JP2016505667A - グリセロールの短鎖アルキルエステルを含むゴム混合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも、それぞれの場合において、1種の非極性のゴム、カーボンブラック、およびグリセロールの短鎖アルキルエステルを含むゴム混合物、それらの製造、使用、ならびにそのようにして得ることが可能な加硫物に関する。

Description

本発明は、グリセロールの短鎖エステルを含む新規なゴム混合物、それらのゴム混合物を製造および加硫させるための方法、加硫物を製造するためのそれらのゴム混合物の使用、それらのゴム混合物を使用することにより得られる加硫物、前記加硫物を含むゴム製品、ならびに前記ゴム製品を含む車両、に関する。
ゴム混合物の物理的性質に課せられる要求は常に高まっており、たとえば、立法化および経済要因のために、タイヤの製造業者は転がり抵抗性の抑制を要請されている。しかしながら、言うまでもないことであるが、濡れ時におけるグリップ性(これは安全性に関わる性質である)を低下させることによってそれを達成するのは許されず、また回転騒音の上昇を伴うことも受け入れられない。回転の変形エネルギーを低下させるため、および/または動的な走行性能、さらには摩耗を改良するために、たとえばカーボンブラック、シリカ、セルロース、またはフィロシリケートなどの補強用フィラーを添加することが可能であることは公知である。
しかしながら、補強用フィラーは多くの場合、そのゴム混合物のムーニー粘度を高くし、そのために加工性が低下する。そのため、これに対抗するために、ほとんどの場合において、ゴム混合物に対して、補強用フィラーに加えて助剤も添加され、これらは、ゴム混合物の加工性を改良することを目的としている。この目的のために使用される物質の例としては、脂肪酸エステル、脂肪酸塩、または可塑剤オイルが挙げられるが、これらのものは、流動性を改良するものの、それらは加硫物の硬度をかなり低下させ、したがって充填剤の補強効果が抑制され、そのため、それらから製造された自動車用タイヤは、走行性能、特にカーブまわりでの性能が不満足なものとなる。それに対処するために、補強用フィラーの割合をさらに増やせば、加硫物の硬度は高くなるが、それと同時に、混合物の粘度もより高くなり、そのことが、加硫物の加工性にとって不利となる。可塑剤オイルを減らすことについても、同じことがあてはまる。
加工性を良好とするためには、ゴム混合物が低い粘度(ムーニー粘度ML1+4/100℃)を示す必要があるだけではなく、ゆっくりと(長いスコーチ時間)始まり、熱をかけることによる完全加硫プロセスがその後に続く、加硫プロセスが、可能な限り高速で進行して、製造サイクルを短縮し、エネルギーコストを低減させることができるようにする必要がある。従来技術においてこの目的のために使用されている助剤の例としては、たとえばスルフェンアミド、たとえば、CBS(n−シクロヘキシルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド)などの加硫促進剤が挙げられる。可塑剤および/または加工添加剤が、スコーチ時間を長引かせ、完全加硫を加速することができる効果については、これまで何らの開示もない。当業者はさらに、硬度に関する悪影響があるような可塑剤を期待している。
トリアセチン(グリセロールトリアセテート、CAS No.102−76−1)が、たとえばデンプン(特許文献1)、ポリラクチド(特許文献2)、および消しゴム(特許文献3)のための可塑剤として記載されている。アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)中での可塑剤としての使用は、(非特許文献1)に記載がある。しかしながら、可塑化アクリロニトリル−ブタジエンゴムにおける膨潤挙動に関しては、わずかな詳細しか提供されていない。ゴムマトリックスと「溶媒」(この場合は、トリアセチン)との間の相互作用が良好なほど、膨潤度が高くなる。すなわち一定架橋密度での膨潤。膨潤挙動を検討した結果からは、トリアセチンに関しては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムマトリックスが、極めて低い膨潤指数を有していることが明らかに示される。このことから、当業者ならば、トリアセチンは、アクリロニトリル−ブタジエンゴムのための良好な溶媒ではなく、このゴムマトリックスに関しては良好な相溶性を示さず、そのため、ゴムの流動性を実質的に変化させることはない、との結論に達するであろう。
(特許文献4)には、成分Aとして1種または複数のエーテルチオエーテルおよび/またはエステルチオエーテル、そして成分Bとしてグリセロールとカルボン酸との1種または複数のエステルたとえばトリアセチンを含む、可塑剤の調製法が記載されている。この混合物について言及されている唯一の応用分野は、同様に、極性のゴム、特にNBRである。このタイプのトリアセチン含有ゴム混合物のムーニー粘度(ML1+4)は、トリアセチンを含まない参照混合物のそれとほぼ同じである。しかしながら、多くの用途、特にタイヤでは、極性がより低い、本質的には非極性のゴムが使用される。
非極性のタイプのゴムにおける、可塑剤および/または加工添加剤としてのトリアセチンの使用については、これまで記載されていない。さらに、当業者ならば、これを実施可能とは考えないであろう。その理由は、良好な性質を有するゴム混合物の製造は、それらの成分の相溶性に依存するからである。(非特許文献2)によれば、可塑剤のゴムにおける相溶性は、ゴムと可塑剤の溶解パラメーターに基づいて推定することが可能である。この場合、溶解パラメーターの差が、第一次近似で、±10%以内であるべきである。前記公刊物において与えられたゴムの溶解パラメーターは、以下のとおりである。
Figure 2016505667
RoethemeyerおよびSommerの教示に基づけば、当業者ならば、非極性のゴム、たとえば溶解度積17.6を有するゴムにおいて、トリアセチンは一般的に、溶解度積の差がすでに20%あるため、良好な溶解性を有するとは期待しないであろう。
国際公開第9005161A1号パンフレット 米国特許第6,117,928号明細書 特開2002−254894号公報 独国特許出願公開第102010005558A号明細書 欧州特許第1813310号明細書
Plasticization of butadiene acrylonitrile rubber,Senichev,V.Yu,ISSN:0022−9466 Roethemeyer and Sommer(Kautschuktechnologie[Rubber technology],Hanser Verlag,Munich,Vienna,2nd edn,2006,ISBN−13:978−3−446−40480−9,pp.331〜333)
本発明の目的は、高い硬度と破断時伸びとを有する加硫物に変換することが可能であり、非極性のゴムをベースとし、改良された加工性、たとえば低ムーニー粘度、長いスコーチ時間、および短い完全加硫時間を備えた、ゴム混合物を提供することであった。
