JP2016504412A - ペプチド - Google Patents

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Abstract

インビトロでMHC分子に結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示されることができるペプチド(すなわち、アピトープ)であって、以下のプロテオリピドタンパク質(PLP)ペプチド:PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)、PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)、PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)の全体または一部分を含むペプチドを提供する。医薬組成物におけるそのようなペプチドの使用、ならびにそのようなペプチドを使用して疾患を治療および/または予防するための方法も提供する。

Description

本発明はプロテオリピドタンパク質(PLP)由来のペプチドに関する。特に、本発明は、MHC分子に結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくインビトロでT細胞に提示されることができるペプチドであって、PLPの親水性領域の1つから誘導可能なペプチドに関する。本発明はまた、疾患の治療および/または予防におけるそのようなペプチドの使用に関する。
多発性硬化症(MS)は、神経軸索の脱髄により特徴づけられる、中枢神経系を冒す慢性変性疾患である。MSは多くの身体的および精神的症状を引き起こす可能性があり、しばしば、身体障害および認知障害の両方へと進行する。発病は、通常、若い成人(20〜40歳)において生じ、女性でより多く見られ、世界中で百万人以上が罹患している。
MSの疾患経過は様々であり、潜伏状態となったり、あるいは経時的に徐々に進行しうる。MSの幾つかの亜型が進行パターンに基づいて記述されている。MS患者は、ほぼ全ての神経症状または徴候、例えば感覚の変化、例えば感度の喪失、うずき、チクチクする痛み、またはしびれ(感覚鈍麻および感覚異常)、筋力低下、クローヌス、筋痙攣、または運動困難;協調運動困難および平衡困難(運動失調)、発語障害(構音障害)または嚥下障害(嚥下困難)、視覚障害(眼振、視神経炎、例えば光視、または複視)、疲労、急性または慢性疼痛、ならびに膀胱および腸障害を患いうる。
MSは、現在、身体自身の免疫系がミエリンを攻撃し損傷する免疫媒介性障害であると考えられている。
MSに対する公知の治療法は存在しない。幾つかの現在の治療法は、攻撃(再発)後の機能の回復、新たな攻撃(再発)の程度または頻度の予防または軽減、あるいは障害の度合の予防または軽減において有益であることが判明している。しかし、多くの現在のMS治療法は有害な副作用を伴っており、または忍容性が低い。したがって、MSの治療およびMSの症状の緩和または軽減に有効である、MSに対する代替的治療法が必要とされている。
発明の概括
本発明者らは、T細胞に対して一定の抗原提示細胞により提示されうる、プロテオリピドタンパク質(PLP)から誘導可能な幾つかのペプチドを同定した。これらのペプチドは多発性硬化症のような脱髄疾患の予防および/または治療において有用でありうる。
したがって、第1の態様において、本発明は、インビトロでMHC分子に結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示されることができるペプチドであって、以下のプロテオリピドタンパク質(PLP)領域:
PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)、
PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)、
PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)
の全体または一部分を含むペプチドを提供する。
該ペプチドは、以下の領域:
PLP 39-57: LTGTEKLIETYFSKNYQDY (配列番号4)、
PLP 180-198: WTTCQSIAFPSKTSASIGS (配列番号5)、
PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号6)
の一部分を含みうる。
該ペプチドは、以下のPLPペプチド:
PLP 39-53: LTGTEKLIETYFSKN (配列番号7)
PLP 42-56: TEKLIETYFSKNYQD (配列番号8)
PLP 43-57: EKLIETYFSKNYQDY (配列番号9)
PLP 180-194: WTTCQSIAFPSKTSA (配列番号10)
PLP 181-195: TTCQSIAFPSKTSAS (配列番号11)
PLP 182-196: TCQSIAFPSKTSASI (配列番号12)
PLP183-197: CQSIAFPSKTSASIG (配列番号13)
PLP 184-198: QSIAFPSKTSASIGS (配列番号14)
PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号15)
PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)
PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)および
PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)
から選択されうる。
第2の態様においては、脱髄疾患の治療および/または予防における使用のための、本発明の第1の態様に従うペプチドを提供する。
第3の態様においては、本発明は、本発明の第1の態様に従う1以上のペプチドを含む医薬組成物を提供する。
第4の態様においては、本発明は、脱髄疾患の治療および/または予防を要する対象における脱髄疾患の治療および/または予防方法であって、本発明の第1の態様に従うペプチドを該対象に投与する工程を含む方法を提供する。
第5の態様においては、本発明は、脱髄疾患の予防および/または治療における使用のための医薬の製造における、本発明の第1の態様に従うペプチドの使用に関する。
本発明の第2、第4および第5の態様に関しては、該疾患は多発性硬化症でありうる。
