JP2016506919A - 一種のmg53ミュータント及び突然変異方法と応用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、一種のMG53ミュータントに関しており、それはMG53のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインを非極性アミノ酸に突然変異させるミュータントのことである。当該MG53ミュータントは心臓保護、細胞死に起因する心臓疾患の治療において、予防/治療に効果があり、応用ができる。とりわけ、MG53ミュータントは心臓を保護すると同時に、MG53によるインスリン抵抗性、肥満と糖尿病などの副作用が避けられる。
Description
[技術領域]
本発明は、一種のMG53ミュータント(MG53タンパク質ミュータントとも言う)に関し、及び当該MG53ミュータントが心臓保護、細胞死に起因する心臓疾患における応用に関している。とりわけ、MG53ミュータントは心臓を保護すると同時に、同じく心臓保護の効力をもつMG53によるインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用が避けられる。
本発明は、一種のMG53ミュータント(MG53タンパク質ミュータントとも言う)に関し、及び当該MG53ミュータントが心臓保護、細胞死に起因する心臓疾患における応用に関している。とりわけ、MG53ミュータントは心臓を保護すると同時に、同じく心臓保護の効力をもつMG53によるインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用が避けられる。
[背景技術]
MG53は骨格筋特異性タンパク質mitsugumin53で、略称MG53、またはTRIM72である。mitsugumin53(MG53)は、一種の筋肉特異性tripartite motif family (TRIM)タンパク質ファミリーであり(当該タンパク質ファミリーは常に三つの特定ドメインをもち、それぞれRING、B-box、コイルドコイルドメインである。これらが細胞の必要としないタンパク質に共同作用しながら結合し、タンパク質をユビキチン化し、分解する)、MG53は一種の細胞膜修復の重要な機構でもある。
MG53は骨格筋特異性タンパク質mitsugumin53で、略称MG53、またはTRIM72である。mitsugumin53(MG53)は、一種の筋肉特異性tripartite motif family (TRIM)タンパク質ファミリーであり(当該タンパク質ファミリーは常に三つの特定ドメインをもち、それぞれRING、B-box、コイルドコイルドメインである。これらが細胞の必要としないタンパク質に共同作用しながら結合し、タンパク質をユビキチン化し、分解する)、MG53は一種の細胞膜修復の重要な機構でもある。
医学の応用面においては、アポトーシスによる心臓疾患に対するMG53の治療功能はすでに業界内に受けられており、且つ先端領域の公知にもなっている。MG53は心臓に保護作用があり、つまりMG53の量を通して心臓の損傷から保護する。しかし、MG53は同時に決して無視できなく、且つ大きな危害と見なされる副作用もあり、MG53量の上昇は心臓を保護すると同時に、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患を引き起こす。つまり、MG53は心臓を保護すると同時に、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病等の副作用も伴う。これは、業界内で注目され、且つプラス、マイナス両面が共存してほしくない問題であり、未だに解決の道が見えない。
[発明内容]
本発明は、一種のMG53ミュータントを提供し、それはMG53のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインを非極性アミノ酸(例えばアラニン)に突然変異させるミュータントのことである。当該MG53ミュータントは心臓を保護すると同時に、同じく心臓保護の功能をもつMG53によるインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用が避けられる。
本発明は、一種のMG53ミュータントを提供し、それはMG53のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインを非極性アミノ酸(例えばアラニン)に突然変異させるミュータントのことである。当該MG53ミュータントは心臓を保護すると同時に、同じく心臓保護の功能をもつMG53によるインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用が避けられる。
MG53が心臓に対する保護作用はつまり、MG53の量をすることを通して心臓損傷から保護する。しかし、MG53の増量は心臓を保護すると同時に、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患を引き起こす。つまり、MG53は心臓を保護すると同時に、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用も伴う。MG53タンパク質が心臓保護においてデメリットを消し、メリットだけを残すために、本申請は大量の研究作業を行い、MG53タンパク質を突然変異させるのを最も主な目的とし、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用を引き起こさない前提で、ミュータントに心臓保護する功能を保留させると同時に、関連の副作用を伴わないようにする。
本発明は一種のMG53ミュータントを提供し、当該MG53ミュータントはMG53のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインを非極性アミノ酸に突然変異させるミュータントである。当該7つのシステインはそれぞれRINGドメインの14番目、17番目、29番目、34番目、37番目、53番目、56番目の遺伝子座にある。
上述した7つのシステインが全部MG53のRING フィンガードメインの重要な残基であり、そしてRING フィンガードメインがユビキチンリガーゼ E3 活性を示し、その基質を分解し、及びインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用を引き起こすのに必要であるため、発明者はこの7つのシステインを研究対象にした。
実験と事実は、当該7つのシステインのいずれの一つか二つまたはそれ以上の組み合わせで非極性アミノ酸に突然変異すれば、本発明の予期する目的と有益な効果に達せたことと証明した。
本発明の提供する上述したMG53タンパク質ミュータントは、心臓を保護する同時に、MG53のもたらすインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患などの副作用が避けられ、且つ心臓を保護する作用が影響されない。
上述したMG53ミュータントのなか、述べた非極性アミノ酸はアラニン、アミノ酢酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはDL- メチオニンのことである。相対的に良い案は、アラニン、アミノ酢酸、ロイシン、プロリン、バリンとイソロイシンで、最も良い案は当該非極性アミノ酸がアラニンである。
上述のMG53ミュータントのなか、非極性アミノ酸がアラニンの際、そのMG53ミュータントはMG53C14A、MG53C17A、MG53C29A 、MG53C34A、MG53C37A、MG53C53A 、MG53C56Aの中、いずれかの一つにあたる。
本発明の述べるMG53ミュータントは、その配列の種が霊長目の動物、ラットとマウスを含む。
その中、本実験の使う原始野生配列はマウス(TRIM72)mRNAのNCBI番号:NM_001079932.3である。その他の配列は以下にあたる:
人類:mRNA :NM_001008274.3 関連のアミノ酸配列: NP_001008275.2;
ラット: mRNA: NM_001077675.1 関連のアミノ酸配列: NP_001071143.1;
猿: mRNA:XM_001112866.2 関連のアミノ酸配列: XP_001112866.1;
且つ以上列した配列に限ることなく、上記述べた種のあらゆるMG53関連配列も含む。例えば、上記配列をもとに得たMG53ミュータント。
人類:mRNA :NM_001008274.3 関連のアミノ酸配列: NP_001008275.2;
ラット: mRNA: NM_001077675.1 関連のアミノ酸配列: NP_001071143.1;
猿: mRNA:XM_001112866.2 関連のアミノ酸配列: XP_001112866.1;
且つ以上列した配列に限ることなく、上記述べた種のあらゆるMG53関連配列も含む。例えば、上記配列をもとに得たMG53ミュータント。
良い実施の例のなか、本発明の提供するMG53ミュータントは、MG53タンパクミュータントで、当該ミュータントのN末端のRING フィンガードメインの14番目にある残基がアラニンで、即ち、MG53タンパク質のN末端のRING フィンガードメインの一番目のシステインがアラニンに代わられ、本発明のMG53ミュータントに突然変異し、MG53タンパク質の中に当該システインが14番目にあるため、代わりになったアラニンも14番目にあり、つまり、本発明のMG53ミュータントがMG53C14Aである。
大量の実験研究を通し、発明者は驚喜することに、MG53タンパク質の14番目のC(システイン)が、MG53がインスリン抵抗性、肥満、糖尿病を引き起こすのに必要なものであり、即ち、14番目のCの突然変異したMG53(MG53C14A)がインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患を引き起こさないことを発見した。また、MG53C14Aは心筋細胞を損傷から保護し(科学研究実験の中にはこの発現を支える有力な実験データがある)、つまりMG53C14Aはインスリン抵抗性、肥満、糖尿病等の副作用を引き起こさない前提で、心臓保護の効能を行使する。これはまさに発明者が意外ながら望んでいる有益な効果である。必要に応じ、効果を証明するこれらの薬理実験は以下より捧げ、本論点が本発明のオリジナルな実験データから得たという具体的な論拠を提供する。
以下の部分より、本発明はアラニンを例とし、MG53ミュータントを解説する。説明必要のもの:本発明のなか、システインの突然変異の選択肢はA(アラニン)のみでなく、8種類の非極性アミノ酸のいずれの一つでも良く、例えばアミノ酢酸、ロイシン、プロリン、バリンまたはイソロイシンも、同様にMG53の突然変異後にインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患等の副作用を引き起こさない前提で、心臓保護の効能を行使する。紙面に限りがあるため、Aのみを最も良い実施例とし述べ、その他の非極性アミノ酸の突然変異方法がアラニンと同じで、ここでは贅言しない。
MG53はTRIMファミリー(The superfamily of tripartite motif-containing proteins)のなかの一つの新規タンパク質で、その他のファミリーメンバーと違い、骨格筋と心筋のみで機能する。最初の研究によれば、骨格筋と心筋の中でMG53は、一種の構造タンパク質として細胞膜の損傷を修復すると同時に、細胞内小胞の活性と骨格筋細胞の再生が調整できることがわかる;また、心筋の中に、MG53の介したCaveolin-3とPI3Kの結合が、RISK 経路(reperfusion injury salvage kinase pathway)を活性化させ、MG53は心臓虚血の前処理においても重要な保護効果を示す。本実験の発明者は実験を通し、ウェスタンブロッティングで以下のような結論を出し、骨格筋MG53がインスリン抵抗性の多種類の動物モデルで多量体形成し、MG53が骨格筋インスリン抵抗性の発生・発展過程に参与する可能性を大きく示した。
さらに、アミノ酸配列の分析を通し、発明者はMG53タンパク質がユビキチンリガーゼ E3 活性をもつ公認のRINGドメイン(RINGフィンガードメインとも言う)、B-boxドメイン、Coiled-CoilドメインとSPRYドメインによって構成されている。MG53アミノ酸配列の分析結果からみれば、RINGドメインのみがユビキチンリガーゼ E3 活性をもつ公認のドメインで、それで、発明者はMG53のユビキチンリガーゼ E3 活性がRINGのなかにあると確定する。RINGドメインのジンクフィンガーの中に最初に亜鉛原子と結合するシステイン、即ち野生型マウスのMG53アミノ酸配列で14番目のシステインは、RINGドメインの中のユビキチンリガーゼ E3 活性を維持する肝心なものである。それで、発明者はMG53のユビキチンリガーゼ E3活性を失効しうる二つのミュータントを作り、一つがRINGドメインの欠けるMG53(ΔRING-MG53)で、一つがアミノ酸配列14番目の遺伝子座がアラニンに突然変異したMG53(C14A-MG53)である。この二つのミュータントと普通のMG53がIRS1ユビキチン化への影響を比較すると、普通のMG53のみはインスリン受容体チロシンキナーゼ(IR)とインスリンレセプター基質1(IRS1)を有効的にユビキチン化しΔRINGまたはC14Aはこの効能をもたない。これは、MG53のRINGドメイン、とりわけアミノ酸配列14番目にあるシステインが、MG53のIRとIRS1のユビキチン化に必需であることを完全に証明した。またC14A-MG53と類似に、ΔRING-MG53も酸素欠乏に起因する心筋細胞損傷から保護でき、ΔRING-MG53の心臓保護作用は我々が初めて発見した。
