JP2016511089A - 失禁スリング及び配送装置 - Google Patents

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Abstract

本発明は、患者の身体の内側へのインプラントの配送のための医療用組立体を開示する。医療用組立体(200)は、スリング組立体(202)と、スリング組立体(202)を配送する配送装置(230)を含む。スリング組立体(202)は、インプラント(206)と、インプラント(206)に結合された拡張器(204)を含む。拡張器(204)の近位部分(224)は、第1の係止特徴部(228)を含む。配送装置(230)は、ニードル(232)とハンドル(244)を含む。ハンドル(244)の遠位部分(248)は、第1の係止特徴部(228)と解除可能に嵌合して配送装置(230)に対する拡張器(204)の軸線方向移動を阻止する第2の係止特徴部(250)を含む。第1の係止特徴部(228)は、第2の係止特徴部(250)を摩擦的に保持するように寸法決めされる。

Description

本出願は、2014年3月6日に出願され且つ「失禁スリング、配送装置、及び使用方法」と題する米国仮特許出願第14/199,635号の優先権を主張する継続出願であり、かかる米国仮特許出願は、2013年3月11日に出願された「失禁スリング、配送装置、及び使用方法」と題する米国仮特許出願第61/776,409号の優先権を主張し、両仮特許出願を、本明細書に援用する。
本出願はまた、2013年3月11日に出願された米国仮特許出願第61/776,409号の優先権を主張し、この仮特許出願を本明細書に援用する。
本発明は、概略的には、外科装置及び手順に関し、特に、患者の身体内のインプラントの配送のための装置及び方法に関する。
骨盤組織のような解剖学的組織は、加齢、損傷、又は疾患によって脆弱化又は損傷する可能性がある。この解剖学的組織の構造的一体性の低下は、組織の生物学的機能に影響を及ぼす可能性がある重大な医学的影響を有する可能性がある。そのような組織機能障害を治療するための様々な外科処置が存在する。脆弱化又は損傷した組織に対して支持を与えるために患者内にインプラントを配置される。インプラントによって与えられる支持は、組織の自然な位置及び構造を再現し、それにより、組織の脆弱化又は損傷からもたらされる生物学的機能の劣化を軽減又は排除するのに役立つ。
これらの手術方法は、インプラントを患者の身体の内側の解剖学的組織に配送するための配送装置を使用する場合がある。そのような配送装置は、インプラントの配送及び配置を助ける。配送装置は、インプラントと直接に又は拡張器を通して結合されたニードルを含む。患者内へのインプラントの導入及び位置決めを容易にするために、拡張器は、ニードルによって既に貫通された組織を通過し、それにより、ニードル軌道を拡張する。患者への損傷を最小にするために、湾曲した小径のニードルが使用される。そのような長く湾曲したニードルは、容易に反る傾向を有する場合があり、制御又は誘導するのが困難である可能性がある。外科医又はオペレータは、ニードル先端部の軌道を案内し、誤った誘導及び嚢、尿道、腸、又は他の組織への損傷をもたらすことを防止するために、自身の手を使用する必要がある場合がある。ニードルを制御することは、ニードルに拡張器が結合された場合に、より困難である可能性がある。ニードル先端部を誘導する間、拡張器は、前進してニードル先端部を超えて延びる場合があり、それにより、配送装置の前進における課題が存在する。
上記を踏まえて、拡張器をニードルとの無傷な状態に保つのを容易にし、それにより、外科処置中に拡張器に対するニードルの反り又は移動を阻止する配送装置及び外科処置に対する必要性が存在する。いくつかの実施形態において、デバイスは、ニードルの軌道を制御する機能をオペレータに与える。
実施形態において、本発明は、患者の身体の内側へのインプラントの配送のための医療用組立体及び方法を開示する。医療用組立体は、骨盤底障害の治療のために構成される。医療用組立体は、拡張器及びインプラントを含むスリング組立体を含む。拡張器は、インプラントに結合されるように構成される。拡張器は、近位部分と遠位部分を含み、近位部分は、第1の係止特徴部を含む。医療用組立体は、スリング組立体を配送するように構成された配送装置を含む。配送装置は、近位部分及び遠位部分を有するニードルを含み、拡張器は、ニードルの上に位置決めされる。配送装置は、近位部分及び遠位部分を有するハンドルを更に含み、ハンドルの遠位部分は、ニードルの近位部分に結合される。ハンドルの遠位部分は、第2の係止特徴部を含み、第2の係止特徴部は、第1の係止特徴部と解除可能に嵌合して配送装置に対する拡張器の軸線方向移動を阻止するように構成される。第1の係止特徴部は、第2の係止特徴部を摩擦的に保持するように寸法決めされる。
実施形態において、本発明は、骨盤底障害の治療に向けて構成された医療用組立体を開示する。医療用組立体は、患者の身体に配置するためのインプラントを含む。医療用組立体は、インプラントに結合されるように構成された拡張器を含む。拡張器は、近位部分が孔を含むような近位部分と遠位部分とを含む。医療用組立体は、インプラントを配送するように構成された配送装置を更に含む。配送装置は、拡張器が中空ニードルの上に位置決めされるような近位部分と遠位部分とを有する中空ニードルを含む。配送装置は、ハンドルの遠位部分がニードルの近位部分に結合されるような近位部分と遠位部分とを有するハンドルを更に含む。ハンドルの遠位部分は、孔内に解除可能に嵌入して配送装置に対する拡張器の軸線方向移動を抑制するように構成された突起を含む。孔は、配送装置の突起を摩擦的に保持するようなサイズにされる。配送装置は、ハンドルの近位末端部分に結合されて中空ニードルの中の流体の通過を可能にするように構成された注入器を含むことができる。
更に別の実施形態において、本発明は、患者の身体内の骨盤底障害の治療のための方法を開示する。本方法は、拡張器と共に配送装置を患者の身体の内側に挿入する工程を含む。拡張器は、その近位末端部分に孔を含む。配送装置は、突起が孔内に嵌入するようなサイズにされ、それにより、配送装置に対する拡張器の軸線方向移動を防止するような突起をハンドルがその遠位末端部分に含むようなハンドルを更に含む。本方法は、拡張器を突起に対して移動することにより、配送装置が骨盤底領域内のターゲット身体箇所に到達した状態で、拡張器を配送装置から分離する工程を更に含む。分離は、突起が孔を出ることを可能にする。本方法は、身体インプラントを骨盤底領域内の第1の部分に移植する工程を含む。
本発明及びそのある一定の実施形態の以下に続く詳細説明は、以下の図を参照して理解される。
本発明の実施形態による医療用組立体の概略図である。 本発明の実施形態による医療用組立体の斜視図である。 本発明の実施形態による図2Aの医療用組立体の一部分の斜視図である。 本発明の実施形態による図2Aの医療用組立体の他の斜視図である。 本発明の図2A〜図2Cの実施形態による例示のスリング組立体を示す図である。 本発明の図2A〜図2Cの実施形態による例示のスリング組立体を示す図である。 本発明の実施形態によるインプラントとのタブの二重外科結び又は結合部の斜視図である。 本発明の実施形態による中心タブが結合されたインプラントの一部分の平面図である。 本発明の実施形態による注入器を含む医療用組立体の斜視図である。 本発明の実施形態による医療用組立体の斜視図である。 本発明の実施形態による図7の医療用組立体の注入器アダプタの拡大斜視図である。 本発明の実施形態による患者の身体内への配送のための図6の医療用組立体の取扱いを示す図である。 本発明の実施形態による患者の身体内への配送のための図6の医療用組立体の取扱いを示す図である。 本発明の実施形態による患者の身体孔部内へのインプラントの配置のための医療用組立体の位置決めを示す図である。 経閉鎖孔接近による女性の身体の内側への医療用組立体の一部分の埋込みを示す図である。 恥骨後接近による女性の身体の内側への医療用組立体の一部分の埋込みを示す図である。 本発明の実施形態による患者の身体内への医療用組立体の配送のための方法を表すフローチャートである。
