特許文献1に示されている両プラグ部品は、プラグ部品ハウジングの製造コストがきわめて高いという欠点がある。
そこで、本発明は、可能な限り簡単に製造可能なプラグ部品ハウジングを有するプラグ部品を提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも1つのプラグ部品ハウジングを備えているプラグ部品であって、前記プラグ部品ハウジングはプラグイン方向について他のプラグ部品とプラグ接続を確立するための長手方向に延在する少なくとも1つのプラグ部を有し、前記プラグ部は、前記他のプラグ部品との電気的接続および光学的接続のうち少なくとも一方を確立するための少なくとも1つの電気的/光学的プラグコンタクトを有し、前記プラグ部および前記プラグ部品ハウジングの基部の間に少なくとも1つの段差部が設けられているプラグ部品に関する。
本発明のプラグ部品は、前記プラグ部品ハウジングが一体的に形成され、前記プラグ部が外郭部を有し、前記外郭部が前記プラグイン方向についてその両端部から離間した延在範囲の全体にわたり凹部が存在しないように構成され、または、前記プラグイン方向に対して平行な方向にその両端部のうち少なくとも一方まで少なくとも1つの凹部が延在するように構成されていることを特徴とする。
したがって、前記従来技術とは異なり、本発明によれば、プラグ部品ハウジングは複数の部品ではなく、単一の部品からなる。さらに、プラグ部の外郭部に存在するすべての凹部が、プラグイン方向に対して平行な方向について当該外郭部の少なくとも一方の端部、ひいてはプラグ部まで延在している。換言すればプラグイン方向に対して交差してプラグ部の外郭部の端部まで延在していないような複数の穴または複数の凹部が省略される。すなわち、プラグ部の外郭部は凹部を有していない。これは、凹部がないこと、または複数の凹部が存在する場合、視線方向をプラグイン方向に合わせた際に当該複数の凹部がプラグ部またはその外郭部の両端部における穴の形態で設計されていないことを意味する。これにより、プラグ部の作製が容易になるため、特別な工具を用いて形成される穿孔、穴など、交差して延在する構成がないプラグ部品ハウジングが作製される。
特に、本発明の好ましい実施形態は、プラグ部品ハウジングが一体鋳造法により製造された一体鋳造部品である。ダイキャストであることが特に好ましい。そのほか、射出成形部品、特に金属射出成形部品であってもよい。
本発明のプラグ部品の製造方法は、プラグ部品ハウジングが好ましくはダイキャストなどの鋳造プロセスによって製造される利便性を提供する。鋳造またはダイキャストによれば、プラグ部の特別な実施形態では、プラグイン方向またはプラグ部品ハウジングの長手方向に対して交差して延在するスライダなどが省略される。その結果、比較的容易な鋳造またはダイキャスト形状に加えて、比較的迅速な鋳造またはダイキャスト製造が可能である。
電気的/光学的プラグコンタクトは、電気的接続および光学的接続のうち少なくとも一方を実現するためのプラグ部品の構成要素である。プラグコンタクトは、プラグ部品ハウジングのプラグ部に配置されていることが好ましい。視線方向をプラグイン方向に合わせた際にプラグ部の一端部を通じて接近可能な少なくとも1つの電気的/光学的プラグコンタクトが設けられていることが好ましい。
プラグ部とプラグ部品ハウジングの基部との間において、プラグ部の外郭部の一端部に少なくとも1つの段差部が配置されていることが好ましい。段差部は、プラグ部品ハウジングの全周にわたり形成されていることが好ましい。プラグイン方向およびプラグ部品の長手方向のうち少なくとも一方に対して垂直な方向に段差部が延在していることが利便性の観点から好ましい。段差部は、プラグ部品ハウジングの一部であり、プラグ部の外郭部の少なくとも一方の端部である。プラグ部品の外郭部は、プラグ部品ハウジングのプラグ部表面により構成されている。これは、プラグ部の内側の中空空間を画定するだけでなく外側に向いている。