3つのPLPペプチド領域がインビトロおよびインビボで応答し、該応答はDR2結合予測と相関する。Aは、大筋では、インシリコ(in silico)(IEDBおよびNetMHCII法)でのHLA-DRB1*1501へのPLPペプチドの結合予測、およびこれらのペプチドがこれらのマウスにおいて増殖応答を誘発する能力を表す。BおよびCは、これらの長いペプチドのうち4つの、EAEを誘発する能力を表す(2つの個別実験)。 HEAL-26内のアピトープの同定。 TWTT-28内のアピトープの同定。 GVLP-28内のアピトープの同定。 寛容化プロトコール。 HEAL-26またはPOP-4で前処理されたマウスからのLNCの増殖およびサイトカイン産生。Aは、HEAL-26またはPOP4アピトープで前処理されたマウスからのLNCのチミジン取り込みの平均 +/- 平均値の標準誤差(SEM)を表す。 HEAL-26またはPOP-4で前処理されたマウスからのSPLの増殖およびサイトカイン産生。Aは、HEAL-26またはPOP4アピトープで前処理されたマウスからのSPLのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 TWTT-28で前処理されたマウスからのLNCの増殖およびサイトカイン産生。Aは、TWTT-28アピトープで前処理されたマウスからのLNCのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 TWTT-28で前処理されたマウスからのSPLの増殖およびサイトカイン産生。Aは、TWTT-28アピトープで前処理されたマウスからのSPLのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-15で前処理されたマウスからのLNCの増殖およびサイトカイン産生。Aは、POP-15アピトープで前処理されたマウスからのLNCのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-15で前処理されたマウスからのSPLの増殖およびサイトカイン産生。Aは、POP-15アピトープで前処理されたマウスからのSPLのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-22で前処理されたマウスからのLNCの増殖およびサイトカイン産生。Aは、POP-22アピトープで前処理されたマウスからのLNCのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-22で前処理されたマウスからのSPLの増殖。Aは、POP-22アピトープで前処理されたマウスからのSPLのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-22またはGVLP-28で前処理されたマウスからのLNCの増殖およびサイトカイン産生。Aは、POP-22(左パネル)またはGVLP-28(右パネル)アピトープで前処理されたマウスからのLNCのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 POP-22またはGVLP-28で前処理されたマウスからのSPLの増殖およびサイトカイン産生。Aは、POP-22(左パネル)またはGVLP-28(右パネル)アピトープで前処理されたマウスからのSPLのチミジン取り込みの平均 +/- SEMを表す。 図15−1の続きである。
図6〜15のそれぞれに関して、Bはチミジン取り込みの刺激指数を示す。Cは、培養上清において分泌されたサイトカインの量を表す。BおよびCにおいて、用量ごとの各点は個別のマウスを表し、棒線は中央値を表す。pは、マン-ホイットニー検定を用いて計算した。低いp値のみが示されている。<0.05のp値が有意とみなされる。
詳細な説明
第1の態様において、本発明はペプチドに関する。
ペプチド
「ペプチド」なる語は、典型的には隣接アミノ酸のα-アミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合により互いに連結された一連の残基、典型的にはL-アミノ酸を意味する通常の意味で用いられている。この用語は修飾ペプチドおよび合成ペプチド類似体を含む。
本発明のペプチドは、主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはII分子にインビトロで結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示されることができる長さのものである。換言すれば、該ペプチドは、一方または両方の末端における何らのトリミングをも要することなくMHC分子のペプチド結合溝内に直接結合することができる。
MHCクラスI分子に結合するペプチドは典型的には7〜13、より通常は8〜10アミノ酸長である。該ペプチドの結合は、全MHCクラスI分子のペプチド結合溝内の不変部位と該ペプチドの主鎖内の原子との間の接触により、その2つの末端において安定化される。該ペプチドのアミノ末端およびカルボキシ末端に結合する、該溝の両末端に不変部位が存在する。ペプチド長の変動は、要求される柔軟性を可能にするプロリンまたはグリシン残基に位置することが多い、ペプチドバックボーン中のキンキング(kinking;ねじれ)により調整される。
MHCクラスII分子に結合するペプチドは典型的には8〜20アミノ酸長、より通常は10〜17アミノ酸長であり、またそれより遥かに長いものでありうる。これらのペプチドは、(MHCクラスIペプチド結合溝とは異なり)両末端で開いているMHC IIペプチド結合溝に沿った伸ばされたコンホメーションで存在する。該ペプチドは、主に、ペプチド結合溝に沿って並んだ保存残基との主鎖原子接触により、適所に保持される。
本発明のペプチドは、化学的方法(Peptide Chemistry, A practical Textbook. Mikos Bodansky, Springer-Verlag, Berlin.)を用いて製造されうる。例えば、ペプチドは固相技術(Roberge JYら (1995) Science 269: 202-204)により合成され、樹脂から切断され、分取高速液体クロマトグラフィーにより精製されうる(例えば、Creighton (1983) Proteins Structures And Molecular Principles, WH Freeman and Co, New York NY)。例えばABI 43 1 A Peptide Synthesizer (Perkin Elmer)を、製造業者により提供される説明書に従い使用して、自動合成が達成されうる。
該ペプチドは代替的に組換え手段により、またはより長いポリペプチドからの切断により製造されうる。例えば、該ペプチドはミエリンプロテオリピドタンパク質からの切断により得られうる。ペプチドの組成はアミノ酸分析または配列決定(例えば、エドマン分解法)により確認されうる。
ミエリンプロテオリピドタンパク質(PLP)
ミエリンは、通常はニューロンの軸索のみの周囲にミエリン鞘なる層を形成する誘電体(電気的絶縁体)である。それは神経系の適切な機能に必須である。ミエリンを構成するタンパク質のうちの幾つかは、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質(MOG)およびプロテオリピドタンパク質(PLP)である。
ミエリンプロテオリピドタンパク質(PLP)は中枢神経系(CNS)ミエリンの最も豊富なタンパク質であり、疎水性内在性膜タンパク質である。
ヒトPLPの配列を配列番号16に示す。
配列番号16
