JP2014124568A - 分離膜エレメント - Google Patents

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洋帆 広沢
Kentaro Takagi
健太朗 高木
Yoshiki Okamoto
宜記 岡本
Tsuyoshi Hamada
剛志 浜田
Hiroyuki Yamada
博之 山田
Masahiro Kimura
将弘 木村
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Abstract

【課題】圧力損失をより低減し、造水量を増大させることができる分離膜エレメントを提供する。
【解決手段】集水管と、供給側の面および透過側の面を備える分離膜と、前記分離膜の透過側の面上に形成された透過側流路とを備える分離膜エレメントであって、前記分離膜は前記集水管の周りにスパイラル状に巻囲されており、前記集水管の外周面には隆起部が設けられ、少なくとも、前記分離膜の透過側の面において前記隆起部と対向する領域には、互いに分断された複数の透過側流路が設けられている。
【選択図】図1

Description

排水の浄化や海水淡水化に用いられる分離膜エレメントには、中心管として、中空であり、外周面から内周面につながる複数の貫通孔を有する集水管が用いられる。分離膜エレメントでは、分離膜として逆浸透膜や精密漏過膜、限外濾過膜が用いられ、海水やかん水の淡水化や排水処理に実用化されている。このような分離膜エレメントは、近年、需要が増加するとともに、要求される分離性能も著しい向上が求められており、分離膜の性能ばかりでなく、分離膜エレメント全体として、エレメント内の圧力損失低減などの性能向上が検討されている。従来では、この中心管に関しては、特許文献1に示すような貫通孔の開孔率について検討されている他に、特許文献2に示すような中心管外周面の構造などについて検討されている。
特開2004−305823号公報 特開2012−20282号公報
本発明は、圧力損失をより低減し、造水量を増大させることができる分離膜エレメントを提供することを目的とする。
本発明の分離膜エレメントは、集水管と、供給側の面および透過側の面を有し、前記透過側の面が前記集水管に対向するようにスパイラル状に巻囲された分離膜と、を備える分離膜エレメントであって、前記集水管の外周面には隆起部が設けられ、前記分離膜エレメントは、前記隆起部に重なるように、かつ、少なくとも前記分離膜の透過側の面において前記隆起部と対向する領域内では、互いに隔てられた流路を形成するように配置された流路材をさらに備える。
本発明によれば、集水管に設けられた隆起部と流路との間に交差構造が形成されるので、集水管への透過水の流入効率が向上する。その結果、流動抵抗を低減でき、分離膜エレメントの造水量を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る集水管を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る集水管を示す円周方向の断面図である。 本発明の一実施形態に係る集水管を示す円周方向の断面拡大図である。 本発明の一実施形態に係る集水管の長手方向の断面拡大図である。 分離膜リーフの一形態を示す分解斜視図である。 分離膜の巻囲方向において連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図である。 分離膜の集水管長手方向において不連続的に設けられた流路材を備える分離膜を示す平面図である。 図2および図3の分離膜の断面図である。 分離膜エレメントの一形態を示す展開斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらによって限定されるものではない。
〔1.集水管〕
図1に、集水管の一実施形態を示す。図1に示すように、集水管6は、外周面から内周面につながる複数の貫通孔61を有する。また、集水管6の外周面には、複数の隆起部62が設けられている。
(隆起部)
((概要))
隆起部62は、集水管6の外周面から集水管6の断面の径方向に向かって突出する部分である。隆起部62は、図1等に示すように、集水管6の長手方向に延びる形状であることが好ましい。集水管の長手方向に延びる形状とは、集水管の長手方向(図中のx軸方向)における幅が、集水管の円筒形状の周方向における幅よりも大きい形状を指す。つまり、「長手方向に延びる形状」は、隆起部62の長手方向が、集水管6の長手方向に完全に平行になるように配置された場合だけでなく、隆起部62の長手方向が、集水管6の長手方向に対して斜めに配置された場合も含む。
集水管6の外周面には、隣り合う隆起部62の間で、集水管6の長手方向に延びる流路となる溝が形成される。
隆起部62は、貫通孔61から外れた位置に設けられる。言い換えると、貫通孔61は、隣り合う隆起部62の間に設けられる。つまり集水管6の外周面に設けられた溝の間に設けられる。貫通孔61の詳細については後述する。
後述するように、集水管6の周囲には、分離膜が巻囲され、その分離膜には、集水管の長手方向に交差するように透過側流路材3が配置される。よって、隆起部62が上記構造を有することで、隆起部62と透過側流路材3とが、集水管6の外周面に交差構造を形成する。このような交差構造により、透過側流路材3の間を流れる透過水、つまり透過側流路5を流れる透過水は、集水管6外周面上を、隣り合う隆起部62の間に形成された溝に沿って、流れることができる。その結果、集水管に到達した透過水の貫通孔61への流入効率が向上し、流動抵抗を低減できるので、分離膜エレメントの造水量が向上可能である。
また、エレメントの運転時には昇圧および減圧を繰り返すため、分離膜または流路材が供給水の流れ方向に移動することがある。外表面が平滑な集水管を有するエレメントでは、分離膜または透過側流路材の移動によって透過側流路材が集水管の貫通孔を覆うと、流動抵抗が増加することがある。しかしながら、本実施形態のエレメントでは、集水管6に隆起部62が存在することにより、透過側流路材3の位置にかかわらず、貫通孔61がふさがれにくいので、運転の安定性が向上する。
以下に、隆起部の形状および高さ等について具体的に説明するが、隆起部62は、透過側流路材3と交差構造を形成することで集水管6の周辺における透過液の流路を確保することができればよく、その形状および大きさ等は、以下に説明する範囲に限定されない。
((隆起部の高さ))
隆起部62は、高さが大きいほど流動抵抗を低減できるという利点がある。そのため、隆起部62の高さは0.02mm以上、0.05mm以上、または0.1mm以上であることが好ましい。その一方でが、高さが小さいほど1つのエレメント当たりに分離膜を装填できる空間が広くなるとうい利点がある。そのため、隆起部62の高さは、2mm以下、1mm以下、0.5mm以下、または0.3mm以下が好ましい。
例えば、分離膜エレメントの直径が8インチ程度であり、集水管6の外径が30mm以上40mm以下である場合、隆起部62の高さは、例えば0.02mm〜0.8mmであるか、または0.2mm〜0.5mmであることが好ましい。
なお、隆起部62の高さとは、図3に示すように、
((円周方向および長手方向における間隔))
集水管6の隆起部62の、円周方向における間隔gは、大きいほど集水管6の外周面に形成される流路幅が大きくなり、流動抵抗を小さくできる一方、小さいほど確実に流路を形成することができるという利点が得られる。そこで、集水管6周辺の透過水流路を確保しつつ流動抵抗を低減させるために、間隔gは0.1mm以上20mm以下であることが好ましく、間隔gは0.4mm以上5mm以下がさらに好ましく、0.5mm以上3mm以下が特に好ましい。
なお、円周方向における間隔gとは、図3に示すように集水管を輪切りにした際の断面(集水管6の長手方向に直行する断面)において、隆起部の中央と隣接する隆起部の中央との直線距離のことである。
一方、長手方向における間隔hは、集水管6周辺の透過水流路を確保しつつ流動抵抗を低減させると共に透過側流路材3とのクロス構造を形成させ流路の安定性を高める観点から5mm以下が好ましく、1mm以下がさらに好ましい。長手方向における間隔hとは、図4に示すように集水管の長手方向における隆起部の底部端部から隣接する隆起部の底部端部との直線距離を指す。
(円周方向における幅)
集水管6の隆起部62の、円周方向における幅jは、透過側流路材3を安定に支えつつ集水管6周辺の透過水流路を確保するために、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.5mm以上3mm以下が好ましい。
(隆起部の断面形状)
隆起部の断面形状は特に限定されるものではなく、表面上部から観察した形(x−y平面視野)は、例えば、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形等であってもよい。また、隆起部は、集水管長手方向に垂直な断面(y−z平面に平行な断面)において、下部が上部よりも広い形状(例えば、台形、三角形、半円状等)を備えてもよく、逆に上部が下部よりも広い形状(例えば、台形等)を備えてもよく、上部から下部にかけて幅が一定の形状(例えば、長方形、正方形等)を備えてもよい。また、隆起部の側面は、膨らんでいても、凹んでいてもよい。
また、隆起部の上端部に半径0.5mm以上2mm以下程度の角丸め加工(R加工)がなされていることが好ましい。これによりさらに流動抵抗が低減できるとともに、加圧条件下においては隅部への応力集中が緩和できるため、劣化や破損を防止することができる。
