JP2016507368A - 濾材 - Google Patents
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Abstract
Description
フィルタ・エレメントは被清浄化流体、例えば作動油によって貫流される。
流入側から流出側へ部分的に相当な圧力差が生じる。
このような圧力差及び未濾過液中の動的な流動力に耐えるために、相応のフィルタ・エレメントを製作する材料となる濾材は、支持構造とも呼ばれる支持層を有している。
支持層はフィルタ・エレメントの運転中に強い圧力交番負荷に晒され、例えば金属織布、特にステンレス鋼線材から成る織布、又はプラスチック格子から形成されている。
線要素は互いの間に貫通孔を仕切っており、これらの群のうちの一方が、ウェブの長手方向及び横方向に対して規定可能な角度を成して斜めに延びており、他方の群はウェブの長手方向又は横方向に対して平行に延びている。
線要素が格子状もしくはグリッド状に配置されていることにより、プラスチック格子の面全体にわたって均質な、濾材の一様な形状安定性及び濾過特性が得られる。
支持構造は支持織布を形成しており、この支持織布は金属糸及びプラスチック糸を有していてフィルタ材料に面状に接触している。
フィルタ材料及び支持織布は星状に襞又はプリーツを施されており、金属糸は支持織布の襞に対して平行に延びている。
この公知の濾材は、支持織布としての第1層と、保護フリースとしての第2層と、主要フリースとしての第3層と、場合によっては続いて設けられた別の保護フリースとしての更なる層と、いずれの場合にも存在する、新たな支持織布としての第4層とから成る一種のフィルタ・ウェブとして形成されている。
支持織布は個々のプラスチック糸から形成されている。
プラスチック織布を形成する、プラスチック糸から成る線要素は、プリーツ状に折ることによってフィルタ・エレメントとなるフィルタ・ウェブの長手方向及び横方向に対して斜めに延びている。
また、線要素間の間隔は、被濾過流体の貫流のための自由な貫通孔として役立つ。
このような織布の場合、糸又は線要素が織布複合体の内部で互いに変位するおそれがあり、その結果、糸又は線要素の間の貫通孔が一定ではなくなり、特に、変位した織布複合体によって閉じられることがある。
このことは、支持層として機能する公知の織布の支持特性も貫通特性も相応に悪化させるおそれがある。
従って、請求項1に記載された本発明による濾材は、2つの線要素群が互いにほぼ直角に延びていて、方形の貫通孔を仕切っていることを特徴とする。
これらの方形の両方の辺は、長手方向及び横方向に対して斜めに配置されている。
「傾いた」方形構造によって、貫流流体に対する抵抗が最小限に抑えられ、ひいては本発明による濾材内の渦流が少なくなり、圧力差が低くなる。
濾材に折り目を付けてフィルタ・エレメントを形成する時には(折り目付けは典型的には横方向に行われる)、両方の群の線要素は相応の折り山もしくは折り谷に対して常に斜めに配向されていることが理想的である。
プラスチック格子の線要素を本発明に基づいて配置することによって、貫流する流体、例えば作動油のための個々の通路が規定される。
全体的に見て、支持用プラスチック格子の本発明による幾何学的形状によって、濾材の支持特性及び濾過特性が改善される。
このことは、プラスチック格子の下側に位置する、濾材のフィルタ層に対するプラスチック格子の密着性を改善する。
これにより、濾材の複合体全体の安定性が著しく改善される。
さらに、本発明により主張された支持格子複合体によって、「ボリュームを出す」糸又は線要素が濾材の排液側に向かって配向されており、その結果、糸の間隔又は線要素間の間隔を最適化することができ、このことは、濾材の排液能力並びに貫流特性を著しく改善する。
定置の結節点を有するプラスチック格子を異なる厚さ又は直径で設計することにより、プリーツ付き濾材のその都度生じる襞密度及びフィルタ精細度に対して、支持層としてのプラスチック格子をより良好に適合させることができる。
プラスチック格子内部の線要素が変位不能に配置されていることに基づいて、被濾過流体のための貫通孔が常に一定に保持されることにより、運転中にも支持層の貫流特性及び支持特性が変化することがないので有利である。
このように、直径又は厚さという記述は以下の本発明の説明において同義語として理解することができる。
また、プラスチック格子内部で、一方の群の線要素は段階的に種々異なる小さな直径又は厚さを有することもでき、これに対して、より大きい直径を有する他方の群の線要素も同様に、断面比から見て段階的に別の大きさに寸法設定されていてよい。
このことから、同じ大きさの貫通孔がプラスチック格子によって規定され、ひいてはプラスチック格子の面全体にわたって均質な支持特性及び濾過特性が達成される。
