JP2016226140A - 鉄心片製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】分割コア40に積層して使用する鉄心片400を、上型610と下型620により板状材料200を打ち抜いて形成する鉄心片製造装置であって、鉄心片400のティース形成片402を板状材料200の順送方向に対し直交方向である幅方向に向けて打ち抜くように各型610,620を形成するとともに、板状材料200に形成した第1ネスト穴241に挿入して板状材料200の打ち抜き時の順送方向の位置決めを行う第1ネスト621を、下型620のティース形成片402の打ち抜き部位の順送方向の上流位置と下流位置とに幅方向に沿って形成したことを特徴とする鉄心片製造装置とした。
【選択図】図1
Description
この分割積層鉄心に用いられる鉄心片は、円弧状のバックヨーク片と、このバックヨーク片に基部が一体に設けられたティース片とを有する平面視ほぼT字状に形成されている。
また、このような鉄心片を製造する装置として、電磁鋼板による板状材料を上型と下型とによりプレス加工を行う鉄心片製造装置が用いられる。上記従来技術では、板状材料における鉄心片の配置を、バックヨーク部を交互に配置することで、板状材料における鉄心片同士の隙間、すなわち、スクラップとなる領域を小さくして材料歩留り向上を図ることができる。
しかしながら、板状材料における鉄心片の板取りの配置において、鉄心片同士の間隔を狭めると、製造装置に対する板状部材の位置決め精度が悪化し、不良品の発生を招くため、歩留まりの向上を図ることが難しかった。
環状の積層鉄心を円周方向に分割した分割積層鉄心に積層して使用する鉄心片を、第1の型と第2の型により板状材料を打ち抜いて形成する鉄心片製造装置であって、
鉄心片の巻線部形成片を板状材料の幅方向に向けて打ち抜くように各型を形成するとともに、板状材料の打ち抜き時の順送方向の位置決めを行う位置決め用突起を、両型の一方の型の巻線部形成片の打ち抜き部位の上流位置と下流位置とに幅方向に沿って形成したことを特徴とする鉄心片製造装置とした。
このように、位置決め用突起を巻線部形成片の上流位置と下流位置とで板状材料の幅方向に沿わせることにより、単にピンと穴との位置決めよりも、高い精度で順送方向の位置決めを行うことができる。
これにより、位置ずれによる不良品の発生を抑えることが可能となるとともに、鉄心片の板取り部分の周片部分で板状材料を挟むための「サン」の必要面積を抑えてスクラップの発生を抑えることが可能となり、歩留まりの向上が可能となる。
(実施の形態1)
まず、実施の形態1における鉄心片製造装置を説明するのにあたり、[回転電機の構成][鉄心片の構成] [板状材料における板取り] [鉄心片製造装置の構成]の順に説明する。
実施の形態1の鉄心片製造装置A(図5参照)により製造した鉄心片400(図2B参照)を備えた回転電機100は、図1に示すように、円筒状のモータケース10の内部に、ロータ20とステータ30とを備えている。
複数の分割コア40は、モータケース10の内部であって、ロータ20を取り囲むように円環状に連結され、ステータコア30aが構成されている。また、コイル50は分割コア40の後述するティース部42(図2A参照)に捲きつけられている。
このように構成された回転電機100は、ロータ20がステータ30に対して回転することによって、モータやジェネレータ等として機能する。
次に、分割コア40を形成する鉄心片400の構成について説明する。
図2Aは分割コア40を示す斜視図、図2Bは分割コア40を形成する鉄心片400を示す平面図である。
また、分割コア40は、図2Aに示すように、ステータコア30aの円環状部分を形成するバックヨーク部41と、バックヨーク部41に基部が一体に設けられ内径方向に延びるティース部(巻線部)42と、を有する平面視ほぼT字状に形成されている。また、ティース部42の先端部には、周方向の両端部に、係合凸部43,43が形成されている。
また、この連結状態では、各分割コア40のティース部42は、ステータコア30aの中心、つまりロータ20側に向かって突出される。そして、ティース部42にコイル50を巻き付けた際には、コイル50の径方向への相対移動が、ティース部42に対して周方向に突出したバックヨーク部41と係合凸部43,43とにより規制される。
さらに、ティース形成片402の先端部の周方向の両端縁部には、係合凸部43を形成する突起部403が周方向に突出して形成されている。また、ティース形成片402の両側縁402a,402aは、直線状に形成されている。
