JP2016503390A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、チオトロピウム及びヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物、該医薬組成物の製造方法、並びに、医薬における、特に、呼吸器疾患の予防及び治療のための医薬における、該医薬組成物の使用に関する。

Description

本発明は、チオトロピウムを、少なくとも1種のヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤(propellant)とともに含んでなる、安定な医薬組成物に関する。また、本発明は、該医薬組成物の製造方法、並びに、喘息、COPD及びその他の呼吸器疾患の治療のための該医薬組成物の使用に関する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、その患者数が世界中で増加している重篤な呼吸器疾患である。インドにおける推定患者数は、約12.36百万人である。現在、イギリス及びアメリカにおける第4位の死亡原因であり、2020年までには「世界的な影響を及ぼす疾患(global impact of disease)」において第3位にランクすることが予想されている。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、完全には可逆的でない気流制限によって特徴付けられる、予防可能及び治療可能な疾患状態である。気流閉塞は、通常、進行性であり、主に喫煙によって生じる有害な粒子又はガスに対する肺の異常な炎症反応と関連している。COPDは肺に影響を与えるだけでなく、重大な全身性の帰結も引き起こす。COPDは、粘液過剰分泌、気腫及び細気管支炎に関与している。
喘息は、世界中で推定300百万人に影響を与える慢性的な罹患率及び死亡率の主要な原因であり、毎年250,000人の死亡がその疾患によって引き起こされている。ほどんどの国における全ての年代の人々がこの慢性疾患によって影響を受けている。
喘息は、喘鳴、息切れ、胸部圧迫及び咳の再発エピソードを招く気道過敏性と関連する、気道の慢性的な炎症性疾患である。炎症反応の増加は、急性喘息の病態生理学の主要部分であり、定期的な予防処置が重要である。
COPD、喘息及びその他の呼吸器疾患の予防及び治療のための療法の主要目的には、禁煙、症状の緩和、生理的機能の改善、並びに、異常なガス交換及び疾患の悪化といった事態(complications)の制限が含まれる。しかしながら、処置のための統合的アプローチには、ヘルスケア維持管理の組合せ、例えば、禁煙、室内及び屋外の汚染物質及びアレルゲンの回避、アレルゲンへの職業性曝露の回避、並びに、疾患の進行に伴う段階的な薬物療法及び補充療法の使用が関与する。
現在、COPD及び喘息の治療又は予防のための療法としては、例えば、1種又は2種異常の長時間作用型気管支拡張剤、例えば、β2アゴニスト、抗コリン薬、吸入コルチコステロイド剤(ICS)又はそれらの組合せの使用が挙げられる。
チオトロピウムブロミドは、M1、M2及びM3ムスカリン性受容体に拮抗する抗コリン性気管支拡張剤の一つである。チオトロピウムは、(1α,2β,4β,5α,7β)−7−[(ヒドロキシジ−2−チエニルアセチル)オキシ]−9,9−ジメチル−3−オキサ−9−アゾニアトリシクロ[3.3.1.02,4]ノナンブロミド一水和物として化学的に公知であり、次式で表される。
チオトロピウムは、最大32時間という長時間の作用時間を有する。また、チオトロピウムは、呼吸困難の改善を示し、救援治療の必要性をなくす。COPD患者において、チオトロピウムを、運動耐久時間(exercise endurance time)の増加に関連する肺リハビリテーション(PR)と組み合わせると、肺リハビリテーション単独と比較して、臨床的に意義のある呼吸困難及び健康状態の改善が生じる。
チオトロピウムは、水分に対して非常に感受性が高い薬物である。したがって、チオトロピウムを含有する製剤は加水分解を受けて不安定な製剤を生じ、その結果、要求される効能が低下する。
製剤者によって、追加の賦形剤、例えば、鉱酸、低分岐鎖状又は直鎖状アルキル(C1−C4)アルコール及び活性アジュバント複合体を添加することにより、そのようなチオトロピウムの製剤を安定化させるための幾つかの試みが行われてきた。
例えば、EP2201934には、安定なチオトロピウムHFAエアロゾル溶液製剤が開示されており、ここでは、安定性が、鉱酸、例えば、塩酸、リン酸、硝酸及び硫酸の製剤への添加によって達成される。しかしながら、安定性を向上させるためには、少量の鉱酸を添加する必要があるだけでなく、製剤と接触する可能性がある容器、定量弁(metering valve)及びシーリングガスケットの種類を選択することも重要である。さらに、鉱酸の添加は、製剤の毒性を増加させる可能性がある。
WO2010052466には、呼吸器疾患の治療のための、アジュバント(PVP)と複合化したチオトロピウムの安定なエアロゾル医薬組成物が開示されている。