一般的にプラグ部は、他のプラグ部品とのプラグ接続部として機能するプラグ部品の構成要素である。プラグ部はさまざまな形態に形成される。一のプラグ部品のプラグ部は、たとえば他のプラグ部品のプラグ部が当該一のプラグ部品のプラグイン方向に挿入可能な少なくとも1つのプラグイン開口部を有する収容スリーブ部であってもよい。収容スリーブ部は、中空部品またはメス部品の類として形成されているプラグ接続部の一部である。他のプラグ部品のプラグ部が、プラグ接続を確立するため、収容スリーブ部に挿入される。プラグ部は、オス部品、好ましくはプラグ接続を確立するために他のプラグ部品の収容スリーブ部に挿入される、プラグ部品ハウジングの他の部分よりも突出しているプラグ部品の構成要素である。
プラグイン方向に対して平行な方向についてプラグ部の先端部まで延在する凹部が、プラグ部品ハウジングの壁部を貫通してもよく、またはこの壁部を完全には貫通していない凹部として形成されてもよい。
プラグ部品ハウジングまたはプラグ部品を製造するための特に簡単な方法の観点から、少なくとも2つの凹部が存在する場合、それらがプラグイン方向について外郭部の先端部まで延在することに利便性がある。プラグイン方向について外郭部の先端部から離間し、かつ、外郭部の端部領域、好ましくはあらゆる箇所に配置されている凹部から離間している外郭部が、プラグイン方向に対して平行または略平行であることが好ましい。「略平行」とは、平行から±1°の範囲の角度でずれていることを意味し、これにより製造工具の離型が簡易化される。
プラグ部品ハウジングのプラグ部は、好ましい実施形態において、その外郭部に回転防止ロックおよび正確な嵌合位置を確保するための少なくとも1つの構成を有している。当該構成は、凹部または凸部等であってもよい。当該構成は、2つの接続されている2つのプラグ部品が相対的に回転することを防止する。当該構成は、プラグ部品が相互に単一の、すなわち正確な位置に差し込まれるようにその役割を果たす。本発明のプラグ部品の特に好ましい実施形態では、プラグ部は正面視でマッシュルーム形状またはキノコ形状を有する。
本発明の好ましい実施形態では、プラグ接続部の少なくとも1つの本発明のプラグ部品は、プラグ部品が着脱可能に接続された状態でロック可能なロック機構を有している。プラグイン方向に対して平行な方向について、外郭部の一端部まで延在する凹部が、一のプラグ部品を他のプラグ部品に対してロックするように構成されているロックピンを有することが好ましい。ロックピンは、プラグ部品を相互にロックするために他のプラグ部品のロック対応構成に係合するまたは背後に係合するロック機構の一部である。ロック対応構成は、たとえばアンダーカットの形態で構成される。これに関連する好ましい実施形態では、旋回可能に設けられているロックレバーまたは旋回可能なロックレバーの一部によってロックピンを作動させることができる。
ロックレバーが手で操作されれば使い勝手がよく、ロックレバーを手で操作するための作用面をプラグ部品が有していることが特に好ましい。ロックレバーがその回りに旋回可能な旋回軸ピンまたはカップ状の支持部の場合の不可視の旋回軸線は、作用面が直接的にまたはプッシュ要素もしくはプル要素を介して間接的にロックレバーに作用する点またはエリアと、ロックピンとの間にあれば利便性がある。これにより、わずかな動作で確実にロックされかつアンロックされるように、レバーの使い勝手の向上が図られる。
好ましい実施形態では、ロックピンが第1プラグ部品に取り付けられ、付加的または代替的に第1プラグ部品の一部であり、ロックのために第2プラグ部品のロック対応構成と係合する。すべてのロックピンに固有のロック対応構成が割り当てられていれば利便性がある。一または複数のロック対応構成は、好ましくは第2プラグ部品のアンダーカットなどの形態で実現される。本発明の特に好ましい変形態様は、ロック対応構成が受入収容スリーブ部のアンダーカットに配置されている。
本発明のプラグ部品は、ケーブルプラグおよびデバイスコネクタとして実現される。2本のケーブルが相互に接続される場合に適用される。接続対象である2つのプラグ部品のそれぞれはケーブルコネクタであってもよい。一方のプラグ部品がケーブルに取り付けられるケーブルプラグであり、他方のプラグ部品が増幅器などの電子機器に接続されるデバイスコネクタとしての対応するプラグ部品であってもよい。ケーブルプラグおよびデバイスコネクタの組み合わせは、ケーブルが対応するプラグコネクタを有する機器に接続される場合は常に選択される。
