JP6329179B2 - タンパク質精製方法 - Google Patents

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Description

[関連出願の相互参照]
本願は、2013年2月6日に出願された米国の仮出願第61/761,646号、2013年2月14日に出願された仮出願第61/764,966号、2013年6月4日に出願された仮出願第61/831,099号、2013年6月29日に出願された仮出願第61/859,772号および2013年11月22日に出願された仮出願第61/907,877号の優先権を主張するものであり、参照することによって、その全体が本願に組み込まれるものとする。
本発明は、タンパク質精製方法に関する。
組換えタンパク質の精製は、通常、細胞や細片を除去する清澄ステップから始め、残存する上清を、細胞や細片の存在により妨害または無効とされる恐れのある方法により加工できるようにする。該除去は、通常、遠心分離や精密濾過などの物理的方法を伴い、時には、陰イオン交換能を有する膜やデプスフィルターの使用や、陰イオン交換ポリマーまたは粒子を抗体含有産物に直接添加することを伴う(Gagnon,P.,Purification Tools for Monoclonal Antibodies,Validated Biosystems,Tucson,1996(非特許文献1);Kuczewski,Mら、Biopharm Int.23(3)(2010)20−25(非特許文献2);Kuczewski,M.ら、Biotechnol.J.,6(2011)56−65(非特許文献3))。Ganら(J.Chromatography A191(2013)33−40(非特許文献4))は、最近、可溶性および不溶性有機多価イオンを用いるクロマチン異化産物を標的とした除去が、特に細胞培養産物の効果的な調整を支援することを示した。物理的な清澄方法は、一般的にクロマチンを著しくは低下させない。該産物に陰イオン交換粒子を加えると、一般的にDNAの約半分を除去する。Ganら(前記)により記載された方法のいくつかは、クロマチンの99%を除去し、正確にクロマチン指向性清澄方法と称してもよい。
ポリエチレングリコール(PEG)を用いる沈殿によるタンパク質の精製については、記載されており、一般的には、PEGを水性タンパク質調製物に溶解し、タンパク質をその溶液から沈殿させる、水相手法として行われる。PEGの大きさと濃度は、pHと同様、既知の処理変数である(前記Gagnon、1996(非特許文献1);D.Atha,K.ら、J.Biol.Chem.256(1981)12108−12117(非特許文献5);米国特許出願公開第2008/0214795(特許文献1)、それぞれ参照することによって、本願に組み込まれるものとする)。抗体の等電点に作動pHを近づけるにしたがい、沈殿に必要なPEGの濃度が低くなる。塩化ナトリウム(NaCl)などの非タンパク質沈殿塩の濃度は、選択性に対してほとんど有意な効果を有していないことが示されたが(前記Athaら(非特許文献5))、該手法は約1.7M以下(10%、Gervaisら、米国特許出願公開第2010/0204455号(特許文献2))の濃度のNaClの存在下に行われていた。また、PEG仲介立体排除クロマトグラフィーは、PEGが濃度の上昇したNaClと結合した時にIgGのより高回収および不純物の低レベルを達成することも示され、さらにpHの影響を大いに排除することが留意された(P.Gagnonら、J.Chromatogr.A1324(2014)171−180(非特許文献6))。タンパク質沈殿リン酸ナトリウム塩とのPEGの結合が記載されている(前記Gervais(特許文献2);米国特許第4,379,086号(特許文献3)および4,515,776号(特許文献4))。
米国特許出願公開第2008/0214795号 米国特許出願公開第2010/0204455号 米国特許第4,379,086号 米国特許第4,515,776号
Gagnon,P.,Purification Tools for Monoclonal Antibodies,Validated Biosystems,Tucson,1996 Kuczewski,Mら、Biopharm Int.23(3)(2010)20−25 Kuczewski,M.ら、Biotechnol.J.,6(2011)56−65 J.Chromatography A191(2013)33−40 D.Atha,K.ら、J.Biol.Chem.256(1981)12108−12117 P.Gagnonら、J.Chromatogr.A1324(2014)171−180
沈殿物を再可溶化した後の残留PEGの除去が、該手法の大きな問題である。前記Kuczewskiらは、PEGは通過するが、IgGは陽イオン交換カラムに結合される状態の陽イオン交換クロマトグラフィーにより除去している。別のPEGの除去方法では、流体力学半径または直径として測定された大きさが、沈殿に使用されるタンパク質と同じ範囲にあるという事実により、煩雑である。このことは、PEG除去のためには、サイズ排除クロマトグラフィー、透析および透析濾過の標準法が不適当であるものである。IgGモノクローナル抗体とともに広く行われているような、フロースルー式陰イオン交換クロマトグラフィーもまた、PEGが抗体と一緒に通過するので不適当である。
ある態様において、ここに開示されている実施形態は、タンパク質調製物から所望のタンパク質を精製する方法に関し、該方法は、タンパク質調製物を、必要に応じて過飽和状態のアラントインの存在下に、可溶性有機多価イオン、固定化有機多価イオンまたは両者で処理することにより調整して、クロマチンの少なくとも90%を除去した後、(1)生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に、所望のタンパク質を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させ、該所望のタンパク質の沈殿物を得るか、または(2)生理的濃度より高濃度の非沈殿塩の非存在下に、該所望のタンパク質を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させて沈殿物を得た後、生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に該沈殿物を非イオン性有機ポリマーにより洗浄し、必要に応じて非イオン性有機ポリマーの非存在下に該沈殿物をタンパク質沈殿塩により洗浄することを有する。該沈殿または洗浄ステップでは、必要に応じて実質的にタンパク質沈殿塩の非存在下に、必要に応じて所望のタンパク質の等電点の0.5pH単位以内の値に所望のタンパク質のpHを調節することなく行い、該沈殿塩は、所望のタンパク質を沈殿状態に維持できる十分な濃度で存在させる。
抗体を含有するタンパク質調製物を、クロマチンおよびクロマチン異化産物の90%以上を除去するが、抗体は可溶である条件下に、可溶性有機多価イオンおよび/または固体表面に固定化された有機多価イオンに曝露することによる調整は、PEG沈殿による分画能を予想外に高い程度まで高めることが分かった。例として、調整ステップが宿主のタンパク質からの混入物を30−70%低下させる場合、特に、沈殿剤が過剰の非沈殿塩を含有する場合、驚くべきことに、次のPEG沈殿ステップの能力を高め、さらに宿主タンパク質混入を400−500%以上低下させる。これは、クロマチン指向性清澄方法は、全体の混合物負荷を単に低下させて次の精製を手助けするのではなく、次の精製ステップを妨害する混入物を除去することによるという、重要な点を強調している。正常な生理的レベルよりも高い濃度で沈殿中に塩が存在すると、作動pHを所望のタンパク質の等電点に、または該等電点の近似値に調節する必要性を劇的に低減、場合によっては実質的に無効にする。沈殿した所望のタンパク質を、PEGを有しないが、該タンパク質を沈殿させておくために適当な濃度でタンパク質沈殿塩を有する最終洗浄液での洗浄は、所望のタンパク質の再可溶化前にPEGを除去することによるなお一層の利点を提供する。これらの特徴の種々の組み合せは、調整ステップと沈殿ステップの組み合せが、宿主細胞混入物を生物親和性クロマトグラフィーなどの高機能方法により達成されるレベル以下に低下させることを特に可能にしている。同様に、これにより、開示された方法は、抗体の再可溶化後の単一の付加的な分画ステップのみにより精製された所望のタンパク質が、インビボ使用を支えるために十分な精製のレベルを達成できる。実験データは、一体化された方法はIgGおよびIgM抗体に広く適用可能であることを示している。そのIgM抗体を効果的に精製する能力は、非抗体タンパク質の精製への適応性を示している。ここに開示した方法の態様は、国際特許出願第WO2013180650号、WO2013180649号およびWO2013180655号(これらは参照することによって、その全体が本願に組み込まれるものとする)に開示されている方法に関連して使用される。
一つまたは複数の実施形態では、有機多価イオンでのタンパク質調製物の調整は、試料を電気陽性有機添加剤に接触させることを有する。そのような実施形態では、電気陽性有機添加剤は、エタクリジン、メチレンブルーおよび臭化セチルトリメチルアンモニウムからなる群から選択される少なくとも一つを有する。そのような実施形態では、その添加剤の濃度または添加剤の組み合せの合計濃度は、0.001〜1%または0.01〜0.1%または0.02〜0.05%の範囲である。そのような実施形態では、調製物のpHは、所望のタンパク質の回収の顕著な低下を引き起こさないアルカリ価まで調節してもよい。所望のタンパク質がIgGモノクローナル抗体である実施形態では、実験結果が抗体の回収が可能であることを示しているならば、そのpHは、該抗体の等電点のpH単位の半分まで、またはそれ以上に調節してもよいが、そのような調節は必要ではない。高濃度の塩の存在下にpHを調節する限り、タンパク質等電点の約0.5〜約1.0pH単位以内のpH値が十分であり、約1.5pH単位以内または約2.0pH単位以内で十分である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、有機多価イオンでのタンパク質調製物の調整は、試料を電気陰性有機添加剤に接触させることを有する。そのような実施形態では、電気陰性有機添加剤は、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネノン酸、デカン酸およびメチルブルーからなる群から選択される少なくとも一つを有する。そのような実施形態では、その添加剤の濃度または添加剤の組み合せの全濃度は、0.001〜10%または0.01〜1%または0.1〜0.5%の範囲である。そのような実施形態では、調製物のpHは、所望のタンパク質の回収の顕著な低下を引き起こさせない酸価まで調節してもよい。そのような実施形態では、調製物のpHは3.5〜6.5、4.0〜6.0、4.5〜5.5、5.0〜5.3、5.15〜5.25の範囲または5.2または他の中間値に調節してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、調製物を調整するために電気陽性有機多価イオンと電気陰性有機多価イオンとを使用してもよい。そのような実施形態では、調製物は、電気陰性有機多価イオンに先立って、電気陽性有機多価イオンと接触する。そのような実施形態では、電気陽性有機多価イオンは約0.01%の濃度のセチルトリメチルアンモニウムであり、電気陰性有機多価イオンは、約0.4%の濃度のノナン酸である。そのような実施形態では、約1%〜約2%のアラントインが、調整のいずれの段階に存在してもよい。そのような実施形態では、調整後の合計含有量が、電気陰性有機多価イオンを最初に添加した調製物よりも、約3〜4倍低くなる。