1 glleccarc lvgapfaslv atglcffgva lfcgcgheal tgtekliety fsknyqdyey
60 linvihafqy viygtasfff lygalllaeg fyttgavrqi fgdyktticg kglsatvtgg
120 qkgrgsrgqh qahslervch clgkwlghpd kfvgityalt vvwllvfacs avpvyiyfnt
180 wttcqsiafp sktsasigsl cadarmygvl pwnafpgkvc gsnllsickt aefqmtfhlf
240 iaafvgaaat lvslltfmia atynfavlkl mgrgtkf
本発明のペプチドはPLP配列の親水性領域から誘導可能である。該ペプチドは、抗原提示細胞による該抗原の自然プロセシングにより生じる抗原の断片から誘導可能でありうる。
PLPの親水性領域は以下のとおりである。
該ペプチドは以下のプロテオリピドタンパク質(PLP)の全体または一部分を含みうる。
PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)
PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)
PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)。
該ペプチドはこれらの領域のうちの1つ由来の最小エピトープを含みうる。
該ペプチドは以下の領域の一部分を含みうる。
PLP 39-57: LTGTEKLIETYFSKNYQDY (配列番号4)
PLP 180-198: WTTCQSIAFPSKTSASIGS (配列番号5)
PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号6)。
該ペプチドは以下のPLPペプチドから選択されうる。
PLP 39-53: LTGTEKLIETYFSKN (配列番号7)
PLP 42-56: TEKLIETYFSKNYQD (配列番号8)
PLP 43-57: EKLIETYFSKNYQDY (配列番号9)
PLP 180-194: WTTCQSIAFPSKTSA (配列番号10)
PLP 181-195: TTCQSIAFPSKTSAS (配列番号11)
PLP 182-196: TCQSIAFPSKTSASI (配列番号12)
PLP183-197: CQSIAFPSKTSASIG (配列番号13)
PLP 184-198: QSIAFPSKTSASIGS (配列番号14)
PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号15)
PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)
PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)および
PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)。
該ペプチドはこれらのペプチドのうちの1つ由来の最小エピトープを含みうる。
特に、該ペプチドは以下のうちの1つを含むか、それからなるか、またはそれに由来する最小エピトープを含みうる:
PLP 39-53: LTGTEKLIETYFSKN (配列番号7)
PLP 181-195: TTCQSIAFPSKTSAS (配列番号11)
PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)。
アピトープ
適応免疫応答においては、Tリンパ球はタンパク質抗原の内部エピトープを認識することができる。抗原提示細胞(APC)はタンパク質抗原を取り込み、それらを短いペプチド断片へと分解する。ペプチドは細胞内で主要組織適合性複合体(MHC)クラスIまたはII分子に結合し、細胞表面に運ばれうる。該ペプチドは、MHC分子と共に細胞表面に提示されると、(T細胞受容体(TCR)を介して)T細胞により認識されることが可能であり、この場合、該ペプチドはT細胞エピトープである。
T細胞エピトープは、自己のものであれ外来のものであれ任意の抗原に対する適応免疫応答における中心的な役割を果たす。過敏性疾患(これはアレルギー、自己免疫疾患および移植拒絶を含む)においてT細胞エピトープにより果たされる中心的な役割は実験モデルの使用により実証されている。アジュバントと組み合わせた合成ペプチド(T細胞エピトープの構造に基づくもの)の注射により炎症またはアレルギー疾患を誘発することが可能である。
これとは対照的に、可溶性形態のペプチドエピトープの投与により、個々のペプチドエピトープに対する免疫寛容を誘発することができることが示されている。可溶性ペプチド抗原の投与は、実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE - 多発性硬化症(MS)のモデル)(MetzlerおよびWraith (1993) Int. Immunol. 5:1159-1165; LiuおよびWraith (1995) Int. Immunol. 7:1255-1263; AndertonおよびWraith (1998) Eur. J. Immunol. 28:1251-1261)、ならびに関節炎、糖尿病および網膜ブドウ膜炎の実験モデル(前記のAndertonおよびWraith (1998)において概説されている)において、疾患を抑制する有効な手段として実証されている。これは、EAEにおいて、進行中の疾患を治療する手段としても実証されている(前記のAndertonおよびWraith (1998))。
疾患を治療または予防するための免疫寛容誘発ペプチドの使用は相当な注目を集めている。この1つの理由は、ある免疫寛容誘発エピトープが同じ組織内の異なる抗原に対するT細胞の応答をダウンレギュレーションしうることが示されていることである。この現象は「バイスタンダー現象」として公知であり、特定の免疫寛容誘発ペプチドを使用して、所与の抗原内の2以上のエピトープ(好ましくは全てのエピトープ)に対する、そして所与の疾患に関する2以上の抗原に対する寛容を誘発することができるはずであることを意味する(前記のAndertonおよびWraith (1998))。これは、個々の疾患における病原性抗原の全てを特定する必要性をなくすであろう。
ペプチドはまた、それらの比較的低いコストおよび改変された免疫学的特性を有するペプチド類似体を製造できるという事実のため、治療法のための好ましい選択肢である。したがって、ペプチドは、MHCまたはTCRとのそれらの相互作用を改変するために修飾されうる。
このアプローチに関する1つの考えられうる問題は、T細胞エピトープとして作用する全てのペプチドが寛容を誘発できるわけではないことが示されていることである。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)ペプチド89-101は免疫化後の免疫優性抗原であり、T細胞反応性のためのプライミングおよびEAEの誘発の両方の点で非常に効果的に免疫原性でもある。しかし、このペプチドは、溶液状態で投与された場合、寛容を誘発するのに無効であることが示されている(前記のAndertonおよびWraith (1998))。