上述した重要な発見は、発明者をMG53の骨格筋インスリン抵抗性における潜在作用に対する更なる研究に導いた。これらの科学研究の考え方と大量の実験データは、本発明が科学構想または科学根拠のない憶測ではなく、本に産業化できる一つの科学研究成果で、真にクリエイティブな発明であると証明した。
MG53がIRとIRS1を分解し、筋肉のインスリンシグナル伝達を制御する経路における作用を探求し、且つMG53によるIRとIRS1のユビキチン化の具体的な分解過程をはっきりさせるため、発明者は研究をさらに進めた。C2C12筋管の中で過剰発現の正常のMG53及びその二つのミュータントを分別し、インスリンシグナルに対する影響を比較した。結果は、IRとIRS1が分解できる正常のMG53のみがインスリンシグナル伝達経路が制御できるが、ユビキチンリガーゼ E3 活性を失った二つのミュータント、とりわけC14Aは、一つのアミノ酸が突然変異しても、インスリンシグナルを制御する効能をもたないことがわかった。
つまり、本発明の前期の研究実験による結論は:第一、筋特異のタンパク質MG53の異常発現はインスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患の発症の重要な原因となる;第二、MG53がIRとIRS1のユビキチンリガーゼ E3であり、ユビキチン-プロテアソーム経路を通して骨格筋のIRとIRS1を分解し、身体のインスリン抵抗性状態をもたらす必要で、同時に身体のインスリン抵抗性を引き起こすことによって肥満、糖尿病と代謝疾患の発症を更にもたらすことを、初めて全体的な水準と細胞の水準で証明した。第三、より進んで、関連の構想が建てられる。
E3はタンパク質のユビキチン化反応に参与する唯一の処理可能の成分である。ユビキチンと標的タンパク質を介する結合方式によって、E3は大きく二種類に分ける:RING(really interesting new gene)ドメインを含むE3とHECT(homologous to E6-associated protein C terminus)ドメインを含むE3。前者は同時にユビキチンをもつE2と標的タンパク質と結合し、直接にユビキチンを標的タンパク質に転移する;後者はまずユビキチンをE2からHECTドメインの一つの活性化システイン残基に転移し、チオエステル結合したユビキチンをまた標的タンパク質に転移する。ユビキチンは76個のアミノ酸からなり、その中に7つのリシン残基が散布し、即ち、本発明で関連する7つのシステイン、これらの残基がその他のユビキチンの共有結合の遺伝子座にもなれる。いくつもの結合を経て、ポリユビキチン鎖が長く伸び、“目印”の識別にしやすくなる。一般的に、48番目のリシンが介したポリユビキチン鎖は標的タンパク質をプロテアソームへと介する分解シグナルであり、63番目のリシンの介したポリユビキチン鎖は標的タンパク質をその他の非分解の機能へと介する。しかし、この考え方は近年否定される傾向がある。ユビキチン化した標的タンパク質はユビキチン結合ドメイン(Ubiquitin-binding domains, UBDs)の作用で26Sプロテアソームに定着し、脱ユビキチン化とアンフォールディング等を経て、最終的に水解される。科学研究の進歩とともに、大多数のインスリンの標的器官のなか、人々はすでにインスリンシグナル伝達ネットワークの大間かの骨格構造、即ち、IR/IRSs-PI3K-Akt経路を基本的に知っている。しかし、このシグナル伝達経路における具体的な分子のメカニズムに対しては、研究は最近始まったところである。発明者が実験で発見したように、インスリンシグナルのコントロールにおいて、一般のリン酸化修飾コントロール以外に、タンパク質分解はインスリンシグナルの伝達に対する影響も巨大である。インスリン抵抗性における初期研究で、人々はインスリン抵抗性の患者または動物モデルの中から、IRとIRS1がチロシンリン酸化の際に制御を受けると同時に、そのタンパク質量の減少も生じていることに既に気づいている。そして近年、人々はIRSsのタンパク質分解に対して認識が増し、例えばculling-RING型ユビキチンリガーゼの基質の識別分子としてのSOCS1/3が、IRS1とIRS2との結合を通して、ユビキチン化の分解へと介する。その後、人々はまた、SOCSsが多種類の炎症因子の刺激で顕著に上昇することを発見し、大量の臨床と動物モデルの証拠と結びつけば、肥満とII型糖尿病が実質上一種の炎症状態であり、そして各種の炎症因子がインスリン抵抗性の発症において重要な働きをもつことに気づいた。これ以外に、ある組織細胞の中のAkt及び下流分子もUPSの標的になる可能性があり、分解が生じてブドウ糖の運搬と糖新生に影響があると表明する証拠もある。しかし、インスリン抵抗性の中のIRの分解メカニズムに対しては研究をより進める必要がある。
簡単に言えば、本発明は多くの実験データのもとでMG53タンパク質ミュータントを得、それがMG53タンパク質のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインがアラニンに代わられるミュータントである。当該でMG53タンパク質ミュータントはMG53C14A、MG53C17A、MG53C29A 、MG53C34A、MG53C37A、MG53C53A 、MG53C56Aの中、いずれかの一つにあたり、本発明で最も良いMG53ミュータントがMG53C14Aである。
本発明は一種のMG53タンパク質ミュータントの変異方法を提供し、当該方法は、部位特異的突然変異誘発キットを使って野生型MG53プラスミドの完全長cDNAライブラリに対し、部位特異的突然変異誘発をさせ、MG53ミュータントのプラスミドというものを得る。当該実験キットは北京全式金会社のEasy Mutagenesis Systemである。
即ち、上述の改造方法または変異方法は、部位特異的突然変異導入キット(北京全式金会社のEasy Mutagenesis System) を使って野生型MG53プラスミドの完全長cDNAライブラリに対して部位特異的突然変異誘発をさせ、14番目のシステインが非極性アミノ酸へと突然変異したMG53ミュータントのプラスミドを得る;当該非極性アミノ酸がアラニンの際はつまり14番目のシステインがアラニンに変異したMG53タンパク質ミュータントを得、当該MG53タンパク質ミュータントがMG53C14Aである。
同様に、発明者はシステインがアミノ酢酸、ロイシン、プロリン、バリンまたはイソロイシン等その他の非極性アミノ酸に突然変異する実験を行い、突然変異方法が同上で、MG53C14G、MG53C14L、MG53C14P、MG53C14V、MG53C14Iを得た。
本発明の具体的な実施例の中、上述した改造方法即ち部位特異的突然変異誘発の過程が:
(1)まず突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点を持たせ、増幅サイズを18-27bpとする;
(2)突然変異させようとするプラスミドを鋳型とし、DNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させ、その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する;当該突然変異させようとするプラスミドが野生型プラスミドである;
(3)DpnIによってPCRの増幅産物を切断する;
(4)大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、冷やしておく;LB培地に入れ、増殖させ、アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、培養した後プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異が陽性結果と検出し、得た突然変異遺伝子をベクターに導入してMG53ミュータントのプラスミドを得る。
(5)上述するMG53ミュータントのプラスミドは、ScreenFectAで細胞にトランスフェクションする方法でMG53ミュータントを得る。
(1)まず突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点を持たせ、増幅サイズを18-27bpとする;
(2)突然変異させようとするプラスミドを鋳型とし、DNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させ、その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する;当該突然変異させようとするプラスミドが野生型プラスミドである;
(3)DpnIによってPCRの増幅産物を切断する;
(4)大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、冷やしておく;LB培地に入れ、増殖させ、アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、培養した後プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異が陽性結果と検出し、得た突然変異遺伝子をベクターに導入してMG53ミュータントのプラスミドを得る。
(5)上述するMG53ミュータントのプラスミドは、ScreenFectAで細胞にトランスフェクションする方法でMG53ミュータントを得る。
ScreenFectA(Incella)は商業用の試薬キットで、一つのキットには当該方法で使うあらゆる試薬と方法があるはずである。
上述した試薬キットはIncella会社のScreenFect(登録商標)A transfection reagentと+ ScreenFect Dilution Bufferである。
上述した手順(1)で述べる増幅サイズの良い案は20bpである。
別の良い実施例の中、Flag-C14A MG53プラスミドを得るため、Flag-MG53プラスミドをもとに、QuikChange II部位特異的突然変異導入キットを使い、MG53アミノ酸配列の十四番目のシステインをアラニンに突然変異させた。
本発明のもう一つの良い実施例では、上述した突然変異過程は:
1、まず突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点をもたせ、増幅サイズを18-27bpとする。
1、まず突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点をもたせ、増幅サイズを18-27bpとする。
2、突然変異させようとするプラスミド200ngを鋳型とし、高純度・高品質のDNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させる。その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する。
PCR反応条件は以下のように:
95℃ 10min(分間)
95℃ 30sec(秒)
55℃ 30sec(秒) 20 Cycles(即ち、20つのサイクル)
72℃ 3.5sec(秒)
72℃ 5min(分間)
4℃Hold(維持)
3、DpnIによってPCRの増幅産物を処理し、反応条件は以下のように: 10uL PCR産物に1uL DpnIを加え、37℃で一晩置いておく。
95℃ 10min(分間)
95℃ 30sec(秒)
55℃ 30sec(秒) 20 Cycles(即ち、20つのサイクル)
72℃ 3.5sec(秒)
72℃ 5min(分間)
4℃Hold(維持)
3、DpnIによってPCRの増幅産物を処理し、反応条件は以下のように: 10uL PCR産物に1uL DpnIを加え、37℃で一晩置いておく。
4、大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、30分間冷やしておく;42℃の熱で60秒間刺激し、LB培地に入れ、37℃で45分間分化させる。アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、37℃で16時間一晩置いておき、培養する。
5、プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異結果を測定する。
参考:StratageneのQuikChange Site-directed Mutagenesis kit。北京全式金会社Easy Mutagenesis System,説明書は以下の公布した内容にてご参考:
http://www.transgen.com.cn/uploadfile/201111/20111109161357731.pdf.
http://www.transgen.com.cn/uploadfile/201111/20111109161357731.pdf.