驚くべきことには、非極性のゴムおよび充填剤を含むゴム混合物に対してグリセロールの短鎖アルキルエステルを添加すると、ムーニー粘度をかなり低下させ、実質的により良好な加工性が得られることが、今や見いだされた。アルキルエステルを添加することでさらに、スコーチ時間が延長し、完全加硫時間が短縮され、良好な加硫物硬度も達成され、濡れ時におけるグリップ性は実質的に損なわれない。
本発明は、少なくとも、それぞれの場合において、1種の非極性のゴム、充填剤、および式(I)
Figure 2016505667
[式中、
R1、R2、およびR3は相互に独立して、水素または直鎖状もしくは分岐状のC1〜C4−アルキル残基、好ましくは直鎖状もしくは分岐状のC1〜C4−アルキル残基、特に好ましくは直鎖状もしくは分岐状のC1〜C2−アルキル残基、極めて特に好ましくはメチルである]
で表されるグリセロールの短鎖アルキルエステルを含む、ゴム混合物を提供する。
その中でR1、R2、およびR3がメチルである式(I)の化合物は、グリセロールトリアセテート、1,2,3−プロパントリオールトリアセテート、またはトリアセチンと呼ばれ、市場で入手可能である。すべての式(I)の化合物はさらに、植物由来のグリセロールから得ることができる、すなわち、少なくともいくらかの程度までは、再生可能な粗原料から得ることができるという利点も提供する。
驚くべきことには、式(I)の化合物、特にトリアセチンは、セルロースおよび/またはセルロース誘導体、特にセルロースと、フェニルイソシアネート、無水n−酪酸、無水酢酸、ブチルイソシアネート、塩化ステアリル、ステアリルイソシアネート、または塩化ブチリルとの反応生成物を、溶媒和させたり溶解させたりすることが可能であり、そのため、本発明のゴム混合物において有利に使用することが可能であり得ることもさらに見いだされた。好ましいのは、セルロースをエステル化させるのにカルボン酸を使用することによって得ることが可能なセルロース誘導体であり、セルロースアセテートが極めて特に好ましい。ここでそれらのセルロースまたはその誘導体は、単独で使用することもできるし、あるいは、任意の所望の混合物として使用することもできるが、セルロースアセテートを単独で使用するのがこの場合では最も好ましい。本発明のゴム混合物中の式(I)の化合物を合計した割合は、一般的には1〜40phr、好ましくは2〜20phr、特に好ましくは4〜15phr、極めて特に好ましくは6〜10phrであるが、式(I)の化合物をセルロースおよび/またはセルロース誘導体と併用する場合には、本発明のゴム調製物中のトリアセチンの含量はより高くすることが可能であり、0.1〜80phr、好ましくは0.2〜60phr、特に好ましくは0.5〜45phr、特に5〜30phrの範囲とすることが可能であり、この場合、セルロースおよび/またはセルロース誘導体の含量は、典型的には0.1〜100phr、好ましくは0.2〜50phr、特に好ましくは0.3〜30phr、最も好ましくは0.3〜10phrである。phrという単位は、そのゴム混合物中で使用されているゴム100重量部を基準にした重量部を表している。
ゴム
本発明のゴム混合物には、少なくとも1種の非極性のゴムが含まれている。本発明の用途の目的においては、このことは、18.0以下、好ましくは16〜18の範囲、特に好ましくは16.5〜17.6の範囲の溶解度積(RoethemeyerおよびSommerにより前述の文献に記載されている方法に従ったもの)を有しているゴムを意味している。好ましいのは、ジエンをベースとするゴム、特には、二重結合を含むが、ゲル含量を実質的に含まない、DIN/ISO 1629においてRゴムに分類されているゴムである。それらのゴムでは、主鎖に二重結合が含まれている。好適に使用されるゴム成分の例は、以下のものをベースとするものであるか:
NR:天然ゴム
または、合成ゴムをベースとするもの、たとえば:
SBR:スチレン/ブタジエンゴム
BR:ポリブタジエンゴム
IR:ポリイソプレン
SIBR:スチレン/イソプレンゴム
IIR:ブチルゴム(イソブテン/イソプレンゴム)
およびそれらの混合物である。
本発明における二重結合を含むゴムにはさらに、DIN/ISOにおいて、1629Mゴムとされ、飽和した主鎖に加えて、ペンダントされた鎖に二重結合を有しているものも含まれる。それらの例には、たとえばEPDMが挙げられる。
本発明において好適なゴムは、NR、BR、SBR、IIR、およびEPDM、特にはNR、BR、およびSBR、極めて特にはNRおよびBRの群からのもの、さらにはそれらのゴムの混合物である。
スチレン/ジオレフィン(特にブタジエン)ゴムという表現には、溶液法SBRゴム(略称:SSBR)、およびエマルション法SBRゴム(略称:ESBR)が含まれている。SSBRとは、ビニル芳香族化合物および共役ジエンをベースとし、溶液プロセスで製造されたゴム状ポリマーを意味している。好適なビニル芳香族モノマーは、スチレン、o−、m−およびp−メチルスチレン、工業グレードのメチルスチレン混合物、p−tert−ブチルスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、およびジビニルナフタレンである。スチレンが好ましい。ポリマーの中に組み入れられるビニル芳香族化合物の含量は、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは10〜40重量%である。好適なジエンは、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、および1,3−ヘキサジエンであり、好ましくは1,3−ブタジエンおよびイソプレンである。ポリマーの中に組み入れられるジエンの含量は、一般的には50〜95重量%、好ましくは60〜90重量%である。ポリマーの中に組み入れられるジエンの中のビニル基の含量は、一般的には10〜90%であり、1,4−trans二重結合の含量は、20〜80%である。1,4−cis二重結合の含量は、ビニル基と1,4−trans二重結合を合計したものに相補的な量である。SSBRのビニル含量は、20%を超えているのが好ましい。SBRゴムの中でも好ましいのは、SSBRゴムである。
ポリマーの中での、重合されたモノマーおよび各種の形態のジエンの分布は、通常ランダムである。SSBR(A)の定義では、ブロック型の構造を有するインテグラルラバー(integral rubber)と呼ばれているゴムを含むことも意図されている。SSBRの定義には、直鎖状および分岐状のゴム、または末端基が変性されたゴムも含まれる。
溶液重合されたビニル芳香族/ジオレフィンゴムは、有利には20〜150ムーニー単位、好ましくは30〜100ムーニー単位のムーニー値を有する。特に、80MUを超えるムーニー値を有する高分子量のESBRタイプは、100重量部のゴムを基準にして、30〜100重量部の量のオイルを含むことができる。オイルフリーのSSBRゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)で測定して、−80℃〜+20℃である。