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、未溶解のアラントインに試料を接触させることを有する。そのような実施形態では、タンパク質調製物に存在する、添加されたアラントインは、約0.6%〜50%または0.7〜20%または0.8〜10%または0.9〜5%または1〜2%または中間値に達する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、その臨界ミセル濃度より低い濃度の非イオン性または両性イオン性界面活性剤に試料を接触させることを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、(i)電気陰性表面を有する第一の固体基質である第一の成分を提供し、(ii)所望のタンパク質の第一の成分への結合を実質的に妨げる作動条件下にタンパク質調製物を第一の成分に接触させ、(iii)低下したクロマチン含有量により所望のタンパク質を第一の成分から分離する、ことを有する。そのような実施形態では、第一の電気陰性表面は第二の電気陰性表面を伴ってもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、(i)電気陽性表面を有する第一の固体基質である第一の成分を提供し、(ii)所望のタンパク質の第一の成分への結合を実質的に妨げる作動条件下にタンパク質調製物を第一の成分に接触させ、(iii)低下したクロマチン含有量により所望のタンパク質を第一の成分から分離する、ことを有する。そのような実施形態では、第一の電気陽性表面は2(アミノエチル)アミンの残基を保持する。そのような実施形態では、第一の電気陽性表面は第二の電気陽性表面を伴ってもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、(i)電気陽性表面を有する第一の固体基質である第一の成分を提供し、(ii)電気陰性表面を有する第二の固体基質である第二の成分を提供し、(iii)第一および第二の成分は、タンパク質調製物が両成分に同時に接触するように構成されており、所望のタンパク質の第一または第二の成分への結合を実質的に妨げる作動条件下にタンパク質調製物を第一および第二の成分に接触させ、(iv)低下したクロマチン含有量により所望のタンパク質を第一および第二の成分から分離する、ことを有する。そのような実施形態では、第一の電気陽性表面は2(アミノエチル)アミンの残基を保持する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、(i)最初は実質的に金属を有さないが、金属に結合することができる少なくとも一つの表面結合リガンドを有する、少なくとも一つの固体表面に、作動条件を少なくとも一つの固体表面に所望のタンパク質が結合することを実質的に妨げるように選択してタンパク質調製物を接触させ、(ii)タンパク質調製物を少なくとも一つの表面結合リガンドから分離する、ことを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、可溶性電気陽性または電気陰性有機添加剤および/または電気陰性、電気陽性または金属親和性リガンドを保持する固体表面により既に処理したタンパク質調製物を、その液体接触面が正電荷を有する装置に実質的に流してもよい。
クロマチン指向性清澄方法の適用を説明する一実施形態では、アラントインを1%(v/v)の量で細胞培養産物に添加する。細胞培養物は細胞を含んでもよく、細胞を前もって除去してもよい。メチレンブルーは0.025%(w/v)の濃度で添加する。または、エタクリジンを0.025%の濃度で添加してもよい。または、0.025%の臭化セチルトリメチルアンモニウムを0.025%の濃度で添加してもよい。または、これらの組み合せ、または他の電気陽性有機添加剤の組み合せを、組み合せの濃度として0.025%で使用してもよい。その後、混合物を攪拌しながら2時間インキュベートする。電気陽性金属親和性リガンド、2(アミノエチル)アミン(TREN)、を保持する粒子を2−5%(v/v)の量で添加する。混合物を攪拌しながら4時間インキュベートした後、固体を好適な手段により除去する。所望のタンパク質を含有する残りの溶液は、必要に応じて液体接触面に正電荷を有するデプスフィルターに通してもよい。
クロマチン指向性清澄方法の適用を説明する他の実施形態では、アラントインを1%(v/v)の量で細胞培養産物に添加する。細胞培養物は細胞を含んでもよく、細胞を前もって除去してもよい。0.6%のヘプタン酸を添加するか、0.4%のオクタン酸を添加するか、0.3%のペラルゴン酸を添加するか、0.2%のカプリン酸を添加するか、または0.5%のメチルブルーを添加する。または、これらの組み合せ、または他の電気陰性有機添加剤の組み合せを使用してもよい。その後、混合物を攪拌しながら2時間インキュベートする。電気陽性金属親和性リガンド、2(アミノエチル)アミン(TREN)、を保持する粒子を2−5%(v/v)の量で添加する。混合物を混合し、4時間インキュベートした後、固体を好適な手段により除去する。所望のタンパク質を含有する残りの溶液は、必要に応じて液体接触面に正電荷を有するデプスフィルターに通してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、清澄混合物に塩を添加し、可溶性または不溶性有機多価イオンとの過剰の相互作用による所望のタンパク質の喪失を防止してもよい。そのような実施形態では、NaClを添加して伝導能を、大体約20mS/cmと同等である、約200mMに相当するレベルに高め、IgM抗体または非抗体タンパク質がクロマチン指向性清澄システムの成分に結合することを防止してもよい。他のそのような実施形態では、NaCl濃度を、特定の組換えタンパク質を収容するために、多かれ少なかれ、高めてもよい。特定のタンパク質を収容するために好適な塩濃度は、陽イオン交換体または陰イオン交換体に所望のタンパク質の試料を適用し、塩勾配を高めて該タンパク質を溶出し、所望のタンパク質のピークの中央での伝導能を決定した後、その伝導能値を清澄工程のために使用することにより、迅速かつ簡単に見積もることができる。
一つまたは複数の前述の実施形態では、所望のタンパク質を沈殿させるために使用する非イオン性有機ポリマーとしては、ポリエチレングリコール(PEG)がある。
一つまたは複数の前述の実施形態では、PEGの平均サイズが8kDa、6kDa、4kDa、3kDaまたは2kDa、またはその中間値であってよい。当業者であれば、より小さいPEGでは、より大きなポリマーと同じ効果を得るには、より高い濃度が必要であることを理解できるであろう。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿を仲介するために使用される非イオン性有機ポリマーは、PEG以外の種類、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、セルロースまたは他のポリマーであってもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマーと結合した非タンパク質沈殿塩は、伝導能を(i)約50mS/cm〜約100mS/cm、(ii)約16mS/cm〜約200mS/cmおよび(iii)160mS/cmより大きな伝導能からなる群から選ばれる範囲に有する塩化ナトリウムである。NaClの水溶液では、16mS/cmは約160mMのNaCl濃度に相当し、50mS/cmは600mMに概略で相当し、160mS/cmは約2MのNaCl濃度に概略で相当し、200mS/cmは約2.5MのNaCl濃度に概略で相当する。開示された方法は、5Mより僅かに高いNaClの飽和濃度まで適用してよいが、有利な操作範囲は、一般的には、約0.5Mから1.5Mであろう。非イオン性有機ポリマーは、ポリマー濃度およびポリマーサイズの上昇とにより見かけの伝導能値を低下させ、その存在は、正確な伝導能の測定を狂わせる。正確な伝導能の測定は、直線性の低い、ある種の伝導能監視装置によっても狂わされる。したがって、伝導能が塩濃度の指標として使用される限りにおいて、示唆された伝導能値は非イオン性有機ポリマー不含の水溶液を表わすものであり、直線状の正確さを裏付ける装置により測定されたものと理解される。
一つまたは複数の前述の実施形態における方法は、約16mS/cmから約200mS/cmの範囲に塩の伝導能を有することにより特徴づけされる非タンパク質沈殿塩を使用する。参考として、生理溶液の伝導能は約12〜15mS/cmであるので、16〜160mS/cmの特定は、正常な生理的レベルよりも高い伝導能および対応する塩濃度を意図している。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマー沈殿方法は、約20mS/cmから140mS/cmの範囲に塩の伝導能を有することにより特徴づけされる非沈殿塩を使用する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマー沈殿方法は、約50mS/cmから120mS/cmの範囲に塩の伝導能を有することにより特徴づけされる非沈殿塩を使用する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマー沈殿方法は、約60mS/cmから100mS/cmの範囲に塩の伝導能を有することにより特徴づけされる非沈殿塩を使用する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマー沈殿方法は、約80mS/cmから120mS/cmの範囲に塩の伝導能を有することにより特徴づけされる非沈殿塩を使用する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非タンパク質沈殿塩は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、塩化グアニジンおよびそれらの組み合せからなる群から選択される。
一つまたは複数の前述の実施形態では、複数の非タンパク質沈殿塩が存在してもよく、結合された非タンパク質沈殿塩の合計伝導能は約16mS/cmから約200mS/cmの範囲であってよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非タンパク質沈殿塩の濃度は、沈殿および洗浄ステップの間、名目上一定である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿後、最初に所望のタンパク質を沈殿させた溶液と名目上同じ非イオン性有機ポリマーおよび非沈殿塩の濃度およびpHを有する溶液で、沈殿物を洗浄する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿後、所望の産物を沈殿状態に維持するために十分な濃度の沈殿塩を有し、非イオン性有機ポリマーを名目上有さない溶液で、沈殿物を洗浄する。関連する実施形態では、沈殿物を再度、沈殿物を沈殿状態に維持するために十分な濃度の沈殿塩を有し、非イオン性有機ポリマーを名目上有さない溶液で洗浄する。関連する実施形態では、沈殿および非イオン性有機ポリマーおよび非沈殿塩を含有する溶液で沈殿物を洗浄した後、沈殿物をさらに所望の産物を沈殿状態に維持するために十分な濃度の沈殿塩を有し、非イオン性有機ポリマーを名目上有さない溶液で洗浄する。関連する実施形態では、沈殿物をさらに追加の回数、洗浄してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非タンパク質沈殿塩に結合した非イオン性有機ポリマーでの沈殿後、所望のタンパク質を沈殿状態に維持するために十分な濃度のタンパク質沈殿塩で洗浄する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非タンパク質沈殿塩に結合した非イオン性有機ポリマーでの沈殿後、非イオン性有機ポリマーおよび非タンパク質沈殿塩で洗浄し、その後、所望のタンパク質を沈殿状態に維持するために十分な濃度のタンパク質沈殿塩で洗浄する。
