JP2016225019A - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明導電層のエッチング性に優れる透明導電性フィルムを提供すること。【解決手段】透明導電性フィルム1は、透明基材2と、エッチング調整層6と、透明導電層7とを厚み方向に順に備え、エッチング調整層6は、透明導電層7と接触しており、エッチング調整層6は、ケイ素またはケイ素化合物から形成され、エッチング調整層6は、上面から厚み方向において、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、98.0eV以上103.0eV未満である領域を含むことを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性フィルム、詳しくは、タッチパネル用フィルムなどに用いられる透明導電性フィルムに関する。
従来、所定のパターン形状を有する透明導電層を備える透明導電性フィルムをタッチパネルのディスプレイ表示部に用いることが知られている。
例えば、透明フィルム基材に、高屈折率層、低屈折率層、および、パターン化された透明導電層がこの順に形成されている透明導電性フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013−107214号公報
ところで、特許文献1に記載の透明導電性フィルムは、透明フィルム基材に、高屈折率層、低屈折率層および透明導電層を順に形成し、次いで、透明導電層をエッチングによりパターニングすることにより得られる。
しかし、特許文献1に記載の透明導電性フィルムでは、透明導電層のエッチング速度が遅いという不具合がある。このため、パターン形状を備える透明導電性フィルムの生産性に劣る。
本発明の目的は、透明導電層のエッチング性に優れる透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の透明導電性フィルムは、透明基材と、エッチング調整層と、透明導電層とを厚み方向に順に備え、前記エッチング調整層は、前記透明導電層と接触しており、前記エッチング調整層は、ケイ素またはケイ素化合物から形成され、前記エッチング調整層は、前記透明導電層と接触する側の表面から厚み方向において、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、98.0eV以上103.0eV未満である領域を含むことを特徴としている。
また、本発明の透明導電性フィルムでは、前記透明導電層が、インジウムスズ複合酸化物を含有することが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムは、前記透明基材と前記エッチング調整層との間に配置され、前記エッチング調整層と接触する光学調整層をさらに備えることが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムは、前記透明基材と前記エッチング調整層との間に配置され、前記透明基材と接触するハードコート層をさらに備えることが好適である。
また、本発明の透明導電性フィルムは、前記ハードコート層と前記エッチング調整層との間に配置され、前記ハードコート層と接触する密着層をさらに備えることが好適である。
本発明の透明導電性フィルムによれば、透明導電層のエッチング性に優れている。そのため、透明導電層を所望のパターンに短時間でエッチングすることができ、生産性に優れる。
図1は、本発明の透明導電性フィルムの一実施形態の側断面図を示す。 図2は、透明導電層が配線パターンに形成された一実施形態の透明導電性フィルムの断面図を示す。 図3は、本発明の透明導電性フィルムの他の実施形態(ハードコート層、密着層および光学調整層を備えない実施形態)の側断面図を示す。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(厚み方向、第1方向)であって、紙面上側が、上側(厚み方向一方側、第1方向一方側)、紙面下側が、下側(厚み方向他方側、第1方向他方側)である。図1以外の図面についても、図1の方向を基準とする。
1.透明導電性フィルム
透明導電性フィルム1は、所定の厚みを有するフィルム形状(シート形状を含む)を有し、厚み方向と直交する所定方向(面方向)に延び、平坦な上面および平坦な下面を有する。透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材などの一部品であり、つまり、画像表示装置ではない。すなわち、透明導電性フィルム1は、画像表示装置などを作製するための部品であり、LCDモジュールなどの画像表示素子を含まず、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
具体的には、図1に示すように、透明導電性フィルム1は、例えば、透明基材2と、ハードコート層3と、密着層4と、光学調整層5と、エッチング調整層6と、透明導電層7とを厚み方向に順に備える。つまり、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、透明基材2の上に配置されるハードコート層3と、ハードコート層3の上に配置される密着層4と、密着層4の上に配置される光学調整層5と、光学調整層5の上に配置されるエッチング調整層6と、エッチング調整層6の上に配置される透明導電層7とを備える。