ESBRという用語は、ビニル芳香族化合物、共役ジエン、および任意選択的にその他のモノマーをベースとする、エマルションプロセスで製造されたゴム状ポリマーを意味している。ビニル芳香族化合物は、スチレン、p−メチルスチレン、およびアルファ−メチルスチレンである。ジエンは、特に、ブタジエンおよびイソプレンである。ビニル芳香族化合物の含量は、10〜60重量%である。そのガラス転移温度は、(DSCの手段で測定して)−50〜+20℃であり、そのムーニー値は、20〜150ムーニー単位である。特に、80MUを超えるムーニー値を有する高分子量のESBRタイプは、100重量部のゴムを基準にして、30〜100重量部の量のオイルを含むことができる。オイルフリーのSSBRゴムのガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)で測定して、−80℃〜+20℃である。
ポリブタジエン(BR)には、具体的には、二つの異なったクラスのポリブタジエンタイプが含まれる。第一のクラスは、少なくとも90%の1,4−cis含量を有し、遷移金属をベースとするZiegler/Natta触媒を用いて製造される。Ti−、Ni−、Co−、およびNd−をベースとする触媒系を使用するのが好ましい。このポリブタジエンのガラス転移温度は、好ましくは(DSCの手段で測定して)−90℃以下である。
第二のクラスのポリブタジエンのタイプは、Li触媒を用いることにより製造され、10%〜80%のビニル含量を有している。それらのポリブタジエンゴムのガラス転移温度は、(DSCの手段で測定して)−90〜+20℃の範囲である。
本発明において使用されるゴムは、鉱油を用いて油展しておくことも可能である。
特に好ましい本発明のゴム混合物は、ニトリルゴム(NBR)フリーである。極めて特に好ましい本発明のゴム混合物は、ニトリルゴム(NBR)フリー、水素化ニトリルゴム(HNBR)フリー、スチレン/ブタジエン/アクリロニトリルゴム(SNBR)フリー、およびカルボキシル化ブタジエン−アクリロニトリルゴム(XNBR)フリー、さらには水素化された形態(HXNBR)フリーである。本発明の目的においては、「フリー」という用語は、関連するゴムの含量が、10phr未満、好ましくは1phr未満、特に好ましくは0.1phr未満、極めて特に好ましくは0.01phr未満であることを意味している。
一つの好ましい実施形態においては、そのゴム混合物の中に存在しているそれらのゴムの比率(単位、phr)と溶解パラメーターとの積の合計が、100で割って、18以下、好ましくは16〜18の範囲、特に好ましくは17.6〜16.5の範囲である。
充填剤
本発明のゴム混合物が、以下の群からの少なくとも1種の充填剤を含んでいるのが好ましい:ヒドロキシ基を含む酸化物系(oxidic)充填剤、好ましくは少なくとも1種の、ヒドロキシ基を含むケイ素含有酸化物充填剤、特に好ましくはシリカ、極めて特に好ましくは表面にヒドロキシ基を担持する親水性シリカ。
シリカは、特にヒュームドシリカまたは沈降シリカの形態で使用することができ、本発明においては沈降シリカが好ましい。それらのシリカは、任意選択的に、他の金属の酸化物、たとえばAl酸化物、Mg酸化物、Ca酸化物、Ba酸化物、Zn酸化物、Zr酸化物、またはTi酸化物との混合酸化物の形態をとることもできる。5〜1000m/g、特に20〜400m/gのBET比表面積を有するシリカを使用するのが、好適な使用法である。
本発明のゴム混合物には、5〜100phr、特には30〜100phr、極めて特には50〜90phrのヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤を含んでいるのが好ましい。ヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤の比率は、使用される充填剤の全量を規準にして、好ましくは少なくとも30%、特に好ましくは少なくとも50%である。
本発明のゴム混合物に好適なその他の充填剤は、カーボンブラック、特にランプ−ブラックプロセス、ファーネス−ブラックプロセス、またはガス−ブラックプロセスによって製造された、5〜200m/gのBET表面積を有するカーボンブラック、たとえばSAF、ISAF、IISAF、HAF、FEF、またはGPFカーボンブラックである。本発明のゴム混合物の中に存在させるカーボンブラックの合計量は、0〜160phr、好ましくは1〜100phr、特に好ましくは5〜80phrとすることができる。
本発明のゴム混合物に、カーボンブラックとヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤とが含まれる場合には、これら2種のタイプの充填剤を合計した量が、好ましくは20〜160phr、特に好ましくは25〜140phrである。本発明においては、少なくとも5phrのカーボンブラックを少なくとも25phrのシリカと共に使用するのが極めて特に好ましい。
任意選択的に使用することが可能なその他の充填剤としては、以下のものが挙げられる:
− 合成シリケート、たとえば、ケイ酸アルミニウム、アルカリ土類金属シリケート、たとえば、ケイ酸マグネシウムもしくはケイ酸カルシウムで、BET表面積が20〜400m/g、一次粒径が5〜400nmのもの、
− 天然のケイ酸塩、たとえば、カオリンおよびその他の天然産のシリカ、
− 金属酸化物、たとえば、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、
− 金属炭酸塩、たとえば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、
− 金属硫酸塩、たとえば、硫酸カルシウム、硫酸バリウム,
− 金属水酸化物、たとえば、水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウム、
− ガラス繊維およびガラス繊維製品(マット、ストランド、またはガラスミクロスフェア)、
充填剤の表面変性をするためのシラン
シリカおよびその表面にシラノール基を有する他の充填剤の表面は、単官能および多官能有機シランを用い、有機シロキサンを形成させることにより、容易に変性することができる。これにより、非極性のゴムとの相互作用が改良される。したがって、本発明のゴム混合物には、これらの有機シラン、好ましくは硫黄含有有機シランを1種または複数含むことができる。本明細書においては、1個または複数のアルコキシシリル基、特に1個または複数のトリアルコキシシリル基を含む化合物が好ましい。
