状の凹み、細長い水槽状の凹み、又は環状の凹みなどの異なる形状を有してもよい。
図17に示されるような一部の例では、第1の凹み1702、第2の凹み1704、第3の凹み1706、及び第4の凹み1708は、使用者が電子機器を保持する際に使用者の一方の手の人差し指、中指、薬指、及び小指が、第1の凹み1702、第2の凹み1704、第3の凹み1706、及び第4の凹み1708の上又はその近くにそれぞれ置かれるような物理的構成に配置することができる。同様に、第5の凹み1710、第6の凹み1712、第7の凹み1714、及び第8の凹み1716は、使用者が電子機器を保持する際に使用者の他方の手の人差し指、中指、薬指、及び小指が、第5の凹み1710、第6の凹み1712、第7の凹み1714、及び第8の凹み1716の上又はその近くにそれぞれ置かれるような物理的構成に配置することができる。これにより、凹み1702〜1716は、電子機器と対話する際の使用者の位置決めの補助として機能することができる。一部の例では、1組の凹み1702〜1716を有する代わりに、ハウジング1700の前記部分は、例えば使用者が異なる大きさの手を有することに適応させるための複数の組の凹みを有してもよい。
本開示の方法の開発の過程において、本発明者らは、研磨物品、及び本開示の方法の使用に適した研磨物品を製造するための方法を開発した。以下にこれらについて詳細に検討する。
本開示を実施するうえで有用な研磨ホイール、研磨ドラム、研磨ローラ、及び研磨ベルトは、例えば図2Aの構造化研磨部材132を用いて形成することができる。一方法では、構造化研磨材のストリップを支持ホイール(一般的には駆動源と連結するための適当な機械的締結システムを備える)の外周面(すなわち縁部)に接着する。適当な接着剤の例としては、接着剤及びエポキシ樹脂が挙げられるが、固い結合を形成することが可能な任意の材料を使用することができる。
図2Aでは、構造化研磨部材132は支持ホイールに固定されているが、支持ホイールを省略することにより、例えば周知の方法にしたがって構造化研磨ベルトを製造することができる。
適当な構造化研磨材は、裏材の主面に固定された構造化研磨層を有する。適当な裏材は一般的に前面と後面を有する。裏材を作製するうえで有用な材料の代表的な例としては、ポリマーフィルム(プライマー処理されたポリマーフィルムを含む)、圧縮性弾性発泡材(例えばエラストマー発泡材)、織布、編物、不織布、及びこれらの組み合わせが挙げられる。研磨ホイールで使用するためには、裏材はポリマーフィルムで構成されることが好ましい。研磨ベルトで使用するためには、裏材は充分な寸法安定性及び耐久性を有するものでなければならず、織布又は編物材料で構成されることが好ましい。フィルム裏材を使用することができ、接着促進剤又は滑り防止コーティングを含むことができる。一部の好ましい実施形態では、裏材は約2〜8mil(50〜200ミクロン)の厚さを有するポリエチレンテレフタレートフィルムとすることができる。
裏材は、紫外線又は可視放射光に対して透過性若しくは不透明であるか、又は紫外線及び可視放射光の両方に対して透過性若しくは不透明であってよいが、これは必要条件ではない。裏材は、裏材を密封するか又は裏材の物理的特性を改質するか、又はその両方を行うための1つ又は複数の処理を受けさせることもできる。これらの処理は当該技術分野では周知のものである。例えば、布地の裏材は、飽和剤コート(saturant coat)、バックサイズコート、プレサイズコート、又はこれらの任意の組み合わせを含むことができる。飽和剤コートは裏材を飽和させ、裏材の小さな開口部を充填するものである。バックサイズコートは、裏材の後面に塗布され、使用時に繊維又は編み糸を保護することができる。プレサイズコートは、裏材の前面に塗布される。布地の前面のプレサイズコートは、布地を密封するために機能する。布地を処理するうえで有用な樹脂の例としては、フェノール樹脂、ラテックス、エポキシ、アクリレート、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、ポリエステル、デンプン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。布地を処理するための樹脂は更に例えば、充填剤、繊維、カップリング剤、湿潤剤、染料、及び顔料などの添加剤を含むことができる。
構造化研磨層は、生産用ツールのキ空洞を研磨材粒子と硬化性バインダー前駆体の混合物で充填することと、裏材を生産用ツール及びバインダー前駆体と接触させ、次いでバインダー前駆体を充分に硬化させことと、裏材を生産用ツールから分離することで生産用ツール内に形成された成形研磨材複合体が裏材に固定されたまま残り、これにより構造化接着剤層を形成することと、によって裏材上に形成することができる。
構造化研磨層は、目的とする使用の間に裏材から分離しないように裏材に固定される。成形研磨材複合体は任意の形状を有することができるが、一般的には角錐(例えば三角錐又は四角錐)、切頭角錐(例えば切頭三角錐、又は切頭四角錐)、角柱(例えば三角柱、四角柱、又は六角柱)、ロッド、円錐、切頭円錐、及びこれらの組み合わせからなる。異なる形状の成形研磨材複合体及び/又は異なる高さの成形研磨材複合体の組み合わせを用いることができる。例えば、角錐形状の研磨材複合体の間により高さの小さい切頭角錐形状の研磨材複合体を散りばめることができる。成形研磨材複合体は、規則的(すべての辺が同じである)であっても不規則的であってもよい。
成形研磨材複合体は構造化研磨層を形成し、密集した配置(例えば配列)に配列され、その際、隣接する成形研磨材複合体同士はそれぞれの基部において互いに接触するが、少なくとも一部の隣接した研磨材複合体間の分離は許容される。このようにトポグラフィー的な構造化研磨層には間隙(例えば、縞模様)が存在してもよい。
成形研磨材複合体の裏材に対する高さは、一般的には少なくとも10〜900ミクロンの範囲であるが、これよりも大きいか又は小さい高さを用いることもできる。より一般的には、研磨材複合体の裏材に対する高さは、50〜850ミクロンの範囲、又は更には75ミクロン〜800ミクロンの範囲である。
一部の実施形態では、トポグラフィー的な構造化研磨層中の面密度は、一般的には、1平方インチ当たり少なくとも1,000個、10,000個、又は更に少なくとも20,000個の研磨材複合体(例えば、1平方cm当たり少なくとも150個、1,500個、又は更に7,800個の研磨材複合体)〜1平方インチ当たり50,000個、70,000個、又は更に100,000個(1平方cm当たり7,800個、11,000個、又は更に15,000個以下の研磨材複合体)の範囲であるが、これより大きい、又は小さい研磨材複合体の密度を用いることもできる。