透明導電性フィルム1は、好ましくは、透明基材2と、ハードコート層3と、密着層4と、光学調整層5と、エッチング調整層6と、透明導電層7とからなる。以下、各層について詳述する。
2.透明基材
透明基材2は、透明導電性フィルム1の最下層であって、透明導電性フィルム1の機械強度を確保する基材である。透明基材2は、透明導電層7を、ハードコート層3、密着層4、光学調整層5およびエッチング調整層6とともに、支持している。
透明基材2は、例えば、透明性を有する高分子フィルムである。高分子フィルムの材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、例えば、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマーなどのオレフィン樹脂、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹脂、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。これら高分子フィルムは、単独使用または2種以上併用することができる。透明性、耐熱性、機械的強度などの観点から、好ましくは、ポリエステル樹脂が挙げられ、より好ましくは、PETが挙げられる。
透明基材2の厚みは、機械的強度、耐擦傷性、透明導電性フィルム1をタッチパネル用フィルムとした際の打点特性などの観点から、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、200μm以下、より好ましくは、150μm以下である。
なお、透明基材2の上面および/または下面には、必要に応じて、ブロッキング防止層、易接着層、接着剤層、セパレータなどが設けられていてもよい。
3.ハードコート層
ハードコート層3は、複数の透明導電性フィルム1を積層した場合などに、透明導電層7の上面(すなわち、透明導電性フィルム1の表面)に擦り傷を生じにくくするための擦傷保護層である。また、ハードコート層3は、図2が参照されるように透明導電層7を配線パターンにエッチングした後に、パターン部8と、パターン部8が形成されていない非パターン部9との相違が認識されないように(すなわち、配線パターンの視認を抑制するように)、後述する光学調整層5とともに、透明導電性フィルム1の屈折率を調整する屈折率調整層でもある。
ハードコート層3は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、例えば、透明基材2の上面全面に、透明基材2の上面に接触するように、配置されている。より具体的には、ハードコート層3は、透明基材2と密着層4との間に、透明基材2の上面および密着層4の下面に接触するように、配置されている。
ハードコート層3は、例えば、樹脂組成物から形成される樹脂層である。
樹脂組成物は、例えば、樹脂と、無機粒子とを含有し、好ましくは、樹脂と無機粒子とからなる。
樹脂としては、例えば、硬化性樹脂、熱可塑性樹脂(例えば、ポリオレフィン樹脂)などが挙げられ、好ましくは、硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂としては、例えば、活性エネルギー線(具体的には、紫外線、電子線など)の照射により硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂、例えば、加熱により硬化する熱硬化性樹脂などが挙げられ、好ましくは、活性エネルギー線硬化性樹脂が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂は、例えば、分子中に重合性炭素−炭素二重結合を有する官能基を有するポリマーが挙げられる。そのような官能基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基(メタクリロイル基および/またはアクリロイル基)などが挙げられる。
活性エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、官能基含有(メタ)アクリル樹脂(アクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂)などが挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性樹脂以外の樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シロキサン系ポリマー、有機シラン縮合物などが挙げられる。
樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
無機粒子としては、ハードコート層3の求める屈折率に応じて好適な材料を選択することができ、例えば、シリカ粒子(中空ナノシリカ粒子を含む)、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫などからなる金属酸化物粒子、例えば、炭酸カルシウムなどからなる炭酸塩粒子などが挙げられる。これら無機粒子は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、金属酸化物粒子が挙げられ、より好ましくは、酸化ジルコニウム粒子(ZrO)が挙げられる。
また、無機粒子は、ハードコート層3における分散性を確保するために化学修飾されていてもよい。
