JP2016519302A - 太陽電池を含む時計用ディスプレイモジュール - Google Patents

Abstract

時計用のディスプレイモジュールであって、前記ディスプレイモジュール（１）は、その下面(６)上にデジタル情報ディスプレイ装置が固定されるダイアル(２)、太陽電池（２２；２２０）、及び、プレート(２４)、を備え、太陽電池（２２；２２０）がダイアル(２)の下方でかつダイアル(２)から短い距離にあり、かつ、ダイアル(２)及びデジタル情報ディスプレイ装置によって形成される組立品が太陽電池（２２；２２０）の上に配置されるように、太陽電池（２２；２２０）は、プレート(２４)内に収容される。【選択図】図２

Description

本発明は、デジタル情報ディスプレイ装置を含む時計に関する。より正確には、本発明は、デジタル情報ディスプレイがより魅力的でありかつ読み易い時計に関する。

液晶セル等のデジタル情報ディスプレイ装置を備える腕時計が、長い間知られていた。この腕時計は、典型的にはダイアルを含み、その下及びそれから離れて、例えば液晶セルが配置される。腕時計ダイアルに開口を提供されることにより、ユーザーが、液晶セルで示される時間又は他の情報を読むことが可能になる。液晶セルは、ダイアルから離れた腕時計ケース内に収容される主板上に固定される。したがって、ダイアルの表面と液晶セルのディスプレイ表面との間には、見栄えの悪いスペースが存在することになる。さらに、ユーザーが腕時計を見る角度に応じて、ユーザーの視界は、液晶セルディスプレイ表面へ開口端部によって投影される影によって損なわれ得る。

さらに、前掲のタイプの腕時計にフィットした液晶セルは、シールフレームによって相互に結合されるガラス基板を通常有している。これらのガラス基板は、通常正方形又は長方形であるが、このガラス基板に正方形又は長方形以外の形状を与えることは技術的に可能であるものの、経済性の見地から問題がある。

独国特許第１９８５７９９７号は、液晶セル及び太陽電池が同時に固定される表面の下のダイアルを開示する。

独国特許第１９８５７９９７号

本発明の目的は、情報のディスプレイがより魅力的かつより読み易いデジタル情報ディスプレイ装置が装備された時計を提供することにより、前記の問題をその他問題に加えて解決することにある。

この目的達成のため、本発明は、時計用のディスプレイモジュールに関し、このディスプレイモジュールは、一方で、その下面にデジタル情報ディスプレイ装置が固定されるダイアルを有し、他方では、太陽電池及びプレートを有し、この太陽電池は、太陽電池がその下でかつダイアルから短い距離に配置されるよう、プレート内に収容され、ダイアルとデジタル情報ディスプレイ装置とにより形成される組立品が、太陽電池の上に配置される。有利なことに、ディスプレイモジュールは、プレートの下面上に配置されかつ取り外し可能に固定されるバックライト装置によって完成される。このように、故障の場合に部品と部品の交換が可能な完全なディスプレイモジュールが得られる。問題が生じた場合に、ディスプレイモジュールを取り外し欠陥がある部品要素を取り替えるのみでよく、これは経済的見地から非常に有利である。

また、本発明は、その下方にデジタル情報ディスプレイ装置が配置されるダイアルを有する時計を製造する方法に関し、腕時計ダイアルに開口が提供されることにより、ユーザーがデジタル情報ディスプレイ装置により表示された情報が読むことができるようになり、ダイアルは上面及び下面を有し、デジタル情報ディスプレイ装置は上側情報表示面を有し、該方法は、上側情報表示面が接着剤層を備えることと、デジタル情報ディスプレイ装置が、接着剤層によってダイアルの下面上に積層されることとを、特徴とする。