成形研磨材複合体は、一般的に研磨材粒子と同じオーダーの粒径を有する希釈剤粒子を含んでいてもよい。そのような希釈剤粒子の例としては、石膏、大理石、石灰岩、フリント、シリカ、ガラス球、ガラスビーズ、及びケイ酸アルミニウムが挙げられる。
研磨材複合体を形成するために用いられる混合物は、バインダー前駆体中に分散された多数の研磨材粒子からなる。本明細書で使用する「混合物」なる用語は、バインダー前駆体中に分散された多数の研磨材粒子からなる任意の組成物を意味する。この混合物は流動性のものであることが好ましい。しかしながら、混合物が流動性を有さない場合、これを他の手段(例えば熱、圧力、又はその両方)によって生産用ツールの接触面上又は裏材の前面上に押出すか又は押しつけることができる。この混合物は形状一致性を有するものとして特徴付けることができるが、これは混合物を強制的に生産用ツールの接触面及び裏材の前面と同じ形状、外形、又は輪郭にすることができるということである。
研磨材粒子は一般的には0.1〜100ミクロン、好ましくは0.2〜約50μm、より好ましくは0.5〜45μmの範囲の粒径を有するが、他の粒径を用いることもできる。本開示による構造化研磨材に使用するのに適した研磨材粒子の例としては、溶融酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、白色酸化アルミニウム、緑色炭化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、ダイヤモンド、セリア、立方晶窒化ホウ素、ガーネット、シリカ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。「研磨材粒子」なる語句には、個々の研磨グリット、及び複数の個々の研磨グリットが互いに結合して形成された凝集体の両方が含まれる。研磨材粒子は、その表面に表面処理を行ってもよい。一部の場合では、表面処理によって、バインダーとの接着性を高める、研磨材粒子の研磨特性を変化させるといったことが可能である。表面処理の例としては、カップリング剤(例えばシランカップリング剤)、ハライド塩、シリカを含む金属酸化物、耐火性金属窒化物、及び耐火性金属炭化物が挙げられる。
バインダー前駆体は、エネルギー、好ましくは放射線エネルギー、より好ましくは紫外線、可視光線、又は電子線源からの放射線エネルギーによって硬化させられるものである。他のエネルギー源としては、赤外線、熱、及びマイクロ波が挙げられる。こうしたエネルギーは、本発明の方法で使用される生産用ツールを再使用することができるように生産用ツールに悪影響を与えないものであることが好ましい。バインダー前駆体は、フリーラジカル機構又はカチオン機構によって重合することができる。放射線エネルギーへの曝露によって重合可能なバインダー前駆体の例としては、アクリレル化ウレタン、アクリル化エポキシ、エチレン系不飽和化合物、ペンダント不飽和カルボニル基を有するアミノプラスト誘導体、少なくとも1個のペンダントアクリレート基を有するイソシアヌレート誘導体、少なくとも1個のペンダント(メタ)アクリレート基を有するイソシアネート誘導体、ビニルエーテル、エポキシ樹脂、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本明細書で使用するときの「(メタ)アクリレート」なる用語は、アクリレート及び/又はメタクリレートを指す。
紫外線放射又は可視光放射が用いられる場合、バインダー前駆体は硬化を促進するためのフリーラジカル光開始剤及び/又はカチオン性光触媒を更に含むことが好ましい。フリーラジカル光開始剤の例としては、有機ペルオキシド、アゾ化合物、キノン、ベンゾフェノン、ニトロソ化合物、アシルハライド、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、ビスイミダゾール、ホスフィンオキシド、クロロアルキルトリアジン、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、チオキサントン、アセトフェノン誘導体、高感度ヨードニウム塩、及びその組み合わせが挙げられる。
カチオン性光触媒は例えばエポキシ樹脂の重合を開始するための酸源を発生する。カチオン性光触媒としては、オニウムカチオンと、金属又はメタロイドのハロゲン含有錯体アニオンとを有する塩を挙げることができる。他のカチオン性光触媒としては、有機金属錯体カチオンと、金属又はメタロイドのハロゲン含有錯体アニオンとを有する塩が挙げられる。カチオン性光触媒については、米国特許第4,751,138号(テュメイ(Tumey)ら)及び同第4,985,340号(パラゾット(Palazzotto)ら)に更に述べられている。
放射線硬化性樹脂以外に、バインダー前駆体は、縮合硬化性樹脂などの、放射線エネルギー以外のエネルギー源によって硬化させることが可能な樹脂を更に含みうる。このような縮合硬化性樹脂の例としては、フェノール樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、及び尿素ホルムアルデヒド樹脂が挙げられる。
バインダー前駆体は、例えば、充填剤(研削助剤を含む)、繊維、潤滑剤、湿潤剤、界面活性剤、顔料、染料、カップリング剤、可塑剤、及び懸濁剤などの任意の添加剤を更に含むことができる。これらの物質の量を調節することによって所望の性質を与えることができる。充填剤の例としては、炭酸カルシウム、シリカ、石英、硫酸アルミニウム、粘度、ドロマイト、メタケイ酸カルシウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。研削助剤の例としては、テトラフルオロほう酸カリウム、氷晶石、硫黄、黄鉄鉱、グラファイト、塩化ナトリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。混合物は、70%(重量%)以下、一般的には40重量%以下、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%の充填剤又は研削助剤を含みうる。
混合物は、各成分を好ましくは低剪断ミキサーによって混合することにより調製することができる。高剪断ミキサーを使用することもできる。一般的に、研磨材粒子は、バインダー前駆体に徐々に加えられる。更に、混合物中の気泡の量を最少化することが可能である。これは、混合工程において真空をかけることによって行うことができる。
製造時には、放射線エネルギーを、生産用ツール及び/又は裏材から混合物中に透過させてバインダー前駆体を少なくとも部分硬化させる。「部分硬化」なる語句は、得られる混合物が生産用ツールから分離する状態にまでバインダー前駆体を重合させることを意味する。バインダー前駆体は、生産用ツールから取り出された後、例えば熱エネルギー又は放射線」エネルギーなどの任意のエネルギー源によって完全に硬化させることができる。バインダー前駆体は、成形研磨材複合体が生産用ツールから取り出される前に完全に硬化させることもできる。
