JP2016507588A - 非イオン性有機ポリマーおよび電気陽性表面の存在下でのタンパク質精製 - Google Patents

非イオン性有機ポリマーおよび電気陽性表面の存在下でのタンパク質精製 Download PDF

Info

Publication number
JP2016507588A
JP2016507588A JP2015559216A JP2015559216A JP2016507588A JP 2016507588 A JP2016507588 A JP 2016507588A JP 2015559216 A JP2015559216 A JP 2015559216A JP 2015559216 A JP2015559216 A JP 2015559216A JP 2016507588 A JP2016507588 A JP 2016507588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electropositive
particles
membrane
salt
desired protein
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015559216A
Other languages
English (en)
Inventor
ピーター スタンレー ガニョン
ピーター スタンレー ガニョン
Original Assignee
エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ filed Critical エイジェンシー・フォー・サイエンス,テクノロジー・アンド・リサーチ
Publication of JP2016507588A publication Critical patent/JP2016507588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/16Extraction; Separation; Purification by chromatography
    • C07K1/165Extraction; Separation; Purification by chromatography mixed-mode chromatography
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/30Extraction; Separation; Purification by precipitation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/36Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving ionic interaction
    • B01D15/361Ion-exchange
    • B01D15/363Anion-exchange
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K1/00General methods for the preparation of peptides, i.e. processes for the organic chemical preparation of peptides or proteins of any length
    • C07K1/14Extraction; Separation; Purification
    • C07K1/30Extraction; Separation; Purification by precipitation
    • C07K1/303Extraction; Separation; Purification by precipitation by salting out
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/30Partition chromatography
    • B01D15/305Hydrophilic interaction chromatography [HILIC]
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D15/00Separating processes involving the treatment of liquids with solid sorbents; Apparatus therefor
    • B01D15/08Selective adsorption, e.g. chromatography
    • B01D15/26Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism
    • B01D15/38Selective adsorption, e.g. chromatography characterised by the separation mechanism involving specific interaction not covered by one or more of groups B01D15/265 - B01D15/36
    • B01D15/3847Multimodal interactions

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Abstract

調製物から所望タンパク質を精製する方法は、(a)調製物を、元の産生培地中にあるクロマチンが約5%未満となる形態で提供する工程と、(b)調製物を非イオン性有機ポリマーおよび塩と接触させる工程であって、非イオン性有機ポリマー濃度が、所望タンパク質を析出するか、または、親水性表面上に所望タンパク質を付着させるか、あるいは所望タンパク質を析出状態に維持するか、または、親水性表面上に付着するように維持するのに十分であり、塩の濃度が生理学的条件よりも大きな電導度を生みだすのに十分である工程と、(c)調製物を少なくとも一つの電気陽性表面と接触させる工程であって、任意ではあるが、生理学的条件より大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在下で行われ、従って所望タンパク質が少なくとも一つの電気陽性表面に実質的に吸着しない一方で、少なくとも一つの電気陽性表面に酸性夾雑物が吸着するのを阻止しない工程と、を含む。【選択図】なし

