JP2016500254A - 代謝疾患の調節のための方法および組成物 - Google Patents
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Abstract
代謝障害において異常に発現されるタンパク質を発現する導入遺伝子をセーフハーバー遺伝子座から発現させるための、細胞およびこれらの細胞を使用する方法。遺伝子治療は、ヒト治療の新時代に対する非常に大きな潜在性を有している。これらの方法論は、標準の医療行為によって対処することができなかった状態の処置を可能にする。導入遺伝子の標的挿入と、それに続いて起こる発現、例えば、肝臓等の分泌組織からの導入遺伝子の発現のための、細胞のゲノムにセーフハーバーを作製するための方法および組成物が本明細書に開示されている。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2012年12月5日に出願された米国仮特許出願第61/733,652号の優先権を主張し、その開示は、その全体が本明細書によって参照により組み込まれる。
本開示は、ゲノム編集の分野にある。
本出願は、2012年12月5日に出願された米国仮特許出願第61/733,652号の優先権を主張し、その開示は、その全体が本明細書によって参照により組み込まれる。
本開示は、ゲノム編集の分野にある。
遺伝子治療は、ヒト治療の新時代に対する非常に大きな潜在性を有している。これらの方法論は、標準の医療行為によって対処することができなかった状態の処置を可能にする。遺伝子治療は、遺伝子座の破壊または修正、および、導入遺伝子に融合された特異的外因性プロモーターまたはゲノム挿入部位に見出される内因性プロモーターのいずれかにより制御され得る発現可能な導入遺伝子の挿入等、ゲノム編集技法の多くのバリエーションを含むことができる。
導入遺伝子の送達および挿入は、本技術を実際に実施するために解決しなければならない課題の例である。例えば、種々の遺伝子送達方法は、治療上の使用に潜在的に利用可能であるが、これらはすべては、安全性、持続性および発現レベルの間の実質的な二律背反(tradeoff)に関与する。導入遺伝子をエピソーム(例えば、基本的なアデノウイルス、AAVおよびプラスミドに基づく系)として提供する方法は、一般に安全であり、高い初期発現レベルをもたらすことができる。しかし、これらの方法は、頑強なエピソーム複製を欠き、これは、有糸分裂が活発な組織における発現の持続を限定し得る。対照的に、所望の導入遺伝子のランダム組み込みをもたらす送達方法(例えば、組み込みレンチウイルスの組み込み)は、より耐久性の高い発現をもたらすが、ランダム挿入の標的を定めない性質のため、レシピエント細胞における調節されない増殖を誘発し、ランダムに組み込まれた導入遺伝子カセット近傍の癌遺伝子の活性化により悪性病変を導く可能性がある。さらに、導入遺伝子組み込みは、複製により駆動される損失を回避するが、導入遺伝子に融合された外因性プロモーターの最終的なサイレンシングを防止しない。時間と共に、そのようなサイレンシングは、大部分のランダム挿入事象に対して導入遺伝子発現の低下をもたらす。加えて、導入遺伝子の組み込みが全標的細胞において起こることは滅多になく、これにより、目的とする導入遺伝子の高い十分な発現レベルを達成して、所望の治療効果を達成することが困難となり得る。
近年、部位特異的ヌクレアーゼによる切断を使用して、選択されたゲノム遺伝子座へと挿入を偏らせる、導入遺伝子組み込みのための新たな戦略が開発されている(例えば、共有に係る米国特許第7,888,121号を参照のこと)。このアプローチは、遺伝子サイレンシングまたは近くの癌遺伝子の活性化のリスクを最小にするための正確な導入遺伝子の位置決定を可能にするため、古典的な組み込みアプローチと比較して、導入遺伝子の発現の改善、安全性および発現の持続性の増加が見込まれる。
アプローチの1つは、その同族遺伝子座への導入遺伝子の組み込み、例えば、変異体遺伝子の修正のための内因性遺伝子座への野生型導入遺伝子の挿入に関与する。あるいは、導入遺伝子は、その有益な特性のために特異的に選ばれる非同族遺伝子座に挿入することができる。例えば、第IX因子(FIX)導入遺伝子の標的挿入に関する米国特許公開第20120128635号を参照されたい。内因性調節エレメントによりもたらされる発現制御を維持したまま、内因性遺伝子の発現を導入遺伝子に置き換えることを望むのであれば、同族遺伝子座の標的化は有用となり得る。内因性遺伝子座の内側またはその付近を切断する特異的ヌクレアーゼを使用することができ、相同組換え修復(homology directed repair)(HDR)または非相同末端連結(non-homologousend joining)(NHEJ)の際の末端捕捉により、切断部位に導入遺伝子を組み込むことができる。組み込みプロセスは、ドナーおよび内因性遺伝子座間の導入遺伝子ドナーにおける相同性の領域の使用または不使用により決定される。
あるいは、導入遺伝子は、ゲノムにおける特異的「セーフハーバー」位置に挿入することができ、該セーフハーバー遺伝子座に見出されるプロモーターを利用することができる、あるいは挿入前に導入遺伝子に融合された外因性プロモーターによる導入遺伝子の発現調節を可能にする。CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaおよびアルブミンを含む、数種類のそのような「セーフハーバー」遺伝子座が記載されている。例えば、米国特許第7,951,925号および同第8,110,379号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号を参照されたい。上述の通り、導入遺伝子構築物がHDRまたはNHEJ駆動プロセスのいずれかにより挿入されるように、セーフハーバーに特異的なヌクレアーゼを利用することができる。
遺伝子治療の特に魅力的な応用は、分泌される遺伝子産物の不足に起因する障害または治療用タンパク質の分泌により処置可能な障害のいずれかの処置に関与する。各レシピエント細胞が、高レベルの治療用遺伝子産物を発現するのであれば、そのような障害は、僅かな数の細胞への治療用の導入遺伝子の送達により潜在的に対処することができる。そのようなシナリオにおいて、多数の細胞へと遺伝子送達する必要からの解放は、他の難治性の徴候の遺伝子治療の首尾よい開発を可能にすることができる。そのような応用は、永続的で安全性および非常に高レベルの導入遺伝子発現を必要とするであろう。したがって、これらの特性を提示するセーフハーバーの開発は、遺伝子治療の分野において実質的な有用性をもたらすであろう。
相当数の障害は、分泌される遺伝子産物の不足に起因する、あるいは治療用タンパク質の分泌により処置可能である。例えば、凝固障害、アルファ−1アンチトリプシン(A1AT)欠乏症、リソソーム貯蔵疾患およびI型糖尿病は、かなり一般的な遺伝性障害であり、ある特定のタンパク質の発現がある様式において異常であり、すなわち、タンパク質の発現の欠如または変異体タンパク質の産生が為される。例えば、米国特許公開第20130177983号および同第20130177960号を参照されたい。
代謝疾患は、代謝プロセスに関与する酵素が異常であり、代謝前駆体における増大化および/または必要とされる代謝産物の産生の欠如のいずれかをもたらす疾患である。これらの疾患は、多くの場合、常染色体劣性である。異常タンパク質産生に起因する代謝疾患は、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、一般的な遺伝および代謝疾患である家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害(例えば、シトルリン血症またはOTC欠乏症)、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)ならびに家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)を含む。
代謝障害のための処置選択肢は現在、非常に限定されている。例えば、家族性高コレステロール血症(FH)患者において、数種の欠損は、異常レベルの血清コレステロールを引き起こし、早期発病の心血管疾患を伴い得る。FHのための処置は通常、スタチンの使用に関与するが、スタチンが、患者の血清コレステロールを正常レベルまで低下させる場合であっても、患者は依然として、心血管疾患のより高いリスクを有する。加えて、その欠損がヘテロ接合性のFH患者におけるスタチン使用は、ホモ接合型患者の処置よりも成功し得る。別の例において、PKU患者は、天然状態では酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(hydroxyylase)を発現し、フェニルアラニンをチロシンに変換することができないため、時に生涯、芳香族アミノ酸を含有する食物を回避する厳しい食事制限に従ってフェニルアラニンの増大化を回避しなければならない。
アルブミンは、肝臓において産生され、血液中に分泌されるタンパク質である。ヒトにおいて、血清アルブミンは、血液中に見出されるタンパク質の60%を構成し、その機能は、コロイド浸透圧を調節することにより血液容量を調節するものであると思われる。これは、低溶解度を有する分子、例えば、脂溶性ホルモン、胆汁酸塩、遊離脂肪酸、カルシウムおよびトランスフェリンの担体としても役立つ。加えて、血清アルブミンは、ワルファリン、フェノブタゾン(phenobutazone)、クロフィブレートおよびフェニトインを含む治療薬を運ぶ。ヒトにおいて、アルブミンは、高度に発現され、毎日約15gのアルブミンタンパク質の産生をもたらす。アルブミンは、自己分泌機能を持たず、単一アレル型ノックアウトに関連するいかなる表現型も存在するとは思われず、両アレル型ノックアウトの軽度表現型のみが観察された(Watkinsら(1994年)Proc Natl Acad Sci USA 91巻:9417頁を参照のこと)。米国特許公開第20130177983号および同第20130177960号も参照されたい。
アルブミンは、治療試薬に結合し、治療薬の血清半減期を増加させる場合にも使用されてきた。例えば、Osbornら(J Pharm Exp Thera(2002年)303巻(2号):540頁)は、血清アルブミン−インターフェロンアルファ融合タンパク質の薬物動態を開示し、この融合タンパク質が、融合物の半減期がインターフェロンアルファタンパク質単独よりも18倍長くなるような、約140倍遅いクリアランスを有したことを実証する。アルブミン融合物である近年開発中の治療用タンパク質の他の例として、Albulin−G(商標)、Cardeva(商標)およびAlbugranin(商標)(Teva Pharmaceutical Industries、それぞれインスリン、b型ナトリウム利尿薬またはGCSFに融合)、Syncria(登録商標)(GlaxoSmithKline、グルカゴン様ペプチド−1に融合)ならびにアルブフェロンα−2B、IFN−アルファに融合が挙げられる(Current Opinion in Drug Discovery and Development、(2009年)、12巻、2号、288頁を参照のこと)。これらの事例において、Albulin−G(商標)、Cardeva(商標)およびSyncria(登録商標)はすべて、アルブミンが融合物のN末端に見出される融合タンパク質である一方、Albugranin(商標)およびアルブフェロンアルファ2Gは、アルブミンが融合物のC末端側にある融合物である。
アルブミンは、治療試薬に結合し、治療薬の血清半減期を増加させる場合にも使用されてきた。例えば、Osbornら(J Pharm Exp Thera(2002年)303巻(2号):540頁)は、血清アルブミン−インターフェロンアルファ融合タンパク質の薬物動態を開示し、この融合タンパク質が、融合物の半減期がインターフェロンアルファタンパク質単独よりも18倍長くなるような、約140倍遅いクリアランスを有したことを実証する。アルブミン融合物である近年開発中の治療用タンパク質の他の例として、Albulin−G(商標)、Cardeva(商標)およびAlbugranin(商標)(Teva Pharmaceutical Industries、それぞれインスリン、b型ナトリウム利尿薬またはGCSFに融合)、Syncria(登録商標)(GlaxoSmithKline、グルカゴン様ペプチド−1に融合)ならびにアルブフェロンα−2B、IFN−アルファに融合が挙げられる(Current Opinion in Drug Discovery and Development、(2009年)、12巻、2号、288頁を参照のこと)。これらの事例において、Albulin−G(商標)、Cardeva(商標)およびSyncria(登録商標)はすべて、アルブミンが融合物のN末端に見出される融合タンパク質である一方、Albugranin(商標)およびアルブフェロンアルファ2Gは、アルブミンが融合物のC末端側にある融合物である。
Watkinsら(1994年)Proc Natl Acad Sci USA 91巻:9417頁
Current Opinion in Drug Discovery and Development、(2009年)、12巻、2号、288頁
したがって、それに伴ういかなる毒性も回避しつつ、治療に関連したレベルでの所望の導入遺伝子の発現に使用することができ、導入遺伝子の発現を所望の組織型に限定して、例えば、代謝疾患を処置することができる、追加的な方法および組成物の必要が依然としてある。
導入遺伝子の標的挿入と、それに続いて起こる発現、例えば、肝臓等の分泌組織からの導入遺伝子の発現のための、細胞のゲノムにセーフハーバーを作製するための方法および組成物が本明細書に開示されている。
一態様において、代謝疾患において異常に発現されるタンパク質の機能性バージョンをコードする導入遺伝子を含む細胞であって、導入遺伝子が、ヌクレアーゼを使用して内因性セーフハーバー遺伝子に部位特異的に組み込まれた細胞が本明細書に記載されている。ヌクレアーゼは、内因性遺伝子を切断し、導入遺伝子は、ヌクレアーゼ標的部位(複数可)にまたはその付近に標的化様式で組み込まれる。ある特定の実施形態において、セーフハーバー遺伝子は、CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaまたはアルブミン遺伝子である。例えば、米国特許第7,951,925号および同第8,110,379号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号を参照されたい。
切断は、操作されたジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)等、特異的ヌクレアーゼの使用により、あるいは特異的切断を誘導するための操作されたcrRNA/tracr RNA(「単鎖ガイドRNA」)によるCRISPR/Cas系を使用して行うことができる。一部の実施形態において、2種のニッカーゼを使用して、2個のニックを導入することによりDSBを作製する。一部の場合では、ニッカーゼは、ZFNであるが、他の場合において、ニッカーゼは、TALENまたはCRISPR/Cas系である。標的組み込みは、相同組換え修復機構(HDR)および/または非相同性修復機構(例えば、NHEJドナー捕捉)により起こり得る。
別の態様において、代謝障害を有する対象において欠如している、非機能的であるまたは野生型と比較して発現低下を提示するタンパク質をコードする導入遺伝子を発現するよう細胞を修飾する方法であって、1つまたは複数のヌクレアーゼを使用して、細胞のセーフハーバー遺伝子に導入遺伝子を組み込むことを含む方法が提供される。ある特定の実施形態において、内因性セーフハーバー遺伝子は、アルブミン遺伝子である。ある特定の実施形態において、代謝障害を有する対象において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質を産生するよう細胞を遺伝的に修飾する方法は、タンパク質をコードする導入遺伝子が、セーフハーバー遺伝子座に組み込まれ、細胞において発現されるように、1つまたは複数のヌクレアーゼ(例えば、ZFN、TALEN、CRISPR/Cas)を使用して細胞における内因性セーフハーバー遺伝子を切断することを含む。ある特定の実施形態において、セーフハーバー遺伝子は、CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaまたはアルブミン遺伝子である。一部の実施形態において、ヌクレアーゼ(複数可)は、ベクターを使用して細胞に送達され、一部の例において、ベクターは、ウイルスベクターである。他の実施形態において、ヌクレアーゼ(複数可)は、mRNAとして細胞に送達される。
他の態様において、代謝疾患を有する対象において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質産物を提供する方法であって、対象の細胞における内因性セーフハーバー遺伝子に、タンパク質産物(複数可)をコードする導入遺伝子を含むように本明細書に記載されている対象の細胞を修飾することを含む方法が提供される。ある特定の実施形態において、本方法は、本明細書に記載されている遺伝的に修飾された細胞(代謝障害において異常に発現されるタンパク質をコードする導入遺伝子を含む)を対象に提供することを含む。他の実施形態において、本方法は、導入遺伝子が、対象の細胞において組み込まれ発現されるように、1つまたは複数のヌクレアーゼ(またはヌクレアーゼをコードする1つもしくは複数のベクター)と、代謝障害において異常に発現されるタンパク質をコードする導入遺伝子を含むドナーを対象に投与することを含む。したがって、単離された修飾細胞を対象に導入することができる(エクスビボ)、あるいは対象の一部である細胞を修飾することができる(インビボ)。例えば代謝障害の処置のための医薬の調製における、代謝障害の処置のための、本明細書に記載されているドナーおよび/またはヌクレアーゼの使用も提供される。
本明細書に記載されている組成物(例えば、細胞)または方法のいずれかにおいて、代謝疾患は、例えば、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)および/または家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)であり得る。
