JP2016519978A - バイアルアクセスデバイス - Google Patents

Abstract

バイアルアクセスデバイスは、相補的な形状のバイアルの首部と係合するために弾性変形可能な突出した環状スカート（２１）と、バイアル内に導入するための環状スカート（２１）内で同軸方向に延びる管状スパイク（１５）と、管状スパイク（１５）と流体的に連通し、環状スカート（２１）と反対側で本体部（１）から突出する管状コネクタ（３）とを有する本体部（１）を備える。管状スパイク（１５）および環状スカート（２１）は、互いに別体である第１部分（１３）および第２部分（１４）にそれぞれ配置され、第１部分（１３）は本体部（１）に永久的に取り付けられ、第２部分（１４）は不可逆連結部（２６，２７）を介して第１部分（１３）に接続可能である。

Description

本発明はバイアルアクセスデバイスに関し、特に、例えば化学療法において投与される有害物質を含む液体薬剤のバイアルに関する。

本出願人が権利者である米国特許７７４３７９９号によって公知のバイアルアクセスデバイスは、操作者が安全にアクセスできるように、またはむしろ、その中身が投与のために混合されたとき、医療従事者がバイアル内の有害物質を吸入する危険に晒されることを防止するように構成されている。

この公知のアクセスデバイスは、相補的な形状のバイアルの首部と係合するために弾性変形可能である突出した環状スカートと、バイアル内に導入するために上記環状スカート内で同軸方向に延びる管状スパイクとを有する本体部を備える。管状コネクタは、例えば注射器で形成される抽出器と連結可能であって、環状スカートと反対側で本体部から突出している。また、管状スパイクから管状コネクタに向かう流れのラインは、典型的には逆止弁を介して拡張可能なチャンバに接続され、毒性を有する蒸気を集め、装置の外部への漏出を防止するように構成されている。

この公知のアクセスデバイスでは、管状スパイクと管状コネクタと共に環状スカートは本体部に一体に形成され、また可能である場合は拡張可能なチャンバ部とも一体に形成されるか、または、環状スカートと管状スパイクは別体で組み合わされるが本体部に永久的に取り付けられ、管状コネクタと拡張可能なチャンバ部と順に組み合わされる。

市場のバイアルは特に関連する首部の多様な構造および異なる径に関連して様々な構造を有し、アクセスデバイスの環状スカートはある種類または別の異なる種類のバイアルと連結できるように当然に異なる構造でなければならない。そのため、多様に存在するバイアルに適応可能なように異なる形状に合わせて正確に形成された多様な構造の環状スカートによって、互いに異なる多くのアクセスデバイスを利用することを要する。

本発明の目的は、上述の欠点を克服し、上述の多くの種類のバイアルに対して、その構成要素の主要な部品の製造を統一するが、市場に存在するいずれの種類のバイアルにも容易に適応可能なアクセスデバイスを形成することである。

本目的を達成する観点で、本発明は請求項１の前段に記載の種類のバイアルアクセスデバイスに関するものであって、その特有の特徴は管状スパイクおよび環状スカートが第１部分および第２部分からなり、互いに別体であり、その第１部分は管状スパイクを担持し、装置の本体部に永久的に取り付けられ、第２部分は環状スカートを支持し、不可逆的な連結手段によって第１部分と接続されるという事実にある。

この解決策によって、管状コネクタを有する装置の本体部と拡張可能なチャンバ部と管状スパイク部とによって形成される複合体は結合され、またはむしろ全ての使用可能性に適しているが、環状スカート部のみが、存在する異なる種類のバイアルの機能に合わせて多様である必要がある。本発明のアクセスデバイスを使用するバイアルの種類を決定した後は、バイアルの種類に適した環状スカートを選択すれば十分であり、次いで管状スパイクを有する第１部分に、関連する第２部分を取り付けるか、またはむしろ上述の全て結合された部品に取り付ける。

環状スカート部と管状スパイクとの間の不可逆連結部によって、使用の際、装置からバイアルが外れる事故が発生し、次いで有害物質による環境汚染が発生する可能性を安全に回避できる。

環状スカート部と管状スパイク部との間のこの不可逆的でそれゆえに不可侵の連結部は、有利なことに機械的であり、例えば外れることのないスナップ嵌め係合部によって形成されているが、それらが不可逆的という観点で完全に信頼性を有する結合であって、単純で迅速な相互の結合を可能にするものであれば多くの代替的な解決方法で設けられてもよい。