極めて特に好ましい硫黄含有有機シランとしては、ビス(トリエトキシシリル−プロピル−ポリスルファン)、たとえば、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドおよびビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられ、これらはたとえば、DegussaからSilan Si 75およびSi 69の商品名で入手することが可能である。同様にして、以下のものも極めて好ましい:3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、たとえばSi 264(Evonik製)、3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンチオール、およびポリエーテル−官能化メルカプトシラン、たとえばSi 363(Evonik製)。
硫黄含有オルガノシリコン化合物の典型的使用量は、0.1phr〜14phr、好ましくは0.2〜12phr、特に好ましくは2〜10phrである。
一つの好ましい実施形態においては、本発明のゴム混合物には、欧州特許第2517898号明細書に記載されているタイプの硫黄含有添加剤を、好ましくはそれらの硫黄含有添加剤を0.1〜15phrの量で含んでいる。極めて特に好ましいのは、2,2’−テトラチオジ安息香酸(CAS 80304−10−5)を、特に0.1〜15phrの量で含む本発明のゴム混合物である。
架橋剤
一つの好ましい実施形態においては、本発明のゴム混合物には1種または複数の架橋剤が含まれている。その目的に好適な物質は、たとえば以下に記すペルオキシド系架橋剤である:ビス(2,4−ジクロロベンジル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス(4−クロロベンゾイル)ペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、tert−ブチル過安息香酸塩、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタン、4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシノニルバレレート、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルペルオキシド、1,3−ビス(tert−ブチル−ペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ジ−tert−ブチルペルオキシド、および2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3−ヘキシン、または硫黄ベースの架橋剤。ここで特に好ましいのは、硫黄ベースの架橋剤である。
使用することが可能な硫黄ベースの架橋剤は、元素状の可溶性または不溶性の形態にある硫黄か、または硫黄供与体の形態の硫黄、たとえば、ジモルホリルジスルフィド(DTDM)、2−モルホリノジチオベンゾチアゾール(MBSS)、カプロラクタムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、またはテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)である。
架橋剤、たとえば特に硫黄および硫黄供与体の使用可能な量は、たとえば0.1〜15phr、好ましくは0.1〜10phrである。原理的には、本発明のゴム混合物の架橋は、硫黄または硫黄供与体を単独で使用しても達成することができるが、架橋剤として硫黄または硫黄供与体を使用する本発明のゴム混合物が、少なくとも1種の加硫促進剤を、任意選択的に従来からの活性剤と組み合わせて含んでいるのが好ましい。加硫促進剤の典型的な使用量は、0.1〜15phr、好ましくは0.1〜10phrである。好適な加硫促進剤の例としては、以下のものが挙げられる:メルカプトベンゾチアゾール、スルフェンアミド、グアニジン、チウラムジスルフィド、ジチオカルバメート、チオ尿素、チオカーボネート、およびさらにはジチオホスフェート、ジアンミン亜鉛ジイソシアネート、ヘキサメチレンテトラミン、1,3−ビス(シトラコンイミドメチル)ベンゼン、ならびに環状ジスルファンなど。
ペルオキシド系架橋剤を使用する場合、それらと共に、架橋収率を向上させる他の添加物を使用するのが有利であり、そのようなものの例としては以下のものが挙げられる:トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリルトリメリテート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、亜鉛ジアクリレート、亜鉛ジメタクリレート、1,2−ポリブタジエン、またはN,N’−m−フェニレンジマレイミド。
加硫戻り防止剤
本発明のゴム混合物には1種または複数の加硫戻り防止剤を含むことができ、そのようなものとしてはたとえば以下のものが挙げられる:1,6−ビス−(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン(CAS No.:151900−44−6)、1,3−ビス((3−メチル−2,5−ジオキソピロル−1−イル)メチル)ベンゼン(CAS No.:119462−56−5)、またはヘキサメチレン1,6−ビス(チオスルフェート)、二ナトリウム塩、二水和物(CAS No.:5719−73−3)。特に好ましいのは、1,6−ビス−(N,N−ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサンである。上述の加硫戻り防止剤は、個別に使用することも、あるいは任意の所望の混合物として使用することも可能であり、それらの好ましい量は、ゴムを規準にして、0.1〜20phrである。
老化防止剤
熱および酸素の影響に対抗するために、本発明のゴム混合物に対して1種または複数の老化防止剤を添加するのが有利であり得る。好適な物質の例としては、たとえば以下のようなフェノール系老化防止剤が挙げられる:アルキル化フェノール、スチレン化フェノール、立体障害フェノール、たとえば、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、エステル基を含む立体障害フェノール、チオエーテルを含む立体障害フェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)(BPH)、およびさらには立体障害チオビスフェノール。
ゴムの変色が重要ではない場合には、アミン系の老化防止剤、たとえば、ジアリール−p−フェニレンジアミン(DTPD)の混合物を使用したり、あるいはオクチル化ジフェニルアミン(ODPA)、フェニル−α−ナフチルアミン(PAN)、フェニル−β−ナフチルアミン(PBN)、好ましくはフェニレンジアミンをベースとするものなどを使用したりすることもまた可能である。フェニレンジアミンの例としては、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(7PPD)、N,N’−ビス−1,4−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)が挙げられる。
