JP2016512686A - カルシウムβ−ヒドロキシ−β−メチルブチレート、カゼインホスホペプチドおよびタンパク質を含む栄養組成物 - Google Patents

カルシウムβ−ヒドロキシ−β−メチルブチレート、カゼインホスホペプチドおよびタンパク質を含む栄養組成物 Download PDF

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Abstract

カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートおよびタンパク質を含む栄養組成物、ならびにこの栄養組成物を使用する方法および製造する方法が提供される。カゼインホスホペプチドは、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートを捕捉し、栄養組成物中の二価のカルシウムイオンとタンパク質との相互作用を減らし、カルシウムの吸収も促進しつつ、全体的な安定性、貯蔵寿命および栄養組成物の粘度を向上させるために利用される。

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/792,060号に対する優先権および利益を請求し、その内容全体が本明細書に参照により組み込まれる。
本開示は、タンパク質およびカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートを含む栄養組成物、ならびにこれを使用する方法および製造する方法に関する。さらに具体的には、本開示は、タンパク質の少なくとも1つの供給源と、カゼインホスホペプチドで処理されたカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートを含む栄養組成物に関する。
個人において筋肉質量を増やし、筋肉の消耗を減らすために配合された、タンパク質を含有する栄養製品が入手可能である。体内の筋肉構築をさらに高めるために、タンパク質と組み合わせて、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート(HMB)を含む栄養製品もある。しかし、カルシウムHMBおよびタンパク質を含む栄養製品(例えば、液体およびエマルション)は、一般的に、高レベルのタンパク質安定化剤、例えば、クエン酸およびリン酸のナトリウム塩およびカリウム塩を含む有機酸塩を必要とする。このことは、酸性化された貯蔵時に安定な液体飲料が高熱(例えば、細菌制御のための製造中のレトルト滅菌工程の高熱)を受ける場合にあてはまる。必要なタンパク質安定化剤を添加すると、栄養製品中のカリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせが高レベルになる。
本明細書には、タンパク質の少なくとも1つの供給源、およびカゼインホスホペプチドで処理されたカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート(HMB)を含む栄養組成物、ならびにこの栄養組成物を使用する方法および製造する方法が提供される。栄養組成物は、安定であり、カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせのレベルが制限される。
第1の実施形態において、1回分あたり約0.4グラムから約4グラムのHMBを与えるのに十分な量のカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を含む栄養組成物が提供される。栄養組成物は、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。これに加え、栄養組成物は、低濃度のカリウム、ナトリウムおよびリン、例えば、約2500ppm未満の濃度のカリウム;約1600ppm未満の濃度のナトリウム;および約3200ppm未満の濃度のリンを含む。
第2の実施形態において、カルシウムHMBを含むタンパク質を含有する栄養組成物を調製する方法が提供される。この方法は、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドとを混合し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を製造することを含む。カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1の範囲内である。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、タンパク質の少なくとも1つの供給源と混合し、栄養組成物を製造する。栄養組成物は、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。
第3の実施形態において、タンパク質の少なくとも1つの供給源およびカルシウムHMBを含む安定化された栄養組成物を調製する方法が提供される。この方法は、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドが約3:1から約70:1の範囲の重量比になるように、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドを水溶液に加えることを含む。カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含有する水溶液を約3分から約20分攪拌し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を作製する。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、タンパク質の少なくとも1つの供給源と混合する。栄養組成物は、1回あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。
本開示は、一般的に、タンパク質、およびカゼインホスホペプチドで処理されたカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート(HMB)を含む栄養組成物、ならびにこれを使用する方法および製造する方法に関する。栄養組成物は、安定であり、カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせのレベルが低い。カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせの全体的なレベルを下げることによって、本明細書に開示する栄養組成物は、電解質、例えば、カリウムイオン、ナトリウムイオン、リンイオン(リン酸水素イオンのような)、およびこれらの組み合わせに対して感度が高い代謝障害を有する個人を含め、多種多様な個人が使用するのに適している。
(定義)
本明細書に記載するような用語は、単なる実施形態の記載のためであり、全体として本発明を限定するものと解釈すべきではない。
「栄養組成物」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、限定されないが、液体、粉末、固体、半固体、半液体、サプリメントおよび当該技術分野で既知の任意の他の栄養食品を含め、種々の形態の栄養製品を指す。粉末は、多くは、液体栄養組成物を作製するために再構築されてもよい。本明細書に開示する栄養組成物は、タンパク質の少なくとも1つの供給源を含む。特定の実施形態では、栄養組成物は、さらに、脂肪の少なくとも1つの供給源または炭水化物の少なくとも1つの供給源、またはこの両方を含む。本明細書に開示する栄養組成物は、一般的に、ヒトによって経口消費するのに適している。
「カルシウムHMB」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートのカルシウム塩を指し(β−ヒドロキシル−3−メチル 酪酸、β−ヒドロキシイソ吉草酸、またはHMBとも呼ばれ)、ほとんどが典型的には一水和物形態である。カルシウムHMBを特性決定するためのすべての重量、パーセントおよび濃度は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、カルシウムHMB一水和物の重量を基準とする。
「カゼインホスホペプチド」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、酵素によって加水分解されたカゼインを指し、カゼインをトリプシンで処理することによって調製されてもよい。カゼインホスホペプチドは、Friesland Brands B.V.(オランダ)から市販されている。一般的に、カゼインホスホペプチドは、粉末形態で提供され、20%から30%(重量基準)のカゼインホスホペプチドを含む。
「脂肪」および「油」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、相互に置き換え可能に使用され、植物または動物、またはこの両方から誘導または処理される脂質材料を指す。これらの用語は、ヒトに経口投与するのに適切なものであれば、合成脂質材料も含む。
栄養組成物を記載するために本明細書で使用される「貯蔵時に安定な」という用語は、別段の定めがない限り、包装され、18から24℃で少なくとも3ヶ月間(約6ヶ月から約24ヶ月を含み、さらに、約12ヶ月から約18ヶ月を含む。)貯蔵された後に商業的に安定なままである栄養組成物、特に、液体を指す。
「滅菌する」、「滅菌された」および「滅菌」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、このような食品をヒトの消費に適するようにするのに必要な程度まで、食品中、または食品グレードの表面での伝染可能な作用主体、例えば、真菌、細菌、ウイルス、胞子の形態などの減少を指す。滅菌方法は、熱、過酸化物または他の化学物質を加える、光照射、高圧、濾過、またはこれらの組み合わせまたは変更例を含む種々の技術を含んでいてもよい。
「1回分」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、座った状態で、または1時間以内に個人によって消費されることを意図した任意の量であると解釈されることを意図している。