本開示による構造化研磨材において好ましい放射線エネルギー源としては、赤外線、紫外線、可視光線が挙げられる。他の放射線エネルギー源としては赤外及びマイクロウエーブが挙げられる。熱エネルギーを使用することもできる。電子ビーム放射は電離線放射としても知られ、約2〜25メガラド(Mrad)(20〜250キログレイ(kGy))の線量で、好ましくは約10〜20Mrad(100〜200kGy)の線量で使用することができる。紫外線放射とは、約200〜約400nmの範囲、好ましくは約250〜400nmの範囲の波長を有する非粒子性放射線のことを指す。紫外線放射は紫外線灯によって与えられることが好ましい。可視光線放射とは、約400〜約800nmの範囲、好ましくは約400〜550nmの範囲の波長を有する非粒子性放射線のことを指す。
放射線エネルギーが生産用ツール及び/又は裏材から混合物中に直接透過させられる場合、生産用ツール及び/又は裏材を形成する材料は、相当量の放射線エネルギーを吸収もしなければ、放射線エネルギーによって分解もしないことが好ましい。例えば、電子ビームエネルギーを使用する場合には、電子がセルロースを劣化させるため、生産用ツール及び/又は裏材はセルロース系材料で形成されないことが好ましい。紫外線放射又は可視光線放射を使用する場合には、生産用ツール及び/又は裏材の材料は、所望のレベルの硬化を引き起こすうえで充分な紫外線又は可視光線放射をそれぞれ透過するものでなければならない。
生産用ツールは、放射線源によるツール及び/又は裏材の劣化を防止するうえで充分な速度で動作させる必要がある。生産用ツール及び/又は裏材が放射線源による劣化に対して比較的高い耐性を有する例では、生産用ツールは比較的低い速度で動作させることができる。生産用ツール及び/又は裏材が放射線源による劣化に対して比較的低い耐性を有する例では、生産用ツールは比較的高い速度で動作させることができる。つまりは、生産用ツールの適切な速度は、生産用ツールを形成する材料によって決まるということである。
生産用ツールは、例えばエンドレスベルトなどのベルト、シート、連続的なシート若しくはウェブ、又はコーティングロール、コーティングロールに取り付けられたスリーブ、又はダイの形とすることができる。混合物と接触する生産用ツールの表面は平滑であってもよく、又はトポグラフィー若しくはパターンを有してもよい。この表面を本明細書では「接触表面」と呼ぶ。生産用ツールがベルト、シート、ウェブ、又はスリーブの形のものである場合、生産用ツールは、接触表面と非接触表面とを有することになる。生産用ツールがロールの形のものである場合には、生産用ツールは接触表面のみを有することになる。本開示による構造化研磨材の方法により形成される研磨物品のトポグラフィーは、生産用ツールの接触表面のパターンの逆を有することになる。生産用ツールの接触表面のパターンは一般的に複数の空洞又は凹みによって特徴付けられる。これらの空洞の開口部は、例えば、規則的若しくは不規則的な長方形、半円形、円形、三角形、正方形、六角形、八角形などの任意の形状を有することができる。空洞の壁は垂直又はテーパー状とすることができる。空洞により形成されるパターンは、特定の平面図に基づいて配列するか、又はランダムとすることができる。空洞同士は互いに突き合わせることができる。
生産用ツールを構築するために使用可能な熱可塑性材料としては、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリスチレン、又はその組み合わせが挙げられる。熱可塑性材料は、可塑剤、フリーラジカル除去剤又は安定化剤、熱安定化剤、酸化防止剤、及び紫外線放射吸収剤などの添加剤を含むことができる。
例えば熱可塑性の生産用ツールを以下の手順にしたがって作製することができる。最初にマスターツールが与えられる。マスターツールは、例えばニッケルなどの金属で形成されることが好ましい。マスターツールは、彫刻、ホッビング、ローレット切り、電鋳、ダイヤモンド旋盤、レーザーマシニングなどの任意の従来の方法によって製造することができる。マスターツールは、生産用ツールの表面の望ましいパターンの逆を有する必要がある。熱可塑性材料をマスターツールによりエンボス加工して、パターンを形成することができる。熱可塑性材料が流動性の状態にある間にエンボス加工を行うことができる。エンボス加工後、熱可塑性材料を冷却して固化させることができる。
生産用ツールは、硬化した熱硬化性樹脂で作製することもできる。次の手順にしたがって熱硬化性材料で形成された生産用ツールを作製することができる。未硬化の熱硬化性樹脂を上記に述べた種類のマスターツールに塗布する。未硬化樹脂がマスターツールの表面上にある間に、未硬化樹脂が硬化してマスターツールの表面のパターンの逆の形状を有するよう、未硬化樹脂を加熱によって硬化又は重合させることができる。次に、硬化した熱硬化性樹脂をマスターツールの表面から外す。生産用ツールは例えばアクリル化ウレタンオリゴマーなどの硬化した放射線硬化性樹脂で形成することができる。放射線硬化された製造用ツールは、放射線(例えば紫外線放射)への曝露によって硬化が行われる点を除けば、熱硬化性樹脂で形成された生産用ツールと同様にして作製される。
生産用ツールは更に、生産用ツールからの研磨物品の離型をより容易にするための離型コーティングを有してもよい。このような離型コーティングの例としては、シリコーン及びフルオロケミカルが挙げられる。
構造化研磨層を製造するための材料及び方法に関する更なる詳細は、例えば、米国特許第5,435,816号(スパージェン(Spurgeon)ら)、同第5,672,097号(フープマン(Hoopman))、同第5,681,217号(フープマン(Hoopman)ら)、同第5,454,844号(ヒバード(Hibbard)ら)、同第5,851,247号(ストーツェル(Stoetzel)ら)、同第6,139,594号(キンケイド(Kincaid)ら)、及び同第8,251,774 B2号(ジョセフ(Joseph)ら)に見ることができる。
様々な適当な構造化研磨材が市販されており、例えばミネソタ州セントポール所在のスリー・エム社(3M Company)より市販される「TRIZACT」の商品名のものなどがある。例として、3M TRIZACTラッピングフィルム162XA(公称グレード46ミクロン、モース硬度<3)、3M TRIZACT酸化アルミニウムラッピングフィルム268XA(公称グレード5、10、20、及び35ミクロンのものがある)、3M TRIZACT酸化セリウムラッピングフィルムM−568XA(公称グレード0.5ミクロン)、3M TRIZACTダイヤモンドラッピングフィルム(ダイヤモンド公称グレード0.5、2、及び9ミクロンのものがある)、3M TRIZACTダイヤモンドタイル677XA構造化研磨材シート(公称ダイヤモンドグレード3、6、9、及び20ミクロンのものがある)が挙げられる。このようにして作製された構造化研磨材を、この後、周知の方法によって研磨ベルトに変換することができる。また、構造化研磨材を支持ホイールの外周面に取り付けて研磨ホイールを形成することもできる。