本発明のプラグ部品は、オーディオプラグインなど単に電気的接続のために用いられるほか、単に光学的プラグイン接続として用いられる。プラグ部品が電気的ラインおよび光学的ラインのそれぞれを接続するプラグ部品として機能するようなハイブリッド形式も可能である。プラグ接続を確立するため、プラグ接続に応じてプラグされる少なくとも2つのプラグ部品が必要である。
本発明の好ましい実施形態のさらなる特徴および詳細は、以下の図を用いて説明される。
図1は、デバイスのコネクタとして構成されている本発明に係る第1プラグ部品1を示している。これに対応する第2プラグ部品2が図2に示されている。第1プラグ部品1および第2プラグ部品2は、プラグの接続を確立するために相互に差し込まれている。本発明に係る第2プラグ部品2は、いわゆるケーブルプラグである。ケーブル(図示略)のプラグ部品ハウジング5への挿入を補助するケーブルスリーブ23によってプラグコンタクト7に対応する接続が実現されることがわかる。第1実施形態における指定位置にあるケーブルスリーブ23が図6、図7Aおよび図9に示されている。第2実施形態における各プラグ部品ハウジング5またはその雌ネジに螺着未完位置にあるケーブルスリーブ23が図14、図15および17に示されている。螺着完了位置において各プラグ部品ハウジング5の雌ネジ30にケーブルスリーブ23が深く螺着されている。螺着深さはケーブルの径に依存する。
図1に示されているデバイスコネクタの形態の第1プラグ部品1は開口端部19を有している。デバイスコネクタの形態の第1プラグ部品1のプラグ部品ハウジング5は、取り付け完了位置において通常は各デバイスの開口端部19に至るように配置されている。各デバイスの取り付け完了位置では、収容スリーブ部15およびそこに配置されたプラグコンタクト7の構成要素である開口端部19およびプラグイン開口部16のみがみえる。
第1プラグ部品1のプラグ部は、中空の収容スリーブ部15として形成されている。第1プラグ部品1および第2プラグ部品2が差し込まれる際、図2に示されている第2プラグ部品2のプラグイン部14が収容スリーブ部15に挿入される。第1プラグ部品1および第2プラグ部品2がプラグ接続される際、プラグイン方向6に当該挿入がなされる様子が図3および図4に示されている。第1プラグ部品1のプラグ部品ハウジング5は収容スリーブ部15のほか基部9を有しており、前記のようにプラグ部品ハウジング5は一体的に形成されている。収容スリーブ部15の形態のプラグ部および基部9は一体品として形成され、好ましくは鋳造またはダイキャストによって作製された一体鋳造品である。
第2プラグ部品2のプラグイン部14の形態のプラグ部およびそこに設けられている基部9についても同様である。当該構成要素はプラグ部品ハウジング5を形成している。当該構成要素はキャストまたはダイキャストによって製造される一体鋳造部品であることが好ましい。図2に示されているように、プラグ部品ハウジン基部9には、後述するロックレバー18の作用面20に接近可能となるような凹部21が設けられている。
第1プラグ部品1および第2プラグ部品2の両方は、収容スリーブ部15またはプラグイン部14と基部9との間に配置されている少なくとも1つの段差部8を有している。本実施形態では、段差部8はプラグ部品ハウジング5の全周にわたり設けられている。段差部8はプラグイン方向6に対して直交する方向に延在している。本実施形態では、プラグイン方向6は、第1プラグ部品1および第2プラグ部品2のそれぞれの長手方向に対応し、縦中心軸線24に対して平行に延在している。図2において、第2プラグ部品2のプラグイン部14の形態のプラグ部が、マッシュルーム形状の外郭部10を有することが確認できる。このマッシュルーム形状のキャップ部分または傘部分の下方において外郭部10が視線方向を縦中心軸線24に沿わせた際に径方向に対して平行方向にまたは径方向に延在する輪郭曲面22を有する。輪郭曲面22にはプラグイン方向6に外郭部10の端部12まで延在する凹部13が設けられている。凹部13にはロックピン17が配置され、第1プラグ部品1に第2プラグ部品2をロックする。ロックピン17が配置される凹部13は図5において確認できる。
