JP2016508503A - 呼吸器合胞体ウイルスfタンパク質エピトープ - Google Patents

呼吸器合胞体ウイルスfタンパク質エピトープ Download PDF

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Abstract

呼吸器合胞体ウイルスは、パラミクソウイルス科に属する風邪ウイルスである。RSVは、伝染しやすい毒性ウイルスであり、2歳未満の小児における下気道疾患の最も一般的な原因である。1回のRSVの季節に、託児所に通っている小児の最大98%が感染することになる。RSVに感染した小児の0.5%〜3.2%が入院する必要がある。米国では、1年に約90,000人の入院及び4500人の死亡が報告された。RSVによる入院の主な危険因子は、早産、慢性肺疾患、先天性心疾患、免疫不全、及びその他は健康な6週齢未満の乳児である。【選択図】図4

Description

電子的に提出された配列表の参照
本出願と共に提出されたASCIIテキストファイルで電子的に提出された配列表の内容(名称:sequencelisting_ascii.txt;サイズ:31.3キロバイト;及び作成日:2013年3月14日)は、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられるものとする。
本発明は呼吸器合胞体ウイルスFタンパク質エピトープに関する。
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、パラミクソウイルス科に属する風邪ウイルスである。RSVは、伝染しやすい毒性ウイルスであり、2歳未満の小児における下気道疾患の最も一般的な原因である。1回のRSVの季節に、託児所に通っている小児の最大98%が感染することになる。RSVに感染した小児の0.5%〜3.2%が入院する必要がある。米国では、1年に約90,000人の入院及び4500人の死亡が報告された。RSVによる入院の主な危険因子は、早産、慢性肺疾患、先天性心疾患、免疫不全、及びその他は健康な6週齢未満の乳児である。十分な栄養及び酸素療法の形態の支持療法の他には、RSV陽性細気管支炎に有効な治療がない。抗ウイルス療法、例えば、リバビリンは、RSV感染に有効であることは証明されていない。現在利用可能なRSVの予防ワクチンは存在しない。
現在利用可能なRSVに特異的な治療は、米国食品医薬品局によって承認された、高リスクの乳児におけるRSV下気道疾患の予防用のヒト化モノクローナル抗体、パリビズマブ(SYNAGIS(登録商標)とも呼ばれる)のみである。しかしながら、パリビズマブは常に有効というわけではない。別のモノクローナル抗体、本明細書では「mota」とも呼ばれるモタビズマブが、抗ウイルス活性が増強されたパリビズマブから得られた。パリビズマブ及びモタビズマブの両方は、抗原結合部位A、即ち、アミノ酸258〜275の間のRSV−Fタンパク質における高度に保存された領域に結合する。パリビズマブ及びモタビズマブを含む殆どの抗F抗体は、RSV−Fを折り畳むことができる2つの高次構造、準安定の融合前形態及び高度に安定の融合後高次構造によって共有されているエピトープを認識することが知られている。
本開示は、国際公開第2008/147196号パンフレットに開示されている、近年同定された抗RSVモノクローナル抗体D25によって認識されるRSV−Fタンパク質の融合前高次構造における高次構造エピトープ(立体構造エピトープ)を提供する。RSV−F媒介融合の阻害のための有効な標的である融合前RSV−F構造を標的とすることにより、本開示は、非生産的な結合事象を受けにくいより有効な抗RSV抗体をスクリーニングする方法も提供し、従って、RSV感染のより優れた予防又は治療を提供することができる。
本明細書では、呼吸器合胞体ウイルス融合(RSV F)タンパク質の表面における高次構造エピトープが提供され、このエピトープは、配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34のうちの少なくとも6つのアミノ酸を含み、このエピトープを含むRSV Fタンパク質はモノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって特異的に結合され得る、ただしこのRSV Fタンパク質は融合前高次構造(状態)であることを条件とする。
一態様では、このエピトープを含む融合前高次構造のRSV Fタンパク質は、モノクローナル抗体耐性変異体(MARM)に由来するFタンパク質のアミノ酸配列を含むRSV Fタンパク質よりも少なくとも100倍高い親和性で、モノクローナル抗体D25又はその断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって結合され得、MARM由来のFタンパク質は、配列番号12、配列番号13、又は配列番号14のアミノ酸配列を含む。このエピトープは、ヒトRSV亜型A Fタンパク質の表面に出現し、かつヒトRSV亜型B Fタンパク質の表面にも出現し得る。
特定の態様では、本明細書で提供される高次構造エピトープへのmAb D25の結合は、RSV Fタンパク質の融合前高次構造を破壊することが知られている様々な処置、例えば、加熱、長期保存、固定、又は変性によって変更又は破壊される。
本明細書で提供される高次構造エピトープは、Fタンパク質の7残基反復配列(heptad repeat)のC末端に存在する。
mAb D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体に特異的に結合された、上述の高次構造エピトープを含む単離された抗原−抗体構造がさらに提供される。特定の態様では、この構造は結晶構造である。
配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34から実質的になるRSV Fタンパク質断片;及びポリペプチド足場(スキャフォールド)を含む、単離された融合タンパク質がさらに提供され、この足場は、モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって特異的に結合され得る高次構造にFタンパク質断片を拘束する。特定の態様では、足場は、表面露出外被タンパク質、例えば、プロテアーゼインヒビター、例えば、カボチャ属プロテアーゼインヒビターに由来する。ある特定の実施形態では、足場は、テッポウウリ(Ecballium elaterium)トリプシンインヒビターII(EETI−II)に由来する。特定の態様では、EETI−IIのインヒビターループは、配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34によって置換されている。特定の態様では、融合タンパク質は、配列番号5の配列を含む。
本明細書で提供される融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド、このポリヌクレオチドを含む発現ベクター、及び/又はこのポリヌクレオチド又はこのベクターを含む宿主細胞がさらに提供される。
特定の態様では、本明細書で提供される融合タンパク質は、この融合タンパク質並びに担体、賦形剤、及び/又はアジュバントを含む免疫原性組成物の一部であり得る。
さらなる態様では、本明細書で提供される融合タンパク質は、本明細書で提供される高次構造エピトープに結合する抗RSV Fタンパク質抗体を同定するための方法に使用することができ、この方法は、請求項9〜15のいずれか一項に記載の融合タンパク質に結合するが、足場のみには結合しない抗体について抗体ライブラリーをスクリーニングするステップを含む。