集水管6の長手方向において、隆起部62は、集水管6の両端部に達していないことが好ましい。つまり、集水管6の端部の領域63は、隆起部62が設けられず、平滑であることが好ましい。分離膜エレメントにおいて、分離膜は、一般に二つ折りまたは貼り合わせて三辺を封止される構造のものが用いられる。集水管6の端部ではこの封止部分付近が集水管6と接着されている。隆起部62がこの接着部分と重なると、透過液が分離膜と集水管の外周面との間に設けられた空間の外に漏れることで、分離効率が悪くなる場合がある。これに対して、集水管の端部の領域63が平らであり、この領域において分離膜が集水管に接着することで、このような透過液の漏れが抑制される。
(変形例)
隆起部62は、上述した構成のものに限られず、種々の変形が可能である。必ずしも集水管6の長手方向に延びている必要はなく、蛇行した形態や格子状、螺旋状、その他にも本発明の効果が損なわれない範囲であれば特に限定されない。
(材料)
集水管6の材質などは特に限定されるものではないが、集水管6は可撓性を有しない剛体であることが好ましい。
集水管を構成する素材としては例えば、金属や樹脂、セラミックス製のものが好ましく用いられる。金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、黄銅(真織)、青銅、ジュラルミンや、2種以上の金属元素を有する合金を用いることができるが、浄水用途に用いる場合、コスト、強度および耐蝕性の面から、ステンレスを用いることが好ましい。
前記樹脂としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂
としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂(ユリア樹
脂)、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド、シリコーン樹脂、及びジアリルフタレート樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂やメラミン樹脂、シリコーン樹脂を用いることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂)、変性ポリフェニレンオキシド樹脂(例えば、変性ポリフェニレンエーテル樹脂)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体樹脂、アクリルニトリル−スチレン共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、あるいはこれらの混合物やポリマーアロイを挙げることができる。
また、樹脂の強度を高めるために、樹脂組成物中にガラス繊維や炭素繊維などの繊維材料や、ウィスカーや液晶ポリマーなどの結晶系材料を加えても良い。例えば、ガラス繊維としては、ガラスウール、チョップド・ガラスファイバー、ミルド・ガラスファイバーを挙げることができる。また、炭素繊維としては、ミルド炭素繊維を挙げることができる。ウィスカーとしては、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、珪酸カルシウムウィスカー及び硫酸カルシウムウィスカーを挙げることができる。
さらには、樹脂の特性向上を目的として各種添加剤を加えてもよい。例えば、難燃剤、安定剤、顔料、染料、離型材、滑材、耐候性改良剤などを樹脂組成物に添加してもよい。これらの添加物は単独で用いても良く、2種以上の混合物として用いることができる。
(貫通孔)
集水管6に設けられる貫通孔61の個数および大きさは適宜設定すれば良いが、例えば、直径8インチ程度の分離膜エレメントで、集水管6の外径が30〜40mm程度の場合、貫通孔61の直径は2〜8mm程度が好ましく、さらに、貫通孔61の個数は30〜200個程度設けることが好ましい。また、貫通孔61の配置は特に限定されないが、集水管2の長手方向に延びる少なくとも1本の線上に並んでいることが好ましい。
(集水管の製造方法)
集水管6の製造方法については特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば、押し出し成形法により得られた樹脂製中空管や金属製中空管に、穿孔および隆起部の追加加工を施す方法や、射出成形法等のように金型などを用いた型抜き加工などが挙げられる。
なお、集水管6は、必ずしも全体として一体的に射出成形される必要はなく、樹脂接着や加熱融着、超音波融着、回転摩擦融着など適宜公知の技術を用いて隆起部を追加することができる。
(2−1)分離膜の概要
分離膜とは、分離膜表面に供給される流体中の成分を分離し、分離膜を透過した透過流体を得ることができる膜である。分離膜は、分離膜本体と、分離膜本体上に配置された流路材とを備える。
このような分離膜の例として、本実施形態の分離膜1は分離膜本体2と透過側の流路材3とを備える。分離膜本体2は、供給側の面21と透過側の面22とを備える。
本書において、分離膜本体の「供給側の面」とは、分離膜本体の2つの面のうち、原流体が供給される側の表面を意味する。「透過側の面」とは、その逆側の面を意味する。後述するように分離膜本体が、図7に示すように、基材201及び分離機能層203を備える場合は、一般的に、分離機能層側の面が供給側の面であり、基材側の面が透過側の面である。
透過側流路材3は、透過側の面22上に、流路を形成するように設けられている。分離膜1の各部の詳細については後述する。
図中にx軸、y軸、z軸の方向軸を示す。x軸を集水管長手方向、y軸を巻囲方向と称することがある。図9等に示すように、分離膜本体2は長方形であり、集水管長手方向および巻囲方向は、分離膜本体2の外縁に平行である。集水管長手方向を幅方向と称し、巻囲方向を長さ方向と称することがある。
(2−2)分離膜本体
<概要>
分離膜本体としては、使用方法、目的等に応じた分離性能を有する膜が用いられる。分離膜本体は、単一層によって形成されていてもよいし、分離機能層と基材とを備える複合膜であってもよい。また、図7に示すように、複合膜においては、分離機能層203と基材201との間に、多孔性支持層202が形成されていてもよい。
<分離機能層>
分離機能層の厚みは具体的な数値に限定されないが、分離性能と透過性能の点で5nm以上3000nm以下であることが好ましい。特に逆浸透膜、正浸透膜、ナノろ過膜では5nm以上300nm以下であることが好ましい。
分離機能層の厚みは、これまでの分離膜の膜厚測定法に準ずることができる。例えば、分離膜を樹脂により包埋し、それを切断することで超薄切片を作製し、得られた切片に染色などの処理を行う。その後、透過型電子顕微鏡により観察することで、厚みの測定が可能である。また、分離機能層がひだ構造を有する場合、多孔性支持層より上に位置するひだ構造の断面長さ方向に50nm間隔で測定し、ひだの数を20個測定し、その平均から求めることができる。
分離機能層は、分離機能および支持機能の両方を有する層であってもよいし、分離機能のみを備えていてもよい。なお、「分離機能層」とは、少なくとも分離機能を備える層を指す。
分離機能層が分離機能および支持機能の両方を有する場合、分離機能層としては、セルロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルスルホン、またはポリスルホンを主成分として含有する層が好ましく適用される。
なお、本書において、「XがYを主成分として含有する」とは、XにおけるYの含有率が、50質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は95質量%以上であることを意味する。また、Yに該当する複数の成分が存在する場合は、それら複数の成分の合計量が、上述の範囲を満たせばよい。
一方、多孔性支持層分離機能層としては、孔径制御が容易であり、かつ耐久性に優れるという点で架橋高分子が好ましく使用される。特に、原流体中の成分の分離性能に優れるという点で、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを重縮合させてなるポリアミド分離機能層、有機無機ハイブリッド機能層などが好適に用いられる。これらの分離機能層は、多孔性支持層上でモノマーを重縮合することによって形成可能である。
例えば、分離機能層は、ポリアミドを主成分として含有することができる。このような膜は、公知の方法により、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物とを界面重縮合することで形成される。例えば、多孔性支持層に多官能アミン水溶液を塗布し、余分なアミン水溶液をエアーナイフなどで除去し、その後、多官能酸ハロゲン化物を含有する有機溶媒溶液を塗布することで、ポリアミド分離機能層が得られる。
また、分離機能層は、Si元素などを有する有機−無機ハイブリッド構造を有してもよい。
なお、いずれの分離機能層についても、使用前に、例えばアルコール含有水溶液、アルカリ水溶液によって膜の表面を親水化させてもよい。
<多孔性支持層>
多孔性支持層は、分離機能層を支持する層であり、多孔性樹脂層とも言い換えられる。
多孔性支持層に使用される材料やその形状は特に限定されないが、例えば、多孔性樹脂によって基板上に形成されてもよい。多孔性支持層としては、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂あるいはそれらを混合、積層したものが使用され、化学的、機械的、熱的に安定性が高く、孔径が制御しやすいポリスルホンを使用することが好ましい。
<基材>
分離膜本体の強度、寸法安定性等の観点から、分離膜本体は基材を有してもよい。基材としては、強度、凹凸形成能および流体透過性の点で繊維状基材を用いることが好ましい。