さらに、本明細書に記載されている組成物(例えば、細胞)または方法のいずれかにおいて、導入遺伝子は、次のタンパク質のうち1つまたは複数をコードすることができる:MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)(PCCAおよび/またはPCCBサブユニット)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸(argininosuccinase acid)リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼ(glucuronsyltransferase)ポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質および/またはリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質。
本明細書に記載されている組成物および方法のいずれかにおいて、好適な細胞の非限定的な例として、分泌細胞(例えば、肝臓細胞、粘膜細胞、唾液腺細胞、下垂体細胞等)、血液細胞(赤血球)、赤血球前駆細胞、肝細胞、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、肝幹細胞および造血幹細胞(例えば、CD34+)等、真核細胞または細胞系が挙げられる。細胞は、例えば、マウス、ラット、ウサギまたは他の哺乳動物細胞胚の胚細胞を含むこともできる。細胞は、単離することができる、あるいは生物(例えば、対象)の一部であり得る。
本明細書に記載されている組成物および方法のいずれかにおいて、例えば、組み込まれた導入遺伝子との融合タンパク質として、内因性遺伝子の一部もしくはすべてが発現されるまたは全く発現されないように、導入遺伝子は、内因性セーフハーバー遺伝子に組み込むことができる。一部の実施形態において、内因性セーフハーバー遺伝子は、アルブミン遺伝子であり、内因性配列は、アルブミン配列である。内因性は、外因性タンパク質のアミノ(N)末端部分および/または外因性タンパク質のカルボキシ(C)末端部分に存在し得る。アルブミン配列は、完全長の野生型または変異型のアルブミン配列を含むことができる、あるいは部分的アルブミンアミノ酸配列を含むことができる。ある特定の実施形態において、アルブミン配列(完全長または部分的)は、それが融合した導入遺伝子により発現されるポリペプチドの血清半減期の増加に、および/または担体として役立つ。他の実施形態において、導入遺伝子は、アルブミン配列を含み、ゲノム内の別のセーフハーバーへの挿入に標的化される。さらに、導入遺伝子は、その発現を駆動する外因性プロモーター(例えば、構成的または誘導性プロモーター)を含むことができる、あるいはその発現は、内因性制御配列(例えば、内因性アルブミンプロモーター)により駆動することができる。
本明細書に記載されているヌクレアーゼ(例えば、ZFN、TALEN、CRISPR/Cas系)は、タンパク質および/またはヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチドとして導入することができる。ポリヌクレオチドは、例えば、mRNAであり得る。一部の態様において、mRNAは、化学修飾されていてよい(例えば、Kormannら(2011年)Nature Biotechnology 29巻(2号):154〜157頁を参照のこと)。
一部の実施形態において、本発明の方法は、トランスジェニック動物系においてインビボで使用することができる。一部の態様において、トランスジェニック動物は、導入遺伝子がヒト遺伝子をコードするモデル開発において使用することができる。一部の例において、トランスジェニック動物を対応する内因性遺伝子座においてノックアウトして、ヒトタンパク質を単離して研究することができるインビボ系を開発することができる。こうしたトランスジェニックモデルをスクリーニング目的に使用して、目的とするヒトタンパク質と相互作用し得るか、またはこれを修飾し得る小分子、大型の生体分子または他の実体を同定することができる。他の態様において、トランスジェニック動物を産生目的に使用して、例えば、目的とする抗体または他の生体分子を産生することができる。ある特定の実施形態において、動物は、小型の哺乳動物、例えば、イヌ、ウサギまたはラット、マウスもしくはモルモット等の齧歯類である。他の実施形態において、動物は、非ヒト霊長類である。またさらなる実施形態において、動物は、ウシ、ヤギまたはブタ等、家畜である。一部の態様において、導入遺伝子は、本明細書に記載されている方法のいずれかにより得られる幹細胞(例えば、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞、肝幹細胞等)または動物胚における選択された遺伝子座(例えば、アルブミンまたはセーフハーバー)に組み込まれ、続いて、胚は、生きた動物が生まれように移植される。次いで動物を性的成熟まで成長させ、繁殖させ、その子孫のうちの少なくとも一部が組み込まれた導入遺伝子を含む。
本明細書に記載されている方法または組成物のいずれかにおいて、操作された遺伝子座(例えば、アルブミン遺伝子座)を含有する細胞は、幹細胞であり得る。本発明の方法および組成物と共に使用することができる特異的な幹細胞型は、胚性幹細胞(ESC)、人工多能性幹細胞(iPSC)および肝幹細胞または肝臓幹細胞を含む。iPSCは、患者試料および正常対照に由来することができ、患者由来のiPSCは、目的とする遺伝子の正常遺伝子配列に変異させることができる、あるいは正常細胞は、目的とする遺伝子の公知の疾患対立遺伝子に改変することができる。同様に、肝幹細胞は、患者から単離することができる。次に、これらの細胞は、目的とする導入遺伝子を発現するよう操作され、増殖され、続いて患者に再導入される。
本明細書において、代謝疾患に関与するタンパク質の異常な発現に関連する状態を処置および/または防止する方法も提供される。ある特定の実施形態において、本方法は、タンパク質が産生され、状態が処置および/または防止されるように、本明細書に記載されている細胞(例えば、iPSC、幹細胞等)のセーフハーバー遺伝子へのヌクレアーゼ媒介性標的組み込みを介して、細胞または対象において異常な発現を提示するタンパク質の1つまたは複数の機能性バージョンを導入することを含む。本方法は、エクスビボ(例えば、対象に再導入される単離された細胞において)またはインビボで行うことができる。ある特定の実施形態において、状態は、代謝障害、例えば、メチルマロン酸血症(academia)、プロピオン酸血症、糖原病、家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクルに関与する代謝疾患(例えば、シトルリン血症またはOTC欠乏症)、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症(1型チロシン血症とも呼ばれる)、ウィルソン病(または肝レンズ核変性症)、フェニルケトン尿症(PKU)および/または家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)である。導入遺伝子により発現され得る例示的な肝臓および他のタンパク質として、PCCA、PCCB、MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、可溶性血漿フィブロネクチン、C反応性タンパク質、グロブリン、第I〜VII、VIII、IX、XI、XII、XIII因子、vWF、α2−マクログロブリン、α1−アンチトリプシン、アンチトロンビンIII、プロテインS、プロテインC、線維素溶解、α2−抗プラスミン、補体成分C1−9、補体成分3(C3)、セルロプラスミン(銅を運ぶ)、トランスコルチン(コルチゾール、アルドステロンおよびプロゲステロンを運ぶ)、ハプトグロビン(赤血球から放出される遊離ヘモグロビンを運ぶ)、ヘモペキシン(ヘモグロビンから放出される遊離ヘムを運ぶ)、IGF結合タンパク質、尿タンパク質、レチノール結合タンパク質、性ホルモン結合グロブリン、チロキシン結合グロブリン、トランスサイレチン、三価鉄型の鉄イオン(Fe3+)を運ぶトランスフェリン、ビタミンD結合タンパク質、インスリン様増殖因子1、トロンボポエチン、プロホルモン、アンジオテンシノーゲンおよびアポリポタンパク質(apo B48を除く)が挙げられるがこれらに限定されない。
少なくとも1つのDNAベクターを含む胚であって、DNAベクターが、組み込もうとする核酸配列に隣接する上流配列および下流配列、ならびに組み込みの染色体部位を認識するジンクフィンガーヌクレアーゼをコードする少なくとも1つのRNA分子を含む胚も提供される。本明細書に記載されている胚のいずれかに由来する生物も提供される(例えば、性的成熟まで発生させ、後代を産生させる胚)。
別の態様において、代謝障害に罹患している動物の処置における使用のための、薬物ライブラリーおよび/または他の治療組成物(すなわち、抗体、構造RNA等)のスクリーニングにおける細胞、細胞系および動物(例えば、トランスジェニック動物)の使用が、本発明の方法および組成物により提供される。そのようなスクリーニングは、操作された細胞系または初代細胞により細胞レベルで始めることができ、動物全体(例えば、ヒト)の処置のレベルまで進行させることができる。
本発明の組成物(例えば、遺伝的に修飾された細胞、ZFP、CRISPR/Cas系および/またはTALEN)を含むキットも提供される。本キットは、ヌクレアーゼをコードする核酸(例えば、RNA分子または好適な発現ベクターに含有されるヌクレアーゼコード遺伝子)、ドナー分子、好適な宿主細胞系、本発明の方法を実施するための説明書等を含むことができる。
これらの態様および他の態様は、全体としての本開示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなる。
代謝障害におけるその野生型発現が異常な(例えば、発現されない、低レベルで発現される、および/または非機能的もしくは機能が低下したタンパク質が発現される)タンパク質の1つまたは複数の機能性バージョンを産生するよう細胞を修飾するための組成物および方法が、本明細書に開示されている。細胞は、細胞のセーフハーバー遺伝子(例えば、アルブミン)への、1つまたは複数のタンパク質をコードする導入遺伝子の標的挿入により修飾される。一部の実施形態において、導入遺伝子は、内因性アルブミン遺伝子に挿入されて、肝組織にさらに限定される非常に高い発現レベルを可能にする。導入遺伝子は、治療上の利益を提供するタンパク質またはペプチドを含むいずれかのタンパク質またはペプチドをコードすることができる。
導入遺伝子は、分泌組織への最終的な移植における使用のための、患者由来の細胞、例えば、患者由来の人工多能性幹細胞(iPSC)または他の種類の幹細胞(非限定的なセットとして、胚性、造血、神経または間葉系)に導入することができる。導入遺伝子は、これらの細胞における目的とするいずれかの領域に導入することができ、その領域としては、アルブミン遺伝子またはセーフハーバー遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない。これらの改変された幹細胞は、例えば肝細胞に分化させて、肝臓に移植することができる。その代わりに、導入遺伝子は、特異的な組織を標的とするウイルスまたは他の送達系の使用により、所望の分泌組織に方向付けることができる。例えば、肝臓指向性(trophic)アデノウイルス随伴ウイルス(AAV)ベクターAAV8を送達ビヒクルとして使用することは、特異的ヌクレアーゼが導入遺伝子と同時送達される場合、所望の遺伝子座における導入遺伝子の組み込みをもたらし得る。
概要
方法の実践、ならびに本明細書に開示の組成物の調製および使用は、別途示されない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、組換えDNA、および当分野の技術の範囲内の関連分野における従来の技法を用いる。これらの技法は、文献内で十分に説明される。例えば、Sambrookら MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989およびThird edition,2001;Ausubelら,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,1987および定期的最新版;METHODS IN ENZYMOLOGYのシリーズ,Academic Press,San Diego;Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998;METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,“Chromatin”(P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,編),Academic Press,San Diego,1999;ならびにMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,“Chromatin Protocols”(P.B.Beckerら)Humana Press,Totowa,1999を参照されたい。
方法の実践、ならびに本明細書に開示の組成物の調製および使用は、別途示されない限り、分子生物学、生化学、クロマチン構造および分析、計算化学、細胞培養、組換えDNA、および当分野の技術の範囲内の関連分野における従来の技法を用いる。これらの技法は、文献内で十分に説明される。例えば、Sambrookら MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,Second edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989およびThird edition,2001;Ausubelら,CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,John Wiley & Sons,New York,1987および定期的最新版;METHODS IN ENZYMOLOGYのシリーズ,Academic Press,San Diego;Wolffe,CHROMATIN STRUCTURE AND FUNCTION,Third edition,Academic Press,San Diego,1998;METHODS IN ENZYMOLOGY,Vol.304,“Chromatin”(P.M.Wassarman and A.P.Wolffe,編),Academic Press,San Diego,1999;ならびにMETHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,Vol.119,“Chromatin Protocols”(P.B.Beckerら)Humana Press,Totowa,1999を参照されたい。
定義
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、線状または環状構造であり、かつ一本鎖または二本鎖形態のいずれかである、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語は、ポリマーの長さに関して限定的であると解釈されるべきではない。これらの用語は、天然ヌクレオチドの既知の類似体、ならびに塩基部分、糖部分、および/またはリン酸部分において修飾されるヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート骨格)を包含することができる。概して、特定のヌクレオチドの類似体は、同一の塩基対合特異性を有し、すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合する。
「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」という用語は、交換可能に使用され、線状または環状構造であり、かつ一本鎖または二本鎖形態のいずれかである、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドポリマーを指す。本開示の目的のために、これらの用語は、ポリマーの長さに関して限定的であると解釈されるべきではない。これらの用語は、天然ヌクレオチドの既知の類似体、ならびに塩基部分、糖部分、および/またはリン酸部分において修飾されるヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート骨格)を包含することができる。概して、特定のヌクレオチドの類似体は、同一の塩基対合特異性を有し、すなわち、Aの類似体は、Tと塩基対合する。
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基のポリマーを指すために交換可能に使用される。この用語は、1つ以上のアミノ酸が対応する天然に存在するアミノ酸の化学的類似体または修飾誘導体であるアミノ酸ポリマーにも適用される。
「結合」とは、高分子間(例えば、タンパク質と核酸との間)の配列特異的かつ非共有結合的な相互作用を指す。相互作用が全体として配列特異的である限り、結合相互作用のすべての構成要素が配列特異的である(例えば、DNA骨格におけるリン酸残基と接触する)必要はない。そのような相互作用は、概して、10−6M−1以下の解離定数(Kd)を特徴とする。「親和性」は、結合の強度を指し、結合親和性の増加は、Kdの低下と相関性がある。
「結合タンパク質」は、別の分子に非共有結合的に結合することができるタンパク質である。結合タンパク質は、例えば、DNA分子(DNA結合タンパク質)、RNA分子(RNA結合タンパク質)、および/またはタンパク質分子(タンパク質結合タンパク質)に結合し得る。タンパク質結合タンパク質の場合、それは、それ自身に結合してホモ二量体、ホモ三量体等を形成することができ)、かつ/または、異なるタンパク質(単数または複数)の1つ以上の分子に結合し得る。結合タンパク質は、2つ以上の種類の結合活性を有し得る。例えば、ジンクフィンガータンパク質は、DNA結合、RNA結合、およびタンパク質結合活性を有する。
「ジンクフィンガーDNA結合タンパク質」(または結合ドメイン)は、亜鉛イオンの配位によってその構造が安定化される結合ドメイン内のアミノ酸配列の領域である、1つ以上のジンクフィンガーを介して配列特異的な様式でDNAに結合するタンパク質またはより大きなタンパク質内のドメインである。ジンクフィンガーDNA結合タンパク質という用語は、多くの場合、ジンクフィンガータンパク質またはZFPと略される。