寛容を誘発するT細胞エピトープの能力における観察された階層に関する幾つかの説明が提案されている(前記のAndertonおよびWraith (1998)において概説されている)。特に、MHCに対する該ペプチドのアフィニティと免疫寛容誘発性との間に相関性が存在することが提案されているが(前記のLiuおよびWraith (1995))、これは観察の幾つかとは合致しない。例えば、MBP[89-101]は免疫寛容誘発性ではなく、比較的高いアフィニティでI-ASに結合する。したがって、どのペプチドが免疫寛容を誘発するのかを予測することは容易ではない。
ペプチドエピトープが、抗原プロセシングを受けることなく未熟APCにより提示されるのに適当なサイズを有する場合、それは免疫寛容を誘発できることを、本発明者らは示した(国際特許出願番号PCT/GB01/03702)。したがって、免疫寛容誘発性であるT細胞エピトープもあれば、免疫寛容を誘発できないものもあるという観察は、幾つかのエピトープは、それらがMHC分子により提示されうる前に抗原プロセシングを要することにより説明されうる。更なるプロセシングを要するこれらのエピトープは、アジュバントと共に注射された場合には疾患を誘発する能力をそれらが有するにもかかわらず、可溶性形態で投与された場合には寛容を誘発しない。
更なるプロセシングを要しないエピトープは寛容を誘発することができ、「アピトープ(apitope)」(抗原プロセシング非依存的エピトープ(Antigen Processing Independent epiTOPES))と本発明者らにより称されてきた。
抗原プロセシング非依存的提示系(APIPS)
本発明のペプチドはインビトロでMHC分子に結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示されることができる。
「無プロセシング」系を使用して、抗原プロセシングを受けることなくMHC分子にペプチドが結合しうるかどうかを試験することができる。そのような系はMHC分子を介してT細胞に抗原を提示できるはずであるが、抗原をプロセシングすることはできない。したがって、ペプチドは、インビトロでのMHC分子へのその結合能、および抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示される能力に関して、抗原プロセシング非依存的提示系(APIPS)を使用して試験されうる。
APIPSの例には以下のものが含まれる。
a)固定APC(CD28に対する抗体の存在下または非存在下)、
b)クラスIまたはII MHC分子を含有する脂質膜(CD28に対する抗体の存在下または非存在下)、
c)プレート結合形態の、精製された天然または組換えMHC(CD28に対する抗体の存在下または非存在下)。
例えば、末端切断型ペプチドに対する応答を測定することによりポリペプチド内の最小エピトープを調べるための研究において、T細胞応答を調べるために固定APCを使用することが公知である(Fairchildら (1996) Int. Immunol. 8:1035-1043)。APCは、例えば、ホルムアルデヒド(通常はパラホルムアルデヒド)またはグルタルアルデヒドを使用して固定されうる。
脂質膜(これは平面膜またはリポソームでありうる)は、人工脂質を使用して調製可能であり、またはAPC由来の細胞膜/ミクロソーム画分でありうる。
使用においては、APIPSは組織培養プレートのウェルに適用されうる。ついでペプチド抗原を加え、APIPSのMHC部分への該ペプチドの結合を、選択されたT細胞系またはクローンの添加により検出する。T細胞系またはクローンの活性化は、当技術分野で公知の方法のいずれかにより、例えば3H-チミジン取り込み又はサイトカイン分泌により測定されうる。
ペプチドがAPIPSによりT細胞に提示されうる場合、それは抗原プロセシングを受けることなくMHC分子に結合することができ、それはアピトープである。
寛容
本発明のペプチドはプロテオリピドタンパク質に対する寛容を誘発しうる。
本明細書中で用いる「寛容誘発性」なる語は、寛容を誘発できることを意味する。
寛容は、抗原に応答しないことである。自己抗原に対する寛容は免疫系の必須の特徴であり、これが失われると、自己免疫疾患が生じうる。適応免疫系は、自分自身の組織内に含有される自己抗原の自己免疫攻撃を回避しながら多種多様な感染因子に応答する能力を維持する必要がある。これは大部分は、胸腺内のアポトーシス細胞死に対する未熟Tリンパ球の感受性により制御される(中枢性寛容)。しかし、全ての自己抗原が胸腺内で検出されるわけではなく、したがって自己反応性胸腺細胞の死は不完全なままである。したがって、末梢組織内の成熟自己反応性Tリンパ球により寛容が獲得されうるメカニズムも存在する(末梢寛容)。中枢性および末梢寛容のメカニズムの総説はAndertonら (1999) (Immunological Reviews 169:123-137)に記載されている。
寛容は、CD4+ T細胞の少なくとも一部において、アネルギーの誘導により生じるか又は特徴づけられうる。T細胞を活性化するために、ペプチドは、2つのシグナルをT細胞に送出できる「専門的(professional)」APCと結合する必要がある。第1シグナル(シグナル1)はAPCの細胞表面上のMHC-ペプチド複合体により送出され、TCRを介してT細胞により受領される。第2シグナル(シグナル2)はCD80およびCD86のようなAPC表面上の共刺激分子により送出され、T細胞の表面上のCD28により受領される。T細胞がシグナル2の非存在下でシグナル1を受領したら、それは活性化されず、実際にはアネルギー性になると考えられている。アネルギー性T細胞は後続の抗原チャレンジに対して無反応性であり、他の免疫応答を抑制する能力を有しうる。アネルギー性T細胞はT細胞寛容の媒介に関与していると考えられている。
MHC分子と共に提示されうる前にプロセシングを要するペプチドは寛容を誘発しない。なぜなら、それらは成熟抗原提示細胞により取り扱われる必要があるからである。成熟抗原提示細胞(例えば、マクロファージ、B細胞および樹状細胞)は抗原プロセシングの能力を有するだけでなく、シグナル1および2の両方をT細胞に送出してT細胞活性化を引き起こしうる。一方、アピトープは未熟APC上のクラスII MHCに結合できるであろう。したがって、それらは共刺激を伴うことなくT細胞に提示されて、T細胞アネルギーおよび寛容を招くであろう。
勿論、アピトープは成熟APCにおける細胞表面のMHC分子にも結合することができる。しかし、免疫系は、成熟APCよりも多い存在量の未熟APCを含有する(樹状細胞の10%未満しか活性化されていないと示唆されている;Summersら (2001) Am. J. Pathol. 159: 285-295)。したがって、アピトープに対する初期設定(default position)は活性化ではなくアネルギー/寛容であろう。