本発明の実施形態に係るバイアルアクセスデバイスの模式的な斜視図。 図１の分解図。 図２の矢印IIIに示された拡大スケールの平面図。 図２の矢印IVに示された拡大スケールの分解斜視図。 本発明のバイアルアクセスデバイスの変形例を示す模式的な斜視図。 図５の垂直断面図。

ここで、本発明について、単に非限定的な例として準備されている添付図面を参照して詳細に説明する。

最初に図１を参照して、本発明の第１実施形態に係るバイアルアクセスデバイスは、１で全体に示され、プラスチック材料から典型的には成形され、以下の構成要素と一体に形成される本体部を本質的に備える。以下の構成要素とは、円形のフランジ２、フランジ２と反対側から突出する管状コネクタ３、把持部４、および拡張可能なチャンバ６の一部５であり、拡張可能なチャンバ６の他の部分７は図１で拡張された状態で表されている。

拡張可能なチャンバ６へのアクセスは、第１の逆止弁８によって制御されているが、第２の逆止弁１０は本体部１の通気口との連通を制御している。

図示の例の場合、管状コネクタ３は、それ自体公知の例えば「B-Site」の名前で本出願人によって販売された種類のバルブコネクタ９と接続するように配置され、例えば注射器によって形成された流体抽出器に接続されるように順に構成されている。

アクセスデバイスの上述の全ての構成要素は、以下で今から説明するものと同様に基本的には上述の米国特許第７７４３７９９号に説明および図示されているものと一致する。

１２で全体に示されているグループは、膜１１が介在した状態で管状コネクタ３の反対側で本体部１のフランジ２に接続されている。

グループ１２は、図４で詳細に示しているように、第１部分１３と第２部分１４とを備える。第１部分１３は、プラスチック材料で成形されており、本体部１のフランジ２の形状と相補的な形状を有する概ね円形のディスクからなり、このフランジ２に永久的に固定されている。ディスク１３の下面からは管状スパイク１５が中央で突出し、管状コネクタ３と連通するディスク１３の上面から突出するダクト１６と連通している。ディスク１３の上面には、ダクト１６の周囲にフィルタ１１が載置される放射状の突起部１７が形成されている。

ディスク１３のその反対側の面、ないしむしろ管状スパイク１５が突出している面には、一連の歯状の放射状の突起部１８（図示の例ではその数は４つ）が設けられ、その機能は以下で説明する。

グループ１２の第２部分１４は、第１部分１３から分離された別体で形成され、不可逆連結部を介して第１部分１３に接続可能である。この特長により、本発明によれば、異なる全ての対応するアクセスデバイスを作ることを要せず、異なる構造およびサイズを有する今日利用可能なバイアルアクセスデバイスの容易な適応性が実現可能である。本発明のアクセスデバイスの主要な部品、即ち管状コネクタ３と拡張可能なチャンバ５とフランジ２とスパイク先端部１５とを有する本体部１は結合され、第２部分１４のみが異なる種類のバイアルの機能において選択される異なる構造を有して設けられることを要する。

また、第２部分１４は、プラスチック材料の単一部品で簡便に形成され、ディスク１３のそれと相補的であって中央孔２０と環状側方スカート２１とを有する概ね円形の壁部１９からなる。

環状スカート２１は、弾性的に離散拡張するように設計されている一連のセクター部２２から形成され、相補的な形状のバイアルの首部と係合するための各係合歯２３と一体的に形成されている。

中央孔２０の周囲では、壁部１９は、一連の開口部２４（図示の例ではその数は４つ）を有し、それぞれの開口部２４内では弾性ばね型タブ２５が突出しており、以下で説明する態様でディスク１３の各歯状突起部１８と協働するように構成されている。

上で説明したように、上述のアクセスデバイスの主要な部品は結合された態様で設けられており、異なる種類の利用可能なバイアルへのその適応性は第１部分１３への第２部分１４の単純で不可逆連結部によって達成されている。従って、第２部分１４および特に環状スカート２１は、対応する種類のバイアルにアクセスデバイスを接続するためにそれぞれ適しており、構造および／またはサイズに対応する多様性をもって設けることができることは明らかである。

第１部分１３への第２部分１４の連結のために、管状スパイク１５は簡単に中央孔２０を通じて挿入され、歯状の突起部１８は開口部２４に所定角度で配置される。次いで、第１部分１３に対して第２部分を軸方向に押圧して弾性タブ２５を曲げてこれらが戻ると変形しない状態となり、弾性タブ２５の下方でこれらの歯状突起部１８をスナップ嵌めする。

一旦、そのような相互の連結が実行されると、第２部分１４はもはや第１部分１３から取り外すことができなくなる。

当然ながら、構造の詳細および実施形態は、特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲から逸脱することなく、これらの説明および図示に対して広く変更されてもよい。