構造化研磨層の幅は、研磨物品(例えばホイールの場合)の直径、及び/又は、所望の凹みの大きさ及び形状(例えば、ディンプルの直径、又はリングの幅(すなわち直径でない幅))の約1/8(12.5%)以下、1/10(10%)未満、又は更には1/20(5%)未満であることが好ましい。一般的に、構造化研磨層の幅及びホイールの直径の選択は、特定の用途によって決まり、ディンプルの大きさ、並びに研磨プロセスの精度及び速度によって決定される。
本開示の選択された例
第1の例では、本開示は、基板と、前記基板の第1の表面に取り付けられた構成部品とを備えるアセンブリを形成する工程であって、前記基板が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に含む、工程を含む方法を提供する。本方法は、更に、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記第2の表面と摩擦接触させる工程を含みうる。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有し、前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を含みうる。前記裏材は前記支持部材と隣接し、前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含みうる。本方法は、前記基板の前記第2の表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、前記構造化研磨層が前記基板の前記第2の表面と接触を維持して前記第2の表面を研磨することにより前記第2の表面内に凹みを形成するように、前記基板を基板の前記第2の表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程とを更に含みうる。
第2の例では、本開示は、前記方法が添加された緩い研磨材粒子又は研磨材スラリーなしで行われる、前記第1の例による方法を提供する。
第3の例では、本開示は、前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みの少なくとも1つを含み、前記凹みの曲率半径が前記第2の表面にほぼ垂直な少なくとも1つの平面内においてほぼ一致している、前記第1の例による方法を提供する。
第4の例では、本開示は、前記基板が前記基板の前記表面と垂直に前記基板を貫通して延びる円筒状通路を有し、かつ前記回転軸が前記円筒状通路と同一直線上にある、前記第1の例による方法を提供する。
第5の例では、本開示は、前記基板がガラス基板及びサファイア基板からなる群から選択される、前記第1の例による方法を提供する。
第6の例では、本開示は、前記構成部品が、電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記第1の例による方法を提供する。
第7の例では、本開示は、改質された表面を有する処理基板を形成する工程と、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記改質された表面と摩擦接触させる工程とを含む方法を記載する。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有し、前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を含みえる。前記裏材は前記支持部材と隣接し、前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含みえる。本方法は、前記基板の前記改質された表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、前記基板を基板の前記改質された表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程を更に含んでよく、これにより、前記構造化研磨層が前記基板の前記改質された表面と接触を維持して前記改質された表面を研磨することにより前記表面に凹みを形成することができる。
第8の例では、本開示は、前記処理基板を形成する工程が、基板にフィルムをコーティング又は積層することによって前記改質された表面を形成することを含む、前記第7の例による方法を提供する。
第9の例では、本開示は、前記処理ガラス基板を形成する工程が、ガラス基板の表面をイオン交換処理することによって前記改質された表面を形成することを含む、前記第7の例による方法を提供する。
第10の例では、本開示は、前記処理基板が処理ガラス基板及び処理サファイア基板からなる群から選択される、前記第7の例による方法を提供する。
第11の例では、本開示は、前記方法が添加された緩い研磨材粒子又は研磨材スラリーなしで行われる、前記第7の例による方法を提供する。
第12の例では、本開示は、凹みを画定する表面を有する基板を備える物品を記載する。この例によれば、前記凹みは、凹みの深さの少なくとも約98%において、前記表面にほぼ垂直な少なくとも1つの平面内でほぼ一致した曲率半径を有し、前記凹みの深さは、前記表面の平面から前記表面の平面にほぼ垂直な方向に前記表面から最も遠い凹みの点までで測定される。
第13の例では、本開示は、前記凹みから前記基板の表面までのエッジロールオフが前記凹みの深さの約2%未満に制限されている、第12の例による物品を記載する。
第14の例では、本開示は、前記基板がガラス又はサファイアの少なくとも一方を含む、第12の例による物品を記載する。
第15の例では、本開示は、前記物品がハウジングとディスプレイとを有する電子装置を備え、前記基板が前記ディスプレイの面の反対方向に向いている前記ハウジングの部分を備える、第12の例による物品を記載する。
第16の例では、本開示は、前記表面が複数の凹みを画定し、使用者が選択された向きで電子装置を保持する際に使用者のそれぞれの指が前記複数の凹みのそれぞれの凹みに、又はその近くに置かれるように選択された前記表面の位置に前記凹みが配置される、第12の例による物品を記載する。
第17の例では、本開示は、前記物品がディスプレイを有する電子装置を備え、前記基板が前記ディスプレイのカバーシートを備える、第12の例による物品を記載する。