EP1870090には、懸濁化エアロゾル及び噴射剤としてのヒドロフルオロカーボンの安定な新規製剤が開示されており、ここでは、安定性が、分散アジュバント、例えば、エタノールを非常に少量(0.30%w/w未満)添加するとともに、製剤に適合するシール部に設けられた弁を使用することにより達成される。しかしながら、エタノールの量を増加又は減少させることにより、FPF(微粒子フラクション)及びMMAD(空気動力学的中央粒子径)の値が大幅に変化しうる。
上記従来技術は、チオトロピウムの安定な製剤を調製する様々な技術に及ぶが、少量の賦形剤、特定の種類の容器及び弁の使用によって、製造の簡便性が制限される可能性があるとともに、コストが変動する可能性がある。
上記制限を考慮すると、簡便な製造技術によって製造することができるとともに、向上した安定性を示すチオトロピウムの医薬組成物を開発する必要性が依然として存在する。
HFA噴射剤の使用は従来技術において十分に開示されているが、本発明者らは、驚くべきことに、チオトロピウムとともに噴射剤として特にHFA−227を含んでなる組成物が、その他のHFA噴射剤、特にHFA−134(a)と比較して、向上した安定性を示すことを見出した。
本発明の目的は、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物であって、向上した安定性を示す医薬組成物を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物の製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物を投与することにより、喘息、慢性閉塞性肺疾患又は関連呼吸器疾患を予防又は治療する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、喘息及び慢性閉塞性肺疾患又は関連する呼吸器疾患の治療のための、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物の使用を提供することである。
本発明の第一の態様によれば、チオトロピウム(好ましくはチオトロピウムブロミド)及びHFA噴射剤(好ましくはHFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物が提供される。
本発明の別の態様によれば、チオトロピウムを、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物であって、HFA−227を噴射剤として含んでなる医薬組成物が提供される。好ましくは、本発明の医薬組成物は、定量噴霧式吸入器(metered dose inhaler:MDI)を使用した投与用に製剤化されている。
本発明の別の態様によれば、チオトロピウム及び別の活性成分(好ましくはβアドレナリン作動薬及び/又は吸入コルチコステロイド剤)並びにHFA噴射剤(好ましくはHFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物が提供される。好ましくは、本発明の医薬組成物は、定量噴霧式吸入器を使用した投与用に製剤化されている。
本発明の別の態様によれば、医薬組成物の製造方法であって、チオトロピウム及びHFA噴射剤(好ましくはHFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤と混合する工程を含んでなる方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物を投与することにより、喘息、慢性閉塞性肺疾患又は関連呼吸器疾患を予防又は治療する方法が提供される。
本発明の別の態様によれば、喘息、慢性閉塞性肺疾患又は関連呼吸器疾患を予防又は治療するための、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、喘息、慢性閉塞性肺疾患又は関連呼吸器疾患を予防又は治療するための医薬の製造における、チオトロピウム及びHFA噴射剤(例えば、HFA−227)を、必要に応じて薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物の使用が提供される。
チオトロピウム、HFA噴射剤(HFA−227又はHFA134(a)のいずれか)及びラクトースを含んでなる医薬組成物に関する研究が実施された。
(A)安定性データ
図1:チオトロピウム及び噴射剤HFA134(a)の組合せ対チオトロピウム及び噴射剤HFA−227の組合せの安定性比較データ。
この図は、初期%L.A.(標識量(Labelled Amount))値から6ヶ月%L.A.値への低下が、チオトロピウム及び噴射剤HFA−227の組合せの場合には、チオトロピウム及び噴射剤HFA134(a)の組合せと比較して、実質的に低いことを示す。このことは、チオトロピウム及びHFA−227の組成物が、チオトロピウム及びHFA134(a)の組成物よりも安定であることを示す。