無機粒子の平均粒子径は、例えば、10nm以上、好ましくは、15nm以上、より好ましくは、20nm以上であり、また、例えば、100nm以下、好ましくは、60nm以下、より好ましくは、40nm以下である。
本発明において、粒子の平均粒子径は、ベックマン・コールター社製のコールターマルチサイザーを用いて、コールターカウント法にて測定することができる。
無機粒子の含有割合は、樹脂100質量部に対して、例えば、10質量部以上、好ましくは、15質量部以上、より好ましくは、20質量部以上、さらに好ましくは、30質量部以上であり、また、例えば、85質量部以下、好ましくは、70質量部以下、より好ましくは、60質量部以下、さらに好ましくは、55質量部以下、特に好ましくは、50質量部以下である。無機粒子の含有割合を上記範囲とすることにより、屈折率を好適な範囲に調整するこができる。
ハードコート層3の屈折率は、例えば、1.50以上であり、好ましくは、1.60以上であり、また、例えば、1.80以下、好ましくは、1.75以下である。
本発明において、屈折率は、分光エリプソメーターにより測定される。
ハードコート層3の厚みは、耐擦傷性、配線パターンの視認抑制の観点から、例えば、30nm以上、好ましくは、50nm以上、より好ましくは、100nm以上であり、また、例えば、1000nm以下、好ましくは、500nm以下である。
ハードコート層3の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
4.密着層
密着層4は、ハードコート層3および光学調整層5に密着し、ハードコート層3と光学調整層5とを強固に結合する層である。
密着層4は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、ハードコート層3の上面全面に、ハードコート層3の上面に接触するように、配置されている。より具体的には、密着層4は、ハードコート層3と光学調整層5との間に、ハードコート層3の上面および光学調整層5の下面に接触するように、配置されている。
密着層4は、例えば、無機物単体、無機化合物などの無機物から形成されている。密着層4は、好ましくは、ケイ素単体(Si)、または、化学量論組成または非化学量論組成のケイ素化合物から形成されており、より好ましくは、非化学量論組成のケイ素化合物から形成されており、さらに好ましくは、非化学量論組成のケイ素酸化物(例えば、SiOx、0.1≦x<2.0)から形成されている。
特に好ましくは、密着層4は、後述するエッチング調整層6と同一の組成からなる。
密着層4のSi2p軌道の結合エネルギーは、例えば、98.0eV以上、好ましくは、99.0eV以上、より好ましくは、101.0eV以上であり、また、例えば、103.0eV未満、好ましくは、102.5eV未満である。Si2p軌道の結合エネルギーが上記範囲である密着層4を選択することにより、密着層4が非化学量論組成のケイ素化合物を含有することになり、その結果、良好な光透過率を維持しつつ、密着性を向上させることができる。
密着層4における上記結合エネルギーは、密着層4をX線光電子分光法でデプスプロファイル(測定ピッチはSiO換算で1nmごととする)を測定することにより得られる。
密着層4における結合エネルギーは、少なくとも密着層4の任意の領域で上記範囲となる。好ましくは、密着層4の下面から少なくとも0〜1nmの厚み方向領域、より好ましくは、下面から0〜2nmの厚み方向領域、さらに好ましくは、密着層4の厚み方向全領域である。なお、密着層4の無機原子の元素比率が、ピーク値に対して半値となった深さ位置を密着層4の下面(終端部)とする。
密着層4の屈折率は、例えば、2.00未満、好ましくは、1.90以下、より好ましくは、1.85以下であり、また、例えば、1.50以上、好ましくは、1.55以上、より好ましくは、1.60以上である。密着層4は、好ましくは、後述する光学調整層5の屈折率より高く、密着層4の屈折率と光学調整層5の屈折率との差は、例えば、0.01以上、好ましくは、0.03以上であり、また、例えば、0.50以下、好ましくは、0.40以下である。密着層4の屈折率を上記範囲内とすることにより、透明導電性フィルム1における光透過率などの光学特性を向上させることができる。
密着層4の厚みは、例えば、1nm以上、好ましくは、2nm以上であり、また、例えば、10nm以下、好ましくは、8nm以下、より好ましくは、5nm以下である。密着層4の厚みを上記下限以上とすることにより、密着層4の密着性が良好となる。一方、密着層4の厚みを上記上限以下とすることにより、密着層4による光吸収を抑制し、光透過率の低減を抑制できる。
密着層4の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
5.光学調整層
光学調整層5は、透明導電層7における配線パターンの視認を抑制しつつ、透明導電性フィルム1に優れた透明性を確保するために、透明導電性フィルム1の光学物性(例えば、屈折率)を調整する層である。
光学調整層5は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、密着層4の上面全面に、密着層4の上面に接触するように、配置されている。より具体的には、光学調整層5は、密着層4とエッチング調整層6との間に、密着層4の上面およびエッチング調整層6の下面に接触するように、配置されている。