なお、鉄心片400を積層して分割コア40とした際には、鉄心片400同士は、例えばダボカシメや溶接等によって一体に形状保持される。
次に、板状材料200から鉄心片400を形成する際の板状材料200における板取りについて図3および図4に基づいて説明する。
そして、この板状材料200を、図3において矢印F方向である順送方向に順送りしつつ、後述する鉄心片製造装置Aにより所定の位置で、非連続的に打ち抜いて鉄心片400を形成する。なお、図3では、打ち抜きにより形成された鉄心片400を、黒塗り表示しており、図示のように4枚の鉄心片400が同時に打ち抜かれて形成される。
なお、鉄心板取り部220は、図4に拡大して示すように、鉄心片400の形状に応じ、バックヨーク形成片401を形成するバックヨーク板取り部221と、ティース形成片402を形成するティース板取り部222と、により略T字形状を成す。
言い換えると、図3において上側の縁側列211の鉄心板取り部220と、下側の中央側列212の鉄心板取り部220とが、順送方向に同ピッチで配置されている。同様に、下側の縁側列211の鉄心板取り部220と、上側の中央側列212の鉄心板取り部220とが、順送方向に同ピッチで配置されている。
次に、上述した板状材料200を打ち抜いて鉄心片400を形成する実施の形態1の鉄心片製造装置Aの構成について説明する。
プレス装置600は、上型(パンチ)610と下型(ダイ)620とを備え、両型610,620の間に板状材料200を配置し、上型610を下型620に向けて下降させて打ち抜く周知の装置である。
さらに、第1ネスト穴241は、幅方向の両端部は、それぞれ突起部403を打ち抜く箇所に沿って配置されている。
なお、図3において、黒塗り表示した第2スクラップ302が、第1ネスト穴241を形成することにより生じるスクラップを示している。
一方、鉄心片下流打ち抜き部P2では、板状材料200の各縁側列211,211の鉄心板取り部220に対して鉄心片400の打ち抜きを行う。
なお、各プレス位置P1,P2において、黒塗り表記しているのが、打ち抜きにより形成された鉄心片400,400を示す。
この第3ネスト623は、その平面形状が、図6に示すように、鉄心片400のティース形成片402の側縁402a、突起部403、先端縁402bに沿うように、幅方向および順送方向に沿って略L字形状に形成されている。
次に、実施の形態1の作用を説明する。
鉄心片400を製造する場合、図5に示すように、板状材料200を、送り装置500によりプレス装置600の上型610と下型620との間で、予め設定された送りピッチ(Pi)で順送りする。なお、送りピッチ(Pi)は、図3に示す各列211,212における、鉄心板取り部220の間隔に相当する。
また、このパイロット穴231の打ち抜きにより、図3に示す円形状の第1スクラップ301が生じる。
また、この第1ネスト穴241の打ち抜きにより、略平行四辺形状の第2スクラップ302が生じる。
また、この第2ネスト穴242の打ち抜きにより、略翼断面形状の第3スクラップ303が生じる。
すなわち、この鉄心片下流打ち抜き部P2では、1枚の鉄心片400の打ち抜きに対し、一対の第3ネスト623,623が、その上流で形成した鉄心片打ち抜き穴234に挿入されることにより板状材料200の位置決めを行う。
以下に、実施の形態1の鉄心片製造装置Aの効果を列挙する。
1)実施の形態1の鉄心片製造装置Aは、
環状の積層鉄心としてのステータコア30aを円周方向に分割した分割積層鉄心としての分割コア40に積層して使用する鉄心片400を、第1の型としての上型610と第2の型としての下型620により板状材料200を打ち抜いて形成する鉄心片製造装置であって、
分割コア40のバックヨーク部41から径方向に延びる巻線部としてのティース部42を形成する鉄心片400のティース形成片402を、板状材料200の順送方向に対し直交方向である幅方向に向けて打ち抜くように各型610,620を形成するとともに、板状材料200に形成した位置決め穴としての第1ネスト穴241に挿入して板状材料200の打ち抜き時の順送方向の位置決めを行う位置決め用突起としての第1ネスト621を、両型の一方である下型620のティース形成片402の打ち抜き部位の順送方向の上流位置と下流位置とに幅方向に沿って形成したことを特徴とする。