栄養組成物の形態を記述するために本明細書で用いられる「液体製品」および「液体」という用語は、別段の定めがない限り、飲むように準備された液体形態、濃縮された形態、使用前に本明細書に記載する粉末を再構築することによって作られる液体の栄養組成物を指す。液体は、懸濁物、エマルション、溶液などとして配合されてもよい。
栄養組成物の形態を記述するために本明細書で用いられる「固体製品」および「固体」という用語は、別段の定めがない限り、バー、スティック、クッキー、パン、ケーキまたは他の焼き製品、凍結した液体、キャンディー、朝食用シリアル、粉末、粒状固体、または他の粒状物、スナックチップまたは軽食、凍結したものまたはレトルト品などとして作られる栄養組成物を指す。
栄養組成物の形態を記述するために本明細書で用いられる「粉末」および「再構築可能な粉末」という用語は、別段の定めがない限り、消費前に水または別の水性液体で再構築することができる流動可能な形態またはスプーンですくえる形態の栄養組成物を指し、スプレードライされた粉末、および乾燥混合/乾燥ブレンドされた粉末を含む。
栄養組成物の形態を記述するために本明細書で用いられる「半固体」という用語は、別段の定めがない限り、固体と液体の間の中間の特性、例えば、硬さを有する栄養組成物を指す。半固体の例としては、限定されないが、プリン、ヨーグルト、ゲル、ゼラチンおよびパン生地が挙げられる。
栄養組成物の形態を記述するために本明細書で用いられる「半液体」という用語は、別段の定めがない限り、液体と固体の中間の特性、例えば、流動特性を有する栄養組成物を指す。半液体の例としては、限定されないが、濃いシェーキ、液体ヨーグルト、液体ゲルが挙げられる。
すべてのパーセント、部および比率は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、合計栄養組成物の重量を基準とする。数値範囲は、本明細書で使用する場合、具体的に開示されているかいないかにかかわらず、範囲内のあらゆる数字および部分集合を含むことを意図している。さらに、これらの数値範囲は、範囲内の任意の数字または部分集合に関する特許請求の範囲の裏付けを与えるものと解釈すべきではない。例えば、1から10という開示は、2から8、3から7、5から6、1から9、3.6から4.6、3.5から9.9などの範囲を裏付けるものと解釈すべきである。
別段の定めがない限り、または言及がなされる内容と矛盾することが明確に示されていない限り、本開示の単数の特徴または制限に対するすべての言及は、対応する複数の特徴または制限を含むべきであり、また、逆に本開示の複数の特徴または制限に対するすべての言及は、対応する単数の特徴または制限を含むべきである。
本明細書で使用する方法または処理工程のあらゆる組み合わせは、別段の定めがない限り、または言及がなされる内容と矛盾することが明確に示されていない限り、任意の順序で行われてもよい。
種々の本開示の実施形態は、本明細書に記載する任意の要素または選択された成分または特徴は、残りの栄養組成物が、本明細書に記載するような必要なすべての成分または特徴を含んでいる限り、実質的に含まなくてもよい。この内容で、別段の定めがない限り、「を実質的に含まない」という用語は、選択された栄養組成物が、機能を発揮する量未満の任意要素の成分、典型的には5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、また0重量%のこのような任意要素のまたは選択された成分を含むことを意味する。
本開示の栄養組成物および使用方法および製造方法の対応する方法は、本明細書に記載するような開示内容の要素および制限、および本明細書に記載する任意のさらなる、または任意要素の成分、要素、または制限、または栄養組成物および方法に使用するこの他のものを含み、これらからなり、またはこれらから本質的になっていてもよい。
第1の実施形態では、1回分あたり約0.4グラムから約4グラムのHMBを与えるのに十分な量のカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を含む栄養組成物が提供される。栄養組成物は、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。これに加え、栄養組成物は、約2500ppm未満の濃度のカリウム;約1600ppm未満の濃度のナトリウム;および約3200ppm未満の濃度のリンを含む。
第2の実施形態では、カルシウムHMBを含むタンパク質を含有する栄養組成物を調製する方法が提供される。この方法は、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドとを混合してカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を製造することを含む。カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドとの重量比は、約3:1から約70:1の範囲内である。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合し、栄養組成物を製造する。栄養組成物は、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。
第3の実施形態では、タンパク質の少なくとも1つの供給源およびカルシウムHMBを含む安定化された栄養組成物を調製する方法が提供される。この方法は、カルシウムHMBおよびカゼインホスホペプチドを、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドが約3:1から約70:1の範囲の重量比になるように水溶液に加えることを含む。カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含む水溶液を約3分から約20分攪拌し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を作製する。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、タンパク質の少なくとも1つの供給源と混合する。栄養組成物は、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む。
第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、任意の既知の経口製品形態または他の適切な経口製品形態で消費するように配合され、このような消費を意図している。任意の固体、液体、半固体、半液体または粉末の製品形態は、これらの組み合わせまたは変形例を含め、このような形態が、本明細書に定義されるような成分の経口消費を介し、被検体に対する安全で、効果的な経口送達を可能にする限り、本発明で使用するのに適している。
第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、固体製品であってもよい。固体製品の非限定例としては、スナックおよび食事用置き換え製品が挙げられ、バー、スティック、クッキーまたはパン、ケーキまたは他の焼き製品、凍結した液体、キャンディー、朝食用シリアル、粉末、再構築可能な粉末、または粒状固体、または他の粒状物、スナックチップまたは軽食、凍結したものまたはレトルト品などとして配合されるものを含む。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物が固体製品であるとき、1回分は、約25グラムから約150グラムであってもよい。
第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、液体製品であってもよい。液体製品の非限定例としては、スナックおよび食事用置き換え製品が挙げられ、熱い飲料または冷たい飲料、炭酸飲料または非炭酸飲料、ジュースまたは他の酸性化された飲料、ミルクまたは豆に由来する飲料、シェーキ、珈琲、紅茶、経腸栄養用組成物などを含む。一般的に、液体製品は、懸濁物またはエマルションとして配合されるが、液体製品は、例えば、透明な液体、溶液、液体ゲル、液体ヨーグルトなどの任意の他の適切な形態で配合することもできる。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物が液体製品である場合、1回分は、約100ミリリットルから約500ミリリットルであってもよい。第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物が液体である場合、1回分は、約237ミリリットル(約8液量オンス)である。第1、第2および第3の実施形態の他の実施形態では、栄養組成物が液体である場合、1回分は、約177ミリリットルから約414ミリリットル(約6液量オンスから約14液量オンス)である。第1、第2および第3の実施形態のさらに他の実施形態では、栄養組成物が液体である場合、1回分は、約237ミリリットルから約296ミリリットル(約8液量オンスから約10液量オンス)である。
第1、第2および第3の実施形態のさらに他の実施形態では、栄養組成物は、半固体または半液体の組成物(例えば、プリン、ゲル、ヨーグルト)、およびさらなる従来の製品形態、例えば、カプセル、錠剤、カプレット、丸薬などとして配合されてもよい。第1、第2および第3の実施形態の他の実施形態では、栄養組成物は、甘味入り錠剤、錠剤(例えば、チュワブル、コーティングされたもの)、ペースト、ゲルまたはヨーグルトの形態であってもよい。