光学調整層5は、例えば、無機物を含有し、好ましくは、無機物から形成されている。
無機物の組成としては、例えば、酸化物、フッ化物などが挙げられる。
酸化物(無機酸化物)としては、例えば、酸化ケイ素(具体的には、二酸化ケイ素(SiO)、一酸化ケイ素(SiO)など)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ニオブ(Nb)、酸化チタン(TiO)などが挙げられる。
フッ化物としては、例えば、フッ化ナトリウム(NaF)、ヘキサフルオロアルミン酸三ナトリウム(NaAlF)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化マグネシウム(MgF)などのフッ化アルカリ金属、例えば、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)などのフッ化アルカリ土類金属、例えば、フッ化ランタン(LaF)、フッ化セリウム(CeF)などのフッ化希土類などが挙げられる。
無機物は、単独使用または2種以上併用することができる。
無機物として、好ましくは、密着層4との密着性、低抵抗化、配線パターンの視認抑制の観点から、無機酸化物が挙げられ、より好ましくは、二酸化ケイ素(SiO、屈折率1.47)が挙げられる。特に、光学調整層5は、無機物として、好ましくは、無機酸化物を含有し、より好ましくは、二酸化ケイ素を含有する。
光学調整層5の屈折率は、好ましくは、ハードコート層3の屈折率と異なり、光学調整層5の屈折率とハードコート層3の屈折率との差は、例えば、0.10以上、好ましくは、0.11以上であり、また、例えば、0.95以下、好ましくは、0.60以下である。
より好ましくは、光学調整層5の屈折率は、ハードコート層3の屈折率よりも低い。すなわち、好ましくは、ハードコート層3を高屈折率層とし、光学調整層5を高屈折率層の屈折率よりも低い屈折率を備える低屈折率層とする。これにより、透明導電性フィルム1の透明導電層7をパターニングして配線パターンを形成した際に、パターン部8と非パターン部9とに生じる反射率差や色相差を低減し、配線パターンの視認をより確実に抑制することができる。
光学調整層5の屈折率は、例えば、1.60未満、好ましくは、1.55以下、より好ましくは、1.50以下であり、また、例えば、1.30以上、好ましくは、1.40以上である。
光学調整層5の厚みは、例えば、1nm以上、好ましくは、3nm以上であり、また、例えば、50nm以下、好ましくは、20nm以下である。
光学調整層5の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
密着層4の厚みに対する光学調整層5の厚みの比(光学調整層5/密着層4)は、低抵抗化の観点から、例えば、0.5以上、好ましくは、1.0以上、より好ましくは、2.0以上であり、また、例えば、100以下、好ましくは、50以下、より好ましくは、30以下、さらに好ましくは、15以下である。
ハードコート層3の厚みに対する光学調整層5の厚みの比(光学調整層5/ハードコート層3)は、配線パターンの視認抑制の観点から、例えば、0.01以上、好ましくは、0.02以上であり、また、例えば、3.00以下、好ましくは、1.00以下、より好ましくは、0.50以下、さらに好ましくは、0.30以下、特に好ましくは、0.20以下である。
6.エッチング調整層
エッチング調整層6は、透明導電層7がエッチングされる際において、透明導電層7のエッチングを容易にして、透明導電層7のエッチング速度を調整する層である。
エッチング調整層6は、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、光学調整層5の上面全面に、光学調整層5の上面に接触するように、配置されている。また、後述する透明導電層7の下面全面に、透明導電層7の下面に接触するように配置されている。すなわち、エッチング調整層6は、光学調整層5と透明導電層7との間に、光学調整層5の上面および透明導電層7の下面に接触するように、配置されている。
エッチング調整層6は、ケイ素またはケイ素化合物から形成されている。
エッチング調整層6は、エッチング調整層6の上面(透明導電層7と接触する側の表面)において、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、98.0eV以上103.0eV未満である領域を備える。好ましくは、99.0eV以上、より好ましくは、101.0eV以上であり、また、好ましくは、102.5eV未満である。結合エネルギーを上記範囲とすることにより、透明導電層7のエッチング速度を向上させることができ、エッチング性に優れる。また、結合エネルギーを、101.0eV以上とすることにより、透明導電性フィルム1の透過性を向上させることができる。
エッチング調整層6における上記結合エネルギーは、エッチング調整層6の上面から少なくとも0〜1nmの厚み方向領域において、上記範囲となる。好ましくは、上面から0〜2nmの厚み方向領域であり、より好ましくは、エッチング調整層6の厚み方向全領域である。
エッチング調整層6における上記結合エネルギーは、エッチング調整層6の上面をX線光電子分光法により測定することにより得られ、詳しくは、実施例にて後述する。