第18の例では、本開示は、電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成部品を更に備え、前記構成部品が前記基板に取り付けられている、前記第12の例による物品を記載する。
第19の例では、本開示は、前記表面が第1の表面を含み、基板が、前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に有し、かつ前記構成部品が前記凹みに隣接して前記第2の表面に取り付けられている、前記第18の例による物品を記載する。
第20の例では、本開示は、前記構成部品が前記凹みによって画定される体積内に少なくとも部分的に配置される、前記第18の例による物品を記載する。
第21の例では、本開示は、前記表面が第1の表面を含み、基板が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に有し、前記物品が前記凹みと前記第2の表面との間に延びる円筒状通路を更に備える、前記第12の例による物品を記載する。
第22の例では、本開示は、前記円筒状通路内に少なくとも部分的に配置された構成部品を更に備え、前記構成部品が、圧力センサ、マイクロフォン、スピーカー、導電体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記第21の例による物品を記載する。
第23の例では、本開示は、前記凹みを覆い、かつ前記第1の表面に取り付けられた可撓性膜と、前記凹み及び前記円筒状通路内に配置された液体とを更に有し、かつ前記構成部品がリザーバを含む、前記第21の例による物品を記載する。
第24の例では、本開示は、前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みのうちの少なくとも1つを含む、前記第12の例による物品を記載する。
第25の例では、本開示は、凹みを有する基板と、前記凹みに隣接して配置され、かつ前記基板に取り付けられた構成部品とを有するアセンブリを記載する。前記凹みは、研磨物品の構造化研磨層を前記基板の表面と摩擦接触させる工程と、前記基板の前記表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、前記構造化研磨層が前記基板の前記表面と接触を維持して前記表面を研磨し、それにより前記表面に凹みを形成するように、前記基板を基板の前記表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程と、とによって形成される。前記研磨物品は、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有してよく、かつ前記構造化研磨部材は、裏材に固定された成形研磨材複合体を含む前記構造化研磨層を備える。前記裏材は前記支持部材と隣接してよく、かつ前記成形研磨材複合体はバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む。
第26の例では、本開示は、前記構成部品が、前記凹みによって画定される体積内に少なくとも部分的に配置される、前記第25の例による方法を提供する。
第27の例では、本開示は、前記構成部品が、電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、前記第25の例による方法を提供する。
第28の例では、本開示は、前記凹みが前記基板の第1の表面に形成され、かつ前記構成部品が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面に隣接して配置される、第25の例による方法を提供する。
第29の例では、本開示は、前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みの少なくとも1つを含む、前記第25の例による物品を記載する。
特に断らないかぎり、実施例及び本明細書の残りの部分における部、百分率、比などはすべて重量に基づいたものである。
試験方法
形状測定法
ケイ・エル・エー・テンコー社(KLA-Tencor Corporation)(カリフォルニア州ミルピタス)より販売されるP16+スタイラス形状測定装置を使用して接触形状測定法を行った。スキャン長さは8.0mmとし、スキャン速度は100μm/秒とした。スタイラスにかける荷重は0.5mgであり、スタイラス先端部の半径は0.15μmであった。接触形状測定法は、本開示に述べられる技法を用いて形成した球の一部として記述される表面を有するディンプルに関して行った。ディンプルは、構造部の深さの少なくとも98%においてほぼ一致した(例えば一致又はほとんど一致した)曲率半径(ROC)を有していた(ただし、凹みの深さは凹みの最も低い点から、凹みが形成された基板の表面の平面までで測定され、基板の表面の平面にほぼ垂直な方向である)。凹みのエッジの形状は明瞭であり、エッジロールオフは凹みの全体の深さの約2%よりも小さかった(例えば凹みの深さの約0.1%〜約2%の間)。これに対して、スラリーによる研磨プロセスでは、プロセスに応じて、変化するROC(主としてエッジにおいて)及び凹みの深さの10〜20%のエッジロールオフが生じる。
(実施例1)
本実施例では、本開示による研磨ホイールの作製について述べる。スリー・エム社(3M Company)(ミネソタ州セントポール)より販売される3M TRIZACT 568XAセリア研磨材)のシートを、幅0.045インチ(0.11cm)、長さ12インチ(30.5cm)のストリップに切断した。スリー・エム社(3M Company)より販売される3M SCOTCH−WELD瞬間接着剤を研磨材ストリップの端部の裏面に、ストリップの約0.5インチ(1.3cm)の長さを覆うように塗布した。接着剤を有する研磨材ストリップの裏面を、一体形成された中央シャフトを有する直径88mm×厚さ0.1インチ(0.25cm)の金属支持部材の外周面と接触させた。この接着剤を硬化させた。更なる接着剤を研磨材ストリップの裏面の長さ約0.5インチ(1.3cm)の部分に塗布した。この接着剤を研磨材とともに支持部材の外周面と接触させた。このプロセスを支持部材の外周面全体が研磨材で覆われるまで続けた。研磨材表面の最後の部分を外周面に固定する前に、研磨材ストリップを適切な長さに切断し、研磨材ストリップの最後の部分が支持部材に取り付けられた研磨材ストリップの最初の部分と重なり合わないようにした。接着剤を硬化させ、研磨ホイールを作製した。
(実施例2)