一つまたは複数の前述の実施形態における方法は、さらにその後のクロマトグラフィーステップにおいて加工処理を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマーの名目上非存在下における沈殿塩での洗浄および再可溶化後の所望のタンパク質を、試料の平衡化をせずに、さらに空隙排除モードの陰イオン交換クロマトグラフィー方法により精製してもよい(Nianら、J.Chromatogr.A1282(2013)127−132)。
一つまたは複数の前述の実施形態では、再可溶化後の所望のタンパク質を、ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、ハイブリッドアパタイト、二次的カルシウム由来アパタイト、または亜鉛アパタイト、銅アパタイト、鉄アパタイトなどの他の金属由来アパタイトからなるクロマトグラフィー媒体上でのアパタイトクロマトグラフィー方法によりさらに精製してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、再可溶化後の所望のタンパク質を、疎水性電気陽性媒体によるマルチモードのクロマトグラフィーによりさらに精製してもよい。そのような実施形態では、電気陽性疎水性クロマトグラフィー媒体は、水素結合を仲介できる残基も含有する。そのような実施形態では、クロマトグラフィー媒体はカプトアドヘア(Capto adhere)であってよい。
開示した方法の多くの態様を一体化する一つの典型的な実施形態では、クロマチン指向性方法により澄明にされたIgG含有細胞培養産物を、600mMのNaClおよび20〜50mMヘペス(Hepes)またはリン酸塩緩衝液の存在下にpH7.0で19%のPEG−6000を用いて沈殿させる。沈殿物を沈降させて、上清を除去した後、沈殿物を600mMのNaClおよび20〜50mMヘペスまたはリン酸塩緩衝液の存在下にpH7.0で19%のPEG−6000を用いて洗浄する。上清を捨てて、沈殿物を1MNaCl含有50mMトリス(Tris)緩衝液(pH8.0)に再溶解し、カプトアドヘアを充填したカラムに適用する。残留PEGは該カラムを通過するので、除去される。抗体は留まり、次いでNaClの濃度を凝集物のほとんどを除くことができる、300mMまで低下させることによって溶出される。
開示した方法の多くの態様を一体化する一つの典型的な実施形態では、クロマチン指向性方法により澄明にされたIgG含有細胞培養産物を600mMのNaClおよび20〜50mMヘペスまたはリン酸塩緩衝液の存在下にpH7.0で19%のPEG−6000を用いて沈殿させる。沈殿物を沈降させて、上清を除去した後、沈殿物を1.5Mの硫酸アンモニウムおよび20〜50mMヘペスまたはリン酸塩緩衝液(pH7.0)を用いて洗浄する。沈殿物を沈降させて、上清を除去した後、沈殿物を再度1.5Mの硫酸アンモニウムおよび20〜50mMヘペスまたはリン酸塩緩衝液(pH7.0)で洗浄する。沈殿物をヘペスまたはリン酸塩緩衝液(pH7.0)に再溶解し、20mMトリス緩衝液(pH8.0)で平衡化したUNOsphere Qを充填し、空隙排除モードで作動するカラムに適用する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質沈殿塩は、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩およびそれらの組み合せからなる群、具体的には、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムなどを含む群から選択される一つを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、非イオン性有機ポリマーの実質的な非存在下に、タンパク質沈殿塩を非タンパク質沈殿塩に結合させる。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質沈殿塩の実質的な非存在には、約5mMから約100mMの範囲であるpH調整を仲介するのに十分な量だけの存在が含まれる。一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質沈殿塩の実質的な非存在には、沈殿塩が完全に存在しないことが含まれる。一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿塩の実質的な非存在には、沈殿塩または塩類の中間の濃度が含まれる。これは、タンパク質沈殿塩として特定の塩を言及することは所望のタンパク質を沈殿させるために十分な濃度で必ず存在することを意味しない、という点を強調している。沈殿塩は、カオトロピックおよびリオトロピックイオンのホーフマスター系列における位置に従って、いわゆる、リオトロピックまたはコスモトロピック塩を言及していると理解される。非タンパク質沈殿塩という用語は、どんな濃度であってもタンパク質を通常沈殿させない塩を言及していると理解される。そのような塩は、ホーフマスター系列においてカオトロピックイオンまたは該系列の中間部のイオンを含むが、リオトロピックまたはコスモトロピックに一般的に分類される塩は含まれない。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿ステップにおけるpHは、約7または(i)約6.5〜約7.5、(ii)約5.5〜約8.5および(iii)約4.0〜約9.0からなる群から選択される範囲内である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿ステップにおけるpHを調整しない。関連する実施形態では、沈殿ステップのpHは、所望のタンパク質の等電点の1pH単位以内に調整されない。関連する実施形態では、沈殿ステップにおけるpHは、所望のタンパク質の等電点の0.5pH単位以内に調整されない。
一つまたは複数の前述の実施形態では、沈殿ステップにおけるpHを所望のタンパク質の等電点の0.6pH単位以内、0.7単位、0.8単位、0.9単位、1単位、1.1単位、1.2単位、1.3単位、1.4単位、1.5pH単位または2.0pH単位以内または所望のタンパク質の等電点からより大きい間隔内に調整してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、工程の異なる段階では、異なるpH値を利用してもよい。一実施形態では、塩は静電気的相互作用を抑制するので、高塩状態におけるpH値は非常に広くてもよい。このことは、所望のタンパク質の等電点もpHを調整する必要がないという点を強調している。
一つまたは複数の前述の実施形態では、方法の特定の段階を行うpHは、混入物の除去を促進する能力に従って選択してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、方法の特定の段階を行うpHは、混入物に結合するシステム内の電気陽性物質の能力を高める能力に従って選択してよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、所望のタンパク質は、IgG、IgM、IgA、IgD、IgE、Fc−融合タンパク質、非抗体タンパク質、凝固タンパク質または凝固タンパク質と補助因子との複合体である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、所望のタンパク質は部分的に精製される。
一つまたは複数の前述の実施形態では、抗体はIgGである。そのような実施形態では、抗体はモノクローナルIgGである。密接に関連する実施形態では、所望のタンパク質は、いわゆるFc融合タンパク質の必須成分であるFc−フラグメントなどのIgGフラグメントを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、方法は非IgG抗体の精製に使用される。そのような実施形態では、抗体はIgMである。
ある実施形態では、所望のタンパク質は抗体であってよい。そのような実施形態では、抗体を精製する方法は、少なくとも一つの抗体を有する細胞培養産物またはタンパク質調製物を7〜10個の炭素原子を有する少なくとも一つの脂肪酸に接触させて混合物を形成し、得られた混合物を、必要に応じてアラントインに接触させ、該混合物を、官能基を有する一つまたは複数の固体および/または可溶性基質に接触させて混合物を形成することを、さらに有してもよく、該官能基を有する一つまたは複数の基質は、陽イオン官能基、金属結合性官能基または両者を有する。該金属結合性官能基は、(1)ポリアミン、(2)イミン、(3)N−複素環、(4)アミノ酸、(5)N−ヒドロキシアミド、(6)アリールアミンおよびそれらの組み合せからなる群から選択される窒素含有部を有し、該一つまたは複数の固体に混合物を接触させた後の固体物質を分離し、IgG抗体を含有する溶液を提供する。
そのような実施形態では、方法はさらに細胞培養産物をアラントインに接触させることを有してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、アラントインは、(a)約0.6〜約30%、(b)約1〜約10%および(c)約1〜約2%からなる群から選択される範囲の濃度で存在してよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、アラントインは、約0.6%以下の範囲で存在する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の基質の総量は、全容積に対して、体積率で約0.01%、0.05%、0.1%、0.25%、0.5%、1%、2%、5%、10%、20%またはそれらの中間値である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、少なくとも一つの脂肪酸および官能基を有する一つまたは複数の基質を、単一の容器に収容する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の基質は、液体は通過させるが、固体物質を通過させない装置に配置される。
一つまたは複数の前述の実施形態では、該方法は、溶液を装置に配置された官能基を有する固体に接触させることをさらに有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、液体は通過させるが、固体を通過させない装置は、膜、モノリス、織布、結晶性物質、ゲル状物質、粒子を詰めたカラムおよびそれらの組み合せからなる群から選択される多孔性物質を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、細胞培養産物を少なくとも一つの脂肪酸に接触させた後に存在する、または分離ステップにおける固体物質を、沈降または遠心分離を伴う沈降により除去する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、細胞培養産物を少なくとも一つの脂肪酸に接触させた後に存在する、または分離ステップにおける固体物質を、濾過により除去する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、濾過は、膜濾過または深層濾過を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、膜濾過または深層濾過は、官能化された接触表面を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、第一の接触ステップは、IgG抗体の部分的精製に先立って行われる。