「TALE DNA結合ドメイン」または「TALE」は、1つ以上のTALE反復ドメイン/単位を含むポリペプチドである。反復ドメインは、TALEの、その同族の(cognate)標的DNA配列への結合に関与する。単一の「反復単位」(「反復」とも称される)は、典型的には、33〜35アミノ酸長であり、天然に存在するTALEタンパク質内の他のTALE反復配列に少なくともある程度の配列相同性を示す。例えば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第8,589,526号を参照されたい。
ジンクフィンガーおよびTALE結合ドメインは、例えば、天然に存在するジンクフィンガーまたはTALEタンパク質の認識へリックス領域を操作する(1つ以上のアミノ酸を改変する)ことによって、所定のヌクレオチド配列に結合するように「操作」され得る。したがって、操作されたDNA結合タンパク質(ジンクフィンガーまたはTALE)は、非天然タンパク質である。DNA結合タンパク質を操作するための方法の非限定的な例には、設計および選択がある。設計されたDNA結合タンパク質は、その設計/組成が主に合理的判定基準によってもたらされる非天然タンパク質である。設計のための合理的判定基準は、置換規則の適用、ならびに既存のZFPおよび/またはTALE設計ならびに結合データの情報を格納するデータベース内の情報を処理するためのコンピュータ化アルゴリズムの適用を含む。例えば、米国特許第6,140,081号、同第6,453,242号、および同第6,534,261号を参照されたく、国際公開第WO98/53058号、同第WO98/53059号、同第WO98/53060号、同第WO02/016536号、および同第WO03/016496号、ならびに米国特許第8,586,526号も参照されたい。
「選択された」ジンクフィンガータンパク質またはTALEは、その生成が主にファージディスプレイ、相互作用トラップ、またはハイブリッド選択等の実験によるプロセスからもたらされる天然には見出されないタンパク質である。例えば、米国特許第5,789,538号、米国特許第5,925,523号、米国特許第6,007,988号、米国特許第6,013,453号、米国特許第6,200,759号、国際公開第WO95/19431号、同第WO96/06166号、同第WO98/53057号、同第WO98/54311号、同第WO00/27878号、同第WO01/60970号、同第WO01/88197号、同第WO02/099084号、および米国特許第8,586,526号を参照されたい。
「組換え」とは、2つのポリヌクレオチド間における遺伝子情報の交換のプロセスを指す。本開示の目的のために、「相同組換え(HR)」とは、例えば、相同組換え修復機構を介して細胞における二本鎖切断(double−strand break)の修復中に生じるような交換の特殊な形態を指す。このプロセスは、ヌクレオチド配列相同性を必要とし、「標的」分子(すなわち、二本鎖切断を経験した分子)の鋳型修復のために「ドナー」分子を使用し、ドナーから標的への遺伝子情報の伝達をもたらすことから、「非交叉遺伝子変換」または「ショートトラクト(short tract)遺伝子変換」として広く知られている。任意の特定の理論によって拘束されることを望むものではないが、そのような伝達は、切断された標的(broken target)とドナーとの間に形成するヘテロ二重鎖DNAのミスマッチ修正、および/または標的の一部になる遺伝子情報を再合成するためにドナーが使用される「合成依存的鎖アニーリング(synthesis−dependent strand annealing)」、および/または関連プロセスを含み得る。そのような特殊なHRは、多くの場合、ドナーポリヌクレオチドの配列の一部またはすべてが標的ポリヌクレオチドに組み込まれるように、標的分子の配列の改変をもたらす。
本開示の方法において、本明細書に記載の1つ以上の標的化されたヌクレアーゼは、標的配列(例えば、細胞クロマチン)の所定の部位で二本鎖切断を生じ、この切断領域内のヌクレオチド配列と相同性を有する「ドナー」ポリヌクレオチドが細胞に導入され得る。二本鎖切断の存在は、ドナー配列の組み込みを促進することが示されている。ドナー配列は、物理的に組み込まれ得るか、またはあるいは、ドナーポリヌクレオチドは、相同組換えによる切断の修復用の鋳型として使用され、その結果、ドナーにおいて見られるようなヌクレオチド配列のすべてまたは一部を細胞クロマチンに導入する。したがって、細胞クロマチン内の第1の配列を改変することができ、ある実施形態において、ドナーポリヌクレオチドに存在する配列に変換することができる。したがって、「置き換える(replace)」または「置き換え(replacement)」という用語の使用が、あるヌクレオチド配列の、別のヌクレオチド配列による置き換え(すなわち、情報の意味において、配列の置き換え)を表し、かつあるポリヌクレオチドの別のポリヌクレオチドによる物理的または化学的置き換えは必ずしも必要としないことが理解され得る。
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質のさらなる対が、細胞内のさらなる標的部位のさらなる二本鎖切断(double−stranded cleavage)のために使用され得る。
細胞クロマチンにおける目的とする領域内の配列の標的組換えおよび/または置き換えおよび/または改変のための方法のある実施形態において、染色体配列は、外因性「ドナー」ヌクレオチド配列との相同組換えによって改変される。切断領域に対する配列相同性が存在する場合、そのような相同組換えは、細胞クロマチンにおける二本鎖切断の存在によって促進される。
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、第1のヌクレオチド配列(「ドナー配列」)は、目的とする領域のゲノム配列と相同であるが同一ではない配列を含み得、それによって、相同組換えを促進して目的とする領域内に非同一配列を挿入する。したがって、ある実施形態において、目的とする領域内の配列と相同であるドナー配列の一部は、置き換えられるゲノム配列に約80〜99%(またはそれらの間の任意の値)の配列同一性を示す。他の実施形態では、例えば、101を超える連続した塩基対のドナー配列とゲノム配列との間で1つのヌクレオチドのみが異なる場合、ドナー配列とゲノム配列との間の相同性は99%よりも高い。ある場合において、新しい配列が目的とする領域に導入されるように、ドナー配列の非相同部分は、目的とする領域に存在しない配列を含み得る。これらの例において、非相同配列は、概して、50〜1,000個の塩基対(もしくはそれらの間の任意の整数値)または目的とする領域内の配列と相同もしくは同一である1,000を超える任意の数の塩基対の配列が隣接している。他の実施形態において、ドナー配列は、第1の配列と非相同であり、非相同組換え機構によってゲノムに挿入される。
本明細書に記載の方法のいずれかは、目的とする遺伝子(複数可)の発現を妨害するドナー配列の標的組み込みによる細胞における1つ以上の標的配列の部分的または完全な不活性化のために使用され得る。部分的または完全に不活性化された遺伝子を有する細胞系も提供される。
さらに、本明細書に記載の標的組み込みの方法を用いて、1つ以上の外因性配列を組み込むこともできる。外因性核酸配列は、例えば、1つ以上の遺伝子もしくはcDNA分子、または任意の種類のコード配列もしくは非コード配列、ならびに1つ以上の制御エレメント(例えば、プロモーター)を含み得る。加えて、外因性核酸配列は、1つ以上のRNA分子(例えば、スモールヘアピンRNA(shRNA)、阻害RNA(RNAi)、マイクロRNA(miRNA)等)を生成し得る。
「切断(cleavage)」とは、DNA分子の共有結合の骨格の切断(breakage)を指す。切断は、リン酸ジエステル結合の酵素加水分解または化学的加水分解を含むが、これらに限定されない様々な方法によって開始され得る。一本鎖切断も二本鎖切断もいずれも可能であり、二本鎖切断は、2つのはっきりと異なる一本鎖切断事象の結果として生じ得る。DNA切断は、平滑末端または付着末端のいずれかの生成をもたらし得る。ある実施形態において、融合ポリペプチドは、標的化二本鎖DNA切断に用いられる。
「切断ハーフドメイン」は、第2のポリペプチド(同一または異なる)とともに、切断活性(好ましくは、二本鎖切断活性)を有する複合体を形成するポリペプチド配列である。「第1および第2の切断ハーフドメイン」、「+および−切断ハーフドメイン」、ならびに「右および左切断ハーフドメイン」という用語は、二量体化する切断ハーフドメインの対を指すために交換可能に使用される。
「操作された切断ハーフドメイン」は、別の切断ハーフドメイン(例えば、別の操作された切断ハーフドメイン)を有する偏性ヘテロ二量体を形成するように修飾された切断ハーフドメインである。参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2005/0064474号、同第20070218528号、同第2008/0131962号、および同第2011/0201055号も参照されたい。
「配列」という用語は、任意の長さのヌクレオチド配列を指し、DNAまたはRNAであってもよく、線状、環状、または分岐状であってもよく、一本鎖または二本鎖のいずれかであってもよい。「ドナー配列」または「導入遺伝子」という用語は、ゲノムに挿入されるヌクレオチド配列を指す。ドナー配列は、任意の長さであってもよく、例えば、2〜10,000ヌクレオチド長(またはそれらの間もしくはそれらを超える任意の整数値)、好ましくは、約100〜1,000ヌクレオチド長(またはそれらの間の任意の整数)、より好ましくは、約200〜500ヌクレオチド長であってもよい。導入遺伝子は、DNAおよび/またはRNA分子を産生することができる。
「クロマチン」は、細胞ゲノムを含む核タンパク質構造である。細胞クロマチンは、核酸、主にDNA、ならびにヒストンおよび非ヒストン染色体タンパク質を含むタンパク質を含む。真核細胞クロマチンの大半は、ヌクレオソームの形態で存在し、ヌクレオソームコアは、ヒストンH2A、H2B、H3、およびH4をそれぞれ2つ含む八量体と会合した約150個の塩基対のDNAを含み、(生物に応じて多様な長さの)リンカーDNAは、ヌクレオソームコアの間に広がって存在する。ヒストンH1の分子は、概して、リンカーDNAと会合している。本開示の目的のために、「クロマチン」という用語は、すべての種類の細胞核タンパク質(原核および真核の両方)を包含することを意味する。細胞クロマチンは、染色体クロマチンおよびエピソームクロマチンの両方を含む。
「染色体」は、細胞のゲノムのすべてまたは一部を含むクロマチン複合体である。細胞のゲノムは、多くの場合、その核型を特徴とし、これは、この細胞のゲノムを含むすべての染色体の集合である。細胞のゲノムは、1つ以上の染色体を含み得る。
「エピソーム」は、複製核酸、核タンパク質複合体、または細胞の染色体核型の一部ではない核酸を含む他の構造物である。エピソームの例として、プラスミドおよびあるウイルスゲノムが挙げられる。
「標的部位」または「標的配列」は、結合分子が結合する核酸の一部を定義する核酸配列であるが、但し、結合に十分な条件が存在することを条件とする。
「外因性」分子は、通常は細胞に存在しないが、1つ以上の遺伝学的方法、生化学的方法、または他の方法によって細胞内に導入され得る分子である。「細胞における通常の存在」については、細胞の特定の発達段階および環境条件に対して決定される。したがって、例えば、筋肉の胚発生の間にのみ存在する分子は、成人筋肉細胞に対して外因性分子である。同様に、熱ショックによって誘導される分子は、非熱ショック細胞に対して外因性分子である。外因性分子は、例えば、機能不全型内因性分子の機能バージョン、または正常機能型内因性分子の機能不全バージョンを含み得る。
外因性分子は、とりわけ、小分子(コンビナトリアルケミストリープロセスによって生成される小分子等)、または高分子(タンパク質、核酸、炭水化物、脂質、糖タンパク質、リポタンパク質、多糖、上記の分子の任意の修飾誘導体)、または上記の分子のうちの1つ以上を含む任意の複合体であり得る。核酸は、DNAおよびRNAを含み、一本鎖または二本鎖であってもよく、線状、分岐状、または環状であってもよく、任意の長さであってもよい。核酸には、二重鎖を形成することができる核酸、ならびに三重鎖形成核酸が含まれる。例えば、米国特許第5,176,996号および同第5,422,251号を参照されたい。タンパク質には、DNA結合タンパク質、転写因子、クロマチンリモデリング因子、メチル化DNA結合タンパク質、ポリメラーゼ、メチラーゼ、デメチラーゼ、アセチラーゼ、デアセチラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、インテグラーゼ、リコンビナーゼ、リガーゼ、トポイソメラーゼ、ジャイレース、およびヘリカーゼが含まれるが、これらに限定されない。
外因性分子は、内因性分子と同一の種類の分子、例えば、外因性タンパク質または核酸であってもよい。例えば、外因性核酸は、感染ウイルスゲノム、細胞に導入されるプラスミドもしくはエピソーム、または通常は細胞に存在しない染色体を含み得る。外因性分子を細胞に導入するための方法は、当業者に既知であり、脂質媒介導入(すなわち、中性脂質および陽イオン性脂質を含むリポソーム)、電気穿孔、直接注入、細胞融合、微粒子銃、リン酸カルシウム共沈、DEAE−デキストラン媒介導入、およびウイルスベクター媒介導入を含むが、これらに限定されない。外因性分子は、内因性分子と同一の種類の分子でもあり得るが、細胞が由来するものとは異なる種に由来し得る。例えば、ヒト核酸配列は、本来はマウスまたはハムスターに由来する細胞系に導入され得る。
対照的に、「内因性」分子は、特定の環境条件下で特定の発達段階にある特定の細胞に通常存在する分子である。例えば、内因性核酸は、染色体、ミトコンドリア、クロロプラスト、もしくは他の細胞小器官のゲノム、または天然に存在するエピソーム核酸を含み得る。さらなる内因性分子は、タンパク質、例えば、転写因子および酵素を含み得る。
「融合」分子は、2つ以上のサブユニット分子が好ましくは共有結合的に連結した分子である。サブユニット分子は、同一の化学的種類の分子であり得るか、または異なる化学的種類の分子であり得る。第1の種類の融合分子の例として、融合タンパク質(例えば、ZFPまたはTALE DNA結合ドメインと1つ以上の活性化ドメインとの間の融合物)および融合核酸(例えば、上記の融合タンパク質をコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。第2の種類の融合分子の例として、三重鎖形成核酸とポリペプチドとの間の融合物、および副溝結合剤と核酸との間の融合物が挙げられるが、これらに限定されない。
細胞における融合タンパク質の発現は、融合タンパク質の細胞への送達から、または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの細胞への送達によって生じ得、ここで、ポリヌクレオチドが転写され、転写物が翻訳されて、融合タンパク質を生成する。トランススプライシング、ポリペプチド切断、およびポリペプチド連結も、細胞におけるタンパク質の発現に関与し得る。ポリヌクレオチドおよびポリペプチドを細胞に送達するための方法は、本開示の他の個所で示される。
本開示の目的のために、「遺伝子」は、遺伝子産物(以下を参照のこと)をコードするDNA領域、ならびに遺伝子産物の産生を調節するすべてのDNA領域(そのような調節配列がコード配列および/または転写配列に隣接しているか否かに関わらず)を含む。したがって、遺伝子は、プロモーター配列、ターミネーター、翻訳調節配列(リボソーム結合部位および内部リボソーム進入部位等)、エンハンサー、サイレンサー、インシュレーター、境界エレメント、複製起点、マトリックス結合部位、および遺伝子座制御領域を含むが、必ずしもこれらに限定されない。
「遺伝子発現」とは、遺伝子内に含まれる情報の遺伝子産物への変換を指す。遺伝子産物は、遺伝子の直接転写産物(例えば、mRNA、tRNA、rRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、構造RNA、もしくは任意の他の種類のRNA)、またはmRNAの翻訳によって産生されるタンパク質であり得る。遺伝子産物は、キャッピング、ポリアデニル化、メチル化、および編集等のプロセスによって修飾されたRNA、ならびに、例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化、ADPリボシル化、ミリスチル化(myristilation)、およびグリコシル化によって修飾されたタンパク質も含む。
遺伝子発現の「調整(modulation)」は、遺伝子の活性の変化を指す。発現の調整は、遺伝子活性化および遺伝子抑制を含み得るが、これらに限定されない。ゲノム編集(例えば、切断、改変、不活性化、ランダム変異)を用いて発現を調整することができる。遺伝子の不活性化とは、本明細書に記載のZFPまたはTALENを含まない細胞と比較して遺伝子発現における任意の低下を指す。したがって、遺伝子の不活性化は、部分的または完全であり得る。
「目的とする領域」は、細胞クロマチンの任意の領域であり、例えば、遺伝子、または遺伝子内もしくは遺伝子に隣接する非コード配列等であり、そこで外因性分子に結合することが望ましい。結合は、標的DNA切断および/または標的組換えの目的のためであり得る。目的とする領域は、例えば、染色体、エピソーム、細胞小器官のゲノム(例えば、ミトコンドリア、クロロプラスト)、または感染ウイルスゲノムに存在し得る。目的とする領域は、遺伝子のコード領域内、転写された非コード領域(例えば、リーダー配列、トレーラー配列、もしくはイントロン等)内、またはコード領域の上流もしくは下流のいずれかの非転写領域内に存在し得る。目的とする領域は、単一のヌクレオチド対と同程度に小さいか、または最大2,000ヌクレオチド対の長さであるか、またはヌクレオチド対の任意の整数値であり得る。
「真核」細胞には、真菌細胞(酵母等)、植物細胞、動物細胞、哺乳類細胞、およびヒト細胞(例えば、T細胞)が含まれるが、これらに限定されない。
「分泌組織」とは、産物を分泌する組織である。胃腸管に局在している分泌組織の例として、腸、膵臓および胆嚢を覆っている細胞が挙げられる。他の分泌組織としては、肝臓、眼に関連する組織ならびに粘膜、例えば、唾液腺、乳腺、前立腺、下垂体および内分泌系の他のメンバーが挙げられる。さらに、分泌組織としては、分泌可能な組織型の個々の細胞が挙げられる。