Description

関連出願の声明
本出願は、2013年2月26日に出願した米国仮特許出願番号61/769,416への優先権を主張し、その出願は参照により完全に本明細書中に組み込まれる。
本明細書中に開示される本実施形態は、タンパク質(抗体(例、IgGモノクローナル抗体)を含むもの)の精製方法に関する。非イオン性有機ポリマー(例、ポリエチレングリコール(PEG))を用いるタンパク質析出技術が知られている。この技術は、低塩濃度、追加的塩の非存在下で最もよく使用されるが、例外も知られている(D.Gervaisら、特許文献1;非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。
立体排除クロマトグラフィー技術が知られている(非特許文献4;特許文献2も参照されたい。これらは、参照により本明細書中に組み込まれ、付録Aとして添付される)。この技術は、非イオン性親水性表面上で、所望産物の保持が非イオン性有機ポリマー(例、PEG)により誘導される前記表面を活用する。NaCl濃度上昇が、ウイルス結合効率を上昇させることが報告されている(上記非特許文献4)。高いNaCl濃度の存在下の流動粒子上でこの技術を実施することにより、IgG調製物の回収率と純度を向上させたことが報告されている(非特許文献5)。
陰イオン交換クロマトグラフィーが知られていて、タンパク質精製に広く用いられている。それは、正帯電表面を利用し、塩が無いか又は欠けている水性溶液中に添加される場合、その表面上にタンパク質が自発的に結合する。PEGの存在下で陰イオン交換クロマトグラフィーを実施することが知られている。そこでは、PEGの非存在下よりも、PEGの存在が、より高い塩濃度で、多孔性粒子の陰イオン交換体で充填したカラムから、タンパク質を溶出させる。そして、タンパク質が大きくなればなるほど、そのタンパク質を溶出するのに要求される塩濃度の増加が大きくなる(非特許文献6)。
モノクローナル抗体を含む細胞培養収穫物からクロマチン含有量を減少させる方法が記載されている(非特許文献7)。クロマチンには、ヌクレオソームとして知られる、安定的に結合したDNAおよびヒストンタンパク質が含まれることが知られている。Ganらは、クロマチンとその分解物がまた、抗体との結合物を形成し、それは、次に行われる分画方法の有効性を限定することを報告した。彼らは、99%のクロマチン削減を実現する方法を報告し、そして、その様な削減が陽イオン交換クロマトグラフィーにより得られる精製クオリティーを改善することもさらに報告した。Ganらにより報告された技術のバリエーションが、Gagnonら(2013、上記非特許文献6)により報告され、流動性親水性粒子上で立体排除クロマトグラフィーにより分画されるIgGの回収率と純度を向上させた。
米国特許出願番号2010/0204455A1 PCT/SG2012/000199
K.Ingham、Arch.Biochem.Biophys.、186(1978)106−113 K.Yamamotoら、Virology、40(1970)734−744 S.Branstonら、Biotechnol.Progr.、28(2012)129−136 J.Leeら、J.Chromatogr.A、1270(2012)162−170 P.Gagnonら、J.Chromatogr.A、2014、1324、171−180 P.Gagnonら、J.Chromatogr.A、743(1996)51−55 H.Ganら、J.Chromatogr.A、1291(2013)33−40
調製物から所望タンパク質を精製する方法であって、(a)前記調製物を、元の産生培地中にあるクロマチンが約5%未満となる形態で提供する工程と、(b)前記調製物を非イオン性有機ポリマーおよび塩と接触させる工程であって、非イオン性有機ポリマー濃度が、前記所望タンパク質を析出するか、または、親水性表面上に前記所望タンパク質を付着させるか、あるいは、前記所望タンパク質を析出状態に維持するか、または、前記親水性表面上に付着するように維持するのに十分であり、前記塩の濃度が生理学的条件よりも大きな電導度を生みだすのに十分である工程と、(c)前記調製物を少なくとも一つの電気陽性表面と接触させる工程であって、任意ではあるが、生理学的条件よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在下で行われ、従って、前記所望タンパク質が前記少なくとも一つの電気陽性表面に実質的に吸着しない一方で、前記少なくとも一つの電気陽性表面に酸性夾雑物が吸着するのを阻止しない工程と、を含む方法。
以下の場合に、PEG媒介分画方法が、既知の高機能な方法である生物学的アフィニティークロマトグラフィーよりも高いタンパク質精製度を実現できることが驚くべきことに発見された。その場合とは、前記PEG媒介方法が、クロマチンの少なくとも95%が除去されたコンディションに調整された粗調製物上で実施され、ならびに、前記PEG媒介方法が、析出混合物がより高い濃度の塩を含む少なくとも一つのステージと、少なくとも一つの電気陽性表面が存在する少なくとも一つのステージと、および、PEGおよび所望タンパク質の混合物が塩の相対的非存在下で少なくとも一つの電気陽性表面と接触する少なくとも一つのステージとを含む場合である。
いくつかの実施形態で提供されるのは、クロマチンの少なくとも95%が除去されたコンディションに調整された粗調製物から所望タンパク質を精製する多工程方法であって、(i)正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在と同時に、所望抗体を析出させるのに十分な量の非イオン性有機ポリマーと前記粗調製物を接触させる工程と、(ii)少なくとも一つの電気陽性表面の存在下で、その混合物から塩を減少または除去する工程と、(iii)前記所望タンパク質を析出状態に維持するのに不十分な濃度に前記非イオン性有機ポリマーを減少させる工程と、(iv)前記調製物から前記少なくとも一つの電気陽性表面を分離し、所望ならば追加的分画方法によりさらに精製可能な高精製の所望タンパク質を残す工程と、を含む方法である。一つのそのような実施形態では、前記所望タンパク質はIgGである。
いくつかの実施形態で提供されるのは、クロマチンの少なくとも95%が除去されたコンディションに調整された粗調製物から所望タンパク質を精製する多工程方法であって、(i)正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在と同時に、前記所望タンパク質を析出させるのに十分な量の非イオン性有機ポリマーと前記粗調製物を接触させる工程と、(ii)その混合物から塩を減少または除去する工程と、(iii)少なくとも一つの電気陽性表面の存在下で、前記所望タンパク質を析出状態に維持するのに不十分な濃度に前記非イオン性有機ポリマーを減少させる工程と、(iv)前記調製物から前記少なくとも一つの電気陽性表面を分離し、所望ならば追加的分画方法によりさらに精製可能な高精製タンパク質を残す工程と、を含む方法である。一つのそのような実施形態では、前記所望タンパク質はIgGである。
いくつかの実施形態で提供されるのは、クロマチンの少なくとも99%が除去されたコンディションに調整された粗調製物から所望タンパク質を精製する多工程方法であって、(i)前記所望タンパク質を析出させるのに十分な量の非イオン性有機ポリマーと前記粗調製物を接触させる工程と、(ii)正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な濃度に、塩を、前記コンディションに調整された収穫調製物および非イオン性有機ポリマーの組み合わせ物に加える工程と、(iii)少なくとも一つの電気陽性表面の存在下で、その混合物から塩を減少または除去する工程と、(iv)少なくとも一つの電気陽性表面の存在下で、前記所望タンパク質を析出状態に維持するのに不十分な濃度に前記非イオン性有機ポリマーを減少させる工程と、(v)前記調製物から前記少なくとも一つの電気陽性表面を分離し、所望ならば追加的分画方法によりさらに精製可能な高精製タンパク質を残す工程、とを含む方法である。一つのそのような実施形態では、前記所望タンパク質はIgGである。
いくつかの実施形態で提供されるのは、クロマチンの少なくとも95%が除去されたコンディションに調整された粗調製物から所望タンパク質を精製する多工程方法であって、(i)前記所望タンパク質を析出させるのに十分な量の非イオン性有機ポリマーと前記粗調製物を接触させる工程と、(ii)正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な濃度に、塩を、前記コンディションに調整された収穫調製物および非イオン性有機ポリマーの組み合わせ物に加える工程と、(iii)その混合物から塩を減少または除去する工程と、(iv)少なくとも一つの電気陽性表面の存在下で、前記所望タンパク質を析出状態に維持するのに不十分な濃度に前記非イオン性有機ポリマーを減少させる工程と、(v)前記調製物から前記少なくとも一つの電気陽性表面を分離し、所望ならば追加的分画方法によりさらに精製可能な高精製IgGを残す工程と、を含む方法である。一つのそのような実施形態では、前記所望タンパク質はIgGである。
いくつかの実施形態で提供されるのは、クロマチンの少なくとも95%が除去されたコンディションに調整された粗調製物から所望タンパク質を精製する多工程方法であって、(i)正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在と同時に、前記所望タンパク質を析出させるのに十分な量の非イオン性有機ポリマーと前記粗調製物を接触させる工程と、(ii)その混合物から塩を減少または除去する工程と、(iii)前記所望タンパク質を析出状態に維持するのに不十分な濃度に前記非イオン性有機ポリマーを減少させて、その後、その混合物を少なくとも一つの電気陽性表面と接触させる工程と、(iv)前記調製物から前記少なくとも一つの電気陽性表面を分離し、所望ならば追加的分画方法によりさらに精製可能な高精製タンパク質を残す工程と、を含む方法である。一つのそのような実施形態では、前記タンパク質はIgGである。
いくつかの実施形態では、前記プロセスの少なくとも一つのステージは、所望タンパク質が少なくとも一つの電気陽性表面に吸着するのを実質的に阻止する条件下で、その表面と接触している所望タンパク質と関わる。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質はIgG抗体である。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質はモノクローナルIgG抗体である。
いくつかの実施形態では、前記プロセスの少なくとも一つのステージは、所望タンパク質のほぼ全てを少なくとも一つの電気陽性表面に吸着させる条件下で、その少なくとも一つの電気陽性表面と接触している所望タンパク質と関わる。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質はIgM抗体である。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質はモノクローナルIgM抗体である。いくつかの実施形態では、所望タンパク質は抗体ではないタンパク質である。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質は凝固因子である。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質はフィブリノーゲンである。いくつかの実施形態では、所望タンパク質は第VIII因子である。いくつかのそのような実施形態では、所望タンパク質は、抗血友病因子としても知られる、フォンビルブランド因子と第VIII因子との複合体である。
前述の任意の実施形態では、少なくとも非イオン性親水性表面は、任意ではあるが、少なくとも一つの電気陽性表面を精製タンパク質から分離するまでの本方法の任意のステージで存在する場合がある。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも一つの非イオン性親水性表面はモノリスである。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも一つの非イオン性親水性表面は膜形状である。いくつかのそのような実施形態では、少なくとも一つの非イオン性親水性表面は複数の粒子からなる。いくつかのそのような実施形態では、非イオン性親水性粒子の平均サイズは、10ナノメーター、100ナノメーター、1ミクロン、10ミクロン、100ミクロン、あるいはその中間サイズまたはそれよりも大きいサイズである場合がある。いくつかのそのような実施形態では、粒子は、磁性または常磁性である場合があり、磁場中または磁性表面上でその回収を可能にする。
上述の実施形態の任意の一つでは、少なくとも一つの電気陽性表面は、複数の流動性電気陽性粒子の形態であってもよい。そうようないくつかの実施形態では、粒子は、カラムでクロマトグラフィーを実行するために製造された粒子である場合がある。いくつかのそのような実施形態では、粒子は陰イオン交換クロマトグラフィー粒子と呼ばれる場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は、混合モードクロマトグラフィー粒子と呼ばれる場合があり、電気陽性であることに加えて、その粒子はまた、抗体調製物の構成要素との別のタイプの化学相互作用(例、疎水性相互作用、水素結合、配位結合、または金属親和性相互作用)に関与する能力を合体させる状況のことを指す。いくつかの実施形態では、粒子はまた、その粒子上の総電荷が陽性である限り、負電荷を含む場合がある。いくつかの実施形態では、電気陽性粒子の平均サイズは、10ナノメーター、100ナノメーター、1ミクロン、10ミクロン、100ミクロン、あるいはその中間サイズまたはそれよりも大きいサイズである場合がある。いくつかの実施形態では、粒子は、磁性または常磁性である場合があり、磁場中または磁性表面上でその回収を可能にする。
少なくとも一つの電気陽性表面が複数の粒子を含むいくつかの実施形態では、粒子の割合は、粒子添加時の調製物の容量の1%、2%、3%、4%、5%、10%、あるいはそれよりも少なくても多くてもよく、またはその中間の割合であってもよい。粒子の実際の割合は、粒子サイズ、その表面特性、IgGの有する特性、および調製物中にまだ存在する夾雑物の量と特性と共に変化することが、認識されよう。初期の実験目的に関しては、IgG調製物の容量/容量比が2〜5%の粒子で検討開始するのが簡便である。
前述の実施形態の任意の一つでは、少なくとも一つの電気陽性表面は、多孔性膜の形態であってもよい。いくつかのそのような実施形態では、膜の平均孔サイズは、100nm、220nm、450nm、1ミクロン、2ミクロン、あるいはそれより小さいサイズか、その中間サイズまたはそれよりも大きいサイズである場合がある。いくつかのそのような実施形態では、膜の平均孔サイズは、220nmである場合がある。いくつかのそのような実施形態では、膜の平均孔サイズは、450nmである場合がある。その膜の機能がPEG誘導性析出物および親水性粒子またはそのいずれかを保持することにあることを考慮に入れると、孔サイズ分布の最も大きい膜であって、これらの種を保持するものが好ましい。なぜなら、その膜は最も高い膜貫通流体輸送率をサポートし、それは、最も短い処理時間を今度はサポートすることになるからだ。いくつかのそのような実施形態では、その膜は陰イオン交換クロマトグラフィー膜または陰イオン交換膜吸着体と呼ばれる場合がある。いくつかの実施形態では、その膜は、混合モードクロマトグラフィー膜と呼ばれる場合があり、電気陽性であることに加えて、その膜はまた、粗調製物の構成要素との別のタイプの化学相互作用(例、疎水性相互作用、水素結合、配位結合、または金属親和性相互作用)に関与する能力を合体させる状況のことを指す。いくつかの実施形態では、その膜はまた、正常操作条件下で膜上の総電荷が陽性である限り、負電荷を含む場合がある。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面の電気陽性度は、窒素含有化合物により付与される場合がある。いくつかのそのような実施形態では、窒素含有化合物は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アミノ基、その組み合わせ、またはそのような基のポリマーである場合がある。いくつかのそのような実施形態では、窒素含有化合物は、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)である場合がある。いくつかの実施形態では、正帯電窒素含有基は、イミン、ピリジン、または他の電気陽性基であってもよい。いくつかの実施形態では、窒素含有化合物の正電荷は、窒素原子以外の残基(例、硫黄原子)上にある場合がある。
いくつかの実施形態では、開示される本方法は、望ましいように程度が異なるように自動化可能な接線流濾過装置中に収容される電気陽性膜を用いて実施可能である。いくつかのそのような実施形態では、電気陽性膜は、IgG調製物が、膜上の正電荷と粗調製物の構成要素上の負電荷との間の静電相互作用を部分的、大部分、または完全に阻止する塩濃度を含む場合を含む、析出IgG保持機能の役目をする場合もある。
少なくとも一つの電気陽性表面が析出IgG保持機能の役目をしないいくつかの実施形態では、その表面は、膜装置、モノリス、充填粒子のカラムからなる場合がある。
いくつかの実施形態では、本方法を、名目上の非帯電膜が析出IgG保持機能の役目をする接線流濾過装置中のその非帯電膜を用いて実施してもよい。一つのそのような実施形態では、非帯電膜が電気陽性粒子保持機能の役目をする場合もある。関連する実施形態では、非帯電膜が、代替的に、電気陽性粒子保持機能の役目をする場合もある。
いくつかの実施形態では、非析出夾雑物が通過し、従って除去される一方で、析出物が保持されるデッドエンド濾過媒体を用いて、本方法を実施してもよい。
いくつかの実施形態では、析出物を沈降させ、夾雑物含有上清を破棄することを可能にする遠心分離を用いて、本方法を実施してもよい。
いくつかの実施形態では、酸性夾雑物が少なくとも一つの電気陽性表面に結合すると理解される低塩濃度ステージまたは塩不含有ステージにおけるIgG調製物中のPEG濃度は、夾雑物が膜に結合するのを増強させるPEGを意図して、IgGが可溶になるのを許容する最も高い濃度のPEGである場合がある。他の実施形態では、再可溶化IgG中のPEG濃度は、サンプル粘度を最小化し、および/または、PEGを後に除去するのを促進する可能な限り最も低い濃度である場合がある。可溶化IgG中のPEG濃度は実用価値がいくつかある場合があるのを経験しているので、特定の状況で当業者の目的に最も見合う濃度を同定する簡単な実験を行うことは、当業者の理解の範囲内である。
いくつかの実施形態では、正常な生理学的電導度よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度は、正常な生理学的電導度よりも実質的に大きい場合がある。正常な電導度の範囲が12〜16mS/cmの場合、実質的に大きいと考えられる値は、20mS/cm、30mS/cm、40mS/cm、50mS/cm、60mS/cm、70mS/cm、80mS/cm、90mS/cm、100mS/cm、150mS/cm、200mS/cm、あるいはその中間値またはそれより高い値を含んでもよく、例えば、NaCl飽和溶液の電導度までの値を含んでもよい。実験データが示すのは、最も効果的な夾雑物減少とIgG回収率が得られる範囲は、約50〜150mS/cmまたは約0.5〜1.5Mの範囲のNaCl濃度に対応する範囲である場合があることである。他のケースでは、用語「生理学的条件よりも電導度が大きい」は、17、18、19mS/cm、またはその中間値であると理解される場合がある。各々のIgGが違うように挙動し、IgGが存在する粗調製物の構成要素が影響を及ぼすことが理解され、したがって、特定のIgG調製物に適合する最も適した電導度を決定する簡単な実験を実施することが必要である。PEG析出法がよりハイレベルの純度を実現可能にする利点に加えて、夾雑物(酸性夾雑物を含むもの)の減少により、少なくとも一つの電気陽性表面により必要とされるその処理量を減少させ、その電気陽性表面をもっと効果的にして、そして、その表面の容量が減少可能になる場合もある。
いくつかの実施形態では、電導度を増加するのに用いられる塩は、中性塩(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム)である場合がある。いくつかの実施形態では、塩は、カオトロピック塩(例、酢酸グアニジン、グアニジン塩酸塩、硫酸グアニジン、リン酸塩、チオシアン酸ナトリウム、またはチオシアン酸カリウム等)である場合がある。いくつかの実施形態では、析出化塩(例、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、リン酸カリウムを含む)の使用を回避するのは、それら塩が自発的相分離を誘導する強い傾向があり、濃縮塩溶液の上に浮遊する濃縮PEG溶液を作り出してしまうからだ。ほとんどの目的に関しておよび開始点として特には、NaClが一般的に選択される塩である。