基材としては、長繊維不織布及び短繊維不織布のいずれも好ましく用いることができる。特に、長繊維不織布は、優れた製膜性を有するので、高分子重合体の溶液を流延した際に、その溶液が過浸透により裏抜けすること、多孔性支持層が剥離すること、さらには基材の毛羽立ち等により膜が不均一化すること、及びピンホール等の欠点が生じることを抑制できる。また、基材が熱可塑性連続フィラメントより構成される長繊維不織布からなることにより、短繊維不織布と比べて、高分子溶液流延時に繊維の毛羽立ちによって起きる不均一化および膜欠点の発生を抑制することができる。さらに、分離膜は、連続製膜されるときに、製膜方向に対し張力がかけられるので、寸法安定性に優れる長繊維不織布を基材として用いることが好ましい。
長繊維不織布は、成形性、強度の点で、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維が、多孔性支持層側の表層の繊維よりも縦配向であることが好ましい。そのような構造によれば、強度を保つことで膜破れ等を防ぐ高い効果が実現されるだけでなく、分離膜に凹凸を付与する際の、多孔性支持層と基材とを含む積層体としての成形性も向上し、分離膜表面の凹凸形状が安定するので好ましい。
より具体的には、長繊維不織布の、多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度は、0°以上25°以下であることが好ましく、また、多孔性支持層側表層における繊維配向度との配向度差が10°以上90°以下であることが好ましい。
分離膜の製造工程やエレメントの製造工程においては加熱する工程が含まれるが、加熱により多孔性支持層または分離機能層が収縮する現象が起きる。特に連続製膜において張力が付与されていない幅方向において、収縮は顕著である。収縮することにより、寸法安定性等に問題が生じるため、基材としては熱寸法変化率が小さいものが望まれる。不織布において多孔性支持層とは反対側の表層における繊維配向度と多孔性支持層側表層における繊維配向度との差が10°以上90°以下であると、熱による幅方向の変化を抑制することもでき、好ましい。
ここで、繊維配向度とは、多孔性支持層を構成する不織布基材の繊維の向きを示す指標である。具体的には、繊維配向度とは、連続製膜を行う際の製膜方向、つまり不織布基材の長手方向と、不織布基材を構成する繊維との間の角度の平均値である。つまり、繊維の長手方向が製膜方向と平行であれば、繊維配向度は0°である。また、繊維の長手方向が製膜方向に直角であれば、すなわち不織布基材の幅方向に平行であれば、その繊維の配向度は90°である。よって、繊維配向度が0°に近いほど縦配向であり、90°に近いほど横配向であることを示す。
繊維配向度は以下のように測定される。まず、不織布からランダムに小片サンプル10個を採取する。次に、そのサンプルの表面を走査型電子顕微鏡で100〜1000倍で撮影する。撮影像の中で、各サンプルあたり10本を選び、不織布の長手方向(縦方向、製膜方向)を0°としたときの角度を測定する。つまり1枚の不織布あたり計100本の繊維について、角度の測定が行われる。こうして測定された100本の繊維についての角度から平均値を算出する。得られた平均値の小数点以下第一位を四捨五入して得られる値が、繊維配向度である。
基材の厚みは、30μm以上300μm以下の範囲内、または50μm以上250μm以下の範囲内となる程度に設定されることが好ましい。
(1−3)透過側流路材
<概要>
分離膜本体の透過側の面には、透過側流路を形成するように流路材が設けられる。「透過側の流路を形成するように設けられる」とは、分離膜が後述の分離膜エレメントに組み込まれたときに、分離膜本体を透過した透過流体が集水管に到達できるように、流路材が形成されていることを意味する。流路材の構成の詳細は以下のとおりである。
<流路材の構成成分>
流路材3は、分離膜本体2とは異なる素材で形成されることが好ましい。異なる素材とは、分離膜本体2で使用される材料とは異なる組成を有する材料を意味する。特に、流路材3の組成は、分離膜本体2のうち、流路材3が形成されている面の組成とは異なることが好ましく、分離膜本体2を形成するいずれの層の組成とも異なることが好ましい。
流路材を構成する成分としては特に限定されないが、樹脂が好ましく用いられる。具体的には、耐薬品性の点で、エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンや共重合ポリオレフィンなどが好ましく、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などのポリマーも選択でき、これらを単独もしくは2種類以上からなる混合物として用いることができる。特に、熱可塑性樹脂は成形が容易であるため、均一な形状の流路材を形成することができる。
<流路材形状および配置>
<<概要>>
透過側流路材は、流動抵抗を小さくするために溝が非連結であることが好ましく、シート状物や分離膜の透過側に固着させたものを使用することができるが、後述する理由から分離膜の透過側に固着させることで流動抵抗を著しく低減できる。
従来広く用いられているトリコットは編み物であり、立体的に交差した糸で構成されている。つまり、トリコットは、二次元的に連続した構造を有している。このようなトリコットが流路材として適用された場合、流路の高さはトリコットの厚みよりも小さくなる。すなわち、トリコットの厚みの全てを流路の高さとして利用することはできない。
これに対して、流路材3は、互いに重ならないように配置されている。よって、本実施形態の流路材3の高さ(つまり厚み)は全て、流路の溝の高さとして活用される。よって、本実施形態の流路材3が適用された場合、流路材3の高さと同じ厚みを有するトリコットが適用された場合よりも、流路は高くなる。つまり、流路の断面積がより大きくなるので、流動抵抗はより小さくなる。
また、各図に示した形態では、不連続な複数の流路材3が、1つの分離膜本体2上に固着されている。「不連続」とは、複数の流路材が、間隔を置いて設けられている状態である。つまり、1枚の分離膜中の流路材3を分離膜本体2から剥離すると、互いに分かれた複数の流路材3が得られる。これに対して、ネット、トリコットおよびフィルム等の部材は、分離膜本体2から分離されても、連続した一体の形状を示す。
不連続な複数の流路材3が設けられていることで、分離膜1は、後述の分離膜エレメント100に組み込まれたときに、圧力損失を低く抑えることができる。このような構成の一例として、図6では、流路材3は集水管長手方向においてのみ不連続に形成されおり、図では集水管長手方向および巻囲方向のいずれにおいても不連続に形成されている。
流路材3は、集水管の長手方向において不連続に設けられると共に、巻囲方向においては、分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられている。つまり、図9のように分離膜エレメントに分離膜が組み込まれたときに、流路材3は、巻囲方向における分離膜1の内側端部から外側端部まで連続するように配置される。巻囲方向の内側とは、分離膜において集水管に近い側であり、巻囲方向の外側とは、分離膜において集水管から遠い側である。
流路材が「巻囲方向において連続する」とは、図6のように流路材が途切れることなく設けられている場合と、図3のように、流路材が途切れる箇所はあるが、流路材が実質的に連続している場合の両方を包含する。「実質的に連続する」形態とは、好ましくは、巻囲方向における流路材の間隔e(つまり流路材において途切れている部分の長さ)が5mm以下であることを満たす。特に、間隔eは、1mm以下を満たすことがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。また、巻囲方向において並ぶ一列の流路材の先頭から最後尾までに含まれる間隔eの合計値が、100mm以下であることが好ましく、30mm以下であることがより好ましく3mm以下であることがさらに好ましい。なお、図6の形態では、間隔eは0(ゼロ)である。
図6のように流路材3が途切れずに設けられている場合、加圧ろ過時に膜落ち込みが抑制される。膜落ち込みとは、膜が流路に落ち込んで流路を狭めることである。
図3では、流路材3は、集水管長手方向だけでなく巻囲方向においても不連続に設けられている。つまり、流路材3は、長さ方向において間隔をおいて設けられている。ただし、上述したように、流路材3が巻囲方向において実質的に連続していることで、膜落ち込みが抑制される。また、このように、2つの方向において不連続な流路材3が設けられることで、流路材と流体との接触面積が小さくなるので圧力損失が小さくなる。この形態は、流路5が分岐点を備える構成であるとも言い換えられる。つまり、図3の構成において、透過流体は、流路5を流れながら、流路材3によって分けられ、さらに下流で合流することができる。
上述したように、図6では、流路材3が、集水管長手方向において分離膜本体2の一端から他端まで連続するように設けられている。また、図3では集水管長手方向において流路材3は複数の部分に分割されているが、これらの複数の部分が、分離膜本体2の一端から他端まで並ぶように設けられている。
流路材が「分離膜本体の一端から他端まで設けられている」とは、流路材が分離膜本体2の縁まで設けられている形態と、縁近傍において流路材が設けられていない領域がある形態との両方を包含する。つまり、流路材は、透過側の流路を形成できる程度に、巻囲方向に渡って分布していればよく、分離膜本体において、流路材が設けられない部分があってもよい。例えば、透過側の面における他の分離膜との接着部分には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