「作用的連結」および「作用的に連結した」(または「作動可能に連結した」)という用語は、2つ以上の構成要素(配列エレメント等)の並列に関して交換可能に使用され、これらの構成要素は、両方の構成要素が正常に機能し、構成要素のうちの少なくとも1つが他の構成要素のうちの少なくとも1つに及ぼす機能を媒介し得ることを可能にするように配置される。例として、プロモーター等の転写調節配列は、その転写調節配列が1つ以上の転写調節因子の存在または不在に応答してコード配列の転写レベルを制御する場合にコード配列に作用的に連結される。転写調節配列は、概して、コード配列とシスに作用的に連結されるが、それに直接隣接している必要はない。例えば、エンハンサーは、たとえそれらが隣接していなくても、コード配列に作用的に連結される転写調節配列である。
融合ポリペプチドに関して、「作用的に連結した」という用語は、構成要素の各々が、そのように連結されていない場合に実行したであろう機能と同一の機能を、他の構成要素と連結して実行するという事実を指し得る。例えば、ZFPまたはTALE DNA結合ドメインが活性化ドメインに融合された融合ポリペプチドに関して、融合ポリペプチドにおいて、ZFPまたはTALE DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位に結合することができる場合、ZFPまたはTALE DNA結合ドメインおよび活性化ドメインが作用的に連結している一方で、活性化ドメインは、遺伝子発現を上方制御することができる。ZFPまたはTALE DNA結合ドメインが切断ドメインに融合される融合ポリペプチドである場合、融合ポリペプチドにおいて、ZFPまたはTALE DNA結合ドメイン部分がその標的部位および/またはその結合部位に結合することができる場合、ZFPまたはTALE DNA結合ドメインおよび切断ドメインが作用的に連結している一方で、切断ドメインは、標的部位の近傍でDNAを切断することができる。
タンパク質、ポリペプチド、または核酸の「機能的断片」は、その配列が、完全長のタンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一ではないが、完全長のタンパク質、ポリペプチド、または核酸と同一の機能を保持するタンパク質、ポリペプチド、または核酸である。機能的断片は、対応する天然の分子よりも多いか、少ないか、もしくは同一の数の残基を有することができ、かつ/または1つ以上のアミノ酸もしくはヌクレオチド置換を含有することができる。核酸の機能(例えば、コード機能、別の核酸にハイブリダイズする能力)を決定するための方法は、当技術分野において周知である。同様に、タンパク質の機能を決定するための方法も周知である。例えば、ポリペプチドのDNA結合機能は、例えば、フィルター結合アッセイ、電気泳動移動度シフトアッセイ、または免疫沈降アッセイによって決定することができる。DNA切断は、ゲル電気泳動によって評価することができる。上記のAusubelらを参照されたい。タンパク質が別のタンパク質と相互作用する能力は、例えば、免疫共沈降、ツーハイブリッドアッセイ、または相補性(遺伝子的相補性もしくは生化学的相補性の両方)によって決定することができる。例えば、Fieldsら(1989)Nature 340:245−246、米国特許第5,585,245号およびPCT国際公開第WO98/44350号を参照されたい。
「ベクター」は、遺伝子配列を標的細胞に導入することができる。典型的には、「ベクター構築物」、「発現ベクター」、および「遺伝子導入ベクター」は、目的とする遺伝子の発現を指示することができ、かつ遺伝子配列を標的細胞に導入し得る任意の核酸構築物を意味する。したがって、この用語は、クローニング、および発現ベヒクル、ならびに組み込みベクターを包含する。
「代謝疾患」、「代謝障害」および「代謝症候群」という用語は、典型的には、遺伝的欠損による代謝の欠損が存在するいずれかの状態を指すよう互換的に使用される。影響され得る代謝プロセスの非限定的な例として、エネルギーを放出する食物中の炭水化物、タンパク質および/または脂肪の代謝経路、尿中に排泄される老廃物への過剰窒素の転換、ならびに化学物質を他の物質に分解または変換し、これを細胞内部に輸送することが挙げられる。
「レポーター遺伝子」または「レポーター配列」とは、日常的なアッセイにおいて必ずしも測定されないが、好ましくは容易に測定されるタンパク質産物を産生する任意の配列を指す。好適なレポーター遺伝子には、抗生物質耐性(例えば、アンピシリン耐性、ネオマイシン耐性、G418耐性、ピューロマイシン耐性)を媒介するタンパク質をコードする配列、有色または蛍光または発光タンパク質(例えば、緑色蛍光タンパク質、高感度緑色蛍光タンパク質、赤色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ)をコードする配列、および強化された細胞増殖および/または遺伝子増幅を媒介するタンパク質(例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素)が含まれるが、これらに限定されない。エピトープタグは、例えば、FLAG、His、myc、Tap、HA、または任意の検出可能なアミノ酸配列の1つ以上のコピーを含む。「発現タグ」は、目的とする遺伝子の発現を監視するために所望の遺伝子配列に作動可能に連結され得るレポーターをコードする配列を含む。
ヌクレアーゼ
導入遺伝子の挿入のための遺伝子の標的化に有用な組成物、特に、ヌクレアーゼ、例えば、アルブミンに特異的なヌクレアーゼが本明細書に記載されている。ある特定の実施形態において、ヌクレアーゼは、天然に存在する。他の実施形態において、ヌクレアーゼは、天然に存在しない、すなわち、DNA結合ドメインおよび/または切断ドメインにおいて操作されている。例えば、天然に存在するヌクレアーゼのDNA結合ドメインは、選択された標的部位に結合するよう改変されていてよい(例えば、同族結合部位とは異なる部位に結合するよう操作されたメガヌクレアーゼ)。他の実施形態において、ヌクレアーゼは、異種のDNA結合ドメインおよび切断ドメイン(例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ;TAL−エフェクターヌクレアーゼ;異種の切断ドメインを有するメガヌクレアーゼDNA結合ドメイン)を含む。
導入遺伝子の挿入のための遺伝子の標的化に有用な組成物、特に、ヌクレアーゼ、例えば、アルブミンに特異的なヌクレアーゼが本明細書に記載されている。ある特定の実施形態において、ヌクレアーゼは、天然に存在する。他の実施形態において、ヌクレアーゼは、天然に存在しない、すなわち、DNA結合ドメインおよび/または切断ドメインにおいて操作されている。例えば、天然に存在するヌクレアーゼのDNA結合ドメインは、選択された標的部位に結合するよう改変されていてよい(例えば、同族結合部位とは異なる部位に結合するよう操作されたメガヌクレアーゼ)。他の実施形態において、ヌクレアーゼは、異種のDNA結合ドメインおよび切断ドメイン(例えば、ジンクフィンガーヌクレアーゼ;TAL−エフェクターヌクレアーゼ;異種の切断ドメインを有するメガヌクレアーゼDNA結合ドメイン)を含む。
A.DNA結合ドメイン
ジンクフィンガーDNA結合ドメイン、TALE DNA結合ドメイン、CRISPR/CasヌクレアーゼのDNA結合部分またはメガヌクレアーゼ由来のDNA結合ドメインが挙げられるがこれらに限定されない、任意のDNA結合ドメインを、本明細書に開示されている組成物および方法において使用することができる。
ジンクフィンガーDNA結合ドメイン、TALE DNA結合ドメイン、CRISPR/CasヌクレアーゼのDNA結合部分またはメガヌクレアーゼ由来のDNA結合ドメインが挙げられるがこれらに限定されない、任意のDNA結合ドメインを、本明細書に開示されている組成物および方法において使用することができる。
他の実施形態では、DNA結合ドメインは、天然に存在するか、または操作された(天然には存在しない)TALE DNA結合ドメインを含む。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,589,526号を参照されたい。キサントモナス属の植物病原性細菌は、重要な作物に多くの病害を引き起こすことで知られている。キサントモナスの病原性は、25個を超える異なるエフェクタータンパク質を植物細胞に注入する保存III型分泌(T3S)系に依存する。これらの注入されるタンパク質の中には、植物の転写活性化因子を模倣し、かつ植物のトランスクリプトームを操る転写活性化因子様エフェクター(TALE)がある(Kayら(2007)Science 318:648−651を参照のこと)。これらのタンパク質は、DNA結合ドメインおよび転写活性化ドメインを含む。最もよく特徴付けられたTALEのうちの1つに、キサントモナス・カンペストリス病原型ベシカトリア由来のAvrBs3がある(Bonasら(1989)Mol Gen Genet 218:127−136および国際公開第WO2010079430号を参照のこと)。TALEは、タンデム反復の集中ドメイン(centralized domain)を含み、それぞれの反復は、これらのタンパク質のDNA結合特異性に重要な約34個のアミノ酸を含有する。加えて、これらは、核局在化配列および酸性転写活性化ドメインを含む(概説については、Schornack S,ら(2006)J Plant Physiol 163(3):256−272を参照のこと)。加えて、植物病原性細菌である青枯病菌において、brg11およびhpx17と称される2つの遺伝子は、青枯病菌の次亜種1株GMI1000および次亜種4株RS1000において、キサントモナスのAvrBs3ファミリーと相同であることが見出されている(Heuerら(2007)Appl and Envir Micro 73(13):4379−4384を参照のこと)。これらの遺伝子は、ヌクレオチド配列において互いに98.9%同一であるが、hpx17の反復ドメインにおいて1,575bpの欠失分だけ異なる。しかしながら、両方の遺伝子産物は、キサントモナスのAvrBs3ファミリータンパク質と40%未満の配列同一性を有する。
したがって、一部の実施形態において、標的遺伝子座(例えば、アルブミンまたはセーフハーバー)における標的部位に結合するDNA結合ドメインは、植物病原菌Xanthomonas(Bochら(2009年)Science 326巻:1509〜1512頁およびMoscouおよびBogdanove、(2009年)Science 326巻:1501頁を参照のこと)およびRalstonia(Heuerら(2007年)Applied and Environmental Microbiology 73巻(13号):4379〜4384頁を参照のこと);米国特許第8,586,526号および米国特許公開第20110145940号に由来するドメインに類似する、TALE由来の操作されたドメインである。
ある実施形態において、DNA結合ドメインは、ジンクフィンガータンパク質(例えば、アルブミンまたは他のセーフハーバー遺伝子内の標的部位に結合するジンクフィンガータンパク質)を含む。好ましくは、ジンクフィンガータンパク質は、選択した標的部位に結合するように操作されるという点で非天然である。例えば、例えば、Beerliら(2002)Nature Biotechnol.20:135−141、Paboら(2001)Ann.Rev.Biochem.70:313−340、Isalanら(2001)Nature Biotechnol.19:656−660、Segalら(2001)Curr.Opin.Biotechnol.12:632−637、Chooら(2000)Curr.Opin.Struct.Biol.10:411−416、米国特許第6,453,242号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,503,717号、同第6,689,558号、同第7,030,215号、同第6,794,136号、同第7,067,317号、同第7,262,054号、同第7,070,934号、同第7,361,635号、同第7,253,273号、および米国特許公開第2005/0064474号、同第2007/0218528号、同第2005/0267061号を参照されたく、これらすべては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
操作されたジンクフィンガー結合ドメインまたはTALEドメインは、天然に存在するジンクフィンガータンパク質と比較して新規の結合特異性を有し得る。操作方法には、合理的設計および種々の種類の選択が含まれるが、これらに限定されない。合理的設計には、例えば、三重鎖(triplet)(または四重鎖(quadruplet))ヌクレオチド配列および個々のジンクフィンガーアミノ酸配列を含むデータベースの使用が含まれ、各三重鎖または四重鎖ヌクレオチド配列は、特定の三重鎖または四重鎖配列に結合するジンクフィンガーの1つ以上のアミノ酸配列と会合している。例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、共有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照されたい。
ファージディスプレイおよびツーハイブリッドシステムを含む例示の選択方法は、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号、および同第6,242,568号、ならびに国際公開第WO98/37186号、同第WO98/53057号、同第WO00/27878号、同第WO01/88197号、および英国特許第2,338,237号に開示されている。加えて、ジンクフィンガー結合ドメインに対する結合特異性の増強は、例えば、共有の国際公開第02/077227号に記載されている。
さらに、これらおよび他の参考文献に開示されるように、DNA結合ドメイン(例えば、マルチフィンガージンクフィンガータンパク質またはTALEドメイン)は、例えば、5アミノ酸長以上のリンカーを含む任意の好適なリンカー配列を用いてともに連結され得る。例示の6アミノ酸長以上のリンカー配列については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号、および同第7,153,949号も参照されたい。本明細書に記載のDNA結合タンパク質は、タンパク質の個々のジンクフィンガー間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含み得る。加えて、ジンクフィンガー結合ドメインに対する結合特異性の増強は、例えば、共有の国際公開第WO02/077227号に記載されている。
標的部位の選択、DNA結合ドメイン、および融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)を設計および構築するための方法は、当業者に知られており、米国特許第6,140,0815号、同第789,538号、同第6,453,242号、同第6,534,261号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,200,759号、同第8,586,526号、国際公開第WO95/19431号、同第WO96/06166号、同第WO98/53057号、同第WO98/54311号、同第WO00/27878号、同第WO01/60970号、同第WO01/88197号、同第WO02/099084号、同第WO98/53058号、同第WO98/53059号、同第WO98/53060号、同第WO02/016536号、および同第WO03/016496に詳細に記載されている。
加えて、これらおよび他の参考文献に開示されるように、DNA結合ドメイン(例えば、マルチフィンガージンクフィンガータンパク質)は、例えば、5アミノ酸長以上のリンカーを含む任意の好適なリンカー配列を用いてともに連結され得る。例示の6アミノ酸長以上のリンカー配列については、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号、および同第7,153,949号も参照されたい。本明細書に記載のタンパク質は、タンパク質の個々のジンクフィンガー間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含み得る。
B.切断ドメイン
任意の好適な切断ドメインをDNA結合ドメインに作用的に連結して、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALENまたはCRISPR/Casヌクレアーゼ系等、ヌクレアーゼを形成することができる。例えば、米国特許第7,951,925号;同第8,110,379号および同第8,586,526号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号を参照されたい。上に記す通り、切断ドメイン(例えば、ジンクフィンガーDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼ由来の切断ドメイン、またはTALEN DNA結合ドメインおよび切断ドメイン、またはメガヌクレアーゼDNA結合ドメインおよび異なるヌクレアーゼ由来の切断ドメイン)は、DNA結合ドメインに対し異種であり得る。異種切断ドメインは、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得ることができる。切断ドメインが由来し得る例示的なエンドヌクレアーゼとして、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、2002〜2003年カタログ、New England Biolabs、Beverly、MA;およびBelfortら(1997年)Nucleic Acids Res.25巻:3379〜3388頁を参照されたい。DNAを切断する追加的な酵素は、公知のものである(例えば、S1ヌクレアーゼ;マングビーンヌクレアーゼ;膵臓DNase I;ミクロコッカスヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ; Linnら(編)Nucleases、ColdSpring Harbor Laboratory Press、1993年も参照のこと)。これらの酵素(またはその機能断片)のうち1つまたは複数は、切断ドメインおよび切断ハーフドメインの源として使用することができる。