すでに述べたように、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態によれば、栄養組成物および方法は、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を含む。「カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体」または「複合体」という用語は、本明細書で使用する場合、別段の定めがない限り、栄養組成物配合物に組み込む前のカゼインホスホペプチドで処理されたカルシウムHMBを指し、この結果、少なくとも一部、限定されないが、1重量%から90重量%、10重量%より多く、または50重量%、または60重量%、または70重量%、または80重量%、または90重量%のカルシウムHMB中に存在する二価のカルシウムイオンが、配位またはキレート化し、または他の方法でカゼインホスホペプチドに結合し、この結果、二価のカルシウムイオンが結合し、溶液に不溶性となり、溶液中の他の化学反応または相互作用、例えば、溶液中に存在するタンパク質種との化学反応または相互作用に利用することができなくなる。このために、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物に加えるとき、二価のカルシウムイオンの大部分が複合体に結合している。二価のカルシウムイオンが溶液に不溶性になるのに加え、カゼインホスホペプチドは、ヒトの体による二価のカルシウムの吸収も高める。
カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体の形態でのカルシウムHMBの使用によって、カルシウムHMBからの二価のカルシウムの大部分が配位またはキレート化するか、または他の方法でカゼインホスホペプチドに結合するため、未処理のカルシウムHMBと比較して、栄養組成物に溶解するために利用可能な二価のカルシウムイオンの量が減る。このように、特に、高温処理中に、栄養組成物中に存在する可溶性の二価のカルシウムイオンとタンパク質および他の成分との望ましくない相互作用が減り、栄養組成物の全体的な安定性、貯蔵寿命および粘度が向上する。
本明細書で開示する第1の実施形態および第2の実施形態および第3の実施形態の特定の実施形態によれば、栄養組成物は、電解質、例えば、カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせのレベルが少ない。例えば、第1の実施形態および第2の実施形態および第3の実施形態の特定の実施形態の栄養組成物は、約2500ppm未満の濃度のカリウム;約1600ppm未満の濃度のナトリウム;および約3200ppm未満の濃度のリンを含む。第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、約1000ppm未満の濃度のカリウム;約1100ppm未満の濃度のナトリウム;および約800ppm未満の濃度のリンを含む。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、約800ppmから約2500ppm、約800ppmから約2000ppm、約800ppmから約1500ppm、また、約800ppmから約1000ppmの範囲のカリウム濃度を有する。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、約910ppmから約1600ppm、約910ppmから約1400ppm、約910ppmから約1200ppm、また、約910ppmから約1100ppmの範囲のナトリウム濃度を有する。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、約625ppmから約3200ppm、約625ppmから約2000ppm、約625ppmから約1000ppm、また、約625ppmから約800ppmの範囲のリン濃度を有する。
これに加え、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物中のナトリウム、リンおよびカリウムを合わせた量は、約7000ppm以下である。本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物中のナトリウム、リンおよびカリウムを合わせた量は、約2300ppmから約5000ppmの範囲である。
電解質のレベルが少ないのは、カゼインホスホペプチドを用いることによって達成され、従来の量のカリウムおよびナトリウムを含有するリン酸塩およびクエン酸塩を利用する必要なく、少ないレベルのナトリウム、カリウム、リン、カルシウムおよびマグネシウムを含有する。カルシウムHMBおよびタンパク質を含む従来の栄養組成物は、二価のカルシウムイオンとタンパク質の相互作用または反応を防ぐことによって栄養組成物を安定化させるために、カリウムおよびナトリウムを含有するリン酸塩およびクエン酸塩を加える必要があった。実際に、従来の栄養組成物を安定化させるのに必要なカリウムおよびナトリウムを含有するリン酸塩およびクエン酸塩の量は、望ましくない程度に高い含有量のカリウム、ナトリウムおよびリンを生じ、この結果、得られた栄養組成物は、特に、糖尿病、高血圧、心疾患、慢性腎不全およびこれらの組み合わせを有する個人を含め、一部の個人が使用するのに適していない。しかし、カルシウムHMBと組み合わせてカゼインホスホペプチドを利用すると、本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、カルシウムHMBおよびタンパク質を含有する従来の栄養組成物と比較して、カリウム、ナトリウムおよびリンのレベルをかなり少なくすることができる。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と組み合わせて、カリウムおよびナトリウムのリン酸塩およびクエン酸塩を含む。しかし、カリウムおよびナトリウムのリン酸塩およびクエン酸塩の量は、従来のカルシウムHMBおよびタンパク質を含有する栄養組成物と比較してかなり少なくなり、この結果、栄養組成物に対するカリウム、ナトリウムおよびリンの寄与が低下する。
本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、ナトリウムに対するカリウムの比率(カリウム:ナトリウム)が、1より大きく、ナトリウムに対するリンの比率(リン:ナトリウム)が、1より大きい。ナトリウムに対するカリウムの比率が1より大きいこと(例えば、1.5:1または2:1または3:1など)は、心血管の健康にとって有益な場合があり、心血管疾患からの死亡の危険性を減らすだろう。ナトリウムに対するリンの比率が1より大きいこと(例えば、1.5:1または2:1または3:1など)は、進行しつつある腎疾患、心疾患および肥満の危険性を下げるのに有益であろう。
すでに記載したように、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、1回分あたり約0.4グラムから約4グラムのHMBを含む。約0.4グラムから約4グラムという範囲は、HMBの量を指し、従って、利用されるカルシウムHMBの量は、必然的にもっと高いだろう。カルシウムHMBは、最も典型的には、一水和物の形態で使用されるが、他の形態を利用してもよい。本明細書に開示する方法で使用されるカルシウムHMBは、実際に任意の供給源から得ることができる。カルシウムHMB一水和物は、ソルトレークシティー、ユタのTechnical Sourcing International(TSI)から市販される。
第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物に含まれるカルシウムHMBの量は、濃度またはppmの観点で記載することもできる。本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、約1500ppmから約16000ppmのカルシウムHMBを含む。第1、第2および第3の実施形態の他の実施形態では、栄養組成物は、約3900ppmから約5900ppmのカルシウムHMBを含む。
すでに記載したように、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、1回あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質の少なくとも1つの供給源を含む。例えば、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、1回あたり約5グラムから約45グラムのタンパク質の少なくとも1つの供給源、1回あたり約10グラムから約40グラムのタンパク質の少なくとも1つの供給源、1回あたり約15グラムから約35グラムのタンパク質の少なくとも1つの供給源、また、1回あたり約20グラムから約30グラムのタンパク質の少なくとも1つの供給源を含む。
タンパク質の少なくとも1つの供給源は、限定されないが、未処理のもの、加水分解されたタンパク質および部分的に加水分解されたタンパク質を含んでいてもよく、任意の既知の供給源または他の方法で適切な供給源、例えば、ミルク(例えば、カゼイン、ホエイ)、動物(例えば、肉、魚)、穀物(例えば、米、トウモロコシ)、野菜(例えば、大豆、豆)、およびこれらの組み合わせから誘導されてもよい。タンパク質の少なくとも1つの供給源の非限定例としては、ミルクタンパク質単離物、ミルクタンパク質濃縮物、カゼインタンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、カゼインナトリウムまたはカゼインカルシウム、ウシの全乳、部分的または完全に脱脂されたミルク、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質加水分解物、豆タンパク質濃縮物、豆タンパク質単離物、豆タンパク質加水分解物などが挙げられる。例えば、第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、タンパク質の少なくとも1つの供給源は、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質加水分解物、豆タンパク質濃縮物、豆タンパク質単離物、豆タンパク質加水分解物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、特定の実施形態では、1回分あたりの脂肪の少なくとも1つの供給源、または1回分あたりの炭水化物の少なくとも1つの供給源、またはこの両方を含む。例えば、例示的な実施形態では、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、1回あたり約0.1グラムから約20グラムの脂肪の少なくとも1つの供給源と、1回あたり約0.1グラムから約50グラムの炭水化物の少なくとも1つの供給源を含む。第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、1回あたり約1グラムから約18グラムの脂肪の少なくとも1つの供給源、1回あたり約5グラムから約15グラムの脂肪の少なくとも1つの供給源、また、1回分あたり約8グラムから約12グラムの脂肪、さらに、1回あたり約9グラムから約11グラムの脂肪を含む。第1、第2および第3の実施形態の他の実施形態では、栄養組成物は、脂肪を含まず、または、脂肪を本質的に含まない(即ち、1回あたり約0.5グラム未満の脂肪)。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、1回あたり約1グラムから約45グラムの炭水化物、1回あたり約5グラムから約40グラムの炭水化物、また、1回分あたり約10グラムから約35グラムの炭水化物、また、1回分あたり約15グラムから約30グラムの炭水化物、さらに、1回分あたり約20グラムから約25グラムの炭水化物を含む。