(B)ヒト肺における粒子の沈着を再現する粒径分布研究
図2:カスケードインパクター(Cascade Impactor)を使用した噴射剤HFA134(a)の粒径分布研究
図3:カスケードインパクターを使用した噴射剤HFA−227の粒径分布研究
段階S3、S4及びS5は、チオトロピウムの顕著な肺沈着を示す重要な段階である。
図2及び3は、S3及びS4の両段階における初期%L.A値から6ヶ月%L.A値への低下が、チオトロピウム及びHFA−227の組成物では、チオトロピウム及び134(a)の組成物よりも小さいことを示す。このことは、チオトロピウム及びHFA−227の組成物が、チオトロピウム及びHFA134(a)の組成物よりも安定であることを示す。
図1は、チオトロピウム及び噴射剤HFA134(a)の組合せ対チオトロピウム及び噴射剤HFA−227の組合せの安定性比較データを示す図である。 図2は、カスケードインパクターを使用した噴射剤HFA134(a)の粒径分布研究の結果を示す図である。 図3は、カスケードインパクターを使用した噴射剤HFA−227の粒径分布研究の結果を示す図である。
発明の具体的説明
本発明者は、チオトロピウム及びHFA噴射剤(好ましくはHFA−227)を、必要に応じて1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに含んでなる医薬組成物を開発した。
本発明は、本発明の医薬組成物の製造方法を提供するとともに、喘息、慢性閉塞性肺疾患又はその他の関連呼吸器疾患の治療における本発明の医薬組成物の使用を提供する。
本発明の医薬組成物は、好ましくは、定量噴霧式吸入器(MDI)又は同種のものを使用して投与するためのエアロゾル組成物である。
さらに、本発明の医薬組成物は、チオトロピウム及び追加の活性成分、噴射剤を、必要に応じて1種又は2種以上の賦形剤とともに含むことができる。活性成分は、βアドレナリン作動薬及び/又は吸入コルチコステロイド剤を含んでなる群から選択することができる。
本明細書において、用語「チオトロピウム、アルブテロール、サルブタモール、レボアルブテロール、レボサルブタモール、ブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、イソプロテレノール(β1及びβ2)、メタプロテレノール、テルブタリン、イソエタリン、メシル酸ビトルテロール、リトドリン、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、カルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール、ミルベテロール、ビランテロール、オロダテロール、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、吉草酸フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ベクロメタゾン、ブデソニド、R−ブデソニド」は、活性成分それ自体だけでなく、薬学的に許容可能なその誘導体も含む広い意味で使用される。好適な誘導体としては、例えば、薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、薬学的に許容可能な水和物、薬学的に許容可能な異性体、薬学的に許容可能なエステル、薬学的に許容可能な無水物、薬学的に許容可能なエナンチオマー、薬学的に許容可能な多形体、薬学的に許容可能なプロドラッグ、薬学的に許容可能な互換異性体及び/又は薬学的に許容可能な複合体(complex)、あるいは、そのような誘導体の任意の組合せが挙げられる。チオトロピウムの薬学的に許容可能な好ましい塩は、チオトロピウムブロミド、好ましくは、チオトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド無水物である。
クロロフルオロカーボン類(CFC類)は、それらが非毒性及び不燃性であり、蒸気圧が高いという事実から、これまで、加圧式定量噴霧式吸入器(pressurised metered dose inhaler)において使用される最も一般的な噴射剤であった。しかしながら、噴射剤としてのCFC類は、地球温暖化及び成層圏オゾン層破壊に対して悪影響を有するため、それらの使用は数多くの国で禁止されており、その結果、HFAが噴射剤系として広く使用されている。
したがって、2種の新しいヒドロフルオロアルカン類(HFA類)、すなわち、テトラフルオロエタン(HFA−134a)及びヘプタフルオロプロパン(HFA−227)が、pMDIで送達される医薬用エアロゾルで使用するための代替的な噴射剤となっている。HFA類もpMDIでの使用に関してCFC類と同様の利点を有しており、オゾン層に対していかなるダメージも与えない。