したがって、板状材料200の順送方向の位置決め精度が向上し、不良品を発生を抑えることができる。加えて、鉄心片400の周囲に確保する縁取り部分である「縁サン」や「送りサン」の縮小化を図ることが可能となり、スクラップとなる量を抑えることができる。
よって、位置決め精度を確保しつつ、材料歩留りを向上させることができる。
下型620に、板状材料200に形成した第2の位置決め穴としての第2ネスト穴242に挿入して幅方向の位置決めを行う第2の位置決め用突起としての第2ネスト622を、順送方向に沿って形成したことを特徴とする。
したがって、板状材料200の幅方向の位置決め精度が向上し、不良品の発生を、いっそう抑えることができる。加えて、鉄心片400の周囲に確保する縁取り部分である「縁サン」や「送りサン」の縮小化をいっそう図ることが可能となり、スクラップとなる量をいっそう抑えることができる。
よって、位置決め精度を確保しつつ、材料歩留りを向上させることができる。
下型620はダイであり、第1ネスト621、さらに第2ネスト622は、ダイの切れ刃上に設定したことを特徴とする。
したがって、位置決め性能が、さらに安定し、ズレ押しなどの不良率低減をさらに図ることが可能であるとともに、スクラップの発生も抑えることができる。
各ネスト穴241,242の打ち抜きを行う箇所である第1ネスト穴打ち抜き部NP1および第2ネスト穴打ち抜き部NP2の上流に、板状材料200にパイロット穴231を形成するパイロット穴打ち抜き部PiPを備えていることを特徴とする。
したがって、各ネスト穴241,242の打ち抜き時に板状材料200の位置決め精度を確保し、これにより、各ネスト穴241,242を用いた位置決め精度を向上できる。
両型610,620は、
分割コア40のバックヨーク部41を形成する鉄心片400のバックヨーク形成片401を、板状材料200の幅方向の一方の縁部に沿って配置するとともに、ティース形成片402を幅方向の他方の縁部に向けて幅方向に沿って配置して鉄心片400を形成する第1の打ち抜き部としての鉄心片下流打ち抜き部P2と、
この鉄心片下流打ち抜き部P2により鉄心片400のティース形成片402を形成する部位であるティース板取り部222同士の間にティース形成片402を配置するとともに、このティース形成片402の他方の縁部側にバックヨーク形成片401を順送方向に延在して配置する第2の打ち抜き部としての鉄心片上流打ち抜き部P1と、
を備えていることを特徴とする。
したがって、板状材料200において各鉄心板取り部220を効率良く配置して、スクラップの発生を抑え、材料歩留まりを向上できる。
鉄心片下流打ち抜き部P2を、板状材料200の幅方向の両縁部に配置するとともに、鉄心片上流打ち抜き部P1を、バックヨーク形成片401が幅方向の中央を挟んで形成されるように配置したことを特徴とする。
よって、鉄心片下流打ち抜き部P2による打ち抜き用の鉄心板取り部220と、鉄心片上流打ち抜き部P1による打ち抜き用の鉄心板取り部220とを、互い違いに配置可能である。これにより、鉄心板取り部220の効率の良い配置が可能となり、材料歩留まりを向上できる。
鉄心片下流打ち抜き部P2を、順送方向で鉄心片上流打ち抜き部P1の下流に配置し、
鉄心片下流打ち抜き部P2の位置決め用突起としての第3ネスト623は、鉄心片上流打ち抜き部P1における鉄心片400の打ち抜きにより生じた鉄心片打ち抜き穴234を位置決め穴として挿入することを特徴とする。
バックヨーク形成片401を板状材料200の縁部に配置して鉄心片400を形成する鉄心片下流打ち抜き部P2では、鉄心片上流打ち抜き部P1における鉄心片400の打ち抜きにより生じた鉄心片打ち抜き穴234を位置決め穴として用いる。
したがって、鉄心片下流打ち抜き部P2では、第3ネスト623との接触面積をより多く確保して、位置決め精度を向上できるとともに、別途位置決め穴を設けるよりも、材料歩留まりを向上できる。
第2ネスト622は、ティース形成片402の先端縁を打ち抜く部位に沿って配置したことを特徴とする。
したがって、スクラップの発生を抑えつつ、第2ネスト622による位置決め精度を確保することができる。
また、第2の位置決め用突起としての第2ネストも、巻線部形成片としてのティース形成片の先端縁から離して配置してもよい。さらに、第2の位置決め用突起としての第2ネストは、巻線部としてのティース形成片の先端縁に沿うように配置した例を示したが、バックヨーク形成片に沿って順送方向に延在させて設けることもできる。