一つまたは複数の前述の実施形態では、細胞培養産物またはタンパク質調製物は細胞を含有し、必要に応じて細胞培養生産が行われた生物反応器内に存在する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、細胞培養産物またはタンパク質調製物は、細胞を含有しない。
一つまたは複数の前述の実施形態では、タンパク質調製物は、自然に発生する生体液である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、少なくとも一つの脂肪酸は、一般構造式CH(CHCOOHを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、少なくとも一つの脂肪酸は、 エナント酸(ヘプタン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、オクテン酸、ペラルゴン酸(ノナン酸)、ノネノン酸またはカプリン酸(デカン酸)を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、少なくとも一つの脂肪酸はノナン酸である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、少なくとも一つの脂肪酸は、(a)約0.05〜約5%、(b)約0.1〜約1.0%、(c)約0.2〜約0.4%および(d)約0.1〜0.2%からなる群から選択される範囲の濃度で存在する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、混合物は、界面活性剤を含有してもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、混合物中に含有される界面活性剤は、非イオン性、両性イオン性または陽イオン性であってよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、混合物中に含有される陽イオン性界面活性剤は、臭化セチルトリメチルアンモニウムであってよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、臭化セチルトリメチルアンモニウムは、約0.001 %〜0.05%、約0.005%〜0.025%または約0.0075%〜約0.01%の範囲の濃度で存在してよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の基質は、陰イオン性、陽イオン性および両性イオン性からなる群から選択される少なくとも一つの電荷構成を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の基質は、金属結合性官能基を有する一つの基質と陽イオン性である別の基質とを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、金属結合性官能基は陽イオン性である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、金属結合性官能基は、トリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリプロピレンイミンテトラミン、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)デンドリマー、デフェロキサミン(デスフェリオキサミン)、アルギニン、ヒスチジン、ヒスタミン、イミダゾールおよびそれらの組み合せからなる群から選択される。
一つまたは複数の前述の実施形態では、金属結合性官能基は、式Iの化合物である。
Figure 0006329179


式中、各Rは独立に水素または炭素数1〜4のアルキルであって、少なくとも一つのRは、必要に応じてリンカーを介して、固体支持体への付着サイトであり、X、YおよびZはそれぞれ独立した(CHであり、nは2〜6の整数であり、CH 基は必要に応じてOまたはNHにより置換されてもよい。
一つまたは複数の前述の実施形態では、陽イオンキレート剤はトリス(2−アミノエチル)アミンである。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の固相または可溶性基質は、金属結合性官能基を有する一つの基質と陰イオン性である別の基質を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、金属結合性官能基は陰イオン性である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、金属結合性官能基は、イミノ二酢酸、ニトリロ酢酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、リン酸アミノフェニルおよびそれらの組み合せからなる群から選択される。
一つまたは複数の前述の実施形態では、陰イオンキレート剤はイミノ二酢酸である。
一つまたは複数の前述の実施形態では、官能基を有する一つまたは複数の固相または可溶性基質は、陽イオン性である一つの基質と陰イオン性である別の基質を有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、抗体はIgGまたはIgM抗体である。
ある実施形態では、細胞培養産物またはタンパク質調製物を8〜10個の炭素原子を有する少なくとも一つの脂肪酸に接触させて混合物を形成し、得られた混合物をアラントインに接触させ、アラントインに混合物を接触させた後の固体物質を分離して抗体を有する溶液を得ることを有する、抗体を精製する方法を提供する。そのような実施形態では、該方法は、得られた溶液を少なくとも一つの化学的に官能化された固体または可溶性基質に接触させることをさらに有する。
そのような実施形態では、該少なくとも一つの化学的に官能化された固体は、トリス(2−アミノエチル)アミンを有する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、アラントインは、(a)約0.6〜約30%、(b)約1〜約10%、(c)約1〜約5%および(d)約1〜約2%からなる群から選択される範囲の濃度で存在する。
一つまたは複数の前述の実施形態では、アラントインは0より多く、約0.6%までの範囲で存在する。
ある実施形態では、タンパク質調製物から所望のタンパク質を精製する方法を提供する。該方法は、可溶性有機多価イオン、固定化有機多価イオンまたは両者で処理したタンパク質調製物を、必要に応じて過飽和状態のアラントインの存在下に調製して、少なくとも90%のクロマチンを除去した後、(1)所望のタンパク質の沈殿物を得るために必要な生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に、所望のタンパク質を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させるか、または(2)生理的濃度より高濃度の非沈殿塩の非存在下に、該所望のタンパク質を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させて沈殿物を得た後、生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に該沈殿物を非イオン性有機ポリマーにより洗浄することを有する。該沈殿または洗浄ステップは、必要に応じて実質的にタンパク質沈殿塩の非存在下に、必要に応じて所望のタンパク質の等電点の0.5pH単位以内の値に所望のタンパク質のpHを調節することなく、かつ、必要に応じて非イオン性有機ポリマーの非存在下に、沈殿物をタンパク質沈殿塩で洗浄することにより行う。該沈殿塩は、所望のタンパク質を沈殿状態に維持できる十分な濃度で存在する。
「生理食塩」は、主として塩化ナトリウムと塩化カリウムからなる混合物であるが、その他の多数の塩も低レベルで含有する。「生理食塩」の全塩濃度は、約0.15MのNaClの塩濃度に相当すると見積もられることは、通常、理解されている。したがって、ここで使用される場合、「生理的濃度より高濃度」の非タンパク質沈殿塩の量は、約0.15M、約0.2M、約0.3Mまたは約0.5Mなどより高い塩濃度、およびそれらの中間または分画内の塩濃度を意味する。すなわち、その量は、生理的状態下で典型的な量よりも高い、いずれの量でもよい。ある実施形態では、その中間または分画内の量を含む、約0.2Mから約2.0Mの範囲内にある濃度であってよい。
したがって、例えば、ここで開示されている方法は、(1)約0.2Mより高い濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に、非イオン性有機ポリマーで所望のタンパク質を沈殿させて、所望のタンパク質の沈殿物を取得するか、または(2)約0.2Mより高い濃度の非沈殿塩の非存在下に、非イオン性有機ポリマーで所望のタンパク質を沈殿させて沈殿物を取得した後、約0.2Mより高い濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に、非イオン性有機ポリマーで該沈殿物を洗浄するステップを有してもよい。該沈殿または洗浄ステップは、必要に応じて実質的にタンパク質沈殿塩の非存在下に、必要に応じて所望のタンパク質の等電点の0.5pH単位以内の値に所望のタンパク質のpHを調節することなく、かつ、必要に応じて非イオン性有機ポリマーの非存在下に、沈殿物をタンパク質沈殿塩で洗浄することにより行う。該沈殿塩は、所望のタンパク質を沈殿状態に維持できる十分な濃度で存在させる。
ある実施形態では、タンパク質調製物の有機多価イオンによる調整は、試料を電気陽性有機添加剤に接触させることを有する。そのような実施形態では、電気陽性有機添加剤は、メチレンブルー、エタクリジン、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムおよび臭化セチルトリメチルアンモニウムからなる可溶性陽イオンの群から選択される一つまたは複数である。
ある実施形態では、電気陽性有機添加剤は、固体表面に固定化されているために不溶性である、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基、第四級アミノ基および一つまたは複数のアミノ基に基づく二つ以上の正電荷を含有する陽イオン錯体からなる群から選択される一つまたは複数の陽イオンである。
ある実施形態では、電気陽性有機添加剤は、固体に固定化された2(アミノエチル)アミン(TREN)である。
ある実施形態では、タンパク質調製物の有機多価陽イオンでの調整は、試料を電気陰性有機添加剤に接触させることを有する。
ある実施形態では、電気陰性有機添加剤は、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネノン酸、デカン酸およびメチルブルーからなる可溶性陰イオンの群から選択される一つまたは複数である。
ある実施形態では、電気陰性有機添加剤は、固体表面に固定化されているために不溶性である、リン酸基、カルボキシル基、スルホ基および一つまたは複数の負に帯電した基に基づく二つ以上の負電荷を含有する陰イオン錯体などの陰イオンからなる群から選択される一つまたは複数である。
ある実施形態では、電気陰性有機添加剤は、イミノ二酢酸、ニトリロ酢酸またはそれらの組み合せである。
ある実施形態では、電気陰性有機添加剤または電気陽性有機添加剤は、金属イオンに対して1:1の親和性を有する。
ある実施形態では、アラントインが含有されている場合には、アラントインは、0.6〜50%、0.7〜20%、0.8〜10%、0.9〜5%、1〜2%および中間値からなる群から選択される範囲における過飽和濃度の状態で存在する。