HFA噴射剤は、毒性学的に安全である必要があるとともに、医薬を加圧式MDIによって投与可能とするのに適する蒸気圧を有する必要がある。加えて、HFA噴射剤は、医薬の投与に使用されるMDIデバイス(例えば、容器、バルブ及びシーリングガスケット等)の部品に適合する必要がある。本発明で使用される好適なHFA噴射剤の具体例は、HFA−32(ジフルオロメタン)、HFA−143(a)(1,1,1−トリフルオロエタン)、HFA−134(1,1,2,2−テトラフルオロエタン)及びHFA−152a(1,1−ジフルオロエタン)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA−134(a))及び1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン(HFA−227)、並びに、それらの任意の混合物である。好ましいHFA噴射剤は、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA−134(a))及び1,1,1,2,3,3,3,−ヘプタフルオロプロパン(HFA−227)又はそれらの混合物である。用語「ヒドロフルオロアルカン(HFA)」及び「ヒドロフルオロカーボン(HFC)」は、本明細書を通じて交換可能に使用される。
本発明者は、HFA−227の噴射剤系としての使用が、HFA−134(a)を噴射剤系として含んでなるチオトロピウムの医薬組成物と比較したとき、より安定なチオトロピウムの医薬組成物を生じることを見出した。これは、図1、図2及び図3に示されている。
HFA−134(a)の吸湿性は、その高い極性のため、HFA−227と比較して6倍高い(測定値)。この吸湿性は、チオトロピウムの粒径を増加させることができ、その結果、微細粒子投与量(FPD:fine particle dose)の値が小さくなり、それによってバイオアベイラビリティが小さくなる。
さらに、HFA−134(a)は、最終的に患者のコンプライアンスに影響を与える可能性があるコールドフレオン現象(cold Freon effect)を生じる。
好適な賦形剤は、本発明の医薬組成物を製剤化するために、必要に応じて使用することができる。薬学的に許容可能な賦形剤の好適な具体例としては、これらに限定されるものではないが、HFA噴射剤、非ハロゲン化炭化水素噴射剤、共溶媒、低揮発性成分、安定剤、分散剤、pH調整剤、抗酸化剤、保存剤、キレート剤、界面活性剤、増量剤等、又はそれらの混合物のうちの1種又は2種以上を挙げることができる。
HFA噴射剤は、共溶媒と混合されたときに、治療有効量の医薬を溶解することができる均質な(homogeneous)噴射剤系を形成する担体である。HFA噴射剤は、毒性学的に安全であるとともに、医薬が加圧式MDIによって投与されることを可能とするのに適する蒸気圧を有する必要がある。加えて、HFA噴射剤は、医薬の投与に使用されるMDIデバイスの部品(例えば、容器、弁及びシーリングガスケット等)と適合する(compatible)必要がある。好ましいHFA噴射剤は、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA−227)である。好適なHFA噴射剤のその他の具体例は、HFA−32(ジフルオロメタン)、HFA−143(a)(1,1,1−トリフルオロエタン)及びHFA−152a(1,1−ジフルオロエタン)並びにそれらの混合物である。
非ハロゲン化炭化水素は、本発明のHFA噴射剤と組み合わせて使用することができる。そのような非ハロゲン化炭化水素の具体例は、飽和炭化水素、例えば、プロパン、n−ブタン及びイソブタン、並びに、エーテル、例えば、ジエチルエーテル等、又はそれらの混合物である。
また、単一のHFA噴射剤の使用が好ましいが、2種又は3種以上のHFA噴射剤の混合物、あるいは、少なくとも1種のHFA噴射剤と1種又は2種以上の非CFC噴射剤との混合物を、本発明の組成物(エアロゾル溶液製剤)に使用できることは、当業者に明らかであろう。
本発明の医薬組成物における薬物と噴射剤との適合性(compatibility)を向上させるために使用することができる好適な共溶媒及び低揮発性成分としては、例えば、1種又は2種以上のC−C脂肪族アルコール、例えば、これらに限定されるものではないが、エチルアルコール及びイソプロピルアルコール;グリコール、例えば、これらに限定されるものではないが、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル及びオキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック共重合体;その他の物質、例えば、これらに限定されるものではないが、グリセロール、ミリスチン酸イソプロピルポリオキシエチレンアルコール及びポリオキシエチレン脂肪酸エステル;炭化水素、例えば、これらに限定されるものではないが、n−プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン及びn−ヘキサン;エーテル、例えば、これらに限定されるものではないが、ジエチルエーテル等、又はそれらの混合物を挙げることができる。共溶媒は、好ましくは、本発明の組成物の0.1〜5%の範囲の量で存在する。