集水管長手方向においても、流路材3は、分離膜本体の全体にわたってほぼ均等に分布することができる。ただし、巻囲方向における分布と同様に、透過側の面における他の分離膜との接着部分には、流路材が設けられる必要はない。また、その他の仕様上または製造上の理由により、分離膜の端部などの一部の箇所に、流路材が配置されない領域が設けられていてもよい。
図6および図7に示す構成により、分離膜の透過側の面において隆起部と対向する領域で流路が互いに分断されており、かつ集水管外周面に隆起部がない場合、透過側流路から集水管への水の流入における抵抗を低減するためには、集水管と分離膜との間に、トリコットまたはネット等の他の流路材を介在させることが考えられる。透過側流路から集水管に向かう透過水は、このような他の流路材により形成された流路を通って、集水管の長手方向に沿って流れることができるからである。
しかし、集水管の外周面に隆起部が形成されていると、このような他の流路材を介在させなくても、つまり集水管に分離膜を直接接着しても、流動抵抗が低く抑えられる。なぜなら、上述したように、透過側流路材と隆起部との間で交差構造が形成されるので、透過水が集水管の長手方向に沿って、隆起部の間を移動できるからである。こうして、部材数の増加を抑えながら、流動抵抗を低減できるという利点が得られる。
<<分離膜本体および流路材の寸法>>
図6〜図8に示すように、a〜fは下記値を指す。
a:分離膜本体2の長さ
b:分離膜本体2の幅方向における流路材3の間隔
c:流路材の高さ(流路材3と分離膜本体2の透過側の面22との高低差)
d:流路材3の幅
e:分離膜本体2の長さ方向における上記流路材の間隔
f:流路材3の長さ
値a〜fの測定には、例えば、市販の形状測定システムまたはマイクロスコープなどを用いることができる。各値は、1枚の分離膜において30箇所以上で測定を行い、それらの値を総和した値を測定総箇所の数で割って平均値を算出することで、求められる。このように、少なくとも30箇所における測定の結果得られる各値が、上記範囲を満たせばよい。
(分離膜本体の長さa)
長さaは、巻囲方向における分離膜本体2の一端から他端までの距離である。この距離が一定でない場合、1枚の分離膜本体2において30箇所以上の位置でこの距離を測定し、平均値を求めることで長さaを得ることができる。
(集水管長手方向における流路材間隔b)
集水管長手方向における透過側流路材3の間隔bは、流路5の幅に相当する。1つの断面において1つの流路5の幅が一定でない場合、つまり隣り合う2つの透過側流路材3の側面が平行でない場合は、1つの断面内で、1つの流路5の幅の最大値と最小値の平均値を測定し、その平均値を算出する。図8に示すように、巻囲方向に垂直な断面において、透過側流路材3は上が細く下が太い台形状を示す場合、まず、隣接する2つの透過側流路材3の上部間の距離と下部間の距離を測定して、その平均値を算出する。任意の30箇所以上の断面において、透過側流路材3の間隔を測定して、それぞれの断面において平均値を算出する。そして、こうして得られた平均値の相加平均値をさらに算出することで、間隔bが算出される。
間隔bが大きくなるにつれて、加圧ろ過時に膜落ち込みが生じやすくなり、集水管6周辺の流路を確保することが困難になる。逆に間隔bが小さいほど膜落ち込みが生じにくくなるが、隆起部62と透過側流路材3によるクロス構造による流動抵抗が大きくなる。流動抵抗を考慮すると、間隔bは0.05mm以上、0.2mm以上、または0.3mm以上であることが好ましい。また、膜落ち込みの抑制という面では、間隔bは5mm以下、3mm以下、2mm以下、または0.8mm以下であることが好ましい。
これらの上限および下限は任意に組み合わせられる。例えば、間隔bは、0.2mm以上5mm以下であることが好ましく、この範囲であれば、膜落ち込みを抑えながら流動抵抗を小さくすることができる。間隔bはより好ましくは、0.05mm以上3mm以下であり、0.2mm以上2mm以下であり、さらに好ましくは0.3mm以上0.8mm以下である。
(流路材の高さc)
高さcとは、流路材と分離膜本体の表面との高低差である。図8に示すように、高さcは、巻囲方向に垂直な断面における、透過側流路材3の最も高い部分と分離膜本体の透過側面との高さの差である。すなわち、高さにおいては、基材中に含浸している部分の厚みは考慮しない。高さcは、30箇所以上の透過側流路材3について高さを測定し、平均して得られる値である。流路材の高さcは、同一の平面内における流路材の断面の観察によって得られてもよいし、複数の平面における流路材の断面の観察によって得られてもよい。
高さcは、エレメントの使用条件および目的などに応じて適宜選択できるが、例えば以下のように設定されてもよい。
高さcが大きい方が流動抵抗が小さくなる。よって、高さcは0.03mm以上、0.05mm以上または0.1mm以上であることが好ましい。その一方で、高さcが小さい方が、1つのエレメント当たりに充填される膜の数が多くなる。よって、高さcは、0.8mm以下、0.4mm以下または0.32mm以下であることが好ましい。これらの上限および下限は組み合わせ可能であり、例えば、高さcは、0.03mm以上0.8mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.4mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.32mm以下であることがさらに好ましい。
また、隣り合う2つの流路材の高さの差が小さいことが好ましい。高さの差が大きいと加圧ろ過時に分離膜の歪みが生じるので、分離膜に欠陥が発生することがある。隣接する2つの流路材の高低差は、0.1mm以下であることが好ましく、0.06mm以下であることがより好ましく、0.04mm以下であることがさらに好ましい。
同様の理由から、分離膜に設けられた全ての流路材の最大高低差は0.25mm以下であることが好ましく、特に好ましくは0.1mm以下であり、さらに好ましくは0.03mm以下である。
(流路材の幅d)
透過側流路材3の幅dは、次のように測定される。まず、集水管長手方向に垂直な1つの断面において、1つの透過側流路材3の最大幅と最小幅の平均値を算出する。つまり、図8に示すような上部が細く下部が太い透過側流路材3においては、流路材下部の幅と上部の幅を測定し、その平均値を算出する。このような平均値を少なくとも30箇所の断面において算出し、その相加平均を算出することで、1枚の膜当たりの幅dを算出することができる。
透過側流路材3の幅dは好ましくは0.2mm以上または0.3mm以上である。幅dが0.2mm以上であることで、分離膜エレメントの運転時に透過側流路材3に圧力がかかっても、流路材の形状を保持することができ透過側流路が安定的に形成される。幅dは、好ましくは2mm以下または1.5mm以下である。幅dが2mm以下であることで、透過側の流路を十分確保することができる。
透過側流路材3は、その長さがその幅よりも大きくなるように形成されている。このように長い透過側流路材3は「壁状物」とも称される。
(巻囲方向での流路材間隔e)
巻囲方向における透過側流路材3の間隔eは、巻囲方向において隣り合う透過側流路材3間の最短距離である。図6に示すように、透過側流路材3が巻囲方向において分離膜本体2の一端から他端まで(分離膜エレメント内では、巻囲方向の内側端部から外側端部まで)連続して設けられている場合、間隔eは0mmである。また、図3に示すように、透過側流路材3が巻囲方向において途切れている場合、間隔eは、好ましくは5mm以下であり、より好ましくは1mm以下であり、さらに好ましくは0.5mm以下である。間隔eが上記範囲内であることで、膜落ち込みが生じても膜への機械的負荷が小さく、流路閉塞による圧力損失を比較的小さくすることができる。なお、間隔eの下限は、0mmである。
(流路材の長さf)
流路材3の長さfは、分離膜本体2の長さ方向(つまり巻囲方向)における流路材3の長さである。長さfは、1枚の分離膜1内で、30個以上の流路材3の長さを測定し、その平均値を算出することで求められる。流路材の長さfは、分離膜本体の長さa以下であればよい。流路材の長さfが分離膜本体の長さaと同等のときは、流路材3が分離膜1の巻囲方向内側端部から外側端部へ連続的に設けられていることを指す。長さfは、好ましくは10mm以上または20mm以上である。長さfが10mm以上であることで、圧力下でも流路が確保される。
(寸法a−fの関係)
上述したように、本実施形態の流路材は、従来のトリコットのような連続形状を有する流路材に比べて圧力損失を小さくすることができる。言い換えると、本実施形態の技術によると、圧力損失が同等であっても、従来技術よりもリーフ長を大きくすることができる。リーフ長を大きくすることができると、リーフ数を低減することができる。
寸法a−fが以下の数式を満たすように設定されることで、リーフ数を特に低減することができる。
i)a(b+c)(b+d)×10−6/b(e+f)≦1400かつ
ii)850≦a≦7000かつ
iii)b≦2かつ
iv)c≦0.5かつ
v)0.15≦df/(b+d)(e+f)≦0.85
このように、透過側に流路材を所定の形態で設けることで、従来のトリコットのような連続形状を有する流路材に比べて圧力損失が小さくなるので、リーフ長を長くすることができる。よって、1個の分離膜エレメント当たりのリーフ数を低減しても、分離性能に優れる分離膜エレメントを提供することができる。
なお、上記の数式において、長さの単位はmmが採用されうる。
(形状)
流路材の形状は特に限定されないが、流路の流動抵抗を少なくし、透過させた際の流路を安定化させるような形状が選択され得る。これらの点で、分離膜の面方向に垂直ないずれかの断面において、流路材の形状は、直柱状や台形状、曲柱状、あるいはそれらの組み合わせでもよい。