図1は、パリビズマブ、モタビズマブ、及びR347(負の対照として)の結合と比較した、RSV A2ウイルス(ATCC VR−1540)に感染した未固定及びアセトン固定HEp−2細胞へのD25モノクローナル抗体の結合を示している。 図2は、Eu3+標識モタビズマブ(「mota」)及びD25のデノボ又は加熱処理RSV Fタンパク質への結合を示している。RSV A2 Fタンパク質で安定にトランスフェクトされた293細胞を氷上に維持するか、又は水槽で15分間、55℃で処理した。 図3は、モタビズマブ(「mota」)及びD25のデノボ又は熱処理RSV Fタンパク質への結合(図3B)を試験するためのバイオレイヤー干渉分析(図3A)を示している。R347は負の対照として使用した。 図4は、バイオレイヤー干渉法によって分析した、同じ条件下でのモタビズマブ(「mota」)のRSV Fタンパク質への結合と比較して、4℃で保存後のD25のRSV−Fタンパク質への結合のゆっくりとした減少を示している。 図5は、モタビズマブ及びD25のデノボ又は熱処理RSV Fタンパク質への結合、これに続くウサギ抗6へリックスバンドルモノクローナル抗体(図5B)又は抗RSV−F C部位モノクローナル抗体1311H(図5Bのインサート)のいずれかへの結合を試験するためのバイオレイヤー干渉分析を示している。モタビズマブ及びD25は、抗ヒトIgG Fc捕捉センサに固定した(図5A)。 図6は、RSV−Fタンパク質における既知の抗原部位を示している。RSV−Fは、部位A/II、B/I、及びCを含む、一般に述べられている少なくとも6つの異なる中和抗原部位を有する。 図7は、D25エピトープを同定するために既知の抗原部位を備えた様々な抗RSV−F抗体を用いた競合結合アッセイを示している。100ng/mlのビオチン標識D25抗体を、全ての結合アッセイに使用した。図7A〜図7Dはそれぞれ、A/II、B/I、及びC、又は未知の部位に結合する既知の抗RSV−F抗体による競合を示している。 図7−1の続きである。 図8は、アミノ酸209が抗体AM23の中和活性に重要であることを示している。 図9は、RSV−F野生型配列と、提案されるD25抗原部位におけるD25モノクローナル抗体耐性変異体(MARM)とのアライメントを示している。四角で囲まれたアミノ酸は、変異を示している。 図10は、RSV−Fタンパク質におけるD25エピトープのマッピングを示している。図10Aは、同定されたD25モノクローナル抗体耐性変異体(MARM)における3つのアミノ酸変異の位置を示す図である。図10Bは、RSV−Fタンパク質の表面における同定されたD25エピトープの位置を示す空間充填モデルである。白い太字の矢印は、D25の結合に重要な同定されたエピトープ領域を示している。 図11は、D25 MARMに対するD25の活性とモタビズマブ(「mota」)モノクローナル抗体の活性とを比較する中和アッセイを示している。 図12は、パリビズマブ及びD25モノクローナル抗体によってD25 MARMに感染した細胞を用いた細胞ベースの中和アッセイを示している。 図13は、SKエピトープの作製を例示する図である。下線が付された配列は、RSV A2 Fタンパク質のアミノ酸195〜211に一致し、二重下線が付された配列は、C212S置換を含む、RSV A2 Fタンパク質のアミノ酸212〜228に一致している。 図14は、バイオレイヤー干渉法によって分析された、RSV A2 Fタンパク質のHR1領域に結合するD25又はSKエピトープに結合するD25の比較を示している。
定義
本開示において、「1つの(a)」又は「1つの(an)」実体という語は、1つ以上のその実体;例えば、「1つのポリヌクレオチド(a polynucleotide)」は、1つ以上のポリヌクレオチドを意味することを理解されたい。従って、「1つの(a)」(又は「1つの(an)」)、「1つ以上の」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書で互換的に使用することができる。
さらに、「及び/又は」は、本明細書で使用される場合、2つの特定の特徴又は構成要素のそれぞれの他方を含む又は含まない特定の開示と見なされるものとする。従って、例えば、本明細書で「A及び/又はB」などの句に使用される「及び/又は」という語は、「A及びB」、「A又はB」、「A」(のみ)、及び「B」(のみ)を含むものとする。同様に、「A、B、及び/又はC」などの句に使用される「及び/又は」という語は、以下の形式のそれぞれを包含するものとする:A、B、及びC;A、B、又はC;A又はC;A又はB;B又はC;A及びC;A及びB;B及びC;A(のみ);B(のみ);及びC(のみ)。
態様は、常に「含む(comprising)」という語を用いて本明細書で説明されるが、そうでない場合は、「からなる(consisting of)」及び/又は「実質的に〜からなる(consisting essentially of)」という語で説明される類似の態様も提供されることを理解されたい。
特段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての科学技術用語は、本開示が関連する技術分野の当業者が通常理解する意味と同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei−Show,2nd ed.,2002,CRC Press;The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press;及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示に使用される多数の用語の一般的な辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、及び記号は、それらの国際単位系(SI)の許容される形式で示される。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。特段の記載がない限り、アミノ酸配列は、アミノ酸が左から右にカルボキシ方向に書かれている。本明細書に記載される見出しは、本開示の様々な態様を限定するものではなく、本明細書全体の参照用に記載することができる。従って、すぐ下で定義される用語は、本明細書全体を参照することによってより詳細に定義される。
本明細書で使用される「ポリペプチド」という語は、単数の「ポリペプチド」及び複数の「ポリペプチド」を包含し、かつ2つ以上のアミノ酸の任意の1本鎖又は複数鎖を含むものとする。従って、本明細書で使用される「ペプチド」、「ペプチド断片」、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、「アミノ酸配列」、又は2つ以上のアミノ酸の任意の1本鎖又は複数鎖を指すために使用されるその他の語は、一般的には、たとえこれらの語がそれぞれ、より明確な意味を有し得るとしても、「ポリペプチド」の定義に含まれる。「ポリペプチド」という語は、任意のこれらの語の代わりに、又はこれらの語と互換的に使用することができる。用語は、翻訳後修飾を受けた、又は合成後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護基/ブロッキング基による誘導体化、タンパク分解切断、又は非自然発生のアミノ酸による修飾を受けた「ポリペプチド」をさらに含む。
より具体的には、本明細書で使用される「ペプチド」断片という語は、完全長未満のペプチド、又はその変異体、誘導体、もしくは類似体を包含する。本明細書で開示される「ペプチド断片」、例えば、RSV−Fペプチド断片は、追加の非RSV−Fタンパク質成分、例えば、構造的足場として使用される表面露出外被タンパク質を含む融合ポリペプチドの一部であり得る。本明細書に記載されるペプチドはまた、様々な異なる方法で誘導体化され得る。
RSV−Fペプチド断片を指す場合の「類似体(アナログ)」、「誘導体」又は「変異体(バリアント)」という語は、少なくとも一部の所望の活性、例えば、抗RSV抗体への結合を維持している任意のペプチド断片を含む。
本明細書で使用される「変異体」という語は、アミノ酸の置換、欠失、挿入、及び/又は修飾により、列挙されるペプチドとは異なるペプチドを指す。変異体は、当技術分野で公知の変異誘発技術を用いて作製することができる。変異体はまた、又は別法では、他の修飾を含み得る。例えば、ペプチドは、例えば、半減期を延長する、溶解性を高める、又は安定性を高めるために、異種アミノ酸配列又は他の部分にコンジュゲート又は結合する、例えば、融合することができる。本明細書で提供されるペプチドにコンジュゲート又は結合する部分の例として、限定されるものではないが、アルブミン、免疫グロブリンFc領域、及びポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。ペプチドは、ペプチド(例えば、6−His)の合成、精製、もしくは同定を容易にするため、又はポリペプチドの固体支持体への結合を促進するために、リンカー又は他の配列にコンジュゲート又は結合することもできる。