ある実施形態では、非イオン性有機ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)である。
ある実施形態では、ポリマーサイズは、1000〜12000ダルトン(D)、2000〜8000Dおよび3000〜6000Dからなる群から選択される範囲、または1500D、3500D、4000Dおよび6000Dからなる群から選択される一つなどの中間サイズである。
ある実施形態では、非タンパク質沈殿塩は、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびそれらの組み合せからなる群から選択される一つの塩を有してもよい。
ある実施形態では、一つまたは複数の非タンパク質沈殿塩を、調整された細胞培養産物に、非イオン性有機ポリマーの添加後の塩濃度が生理的濃度よりも少なくとも約0.05M〜約2.0Mの範囲の増分で高い、十分な量で添加してもよい。したがって、増分は、少なくとも約0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、1.0、1.5または2.0M、またはそれ以上、およびそれらの中間または分画内の値であることができる。ある実施形態では、該濃度は、約0.5〜約1.5Mの範囲内であってよい。
ある実施形態では、個々の塩または非タンパク質沈殿塩の組み合せを細胞培養産物に添加して全体としての塩濃度を正常な生理的塩含有量よりも高くし、非タンパク質沈殿塩の過剰を非イオン性有機ポリマーの添加と一体となって維持する。ある実施形態では、該濃度を、約1.2M〜約1.8Mの範囲以上の増分で増加させてもよい。ある実施形態では、増分は、約1.2M、1.3M、1.4M、1.5M、1.6M、1.7Mまたは約1.8Mである。ある実施形態では、該濃度は約0.5〜約1.5Mの範囲であってよい。
ある実施形態では、最終塩濃度が正常な生理的濃度よりも少なくとも0.05Mの増分で高くなるように、一つまたは複数の非イオン性有機ポリマーの添加とともに非タンパク質沈殿塩をタンパク質調製物に添加してもよい。ある実施形態では、該濃度は、約1.2M〜約1.8Mの範囲の増分よりも増加させてよい。ある実施形態では、増分は、約1.2M、1.3M、1.4M、1.5M、1.6M、1.7Mまたは約1.8Mである。ある実施形態では、該濃度は約0.5〜約1.5Mの範囲であってよい。
ある実施形態では、タンパク質調製物の正味塩濃度が正常な生理的値よりも高くなるように、一つまたは複数の非タンパク質沈殿塩を200mM〜2M、300mM〜1.5M、400mM〜1M、500mM〜800mMおよび中間値からなる群から選択される範囲内で添加してもよい。
ある実施形態では、非沈殿塩が少なくとも0.2Mの濃度で洗浄液に含まれ、沈殿物中に既に存在する過剰量を維持する。
ある実施形態では、非沈殿塩が最初の沈殿ステップに存在しない場合には、非沈殿塩は少なくとも一つの洗浄ステップ中に含まれる。
ある実施形態では、沈殿物を、所望のタンパク質を沈殿状態に維持できる十分な濃度の一つまたは複数の沈殿塩により洗浄してもよい。そのような実施形態では、沈殿塩は、PEGなどの非イオン性有機ポリマーの非存在または実質的に非存在下に使用される。当業者であれば、十分な高濃度で二つの薬剤は、PEGが全く異なる有機層として分離するので、混じり合わないことを理解できるであろう。それにもかかわらず、一方の薬剤を低濃度で、高濃度の他方の薬剤に添加可能な状態が存在する。
ある実施形態では、一つまたは複数の沈殿塩は、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムおよびそれらの組み合せからなる群から選択してよい。
ある実施形態では、所望のタンパク質は、自然に発生するタンパク質、組換えタンパク質、抗体、モノクローナル抗体、IgG抗体またはIgM抗体である。
ある実施形態では、調製物は、体液、ミルク、血漿、血清または細胞培養産物である。
用語は、実施形態をより容易に理解できるように定義される。追加の定義は詳しい説明を通して記載される。
「PEG沈殿」とは、所望のタンパク質がPEGの臨界濃度で不溶性になり、濾過または遠心分離により、大部分の混入物を残存液(上清)に残して、溶液から除去できる固体沈殿物を形成する、精製方法を指す。上清は、従来、濾過または遠心分離、その後に続くデカンテーションにより除去される。多くの場合、沈殿物をPEG含有緩衝液に1回または複数回再懸濁して、特に遠心分離後、沈殿物の隙間に存在する混入物を希釈除去することにより、沈殿物を洗浄する。洗浄ステップは、従来、1回または複数回繰り返され、その際、所望のタンパク質の沈殿状態を維持するために十分なPEGを常に有しながら、異なる組成の緩衝液を使用することが多い。沈殿したタンパク質は、PEGを低濃度で含有するか、または全く含有しない緩衝液に最終的に再溶解する。従来は、所望のタンパク質は、その純度をさらに上げるために、1回または複数回再沈殿および再溶解してもよい。
「タンパク質」は、主としてペプチド結合により連結されたアミノ酸の一つまたは複数の鎖からなる、炭素、水素、酸素、窒素および、通常、硫黄を含有する一群の複合有機高分子のいずれかを指す。タンパク質は、天然起源であっても、組換え起源であってもよい。タンパク質は、グリコシル化、ペグ化または他の化学的部分との連結などを介して非アミノ酸部分により修飾されていてもよい。タンパク質としては、抗体、凝固因子、酵素、ペプチドホルモンなどを挙げることができるが、これらに限定されない。
「宿主混入物」または「宿主細胞混入物」は、目的の産物を成長させる細胞により産生される生体分子を指す。該用語は、宿主タンパク質や宿主DNAなどの様々な種類の宿主混入物を有してもよい。
「宿主タンパク質」または「宿主細胞タンパク質」または「HCP」は、目的の産物を成長させる細胞により産生されるタンパク質を指す。そのようなタンパク質は、目的の産物から除去する必要のある一つの種類の混入物を表す。
「抗体」は、ヒトまたは哺乳類細胞株由来のIgG、IgM、IgA、IgDまたはIgEクラスのイムノグロブリンを指し、ヒト化、ヒト、単鎖、キメラ、合成、組換え、ハイブリッド、変異、移植およびインビトロ産生抗体などの天然または遺伝子組換え型を含む。「抗体」は複合体であってもよく、該複合体としては、イムノグロブリン部分を含有する融合タンパク質またはIgGを他の機能性部分、例えば、別の抗体、酵素、蛍光体または他のシグナル発生部分、ビオチン、薬剤または他の機能性部分、に合成結合させた免疫結合体が挙げられるが、これらに限定されない。
「非イオン性有機ポリマー」は、荷電基を欠く、連結された有機サブユニット繰り返しから構成される自然に発生するまたは合成炭化水素を指す。該ポリマーは、線状、分岐を有するが主として線状、または主として分枝状であってよい。方法を実施するために好適な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン(PVP)、その他が挙げられるが、これらに限定されない。PEGは、構造式HO−(CH2−CH2−O)n−Hを有し、その例としては、ポリマー平均分子量を100ダルトン〜10000ダルトンの範囲に有する組成物が挙げられるが、これらに限定されない。
「陰イオン交換粒子」または「電気陽性粒子」は、その表面を正電荷が優位を占めている多孔性または無孔性粒子を指す。粒子サイズは、50nm〜200μmの範囲であってよい。該粒子は、重合体、結晶性またはセラミック構造を有してもよく、該構造は、ここに開示した方法を行う粒子の能力に関与したり、妨げたりしないが、全体として性能を向上させてもよい手段により粒子を隔離する、特性を包含してもよい。特性としては、浮遊可能な低密度、迅速な沈降を促す高密度および/または磁界における回収が可能な磁気が挙げられるが、これらに限定されない。電気陽性度は、化学基によるものであってもよい。化学基としては、アミノ、エチレンジアミノ、ジエチルアミノエチル、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンなどの弱陰イオン交換基、第四級アミノ基などの強陰イオン交換基、ポリリジン、ポリアルギニンまたはトリス(2−アミノエチル)アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリプロピレンイミンテトラアミン、PAMAMデンドリマー(エチレンジアミンコア)またはこれらの組み合せなどの強弱交換基の結合物が挙げられるが、これらに限定されない。正に帯電した部材上に様々な化学的性質を作成する第二の官能基は、負または正に帯電した基、疎水性基、π−π結合基、水素結合基または金属キレート化基からなってよい。第二の官能基は、原料製造または粒子を合成する工程の意図しない副産物として膜表面上に存在してもよく、または意図したデザインにより存在してもよい。第二の官能基の濃度は、粒子1mL当たり1〜100ミリ当量の範囲でよい。
「有機多価イオン」は、少なくとも一つの電荷および少なくとも一つの追加の化学的官能基を具現化する、天然または合成由来有機分子、イオンまたは塩を指し、それによって多価となる。ある実施形態では、有機多価イオン、すなわち、少なくとも一つの追加の化学的官能基は、有機多価陽イオンが二つ以上の類似または異なる電荷を帯びるような追加の電荷である。有機多価イオンは、正味の正電荷、正味の負電荷または正味の中性電荷を帯びていてもよい。有機多価イオンが正味の正電荷の場合には、該有機多価イオンは、塩化物、臭化物、硫酸塩、有機酸、乳酸塩、グルコン酸塩または方法に対して不適合ではないその他の陰イオンなどの陰イオンとともに、供給されてよい。ある実施形態では、有機多価イオンの正電荷の一部はアミン、イミンまたは他の窒素部分により供給される。有機多価イオンは、さらに加えて、様々な化学的性質のものでもよく、疎水性残基、他の機能性部分を有してもよく、かつ/または他の種類の化学的相互作用に関与する能力、例えば、水素結合、疎水性相互作用、π−π結合、金属配位またはインターカレーションに関与する能力を有してもよい。ある実施形態における正に帯電した有機多価イオンとしては、ジアミノ酸、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリオルニチンなどのジ−、トリ−またはそれ以上のホモ−またはヘテロ−ペプチド、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリジメトリン、ポリメチルアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニア、ポリジアリルジメチルアンモニア、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニア、ポリビニルグアニジン、ポリ(N−エチル−4−ビニルピリジン)、DEAE−デキストラン、DEAE−セルロース、エタクリジン(CAS番号:442−16−0、7−エトキシアクリジン−3,9−ジアミン)、トリス(2−アミノエチル)アミン、グアニジン、クロルヘキシジン、アレキシジン、シトリシダル、プロタミン、スペルミン、スペルミジン、サルミン、キトサンおよびそれらの変異体および誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、エタクリジンの変異体および誘導体には、以下が含まれると理解されている。すなわち、9−アミノアクリジン(アミナクリン)、3,6−アクリジンジアミン(プロフラビン)、アクリゾルシン、アクリザン(フェナクリダン)、アクリジンオレンジ、キナクリン、アクリシド、アクリドン、アクリジン−9−カルボキシル酸、アクラニル(1−[(6−クロロ−2−メトキシ−9−アクリジニル)アミノ]−3−(ジエチルアミノ)−2−プロパノールジヒドロクロリド)、フェノサフラニン、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリフラビン(3,6−ジアミノ−10−メチルアクリジニウム塩化物および3,6−アクリジンジアミン)およびそれらの塩(例えば、塩化物、臭化物、硫酸塩、有機酸、乳酸塩、グルコン酸塩)が挙げられ、さらにメチレンブルー(塩基性青9としても知られている)などのチアジン、およびその類似物や変異体、例えば、メチレングリーン(塩基性緑5としても知られている)、ラウツバイオレット(チオニンとしても知られている)、メチレンアズールA、メチレンアズールBおよびメチレンアズールCも挙げられる。有機多価イオンが正味の負電荷である場合には、該有機多価イオンは、ナトリウム、カリウムまたは方法に対して不適合ではない他の陽イオンなどの陽イオンとともに、供給されてもよい。ある実施形態では、有機多価イオンの負電荷の一部はカルボキシル、リン酸またはスルホ部分により供給される。有機多価イオンは、さらに加えて、様々な化学的性質のものでもよく、疎水性残基、他の機能性部分を有してもよく、かつ/または他の種類の化学的相互作用に関与する能力、例えば、水素結合、疎水性相互作用、π−π結合、金属配位またはインターカレーションに関与する能力を有してもよい。ある実施形態における負に帯電した有機多価イオンとしては、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸およびノネノン酸などの脂肪酸、電気陰性ポリマーおよびそれらの塩(例えば、塩化物、臭化物、硫酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩)およびメチルブルーなどのアリール化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