いくつかの実施形態では、塩濃度は、2.0Mより大きく、2.5Mより大きく、3Mより大きく、4Mより大きく、または飽和溶液までになる。いくつかのそのような実施形態では、塩はNaClである。いくつかのそのような実施形態では、塩はKClである。
いくつかの実施形態では、電導度が上記生理学的電導度(特に、生理学的電導度より実質的に大きい値を含むもの)である処理ステージの間は、操作pHを最適化する必要性は削減可能であるか、または保留可能である。低い電導度値では、pHは、タンパク質間の電荷相互作用を調節する。タンパク質がその等電点にある場合、その総電荷はゼロであり、タンパク質の自己反発力は最小限である。pHがタンパク質の等電点より大きい場合、タンパク質は負の総電荷を有し、pHの増加に伴って、より自己反発力が増加する。pHがタンパク質の等電点より小さい場合、タンパク質は正の総電荷を有し、pHの減少に伴って、より自己反発力が増加する。従って、所定のIgGがその等電点の付近にある場合、IgGは、一般的にPEGにより析出されるのに好都合である。塩イオンが溶液中の帯電体間の静電相互作用と競合するので、塩イオンはタンパク質の等電点から離れたpH値でのそのタンパク質間での反発の度合いを減少し、pHの効果を減少するかまたは無いものとする。開示される本方法の文脈における実務的意義は、いくつかの実施形態では、高電導度を生み出す濃度での塩の存在がpH調製する必要性を排除することである。特定の粗調製物中の特定のIgGへ本方法をカスタマイズする目的のためには、中性pH7.0が良い開始点となり、pHを調製する必要がない場合もある。
いくつかの実施形態では、IgG調製物が過剰な塩の非存在下でIgGと接触するステージまでは、pH調整を延期してもよい。このステージでは、pHをIgGの等電点付近の値へと調整して、析出状態の抗体を維持するのに要求されるPEG濃度を最小限にすることが有利な場合がある。このステージおよび/または少なくとも一つの電気陽性表面(いくつかの実施形態では同表面が一つである場合があるが)がその上でIgG調製物と接触する間のステージでは、pHを調整して、少なくとも一つの電気陽性表面が酸性夾雑物と結合する能力を最大限にすることが有利である。所定のIgGの等電点を知ることは有用であるが、表面への結合はまた、タンパク質上の電荷分布(それは前もって知ることは一般的にできないが)に影響され、従って、様々なpH値を用いて簡単な実験をすることが最適pHを同定する最も効果的なやり方となる。pH値8.0が、ほとんどのヒトIgG1モノクローナル抗体での簡便な開始点である。
塩が2Mより大きい濃度で存在するいくつかの実施形態では、溶液のpHは7、8、8.5、またはそれより大きいか、あるいは、6、6.5、6〜8.5の別の値、または6より小さい。
いくつかのそのような実施形態では、塩はNaCl、KCl、またはその組み合わせである。
いくつかの実施形態では、酸性夾雑物が少なくとも一つの電気陽性表面に結合するステージでの塩濃度は、理想的にはゼロであるか、または、抗体の可溶性を維持するのに要求される最も低い濃度である。
いくつかの実施形態では、非イオン性有機ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、デキストラン、セルロース、デンプン、またはポリビニルピロリドン等である場合がある。
いくつかの実施形態では、非イオン性有機ポリマーはPEGであって、ポリマーサイズが約2,000ダルトン(D)、3,000D、4,000D、5,000D、6,000D、8,000D、10,000D、12,000D、またはその中間のポリマーサイズである。経験により証明されているのは、平均ポリマーサイズが小さくなればなるほど、析出を実現するのに要求される濃度が高くなることである。このことは、単に質量を調節することではない。PEGポリマーの実効性がその質量に独立した流体力学的半径に比例するという事実により介される累進効果が存在し、従って、同じ質量であるが分岐度の異なるPEGポリマーが析出を媒介する能力は様々に異なる。
いくつかの実施形態では、PEGはPEG−6000であり、生理学的もしくはそれより低い電導度値でIgG析出を実現するか、または、そのような電導度値でIgGを析出状態に維持するために用いられるPEG濃度は、12〜18%または14〜16%の範囲にある場合がある。いくつかの実施形態では、約80mS/cmの電導度を生み出すのに十分な塩濃度(例、1MのNaCl)でのPEG−6000濃度は、IgG析出を実現するため、および/または、IgGを析出状態に維持するために、高められる必要がある。生理学的濃度で析出を実現するのに必要なPEG−6000濃度が15〜16%であるひとつのそのような実施形態では、1MのNaClの存在下で析出を実現するのに要求されるPEG−6000濃度は18〜22%である。このことは、塩がPEGの流体力学的半径を減少させるという、既知であるが一般的に見過ごされている塩の効果を反映している。これらの濃度を目安または開始点として使用することができ、各IgGクローンおよびIgGが存在する粗調製物のユニークな個別的特性を調節することは最適化を必要とすることが理解される。
いくつかの実施形態では、粗IgG調製物は、細胞培養収穫物(例、哺乳類細胞、酵母、または細菌由来の物)からなる場合がある。いくつかの実施形態では、粗調製物は、培養細胞の抽出物からなる場合がある。いくつかの実施形態では、粗IgG調製物は、体液(例、血漿、血清、ミルク、または他の体液)からなる場合がある。
いくつかの実施形態では、粗調製物は、処理されて細胞を除去した細胞培養収穫物である場合がある。ひとつのそのような実施形態では、その収穫物を、物理的方法(例、遠心分離および濾過)により事前にコンディションを調整してもよい。
前述の実施形態の全てにおいて、クロマチンおよび結合する分解物の少なくとも95%を除去したコンディションに調整された粗調製物上で、開示される本方法を実施することは、このシステムが高度の精製を実現する能力を不釣り合いなほど増加させる。いくつかのそのような実施形態では、正電荷が表面上に固定された多価有機イオンにより付与される一又は複数の正帯電表面との接触により、収穫物のコンディションを調整してもよい。別のそのような実施形態では、コンディションの調整方法は、所望の産物の調製物と可溶な多価有機イオンを接触させることに関わる。別のそのような実施形態では、コンディションの調整方法は、所望の産物の調製物と可溶および/または不溶な多価有機イオンを接触させることに関わる。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、サンプルを可溶性電気陽性有機添加剤と接触させることを含む。いくつかのそのような実施形態では、電気陽性有機添加剤は、エタクリジン、メチレンブルー、臭化セチルトリメチルアンモニウムからなる群より選択される少なくとも一つの種を含む。いくつかのそのような実施形態では、そのような種の濃度、または種の組み合わせの凝集物濃度の範囲は、0.001から1%、0.01〜0.1%、0.02〜0.05%、0.01〜0.1%、またはその中間値である。いくつかのそのような実施形態では、調製物のpHを、所望のIgGの回収率の有意な減少を生じないアルカリ性の値にまで調整してもよい。ひとつのそのような実施形態では、pHを、抗体の等電点からpH単位の半分の範囲内のpH値までへと調整してもよいし、または、実験結果が抗体回収率は許容できるものであると示す場合は、それを超えるpH値までへと調整してもよい。しかし、そのような調整は、一般的には必要ではない。任意のpH調整がなされる範囲については、タンパク質の等電点から1pH単位の範囲内の値が十分であるか、または、1.5pH単位の範囲内の値が十分である。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、サンプルを可溶性電気陰性有機添加剤と接触させることを含む。いくつかのそのような実施形態では、電気陰性有機添加剤は、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネン酸、デカン酸、メチルブルーからなる群より選択される少なくとも一つの種を含む。いくつかのそのような実施形態では、そのような種の濃度、または種の組み合わせの総濃度の範囲は、0.001から10%、0.01〜1%、または0.1〜0.5%である。いくつかのそのような実施形態では、調製物のpHを、所望タンパク質の回収率の有意な減少を生じない酸性の値にまで下方調整してもよい。いくつかのそのような実施形態では、調製物のpHを、3.5〜6.5、4.0〜6.0、4.5〜5.5、5.0〜5.3、5.15〜5.25、5.2、または別のその中間値の範囲へと調整してもよい。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、サンプルをまだ溶けていないアラントインと接触させることを含む。いくつかのそのような実施形態では、粗調製物中にある添加アラントインの量は、約0.6%〜50%、0.7〜20%、0.8〜10%、0.9〜5%、1〜2%、またはその中間値である場合がある。一又は複数の前述の実施形態では、過飽和溶液中のまだ溶けていないアラントインの総表面積が最も高くなるようにする目標をもって、乾燥アラントインの平均粒子径を可能な限り最も小さなサイズとなるように選択する。一つのそのような実施形態では、アラントインを造粒して、粒子径をより小さくする。
固体表面に固定した多モード有機イオンが電気陽性であるいくつかの実施形態では、固定した多モード有機イオンは、窒素含有基(例、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アミノ基、あるいはそのような基の組み合わせまたはポリマー)である場合がある。いくつかのそのような実施形態では、窒素含有化合物は、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)である場合がある。いくつかの実施形態では、正帯電窒素含有基は、イミン、ピリジン、または他の電気陽性基であってもよい。いくつかの実施形態では、窒素含有化合物の正電荷は、窒素原子以外の残基(例、硫黄原子)上にある場合がある。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、サンプルを、臨界ミセル濃度より低い濃度で、非イオン性または双性イオン性界面活性剤と接触させることを含む。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、(i)電気陰性表面を有する第一固形基質である第一構成要素を提供する工程と、(ii)操作条件が、所望タンパク質と前記第一構成要素との結合を実質的に阻止するように、前記粗調製物を前記第一構成要素と接触させる工程と、(iii)クロマチン含有量が減少された前記所望タンパク質を前記第一構成要素から分離する工程と、を含む。いくつかのそのような実施形態では、第一電気陰性表面は、第二電気陰性表面を伴ってもよい。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、(i)電気陽性表面を有する第一固形基質である第一構成要素を提供する工程と、(ii)操作条件が、所望タンパク質と前記第一構成要素との結合を実質的に阻止するように、前記粗調製物を前記第一構成要素と接触させる工程と、(iii)クロマチン含有量が減少された前記所望タンパク質を前記第一構成要素から分離する工程と、を含む。いくつかのそのような実施形態では、第一電気陽性表面は、トリス(2−アミノエチル)アミン残基を保持している。いくつかのそのような実施形態では、第一電気陽性表面は、第二電気陽性表面を伴ってもよい。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、(i)電気陽性表面を有する第一固形基質である第一構成要素を提供する工程と、(ii)電気陰性表面を有する第二固形基質である第二構成要素を提供する工程と、(iii)前記第一および第二構成要素は、前記粗調製物が両構成要素に同時に接触可能で、操作条件が、所望タンパク質と前記第一または第二構成要素との結合を実質的に阻止するように、前記粗調製物を前記第一および第二構成要素と接触させる工程と、(iv)クロマチン含有量が減少された前記所望タンパク質を前記第一および第二構成要素から分離する工程と、を含む。いくつかのそのような実施形態では、第一電気陽性表面は、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)残基を保持している。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物を有機多価イオンでコンディション調整することは、(i)金属に結合可能な少なくとも一つの表面結合リガンドを含む少なくとも一つの固形表面と前記粗調製物を接触させる工程であって、金属に結合可能な前記表面結合リガンドは、初期には実質的に金属が無く、操作条件が、所望タンパク質と前記少なくとも一つの固形表面との結合を実質的に阻止するために選択される、工程と、(ii)前記少なくとも一つの表面結合リガンドから前記粗調製物を分離する工程と、を含む。
一又は複数の前述の実施形態では、粗調製物(可溶性電気陽性もしくは電気陰性有機添加剤および/または電気陰性、電気陽性、もしくは金属親和性リガンドを保持する固形表面で既に処理したもの)を、流体接触表面が正電荷を含む装置にその後通過させる場合がある。
クロマチン除去を目指す清浄法の応用を解説する一つの実施形態では、アラントインを、1%(v/v)の量で細胞培養収穫物に加える。その細胞培養物は細胞を含む場合があるか、または、その細胞は事前に除去されている場合がある。メチレンブルーを、0.025%(w/v)の濃度になるように加える。または、エタクリジンを、0.025%の濃度になるように加えてもよい。または、0.025%の臭化セチルトリメチルアンモニウムを、0.025%の濃度になるように加えてもよい。または、これらの組み合わせ又は他の電気陽性有機添加剤を、合わせて0.025%の濃度で使用してもよい。混合物を、その後、2時間撹拌しながらインキュベートする。電気陽性金属親和性リガンドであるトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)を保持する粒子を、2〜5%(v:v)の量で加える。混合物を4時間撹拌しながらインキュベートし、その後、固形物を任意の好都合な手段により除去する。所望タンパク質を含む残りの溶液は、任意ではあるが、流体接触表面上に正電荷を保持するデプスフィルターを通過させてもよい。
クロマチン除去を目指す清浄法の応用を解説する別の実施形態では、アラントインを、1%(v/v)の量で細胞培養収穫物に加える。その細胞培養物は細胞を含む場合があるか、または、その細胞は事前に除去されている場合がある。0.7%のヘプタン酸を加える。または、0.6%のヘプテン酸を加える。または、0.4%のオクタン酸を加える。または、0.4%のオクテン酸を加える。または、0.3%のペラルゴン(ノナン)酸を加える。または、0.4%のノネン酸を加える。または、0.2%のカプリン酸を加える。または、0.5%のメチルブルーを加える。または、これらの組み合わせ又は他の電気陰性有機添加剤を、使用してもよい。混合物を、その後、2時間撹拌しながらインキュベートする。電気陽性金属親和性リガンドであるトリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)を保持する粒子を、2〜5%(v:v)の量で加える。混合物を4時間混合しながらインキュベートし、その後、固形物を任意の好都合な手段により除去する。所望タンパク質を含む残りの溶液は、任意ではあるが、流体接触表面上に正電荷を保持するデプスフィルターを通過させてもよい。
いくつかの実施形態では、特定のコンディション調整方法によるクロマチン減少度を、DNA減少度およびヒストン減少度を測定し、そして、この二つの値を平均することにより推定する。いくつかのそのような実施形態では、DNAをインターカレーター性色素アッセイにより測定する一方で、ヒストンを典型的にはイムノアッセイにより測定する。いくつかのそのような実施形態では、ヒストン量はクロマチン構造体の一次関数なので、総ヒストン含有量を、ヒストンの一つの種の含有量を決定し、そして、クロマチン中の他のヒストンの相対的割合に比例する量を調整することにより測定することができる。例えば、ヒストンH1を測定し、その後、インタクトなクロマチン中の他のヒストンに対するH1の質量比を考慮して9倍して、総ヒストン量を推定する場合もある。または、H2a、H2b、H3、またはH4を測定し、それらの任意の一つの結果に4.5を掛けて、総ヒストン量を推定する場合もある。または、H1ならびにH2a、H2b、H3、およびH4に関してアッセイを実行する場合があり、その結果を合算する。代替的には、DNAアッセイは、ポリメラーゼ連鎖反応技術により補助可能である。しかしながら、実験データが示すのは、DNAを使用して総クロマチン量を推定することにより総クロマチン量が過小評価されてしまうことである。なぜなら、生産中に起こる細胞死後にDNAが酵素を介して加水分解してしまうからだ。ヒストンおよびDNAアッセイは共に、正確な結果を得るためには、特別の抽出方法を必要とする。
いくつかの実施形態では、IgG調製物を、本方法の一又は複数のステージ中に一又は複数の抗ウイルス化合物と接触させてもよい。いくつかのそのような実施形態では、一又は複数の抗ウイルス化合物を、エタクリジン、メチレンブルー、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジン、臭化セチルトリメチルアンモニウム、トリ(n−ブチル)ホスフェートからなる群より選択する。
いくつかの実施形態では、本方法の実施中に使用される非イオン性親水性粒子は、ナノ粒子またはマイクロ粒子である。あるそのような実施形態では、非イオン性親水性粒子は多孔性である。いくつかの実施形態では、粒子径は、約50nm〜約500μm、約50nm〜約50μm、約50nm〜約4μm、約50nm〜約3μm、約50nm〜約1μm、約100nm〜約1μm、約200nm〜約2μm、約200nm〜約500nm、約500nm〜約1μm、または約5μm〜約50μmである。いくつかの実施形態では、粒子は磁性である。
いくつかの実施形態で提供されるのは、調製物から所望タンパク質を精製する方法であって、(a)元の生産培地中にあるクロマチンが約5%未満となる形態で前記調製物を提供する工程と、(b)前記調製物を非イオン性有機ポリマーおよび塩と接触させる工程であって、非イオン性有機ポリマー濃度が、前記所望タンパク質を析出するか、または、親水性表面上に前記所望タンパク質を付着させるか、あるいは、前記所望タンパク質を析出状態に維持するか、または、前記親水性表面上に付着するように維持するのに十分であり、前記塩の濃度が生理学的条件より大きな電導度を生み出すのに十分である、工程と、(c)前記調製物を少なくとも一つの電気陽性表面と接触させる工程であって、任意ではあるが、生理学的条件より大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在下で行われ、従って、前記所望タンパク質が前記少なくとも一つの電気陽性表面に実質的に吸着しない一方で、前記少なくとも一つの電気陽性表面に酸性夾雑物が吸着するのを阻止しない工程と、を含む方法である。
いくつかの実施形態では、その方法は、(d)前記調製物を少なくとも一つの非イオン性親水性表面と接触させる工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、工程(a)および(b)中の塩濃度は同じである。
いくつかの実施形態では、その方法は、多孔性膜上に析出した所望タンパク質を保持させる一方で、可溶性夾雑物がその膜を通過して除去される工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、その方法は、実質的に不活性な微小多孔性膜上に析出した所望タンパク質を保持させる一方で、塩濃度とは独立して、可溶性夾雑物がその膜を通過して除去される工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、その方法は、電気陽性の微小多孔性膜上に析出した所望タンパク質を保持させる一方で、電導度が生理学的電導度より大きい場合、可溶性夾雑物がその膜を通過する工程をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本法を単一の一体化装置で実施する。
いくつかの実施形態では、非イオン性有機ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。
いくつかの実施形態では、非イオン性有機ポリマーの平均ポリマーサイズは、(a)約1,500ダルトン〜約15,000ダルトン、(b)約2,000ダルトン〜約12,000ダルトン、(c)約3,000ダルトン〜約10,000ダルトン、(d)約4,000ダルトン〜約8,000ダルトン、および(e)約5,000ダルトン〜約6,000ダルトンからなる群より選択される一つの範囲にある。