本明細書では本発明の詳細な実施形態を開示するが、開示する実施形態は、様々な形態に具現化される本発明の例示に過ぎないことを理解すべきである。従って、本明細書に開示する特定の構造及び機能の詳細内容は、限定的であると解釈すべきではなく、特許請求の範囲に対する基礎であり、又は本発明を事実上あらゆる適切に詳細化された構造で様々に使用することを当業者に教示するための代表例としての基礎であると解釈される。更に、本明細書に使用する語句及び表現は、限定的であるように意図したものではなく、本発明の理解可能な説明を提供するように意図したものである。
本明細書に使用する用語「a」又は」「an」は、1つ又は1つよりも多くとして定める。本明細書に使用する用語「別の」は、少なくとも第2のもの又はそれ以上として定める。本明細書に使用する用語「含む」及び/又は「有する」は、含むとして定める(すなわち、開放移行)。
本発明の以下に続く本文において解説する様々な医療用装置、器具、及び構成要素に関して説明する近位及び遠位という語句は、基準点を用いて参照される。本明細書に使用する基準点は、オペレータの視点である。オペレータは、本発明で説明するように、患者の身体の孔を通して外科処置を実施する外科医、医師、看護師、医者、技術者、及び類似の者とされる。近位という語句は、オペレータに最も近い区域を指す。遠位という語句は、オペレータから最も遠い区域を指す。本明細書で説明する患者は、人間の女性、男性、又は任意その他の哺乳動物とされる。
図1は、骨盤底障害を治療するように構成された医療用組立体100の概略図である。医療用組立体100は、スリング組立体102を含む。スリング組立体102は、例えば、恥骨後失禁スリングであり、恥骨後失禁スリングは、経膣接近、経閉鎖孔接近、又は膣恥骨前接近によって配送されるように構成されてもよいし、他の接近によって配送されてもよく、患者の身体内の様々な箇所に配置される。ある実施形態において、スリング組立体102は、拡張器104とインプラント106を含む。
拡張器104は、近位部分108と遠位部分110を含むのがよい。拡張器104は、インプラント106に結合されるように構成される。拡張器104は、患者の身体内の孔を拡張させるように構成され、それにより、インプラント106及び配送装置が拡張器104に続いて患者の身体内の孔の中に入るとき、インプラント106及び配送装置の挿入を可能にする。ある実施形態において、拡張器104は、プラスチック、金属等の1つ又は2つ以上の生体適合性材料から製造される。1つの例では、拡張器104は、半剛性プラスチック材料で製造される。そのような材料の例は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、又はエチレンビニルアセテート(EVA)を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、拡張器104の断面は、円形、実質的に平坦、又は三角形であってもよいし、任意その他の形状であってもよい。他の実施形態において、拡張器104の断面は、実質的に矩形であり、遠位部分110のところでテーパするのがよい。いくつかの実施形態において、特定の外科処置に対する要求に応じた任意の形状の拡張器104を使用するのがよい。ある実施形態において、拡張器104は、インプラント106の第1の端部分に取付けられる第1の拡張器である。1つ実施形態において、第1の拡張器104と類似とする第2の拡張器が、インプラント106の第2の端部分に取付けられる。
拡張器104の近位部分108は、第1の係止特徴部112を含む。ある実施形態において、第1の係止特徴部は、孔112である。孔112は、様々な形状及び寸法に形成される。例示の形状は、矩形、正方形、又は楕円形である。ある実施形態において、孔112は、円形であるのがよい。
医療用組立体100は、配送装置114を含み、配送装置114は、スリング組立体102を身体の内側のターゲット箇所に配送するように構成される。配送装置114は、ニードル116を含むのがよい。ニードル116の直径、長さ、及び曲率は、外科的要件に基づく。ある実施形態において、配送装置114は、経膣恥骨後接近で使用されるように設計される。ある実施形態において、ニードル116は、最小侵襲手術のために十分に小さい外径を有する外科用ニードル116であるのがよい。
ニードル116は、近位部分118と遠位部分120を有する。ニードル116は、遠位部分120のところに、先端部分を含む。いくつかの実施形態において、先端部分は、鋭いのがよく、インプラント106を患者の身体の内側に配送して配置するために、組織層を切除して身体組織内に通路を形成するように構成されるのがよい。いくつかの実施形態において、ニードル116は、ステンレス鋼又は他の医療グレードの金属で製造されるのがよい。
本発明の様々な実施形態によれば、拡張器104は、ニードル116に結合されるように構成される。ある実施形態において、拡張器104をニードル116の上に滑らせることによって、拡張器104は、ニードル116の上に位置決めされ、それにより、拡張器104とニードル116の間の取外し可能な連結部が構成される。ある実施形態において、拡張器104は、拡張器104の長さ122に沿う中空通路を含み、中空通路は、拡張器104の遠位部分110と近位部分108の間を延びている。いくつかの実施形態において、拡張器は、内腔の代わりに又はそれに加えて、面上に溝を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、溝は、流体を拡張器の外面に沿って流通させるように構成される。中空通路は、ニードル116を拡張器104内に挿入することを可能にする。拡張器材料の可撓性に起因して、拡張器104は、ニードル116の挿入時、ニードル116の形状をとるように寸法決めされる。ある実施形態において、拡張器104の長さ122は、ニードル116の長さ132よりも長く、それにより、拡張器104は、ニードル116の上を摺動し、拡張器104の近位部分108は、スリング組立体102の一部分と結合するように、ニードル116の近位部分118を越えて延びる。ある実施形態において、拡張器104の近位部分108は、インプラント106を含むスリング組立体102と重なるように又はスリング組立体102を部分的に包囲するように、遠位方向に延長されてもよい。
配送装置114は、ハンドル124を更に含む。いくつかの実施形態において、ハンドルは、プラスチック材料から構成される。例示のプラスチック材料は、ポリカーボネート、レキサン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などを限定することなく含む。ある実施形態において、ハンドル124は、近位部分126と遠位部分128を有し、ハンドル124の遠位部分128は、ニードル116の近位部分118に結合される。ある実施形態において、ハンドル124の遠位部分128は、第2の係止特徴部130を含む。第2の係止特徴部130は、第1の係止特徴部112と解除可能に噛合うように構成される。ある実施形態において、第2の係止特徴部130は突起である。いくつかの実施形態において、第1の係止特徴部228及び第2の係止特徴部250を形成するために、歯車、プッシュボタン、孔、スライダー、及びネジ山のような様々な他のタイプの係止特徴部を使用してもよい。1つの例では、第1の係止特徴部は、第1の係止特徴部228を第2の係止特徴部250に対して移動させることによって第2の係止特徴部250を係止するように構成された摩擦係止部である。他の実施形態において、第1の係止特徴部は、拡張器204に設けられた1組の雄ネジ山を有するネジ山係止部であり、拡張器204は、配送装置に設けられた第2の係止特徴部の雌ネジ山に係合して、拡張器204を配送装置230に対して係止させるように構成される。ある実施形態において、拡張器104の近位部分108に設けられた第1の係止特徴部112は、ハンドル124の遠位部分128に設けられた第2の係止特徴部130を摩擦的に保持するように寸法決めされ、それにより、拡張器104と配送装置114の間の比較的弱い摩擦係合を可能にする。ある実施形態において、第1の係止特徴部は、1つの箇所において、第2の係止特徴部を摩擦的に保持するように構成される。摩擦係合は、拡張器104とハンドル124の間のシール又はカップリングを形成するように機能し、それにより、配送装置114に対する拡張器104の軸線方向移動を阻止する。様々な実施形態において、第1の係止特徴部112は、突起であり、第2の係止特徴部130は、孔であり、その逆であってもよい。ある実施形態において、第1の係止特徴部112及び第2の係止特徴部130と類似する複数の係止特徴部を、医療用組立体100内に設けてもよい。いくつかの他の実施形態によれば、様々な他のタイプの係合機構を使用してもよく、かかる係合機構は、スナップ式、ネジ嵌合、ボルト接合、リベット接合等であるが、これらに限定されない。