これらの貫通孔の辺長が900μm〜3000μmであり、特に第1辺長が約915μmであり、第2辺長が約2908μmであることが好ましい。
換言すれば、それぞれの貫通孔の第1辺長と第2辺長とは同じ大きさに選択されていてよい。
本発明による濾材のこのような構成では、支持特性と濾過特性との特に良好な組み合わせが得られる。
線要素は平らなマット・ウェブにおける長手方向及び横方向に対して45°の角度を成して斜めに延びることができるので、濾材に優先方向が規定されることはない。
しかしながら、長手方向及び横方向に対して傾斜位置の種々異なる角度が選択されるのが典型的であり、これにより用途にとって最適化された流体貫流が得られる。
特に、第1群の線要素は第2群の線要素とは異なる厚さを有している。
異なる厚さの線要素を使用することによって、貫通孔により規定される、流体によって貫流可能な貫通面積がさらに拡大される。
線要素の構成、特に材料及び厚さによって、プラスチック格子の強度、ひいては支持特性が確定される。
線要素の直径は300μm〜450μmであることが好ましく、特に第1群の線要素の厚さは約419μmであり、そして第2群の線要素厚さは約330μmである。
プラスチック格子の線要素は糸状に形成されていてよい。
このために、プラスチック格子内には少なくとも1つの導電性線要素が導入されていてよい。
導電性線要素は金属を含まずに形成され、且つ/又は炭素を保持ことが好ましい。
それぞれの導電性線要素は、炭素で被覆されたプラスチック繊維を有するバイコンポーネント繊維として形成されていることが特に好ましい。
このようなプラスチック材料は中程度の強度、高い剛性及び硬度を特徴とする。
部分結晶性ポリエチレンテレフタレートは−20℃及び+100℃、短時間には+200℃、までの熱的使用限界を有している。
これらは希酸、脂肪族及び芳香族炭化水素、油、脂肪、エステル、及びアルコールに対して耐久性を有する。
ポリブチレンテレフタレートは、ポリエチレンテレフタレートと比較して、強度が若干低い。
使用限界は約−40℃及び+250℃である。
イソタクチックポリプロピレンは約+150℃まで使用可能であり、化学的に耐久性が極めて高いことが判っている。
上記特徴及び別の特徴はそれぞれ任意に組み合わせて、本発明による濾材において実現することができる。
図面に示された特徴は純粋に概略的なものであり、原寸に比例しないものと理解するべきである。
プラスチック格子10は、第1線要素12から成る第1群と第2線要素14から成る第2群とを備えたウェブの形態を有している。
第1線要素12は互いに平行に等距離で延びており、また第1角度α1を成して長手方向Xに対して斜めに、そして別の第1角度β1を成して横方向Yに対して斜めに配置されている。
これに相応して、第2線要素14は互いに平行に、そして第2角度α2,β2を成して両方向X,Yに対して斜めに配置されている。
菱形貫通孔16の菱形構造もしくはダイヤ構造は、第1及び第2線要素12,14の両群を配置することによって規定されている。
プラスチック格子10をさらに加工する場合には、長手方向Xは、折り機内への走入方向を規定する。
図1では、第1線要素12は第2線要素14上に載置されており、交差個所18で第2線要素14と固く結合されており、換言すれば第2線要素に固定されている。しかしながら、プラスチック格子10を全体として得るために線要素12,14をプラスチック材料から一体的に形成することも考えられる。
線要素12,14の両方の群は互いに斜めに配置されており、長手方向Xにおいて互いに鋭角を成し、つまり両方の角度の和がα2+α1<90°であり、また両方の群は横方向Yにおいて互いに鈍角を成し、つまりさらに別の角度の和がβ1+β2>90°である。
言うまでもなく、線要素12,14の両方の群は、長手方向Xにおいて鈍角を成し、横方向Yにおいて鋭角を成すように互いに配向されていてもよい。
結果として、線要素12,14が長手方向X及び横方向Yと交差する際の角度α1〜β2、換言すれば長手方向X及び横方向Yに対して斜めに設定される際の角度α1〜β2は、それぞれの方向X,Yに対応する角度α1〜β2の和が90°となるように、つまりα1+α2=90°となり且つβ1+β2=90°となるように選択することができる。
図2に示された実施態様では、第1線要素12の厚さd1はd1=419μmであり、第2線要素14の厚さd2はd2=330μmである。
それぞれの群の線要素12,14は互いに等距離で平行に延びるように配置されているので、第1線要素12の間隔によって規定された第1辺長a=2908μmと、第2線要素14の間隔によって規定された第2辺長b=915μmとを備えた同一形状の貫通孔16が規定される。
方形の貫通孔16の大きさa×bは、プラスチック格子10の利用可能な流体貫流面積、ひいては流体貫流性を決定する。
特にこの図3が示すように、当該外側のフィルタ層9は、図2では平らに示されたプラスチック格子10で包囲され、もしくは取り囲まれている。