いくつかの実施形態では、電導度は、生理学的電導度よりも少なくとも1mS/cm大きい。いくつかの実施形態では、電導度は、生理学的電導度よりも、1mS/cmを超えて大きいか、5mS/cmを超えて大きいか、10mS/cmを超えて大きいか、20mS/cmを超えて大きいか、40mS/cmを超えて大きいか、80mS/cmを超えて大きいか、160mS/cmを超えて大きいか、塩(複数可)の選択溶液の飽和溶液に対応する電導度までか、またはその中間的増加量である。
いくつかの実施形態では、塩を、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、グアニジン塩酸塩、およびその組み合わせからなる群より選択する。
いくつかの実施形態では、塩は塩化ナトリウムであって、その濃度は、(a)約0.5M〜約1.5M、(b)約2.0M〜約3.0M、およびその中間にある範囲からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面は、平均孔サイズが、(a)約100nm、(b)約220nm、(c)約450nm、(d)約1ミクロン、(e)約2ミクロン、およびその中間値からなる群より選択される孔を有する膜である。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性固形物は複数の粒子である。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性固形物は、モノリス系クロマトグラフィー装置、膜系クロマトグラフィー装置、粒子系クロマトグラフィー装置、ハイドロゲル系装置をサポートするマクロ網状骨格、およびその組み合わせを含む群から選択されるクロマトグラフィー装置の一部である。
いくつかの実施形態では、塩濃度を、ゼロ、1mM、2mM、5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、およびその中間濃度を含む群から選択する。
いくつかの実施形態では、工程(a)中のpHは、(a)約8〜約9、(b)約8〜約8.5、(c)約7.5〜約8.5、(d)約7.25〜約8.25、(e)約7.0〜約8.0、(f)約6〜約7、およびその中間pH範囲からなる群より選択される範囲にある。
いくつかの実施形態では、工程(b)中のpHは、(a)約5〜約9、(b)約6〜約8、(c)約6.5〜約7.5、(d)約7.5〜約8.5、およびその中間pH範囲からなる群より選択される範囲にある。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの親水性表面は、膜、モノリス、および複数の粒子(前記複数の粒子は、任意ではあるが、磁性であるもの)からなる群より選択される一つを含む。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面は、膜、モノリス、および複数の粒子(前記複数の粒子は、任意ではあるが、磁性であるもの)からなる群より選択される一つを含む。
いくつかの実施形態では、調製物は、細胞培養培地、培養生物由来の抽出物、および体液からなる群より選択される一つである。
用語を定義して、従って、実施形態がより容易に理解されるであろう。追加的な定義を、詳細な説明全体に記載する。
「クロマチン」は、染色体の基本的組成物を指す。生細胞中のインタクトな形態では、クロマチンは、少量の他のタンパク質やペプチドと結合するDNAおよびヒストンタンパク質を主として含む。クロマチンは、ヌクレオソームに編成され、ヌクレオソームは、ヒストン2a、2b、3、および4を各2つ含むヒストンタンパク質の8量体に、DNAが1.65回ターンして巻きつくようなものを含む。ヌクレオソームは、線領域において、リンカーDNA部(ヒストンH1と結合する部分)により連結される。クロマチンは、細胞死と同時に分解を開始する。組換えタンパク質を生産するのに使用される等の細胞培養プロセスで、クロマチンとその分解産物は、細胞培地中に排出される。その培地では、クロマチンとその分解産物は、所望組換え産物を含む細胞培養培地の構成要素と結合体を形成する場合がある。用語「クロマチン分解物」は、クロマチン分解産物のことを指すために使用される場合がある。これらの分解産物は、2〜30以上のヌクレオソーム、個々のヌクレオソーム、ヌクレオソーム断片、DNAおよびヒストンタンパク質を含む配列物を含む(Ganら、上記、Gagnonら、(2013)上記)。「ヒストンタンパク質」は、クロマチン分解物に相当すると理解される。「DNA」は、そのサイズに関わらず、クロマチン分解物の種に相当すると理解される。個々の「ヌクレオソーム」およびヌクレオソーム配列物は、クロマチン分解物に相当すると理解される。
「立体排除クロマトグラフィー」は、精製方法であって、抗体分子(例、IgGまたは他の抗体産物)を取得するために、抗体および非イオン性粒子の親水性表面から非イオン性有機ポリマー(例、PEG)を同時に互いに立体排除する方法のことを指す。タンパク質表面と粒子表面との間で、直接的化学相互作用は起こらないと考えられている。このことが、特徴的に、本方法に、典型的なクロマトグラフィー方法(例、イオン交換クロマトグラフィーまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)で可能とされるよりも広い範囲の条件に渡り結合を維持する能力を付与する。
「水和表面」、「高水和表面」、または「親水性表面」は、潜在的には水素結合、電気ひずみ、またはこの二つのメカニズムのいくつかの組み合わせを介して、水と強く相互作用する表面を指す。そのような相互作用は、化学基(例、ヒドロキシル基、負電荷、正電荷、非荷電極性基)により媒介される場合がある。水和性化学基の存在は、所定材料(例、粒子または対流性クロマトグラフィー材料)の天然組成物の基本的特性である場合がある。または、その存在を付け加えるかまたは化学修飾により増強して、そのような基を表面(限定はされないが炭水化物やウレイド)上に固定する。いわゆる疎水性表面は、高水和性でないと一般に考えられているが、疎水性残基と組み合わせる水和性の強い基を含む表面は、それにも関わらず、本明細書中に開示される実施形態を実施するために十分水和性である。
「凝集物(複数可)」は、生理学的条件で安定な二以上の分子の結合体を指し、幅広い範囲のpHおよび電導度条件に渡り安定なままである場合がある。凝集物は、しばしば、少なくとも一つの生体分子(例、タンパク質、核酸、脂質、および他の分子または金属イオン)を含む。結合は、化学相互作用の任意の型または任意の組み合わせを介して起こる場合がある。抗体の凝集物は、二つのカテゴリーに分類可能である。「ホモ凝集物」は、二以上の抗体分子の安定的結合体を指す。「ヘテロ凝集物」は、一又は複数の抗体分子と一又は複数の非抗体分子の安定的結合体を指す。非抗体成分は、ヌクレオチド、エンドトキシン、金属イオン、タンパク質、脂質、および細胞培養培地成分からなる群より選択される一又は複数の実体からなる場合がある。
「抗体」は、そのクラスがIgG、IgM、IgA、IgD、またはIgEの免疫グロブリンであって、ヒトまたは他の哺乳類細胞株由来のものであり、自然または遺伝学的に改変された形態(例、ヒト化抗体、ヒト抗体、単鎖抗体、キメラ抗体、人工抗体、組換え抗体、ハイブリッド抗体、遺伝子変異型抗体、グラフト抗体、およびインビトロで作製された抗体)のものを指す。「抗体」はまた、複合形態のものであって、限定はされないが、免疫グロブリン部分を含む融合タンパク質または他の機能性部分(別の抗体、酵素、フルオロフォアもしくは他のシグナル生成部分、ビオチン、薬剤、または他の機能性部分を含むもの)へIgGを合成的に連結することにより創出される免疫結合体を含むものを、含む場合もある。
「抗体産物」は、少なくとも一部が抗体または抗体部分を含むタンパク質性実体を指す。最も単純な例は抗体である。化合物の例には、Fc融合タンパク質(非抗体機能性部分が抗体のFc部分に組換え手段により共有結合したものを含む)が含まれる。別の化合物の例は、抗体結合体または免疫結合体である。それは、抗体の機能性を増加させるために、最もしばしば用いられるのは合成手段によるものであるが、別の部分に連結した抗体からなる。例えば、その結合体を蛍光にし、従って、結合体が免疫アッセイで使用可能となる。また、抗体を、同じ目的で酵素に結合させるか、がん細胞を死滅させるためにサイトトキシンに結合させるか、または、他の目的のために別の部分に結合させる。他の抗体産物は、二つの独立した標的に対する結合特異性を有する二つのドメインを有する二価化合物(例、二つの抗体断片の融合体)である。
「エンドトキシン」は、溶解時にグラム陰性細菌から放出される、グラム陰性細菌の外膜に存在する毒性の熱安定性リポ多糖物質を指す。エンドトキシンが一般的に酸性であり得るのは、ホスフェートおよびカルボキシル残基の含有量が高いからだ。そして、エンドトキシンの疎水性が非常に高いのは、脂質A領域の脂肪酸含有量によるからだ。エンドトキシンは水素結合の機会を広く提供することができる。
「非イオン性有機ポリマー」は、荷電基を欠く連結反復有機サブユニットから構成される自然発生的または合成炭化水素を指す。それは、分岐が多少あるか又は非常に分岐した直鎖、または主に直鎖のものである場合がある。本明細書中に開示される実施形態の実施に適する例には、限定はされないが、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、およびポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。PEGの構造式は、HO−(CH−CH−O)−Hである。例には、限定はされないが、100未満〜10,000ダルトンを超える範囲の平均ポリマー分子量を有する組成物が含まれる。市販のPEG調製物の平均分子量は、一般的に、ハイフンの後ろに付けた数字で示される。例えば、PEG−6000は、約6,000ダルトンの平均分子量を有する調製物を指す。そのような剤の効果的濃度は、ポリマーのアイデンティティーと、本明細書中に開示される実施形態により処理される抗体産物の特性と共に変化する。
「陰イオン交換クロマトグラフィー」は、酸性(電気陰性)夾雑物が正電荷に結合する傾向があり、アルカリ性(電気陽性)夾雑物が正電荷から反発される傾向があり、そして、非荷電または電気中性夾雑物が正電荷に結合しない傾向があるように、異なる荷電性質のサンプル構成要素の中で、分画を行う表面に対して、固形表面に共有結合した正電荷を用いるプロセスを指す。そのようなシステムの選択性は、典型的にはpHおよび電導度により制御され、pHが増加するにつれ及び/又は塩濃度が減少するにつれ結合は一般的に強くなる。
「陰イオン交換膜」または「電気陽性膜」は、表面が主として正電荷で占められる多孔性膜を指す。膜の孔の範囲は、5nm以下〜1ミクロン以上である場合がある。孔が200nmよりも小さい膜は、しばしば、限外濾過膜と呼ばれる一方で、孔が200nmより大きい膜は精密濾過膜と呼ばれる。電気陽性度は、化学基(限定はされないが、弱陰イオン交換基(例、アミノ、エチレンジアミノ、ジエチルアミノエチル、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン)、強陰イオン交換基(例、第四級アミノ基)、弱と強陰イオンを合わせた交換体(例、ポリリジン、ポリアルギニン、または、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ポリプロピレンイミン テトラアミン、PAMAMデンドリマ(エチレンジアミンコア)あるいは前述の物の任意の組み合わせ)を含むもの)により付与される。正帯電膜上に混合化学特性を創出する二次的機能性は、負帯電基もしくは正帯電基、疎水性基、Π−Π結合基、水素結合基、または金属キレート基からなる場合がある。二次的機能性は、粒子を合成するプロセスまたはその製造物の意図しない副産物として膜表面上に存在する場合がある。または、それらの二次的機能性は意図した設計により存在する場合もある。二次的機能性の濃度の範囲は、粒子1mL当たり1ミリ当量未満〜1mL当たり100ミリ当量を超える場合がある。
「陰イオン交換粒子」または「電気陽性粒子」は、表面が主として正電荷で占められる多孔性または非多孔性粒子を指す。粒子サイズの範囲は、50nm未満〜200ミクロンを超える場合がある。粒子は、本明細書中に開示される特許請求の範囲の実施形態を実施する能力と関わらないか又は干渉しない手段により、粒子を別々にすることを可能にする特徴を取り込む場合もあるポリマー構造、結晶性構造、またはセラミック構造を含む場合がある。例には、限定はされないが、浮遊を可能にする低密度、迅速な沈降を促進する高密度、および/または、磁場中での回収を可能にする磁性を付与する特徴が含まれる。電気陽性度は、化学基(限定はされないが、弱陰イオン交換基(例、アミノ、エチレンジアミノ、ジエチルアミノエチル、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン)、強陰イオン交換基(例、第四級アミノ基)、弱と強陰イオンを合わせた交換体(例、ポリリジン、ポリアルギニン、または、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ポリプロピレンイミン テトラアミン、PAMAMデンドリマ(エチレンジアミンコア)あるいは前述の物の任意の組み合わせ)を含むもの)により付与される。正帯電膜上に混合化学特性を創出する二次的機能性は、負帯電基もしくは正帯電基、疎水性基、Π−Π結合基、水素結合基、または金属キレート基からなる場合がある。二次的機能性は、粒子を合成するプロセスまたはその製造物の意図しない副産物として膜表面上に存在する場合がある。または、それらの二次的機能性は意図した設計により存在する場合もある。二次的機能性の濃度の範囲は、粒子1mL当たり1ミリ当量未満〜1mL当たり100ミリ当量を超える場合がある。
「有機多価イオン」は、少なくとも一つの電荷と少なくとも一つの付加的化学機能性を合体させて、多価なものにする自然または合成起源の有機分子、イオン、または塩を指す。いくつかの実施形態では、有機多価イオンの少なくとも一つの追加的化学機能性は、追加的電荷であって、有機多価イオンは二以上の同様または異なる電荷を保持する。有機多価イオンは、正の総電荷、負の総電荷、または中性の総電荷を保持する場合がある。有機多価イオンが正の総電荷である場合、陰イオン(例、塩化物、臭化物、硫酸塩、有機酸、乳酸塩、グルコネート、および本法と相いれないことのない任意の他の陰イオン)と共に提供される場合がある。いくつかの実施形態では、有機多価イオンの正電荷の一部は、アミン、イミン、または他の窒素部分により供給される。有機多価イオンはさらに、混合化学特性のものであり、他の機能性部分である疎水性残基を含む場合がある。および/または、有機多価イオンは、他の型の化学相互作用に関与する能力(例、水素結合、疎水性相互作用、Π−Π結合、金属配位および相互作用に関与する能力を含むもの)を持っている場合がある。いくつかの実施形態での正帯電有機多価イオンの例には、限定はされないが、ジアミノ酸、ジ−、トリ−、もしくはそれ以上のホモまたはヘテロペプチド(例、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン);ポリエチレンイミン;ポリアリルアミン;ポリジメチリン(polydimethrine)、ポリメチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニア;ポリジアリルジメチルアンモニア;ポリビニルベンジルトリメチルアンモニア;ポリビニルグアニジン;ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジン;DEAE−デキストラン;DEAE−セルロース;エタクリジン(CAS番号442−16−0:7−エトキシアクリジン−3,9−ジアミン);トリス(2−アミノエチル)アミン;グアニジン;クロルヘキシジン;アレキシジン;シトリシダル(citricidal)、プロタミン;スペルミン;スペルミジン;サルミン;キトサン;ならびに前述の物の変異体および誘導体が含まれる。例えば、エタクリジンの変異体および誘導体に含まれると理解されるのは、9−アミノアクリジン(アミナクリン)、3,6−アクリジンジアミン(プロフラビン)、アクリゾルシン、アクリザン(acrizane)(フェナクリダン)、アクリジンオレンジ、キナクリン、アクリシド(acricide)、アクリドン、アクリジン−9−カルボン酸、アクラニル(1−[(6−クロロ−2−メトキシ−9−アクリジニル)アミノ]−3−(ジエチルアミノ)−2−プロパノールジヒドロクロリド)、フェノサフラニン(phenosafranin)、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリフラビン(3,6−10−メチルアクリジニウム、塩素および3,6−アクリジンジアミン(acridineidiamine))、およびその塩(例、塩化物、臭化物、硫酸塩、乳酸塩、グルコネート)である。別のクラスの効果的な電気陽性多価有機イオンには、チアジン(例、メチレンブルー、その誘導体、類縁体、およびその塩)が含まれる。有機多価イオンが総量として電気陰性の場合、陽イオン(例、ナトリウムまたはカリウムあるいは本方法と相容れないことはない任意の他の陽イオン)と共に提供される場合がある。いくつかの実施形態では、有機多価イオンの負荷電の一部は、カルボキシル、ホスホ、またはスルホ部分により供給される。有機多価イオンはさらに、混合化学特性のものであり、他の機能性部分である疎水性残基を含む場合がある。および/または、有機多価イオンは、他の型の化学相互作用に関与する能力(例、水素結合、疎水性相互作用、Π−Π結合、金属配位および相互作用に関与する能力を含むもの)を持っている場合がある。いくつかの実施形態での負帯電有機多価イオンの例には、限定はされないが、脂肪酸(例、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネン酸、デカン酸、メチルブルー、陰イオン性ポリマー、及びその塩(例、塩化物、臭化物、硫酸塩、乳酸塩、グルコネート))が含まれる。
「ポリヌクレオチド」は、鎖中で共有結合した複数のヌクレオチド単量体から構成される生体ポリマーを指す。DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)は、ポリヌクレオチドの例である。ポリヌクレオチドは、水素結合形成傾向が高くなる場合がある。
「タンパク質」は、炭素、水素、酸素、窒素、および通常は硫黄を含み、ならびに、ペプチド結合で連結されたアミノ酸の一又は複数の鎖から主として構成される複合有機高分子の任意の群を指す。タンパク質は、自然起源または組換え体起源のものであってもよい。タンパク質は、非アミノ酸部分(例えば、糖鎖付加、ペグ化、または他の化学部分との結合を介するもの)で改変される場合がある。タンパク質の例には、限定はされないが、抗体、凝固因子、酵素、およびペプチドホルモンが含まれる。
「タンパク質調製物」は、目的タンパク質を含む任意の水性またはほぼ水性溶液、例えば、細胞含有細胞培養収穫物、(実質的に)細胞不含有細胞培養上清、または精製段階由来の目的タンパク質を含む溶液を指す。
「粗調製物」は、目的タンパク質を含む任意の水性またはほぼ水性溶液、例えば、細胞含有細胞培養収穫物、(実質的に)細胞不含有細胞培養上清、細胞抽出物、体液、または精製段階由来の目的タンパク質を含む溶液を指す。
「界面活性剤」には、「表面を活性化する薬剤」、例えば、一般的に疎水性部分と親水性部分とを合体させるので両親媒性と呼ばれる有機分子のクラスが含まれる。水性溶液中で十分な濃度である場合、界面活性剤は、自己会合してクラスターになり、中心部に集中している疎水性部分は水分との接触が最小限になり、外側に放射状に延びている親水性部分は水分との接触が最大限になる。生体調製物、特に、疎水性を有するか又は疎水性領域を有する物質を含むものでは、界面活性剤の疎水性部分は、疎水性物質のいくつかの部分と自発的に結合する傾向があり、および、界面活性剤の親水性部分の影響を介してその溶解度を増加させる。それらは、水性溶剤に共に溶解される互いに異なる疎水性物質間に起こる疎水性相互作用を修飾するのにも用いられる場合がある。本明細書中に開示される実施形態の内のいくつかの実施形態を実施するのに適する界面活性剤の例には、限定はされないが、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート界面活性剤(例、Tween20、ポリオキシエチレン(20)モノラウリン酸ソルビタン;およびTween80、ポリオキシエチレン(20)モノオレイン酸ソルビタン)、Triton(例、ポリエチレングリコールp−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェニルエーテル))、ならびに、双性イオン性界面活性剤(例、CHAPS(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホン酸)、CHAPSO(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸)、およびオクチルグルコシド(例、(2R,3S,4S,5R,6R)−2−(ヒドロキシメチル)−6−オクトキシオキサン−3,4,5−トリオール))が含まれる。