上述のように、本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、1回あたり脂肪の少なくとも1つの供給源を含む。脂肪の少なくとも1つの供給源は、植物由来または動物由来、またはこの両方であってもよい。本明細書に記載する栄養組成物に使用するのに適した脂肪の供給源の非限定例としては、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、ココナッツ油、分留したココナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ベニバナ油、MCT油(中鎖トリグリセリド)、パーム油およびパーム核油、パームオレイン、海洋油、ボリジ油、綿実油、およびこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、脂肪の少なくとも1つの供給源は、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
すでに記載したように、第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態の栄養組成物は、1回分あたりの炭水化物の少なくとも1つの供給源を含んでいてもよい。本明細書に開示する栄養組成物に使用するのに適した炭水化物の少なくとも1つの供給源は、単純なもの、複雑なもの、またはこれらの変形例または組み合わせであってもよい。一般的に、経口栄養組成物で使用するのに適しており、この他の理由で栄養組成物中に存在する任意の他の選択される成分または特徴に適合性である限り、炭水化物の任意の供給源を使用してもよい。本明細書に記載する栄養組成物に使用するのに適した炭水化物の供給源の非限定例としては、マルトデキストリン、スクロマルト、加水分解または改質されたデンプンまたはトウモロコシデンプン、グルコースポリマー、コーンシロップ、コーンシロップ固形物、米から誘導される炭水化物、スクロース、グルコース、フルクトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ、ハチミツ、グリセリン、糖アルコール(例えば、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール)、およびこれらの組み合わせが挙げられる。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、炭水化物の少なくとも1つの供給源は、マルトデキストリン、スクロース、フルクトース、スクロマルト、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される。
第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、水性エマルションである。これらのエマルションは、1℃から25℃で流動可能な液体または飲むことが可能な液体であり、典型的には、水中油、油中水、または複雑な水性エマルションの形態であるが、このようなエマルションは、最も典型的には、連続した水相と連続していない油相とを含む水中油エマルションの形態である。
水性エマルションとして配合された栄養組成物は、貯蔵時に安定であってもよく、典型的には、貯蔵時に安定である。水性エマルションは、典型的には、栄養組成物の重量に対し、約95重量%までの水を含み、約50%から約95%、また、約60%から約90%、また、約70%から約85%の水を含む。
本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、唯一の栄養の供給源、主な栄養の供給源または補助的な栄養の供給源を与えるように、または、特定の疾患または状態、例えば、糖尿病または慢性腎不全を罹患した個人が使用するための特殊な栄養組成物を与えるために十分な種類および量の栄養を用いて配合されてもよい。栄養組成物、特に、液体またはエマルションとして配合された栄養組成物は、種々の製品密度を有していてもよいが、最も典型的には、密度が約1.055g/mLより大きく、1.06g/mlから1.12g/ml、また、1.085g/mlから1.10g/mlである。
第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、最終的なユーザーの栄養の必要性に合うように調整したカロリー密度を有していてもよいが、ほとんどの場合には、栄養組成物は、1回分あたり約50kcalから約500kcal、1回分あたり約100kcalから約400kcal、1回分あたり約150kcalから約350kcal、また、1回分あたり約200kcalから約320kcalを含む。すでに述べたように、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、1回分あたり約0.4グラムから約4グラムのHMB、1回分あたり約0.75グラムから約3グラムのHMB、1回分あたり約1グラムから約2グラムのHMB、また、1回分あたり1.5グラムのHMBを与えるのに十分なカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を含む。
栄養組成物、特に、液体またはエマルションとして配合された栄養組成物は、pHが、約3から約8の範囲であってもよいが、最も有利には、約4.5から約7.5の範囲であってもよく、約5.5から約7.3、約6.2から約7.2の範囲であってもよい。しかし、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、pHが2から5であり、栄養組成物の0.5重量%以下の脂肪を含む透明な液体として配合される。
本開示の第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体は、栄養組成物中に存在するカルシウムHMBの唯一の供給源であり、即ち、栄養組成物中に存在するすべてのHMBが、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体から得られる。他の実施形態では、栄養組成物中に存在するHMBは、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体および未処理のカルシウムHMBに由来し、即ち、HMBは、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と、カゼインホスホペプチドで処理されていないカルシウムHMB供給源の組み合わせであってもよい。
第2の実施形態によれば、カルシウムHMBを含むタンパク質を含有する栄養組成物を調製する方法が提供される。この方法は、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドとを混合してカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を製造することを含む。カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1の範囲内である。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合して栄養組成物を製造する。
第2の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMBと、カゼインホスホペプチドとを混合する工程は、水溶液にカゼインホスホペプチドを加えることと;この水溶液にカルシウムHMBを加えることと;カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含む水溶液を約3分から約20分攪拌し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を作製することとを含む。第2の実施形態の特定の実施形態では、水溶液は、限定されないが、クエン酸カリウム、リン酸二ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含む、カリウムおよびホスフェートの供給源を含んでいてもよい。これに加え、第2の実施形態の特定の実施形態では、水溶液は、40℃から75℃の温度であり、49℃から71℃、また、55℃から65℃の温度である。さらに、第2の実施形態の特定の実施形態では、カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含有する水溶液を約5分から約15分、約8分から約12分、また、約10分攪拌する。
上述のように、第2の実施形態によれば、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1の範囲である。例えば、第2の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1の範囲であり、約3:1から約50:1、約3:1から約20:1、約3:1から約12:1、約5:1から約10:1、約6:1から約8:1、また、約6.7:1から約7:1の範囲である。