ある実施形態において、医療用組立体100は、ハンドル124の近位部分126に結合されるように構成された注入器を含み、注入器は、流体を通路の中を通して身体の内側の箇所に配送するように構成される。注入器は、薬剤を患者の身体の内側のターゲット箇所に配送することができ、かかる薬剤は、麻酔薬、治療薬、治癒過程を促進する他の流体、又は任意その他の流体である。注入器は、流体ポンプ、ノズル、プランジャ、バルブ、シリンジ、又は圧力エネルギを速度に変換することなどによって流体を引き込むように構成された類似の装置であってもよいし、それらを含んでいてもよい。
図2Aは、本発明の実施形態による骨盤底障害の治療のための医療用組立体200の斜視図である。医療用組立体200は、スリング組立体202を含む。スリング組立体202は、恥骨後失禁スリングであり、経膣接近、経閉鎖孔接近、又は膣恥骨前接近によって配送されるように構成される。様々な実施形態によれば、様々なスリング組立体の形態が可能である。図2Aに示すように、例示のスリング組立体の形態は、第1の拡張器204と、インプラント206と、第1のスリーブ208と、タブ212を含むように構成される。1つの例では、スリング組立体202のインプラント206は、第1のスリーブ208等の使い捨てプラスチックリーブによって保護されたポリプロピレンニット編みメッシュで構成される。インプラント206の第1の端部分214のところに、第1の拡張器204が取付けられる。第1の拡張器204は、インプラント206又は配送装置の通過を容易にするように構成され、配送装置は、インプラント206を経膣配置又は任意その他の配置手法のために身体組織の中を通して搬送するのに使用される。別の実施形態において、インプラント206の中央部分242は、タブ212によってマーク付けされる。ある実施形態において、第1の拡張器204は、縫合糸によってインプラント206に結合される。例示の実施形態において、縫合糸は、第1の拡張器204をインプラント206と結合する第1の結合ループを形成する。拡張器204をインプラント206と結合するのに、少なくとも粘着剤、ステープル、ファスナ、又はネジ山から構成される群から選択される様々な他の結合機構又は結合モードを使用してもよい。他の実施形態において、インプラント206は、第1のスリーブ208に結合され、第1のスリーブ208は、第1の拡張器204に結合されてもよい。第1のスリーブ208は、インプラント206の一部分の長さにわたって延びていてもよいし、全長にわたって延びていてもよい。2つ以上のスリーブ208を利用してもよく、例えば、タブ212に対するインプラントの各半部に1つずつスリーブが配置される。ある実施形態において、第1のスリーブ208は第1の、拡張器204の少なくとも一部分の周りに巻かれて取付けられる。ある実施形態において、第1の拡張器204は、近位部分224と遠位部分226を含むのがよい。第1の拡張器204の近位部分224は、第1の係止特徴部228を含むのがよい。第1の係止特徴部は、孔228であるのがよい。
本発明の様々な実施形態によれば、医療用組立体200は、スリング組立体202を配送するように構成された配送装置230を含む。ある実施形態において、配送装置230は、ニードル232を含む。ある実施形態において、ニードル232は、最小侵襲手術のために十分に小さい外径を有する外科用ニードルである。ニードル232は、近位部分234と遠位部分236を有する。ある実施形態において、第1の拡張器204は、ニードル232の長さ方向に位置決めされる。ある実施形態において、第1の拡張器204は、第1の拡張器204の長さ方向の中空通路を含み、中空通路は、第1の拡張器204の遠位部分226と近位部分224の間を延びる。中空通路は、ニードル232が第1の拡張器204に挿入されることを可能にする。いくつかの実施形態において、第1の拡張器204は、第1の拡張器204の面に沿う1つ又は複数の溝を含むのがよい。いくつかの実施形態において、第1の拡張器204は、弾性又は可撓性の材料で作られ、第1の拡張器204は、ニードル232の挿入時、可撓性材料のために伸長するように構成され、それにより、中空通路の幅242を、中空通路240内へのニードル232の受入れを可能にする程度まで増大させる。いくつかの他の実施形態において、第1の拡張器204の中空通路240は、第1の拡張器204内へのニードル232の挿入時にニードル232に嵌合するように寸法決めされる。ある実施形態において、第1の拡張器204は、ニードル232が突出することを可能にするために、一方の端部において開放し且つテーパする。
ある実施形態において、第1の拡張器204は、第1の拡張器204の遠位部分226がニードル232の遠位部分236の近くに配置されるように、ニードル232の上に位置決めされる。別の実施形態において、第1の拡張器204の近位部分224は、第1の拡張器204の近位部分224がインプラント206の第1のスリーブ208に縫合糸によって結合されるように、ニードル232の近位部分234を越えて延びる。ある実施形態において、第2の拡張器218が、第1の拡張器204と同様に、インプラント206の第2の端部分216に結合されるように構成される。ある実施形態において、インプラント206の第2の端部分216は、第2のスリーブ210によって保護される。第2の拡張器218は、上述したニードル232と同様、ニードルの長さ方向に沿って位置決めされる。
配送装置230は更に、ハンドル244を含み、ハンドル244は、近位部分246と遠位部分248を有する。ニードル232は、ハンドル244の遠位部分248から延びている。ある実施形態において、ハンドル244の遠位部分248は、第2の係止特徴部250を含む。第2の係止特徴部250は、第1の係止特徴部228と解除可能に噛合うように構成される。ある実施形態において、第2の係止特徴部250は、図2Bに示すように、突起である。図2Bは、第2の係止特徴部250の拡大図を含む図2Aの医療用組立体200の一部分を示している。本発明の様々な実施形態によれば、第1の拡張器204の近位部分224に設けられた第1の係止特徴部228は、第2の係止特徴部250を摩擦的に保持するように寸法決めされる。第2の係止特徴部250は、ハンドル244の遠位部分248に設けられる。かかる実施形態において、第1及び第2の係止特徴部により、第1の拡張器204と配送装置230の間の比較的弱い摩擦係合を可能にする。この摩擦係合は、第1の拡張器204とハンドル244の間のシール又はカップリングを形成するように機能し、それにより、配送装置230に対する拡張器204の軸線方向移動を阻止する。
いくつかの実施形態において、第1の拡張器204は、配送装置230のニードル232の上を滑らされ、それにより、スリング組立体202と配送装置230の結合を可能にする。