「合成粒子」のサイズの範囲は、100nm未満〜100ミクロンを超える場合がある。その粒子は多孔性または非多孔性である。その粒子はポリマー性である場合があり、例えば、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、アガロース、セルロース、デキストラン、または他のポリマーから構成されてもよい。また、その粒子は無機のもの(例、シリカ)である場合がある。その粒子は、全体的に均一な構造のものである場合がある。また、その粒子は、内部コアが一つの材料(金属合金または疎水性ポリマー)であって、高水和性または化学基の結合により高水和性表面となることを許容する適用表面で被覆されるものからなる化合物である場合がある。「合成粒子」は、クロマトグラフィー用途のために設計された粒子またはクロマトグラフィー分野と全く異なる用途を意図する粒子を含む場合がある。
「ウレイド」は、一又は複数の尿素部分またはその誘導体を含む、自然起源または合成起源の環状または非環状分子を指す。いくつかの実施形態では、ウレイド類(例、尿素、尿酸、ヒダントイン、アラントイン(CAS番号97−59−6;アルクロキサ、アルジオキサ、ヘモケーン(hemocane)、ウレイドヒダントイン、5−ウレイドヒダントイン、グリオキシウレイド、グリオキシル酸ジウレイド、2,5−ジオキソ−4−イミダゾリジニル尿素)、プリン、およびその誘導体)が提供される。いくつかの実施形態では、相当する「R−基」がHまたは任意の有機部分である場合がある式R−CO−NH−CO−NH、R−CO−NH−CO−NH−CO−R’、またはR’R’’NH−CO−NR’’’R’’’’である有機分子が提供される。
「ウイルス」または「ビリオン」は、極微の(直径がおよそ20〜300nmの)、代謝が不活性な、感染性物体であって、生体宿主(主として細菌、植物、および動物)の細胞内でのみ複製し、RNAもしくはDNAコア、タンパク質コート、および(さらに複雑なタイプでは)それを取り巻くエンベロープから成り立っているものを指す。
いくつかの実施形態では、立体排除クロマトグラフィー(SXC)を、流動性で親水性の非イオン性粒子上で実施する。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、10ミクロン未満〜200ミクロンを超える範囲である場合があるマイクロ粒子である。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、10ミnm未満〜1000nmのサイズ範囲である場合があるナノ粒子である。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、非多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、微小多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、マクロ多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、磁性表面上または磁場中でそれらを捕獲できるようなやり方で構成可能である。
いくつかの実施形態では、SXCを、流動性で親水性の非イオン性粒子上で実施する。いくつかの実施形態では、SXCを、流動性で親水性の電気陽性粒子上で実施する。いくつかの実施形態では、SXCを、流動性で親水性の電気陰性粒子上で実施する。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、10ミクロン未満〜200ミクロンを超える範囲である場合があるマイクロ粒子である。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、10ミnm未満〜1000nmの範囲である場合があるナノ粒子である。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、非多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、微小多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、マクロ多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、SXC粒子は、磁性表面上または磁場中でそれらを捕獲できるようなやり方で構成可能である。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面は複数の粒子からなる場合がある。あるそのような実施形態では、粒子は、10ミクロン未満〜200ミクロンを超える範囲である場合がある平均サイズのマイクロ粒子である。いくつかの実施形態では、マイクロ粒子は、非多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロ粒子は、微小多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロ粒子は、マクロ多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、マイクロ粒子は、磁性表面上または磁場中でそれらを捕獲できるようなやり方で構成可能である。いくつかの実施形態では、粒子は、10nm未満〜200nmを超える範囲である場合がある平均サイズのナノ粒子である。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、非多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、微小多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、マクロ多孔性である場合がある。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、磁性表面上または磁場中でそれらを捕獲できるようなやり方で構成可能である。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面は、一又は複数の多孔性膜からなる。いくつかの実施形態では、孔の平均直径の範囲は、0.1ミクロン〜5ミクロンである場合がある。いくつかの実施形態では、孔の平均直径の範囲は、100nm〜5nmである場合がある。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面の電気陽性度は、限定はされないが、以下の化学基(弱陰イオン交換基(例、アミノ、エチレンジアミノ、ジエチルアミノエチル、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン)、強陰イオン交換基(例、第四級アミノ基)、弱と強陰イオンを合わせた交換体(例、ポリリジン、ポリアルギニン、または、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ポリプロピレンイミン テトラアミン、PAMAMデンドリマ(エチレンジアミンコア)あるいは前述の物の任意の組み合わせ)を含むもの)により付与される。
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの電気陽性表面の電気陽性度は、混合化学特性を創出する一又は複数の二次的機能性を伴っている場合がある。いくつかの実施形態では、電気陽性度がその主とした表面化学のままである限り、表面は負電荷を保持していてもよい。いくつかの実施形態では、表面は、疎水性基、Π−Π結合基、水素結合基、または金属キレート基を含む場合がある。二次的機能性は、粒子を合成するプロセスまたはその製造物の意図しない副産物として膜表面上に存在する場合がある。または、それらの二次的機能性は意図した設計により存在する場合もある。
いくつかの実施形態では、NaCl以外の一又は複数の塩を、洗浄工程で使用してもよい。そのような塩には、いわゆるカオトロピック塩(ときどき構造分解塩と呼ばれ、イソチオシアン酸ナトリウム又はカリウムにより例示されるもの)またはいわゆるコスモトロピック塩(ときどき構造形成塩と呼ばれ、硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、リン酸カリウムにより例示されるもの)が含まれる場合がある。いくつかの実施形態では、塩以外の洗浄剤(例、尿素のような非イオン性カオトロープ、または非イオン性もしくは双性イオン性界面活性剤(例、CHAPS、CHAPSO、オクタグルコシド、Tween、またはTriton);非イオン性有機溶剤(例、エチレングリコールまたはプロピレングリコール);糖(例、ショ糖、ソルビトール);あるいはキレート剤)を塩と組み合わせて使用するか、または、塩の代わりに使用する場合がある。陰イオン交換プロセスと干渉するイオンの性質およびその可能性のために、電気陽性キレート剤(例、TREN)が、電気陰性キレート剤(例、EDTA)よりも好まれる場合がある。他の洗浄剤(例、アルギニンのようなアミノ酸)を、考慮してもよい。というのは、キレート剤と同じ理由で電気陽性が支配的な種が好まれるからだ。
いくつかの実施形態では、本法を、単一の単位操作として実施する。
いくつかの実施形態では、立体排除クロマトグラフィー粒子上にIgGを確保するのを促進するのに使用されるPEGの平均サイズは、8kDa、6、4、3、2、または1kDaである。いくつかの実施形態では、立体排除クロマトグラフィー粒子上にIgGを確保するのを促進するのに使用される物質は、PEG以外のポリマー(例、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、または別の非イオン性有機ポリマー)であってもよい。
いくつかの実施形態では、所望の抗体産物は、完全にインタクトな抗体(例、分子質量が約150kDaのIgG)である。
いくつかの実施形態では、サンプルは、条件細胞培養上清(CCS)からなる。いくつかの実施形態では、CCSは、遠心分離、フロキュレーション、濾過、またはこれらの技術のいくつかの組み合わせによりコンディションを調整される。いくつかの実施形態では、CCSは、より内部的手段(例、調製物のクロマチン含有量および/または凝集物含有量を特に削減する化学添加剤の使用を含むもの)によりコンディションを調整される。いくつかの実施形態では、99%以上のクロマチンを除去する方法であって、抗体回収率を90〜99%に維持しながら、非ヒストンタンパク質、エンドトキシン、およびウイルスを実質的に除去し、凝集物の含有量を1%以下に削減することを同時に実現する方法により、CCSを澄ませる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される特許請求の範囲に記載の実施形態は、凝集物含有量を減少させる。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される特許請求の範囲に記載の実施形態は、抗体断片の含有量を減少させる。
いくつかの実施形態では、所望タンパク質は、電気陽性表面に結合する。一つのそのような実施形態では、開示されるプロセスを、IgMモノクローナル抗体の精製に適用する。一つのそのような実施形態では、任意ではあるがより高い濃度のNaCl(例、0.5〜1.5M)の存在下で、IgMを析出させるのに十分であるか、または親水性表面上にIgMを付着させるのに十分な濃度のPEGを、IgMと初期に接触させる。NaClを次の洗浄工程で除去する一方で、十分なPEGをそのままにして、IgMを析出したまま維持するか、または、親水性粒子に結合させて維持する。PEG濃度を、IgMを再可溶化するのに十分なように減少させる。もし存在するならば、粒子を除去し、そして、IgMをそれが結合する電気陽性表面に接触させる。より弱く結合している夾雑物は、一般的に、結合せず、従って、除去される。IgMが、電気陽性表面から溶出される一方で、より強く結合した酸性夾雑物は、結合したままで、従って、除去される。多くの非IgGタンパク質が同様な様式で挙動し、本方法の多くのバリエーションが、開示される本方法の基本原理から逸脱せずにうまく適用可能であることは明白である。
一又は複数の前述の実施形態では、粗IgG調製物を、電気陽性表面に接触させる前に、電気陰性表面と接触させることにより処理する。一つのそのような実施形態では、抗体は電気陰性表面に結合する一方で、PEGは結合せず、従って、PEGは除去される。このことが潜在的に可能な工程では、IgGを電気陽性表面に接触させて、いわゆるフロースルーモードで実施することが認識される。そこでは、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物はその大部分が結合する。いくつかのそのような実施形態では、電気陰性表面は、膜、モノリス、または複数の粒子からなる。いくつかのそのような実施形態では、電気陰性機能性は、表面に水素結合、疎水性相互作用、および/または配位結合に関与する能力を付与する別の機能性を伴っている。
当業者により認識されるのは、上記プロセスの多くのバリエーションが、その基本的要素から逸脱せずに採用可能であることである。例えば、複数の実施形態は、プロセスの工程を別々にして、従って、プロセスが二つ、三つ以上の単位操作で実行されることに関わる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される特許請求の範囲に記載される実施形態では、他の精製方法が先行するか又はその後に実行されるか、あるいはその前後の両方で行われる場合がある。いくつかのそのような実施形態では、開示される本方法に引き続いて、特に分画方法が行われる。それにより、所望のIgGは、表面に保持され、従って、残りのPEGは洗い流され、そして、抗体が保持されたその表面から抗体が次に溶出されて、ここでPEGを含まなくなる。いくつかのそのような実施形態では、抗体が保持される表面は、陽イオン交換クロマトグラフィー媒体、アパタイト媒体、正電荷と疎水性を組み合わせた混合モード媒体からなる群より選択されるクロマトグラフィー媒体である場合がある。一つのそのような実施形態では、正電荷と疎水性を組み合わせた混合モードクロマトグラフィー媒体は、「Capto adhere」(GEヘルスケア)の名前で市販のクロマトグラフィー製品に相当する。
いくつかの実施形態では、調製物は、その収穫物を一又は複数の多価有機イオンと接触させる工程を含むコンディション調整方法によって、クロマチンが元の生体液よりも少なくとも99%低いレベルへ減少される。いくつかのそのような実施形態では、多価有機イオンは、電気陽性である。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは、可溶性多価イオンを含み、そして、メチレンブルー、エタクリジン、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムからなる陽イオンの群から選択される一又は複数のものである。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは、表面に共有結合されることにより不溶性となる。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは、不溶性電気陽性多価イオンであって、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アミノ基、一又は複数の型のアミノ基により付与される一より大きい正電荷を含む複合陽イオンからなる群より選択される一又は複数のものである。
いくつかの実施形態では、不溶性電気陽性多価イオンは、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)である。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは電気陰性である。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは、可溶性電気陰性多価イオンを含むものであって、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネン酸、デカン酸、メチルブルーからなる群より選択される一又は複数のものである。
いくつかの実施形態では、不溶性電気陰性多価イオンは、ホスホ基、カルボキシル基、スルホ基、一又は複数の型の負荷電基により付与される一より大きい負電荷を含む複合陰イオンからなる群より選択される一又は複数のものである。
いくつかの実施形態では、一又は複数の多価有機イオンは、不溶性複合型の電気陰性多価のものであり、イミノ二酢酸またはニトリロ酢酸である場合がある。
いくつかの実施形態では、不溶性多価イオンは、金属イオンに対して1:1の親和性を有している。
いくつかの実施形態では、アラントインが、任意ではあるが、0.6%〜50%、0.7%〜20%、0.8%〜10%、0.9%〜5%、1%〜2%、またはその中間値からなる群より選択される範囲の過飽和濃度で存在する場合がある。
いくつかの実施形態では、開示される本方法の終わりのIgG調製物は、非IgGを析出させる濃度の非イオン性有機ポリマーを含むことになることを考慮すると、精製方法の次のものを、具体的には、調製物からそのポリマーを減少させるか、または、除去するように選択する場合もある。一つのそのような実施形態では、IgGは、非イオン性有機ポリマーが結合せず、従って、除去されるような少なくとも一つの電気陰性表面に結合する場合がある。一つのそのような実施形態では、少なくとも一つの電気陰性表面は、いわゆる陽イオン交換体(例、IgG調製物を含むタンパク質のクロマトグラフィーによる分画を実施する目的のために既知および市販されるもの)である場合がある。一つのそのような実施形態では、陽イオン交換体は、膜、モノリス、充填粒子のカラム、または他の物理的型式の形態であってもよい。別の実施形態では、少なくとも一つの電気陰性表面は、いわゆる多モードクロマトグラフィー材料であって、その電気陰性を介する静電相互作用に加えて、疎水性相互作用および/または水素結合相互作用に関与することを可能にする表面組成を有するものからなっていてもよい。別の実施形態では、電気陽性クロマトグラフィー材料であって、疎水性相互作用および水素結合に関与することを可能にする表面組成を有するものを採用してもよい。一つのそのような実施形態では、PEG含有IgG調製物を、1MのNaCl(pH7.0)でCapto adhereを充填したカラムに添加した。抗体は結合したが、PEGは結合せず、したがって、除去された。抗体は、NaCl濃度を0.3Mに減少することによって溶出され、IgGが溶出した。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。ポリエチレングリコール(PEG)を、粒子により保持されるIgGに要求されるレベルとなるように加える。粒子に結合しない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。電気陽性粒子を、洗浄緩衝液の添加と組み合わせるか又はその後に加えてもよい。PEGの存在を除いては、緩衝液の処方は、抗体が結合しないままの状態で、残りの夾雑物が電気陽性粒子に結合するのに適している。液体を、例えば、膜を通して濾過することにより、再度、除去する。SXCおよび電気陽性粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様の緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性粒子に結合する。夾雑物が電気陽性粒子に結合するのに十分な時間後に、例えば、SXC粒子および電気陽性粒子を保持する膜(廃棄してもよいし、またはリサイクルしてもよい)を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。電気陽性粒子を、高塩濃度洗浄緩衝液の添加と組み合わせるか又はその後に加えてもよい。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。その洗浄緩衝液を除去する。SXCおよび電気陽性粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性粒子に結合する。夾雑物が電気陽性粒子に結合するのに十分な時間後に、例えば、SXC粒子および電気陽性粒子を保持する膜(廃棄してもよいし、またはリサイクルしてもよい)を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。その洗浄緩衝液を除去する。SXCおよび電気陽性粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となる。電気陽性粒子を加え、そして、夾雑物はその電気陽性粒子に結合する。夾雑物が電気陽性粒子に結合するのに十分な時間後に、例えば、SXC粒子および電気陽性粒子を保持する膜(廃棄してもよいし、またはリサイクルしてもよい)を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、電気陽性膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。