「タンパク質沈殿塩」または「抗体沈殿塩」または「IgG沈殿塩」は、所望のタンパク質の沈殿を仲介する能力を具現化する塩を指す。一般的な例としては、硫酸ナトリウムまたは硫酸アンモニウム、クエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムが挙げられる。そのような塩は、通常、コスモトロピック塩と呼ばれる。
「非タンパク質沈殿塩」または「非抗体沈殿塩」または「非IgG沈殿塩」は、所望のタンパク質の沈殿を仲介する能力を有しない塩を指し、所望のタンパク質の溶解性を高める能力を具現化してよい。一般的な例としては、塩化ナトリウムまたはカリウム、酢酸ナトリウムまたはカリウム、チオシアン酸ナトリウムまたはカリウム、塩化グアニジニウムが挙げられるが、これらに限定されない。このような塩には、通常、カオトロピック塩と呼ばれるものもあるが、カオトロピックともコスモトロピックとも呼ばれないものもある。
「ポリヌクレオチド」は、鎖状に共有結合した複数のヌクレオチドモノマーから構成される生体高分子を指す。ポリヌクレオチドの例としては、DNA(デオキシリボ核酸)およびRNA(リボ核酸)が挙げられる。ポリヌクレオチドは、高い水素結合形成能を持つことができる。
「タンパク質調製物」は、細胞含有細胞培養産物、(実質的に)細胞不含細胞培養上清、精製の段階から目的のタンパク質を含有する溶液などの、目的のタンパク質を含有する水性または概して水性の溶液を指す。
IgG精製工程の開発は、開示した方法を特定の所望のタンパク質に合わせるステップを説明するための有用な例示の役割を果たす。開発は、細胞培養産物からクロマチンの90%以上を除去する清澄方法を選択することから始める。一つの有用な開始点は、産物に1%(w/v)の量のアラントインを添加し、次いで0.4%(w/v)の量のカプリル酸を添加することである。混合物のpHを5.2に調整し、室温で2時間混合する。Bio Works TREN highなどの正に帯電した金属親和性粒子をpH5.2に平衡化した後、5%(v/v)の量で混合物に添加し、攪拌しながら4時間インキュベートする。その後、固体を好適な方法で除去し、上清は電気陽性リガンドを液体接触面に有するデプスフィルターに通す。その後、必要であれば、反応物の伝導能、pHおよび濃度を調整してもよい。この時点においてクロマチンおよびクロマチン異化産物を実質的に有さない、清澄化されたIgG調製物を、PEG−6000を最終濃度19%になるように添加することにより沈殿させる。NaClも600mMの量で添加し、正味塩濃度(試料+添加NaCl)を推定上の濃度で約750mMにする。pHは20−50mMヘペスまたはリン酸ナトリウムまたはカリウム(pH7)により約7(6.8〜7.2)に制御する。これらの状態は、必要であれば、例えば、他の緩衝物質に置換することにより、さらに調整してもよい。沈殿物を遠心分離または濾過により回収し、上清は廃棄する。沈殿物を19%のPEG−6000、750mMのNaCl、20−50mMヘペスまたはリン酸塩(pH7)に再懸濁した後、沈殿物を再回収し、上清を廃棄する。この時点における一つの選択肢は、IgGを沈殿状態に保持する濃度の沈殿塩で、再度沈殿物を洗浄することである。これは残留PEGを除去する効果を有する。その後、沈殿物は再可溶化することが可能であり、必要であれば、一つまたは複数の追加の分画方法によりさらに精製してもよい。一つの選択肢は、空隙排除モードで作動するUNOsphere Qのカラムに試料を適用することであり、該カラムは50mMトリス(pH8.2)で平衡化する。他の選択肢となるクロマトグラフィー方法も知られており、好適な方法を選択し、該方法を行う条件を開発することは、当業者の理解の範囲内である。
IgG精製の開発への他のアプローチにより、考察に値するいくつかの選択肢を説明する。前述の一般例のように、開発は、細胞培養産物からクロマチンの90%以上を除去する清澄方法を選択することから始める。一つの有用な開始点は、産物に1%(w/v)の量のアラントインを添加し、次いで0.025%(w/v)の量のエタクリジン酸を添加することである。混合物のpHを7.5に調整し、室温で2時間混合する。Bio Works TREN highなどの正に帯電した金属親和性粒子をpH7.5に平衡化した後、Bio−Rad MacroPrep tButylなどの負に帯電した疎水性粒子を1%(v/v)の量で添加しながら、4%(v/v)の量で混合物に添加する。混合物を攪拌しながら4時間インキュベートする。その後、固体を好適な方法で除去し、上清は電気陽性リガンドを液体接触面に有するデプスフィルターに通す。その後、必要であれば、反応物の伝導能、pHおよび濃度を調整してもよい。この時点においてクロマチンおよびクロマチン異化産物を実質的に有さない、清澄化されたIgG調製物を、PEG−6000を最終濃度19%になるように添加することにより沈殿させる。NaClも850mMの量で添加し、正味塩濃度(試料+添加NaCl)を推定上の濃度で約1Mにする。pHは20−50mMヘペスまたはリン酸ナトリウムまたはカリウム(pH7)により約7(6.8〜7.2)に制御する。これらの状態は、必要であれば、さらに調整してもよい。沈殿物を遠心分離または濾過により回収し、上清は廃棄する。沈殿物を19%のPEG−6000、1MのNaCl、20−50mMヘペスまたはリン酸塩(pH7)に再懸濁した後、沈殿物を再沈降させ、上清を廃棄する。その後、沈殿物は、必要であれば、50mMリン酸塩、1MNaCl、pH7.2で再溶解し、同じ条件に平衡化したカプトアドヘアのカラムに適用することによりさらに精製することが可能である。次いで、NaCl濃度を300mMに低下させることにより精製されたIgGを溶出させてもよい。他の選択肢となるクロマトグラフィー方法も知られており、好適な方法を選択し、該方法を行う条件を開発することは、当業者の理解の範囲内である。
上記工程は多くの変更が考えられる。例えば、簡素化においては、アラントインなどのある一定の成分を省略する、TREN粒子をDowex AG1X2または他のものに置き換えたり、MacroPrep tButylをChelex 100または他のものに置き換えたり、ある一定の成分を変更する、上述のようなバッチ形式の代わりに、電気陽性および/または電気陽性有機イオンが膜、線維、ヒドロゲルまたは他の物理的支持体などの他の固体の表面上に存在する、カラム形式により混合物をこれらの粒子に接触させる。そのような変更などの例は、付属書類A〜Dに開示されている。
開示した方法を適応する場合、可溶性または不溶性電気陽性または電気陰性有機イオンとの強い相互作用により所望の産物の喪失を防ぐために、塩または他の添加剤を清澄の段階中に添加することが多い。
ここに開示した方法を使用して得られた結果は、化学的工程の関数であるので、異なる程度の効率、異なる液体体積および異なる時間間隔であるかも知れないが、全ての物理フォーマットが類似の結果を達成できると理解される。該方法をどのように効果的に特定の適用に構成するかを決定することは、当業者の理解の範囲内である。
実施例1:沈殿を行うためのNaCl濃度の選択
遠心分離および膜濾過により、1.2g/Lの抗HER2モノクローナルIgGを含有する1Lの細胞培養上清を清澄化した。この抗体の等電点は、約8.6である。1%のアラントインを添加した後、エタクリジンを最終濃度が0.025%になるように添加した。固体を濾過により除去した。等比率の正に帯電した金属親和性粒子(Bio Works TREN hi−sub)、負に帯電した金属親和性粒子(Chelex−100)および正に帯電した疎水性粒子(Dowex AG1x2 400−mesh)を結合させた。20mLのこの混合粒子を1.6×10cmのカラムに充填し、概ね生理的状態に平衡化し、300cm/hrの線流速で試料をカラムに通した。処理後のHER2には、165,663ppmの宿主細胞タンパク質が混入していた。それをpH7の18%PEG−6000溶液中で沈殿させた。上清を、平均サイズ0.22μmの孔を有する非帯電膜に通す濾過により除去した。沈殿物を50mMヘペス、18%PEG、pH7.0に再懸濁し、上清を、同じ膜による濾過により再度除去した。その後、抗体を50mMヘペス、pH7.0に溶解した。並列実験では、NaClを元の試料に添加し、塩濃度を200mMにした。200mMのNaClも再懸濁緩衝液に添加した。追加の並列実験では、NaCl濃度を400、800および1000mMに高めた。混入した宿主細胞タンパク質の濃度として、各実験での再溶解した抗体溶液中のものを測定した。そのレベルは、NaCl無添加:16,544ppm、200mMNaCl添加:1,984ppm、400mMNaCl添加:605ppm、800mMNaCl添加:50ppm、1000mMNaCl添加:32ppmであった。
実施例2:元の試料に塩を添加しなかったことを除いて、800mMのNaClでの実施例1と同様に実験を行った。再溶解した抗体溶液は、155ppmの宿主細胞タンパク質を含有していた。再懸濁緩衝液への暴露を延長または繰り返した次の実験段階では、混入宿主タンパク質の濃度が約70ppmに低下した。このことは、最初の沈殿ステップを高塩濃度で行うことにより、その能力が改良されるという点を強調している。
実施例3:実施例2の基本形であるが、元の試料に塩を加えず、再懸濁された沈殿物の洗浄の際の800mMのNaClへの暴露を延長した。沈殿したIgGを、その後、抗体を50mMトリス、pH8.0に溶解する前に、50mMトリス、18%PEG、pH8.0で洗浄した。宿主タンパク質混入は、88ppmに低下されたが、依然として、元の沈殿を高濃度塩で行った時の結果より劣っていた。
実施例4:細胞含有細胞培養産物を用いて開始したことを除いて、実施例3と同様の実験を繰り返した。結果は本質的に変化しなかったが、調整方法の利点を細胞含有および細胞不含タンパク質調製物の両者に適用されることが示された。