図2Cは、本発明の実施形態による図2Aの医療用組立体200の一部分の斜視図である。図2Cに示すように、ある実施形態において、第1の拡張器204の近位部分224は、拡張器タブ256を含み、又は、それに結合される。ある実施形態において、拡張器タブ256は、第1の拡張器204の近位部分224のところの延長部分又は別個の取付け部分によって構成され、第1の拡張器204のうちの残り部分に対する拡張器タブ256の枢動又は曲げを可能にする。ある実施形態において、第1の拡張器204の近位部分224は、拡張器タブ256として構成された延長部分を定めるように平坦にされる。図2Cに示すように、第1の拡張器204の矢印Aの方向の前進により、拡張器タブ256は、突起250に当接して矢印Bの方向に反り、孔228がハンドル244の突起250の上にスナップ留めされる。突起250の上への孔228の整列により、孔228の縁部と突起250の側面254とを接触させ、それにより、孔228と突起250の間に摩擦抵抗を生じさせる。摩擦抵抗により、第1の拡張器204は、配送装置230に対して解除可能に係止される。ある実施形態において、摩擦抵抗は、係止された第1の拡張器204の矢印Aの方向と反対の方向への望ましくない滑り又は解放が生じないようにする。ある実施形態において、医師又はオペレータは、拡張器タブ256を把持してそれを矢印A及び矢印Bの方向に引くことによって、孔228を突起250の上に手で位置決めする。ある実施形態において、ハンドル縁部252、第1の拡張器204の内径、及び孔228は、第1の拡張器204が矢印Aの方向に前進することを阻止する。ある実施形態において、拡張器タブ256は、第1の拡張器204を配送装置230から分離することを容易にする。
図3A及び図3Bは、本発明のいくつかの実施形態による例示のスリング組立体300を示す。ある実施形態において、図3A及び図3Bに示すように、スリング組立体300は、インプラント302と、第1の拡張器304と、第2の拡張器306と、第1のスリーブ308と、第2のスリーブ310と、中心タブ312を含む。インプラント302は、ポリプロピレン製のメッシュである。ある実施形態において、インプラント302の引張強度は、7.5ポンド/分(LB/Min)である。実施形態において、インプラント302は、40cmの長さを有し、中心タブ312は、インプラント302の長さの半分の距離のところに配置される。実施形態において、インプラント302に対する中心タブ312の引張強度は、7.5LB/Minである。いくつかの実施形態において、図4に示すように、中心タブ312をインプラント302に接続するのに、二重の外科結び400を使用する。縫合糸406を結んで結び目400を形成する手法を表すために、縫合糸406の影付き部分402及び縫合糸406の影なし部分404を、図示及び説明を容易にするために示す。ある実施形態において、2つの端部を有する一本の縫合糸が、インプラント302の中を通ってループにされて結ばれ、結び400を形成する。
ある実施形態において、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310は、折曲げ部を含む。ある実施形態において、中心タブ312は、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310の折曲げ部を含む面と反対側の第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310の面に配置される。第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310の折曲げ部は、第1の拡張器304と第1のスリーブ308の間の接合部、及び、第2の拡張器306と第2のスリーブ310の間の接合部であり、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310は、折曲げ部のところで第1の拡張器304及び第2の拡張器306の周りに巻かれている。ある実施形態において、中心タブ312は、第1の拡張器304及び第2の拡張器306の孔が位置している側に対して、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310の反対の側に位置する向きに配置される。この位置において、ニードル232と類似するニードルを第1の拡張器304及び第2の拡張器306に挿入するときに、中心タブ312は、インプラント302から垂れ下がる。
図5は、中心タブ312とインプラント302の例示のカップリングを含むインプラント302の一部分の平面図である。中心タブ312は、糸又は縫合糸及びそれと類似する要素を用いた縫い目等によって結合される。様々な実施形態において、インプラント302と中心タブ312と結合するための縫い目パターンは、様々なタイプであってよい。例えば、ある実施形態において、図5に示すように、縫い目パターンは、インプラント302に対して垂直方向に整列され、縫い目パターンの方向B−Bは、インプラント302の長手方向軸線A−Aに対して直交する。別の実施形態において、縫い目パターンは、インプラント302に対して水平に整列され、縫い目パターンの方向B−Bは、インプラント302の長手方向軸線A−Aと平行である。ある実施形態において、1つ又は2つ以上の縫い目が、中心タブ312とインプラント302の結合のために設けられ、かかる縫い目は、糸を1回又は数回インプラント302の中に入れて通してそれから出すことによって行われる。例えば、ある実施形態において、糸は、必要に応じて1回、2回、3回、4回、又は更にそれ以上の回数、インプラント302に通される。ある実施形態において、インプラント302にから出てそれに入るように通される単一の縫い目は、ループを切断した後で容易に除去されるように設けられる。
再び図3A及び図3Bを参照すると、ある実施形態において、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310は、インプラントの端部のところで折曲げられる。ある実施形態において、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310内におけるメッシュの移動は、3ミリメートル(mm)よりも小さいか又はそれに等しい。ある実施形態において、第1のスリーブ308及び第2のスリーブ310は、第1の拡張器304及び第2の拡張器306に結合され、第1の拡張器304への第1のスリーブ308の結合強度及び第2の拡張器306への第2のスリーブ310の結合強度は、7.5LB/Minである。ある実施形態において、中心タブ312とインプラント302の間の隙間は、0.015インチ(0.381ミリメートル)よりも小さい。ある実施形態において、中心タブ312は、インプラント302の中心から0.0125インチ(0.3175ミリメートル)の範囲内に配置される。いくつかの実施形態において、縫合糸は、インプラントに結合され又は縫い付けられ、かつ、スリーブの一方に結合され、例えば、第1のスリーブ308がインプラントに結合される。
上述した様々な実施形態によれば、医療用組立体200において、様々な形態のスリング組立体202及び様々なタイプの係止特徴部が可能である。いくつかの実施形態において、ハンドル244は、孔228を含むように構成され、拡張器204は、突起250を含むように構成され、それにより、拡張器204に設けられた突起250がハンドル244の孔228内にスナップ留めされ、拡張器204を配送装置230に対して固着させ且つ係止させる。
別の実施形態において、突起250がニードル232に設けられ、孔228が拡張器204に設けられ、拡張器204に設けられる孔228は、ニードル232の突起250にスナップ留めされるように寸法決めされる。
いくつかの実施形態において、第1の係止特徴部228及び第2の係止特徴部250は、医療用組立体200の様々な部分に設けられる。例えば、いくつかの実施形態において、開口又は孔等の第1の係止特徴部228が、配送装置230に設けられ、突起等の第2の係止特徴部250が、スリング組立体202の一部分に配置される。例えば、突起等の第2の係止特徴部250は、スリング組立体202のスリーブに配置される。