任意の好適な切断ドメインをDNA結合ドメインに作用的に連結して、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、TALENまたはCRISPR/Casヌクレアーゼ系等、ヌクレアーゼを形成することができる。例えば、米国特許第7,951,925号;同第8,110,379号および同第8,586,526号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号を参照されたい。上に記す通り、切断ドメイン(例えば、ジンクフィンガーDNA結合ドメインおよびヌクレアーゼ由来の切断ドメイン、またはTALEN DNA結合ドメインおよび切断ドメイン、またはメガヌクレアーゼDNA結合ドメインおよび異なるヌクレアーゼ由来の切断ドメイン)は、DNA結合ドメインに対し異種であり得る。異種切断ドメインは、任意のエンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼから得ることができる。切断ドメインが由来し得る例示的なエンドヌクレアーゼとして、制限エンドヌクレアーゼおよびホーミングエンドヌクレアーゼが挙げられるがこれらに限定されない。例えば、2002〜2003年カタログ、New England Biolabs、Beverly、MA;およびBelfortら(1997年)Nucleic Acids Res.25巻:3379〜3388頁を参照されたい。DNAを切断する追加的な酵素は、公知のものである(例えば、S1ヌクレアーゼ;マングビーンヌクレアーゼ;膵臓DNase I;ミクロコッカスヌクレアーゼ;酵母HOエンドヌクレアーゼ; Linnら(編)Nucleases、ColdSpring Harbor Laboratory Press、1993年も参照のこと)。これらの酵素(またはその機能断片)のうち1つまたは複数は、切断ドメインおよび切断ハーフドメインの源として使用することができる。
同様に、上記のように、切断活性のために二量体化を必要とする切断ハーフドメインは、任意のヌクレアーゼまたはその一部に由来し得る。概して、融合タンパク質が切断ハーフドメインを含む場合、2つの融合タンパク質が切断に必要とされる。あるいは、2つの切断ハーフドメインを含む単一のタンパク質が用いられ得る。2つの切断ハーフドメインは同一のエンドヌクレアーゼ(もしくはその機能的断片)に由来し得るか、または各切断ハーフドメインが異なるエンドヌクレアーゼ(もしくはその機能的断片)に由来し得る。加えて、2つの融合タンパク質のそれらの各標的部位への結合が、互いに空間的定位でこれらの切断ハーフドメインを配置して、例えば二量体化によって切断ハーフドメインが機能的切断ドメインを形成することを可能にするように、2つの融合タンパク質の標的部位は、好ましくは、互いに対して配置される。したがって、ある実施形態において、標的部位の近端は、5〜8個のヌクレオチドまたは15〜18個のヌクレオチド分だけ離れている。しかしながら、任意の数のヌクレオチドまたはヌクレオチド対は、2つの標的部位の間に介在してもよい(例えば、2〜50個以上のヌクレオチド対)。概して、切断部位は、標的部位の間に存在する。
制限エンドヌクレアーゼ(制限酵素)は、多くの種に存在し、DNAに配列特異的に結合し(認識部位で)、かつ結合部位でまたはその付近でDNAを切断することができる。ある制限酵素(例えば、IIS型)は、認識部位から除去された部位でDNAを切断し、分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを有する。例えば、IIS型酵素Fok Iは、一方の鎖上でその認識部位から9ヌクレオチド離れた位置で、他方の鎖上でその認識部位から13ヌクレオチド離れた位置でDNAの二本鎖切断を触媒する。例えば、米国特許5,356,802号、同第5,436,150号、および同第5,487,994、ならびにLiら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:4275−4279、Liら(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA
90:2764−2768、Kimら(1994a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:883−887、Kim
ら(1994b)J.Biol.Chem.269:31,978−31,982を参照されたい。したがって、一実施形態において、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素由来の切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)および1つ以上のジンクフィンガー結合ドメイン(操作され得るか否かに関わらず)を含む。
90:2764−2768、Kimら(1994a)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:883−887、Kim
ら(1994b)J.Biol.Chem.269:31,978−31,982を参照されたい。したがって、一実施形態において、融合タンパク質は、少なくとも1つのIIS型制限酵素由来の切断ドメイン(または切断ハーフドメイン)および1つ以上のジンクフィンガー結合ドメイン(操作され得るか否かに関わらず)を含む。
その切断ドメインが結合ドメインから分離可能である例示のIIS型制限酵素は、Fok Iである。この特定の酵素は、二量体として活性である。Bitinaiteら(1998)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:10,570−10,575。したがって、本開示の目的のために、開示される融合タンパク質において使用されるFok I酵素の一部は、切断ハーフドメインと見なされる。したがって、ジンクフィンガー−Fok I融合物を用いた細胞配列の標的二本鎖切断および/または標的置き換えのために、それぞれFok I切断ハーフドメインを含む2つの融合タンパク質を用いて、触媒的に活性な切断ドメインを再構築することができる。あるいは、DNA結合ドメインおよび2つのFok I切断ハーフドメインを含む単一のポリペプチド分子を用いることもできる。
切断ドメインまたは切断ハーフドメインは、切断活性を保持するか、または多量体化(例えば、二量体化)して機能的切断ドメインを形成する能力を保持するタンパク質の任意の部分であり得る。
例示のIIS型制限酵素は、その全体が本明細書に組み込まれる国際公開第WO07/014275号に記載されている。さらなる制限酵素も分離可能な結合ドメインおよび切断ドメインを含み、これらは、本開示によって企図される。例えば、Robertsら(2003)Nucleic Acids Res.31:418−420を参照されたい。
ある実施形態において、切断ドメインは、例えば、すべての開示が参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許公開第20050064474号、同第20060188987号、同第20080131962号および同第20110201055号に記載されるように、ホモ二量体化を最小限に抑えるか、または阻止する1つ以上の操作された切断ハーフドメイン(二量体化ドメイン変異体とも称される)を含む。Fok Iの446、447、479、483、484、486、487、490、491、496、498、499、500、531、534、537、および538位のアミノ酸残基は、すべてFok I切断ハーフドメインの二量体化に影響を与える標的である。
偏性ヘテロ二量体を形成するFok Iの例示の操作された切断ハーフドメインには、第1の切断ハーフドメインがFok Iの490位および538位のアミノ酸残基に変異を含み、かつ第2の切断ハーフドメインが486位および499位のアミノ酸残基に変異を含む対が含まれる。
したがって、一実施形態において、490位における変異は、Glu(E)をLys(K)で置き換え、538位における変異は、Iso(I)をLys(K)で置き換え、486位における変異は、Gln(Q)をGlu(E)で置き換え、499位における変異は、Iso(I)をLys(K)で置き換える。具体的には、本明細書に記載の操作された切断ハーフドメインを1つの切断ハーフドメインにおいて490位での変異(E→K)および538位での変異(I→K)によって調製して「E490K:I538K」と称される操作された切断ハーフドメインを生成し、別の切断ハーフドメインにおいて486位での変異(Q→E)および499での変異(I→L)によって調製して「Q486E:I499L」と称される操作された切断ハーフドメインを生成した。本明細書に記載の操作された切断ハーフドメインは、異常な切断が最小限に抑えられるか、または無効にされる偏性ヘテロ二量体変異体である。例えば、米国特許公開第2008/0131962号を参照されたく、この開示は、参照によりその全体がすべての目的のために組み込まれる。
ある実施形態において、操作された切断ハーフドメインは、486、499、および496位(野生型FokIに対して番号付けられた)での変異、例えば、486位の野生型Gln(Q)残基をGlu(E)残基で、499位の野生型Iso(I)残基をLeu(L)残基で、かつ496位の野生型Asn(N)残基をAsp(D)またはGlu(E)残基で置き換える(それぞれ、「ELD」および「ELE」ドメインとも称される)変異を含む。他の実施形態において、操作された切断ハーフドメインは、490、538、および537位(野生型FokIに対して番号付けられた)での変異、例えば、490位の野生型Glu(E)残基をLys(K)残基で、538位の野生型Iso(I)残基をLys(K)残基で、かつ537位の野生型His(H)残基をLys(K)残基またはArg(R)残基で置き換える(それぞれ、「KKK」および「KKR」ドメインとも称される)変異を含む。他の実施形態では、操作された切断ハーフドメインは、490および537位(野生型FokIに対する番号付け)での変異、例えば、490位の野生型Glu(E)残基をLys(K)残基で、かつ537位の野生型His(H)残基をLys(K)残基またはArg(R)残基で置き換える(それぞれ、「KIK」および「KIR」ドメインとも称される)変異を含む(米国特許公開第20110201055号を参照のこと)。本明細書に記載の操作された切断ハーフドメインは任意の好適な方法を用いて、例えば、米国特許公開第20050064474号、同第20080131962号、および同第20110201055号に記載の野生型切断ハーフドメイン(Fok I)の部位特異的変異誘発によって調製され得る。
あるいは、ヌクレアーゼは、いわゆる「スプリット酵素」技術を用いて、核酸標的部位においてインビボで組み立てられ得る(例えば、米国特許公開20090068164号を参照のこと)。そのようなスプリット酵素の構成要素は、別個の発現構築物のいずれかで発現され得るか、または個々の構成要素が例えば自己切断2AペプチドもしくはIRES配列によって分離される1つのオープンリーディングフレームにおいて連結され得る。構成要素は、個々のジンクフィンガー結合ドメインであり得るか、またはメガヌクレアーゼ核酸結合ドメインのドメインであり得る。
ヌクレアーゼは、例えば、国際公開第WO2009/042163号および同第20090068164号に記載の酵母ベースの染色体系において、使用前に活性についてスクリーニングすることができる。ヌクレアーゼ発現構築物は、当技術分野で既知の方法を用いて容易に設計することができる。例えば、米国特許公開第20030232410号、同第20050208489号、同第20050026157号、同第20050064474号、同第20060188987号、同第20060063231号、および国際公開第WO07/014275号を参照されたい。ヌクレアーゼの発現は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーター、例えば、ラフィノースおよび/またはガラクトースの存在下で活性化(脱抑制)され、かつグルコースの存在下で抑制されるガラクトキナーゼプロモーターの制御下にあり得る。
ある特定の実施形態において、ヌクレアーゼは、CRISPR/Cas系を含む。この系のRNA構成成分をコードするCRISPR(規則的な間隔でクラスター化された短鎖反復回文配列)遺伝子座と、タンパク質をコードするcas(CRISPR関連)遺伝子座(Jansenら、2002年、Mol. Microbiol.43巻:1565〜1575頁;Makarovaら、2002年、Nucleic Acids Res.30巻:482〜496頁;Makarovaら、2006年、Biol. Direct 1巻:7頁;Haftら、2005年、PLoS Comput. Biol.1巻:e60頁)は、CRISPR/Casヌクレアーゼ系の遺伝子配列を構成する。微生物宿主におけるCRISPR遺伝子座は、CRISPR媒介性核酸切断の特異性をプログラムすることができる、CRISPR関連(Cas)遺伝子と非コードRNAエレメントの組合せを含有する。
II型CRISPRは、最もよく特徴付けられた系の1つであり、連続的4ステップで標的化DNA二本鎖切断を行う。第一に、2種の非コードRNA、プレcrRNAアレイおよびtracrRNAが、CRISPR遺伝子座から転写される。第二に、tracrRNAが、プレcrRNAの反復領域にハイブリダイズし、プレcrRNAのプロセシングを媒介して、個々のスペーサー配列を含有する成熟crRNAとする。第三に、crRNAにおけるスペーサーと、標的認識の追加的な要件であるプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)のとなりの標的DNAにおけるプロトスペーサーとの間のワトソンクリック塩基対形成により、成熟crRNA:tracrRNA複合体が、標的DNAにCas9を方向付ける。最後に、Cas9が、標的DNAの切断を媒介して、プロトスペーサー内に二本鎖切断を生じる。CRISPR/Cas系の活性は、3ステップからなる:(i)「適応」と呼ばれるプロセスにおける、将来的な攻撃を防止するための、CRISPRアレイへの異質(alien)DNA配列の挿入、(ii)関連するタンパク質の発現ならびにアレイの発現およびプロセシングと、続く(iii)異質核酸のRNA媒介性干渉。したがって、細菌細胞において、いわゆる「Cas」タンパク質のいくつかは、CRISPR/Cas系の天然機能に関与し、異質DNAの挿入等、機能における役割を果たす。
ある特定の実施形態において、Casタンパク質は、天然に存在するCasタンパク質の「機能的誘導体」であり得る。ネイティブ配列ポリペプチドの「機能的誘導体」は、ネイティブ配列ポリペプチドと共通した定性的生物学的特性を有する化合物である。「機能的誘導体」として、対応するネイティブ配列ポリペプチドと共通した生物学的活性を有するのであれば、ネイティブ配列の断片ならびにネイティブ配列ポリペプチドおよびその断片の誘導体が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書に企図される生物学的活性とは、DNA基質を断片に加水分解する機能的誘導体の能力である。「誘導体」という用語は、ポリペプチドのアミノ酸配列バリアント、共有結合性修飾物およびこれらの融合物の両方を包含する。Casポリペプチドまたはその断片の好適な誘導体として、Casタンパク質またはその断片の変異体、融合物、共有結合性修飾物が挙げられるがこれらに限定されない。Casタンパク質またはその断片およびCasタンパク質またはその断片の誘導体を含むCasタンパク質は、細胞から得ることができるもしくは化学的に合成することができるまたはこれら2つの手順の組合せによるものであることができる。細胞は、Casタンパク質を天然に産生する細胞、あるいはCasタンパク質を天然に産生し、より高い発現レベルで内因性Casタンパク質を産生するように、または内因性Casと同じもしくは異なるCasをコードする外因的に導入された核酸からCasタンパク質を産生するように遺伝子操作された細胞であり得る。場合によっては、細胞は、Casタンパク質を天然に産生せず、Casタンパク質を産生するよう遺伝子操作されている。
セーフハーバーおよび他の遺伝子に標的化される例示的なCRISPR/Casヌクレアーゼ系は、例えば、米国特許仮出願第61/823,689号に開示されている。
したがって、ヌクレアーゼは、ドナー(導入遺伝子)の挿入が望まれる任意の遺伝子における標的部位に特異的に結合するDNA結合ドメインを含む。
標的部位
上で詳細に記載されるように、DNAドメインは、遺伝子座、例えば、アルブミンなどのセーフハーバー遺伝子における任意の選択した配列に結合するように操作され得る。操作されたDNA結合ドメインは、天然に存在するDNA結合ドメインと比較して新規の結合特異性を有し得る。操作方法には、合理的設計および種々の種類の選択が含まれるが、これらに限定されない。合理的設計は、例えば、三重鎖(または四重鎖)ヌクレオチド配列および個々の(例えば、ジンクフィンガー)アミノ酸配列を含むデータベースの使用を含み、各三重鎖または四重鎖ヌクレオチド配列は、特定の三重鎖または四重鎖配列に結合するDNA結合ドメインの1つ以上のアミノ酸配列と会合している。例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、共有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照されたい。TALエフェクタードメインの合理的設計も実行され得る。例えば、米国特許第8,586,526号を参照されたい。
上で詳細に記載されるように、DNAドメインは、遺伝子座、例えば、アルブミンなどのセーフハーバー遺伝子における任意の選択した配列に結合するように操作され得る。操作されたDNA結合ドメインは、天然に存在するDNA結合ドメインと比較して新規の結合特異性を有し得る。操作方法には、合理的設計および種々の種類の選択が含まれるが、これらに限定されない。合理的設計は、例えば、三重鎖(または四重鎖)ヌクレオチド配列および個々の(例えば、ジンクフィンガー)アミノ酸配列を含むデータベースの使用を含み、各三重鎖または四重鎖ヌクレオチド配列は、特定の三重鎖または四重鎖配列に結合するDNA結合ドメインの1つ以上のアミノ酸配列と会合している。例えば、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、共有の米国特許第6,453,242号および同第6,534,261号を参照されたい。TALエフェクタードメインの合理的設計も実行され得る。例えば、米国特許第8,586,526号を参照されたい。