本発明の医薬組成物で使用することができる好適な増量剤としては、例えば、糖類、例えば、これらに限定されるものではないが、単糖類、二糖類、オリゴ糖類及び多糖類、例えば、ラクトース、マルトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、アラビノース、デキストロース、リボース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシロース、トレハロース、ラフィノース、メレジトース、グリセロール、エリトリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、D型及びL型の希少糖等、及びそれらの混合物を挙げることができる。増量剤は、好ましくは、薬物の10〜500%の範囲の量で存在する。さらに好ましくは、増量剤は、薬物(例えば、チオトロピウム)の10〜300%、50〜300%、50〜200%の範囲の量で存在する。最も好ましくは、増量剤は、薬物の300%の量で存在する。
好適には、本発明の医薬組成物で使用することができる保存剤は、製剤の0.00001〜0.2%、さらに好ましくは0.01〜0.2%の範囲で存在することができる。本発明の医薬組成物で使用することができる保存剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、EDTA、安息香酸、安息香酸塩(例えば、安息香酸ナトリウム)及び当業者に公知であり得るその他の保存剤等、又はそれらの混合物のうちの1種又は2種以上を挙げることができる。
好適には、本発明の医薬組成物で使用することができるキレート剤/錯化剤は、製剤の0.00001〜0.2%、さらに好ましくは0.01〜0.2%の範囲で存在することができる。本発明の医薬組成物で使用することができるキレート剤としては、例えば、エデト酸(EDTA)又はその公知の塩のうちの1つ、例えば、EDTAナトリウム又はEDTA二ナトリウム二水和物(エデト酸ナトリウム)等、又はそれらの混合物を挙げることができる。
好適には、本発明の医薬組成物で使用することができるpH調整剤としては、例えば、有機酸又は無機酸、例えば、これらに限定されるものではないが、クエン酸、アスコルビン酸、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等、又はそれらの混合物のうちの1種又は2種以上を挙げることができる。好ましくは、1種又は2種以上の有機酸又は無機酸は、非鉱酸、例えば、クエン酸及びアスコルビン酸である。最も好ましくは、本発明の医薬組成物は、鉱酸を含まない。すなわち、本発明の組成物は、鉱酸を本質的に含まない又は含まないことが好ましい。
本発明の医薬組成物を安定化させるとともに、定量噴霧式吸入器のバルブシステムに潤滑性を付与するために、1種又は2種以上の界面活性剤を使用することができる。1種又は2種以上の安定剤は、本発明の医薬組成物の、好ましくは0.00001〜0.5%、さらに好ましくは、0.00001〜0.2%、さらに一層好ましくは0.001〜0.3%、最も好ましくは0.001〜0.1%の範囲で存在する。最も一般的に使用される幾つかの界面活性剤としては、例えば、1種又は2種以上のイオン性及び/又は非イオン性界面活性剤、例えば、ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム、又は、エステル、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ミリスチン酸イソプロピル、又は、トコフェロールエステル、例えば、オレイン酸、トリオレイン酸ソルビタン、レシチン、ミリスチン酸イソプロピル、チロキサポール、又は、ポリソルベート、例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ビタミンE−TPGS、又は、マクロゴールヒドロキシステアリン酸、例えば、マクロゴール−15−ヒドロキシステアリン酸、又は、アセチル化モノグリセリド、例えば、Myvacet9−45及びMyvacet9−08、ポリオキシエチレンエーテル、オレイン酸エチル、トリオレイン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステリルアルコール、セチルピリジニウムクロリド、ブロックポリマー、天然油、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタントリオレエート、ポリエトキシ化ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ポリエトキシ化ソルビタントリオレエート)、ソルビマクロゴールオレエート、合成アムホテンシド(synthetic amphotensides)(トリトン)、又は、オクチルフェノールホルムアルデヒド縮合物のエチレンオキシドエーテル、ホスファチド、例えば、レシチン、ポリエトキシ化油脂、ポリエトキシ化オレオトリグリセリド(oleotriglyceride)及びポリエトキシ化脂肪アルコールを挙げることができる。