本明細書で使用される「配列同一性」という語は、2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係、又は2つ以上のポリペプチド配列間の関係を指す。1つの配列におけるある位置に、比較配列の対応する位置の同じ核酸塩基又はアミノ酸が存在する場合は、これらの配列は、その位置で「同一」であると言える。パーセント「配列同一性」は、両方の配列で同一の核酸塩基又はアミノ酸が存在する位置の数を決定して、「同一」の位置の数を得ることによって計算する。次いで、「同一」の位置の数を、比較ウィンドウにおける位置の合計数で除し、この値に100を乗じて「配列同一性」のパーセンテージを得る。「配列同一性」のパーセンテージは、比較ウィンドウに亘って最適に整列した2つの配列を比較することによって決定される。比較用に配列を最適に整列させるために、比較ウィンドウにおけるポリヌクレオチド又はポリペプチド配列の一部は、基準配列が一定に維持されたまま、ギャップと呼ばれる付加又は欠失を含み得る。最適な整列は、たとえギャップがあっても、基準配列と比較配列との間の「同一」の位置の数を最大限にする整列である。2つの配列間のパーセンテージ「配列同一性」は、プログラム「BLAST 2 Sequences」のバージョンを用いて決定することができ、このプログラムは、2004年9月1日時点でNational Center for Biotechnology Informationから入手可能であり、プログラムBLASTN(ヌクレオチド配列の比較用)及びBLASTP(ポリペプチド配列の比較用)を含み、これらのプログラムは、Karlin及びAltschulのアルゴリズム(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(12):5873−5877,1993)に基づいている。「BLAST 2 Sequences」を利用すると、語長(3)、オープンギャップペナルティー(11)、延長ギャップペナルティー(1)、ギャップドロップオフ(50)、予想値(10)、及び、限定されるものではないが、マトリックスオプションを含むその他の必要なパラメータに対して、2004年9月1日時点でデフォルトパラメータであったパラメータを使用することができる。
「抗体」という語は、標的、例えば、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、又はこれらの組み合わせを認識して、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介してこれらに特異的に結合する免疫グロブリン分子を指す。本明細書で使用される「抗体」という語は、無傷のポリクローナル抗体、無傷のモノクローナル抗体、抗原結合抗体断片(例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片)、一本鎖Fv(scFv)変異体、多重特異性抗体、例えば、少なくとも2つの無傷の抗体から形成される二重特異性抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原結合部位を含む融合タンパク質、及び抗体が所望の生物活性を示す場合の、抗原認識部位を含むその他の改変免疫グロブリン分子を包含する。抗体は、それぞれα、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる重鎖定常ドメインの同一性に基づいて、免疫グロブリンの5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgM、又はこれらのサブクラス(アイソタイプ)(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2)のいずれかとすることができる。免疫グロブリンの異なるクラスは、異なる周知のサブユニット構造及び3次元構造を有する。
「特異的に結合する」とは、一般に、抗体が、この抗原結合部位を介してエピトープに結合し、この結合が、抗原結合部位とエピトープとの間にある程度の相補性を伴うことを意味する。この定義によると、抗体は、無作為の無関係のエピトープに結合し得るよりも容易にその抗原結合ドメインを介してエピトープに結合する場合にエピトープに「特異的に結合」すると言える。
「抗RSV抗体」又は「RSV抗体」という語は、RSVウイルスに特異的に結合することができる抗体を指す。
「抗体断片」という語は、無傷の抗体の部分を指す。特に、無傷の抗体の「抗原結合断片」は、抗原に特異的に結合し得る抗体の部分である。抗体断片の例として、限定されるものではないが、Fab、Fab’、F(ab’)2、及びFv断片、線状抗体、一本鎖抗体、並びに抗体断片から形成される多特異性抗体が挙げられる。
「エピトープ」という語は、特定の抗体によって認識されて特異的に結合され得る抗原の部分を指す。抗原がポリペプチドである場合、エピトープは、連続アミノ酸、又はタンパク質の3次折り畳みによって並置された不連続アミノ酸から形成することができる。連続アミノ酸から形成されるエピトープは、典型的には、タンパク質変性時に維持されるが、3次折り畳みによって形成されたエピトープは、典型的には、タンパク質変性時に放出される。エピトープは、典型的には、少なくとも3つ、より一般的には、少なくとも5つ又は8〜10のユニークな空間的高次構造のアミノ酸を含む。特定の一実施形態では、エピトープは、少なくとも6つのアミノ酸を含む。
「線状エピトープ」又は「連続エピトープ」は、アミノ酸のその線状配列又は一次構造により抗体によって認識されるエピトープである。「高次構造エピトープ」又は「不連続エピトープ」は、その3次構造により抗体によって認識されるエピトープである。これらのエピトープを構成する残基は、一次アミノ酸配列で連続的でなくても良いが、この分子の3次構造で互いに近接する。線状エピトープ及び高次構造エピトープは、一般に、タンパク質が変性される、断片化される、又は還元されるときに異なって挙動する。特定の実施形態では、高次構造エピトープは、タンパク質の一形態、例えば、RSV Fタンパク質の融合前高次構造で見られることがあるが、別の高次構造、例えば、RSV Fタンパク質の融合後高次構造では見られない。タンパク質の断片化又はそのジスルフィド結合の還元は、多くの場合、高次構造エピトープを破壊する。
「結合親和性」は、一般に、分子(例えば、抗体)の1つの結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有結合性の相互作用全体の強度を指す。特段の記載がない限り、本明細書で使用される「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(KD)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当技術分野で公知の一般的な方法によって測定することができる。低親和性の抗体は、一般に、抗原にゆっくりと結合して容易に解離する傾向にあるが、高親和性の抗体は、一般に、抗原により迅速に結合し、結合を長く維持する傾向にある。結合親和性を測定する様々な方法が当技術分野で公知であり、いずれも本開示のために使用することができる。特定の例示的な実施形態を以下に説明する。
本明細書で使用される「免疫原性組成物」という語は、RSV抗体を含むあらゆる医薬組成物を指し、この組成物は、対象のRSV感染に関連した疾患及び状態を予防又は治療するために使用することができる。好ましい免疫原性組成物は、RSVに対する免疫応答を誘発する、刺激する、又は促進することができる。
「組成物」又は「医薬組成物」という語は、例えば、治療を必要とする対象、例えば、RSVウイルスに感染したヒト対象に投与される薬学的に許容され得る担体、賦形剤、又は希釈剤と共に、本明細書で提供される単離されたポリペプチドを含む組成物を指す。
「薬学的に許容され得る(製薬上許容可能)」という語は、妥当な利益/リスク比に見合った、過度の毒性又は他の合併症のない、ヒト及び動物の組織との接触に適した、健全な医療診断の範囲内にある組成物を指す。
「対象(被験体)」という語は、本明細書で提供される単離されたポリペプチドを含む組成物を用いた治療を必要とするあらゆる対象、特に哺乳動物対象を意味する。哺乳動物対象としては、限定されるものではないが、ヒト、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、畜牛、クマ、乳牛、類人猿、サル、オランウータン、及びチンパンジーなどが挙げられる。一実施形態では、対象はヒト対象である。
RSV Fタンパク質