本実施例では、本開示によるディンプルを製造するための1工程のラップ研磨法について述べる。実施例1で作製した研磨ホイールを、ホイールの主面が地面と平行になるようにしてホイールの回転式ドライブのチャックに取り付けた。2インチ(5.1cm)×3インチ(7.6cm)×0.12cmのソーダ石灰ガラスプレートを、ビューラー社(Buehler)(イリノイ州、レイクブラフ)より販売されるFIBERMET光ファイバ研磨装置、モデル#69−3000−160の回転式取付具に取り付けた。ガラスプレートを取付具に取り付けるのに先立って、約2インチ(5.1cm)×3インチ(7.6cm)×1mmのゴムシートを両面接着テープを使用して取付具のフェースに取り付けた。両面粘着テープを用いてガラスプレートをゴムシートに取り付けた。取付具の主面(すなわちガラスプレートが取り付けられた表面)は地面に対して垂直であった。研磨装置を移動できるようにプログラム式XYステージに取り付けた。研磨ホイールの外周面が研磨装置の回転式取付具の中心軸と接触できるように、研磨装置が取り付けられたステージを研磨ホイールに隣接して配置した。研磨ホイールを1000rpmで回転させ、ガラスプレートを150rpmで回転させた。取り付けられたガラスプレートの回転軸が回転する研磨ホイールのリーディングエッジと接触するように研磨装置をXYステージにより移動させた。接触に先立って、冷却剤として8ml/分の水をガラスプレートに直接接する回転ホイールのエッジ上に流した。研磨装置を12μm/分の速度で研磨ホイールのエッジ内に連続的に移動させた。研磨装置の移動を4分間継続した時点で、研磨装置を固定位置に維持し、ラップ研磨を更に30秒間継続した。この時点でガラスプレート及び研磨ホイールの両方の回転を停止させた。ガラスを研磨装置から取り外した。上記の試験方法にしたがって、形状測定装置によるスキャンをガラスプレートのラップ研磨した領域にわたって行ったところ、ガラスプレートは、約4.5mmの直径を有する深さ約48μmの半球状の凹みを有していることが観察された。
(実施例3)
本実施例では、本開示による研磨ホイールの作製について述べる。3M TRIZACT 568XAセリア研磨材シートを、スリー・エム社(3M Company)より販売される3M TRIZACTダイヤモンドタイル677XA 20μm研磨材に置き換え、研磨材シートを幅0.100インチ(0.25cm)、長さ12インチ(30.5cm)のストリップに切断して研磨ホイールを製造した点以外は実施例1と同じ手順を用いて研磨ホイールを作製した。
(実施例4)
本実施例では、本開示による研磨ホイールの作製について述べる。3M TRIZACT 568XAセリア研磨材を幅0.075インチ(0.19cm)、長さ12インチ(30.5cm)のストリップに切断して研磨ホイールを製造した点以外は実施例1と同じ手順を用いて研磨ホイールを作製した。
(実施例5)
本実施例では、本開示によるディンプルを製造するための2工程のラップ研磨法について述べる。この2工程のラップ研磨プロセスでは、実施例2で述べた装置、装置の構成、及び一般的なラップ研磨手順を用いた。実施例3で製造した研磨ホイールを回転式ドライブのチャックに取り付けた。2インチ(5.1cm)×3インチ(7.6cm)×0.12cmのソーダ石灰ガラスプレートを、研磨装置の回転式取付具に取り付けた。研磨ホイールを2000rpmで回転させ、ガラスプレートを150rpmで回転させた。20ml/分で流れる水を再び冷却材として用いた。研磨装置が取り付けられたステージを、1.25mm/分の速度で15秒間、研磨ホイールのエッジ内に連続的に移動させ、その時点で研磨装置を固定位置に維持し、ラップ研磨を更に5秒間継続した。ガラスプレートをステージによって研磨ホイールとの接触状態から外し、ガラスプレート及び研磨ホイールの両方の回転を停止させた。研磨ホイールをチャックから取り外し、実施例4で製造した研磨ホイールをチャックに取り付けた。研磨ホイールを1000rpmで回転させ、ガラスプレートは150rpmで回転させた。8ml/分で流れる水を再び冷却材として用いた。研磨装置が取り付けられたステージを、25μm/分の速度で2分間、研磨ホイールのエッジ内に連続的に移動させ、その時点で研磨装置を固定位置に維持し、ラップ研磨を更に30秒間継続した。ガラスを研磨装置から取り外した。上記の試験方法にしたがって、形状測定装置によるスキャン(図18に示される)をガラスプレートのラップ研磨した領域にわたって行ったところ、ガラスプレートは、約11mmの直径を有する深さ約340μmの半球状の凹みを有していることが観察された。半球状の凹みの曲率半径は研磨ホイールの曲率半径にほぼ等しかった。
比較例A
本例では、本開示による非研磨ホイールの作製について述べる。3M TRIZACT 568XAセリア研磨材シートを、スリー・エム社(3M Company)より販売される3M研磨フィルム968M(非研磨材料)のシートに置き換えて非研磨ホイール(すなわち研磨材を含まない研磨パッドで被覆したもの)を製造した点以外は実施例1と同じ手順を用いて非研磨ホイールを作製した。
比較例B
本例では、非研磨ホイールを研磨材スラリーと組み合わせて使用してディンプルを製造するための方法について述べる。このスラリープロセスでは、実施例1で述べた装置、装置の構成、及び一般的なラップ研磨手順を用いた。比較例Aの非研磨ホイールを回転式ドライブのチャックに取り付けた。2インチ(5.1cm)×3インチ(7.6cm)×0.12cmのソーダ石灰ガラスプレートを、研磨装置の回転式取付具に取り付けた。非研磨ホイールを1000rpmで回転させ、ガラスプレートを120rpmで回転させた。プロセスの間にスラリーを非研磨ホイール/ガラスの界面に流した。このスラリーは脱イオン水中、0.5μm酸化セリウムの10重量%混合物とした。研磨装置が取り付けられたステージを、25μm/分の速度で3分間、研磨ホイールのエッジ内に連続的に移動させ、その時点で研磨装置を固定位置に維持し、ラッピングを更に30秒間継続した。ガラスを研磨装置から取り外した。上記の試験方法にしたがって、形状測定装置によるスキャンをガラスプレートのラップ研磨した領域にわたって行ったところ、ガラスプレートは、約5.5mmの直径を有する深さ約45μmの半球状の凹みを有していることが観察された。
実施例2の結果(図18を参照)の結果を、比較例Bの結果(図19を参照)と比較すると、研磨パッドホイールを使用したラップ研磨プロセスでは、非研磨パッドを酸化セリウムスラリーと組み合わせて使用したプロセスによって製造されたものと比較してより鋭い縁のトポグラフィー及びより小さい直径を有する凹みが形成された。
発明の背景の項を除き、特許証用に上記の出願において引用した、すべての引用文献、特許、又は特許出願は、それらの全容を一貫して参照により本明細書に援用するものである。援用した文献の部分と本願の部分とに不一致又は矛盾がある場合、上記の説明文中の情報が優先するものとする。上記の説明分は、特許請求される開示内容を当業者が実施することを可能ならしめるためのものであり、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びそのすべての均等物によって定義される。