ファージディスプレイおよびツーハイブリッドシステムを含むDNA結合ドメインに適用可能な例示の選択方法は、米国特許第5,789,538号、同第5,925,523号、同第6,007,988号、同第6,013,453号、同第6,410,248号、同第6,140,466号、同第6,200,759号、および同第6,242,568号、ならびに国際公開第WO98/37186号、同第WO98/53057号、同第WO00/27878号、同第WO01/88197号、そして英国特許第GB2,338,237号に開示されている。
標的部位の選択、ヌクレアーゼ、および融合タンパク質(およびそれをコードするポリヌクレオチド)を設計および構築するための方法は、当業者に知られており、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第20050064474号および同第20060188987号に詳細に記載されている。
加えて、これらおよび他の参考文献に開示されるように、DNA結合ドメイン(例えば、マルチフィンガージンクフィンガータンパク質)は、例えば、5アミノ酸以上のリンカーを含む任意の好適なリンカー配列を用いてともに連結され得る。例示の6アミノ酸長以上のリンカー配列については、例えば、米国特許第6,479,626号、同第6,903,185号、および同第7,153,949号を参照されたい。本明細書に記載のタンパク質は、タンパク質の個々のDNA結合ドメイン間の好適なリンカーの任意の組み合わせを含み得る。米国特許第8,586,526号も参照されたい。
ドナー
上に記す通り、例えば、変異体遺伝子の修正のためまたは野生型遺伝子の発現の増加のための、外因性配列(「ドナー配列」または「ドナー」とも呼ばれる)の挿入、特に、代謝障害において異常に発現される少なくとも1つのタンパク質の機能性バージョンの挿入。
上に記す通り、例えば、変異体遺伝子の修正のためまたは野生型遺伝子の発現の増加のための、外因性配列(「ドナー配列」または「ドナー」とも呼ばれる)の挿入、特に、代謝障害において異常に発現される少なくとも1つのタンパク質の機能性バージョンの挿入。
ドナーにコードされ得る、代謝障害において異常に発現されるタンパク質の非限定的な例として、MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)(PCCAおよび/またはPCCBサブユニット)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質および/またはリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質が挙げられる。
ドナー配列は、相同性の2領域に隣接する非相同配列を含有して、目的とする位置における効率的なHDRを可能にすることができる。ドナー分子は、細胞クロマチンに対していくつかの不連続な相同性の領域を含有することができる。例えば、目的とする領域において通常は存在しない配列の標的挿入のために、前記配列は、ドナー核酸分子において存在し、目的とする領域における配列に対し相同性の領域に隣接することができる。
あるいは、ドナー配列は、非HDR機構(例えば、NHEJドナー捕捉)を介して組み込むことができ、この場合、ドナーポリヌクレオチド(例えば、ベクター)は、細胞クロマチンにおける目的とする領域に対し相同な配列を含有している必要はない。
ドナーポリヌクレオチドは、DNAまたはRNA、一本鎖または二本鎖であってもよく、線状または環状(例えば、ミニサークル)形態で細胞に導入され得る。例えば、米国特許出願公開第20100047805号;同第20110281361号;および同第20110207221号を参照されたい。線状形態で導入される場合、当業者に公知の方法により、ドナー配列の末端を保護することができる(例えば、エキソヌクレアーゼ分解から)。例えば、1つまたは複数のジデオキシヌクレオチド残基が、線状分子の3’末端に付加される、および/または自己相補的オリゴヌクレオチドが、一方または両方の末端に連結される。例えば、Changら(1987年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84巻:4959〜4963頁;Nehlsら(1996年)Science 272巻:886〜889頁を参照されたい。分解から外因性ポリヌクレオチドを保護するための追加的な方法として、末端アミノ基(複数可)の付加、ならびに例えばホスホロチオエート、ホスホルアミデートおよびO−メチルリボースまたはデオキシリボース残基等の修飾ヌクレオチド間結合の使用が挙げられるがこれらに限定されない。
ポリヌクレオチドは、例えば、複製起点、プロモーターおよび抗生物質耐性をコードする遺伝子等、追加的な配列を有するベクター分子の一部として細胞に導入することができる。さらに、ドナーポリヌクレオチドは、裸の核酸として、リポソームまたはポロキサマー等の作用物質と複合体形成した核酸として導入することができる、あるいはウイルス(例えば、アデノウイルス、AAV、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、レンチウイルスおよびインテグラーゼ欠損レンチウイルス(IDLV))により送達することができる。
ドナーは一般に、その発現が、組み込み部位における内因性プロモーター、すなわち、アルブミン遺伝子の発現を駆動するプロモーターにより駆動されるように挿入される。しかし、ドナーが、プロモーターおよび/またはエンハンサー、例えば、構成的プロモーターまたは誘導性もしくは組織特異的プロモーターを含んでいてもよいことは明白である。
ドナー分子は、すべてもしくは一部の内因性遺伝子が発現されるか、または全く発現されないように、内因性遺伝子に挿入することができる。例えば、本明細書に記載されている導入遺伝子は、例えば、導入遺伝子との融合物として一部の内因性配列が発現されるか、または全く発現されないように、セーフハーバー遺伝子座に挿入することができる。一部の実施形態において、内因性配列は、アルブミン配列である。他の実施形態において、導入遺伝子(例えば、アルブミンコード配列を含むまたは含まない)は、別の(非アルブミン)遺伝子座に組み込まれるが、アルブミン配列をコードする。
アルブミン配列(内因性または導入遺伝子の一部)が、導入遺伝子と共に発現される場合、アルブミン配列は、完全長の配列(野生型または変異型)または部分配列であり得る。好ましくは、アルブミン配列は、機能性である。これらの完全長または部分アルブミン配列の機能の非限定的な例として、導入遺伝子(例えば、治療用遺伝子)により発現されるポリペプチドの血清半減期の増加および/または担体としての作用が挙げられる。
さらに、発現に必要とされないが、外因性配列は、転写または翻訳調節配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、インシュレーター、内部リボソーム進入部位、2Aペプチドおよび/またはポリアデニル化シグナルをコードする配列を含むこともできる。
送達
ヌクレアーゼ、これらのヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド、ドナーポリヌクレオチド、ならびに本明細書に記載のタンパク質および/またはポリヌクレオチドを含む組成物は、任意の好適な手段によってインビボまたはエクスビボで送達され得る。
ヌクレアーゼ、これらのヌクレアーゼをコードするポリヌクレオチド、ドナーポリヌクレオチド、ならびに本明細書に記載のタンパク質および/またはポリヌクレオチドを含む組成物は、任意の好適な手段によってインビボまたはエクスビボで送達され得る。
本明細書に記載のヌクレアーゼを送達する方法は、例えば、米国特許第6,453,242号、同第6,503,717号、同第6,534,261号、同第6,599,692号、同第6,607,882号、同第6,689,558号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号に記載されており、これらのすべての開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載のヌクレアーゼおよび/またはドナー構築物も、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質(複数可)のうちの1つ以上をコードする配列を含むベクターを用いて送達され得る。プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、ポックスウイルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、およびアデノ随伴ウイルスベクター等を含むが、これらに限定されない任意のベクター系を用いてもよい。米国特許第6,534,261号、同第6,607,882号、同第6,824,978号、同第6,933,113号、同第6,979,539号、同第7,013,219号、および同第7,163,824号も参照されたく、参照によりこれらの全体が本明細書に組み込まれる。さらに、これらのベクターのいずれも処置に必要とされる配列のうちの1つ以上を含み得ることは明らかである。したがって、1つ以上のヌクレアーゼおよびドナー構築物が細胞に導入される場合、ヌクレアーゼおよび/またはドナーポリヌクレオチドは、同一のベクター上または異なるベクター上に担持され得る。複数のベクターが使用される場合、各ベクターは、1つまたは複数のヌクレアーゼおよび/もしくはドナー構築物をコードする配列を含み得る。
従来のウイルスおよび非ウイルスベースの遺伝子導入方法を用いて、ヌクレアーゼおよびドナー構築物をコードする核酸を細胞(例えば、哺乳類細胞)および標的組織に導入することができる。非ウイルスベクター送達系は、DNAプラスミド、裸の核酸、およびリポソームまたはポロキサマー等の送達ビヒクルとの複合型の核酸を含む。ウイルスベクター送達系は、細胞への送達後にエピソームゲノムまたは組み込まれたゲノムのいずれかを有するDNAウイルスおよびRNAウイルスを含む。遺伝子治療手順の概説について、Anderson,Science 256:808−813(1992)、Nabel & Felgner,TIBTECH 11:211−217(1993)、Mitani & Caskey,TIBTECH 11:162−166(1993)、Dillon,TIBTECH 11:167−175(1993)、Miller,Nature 357:455−460(1992)、Van Brunt,Biotechnology 6(10):1149−1154(1988)、Vigne,Restorative Neurology and Neuroscience 8:35−36(1995)、Kremer & Perricaudet,British Medical Bulletin 51(1):31−44(1995)、Haddadaら,in
Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Bohm(編)(1995)、およびYuら,Gene Therapy 1:13−26(1994)を参照されたい。
Current Topics in Microbiology and Immunology Doerfler and Bohm(編)(1995)、およびYuら,Gene Therapy 1:13−26(1994)を参照されたい。
核酸の非ウイルス送達の方法は、電気穿孔、リポフェクション、マイクロインジェクション、バイオリスティック、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオン、または脂質:核酸コンジュゲート、裸のDNA、人工ビリオン、および作用物質によって強化されたDNAの取り込みを含む。例えば、Sonitron2000システム(Rich−Mar)を用いたソノポレーションも、核酸の送達のために使用され得る。
さらなる例示の核酸送達系は、Amaxa Biosystems(Cologne,Germany)、Maxcyte,Inc(Rockville,Maryland)、BTX Molecular Delivery Systems(Holliston,MA)、およびCopernicus Therapeutics Incによって提供されるものを含む(例えば、米国特許第6008336号を参照のこと)。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号、同第4,946,787号、および同第4,897,355号に記載されており、リポフェクション試薬は市販されている(例えば、Transfectam(商標)およびLipofectin(商標))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに好適なカチオン性脂質および中性脂質は、Felgner、国際公開第WO91/17424号、同第WO91/16024号に記載のものを含む。
免疫脂質複合体等の標的化リポソームを含む脂質:核酸複合体の調製は、当業者に周知である(例えば、Crystal,Science 270:404−410(1995)、Blaeseら,Cancer Gene Ther.2:291−297(1995)、Behrら,Bioconjugate Chem.5:382−389(1994)、Remyら,Bioconjugate Chem.5:647−654(1994)、Gao etら,Gene Therapy 2:710−722(1995)、Ahmadら,Cancer Res.52:4817−4820(1992)、米国特許第4,186,183号、同第4,217,344号、同第4,235,871号、同第4,261,975号、同第4,485,054号、同第4,501,728号、同第4,774,085号、同第4,837,028号、および同第4,946,787号を参照のこと)。
さらなる送達方法は、送達される核酸のEnGeneIC送達ビヒクル(EDV)へのパッケージングの使用を含む。これらのEDVは、二重特異性抗体を用いて標的組織に特異的に送達され、この抗体の一方のアームは、標的組織に対する特異性を有し、他方のアームは、EDVに対する特異性を有する。この抗体は、EDVを標的細胞表面に運び、その後、EDVは、エンドサイトーシスによって細胞内に運び込まれる。一旦細胞内に運び込まれると、その内容物は放出される(MacDiarmidら(2009)Nature Biotechnology 27(7):643を参照のこと)。
操作されたZFPをコードする核酸を送達するためのRNAウイルスベースのまたはDNAウイルスベースの系の使用は、ウイルスを体内の特定の細胞に標的化し、ウイルス負荷量を核に輸送するための高度に進化したプロセスを利用する。ウイルスベクターは、患者に直接投与され得るか(インビボ)、またはインビトロで細胞を処置するために使用され得、修飾細胞が患者に投与される(エクスビボ)。ZFPを送達するための従来のウイルスベースの系は、遺伝子導入用のレトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、および単純ヘルペスウイルスベクターを含むが、これらに限定されない。宿主ゲノムへの組み込みは、レトロウイルス、レンチウイルス、およびアデノ随伴ウイルスによる遺伝子導入方法を用いて可能であり、多くの場合、挿入された導入遺伝子の長期発現をもたらす。さらに、高い形質導入効率が多くの異なる細胞型および標的組織において観察されている。
レトロウイルスの向性を、外来性エンベロープタンパク質を組み込むことによって変化させ、標的細胞の潜在的な標的集団を拡張することができる。レンチウイルスベクターは、非分裂細胞を形質導入するか、または感染させることができ、かつ典型的には高いウイルス力価を生成するレトロウイルスベクターである。レトロウイルス遺伝子導入系の選択は、標的組織に依存する。レトロウイルスベクターは、最大6〜10kbの外来配列のパッケージング能力を有する、シス作用性の長い末端反復配列からなる。最小のシス作用LTRは、ベクターの複製およびパッケージングに十分であり、これはその後、治療用遺伝子を標的細胞に組み込んで恒久的な導入遺伝子の発現を提供するために用いられる。一般に用いられているレトロウイルスベクターは、マウス白血病ウイルス(MuLV)、テナガザル白血病ウイルス(GaLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、およびこれらの組み合わせに基づくベクターを含む(例えば、Buchscherら,J.Virol.66:2731−2739(1992)、Johannら,J.Virol.66:1635−1640(1992)、Sommerfeltら,Virol.176:58−59(1990)、Wilsonら,J.Virol.63:2374−2378(1989)、Millerら,J.Virol.65:2220−2224(1991)、PCT/US94/05700を参照のこと)。
一過性の発現が好ましい用途において、アデノウイルスベースの系を用いることができる。アデノウイルスベースのベクターは、多くの細胞型において極めて高い形質導入効率が可能であり、細胞分裂を必要としない。そのようなベクターを用いて、高力価かつ高レベルの発現が得られている。このベクターは、比較的単純なシステムにおいて大量に生成することができる。アデノ随伴ウイルス(「AAV」)ベクターも、細胞を標的核酸で形質導入するために、例えば、核酸およびペプチドのインビトロ生成において、かつインビボおよびエクスビボ遺伝子治療手順のために用いられる(例えば、Westら,Virology 160:38−47(1987)、米国特許第4,797,368号、国際公開第WO93/24641号、Kotin,Human Gene Therapy 5:793−801(1994)、Muzyczka,J.Clin.Invest. 94:1351(1994)を参照のこと)。組換えAAVベクターの構築は、米国特許第5,173,414号、Tratschinら,Mol.Cell.Biol.5:3251−3260(1985)、Tratschin,ら,Mol.Cell.Biol.4:2072−2081(1984)、Hermonat & Muzyczka,PNAS 81:6466−6470(1984)、およびSamulskiら,J.Virol.63:03822−3828(1989)を含むいくつかの出版物に記載されている。
少なくとも6つのウイルスベクターのアプローチが、臨床試験における遺伝子導入に現在利用可能であり、それらは、形質導入剤を生成するためにヘルパー細胞系に挿入される遺伝子による欠損ベクターの補完に関与するアプローチを利用する。