また、第1の打ち抜き部と第2の打ち抜き部との上流下流の配置は実施の形態にて示した配置に限定されず、実施の形態とは逆の配置としてもよい。また、各打ち抜き部における鉄心片を打ち抜く位置の配置も、実施の形態にて示した配置に限定されず、順送り方向で近付けたり離したりしてもよい。
P1 鉄心片上流打ち抜き部(第2の打ち抜き部)
P2 鉄心片下流打ち抜き部(第1の打ち抜き部)
PiP パイロット穴打ち抜き部
30a ステータコア(積層鉄心)
40 分割コア(分割積層鉄心)
41 バックヨーク部
42 ティース部
200 板状材料
220 鉄心板取り部
231 パイロット穴
234 鉄心片打ち抜き穴(位置決め穴)
241 第1ネスト穴(位置決め穴)
242 第2ネスト穴(位置決め穴)
400 鉄心片
401 バックヨーク形成片
402 ティース形成片
600 プレス装置
610 上型
611 パイロットピン
620 下型
621 第1ネスト(位置決め用突起)
622 第2ネスト(位置決め用突起)
623 第3ネスト(位置決め用突起)
Claims (8)
- 環状の積層鉄心を円周方向に分割した分割積層鉄心に積層して使用する鉄心片を、第1の型と第2の型により板状材料を打ち抜いて形成する鉄心片製造装置であって、
前記分割積層鉄心のバックヨーク部から径方向に延びる巻線部を形成する前記鉄心片の巻線部形成片を、前記板状材料の順送方向に対し直交方向である幅方向に向けて打ち抜くように各型を形成するとともに、前記板状材料に形成した位置決め穴に挿入して前記板状材料の打ち抜き時の前記順送方向の位置決めを行う位置決め用突起を、両型の一方の型の前記巻線部形成片の打ち抜き部位の前記順送方向の上流位置と下流位置とに前記幅方向に沿って形成したことを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項1に記載の鉄心片製造装置において、
前記一方の型に、前記板状材料に形成した第2の位置決め穴に挿入して前記幅方向の位置決めを行う第2の位置決め用突起を、前記順送方向に沿って形成したことを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項1または請求項2に記載の鉄心片製造装置において、
前記一方の型はダイとパンチのうちのダイであり、前記位置決め用突起は、前記ダイの切れ刃上に設定したことを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の鉄心片製造装置において、
前記位置決め穴の打ち抜きを行う箇所の上流に、前記板状材料にパイロット穴を形成する打ち抜き部を備えていることを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の鉄心片製造装置において、
前記両型は、
前記分割積層鉄心のバックヨーク部を形成する前記鉄心片のバックヨーク形成片を、前記板状材料の幅方向の一方の縁部に沿って配置するとともに、前記巻線部形成片を幅方向の他方の縁部に向けて前記幅方向に沿って配置して前記鉄心片を形成する第1の打ち抜き部と、
この第1の打ち抜き部により前記鉄心片の前記巻線部形成片を形成する部位同士の間に前記巻線部形成片を配置するとともに、この巻線部形成片の前記他方の縁部側に前記バックヨーク形成片を前記順送方向に延在して配置する第2の打ち抜き部と、
を備えていることを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項5に記載の鉄心片製造装置において、
前記第1の打ち抜き部を、前記板状材料の前記幅方向の両縁部に配置するとともに、前記第2の打ち抜き部を、前記バックヨーク形成片が前記幅方向の中央を挟んで形成されるように配置したことを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項6に記載の鉄心片製造装置において、
前記第1の打ち抜き部を、前記順送方向で前記第2の打ち抜き部の下流に配置し、
前記第1の打ち抜き部の前記位置決め用突起は、前記第2の打ち抜き部にて前記鉄心片を打ち抜いて形成された抜き穴を前記位置決め穴として挿入することを特徴とする鉄心片製造装置。 - 請求項5〜請求項7のいずれか1項に記載の鉄心片製造装置において、
前記第2の位置決め用突起は、前記巻線部形成片の先端縁を打ち抜く部位に沿って配置したことを特徴とする鉄心片製造装置。
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