Claims (29)

  1. 方法であって、
    基板と、前記基板の第1の表面に取り付けられた構成部品とを備えるアセンブリを形成する工程であって、前記基板が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に含む、工程と、
    研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記第2の表面と摩擦接触させる工程であって、前記研磨物品が、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有し、前記構造化研磨部材が、裏材に固定された成形研磨複合体を含む前記構造化研磨層を含み、前記裏材が前記支持部材と隣接し、前記成形研磨複合体がバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む、工程と、
    前記基板の前記第2の表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、
    前記構造化研磨層が前記基板の前記第2の表面と接触を維持して前記第2の表面を研磨することにより前記第2の表面内に凹みを形成するように、前記基板を前記基板の前記第2の表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程と、を含む方法。
  2. 前記方法が、添加された緩い研磨材粒子又は研磨材スラリーなしで行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みのうちの少なくとも1つを含み、前記凹みの曲率半径が前記第2の表面にほぼ垂直な少なくとも1つの平面内においてほぼ一致している、請求項1に記載の方法。
  4. 前記基板が前記基板の前記表面と垂直に前記基板を貫通して延びる円筒状通路を有し、かつ前記回転軸が前記円筒状通路と同一直線上にある、請求項1に記載の方法。
  5. 前記基板が、ガラス基板及びサファイア基板からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記構成部品が、電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 改質された表面を有する処理基板を形成する工程と、
    研磨物品の構造化研磨層を前記基板の前記改質された基板表面と摩擦接触させる工程であって、前記研磨物品が、支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有し、前記構造化研磨部材が、裏材に固定された成形研磨複合体を含む前記構造化研磨層を含み、前記裏材が前記支持部材と隣接し、かつ前記成形研磨複合体がバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む、工程と、
    前記基板の前記改質された表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、
    前記構造化研磨層が前記基板の前記改質された表面と接触を維持して前記改質された表面を研磨することにより前記改質された表面に凹みを形成するように、前記基板を基板の前記改質された表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程と、を含む方法。
  8. 前記処理基板を形成する工程が、基板にフィルムをコーティング又は積層することによって前記改質された表面を形成することを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記処理ガラス基板を形成する工程が、ガラス基板の表面をイオン交換処理することによって前記改質された表面を形成することを含む、請求項7に記載の方法。
  10. 前記処理基板が、処理ガラス基板及び処理サファイア基板からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  11. 添加された緩い研磨材粒子又は研磨材スラリーなしで行われる、請求項7に記載の方法。
  12. 物品であって、
    凹みを画定する表面を有する基板であって、前記凹みが、凹みの深さの少なくとも約98%において、前記表面にほぼ垂直な少なくとも1つの平面内でほぼ一致した曲率半径を有し、前記凹みの深さが、前記表面の平面から前記表面の平面にほぼ垂直な方向に前記表面から最も遠い凹みの点までで測定される、基板、を備える、物品。
  13. 前記凹みから前記基板の前記表面までのエッジロールオフが前記凹みの深さの約2%未満に制限されている、請求項12に記載の物品。
  14. 前記基板が、ガラス又はサファイアの少なくとも一方を含む、請求項12に記載の物品。
  15. 前記物品がハウジングとディスプレイとを有する電子装置を備え、前記基板が前記ディスプレイの面の反対方向に向いている前記ハウジングの部分を備える、請求項12に記載の物品。
  16. 前記表面が複数の凹みを画定し、使用者が選択された向きで電子装置を保持する際に、使用者のそれぞれの指が前記複数の凹みのそれぞれの凹みに、又はその近くに置かれるように選択された前記表面の位置に前記凹みが配置される、請求項12に記載の物品。
  17. 前記物品がディスプレイを有する電子装置を備え、かつ前記基板が、前記ディスプレイのカバーシートを備える、請求項12に記載の物品。
  18. 電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成部品を更に備え、前記構成部品が前記基板に取り付けられている、請求項12に記載の物品。
  19. 前記表面が第1の表面を含み、基板が、前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に有し、かつ前記構成部品が前記凹みに隣接して前記第2の表面に取り付けられている、請求項18に記載の物品。
  20. 前記構成部品が前記凹みによって画定される体積内に少なくとも部分的に配置される、請求項18に記載の物品。
  21. 前記表面が第1の表面を含み、基板が、前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面を更に有し、前記物品が前記凹みと前記第2の表面との間に延びる円筒状通路を更に備える、請求項12に記載の物品。
  22. 前記円筒状通路内に少なくとも部分的に配置された構成部品を更に備え、前記構成部品が、圧力センサ、マイクロフォン、スピーカー、導電体、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項21に記載の物品。
  23. 前記凹みを覆い、かつ前記第1の表面に取り付けられた可撓性膜と、前記凹み及び前記円筒状通路内に配置された液体とを更に有し、かつ前記構成部品がリザーバを含む、請求項21に記載の物品。
  24. 前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の物品。
  25. 凹みを有する基板であって、前記基板が、
    研磨物品の構造化研磨層を前記基板の表面と摩擦接触させる工程であって、前記研磨物品が支持部材の外周面に沿って配置された構造化研磨部材を有し、前記構造化研磨部材が裏材に固定された成形研磨複合体を含む前記構造化研磨層を含み、前記裏材が前記支持部材と隣接し、かつ前記成形研磨複合体がバインダー材料中に保持された研磨材粒子を含む、工程と、
    前記基板の前記表面に対して前記構造化研磨層を長手方向に前進させる工程と、
    前記構造化研磨層が前記基板の前記表面との接触を維持して前記表面を研磨し、それにより前記表面に凹みを形成するように、前記基板を基板の前記表面にほぼ垂直な回転軸を中心として回転させる工程と、によって形成される、凹みを有する基板と、
    前記凹みに隣接して配置され、かつ前記基板に取り付けられた構成部品と、を備えるアセンブリ。
  26. 前記構成部品が、前記凹みによって画定される体積内に少なくとも部分的に配置される、請求項25に記載のアセンブリ。
  27. 前記構成部品が、電子モジュール、ディスプレイの構成部品、バイオメトリックセンサ、生体医療センサ、スピーカー、マイクロフォン、触覚装置、存在検知センサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項25に記載のアセンブリ。
  28. 前記凹みが前記基板の第1の表面に形成され、かつ前記構成部品が前記第1の表面のほぼ反対側の第2の表面に隣接して配置される、請求項25に記載のアセンブリ。
  29. 前記凹みが、ディンプル、楕円体状の凹み、長円形の凹み、細長い水槽状の凹み、及び環状の凹みのうちの少なくとも1つを含む、請求項25に記載のアセンブリ。
JP2016518346A 2013-06-07 2014-05-28 基板に凹みを形成するための方法、及び凹みを有する物品 Pending JP2016523724A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361832330P 2013-06-07 2013-06-07
US61/832,330 2013-06-07
PCT/US2014/039691 WO2014197244A1 (en) 2013-06-07 2014-05-28 Techniques for forming recess in substrate and articles including recesses