本発明のMG53タンパク質ミュータントの改造方法は市販で買える北京全式金会社のEasy Mutagenesis System(試薬キット)の説明書にも載っており、それには突然変異改造方法と手順に対する詳細な説明記載がある。
本発明は上述したMG53ミュータント(即ちMG53タンパク質ミュータント)が心筋損傷等の関連疾患の治療に対処する薬物の製造における用途も提供する。
上述したMG53ミュータントの用途は、その中に述べた心筋細胞損傷を治療する薬物が心臓虚血、再灌流傷害で起こる疾患を治療/予防する薬物も含む;上述の疾患は心臓虚血性傷害、心筋虚血、心臓虚血/再灌流傷害、心筋梗塞、心不全、不整脈、心臓破裂等に対処する薬物も含む。
本発明はとりわけ、MG53ミュータントがMG53C14Aの場合、即ち、MG53C14Aが心筋損傷または心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途を提供する。
MG53が心臓/心筋損傷の治療における応用及び、心臓虚血、再灌流傷害に起因する疾患の治療/予防における用途に関しては、200910241451.3の公開した薬学実験部分の実験方法と実験データにて参照ください。
心筋細胞の中で過剰発現したMG53またはMG53C14Aは共に酸素欠乏に起因する心筋細胞の損傷に対して保護機能をもつ。
本申請の中で言及したMG53ミュータントは、MG53突然変異タンパク質、あるいはMG53ミュータントタンパク質のことである。
周知のように、インスリン抵抗性は肥満、II型糖尿病等多種類の代謝障害疾患の根本的な発症要因の一つである。骨格筋がインスリン刺激で起こる糖利用のなかに70-90%占めるとは言え、人々は筋肉システイン抵抗性の具体的なメカニズムに対して知らないところがまだ多い。本発明は以下の実験部分により、マウスの中に骨格筋特異性タンパク質mitsugumin53(即ち本発明で述べるMG53)がインスリン受容体チロシンキナーゼ(IR)とインスリンレセプター基質1(IRS1)の分解を介しことをまず検証した。MG53の量を増加させると、インスリン抵抗性、肥満、高血圧、脂質代謝異常を始めとする代謝疾患を引き起こす。インスリン抵抗性の動物モデルにおいては、MG53の発現水準が顕著に上昇する;MG53の過剰発現は筋肉インスリン抵抗性を引き起こしてから、代謝疾患をもたらす。逆に、IRとIRS1への保護を通して、インスリンシグナル経路の完全性を維持すれば、MG53ノックアウトは飲食に起因する代謝系疾患の発症を成功に引き止める。システム上では、MG53はユビキチンリガーゼ E3として、インスリン受容体チロシンキナーゼ(IR)とインスリンレセプター基質1(IRS1)をユビキチン化し、両者がユビキチンを通して分解され、骨格筋の中インスリンシグナルの強度をコントロールする主なシステムとなる。これらの発見はMG53が代謝異常と関連の心血管併発疾患を治療する一つの新しいターゲットであることが確実に証明できた。
代謝疾患はインスリン抵抗性、中心性肥満、脂質代謝異常と高血圧等一連の病状を含み、その流行の比率が増え、既に人類健康への重大な脅威の一つとなっている。代謝疾患は心血管疾患の発症率を2倍、II型糖尿病の発症率を5倍上昇させる。インスリン抵抗性は代謝疾患、肥満、II型糖尿病を含む諸種類の代謝異常疾患の根本病因である。骨格筋がインスリンの刺激に起因する糖代謝のなかに70-90%の比率を占め、骨格筋の中にインスリン抵抗性は代謝疾患とII型糖尿病の主な発病メカニズムなのかもしれない。確かに、経年的研究は骨格筋インスリン抵抗性が代謝疾患とII型糖尿病の病理過程の最も早い段階の症状であると表明している。しかし、人々は骨格筋インスリン抵抗性の背後にあるメカニズムに対しては知らない部分が多い。
MG53がマウスの飲食誘導による代謝疾患から保護する実験の中、western blotsで骨格筋の中のMG53量の平均値(インスリン異常と代謝疾患ラット、非人類霊長類モデルを、年齢性別のそれぞれ対応する対照組との比較)を測定し、データとGAPDHと比べてから標準化した結果は、高脂肪食を与えた肥満マウス、糖尿病モデルdb/dbマウス、高血圧自然発症ラットと非人類霊長類の代謝系疾患モデルの中、MG53量が全部上昇した。肥満の人類の個体からも、MG53量の上昇が実験によって証明された(付図無し)。これらの結果は予想できなかったMG53と代謝疾患との関係に重要な手がかりを提供した。
MG53が代謝疾患発病の過程の中における必要性を確定するため、マウスが生まれて3週間から、発明者はMG53ノックアウト(MG53-/-)マウスと対照的な野生型兄弟マウスが高脂肪食(60%カロリーが脂肪から)と正常飲食状況下のそれぞれの体重と代謝指標の変化を追跡検出した。3-38週の間に、正常飲食の状況下、野生型マウスと比べ、MG53ノックアウトマウスの体重、血圧、血清コレステロール、トリグリセリドは明らかな変化がなかった。しかし、血清インスリンの濃度を変えない状況で、MG53ノックアウトマウスの血糖値は明らかに低下した(38wにて測定)。
高脂肪食を与える状況で、MG53ノックアウトマウスと野生型マウスは明らかに違った。35週間の高脂肪食を与えた後、野生型マウスはMG53量が上昇し、肥満、高血圧、高血糖、高インスリン、脂質代謝異常、脂肪肝が特徴の代謝疾患が発症した。注意に値するのは、MG53の欠損は明らかに高脂肪食による肥満、脂肪肝、骨格筋細胞内脂質蓄積、脂肪細胞肥大化、白色と褐色脂肪の値上昇も明らかに弱めた。
全身のインスリン感受性と代謝疾患との関係を探求するため、飲食が影響された後の違う時点にブドウ糖負荷試験(GTTs)とインスリン負荷試験(ITTs)を行った。高脂肪食を与えた野生型マウスは7週間の際に耐糖能異常とインスリン抵抗性を発症し、即ち、当該現象が11週目の際に発生する肥満より早かった。高脂肪食の継続給食につれ、野生型マウスの耐糖能異常とインスリン抵抗性は次第に深刻化した。35週後に、高脂肪食はインスリンの代償性分泌、血清インスリン濃度が本来の7倍上昇をもたらし、グルコース刺激による インスリン分泌不全となった。
しかし、MG53ノックアウトマウスは高脂肪食下では上述したいずれの症状も現れず、正常の血糖値とインスリン値が維持した。高脂肪食の30週後にも、MG53ノックアウトマウスは野生型マウスのインスリン抵抗性(耐糖能とインスリン感受性)が現れなかった。MG53ノックアウトマウスの膵臓の形態的変化もインスリン分泌も明らかに改善された。このゆえ、MG53のノックアウトはマウスを高脂肪食誘導によるインスリン抵抗性と代謝疾患から守り、そして上記のことはMG53が高脂肪食誘導に起因するインスリン抵抗性と代謝疾患の発症に必要なものであることと証明した。
さらに、MG53の上昇が代謝異常をもたらすかどうかを確認するため、発明者はMG53過剰発現のトランスジェニックマウス(MG53TG)を作製した。38週になるマウスはMG53タンパク質の量が骨格筋では2.6+0.3倍、心臓では2.6+0.7倍上昇した。しかし、MG53トランスジェニックマウスの非筋肉組織(肺、脳、視床下部、肝臓、腸、腎臓、内臓脂肪と精巣)では、MG53が検出できなかった。これはMG53の発現が一種の筋特異的な形式により厳格制御を受けているものだと説明できる。飲食が影響しない状況でも、38週のMG53トランスジェニックマウスは肥満と高血圧が発症し、且つ血中脂質異常、高インスリン血症肥満と禁食後の血糖値上昇も伴った。野生型の同腹兄弟マウスと比べ、MG53トランスジェニックマウスは一日中のエネルギー消耗が明らかに低下したが、一日の摂食量が変わりなかった。また、言及に値することに、ブドウ糖負荷試験とインスリン負荷試験は、MG53トランスジェニックマウスの糖代謝とインスリン感受性に深刻の障害が存在し、且つ膵島肥大とグルコース刺激による インスリン分泌不全もあった。解剖学と組織学のデータはさらに、MG53トランスジェニックマウスに中心性肥満、脂肪肝、脂肪細胞肥大と骨格筋細胞内脂質蓄積を示した。これらのデータは、MG53量の上昇がインスリン抵抗性をもたらし、さらに代謝疾患に発展するのにおいて必要であることを充分に証明した。注:MG53のノックアウトが飲食誘導による全身のインスリン抵抗性を防ぐ関連の実験の中、野生型とMG53ノックアウトマウスに対し、正常の飲食または高脂肪食を与えた後に、指定の時点にブドウ糖負荷試験とインスリン負荷試験を行った。膵臓にはヘマトキシリン・エオジン染色を行った。グルコース(2グラム/キロの腹腔内注射で)刺激下の血中インスリンの濃度変化。野生型とMG53ノックアウトマウスに均等に正常飲食或は高脂肪食を35週間与える。あらゆるデータは平均値+/-標準誤差で表す。
インスリン刺激の際に、インスリン受容体に内在するチロシンキナーゼが活性化され、自身のチロシン15番目がリン酸化される。それから、インスリンレセプター基質1(IRS 1)とインスリンレセプター基質2(IRS 2)に結合し、リン酸化させ、且つ下流にあるホスファチジルイノシトール(PI)-3-キナーゼに結合し活性化をおこすことで、骨格筋のブドウ糖の安定を調整する。MU53の介するインスリン抵抗性の分子メカニズムを探究するため、発明者はMU53が調整可能のインスリン受容体-IRS1-PI3K-Akt-GSK3β経路にあるシグナル分子を検測した。インスリン抵抗性と代謝異常のMG53トランスジェニックマウスのモデルにおいては、骨格筋の中にインスリンの刺激によるインスリン受容体(βサブユニット)とIRS1のチロシンリン酸化も、及びAKT473 番目のセリンのリン酸化も遮断された。同時に、マウスのこれらの骨格筋のなか、インスリン受容体とインスリンレセプター基質1のタンパク質発現量は明らかに減少したが、mRNAの発現量はほぼ維持されていた。MG53過剰発現の直接効果と代償性反応を区別するため、アデノウイルス感染システムを利用し、C2C12筋管細胞にMG53遺伝子を過剰発現させた。MG53の発現が3.5±0.2倍上昇し、且つインスリン受容体とIRS1のタンパク質の量が明らかに低下したが、mRNAの発現量はほぼ変わらなかった。MG53の過剰発現はインスリンの誘導したインスリン受容体、IRS1、AktとGSK3βの活性化も抑制することになり、これは細胞水準でMG53を上昇し、MG53トランスジェニックマウスの典型的特徴の模擬に成功したことを証明した。それで、発明者の生体内と生体外の実験データは共に、MG53の発現上昇がインスリン受容体とインスリン受容体基質を同時に減少させ、インスリンシグナル伝達の二つの肝心な段階を制御したことが証明できた。注:MG53の過剰発現が全身インスリン抵抗性と代謝疾患を引き起こす実験の中、野生型とMG53トランスジェニックマウスの体重、及び38週の野生型とMG53トランスジェニックマウスの収縮期血圧と拡張期血圧、血中コレステロール、トリグリセリド、血中インスリン及び禁食と摂食状態における血糖値、及び30週の高脂肪食の野生型とMG53ノックアウトマウスに対するブドウ糖負荷試験とインスリン負荷試験、38週の野生型とMG53トランスジェニックマウスの膵臓、38週の野生型とMG53トランスジェニックマウスのブドウ糖(2グラム/キロの腹腔内注射で)の刺激下の血中インスリンの濃度変化、或はベースラインと対照する変化パーセンテージを通し、実験指標を作り、データを取り、統計を行う。
高脂肪食を与えた野生型マウスのMG53発現量が上昇し、MG53過剰発現と同様に、骨格筋インスリンシグナルは強く抑制されると同時に、IRとIRS1タンパク質の量も低下し、mRNAの量は変わらなかった。また、MG53の上昇につれ、IRとIRS1の低下がインスリン抵抗性の各グリレス大目のモデルに対する研究のなかでは普通な現象であり、肥満またはII型糖尿病動物のモデルが人類のと同様なように。その他の実験は、高脂肪食に起因する代謝圧力のもと、MG53の欠損がマウスをIRとIRS1の完全性及び全身的インスリン感受性状態に維持できることも証明した。とりわけ、MG53ノックアウトマウスのなか高脂肪食はIRとIRS1の量を減らなかった。実際、MG53遺伝子の欠損は骨格筋の中のIRとIRS1を明らかに蓄積させることで、MG53ノックアウトマウスがその他の同腹兄弟の野生型マウスより血糖値が低いことになる。正常飲食の野生型マウスと比べ、MG53ノックアウトマウスはインスリンに起因するIR、IRS1、AktとGSK3βのリン酸化は明らかに増加した。これで、MG53量の上昇は高脂肪食と代謝疾患がもたらす骨格筋IRとIRS1の低下においては不可欠の要素だとわかる。