本発明の補完的な特徴に従い、デジタル情報ディスプレイ装置がダイアルに固定された後、接着剤層とダイアルの間で捕捉された全てのエアを追い出すために、組立品は、オートクレーブ中に置かれる。好ましくは、オートクレーブ内の圧力は６バールであり、処理温度は５０℃程度であり、処理時間は約３０分である。

本発明の他の特徴および効果は、以下の本発明に従った時計の一例の実施形態の詳細説明からさらに明らかになり、この例は、添付の図面を参照して非限定的な例示として説明される。

図１は、本発明に従った時計の第１の実施形態の分解斜視図である。 図２は、本発明に従った時計の第２の実施形態の分解斜視図である。 図３Ａ及び３Ｂは、炭素ファイバータイプの複合材料の外観で与えられるプラスチックダイアルの、それぞれ概要図及び拡大図である。

本発明は、時計の場合に、ダイアルの下に配置されるプレートに、太陽電池を取り外し可能な状態で収容するデジタル情報ディスプレイ装置が、その下面に固定されるダイアルを有するという、総合的な発明力のある着想から発している。デジタル情報ディスプレイ装置又は太陽電池の障害が生じた場合に、ディスプレイモジュールを取り外して、欠陥がある部品だけを取り替えればよく、これは経済的見地から非常に有利である。特に、太陽電池が故障した場合でも、高価な部品であるダイアルを取り外す必要がない。

図１は、本発明に従った時計用ディスプレイモジュールの第１の例示的な実施形態の分解斜視図である。総合的な参照番号１で全体として示されるように、このディスプレイモジュールは、ダイアル２を有し、ダイアルは、図示の例では、略円形の形状である。しかしながら、ダイアルの形状は、円形プロファイルと異なってもよく、例えば、正方形又は長方形でもよいことが理解されよう。ダイアル２は、上面４及び下面６を有し、その中央が穿孔され、短針用及び長針用の一組の軸（図示せず）の経路のためのホール８が形成されている。開口１０が、ダイアル２に提供される。ダイアル２が透明な材料から製造される場合には、ダイアル２をコーティングする装飾的な層は、開口１０に対応する場所から除外される。開口１０を形成するための他の解決策としては、所望の位置に、ダイアル２を穿孔することが挙げられる。

また、ディスプレイモジュール１は、デジタル情報ディスプレイ装置を有する。図に示される例では、このデジタル情報ディスプレイ装置は、フレキシブルな液晶ディスプレイセル１２で形成され、これは略半円形形状を有する。この液晶ディスプレイセル１２は、前部基板１４を有し、これは上側表示面及び後部基板１６を画定する。前部基板１４及び後部基板１６は、フレキシブルなプラスチック材料から製造され、これらは従来の方法によりシーリングフレーム（図示せず）で相互に接続され、液晶を収容するための閉鎖容量を画定する。指摘するまでもなく、この例は、純粋に例証として挙げられるものであり、デジタル情報ディスプレイ装置は、電気泳動的タイプでもよく、又は電子インクを使用するものであってもよい。フレキシブルな電気コネクタ１８は、液晶ディスプレイセル１２の電極を電子制御回路（図示せず）に接続する。

本発明によれば、液晶ディスプレイセル１２の前部基板１４は、光透過性の接着剤で形成される接着剤層２０で被覆され、その接着剤により、液晶ディスプレイセル１２は、ダイアル２の下面６に結合される。好ましくかつ非限定的な方法では、液晶ディスプレイセル１２は、ダイアル２の下面６に対して、機械的に積層され、その後ダイアル２及び液晶ディスプレイセル１２によって形成された組立品は、接着剤層２０とダイアル２との間に捕捉された全てのエアを追い出すために、オートクレーブ内に置かれる。一例として、オートクレーブ内の圧力は、６バールであり、処理温度は、５０℃程度であり、処理時間は、約３０分である。