また、界面活性剤は、オイル等の当業界で公知の広範な種類、例えば、これらに限定されるものではないが、例えば、コーンオイル、オリーブオイル、綿実油及びヒマワリ種子油、鉱油、例えば、流動パラフィン、オレイン酸、及び、リン脂質、例えば、レシチン、又は、ソルビタン脂肪酸エステル、例えば、ソルビタントリオレエート、又は、Tween20、Tween60、Tween80、ポリエチレングリコール、例えば、PEG−25、PEG−100、PEG−1000(好ましくは、組成物の総重量の0.3%の量)、グリセリルトリオレエート、PVP(ポリビニルピロリドン、例えば、PVP K25、好ましくは、組成物の総重量の0.001%の量)、クエン酸、PFDA(パーフルオロ−n−デカン酸)等、又はそれらの混合物から選択することができる。
本発明の医薬組成物で使用することができる好適な分散剤としては、例えば、ソルビタントリオレエート、オレイルアルコール、オレイン酸、レシチン等、又はそれらの混合物を挙げることができる。
本発明の医薬組成物で使用することができる好適な抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、α−トコフェロール、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)及びBHA(ブチルヒドロキシアニソール)等、又はそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、本発明の医薬組成物は、鉱酸を本質的に含まない、かつ/あるいは、本発明の医薬組成物は、チオトロピウム−アジュバント複合体(complex)、例えば、チオトロピウム−PVP複合体を含まない。あるいは、好ましくは、本発明の医薬組成物は、鉱酸を含まない、かつ/あるいは、本発明の医薬組成物は、チオトロピウム−アジュバント複合体、例えば、チオトロピウム−PVP複合体を含まない。
好ましくは、チオトロピウムブロミド、さらに好ましくは、チオトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド無水物と、HFA−227とを含んでなる医薬組成物が提供される。チオトロピウムブロミド、好ましくは、チオトロピウムブロミド一水和物の投与量は、好ましくは、9マイクログラム(mcg)である。
本発明の医薬組成物は、βアドレナリン作動薬、例えば、これらに限定されるものではないが、アルブテロール、サルブタモール、レボアルブテロール、レボサルブタモール、ブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、イソプロテレノール(β及びβ)、メタプロテレノール、テルブタリン、イソエタリン、メシル酸ビトルテロール、リトドリン、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、カルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール、ミルベテロール、ビランテロール、オロダテロール、あるいは、吸入コルチコステロイド剤、例えば、これらに限定されるものではないが、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、吉草酸フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ベクロメタゾン、ブデソニド、R−ブデソニドから選択された1種又は2種以上の活性薬剤をさらに含むことができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明の医薬組成物は、チオトロピウム、好ましくはチオトロピウムブロミド、さらに好ましくはチオトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド無水物を含み、かつ、加圧式定量噴霧式吸入器を使用して送達するために製剤化されている。好ましくは、チオトロピウム濃度は、上述の活性粒子/エアロゾル粒子の望ましいFPDによって特徴づけられる、約2.5マイクログラム〜約18マイクログラム、好ましくは約2.5マイクログラム〜約15マイクログラム、さらに好ましくは約4.5マイクログラム〜約9マイクログラムの範囲の単回投与量に相当する。最も好ましくは、本発明の医薬組成物は、チオトロピウムブロミド、好ましくはチオトロピウムブロミド一水和物を、約9マイクログラムの濃度で含む。
本発明の好ましい別の実施態様によれば、本発明の医薬組成物は、チオトロピウム、例えば、チオトロピウムブロミド、好ましくは、チオトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド無水物を含んでなり、かつ、定量噴霧式吸入器又は呼吸で作動する(breath actuated)定量噴霧式吸入器を使用して送達/投与するために製剤化されている。