なお、エッチング調整層6の上に透明導電層7などの層が積層されている場合は、X線光電子分光法でデプスプロファイル(測定ピッチはSiO換算で1nmごととする)を測定し、透明導電層7の終端部をエッチング調整層6の上面(0nm)と定義する。透明導電層7の終端部とは、デプスプロファイルにおいて、透明導電層7を構成する無機原子の元素比率が、ピーク値に対して半値となった深さ位置を示す。
このような結合エネルギーを備えるエッチング調整層6は、具体的には、ケイ素単体、または、非化学量論組成のケイ素化合物から形成されている。
非化学量論組成のケイ素化合物としては、例えば、ケイ素窒化物(例えば、SiCx、0.1≦x<1.0)、ケイ素炭化物(例えば、SiNx、0.1≦x<1.3)、ケイ素酸化物(例えば、SiOx、0.1≦x<2.0)などが挙げられる。これらケイ素化合物は、単一組成であってもよく、複数の組成の混合物であってもよい。エッチング調整層6は、好ましくは、非化学量論組成のケイ素酸化物を含有するケイ素化合物層である。
エッチング調整層6の屈折率は、例えば、1.90未満、好ましくは、1.80以下、より好ましくは、1.50以下であり、また、例えば、1.30以上、好ましくは、1.40以上である。
エッチング調整層6の厚みは、例えば、1nm以上、好ましくは、2nm以上であり、また、例えば、10nm以下、好ましくは、8nm以下、より好ましくは、5nm以下である。エッチング調整層6の厚みを上記下限以上とすることにより、透明導電層7のエッチング性を向上させることができる。一方、エッチング調整層6の厚みを上記上限以下とすることにより、エッチング調整層6による光吸収を抑制し、光透過率の低減を抑制できる。
光学調整層5の厚みに対するエッチング調整層6の厚みの比(エッチング調整層6/光学調整層5)は、例えば、0.01以上、好ましくは、0.1以上であり、また、例えば、1.0以下、好ましくは、0.5以下である。
エッチング調整層6の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
7.透明導電層
透明導電層7は、図2が参照されるように、後の工程で配線パターンに形成して、パターン部8を形成するための導電層である。
図1に示すように、透明導電層7は、透明導電性フィルム1の最上層であって、フィルム形状(シート形状を含む)を有しており、エッチング調整層6の上面全面に、エッチング調整層6の上面に接触するように、配置されている。
透明導電層7の材料としては、例えば、In、Sn、Zn、Ga、Sb、Ti、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、Wからなる群より選択される少なくとも1種の金属を含む金属酸化物が挙げられる。金属酸化物には、必要に応じて、さらに上記群に示された金属原子をドープしていてもよい。
透明導電層7の材料は、例えば、インジウムスズ複合酸化物(ITO)などのインジウム含有酸化物、例えば、アンチモンスズ複合酸化物(ATO)などのアンチモン含有酸化物などが挙げられる。好ましくは、インジウム含有酸化物、より好ましくは、ITOが挙げられる。
透明導電層7の材料としてITOを用いる場合、酸化スズ(SnO)含有量は、酸化スズおよび酸化インジウム(In)の合計量に対して、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。酸化スズの含有量を上記下限以上とすることにより、ITO層の耐久性をより一層良好にすることができる。酸化スズの含有量を上記上限以下とすることにより、ITO層の結晶転化を容易にし、透明性や比抵抗の安定性を向上させることができる。
本明細書中における「ITO」とは、少なくともインジウム(In)とスズ(Sn)と
を含む複合酸化物であればよく、これら以外の追加成分を含んでもよい。追加成分として
は、例えば、In、Sn以外の金属元素が挙げられ、具体的には、Zn、Ga、Sb、T
i、Si、Zr、Mg、Al、Au、Ag、Cu、Pd、W、Fe、Pb、Ni、Nb、
Cr、Gaなどが挙げられる。
透明導電層7の厚みは、例えば、10nm以上、好ましくは、15nm以上であり、また、例えば、45nm以下、好ましくは、40nm以下、より好ましくは、35nm以下、さらに好ましくは、30nm以下、特に好ましくは、28nm以下である。透明導電層7の厚みを上記下限以上とすることにより、加熱処理する際にITO層などの透明導電層7をより均一に結晶転化することができる。一方、透明導電層7の厚みを上記上限以下とすることにより、透明導電層7をより容易にエッチングすることができる。また、透明導電性フィルム1の光透過率の低減を抑制することができる。
エッチング調整層6の厚みに対する透明導電層7の厚みの比(透明導電層7/エッチング調整層6)は、例えば、1以上、好ましくは、5以上、より好ましくは、10以上であり、また、例えば、100以下、好ましくは、50以下、より好ましくは、20以下である。
透明導電層7の厚みは、透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察により測定される。
透明導電層7は、結晶質および非晶質のいずれであってもよく、また、結晶質および非晶質の混合体であってもよい。透明導電層7は、好ましくは、結晶質からなり、より具体的には、結晶質ITO層である。これにより、透明導電層7の透明性を向上させ、また、透明導電層7の比抵抗値をより一層低減させることができる。