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、パラミクソウイルス(Paramyxoviridae)科のニューモウイルス(Pneumovirus)属に属する。ウイルスゲノムは、11のタンパク質をコードする負の極性の一本鎖RNA分子からなる。これらのタンパク質のうちの2つは、ビリオンの主要表面糖タンパク質、即ち(i)ウイルスの細胞表面への結合を媒介する付着タンパク質(G)、及び(ii)ウイルスの侵入の際にウイルスと細胞膜との融合を促進するとともに、感染細胞の膜と周囲細胞との融合も促進して合胞体を形成する融合タンパク質(F)である。2つの主要な抗原グループ、AとBは、最も優勢なグループAと、主にGタンパク質における差異によって区別される。
RSV−Fタンパク質は、ホモ三量体として構築されるI型糖タンパク質である。各単量体は、2つの多塩基部位(I及びII)で切断されて融合能を獲得する必要がある不活性前駆体(F0)として合成される。Fタンパク質は、ウイルスが標的膜に結合するまで、ウイルス粒子中で準安定の融合前高次構造をとる。次いで、Fタンパク質は、活性化されて一連の高次構造の変化が開始され、これにより、適切なタイミング及び適切な場所で融合が起こる。融合後、Fタンパク質は、各単量体からの2つの7残基反復配列(HR1及びHR2)の配列から構成される、6へリックスバンドル(6HB)の形成によって主に決定される非常に安定した融合後高次構造を獲得する。融合前構造から融合後構造へのFタンパク質の変化の際に放出される自由エネルギーが、膜融合のプロセスを促進する。
「RSV−Fタンパク質」という語は、RSVウイルス、及びその断片、変異体、類似体、又は誘導体から自然発生的に又は組換え的に形成される完全長Fタンパク質を指す。RSV Fタンパク質は、融合前高次構造又は融合後高次構造であり得る。特定の実施形態では、RSVウイルスは、ヒトRSVウイルスである。特定の実施形態では、RSVウイルスは、亜型Aである。特定の一実施形態では、RSV亜型AはRSV A2である。他の実施形態では、RSVウイルスは、亜型Bである。特定の一実施形態では、RSV亜型BはRSV18537である。別の特定の実施形態では、RSV亜型BはRSVB9320である。
「デノボFタンパク質」又は「融合前Fタンパク質」という語は、その融合前構造のRSV−Fタンパク質を指す。未変性のトリガされていないRSV−Fタンパク質が準安定状態で存在し、この状態が、熱エネルギーの増加、例えば、55℃〜60℃での10〜15分間の加熱などによってより安定した融合6へリックスバンドル高次構造にインビトロで変換され得ることが分かっている。
代表的なRSV−A(株A2)及びRSV−B(株18537)Fタンパク質配列を以下に示す。予想されるシグナルペプチドは、二重下線が付され、mAb D25のエピトープを含むことが確認された領域は、一重下線が付されている。
株A2由来のRSV−A Fタンパク質配列(配列番号1)
>gi|2627305|gb|AAB86664.1|融合F糖タンパク質前駆体[ヒト呼吸器合胞体ウイルス]
Figure 2016508503
株18537由来のRSV−B Fタンパク質配列(配列番号2)
>gi|222565|dbj|BAA00240.1|融合タンパク質前駆体[ヒト呼吸器合胞体ウイルス]
Figure 2016508503
抗RSV抗体D25
「モノクローナル抗体D25」又は「mAb D25」という語は、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられる国際公開第2008/147196号パンフレットに既に記載されている、「D25」と称される抗RSVモノクローナル抗体並びにその抗原結合断片、変異体、誘導体、及び/又は類似体を指す。
また、D25 mAbの断片、誘導体、類似体、又は変異体、及びこれらの任意の組み合わせも含まれる。D25 mAbに関する場合の「断片(フラグメント)」、「変異体」、「誘導体」、及び「類似体」という語は、本発明の対応する抗体又は抗体ポリペプチドの少なくとも一部の抗原結合特性を維持しているあらゆるポリペプチドを指す。断片は、本明細書の他で論じられる特定の抗体断片に加えて、タンパク分解断片及び欠失断片を含む。D25 mAbの変異体は、上述の断片、及びアミノ酸の置換、欠失、又は挿入によってアミノ酸配列が変更されたポリペプチドも含む。変異体は、自然発生的又は非自然発生的に起こり得る。変異体抗体は、連続的又は不連続的なアミノ酸の置換、欠失、又は付加を含み得る。本明細書で使用される、D25 mAbの「誘導体」は、官能性側基(functional side group)の反応によって化学的に誘導体化された1つ以上の残基を有する抗体又はその断片を指す。D25 mAbの類似体は、類似性を有する。これは、例えば、本明細書で提供される高次構造エピトープに結合するD25類似体のペプチドライブラリー又はファージディスプレイライブラリーのスクリーニングによって行われる。
RSV−Fタンパク質のエピトープ
実施例で実証されるように、mAb D25は、融合前形態のRSV Fタンパク質の高次構造エピトープに結合する。D25は、可溶性Fタンパク質にはあまり結合しない。D25は、未固定RSV感染細胞の表面に結合するが、固定感染細胞には結合しない。加えて、D25は、加熱された、即ち、RSV Fタンパク質が融合後高次構造をとるようになるインビトロ処置を受けた感染細胞の表面には結合しない。
この開示は、配列番号7のアミノ酸1〜34(即ち、配列番号1のアミノ酸195〜228)又は配列番号9のアミノ酸1〜34(即ち、配列番号2のアミノ酸195〜228)のうちの少なくとも6つのアミノ酸を含む、呼吸器合胞体ウイルス融合(RSV F)タンパク質の表面の高次構造エピトープを提供する。本明細書で提供されるように、このエピトープを含むRSV Fタンパク質は、融合前高次構造である場合は、モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、類似体、変異体、もしくは誘導体によって特異的に結合され得る。
特定の実施形態では、本明細書で提供される高次構造エピトープを含む融合前高次構造のRSV Fタンパク質は、配列番号12、配列番号13、又は配列番号14(MARM変異体)のアミノ酸配列を含むRSV Fタンパク質よりも少なくとも100倍高い親和性で、モノクローナル抗体D25、又はその断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって結合され得る。
本明細書で提供される高次構造エピトープは、例えば、RSV株A2に由来するヒトRSV亜型A Fタンパク質、又は、例えば、RSV株18537に由来するヒトRSV亜型B Fタンパク質の表面に存在し得る。
また、本明細書で提供される上記の高次構造エピトープを含む単離構造も提供され、このエピトープは、モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体に特異的に結合する。特定の実施形態では、この構造は結晶構造である。
また、本明細書で提供される高次構造エピトープを含む単離された融合タンパク質も提供される。特定の実施形態では、この融合タンパク質は、配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34及びポリペプチド足場を含む、これらからなる、又は実質的にこれらからなるRSV Fタンパク質断片を含む。特定の実施形態では、この融合タンパク質は、モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって特異的に結合され得る高次構造に拘束される。特定の実施形態では、この足場は、表面露出外被タンパク質を含み得る。一部の実施形態では、この表面露出外被タンパク質は、プロテアーゼインヒビター、例えば、Kunitz属又はカボチャ属のプロテアーゼインヒビターの1つである。特定の実施形態では、足場タンパク質は、テッポウウリ(Ecballium elaterium)トリプシンインヒビターII(EETI−II)である。Christmann,et al.Protein Eng.12:797−806(1999)。特定の実施形態では、EETI−IIのインヒビターループは、配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34によって置換される。特定の実施形態では、融合タンパク質は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。