寛容が誘発されると、抗原特異的CD4+ T細胞の増殖能が低下することが示されている。また、これらの細胞によるIL-2、IFN-γおよびIL-4の産生はダウンレギュレーションされるが、IL-10の産生は増加する。ペプチド誘発性寛容の状態のマウスにおけるIL-10の中和は疾患に対する感受性を完全に回復させることが示されている。調節細胞の集団は、IL-10を産生し免疫調節を引き起こす寛容状態において持続することが提案されている(Burkhartら (1999) Int. Immunol. 11:1625-1634)。
したがって、寛容の誘発は、以下のものを含む種々の技術によりモニターされうる。
(a)該ペプチドがインビボにおける標的エピトープである疾患に罹る感受性の低下;
(b)CD4+ T細胞におけるアネルギーの誘導(これはインビトロにおける抗原での後続チャレンジにより検出されうる);
(c)以下のものを含むCD4+ T細胞集団における変化:
(i)増殖の低減;
(ii)例えばIL-2、IFN-γおよびIL-4の、産生のダウンレギュレーション;
(iii)IL-10の産生の増加。
標的疾患
本発明のペプチドは疾患の治療および/または予防において使用されうる。該疾患は脱髄疾患、例えば副腎白質ジストロフィー、VWM型白質脳症(vanishing white matter disease)または多発性硬化症(MS)でありうる。
本発明のペプチドは多発性硬化症(MS)の治療および/または予防において特に有用である。多発性硬化症(MS)は、種々の部位および時期で見出されCNS白質の全体に散在する複数の脱髄病変により特徴づけられる慢性炎症疾患である(McFarlinおよびMcFarland, 1982 New England J. Medicine 307:1183-1188および1246-1251)。MSは自己反応性T細胞により引き起こされると考えられている。
医薬組成物
第2の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の1以上のペプチドを含む医薬組成物に関する。
本発明者らは、「バイスタンダー抑制(bystander suppression)」にもかかわらず、寛容を効果的に誘発するためには幾つかの異なるT細胞クローンを標的化することが必要かもしれないと予想している。したがって、疾患を予防または治療するために、複数のペプチドが個体に投与されうる。
該医薬組成物は、例えば、1〜20個のアピトープ、例えば、1〜15個、2〜8個または4〜6個のアピトープを含みうる。
2以上のアピトープが存在する場合、該医薬組成物はキットの形態であってよく、この場合、アピトープの幾つか又はそれぞれは同時投与、別々の投与または連続投与のために別々に提供される。
その代わりに(またはそれに加えて)、該医薬組成物(またはそのいずれかの部分)を複数用量で投与しようとする場合には、各用量は別々にパッケージ(包装)されうる。
該医薬組成物は、そのアピトープまたは各アピトープの治療的または予防的に有効な量と、所望により、医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含みうる。
また、本発明の医薬組成物においては、そのアピトープまたは各アピトープは任意の適当な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、コーティング剤または可溶化剤と混合されうる。
投与
該ペプチドはアジュバントの非存在下で可溶性形態で投与されうる。
該ペプチドは鼻腔内、粘膜、皮下または皮内経路により投与されうる。
ペプチドは、可溶性形態で腹腔内(i.p.)、静脈内(i.v.)または鼻腔内(i.n.)または経口的に投与された場合、T細胞寛容を誘発しうることを、研究は示している(前記のAndertonおよびWraith (1998); 前記のLiuおよびWraith (1995); MetzlerおよびWraith (1999) Immunology 97:257-263)。
マウスにおける研究は、寛容を誘発するために要するペプチド投与の持続期間がレシピエントにおけるT細胞の前駆体頻度に依存することを示している(前記のBurkhartら (1999))。多数の実験研究においては、寛容を誘発するためにはペプチドの反復投与が必要であることが示されている(前記のBurkhartら (1999))。したがって、ペプチドの厳密な用量および投与回数は個体によるが、好ましい実施形態においては、複数の用量が投与される。
複数のペプチドが同時に投与される場合、それらは、単一または複数の用量の投与に適した「カクテル」の形態でありうる。あるいは、複数用量を投与することが好ましいかもしれないが、用量相互間の該ペプチドの相対濃度を変化させることが好ましいかもしれない。
好ましい実施形態においては、「用量漸増」法を用い、この場合、複数の用量を、次第に増加する濃度で患者に投与する。そのようなアプローチは、例えば、ハチ毒アレルギーに対する免疫療法適用において、ホスホリパーゼA2ペプチドに関して用いられている(Mullerら (1998) J. Allergy Clin Immunol. 101:747-754およびAkdisら (1998) J. Clin. Invest. 102:98-106)。
以下の実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明は特に、これらの実施例に記載されている特定の実施形態に関するものである。
実施例1 - プロテオリピドタンパク質(PLP)配列の親水性断片の研究
材料および方法
抗原
PLPは主に疎水性のタンパク質であるため、該配列の親水性部分を使用する必要があった。この目的のために、ハイドロパシシティ(hydropathicity)研究を行い、PLP分子の親水性ドメインから以下の8つのペプチドを合成した。
各ペプチドに関して、DR2(HLA-DRB1*1501)結合能を予測するためにインシリコ(in silico)研究を行い、応答を調べるためにインビトロ(増殖アッセイ)およびインビボ(EAE誘発)研究を行った。結果を図1に示す。
3つのペプチドがインビトロおよびインビボ研究の両方において応答することが示され、これはDR2結合予測と相関した。これらのペプチドはHEAL-26、TWTT-28およびGVLP-28であった(該ペプチドを特定するために前記配列において太字で示されている最初の4つのアミノ酸を用いた)。
実施例2 - HEAL-26内のアピトープの同定
HEAL-26にまたがる15マー重複ペプチドの一群を、標準的なF-moc化学法を用いて合成した。各ペプチドは、以下に示すとおり、1アミノ酸ずつずらされていた。
DR2マウスからのHEAL-26特異的ハイブリドーマを使用して、該ペプチドを分析した。これらのペプチドのうち、POP-4、POP-7およびPOP-8がアピトープとして同定された。
実施例3 - TWTT-28内のアピトープの同定
TWTT-28にまたがる15マー重複ペプチドの一群を、標準的なF-moc化学法を用いて合成した。各ペプチドは1アミノ酸ずつずらされていた。DR2マウスからのTWTT-28特異的ハイブリドーマを使用して、ペプチドを分析した。