その他の老化防止剤としては、ホスファイト、たとえばトリス(ノニルフェニル)ホスファイト、重合させた2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(TMQ)、2−メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、メチル−2−メルカプトベンズイミダゾール(MMBI)、亜鉛メチルメルカプトベンズイミダゾール(ZMMBI)などが挙げられる。一般的には、フェノール系老化防止剤と組み合わせて、ホスファイトが使用される。ペルオキシド加硫されるNBRのタイプでは主として、TMQ、MBI、およびMMBIが使用される。本発明のゴム混合物に添加される上述の老化防止剤の典型的な量は、0.1〜5phrである。
抗酸化剤
本発明のゴム混合物のオゾン抵抗性は、当業者には公知の、たとえば以下のような抗酸化剤を使用することにより改良することができる:N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(6PPD)、N−1,4−ジメチルペンチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(7PPD)、N,N’−ビス−1,4−(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン(77PD)、エノールエーテル、または環状アセタール。本発明のゴム混合物に添加される抗酸化剤の典型的な量は、0.1〜5phrである。
可塑剤
本発明のゴム混合物には、慣用される可塑剤、たとえば鉱油および/または合成エステル、たとえばフタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル、クエン酸エステル、安息香酸エステル、およびトリミリット酸エステルを含むことができる。この場合使用される量は、通常0.11〜80phr、好ましくは0.2〜60phr、特に好ましくは0.5〜45phrである。
本発明において好適なゴム混合物は、チオエーテルフリーおよびチオエステルフリー、ならびに、独国特許出願公開第102010005558A1号明細書に記載されているような混合エーテルチオエーテルおよびエステルチオエーテルフリーである。可塑剤として公知のこれらの化合物は、なかんずくゴムの低温可撓性を改良するために使用されている。本発明の目的においては、「フリー」という用語は、含量が、1phr未満、好ましくは0.1phr未満、特に好ましくは0.01phr未満であることを意味している。
加工助剤
本発明のゴム混合物には、慣用される加工助剤をさらに含むこともできる。それらの加工助剤は、ゴム粒子の間で作用させ、混合、可塑化、および変形のプロセスの際の摩擦力を打ち消すことを目的としている。本発明のゴム混合物には、加工助剤として、プラスチックの加工に慣用されている以下に示すような任意の潤滑剤を通常の使用量で含むことができる:炭化水素たとえば、パラフィンおよびPEワックス、6〜20個のC原子を有する脂肪族アルコール、ケトン、カルボン酸たとえば、脂肪酸およびモンタン酸、酸化PEワックス、カルボン酸の金属塩、カルボキサミド、ならびにカルボン酸エステル、たとえば、エタノール、脂肪族アルコール、グリセロール、エタンジオール、ペンタエリスリトールと、酸成分としての長鎖カルボン酸とのエステル。
その他の添加剤
その他の添加剤も本発明のゴム混合物に添加することができ、それらの例は以下のとおりである:難燃剤、UV安定剤、粘着付与剤樹脂、その他の樹脂、およびその他の粘着付与剤、顔料、染料、接着剤および接着促進剤、発泡剤、帯電防止剤、殺虫剤、鉱油、発泡剤、染料、顔料、ワックス、エクステンダー、有機酸、加硫抑制剤、加硫活性化剤、たとえば酸化亜鉛、ステアリン酸、およびステアリン酸亜鉛、金属酸化物、ならびにその他の充填剤活性剤、たとえば、トリエタノールアミン、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール、ヘキサントリオール、脂肪族トリアルコキシシラン、またはその他ゴム工業において公知のもの。その典型的な使用量は約1〜50phrである。
プラスチック
任意選択的に、本発明のゴム混合物が、たとえばポリマー性加工助剤または耐衝撃性改良剤として機能するその他のプラスチックを含んでいることもまた可能である。それらのプラスチックは、以下のものからなる群から選択される:エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、分岐状もしくは非分岐状のC1〜C10アルコールのアルコール成分を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルをベースとするホモポリマーおよびコポリマー。具体的には、C4〜C8−アルコールの群、特にブタノール、ヘキサノール、オクタノール、および2−エチルヘキサノールからの同一であるか、または異なっているアルコール残基を有するポリアクリレート、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−アクリル酸ブチルコポリマー、メタクリル酸メチル−メタクリル酸ブチルコポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、塩素化ポリエチレン、エチレン−プロピレンコポリマー、およびエチレン−プロピレン−ジエンコポリマーを挙げることができる。
特に好ましいのは、以下のものを含むゴム混合物である:たとえば先に挙げた合成ゴムの群からの少なくとも1種のゴム、ならびに、1〜40phrの式(I)の化合物、0.05〜10phrの、硫黄/スルフェンアミド系の群からの少なくとも1種の硫黄/加硫促進剤系、および50〜90phrの、ヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤、および0.2〜12phrの、硫黄含有オルガノシリコン化合物の群からの少なくとも1種のシラン。
極めて特に好ましいのは、以下のものを含むゴム混合物である:スチレン−ブタジエンゴムおよびポリブタジエンの群からの少なくとも1種のゴム、ならびに、1〜40phrの式(I)の化合物、0.05〜10phrの、硫黄/スルフェンアミド系の群からの少なくとも1種の硫黄/加硫促進剤系、50〜100phrの、5〜1000m/gのBET比表面積を有するシリカ、および0.2〜12phrの、ポリエーテル−官能化メルカプトシラン(たとえば、Si 363)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよびビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドを含む群から選択される少なくとも1種の補強性添加剤。
本発明のゴム混合物は、当業者によって慣用とみなされる方法で製造することが可能であり、たとえば、個々の成分を相互に、好ましくはバッチ式の混合プロセス(インターナルミキサーおよびロールミル使用)で、典型的には80〜150℃の温度で混合する。