図6は、本発明の実施形態による医療用組立体600の斜視図である。医療用組立体600は、骨盤底障害の治療のために構成されている。医療用組立体600は、インプラント602と、第1の拡張器604と、第1のスリーブ636と、タブ638を含む。ある実施形態において、第1の拡張器604は、インプラント602の第1の端部分640に取付けられる。第1の拡張器604は、近位部分606と遠位部分608を含み、近位部分606は、孔634を含む。ある実施形態において、第1の拡張器204の近位部分224は、拡張器タブ256を含み又はそれに結合される。ある実施形態において、拡張器タブ256は、第1の拡張器204の平坦な近位部分224によって構成される。ある実施形態において、拡張器タブ256は、閉じた端部を有し、丸められ、短い長さを有する。ある実施形態において、第1の拡張器604と同様、第2の拡張器642は、インプラント602の第2の端部分644に結合されるように構成される。ある実施形態において、インプラント602の第2の端部分344は、第2のスリーブ646によって保護される。
ある実施形態において、配送装置610は、インプラント602を患者の身体内に配送するように構成される。配送装置610は、中空ニードル612を含み、中空ニードル612は、近位部分614と遠位部分616を有し、第1の拡張器304は、中空ニードル612の上に位置決めされる。いくつかの実施形態において、ニードル612は、外面に沿う溝を有する。ある実施形態において、ニードル612は、外科用ニードルであり、最小侵襲手術のために十分に小さい外径を有する。配送装置610は、ハンドル618を含み、ハンドル618は、近位部分620と遠位部分622を有し、ハンドル618の遠位部分622は、ニードル612の近位部分614に結合される。ハンドル618の遠位部分622は、突起624を含み、突起624は、孔634内に解除可能に嵌合するように構成され、孔634を突起624の上に整列させることにより、配送装置610に対する第1の拡張器604の軸線方向移動を阻止する。孔634は、配送装置610の突起624を摩擦的に保持するように寸法決めされる。第1の拡張器304は、図1及び図2A〜図2Cに対して説明した係止の仕方と同様の仕方で、配送装置610に対して係止される。ある実施形態において、拡張器タブ648は、配送装置610からの第1の拡張器604の分離を容易にするように構成される。
医療用組立体600は、ハンドル618の近位端部分620に結合されるように構成された注入器626を含み、注入器626により、中空ニードル612の中を通る流体の通行を可能にする。注入器は、麻酔薬等の薬剤、治療薬、治癒過程を促進する他の流体、又は任意その他の流体を患者の身体内のターゲット組織に配送するように構成される。ある実施形態において、医療用組立体600は、貫通内腔630を有する少なくとも1つの注入器ポート628を含み、注入器626をハンドル618と連結させるように構成される。ある実施形態において、単一の又は多数の注入器ポート628がハンドル618の近位部分620のところに結合される。別の実施形態において、注入器ポート628は、配送装置610の一体部分であってもよい。更に別の実施形態において、注入器ポート628は、配送装置610に取外し可能に結合されてもよい。ある実施形態において、注入器626は、シリンジであり、シリンジは、それと結合されたプランジャ632を有し、注入器ポート628に結合される。プランジャ632を押すと、流体は、シリンジ626から注入器ポート628を通ってハンドル618から出て、中空ニードル612に流入し、かくして患者の身体内に流入する。いくつかの実施形態において、注入器ポート628及びそれと結合されたシリンジ626は、配送装置610に沿う任意適当な箇所に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、注入器ポートは、ニードル及び拡張器の長さ方向に沿って又は端部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、シリンジは、ルアーロックを用いて注入ポートに取付けられるのがよい。
図7は、本発明の実施形態による医療用組立体700の斜視図である。医療用組立体700は、インプラント702と、第1の拡張器704と、第1のスリーブと、タブ706を含む。ある実施形態において、第1の拡張器704は、インプラント702の第1の端部分708に取付けられる。第1の拡張器704は、近位部分710と遠位部分712を含み、近位部分710は、孔714を含む。ある実施形態において、第2の拡張器716が、第1の拡張器704と同様、インプラント702の第2の端部分718に結合される。ある実施形態において、インプラント702の第2の端部分718は、第2のスリーブ720によって保護される。
ある実施形態において、配送装置722は、インプラント702を患者の身体内に配送するように構成される。配送装置722は、中空ニードル724を含み、中空ニードル724は、近位部分726及び遠位部分732を有し、第1の拡張器702は、中空ニードル724の上に位置決めされる。配送装置722は、ハンドル728を含み、ハンドル728は、近位部分730と遠位部分732を有し、ハンドル728の遠位部分732は、ニードル724の近位部分726に結合される。ハンドル728の遠位部分732は、孔714内に解除可能に嵌合するように構成された突起734を含み、配送装置の突起734を摩擦的に保持する。第1の拡張器704は、図1、図2A〜図2C、及び図6に対して説明した係止の仕方と同様の仕方で、配送装置722に対して係止される。
ある実施形態において、ハンドル728の近位部分726は、ルアーハブ736及びルアー支持部738を含む。ルアーハブ736は、配送装置722と注入器組立体740を相互連結するように構成される。
注入器組立体740は、ハンドル728の近位端部分に結合されるように構成され、中空ニードル724の中を通る流体の通行を可能にする。注入器組立体740は、薬剤を患者の身体内のターゲット組織に配送するように構成され、かかる薬剤は、麻酔薬、治療薬、治癒過程を促進する他の流体、又は任意その他の流体である。ある実施形態において、注入器組立体740は、シリンジ742と、それに結合されるプランジャ744と、注入器アダプタ746を含む。プランジャ744は、シリンジ742の筒体748の内側に沿って押されたり引かれたりして、シリンジ742が液体又は気体を筒体748の開放端部のところで取込んだり排出したりすることを可能にする。注入器アダプタ746は、シリンジ742を保持するように構成される。
ある実施形態において、ルアーハブ736及びルアー支持部738は、シリンジ742がハンドル728として使用されるときに力がシリンジ742に働いたとき、ルアー部がはずれることを防止する。
図8は、本発明の実施形態による注入器アダプタ746の拡大分解斜視図である。
注入器アダプタ746は、近位部分750と遠位部分752を含む。ある実施形態において、シリンジ742の筒体748を保持するように寸法決めされたリング754が、遠位部分752に設けられている。ある実施形態において、プランジャ744を受入れてそれに噛合うように構成された受入れ部分756が、近位部分750に設けられるのがよい。実施形態において、シリンジ742のプランジャ744は、シリンジ744を注入器アダプタ746内に堅固に保持するように、受入れ部分756内にスナップ留めされるのがよい。
図7及び図8を参照すると、プランジャ744を押したとき、流体は、シリンジ742からルアーハブ736の中を通って、ハンドル728から出て、中空ニードル724に流入し、更に患者の身体に流入する。ある実施形態において、シリンジ742、プランジャ744及び注入器アダプタ746は、オペレータによって組立てられるのがよい。
実施形態において、注入器アダプタ746により、親指と人差し指をハンドル728のそばにある状態で、オペレータが手のひらでシリンジ742を吸引したり注入したりすることを可能にする。親指及び人差し指は、ハンドル728を介してニードル724を押したりステアリングしたり(その向きを変えたり)するのに使用されるのがよい。
ある実施形態において、オペレータはまた、シリンジ742又は注入器アダプタ746を用いないで、ニードルをハンドル728だけを介して配置する選択肢を有する。