洗浄緩衝液を、電気陽性膜を通して濾過することにより除去する。SXC粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性膜に結合する。夾雑物が電気陽性膜に結合するのに十分な時間後に、例えば、SXC粒子および酸性粒子を保持する電気陽性膜を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、同じ膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。洗浄緩衝液を、例えば、電気陽性膜を通して濾過することにより除去する。SXC粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性膜に結合する。夾雑物が電気陽性膜に結合するのに十分な時間後に、例えば、SXC粒子および酸性夾雑物を保持する電気陽性膜を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、同じ膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。洗浄緩衝液を、例えば、膜を通して濾過することにより除去する。SXC粒子を、PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液中に懸濁する。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となる。例えば、SXC粒子および酸性夾雑物を保持する電気陽性膜を通して濾過することにより、IgGを回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、標準的な精密濾過膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。高塩濃度洗浄緩衝液を、例えば、同じ膜を通して濾過することにより除去し、そして、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)で置換する。洗浄緩衝液は、PEGが存在すること以外、抗体は結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適している。100〜300kDaのサイズの球状タンパク質に一般的に対応する、約7.5〜20nmの平均孔サイズの電気陽性膜を通して、洗浄緩衝液を連続的に循環させる。PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液を、このシステムに注入し、システムからPEGを徐々に取り除く。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性膜に結合する。夾雑物が電気陽性膜に結合するのに十分な時間後に、膜は酸性夾雑物を保持する一方で、保持されたIgGを、濃縮ラインから回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
いくつかの実施形態では、SXC粒子を、モノクローナルIgG抗体を含む細胞培養上清に加える。PEGを、0.8MのNaClの存在下で粒子により保持されることになるIgG(溶液中で存在しているもの)に要求されるレベルとなるように加える。夾雑物に結合していない夾雑物を含む液体を、例えば、標準的な精密濾過膜を通して濾過して除去し、そして、クリーンなPEG−NaCl緩衝液(これ以後、高塩濃度洗浄緩衝液と称する)で置換する。100〜300kDaのサイズの球状タンパク質に一般的に対応する、約7.5〜20nmの平均孔サイズの電気陽性膜を通して、懸濁SXC粒子を含む高塩濃度緩衝液を連続的に循環させる。PEGが存在すること以外は、抗体が結合しない一方で、酸性夾雑物が電気陽性表面に結合するのに適する、NaClが無いか又は欠けているクリーンなPEG緩衝液(これ以後、洗浄緩衝液と称する)を、高濃度の塩が取り除かれるまでシステム中に注入する。洗浄緩衝液を、電気陽性膜を通して連続的に循環させる。PEGが無いか又は欠けているがその他は洗浄緩衝液と同様な緩衝液を、このシステムに注入し、システムからPEGを徐々に取り除く。その結果、IgGは、粒子から解離して可溶性形態となり、そして、夾雑物は電気陽性膜に結合する。夾雑物が電気陽性膜に結合するのに十分な時間後に、膜は酸性夾雑物を保持する一方で、保持されたIgGを、濃縮ラインから回収する。より密接に関連した実施形態では、SXC用粒子は、全体のプロセスから省略する場合がある。
本明細書中に開示された実施形態の別の目的および利点は、引き続く説明に一部記載され、部分的には、その説明から自明であるか、または本明細書中に開示される実施形態を実施することにより学習可能である。本明細書中に開示される実施形態の目的および利点は、特許請求の範囲に特定される要素およびその組み合わせによって、実現および達成される。
理解されるのは、前述の一般的説明と以後の詳細な説明が例示的であり且つ説明するためだけのものであり、特許請求の範囲に記載される本明細書中に開示される実施形態を限定するものではないことである。
実施例1:立体排除クロマトグラフィー媒体に結合するIgGの条件定義
哺乳類細胞培養により生産された抗HER2モノクローナル抗体から最も効率的に宿主細胞タンパク質を減少させるのをサポートする塩濃度を決定する実験を行った。平均直径が約30ミクロンの非イオン性親水性デンプン粒子を使用して、実験を行った。その粒子を、様々に異なるアリコートの細胞培養上清(CCS)と混合した。CCSの宿主タンパク質濃度は、約243,011ピー・ピー・エム(ppm)であった。サンプルを、アラントイン、エタクリジン、陰イオン交換粒子、および陽イオン交換粒子で処理して、宿主タンパク質濃度を165,213ppmへと減少させた。PEG−6000を、終濃度18%となるように加えた。NaClを、その後、異なるアリコートに加えて、0.0、0.2、0.4、0.8、および1.0Mを含む系列を作製した。処理済みサンプルの宿主細胞タンパク質の夾雑物レベルは、15,558ppm、1,994ppm、662ppm、90ppm、および266ppmであった。0.8Mでの精製は、従って、3桁より大きい減少である99.95%の改善を示す。
実施例2:陰イオン交換処理のための塩濃度の決定
実施例1の抗体を、VEAXにより評価した。塩を欠くが、3〜9の範囲の各種pH値での別の実験中で平衡化したVEAXカラムに、サンプルを添加した。また、様々に異なるレベルの塩(0M〜1M)を含むpH8のVEAXカラムに、サンプルを添加した。最も効果的な夾雑物の減少が、塩非存在下のpH8.0で達成された。引き続く実験により、標的pHを8.2に精査した。pH8.15および8.25の両者では、性能は劣っていた。これらの条件下では、VEAXにより、宿主タンパク質(宿主タンパク質、DNA、ウイルス、およびエンドトキシンを含むもの)が最高99.8%減少した。これらの条件は、この抗体のための、SXCと合わせた陰イオン交換による夾雑物抽出の条件を定義する。
実施例3:陰イオン交換処理のための塩濃度の決定
実験1および2の抗体を、積層型平坦膜および中空繊維型式の陰イオン交換膜に添加した。夾雑物の減少は、VEAX用と同じ条件下で、基本的に同じであった。これらの実験結果は、SXCと陰イオン交換膜を一体化することにより、6桁より大きい精製(99.9999%)が実現可能なことを示す。
実施例4:SXCと電気陽性粒子との組み合わせ
細胞培養上清由来のHER2 IgGを、1MのNaClで、19%のPEG−6000の存在下でデンプン粒子に結合させた。また、DowexAG1X8(200−400メッシュ)の形態の電気陽性粒子を4%(w/v)の量で存在させた。流体を、0.22ミクロンの孔を有する膜を通して濾過して除去し、その後、19%のPEG−6000、1MのNaCl、および50mMのTris(pH8.0)を含むクリーンな緩衝液で置換した。流体を除去して、19%のPEG−6000および50mMのTris(pH8.0)を含むクリーンな緩衝液で置換した。この工程をリピートし、その後、流体を濾過により除去した。この流体を50mMのTris(pH8.0)で置換した。宿主細胞タンパク質が、元のサンプルの142,000ピー・ピー・エム(ppm)から、約120ppmへ減少した。
実施例5:SXCと電気陽性粒子との組み合わせ
デンプン粒子が、19%のPEG−6000および50mMのTris(pH8.0)で洗浄されるまでは、電気陽性粒子を加えないことを除いては、実施例4の形態をリピートした。流体を除去し、その後、50mMのTris(pH8.0)で置換して、IgGをSXC粒子から解離させた。宿主細胞タンパク質が、元のサンプルの142,000ピー・ピー・エム(ppm)から、約1ppm未満へ減少した。
実施例6:SXCと電気陽性粒子との組み合わせ
Dowex粒子の代わりにUNOspere Q粒子を使用したことを除いては、実施例5の形態をリピートした。宿主細胞タンパク質の減少の結果は同等であったが、IgGの回収率はより高かった。
実施例7:SXCと電気陽性粒子との組み合わせ
実施例6の形態でリピートしたが、IgGをSXC粒子から解離後の粒子暴露時間を、様々に増加させて変化させ、ベストな結果を得るのにどれだけ時間が必要かを決定した。結果は、基本的に、30および60分で同じであったが、それより短い暴露時間では劣っていた。
実施例8:
275,357ppmの宿主細胞タンパク質、5283ppmのDNA、および13.96%の凝集物を含むIgG含有細胞培養収穫物を、1%のアラントインを加え、その後、0.025%のエタクリジンを加えてコンディションを調整し、その後、15分間混合した。MacroPrep High Q、MacroPrep High S、Macroprep tButyl、およびChelex−100(バイオ・ラッドLaboratories)の等量混合物を、事前に、50mMのHEPES、100mMのNaCl(pH7.0)で洗浄することにより平衡化した。平衡化した混合粒子を、粗IgG調整物に、2%(v/v)の量で加え、その後、4〜8℃で一晩混合した。固形物を、精密濾過により除去した。デンプン被覆200nmの磁性粒子1.25mgを、コンディションを調整した粗IgG調整物20mLに加えた。1.6MのNaCl、50mMのHEPES(pH7.0)中の36%のPEG−6000の20mLを、ボルテックスミキサー上で500rpmにて混合しながら、徐々に加えて、終濃度が18%のPEG−6000および0.8MのNaClとなった。ボルテックスによる混合を30分間継続し、その後、IgGが載った粒子を、磁性を使って回収した。IgGが載った粒子を、新しい50mMのHEPES、0.8MのNaCl(pH7.0)で洗浄し、そして、その洗浄溶液を除去した。洗浄緩衝液を除去し、粒子を同様なやり方で再度洗浄した。洗浄緩衝液を除去し、抗体を、50mMのHEPES、1MのNaCl(pH7)中に再可溶化した。電気陽性−疎水性クロマトグラフィー媒体(Capto adhere、GEヘルスケア)で1mLのカラムを充填し、同じ条件に平衡化した。可溶化IgGをカラムに添加し、そこでは、残ったPEGが結合する一方で、IgGが結合し、および、いくつかの夾雑物も結合すると理解された。その後、5カラム容量の平衡化緩衝液を洗浄液として添加し、より完全にシステムから非結合構成要素を除去した。IgGを、50mMのHEPES、300mMのNaCl(pH7.0)を終点とする10カラム容量の直線勾配で溶出した。精製性能を、以下の表に記載する。表中、「Con後」はコンディション調整後を示し、「NP後」はナノ粒子後を示し、「CA後」はCapto adhere後を示す。回収率下の左手の値は、その工程の回収率を示す。一方で、右手の値は、その工程プラス前の工程の積算回収率を示す。「bld」は、検出限界以下を示す。より詳細に関しては、Gagnonら(2014年)上記を参照されたい。
Figure 2016507588
実施例9:
176,244ppmの宿主タンパク質夾雑物および19%の凝集物を含むIgG含有細胞培養収穫物を、1%のアラントイン、4%の電気陽性金属親和性粒子(TREN40 high、Bio−Works)を加えてコンディションを調整し、そして、室温で4時間混合した。解析用に分取されたサンプルにより、宿主タンパク質が90,259ppmに減少し、凝集物が1.2%に減少したことが示された。pHを5.2に減少させ、0.5%のカプリル酸を加え、そして、混合物を2時間インキュベートした。解析用に分取されたサンプルにより、宿主タンパク質が1,758ppmであり、凝集物が約0.4%であることが示された。固形物を、電気陽性デプスフィルター(Sartorius PCI)を通して除去した。宿主タンパク質は、135ppmに減少し、凝集物は、0.05%未満に減少した。抗体を、pH7.0の18%のPEG−6000中で析出させることにより精製した。析出物は、その後、1.8Mの硫酸アンモニウムで洗浄して、PEGを除去し、その後、抗体を、50mMのHepes(pH7.0)中に再可溶化した。宿主タンパク質は32ppmに減少した。50mMのTris(pH8.0)でのボイド排除モードで操作される陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(UNOsphere Q、バイオ・ラッド)に添加後、宿主タンパク質は1ppm未満に減少した。PEG析出が800mMのNaClの存在下で実行されることだけが異なる並行実験では、宿主タンパク質が1ppm未満に減少した。陰イオン交換工程は、宿主タンパク質および凝集物を、検出不能なレベルに減少させた。
実施例10:
286,010ppmの宿主タンパク質夾雑物および23%の凝集物を含むIgG含有細胞培養収穫物を、1%のアラントインおよび0.025%のエタクリジンを加えてコンディションを調整し、そして、1時間室温で撹拌しながらインキュベートした。複数粒子(Chelex−100、MacroPrep tButyl、Macroprep High Q;バイオ・ラッド製)の1:1:1混合物を混合し、生理的条件に平衡化し、そして、沈降した混合粒子を、合わせて5%の量で収穫物に加え、その後、室温で2時間混合した。宿主タンパク質は、43,058ppmに減少し、凝集物は、3.4%に減少した。pH8.0で実施した実験系列の一つでは、濃度を、600mM、800mM、900mM、および1000mM(1M)とした各実験で、PEG−6000を用いて析出させることにより、サンプルを分画した。析出物を、その後、PEG、50mMのTris(pH8.0)中で洗浄し、その後、抗体を50mMのTris(pH8.0)中に再可溶化した。この系列での宿主タンパク質は、各々51、55、45、および41ppmに減少した。Dowex AG1X2(バイオ・ラッド)の形態の陰イオン交換粒子を、各サンプルに5%(v/v)の量で加えて、60分間混合した。この系列での宿主タンパク質は、16、17、15、および13ppmに減少した。初期PEG析出をpH7.0で実施する以外は、全ての詳細について同一条件で、別の系列の実験を実行した。PEG工程後の宿主タンパク質は、600mMのNaClトラックに対しては44ppmで、800mMトラックに対して43ppmで、900mMトラックに対して29ppmで、および1000mMトラックに対して31ppmであった。Dowex処理後、宿主タンパク質は、各々20、17、12、および16ppmに減少した。
実施例11:
286,010ppmの宿主タンパク質夾雑物および23%の凝集物を含むIgG含有細胞培養収穫物を、1%のアラントインおよび0.025%のエタクリジンを加えてコンディションを調整し、そして、1時間室温で撹拌しながらインキュベートした。複数粒子(Chelex−100、MacroPrep tButyl、Macroprep High Q;バイオ・ラッド製)と電気陽性金属親和性粒子(TREN 40 high、BioWorks製)の1:1:1:1混合物を混合し、生理的条件に平衡化し、そして、沈降した混合粒子を、合わせて5%の量で収穫物に加え、その後、室温で2時間混合した。宿主タンパク質は、38,061ppmに減少し、凝集物は、1.4%に減少した。pH8.0で実施した実験系列では、NaCl濃度を、600mM、800mM、900mM、および1000mM(1M)とした各実験で、PEG−6000を用いて析出させることにより、サンプルを分画した。析出物を、その後、PEG、50mMのTris(pH8.0)中で洗浄し、その後、抗体を50mMのTris(pH8.0)中に再可溶化した。宿主タンパク質は、各々79、69、56、および57ppmに減少した。Dowex AG1X2(バイオ・ラッド)の形態の陰イオン交換粒子を、各サンプルに5%(v/v)の量で加えて、60分間混合した。この系列での宿主タンパク質は、18、17、16、および13ppmに減少した。初期PEG析出をpH7.0で実施する以外は、全ての詳細について同一条件で、別の系列の実験を実行した。PEG工程後の宿主タンパク質は、600mMのNaClトラックに対しては94ppmで、800mMトラックに対して62ppmで、900mMトラックに対して67ppmで、および1000mMトラックに対して46ppmであった。Dowex処理後、宿主タンパク質は、各々28、9、23、および17ppmに減少した。
実施例12:
321,483ppmの宿主タンパク質および26%の凝集物を含むIgM含有細胞培養収穫物を、1%のアラントイン、0.025%のエタクリジンおよびNaClを加えてコンディションを調整し、25mS/cmの電導度を得た。混合物を1時間インキュベートし、固形物を遠心分離により除去した。そして、収穫物に対するカラムの容量比が5%である、等量の割合のMacroPrep tButyl、Macroprep High Q、Macroprep High S、およびChelex 100を充填したカラムに、その液体を通過させた。宿主タンパク質は、73,663ppmに減少し、凝集物は、0.8%に減少した。並行するが別の実験(両者はpH7の13%PEG−6000を有し、一方は100mMのNaClを有し、他方は800mMのNaClを有する)で、サンプルを分画した。析出物は、その後、13%PEG、50mMのHepes(pH7.0)で洗浄して、過剰な塩を除去し、その後、IgMを、50mMのHepes(pH7.0)中に再可溶化した。100mMのNaClで宿主タンパク質は7,411ppmに減少した。800mMのNaClで宿主タンパク質は417ppmに減少した。凝集物の含有量は、1.1%に増加した。サンプルをpH7.0で、陰イオン交換モノリス(CIM QA、BIA Separations)に添加し、そして、塩化ナトリウム勾配を用いて溶出した。100mMのNaClでのPEG析出に対応するサンプルでの宿主タンパク質は、1,424ppmに減少した。800mMのNaClでのPEG析出に対応するサンプルでの宿主タンパク質は、63ppmに減少した。凝集物は、両方の調製物に関して0.01%未満であった。
本明細書中に開示される本実施形態を他の精製方法と組み合わせて、よりハイレベルな精製を実現してもよい。そのような他の精製方法の例には、限定はされないが、IgGの精製に共通して使用される他の方法(例、プロテインAおよび他の形態のアフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー、ならびに別の混合モードクロマトグラフィー方法);また、析出法、結晶化法、および液−液抽出法が含まれる。各種方法のために適切な条件を開発し、それらを本明細書中に開示される実施形態と一体化して、特定の抗体の必要な精製を実現することは、当業者の理解の範囲である。
本明細書中に引用したすべての参考資料は、あらゆる目的のために参照により完全に組み込まれる。その程度は、あたかも各個々の刊行物、特許、または特許出願が、あらゆる目的のために完全に参照により組む込まれることが、具体的に且つ個々に示されたと同じである。参照により組み込まれた刊行物および特許または特許出願が、本明細書中に含まれる開示と矛盾する場合は、本明細書が、任意のそのような矛盾する題材に取って代わり及び/又は優先することが意図される。
本明細書および特許請求の範囲に使用される成分およびクロマトグラフィー条件等の量を表わす全ての数値は、用語「約」により全ての例で修飾されるものと理解される。従って、そのでないと明記されない限り、本明細書および添付された特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書中に開示される本実施形態により得られようとする所望の性能に依存して変化する場合がある近似値である。
本明細書に開示される実施形態の多くの改変例やバリエーションは、その精神と範囲から逸脱しないようになすことができ、それらは当業者には明らかである。本明細書中に記載される具体的実施形態は、例としてのみ提供されるものであり、いかなるやり方でも限定することを意味していない。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ考慮されることが意図され、本明細書に開示される実施形態の真の範囲と精神を、以下の特許請求の範囲により示す。