図1では外郭部10のマッシュルーム形状が完全には見えないが、対応するキノコ形状は図1における第1プラグ部品1のプラグイン開口部16および収容スリーブ部15において実現されている。
第1プラグ部品1および第2プラグ部品2のプラグコンタクト7は、視線方向をプラグイン方向6に合わせた際に、各プラグ部の両端部11および12のうち一方、すなわちプラグイン部14または収容スリーブ部15を介して接近している電気的コンタクトにより構成されている。
各プラグコンタクト7は、前記プラグ部に配置されている。
前記のように、本発明のプラグ部品1の実施形態は、少なくとも電気的プラグ接続および光学的プラグ接続のうち少なくとも一方を確立するために用いられる。本実施形態ではプラグコンタクト7を用いた電気的プラグ接続が例示されている。このようなプラグコンタクト7はUSB(ユニバーサルシリアルバス)プラグと同様である。このような電気的接続を実現する各プラグコンタクト7の電気的コンタクト28は、円盤状のコンタクト支持部27により支持されている柔軟性のある板バネにより構成されている。コンタクト支持部27および電気的コンタクト28はコンタクトハウジング29の内部に配置されている。この類の電気的プラグ接続の特徴点は、相互に接続される部品がコンタクト支持部27および電気的コンタクト28のそれぞれと同じ形状を有するという点である。本実施形態では、プラグ部品ごとの一のコンタクト支持部27またはプラグコンタクト7に2つの電気的コンタクト28が設けられている。電気的コンタクト28の数およびコンタクト支持部27のサイズは変更可能である。図9は、相互プラグ位置における第1プラグ部品1および第2プラグ部品2が部分的に切り欠かれ、第1プラグ部品1および第2プラグ部品2のそれぞれの電気的コンタクト28が対をなして接触している様子が示されている。第1プラグ部品1および第2プラグ部品2のそれぞれのプラグコンタクト7のコンタクトハウジング29が差し込み時に相互に周方向に係合または結合しており、外部から電気的コンタクト28をシールする。図9において、本実施形態におけるコンタクトハウジング29は、電気的コンタクト28およびコンタクト支持部27の周囲を封止するシェルのようなものを形成することを確認することが確認できる。
図3は、図1に示されている第1プラグ部品1のプラグ部品ハウジング5の縦断面図を示しており、組み込まれている構成要素、特にプラグコンタクト7が収容スリーブ部15から削除されている。第1プラグ部品1のプラグ部品ハウジング5の収容スリーブ部15が、プラグイン方向6に2つの段差部8の間で延在していることがわかる。
これら2つの段差部8は、収容スリーブ部15の先端部11および後端部12を構成し、かつ、基部9に対して当該端部を制限する。視線方向をプラグイン方向6に合わせた際に、第1プラグ部品1の収容スリーブ部15の外郭部10の外側部分にはその長手方向の延在範囲の全体にわたって凹部13が存在しない。収容スリーブ部15の中空空間(ここに第2プラグ部品2のプラグイン部14が押し込まれてプラグ接続される。)を取り囲む外郭部10の内側部分にのみ、収容スリーブ部15の外郭部10における凹部が設けられている。図3において、視線方向をプラグイン方向6に合わせた際に、収容スリーブ部15における外郭部10の凹部13のそれぞれが一方の端部領域33により制限されていることが確認できる。これら凹部13のそれぞれは、プラグイン方向6に対して平行な方向に、収容スリーブ部15における外郭部10の先端部11および後端部12のうち少なくとも一方まで延在している。
これは、第2プラグ部品2のプラグイン部14にも当てはまる。図4は、第2プラグ部品2のプラグ部品ハウジング5の縦断面図を示している。図5は、外観図を示している。第2プラグ部品2のプラグ部品ハウジング5には、プラグイン部14と基部9の間に全周にわたり段差部8が設けられている。段差部8はプラグイン部14の一端部12を構成する。プラグイン方向6について反対側にある他端部11は、本発明に係るプラグ部品における段差部を有していない。図4および図5において、すべての凹部13がプラグイン方向6に対して平行な方向に、外郭部10の先端部11および後端部12のうち少なくとも一方まで延在していることが確認できる。外郭部10の内側部分および外側部分には、プラグイン方向6に相互に離間している2つの端部領域33によってプラグイン部14に制限される凹部13は設けられていない。