第2の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合する工程は、さらに、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体およびタンパク質の少なくとも1つの供給源と共に、脂肪の少なくとも1つの供給源および炭水化物の少なくとも1つの供給源を混合し、栄養組成物を製造することを含む。すでに述べたように、タンパク質、脂肪および炭水化物の供給源を、これらの実施形態で利用することができる。
第3の実施形態によれば、タンパク質の少なくとも1つの供給源およびカルシウムHMBを含む安定化された栄養組成物を調製するための方法が提供される。すでに記載したように、この方法は、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドが約3:1から約70:1の範囲の重量比になるように、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドを水溶液に加えることを含む。カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含有する水溶液を約3分から約20分攪拌し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を作製する。カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、タンパク質の少なくとも1つの供給源と混合し、安定化された栄養組成物を製造する。
第3の実施形態の特定の実施形態では、水溶液は、限定されないが、クエン酸カリウム、リン酸二ナトリウム、二塩基性リン酸カリウム、二塩基性リン酸マグネシウム、およびこれらの組み合わせを含む、カリウムおよびホスフェートの供給源を含んでいてもよい。これに加え、第3の実施形態の特定の実施形態では、水溶液は、約40℃から約75℃の温度であり、約49℃から約71℃、また、約55℃から約65℃の温度である。さらに、第3の実施形態の特定の実施形態では、カゼインホスホペプチドおよびカルシウムHMBを含有する水溶液を約5分から約15分、約8分から約12分、また、約10分攪拌する。
上述のように、第3の実施形態によれば、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1の範囲内である。例えば、第3の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMBとカゼインホスホペプチドの重量比は、約3:1から約70:1、約5:1から約10:1、約6:1から約8:1、また、約6.7:1から約7:1の範囲である。
第3の実施形態の特定の実施形態では、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合する工程は、さらに、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体およびタンパク質の少なくとも1つの供給源と共に、脂肪の少なくとも1つの供給源および炭水化物の少なくとも1つの供給源を混合し、安定化された栄養組成物を製造することを含む。すでに述べたように、タンパク質、脂肪および炭水化物の供給源を、これらの実施形態で利用することができる。
第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物中のカルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体の濃度は、栄養組成物の重量の約20%までの範囲、約10%まで、約0.1%から約8%、また、約0.2%から約5.0%、また、約0.3%から約3%、さらに、約0.4%から約1.5%の範囲であってもよい。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を、栄養組成物の約0.5%から約2.5%、約0.5%から約2.0%、約0.6%から約2.0%、約0.7%から約1.8%、また、約0.8%から約1.5重量%の量で含む。
本開示の特定の実施形態では、栄養組成物は、場合により、栄養阻害要素、例えば、電解質吸収の阻害剤を含んでいてもよく、電解質の阻害剤は、電解質低下剤と呼ばれることもある。電解質吸収の阻害剤は、特に、粉末および固体として配合される栄養組成物、例えば、食事置き換え用バー、スナックバーおよび栄養バーに適しているだろう。体内に吸収することができないように電解質に結合することによって、カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせを含む、体内での望ましくなく、所望ではない電解質の吸収を最低限にし、減らすために、電解質吸収の阻害剤を、栄養組成物に利用することができる。電解質吸収の阻害剤は、慢性肝不全、腎不全、高リン酸血を有する個人、または電解質、例えば、カリウム、ナトリウム、リン、およびこれらの組み合わせの取り込みを密に監視し、制限することが必要な他の個人が使用するのに適した栄養組成物に特に有用であろう。
電解質吸収の適切な阻害剤としては、例えば、炭酸水素カルシウム、酢酸カルシウム、炭酸ランタン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、酢酸カルシウムは、アルミニウムの吸収を促進しないため、特に望ましいだろう。栄養組成物は、電解質吸収の阻害剤を栄養組成物の約0.01重量%から約5重量%、約0.01重量%から約4重量%、約0.1重量%から約3重量%の量で含んでいてもよい。特定の実施形態では、栄養組成物は、1日あたり約750ミリグラムから1日あたり約1500ミリグラムの電解質吸収の阻害剤を個々のユーザーに提供するだろう。これを、1回、2回、3回、4回またはこれより多い個々の投与量で、または1回分で与えてもよい。
上述のように、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、タンパク質の少なくとも1つの供給源を含み、特定の実施形態は、脂肪の少なくとも1つの供給源、炭水化物の少なくとも1つの供給源、およびこれらの組み合わせを含む。タンパク質の少なくとも1つの供給源、脂肪の少なくとも1つの供給源および炭水化物の少なくとも1つの供給源の合計量または合計濃度は、意図するユーザーの栄養の必要性に基づいてさまざまであってもよいが、このような量または濃度は、一般的に、本明細書に記載するような任意の他のタンパク質、脂肪、または炭水化物成分を含め、以下の具現化される範囲のいずれかに含まれる。
第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、炭水化物濃度が、栄養組成物の約10重量%から約80重量%、約30重量%から約60重量%、また、約50重量%から約70重量%の範囲である。第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、脂肪濃度が、栄養組成物の約1重量%から約30重量%、約2重量%から約15重量%、また、約4重量%から約10重量%の範囲である。第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、脂肪を含まず、または、脂肪を本質的に含まない(即ち、1回分あたり約0.5グラム未満の脂肪)。さらに、第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、タンパク質濃度が、栄養組成物の約0.5重量%から約30重量%、約1重量%から約15重量%、また、約2重量%から約10重量%である。
第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物中のタンパク質、脂肪および炭水化物のレベルまたは量は、以下の表に記載されるような栄養組成物中の合計カロリーのパーセントに加え、またはこのパーセントの代わりに特性決定されてもよい。
Figure 2016512686
言い換えると、第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の合計カロリーのパーセントとして、1%から98%の炭水化物、0%から98%の脂肪および1%から98%のタンパク質を含む。他の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の合計カロリーのパーセントとして、10%から75%の炭水化物、20%から85%の脂肪および5%から70%のタンパク質を含む。さらに他の実施形態では、栄養組成物は、栄養組成物の合計カロリーのパーセントとして、30%から50%の炭水化物、35%から55%の脂肪および15%から35%のタンパク質を含む。
本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、標的とする個人の健康な筋肉を発達または維持するときに使用するのに適した望ましい成分としてカルシウムを含む。栄養組成物中に存在するカルシウムのほとんど、例えば、約50%より多く、またはすべては、カルシウムHMBによって与えられる。しかし、このような他のカルシウム供給源が、栄養組成物の要素と適合性であるときに限り、任意の他のカルシウム供給源を使用してもよい。