流路材の断面形状が台形の場合、上底の長さと下底の長さとの差が大きすぎると、小さい方に接する膜で加圧ろ過時の膜落込みが生じやすくなる。例えば、流路材の上底の方が下底よりも短い場合、その間の流路においては、上部の幅は下部の幅よりも広い。よって、上の膜が下に向かって落ち込みやすい。そこで、このような落ち込みを抑制するために、流路材の下底の長さに対する上底の長さの比率は0.6以上1.4以下が好ましく、0.8以上1.2以下がさらに好ましい。
は、流動抵抗を低減する観点から、後述の分離膜面に対して垂直な直柱状であることが好ましい。また、流路材は、高い箇所ほど幅が小さくなるように形成されていてもよいし、逆に高い箇所ほど幅が広くなるように形成されていてもよいし、分離膜表面からの高さによらず、同じ幅を有するように形成されていてもよい。
ただし、加圧ろ過時の流路材潰れが著しくない範囲であれば、流路材の断面において、その上辺が丸みを帯びていても良い。
流路材が熱可塑性樹脂であれば、処理温度および選択する熱可塑性樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性や透過性能の条件を満足できるように自由に流路材の形状を調整することができる。
また、流路材の分離膜の平面方向における形状は、図6および図3に示すように、全体として直線状であってもよく、その他の形状として、例えば曲線状、鋸歯状、波線状であってもよい。また、これらの形状において、流路材は破線状であってもよい。
また、流路材の分離膜の平面方向における形状が直線状である場合、隣り合う流路材は、互いに略平行に配置されていてもよい。「略平行に配置される」とは、例えば、流路材が分離膜上で交差しないこと、隣り合う2つの流路材の長手方向のなす角度が0°以上30°以下であること、上記角度が0°以上15°以下であること、及び上記角度が0°以上5°以下であること等を包含する。
また、流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度は、60°以上120°以下であることが好ましく、75°以上105°以下であることがより好ましく、85°以上95°以下であることがさらに好ましい。流路材の長手方向と集水管の長手方向との成す角度が上記範囲であることで、透過水が効率良く集水管に集められる。
流路を安定して形成するには、分離膜エレメントにおいて分離膜本体が加圧されたときの分離膜本体の落ち込みを抑制できることが好ましい。そのためには、分離膜本体と流路材との接触面積が大きいこと、つまり分離膜本体の面積に対する流路材の面積(分離膜本体の膜面に対する投影面積)が大きいことが好ましい。一方で、圧力損失を低減させるには、流路の断面積が広いことが好ましい。
流路の横断面とは、流路の長手方向に対して垂直な断面(図1等の例では巻回方向に対して垂直な断面)である。分離膜本体と流路材との接触面積を大きく確保しつつ、かつ流路の断面積を広く確保するには、流路材の側面が凹形状であるか、流路横断面において、流路材の形状が台形であることが好ましい。つまり、流路自体の断面形状は、楕円、半円、台形等であることが好ましい。
なお、これ以外にも、流路材の断面形状は、幅に変化のない矩形であってもよい。分離膜性能に影響を与えない範囲内であれば、巻回方向に垂直な方向での断面形状において、幅に変化がある形状であってもよい。そのような断面形状として、上述した以外に、三角形、半球のような形状が挙げられる。
流路材の形状は、図5−図9に示す形状に限定されるものではない。分離膜本体の透過側の面に、例えばホットメルト法のように、溶融した材料を固着させることで流路材を配置する場合は、処理温度や選択するホットメルト用樹脂の種類を変更することで、要求される分離特性および透過性能の条件を満足できるように、流路材の形状を自由に調整することができる。
図5−図9では、流路材3の平面形状は、長さ方向において直線状である。ただし、流路材3は、分離膜本体2の表面に対して凸であり、かつ分離膜エレメントとしての所望の効果が損なわれない範囲であれば、他の形状に変更可能である。すなわち、流路材の平面方向における形状は、曲線状および波線状等であってもよい。また、1つの分離膜に含まれる複数の流路材が、幅および長さの少なくとも一方が互いに異なるように形成されていてもよい。
(投影面積比)
分離膜の透過側の面に対する流路材の投影面積比は、特に透過側流路の流動抵抗を低減し、流路を安定に形成させる点では、0.03以上0.85以下であることが好ましく、0.15以上0.85以下であることがより好ましく、0.2以上0.75以下であることがさらに好ましく、0.3以上0.6以下であることがさらに好ましい。なお、投影面積比とは、分離膜を5cm×5cmで切り出し、分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる流路材の投影面積を、切り出し面積(25cm)で割った値である。また、この値は、上述の式df/(b+d)(e+f)で表すこともできる。
〔2.分離膜エレメント〕
(2−1)概要
分離膜エレメント100は、集水管6と、上述したいずれかの構成を備え、集水管6の周囲に巻囲された分離膜1を備える。また、分離膜エレメント100は、図示しない端板等の部材をさらに備える。
(2−3)分離膜
<概要>
分離膜1は、集水管6の周囲に巻囲されており、幅方向が集水管6の長手方向に沿うように配置される。その結果、分離膜1は、長さ方向が巻囲方向に沿うように配置される。
よって、壁状物である流路材3は、分離膜1の透過側の面22において、少なくとも集水管6の長手方向に不連続状に配置される。つまり、流路5は、巻囲方向において分離膜の外側端部から内側端部まで連続するように形成される。その結果、透過水が集水管へ到達し易く、すなわち流動抵抗が小さくなるので、大きな造水量が得られる。
「巻囲方向の内側」及び「巻囲方向の外側」は、図9に示す通りである。つまり、「巻囲方向の内側端部」及び「巻囲方向の外側端部」とはそれぞれ、分離膜1において集水管6に近い方の端部、及び遠い方の端部に該当する。
上述したように、流路材は分離膜の縁まで達していなくてもよいので、例えば、巻囲方向における封筒状膜の外側端部、及び集水管長手方向における封筒状膜の端部では、流路材が設けられていなくてもよい。
<膜リーフおよび封筒状膜>
図5に示すように、分離膜は、膜リーフ4(本書において、単に「リーフ」と称することがある。)を形成する。リーフ4において分離膜1は、供給側の面21が、図示しない供給側流路材を挟んで他の分離膜7の供給側の面71と対向するように、配置される。分離膜リーフ4において、互いに向かい合う分離膜の供給側の面の間には供給側流路が形成される。
さらに、2枚の膜リーフ4が重ねられることで、分離膜1と、分離膜1の透過側の面22に対向する他の膜リーフの分離膜7とが、封筒状膜を形成する。封筒状膜において、向かい合う透過側の面の間は、透過水が集水管6に流れるように、分離膜の長方形状において、巻囲方向内側の一辺のみにおいて開放され、他の三辺においては封止される。透過水はこの封筒状膜によって供給水から隔離される。
封止としては、接着剤またはホットメルトなどにより接着されている形態、加熱またはレーザなどにより融着されている形態、およびゴム製シートが挟みこまれている形態が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
また、分離膜の供給側の面において、巻囲方向における内側端部は、折りたたみ又は封止により閉じられている。分離膜の供給側面が、折り畳まれているのではなく封止されていることで、分離膜の端部における撓みが発生しにくい。折り目近傍での撓みの発生が抑制されることで、巻囲したときに分離膜間での空隙の発生およびこの空隙によるリークの発生が抑制される。
こうしてリークの発生が抑制されることで、封筒状膜の回収率が向上する。封筒状膜の回収率とは、次のように求められる。すなわち、水中で分離膜エレメントのエアリークテスト(air leak test)を行って、リークが発生した封筒状膜数をカウントする。そのカウント結果に基づいて、(エアリークが発生した封筒状膜の数/評価に供した封筒状膜の数)の比率を、封筒状膜の回収率として算出する。
具体的なエアリークテストの方法は、以下のとおりである。分離膜エレメントの集水管の端部を封止し、もう一方の端部から空気を注入する。注入された空気は集水管の孔を通過して分離膜の透過側に到達するが、上記のように分離膜の折りたたみが不十分で折り目近傍で撓みが生じたりして空隙が存在すると、空気がその空隙を移動してしまう。その結果、分離膜の供給側へ空気が移動し、分離膜エレメントの端部(供給側)から水中に空気が到達する。このようにエアリークを気泡の発生として確認することができる。
折り畳みによって分離膜リーフを形成する場合、リーフが長いほど(つまり元の分離膜が長いほど)分離膜の折りたたみに要する時間は長い。しかし、分離膜の供給側面を、折り畳みでなく封止することで、リーフが長くても製造時間の増大を抑制することができる。
なお、分離膜リーフおよび封筒状膜において、互いに対向する分離膜(図5における分離膜1および7)は、同じ構成を備えてもよいし、異なる構成を備えてもよい。すなわち、分離膜エレメントにおいて、向かい合う2枚の透過側の面のうち、少なくとも一方に上述の透過側流路材が設けられていればよいので、透過側流路材を備える分離膜と、備えない分離膜とが交互に重ねられていてもよい。ただし、説明の便宜上、分離膜エレメントおよびそれに関係する説明においては、「分離膜」は、透過側流路材を備えない分離膜(たとえば分離膜本体と同じ構成を備える膜)を含む。