従って、個々のフィルタ襞11は周知の形式で、図3の観察者に向かって山形に前方へ向かって湾曲している。
それぞれ隣接するフィルタ襞11は谷底において、同様にアーチ状の輪郭を描いて互いに結合されている。
従って、これに対してそれぞれより大きい直径d1を有し、より大きい相互間隔を置いて設けられている線要素12は、より小さな直径d1を有する線要素14の上に配置されている。
すなわち、線要素14は、対応し得る隣接のフィルタ層9に対してより大きい間隔を有しており、また線要素14を介してフィルタ層9に対して間隔を置いて保持されている。
フィルタ材料へ向かう流入方向で見て、ひいてはフィルタ層9に対して、密接に接触する薄い糸又は線要素14は、精細なフィルタ層9のための理想的な支持手段及び保護手段を形成する。
これに対して流出方向では、ボリュームを出す糸12はフィルタ層9に対して最適化された間隔を置いて大きい流れ断面を形成する。
その結果、最小限の流れ抵抗しか形成されないので、一種の最適化された排液層が支持格子10全体にわたって得られる。
さらに、プリーツ付きフィルタ層9のそれぞれのフィルタ襞11の上面において長手方向LXに見て、それぞれより大きい直径d1を有する線要素12間の間隔c1は、それぞれより小さな直径d2を有する線要素14間の間隔c2の約8〜12倍、好ましくは約10倍である。
例えば具体的な実施態様では、第2辺長bに基づく間隔c1は約2908μmであり、第1辺長aに基づく間隔c2は約915μmである。
ここで上記支持格子10が、図3に詳しく示されているプリーツ付きフィルタ・マットを形成しながら襞11内に設けられると、隣接する襞11の間により厚い線要素12が重ね合わされるようになる。
こうして規則的に接触個所が形成され、その結果、線要素12の下側に位置する薄い線要素14はこれに相応して、線要素12の2倍の厚さ又は幅だけ互いに間隔を置いて配置される。
従って、それぞれの襞11内部には案内通路又は排液通路が生じ、この通路は、プリーツ付き濾材内部の流体案内を比較的抵抗なしに可能にする。
さらに図2が示すように、製造方法に起因して、特に厚い線要素12と薄い線要素14との結節個所又は交差個所15において、交差点15又は係合部のいずれの個所でも、線要素14の後続区分は先行の線要素部分に対して規定可能な間隔又はオフセット17だけ互いにオフセットされていて、その結果、濾材のプリーツ付き構造内で個々の襞間の方形の貫通個所16が互いに重なり合うので、この点においても、続いて設けられた濾過用フィルタ材料を妨げなしに流体が貫流することになる。
図2に示されたオフセット個所17のオフセットを省いて、全ての線要素14を、格子構造10内部の線要素12と同様に互いに平行に延びるように配置することもできる。
押し出し機20内にはプラスチック顆粒が供給され、そこで液化される。スクリュ24を介して、液化された顆粒は放出口26へ達する。
放出口の端部には、互いに対向方向に回転するリングに、図示していないノズルが配置されている。一方の回転方向28に、又はこの回転方向28とは逆方向に回転するノズルを通過すると、液化されたプラスチック顆粒からホース30が生じる。押し出されたホース30は、冷却のために変向ローラ32aを介して水浴34を通って案内される。
カレンダ・ローラ又は変向ローラとして形成された別のローラ42a,42b及び42cを介して、長手方向に延伸されたウェブ36は側方案内エレメント44a〜44dの装置へ案内され、そこで横方向Yへの横方向延伸46が実施される。同時にウェブ36の側帯が形成される。
長手方向延伸38及び横方向延伸46は、ウェブ36内で形成されるべき格子構造、例えば方形の大きさに応じて、長手方向X及び横方向Yに対して線要素12,14の群を斜めに配置しながら選択され実施される。
完成済プラスチック格子10は、貯蔵及び/又は搬送のために、ウェブローラ48上に巻き取られ、ウェブローラ48上に巻き取られるべきウェブ36の長さに応じて、横方向Yに分断もしくは分離される。
ウェブローラ48の代わりに、プラスチック格子10と濾材のフィルタ層とを結合するための装置、及び/又は濾材のための折り機が接続されていてもよい。
さらに、プリーツ付きフィルタ層9のそれぞれのフィルタ襞11の上面において長手方向LXに見て、それぞれより大きい直径d1を有する線要素12間の間隔c1は、それぞれより小さな直径d2を有する線要素14間の間隔c2の約3.2倍である。
例えば具体的な実施態様では、第2辺長bに基づく間隔c1は約2908μmであり、第1辺長aに基づく間隔c2は約915μmである。
Claims (11)
- 流体を清浄化するための濾材であって、
フィルタ材料から形成された少なくとも1つのフィルタ層(9)と、
少なくとも1つのプラスチック格子(10)とを具備し、