透明導電層7が結晶質膜であることは、例えば、透明導電層7がITO層である場合は、20℃の塩酸(濃度5質量%)に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm程度の間の端子間抵抗を測定することで判断できる。本明細書においては、塩酸(20℃、濃度:5質量%)への浸漬・水洗・乾燥後に、15mm間の端子間抵抗が10kΩ以下である場合、ITO層が結晶質であるものとする。
8.透明導電性フィルムの製造方法
次いで、透明導電性フィルム1を製造する方法を説明する。
透明導電性フィルム1を製造するには、例えば、透明基材2の上に、ハードコート層3、密着層4、光学調整層5、エッチング調整層6および透明導電層7を順に設ける。以下、詳述する。
まず、公知または市販の透明基材2を用意する。
その後、必要に応じて、透明基材2とハードコート層3との密着性の観点から、透明基材2の表面に、例えば、スパッタリング、コロナ放電、火炎、紫外線照射、電子線照射、化成、酸化などのエッチング処理や下塗り処理を実施することができる。また、溶剤洗浄、超音波洗浄などにより透明基材2を除塵、清浄化することができる。
次いで、透明基材2の上に、ハードコート層3を設ける。例えば、透明基材2に樹脂組成物を湿式塗工することにより、透明基材2の上面にハードコート層3を形成する。
具体的には、樹脂組成物を溶媒で希釈した希釈液を調製し、続いて、希釈液を透明基材2の上面に塗布して、希釈液を乾燥する。
溶媒としては、例えば、有機溶媒、水系溶媒(具体的には、水)などが挙げられ、好ましくは、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール化合物、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)などのケトン化合物、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル化合物、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族化合物などが挙げられる。これら溶媒は、単独使用または2種以上併用することができる。好ましくは、ケトン化合物が挙げられる。
希釈液における固形分濃度は、例えば、1質量%以上30質量%以下である。
塗布方法としては希釈液および透明基材に応じて適宜選択することができる。例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、エクストルージョンコート法などが挙げられる。
乾燥温度は、例えば、60℃以上、好ましくは、70℃以上、より好ましくは、80℃以上であり、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
乾燥時間は、例えば、0.5分以上、好ましくは、1分以上、より好ましくは、2分以上であり、例えば、60分以下、好ましくは、20分以下である。
上記した塗布および乾燥により、透明基材2の上面に、樹脂組成物をフィルム形状に形成する。
その後、樹脂組成物の樹脂が活性エネルギー線硬化性樹脂を含有する場合は、希釈液の乾燥後に、活性エネルギー線を照射することにより、活性エネルギー線硬化性樹脂を硬化させる。
なお、樹脂組成物の樹脂として、熱硬化性樹脂を含有する場合は、この乾燥工程により、溶媒の乾燥とともに、熱硬化性樹脂を熱硬化することができる。
次いで、ハードコート層3の上に、密着層4を設ける。例えば、乾式方法により、ハードコート層3の上面に密着層4を形成する。
乾式方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが挙げられる。好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法によって密着層4を形成することにより、高密度の密着層4を形成できるため、ハードコート層3と密着層4との密着性を向上させることができる。
スパッタリング法を採用する場合、その条件は、好ましくは、後述するエッチング調整層6を形成する条件と同一である。
次いで、密着層4の上に、光学調整層5を設ける。例えば、乾式方法により、密着層4の上面に、光学調整層5を形成する。
光学調整層5を形成する際の乾式方法としては、密着層4で上述した乾式方法が挙げられ、好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、光学調整層5を構成する上述の無機物が挙げられる。例えば、光学調整層5が二酸化ケイ素(SiO)からなる層を形成する場合は、Siが挙げられる。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。
また、光学調整層5が酸化物(好ましくは、二酸化ケイ素(SiO))を含有する場合は、好ましくは、酸素ガスなどの反応性ガスを併用する。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、不活性ガスと反応性ガスとの流量比は、例えば、100:35〜100:100であり、好ましくは、100:40〜100:60である。流量比が上記範囲内であれば、ガスバリヤ性を有する密着層4が存在して、透明基材2から供与される反応性ガスが少ない環境であっても、好適に酸化物を得ることができる。
スパッタリング時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