透過側の面において、または供給側の面において、互いに対向する分離膜は、2枚の異なる分離膜であってもよいし、1枚の膜が折りたたまれたものであってもよい。
(3−3)透過側流路
上述したように、分離膜1には透過側流路材3を備えている。透過側流路材3によって、封筒状膜の内側、つまり向かい合う分離膜の透過側の面の間には、透過側流路が形成される。
(3−4)供給側流路
(流路材)
分離膜エレメント100は、重なり合う分離膜の供給側の面の間に、分離膜1に対する投影面積比が0を超えて1未満となる流路材を備える(図示せず)。供給側流路材の投影面積比は0.03以上0.50以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。投影面積比が0.03以上0.50以下であることで、流動抵抗が比較的小さく抑えられる。なお、投影面積比とは、分離膜と供給側流路材を5cm×5cmで切り出し、供給側流路材を分離膜の面方向に平行な平面に投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値である。
供給側流路材の高さは、後述するように各性能のバランスや運転コストを考慮すると0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。
供給側流路材の形状は特に限定されず、連続形状を有していてもよいし、不連続な形状を有していてもよい。連続形状を有する流路材としては、フィルムおよびネットといった部材が挙げられる。ここで、連続形状とは、実質的に流路材の全範囲において連続であることを意味する。連続形状には、造水量が低下するなどの不具合が生じない程度に、流路材の一部が不連続となる箇所が含まれていても良い。また、「不連続」の定義については、透過側の流路材について説明したとおりである。なお、供給側流路材の素材は特に限定されず、分離膜と同素材であっても異素材であっても良い。
(凹凸加工)
また、分離膜供給側に供給側流路材を配置するに代わり、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工といった方法で分離膜の供給側に高低差を付与することができる。
エンボス成形法としては、例えばロールエンボス加工などが挙げられ、これを実施する際の圧力や処理温度は、分離膜の融点に応じて適宜決定することができる。例えば分離膜がエポキシ樹脂を含む多孔性支持層を有する場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下であることが好ましく、加熱温度40℃以上150℃以下が好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂を含む多孔性支持層を有する場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下であることが好ましくロール加熱温度70℃以上160℃以下が好ましい。ロールエンボス加工ならばいずれの場合も巻き取り速度1m/分以上20m/分以下が好ましい。
エンボス加工を施す場合、ロールの柄の形状は特に限定されないが、流路の流動抵抗を少なくし、かつ分離膜エレメントに流体を供給、透過させた際の流路を安定化させることが重要である。これらの点で、表面上部から観察した形では、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形があり、立体的には表面上部からの形をそのまま表面方向に賦形したもの、広がる形で賦形したもの、狭める形で賦形したものが用いられる。
エンボス加工によって付与できる分離膜の供給側表面の高低差は、分離特性や水透過性能が要求される条件を満足するように加圧熱処理条件を変更することで自由に調整することができる。しかしながら、分離膜の供給側表面の高低差が深すぎると流動抵抗が小さくなるが、エレメント化した場合にベッセルに充填できる膜リーフ数が少なくなる。高低差が小さいと流路の流動抵抗が大きくなり、分離特性や水透過性能が低下してしまう。そのため、エレメントの造水能力が低下し、造水量を増加させるための運転コストが高くなる。
従って、上述した各性能のバランスや運転コストを考慮すると、分離膜においては、分離膜の供給側表面の高低差は、好ましくは0.5mmを超えて2.0mm以下が好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。
分離膜の供給側表面の高低差は、上述した分離膜透過側の高低差の場合と同手法で求めることができる。
溝幅は好ましくは0.2mm以上10mm以下であり、より好ましくは0.5mm以上3mm以下である。
ピッチは、溝幅の10分の1倍以上50倍以下の間で適宜設計すると良い。溝幅とは高低差が存在する表面で沈下している部位のことであり、ピッチとは、高低差が存在する表面における高い箇所の最も高いところから近接する高い箇所の最も高い箇所までの水平距離のことである。
エンボス加工によって凸となる部分の投影面積比は、供給側流路材の場合と同様の理由から、0.03以上0.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.10以上0.40以下、特に好ましくは、0.15以上0.35以下である。
分離膜の面における、「高低差」とは、異素材で形成された流路材が配置されている場合は分離膜本体の表面と流路材の頂点との高低差(つまり流路材の高さ)であり、分離膜本体が凹凸加工されている場合は、凹部と凸部との高低差である。
〔3.分離膜エレメントの製造方法〕
(3−1)分離膜本体の製造
分離膜本体の製造方法については上述したが、簡単にまとめると以下のとおりである。
良溶媒に樹脂を溶解し、得られた樹脂溶液を基材にキャストして純水中に浸漬して多孔性支持層と基材を複合させる。その後、上述したように、多孔性支持層上に分離機能層を形成する。さらに、必要に応じて分離性能、透過性能を高めるべく、塩素、酸、アルカリ、亜硝酸などの化学処理を施し、さらにモノマー等を洗浄し分離膜本体の連続シートを作製する。
なお、化学処理の前または後で、エンボス等によって分離膜本体に凹凸を形成してもよい。
(3−2)透過側流路材の配置
分離膜の製造方法は、分離膜本体の透過側の面に、不連続な流路材を設ける工程を備える。この工程は、分離膜製造のどの時点で行われてもよい。例えば、流路材は、基材上に多孔性支持層が形成される前に設けられてもよいし、多孔性支持層が設けられた後であって分離機能層が形成される前に設けられてもよいし、分離機能層が形成された後、上述の化学処理が施される前または後に行われてもよい。
流路材を配置する方法は、例えば、柔らかな材料を分離膜上に配置する工程と、それを硬化する工程とを備える。具体的には、流路材の配置には、紫外線硬化樹脂、化学重合、ホットメルト、乾燥等が利用される。特に、ホットメルトは好ましく用いられ、具体的には、熱により樹脂等の材料を軟化する(つまり熱溶融する)工程、軟化した材料を分離膜上に配置する工程、この材料を冷却により硬化することで分離膜上に固着させる工程を含む。
流路材を配置する方法としては、例えば、塗布、印刷、噴霧等が挙げられる。また、使用される機材としては、ノズル型のホットメルトアプリケーター、スプレー型のホットメルトアプリケーター、フラットノズル型のホットメルトアプリケーター、ロール型コーター、押出型コーター、印刷機、噴霧器などが挙げられる。
(3−3)供給側流路の形成
供給側流路材が、分離膜本体と異なる素材で形成された不連続な部材である場合、供給側流路材の形成には、透過側流路材の形成と同じ方法およびタイミングを適用することができる。
また、分離膜本体との異素材で供給側流路材を形成するのではなく、エンボス成形、水圧成形、カレンダ加工といった方法で分離膜の供給側に高低差を付与することもできる。
エンボス成形法としては、例えばロールエンボス加工などが挙げられ、これを実施する際の圧力や処理温度は、分離膜の融点に応じて適宜決定することができる。例えば分離膜がエポキシ樹脂を含む多孔性支持層を有する場合では、線圧10kg/cm以上60kg/cm以下であることが好ましく、加熱温度40℃以上150℃以下が好ましい。また、ポリスルホン等の耐熱性樹脂を含む多孔性支持層を有する場合、線圧10kg/cm以上70kg/cm以下であることが好ましくロール加熱温度70℃以上160℃以下が好ましい。ロールエンボス加工ならばいずれの場合も巻き取り速度1m/分以上20m/分以下が好ましい。
エンボス加工を施す場合、ロールの柄の形状は特に限定されないが、流路の圧力損失を少なくし、かつ分離膜エレメントに流体を供給、透過させた際の流路を安定化させることが重要である。これらの点で、表面上部から観察した形では、楕円、円、長円、台形、三角形、長方形、正方形、平行四辺形、菱形、不定形等が採用される。また、立体的には高さの高い箇所ほど幅が小さくなるように形成されていてもよいし、逆に高い箇所ほど幅が広くなるように形成されていてもよいし、高さによらず同じ幅で形成されていてもよい。
エンボス加工によって付与できる分離膜の供給側表面の高低差は、分離特性や水透過性能が要求される条件を満足するように加圧熱処理条件を変更することで自由に調整することができる。
なお、以上に述べたように、供給側流路の形成が、供給側流路材を分離膜本体に固着することで行われる場合、または膜を凹凸加工することで行われる場合は、これら供給側流路の形成工程が分離膜の製造方法における一工程と見なされてもよい。
供給側流路がネット等の連続的に形成された部材である場合は、分離膜本体に透過側流路材が配置されることで分離膜が製造された後、この分離膜と供給側流路材とを重ね合わせればよい。
(3−4)分離膜リーフの形成
分離膜リーフは、上述したように、供給側の面が内側を向くように分離膜を折りたたむことで形成することされてもよいし、別々の2枚の分離膜を貼り合わせることで形成されてもよい。