本明細書で提供されるどのポリペプチドも、融合ペプチドの一部であり得、RSV−Fエピトープは、構造的足場に高次構造的に拘束される。融合ペプチドは、リンカー配列を含んでも良いし、又は含まなくても良い。一部の実施形態では、エピトープは、表面露出外被タンパク質に融合する。
一実施形態では、EETI−IIのインヒビターループ(残基3〜8に対応する)は、配列番号1又は配列番号2の残基195〜228によって置換される。より具体的な実施形態では、RSV−Fタンパク質の位置212のシステインが置換される。
また、上述の任意の融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチドも提供される。さらに、ポリヌクレオチドを含むベクター、例えば、発現ベクター、及びポリヌクレオチド又はベクターを含む宿主細胞も提供される。
本明細書に記載される融合ペプチドを含む組換えRSV抗原も提供される。特定の実施形態では、本明細書で提供される融合タンパク質は、免疫原性組成物として製剤することができ、この免疫原性組成物は、これを必要とする対象に投与されると、RSVに対する免疫応答を誘発することができる。特定の実施形態では、免疫原性組成物は、1つ以上の担体、賦形剤、又はアジュバントを含む。
本開示の組成物は、既知の方法に従って製剤することができる。適切な製剤方法は、例えば、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられるRemington’s Pharmaceutical Sciences,19th Edition,A.R.Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA(1995)に記載されている。組成物は、限定されるものではないが、水溶液、エマルション、ゲル、懸濁液、凍結乾燥形態、又は当技術分野で公知の任意の他の形態を含む様々な形態にすることができる。加えて、この組成物は、例えば、希釈剤、結合剤、安定剤、及び防腐剤を含む薬学的に許容され得る添加剤を含み得る。製剤されると、本明細書で提供される組成物は、対象に直接投与することができる。
本明細書で提供される組成物と共に使用することができる担体は、当技術分野で周知であり、限定されるものではないが、例えば、サイログロブリン、アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン、破傷風トキソイド、及びポリアミノ酸、例えば、ポリL−リジン、ポリL−グルタミン酸、インフルエンザ、及びB型肝炎ウイルスコアタンパク質などを含む。様々な水性担体、例えば、水、緩衝用水、0.8%生理食塩水、0.3%グリシン、及びヒアルロン酸などを使用することができる。組成物は、従来の周知の滅菌技術によって滅菌しても良いし、又は滅菌濾過しても良い。得られる組成物は、そのまま使用するためにパッケージングしても良いし、又は凍結乾燥しても良く、この凍結乾燥製剤は、投与の前に滅菌溶液と混合される。組成物は、生理的状態に近づけるために必要な薬学的に許容され得る補助物質、例えば、pH調整及び緩衝剤、等張調整剤、及び湿潤剤など、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、ソルビタンラウリン酸モノエステル、オレイン酸トリエタノールアミンなどを含み得る。
特定の実施形態では、本明細書で提供される融合タンパク質は、本明細書に記載される同じ高次構造エピトープに結合する、従って、D25 mAbに類似した抗RSV−Fタンパク質抗体を同定する方法に使用することができる。例えば、融合タンパク質は、この融合タンパク質には結合するが、足場タンパク質のみには結合しない抗体について、抗体ライブラリーをスクリーニングするために使用することができる。特定の抗原に特異的に結合する抗体の抗体ライブラリー及びこのような抗体をパニング及び/又はスクリーニングする方法は、当業者には周知である。
実施形態に使用される一部のRSV−Fエピトープ配列を以下の表1に列記する。
表1.RSV−Fタンパク質構築物の7残基反復配列
1A.HR1xHR2(配列番号3)− RSV A2 Fタンパク質のアミノ酸153−221(太線)及びアミノ酸476−520(イタリック体)を含む。
Figure 2016508503
1B.HR1(配列番号4)− RSV A2 Fタンパク質のアミノ酸153−221(太線)を含む。
Figure 2016508503
1C.SK−エピトープ − RSV A2 Fタンパク質HR1領域のアミノ酸195−211(太線で示され、下線が付されている)、及びEETI−IIのインヒビターループ(図8)を置換する、RSV Fタンパク質の続くアミノ酸212−228(二重線、C212S変異を含む)を含む。
Figure 2016508503
本発明の実施は、特段の記載がない限り、当業者の技術の範囲内である、細胞生物学、細胞培養、分子生物学、遺伝子組換え生物学、微生物学、組換えDNA、及び免疫学の従来の技術を利用することになる。このような技術は、文献に十分に説明されている。例えば、Sambrook et al.,ed.(1989)Molecular Cloning A Laboratory Manual(2nd ed.;Cold Spring Harbor Laboratory Press);Sambrook et al.,ed.(1992)Molecular Cloning:A Laboratory Manual,(Cold Springs Harbor Laboratory,NY);D.N.Glover ed.,(1985)DNA Cloning,Volumes I and II;Gait,ed.(1984)Oligonucleotide Synthesis;Mullis et al.U.S.Pat.No.4,683,195;Hames and Higgins,eds.(1984)Nucleic Acid Hybridization;Hames and Higgins,eds.(1984)Transcription And Translation;Freshney(1987)Culture Of Animal Cells(Alan R.Liss,Inc.);Immobilized Cells And Enzymes(IRL Press)(1986);Perbal(1984)A Practical Guide To Molecular Cloning;the treatise,Methods In Enzymology(Academic Press,Inc.,N.Y.);Miller and Calos eds.(1987)Gene Transfer Vectors For Mammalian Cells,(Cold Spring Harbor Laboratory);Wu et al.,eds.,Methods In Enzymology,Vols.154 and 155;Mayer and Walker,eds.(1987)Immunochemical Methods In Cell And Molecular Biology(Academic Press,London);Weir and Blackwell,eds.,(1986)Handbook Of Experimental Immunology,Volumes I−IV;Manipulating the Mouse Embryo,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,(1986);及びin Ausubel et al.(1989)Current Protocols in Molecular Biology(John Wiley and Sons,Baltimore,Md.)を参照されたい。