ペプチドPOP-14〜POP-18が、以下の配列を有するアピトープとして同定された。
実施例4 - GVLP-28内のアピトープの同定
GVLP-28にまたがる15マー重複ペプチドの一群を、標準的なF-moc化学法を用いて合成した。各ペプチドは1アミノ酸ずつずらされていた。DR2マウスからのTWTT-28特異的ハイブリドーマを使用して、ペプチドを分析した。
ペプチドPOP-22が、以下の配列: VLPWNAFPGKVCGSNを有し、アピトープとして同定された。
実施例5 - エクスビボ寛容アッセイ
寛容を誘発する該アピトープの能力を評価するために、本発明者らは、まず、エクスビボで免疫応答を抑制するこれらのアピトープの能力を測定した。この目的のために、HLA-DRB1*1501マウスを漸増用量の個々のアピトープで前処理し、ついで対応する長いペプチドでプライミングした。プライミングの10日後、脾細胞(SPL)およびリンパ節細胞(LNC)を、3日間にわたって、対応する長いペプチドと共に培養し、該ペプチドで刺激して、3H-チミジン取り込みによりそれらの増殖を、そして多重サイトカインプロファイリング系によりサイトカイン産生を評価した(図5)。
該寛容研究は、POP-4前処理がリンパ節(図6)および脾臓(図7)におけるTh1/Th17サイトカイン産生の抑制(IFN-γ、TNF-αおよびIL-17の有意な減少)およびT細胞増殖の抑制を誘発することを示している。HEAL-26(図6および7)はSPLおよびLNCの両方においてIL-17の増殖を低減し、IL-17の産生を低減する。しかし、IL-5の増加も観察されており、このことは、マウスをHEAL-26で前処理した場合のTh1/Th7サイトカインからTh2サイトカインへの移行を示している。
POP-15およびTWTT-28はSPLおよびLNCの増殖およびサイトカイン産生を非常によく抑制する。POP-15の場合、脾細胞に関する増殖においては差異は認められないが、サイトカイン産生においては僅かな差異が認められる。実際、POP-15で処理されたマウスはより少量のIFN-γ(統計的に有意)、より少量のGM-CSFおよびより少量のIL-17を産生する。更に、マウスをPOP-15で処理した場合には、LNC内の増殖およびサイトカイン(IFN-γ、GM-CSFおよびIL-17)の有意な抑制が認められる。
POP-22の場合には、結果は、PBSマウスの非常に低い応答ゆえに、それほど明瞭ではない。しかし、POP-22およびGVLP-8での前処理の効果を観察することが可能である。実際、刺激指数はPOP-22(図12および14)およびGVLP-28(図14)でのLNC増殖の低減を示している。マウスをPOP-22またはGVLP-28で前処理した場合には、これらの細胞によるIL-17産生の有意な抑制も観察されている。
材料および方法
マウス
HLA-DRB1*1501マウス(DR2マウス)をLars Fugger(LS Madsenら, A humanized model for multiple sclerosis using HLA-DR2 and a human T-cell receptor. Nature genet 1999. 23, 343-347)から入手し、Ab0マウスと戻し交雑させた。生じたDR2マウスはHLA-DRB1*1501分子を発現するが、マウスMHC分子を発現しない。
ペプチド
長いペプチドおよび15マーペプチドがGL Biochem Ltd(Shangai, China)により合成され、ジメチルスルホキシド(DMSO, Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)中で-80℃で貯蔵された。
HLA-DRB1*1501へのペプチドの結合の研究
NetMHCII 2.2サーバー
NetMHCII 2.2サーバーは、人工ニューロンネットワークを使用して、HLA-DRB1*1501へのペプチドの結合を予測する。予測値はnM IC50値で示される。強力な及び弱い結合性ペプチドが出力において示される。高いアフィニティの結合性ペプチドは50nM未満のIC50値を有し、弱い結合性ペプチドは500nM未満のIC50値を有する。その結果は、以下のとおりに計算された予測スコアとして示される: 1-log50000(aff)。ウェブサイトアドレス: http://www.cbs.dtu.dk/services/NetMHCII。
免疫エピトープデータベース(IEDB): コンセンサス法
各ペプチドに関して、4つの方法(ARB、コンビナトリアルライブラリー、SMM alignおよびSturniolo)のそれぞれのパーセンタイル順位を、SWISSPROTデータベースから選択された500万個のランダム15マーのスコアに対して該ペプチドのスコアを比較することにより得た。小さな数字のパーセンタイル順位は高いアフィニティを示す。ついで4つの方法の中央値パーセンタイル順位を用いて、コンセンサス法に関する順位を得た。ウェブサイトアドレス: http://tools.immuneepitope.org/analyze/html/mhc_II_binding.html。
長いペプチドの免疫原性の決定
プライミングおよびEAE(実験的自己免疫脳脊髄炎)
HLA-DRB1*1501トランスジェニックマウスに、4mg/ml 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)(MTb, BD Difco, Oxford, UK)を含む完全フロイントアジュバント(CFA; BD Difco, Oxford, UK)と共に、PBS(Lonza, Verviers, Belgium)中の100μgの長いペプチドまたはPBSのみを含有する100μlを尾基底部に皮下注射した。EAE研究のために、プライミングと同時に、およびその2日後、200ngの百日咳毒素を該マウスに注射した。ついで毎日、該マウスを追跡観察し、秤量し、疾患に関してスコアリングした。
細胞培養
第10日に、流入領域リンパ節および脾臓を摘出し、脾細胞およびリンパ節細胞を単離し、96ウェル平底プレートにおいてX-vivo 15培地(グルタミン、ペニシリンおよびストレプトマイシンを補充したもの; Lonza, Verviers, Belgium)内で培養した。200μl/ウェル中の0.5×106 細胞/ウェルを増殖アッセイのために種々の濃度のペプチドと共に培養した。
増殖アッセイおよびサイトカイン分析
培養内で3日後、60μlの上清を(細胞を乱すことなく)集め、凍結した。20μCi/mlの前希釈(ストック5mCi; PerkinElmer,Waltham, MA)のトリチウム化チミジン25μl/ウェルを0.5μCi/ウェルの最終濃度まで該細胞に加えた。該細胞を37℃でインキュベートした。18時間後、プレートを凍結した。ついで、解凍されたプレートを集め、β-カウンター(Wallac 1450 MicroBeta TriLux Liquid Scintillation Counter)で読取った。ついで上清をマウスTh1/Th2 10plex FlowCytomix Multiplex(Bender)で分析した。