この場合、式(I)の添加剤はゴム成分に対して、個々に添加することも、あるいは任意の所望の混合比の混合物の形態で添加することも可能であり、またその混合プロセスのどの混合ステージで添加してもよい。
式(I)として使用される本発明の添加剤は、任意選択的に他のさらなる添加物質と共に、混合プロセスの第一の部分で、その組成物の温度が100〜200℃のときに添加するのが好ましいが、それよりも後で、より低い温度(40〜100℃)で、たとえば硫黄架橋剤および/または加硫促進剤と共に添加することもまた可能である。
この場合、架橋剤および/または加硫促進剤は、たとえば硫黄含有オルガノシリコン化合物の手段を用いてヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤(たとえば、シリカ)の活性化を実施するような、高温を使用する混合工程で添加しないのが有利であり、その理由は、そのようなことをすると、混合物のスコーチが早くなりすぎる可能性があるからである。したがって、硫黄含有オルガノシリコン化合物を添加した後、好ましくは100℃未満の温度のところで、架橋剤および/または加硫促進剤を組み入れるのが好ましい。
一つの好ましい実施形態においては、計量性および/または分散性を改良する目的で、式(I)の化合物、特にトリアセチンを、キャリヤーに適用するか、またはキャリヤーの上に吸着(ドライリキッド)させてから使用する。使用されるキャリヤーは、たとえば先に充填剤として挙げた物質とすることができるが、ただし、それらはトリアセチンと反応するものであってはならない。中性、酸性、または塩基性のシリカ、カーボンブラック、または酸化亜鉛を使用するのが特に好ましく、キャリヤーとして中性または酸性のシリカを使用するのが極めて特に好ましく、中性のシリカが最も好ましい。(ドライリキッド中での)液状の式(I)の化合物の全量のキャリヤー物質に対する比率は、好ましくは5:1〜1:20の範囲、特に好ましくは2:1〜1:4の範囲、極めて特に好ましくは2:1〜1:2の範囲である。
本発明のゴム加硫物の製造は、たとえば次のように表される。
第一混合ステージ:
インターナルミキサーの中への初期仕込みとしてゴム(たとえば、SBRとBRとの混合物)を使用し、約30秒間混合
ヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤、および表面変性のためのシランの任意選択的な添加(たとえば、シリカの2/3とシランの2/3を添加し、約60秒間混合し、その後でシリカの1/3とシランの1/3を添加し、約60秒間混合)
式(I)の添加剤の添加、および任意選択的にはカーボンブラック、オイル、老化防止剤、酸化亜鉛、さらには抗オゾン剤ワックスの添加、約60秒間の混合。
この混合手順は、100〜170℃の範囲、好ましくは150℃の温度で実施することができる。
第二混合ステージ:
第一混合ステージが完了してから、その混合物を下流のロールミルに送り、成形してシート、ストリップまたはペレットとし、室温で24時間保存。
ここでの加工温度は、60℃未満である。
第三混合ステージ:
第三混合ステージには、たとえばニーダー/インターナルミキサー内における、140〜170℃、好ましくは150℃での、さらなる混練が含まれる。
第四混合ステージ:
好ましくはロール上、低温(80℃未満)での、さらなる物質、たとえば加硫促進剤および/または硫黄架橋剤の添加。
その混合物を製造するのに好適な装置(assemblies)はそれ自体公知であり、たとえば、ロール、インターナルミキサー、さらには混合エクストルーダーが挙げられる。
ゴム添加剤として式(I)の化合物を使用することによって、そのゴム混合物の加工性を改良することが可能となり、特に、ゴム混合物のスコーチ時間を長くしながら、加硫時間が短縮され、しかもそれから製造されるゴム加硫物の物性、たとえば硬度、破断時伸び、引張強度、および摩耗に何の悪影響も与えない。特に、好ましくは0℃で0.35を越える損失係数(濡れ時におけるグリップ性の指標)を有するタイヤトレッドを製造することが可能である。本発明のゴム混合物によって得られるまた別の利点は、それらが、少なくとも幾分かは、再生可能な粗原料を使用して得ることが可能な構成成分をベースにしていることである。
本発明はさらに、本発明のゴム混合物を製造するための、式(I)の化合物、特にトリアセチンの使用も提供する。この目的のためには、好ましくは、キャリヤーに適用するか、またはその上に吸着させた式(I)の化合物を使用することが可能である。
本発明はさらに、ゴム加硫物を製造するためのプロセスも提供し、それが特徴としているのは、本発明のゴム混合物を、少なくとも1種の架橋系および/または加硫促進剤の存在下、100℃〜250℃、好ましくは130〜180℃の温度で完全加硫にかけることである。その加硫プロセスの好ましい実施形態は、10〜200barの圧力で実施する。その加硫プロセスにおいては、上述の架橋系を使用した硫黄架橋が好ましい。
本発明にはさらに、本発明のゴム混合物を加硫させることによって得ることが可能なゴム加硫物も含まれ、さらには、それらの加硫物を含むゴム製品、特にタイヤも含まれ、その理由は、それに相当するタイヤは、良好な転がり抵抗性および低い摩耗性と組み合わせて、高い硬度という利点を有しているからである。
車両、特に自動車において、本発明の加硫物を含むタイヤを使用することによって、前記車両の運転時のエネルギー資源の使用量が低下し、その結果、内燃機関を有する自動車の場合においては燃料消費量が下がり、電気駆動の自動車の場合においては走行距離が長くなり、筋力で駆動される車両の場合においては、労力を下げたりおよび/または速度を上げたりする。したがって、本発明にはさらに、本発明の加硫物を含むゴム製品を含む車両もまた含まれる。
そのようにして製造されたゴム加硫物は、工業的なゴム製品、たとえば、制震要素、ロールカバー、コンベア用ベルトのカバー、駆動ベルト、紡糸用のコップ、ガスケット、ゴルフボールの芯、靴底などを製造するのにも適している。
以下において、実施例を参照しながら本発明を説明するが、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
本発明のゴム混合物の構成成分:
1)Buna(登録商標)VSL 5025−2およびBuna(登録商標)VSL 5025−1:油展SBR(Lanxess Deutschland GmbH製)
2)Buna(登録商標)CB 24:BR(Lanxess Deutschland GmbH製)
3)Vulkasil S:シリカ(Lanxess Deutschland GmbH)
4)Tudalen 1849−1:鉱油(Hansen&Rosenthal KG製)
5)Rotsiegel亜鉛華:酸化亜鉛(Grillo Zinkoxid GmbH製)
6)Edenor(登録商標)C 18 98−100:ステアリン酸(Cognis Deutschland GmbH製)
7)重合させた2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン(Vulkanox(登録商標)HS/LG(Lanxess Deutschland GmbH製))