これから、MG53の介する骨格筋特異的インスリン抵抗性が全身の代謝異常への発展を決める原因を探る。このため、発明者はMG53TGマウスと高脂肪食の野生型マウスの多種類の器官の代謝異常が発症する違う時期を追跡した。結果、MG53の過剰発現と高脂肪食を通して誘導する骨格筋インスリン抵抗性は全身の代謝異常の発症より遥かに早い(肥満と多器官インスリン抵抗性を含む)。6週のMG53TGマウスの体重を野生型のと類似していたが、筋肉のインスリンシグナルは明らかに損傷したが、肝臓と腹部脂肪のインスリンシグナルは変わらなかった。同じく、高脂肪食を1週間与えた野生型マウスのMG53が顕著に上昇し、骨格筋シグナルも損傷され、この現象は高脂肪食の7週後に現れるブドウ糖不耐性と11週に明らかに現れる肥満の前に出た。その後、正常飲食のMG53TGマウス(38週)と高脂肪食の野生型マウス(高脂肪食35週間)の肝臓と脂肪組織は完全のインスリン抵抗性に発展したのである。これらのデータとMG53の欠損が代謝異常に対する重要な保護作用は、MG53の介する骨格筋インスリン抵抗性が病気発症の過程の中において一つ重要な要素であると強く説明できた。前の発見と一致することに、人類と動物のモデルに対する研究も筋肉インスリンシグナルの低下が肥満とブドウ糖不耐性発症過程における一つの重要な一環であると説明できる。注:MG53の調節するインスリンシグナルの関連実験は、38週の野生型とMU53トランスジェニックマウス、または正常飲食或は高脂肪食状況のMU53ノックアウトマウスとその同腹兄弟の野生型マウスのインスリンの誘導するIR-・とIRS1のチロシンリン酸化、Aktセリンのリン酸化とその総タンパク質の量を、代表的で、平均western blotsのデータで表示した。リン酸化したタンパク質と総タンパク質はGAPDHの標準より、野生型の基数をもととする倍数で表れる。代表的なwesternロッティングと統計データで6週、38週の野生型とMU53トランスジェニックマウスのインスリンによる骨格筋、肝臓、腹部脂肪のAktのリン酸化を表示する。
IRS1がIRとインスリン様成長因子受容体(IGF-IR)シグナル経路の共通の接点であるため、発明者はMG53が筋肉のインスリンシグナル以外に、IGF-Iシグナルへの影響も研究した。違う用量のインスリンまたはIGF-Iの誘導する野生型とMG53欠損マウスの骨格筋IRS1のチロシンリン酸化を比較したところ、発明者はMG53が優先にインスリンシグナルの中のIRS1をターゲットにすることに気づいた。とりわけ、MG53の欠損がインスリン刺激によるIRS1のチロシンリン酸化の用量反応効果を強化したとはいえ、これはIGF-Iが高濃度状態における効果を強化したのであり、低濃度のIGF-Iではなかなった。MG53が選択的にインスリン受容体の介するIRS1シグナルをターゲットとすれば、MG53のIGF-I受容体シグナルに対する調整はインスリン受容体とIGF-I受容体の二量体化或は高用量のIGF-Iが引き起こすインスリン受容体の交差活性化によるものである。
MG53がアミノ酸の末端において一つユビキチンリガーゼ E3 RING fingerドメイン(別称RING フィンガー領域、またはRINGドメイン)を含むため、発明者はMG53が一つの筋肉特異的ユビキチンリガーゼ E3としてインスリン受容体とIRS1に働きかけ、ユビキチン化の分解を行うことを提起した。多くの証拠はこの仮説を立証した。まず、免疫沈降法は内因性のMG53とインスリン受容体、IRS1の間に物理的な相互作用があると表明し、HEK293細胞における外因性発現のMG53とIR、IRS1もそうである。また、高脂肪食は野生型マウスの骨格筋インスリン受容体とIRS1のユビキチン化を増加したのであり、MG53のノックアウトではなかった。現有の結果は、MG53のユビキチンリガーゼ E3が骨格筋のIRとIRS1をユビキチン化により分解したと証明したのであり、(FBXO40が筋肉特異的)ある特定の細胞培養システムと組織においては、その他のユビキチンリガーゼ E3がIRS1の分解に関係があるにも関わらない。逆に、MG53の発現過剰とノックアウトに関係なく、血糖値の安定と関連する骨格筋IRS2、GLUT1或はGLUT4のタンパク質の量が変わらないことは、これらがMG53の基質ではないからであると説明できる。
今までその他のRING系のユビキチンリガーゼ E3に対する理解により、配列分析はMG53の N末端のRING フィンガードメインのシステイン豊富区、とりわけ7つのシステイン、中に最初のシステイン(システイン14、亜鉛イオンと結合できる)がMG53のユビキチンリガーゼ E3として効能を果たす肝心な遺伝子座かもしれないを予測した。確か、RING フィンガーの削除或はシステイン残基のアラニンへの突然変異はMG53がIRとIRS1に対するユビキチン化が徹底的に抑制しまたは顕著に緩和できる。注意に値することに、野生型MG53とは違い、これらのMG53ミュータントはIRとIRS1の総タンパク質の量に影響することなく、インスリンが促すIR-IRS1-AKT-GSK3・シグナル経路の活性化にも影響しない。それで、分子水準では、RING fingerドメインはMG53がユビキチンリガーゼ E3の効能を果たすのに必要である。且つ、clasto-lactacystin- ・-lactone (・-lac)を使ってプロテアソームを抑制することは、MG53に起因するIRとIRS1タンパク質量の低下を徹底に解消し、IRとIRS1のチロシンのリン酸化、及びAKTのセリン473のリン酸化とインスリンによるブドウ糖摂取が回復させられ、これはMG53が介するインスリンシグナル経路への制御がプロテアソームシステムを通したのであると証明した。MG132を利用した別の一種のプロテアソーム抑制剤の実験でも類似した結果を得た。これで、我々の生体内と生体外の実験の結果は、MG53が一つの新しいユビキチンリガーゼ E3で、ユビキチン化の分解を通してIRとIRS1のタンパク質の安定性が直接に調整できることを証明した。本発見は、MG53が同時にIRとIRS1が低下できることで、全身のインスリン抵抗性と代謝疾患を解釈する一つの潜在的メカニズムであると実証し、RING フィンガードメインの中のシステインはMG53が介してIRとIRS1を分解し、インスリン抵抗性が発症し、全身的肥満と代謝系疾患が発症するのに必要なものなのである。
纏めば、MG53が膜の修復と心筋保護において周知されているが、発明者はここでMG53がインスリン抵抗性と代謝異常の動物モデルにおいて通常、高発現であり、且つこの骨格筋特異的MG53高発現が全身のインスリン抵抗性と代謝疾患に必要であると表明してくれた。MG53は一つの新しい筋肉特異的ユビキチンリガーゼ E3として、IRとIRS1のユビキチン化分解をもたらし、骨格筋インスリンシグナルのマイナス方向の決定的調整者となることで、全身のインスリンシグナル及び代謝の欠陥を引き起こすのである。RING フィンガードメインのシステインは、MG53が上述した代謝関連の作用を発揮するのに必要で、RING フィンガードメインのシステインを突然変異させることはMG53を欠損させ、インスリン抵抗性、肥満、糖尿病と代謝疾患を引き起こすのである。
これらの発現はMG53が骨格筋インスリン感受性のマイナス方向の調整者と定義したのみでなく、MG53の介する筋肉インスリンシグナル制御が全身のインスリン抵抗性と代謝疾患をもたらす重要なメカニズムだとも説明できたのである。これは、MG53ユビキチンリガーゼ E3が肥満、II型糖尿病と関連の心血管併発症を含む各種の代謝疾患が治療できる潜在的重要な要素と示した。
実験方法のまとめ:
試剤と材料:PY100,p-Akt,p-GSK3・及びIRS1の抗体は全部Cell Signaling Technology会社から;MG53とGLUT1の抗体はAbcam公司から;p-IR-・とIRS1の抗体はUpstate会社から;IR-・, GAPDH, GSK3・とGLUT4の抗体はSanta Cruze Biotechnology 会社から;MG132,clasto-lactacystin ・-lactone (・-lac), anti-b-actin, Flag, Myc and insulin抗体はSigma-Aldrich会社からのもの。2-(N-(7-nitrobenz-2-oxa-l,3-diazol -4-yl)amino)-2-deoxyglucose (2-NBDG)はInvitrogen会社からのもの。人類のインスリン様成長因子-1(IGF-1)はPeproTech会社からのもの。特別な説明がなければ、その他の化学試剤はすべてSigma-Aldrich会社からのもの。
試剤と材料:PY100,p-Akt,p-GSK3・及びIRS1の抗体は全部Cell Signaling Technology会社から;MG53とGLUT1の抗体はAbcam公司から;p-IR-・とIRS1の抗体はUpstate会社から;IR-・, GAPDH, GSK3・とGLUT4の抗体はSanta Cruze Biotechnology 会社から;MG132,clasto-lactacystin ・-lactone (・-lac), anti-b-actin, Flag, Myc and insulin抗体はSigma-Aldrich会社からのもの。2-(N-(7-nitrobenz-2-oxa-l,3-diazol -4-yl)amino)-2-deoxyglucose (2-NBDG)はInvitrogen会社からのもの。人類のインスリン様成長因子-1(IGF-1)はPeproTech会社からのもの。特別な説明がなければ、その他の化学試剤はすべてSigma-Aldrich会社からのもの。
インスリン抵抗性の動物モデル:糖尿病(db/db)マウス(年齢が25週の雄糖尿病マウス)と対照組の痩せたマウスはJackson Laboratory会社からの提供。自発性高血圧ラット(年齢が12ヶ月の自発性高血圧雄ラット)と同腹兄弟同じ年齢の正常血圧の雄ラットは北京市維通利華会社からの提供。自発性インスリン抵抗性と代謝疾患の非人類霊長類モデルの実験の展開と検定は前の文献において既に報告があった。
MG53遺伝子のノックアウトのマウスと飲食の関与:あらゆる動物のプロセスと安楽死は全部中国北京大学動物研究委員会の許可した協議に基づいて執行し、且つ実験動物の飼育と使用手引(1985年にアメリカ国家衛生研究所により改訂発行し、発行号が86-23)に符号している。あらゆる動物は全部中国北京大学実験動物センターの日照/夜の循環する温度制御ケージの施設で飼育し、自由に食べ物と水を取らせる。本研究は雄動物のみを研究対象とする。MG53遺伝子のノックアウトマウスを作製する前に既に説明した。MG53遺伝子のノックアウトマウスと同腹兄弟の野生型マウスは生まれて三周から高脂肪食(60%カロリーが脂肪から,飲食研究有限会社,貨物番号がD12492)と正常飲食(11.4%のカロリーが脂肪から,中国軍事医学科学学院)の分類関与を行う。
MU53トランスジェニックマウス:ネズミ科MG53遺伝子完全長cDNAライブラリがpUC-CAGGSプラスミドのXhoI部位にクローニーされ、chicken beta-actinプロモーターによってコントロールされる。SalIで切断し、且つゲルを通して純化された後に、この断片を顕微鏡でマウスの受精卵の中に注射する。PCRで遺伝子型を検定する。
プラスミドとアデノウイルスベクター:PCRでマウスcDNAライブラリからMG53全長配列とRINGドメインを無くしたMG53配列(・RING)を伸ばし、且つBglII とXbaIの二つの切断部位からp3XFLAG-CMV-10の発現ベクラー(Sigma-Aldrich会社から)を挿入した。全長のMG53配列はKpnI と XhoIの二つの切断部位からpcDNA4/TO/Myc-His Bの発現ベクラー(Invitrogen会社から)も挿入した。C14A(14番目のシステインがアラニンによって変わられる)のMG53ミュータントはファースト部位特異的突然変異誘発キットで野生型(全長) MG53プラスミドに対して改造してできたのである。インスリン受容体配列はpBABE-bleo人類のインスリン受容体B(Addgene会社から)からサブコローニーされてきたのであり、且つHindIIIとXbaIの二つの切断部位からpcDNA4/TO/Myc-His Bの発現ベクター(Invitrogen会社から)を挿入した。インスリンレセプター基質1(IRS 1)はpBS-m IRS1(Invitrogenから)からサブコローニーされてきたのであり、且つHindIIIとNotIの二つの切断部位からpcDNA4/TO/Myc-His Bの発現ベクター(Invitrogen会社から)を挿入した。N末端がHAラベルを帯びるユビキチン発現のプラスミドとC末端がFLAGラベルを帯びるインスリン受容体発現のプラスミドはそれぞれ陳博士とI. Leibigerが提供した。GFP発現とGFP-MG53融合発現のアデノウイルスは既に前に説明した。