カルシウムとタンパク質の反応または相互作用から得られる栄養組成物の味および安定性の課題を最低限にするために、第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、栄養組成物中でカルシウムが可溶化する程度まで、最低限になるように配合される。このように、栄養組成物中に可溶化されたカルシウム濃度は、約200mg/kgから約500mg/kg、約250mg/kgから約450mg/kg、約300mg/kgから約400mg/kg、約310mg/kgから約350mg/kg、また、約315mg/kgから約320mg/kgの範囲である(ここで、mg/kgは、「栄養組成物kgあたり」の「mgでの可溶化されたカルシウム」である。)。この観点で、「可溶化されたカルシウム」という用語は、20℃で測定された場合の栄養組成物中の遊離カルシウム、イオン化されたカルシウム、または上澄みのカルシウムを指す。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、さらに、栄養組成物の物理的特徴、化学的特徴、美的特徴、快楽的特徴または処理特徴を変えるか、または標的とする集団で使用するときに、医薬要素またはさらなる栄養要素として機能するために、任意要素の成分を含んでいてもよい。多くのこのような任意要素の成分が知られているか、または、医薬用食品または他の栄養製品または医薬投薬形態で使用するのに適した他のものであり、このような任意要素の成分が、経口投与に安全であり、有効であり、選択した製品形態中の他の成分と適合性である限り、本明細書に記載する栄養組成物で使用してもよい。
このような任意要素の成分の非限定例としては、防腐剤、乳化剤、バッファー、クレアチン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ポリデキストロースおよび他のプレバイオティクス、プロバイオティクス、医薬活性物質、抗炎症剤、さらなる栄養、着色剤、香味剤、増粘剤および安定化剤、乳化剤、滑沢剤などが挙げられる。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、さらに、少なくとも1つの甘味剤を含んでいてもよい。好ましくは、少なくとも1つの甘味剤は、少なくとも1つの糖アルコール、例えば、マルチトール、エリトリトール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、イソマルトおよびラクチトール、または少なくとも1つの人工または高効能甘味剤、例えば、アセスルファムK、アスパルテーム、スクラロース、サッカリン、ステビア、タガトース、およびこれらの組み合わせである。甘味剤は、特に、糖アルコールおよび人工甘味剤の組み合わせとして、特に、望ましい香味プロフィールを有する液体栄養組成物を配合するのに有用である。これらの甘味剤の組み合わせは、特に、望ましくない香り、時に、例えば、液体栄養組成物に植物タンパク質を添加することに関連する香りをマスキングするのに有効である。本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1つの糖アルコールを栄養組成物の0.01重量%から10重量%、0.5重量%から8重量%、また、1重量%から6重量%の濃度で含んでいてもよい。本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、少なくとも1つの人工甘味剤を栄養組成物の0.01重量%から10重量%、0.05重量%から5重量%、また、0.1重量%から1.0重量%の濃度で含んでいてもよい。
粉末として配合される栄養組成物の長期間にわたる凝集またはケーキングを妨害し、容器から簡単に粉末が流動するように、流動剤またはケーキング防止剤が、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物の特定の実施形態に含まれてもよい。公知であるか、または粉末製品に使用するのに適したこの他の任意の既知の流動剤またはケーキング防止剤は、本発明で使用するのに適しており、この非限定例としては、リン酸三カルシウム、シリケート、およびこれらの組み合わせが挙げられる。流動剤またはケーキング防止剤の濃度は、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物の特定の実施形態では、製品形態、この他の選択される成分、望ましい流動特性などに依存してさまざまであるが、最も典型的には、栄養組成物の0.1重量%から4重量%、0.5重量%から2重量%の範囲である。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、増粘剤を含んでいてもよい。公知であるか、または栄養組成物で使用するのに適した任意の増粘剤も、本発明で使用するのに適しており、幾つかの非限定例としては、安定化剤およびガム、例えば、カラゲナン、ゲランガムおよびキサンタンガムが挙げられる。本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、増粘剤は、栄養組成物の0.1重量%から5.0重量%、0.5重量%から3重量%、また、0.7重量%から1.5重量%を表していてもよい。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の他の実施形態では、栄養組成物は、さらに、任意のさまざまなビタミンまたは関連する栄養を含んでいてもよく、この非限定例としては、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、パルミチン酸ビタミンA、酢酸ビタミンE、パルミチン酸ビタミンC(パルミチン酸アスコルビル)、ビタミンK、チアミン、リボフラビン、ピリドキシン、ビタミンB12、カロチノイド(例えば、β−カロテン、ゼアキサンチン、ルテイン、リコピン)、ナイアシン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ビタミンC、コリン、イノシトール、これらの塩および誘導体、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態のさらに他の実施形態では、栄養組成物は、任意の種々のさらなるミネラルを含み、この非限定例としては、セレン、ヨウ素、マグネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、モリブデン、クロム、クロリド、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の特定の実施形態では、栄養組成物は、場合により、栄養組成物、特に、液体またはエマルション配合物の長期間にわたる残留する苦味の広がりおよび後味を減らすか、または他の方法で覆い隠すために、1つ以上のマスキング剤を含む。適切なマスキング剤としては、天然および人工の甘味剤、ナトリウム供給源、例えば、塩化ナトリウム、およびヒドロコロイド、例えば、グアーゴム、キサンタンゴム、カラゲナン、ゲランガム、およびこれらの組み合わせが挙げられる。栄養組成物中のマスキング剤の量は、選択される特定のマスキング剤、配合物中の他の成分、および他の配合物または製品の目標とする変数に依存して、さまざまであってもよい。しかし、このような量は、最も典型的には、栄養組成物の0.1重量%から5重量%、0.15重量%から3.0重量%、また、0.18重量%から2.5重量%の範囲である。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物の種々の実施形態は、選択される製品形態、例えば、固体、粉末または液体またはエマルションを製造するための任意の方法または適切な方法(現在知られているか、または将来的に知られる。)によって調製されてもよい。多くのこのような技術は、所与の製品形態、例えば、栄養液体または栄養粉末のために知られており、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物の種々の実施形態に、当業者なら簡単に適用することができる。
液体として配合される栄養組成物のための適切な製造方法において、例えば、脂肪中タンパク質(PIF)スラリー、炭水化物−鉱物(CHO−MIN)スラリーおよび水中タンパク質(PIW)スラリーを含む、少なくとも3つの別個のスラリーが調製される。一例では、PIFスラリーは、油(例えば、キャノーラ油、トウモロコシ油)を加熱し、混合し、次いで、乳化剤(例えば、レシチン)、脂溶性のビタミンおよび全タンパク質の一部(例えば、カゼインナトリウム)を、継続して加熱し、攪拌しつつ加えることによって作られる。CHO−MINスラリーは、水に、鉱物、例えば、カリウム供給源(例えば、クエン酸カリウム)、増粘剤または懸濁剤(例えば、アビセル、ゲラン、カラゲナン)を加熱して攪拌しながら加えることによって作られる。得られるCHO−MINスラリーを、継続して加熱し、攪拌しつつ5分から10分保持した後、さらなる要素、例えば、痕跡量または超痕跡量の鉱物(TM/UTMプレミックス)および鉱物、例えば、カリウムおよびホスフェートの供給源(例えば、塩化カリウム、炭酸マグネシウム、ヨウ化カリウム)、カルシウムHMBおよびカゼインホスホペプチドを加える。この溶液を連続的に加熱しつつ3分から20分攪拌し、カルシウムHMB−カゼインホスホペプチド複合体を作製する。次いで、さらなる鉱物をスラリー(例えば、塩化ナトリウム、ヨウ化カリウム)、または炭水化物(例えば、フルクトオリゴ糖、スクロース、コーンシロップ)、またはこれらの組み合わせに加える。次いで、残りのタンパク質(例えば、ミルクタンパク質濃縮物、カゼインナトリウム)を加熱しつつ混合し、攪拌することによって、PIWスラリーが作られる。
次いで、得られるスラリーを、加熱して攪拌しつつ一緒にブレンドし、pHを6.6から7に調節し、この後、栄養組成物に高温短期間(HTST)処理を行い、この間に栄養組成物を熱処理し、乳化し、均一化し、次いで、冷却する。水溶性ビタミンおよびアスコルビン酸を加え、必要な場合、pHを望ましい範囲に調節し、香味料を加え、望ましい合計固体レベルに達するまで水を加える。次いで、栄養組成物を無菌状態で包装し、無菌状態で包装された栄養液体エマルションを作製するか、または、栄養組成物を加え、安定な容器をレトルト処理し、次いで、レトルト滅菌し、レトルト滅菌された栄養エマルションを作製してもよい。次いで、この栄養液体エマルションをさらに希釈し、熱処理し、包装し、食べる準備ができた液体または濃縮した液体を作製してもよく、または、熱処理し、この後に処理し、再構築可能な粉末(例えば、スプレードライしたもの、乾燥混合したもの、凝集したもの)として包装してもよい。