図9は、本発明の実施形態による患者の身体内における配送のための医療用組立体600の取扱いを示す。医療用組立体600を参照すると、図9に示すように、ある実施形態において、医師又はオペレータは、注入器626をハンドル618の延長部として使用し、オペレータが配送装置610を完全に保持することができるように、親指902(左手)を使用することによってハンドル618を把持する。いくつかの実施形態において、ハンドルは、実質的に平坦な部分を含み、かかる部分は、身体内への配送装置610の位置決め及び配置中に視覚的かつ触覚的なフィードバックを容易にするように構成される。いくつかの実施形態において、ハンドル618は、平坦な底面を有し、かかる底面は、オペレータへの触覚的かつ視覚的なフィードバックによってニードル先端部908の向きを示すように構成される。底面における実質的に平坦な面は、好ましくは、オペレータがハンドル618に付与した力を利用するように寸法決めされ且つ形状決めされ、操作を完了するための力が付与されるのに十分に堅固な面を構成する。オペレータによるハンドル618の実際の把持は、オペレータの訓練、快適性、器用さ、強さのような様々なファクタに依存する。ある実施形態において、図9に示すように、オペレータは、第2の手(右手)を使用して、第1の拡張器604を把持し、この場合、第1の拡張器604をハンドル618に係止させた後、親指904と人差し指906(右手)を使用して、配送装置610のニードル612の前進及び後退を含む誘導を補助するのがよい。ある実施形態において、第2の手又は第2の手の指を使用して、ニードル612を支持し、それにより、図9に示すように、指によるニードル612の支持により、ニードル612を反りなしに通路に沿って身体孔部に挿入するのがよい。
図10は、本発明の実施形態による患者の身体内への配送のための医療用組立体600の取扱いを示す。医療用組立体600を参照すると、図10に示すように、ある実施形態において、孔634を突起624の上に整列させることによって第1の拡張器604をハンドル618に固着させたとき、オペレータは、拡張器604をさらに把持し、配送装置610を患者内へ、患者の周りに、及び患者の中を通して操作する。オペレータは、人差し指を使用して、ニードル612を支持し、それにより、軌道経路内のニードルをターゲット箇所に向かって差し向ける。別の実施形態において、第1の拡張器604及びニードル612(図示せず)を患者に挿入するとき、オペレータは、配送装置610を操作して、第1の拡張器604を配送装置310から分離する。そのような実施形態において、図10に示すように、オペレータは、人差し指1002を拡張器タブ648に当接させ、拡張器タブ648及び孔634の縁部1004を矢印Bの方向に反らして、突起624を孔634の外に出すと共に、配送装置810を矢印Aの方向に取出す。
いくつかの実施形態において、拡張器604を配送装置610に結合する別の結合機構又はシステムを使用してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、拡張器604は、配送装置610にスナップ式に又は摩擦式に嵌合する。いくつかの実施形態において、配送装置610は、拡張器を配送装置に結合するために拡張器の一部分を受入れるように構成された空洞を含み又はそれを構成する。
図11Aは、膣接近による女性の身体の内側への医療用組立体600の位置決めを示す。医療用組立体1100を位置決めする方法は、膣腔1102内における膣切開部を形成することを含む。
図11Bは、経閉鎖孔接近による女性の身体の内側へのインプラント602の埋込みを示す。この接近によれば、インプラント602は、尿道1104の下を通過して、大腿の鼠径部内の切開部(図には示していない)から出る。インプラント602の第1の端部分640は、骨盤底領域内の第1の部分1106に取付けられる。インプラント602の第2の端部分644は、骨盤底領域内の第2の部分1108に取付けられる。ある実施形態において、第1の部分1106及び第2の部分1108は、閉鎖孔に近い閉鎖孔組織である。
図11Cは、恥骨後接近による女性の身体の内側へのインプラント602の埋込みを示す。恥骨後接近は、インプラント602を尿道1104の下にU字形に位置決めする。インプラント602の第1の端部分640及び第2の端部分644は、恥骨1110の後方で持上げられ、恥骨1110の上方の皮膚切開部から出され、恥骨1110に近い組織に結合される。
図12は、本発明の実施形態による骨盤底障害の治療のための患者の身体内への医療用組立体600又は700等の医療用組立体の配送の方法1200を表すフローチャートである。ある実施形態において、骨盤底領域は、恥骨後領域である。図6と関連させて図12を参照して、本発明の実施形態による医療用組立体600の使用による身体インプラント602の配送及び配置の方法を説明する。例示の実施形態における方法を説明するために、以下、医療用組立体600を使用する。しかしながら、医療用組立体100又は200等の他の医療用組立体を同様の仕方で使用してもよいことを認識すべきである。医療用組立体100、医療用組立体200、及び医療用組立体600は、上述した様々な図と関連して説明されている。
方法1200は、ステップ1202において、配送装置610を拡張器604と共に患者の身体の内側に挿入する工程を含む。ある実施形態において、方法1200は、経膣接近による身体内への配送装置610及び拡張器604の配送のために、膣切開部を形成する工程を含む。拡張器604は、その近位端部分606に孔634を含み、配送装置610のハンドル618は、その遠位端部分622に突起624を含み、拡張器604と配送装置610のハンドル618を、突起624が孔634内に嵌合するように整列させ、それにより、配送装置610に対する第1の拡張器604の軸線方向移動を阻止する。ある実施形態において、本方法は、第1の拡張器604と配送装置610を、患者の身体内への配送の前に組立てる工程を含み、組立てる工程は、突起624を摩擦的に保持して第1の拡張器604を配送装置610に係止させるように寸法決めされた孔634内に、突起624を滑り込ませる工程を含む。係止により、第1の拡張器604を配送装置610に固着させ、それにより、オペレータが、ニードル612の上に位置決めされた第1の拡張器304によって、ニードル612を制御して差し向けることを可能にする。ある実施形態において、医療用組立体600を事前に組立てて、オペレータが組立て工程を実施する必要がなくてもよい。
孔634の上に突起624を整列させて、第1の拡張器604をハンドル318に固着させたら、オペレータは、拡張器604を更に把持して、配送装置610を患者内へ、患者の周りに、及び患者の中を通して操作する。第1の拡張器604及びニードル612を患者の中に挿入したら、本方法において、インプラント602を骨盤底領域のターゲット箇所に位置決めする。インプラント602がターゲット箇所に到達したとき、オペレータは、第1の拡張器604及び第1のスリーブ636を引張ることによって、インプラント602にテンションを付与する。本方法のステップ1204において、配送装置610が骨盤底領域内のターゲット箇所に到達したら、第1の拡張器604を突起624に抗して移動させ、突起624を孔634から出すことによって、配送装置610から第1の拡張器604を分離させる。ある実施形態において、配送装置610からの第1の拡張器604の分離は、図10で説明した仕方で行われる。例えば、いくつかの実施形態において、オペレータは、指を第1の拡張器604に当接させ、第1の拡張器604及び孔634の縁部1004を反らして、突起624を孔634から出すことによって、配送装置610を取外す。ある実施形態において、分離する工程は、拡張器タブ256を反らして、突起を孔から滑らせ又は出し、拡張器604を配送装置610から分離する工程を含む。ある実施形態において、配送装置610からの第1の拡張器604の分離は、インプラント602にテンションを付与する前に行われ、別の実施形態において、かかる分離は、インプラント602にテンションを付与した後に行われる。