分離膜エレメントの製造方法は、分離膜の巻囲方向における内側端部を、供給側の面において封止する工程を備えることが好ましい。封止する工程においては、2枚の分離膜を、互いの供給側の面が向かい合うように重ねる。さらに、重ねられた分離膜の巻囲方向における内側端部、つまり図9における左側端部を封止する。
「封止」する方法としては、接着剤またはホットメルトなどによる接着、加熱またはレーザなどによる融着、およびゴム製シートを挟みこむ方法が挙げられる。接着による封止は、最も簡便で効果が高いために特に好ましい。
このとき、重ねられた分離膜の内側に、分離膜とは別に形成された供給側流路材を配置してもよい。上述したように、エンボスまたは樹脂塗布等によって分離膜の供給側の面にあらかじめ高低差を設けることで、供給側流路材の配置を省略することもできる。
供給側の面の封止と透過側の面の封止(封筒状膜の形成)とは、どちらかが先に行われてもよいし、分離膜を重ねながら、供給側の面の封止と透過側の面の封止とを並行して行ってもよい。ただし、巻回時における分離膜でのシワの発生を抑制するためには、隣り合う分離膜が巻回によって長さ方向にずれることを許容するように、幅方向端部における接着剤またはホットメルトの固化等、つまり封筒状膜を形成するための固化等を、巻回の終了後に完了させることが好ましい。
(3−5)封筒状膜の形成
1枚の分離膜を透過側面が内側を向くように折り畳んで貼り合わせることで、または2枚の分離膜を透過側面が内側を向くように重ねて貼り合わせることで、封筒状膜を形成することができる。長方形状の封筒状膜においては、長さ方向の一端のみが開口するように、他の3辺を封止する。封止は、接着剤またはホットメルト等による接着、熱またはレーザによる融着等により実行できる。
封筒状膜の形成に用いられる接着剤は、粘度が40P以上150P以下の範囲内であることが好ましく、さらに50P以上120P以下がより好ましい。接着剤粘度が高すぎる場合には、積層したリーフを集水管に巻囲するときに、しわが発生し易くなる。しわは、分離膜エレメントの性能を損なうことがある。逆に、接着剤粘度が低すぎる場合には、リーフの端部から接着剤が流出して装置を汚すことがある。また、接着すべき部分以外に接着剤が付着すると、分離膜エレメントの性能が損なわれると共に、流出した接着剤の処理作業により作業効率が著しく低下する。
接着剤の塗布量は、リーフを集水管に巻囲した後に、接着剤が塗布される部分の幅が10mm以上100mm以下であるような量であることが好ましい。これによって、分離膜が確実に接着されるので、原流体の透過側への流入が抑制される。また、有効膜面積も比較的大きく確保することができる。
接着剤としてはウレタン系接着剤が好ましく、粘度を40P以上150P以下の範囲とするには、主剤のイソシアネートと硬化剤のポリオールとを、イソシアネート:ポリオール=1:1〜1:5の割合で混合したものが好ましい。接着剤の粘度は、予め主剤、硬化剤単体、及び配合割合を規定した混合物の粘度をB型粘度計(JIS K 6833)で測定したものである。
(3−6)分離膜の巻回
分離膜エレメントの製造には、従来のエレメント製作装置を用いることができる。また、エレメント作製方法としては、参考文献(特公昭44−14216、特公平4−11928、特開平11−226366)に記載される方法を用いることができる。詳細には以下の通りである。
集水管の周囲に分離膜を巻回するときは、分離膜を、リーフの閉じられた端部、つまり封筒状膜の閉口部分が集水管を向くように配置する。このような配置で集水管の周囲に分離膜を巻きつけることで、分離膜をスパイラル状に巻回する。
集水管にトリコットや基材のようなスペーサーを巻回しておくと、エレメント巻囲時に集水管へ塗布した接着剤が流動し難く、リークの抑制につながり、さらには集水管周辺の流路が安定に確保される。なお、スペーサーは集水管の円周より長く巻回しておけばよい。
集水管にトリコットを巻回しておくと、エレメント巻囲時に集水管へ塗布した接着剤が流動し難く、リークの抑制につながり、さらには集水管周辺の流路が安定に確保される。なお、トリコットは集水管の円周より長く巻回しておけばよい。
(3−7)その他の工程
分離膜エレメントの製造方法は、上述のように形成された分離膜の巻囲体の外側に、フィルムおよびフィラメント等をさらに巻きつけることを含んでいてもよいし、集水管の長手方向における分離膜の端を切りそろえるエッジカット、端板の取り付け等のさらなる工程を含んでいてもよい。
〔4.分離膜エレメントの利用〕
分離膜エレメントは、さらに、直列または並列に接続して圧力容器に収納されることで、分離膜モジュールとして使用されてもよい。
また、上記の分離膜エレメント、モジュールは、それらに流体を供給するポンプや、その流体を前処理する装置などと組み合わせて、流体分離装置を構成することができる。この分離装置を用いることにより、例えば供給水を飲料水などの透過水と膜を透過しなかった濃縮水とに分離して、目的にあった水を得ることができる。
流体分離装置の操作圧力は高い方が除去率は向上するが、運転に必要なエネルギーも増加すること、また、分離膜エレメントの供給流路、透過流路の保持性を考慮すると、膜モジュールに被処理水を透過する際の操作圧力は、0.2MPa以上5MPa以下が好ましい。供給水温度は、高くなると塩除去率が低下するが、低くなるにしたがい膜透過流束も減少するので、5℃以上45℃以下が好ましい。また、供給水のpHが中性領域にある場合、供給水が海水などの高塩濃度の液体であっても、マグネシウムなどのスケールの発生が抑制され、また、膜の劣化も抑制される。
分離膜エレメントによって処理される流体は特に限定されないが、水処理に使用する場合、供給水としては、海水、かん水、排水等の500mg/L以上100g/L以下のTDS(Total Dissolved Solids:総溶解固形分)を含有する液状混合物が挙げられる。一般に、TDSは総溶解固形分量を指し、「質量÷体積」で表されるが、1Lを1kgと見なして「重量比」で表されることもある。定義によれば、0.45μmのフィルターで濾過した溶液を39.5〜40.5℃の温度で蒸発させ残留物の重さから算出できるが、より簡便には実用塩分(S)から換算する。
以下に実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(隆起部および分離膜透過側の高低差)
キーエンス製高精度形状測定システムKS−1100を用い、5cm×5cmの透過側の測定結果から平均の高低差を解析した。10μm以上の高低差のある30箇所を測定し、各高さの値を総和した値を測定総箇所の数で割って求めた。
(隆起部、透過側流路材のピッチおよび間隔)
走査型電子顕微鏡(S−800)(日立製作所製)を用いて30個の任意の流路材断面を500倍で写真撮影し、分離膜の透過側における流路材の頂点から、隣の流路材の頂点までの水平距離を200箇所について測定し、その平均値をピッチとして算出した。流路材の断面形状における上部が平らである場合は、平らな部分の中点を頂点とみなした。
また、間隔bについては、ピッチを測定した写真において、上述の方法で測定した。
(流路材の投影面積比)
流路材と共に分離膜を5cm×5cmで切り出し、レーザ顕微鏡(倍率10〜500倍の中から選択)を用い、ステージを移動させて、該流路材の全投影面積を測定した。該流路材を分離膜透過側または供給側から投影した時に得られる投影面積を切り出し面積で割った値を投影面積比とした。
(8インチエレメントの平均造水量)
供給水として濃度500mg/LかつpH6.5の食塩水を用いて、運転圧力0.7MPa、運転温度25℃、回収率15%の条件下で1分運転した後、運転を終了した。このサイクルを10000回繰り返し、その後、同条件で、10分間の連続運転を行うことで透過水を得た。この10分間の連続運転で得られた透過水の体積から、分離膜エレメント1本あたり、かつ1日あたりの透水量(立方メートル)を、造水量(m/日)として算出した。この評価を分離膜エレメント30本について実施し、各分離膜エレメントの造水量の平均値を8インチエレメントの平均造水量とした。
(2インチエレメントの平均造水量)
供給水として濃度500mg/LかつpH6.5の食塩水を用いて、運転圧力0.2MPa、運転温度25℃、回収率15%の条件下で1分運転した後、運転を終了した。このサイクルを10000回繰り返し、その後、同条件で、10分間の連続運転を行うことで透過水を得た。この10分間の連続運転で得られた透過水の体積から、分離膜エレメント1本あたり、かつ1日あたりの透水量(立方メートル)を、造水量(m/日)として算出した。この評価を分離膜エレメント30本について実施し、各分離膜エレメントの造水量の平均値を2インチエレメントの平均造水量とした。
(平均脱塩率(TDS除去率))
平均造水量の測定における10分間の運転で用いた供給水およびサンプリングした透過水について、TDS濃度を伝導率測定により求め、下記式からTDS除去率を算出した。
TDS除去率(%)=100×{1−(透過水中のTDS濃度/供給水中のTDS濃度)}。この評価を分離膜エレメント30本について実施し、各分離膜エレメントの脱塩率の平均値を平均脱塩率とした。
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート繊維からなる抄紙法で得られた不織布(糸径:1デシテックス、厚み:90μm、通気度:0.9cc/cm/sec)上にポリスルホンの15.0重量%のDMF溶液を180μmの厚みで室温(25℃)にてキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間放置して80℃の温水で1分間浸漬することによって繊維補強ポリスルホン支持膜からなる多孔性支持層(厚さ130μm)ロールを作製した。