図6は、図1に示されている第1プラグ部品1および図2に示されている第2プラグ部品2の間でプラグ接続が完全に確立された状態の外観図を示している。図7Aは、A−A線に沿った断面図を示している。旋回軸ピン26に取り付けられたロックレバー18の形態のロック機構の旋回軸線34の回りの動作が確認できる。一方ではロックレバー18は作用面20を有し、他方では反対側から見た際に旋回軸線34はロックピン17を有している。図8は、他の構成要素から取り外された本実施形態のロックレバー18を示している。ロックレバー18の旋回軸線34の回りの旋回態様、さらには縦中心軸線24の周辺での延在態様が一点鎖線で示されている。図7Aに示されているロック位置において、ロックピン17は第1プラグ部品1のロック対応構成25の背後に係合し、ロックレバー18が旋回軸ピン26を超えて第2プラグ部品2に取り付けられている。ロック対応構成25は端部領域33において、プラグイン方向6に先端部11まで延在する凹部13である。ロック対応構成25は図3に示されている。
作用面20を押圧するときに、ロックレバー18は、図7Aに示されているロック位置から、第1プラグ部品1および第2プラグ部品2を相互にプラグイン方向6とは反対方向に引き離すことができるようにロック対応構成25の背後に係合することができないアンロック位置に旋回駆動される。ロックレバー18のアンロック位置からロック位置へのリセットまたは復帰はバネ荷重によって開始されうる。第1実施形態ではこのために図7Bに示されている予圧バネ35が設けられている。
図8は、縦中心軸線24の反対側に位置して相互に離間している2つのロックピン17を備えている対応するロックレバー18の好ましい実施形態を示している。ロック位置およびアンロック位置の間におけるロックピン17の動作は、縦中心軸線24に対して正接方向成分によって生じる。これは単に正接方向への一動作であってもよい。この意味での正接方向の動作は、縦中心軸線24から見て正確な径方向の動作ではなく、少なくとも正接方向成分を有する動作である。
図10〜図17に示されている本発明の他の実施形態としての第2実施形態において、第3プラグ部品3はデバイスコネクタとして構成され、第4プラグ部品4はケーブルプラグとして構成されている。ロックレバー18のロック機構は、第3プラグ部品3、すなわちデバイスコネクタの構成要素である。相互プラグ接続状態が示されている図14には、作用面20が見やすく示されている。図10および図11は、相互解放状態における第3プラグ部品3および第4プラグ部品4を示している。図15は、図14のB−B線に沿った断面を示している。図16は、他のプラグ接続部から取り外されている、第2実施形態のロック機構を示している。図17は、図9と基本的に同様であり、第1実施形態と同様に第2実施形態における電気的接触の様子を示している。
図10〜図17に示されている第2実施形態と、図1〜図9に示されている第1の実施形態とは、電気的コンタクトの設計のほかにもいくつかの類似点がある。このため、相違点を重点的に説明する。したがって、第1実施形態の説明は第2実施形態にも適用される。
図11は、ここではケーブルプラグとして構成されている第4プラグ部品4のプラグイン部14を貫通するプラグイン開口部16を通してみえる様子を示している。第1側部におけるアンダーカット形状を有するロック対応構成25が、プラグイン部14の内側に見やすく示されている。プラグ接続位置においてプラグイン部14は相手方の第3プラグ部品3の収容スリーブ部15に挿入される。図10および図11には、プラグイン部14および収容スリーブ部15が相互に対応するマッシュルーム形状を有していることが示されている。図10は、作用面20が略矩形状の開口端部19の隅角部に配置され、これにより開口端部19および作用面20が比較的わずかなスペースのみを必要とする。このため、デバイスコネクタの形態における第3プラグ部品3が、対応する電子機器に対して非常に近接して配置されるという利点がある。