pLASNおよびMFG−Sは、臨床試験に使用されているレトロウイルスベクターの例である(Dunbarら,Blood 85:3048−305(1995)、Kohnら,Nat. Med.1:1017−102(1995)、Malechら,PNAS 94:22 12133−12138(1997))。PA317/pLASNは、遺伝子治療試験で使用された最初の治療用ベクターであった(Blaeseら,Science 270:475−480(1995))。50%以上の形質導入効率が、MFG−Sパッケージングベクターにおいて観察されている(Ellemら,Immunol Immunother.44(1):10−20(1997)、Dranoffら,Hum.Gene Ther.1:111−2(1997)。
組換えアデノ随伴ウイルスベクター(rAAV)は、欠損性および非病原性パルボウイルスアデノ随伴2型ウイルスに基づく有望な代替の遺伝子送達系である。すべてのベクターは、導入遺伝子発現カセットに隣接するAAVの145bpの逆方向末端反復のみを保持するプラスミドに由来する。形質導入された細胞のゲノムへの組み込みに起因した効率的な遺伝子導入および安定した導入遺伝子送達は、このベクター系の重要な特徴である(Wagnerら,Lancet 351:9117 1702−3(1998)、Kearnsら,Gene Ther.9:748−55(1996))。他のAAV血清型(AAV1、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV8、AAV8.2、AAV9、AAVrh10、およびシュードタイプAAV(AAV2/8、AAV2/5、およびAAV2/6)の例が挙げられる)も本発明に従って使用することができる。
複製欠損組換えアデノウイルスベクター(Ad)は、高力価で生成することができ、いくつかの異なる細胞型を容易に感染させる。ほとんどのアデノウイルスベクターは、導入遺伝子がAdE1a、E1b、および/またはE3遺伝子を置き換えるように操作され、その後、複製欠損ベクターは、欠失した遺伝子機能をトランスで供給するヒト293細胞において増幅する。Adベクターは、肝臓、腎臓、および筋肉に見出されるもの等の非分裂の分化細胞を含む複数の種類の組織をインビボで形質導入することができる。従来のAdベクターは、高い輸送能力を有する。臨床試験におけるAdベクターの使用の例は、筋肉内注射での抗腫瘍免疫のためのポリヌクレオチド治療を含んだ(Stermanら,Hum.Gene Ther.7:1083−9(1998))。臨床試験における遺伝子導入のためのアデノウイルスベクターの使用のさらなる例として、Roseneckerら,Infection 24:1 5−10(1996)、Stermanら,Hum.Gene Ther.9:7 1083−1089(1998)、Welshら,Hum.Gene Ther.2:205−18(1995)、Alvarezら,Hum.Gene Ther.5:597−613(1997)、Topfら,Gene Ther.5:507−513(1998)、Stermanら,Hum.Gene Ther.7:1083−1089(1998)が挙げられる。
宿主細胞を感染させることができるウイルス粒子を形成するために、パッケージング細胞が使用される。そのような細胞は、アデノウイルスをパッケージングする293細胞、およびレトロウイルスをパッケージングするψ2細胞またはPA317細胞を含む。遺伝子治療に用いられるウイルスベクターは、通常、核酸ベクターをウイルス粒子中にパッケージングする生産細胞系によって生成される。ベクターは、典型的には、パッケージングおよびその後の宿主への組み込み(適切な場合)に必要な最小限のウイルス配列を含有し、他のウイルス配列は、発現されるタンパク質をコードする発現カセットによって置き換えられる。失われたウイルス機能は、パッケージング細胞系によってトランスで供給される。例えば、遺伝子治療に用いられるAAVベクターは、典型的には、パッケージングおよび宿主ゲノムへの組み込みに必要なAAVゲノムからの逆方向末端反復(ITR)配列のみを有する。ウイルスDNAは、他のAAV遺伝子、すなわち、repおよびcapをコードするが、ITR配列を欠くヘルパープラスミドを含む細胞系内にパッケージングされる。細胞系は、ヘルパーとしてのアデノウイルスにも感染する。ヘルパーウイルスは、AAVベクターの複製およびヘルパープラスミドからのAAV遺伝子の発現を促進する。このヘルパープラスミドは、ITR配列の欠如のため、相当な量でパッケージングされない。アデノウイルスによる汚染は、例えば、アデノウイルスがAAVよりも感受性の高い熱処理によって減少させることができる。
多くの遺伝子治療の用途において、特定の組織型に対して高度の特異性を有する遺伝子治療ベクターが送達されることが望ましい。したがって、ウイルスベクターは、ウイルスの外表面上のウイルスのコートタンパク質との融合タンパク質としてリガンドを発現させることにより、所与の細胞型に対して特異性を有するように改変され得る。リガンドは、目的とする細胞型上に存在することが知られている受容体に対する親和性を有するように選択される。例えば、Hanら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92:9747−9751(1995)は、モロニーマウス白血病ウイルスを、gp70に融合されたヒトヘレグリンを発現するように改変することができ、その組換えウイルスが、ヒト上皮成長因子受容体を発現するあるヒト乳がん細胞を感染させることを報告した。この原理は、標的細胞が受容体を発現し、かつ、ウイルスが細胞表面受容体のリガンドを含む融合タンパク質を発現する、他のウイルスと標的細胞とのペアにまで拡張することができる。例えば、繊維状ファージは、実質的に任意の選択された細胞受容体に対する特異的結合親和性を有する抗体断片(例えば、FABまたはFv)を提示するように操作され得る。上記の説明は、主としてウイルスベクターに適用されるが、同一の原理が非ウイルスベクターにも適用され得る。そのようなベクターは、特定の標的細胞による取り込みを好む特定の取り込み配列を含むように操作され得る。
遺伝子治療ベクターは、以下に記載されるように、典型的には、全身投与(例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、もしくは頭蓋内注入)または局所適用による個々の患者への投与によってインビボで送達することができる。あるいは、ベクターは、細胞、例えば、個々の患者から移植された細胞(例えば、リンパ球、骨髄穿刺液、組織生検)または万能ドナーの造血幹細胞等にエクスビボで送達することもでき、その後、該細胞が、通常はベクターを組み込んだ細胞の選択後に、患者に再移植される。
ヌクレアーゼおよび/またはドナー構築物を含有するベクター(例えば、レトロウイルス、アデノウイルス、リポソーム等)は、インビボでの細胞の形質導入のために生物に直接投与することもできる。あるいは、裸のDNAは投与され得る。投与は、注射、注入、局所適用、および電気穿孔を含むが、これらに限定されない、通常、血液または組織細胞との最終的な接触へと分子を導入するために用いられる経路のうちのいずれかによる。そのような核酸を投与する好適な方法は、利用可能であって、かつ当業者に周知であり、特定の組成物を投与するために2つ以上の経路が用いられてもよいが、特定の経路は、多くの場合、別の経路よりも即時的かつより効果的な反応を提供することができる。
本明細書に記載のポリヌクレオチドの導入に好適なベクターは、非組み込み型レンチウイルスベクター(IDLV)を含む。例えば、Oryら(1996)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:11382−11388、Dullら(1998)J.Virol.72:8463−8471、Zufferyら(1998)J.Virol.72:9873−9880、Follenziら(2000)Nature Genetics 25:217−222、米国特許公開第2009/054985号を参照されたい。
薬学的に許容されるキャリアは、投与される特定の組成物によって、ならびに組成物を投与するために使用される特定の方法によっても部分的に決定される。したがって、以下に記載されるように、多種多様な薬学的組成物の好適な製剤が利用可能である(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17版,1989を参照のこと)。
ヌクレアーゼコード配列およびドナー構築物が同一または異なる系を用いて送達され得ることは明らかである。例えば、ドナーポリヌクレオチドは、プラスミドによって運ばれてもよく、1つ以上のヌクレアーゼは、AAVベクターによって運ばれてもよい。さらに、同一または異なる経路(筋肉内注射、尾静脈注射、他の静脈内注射、腹腔内投与および/または筋肉内注射)によって異なるベクターが投与されてもよい。ベクターは、同時にまたは任意の逐次的順序で送達されてもよい。
エクスビボ投与用の製剤およびインビボ投与用の製剤は両方ともに、液体中の懸濁液または乳化液を含む。有効成分は、多くの場合、薬学的に許容され、かつ有効成分と相溶性のある賦形剤と混合される。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、ブドウ糖、グリセロール、エタノール等、およびそれらの組み合わせを含む。加えて、組成物は、湿潤剤もしくは乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、または医薬組成物の有効性を増強する他の試薬等の少量の補助物質を含有してもよい。
適用
本発明の方法および組成物は、代謝障害(例えば、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、一般的な遺伝疾患および代謝疾患である家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害(例えば、シトルリン血症またはOTC欠乏症)、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)ならびに家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD))を有する対象において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質をコードする導入遺伝子の供給が望まれる、任意の状況において使用することができる。導入遺伝子は、次のタンパク質のうち1つまたは複数を発現して、対象において欠如する機能タンパク質を供給することができる:MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)(PCCAおよび/またはPCCBサブユニット)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質および/またはリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質。
本発明の方法および組成物は、代謝障害(例えば、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、一般的な遺伝疾患および代謝疾患である家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害(例えば、シトルリン血症またはOTC欠乏症)、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)ならびに家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD))を有する対象において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質をコードする導入遺伝子の供給が望まれる、任意の状況において使用することができる。導入遺伝子は、次のタンパク質のうち1つまたは複数を発現して、対象において欠如する機能タンパク質を供給することができる:MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)(PCCAおよび/またはPCCBサブユニット)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質および/またはリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質。
したがって、本技術は、対象が、代謝障害に関与するあるタンパク質またはRNAを欠損した状態において役立つ。代謝疾患は、代謝経路におけるタンパク質またはRNAが、経路が適切に機能しないように、ある様式において機能不全である疾患である。したがって、患者は、改変されたタンパク質またはRNAの増大化のいずれかにより、経路における中間体の増大化もしくは経路の最終産物の欠如または上述のすべてに悩まされる。
メチルマロン酸血症は、生後間もなくにおいて致死的な(約1/25,000出生の有病率)常染色体劣性代謝疾患であり、欠損は、メチルマロニルCoAムターゼによるメチルマロニル−コエンザイムA(coA)からサクシニル−CoAへの変換に存在する。変異したまたは不十分に発現される遺伝子配列によって、経路におけるどのタンパク質がコードされるかにより分類される、数種類のメチルマロン酸血症が存在する。ビタミンB12からそのコエンザイム複合体への変換が欠損していると思われる。このプロセスには数種類の酵素が必要とされ、これらの酵素をコードする遺伝子における変異は、観察される相補群の原因であると思われる(cblAからcblH、Dodsonら(2002年)Proc Nat Acad Sci USA 99巻(24号):15554〜15559頁を参照のこと)。関連する相補群および遺伝子を下表Aに示す。
したがって、アルブミン遺伝子座への、メチルマロン酸血症の原因となる欠損遺伝子の野生型対立遺伝子をコードする遺伝子の挿入は、これらの患者に治療上の利益を提供することができる。
プロピオン酸血症は、プロピオン酸の増大化により特徴付けられる分岐鎖アミノ酸代謝の障害であり、嘔吐、脱水および重度の代謝性アシドーシスのエピソードを生じる(およそ1/35,000出生の有病率、ただし、サウジアラビアにおいては1/3000に近い)。通常、プロピオニル−CoAのカルボキシル化は、2ステップ反応であり、第1のステップにおいて、アポ酵素−ビオチン複合体のウレイド窒素に炭酸水素が結合して、カルボキシビオチン−アポ酵素中間体を形成する。この複合体は、次に、プロピオニル−CoAと反応し、ビオチンからプロピオニル−CoAの第二炭素にカルボキシル基を移して、D−メチルマロニル−CoAを形成する。これらステップは両方とも、それぞれPCCAおよびPCCB遺伝子にコードされる、非同一αおよびβサブユニットのペアからなるミトコンドリアタンパク質である、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)により触媒される。これら遺伝子のいずれかにおける変異は、プロピオン酸血症をもたらすことができる。機能的PCCが作製されて、プロピオン酸の増大化を防止することができるように、本発明に開示されている方法および組成物を使用して、PCCAおよび/またはPCCB遺伝子の野生型コピーは、ミトコンドリア標的化ペプチドを必要に応じて包含して、肝臓におけるアルブミン遺伝子座に挿入することができる。
糖原病1型は、血糖値の維持に重要な複合体であるグルコース−6−リン酸アルファ系の欠乏に起因する(米国における約1/50,000出生の有病率)。この複合体は、細胞質から小胞体内腔にグルコース−6−リン酸を転位置するグルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)と、グルコース−6−リン酸をグルコースおよびリン酸に加水分解するG6Pase−α触媒ユニットからなる。G6Pase−αの欠乏は、GSD Ia型(GSD−Ia)の原因となり、G6PTの欠乏は、GSD Ib型(GSD−Ib)の原因となる。GSD−IaおよびGSD−Ib患者は両方とも、撹乱されたグルコース恒常性を顕在化するが、GSD−Ib患者は、好中球減少症およびミエロイド機能不全の症状も患う。どちらの酵素も、小胞体に関連する膜貫通型タンパク質である。現在の処置は、ある程度まで症状を処置するが、治癒的ではない。これらの疾患の動物モデルが存在し、これらのモデルを使用して、遺伝子治療によりこの疾患を修正する試みが為された。AAVベクターを使用して、野生型遺伝子を動物に送達した。ある一定の利益が見られたが、AAV指向性および導入遺伝子の十分な発現の欠如に関する問題が残された(ChouおよびMansfield(2007年)Curr Gene Ther 7巻(2号):79頁を参照のこと)。したがって、本発明の方法および組成物を使用して、グルコース−6−リン酸アルファ系に関する適切な遺伝子を含有する導入遺伝子を肝臓に導入し、アルブミン遺伝子座を介してまたはそこで発現させることができる(例えば、内因性アルブミン制御エレメントおよび/または外因性プロモーターから)。
家族性高コレステロール血症(FH)は、一般的な遺伝および代謝疾患である。患者の多くは、LDL受容体(LDLR)遺伝子に欠損を有するが(1/500出生)、その他は、ApoB(1/1000)、PCSK9(<1/2500)またはLDLRAP−1に欠損を有する。LDLR遺伝子変異は、5つの活性クラスに分けられる:クラスI − LDLRの合成なし;クラスII − LDLR複合体がゴルジ体に輸送されない;クラスIII − LDLRがLDLに結合しない;クラスIV − LDLR:LDL複合体が細胞膜において適切にクラスター形成しない;およびクラスV − LDLRが細胞において適切にリサイクルしない。アルブミン遺伝子座からの野生型LDLR遺伝子の発現は、これらのクラスのLDLR変異をすべて迂回することができる。ApoBは、リポタンパク質粒子の一部であるタンパク質であり、FHは、R3500Q変異に関連する。これらの遺伝子の野生型均等物をコードする導入遺伝子の発現は、FHの臨床所見に有意に影響を与えることができる。その上、本発明の方法および組成物は、変異が発現減少の原因であった場合、遺伝子の発現を特異的に増加させる、アルブミン遺伝子座からの転写調節因子の発現を企図する(例えば、ZFP−TF)。