栄養粉末、例えば、スプレードライした栄養粉末または乾燥混合した栄養粉末は、栄養粉末を製造し、配合するのに適した既知のまたは他の有効な技術の任意の収集によって調製されてもよい。例えば、栄養粉末が、スプレードライした栄養粉末である場合、スプレードライ工程は、同様に、栄養粉末の製造のために知られているか、または他の方法で栄養粉末の製造で使用するのに適した任意のスプレードライ技術を含んでいてもよい。多くの異なるスプレードライ方法および技術は、栄養分野で使用するために知られており、このすべては、本発明のスプレードライした栄養粉末の製造に使用するのに適している。
スプレードライした栄養粉末を調製する方法は、あらかじめ消化された脂肪と、場合により、タンパク質、炭水化物および脂肪の他の供給源を含む水性スラリーまたは液体を作製し、均質化することと、次いで、このスラリーまたは液体をスプレードライし、スプレードライした栄養粉末を製造することとを含む。この方法は、さらに、スプレードライ、乾燥混合する工程、または、スプレードライした栄養粉末に、本明細書に記載する任意の1つ以上の成分を含む、他の方法でさらなる栄養成分を加える工程を含んでいてもよい。
栄養製品を製造するための他の適切な方法は、例えば、米国特許第6,365,218号(Borschelら)、米国特許第6,589,576号(Borschelら)、米国特許第6,306,908号(Carlsonら)、米国特許出願公開第20030118703 A1号(Nguyenら)に記載され、この記載は、本発明と一致する程度まで、本明細書に参照により組み込まれる。
本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物を製造するための例示的な方法は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に記載される以外の様式で行われてもよい。従って、例示的な工程は、例示的なすべての観点で考慮されるべきであり、制限するものではなく、あらゆる変更および等価物も、本開示の記載の範囲内に含まれる。
上に簡単に述べたように、本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、唯一の栄養の供給源、主な栄養の供給源または補助的な栄養の供給源を与え、また、本明細書に記載するような1つ以上の利点を個人に与えるのに有用である。従って、栄養組成物は、望ましいレベルの栄養を与えるのに必要な場合、経口で投与されてもよく、最も典型的には、1日に1回分から2回分の形態であり、1日に1回または2回以上の分割された投与形態であってもよい(例えば、液体栄養組成物の1回分の大きさは、典型的には、100ミリリットルから500ミリリットル、150ミリリットルから300ミリリットル、200ミリリットルから240ミリリットルの範囲であり、それぞれの1回分は、0.4グラムから4グラム、0.75グラムから2グラム、また、1.5グラムのHMBを含む。)。
本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、(1)除脂肪体重の維持を補助するため;(2)強度または筋肉の強度、またはこの両方を補助するため;(3)タンパク質の破壊を減らし、筋肉細胞の損傷を減らすため;(4)運動または他の外傷後の筋肉の回復を助けるため;(5)運動後の筋肉タンパク質の破壊を減らすため;および(6)筋肉減少を減らすために、1ヶ月から6ヶ月以上、1ヶ月から3ヶ月の長期間にわたる毎日の使用(即ち、消費)に適している。
本明細書に記載する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、(1)サルコペニアを有する高齢被験者の除脂肪体重を維持し、補助するため;(2)個人、特に高齢者の活動的で独立した生活を支えるための栄養を与えるため;(3)筋肉強度の回復を補助するため;(4)筋肉の再構築および強度の回復を助けるため;および(5)筋肉の強度および可動性を含め、強度を向上させるために使用されてもよい。
本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物は、特に、代謝障害を有する個人(高齢の個人を含む。)の筋肉減少を減らし、筋肉質量の構築を促進するためにも適している。本明細書で使用する場合、「代謝障害」は、個人の代謝の障害または欠陥を指し、遺伝的な代謝障害も含む。治療または予防または低減、またはこれらの組み合わせにおいて、本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物を適用可能な例示的な代謝障害としては、糖尿病、慢性肝不全、末期の腎不全などが挙げられる。本開示の第1の実施形態の実施形態および第2および第3の実施形態の特定の実施形態は、かなりの量のカリウムおよびナトリウムのリン酸塩およびクエン酸塩を必要とすることなくタンパク質および安定化されたカルシウムHMBを含む栄養組成物を提供するため、この栄養組成物が比較的少ないレベルのカリウムイオン、ナトリウムイオンおよびリンイオンを含有するため、この栄養組成物は、特に、慢性肝不全および末期の腎不全を有する個人の筋肉減少を減らし、筋肉質量の構築を促進するのに有益であろう。
以下の実施例は、本明細書で開示する第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物の特定の実施形態または特徴を示す。実施例は、単に説明の目的のために与えられ、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、この多くの改変が可能であるため、本開示を限定すると解釈すべきではない。すべての例示される量は、別段の定めがない限り、組成物の合計重量を基準とした重量%である。
[実施例1]
実施例1は、本開示の第1、第2および第3の実施形態の液体栄養組成物の実施形態を示し、この成分を、以下の表1に列挙する。すべての成分の量は、別段の定めがない限り、製品1000キログラムバッチあたりのキログラムとして列挙する。
Figure 2016512686
コントロールおよび実施例1のナトリウム、カリウムおよびリンの量を、種々の成分の寄与に基づいて理論的に計算した。コントロールおよび実施例1について、以下の値が計算された。ナトリウム濃度が1200ppm(または約313mg/8オンス1回分);カリウム濃度が2000ppm(または約522mg/8オンス1回分);およびリン濃度が2100ppm(または約548mg/8オンス1回分)。
コントロールおよび実施例1の栄養組成物を、高速遠心分離後、可溶性カルシウムについて試験した。遠心分離を31,000×g、20℃で8時間行った。以下の表2は、コントロールおよび実施例1の可溶性カルシウム濃度を報告し、上澄み1キログラムあたりのカルシウムのミリグラム数として表す。
Figure 2016512686
上の表からわかるように、本開示の第1、第2および第3の実施形態と関連して記載したようなカゼインホスホペプチドを含む実施例1は、コントロールと比較して、可溶性カルシウムが30%少なかった。上述のように、二価のカルシウムイオンは、栄養組成物中のタンパク質と反応または相互作用し、例えば、安定性、沈殿、沈降および粘度上昇のような問題を引き起こす場合がある。本開示の第1、第2および第3の実施形態の栄養組成物、例えば、実施例1は、このような問題を効果的に予防するか、または減らすことができる。
[実施例2から6]
実施例2から6は、本開示の第1、第2および第3の実施形態の液体栄養組成物の実施形態を示し、この成分を以下の表に列挙する。すべての成分の量は、別段の定めがない限り、生成物1000キログラムバッチあたりのキログラムとして列挙する。
Figure 2016512686
コントロールおよび実施例2から6のナトリウム、カリウムおよびリンの量を、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−AES)によって決定し、以下の表4に示す。
Figure 2016512686
コントロールおよび実施例2から6の栄養組成物を、高速遠心分離後、可溶性カルシウムについて試験した。遠心分離を31,000×g、20℃で8時間行った。以下の表5は、コントロールおよび実施例2から6の可溶性カルシウム濃度を報告し、上澄み1キログラムあたりのカルシウムのミリグラム数として表す。
Figure 2016512686
表5からわかるように、本開示の第1、第2および第3の実施形態と関連して記載したようなカゼインホスホペプチドを含む実施例3から5は、コントロールと比較して、可溶性カルシウムが少なかった。上述のように、栄養組成物中の可溶性カルシウムが少ないと、特に、高温処理中のタンパク質種との望ましくない反応または相互作用を防ぐか、または減らすのに役立つ。
本開示は、タンパク質およびカルシウムHMBを含む栄養組成物、特に、液体配合物の製造に伴う長い間存在していた問題、限定されないが、例えば、沈殿、沈降、安定性、電解質の保持および粘度の上昇といった問題を解決する方法を提供する。本開示は、さらに、かなりの量ナトリウムおよびカリウムのクエン酸塩で構成される従来の有機酸塩を使用すると、多くのこのような生成物が代謝障害を有する個人に適切ではないが、このような使用をすることなく、これらの問題の解決策も提供する。カルシウムHMBを栄養組成物に組み込む前に、カルシウムHMBと組み合わせてカゼインホスホペプチドを用いることによって、栄養組成物中で利用可能な可溶性二価カルシウムの量がかなり減り、この結果、栄養組成物中に存在する可溶性カルシウム種とタンパク質との相互作用もかなり減り、望ましくない沈殿および沈降が最低限になるか、またはなくなる。本開示は、意図するユーザーのかなりの集団に対して有害となり得るかなりの量の望ましくない電解質含有材料を使用することなくこれを達成する。
用語「含む(include)」または「含むこと(including)」という用語が本明細書または特許請求の範囲に使用される程度まで、「含む(comprising)」という用語が、特許請求の範囲の移行句として使用されるときに解釈されるように、この用語と同様の様式で包括的であることを意図している。さらに、「または」という用語(例えば、AまたはB)が使用される程度まで、「AまたはB、または両方」を意味することを意図している。出願人が、「AまたはBであって両方ではない」を示すことを意図している場合には、「AまたはBであって両方ではない」という用語を使用する。従って、本明細書で「または」という用語の使用は、包括的であり、排他的な使用ではない。また、「の中(in)」または「の中に(into)」という用語が本明細書または特許請求の範囲に使用される程度まで、「の上(on)」または「の上(onto)」をさらに意味することを意図している。