実施例5:IgGを1MのNaCl、50mMヘペス、pH7.0に再溶解した後、カプトアドヘアの10mLカラム、同じ条件に平衡化した疎水性陰イオン交換体に適用した後、50mMヘペス、pH7.0の下降勾配にて溶出したことを除いて、実施例3の基本形を繰り返した。残留PEGは、試料の適用の際にカラムから流出し、排除された。IgGは、勾配中に溶出された。溶出されたIgGへの宿主タンパク質の混入は1ppm以下であった。この実施例は、たった二つの分画ステップが、調整されたIgGの驚くべき抗体精製を達成するという、ここで開示した方法の能力を強調している。そのような宿主タンパク質混入の低レベルを達成できる、ここで開示した方法の能力は、多くの2−ステップ法を可能にすることが理解されるであろう。
実施例6:Dowex AGlx2の形態の疎水性電気陽性多孔性粒子を体積率2%の量で、IgGを再溶解する直前に導入したことを除いて、実施例3の基本形を繰り返した。宿主タンパク質混入は、21ppmまで低下された。抗体回収率は、90%であった。並列実験では、Dowex粒子をUNOsphere Q粒子に置き換えて行った。宿主タンパク質の低下は同等であったが、抗体回収率は95%であった。
実施例7:清澄細胞上清の塩濃度を1MNaClに上げたことを除いて、実施例6の基本形を繰り返した。UNOsphere Qの形態の陰イオン交換粒子を4%(v/v)の割合で添加した。PEGの最終濃度が19%になるようにPEG−6000を含有する50mMトリス、1MNaClにより、抗体を沈殿させた。上清を、0.22μmの孔を有する非イオン性膜に通す濾過により除去した。沈殿物と粒子は19%のPEG−6000、1MNaCl、50mMトリス、pH8.0に再懸濁し、上清を再度濾過により除去した。その後、沈殿物と粒子を19%のPEG、50mMトリス、pH8.0に再懸濁し、攪拌しながら15分間インキュベートした後、上清を同じフィルターに通して除去した。この洗浄を繰り返した後、抗体を50mMトリス、pH8.0に溶解した。再溶解した抗体と電気陽性粒子を30分間穏やかに混合し、酸性宿主タンパク質を粒子に結合させた後、抗体溶液を膜濾過して、粒子を残した。抗体の宿主タンパク質濃度は18ppmであり、抗体回収率は93%であった。
実施例8:一連の実験では、IgG精製および回収を、NaCl濃度0.0、0.5、1.0、1.5および2.0Mに対してPEG−6000濃度16、18、20および22%で評価する2次元マトリックスで評価した。原料物質として、精密濾過により完全に清澄化したIgG含有上清を使用した。IgG回収、純度および再現性ならびにPEG濃度の変動は、約1MのNaClにおいて最善であった。純度は、1.5Mでもほぼ同じであったが、回収率は低下した。回収率は、0.5MNaClで僅かに上昇したが、純度は1.0Mの場合よりも低かった。純度と回収の両者が、NaCl非存在下および2.0MのNaCl存在下において大幅に損なわれた。
実施例9:IgMの精製のための一体化された方法
120mg/LのモノクローナルIgMクローン529を含有する1Lの細胞培養上清を遠心分離および膜濾過により清澄化した。この抗体の等電点は約6.0であった。固体塩化ナトリウムを添加して、最終伝導能を25mS/cmとした。1%のアラントインを加えた後、エタクリジンを最終濃度が0.025%になるように添加した。固体を濾過により除去した。等比率の強陰イオン交換粒子(Macroprep High−Q)、負に帯電した金属親和性粒子(Chelex−100)および強陽イオン交換粒子(Macroprep High−S)を結合させた。20mLのこの混合粒子を1.6×10cmのカラムに充填し、概ね生理的状態に平衡化し、200cm/hrの線流速で試料をカラムに通した。処理後のHER2には、165,663ppmの宿主細胞タンパク質が混入していた。対照実験では、抗体を13%のPEG−6000で沈殿させ、25mS/cmの伝導能で洗浄し、精製した。残存した宿主タンパク質混入は1,383ppmだった。並列実験では、抗体を同じ手段で精製したが、47mS/cmの伝導能で行った。残存した宿主タンパク質混入は、69ppmであった。次いで、陰イオン交換および陽イオン交換クロマトグラフィーによる精製は、宿主タンパク質混入を3ppm未満に低下させた。
実施例10:275,357ppmの宿主細胞タンパク質、5,283ppmのDNAおよび13.96%の凝集物を含有する、IgG含有細胞培養産物に1%のアラントインを添加した後、0.025%のエタクリジンを添加し、15分間混合して調整した。MacroPrep High Q、MacroPrep High S、Macroprep tButylおよびChelex−100(バイオ・ラッドラボラトリーズ)の等量混合物を50mMヘペス、100mMのNaCl、pH7.0で洗浄して予め平衡化した。平衡化した混合粒子を、2%(v/v)の量で、不純IgG調製物に添加後、4〜8℃で一晩混合した。固体を精密濾過により除去した。澱粉で被覆した200nmの磁性粒子1.25mgを、調整した不純IgG調製物20mLに添加した。36%のPEG−6000を含有する1.6MのNaCl、50mMヘペス、pH7.0の20mLを、500rpmでボルテックスミキサーを使用して混合しながら、徐々に添加し、PEG−6000およびNaClの最終濃度をそれぞれ18%および0.8Mとした。ボルテックス混合を30分間行った後、IgG含有粒子を磁気的に回収した。IgG含有粒子を新鮮な50mMヘペス、0.8MNaCl、pH7.0で洗浄し、洗浄液を除去した。洗浄緩衝液を除去して、粒子を同じように再度洗浄した。洗浄緩衝液を除去し、抗体を50mMヘペス、1MのNaCl、pH7に再溶解した。1mLカラムに電気陽性−疎水性クロマトグラフィー媒体(カプトアドヘア、GEヘルスケア)を充填し、同じ条件で平衡化した。可溶化したIgGをカラムに適用した。残留PEGが結合するが、IgGが結合し、いくらかの混入物が結合したと理解された。次いで、カラム容積の5倍量の平衡緩衝液で洗浄し、非結合成分を系から完全に除去した。IgGを、最終的に50mMヘペス、300mMのNaCl、pH7.0になる直線勾配でカラム容積の10倍量の溶液で溶出した。精製性能を下記表に示す。表中、Post−conは調整後を表し、Post−NPはナノパーティクル処理後を表し、Post−CAはカプトアドヘア処理後を表す。回収率の欄の左側の値は、そのステップでの回収率を示し、右側の値は、そのステップの前までの回収率とそのステップの回収率を合わせた累積の回収率を示す。bldは、検出限界以下を表す。さらに詳しくは、上記Gagnonら、2014を参照のこと
Figure 0006329179
実施例11:176,244ppmの宿主タンパク質混入物および19%の凝集物を含有する、IgG含有細胞培養産物に、1%のアラントインおよび4%の電気陽性金属親和性粒子(TREN 40 high、Bio−Works)を添加した後、室温で4時間混合して調整した。除去後の試料の分析は、宿主タンパク質および凝集物がそれぞれ90,259ppmおよび1.2%に低下したことを示した。pHを5.2に下げ、0.5%のカプリル酸を添加し、混合物を2時間インキュベートした。除去後の試料の分析は、宿主タンパク質および凝集物がそれぞれ1,758ppmおよび0.4%に低下したことを示した。固体を電気陽性デプスフィルター(Sartorius PCI)に通して除去した。宿主タンパク質は135ppmに、凝集物は0.05%未満に低下した。抗体を18%のPEG−6000、pH7.0中に沈殿させて精製した。その後、沈殿物を1.8M硫酸アンモニウムで洗浄して、PEGを除去した後、抗体を50mMヘペス、pH7.0に再溶解した。宿主タンパク質は32ppmに低下した。空隙排除モードで作動する陰イオン交換クロマトグラフィーカラム(UNOsphere Q、バイオ・ラッドラボラトリーズ)に50mMトリス、pH8.0で適用した後は、宿主タンパク質は1ppm未満に低下した。800mMのNaClの存在下に行われるPEG沈殿だけが異なる、並列実験では、宿主タンパク質が1ppm未満に低下した。陰イオン交換ステップでは、宿主タンパク質および凝集物が検出不能のレベルに低下した。空隙排除モードによる陰イオン交換クロマトグラフィー方法は、R.Nianら(J.Chromatogr.A、1282(2013)、127−132)が記載している。
実施例12:286,010ppmの宿主タンパク質混入物および23%の凝集物を含有する、IgG含有細胞培養産物に、1%のアラントインおよび0.025%のエタクリジンを添加し、室温で1時間攪拌しながらインキュベートして調整した。粒子(Chelex−100、MacroPrep tButyl、Macroprep High Q、バイオ・ラッドラボラトリーズ)の1:1:1の混合物を混合し、生理的状態に平衡化し、安定した混合粒子を全濃度が5%になるように培養産物に添加した後、室温で2時間混合した。宿主タンパク質は43,058ppmに、凝集物は3.4%に低下した。pH8.0で行った一連の実験では、それぞれ600mM、800mM、900mMおよび1000mM(1M)のNaCl濃度で、PEG−6000による沈殿により試料を分画した。次いで、沈殿物をPEG、50mMトリス、pH8.0で洗浄した後、抗体を50mMトリス、pH8.0に再溶解した。該一連の実験における宿主タンパク質は、それぞれ51、55、45および41ppmに低下した。Dowex AG 1X2(バイオ・ラッドラボラトリーズ)の形態の陰イオン交換粒子を、5%(v/v)の量で各試料に添加し、60分間混合した。該一連の実験において、宿主タンパク質は16、17、15および13ppmに低下した。最初のPEG沈殿をpH7.0で行った以外は全ての細部において同一である、他の一連の実験を行った。PEGステップ後の宿主タンパク質は、600mMのNaClでの工程では44ppm、800mMでの工程では43ppm、900mMでの工程では29ppmおよび1000mMでの工程では31ppmであった。Dowex処理後、宿主タンパク質は、それぞれ20、17、12および16ppmであった。
実施例13:286,010ppmの宿主タンパク質混入物および23%の凝集物を含有する、IgG含有細胞培養産物に、1%のアラントインおよび0.025%のエタクリジンを添加し、室温で1時間攪拌しながらインキュベートして調整した。粒子(Chelex−100、MacroPrep tButyl、Macroprep High Q、バイオ・ラッドラボラトリーズ)の1:1:1の混合物および電気陽性金属親和性粒子(TREN 40 high、Bio−Works製)を混合し、生理的状態に平衡化し、安定した混合粒子を全濃度が5%になるように培養産物に添加した後、室温で2時間混合した。宿主タンパク質は38,061ppmに、凝集物は1.4%に低下した。pH8.0で行った一連の実験では、それぞれ600mM、800mM、900mMおよび1000mM(1M)のNaCl濃度で、PEG−6000による沈殿により試料を分画した。次いで、沈殿物をPEG、50mMトリス、pH8.0で洗浄した後、抗体を50mMトリス、pH8.0に再溶解した。宿主タンパク質は、それぞれ79、69、56および57ppmに低下した。Dowex AG 1X2(バイオ・ラッドラボラトリーズ)の形態の陰イオン交換粒子を、5%(v/v)の量で各試料に添加し、60分間混合した。該一連の実験における宿主タンパク質は、18、17、16および13ppmに低下した。最初のPEG沈殿をpH7.0で行った以外は全ての細部において同一である、他の一連の実験を行った。PEGステップ後の宿主タンパク質は、600mMのNaClでの工程では94ppm、800mMでの工程では62ppm、900mMでの工程では67ppmおよび1000mMでの工程では46ppmであった。Dowex処理後、宿主タンパク質は、それぞれ28、9、23および17ppmであった。