別のクラスの代謝性遺伝疾患は、尿素サイクルに関与する疾患である。これらは、1/30,000出生の有病率で起こり、いくつかの遺伝子に関与する。より周知の尿素サイクル障害の1つは、シトルリン血症と呼ばれる(ASS1またはSLC25A13遺伝子における変異に関連)。別の周知の例は、オルニチントランスカルバモイラーゼの低レベル発現に起因するOTC欠乏症である。尿素サイクル障害に関連付けられるこれらの遺伝子の一部は、ミトコンドリアに位置するタンパク質をコードするが、その他は、細胞質ゾルタンパク質をコードする。ミトコンドリアタンパク質は、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)遺伝子にコードされるが、細胞質ゾルタンパク質は、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)およびARG1(アルギナーゼ)遺伝子にコードされる。SLC25A13遺伝子は、また、重要な尿素サイクル溶質をミトコンドリアに輸送するのに必要なシトリンの生成に関与するメンバー13である、溶質輸送体ファミリー25(アスパラギン酸/グルタミン酸担体)をコードする。尿素サイクルは、肝臓において行われ、アンモニアをより低毒性型の尿素または尿酸にするために役立つ。肝臓におけるアルブミン遺伝子座におけるこれらの酵素のうち1つをコードする遺伝子の野生型バージョンの標的組み込みは、これら障害の処置に使用することができる。
非常に稀な遺伝的代謝障害クリグラー・ナジャー症候群(CNS、約1/1,000,000出生の発生率)および関連するジルベール症候群は両方とも、ビリルビン(billirubin)の代謝に影響する障害である。この障害は、UGT1A1(またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1)における変異に起因することができ、1型CNSは、UGT1A1の完全な欠如により特徴付けられ、II型CNSは、低レベル発現を有する。UGT1A1タンパク質の生化学的役割は、親油性(lyophillic)ビリルビンを排泄のための水溶性化合物に分解することである。UGT1A1活性の欠如は、高ビリルビン血症(hyperbillirubinemia)をもたらし得、現在の処置は、紫外線照射(irridation)下で何時間も過ごさせ、皮膚を通してビリルビンを分解させることに関与する。本発明の組成物および方法による、肝臓におけるアルブミン遺伝子座からの野生型または機能的に類似のUGT1A1遺伝子の発現は、これらの状態を軽減することができる。
1型チロシン血症とも呼ばれる肝腎チロシン血症は、別の遺伝的代謝疾患であり、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ活性(FAHによりコードされる)の欠如に起因し、肝細胞および近位尿細管細胞におけるフマリルアセト酢酸の蓄積をもたらし、酸化的損傷およびDNA損傷、最終的には細胞死の原因となる。1型チロシン血症の発生率は、世界中で約1/100,000であるが、ケベックにおいて、発生率は、約1/16,000である。これは、チロシン異化反応経路における最後の酵素であり、本発明の方法および組成物を使用したこの疾患の処置は、アルブミン遺伝子座におけるFAHの野生型バージョンの発現により達成することができる。
AGXT遺伝子(アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ)における変異は、原発性高シュウ酸尿症として公知の別の代謝疾患の原因となり得る。この疾患の発生率は、約3/1,000,000であるが、地中海地方においてより一般的である。I型は、主に、AGXTにおける変異に起因するが(50種の変異が同定された)、II型は、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)における変異に起因する。ある特定の糖およびアミノ酸の分解およびプロセシングは、グリオキシル酸を産生し、これは、AGXTおよびGRHPRの作用によりグリシンまたはグリコール酸に変換される。これらの酵素の不足は、グリオキシル酸からグリシンまたはグリコール酸への変換を防止し、続いてグリオキシル酸は、シュウ酸に変換される。患者は、シュウ酸の増大化を発症し、腎臓損傷および他の臓器への傷害をもたらす。患者は、重度の腎結石も発症する。適宜アルブミン遺伝子座からのこれら遺伝子のいずれかの欠損コピーの野生型バージョンの発現は、これらの患者のための治療法となり得る。
トランスサイレチン遺伝子(TTR)における変異に起因する遺伝的疾患は、TTR媒介性アミロイドーシス(ATTR)を引き起こすことができ、約1/100,000の発生率を有する。TTRは、甲状腺ホルモンチロキシン(T4)を運ぶ、血清および脳脊髄液に見出されるタンパク質である。このタンパク質のミスフォールディングは、アミロイド疾患に関連し、ミスフォールディングに対するタンパク質の感受性を増加させ得る、遺伝子配列における100種を超える変異が記載されている。遺伝子の変異型のノックアウトと組み合わせた、アルブミン遺伝子座からの遺伝子の野生型バージョンの発現は、この疾患の有効な処置をもたらし得る。
ウィルソン病または肝レンズ核変性症は、組織中に銅が蓄積する常染色体劣性遺伝性障害である(1/30,000の発生率);これは、神経学的または精神医学的症状および肝臓疾患として顕在化する。これは、銅を胆汁に輸送し、これをセルロプラスミンに取り込ませるP型ATPaseをコードするウィルソン病n(ATP7B)遺伝子における変異に起因する。欠損ATP7B遺伝子に起因する銅の過剰な増大化は、致命的であり得るが、タンパク質の野生型バージョンの発現が有効となり得る。したがって、アルブミン遺伝子座を介したATP7Bの発現は、この疾患に罹患している患者に役立つことができる。
フェニルケトン尿症(PKU)は、肝酵素フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)をコードする遺伝子における(これを非機能的または低形質にする)変異により特徴付けられる、常染色体劣性代謝性遺伝障害である。この酵素は、フェニルアラニンからチロシンへの代謝に必要である。フェニルアラニンの増大化は、発作、精神発達遅滞および他の医学的問題を引き起こし得る。この障害のための処置は、時に生涯にわたって、芳香族アミノ酸を含有する食物を回避する厳しい食事制限に従うことである。発生率は、米国において約1/15,000である。本発明の方法および組成物の使用は、肝臓におけるアルブミン遺伝子座からの野生型PAHの発現をもたらすことができ、フェニルアラニン濃度の低下をもたらす。
別の遺伝性代謝障害は、家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)である。この障害は、欠損LPLまたはリポタンパク質リアーゼ遺伝子に起因し、身体における脂肪の正常分解の破壊に関連する。この状態は、膵炎、腹痛、肝臓の拡張および肝脾腫により特徴付けられる。LPLは、カイロミクロンおよび超低密度リポタンパク質からのリポタンパク質の分解に重要である。LPLにおける200種を超える変異が特徴付けられたが、最も一般的なものは、G188Eである。これらの変異は、全リポタンパク質リパーゼ活性を低下または除去することができる。したがって、肝臓におけるアルブミン遺伝子座からのLPL遺伝子の野生型バージョンの発現を使用して、これらの患者を処置することができる。
以下の実施例は、ヌクレアーゼが、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、TALENまたはCRISPR/Cas系を含む、本開示の例示的な実施形態に関する。これが、例証のみを目的としており、他のヌクレアーゼ、例えば、操作されたDNA結合ドメインを有するホーミングエンドヌクレアーゼ(メガヌクレアーゼ)および/または天然に存在するもしくは操作されたホーミングエンドヌクレアーゼ(メガヌクレアーゼ)DNA結合ドメインおよび異種切断ドメインの融合物を使用することができることが理解されよう。
(実施例1)
細胞への導入遺伝子の標的組み込み
標的細胞(例えば、CD34+造血幹細胞)におけるセーフハーバー遺伝子座は、代謝障害において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質をコードする導入遺伝子の付加の標的とされる。セーフハーバー遺伝子座は、CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaまたはアルブミンであり、米国特許第7,951,925号および同第8,110,379号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号に記載されている通り、1つまたは複数のZFN、TALENおよび/またはCRISPR/Cas系により標的化される。
細胞への導入遺伝子の標的組み込み
標的細胞(例えば、CD34+造血幹細胞)におけるセーフハーバー遺伝子座は、代謝障害において異常に発現される1つまたは複数のタンパク質をコードする導入遺伝子の付加の標的とされる。セーフハーバー遺伝子座は、CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaまたはアルブミンであり、米国特許第7,951,925号および同第8,110,379号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号に記載されている通り、1つまたは複数のZFN、TALENおよび/またはCRISPR/Cas系により標的化される。
代謝障害は、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、一般的な遺伝および代謝疾患である家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害(例えば、シトルリン血症、OTC欠乏症)、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)または家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)である。タンパク質は、MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCC)(PCCAおよび/またはPCCBサブユニット)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質および/またはリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質である。
基本的に、米国特許第7,951,925号および同第8,110,379号;米国特許公開第20080159996号;同第201000218264号;同第20120017290号;同第20110265198号;同第20130137104号;同第20130122591号;同第20130177983号および同第20130177960号ならびに米国特許仮出願第61/823,689号に記載されている通りに、セーフハーバー標的化ヌクレアーゼの一過性発現のためのベクター(例えば、非組み込み型キメラアデノウイルスベクター(Ad5/F35))および最適な導入遺伝子を保有するベクター(例えば、インテグラーゼ欠損レンチウイルスベクター(IDLV))が構築される。導入遺伝子ベクターは、HDR組み込みのための内因性セーフハーバー遺伝子座に対し相同アームを含むことができる、あるいはドナー捕捉等の非HDR機構を介して組み込むことができる。あるいは、セーフハーバー標的化ヌクレアーゼは、mRNAとして細胞に送達される。
標的化遺伝子付加は、任意の好適な手段により、例えば、導入遺伝子タンパク質のための免疫細胞化学検査により、形質導入1〜4週間後に決定される。加えて、5’組み込み接合部を認識する特異的プライマーを使用した適切なPCRを使用して、セーフハーバー遺伝子における標的組み込みを確認する、および/または選択されたオフターゲット遺伝子座におけるSurveyorヌクレアーゼCel−1アッセイによる。
必要に応じて、組み込まれた導入遺伝子を有する細胞のパーセンテージを増加させるために、薬物耐性遺伝子も、部位特異的様式で、導入遺伝子を有する細胞のセーフハーバー遺伝子座に組み込まれる。
細胞は、導入遺伝子および/またはヌクレアーゼの毒性に関しても検査され、ヌクレアーゼ媒介性遺伝子付加が、導入遺伝子発現および/または培養における細胞の増殖に干渉しないことが確認される。
(実施例2)
対象への遺伝子標的化細胞の生着
潜在的な細胞療法として役立つ遺伝子標的化細胞の潜在性をさらに評価するために、修飾細胞をマウスまたは非ヒト霊長類に投与することにより、導入遺伝子をインビボで発現するその能力。ヌクレアーゼによる修飾細胞は、導入遺伝子をインビボで発現し続ける。
対象への遺伝子標的化細胞の生着
潜在的な細胞療法として役立つ遺伝子標的化細胞の潜在性をさらに評価するために、修飾細胞をマウスまたは非ヒト霊長類に投与することにより、導入遺伝子をインビボで発現するその能力。ヌクレアーゼによる修飾細胞は、導入遺伝子をインビボで発現し続ける。
(実施例3)
インビボ標的組み込み
米国特許公開第20120128635号に記載されている通り、静脈内注射(例えば、尾静脈)により、対象(例えば、マウスまたは非ヒト霊長類)に、代謝障害において異常に発現されるタンパク質をコードするベクターと、アルブミン遺伝子座を標的とするZFNペアをコードするベクター(米国特許公開第20130177983号に記載)を投与する。
インビボ標的組み込み
米国特許公開第20120128635号に記載されている通り、静脈内注射(例えば、尾静脈)により、対象(例えば、マウスまたは非ヒト霊長類)に、代謝障害において異常に発現されるタンパク質をコードするベクターと、アルブミン遺伝子座を標的とするZFNペアをコードするベクター(米国特許公開第20130177983号に記載)を投与する。
ドナータンパク質の血漿レベルは、標準技法を使用して評価され、タンパク質がインビボで発現されることを示す。
本明細書に言及されているあらゆる特許、特許出願および刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
理解を明確にするために、例示および実施例として本開示を詳細に提示してきたが、当業者であれば、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を実施してよいことが明らかとなろう。したがって、前述の記載および実施例は、限定的に解釈するべきではない。
Claims (9)
- タンパク質をコードする外因性導入遺伝子を含む細胞であって、該外因性導入遺伝子が、ヌクレアーゼを使用して内因性セーフハーバー遺伝子に部位特異的に組み込まれ、さらに、該タンパク質が、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、糖原病1型、一般的な遺伝および代謝疾患である家族性高コレステロール血症(FH)、尿素サイクル障害、クリグラー・ナジャー症候群(CNS)、ジルベール症候群、肝腎チロシン血症、原発性高シュウ酸尿症、トランスサイレチン遺伝子(TTR)媒介性アミロイドーシス(ATTR)、ウィルソン病、フェニルケトン尿症(PKU)ならびに家族性リポタンパク質リパーゼ欠乏症(LPLD)からなる群から選択される代謝障害において異常に発現されるタンパク質の機能性バージョンである細胞。
- 肝細胞、人工多能性幹細胞(iPSC)、造血幹細胞、肝細胞、肝幹細胞および赤血球前駆細胞からなる群から選択される、請求項1に記載の細胞。
- 前記内因性セーフハーバー遺伝子が、CCR5、HPRT、AAVS1、Rosaおよびアルブミンからなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の細胞。
- 前記導入遺伝子が、MMAA、MMAB、MMACHC、MMADHC(C2orf25)、MTRR、LMBRD1、MTR、プロピオニル−CoAカルボキシラーゼ(PCCAまたはPCCB)、グルコース−6−リン酸トランスポーター(G6PT)タンパク質またはグルコース−6−ホスファターゼ(G6Pase)、LDL受容体(LDLR)、ApoBタンパク質、LDLRAP−1タンパク質、PCSK9タンパク質、NAGS(N−アセチルグルタミン酸シンテターゼ)、CPS1(カルバモイルリン酸シンテターゼI)およびOTC(オルニチントランスカルバミラーゼ)等のミトコンドリアタンパク質、ASS(アルギニノコハク酸シンテターゼ)、ASL(アルギニノコハク酸リアーゼ)および/またはARG1(アルギナーゼ)、および/または溶質輸送体ファミリー25(SLC25A13、アスパラギン酸/グルタミン酸担体)タンパク質、UGT1A1またはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼポリペプチドA1、フマリルアセト酢酸ヒドロリアーゼ(FAH)、アラニン−グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼ(AGXT)タンパク質、グリオキシル酸レダクターゼ/ヒドロキシピルビン酸レダクターゼ(GRHPR)タンパク質、トランスサイレチン遺伝子(TTR)タンパク質、ATP7Bタンパク質、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)タンパク質ならびにリポタンパク質リアーゼ(LPL)タンパク質からなる群から選択されるタンパク質をコードする、請求項1から3のいずれかに記載の細胞。
- 前記導入遺伝子の発現が、内因性プロモーターにより駆動される、請求項1から4のいずれかに記載の細胞。
- 前記導入遺伝子が、前記導入遺伝子の発現を駆動するプロモーター配列に作動可能に連結している、請求項1から4のいずれかに記載の細胞。
- 前記ヌクレアーゼが、ベクター、mRNAを介してまたはインタクトなタンパク質として前記細胞に投与される、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
- 前記導入遺伝子が、前記内因性セーフハーバー遺伝子座に組み込まれるように、ヌクレアーゼおよび前記導入遺伝子をコードするベクターを前記細胞に投与することを含む、請求項1から7のいずれかに記載の遺伝的に修飾された細胞を生成する方法。
- 請求項8に記載の対象における細胞を修飾することを含む、代謝障害を有する対象において異常に発現されるタンパク質の発現を増加させる方法。
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