T細胞クローンの作製
プライミングおよびT細胞系の樹立:
第0日に、5匹のHLA-DRB1*1501トランスジェニックマウスの尾基底部に、4mg/ml 結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFA中の100μgの長いペプチドを注射した。PBSでプライミングされた対照群をプライミングに関する対照として使用した。第10日に、流入領域リンパ節および脾臓を摘出し、脾細胞およびリンパ節細胞を単離した。脾細胞およびリンパ節細胞を混合し、陰性精製キット(非接触(untouched)CD4 T細胞; Miltneyi, Bergisch Gladbach, Germany)を使用してCD4 T細胞を精製した。ついでCD4 T細胞を、HLA-DRB1*1501マウスからのAPC(抗原提示細胞)としての照射済脾細胞(3000 rad)を1:1の比で約5×106細胞/mlで用いて、10μg/mlの長いペプチドにより、6ウェルプレート内で再刺激した。該刺激は、ウシ胎児血清(FCS)に特異的な細胞を活性化することを避けるためにX-vivo 15培地内で行った。第4日に、20 U/mlの組換えヒトIL-2(R&D, Mineapolis, MN)を該細胞に加えた。第7日に、全ての細胞を集め、死細胞をフィコール密度勾配分離(Histopaque 1083, Sigma-Aldrich, St Louis, MA)により除去した。ついで細胞をDR2マウスからの照射済脾細胞(2:1のAPC:CD4 T細胞の比)で再刺激した。再度、長いペプチドを該培養物に10μg/mlで加えた。今回はRPMI-5% FCS(Biosera, Ringmer, UK; ヘペス(hepes)、ペニシリン、ストレプトマイシン、グルタミン : Lonzaおよびβ-メルカプトエタノール : ギブコ(gibco)を補充したもの)を使用した。第7日に、細胞を集め、フィコール処理し、融合させた。
融合:
1×107個のBW5147細胞(Health Protection Agency Culture Collections, Salisbury, UK)および1×106個のCD4 T細胞系を混合し、硬いペレットのため遠心機上の最高破壊設定を用いて50ml チューブ内で37℃の無血清培地中で洗浄した。上清を注ぎ出し、過剰分をピペットで除去した。細胞を水浴内に5分間放置して、残存培地を滴下させ、ついでピペットで除去した。細胞ペレットを穏やかかつ完全に再懸濁させた。ついで1mlの37℃のPEG(ポリエチレングリコール, 40〜50%溶液, Sigma-Aldrich, St Louis, MA)を45秒かけて加え、該細胞をフード内の小型水浴内に維持した。該細胞を37℃で45秒間インキュベートした。1mlの37℃の無血清培地を、チューブを回旋させながら30秒かけて加え、ついで2mlを同様にして加え、ついで3、4、10および30mlも前記のとおりに加えた。該チューブを非常にゆっくりと反転させ、37℃で5分間インキュベートした。ついで細胞をブレーキ(brake)無しで1300rpmで室温(RT)で5分間遠心分離した。上清をピペットで注意深く除去した(約1mlをペレット上に残した)。50mlのRT無血清培地を、細胞ペレットを除去することなく加えた。該細胞を前記のとおりに遠心沈降させ、完全培地で洗浄を繰返した。ついで細胞を50mlのRT完全培地 10%-FCS中に再懸濁させ、4つの96ウェル平底プレート(100μl/ウェル)内にプレーティングした。ついで38mlの完全RPMI-10% FCSを該チューブに加え、前工程を2回繰返して、37℃でインキュベートされた3系列の希釈(合計12プレート)で完了した。48時間後、100μlの2×HAT(ヒポキサンチン-アミノプテリン-チミジン, Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)培地を各ウェルに加えた。第6日までにハイブリドーマが出現し始めた。クローンを、それらが安定になるまでHAT 1×培地内で維持し、ついでHT(ヒポキサンチン-チミジン, Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)培地内に2〜3週間に隔離(wean)し、ついで完全RPMI内に隔離した。クローンは不安定になる可能性があるため、それを通常は凍結した(90% FCS + 10% DMSO)。
クローンの抗原特異性の評価
100μlのハイブリドーマ細胞を5×104個のMGAR細胞(HLA-DRB1*1501を発現するヒト細胞系, Health Protection Agency Culture Collections, Salisbury, UK)と共に平底96ウェルプレートのウェル内で培養した。10μg/mlの長いペプチドを含有する50μlの完全RPMI-10% FCSまたは同体積のDMSO(該ペプチドの希釈剤)を該ウェルに加えた。48時間後、120μlの上清を取り出し、マウスIL-2 ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)を行った。IL-2を産生するクローンは、使用した抗原を認識する。残存上清を-20℃で凍結した。
IL-2 ELISA
96ウェルプレート(Immunosorb 96 well, Nunc, Roskilde , Denmark)を50μl/ウェルの精製ラット抗マウスIL-2捕捉Ab(BD Biosciences, Oxford, UK)でコートし、炭酸バッファー(3.56gのNa2CO3 (Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)、8.4gのNaHCO3 (Fisher Scientific, Loughborough, UK)、1Lのエルガスタット(elgastat)水; pH 9.5)中で1:250希釈し、4℃で一晩インキュベートした。PBS-Tween(1Lの10×PBS、9Lの蒸留水、0.5 mlのTween (Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA))中の2回の洗浄の後、200μl/ウェルのPBS-10% FCSを加え、室温で1時間インキュベートした。PBS-Tween中の3回の洗浄の後、50μlの上清またはIL-2標準(BD Biosciences, Oxford, UK)希釈物(PBS-10% FCS中)を該ウェルに加え、室温で2時間インキュベートした。PBS-Tween(Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)中の4回の洗浄の後、10% FCS/PBS中に1:1000希釈された50μl/ウェルのビオチンラット抗マウスIL2(BD Biosciences, Oxford, UK)を加え、室温で1時間インキュベートした。4回の洗浄の後、PBS中に1:1000希釈された50μl/ウェルのエクストラビジン(extravidin)ペルオキシダーゼ(Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)を加え、室温で30分間インキュベートした。