細胞の培養、アデノウイルス感染とプラスミド伝染:C2C12筋芽細胞(細胞資源センターから,IBMS,中国医学科学院/中国協和医科大学)を5%の二酸化炭素の含む37℃の細胞培養ケースの中に置き、 Dulbeccoの改良したEagle培地(DMEM)で培養したら、当該培地の中に10%のウシ胎児血清(Sigma-Aldrich会社)、0.11g/Lのピルビン酸ナトリウムとが1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補充された。C2C12筋芽細胞の密度が90%の際、我々はアデノウイルス感染またはプラスミド伝染を通して遺伝子導入を行った。それから、細胞が2%のウマ血清の含むDMEM培地の中で四日間培養し、筋管に分化する。
細胞酸素欠乏の方法は、細胞をRPMI1640/5%のウシ胎児血清の培地で48時間培養した後に、培地を血清の含まない且つ95%の窒素と5%の二酸化炭素の飽和したRPMI1640培地に変更し、細胞を95%の窒素と5%の二酸化炭素の満ちた密室(Ohmeda oxygen monitor, type 5120)の中に置き、細胞の酸素欠乏状態を実現した。正常の対照として、細胞の培地をRPMI1640/5%のウシ胎児血清に変換し、5%の二酸化炭素の含む37℃の細胞培養器に置いておく。
心筋細胞の損傷の検出方法は以下のようである:
ATPの量は、Promega会社のCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay (Cat#G7571)を使う。具体的な実験方法:1 試薬キットの中のCellTiter-Glo Substrate(1管)とCellTiter-Glo Buffer(1管)を取り、混合させ、実験前に室温までに回復させる;2 細胞サンプルを培養器から取り、室温に回復するまでに置いておく;3 細胞培養プレートの中のそれぞれのサンプルから一定量の細胞培養液を取り、同量のATP試剤と混ぜる(即ち、細胞培養液とATP試剤が1:1の比率で混ぜる);4 サンプルを2min軽く振り(本手順の細胞、細胞培養液とATP試剤と軽く混ぜる);5 室温で10min置いておく;6 サンプルをELISA用プレートに取り、機械でLuminescentを検出する。
ATPの量は、Promega会社のCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay (Cat#G7571)を使う。具体的な実験方法:1 試薬キットの中のCellTiter-Glo Substrate(1管)とCellTiter-Glo Buffer(1管)を取り、混合させ、実験前に室温までに回復させる;2 細胞サンプルを培養器から取り、室温に回復するまでに置いておく;3 細胞培養プレートの中のそれぞれのサンプルから一定量の細胞培養液を取り、同量のATP試剤と混ぜる(即ち、細胞培養液とATP試剤が1:1の比率で混ぜる);4 サンプルを2min軽く振り(本手順の細胞、細胞培養液とATP試剤と軽く混ぜる);5 室温で10min置いておく;6 サンプルをELISA用プレートに取り、機械でLuminescentを検出する。
LDHの濃度に対し、上海景源医療機械有限会社(LDH0360)を採用する。具体的な実験方法:1 LDHキットの中の試剤を取り、試剤2と試剤1(1:5)の比率で完全に混ぜた後に、2-8℃で保存しておく;2 ELISA用プレートの中にサンプルを40ul/ホール入れる;3 200ul/ホールの試剤と混ぜた後に、機械で340nmにおける吸光度を測定する。
免疫沈降法を行う(CoIP):細胞破砕液(pH7.6の30mMのHEPES、100mMの塩化ナトリウム、0.5%NP-40と、プロテアーゼインヒビターカクテルとの混合物)を利用し組織または細胞を破砕し、4℃で30min振り、混ぜる。破砕物を4℃、13,000 rpmの状態で遠心させ、沈殿を取り除き、上部の澄み切った部分の総タンパク質を取っておく。冷たい1XPBSでproteinA beadsを洗浄し、PBSでbeadsを再懸濁させ、4000rpmで2min遠心し、上部の澄み切った部分を取り除き、このように3回繰り返して洗浄し、PBSを取り除き、総タンパク質の破砕液とanti-IRS1の抗体を0.5ug加え、4℃の消音ミキサーで4時間分化させる。前述の方法で冷たい1XPBSで沈殿したbeadsを3回洗浄した後に、1Xloading bufferを入れ、100℃で5分間茹で、13000rpmで10min遠心し、上部の澄み切った部分をサンプルとして採取し、SDS-PAGEでサンプルをタンパク質分離し、PVDF膜に転写し、anti-IRS1-PY100の抗体でウェスタンブロッティング分析を行う。その他のタンパク質もそれぞれの対応する特異抗体でウェスタンブロッティング分析を行う。
ユビキチン化分析:特定のプラスミドが伝染したC2C12筋管細胞は10mMのMG132で12時間処理した後に、冷たいリン酸緩衝生理食塩水PBSで細胞を洗浄し、RIPA破砕液(200mMのNaCl,pH値8.0の20mMのTris-Cl,1mM状態のEDTA,1mMのEGTA,1%NP-40,0.5%のデオキシコール酸ナトリウム,0.1%SDS,2.5 mMのピロりん酸ナトリウム,1 mMのβ-グリセロりん酸二ナトリウム五水和物,1 mMのアロキサン,プロテアーゼ阻害剤の混合物及び10mMのMG132)で氷上で10分間破砕させ、13000 rpmで10分間遠心分離する。上部の澄み切った部分をProtein A Sepharose4 Fast Flow(GE Healthcare会社)で1時間処理した後、抗Myc抗体、プロテインA-アガロースと4℃で4時間分化させ、最後にRIPA緩衝液で当該樹脂を三回洗浄し、脱落したものに対しウェスタンブロッティング分析を行う。
身体水準のユビキチン化状況を検測するため、骨格筋肉を液体窒素で粉砕し、上述したRIPA緩衝液で4℃の状態で1時間破砕した後に、13000 rpmで10分間遠心分離する。プロテインA-アガロースを特定抗体と4℃で8時間分化させた後に、700ugの破砕物と4℃で3時間分化させる。最後にRIPA緩衝液で免疫沈降物を洗浄し、2XSDSサンプルバッファーで脱落したものに対しウェスタンブロッティング分析を行う。
組織学分析:組織学分析に用いる組織(肝臓、膵臓、褐色脂肪、内蔵脂肪と骨格筋)は4%のパラホルムアルデヒド(pH7.4)に一晩浸け、パラフィンに包み、5 umの幅で連続切片する。且つそれに対し標準のHE染色及び免疫蛍光染色を行う。
血圧測量:収縮期血圧と拡張期血圧の測定は一種の非侵襲性の方法で意識をもつマウスに対し、テイルカフセンサーで37℃(Visitech BP-2000血圧分析システム)まで加熱し、完成させたのである。マウスは当該設備に対する適応期が7-10日間で、その後に二回にわたり測定を経て、毎日10匹の動物を測定し、血圧が安定するまで連続三日間続く。
2-NBDGの摂取測定:特定遺伝子の導入したC2C12筋管細胞を血清の含まないDMEM培地で12時間培養し、Krebs-Ringerリン酸塩緩衝液(128mMのNaCl,1.4mM塩化カルシウム,1.4mMの乾燥した硫酸マグネシウム,5.2mMの塩化カリウム,10mMのリン酸二ナトリウムと2mMのピルビン酸ナトリウム,pH7.4)の中に浸け、37℃で30分間分化させた後に、0.1uMのインスリンと100uM2 -NBDG(Invitrogen)で37℃の状態で6時間処理する。それから、細胞を冷たいPBS緩衝液で三回洗浄し、0.5%のトリプシンで細胞を分解させ、1000rpmで5分間遠心分離し、PBSで細胞を再懸濁し、最後にFACSCaliburフローサイトメトリー(BD)でFL1の蛍光強度を測定する。
代謝測定:ブドウ糖負荷試験の中、マウスを禁食させ、一晩過ごしてから(16時間)、腹腔にD-ブドウ糖(2g/kg体重)を注射する。インスリン負荷試験の中、マウスを無作為に飼育し、腹腔にウシインスリン(0.75U/kg体重,Sigma-Aldrich会社)を注射する。ブドウ糖の刺激によるインスリンの分泌を測定するため、マウスが禁食16h後に腹腔にD-ブドウ糖(2g/kg)を注射する。注射前と注射後の違う時点の尾静脈血を採取する。血糖値とインスリン濃度の測定はAccuCheckの血糖測定器(羅氏診断会社製)と凌嘉研究のELISAキット(目録の数量EZRMI-13K)を利用してそれぞれ行う。血清トリグリセリドとコレステロールの濃度はキット(目録番号がそれぞれ290-63701と294-65801)を使って測定する。
代謝率の分析では、マウスを12時間日照/夜の環境の中にそれぞれおく。総合的の動物代謝測定システム(CLAMS;コロンブス機械会社)を使い、マウスの連続72時間超の酸素消費量(VO2)と二酸化炭素の生産(VCO2)を評価する。エネルギー支出の計算公式は:エネルギー支出=(3.815+1.232VO2/VCO2)×VO2。
統計:統計的有意性の検証グループ間の差異は一元配置分散分析法(ANOVA)または重複測定の分散分析を利用し、適宜の時期にBonferroniでt検定する。あらゆるP値が0.05より小さければ有意となる。データはmean+s.e.mとして表す。
本発明は一種の動物発現ベクターを提供し、当該ベクターに上述したMG53ミュータント遺伝子を挿入した;当該動物の発現ベクターはアデノウイルス発現ベクターでもありえ、pcDNA4/TO/Myc-His Bでもありえる。
本発明は一種の動物細胞も提供し、当該細胞に上述した動物発現ベクターが伝染した;当該動物細胞はC2C12筋管細胞である。
本発明は上述したMG53ミュータントが心筋損傷を修復する薬物の製造と応用における用途も提起した;その中主に心筋損傷の修復時に起こるインスリン抵抗性、心臓虚血性傷害、心臓虚血/再灌流傷害、心筋梗塞、心不全、不整脈、心臓破裂に対処する薬物における用途が含まれる。とりわけ、本発明は一種のMG53ミュータントがインスリン抵抗性、肥満と糖尿病等の代謝性疾患に対処する薬剤の製薬における用途を提起した。更に優良とされるのは血圧調整に対する薬剤の製薬・応用における用途である。
上述した用途は、当該MG53ミュータントがMG53C14Aで、MG53C14Aが心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途である。
及び、MG53ミュータントがMG53C29Aである場合、上述の用途はMG53C29Aが心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途である。
及び、MG53ミュータントがMG53C34Aである場合、上述の用途はMG53C34Aが心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途である。
[付図説明]
図1:MG53、MG53C14AもMG53 ・RINGも酸素欠乏に起因する心筋細胞の損傷が保護できる。
[付図説明]
図1:MG53、MG53C14AもMG53 ・RINGも酸素欠乏に起因する心筋細胞の損傷が保護できる。
心筋細胞を培養する中、細胞内のATPの量(左図)と細胞外の乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度(右図)を通して酸素欠乏に起因する過剰発現の対照ベクター(vector)を検測した細胞が明らかに死亡したのに対し、過剰発現のMG53或はMG53C14Aの細胞の中では細胞の死亡が明らかに減少した。同様に、過剰発現のMG53 ・RINGも酸素欠乏に起因する心筋細胞の死亡を緩和することができる(下図)。
図2:MG53のノックアウトは高脂肪食による代謝疾患から保護できる。
a 正常飲食または高脂肪食を与えた野生型とMG53ノックアウトマウスの違う時点の体重変化。b-e 正常飲食または高脂肪食を35週間与えた野生型とMG53ノックアウトマウスの血圧(b)、血糖(c)、血中インスリン(d)、血中コレステロール(e)和血中トリグリセリド(f)のデータ。
図3:MG53のノックアウトは高脂肪食によるインスリン抵抗性から保護できる。
a 正常飲食または高脂肪食を30週間与えた野生型とMG53ノックアウトマウスのブドウ糖負荷量(左)とインスリン負荷量(右)のデータ。b 正常飲食または高脂肪食を30週間与えた野生型とMG53ノックアウトマウスのブドウ糖に起因するインスリン分泌のデータ。
図4:MG53遺伝子の組み換えが引き起す肥満と代謝疾患。
a western blots実験でMG53トランスジェニックマウスの違う組織の中のMG53の発現量を検測する。b 正常飲食を与えた野生型とMG53ノックアウトマウスの違う時点の体重データ。c 正常飲食を38週間与えた野生型とMG53トランスジェニックマウスの血中インスリン、血糖、血圧と血中コレステロールのデータ。
図5:MG53のノックアウトは高脂肪食によるインスリン抵抗性から保護できる。