特に、第１部分１３と第２部分１４との間の連結システムが２つの部品の迅速で不可侵の接合に適している場合、その連結システムは図示の例を参照して説明されたものとは異なるデバイスで達成されてもよい。特に、説明されているスナップ嵌めは、インターロック型またはバヨネット型(bayonet-type)の両方の場合に不可逆的である接続によって置換されてもよい。

図５および図６は、ここでは好ましい実施形態として考えられている、第１部分１３と第２部分１４との間の迅速で不可逆連結システムの変形例を示している。

この変形例では、先にすでに説明したものと同一または類似の部分は同じ参照符号で示されており、第２部分１４には軸方向の冠型の孔２６が形成され、第１部分１３は管状スパイク１５と同心の中空の軸方向への概ね円筒形状の冠型の突出部２７を有する。

それらの不可逆的な接合のため、第１部分１３および第２部分１４は、孔２６を通じて中空状の突出部２７を導入することによって互いに軸方向に連結され、次いで実際的には、それらが不可逆的に連続抽出することを防止するように各孔２６の縁に対して端部を半径方向に拡張させ、内部に導入される加熱されたパンチに補助されながらこれらの突出部２７の端部を変形させる。

１ バイアルアクセスデバイス（本体部）
２ フランジ
３ 管状コネクタ
４ 把持部
５ 拡張可能なチャンバの一部
６ 拡張可能なチャンバ
７ 拡張可能なチャンバの他の部分
８ 第１の逆止弁
９ バルブコネクタ
１０ 第２の逆止弁
１１ 膜（フィルタ）
１２ グループ
１３ 第１部分（ディスク）
１４ 第２部分
１５ 管状スパイク
１６ ダクト
１７ 突起部
１８ 突起部（連結部）
１９ 壁部
２０ 中央孔
２１ 環状スカート
２２ セクター部（突出セクター部）
２３ 係合歯
２４ 開口部（連結部）
２５ 弾性ばね型タブ（連結部）
２６ 孔（連結部）
２７ 突出部（連結部）

Claims (5)

1. バイアルの相補的な形状の首部と係合するように弾性変形可能な突出した環状スカート（２１）と、前記バイアルに導入するために前記環状スカート（２１）内で同軸方向に延びている管状スパイク（１５）と、前記環状スカート（２１）と反対側で突出し、前記管状スパイク（１５）と流体的に連通する管状コネクタ（３）とを有する前記本体部（１）を備え、前記管状スパイク（１５）と前記環状スカート（２１）は、互いに別体である第１部分（１３）と第２部分（１４）内にそれぞれ配置され、前記第１部分（１３）は前記管状スパイク（１５）を支持し前記本体部（１）に永久的に取り付けられており、前記第２部分（１４）は前記環状スカート（２１）を支持し不可逆連結部（１８，２４，２５，２６，２７）を介して前記第１部分（１３）に連結されていることを特徴とする、バイアルアクセスデバイス。
2. 前記不可逆連結部（１８，２４，２５）は、機械式のものであることを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。
3. 前記不可逆連結部は、スナップ嵌め係合部（１８，２４，２５）からなることを特徴とする、請求項２に記載のデバイス。
4. 前記第１部分（１３）は、中央では前記管状スパイク（１５）が突出し、周囲には一連の歯状かつ放射状の突起部（１８）が配置された概ね円形のディスクを備え、前記第２部分（１４）は、前記管状スパイク（１５）が貫通するための中央孔（２０）を有し、その周囲には冠型の突出セクター部（２２）が弾性的に拡張するように設計され、前記環状スカート（２１）を画定し、前記ディスク（１３）に対して相補的であって概ね円形の壁部（１９）を備え、一連の開口部（２４）を有する前記壁部（１９）は、前記ディスク（１３）の各歯状の突起部（１８）とスナップ嵌め係合するように弾性ばね型タブ（２５）がそれぞれの前記開口部に関連付けられた状態で前記中央孔（２０）のまわりに設けられていることを特徴とする、請求項３に記載のデバイス。
5. 前記第１部分（１３）は、中央では前記管状スパイク（１５）が突出し、周囲には中空の軸方向の冠型の突出部（２７）が配置された概ね円形のディスクを備え、前記第２部分（１４）は、軸方向に対応する冠型の孔（２６）が形成され、前記中空の軸方向の突出部（２７）は、前記孔（２６）内で塑性変形によって係合され、閉塞されることを特徴とする、請求項１に記載のデバイス。

Images