Claims (21)

  1. 調製物から所望タンパク質を精製する方法であって、
    (a)元の生産培地中にあるクロマチンが約5%未満となる形態で前記調製物を提供する工程と、
    (b)前記調製物を非イオン性有機ポリマーおよび塩と接触させる工程であって、非イオン性有機ポリマー濃度が、前記所望タンパク質を析出するか、または、親水性表面上に前記所望タンパク質を付着させるか、あるいは、前記所望タンパク質を析出状態に維持するか、または、前記親水性表面上に付着するように維持するのに十分であり、前記塩の濃度が生理学的条件よりも大きな電導度を生みだすのに十分である工程と、
    (c)前記調製物を少なくとも一つの電気陽性表面と接触させる工程であって、任意ではあるが、生理学的条件よりも大きな電導度を生み出すのに十分な塩濃度の存在下で行われ、従って、前記所望タンパク質が前記少なくとも一つの電気陽性表面に実質的に吸着しない一方で、前記少なくとも一つの電気陽性表面に酸性夾雑物が吸着するのを阻止しない工程と、を含む方法。
  2. (d)前記調製物を少なくとも一つの非イオン性親水性表面と接触させる工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(a)および(b)中の前記塩濃度が同じである、請求項1に記載の方法。
  4. 多孔性膜上に前記析出した所望タンパク質を保持させる一方で、可溶性夾雑物が前記膜を通過して除去される工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 実質的に不活性な微小多孔性膜上に前記析出した所望タンパク質を保持させる一方で、前記塩濃度とは独立して、可溶性夾雑物が前記膜を通過して除去される工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  6. 電気陽性の微小多孔性膜上に前記析出した所望タンパク質を保持させる一方で、前記電導度が生理学的電導度より大きい場合、可溶性夾雑物が前記膜を通過する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記方法が単一の一体化装置で実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記非イオン性有機ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記非イオン性有機ポリマーの平均ポリマーサイズが、(a)約1,500ダルトン〜約15,000ダルトン、(b)約2,000ダルトン〜約12,000ダルトン、(c)約3,000ダルトン〜約10,000ダルトン、(d)約4,000ダルトン〜約8,000ダルトン、および(e)約5,000ダルトン〜約6,000ダルトンからなる群より選択される一つの範囲にある、請求項1に記載の方法。
  10. 前記電導度が、生理学的電導度よりも少なくとも1mS/cm大きい、請求項1に記載の方法。
  11. 前記塩が、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、グアニジン塩酸塩、およびその組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記塩が、(a)約0.5M〜約1.5M、(b)約2.0M〜約3.0M、およびその中間にある範囲からなる群より選択される濃度の塩化ナトリウムである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記少なくとも一つの電気陽性表面が、(a)約100nm、(b)約220nm、(c)約450nm、(d)約1ミクロン、(e)約2ミクロン、およびその中間値からなる群より選択される平均サイズの孔を有する膜である、請求項1に記載の方法。
  14. 前記少なくとも一つの電気陽性の固形物が複数の粒子である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記少なくとも一つの電気陽性の固形物が、モノリス系クロマトグラフィー装置、膜系クロマトグラフィー装置、粒子系クロマトグラフィー装置、ハイドロゲル系装置をサポートするマクロ網状骨格、およびその組み合わせを含む群から選択されるクロマトグラフィー装置の一部である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記塩濃度が、ゼロ、1mM、2mM、5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、およびその中間濃度を含む群から選択される、請求項1に記載の方法。
  17. 工程(a)中のpHが、(a)約8〜約9、(b)約8〜約8.5、(c)約7.5〜約8.5、(d)約7.25〜約8.25、(e)約7.0〜約8.0、(f)約6〜約7、およびその中間pH範囲からなる群より選択される範囲にある、請求項1に記載の方法。
  18. 工程(b)中のpHが、(a)約5〜約9、(b)約6〜約8、(c)約6.5〜約7.5、(d)約7.5〜約8.5、およびその中間pH範囲からなる群より選択される範囲にある、請求項1に記載の方法。
  19. 少なくとも一つの前記親水性表面が、膜、モノリス、および複数粒子であって、前記複数粒子が、任意ではあるが、磁性であるものからなる群より選択される一つを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 前記少なくとも一つの電気陽性表面が、膜、モノリス、および複数粒子であって、前記複数粒子が、任意ではあるが、磁性であるものからなる群より選択される一つを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記調製物が、細胞培養培地、培養生物由来の抽出物、および体液からなる群より選択される一つである、請求項1に記載の方法。
JP2015559216A 2013-02-26 2014-02-26 非イオン性有機ポリマーおよび電気陽性表面の存在下でのタンパク質精製 Pending JP2016507588A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361769416P 2013-02-26 2013-02-26
US61/769,416 2013-02-26
PCT/SG2014/000084 WO2014133458A1 (en) 2013-02-26 2014-02-26 Protein purification in the presence of nonionic organic polymers and electropositive surfaces