実施例14:321,483ppmの宿主タンパク質混入物および26%の凝集物を含有する、IgM含有細胞培養産物に、1%のアラントイン、0.025%のエタクリジンおよび25mS/cmの伝導能を生じさせるNaClを添加して調整した。混合物を1時間インキュベートし、固体を遠心分離により除去し、液体をMacroPrep tButyl、Macroprep High Q、Macroprep High SおよびChelex 100を等比率で充填したカラムに通した。カラムの培養産物に対する体積率は5%であった。宿主タンパク質は73,663ppmに低下し、凝集物は0.8%に低下した。試料は並列ではなく個別の実験で、両者ともに13%のPEG−6000、pH7で、一方は100mMのNaClで、他方は800mMのNaClにより、分画した。次いで、沈殿物を13%のPEG、50mMヘペス、pH7.0で洗浄し、余分な塩を除去した後、IgMを50mMヘペス、pH7.0に再溶解した。100mMのNaClでは、宿主タンパク質は7,411ppmに低下し、800mMのNaClでは、宿主タンパク質は417ppmに低下した。凝集物の含有量は1.1%に増加した。試料を陰イオン交換モノリス(CIM QA, BIA Separations)にpH7.0で適用し、塩化ナトリウム勾配で溶出した。PEG沈殿を100mMのNaClで行った試料中の宿主タンパク質は、1,424ppmに低下した。PEG沈殿を800mMのNaClで行った試料中の宿主タンパク質は、63ppmに低下した。凝集物は、両沈殿において0.01%未満であった。
実施例15:官能化された粒子により処理およびカプリル酸沈殿による混入物の除去後、800mMのNaClでPEG沈殿を行う。遠心分離により清澄化した細胞培養産物に、最終濃度がそれぞれ0.1、0.2、0.3、0.4および0.5%になるように異なる量のカプリル酸を添加した。アラントインを、最終濃度が1%になるように各試料に添加した。pHと塩濃度はいずれも調整しなかった。0.4%のカプリル酸におけるpHは、5.4であった。各混合物を2時間攪拌した。試料を0.22μmのミクロフィルターに通して、固体を除去した。次いで、濾液を、TREN、イミノ二酢酸およびブチルリガンド(それぞれ、Bio Works製WOR BEADSTM TREN 40 High、バイオ・ラッドラボラトリーズ製Chelex−100およびバイオ・ラッドラボラトリーズ製Macro−Prep t−Butyl)を有する多孔性粒子の等量混合物を有するカラムに通した。該粒子の体積の総量は、適用した試料体積の5%であった。宿主細胞タンパク質は、元の培養産物中のIgGの量242,888ppmから、0.1%のカプリル酸では233,318ppmに、0.2%では193,400ppmに、0.3%では57,519ppmに、0.4%では38,602ppmに、0.5%では42,666ppmに減少した。遊離軽鎖および軽鎖二量体を有するIgGフラグメントは、元の培養産物中の12.2%から、0.3%のカプリル酸では5.3%に、0.4%では3.4%に、0.5%のカプリル酸では3.6%に減少した。0.1および0.2%のカプリル酸では、フラグメントは減少しなかった。凝集物は、元の培養産物中の1.28%から、0.1%のカプリル酸では1.22%に、0.2%のカプリル酸では0.87%に、0.3%のカプリル酸では0.31%に減少し、0.4%および0.5%のカプリル酸では検出できなかった(0.05%未満)。各カプリル酸濃度におけるIgG回収率は、0.1%のカプリル酸で99%、0.2%では99%、0.3%では95%、0.4%では99%、0.5%では95%であった。多孔性粒子の混合物による処理後、0.4%のカプリル酸で処理した試料では、宿主タンパク質が4,205ppmに低下した。これは98%の低下であり、得られた抗体は99%を超える純度を有し、フラグメントは1%、凝集物は測定不能、全体のIgG回収率は99%であった。抗体を、20.5%のPEG、800mMのNaCl、50mMヘペス、pH7.0で、ポリエチレングリコール(PEG−6000)による沈殿によりさらに精製した。0.4%のカプリル酸で処理した培養産物のPEG沈殿後、宿主タンパク質は11ppmに、凝集物は0.09%に減少し、軽鎖フラグメントは検出できなかった。0.5%のカプリル酸で処理した培養産物のPEG沈殿後、宿主タンパク質は13ppmに、凝集物は0.1%に減少し、軽鎖フラグメントは検出できなかった。これらの結果はいずれも宿主タンパク質の99.9995%減少に相当する。本方法により処理しなかった培養産物による、並列対照実験では、PEG沈殿により宿主タンパク質が67,687ppmに減少した。本開示方法による6000倍を超える改良により、二つの全く異なるな利点が説明される。明確な利点は、本方法による宿主タンパク質混入物の減少により、次に行う方法による宿主タンパク質混入物の減少量をさらに大きくする、ということである。これは、本開示方法が、精製方法それ自体の能力を妨げる混入物を特に除去し、最善の結果を達成するという、利点をも強調している。
本実施形態は、他の精製方法と組み合わせて、精製レベルをさらに高めてもよい。そのような他の精製方法としては、プロテインAおよび他の形態のアフィニティークロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィーおよび他の混合モードクロマトグラフィー法などの、IgGの精製に通常用いられている他の方法、および沈殿、結晶化または液液抽出による方法が挙げられるが、これらに限定されない。特定の抗体に必要な純度を達成するために、様々な方法の好適な条件を展開し、それらをここで開示した方法と一体化することは、当業者の理解の範囲内である。
ここに引用した引例の全ては、参照することによりその全体が組み込まれ、個々の刊行物、特許または特許出願が、あたかも具体的かつ個別的にその目的の全体が参照することにより組み込まれる程度と同じ目的が組み込まれる。本明細書における開示が、参照により組み込まれた刊行物、特許または特許出願の範囲と矛盾する場合、本明細書が、そのような矛盾する事柄の全てに対して取って代わり、優先されるものである。
本明細書および特許請求の範囲に使用される構成要素の質やクロマトグラフィーの状態などを表現する全ての数値は、「約」という語により全ての例において加減されると理解される。したがって、それと反対に指示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に示されている数値パラメーターは、ここに開示された方法により得ようとする、所望の性能に依存して変化してもよい近似値である。
ここに開示した方法の様々な修正や変更を、その精神と範囲とから外れることなく実施できることは、当業者には明白であろう。ここに記載の特定の実施形態は、単に例示のためのものであって、決して制限することを意味しない。明細書および実施例を単なる例示とみなすことを意図し、開示された実施形態の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲に示される。

Claims (17)

  1. タンパク質調製物から抗体を精製する方法であって、該方法は、過飽和状態のアラントインの存在下、タンパク質調製物と、ヘプタン酸、オクタン酸、オクテン酸、ノナン酸、ノネノン酸及びデカン酸からなる群から選択される電気陰性有機添加剤又はエタクリジンとを接触し、かつ固体を除去してクロマチンの少なくとも90%を除去することにより前記タンパク質調製物を調整した後、
    (1)生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の存在下に、前記抗体を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させ、前記抗体の沈殿物を得ることを含むか、または
    (2)生理的濃度より高濃度の非タンパク質沈殿塩の非存在下に、前記抗体を非イオン性有機ポリマーにより沈殿させて沈殿物を得た後、生理的濃度より高濃度の前記非タンパク質沈殿塩の存在下に該沈殿物を非イオン性有機ポリマーにより洗浄することを含み
    該沈殿または洗浄ステップは、実質的にタンパク質沈殿塩の非存在下において行われてもよく、前記抗体の等電点の0.5pH単位以内の値に前記タンパク質調製物のpHを調節することなく行われてもよい、抗体を精製する方法。
  2. 前記(1)に先立って、前記調製物と、固体に固定化された2(アミノエチル)アミン(TREN)とを接触させることを更に含む、請求項に記載の方法。
  3. 電気陰性有機添加剤が、オクタン酸である、請求項に記載の方法。
  4. 前記(1)に先立って、前記調製物と、イミノ二酢酸又はニトリロ酢酸とを接触させることを更に含む、請求項に記載の方法。
  5. 前記アラントインは、0.6〜50%、0.7〜20%、0.8〜10%、0.9〜5%、及び1〜2%からなる群から選択される範囲における過飽和の状態で含有されている、請求項1に記載の方法。
  6. 非イオン性有機ポリマーがポリエチレングリコール(PEG)である、請求項1に記載の方法。
  7. ポリマーサイズは、1000〜12000ダルトン(D)、2000〜8000Dおよび3000〜6000Dからなる群から選択される範囲内であるか、または1500D、3500D、4000Dおよび6000Dからなる群から選択される範囲内である、請求項1に記載の方法。
  8. 非タンパク質沈殿塩が、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびそれらの組み合せからなる群から選択される一つを有する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記タンパク質調製物が細胞培養産物であり、非タンパク質沈殿塩を、前記細胞培養産物に、非イオン性有機ポリマーの添加後の塩濃度が生理的濃度よりも少なくとも約0.05M〜約2.0Mの範囲の増分で高い、十分な量で添加する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記タンパク質調製物が細胞培養産物であり、個々の塩または非タンパク質沈殿塩の組み合せを前記細胞培養産物に添加して全体としての塩濃度を正常な生理的塩含有量よりも高くし、かつ非タンパク質沈殿塩の過剰を非イオン性有機ポリマーの添加と一体となって維持する、請求項1に記載の方法。
  11. 最終塩濃度が正常な生理的濃度よりも少なくとも0.05Mの増分で高くなるように、非イオン性有機ポリマーの添加とともに前記非タンパク質沈殿塩を前記タンパク質調製物に添加する、請求項1に記載の方法。
  12. タンパク質調製物の正味塩濃度が正常な生理的値よりも高くなるように、非タンパク質沈殿塩を200mM〜2M、300mM〜1.5M、400mM〜1M、及び500mM〜800mMからなる群から選択される範囲内で添加する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記(1)において、タンパク質沈殿塩が少なくとも0.2Mの濃度で洗浄液に含まれ、前記沈殿物中に既に存在する前記非タンパク質沈殿塩の過剰量を維持する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記(1)又は(2)において、前記沈殿物を、前記抗体を沈殿状態に維持できる十分な濃度の一つまたは複数のタンパク質沈殿塩により洗浄する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記タンパク質沈殿塩が、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウムおよびそれらの組み合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記抗体が、自然に発生するタンパク質、組換えタンパク質、モノクローナル抗体、IgG抗体またはIgM抗体である、請求項1に記載の方法。
  17. 調製物が、体液、ミルク、血漿、血清または細胞培養産物である、請求項1に記載の方法。
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