その後、多孔性支持層ロールを巻き出し、ポリスルホン表面に、m−PDAの1.9重量%、ε−カプロラクタム4.5重量%水溶液中を塗布し、エアーノズルから窒素を吹き付け支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、トリメシン酸クロリド0.06重量%を含む25℃のn−デカン溶液を表面が完全に濡れるように塗布した。その後、膜から余分な溶液をエアブロー除去し、80℃の熱水で洗浄し、エアブローで液切りして分離膜ロールを得た。
次いで、スリット幅0.4mm、ピッチ0.7mmの櫛形シムを装填したアプリケーターを用いて、バックアップロールを20℃に温度調節しながら、分離膜エレメントとした場合に集水管の長手方向に対して垂直かつ封筒状膜とした場合に巻囲方向の内側端部から外側端部まで集水管の長手方向に対して垂直になるよう直線状に、エチレン酢酸ビニル系ホットメルト8220M(積水フーラー社製)を樹脂温度170℃、走行速度3.5m/minで直線状に塗布して、高さ0.26mm、流路材幅0.4mm、集水管長手方向と成す角度90°、集水管長手方向における流路材間隔0.3mm、ピッチ0.7mm、投影面積比0.56、の流路材を分離膜の全体に固着させた。
なお、隣り合う流路材の高低差は30μm以下だった。
得られた分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が37.0mとなるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:0.7mm、ピッチ:5mm×5mm、繊維径:350μm、投影面積比:0.13)を供給側流路材として幅900mmかつリーフ長800mmで26枚のリーフを作製した。
こうして得られたリーフを、示すABS製集水管(幅:1,020mm、外径:30mm、孔数45個×直線状1列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:2.0mm、長手方向における隆起部の間隔:0mm、円周方向における隆起部の幅:1.0mm)にスパイラル状に巻き付け、外周にさらにフィルムを巻き付けた。テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけ、およびフィラメントワインディングを行うことで、8インチエレメントを作製した。同様の作業を繰り返し、8インチエレメントを計30本作製した。
このエレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、34.3m/dayおよび98.5%であった。
(実施例2)
ABS製集水管を幅:1,020mm、外径:30mm、孔数45個×直線状1列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:2.0mm、長手方向における隆起部の間隔:1.0mm、長手方向における隆起部の幅:1.0mm、円周方向における隆起部の幅:1.0mmとしたこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、34.5m/dayおよび98.4%であった。
(実施例3)
実施例1で得た流路材を有する分離膜ロールを、分離膜エレメントでの有効面積が0.5mとなるように折り畳み断裁加工し、ネット(厚み:510μm、ピッチ:2mm×2mm、繊維径:255μm、投影面積比:0.21)を供給側流路材として幅200mmで2枚のリーフを作製した。
その後、ABS製集水管(幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:2.0mm、長手方向における隆起部の間隔:5.0mm、長手方向における隆起部の幅:5.0mm、円周方向における隆起部の幅:1.0mm)に巻き付けながら2枚のリーフをスパイラル状に巻き付けた分離膜エレメントを作製し、外周にフィルムを巻き付け、テープで固定した後に、エッジカット、端板取りつけを行い、2インチエレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.141m/dayおよび98.5%であった。
(実施例4)
ABS製集水管を幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:0.3mm、長手方向における隆起部の間隔:0mm、円周方向における隆起部の幅:1.0mmとしたこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.121m/dayおよび98.6%であった。
(実施例5)
ABS製集水管を幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:17mm、長手方向における隆起部の間隔:0mm、円周方向における隆起部の幅:1.0mmとしたこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.145m/dayおよび98.4%であった。
(実施例6)
ABS製集水管を幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:2.0mm、長手方向における隆起部の間隔:0mm、円周方向における隆起部の幅:0.2mmとしたこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.130m/dayおよび98.5%であった。
(実施例7)
ABS製集水管を幅:300mm、外径:17mm、孔数8個×直線状2列、隆起部の高さ0.2mm、円周方向における隆起部の間隔:2.0mm、長手方向における隆起部の間隔:0mm、円周方向における隆起部の幅:10mmとしたこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.138m/dayおよび98.5%であった。
(実施例8)
透過側流路材を分離膜透過側に固着させず、溝が非連結のPET製凹凸シート(溝高さ:0.26mm、集水管長手方向における溝幅:0.3mm、集水管長手方向における凸部の幅:0.4mm)を透過側流路材として配置したこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、33.0m/dayおよび98.7%であった。
(比較例1)
集水管に隆起部を設けていないこと以外は全て実施例1と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、10.1m/dayおよび98.5%であった。
(比較例2)
集水管に隆起部を設けていないこと以外は全て実施例3と同様に分離膜エレメントを作製した。
該エレメントを圧力容器に入れて、上述の条件で運転を行って透過水を得たところ、平均造水量および平均脱塩率はそれぞれ、0.080m/dayおよび98.5%であった。
Figure 2014124568
Figure 2014124568
本発明の膜エレメントは、特に、かん水や海水の脱塩に好適に用いることができる。
1 分離膜
2 分離膜本体
201 基材
202 多孔性支持層
203 分離機能層
3 透過側流路材
4 分離膜リーフ
5 透過側流路
6 集水管
61 貫通孔
62 隆起部
7 分離膜
21 供給側の面
22 透過側の面
71 供給側の面
72 透過側の面
100 分離膜エレメント
a 分離膜(リーフ)長さ
b 透過側流路材の幅方向間隔
c 透過側流路材の高低差
d 透過側流路材の幅
e 透過側流路材の長さ方向の間隔
f 透過側流路材の長さ
g 円周方向における隆起部の間隔
h 長手方向における隆起部の間隔
i 円周方向における隆起部の間隔
j 長手方向における隆起部の幅

Claims (8)

  1. 集水管と、供給側の面および透過側の面を有し、前記透過側の面が前記集水管に対向するようにスパイラル状に巻囲された分離膜と、を備える分離膜エレメントであって、
    前記集水管の外周面には隆起部が設けられ、
    前記分離膜エレメントは、前記隆起部に重なるように、かつ、少なくとも前記分離膜の透過側の面において前記隆起部と対向する領域内では、互いに隔てられた流路を形成するように配置された流路材をさらに備える
    分離膜エレメント。
  2. 前記集水管の円周方向において、前記隆起部の間隔が0.1mm以上20mm以下である
    請求項1記載の分離膜エレメント。
  3. 前記集水管の円周方向において、前記隆起部の幅が0.1mm以上10mm以下である
    請求項1または2に記載の分離膜エレメント。
  4. 前記集水管の隆起部の、軸方向における間隔が5mm以下である
    請求項1〜3のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  5. 前記分離膜の透過側の面には、前記流路材が固着している
    請求項1〜4のいずれかに記載の分離膜エレメント。
  6. 前記流路材が、前記分離膜透過側の前記集水管の長手方向において不連続である
    請求項5に記載の分離膜エレメント。
  7. 前記透過側流路が、巻囲方向に連続である
    請求項6に記載の分離膜エレメント。
  8. 前記集水管の長手方向において、前記分離膜は、前記集水管の外周面に接着されており、
    前記分離膜と前記集水管との接着部分には、前記隆起部は設けられていない、
    請求項1〜7のいずれかに記載の分離膜エレメント。
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