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016523724A true JP2016523724A (ja) 2016-08-12
JP2016523724A5 JP2016523724A5 (ja) 2017-07-06

Family

ID=52008500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016518346A Pending JP2016523724A (ja) 2013-06-07 2014-05-28 基板に凹みを形成するための方法、及び凹みを有する物品

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20160101499A1 (ja)
JP (1) JP2016523724A (ja)
KR (1) KR20160015354A (ja)
CN (1) CN105263701B (ja)
SG (1) SG11201509813VA (ja)
TW (1) TW201505757A (ja)
WO (1) WO2014197244A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017001940A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 旭硝子株式会社 ガラス基板及びその製造方法、カバーガラス及びその製造方法、携帯情報端末、並びに表示装置
JP2020527528A (ja) * 2018-04-24 2020-09-10 クンシャン ゴー−ビシオノクス オプト−エレクトロニクス カンパニー リミテッドKunshan Go−Visionox Opto−Electronics Co., Ltd. ディスプレイ溝加工方法及びディスプレイ

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105339135B (zh) * 2013-06-07 2018-02-02 3M创新有限公司 在基板、研磨轮和覆盖物中形成凹槽的方法
DE102015111491A1 (de) * 2015-07-15 2017-01-19 Schott Ag Verfahren und Vorrichtung zum Abtrennen von Glas- oder Glaskeramikteilen
US10051353B2 (en) * 2016-12-13 2018-08-14 Cisco Technology, Inc. Telecommunications audio endpoints
US10863035B2 (en) 2017-11-30 2020-12-08 Cisco Technology, Inc. Microphone assembly for echo rejection in audio endpoints
JP7156377B2 (ja) * 2018-07-04 2022-10-19 Agc株式会社 ガラス板、反射防止層付きガラス板、およびガラス板の製造方法
CN108890529B (zh) * 2018-07-25 2023-06-23 浙江工业大学 光催化钴基合金加工控制系统及控制方法
CN110943142A (zh) * 2018-09-21 2020-03-31 邵丙璜 一种制备光伏电池的方法
CN112157544B (zh) * 2020-09-29 2022-01-28 维沃移动通信(重庆)有限公司 玻璃制作方法、玻璃及电子设备

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07209155A (ja) * 1994-01-13 1995-08-11 Jeol Ltd 試料作製装置及び方法
US6866560B1 (en) * 2003-01-09 2005-03-15 Sandia Corporation Method for thinning specimen
US7830011B2 (en) * 2004-03-15 2010-11-09 Yamaha Corporation Semiconductor element and wafer level chip size package therefor
CN101056741B (zh) * 2004-11-19 2010-12-08 丰田万磨株式会社 砂轮
JP2006250677A (ja) * 2005-03-10 2006-09-21 Seiko Epson Corp 試料作製方法
US8425278B2 (en) * 2009-08-26 2013-04-23 3M Innovative Properties Company Structured abrasive article and method of using the same
JP5881414B2 (ja) * 2011-04-20 2016-03-09 Hoya株式会社 携帯機器用カバーガラス

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017001940A (ja) * 2015-06-05 2017-01-05 旭硝子株式会社 ガラス基板及びその製造方法、カバーガラス及びその製造方法、携帯情報端末、並びに表示装置
US10766222B2 (en) 2015-06-05 2020-09-08 AGC Inc. Glass substrate and method for manufacturing the same, cover glass and method for manufacturing the same, personal digital assistant, and display device
JP2020527528A (ja) * 2018-04-24 2020-09-10 クンシャン ゴー−ビシオノクス オプト−エレクトロニクス カンパニー リミテッドKunshan Go−Visionox Opto−Electronics Co., Ltd. ディスプレイ溝加工方法及びディスプレイ

Also Published As

Publication number Publication date
CN105263701A (zh) 2016-01-20
CN105263701B (zh) 2018-11-02
WO2014197244A1 (en) 2014-12-11
KR20160015354A (ko) 2016-02-12
SG11201509813VA (en) 2015-12-30
US20160101499A1 (en) 2016-04-14
TW201505757A (zh) 2015-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016523724A (ja) 基板に凹みを形成するための方法、及び凹みを有する物品
US6241903B1 (en) Diffuser master and method of manufacture
US10265826B2 (en) Method of forming a recess in a substrate
KR100562446B1 (ko) 연마 용품 및 유리 연마 방법
KR102292300B1 (ko) 복수의 연마 요소의 상이한 세트들을 갖는 연마 재료
JP3874790B2 (ja) 研磨物品、その製造方法および仕上げ用のその使用方法
US6007407A (en) Abrasive construction for semiconductor wafer modification
KR100456208B1 (ko) 반도체웨이퍼의노출면을개질시키는방법
KR20200036910A (ko) 배향 독립적인 스크래치를 달성하고 관찰 가능한 제조 결함을 최소화하기 위한 연마 입자의 배치
JPH07186030A (ja) 光学レンズの研磨仕上げ方法
JP2004519341A (ja) 可撓性研磨剤製品、ならびに該製品の製造方法および使用方法
JP2004338088A (ja) 研磨用品、その製造方法、およびワークピース表面を仕上げるためのその使用方法
JP2004001221A (ja) 構造を有する研摩用品
CN102939644B (zh) 用于化学机械平坦化中使用的固结磨料的接合技术
KR20060101791A (ko) 유리를 연삭하는 방법
JP6623153B2 (ja) 構造化研磨物品並びにその使用方法
JP2017170613A (ja) ビニル組成物タイルの保守及び修繕のための方法
CN102883644A (zh) 地板研磨和清洁体
US20170100818A1 (en) Finishing method and polishing material for painted surface
CN213136220U (zh) 研磨工具和包括该研磨工具的组件
US20210114171A1 (en) Conformable abrasive article
CN113195604B (zh) 具有结构化表面的聚合物膜

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170525

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180129

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180306

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181113