8)N−1,3−ジメチルブチル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン(Vulkanox(登録商標)4020/LG(Lanxess Deutschland GmbH製))
9)Antilux(登録商標)654:光安定剤(RheinChemie GmbH製)
10)ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド(Si(登録商標)69(Degussa Huels AG製)
11)Corax(登録商標)N339:カーボンブラック(Degussa Huels AG製)
12)可溶性硫黄(Chancel(登録商標)90/95゜摩砕硫黄(Solvay Barium Strontium製))
13)N−シクロヘキシル−2−ベンズチアジルスルフェンアミド(Vulkacit(登録商標)CZ(Lanxess Deutschland GmbH製))
14)ジフェニルグアニジン(Vulkacit(登録商標)D/C(Lanxess Deutschland GmbH製))
15)トリアセチン(CAS No.:102−76−1)(Lanxess Deutschland GmbH製)
16)4重量パーセントのセルロースアセテート(CAS No.:9004−35−7)(Eastman製)と、96重量パーセントのトリアセチン(CAS No.:102−76−1)(Lanxess Deutschland GmbH製)との混合物
17)50重量パーセントのVulkasil N(Lanxess Deutschland GmbH製)(沈降シリカ)と、50重量パーセントのトリアセチン(CAS No.:102−76−1)(Lanxess Deutschland GmbH製)との混合物
18)50重量パーセントのVulkasil A 1(Lanxess Deutschland GmbH製)(沈降ケイ酸アルミニウムナトリウム)と、50重量パーセントのトリアセチン(CAS No.:102−76−1)(Lanxess Deutschland GmbH製)との混合物
19)50重量パーセントのVulkasil S(Lanxess Deutschland GmbH製)(沈降シリカ)と、50重量パーセントのトリアセチン(CAS No.:102−76−1)(Lanxess Deutschland GmbH製)との混合物
20)VP Si 363(Evonik製)(2官能性オルガノシラン)
21)Vulkalink 1871(Lanxess Deutschland GmbH製)(2,2’−テトラチオジ安息香酸)
本発明のゴム加硫物の製造
本発明の実施例1のため、および参照実施例のために、表1に列記したゴム配合から加硫物を製造した。これは、それぞれの場合において、本発明の実施例1、および参照実施例のそれぞれの構成成分を、下記の多段混合プロセスにおいて混合してから、それらの混合物を170℃での完全加硫にかけることにより達成された。
第一混合ステージ:
インターナルミキサーの中でBUNA(登録商標)CB 24およびBUNA(登録商標)VSL 5025−2を初期仕込みとして使用し、約30秒間混合した
VULKASIL(登録商標)Sの2/3、およびSI(登録商標)69の2/3を添加し、約60秒間混合
VULKASIL(登録商標)Sの1/3、SI(登録商標)69の1/3、さらにTUDALEN 1849−1を添加し、約60秒間混合
CORAX(登録商標)N 339、EDENOR(登録商標)C 18 98−100、VULKANOX(登録商標)4020/LG、VULKANOX(登録商標)HS/LG、ROTSIEGEL ZINC WHITE、ANTILUX(登録商標)654、さらにトリアセチン、任意選択的に酢酸セルロースを添加し、約60秒間混合。
この混合手順の温度は、150℃であった。
第二混合ステージ:
第一混合ステージが完了してから、その混合物を下流のロールミルに送り、成形してシートとし、室温で24時間保存した。
ここでの加工温度は、60℃未満である。
第三混合ステージ:
第三の混合ステージには、ニーダー中150℃での、さらなる混練が含まれていた。
第四混合ステージ:
80℃未満の温度のロール上で、追加の物質である、CHANCEL 90/95 GROUND SULFUR、VULKACIT(登録商標)CZ/C、およびVULKACIT(登録商標)D/Cの添加。
製造されたゴム混合物および加硫物を、以下において述べる技術的試験にかけた。測定された値も同様に、表1に示した。
ゴム混合物および加硫物の試験:
ムーニー粘度の測定:
粘度は、ゴム(およびゴム混合物)が、それらの加工に抵抗する力から直接求めることができる。ムーニー剪断円板式粘度計の中で、溝のあるディスクが上下共に試験物質で取り囲まれていて、加熱可能なチャンバーの中で、約2回転/分で回転される。この目的のために必要な力を、トルクの形式で測定し、それぞれの粘度に対応させる。その試験片は一般的には、1分間で100℃に予備加熱し、それから4分かけて測定するが、その間温度は一定に保たれる。
粘度は、それぞれの試験条件と共に記述するが、たとえばML(1+4)100℃(ムーニー粘度、大ロータ、予備加熱時間および試験時間(分)、試験温度)である。
表1に示したゴム混合物の粘度は、ASTM D1646に従い、ムーニー剪断円板式粘度計の手段により測定される。
同一の試験をさらに使用して、混合物の「スコーチ」挙動を測定する。その温度は130℃である。ロータを回転させて、トルク値が、最小値を過ぎ、その最小値(t5)に対して5ムーニー単位だけ高くなるまで続ける。値が大きくなるほど(ここでの単位:秒)、スコーチが遅い(ここでは高いスコーチ値)。
レオメーター(バルカメーター)170℃/t95完全加硫時間:
MDR(ムービングダイレオメーター)における加硫の進行と、その結果の分析データは、ASTM D5289−95に従い、Monsanto MDR 2000レオメーター中で測定する。表2は、この試験の結果を照合している。
ゴムの95%が架橋された時点を、完全加硫時間として測定する。選択した温度は170℃であった。
硬度(ショアーA)の測定:
本発明のゴム混合物の硬度を測定するために、表1の配合に従ったゴム混合物から、厚み6mmのミルドシートを作成した。そのミルドシートから直径35mmの試験片を切り出し、それらについて、ショアーA硬度値を、デジタルショアー硬度試験器(Zwick GmbH&Co.KG.Ulm)の手段により測定した。
引張試験:
引張試験は、エラストマーの荷重限界を直接求めるのに役立つ。破断した時の長さの増加を初期の長さで割り算すると、破断時伸びが得られる。伸びが所定の段階、通常は50、100、200、および300%に達したときに、力も測定し、弾性率(所定の伸び300%のところの引張強度、すなわち300弾性率)として表現する。
表1に試験結果を示す。
動的制動:
動的試験法を使用して、周期的に変動する荷重下でのエラストマーの変形挙動の特性表示をする。外部応力が、ポリマー鎖のコンホメーションを変える。