抗体工学の一般的な原理は、Borrebaeck,ed.(1995)Antibody Engineering(2nd ed.;Oxford Univ.Press)に説明されている。タンパク質工学の一般的な原理は、Rickwood et al.,eds.(1995)Protein Engineering,A Practical Approach(IRL Press at Oxford Univ.Press,Oxford,Eng.)に説明されている。抗体及び抗体とハプテンの結合の一般的な原理は、Nisonoff(1984)Molecular Immunology(2nd ed.;Sinauer Associates,Sunderland,Mass.);及びSteward(1984)Antibodies,Their Structure and Function(Chapman and Hall,New York,N.Y.)に説明されている。加えて、当技術分野で公知であるが、具体的に記載されていない免疫学における標準的な方法は、一般に、Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,New York;Stites et al.,eds.(1994)Basic and Clinical Immunology(8th ed;Appleton&Lange,Norwalk,Conn.)及びMishell and Shiigi(eds)(1980)Selected Methods in Cellular Immunology(W.H.Freeman and Co.,NY)に説明されている。
免疫学の一般的な原理を説明する標準的な参考文献として、Current Protocols in Immunology,John Wiley&Sons,New York;Klein(1982)J.,Immunology:The Science of Self−Nonself Discrimination(John Wiley&Sons,NY);Kennett et al.,eds.(1980)Monoclonal Antibodies,Hybridoma:A New Dimension in Biological Analyses(Plenum Press,NY);Campbell(1984)“Monoclonal Antibody Technology”in Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology,ed.Burden et al.,(Elsevere,Amsterdam);Goldsby et al.,eds.(2000)Kuby Immunnology(4th ed.;H.Freemand&Co.);Roitt et al.(2001)Immunology(6th ed.;London:Mosby);Abbas et al.(2005)Cellular and Molecular Immunology(5th ed.;Elsevier Health Sciences Division);Kontermann and Dubel(2001)Antibody Engineering(Springer Verlan);Sambrook and Russell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Lewin(2003)Genes VIII(Prentice Hall2003);Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Press);Dieffenbach and Dveksler(2003)PCR Primer(Cold Spring Harbor Press)が挙げられる。
上記の全ての参考文献及び本明細書で言及される全ての参考文献は、参照によりそれらの全内容が本明細書に組み入れられる。
以下の実施例は、限定のためではなく例示のために記載される。
実施例1
D25は融合前形態のRSV−Fタンパク質を発現する細胞に結合する
抗体D25によって認識される中和エピトープに結合するための要件を理解するため、多数の戦略を利用した。
まず、D25が融合前又は融合後高次構造のRSV−Fタンパク質に結合するか否かを決定するために、ELISAアッセイを行って、RSV−A2ウイルス(ATCC VR−1540)に感染したアセトン固定又は未固定HEp−2細胞へのD25の結合を試験した。他の2つの抗RSV−Fタンパク質モノクローナル抗体、即ち、パリビズマブ及びモタビズマブの結合も試験した。R347を、結合の負の対照として使用した。
HEp2(ATCC CCL−23)を、96ウェルプレートにおいて、5%FBSが添加されたEMEM培地で90%コンフルエンスになるまで増殖させた。細胞を、RSV A2ウイルス(ATCC VR−1540)の0.5〜1.0(約5×104の総細胞数/ウェルと仮定)の複数の感染によって感染させた。感染の24時間後、培地を除去し、細胞を、乾燥させることによって(未固定)、又は80%アセトンで20分間処置してから乾燥させることによってプレートに固定した。感染細胞の層を、1%カゼインブロック(Thermo)で1時間ブロックしてから、1000ng/ml〜1ng/mlの範囲のカゼインで希釈した抗体と共にインキュベートした。抗体を、室温で1時間インキュベートし、PBS/0.1%Tween−20で洗浄し、抗ヒトHRPコンジュゲート抗体(Jackson Immuno−research)の1:10000の希釈物と共に、室温で1時間インキュベートした。プレートを洗浄し、SureBlue Reserve試薬(KPL)を用いて発色させた。450nmで吸光度を測定した。
図1Aに示されているように、D25は、未固定RSV−A2感染HEp−2細胞に濃度依存的に結合したが、アセトン固定RSV−A2感染HEp−2細胞(図1B)への結合は殆ど示されず、その一方、パリビズマブ及びモタビズマブは、固定細胞及び未固定細胞の両方に同様に結合した。
実施例2
D25は熱処理RSV−Fタンパク質に結合しない
D25が、融合前RSV−Fタンパク質の高次構造エピトープのみを認識することを確認するために、Eu3+標識D25の結合を、融合前形態を示す非加熱デノボRSV−Fタンパク質、又は融合後形態をとる加熱(反転)RSV−Fタンパク質について試験した。
テトラサイクリン誘導プロモーターの下でRSV A2 Fタンパク質配列を発現する安定にトランスフェクトされた293株(TREX−F細胞)は、参照によりその全内容が本明細書に組み入れられるHuang,K.et.al.,Virus Genes 40:212−221(2010)に既に記載されている。モタビズマブ、D25、及びR347(負の対照として)を、Delfia Eu−N1−ITC標識キレートを用いてEu3+標識し、製造者(Perkin Elmer)の指示に従って特徴付けた。TREx−F細胞をコンフルエンスになるまで増殖させ、Fタンパク質の発現を、誘導後20時間、15μg/mlのテトラサイクリンで誘導した。次いで、細胞を収集し、50%培地/50%LR結合バッファー(Trisベースの緩衝液系、Perkin Elmer)中、約1×107の生細胞/mlとなるように再懸濁した。細胞を、氷上で維持するか、又は水槽で15分間、55℃で処置した。約1×105の細胞を、100μlの反応量のLR結合バッファー中、25 nM Eu3+標識モタビズマブ、D25、又はR347と混合した。細胞とモノクローナル抗体を、4℃で1時間インキュベートし、次いで、Pall GHP真空濾過プレートに添加した。非結合モノクローナル抗体を、Delfia Assay Wash Buffer(Perkin Elmer)を含む200μlの洗浄液で5回洗い流し、Eu3+蛍光を、200μlのEnhancement Solution(Perkin Elmer)の添加で放出させた。軽く振盪させながら37℃で1時間インキュベートした後に、時間分解蛍光をEnvision Reader(Perkin Elmer)で測定した。Eu3+カウントを、結合ng IgGに変換し、特定の結合モタビズマブ又はD25を、全ての結合からR347非特異的結合を減じることによって計算した。
図2に示されているように、RSV−F発現293細胞の55℃で15分間の加熱により、D25の細胞への結合がほぼ完全に消失したが(図2B)、モタビズマブの結合の減少はほんの僅かであった(図2A)。従って、この細胞結合アッセイの結果は、融合前形態のRSV−Fタンパク質のみに存在する高次構造エピトープにD25が結合することを裏付けている。
実施例3
バイオレイヤー干渉分析によるD25結合試験
バイオレイヤー干渉分析を使用して、D25のRSV−Fタンパク質への結合に対する、加熱又は4℃での長期保存によるRSV−Fタンパク質の高次構造の変化の影響を決定した。