なお、光学調整層5の形成における乾式方法は、冷却下および非冷却下のいずれで実施してもよい。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
次いで、光学調整層5の上に、エッチング調整層6を設ける。例えば、乾式方法により、光学調整層5の上面にエッチング調整層6を形成する。
乾式方法としては、例えば、密着層4で上述した乾式方法が挙げられ、好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。この方法によってエッチング調整層6を形成することにより、高密度のエッチング調整層6を形成できるため、より確実に透明導電層7のエッチング性を向上させることができる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、Siを用いる。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。
また、好ましくは、酸素ガスなどの反応性ガスを併用する。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、不活性ガスと反応性ガスとの流量比は、例えば、100:0〜100:3、好ましくは、100:0.01〜100:3、より好ましくは、100:0.01〜100:1、さらに好ましくは、100:0.01〜100:0.5である。これにより、Si2p軌道の結合エネルギーが98.0eV以上103.0eV未満であるエッチング調整層6を好適に形成することができる。
スパッタリング時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
なお、エッチング調整層6の形成における乾式方法は、好ましくは、冷却下で実施する。例えば、光学調整層5を冷却しながら、スパッタリングを実施する。具体的には、光学調整層5、密着層4およびハードコート層3が積層された透明基材2の下面(光学調整層5が積層されている側と反対側の表面)を、冷却ロールなどの冷却装置に接触させなら、スパッタリングを実施する。
冷却温度としては、例えば、20℃以下、好ましくは、10℃以下、より好ましくは、0℃未満であり、また、例えば、−30℃以上である。これにより、Si2p軌道の結合エネルギーが98.0eV以上103.0eV未満であるエッチング調整層6を好適に形成することができる。よって、後述する後処理において、透明導電層7を容易にエッチングすることができる。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
次いで、エッチング調整層6の上面に、透明導電層7を形成する。
透明導電層7の形成としては、上述した乾式方法が挙げられ、好ましくは、スパッタリング法が挙げられる。
スパッタリング法を採用する場合、ターゲット材としては、透明導電層7を構成する上述の金属酸化物が挙げられ、好ましくは、ITOが挙げられる。ITOの酸化スズ濃度は、ITO層の耐久性、結晶化などの観点から、例えば、0.5質量%以上、好ましくは、3質量%以上であり、また、例えば、15質量%以下、好ましくは、13質量%以下である。
スパッタガスとしては、例えば、Arなどの不活性ガスが挙げられる。また、必要に応じて、酸素ガスなどの反応性ガスを併用することができる。反応性ガスを併用する場合において、反応性ガスの流量比は特に限定しないが、スパッタガスおよび反応性ガスの合計流量比に対して、例えば、0.1流量%以上5流量%以下である。
スパッタ時の放電気圧は、スパッタリングレートの低下抑制、放電安定性などの観点から、例えば、1Pa以下であり、好ましくは、0.1Pa以上0.7Pa以下である。
スパッタリング法に用いる電源は、例えば、DC電源、AC電源、MF電源およびRF電源のいずれであってもよく、また、これらの組み合わせであってもよい。
また、所望の厚さの透明導電層7を形成するために、ターゲット材やスパッタリングの条件などを適宜設定して複数回スパッタリングを実施してもよい。
これにより、透明導電性フィルム1が得られる。
次いで、必要に応じて、透明導電性フィルム1の透明導電層7に対して、結晶転化処理を実施する。
具体的には、透明導電性フィルム1に大気下で加熱処理を実施する。
加熱処理は、例えば、赤外線ヒーター、オーブンなどを用いて実施することができる。
加熱温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、160℃以下である。加熱温度を上記範囲内とすることにより、透明基材2の熱損傷および透明基材2から発生する不純物を抑制しつつ、結晶転化を確実にすることができる。
加熱時間は、加熱温度に応じて適宜決定されるが、例えば、10分以上、好ましくは、30分以上であり、また、例えば、5時間以下、好ましくは、3時間以下である。
これにより、結晶化された透明導電層7を備える透明導電性フィルム1が得られる。
透明導電性フィルム1の総厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
また、上記製造方法では、ロールトゥロール方式にて、透明基材2を搬送させながら、その透明基材2の上面に、ハードコート層3、密着層4、光学調整層5、エッチング調整層6および透明導電層7を順に形成してもよく、また、これらの層の一部または全部をバッチ方式にて形成してもよい。