この測定によって、損失係数のtanデルタが、損失弾性率G”と貯蔵弾性率G’との間の比率を使用して間接的に決まる。
Figure 2016505667
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式(I)の添加剤によって、ゴム混合物では、ゴム粘度(ムーニー粘度)が著しく低下し、加硫物では、スコーチ時間が顕著に長くなると同時に、完全加硫時間が短縮されたことが見いだされた。それらの硬度の値もさらに極めて良好である。
BUNA VSL 5025−2(オイル含量が低い)に代えてBUNA VSL 5025−1を使用したまた別の一連の実験において、トリアセチン中4%溶液の形態でのセルロースアセテートの使用を検討した。表2に結果を示す。
Figure 2016505667
トリアセチン中4%のセルロースアセテートを使用すると、流動性の顕著な改良(ムーニー粘度の低下)も明らかとなる。さらに、この添加剤混合物を10phr加えただけで、スコーチ時間が長く、破断時伸びが大きくなり、完全加硫時間が短縮される。本発明の実施例3に見られるように、可塑剤オイル(TUDALEN 1849−1)を省き、その代わりに使用するセルロースアセテート/トリアセチンの量を20phrに増やすと、60℃でのtanδ値(転がり抵抗性の指標)が驚くほど急激に低下し(このことは、転がり抵抗性の顕著な低下を示している)、かつ良好な流動性、スコーチ時間、破断時伸び、および完全加硫時間は維持されている。それと同時に、硬度および濡れ時におけるグリップ性も、良好な性能レベルに維持されている。

Claims (16)

  1. ゴム混合物であって、少なくとも、それぞれの場合において、
    NR、SBR、BR、IR、SIBR、IIR、ENR、およびEPDM、好ましくはNR、SBR、BR、IIR、およびEPDM、特に好ましくはNR、BR、およびSBRからなる群から選択される1種の非極性のゴム、
    カーボンブラック、ならびに
    式(I)
    Figure 2016505667
    [式中、
    R1、R2、およびR3は、相互に独立して、水素または直鎖状もしくは分岐状のC1〜C4−アルキル残基である]
    で表されるグリセロールの短鎖アルキルエステル
    を含む、ゴム混合物。
  2. 少なくとも1種の架橋剤、好ましくは少なくとも1種のペルオキシド系または硫黄ベースの架橋剤、特に好ましくは硫黄、ジモルホリルジスルフィド(DTDM)、2−モルホリノジチオベンゾチアゾール(MBSS)、カプロラクタムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)、およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)を含む群からの少なくとも1種の架橋剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のゴム混合物。
  3. R1、R2、およびR3がメチルであることを特徴とする、請求項1または2に記載のゴム混合物。
  4. 前記式(I)の化合物の含量が、1〜40phr、好ましくは2〜20phr、特に好ましくは4〜15phr、極めて特に好ましくは6〜10phrであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  5. NBR、HNBR、SNBR、HXNBR、およびXNBRの含量が、それぞれの場合において、10phr未満、好ましくは1phr未満、特に好ましくは0.1phr未満、極めて特に好ましくは0.01phr未満であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  6. 少なくとも1種の、ヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤、好ましくは5〜1000m/gのBET比表面積を有するシリカをさらに含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  7. 50〜100phrのヒドロキシ基を含む酸化物系充填剤、および0.2〜12phrの有機シラン、好ましくは硫黄含有有機シラン、特に好ましくはアルコキシシリル基を含む硫黄含有有機シラン、極めて特に好ましくはトリアルコキシシリル基を含む硫黄含有有機シランを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  8. セルロースおよび/またはセルロース誘導体、好ましくはカルボン酸を用いてセルロースをエステル化することにより得ることが可能なセルロース誘導体、特に好ましくはセルロースアセテートを含むことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  9. 前記式(I)の化合物が、キャリヤーに適用されるか、または前記キャリヤーの上に吸着されて使用され、中性、酸性または塩基性のシリカ、カーボンブラック、または酸化亜鉛を含む群から選択される少なくとも1種の物質が、キャリヤーとして好ましくは使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のゴム混合物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物を製造するためのプロセスにおいて、少なくとも、それぞれの場合において、1種の非極性のゴム、カーボンブラック、および請求項1において式(I)で表されるグリセロールの短鎖アルキルエステルを、好ましくは80〜150℃の温度で、相互に混合することを特徴とする、プロセス。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物を、好ましくは100〜250℃、特に好ましくは130〜180℃の温度で加硫させることを特徴とする、ゴム加硫物を製造するためのプロセス。
  12. 加硫物を製造するための、請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物の使用。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物を加硫させることによって得ることが可能な、加硫物。
  14. 請求項13に記載の1種または複数のゴム加硫物を含む、ゴム製品、特にタイヤ。
  15. 請求項14に記載のゴム製品を含む、車両。
  16. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のゴム混合物、請求項13に記載の加硫物、または請求項14に記載のゴム製品を製造するための、請求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
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