本発明の別の実施形態によれば、チオトロピウム、好ましくは、チオトロピウムブロミド、さらに好ましくは、チオトロピウムブロミド一水和物又はチオトロピウムブロミド無水物を、HFA噴射剤、好ましくは、HFA−227、共溶媒、低揮発性成分、安定剤、分散剤、pH調整剤、界面活性剤又はそれらの混合物を含む1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤とともに、上記活性粒子/エアロゾル粒子の所望のFPDによって特徴付けられる、直径0.2mm〜0.6mm(好ましくは、0.4〜0.5mm)の、定量弁(metering valve)及び低オリフィスアクチュエータ(low orifice actuator)を備える定量噴霧式吸入器又は呼吸で作動する定量噴霧式吸入器を使用して投与する方法が提供される。
本発明の医薬組成物は、プレーン(plain)アルミニウム缶又はSS(ステンレス鋼)缶に調剤(dispense)することができる。これらの缶の内表面は、適当なポリマーでコーティングすることができる。そのようなポリマーとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、フルオロカーボン共重合体、例えば、FEP−PES(フッ化エチレンプロピレン及びポリエーテルスルホン)、PFA−PES(パーフルオロアルコキシアルカン及びポリエーテルスルホン)、エポキシ及びエチレン、又はそれらの組合せが挙げられる。あるいは、缶の内表面は、陽極酸化処理されていてもよい。
また、本発明は、本発明の医薬組成物を製造する方法であって、チオトロピウムをHFA噴射剤と混合する工程を含んでなる方法も提供する。好ましくは、混合工程は、1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤を、チオトロピウム及び/又はHFA噴射剤と混合することを含む。
また、本発明は、慢性閉塞性肺疾患及び喘息を治療するための哺乳動物(例えば、ヒト)の処置方法であって、本発明の医薬組成物の治療有効量の投与を含んでなる方法も提供する。
本発明の処置方法は、本発明の医薬組成物の治療有効量を1日あたり1回又は2回投与することを特徴とすることができる。
ある態様において、本発明は、アドレナリン作動薬及び/又は吸入コルチコステロイド剤から選択された、慢性閉塞性肺疾患及び喘息を治療するための1種又は2種以上の活性薬剤をさらに含んでいてもよい医薬組成物を提供する。
したがって、本発明は、βアドレナリン作動薬から選択された、同時、逐次又は別個に使用するための1種又は2種以上の活性薬剤をさらに含んでいてもよい医薬組成物を提供する。
本発明はまた、慢性閉塞性肺疾患及び喘息又は関連呼吸器疾患の治療のための、本発明の医薬組成物の使用を提供する。
本発明はまた、実施例を参照して本明細書に実質的に記載された医薬組成物を提供する。
以下の実施例は、単に本発明の説明を目的とするものであり、いかなる点においても本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
〔実施例1〕
方法:
1)チオトロピウムブロミドをHFA−227の一部(part quantity)と均質化(homogenized)した。
2)工程(1)で得られた懸濁物を、缶の要求容量を形成するのに十分な量のHFA−227が加えられた混合容器に移した。
3)次いで、得られた懸濁物を混合し、再循環させ、クリンプ付き(pre-crimped)アルミニウム缶に充填した。
〔実施例2〕
方法:
1)チオトロピウムブロミドをラクトース及びHFA−227の一部と均質化した。
2)工程(1)で得られた懸濁物を、缶の要求容量を形成するのに十分な量のHFA−227が加えられた混合容器に移した。
3)次いで、得られた懸濁物を混合し、再循環させ、クリンプ付きアルミニウム缶に充填した。
〔実施例3〕
方法:
1)PEG及びPVPをHFA−227に溶解した。
2)チオトロピウムブロミドをラクトース及びHFA−227の一部と均質化した。
3)工程(2)で得られた懸濁物を、缶の要求容量を形成するのに十分な量のHFA−227が加えられた混合容器に移した。
4)次いで、得られた懸濁物を混合し、再循環させ、クランプ付きアルミニウム缶に充填した。
上記表中で使用される「q.s」は、吸入器の所望容量(但し、記載されたその他の成分の容量を除く)を形成するのに必要な噴射剤の量を意味する。
本明細書に記載の発明の精神から逸脱することなく、様々な置換及び修正を本明細書に記載の発明に加えることができることは、当業者に直ちに明らかであろう。したがって、本発明は好ましい実施態様及び任意の特徴によって具体的に開示されているものの、当業者による本明細書に記載の概念の修正及び変更が可能であり、そのような修正及び変更は発明の範囲内に属するとみなされる。
本明細書で使用される表現及び用語は、説明目的であり、限定としてみなされるべきではないと理解されるべきである。明細書で使用される「含む(including)」、「含んでなる(comprising)」、「有する(having)」及びそれらの変形は、その後に挙げられた事項及びその等価事項並びに追加事項を包含する意味である。