組立は、第１の太陽電池２２で完了される。この太陽電池２２の利用は、本発明の好ましい実施形態に対応するが、本発明の基本的な変形では、ディスプレイモジュール１は、ダイアル２及び液晶ディスプレイセル１２のみを有していることが理解されよう。図１に例示される例では、太陽電池２２は、液晶ディスプレイセル１２の形状と相補的に、略半円形形状を有している。液晶ディスプレイセル１２及び太陽電池２２の面積の合計は、ダイアル２の面積に実質的に対応する。

太陽電池２２は、その下方かつダイアル２から短い距離に配置される。したがって、太陽電池２２はプレート２４内に収められ、その寸法及び形状が、ダイアル２のそれらに適応される。太陽電池２２を軸方向に維持するため、プレート２４は座面２６を有し、その面積は、太陽電池２２の面積と実質的に等しい。太陽電池２２を半径方向に維持するため、その外側周辺は、少なくとも１つ、好ましくは２つの突起２８を備え、これらはプレート２４の周囲に提供される２つの対応する筐体３０と係合される。図示するように、座面２６は穿孔されて、直径方向に対向し合う２つの貫通孔３２が形成され、これらにはばね３４が係合され、これらのばねは、太陽電池２２の２つの端子間での電気的接触及び腕時計の電源回路（図示されず）を確実に与える。

ダイアル２及び液晶ディスプレイセル１２によって形成される組立品は、太陽電池２２の上に配置され、プレート２４の周縁３６上に載置される。液晶ディスプレイセル１２は、プレート２４に提供された開口３８に安定して収められ、かつ、その面積が、液晶ディスプレイセル１２の面積に実質的に対応することが、理解される。この開口３８は、プレート２４の下方に取り付けられたバックライト装置４０が、液晶ディスプレイセル１２を、その裏側から照らすことを可能にする。

最後に、ダイアル２、液晶ディスプレイセル１２、及び太陽電池２２により形成される組立品が、フレキシブルなロッキングフック４２により、主板２４上に取り外し可能にロックされる。このように、故障の場合に部品と部品の交換が可能な完全なディスプレイモジュール１が得られる。問題が生じた場合に、ディスプレイモジュール１を取り外し、欠陥がある部品要素のみを取り替えることが可能であり、これは経済的見地から非常に有利である。

図２は、本発明に従った時計用ディスプレイモジュールの第２の例示的な実施形態の分解斜視図である。

以下の説明では、図１に関してすでに記載される要素と同様又は同一のあらゆる素子は、同じ参照番号によって示される。

図２では、ダイアル２は開口１０を有し、その寸法及び形状が、液晶ディスプレイセル１２の上側表示面を画定する前部基板１４のそれらに適応されることが示されている。第２の太陽電池２２０は、ダイアル２と実質的に同じ寸法を有し、太陽電池２２０がダイアル２の下方に配置される場合に、液晶ディスプレイセル１２を収容する開口２２１を備えていることも示されている。ダイアル２と同じ寸法の太陽電池がダイアル２の下方に配置される場合は、太陽電池の表面の部分は、液晶ディスプレイセル１２によって隠蔽されることが、理解されよう。太陽電池の一部が隠される場合の方が、デジタル情報ディスプレイ装置が収容されるように形状が与えられた開口の存在のために太陽電池の活性表面が小さくなる場合よりも、所与の活性表面による太陽電池の光起電力変換効率が悪化することが認識されよう。

それ以外は、図２に例示されるディスプレイモジュールは、図１に関して上記に記載されたディスプレイモジュールと同一である。液晶ディスプレイセル１２は、好ましくは積層によって、ダイアル２の下面６に固定され、太陽電池２２０は、プレート２４内に収容される。その後、太陽電池２２０がダイアル２の下方でかつダイアル２から短い距離にあり、液晶ディスプレイセル１２が開口２２１内に収容されるよう、ダイアル２及び液晶ディスプレイセル１２によって形成される組立品は、太陽電池２２０の上に配置される。主板２４の下方から取り付けられているバックライト装置４０は、プレート２４に提供される開口３８を通し、液晶ディスプレイセル１２をその裏側から照らす。ダイアル２、液晶ディスプレイセル１２及び太陽電池２２０により形成される組立品は、複数のフレキシブルなロッキングフック４２により、取り外し可能な状態でプレート２４上にロックされる。