図3Aに例示されているように、加熱の影響を試験するために、RSV−Fタンパク質の規定C部位に反応するモノクローナル抗体1331H(Yunus et al.,Virology,396(2):226−237(2010);Beeler and Coelingh,Journal of Virology,63(7):2941−2950(1989))を、抗マウスFc捕捉センサ(ForteBio)に結合させた。このセンサをまず、60℃で10分間加熱されたRSV−Fタンパク質又は非加熱(デノボ)のRSV−Fタンパク質と共にインキュベートし、次いで、モタビズマブ、R347(負の対照)を含むウェルに移した。抗体のセンサ+1331H+sFの複合体への結合は、nmの光の変化(Δnm)である信号測定値の振れとして検出した。
図3Bに示されているように、実施例2の細胞結合の結果に一致して、RSV−Fタンパク質に結合するD25は、Fタンパク質が加熱されるとほぼ完全に消失したが、モタビズマブは、デノボ及び加熱RSV−Fタンパク質の両方に結合した。
同様に、4℃での長期保存の影響を試験するために、センサ+1331Hの複合体をまず、CD CHO培地中、4℃で6〜7週間保存したRSV−Fタンパク質又は保存しなかったRSV−Fタンパク質と共にインキュベートし、次いで、D25又はモタビズマブを含むウェルに移し、Δnmを測定した。
図4は、CD CHO培地中、4℃で保存したときに、恐らくFタンパク質の高次構造の変化により、D25のRSV−Fタンパク質への結合がゆっくりと減少したことを示している。対照的に、モタビズマブは、4℃で7週間の保存後も結合の減少を示さず、モタビズマブが非高次構造エピトープを認識するという知見に一致していた。
総合すると、これらのバイオレイヤー干渉分析実験は、D25が、融合前形態のRSV−Fタンパク質で存在する高次構造エピトープに反応することをさらに裏付けている。
実施例4
D25は抗6へリックスバンドル抗体と競合しない
特に、D25が、十分に特徴付けられたエピトープ領域を有する他のRSV抗体と競合するか否かを試験するために、バイオレイヤー干渉分析を使用して、D25エピトープの位置をさらに決定した。
図5Aに例示されているように、D25、モタビズマブ、又は負の対照抗体R347が、1.5μg/mlの濃度で抗ヒトIgG Fc捕捉センサ(ForteBio)に結合した。センサを、キネティックバッファー(kinetics buffer)(ForteBio)を含むウェルに移して基準値を定めてから、60℃に10分間加熱されたsF含有CHO培地又は未処理のsF含有CHO培地のいずれかを含むウェルに移した。センサを、融合後形態のRSV−Fタンパク質の6へリックスバンドルに反応する30μg/mlのアフィニティー精製ウサギポリクローナルIgG、又は15μg/mlのmAb 1331H、即ち、RSV−Fタンパク質の規定C部位に反応する抗体を含む次のウェルに移した(Yunus et al.,Virology,396(2):226−237(2010);Beeler and Coelingh,Journal of Virology,63(7):2941−2950(1989))。全ての結合曲線は、負の対照抗体に対して減じられた基線とした。タンパク質のセンサへの結合は、nmの光の変化(Δnm)である信号測定値の振れとして検出した。
図5Bに示されている結果は、D25が非加熱(融合前)RSV−Fタンパク質には結合するが、ウサギ抗6へリックスバンドル(6xHB)抗体に対して強い結合性を有する加熱処理(融合後)Fタンパク質には結合しないことを裏付けている。図5Bのインサートは、D25と1331Hとが、融合前形態のRSV−Fタンパク質における異なるエピトープを認識することを示している。
実施例5
D25は抗原部位A、B、又はCに結合する抗体と競合しない
RSV−Fタンパク質は、一般に述べられている少なくとも6つの異なる中和抗原部位を有する。既に同定された抗RSVモノクローナル抗体、パリビズマブ(SYNAGIS(登録商標))、モタビズマブ、1153、1121、13/19、92−11C、131−2A、1331H、及び1308Fは、図6に例示されているように十分に特徴付けられた抗原部位A/II、B/I、又はCに結合する。
D25が、これらの十分に特徴付けられた抗原領域のうちのいずれか1つに結合するか否かを決定するために、競合結合アッセイを行って、前述の抗RSV抗体のいずれかが、その抗原部位についてD25と競合するか否かを試験した。100ng/mlのビオチン標識D25抗体を、全ての結合アッセイに使用した。非標識D25を正の対照として使用し、R347を負の対照として使用した。吸光度を450nmで測定した。
図7A〜図7Cに示されているように、抗原部位A、B、又はCに結合することが知られている抗体のいずれも、RSV−Fタンパク質へのその結合についてD25と競合することができず、D25が部位AB、又はCに結合しないことを示唆した。他方、図7Dに示されているように、未知の抗原部位、即ち、AM22及びAM23を含む少数の抗RSV−F抗体は、結合アッセイでD25と効果的に競合し、AM22及びAM23のエピトープとのD25のエピトープの重複を示唆した。AM23は、AM22よりもD25とより効果的に競合し、AM23のエピトープがD25のエピトープにより類似している可能性を示唆した。
AM22及びAM23はそれぞれ、米国特許出願公開第2012/0070446 A1号明細書及び同第2010/0239593 A1号明細書に既に開示されていた。AM23は、1つの臨床分離株(CP096−B15)を除き、どのRSV−B株も中和しないことが既に分かっていた。また、アミノ酸209は、AM23の中和活性に重要であることも分かっていた(図8)。総合すると、これらの結果は、D25が、アミノ酸209を含む抗原性領域に結合し得ることを示唆している。
実施例6
D25エピトープのマッピング
この実施例は、RSF−Fタンパク質のどのアミノ酸がD25の結合にとって重要であるかをさらに決定するために、D25によって中和され得ない一連のモノクローナル抗体耐性変異体(MARM)の作製を報告する。
この分析は、RSVウイルスのA分離株及びB分離株に対して行った。簡単に述べると、1〜5×106pfu/mlのRSV A2ウイルス又はRSV B 18537ウイルスを、450ng/ml(200×IC50)のD25 mAbで1時間インキュベートしてから、24ウェルプレートのコンフルエントHEp2細胞に感染させた。感染から最大6日後、プレートを凍結させ、そして解凍してウイルスを放出させ、このプロセスの上清を、新しいHep2細胞のコンフルエント層で継代し、450ng/mlのD25と共に2時間インキュベートした。上記のように第2の継代に対して第3の継代を行った。3回の選択後のウイルス収量は、A2ウイルスで8×105〜3×106であり、Bウイルスで1.3×104〜5×104であった。第3の継代後、細胞を保持し、溶解し、全RNAを細胞から単離した。Fタンパク質遺伝子をPCRによって増幅し、配列決定した。
8つのD25 MARMS(RSV MARM A1〜A5及びB1〜B3)を単離した。MARM A1〜A5は、同じ変異を有することが分かった(図9)。MARM B2及びB3は、同じ変異を有することが分かった(図9)。
RSV MARM A1、B1、及びB2の変異Fタンパク質は、以下及び図10Aに示される。シグナルペプチドには、二重下線が付され、野生型RSV F A2タンパク質の高次構造エピトープを含む領域には下線が付されている。各変異についての変異アミノ酸は、太字で示されている。
MARM A1 Fタンパク質配列(配列番号12)
Figure 2016508503
MARM B1 Fタンパク質配列(配列番号13)
Figure 2016508503
MARM B2 Fタンパク質配列(配列番号14)
Figure 2016508503
変異は、MARM A1変異ウイルスのアミノ酸N208Y、MARM B1変異ウイルスのアミノ酸N201D、及びMARM B2ウイルスのアミノ酸L204Vに位置していた。この領域(上記の配列の下線が付された部分)は、C末端から、タンパク質の融合プロセスに重要なFタンパク質の規定7残基反復配列までである。この同定されたD25エピトープ領域(図10Bに太い白の矢印で示されている部分)は、RSV−Fタンパク質の表面上にある。
配列を以下の表2で比較する。
Figure 2016508503
実施例7
D25 MARMの中和アッセイ
単離されたD25 MARMを試験するためにRSVマイクロ中和アッセイを行った。この試験は、細胞ベースのELISAアッセイであり、このアッセイでは、感染HEp−2細胞を野生型又は変異Fタンパク質の発現に対して染色し、抗体の結合について試験した。