a 正常飲食を38週間与えた野生型とMG53トランスジェニックマウスの骨格筋の中、インスリン(Insulin)の刺激によるIR、IRS1とAktのリン酸化と総タンパク質量の変化。左側は代表的なwestern blots図で、右側は左側データの統計図である。b 正常飲食または高脂肪食を35週間与えた野生型とMG53ノックアウトマウスの骨格筋の中、インスリン(Insulin)の刺激によるIR、IRS1とAktのリン酸化と総タンパク質量の変化。左側は代表的なwestern blots図で、右側は左側データの統計図である。
図6:MG53はIRとIRS1と相互作用し、且つユビキチン化を増加させる。
a 免疫沈降法の実験で、野生型マウスの骨格筋の中におけるMG53とIRとIRS1との相互作用を検測する。b 正常飲食を38週間与えた野生型とMG53トランスジェニックマウスの骨格筋の中、IR(上)とIRS1(下)のユビキチン化程度のデータ。c 正常飲食または高脂肪食を35週間与えた野生型とMG53ノックアウトマウスの骨格筋の中、IR(上)とIRS1(下)のユビキチン化程度のデータ。
図7:RNGフィンガードメインの削除とC14A突然変異のMG53は、IRとIRS1のユビキチン化を増加することできなく、且つインスリン伝達シグナルも抑制できない。
a C2C12筋管細胞の中、MG53の過剰発現(Flag-FL-MG53)はIR(左)とIRS1(右)のユビキチン化の増加を明らかに影響したが、RNGフィンガードメインの削除とC14A突然変異のMG53過剰発現はIR(左)とIRS1(右)のユビキチン化に影響がなかった。b C2C12筋管細胞の中、western blots実験を通して、MG53の過剰発現(FL-MG53)が明らかにインスリン(Insulin)によるIR、IRS1とAktのリン酸化を抑制し、IRとIRS1を減少する総量を検測する;RNGフィンガードメインの削除(・RNG)とC14A突然変異(C14A)のMG53とは類似の作用がない。左側は代表的なwestern blots図で、右側は左側データの統計図である。
図8:プロテアソーム阻害剤はMG53によるインスリンシグナルの変化を制御することができる。
a C2C12筋管細胞の中、western blots実験を通して、MG53の過剰発現(Adv-MG53)は明らかにインスリン(Insulin)によるIR、IRS1とAktのリン酸化を抑制し、且つIRとIRS1の総量を減少するが、プロテアソーム阻害剤・-lacを利用することでMG53の作用を抑制することができる。左側は代表的なwestern blots図で、右側は左側データの統計図である。b C2C12筋管細胞の中、インスリン(Insulin)は細胞のグルコース誘導体(2-NBDG)に対する摂取を増加させたが、MG53の過剰発現(Flag-MG53)はインスリンによる2-NBDGの摂取を抑制し、MG53の作用がプロテアソーム阻害剤・-lacに抑制された。
図9:MG53C29AとMG53C34Aは酸素欠乏による心筋細胞の損傷から保護できる。
培養する心筋細胞のなか、細胞内のATPの量(左図)と細胞外の乳酸脱水素酵素(LDH)の濃度(右図)を通し、酸素欠乏による過剰発現の対照ベクター(vector)の細胞が明らかに死亡したのを検測したが、過剰発現のMG53C29Aと MG53C34Aの二種のミュータントはMG53或はMG53C14Aと同様に、細胞の死亡が明らかに減少できる。
図10:MG53C29AとMG53C34AはIRS1の分解をもたらすことができない。
a 培養するC2C12細胞に、野生型MG53、MG53C14A、MG5329AとMG53C34Aのミュータントを伝染した後、類似水準のMG53/MG53ミュータントが発現できる。b 培養するC2C12細胞の中、MG53の過剰発現は細胞内のIRS1量が低下させられるが、MG53C14Aミュータントのように、MG53C29AとMG53C34AミュータントはIRS1のタンパク質量を低下させることができない。
[具体的実施方案]
以下実施例の中に使う実験キットは市販の北京全式金会社のEasy Mutagenesis Systemのものである。
[具体的実施方案]
以下実施例の中に使う実験キットは市販の北京全式金会社のEasy Mutagenesis Systemのものである。
実施例1. MG53C14Aの突然変異の過程:(MG53タンパク質ミュータント、即ち、MG53ミュータント:MG53C14A)
1、突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点を持たせ、増幅サイズを18-27bpとする。プライマー配列は:
C14A primer 1:
5’-gaactgtccgccccactgtgcttgcagctg-3’
C14A primer 2:
5’- agcacagtggggcggacagttcctgacgca-3’
2、プラスミド200ngを鋳型とし、高品質・高信頼性のDNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させ、その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する。
PCR反応条件は以下のように:
95℃ 10min
95℃ 30sec
55℃ 30sec 20 Cycles
72℃ 3.5sec
72℃ 5min
4℃Hold(維持)
3、DpnIによってPCRの増幅産物を切断し、反応条件は以下のように:10uL PCR産物にDpnIを1uL入れ、37℃の状態にし、一晩置いておく。
4、大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、30分間冷やしておき、42℃の熱で60秒刺激し、LB培地に入れ、37℃で45分間増殖させる。アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、37℃で16時間一晩置き、培養する。
5、プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異の結果を検出する。
参考:StratageneのQuikChange Site-directed Mutagenesis kit.北京全式金会社Easy Mutagenesis System。説明書は以下の公布した内容にて参考ください:http://www.transgen.com.cn/uploadfile/201111/20111109161357731.pdf.
1、突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点を持たせ、増幅サイズを18-27bpとする。プライマー配列は:
C14A primer 1:
5’-gaactgtccgccccactgtgcttgcagctg-3’
C14A primer 2:
5’- agcacagtggggcggacagttcctgacgca-3’
2、プラスミド200ngを鋳型とし、高品質・高信頼性のDNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させ、その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する。
PCR反応条件は以下のように:
95℃ 10min
95℃ 30sec
55℃ 30sec 20 Cycles
72℃ 3.5sec
72℃ 5min
4℃Hold(維持)
3、DpnIによってPCRの増幅産物を切断し、反応条件は以下のように:10uL PCR産物にDpnIを1uL入れ、37℃の状態にし、一晩置いておく。
4、大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、30分間冷やしておき、42℃の熱で60秒刺激し、LB培地に入れ、37℃で45分間増殖させる。アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、37℃で16時間一晩置き、培養する。
5、プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異の結果を検出する。
参考:StratageneのQuikChange Site-directed Mutagenesis kit.北京全式金会社Easy Mutagenesis System。説明書は以下の公布した内容にて参考ください:http://www.transgen.com.cn/uploadfile/201111/20111109161357731.pdf.
実施例2. MG53タンパク質ミュータント、即ち、MG53ミュータント:MG53C17A。
MG53C17Aの突然変異過程:プライマー配列は:
C17A primer 1:
5’- gcccactggccttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17A primer 2:
5’- cagctgcaaggccagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C17Aの突然変異過程:プライマー配列は:
C17A primer 1:
5’- gcccactggccttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17A primer 2:
5’- cagctgcaaggccagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例3. MG53ミュータント:MG53C29A。
MG53C29Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29A primer 1:
5’- acggctgaggctggccacagtttctgccgt-3’
C29A primer 2:
5’- actgtggccagcctcagccgtcactggcgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。或は実施例1または2にて参考ください。
MG53C29Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29A primer 1:
5’- acggctgaggctggccacagtttctgccgt-3’
C29A primer 2:
5’- actgtggccagcctcagccgtcactggcgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。或は実施例1または2にて参考ください。
実施例4. MG53ミュータント:MG53C34A。
MG53C34Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C34A primer 1:
5’- cacagtttcgcccgtgcctgcctgatccgg-3’
C34A primer 2:
5’- gcaggcacgggcgaaactgtggccacactc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C34Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C34A primer 1:
5’- cacagtttcgcccgtgcctgcctgatccgg-3’
C34A primer 2:
5’- gcaggcacgggcgaaactgtggccacactc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例5. MG53ミュータント:MG53C37A。
MG53C37Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C37A primer 1:
5’- tgccgtgccgccctgatccgggtggcaggg -3’
C37A primer 2:
5’- ccggatcagggcggcacggcagaaactgtg -3’
その他の手順はC14Aと同様。或は実施例1~4にて参考ください.
配列対比は付図9にて参照。
MG53C37Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C37A primer 1:
5’- tgccgtgccgccctgatccgggtggcaggg -3’
C37A primer 2:
5’- ccggatcagggcggcacggcagaaactgtg -3’
その他の手順はC14Aと同様。或は実施例1~4にて参考ください.