図面から理解されるように、座面２６は穿孔されて２つの貫通孔３２が形成され、これらは座面２６の直径部分上に相互に近接して配置され、その中にはばね３４が係合して、太陽電池２２０の２つの端子間の電気的接触及び時計（図示されず）の電源回路を確保する。また、太陽電池２２０を半径方向に保持するため、太陽電池２２０の周囲には、プレート２４の３つの対応する突起４６と協働する、少なくとも１つ、好ましくは３つの、ノッチ４４が提供されることが理解されよう。

時計がソーラーウォッチタイプの場合には、着用者の視界から太陽電池２２、２２０を遮蔽しつつ、十分な量の光を太陽電池２２、２２０に通過させて腕時計バッテリーを効率的に充電させるため、ダイアル２は、少なくともその一部が透明である必要がある。

一例として、ダイアル２は、透明なプラスチック材料から製造され塗料の層で被覆されてもよく、塗料層の厚さ及び／又は塗料中の顔料の濃度に従い、不透明度が調整される。塗料で被覆される透明プラスチックダイアル２の透過率は、４５％程度である。換言すれば、入射光の４５％が太陽電池２２、２２０に透過され、その残りの光は、ダイアル２に吸収され、それはユーザーの視界から太陽電池２２、２２０を隠蔽するには十分である。他の例によれば、プラスチックダイアル２は、厚さが典型的には１５０μｍ＋／−２０μｍでありその透過率が３５％に調整された真珠層で被覆されてもよい。真珠層は、光透過性の接着剤層により、ダイアル２の上面４に固定される。

本発明の別の実施形態によれば、プラスチックダイアル２に、炭素繊維型複合材料の外観を与えることが求められる。絡み合わされた炭素ファイバーを樹脂に含浸させることでこの複合材料は得られ、得られた材料の表面状態は、周期的に反復したわずかに隆起した領域を有することが、知られている。

このテクスチャーを模倣するためには、２つの解法が想定される。第１の解法としては、その中にプラスチック材料が注入される型の内壁の構造部分を、ダイアル２の表面上にできるだけ多くの隆起した領域が形成されるように、機械加工することが挙げられる。第２の解法としては、従来のパッド転写（クリシェの転写）又は電子印刷の原理を用いるものであり、これは技術的な見解から想定可能であるものの、外見ではわずかにより満足でない仕上がりが提供される。この特許出願に添付された図３Ａ及び３Ｂに示されるように、水平線４８及び縦線５０の交互の及び定期的な繰り返しにより、この炭素の作用は得られる。水平線４８がより軽いようにも見えるが、これは、単に光の入射角によるものである。この効果は、ダイアルが光に対して「生きて」いるようになることを可能にし、これは、実際の炭素と全く同じである。ラインは、黒色（水平線及び縦線）である。また、黒（縦線）及び灰色（水平線）の配合を用いて炭素作用を得てもよいが、この場合には、その効果は、光に非依存的かつ非常に静的である。

言うまでもなく、本発明は、現に記載された実施形態に限定されず、その様々な単純な修正及び変形例は、添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の要旨を逸脱しない範囲で、当業者によって想定され得る。特に、図１に例示される実施形態では、液晶ディスプレイセル１２及び第１の太陽電池２２は、短針軸及び長針軸の経路のために、それぞれ凹所５２及び５４を各々有することが示される。同様に、貫通孔５６が、主なプレート２４の座面２６の端部に提供され、バックライト装置４０は穿孔されて、ホール５８が形成される。同様の方法で、第２の太陽電池２２０が中央で穿孔されてホール６０を形成し、プレート２４は、ガイドカラー６４によってその境界が与えられるホール６２を備えている。