4回の洗浄の後、50μl/ウェルの基質溶液*を加え、明らかな色変化が見られるまで室温でインキュベートした。50μl/ウェルの2M H2SO4 (BDH, Poole, UK)を使用して反応を停止させ、プレートをELISAリーダー(SpectraMax Pro, Molecular Device, Sunnyvale, CA)で450nm(550nm ref)で読取った。*基質溶液: 10mlのリン酸-クエン酸バッファー0.1M (5.14 ml 0.2M Na2HPO4 (BDH, Poole, UK)、4.86 mlの0.1M シトラート (Sigma)、10 mlのエルガスタット(elgastat)水)、0.1 mlのTMB (DMSO中、10mg/mlの解凍された3,3',5,5'-テトラメチルベンジジン, Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)、6μlの過酸化水素 (Sigma-Aldrich, Saint Louis, MA)。
抗原プロセシング非依存的提示系
ついで該特異的クローンを15マーペプチド(POP-1〜POP-12)に対するそれらの応答に関して、固定または非固定MGAR細胞を使用して試験した。この目的のために、個々のクローンからの1×105個の細胞を5×104個の固定または新鮮MGAR細胞と共に96ウェル平底プレート内で培養した。MGAR細胞固定のために、20×106個のMGAR細胞を6mlのパラホルムアルデヒド(PFA, BDH, Poole, UK)0.5% (pH 7)と共に室温で5分間インキュベートし、ついで6mlのグリシン(Fisher Scientific, Loughborough, UK)を0.4Mにて加えて反応を停止させた。ついで該細胞を洗浄し、RPMI-10% FCS中に再懸濁させた。RPMI-10% FCS中に希釈された10μg/mlの各15マーペプチドを個々のウェルに加えた。ペプチドの代わりにDMSOを含有するウェルを陰性対照として各クローンに使用し、長いペプチドを含有するウェルを陽性対照として使用した。培養内で48時間の後、120μlの上清を集め、ELISAにより分析してIL-2産生を評価した。
アピトープ処理での寛容誘発
HLA-DRB1*1501トランスジェニックマウスを漸増用量(0.1、1、10および3× 100μg)のアピトープまたは100μlのPBSで第-15日、第-13日、第-11日、第-8日、第-6日、第-4日に前処理した。第0日に、該マウスを、4mg/mlの結核菌(Mycobacterium tuberculosis)を含有するCFA中の100μgの長いペプチドで尾基底部にプライミング(初回免疫)した。10日後、鼡径リンパ節および脾臓を摘出した。ついでLNCおよび脾細胞による増殖およびサイトカイン産生を前記のとおりに分析する。
本発明の範囲および精神から逸脱することなく、記載されている本発明の方法および系の種々の修飾および変更が当業者に明らかであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関して記載されているが、特許請求している本発明はそのような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないと理解されるべきである。実際、化学または分子生物学または関連分野における当業者に明らかである、本発明を実施するための記載されている態様の種々の修飾が、本発明に含まれると意図される。前記の本明細書に挙げられている全ての刊行物を参照により本明細書に組み入れることとする。

Claims (10)

  1. インビトロでMHC分子に結合することができ、かつ抗原プロセシングを受けることなくT細胞に提示されることができるペプチドであって、以下のプロテオリピドタンパク質(PLP)ペプチド:
    PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)、
    PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)、
    PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)
    の全体または一部分を含むペプチド。
  2. 以下のペプチド:
    PLP 39-57: LTGTEKLIETYFSKNYQDY (配列番号4)、
    PLP 180-198: WTTCQSIAFPSKTSASIGS (配列番号5)、
    PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号6)
    の一部分を含む、請求項1記載のペプチド。
  3. 以下のPLPペプチド:
    PLP 39-53: LTGTEKLIETYFSKN (配列番号7)、
    PLP 42-56: TEKLIETYFSKNYQD (配列番号8)、
    PLP 43-57: EKLIETYFSKNYQDY (配列番号9)、
    PLP 180-194: WTTCQSIAFPSKTSA (配列番号10)、
    PLP 181-195: TTCQSIAFPSKTSAS (配列番号11)、
    PLP 182-196: TCQSIAFPSKTSASI (配列番号12)、
    PLP183-197: CQSIAFPSKTSASIG (配列番号13)、
    PLP 184-198: QSIAFPSKTSASIGS (配列番号14)、
    PLP 208-222: VLPWNAFPGKVCGSN (配列番号15)、
    PLP 36-61: HEALTGTEKLIETYFSKNYQDYEYLI (配列番号1)、
    PLP 179-206: TWTTCQSIAFPSKTSASIGSLCADARMY (配列番号2)および
    PLP 207-234: GVLPWNAFPGKVCGSNLLSICKTAEFQM (配列番号3)
    から選択される、請求項1または2記載のペプチド。
  4. 脱髄疾患の治療および/または予防における使用のための、請求項1〜3のいずれか1項記載のペプチド。
  5. 該疾患が多発性硬化症である、請求項4記載のペプチド。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の1以上のペプチドを含む医薬組成物。
  7. 脱髄疾患の治療および/または予防を要する対象における脱髄疾患の治療および/または予防方法であって、請求項1〜5のいずれか1項記載のペプチドを該対象に投与する工程を含む方法。
  8. 該疾患が多発性硬化症である、請求項7記載の方法。
  9. 脱髄疾患の予防および/または治療における使用のための医薬の製造における、請求項1〜5のいずれか1項記載のペプチドの使用。
  10. 該疾患が多発性硬化症である、請求項9記載の使用。
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