配列対比は付図9にて参照。
実施例6. MG53ミュータント:MG53C53A。
MG53C53Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C53A primer 1:
5’- acagttgccgctccctgttgtcaggcacct-3’
C53A primer 2:
5’- acaacagggagcggcaactgtgccgtccgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C53Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C53A primer 1:
5’- acagttgccgctccctgttgtcaggcacct-3’
C53A primer 2:
5’- acaacagggagcggcaactgtgccgtccgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例7. MG53ミュータント:MG53C56A。
MG53C56Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C56A primer 1:
5’- tgtccctgtgctcaggcacctacacggccg -3’
C56A primer 2:
5’- aggtgcctgagcacagggacaggcaactgt-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C56Aの突然変異過程:
プライマー配列は:
C56A primer 1:
5’- tgtccctgtgctcaggcacctacacggccg -3’
C56A primer 2:
5’- aggtgcctgagcacagggacaggcaactgt-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例8. MG53ミュータント:MG53C14G。
MG53C14Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14G primer 1:
5’-gaactgtccggcccactgtgcttgcagctg-3’
C14G primer 2:
5’- agcacagtgggccggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C14Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14G primer 1:
5’-gaactgtccggcccactgtgcttgcagctg-3’
C14G primer 2:
5’- agcacagtgggccggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例9. MG53ミュータント:MG53C17G。
MG53C17Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C17G primer 1:
5’- gcccactgggcttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17G primer 2:
5’- cagctgcaagcccagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C17Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C17G primer 1:
5’- gcccactgggcttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17G primer 2:
5’- cagctgcaagcccagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例10. MG53ミュータント:MG53C29G。
MG53C29Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29G primer 1:
5’- acggctgagggtggccacagtttctgccgt-3’
C29G primer 2:
5’- actgtggccaccctcagccgtcactggcgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C29Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29G primer 1:
5’- acggctgagggtggccacagtttctgccgt-3’
C29G primer 2:
5’- actgtggccaccctcagccgtcactggcgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例11. MG53ミュータント:MG53C34G。
MG53C34Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C34G primer 1:
5’- cacagtttcggccgtgcctgcctgatccgg-3’
C34G primer 2:
5’- gcaggcacggccgaaactgtggccacactc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C34Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C34G primer 1:
5’- cacagtttcggccgtgcctgcctgatccgg-3’
C34G primer 2:
5’- gcaggcacggccgaaactgtggccacactc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例12. MG53ミュータント:MG53C37G。
MG53C37Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C37G primer 1:
5’- tgccgtgccggcctgatccgggtggcaggg -3’
C37G primer 2:
5’- ccggatcaggccggcacggcagaaactgtg -3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C37Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C37G primer 1:
5’- tgccgtgccggcctgatccgggtggcaggg -3’
C37G primer 2:
5’- ccggatcaggccggcacggcagaaactgtg -3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例13. MG53ミュータント:MG53C53G。
MG53C53Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C53G primer 1:
5’- acagttgccggtccctgttgtcaggcacct-3’
C53G primer 2:
5’- acaacagggaccggcaactgtgccgtccgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C53Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C53G primer 1:
5’- acagttgccggtccctgttgtcaggcacct-3’
C53G primer 2:
5’- acaacagggaccggcaactgtgccgtccgc -3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例14. MG53ミュータント:MG53C56G。
MG53C56Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C56G primer 1:
5’- tgtccctgtggtcaggcacctacacggccg -3’
C56G primer 2:
5’- aggtgcctgaccacagggacaggcaactgt-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C56Gの突然変異過程:
プライマー配列は:
C56G primer 1:
5’- tgtccctgtggtcaggcacctacacggccg -3’
C56G primer 2:
5’- aggtgcctgaccacagggacaggcaactgt-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例15. MG53ミュータント:MG53C14L。
MG53C14Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14L primer 1:
5’-gaactgtccctcccactgtgcttgcagctg-3’
C14L primer 2:
5’- agcacagtgggagggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C14Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14L primer 1:
5’-gaactgtccctcccactgtgcttgcagctg-3’
C14L primer 2:
5’- agcacagtgggagggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例16. MG53ミュータント:MG53C14V。
MG53C14Vの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14V primer 1:
5’-gaactgtccgtcccactgtgcttgcagctg-3’
C14V primer 2:
5’- agcacagtgggacggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C14Vの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14V primer 1:
5’-gaactgtccgtcccactgtgcttgcagctg-3’
C14V primer 2:
5’- agcacagtgggacggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例17. MG53ミュータント:MG53C14I。
MG53C14Iの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14I primer 1:
5’-gaactgtccatcccactgtgcttgcagctg-3’
C14I primer 2:
5’- agcacagtgggatggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C14Iの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14I primer 1:
5’-gaactgtccatcccactgtgcttgcagctg-3’
C14I primer 2:
5’- agcacagtgggatggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例18. MG53ミュータント:MG53C14P。
MG53C14Pの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14P primer 1:
5’-gaactgtccccaccactgtgcttgcagctg-3’
C14P primer 2:
5’- agcacagtggtggggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C14Pの突然変異過程:
プライマー配列は:
C14P primer 1:
5’-gaactgtccccaccactgtgcttgcagctg-3’
C14P primer 2:
5’- agcacagtggtggggacagttcctgacgca-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例19. MG53ミュータント:MG53C17L。
MG53C17Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C17L primer 1:
5’- gcccactgctcttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17L primer 2:
5’- cagctgcaagagcagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C17Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C17L primer 1:
5’- gcccactgctcttgcagctgttcgatgcgc-3’
C17L primer 2:
5’- cagctgcaagagcagtgggcaggacagttc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例20. MG53ミュータント:MG53C29L。
MG53C29Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29L primer 1:
5’-acggctgagcttggccacagtttctgccgt-3’
C29L primer 2:
5’-actgtggccaagctcagccgtcactggcgc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
MG53C29Lの突然変異過程:
プライマー配列は:
C29L primer 1:
5’-acggctgagcttggccacagtttctgccgt-3’
C29L primer 2:
5’-actgtggccaagctcagccgtcactggcgc-3’
その他の手順はC14Aと同様。
実施例21. MG53ミュータントのプラスミドは、ScreenFectAを使い、細胞にトランスフェクションする方法でMG53ミュータントを得る。
HEK293T細胞を60mmの培地プレートに90%の密度まで培養し、大量のプラスミド(Flag-MG53或Flag-C14A MG53)を用意し、ScreenFectA(Incella)を使い、細胞にトランスフェクションし、具体的な手順は以下のように:
(1)まず細胞の培養液を捨て、DMEM を2mL加える。
(2)eppendoff管Aに提供のdilution buffer を250uL加え、プラスミドを5mg入れ、よく混ぜる;
(3)eppendoff管Bに提供のdilution buffer を250uL加え、ScreenFectAを50uL入れ、よく混ぜる;
(4)5min後、A、B両管の液体を混合させ、室温で30min置いておく;
(5)混合物を均等に細胞に挿入し、6時間培養してから、通常の培地に変える。
48時間後に、細胞破砕bufferで細胞を破砕し、SDS-PAGEでタンパクを分離し、膜に転写した後に、Flag抗体でタンパク質の発現を検出する。
(1)まず細胞の培養液を捨て、DMEM を2mL加える。
(2)eppendoff管Aに提供のdilution buffer を250uL加え、プラスミドを5mg入れ、よく混ぜる;
(3)eppendoff管Bに提供のdilution buffer を250uL加え、ScreenFectAを50uL入れ、よく混ぜる;
(4)5min後、A、B両管の液体を混合させ、室温で30min置いておく;
(5)混合物を均等に細胞に挿入し、6時間培養してから、通常の培地に変える。
48時間後に、細胞破砕bufferで細胞を破砕し、SDS-PAGEでタンパクを分離し、膜に転写した後に、Flag抗体でタンパク質の発現を検出する。
実施例22. PCR法でRINGドメインを切断する:
PCRプライマー:
dR-F:5’-ata ggtacc gccacc atg gcacctacacggccgcagg-3’
dR-R: 5’-ata ctcgag gc ggcctgttcctgctccggc-3’
切断部位はKpnI と XhoIで、MG53の全長プラスミドを鋳型とし、この二つのプライマーにPCRを使い、反応試剤は:
Template DNA: 1 uL (100ng/uL)
Primer dR-F: 1 uL
Primer dR-R: 1 uL
KAPA Hotstart PCR mix: 50 uL
H2O: 47 uL
反応条件は:
98 oC 5 min
98 oC 30 sec
66 oC 30 sec 30 Cycles
72 oC 70 sec
72 oC 5 min
4 oC Hold
反応産物はKpnI/XhoIの二つの酵素で切断処理をし、同時にpcDNA4/TO/myc-His Bプラスミドも同様な酵素で切断処理をする。それから、アガロースゲル電気泳動でDNAを分離し、ゲルを回収し、T4DNAリガーゼで連結し、連結した産物を使って大腸菌Top10菌株を形質転換する。陽性クローニーの検証に、塩基配列決定法で配列が正確であることを検証する。
PCRプライマー:
dR-F:5’-ata ggtacc gccacc atg gcacctacacggccgcagg-3’
dR-R: 5’-ata ctcgag gc ggcctgttcctgctccggc-3’
切断部位はKpnI と XhoIで、MG53の全長プラスミドを鋳型とし、この二つのプライマーにPCRを使い、反応試剤は:
Template DNA: 1 uL (100ng/uL)
Primer dR-F: 1 uL
Primer dR-R: 1 uL
KAPA Hotstart PCR mix: 50 uL
H2O: 47 uL
反応条件は:
98 oC 5 min
98 oC 30 sec
66 oC 30 sec 30 Cycles
72 oC 70 sec
72 oC 5 min
4 oC Hold
反応産物はKpnI/XhoIの二つの酵素で切断処理をし、同時にpcDNA4/TO/myc-His Bプラスミドも同様な酵素で切断処理をする。それから、アガロースゲル電気泳動でDNAを分離し、ゲルを回収し、T4DNAリガーゼで連結し、連結した産物を使って大腸菌Top10菌株を形質転換する。陽性クローニーの検証に、塩基配列決定法で配列が正確であることを検証する。
申請者の構築したdRINGプラスミドは発現するタンパク質が:N-末端58Alaから始まり、MG53全タンパク質まで終わり、且つC-末端にMycラベルをもつ。
実施例23. 違うミュータントとMG53野生型が心筋細胞を酸素欠乏から保護する能力の差異
実施例1、3、4 によりMG53C14A、MG53C29A、MG53C34Aの三種のプラスミドを構築し、実施例21により心筋細胞の発現を行い、酸素欠乏の状態で細胞内のATPの量と細胞外の乳酸脱水素酵素の濃度に対する検出を通し、酸素欠乏による対照ベクター(vector)過剰発現の細胞が明らかに死亡したが、MG53C29Aと MG53C34A過剰発現の二種のミュータントは共にMG53或はMG53C14Aみたいに、細胞の死亡を明らかに減少することができたのがわかった。図9にてご参考。
実施例1、3、4 によりMG53C14A、MG53C29A、MG53C34Aの三種のプラスミドを構築し、実施例21により心筋細胞の発現を行い、酸素欠乏の状態で細胞内のATPの量と細胞外の乳酸脱水素酵素の濃度に対する検出を通し、酸素欠乏による対照ベクター(vector)過剰発現の細胞が明らかに死亡したが、MG53C29Aと MG53C34A過剰発現の二種のミュータントは共にMG53或はMG53C14Aみたいに、細胞の死亡を明らかに減少することができたのがわかった。図9にてご参考。
細胞を酸素欠乏にする方法は、細胞をRPMI1640/5% のウシ胎児血清の培地の中に48時間培養した後に、培地を血清の含まない且つ95%の窒素と5%の二酸化炭素の飽和したRPMI1640培地に変更し、細胞を95%の窒素と5%の二酸化炭素の満ちた37℃の密室(Ohmeda oxygen monitor, type 5120)に置き、細胞の酸素欠乏状態を実現する。対照の正常状態として、細胞の培地をRPMI1640/5% のウシ胎児血清に変え、5%の二酸化炭素を含む37℃の保温器に置く。
心筋細胞損傷の検出方法は以下のように:
ATPの量は、Promega会社のCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay (Cat#G7571)を使う。具体的な実験方法:1 実験キットの中のCellTiter-Glo Substrate(1管)を採取し、CellTiter-Glo Buffer(1管)と混ぜ、実験前に試剤を室温まで置いておく;2 細胞サンプルを保温器から取り出し、室温まで置いておく;3 細胞培養プレートのサンプルからそれぞれ一定量の細胞培養液を採取し、同じ量のATP試剤と混合させる(即ち、細胞培養液とATP試剤と1:1の比率で混ぜる);4 サンプルを2min軽く振る(本手順の中の細胞、細胞培養液とATP試剤を軽く混ぜる);5 室温状態で10min置いておく;6 サンプルをELISA用プレートに移し、機械でLuminescentを検出する。LDHの濃度は、上海景源医療機械有限会社(LDH0360)を利用する。具体的な実験方法:1 LDH実験キットから試剤を採取し、試剤2と試剤1(1:5)の比率に基づき、完全に混合した後、2-8℃で保存しておく;2 ELISA用プレートにサンプルを40ul/ホール入れる;3 200ul/ホールの試剤と混ぜた後に、機械で340nmにおける吸光度を検出する。
ATPの量は、Promega会社のCellTiter-Glo Luminescent Cell Viability Assay (Cat#G7571)を使う。具体的な実験方法:1 実験キットの中のCellTiter-Glo Substrate(1管)を採取し、CellTiter-Glo Buffer(1管)と混ぜ、実験前に試剤を室温まで置いておく;2 細胞サンプルを保温器から取り出し、室温まで置いておく;3 細胞培養プレートのサンプルからそれぞれ一定量の細胞培養液を採取し、同じ量のATP試剤と混合させる(即ち、細胞培養液とATP試剤と1:1の比率で混ぜる);4 サンプルを2min軽く振る(本手順の中の細胞、細胞培養液とATP試剤を軽く混ぜる);5 室温状態で10min置いておく;6 サンプルをELISA用プレートに移し、機械でLuminescentを検出する。LDHの濃度は、上海景源医療機械有限会社(LDH0360)を利用する。具体的な実験方法:1 LDH実験キットから試剤を採取し、試剤2と試剤1(1:5)の比率に基づき、完全に混合した後、2-8℃で保存しておく;2 ELISA用プレートにサンプルを40ul/ホール入れる;3 200ul/ホールの試剤と混ぜた後に、機械で340nmにおける吸光度を検出する。
実施例24. 違うミュータントとMG53野生型C2C12細胞のタンパク質発現能力の差異
実施例1、3、4により、MG53C14A、MG53C29A、MG53C34A三種のプラスミドを構築し、C2C12筋芽細胞(細胞資源センター、IBMS、中国医学科学院/中国協和医科大学から)を5%の二酸化炭素を含む37℃の細胞培養ケースに入れ、Dulbeccoの改良したEagle培地(DMEM)で培養した後、当該培地の中に10%のウシ胎児血清(Sigma-Aldrich会社)、0.11g/Lのピルビン酸ナトリウムとが1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補充される。C2C12筋芽細胞の密度が90%の際、我々はアデノウイルス感染またはプラスミド伝染を通して四種類のプラスミドの導入を行う。それから、細胞が2%のウマ血清を含むDMEM培地の中で四日間培養されたら、筋管に分化する。
実施例1、3、4により、MG53C14A、MG53C29A、MG53C34A三種のプラスミドを構築し、C2C12筋芽細胞(細胞資源センター、IBMS、中国医学科学院/中国協和医科大学から)を5%の二酸化炭素を含む37℃の細胞培養ケースに入れ、Dulbeccoの改良したEagle培地(DMEM)で培養した後、当該培地の中に10%のウシ胎児血清(Sigma-Aldrich会社)、0.11g/Lのピルビン酸ナトリウムとが1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補充される。C2C12筋芽細胞の密度が90%の際、我々はアデノウイルス感染またはプラスミド伝染を通して四種類のプラスミドの導入を行う。それから、細胞が2%のウマ血清を含むDMEM培地の中で四日間培養されたら、筋管に分化する。
培養するC2C12細胞の中に、野生型MG53、MG53C14A、MG5329AとMG53C34Aミュータントを伝染した後に、類似水準のMG53/MG53ミュータントが発現できる。図10 aにてご参考。
実施例25. 違うミュータントとMG53野生型がIRS1を分解する能力の差異
実施例1、3、4により、MG53C14A、MG53C29A、MG53C34A三種のプラスミドを構築し、C2C12筋芽細胞成(細胞資源センター、IBMS、中国医学科学院/中国協和医科大学から)を5%の二酸化炭素を含む37℃の細胞培養ケースに入れ、Dulbeccoの改良したEagle培地(DMEM)で培養した後、当該培地の中に10%のウシ胎児血清(Sigma-Aldrich会社)、0.11g/Lのピルビン酸ナトリウムとが1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補充される。C2C12筋芽細胞の密度が90%の際、我々はアデノウイルス感染またはプラスミド伝染を通して四種類のプラスミドの導入を行う。それから、細胞が2%のウマ血清を含むDMEM培地の中で四日間培養されたら、筋管に分化する。
実施例1、3、4により、MG53C14A、MG53C29A、MG53C34A三種のプラスミドを構築し、C2C12筋芽細胞成(細胞資源センター、IBMS、中国医学科学院/中国協和医科大学から)を5%の二酸化炭素を含む37℃の細胞培養ケースに入れ、Dulbeccoの改良したEagle培地(DMEM)で培養した後、当該培地の中に10%のウシ胎児血清(Sigma-Aldrich会社)、0.11g/Lのピルビン酸ナトリウムとが1%のペニシリン-ストレプトマイシンが補充される。C2C12筋芽細胞の密度が90%の際、我々はアデノウイルス感染またはプラスミド伝染を通して四種類のプラスミドの導入を行う。それから、細胞が2%のウマ血清を含むDMEM培地の中で四日間培養されたら、筋管に分化する。
共免疫沈降法(CoIP)を行う:破砕液(pH7.6の30mMのHEPES、100mMの塩化ナトリウム、0.5%NP-40、とプロテアーゼ阻害剤との混合物)を利用し、組織または細胞を破砕し、4℃で30min振り、混ぜる。破砕物を4℃、13,000 rpmの状態で遠心させ、沈殿を取り除き、上部の澄み切った部分の総タンパク質を取っておく。冷たい1XPBSでproteinA beadsを洗浄し、PBSでbeadsを再懸濁させ、4000rpmで2min遠心し、上部の澄み切った部分を取り除き、このように3回繰り返して洗浄してから、PBSを取り除き、総タンパク質の破砕液とanti-IRS1の抗体を0.5ug加え、4℃の消音ミキサーで4時間分化させる。前述の方法で冷たい1XPBSで洗浄し沈殿したbeadsを3回洗浄した後に、1Xloading bufferを入れ、100℃で5分間茹で、13000rpmで10min遠心し、上部の澄み切った部分をサンプルとして採取し、SDS-PAGEによりサンプルをタンパク質分離し、PVDF膜に転写し、anti-IRS1-PY100の抗体でウェスタンブロッティング分析を行う。その他のタンパク質もそれぞれの対応する特異抗体でウェスタンブロッティング分析を行う。
培養するC2C12細胞の中、MG53の過剰発現は細胞内のIRS1量が低下させられるが、MG53C14Aミュータントのように、MG53C29AとMG53C34AミュータントはIRS1タンパクの量を低減することができない。当該実施例はMG53の過剰発現と比較すれば、その他のMG53ミュータントがインスリン抵抗性を引き起こさず、身体の代謝への影響が小さいことを証明した。図10bにてご参考。
実験では、実施例1で述べたMG53C14Aを含むMG53ミュータント、即ちMG53C14A、MG53C17A、MG53C29A 、MG53C34A、MG53C37A、MG53C53A 、MG53C56Aが全部心臓への保護作用があり、心臓損傷から保護できることを証明した。MG53の量の上昇は心臓を保護する同時に、インスリン抵抗性、肥満と糖尿病を引き起こし、つまりMG53が心臓を保護する同時に、インスリン抵抗性、肥満と糖尿病と代謝疾患などの副作用も伴う。しかし、MG53の14番目、17番目、29番目、34番目、37番目、53番目、56番目のシステインは、とりわけ14番目のCが、MG53のインスリン抵抗性、肥満と糖尿病をもたらすのに必要であり、つまり、上述した部位のシステイン、とりわけ14番目のCが突然変異したMG53ミュータント(例えばMG53C14A)はインスリン抵抗性、肥満と糖尿病を引き起こさずに依然として心筋細胞の損傷からも保護でき、即ち、MG53ミュータント(例えばMG53C14A)はインスリン抵抗性、肥満と糖尿病等の副作用を引き起こさない前提で、心臓保護の功能を果たすのである。
本発明で述べたMG53ミュータントは、上述した実施例のMG53ミュータントも含み、その配列の属が霊長類動物(例えば:人類)、ラットとマウスを含む。その中、本実験で使用した原始野生の配列はマウスMG53(TRIM72)mRNA のNCBI番号: NM_001079932.3であり、その他の配列は人類からの採取:mRNA :NM_001008274.3関連のアミノ酸配列:NP_001008275.2。ラット:mRNA: NM_001077675.1関連のアミノ酸配列: NP_001071143.1。猿:mRNA:XM_001112866.2関連のアミノ酸配列: XP_001112866.1。且つ、これらの配列に限ることなく、上述した種のあらゆるMG53の関連配列も含むべきである。例えば、上記の配列をもとに得たMG53ミュータント。
本申請で言及したミュータントは、即ち突然変異タンパク質或はミュータントタンパク質のことである。
以上は本発明をより細かく説明するためのであり、本発明の範囲を制限するのではない。本領域の技術者は本文で公布した実施方法に対し、本発明の範疇と精神から偏らずに改善と変更することができる。
Claims (20)
- 一種のMG53ミュータントであって、当該MG53ミュータントがMG53アミノ酸配列のN末端のRINGドメインの7つのシステインの中、いずれの一つや二つ若しくは二つ以上のシステインを非極性アミノ酸に突然変異させるミュータントであり、
当該7つのシステインはそれぞれRINGドメインの14番目、17番目、29番目、34番目、37番目、53番目、56番目の遺伝子座にあることを特徴とするMG53ミュータント。 - 上記述べたアミノ酸がアラニン、アミノ酢酸、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはDL-メチオニンであることを特徴とする請求項1で述べたMG53ミュータント。
- 上記述べた非極性アノミ酸がアラニン、アミノ酢酸、ロイシン、プロリン、バリンまたはイソロイシンであることを特徴とする請求項2で述べたMG53ミュータント。
- 一種のMG53ミュータントの遺伝子であって、MG53ミュータント遺伝子が請求項1で述べたMG53ミュータントの塩基配列をもっていることを特徴とするMG53ミュータントの遺伝子。
- 上記述べた非極性アミノ酸がアラニンの時、MG53ミュータントがMG53C14A、MG53C17A、MG53C29A、MG53C34A、MG53C37A、MG53C53A、MG53C56Aの中、いずれかの一つにあたることを特徴とする請求項3で述べたMG53ミュータント。
- 一種のMG53ミュータントの突然変異方法であって、当該方法が部位特異的突然変異誘発キットを使って野生型MG53プラスミドの完全長cDNAライブラリに対し、部位特異的突然変異誘発をさせ、MG53ミュータントのプラスミドというものを得ることを特徴とするMG53ミュータントの突然変異方法。
- 部位特異的突然変異誘発キットを使って野生型MG53プラスミドの完全長cDNAライブラリに対し突然変異させ、遺伝子座14のシステインが非極性アミノ酸へと突然変異したMG53ミュータントのプラスミドを得ることを特徴とする請求項6で述べた突然変異方法。
- 当該部位特異的突然変異誘発の過程が:
(1)まず突然変異プライマーを設計し、上下流のプライマーを全部突然変異点を持たせ、増幅サイズを18-27bpとする;
(2)突然変異させようとするプラスミドを鋳型とし、DNAポリメラーゼを使用し、特異性突然変異プライマーを使ってPCR法で大量に増幅させ、その増幅産物をアガロースゲル電気泳動で鑑定する;当該突然変異させようとするプラスミドが野生型プラスミドである;
(3)DpnIによってPCRの増幅産物を切断する;
(4)大腸菌コンピテントセルTOP10を形質転換し、融解させ、処理後のPCR増幅産物を加え、冷やしておく;LB培地に入れ、増殖させ、アンピシリンを含ませたLBプレートに接種し、培養した後プレート上のシングルコロニーを採取し、DNA塩基配列決定法で突然変異が陽性結果と検出し、得た突然変異遺伝子をベクターに導入してMG53ミュータントのプラスミドを得る;
(5)上述するMG53ミュータントのプラスミドは、ScreenFectAで細胞にトランスフェクションする方法でMG53ミュータントを得る;
ことを特徴とする請求項6で述べた突然変異方法。 - 一種の動物発現ベクターであって、当該ベクターには請求項8でのMG53ミュータントの遺伝子を導入したことを特徴とする動物発現ベクター。
- 当該ベクターがアデノウイルスの発現ベクターでありえることを特徴とする請求項9で述べた動物発現ベクター。
- 当該ベクターがpcDNA4/TO/Myc-His Bでありえることを特徴とする請求項10で述べた動物発現ベクター。
- 当該細胞が請求項9または10で述べた動物発現ベクターをトランスフェクションされたことを特徴とする動物細胞。
- その動物細胞がC2C12筋管細胞であることを特徴とする請求項12で述べた動物細胞。
- 請求項1で述べたMG53ミュータントは、心筋損傷修復の薬物の製造と応用における用途。
- その薬物が心筋損傷の修復時に起こるインスリン抵抗性、心臓虚血性傷害、心臓虚血再灌流傷害、心筋梗塞、心不全、不整脈、心臓破裂に対処する薬物の製造と応用における用途であることを特徴とする請求項14で述べた用途。
- 当該薬物がインスリン抵抗性、肥満と糖尿病等の代謝性疾患に対処する薬剤の製薬と応用における用途であることを特徴とする請求項14で述べた用途。
- 当該薬剤が血圧調整に対する薬剤の製薬・応用における用途であることを特徴とする請求項14で述べた用途。
- 当該MG53ミュータントがMG53C14Aで、MG53C14Aが心筋損傷の治療に対処薬物の製造における用途であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項で述べた用途。
- 当該MG53ミュータントがMG53C29Aで、MG53C29Aが心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項で述べた用途。
- 当該MG53ミュータントがMG53C34Aで、MG53C34Aが心筋損傷の治療に対処する薬物の製造における用途であることを特徴とする請求項14から17のいずれか1項で述べた用途。
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