ある実施形態において、配送装置610と類似する別の配送装置が、上述した仕方と類似する仕方で第2の拡張器642に結合される。別の実施形態において、配送装置610は、第2の端部分644をターゲット組織箇所に埋込むために、第2の拡張器642に結合される。
本方法は、さらに、配送装置610が骨盤底領域906内のターゲット身体箇所に到達し、第1の拡張器604を配送装置610から分離した後、第1の拡張器604を患者の身体から取出す工程を含む。更に、オペレータはまた、第1のスリーブ636と第1の拡張器604及び中心タブ638とを結合している縫合糸を切断することによって、第1のスリーブ636をインプラント602から分離する。ある実施形態において、第1の拡張器604及び第1のスリーブ636を、インプラント602から取外す。次いで、第1のスリーブ636及び第1の拡張器604を、患者の身体から患者の腹部、鼠径部、又は閉鎖孔区域内に設けられた切開部を通して引張って出す。第2の拡張器642も、同様の仕方で取出す。いくつかの実施形態において、スリーブ及び中心タブをインプラントに結合するのに、別個の縫合糸が使用される。
インプラント602をターゲット箇所に埋込むとき、本方法のステップ1206において、身体インプラントを骨盤底領域内の第1の部分606に固定する。ある実施形態において、骨盤底領域は、恥骨後領域である。本方法は、更に、図11Bで上述したように、インプラント602の第1の端部分640及び第2の端部分644をそれぞれ骨盤底領域1106内の第1の部分1106及び第2の部分608に取付ける工程を含む。
本方法は、インプラント602を固定した後、又は、インプラント602にテンションを付与する又は固定する前、配送装置610を患者の身体から取出す工程を含む。
いくつかの実施形態によれば、医療用組立体600は、図6に関して説明したような注入器626を含む。かかる実施形態において、方法1200は、注入器626を使用して、麻酔薬等の薬剤、治療薬、治癒過程を促進する他の流体、又は任意その他の流体を患者の身体内のターゲット組織に配送する工程を含む。いくつかの実施形態において、注入器626は、シリンジであり、かかるシリンジは、それに結合されたプランジャを有し、かかるプランジャは、図6に示すプランジャ632等である。方法1200は、プランジャ632を押して、薬剤をシリンジ626から患者の身体に流入させる工程を含むのがよい。ある実施形態において、身体の内側への医療用組立体600の挿入中、拡張器604をハンドル618の上に係止させたとき、オペレータは、一方の手で拡張器604を保持して、プランジャ632を他方の手で押し、薬剤を吸引して注入する。ある実施形態において、インプラント602等のインプラントが最終的に配置されるニードル軌道の中に、薬剤を直接注入して、術後の疼痛を和らげる。
いくつかの実施形態において、上述の医療用組立体は、患者の骨盤領域以外の身体内部の部分又は箇所に使用されてもよい。例えば、医療用組立体は、患者の身体の任意の部分にインプラントを挿入して支持を与えるために使用される。
いくつかの実施形態において、医療用組立体は、スリング組立体と、配送装置と、ハンドルを含み、スリング組立体は、拡張器とインプラントを含み、拡張器は、インプラントに結合されるように構成され且つ近位部分と遠位部分を含み、近位部分は、第1の係止特徴部を含み、拡張器は、拡張器から近位方向に延びる拡張器タブを含み、拡張器タブは、拡張器タブに対する拡張器の移動を可能にし、配送装置は、スリング組立体を配送するように構成され且つニードルを含み、ニードルは、近位部分と遠位部分を有し、拡張器は、ニードルの上に位置決めされ、ハンドルは、近位部分と遠位部分を有し、ハンドルの遠位部分は、ニードルの近位部分に結合され、且つ、第2の係止特徴部を含み、第2の係止特徴部は、第1の係止特徴部と解除可能に嵌合するように構成され、第1の係止特徴部は、第2の係止特徴部を一つの箇所に摩擦的に保持するように寸法決めされる。
いくつかの実施形態において、第1の係止特徴部は、孔である。いくつかの実施形態において、第2の係止特徴部は、突起である。いくつかの実施形態において、スリング組立体は、経膣接近、経閉鎖孔接近、又は膣恥骨前接近によって配送されるように構成された恥骨後失禁スリングを含む。いくつかの実施形態において、ニードルは、最小侵襲手術のために十分に小さい外径を有する外科用ニードルである。いくつかの実施形態において、外科用ニードルは、貫通内腔を含み、ニードルをハンドルに結合したとき、ハンドルとニードルの全長にわたって通路が構成される。
いくつかの実施形態において、医療用組立体は、注入器を含み、注入器は、ハンドルの近位部分に結合されるように構成され、流体を通路の中を通して身体内の箇所に配送するように構成される。
いくつかの実施形態において、ハンドルは、実質的に平坦な部分を含み、かかる部分は、身体内への配送装置の位置決め及び配置中、視覚的かつ触覚的なフィードバックを容易にするように構成される。いくつかの実施形態において、拡張器タブは、配送装置からの拡張器の分離を容易にするように構成される。いくつかの実施形態において、拡張器タブは、拡張器の平坦な近位部分によって構成される。いくつかの実施形態において、拡張器タブは、拡張器の近位端から延び、閉じた端部を有する丸められた部分として構成される。
いくつかの実施形態において、医療用組立体は、患者の身体に配置するためのインプラントと、インプラントに結合されるように構成された拡張器と、インプラントを配送するように構成された配送装置と、ハンドルと、ハンドルの近位端部分に結合されるように構成された注入器と、を含み、拡張器は、近位部分と、遠位部分と、孔と、拡張器の近位方向に延びる拡張器タブを含み、拡張器タブは、拡張器タブに対する拡張器の移動を可能にするように構成され、配送装置は、近位部分及び遠位部分を有する中空ニードルを含み、拡張器は、中空ニードルの上に位置決めされ、ハンドルは、近位部分及び遠位部分を有し、ハンドルの遠位部分は、ニードルの近位部分に結合され、且つ、突起を含み、突起は、孔内に解除可能に嵌合するように構成され、配送装置に対する拡張器の軸線方向移動を阻止し、孔は、配送装置の突起を摩擦的に保持するように寸法決めされる。
いくつかの実施形態において、ハンドルは、貫通内腔を含み、ハンドルがニードルに結合されたとき、ハンドルとニードルの全長にわたって、流体を患者の身体内に注入する通路が構成される。
いくつかの実施形態において、医療用組立体は、少なくとも1つの注入器ポートを含み、注入器ポートは、貫通内腔を有し、注入器をハンドルと連結するように構成される。いくつかの実施形態において、注入器は、シリンジ、プランジャ、ポンプ、ノズル、及びバルブのうちの少なくとも1つを含む。
いくつかの実施形態において、患者の身体内の骨盤底障害の治療のための方法は、配送装置を拡張器と一緒に患者の身体の内側に挿入する工程を含み、拡張器は、その近位端部分の孔と、拡張器から近位方向に延びる拡張器タブを含み、配送装置は、ハンドルを含み、ハンドルは、その遠位端部分に突起を有し、突起は、孔内に嵌合して配送装置に対する拡張器の軸線方向移動を阻止するように寸法決めされ、更に、配送装置が骨盤底領域内のターゲット身体箇所に到達したら、拡張器を突起に抗して移動させ、突起を孔を出すことによって、拡張器を配送装置から分離する工程と、身体インプラントを骨盤底領域内の第1の部分に固定する工程を含む。
いくつかの実施形態において、本方法は、拡張器と配送装置を、患者の身体内への配送の前に組立てる工程を含み、組立てる工程は、突起を摩擦的に保持するように寸法決めされた孔内に突起を滑らせて、拡張器を配送装置と係止させる工程を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、経膣接近による身体内への配送装置及び拡張器の配送のために、膣切開部を形成する工程を含む。いくつかの実施形態において、骨盤底領域は、恥骨後領域である。
いくつかの実施形態において、本方法は、配送装置が骨盤底領域内のターゲット身体箇所に到達して、拡張器を配送装置から分離した後、拡張器を患者の身体から取出す工程を含む。