本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載されている単数形(英語の「a」、「an」及び「the」)は、明示的に別段の定めがある場合を除き、複数形を含むことに留意されなければならない。

Claims (18)

  1. チオトロピウム及びヒドロフルオロアルカン(HFA)噴射剤を、必要に応じて薬学的に許容可能な1種又は2種以上の賦形剤とともに含んでなる、医薬組成物。
  2. チオトロピウムをその薬学的に許容可能な誘導体の形態で含んでなる、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記薬学的に許容可能な誘導体が、塩、溶媒和物、複合体、水和物、異性体、エステル、互換異性体、無水物、エナンチオマー、多形体又はプロドラッグである、請求項2に記載の医薬組成物。
  4. 前記HFA噴射剤がHFA−227である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 前記チオトロピウムが、チオトロピウムブロミドの形態である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  6. 前記1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤が、HFA噴射剤、非ハロゲン化炭化水素噴射剤、共溶媒、低揮発性成分、安定剤、分散剤、pH調整剤、抗酸化剤、保存剤、キレート剤、界面活性剤、増量剤又はそれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  7. アルブテロール、サルブタモール、レボアルブテロール、レボサルブタモール、ブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロール、イソプロテレノール(β1及びβ2)、メタプロテレノール、テルブタリン、イソエタリン、メシル酸ビトルテロール、リトドリン、サルメテロール、ホルモテロール、アルホルモテロール、カルモテロール、バンブテロール、クレンブテロール、インダカテロール、ミルベテロール、ビランテロール、オロダテロール、プロピオン酸フルチカゾン、フロ酸フルチカゾン、吉草酸フルチカゾン、モメタゾン、シクレソニド、ベクロメタゾン、ブデソニド、R−ブデソニド又はそれらの薬学的に許容可能な誘導体から選択された1種又は2種以上の活性薬剤をさらに含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 前記薬学的に許容可能な誘導体が、塩、溶媒和物、複合体、水和物、異性体、エステル、互換異性体、無水物、エナンチオマー、多形体又はプロドラッグである、請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 前記チオトロピウムが、約2.5マイクログラム〜約18マイクログラムの量で存在する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  10. 定量噴霧式吸入器又は呼吸で作動する定量噴霧式吸入器を使用した投与用に製剤化されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  11. 前記吸入器が、直径0.2mm〜0.6mmの、定量弁及び低オリフィスアクチュエータを備える、請求項10に記載の医薬組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物を製造する方法であって、チオトロピウムをHFA噴射剤と混合する工程を含んでなる、方法。
  13. 前記混合工程が、1種又は2種以上の薬学的に許容可能な賦形剤をチオトロピウム及び/又はHFA噴射剤と混合することを含んでなる、請求項12に記載の方法。
  14. 慢性閉塞性肺疾患、喘息及び関連呼吸器疾患の予防又は治療に使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  15. 慢性閉塞性肺疾患、喘息及び関連呼吸器疾患の予防又は治療のための医薬の製造における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物の使用。
  16. 喘息、慢性閉塞性肺疾患及び関連呼吸器疾患の予防又は治療が必要な患者における喘息、慢性閉塞性肺疾患及び関連呼吸器疾患を予防又は治療する方法であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含んでなる、方法。
  17. 定量噴霧式吸入器を使用して前記医薬組成物を投与する、請求項16に記載の方法。
  18. 実施例を参照して明細書に実質的に記載された医薬組成物。
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