本出願を、本出願の実施形態の記載によって示し、実施形態をかなり詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲を制限し、またはいかなる様式にもこのような詳細に限定する出願人の意図はない。さらなる利点および改変は、当業者には容易に明らかであろう。従って、本出願は、本出願の広い態様において、特定の詳細に限定されず、それぞれの組成物および方法および具体的な例を示し、記載している。従って、出願人の包括的な本発明の概念の精神および範囲から逸脱することなく、このような詳細からの逸脱はなされ得る。

Claims (22)

  1. 1回分あたり約0.4グラムから約4グラムのβ−ヒドロキシ−β−メチルブチレートを与えるのに十分な量のカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体;
    1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質;
    約2500ppm未満の濃度のカリウム;
    約1600ppm未満の濃度のナトリウム;および
    約3200ppm未満の濃度のリンを含む、栄養組成物。
  2. 1回分あたり約0.1グラムから約20グラムの脂肪と、1回分あたり約0.1グラムから約50グラムの炭水化物をさらに含む、請求項1に記載の栄養組成物。
  3. 脂肪が、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの供給源によって与えられ、炭水化物が、マルトデキストリン、スクロース、フルクトース、スクロマルト、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの供給源によって与えられる、請求項2に記載の栄養組成物。
  4. タンパク質が、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質加水分解物、豆タンパク質濃縮物、豆タンパク質単離物、豆タンパク質加水分解物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの供給源によって与えられる、請求項2に記載の栄養組成物。
  5. 栄養組成物は、液体であり、1回分が約150ミリリットルから約500ミリリットルである、請求項2に記載の栄養組成物。
  6. カリウム濃度が約800ppmから約1000ppmの範囲であり、ナトリウム濃度が約910ppmから約1100ppmの範囲であり、リン濃度が約625ppmから約800ppmの範囲である、請求項1から5のいずれか一項に記載の栄養組成物。
  7. ナトリウムに対するカリウムの比率は、1より大きく、ナトリウムに対するリンの比率は、1より大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の栄養組成物。
  8. ナトリウム、リンおよびカリウムを合わせた量が約7000ppm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載の栄養組成物。
  9. ナトリウム、リンおよびカリウムを合わせた量が約2300ppmから約5000ppmの範囲である、請求項8に記載の栄養組成物。
  10. カルシウムHMBを含むタンパク質を含有する栄養組成物を調製するための方法であって、この方法が、
    (a)カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートとカゼインホスホペプチドとを混合してカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体を製造し、利用されるカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートとカゼインホスホペプチドとの重量比が、約3:1から約70:1の範囲であることと;
    (b)カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合し、栄養組成物を製造することとを含み、
    この栄養組成物が、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む、方法。
  11. (a)が、
    カゼインホスホペプチドと、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートとを水溶液内で混合し、この水溶液が、場合により、リンおよびカリウムを含有することと;
    この混合物を約3分から約20分攪拌し、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体を作製することとを含む、請求項10に記載の方法。
  12. (b)が、さらに、脂肪の少なくとも1つの供給源と、炭水化物の少なくとも1つの供給源とを混合することを含む、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 脂肪の少なくとも1つの供給源が、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、炭水化物の少なくとも1つの供給源が、マルトデキストリン、スクロース、フルクトース、スクロマルト、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. タンパク質供給源の少なくとも1つの供給源が、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質加水分解物、豆タンパク質濃縮物、豆タンパク質単離物、豆タンパク質加水分解物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
  15. 栄養組成物は、約2500ppm未満の濃度のカリウムと、約1600ppm未満の濃度のナトリウムと、約3200ppm未満の濃度のリンとを含む、請求項10から11のいずれか一項に記載の方法。
  16. 栄養組成物は、約800ppmから約1000ppmの範囲の濃度のカリウムと、約910ppmから約1100ppmの範囲の濃度のナトリウムと、約625ppmから約800ppmの範囲の濃度のリンとを含む、請求項15に記載の方法。
  17. タンパク質の少なくとも1つの供給源と、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートとを含む安定化された栄養組成物を調製するための方法であって、この方法が、
    (a)カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートおよびカゼインホスホペプチドを、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートとカゼインホスホペプチドが約3:1から約70:1の範囲の重量比になるように水溶液に加えることと、
    (b)カゼインホスホペプチドおよびカルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレートを含有する水溶液を約3分から約20分攪拌し、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体を作製することと、
    (c)カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体と、タンパク質の少なくとも1つの供給源とを混合することとを含み、
    この栄養組成物が、1回分あたり約5グラムから約50グラムのタンパク質を含む、方法。
  18. (d)脂肪の少なくとも1つの供給源と炭水化物の少なくとも1つの供給源を、カルシウム β−ヒドロキシ−β−メチルブチレート−カゼインホスホペプチド複合体およびタンパク質の少なくとも1つの供給源とともに混合することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 脂肪の少なくとも1つの供給源が、高オレイン酸ベニバナ油、高オレイン酸ヒマワリ油、キャノーラ油、大豆油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、炭水化物の少なくとも1つの供給源が、マルトデキストリン、スクロース、フルクトース、スクロマルト、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. タンパク質の少なくとも1つの供給源が、カゼインカルシウム、カゼインナトリウム、ミルクタンパク質濃縮物、ミルクタンパク質単離物、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質単離物、ホエイタンパク質加水分解物、大豆タンパク質単離物、大豆タンパク質濃縮物、大豆タンパク質加水分解物、豆タンパク質濃縮物、豆タンパク質単離物、豆タンパク質加水分解物、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 栄養組成物は、約2500ppm未満の濃度のカリウムと、約1600ppm未満の濃度のナトリウムと、約3200ppm未満の濃度のリンとを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  22. 栄養組成物は、約800ppmから約1000ppmの範囲の濃度のカリウムと、約910ppmから約1100ppmの範囲の濃度のナトリウムと、約625ppmから約800ppmの範囲の濃度のリンとを含む、請求項21に記載の方法。
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