図15において、第2実施形態のロック機構の動作モードおよび構造を容易に確認することができる。図16は、他方の機器から取り外された状態のロック機構を示している。第2実施形態におけるロック機構は、旋回可能なロックレバー18および縦中心軸線24を基準として反対側にある2つのロックピン17を有している。第1実施形態との第1の相違点はロックレバー18のベアリングカップが設けられている点である。第1実施形態とは異なり、旋回軸ピン26は設けられていない。図15に示されているように、ロックレバー18は第3プラグ部品3のベアリングカップ32の内部にある。したがって、第1実施形態における軸穴が省略されている。第1実施形態との第2の相違点は、作用面20がロックレバー18に対して直接的にではなくプッシュ要素31を介して間接的に作用する点である。第1実施形態との一致点は、図16に破線で示されている旋回軸線34がロックピン17と、ロックレバー18に作用する作用面20のエリア(ここではプッシュ要素31)との間に位置している点である。これにより、作用面20の比較的わずかな上昇により、ロックピン17を比較的大きく旋回動作させることができる。
本実施形態のプッシュ要素31は、プラグ部品3における相応に狭小なノッチに隠れる幅狭の薄い接続フラップの形状に設計されている。このノッチは図12に示されている縦長の凹部13であり、収容スリーブ部15の一端部11から他端部12まで延在している。
ロック位置およびアンロック位置の間におけるロックピン17の軌跡は第1実施形態で述べたものと同様である。このことは第1実施形態だけでなく、第2実施形態にも有効である。
本実施形態では、図15にしたがってロックレバー18のロック位置の方向への予圧が予圧バネ35により実現されている。本実施形態における予圧バネ35は、接点支持部だけでなくベアリングカップ32をも保持している。
図12および図13のそれぞれは、本実施形態における第3プラグ部品3および第4プラグ部品4のそれぞれのプラグ部品ハウジング5のプラグ部を通る縦断面図を示している。プラグイン部14および収容スリーブ部15には、各プラグ部においてプラグイン方向6に対して平行な方向について両方の端部領域33により制限されている、本発明に係る凹部13が存在していない。したがって、両方の端部領域33によって制限されている各プラグイン部には凹部は設けられていない。図12は、外郭部10における凹部13のみを示している。既存の凹部13はプッシュ要素31のために設けられ、前述のように収容スリーブ部15の一端部11および他端部12の間で全体にわたって延在している。図13は、第4プラグ部品4のプラグ部品ハウジング5が、ロック対応構成25を構成するためにプラグイン部14またはその外郭部10において端部領域33を有していることを示している。これに隣接する凹部13は、プラグイン部14の少なくとも先端部12まで延在しており、本発明の構成要素として設計されている。端部領域33がロック対応構成25として機能するアンダーカットを構成する。
図12では、収容スリーブ部15がその先端部11および後端部12において、段差部8を介してプラグ部品ハウジングの基部9に対して制限されている。一の段差部8が、外郭部10の外側エリアにおけるプラグイン開口部16に近接して配置されている。他の段差部8が、プラグイン開口部16から離間して外郭部10の内側エリアに配置されている。図13に示されている実施形態では、段差部8が外郭部10の後端部12における内側エリアに配置されている。
最後の点として、プラグ部品1、2、3、4のハウジング5、ならびに特にそれらのプラグイン部14および収容スリーブ部15は、金属またはプラスチックなどの異なる材料から製造されていてもよい。製造工程として、異なる鋳造プロセスは、特にダイキャスト、プラスチック射出成形、粉末冶金製造プロセスだけでなく、ミリング加工などの他の研磨プロセスが可能である。
第1実施形態のプラグ部品2および第2実施形態のプラグ部品4は、2つのケーブルが相互に接続される場合にプラグ接続部として接続されてもよい。