いくつかの実施形態において、拡張器は、インプラントに結合され、本方法は、インプラントの第1の端部分を、骨盤底領域内の第1の部分に取付ける工程を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、インプラントの第2の端部分を、骨盤底領域内の第2の部分に取付ける工程を含む。いくつかの実施形態において、本方法は、インプラントを固定した後、配送装置を患者の身体から取出す工程を含む。いくつかの実施形態において、分離する工程はさらに、拡張器タブを反らして、突起を孔から出して、拡張器を配送装置から分離する工程を含む。いくつかの実施形態において、配送装置は、注入器に結合され、本方法は、注入器を使用して、薬剤を患者の身体内のターゲット組織に配送する工程を含む。
本発明を、ある一定の好ましい実施形態及び実施例に関連して開示したが、本発明が、特定的に開示した実施形態を超えて他の代替実施形態及び/又は本発明の使用、本発明の明白な修正、及び均等物に範囲に拡張されることは当業者によって理解されるであろう。これに加えて、本発明のいくつかの変形を示して詳細に記述したが、当業者には、本発明の開示に基づいて本発明の範囲にある他の修正が容易に明らかであろう。これらの実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組合せ又は部分結合を開発することができ、これらが依然として本発明の範囲に収まるようにも考えられている。従って、開示する本発明の様々なモードを形成するために、開示した実施形態の様々な特徴及び態様を互いに組み合わせるか又は入れ替えることができることを理解すべきである。すなわち、本明細書に開示する本発明の範囲は、上述の特定の開示した実施形態によって限定すべきではなく、本発明の開示の公正な読解によってのみ決定すべきであることを意図している。

Claims (20)

  1. 医療用組立体であって、
    スリング組立体と、
    前記スリング組立体を配送するように構成された配送装置と、を有し、
    前記スリング組立体は、拡張器と、前記インプラントに結合されるように構成されたインプラントとを含み、前記拡張器は、近位部分及び遠位部分を含み、前記近位部分は、第1の係止特徴部を含み、前記拡張器は、前記拡張器に対して近位方向に延びる拡張器タブを含み、前記拡張器タブは、前記拡張器タブに対する前記拡張器の移動を可能にするように構成され、
    前記配送装置は、ニードルと、ハンドルとを含み、
    前記ニードルは、近位部分及び遠位部分を有し、前記拡張器は、前記ニードルの上に位置決めされ
    前記ハンドルは、近位部分及び遠位部分を有し、前記ハンドルの遠位部分は、前記ニードルの近位部分に結合され、且つ、前記第1の係止特徴部と解除可能に噛合うように構成された第2の係止特徴部を含み、前記第1の係止特徴部は、前記第2の係止特徴部をある箇所に摩擦的に保持するように寸法決めされる、医療用組立体。
  2. 前記第1の係止特徴部は、孔である、請求項1に記載の医療用組立体。
  3. 前記第2の係止特徴部は、突起である、請求項1に記載の医療用組立体。
  4. 前記スリング組立体は、恥骨後失禁スリングを含み、前記恥骨後失禁スリングは、経膣接近、経閉鎖孔接近、又は膣恥骨前接近によって配送されるように構成される、請求項1に記載の医療用組立体。
  5. 前記ニードルは、最小侵襲手術のための実質的に小さい外径を有する外科用ニードルである、請求項1に記載の医療用組立体。
  6. 前記外科用ニードルは、貫通内腔を含み、前記外科用ニードルが前記ハンドルに結合されたとき、前記ハンドルと前記外科用ニードルの全長にわたって通路が構成される、請求項5に記載の医療用組立体。
  7. 更に、前記ハンドルの近位部分に結合されるように構成された注入器を含み、前記注入器は、流体を前記通路の中を通して身体の内側の箇所に配送するように構成される、請求項6に記載の医療用組立体。
  8. 前記ハンドルは、身体内への前記配送装置の位置決め及び配置の間、視覚的且つ触覚的なフィードバックを容易にするように構成された実質的に平坦な部分を含む、請求項1に記載の医療用組立体。
  9. 前記拡張器タブは、前記配送装置からの前記拡張器の分離を容易にするように構成される、請求項1に記載の医療用組立体。
  10. 前記拡張器タブは、前記拡張器の平坦にされた近位部分によって構成される、請求項9に記載の医療用組立体。
  11. 前記拡張器タブは、前記拡張器の近位端部から延び且つ閉じた端部を有する丸形部分として構成される、請求項9に記載の医療用組立体。
  12. 医療用組立体であって、
    患者の身体内に配置されるインプラントと、
    前記インプラントに結合されるように構成された拡張器と、
    前記インプラントを配送するように構成された配送装置と、
    注入器と、を含み、
    前記拡張器は、近位部分及び遠位部分を含み、前記近位部分は、孔を含み、前記拡張器は、前記拡張器に対して近位方向に延びる拡張器タブを含み、前記拡張器タブは、前記拡張器タブに対する前記拡張器の移動を可能にするように構成され、
    前記配送装置は、中空ニードルと、ハンドルとを含み、
    前記中空ニードルは、近位部分及び遠位部分を有し、前記拡張器は、前記中空ニードルの上に位置決めされ、
    前記ハンドルは、近位部分及び遠位部分を有し、前記ハンドルの遠位部分は、前記中空ニードルの近位部分に結合され、前記ハンドルの遠位部分は、突起を含み、前記突起は、前記孔内に解除可能に嵌合するように構成され、且つ、前記配送装置に対する前記拡張器の軸線方向移動を阻止し、前記孔は、前記配送装置の突起を摩擦的に保持するように寸法決めされ、
    前記注入器は、前記ハンドルの近位端部分に結合されるように構成される、医療用組立体。
  13. 前記ハンドルは、貫通内腔を含み、前記ハンドルが前記中空ニードルに結合されたとき、前記ハンドルと前記中空ニードルの全長にわたって、流体を患者の身体に注入するための通路が定められる、請求項12に記載の医療用組立体。
  14. 更に、少なくとも1つの注入器ポートを含み、前記注入器ポートは、貫通内腔を有し、且つ、前記注入器を前記ハンドルと連結するように構成される、請求項12に記載の医療用組立体。
  15. 前記注入器は、シリンジ、プランジャ、ポンプ、ノズル、及びバルブのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の医療用組立体。
  16. 患者の身体内の骨盤底障害を治療する方法であって、
    配送装置を拡張器と一緒に患者の身体の内側に挿入する工程を有し、前記拡張器は、近位末端部分の孔と、前記拡張器に対して近位方向に延びる拡張器タブとを含み、前記配送装置は、ハンドルを含み、前記ハンドルは、遠位末端部分の突起を含み、前記突起は、前記孔に嵌合するように寸法決めされ、それにより、前記配送装置に対する前記拡張器の軸線方向移動を阻止し、
    さらに、前記拡張器を前記突起に押付け、前記突起を前記孔の外に出すことによって、前記配送装置が骨盤底領域のターゲット身体箇所に到達したら、前記拡張器を前記配送装置から分離する工程と、
    身体インプラントを骨盤底領域内の第1の部分に固定する工程と、を含む方法。
  17. さらに、前記拡張器及び前記配送装置を患者の身体内に配送する前に、前記拡張器及び前記配送装置を組立てる工程を含み、
    前記組立てる工程は、前記突起を前記孔内に滑り込ませる工程を含み、前記孔は、前記突起を摩擦的に保持し且つ前記拡張器を前記配送装置に係止させるように寸法決めされる、請求項16に記載の方法。
  18. さらに、身体内の前記配送装置及び前記拡張器の経膣接近による配送のための膣切開部を作成する工程を含む、請求項16に記載の方法。
  19. 前記骨盤底領域は、恥骨後領域である、請求項16に記載の方法。
  20. さらに、前記配送装置が骨盤底領域のターゲット身体箇所に到達したら、前記拡張器を前記配送装置から分離して、前記拡張器を患者の身体から取出す工程を含む、請求項16に記載の方法。
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