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016507588A true JP2016507588A (ja) 2016-03-10

Family

ID=51428596

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015559216A Pending JP2016507588A (ja) 2013-02-26 2014-02-26 非イオン性有機ポリマーおよび電気陽性表面の存在下でのタンパク質精製

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10112971B2 (ja)
EP (1) EP2961759A4 (ja)
JP (1) JP2016507588A (ja)
KR (1) KR20150122645A (ja)
CN (1) CN105008383A (ja)
SG (2) SG11201505203XA (ja)
WO (1) WO2014133458A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017183536A1 (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 昭和電工株式会社 タンパク質凝集体の除去方法

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2902799B1 (fr) 2006-06-27 2012-10-26 Millipore Corp Procede et unite de preparation d'un echantillon pour l'analyse microbiologique d'un liquide
US8163886B2 (en) 2006-12-21 2012-04-24 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
US8362217B2 (en) 2006-12-21 2013-01-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
US8569464B2 (en) 2006-12-21 2013-10-29 Emd Millipore Corporation Purification of proteins
CN105037535A (zh) 2008-12-16 2015-11-11 Emd密理博公司 搅拌槽反应器及方法
EP3597671B1 (en) 2010-05-17 2022-09-21 EMD Millipore Corporation Stimulus responsive polymers for the purification of biomolecules
US10253063B2 (en) * 2013-02-28 2019-04-09 Agency For Science, Technology And Research Protein purification in the presence of nonionic organic polymers at elevated conductivity
US10414794B2 (en) 2014-02-19 2019-09-17 Agency For Science, Technology And Research Method of purifying an antibody
SG11201809685XA (en) * 2016-06-15 2018-11-29 Agency Science Tech & Res A method of enhancing the performance of chromatography methods for purification of proteins
CN114471157A (zh) * 2022-01-24 2022-05-13 烟台金正环保科技有限公司 一种荷正电耐酸纳滤膜的制备方法及荷正电耐酸纳滤膜
EP4316623A1 (en) * 2022-08-04 2024-02-07 Max-Planck-Gesellschaft zur Förderung der Wissenschaften e.V. Chromatography method for nanoparticle purification and/or separation
EP4321521A1 (en) * 2022-08-11 2024-02-14 PreOmics GmbH Fractionation of proteins for proteomics
WO2024033534A1 (en) 2022-08-11 2024-02-15 Preomics Gmbh Fractionation of proteins for proteomics

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6261922A (ja) * 1985-09-11 1987-03-18 マイルス・ラボラトリ−ス・インコ−ポレ−テツド 水溶液から蛋白質を分離するための改良方法
JP2006517415A (ja) * 2003-01-09 2006-07-27 ジェネンテック・インコーポレーテッド ポリペプチドの精製
JP2008500959A (ja) * 2004-01-30 2008-01-17 スオメン プナイネン リスティ ヴェリパルヴェル ウイルスについて安全な免疫グロブリンの製造方法
JP2010241761A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Asahi Kasei Chemicals Corp アニオン交換基が固定された多孔膜を用いた抗体モノマーの精製方法
JP2010534719A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 ファイザー・リミテッド 沈殿化による抗体精製方法
JP2011530592A (ja) * 2008-08-14 2011-12-22 ジェネンテック, インコーポレイテッド 常在性タンパク質置換イオン交換メンブレンクロマトグラフィを用いた混入物除去方法
US20120101262A1 (en) * 2009-06-25 2012-04-26 Bristol-Myers Squibb Company Protein purification by caprylic acid (octanoic acid) precipitation

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3808189A (en) * 1973-03-15 1974-04-30 American Cyanamid Co Isolation of gamma globulin preparations enriched in iga and igm using polyethylene glycol
GB2420976B (en) * 2004-11-19 2006-12-20 Zvi Finkelstein Therapeutic implant
EP2120915B1 (en) * 2007-01-22 2011-09-28 Genentech, Inc. Polyelectrolyte precipitation and purification of antibodies
US20090292109A1 (en) * 2008-04-16 2009-11-26 Biogen Idec Ma Inc. Method of Isolating Biomacromolecules Using Polyalkylene Glycol and Transition Metals
TWI527759B (zh) 2010-08-05 2016-04-01 首威公司 用以純化氟之方法
CN103717284B (zh) * 2011-06-08 2016-02-24 新加坡科技研究局 通过约束共水合色谱纯化生物制品
SG11201407801VA (en) * 2012-05-31 2014-12-30 Agency Science Tech & Res Methods for use of mixed multifunctional surfaces for reducing aggregate content in protein preparations
KR20150023297A (ko) * 2012-05-31 2015-03-05 에이전시 포 사이언스, 테크놀로지 앤드 리서치 고상 우레이드에 대한 생물학적 표적의 선택적 결합
EP2855502B1 (en) * 2012-05-31 2019-06-26 Agency For Science, Technology And Research Methods for reducing levels of protein-contaminant complexes and aggregates in protein preparations by treatment with electropositive organic additives
KR20150115745A (ko) * 2013-02-06 2015-10-14 에이전시 포 사이언스, 테크놀로지 앤드 리서치 단백질 제제로부터 응집체 함량을 감소시키는 방법
EP2958931B9 (en) * 2013-02-22 2020-04-15 Agency For Science, Technology And Research Materials and methods for removing endotoxins from protein preparations
US10253063B2 (en) * 2013-02-28 2019-04-09 Agency For Science, Technology And Research Protein purification in the presence of nonionic organic polymers at elevated conductivity
WO2014133459A1 (en) * 2013-02-28 2014-09-04 Agency For Science, Technology And Research Chromatographic purification of antibodies from chromatin-deficient cell culture harvests
EP3004135A4 (en) * 2013-06-04 2016-11-23 Agency Science Tech & Res PROCESS FOR CLEANING PROTEINS
US10414794B2 (en) * 2014-02-19 2019-09-17 Agency For Science, Technology And Research Method of purifying an antibody
CN106061993A (zh) * 2014-02-27 2016-10-26 新加坡科技研究局 通过用芳基阴离子处理来降低蛋白质制剂的聚集物含量的方法
EP3110830A4 (en) * 2014-02-27 2017-10-04 Agency For Science, Technology And Research Methods for reducing chromatin content in protein preparations by treatment with alkyl cations
SG11201607098SA (en) * 2014-02-27 2016-09-29 Agency Science Tech & Res Antibody purification process

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6261922A (ja) * 1985-09-11 1987-03-18 マイルス・ラボラトリ−ス・インコ−ポレ−テツド 水溶液から蛋白質を分離するための改良方法
JP2006517415A (ja) * 2003-01-09 2006-07-27 ジェネンテック・インコーポレーテッド ポリペプチドの精製
JP2008500959A (ja) * 2004-01-30 2008-01-17 スオメン プナイネン リスティ ヴェリパルヴェル ウイルスについて安全な免疫グロブリンの製造方法
JP2010534719A (ja) * 2007-07-27 2010-11-11 ファイザー・リミテッド 沈殿化による抗体精製方法
JP2011530592A (ja) * 2008-08-14 2011-12-22 ジェネンテック, インコーポレイテッド 常在性タンパク質置換イオン交換メンブレンクロマトグラフィを用いた混入物除去方法
JP2010241761A (ja) * 2009-04-09 2010-10-28 Asahi Kasei Chemicals Corp アニオン交換基が固定された多孔膜を用いた抗体モノマーの精製方法
US20120101262A1 (en) * 2009-06-25 2012-04-26 Bristol-Myers Squibb Company Protein purification by caprylic acid (octanoic acid) precipitation

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIOTECHNOL. PROG., 2008年, vol. 24, JPN6019014212, pages 640 - 647, ISSN: 0004019892 *
J. BIOTECHNOL., 2007年, vol. 132, JPN6018033077, pages 209 - 217, ISSN: 0004019890 *
J. CHROMATOGR. A, 2009年, vol. 1216, JPN6017044588, pages 7851 - 7864, ISSN: 0004019889 *
J. CHROMATOGR. A, 2012年, vol. 1270, JPN6017044591, pages 162 - 170, ISSN: 0004019891 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017183536A1 (ja) * 2016-04-18 2017-10-26 昭和電工株式会社 タンパク質凝集体の除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20150122645A (ko) 2015-11-02
US20160009759A1 (en) 2016-01-14
SG10201610955SA (en) 2017-02-27
US10112971B2 (en) 2018-10-30
EP2961759A1 (en) 2016-01-06
SG11201505203XA (en) 2015-08-28
CN105008383A (zh) 2015-10-28
WO2014133458A1 (en) 2014-09-04
EP2961759A4 (en) 2016-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2016507588A (ja) 非イオン性有機ポリマーおよび電気陽性表面の存在下でのタンパク質精製
US10253063B2 (en) Protein purification in the presence of nonionic organic polymers at elevated conductivity
JP6329179B2 (ja) タンパク質精製方法
JP6410734B2 (ja) タンパク質調製物の凝集体含有量を低減する方法
JP2016509068A (ja) クロマチン欠損細胞培養採取物からの抗体のクロマトグラフィー精製
US20180201685A1 (en) Methods for use of mixed multifunctional surfaces for reducing aggregate content in protein preparations
JP6385374B2 (ja) タンパク質製剤からエンドトキシンを除去するための物質および方法
JP2016520655A (ja) タンパク質精製プロセス
JP2015523859A (ja) 固相ウレイドに対する生物学的標的物の選択的結合
JP2017506646A (ja) タンパク質調製物のクロマチン含有量をアルキルカチオン処理によって減少させる方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160331

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190507