まず、モノクローナル抗体モタビズマブを、全ての同定されたD25 MARMに対する中和活性についてD25と比較した。D25又はモタビズマブの希釈物(1〜1000ng/ml)を中和アッセイに使用し、野生型RSVウイルスを正の対照として使用した。図11に示されているように、モタビズマブは、100ng/ml以下のモタビズマブを用いると、野生型RSVウイルス及び全てのD25 MARMの両方を中和することができたが(図11C及び図11D)、D25は、1〜1000g/mlの量を使用すると、野生型ウイルスのみを中和することができたが、いずれのMARMも中和することができなかった(図11A及び図11B)。
D25とパリビズマブとの中和活性を比較する同様の実験を行った。D25又はパリビズマブの希釈物(0.01μg/ml〜10mg/ml)をマイクロ中和アッセイに使用し、野生型RSVウイルスを正の対照として使用した。図12に示されているように、約1μg/mlのD25は、野生型RSVウイルスを中和することができ、約100μg/mlのパリビズマブは、3つ全てのD25 MARMを中和することができた。D25 MARM B1及びMARM B2の両方は、D25の中和に対して完全に感受性がなく(図13B及び図13C)、位置201及び204のアミノ酸がD25の結合に重要であることを示唆した。他方、D25は、A2 MARMを中和できたが、野生型A2を中和するために必要な濃度よりも、最小でも100倍高い濃度であった。
実施例8
HR1及びSKエピトープの作製
実施例5で言及したように、D25の結合に重要な同定された領域は、C末端から、タンパク質の融合プロセスに重要なFタンパク質の規定HR1までである。従って、HR1領域(図1B)を含む構築物を、D25の結合を試験するために作製した。
さらに、拘束された構造における7残基反復配列のC末端の延長及びN末端の切断は、D25エピトープの融合前構造をより反映し得ると思われる。SKエピトープと呼ばれるこの構築物は、図13に例示されているように、テッポウウリ(Ecballium elaterium)トリプシンインヒビターII(EETI−II)のスカッシュノット(squash knot)(SK)構築物の第1のループにおけるA2由来のRSV−Fタンパク質のアミノ酸195〜228を含む。RSV−Fタンパク質の位置212のシステインは、セリンによって置換されていた。
これらの構築物を、大腸菌(E.coli)で発現させ、タンパク質を結合アッセイのために精製した。
実施例9
D25はHR1領域よりもSKエピトープにより強く結合する
D25のSKエピトープに対する結合親和性とHR1領域に対する結合親和性とを比較するために、バイオレイヤー干渉分析を行った。D25を、1.5625nM〜100nMの範囲の濃度で抗ヒトIgG Fc捕捉センサに適用した。センサをキネティックバッファーに移して基準値を設定し、次いで、HR1断片又はSKエピトープ構築物のいずれかを含むウェルに移した。
図14に示されているように、D25は、濃度依存的にHR1及びSKエピトープの両方に結合した。しかしながら、D25は、計算したKD値によって示されているように、HR1よりもSKエピトープに対して高い親和性を示した(SKエピトープの58.5pMに対してHR1の1.9nM)。
本開示は、その個々の態様の1つの例示であることを意図した、記載される特定の実施形態によって範囲が限定されるものではなく、機能的に均等である全ての組成物又は方法は、本開示の範囲内である。実際、本明細書に図示及び記載されているものだけではなく、本開示の様々な変更形態が、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。このような変更形態は、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。

Claims (20)

  1. 配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34のうちの少なくとも6つのアミノ酸を含む、呼吸器合胞体ウイルス融合(RSV F)タンパク質の表面における高次構造エピトープであって、前記エピトープを含むRSV Fタンパク質はモノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって特異的に結合されることができ、ただし前記RSV Fタンパク質は融合前高次構造であることを条件とする、高次構造エピトープ。
  2. 前記エピトープを含む融合前高次構造のRSV Fタンパク質が、配列番号12、配列番号13、又は配列番号14のアミノ酸配列を含むRSV Fタンパク質よりも少なくとも100倍高い親和性でモノクローナル抗体D25又はその断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって結合され得る、請求項1に記載の高次構造エピトープ。
  3. 前記エピトープが、ヒトRSV亜型A Fタンパク質の表面に存在する、請求項1又は2に記載の高次構造エピトープ。
  4. 前記エピトープが、ヒトRSV亜型B Fタンパク質の表面に存在する、請求項1又は2に記載の高次構造エピトープ。
  5. mAb D25による前記エピトープへの結合が、加熱、長期保存、固定、又は変性によって変更又は破壊される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の高次構造エピトープ。
  6. 前記Fタンパク質の7残基反復配列のC末端である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の高次構造エピトープ。
  7. 単離された構造であって、
    (a)配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34のうちの少なくとも6つのアミノ酸;及び
    (b)モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体
    を含み、前記(a)が前記(b)に特異的に結合する、構造。
  8. 結晶構造である、請求項7に記載の構造。
  9. 単離された融合タンパク質であって、
    (a)配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34から実質的になるRSV Fタンパク質断片;及び
    (b)ポリペプチド足場
    を含み、前記融合タンパク質が、モノクローナル抗体D25又はその抗原結合断片、変異体、類似体、もしくは誘導体によって特異的に結合され得る高次構造に拘束されている、融合タンパク質。
  10. 前記足場が、表面露出外被タンパク質を含む、請求項9に記載の融合タンパク質。
  11. 前記表面露出外被タンパク質がプロテアーゼインヒビターである、請求項10に記載の融合タンパク質。
  12. 前記プロテアーゼインヒビターが、カボチャ属プロテアーゼインヒビターである、請求項11に記載の融合タンパク質。
  13. 前記プロテアーゼインヒビターが、テッポウウリ(Ecballium elaterium)トリプシンインヒビターII(EETI−II)である、請求項12に記載の融合タンパク質。
  14. 前記EETI−IIのインヒビターループが、配列番号7のアミノ酸1〜34又は配列番号9のアミノ酸1〜34によって置換されている、請求項13に記載の融合タンパク質。
  15. 配列番号5の配列を含む、請求項14に記載の融合タンパク質。
  16. 請求項9〜15のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする単離されたポリヌクレオチド。
  17. 請求項16に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  18. 請求項16に記載のポリヌクレオチド又は請求項17に記載のベクターを含む宿主細胞。
  19. 請求項9〜15のいずれか一項に記載の融合タンパク質及び担体を含む免疫原性組成物。
  20. 抗RSV Fタンパク質抗体を同定するための方法であって、請求項9〜15のいずれか一項に記載の融合タンパク質に結合するが、足場のみには結合しない抗体について抗体ライブラリーをスクリーニングするステップを含む、方法。
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