該フィルタ層は、長手方向(X)及び横方向(Y)を有する該濾材の好ましくはプリーツ付きのウェブ形態を規定しており、
該プラスチック格子(10)は支持層として少なくとも1つのフィルタ層(9)に接触していて、線要素(12,14)を有しており、該線要素は群毎に互いに平行に、そして該濾材の長手方向(X)及び横方向(Y)に対して斜めに、規定可能な角度を成して延びており、互いの間に貫通孔(16)を仕切っている、
ものにおいて、
2つの線要素群(12,14)が互いにほぼ直角に延びていて、方形の貫通孔(16)を仕切っている
ことを特徴とする、濾材。 - 流体を清浄化するための濾材であって、
フィルタ材料から形成された少なくとも1つのフィルタ層(9)と、
少なくとも1つのプラスチック格子(10)とを有しており、
該フィルタ層は、長手方向(X)及び横方向(Y)を有する該濾材の好ましくはプリーツ付きのウェブ形態を規定しており、
該プラスチック格子(10)は支持層として少なくとも1つのフィルタ層(9)に接触していて、線要素(12,14)を有しており、該線要素は互いに結合されて互いの間に貫通孔(16)を仕切っている、
ものにおいて、
より小さな直径(d2)を備えた線要素(14)が、該濾材のそれぞれのフィルタ層(9)と直接に接触しており、そして、これに対して、
より小さな直径(d2)を備えた線要素(14)の場合よりもそれぞれ大きい直径(d1)と大きい相互間隔とを有する線要素(12)が、対応し得るフィルタ層(9)に対して間隔を置いて上記線要素(14)に被さっている、
ことを特徴とする濾材。 - プリーツ付きフィルタ層(9)において、互いに異なる直径(d1,d2)の線要素(12,14)が、50〜60°、好ましくは約55°の角度(δ)で、交差している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の濾材。
- 前記プリーツ付きフィルタ層(9)のそれぞれのフィルタ襞(11)の長手方向(LX)で見て、それぞれより大きい直径(d1)を備えた線要素(12)間の間隔(c1)は、それぞれより小さな直径(d2)を備えた線要素(14)間の間隔(c2)の約8〜12倍、好ましくは約10倍である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の濾材。 - 前記貫通孔(16)の辺長(a,b)が900μm〜3000μmであり、特には、第1辺長(a)が約915μmであり、第2辺長(b)が約2908μmである、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の濾材。 - 前記プラスチック格子(10)の線要素(12,14)が正方形の貫通孔(16)を画成している、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の濾材。
- 前記線要素(12,14)の厚さ又は直径(d1,d2)が多様であり、好ましくは第1群の線要素(12)が、第2群の線要素(14)とは異なる厚さ又は直径(d1)を有している、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の濾材。
- 前記線要素(12,14)の直径(d1,d2)が300μm〜450μmであり、好ましくは第1群の線要素(12)の直径(d1)は約419μmであり、第2群の線要素(14)の直径(d2)は約330μmである、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の濾材。
- 前記プラスチック格子(10)の材料は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)・プラスチック、ポリプロピレン(PP)・プラスチック、及び/又はポリエチレン(PE)・プラスチックを含んで成る、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の濾材。 - 前記第1群の線要素(12)が前記第2群の線要素(14)と、前記格子(10)の交差個所で固定的な結節部(15)を形成しており、
該結節部で前記線要素が互いに対して変位不能にそれらの層内に保持されている、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の濾材。 - 前記より小さな直径(d2)を備えた線要素(14)がそれぞれの結節部(15)にオフセット個所(17)を有しており、かつ、
前記オフセット個所(17)のオフセットが前記線要素(14)のより小さな直径(d2)に相当する、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の濾材。
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