Claims (9)

1. 時計用のディスプレイモジュールであって、前記ディスプレイモジュール（１）は、その下面(６)上にデジタル情報ディスプレイ装置が固定されるダイアル(２)、太陽電池（２２；２２０）、及び、プレート(２４)、を備え、前記太陽電池（２２；２２０）が前記ダイアル(２)の下方でかつ前記ダイアルから短い距離にあり、かつ、前記ダイアル(２)及び前記デジタル情報ディスプレイ装置によって形成される組立品が前記太陽電池（２２；２２０）の上に配置されるように、前記太陽電池（２２；２２０）は、前記プレート(２４)内に収容される、ディスプレイモジュール。
2. 一方で、前記ダイアル(２)及び前記デジタル情報ディスプレイ装置によって形成される組立品、及び、他方で、前記太陽電池（２２; ２２０）が、前記プレート(４)の上側に取り外し可能に固定されることを特徴とする、請求項１に記載のディスプレイモジュール。
3. 一方で、前記ダイアル(２)及び前記デジタル情報ディスプレイ装置によって形成される前記組立品、及び、他方で、前記太陽電池（２２；２２０）が、フレキシブルなロッキングフック(４２)により、前記プレート(２４)上に取り外し可能に固定されることを特徴とする、請求項２に記載のディスプレイモジュール。
4. バックライト装置(４０)が、前記プレート(２４)の下側上に配置され、かつ、それに取り外し可能に固定されることを特徴とする、請求項１〜３のいずれかに記載のディスプレイモジュール。
5. 前記太陽電池（２２；２２０）を軸方向に保持するために、前記プレート(２４)は、その面積が前記太陽電池（２２；２２０）の面積と実質的に等しい座面(２６)を有し、前記太陽電池（２２、２２０）を半径方向に保持するために、その外周辺部は少なくとも１つの、筐体(３０)と協働する突起(２８)又はノッチ(４４)を具備し、それぞれ対応する前記ノッチ(４４)は、前記プレート(２４)の周囲上に提供されることを特徴とする、請求項４に記載のディスプレイモジュール。
6. 前記ダイアル(２)及び前記デジタル情報ディスプレイ装置によって形成される前記組立品は、前記太陽電池（２２）に配置され、かつ前記プレート(２４)の周辺縁(３６)上に裁置され、前記デジタル情報ディスプレイ装置は、前記プレート(２４)内に提供されその面積が液晶ディスプレイセル(１２)の面積に実質的に対応する開口(３８)に安定して収められ、前記開口(３８)により、前記プレート(２４)の下方に取り付けられる前記バックライト装置(４０)が、デジタル情報ディスプレイ装置を裏側から照らすことが可能になることを特徴とする、請求項５に記載のディスプレイモジュール。
7. その下方にデジタル情報ディスプレイ装置が配置されるダイアルを含む時計を製造する方法であって、前記腕時計ダイアルに提供される開口により、前記デジタル情報ディスプレイ装置によって表示した情報をユーザーが読むことが可能になり、前記ダイアルは上面及び下面を有し、前記デジタル情報ディスプレイ装置は上側情報表示面を有し、前記方法において、前記上側情報表示面は接着剤層を備えており、かつ、前記デジタル情報ディスプレイ装置は前記接着剤層によってダイアルの下面上に積層されることを特徴とする、方法。
8. 前記デジタル情報ディスプレイ装置が前記ダイアルに固定された後、前記接着剤層及び前記ダイアルの間に捕捉されるあらゆるエアを追い出すために、前記組立品はオートクレーブ内に置かれることを特徴とする、請求項７に記載の方法。
9. 前記オートクレーブ内の圧力が６バールであり、処理温度は、５０℃程度であり、処理時間は、約３０分であることを特徴とする、請求項８に記載の方法。

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