そして、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、エッチング調整層6と、透明導電層7とを厚み方向に順に備えている。また、エッチング調整層6は、透明導電層7と接触しており、エッチング調整層6は、ケイ素またはケイ素化合物を含有し、エッチング調整層6の上面において、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、98.0eV以上103.0eV未満である。そのため、透明導電層7(特に、結晶化された透明導電層7)をエッチングする際に、容易にエッチングすることができ、エッチングの速度を向上させることができる。よって、短時間で、透明導電層7を配線パターンに形成することができ、作業性に優れる。
これは、下記の作用によるものと推察されるが、本発明は、下記の作用に限定されるものではない。透明導電層7の下面に接触するエッチング調整層6上面のSi2p軌道の結合エネルギーが上記範囲であるケイ素含有化合物であるため、エッチング調整層6は、二酸化ケイ素(SiO)ではない非化学量論組成のケイ素含有化合物(例えば、SiOx、0.1≦x<2.0)などを含むこととなる。そのため、透明導電層7の結晶化の際に、エッチング調整層6の上面から酸素原子が透明導電層7に移動することを抑制し、透明導電層7の過度の結晶化による過度の硬質化を抑制することができる。その結果、結晶化された透明導電層7はエッチングされやすいものとなる。
透明導電性フィルム1は、後工程として、透明導電層7をエッチングする。
エッチング手法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチング、エッチングガスを用いるドライエッチングなどが挙げられ、好ましくは、ウェットエッチングが挙げられる。
エッチング液としては、例えば、酸の水溶液が用いられる。
酸としては、例えば、塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸などの有機酸、および、これらの混合物が挙げられる。
このエッチングによって、図2に示すように、透明導電層7がストライプ状などの配線パターンに形成され、エッチング調整層6の上に、パターン部8および非パターン部9が形成される。非パターン部9では、エッチング調整層6の上面がパターン部8から露出する。各パターン部8の幅Lは、例えば、10μm以上、500μm以下であり、また、隣接するパターン部8の間隔S(すなわち、非パターン部9の幅S)は、例えば、10μm以上、500μm以下である。
その後、透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられる。
この透明導電性フィルム1は、例えば、画像表示装置に備えられるタッチパネル用基材に用いられる。タッチパネルの形式としては、光学方式、超音波方式、静電容量方式、抵抗膜方式などの各種方式が挙げられ、特に静電容量方式のタッチパネルに好適に用いられる。
(変形例)
図1の実施形態では、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、ハードコート層3と、密着層4と、光学調整層5と、エッチング調整層6と、透明導電層7とを備えているが、例えば、ハードコート層3、密着層4および光学調整層5の少なくとも一層またはこれらの全ての層を備えていなくてもよい。
具体的には、例えば、図3に示すように、透明導電性フィルム1は、透明基材2と、エッチング調整層6と、透明導電層7とから構成することもできる。すなわち、図3の透明導電性フィルム1では、透明基材2と、透明基材2の上に配置されるエッチング調整層6と、エッチング調整層6の上に配置される透明導電層7とを備えており、ハードコート層3、密着層4および光学調整層5を備えていない。
本発明では、配線パターンの視認抑制、耐擦傷性、透明導電層7と透明基材2との密着性などの観点から、好ましくは、図1の透明導電性フィルム1が挙げられる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
(透明基材)
透明基材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱樹脂社製、商品名「ダイアホイル」、厚み100μm)を用いた。
(ハードコート層の形成)
紫外線硬化型アクリル樹脂と、酸化ジルコニウム(ZrO)粒子(平均粒径20nm)とからなる紫外線硬化型樹脂組成物(樹脂組成物)を、固形分濃度が5質量%になるようにメチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈して、紫外線硬化型樹脂組成物の希釈液を調製した。次いで、希釈液を、PETフィルムの上面に塗布し、80℃、2分の条件にて乾燥させて、紫外線硬化型樹脂組成物をフィルム形状に形成した。次いで、紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線を照射して硬化させた。これにより、厚み300nmのハードコート層(屈折率1.64)をPETフィルムの上面に形成した。
(密着層の形成)
次いで、Arを導入した気圧0.3Paの真空雰囲気に、Oを導入しながら、下記の条件にてスパッタリングを実施して、ハードコート層の上面に密着層を形成した。
電源: 交流中周波(AC/MF)電源
ターゲット: Si(三井金属鉱業社製)
ガス流量比: Ar:O=100:0.1
なお、密着層の形成において、PETフィルムの下面(ハードコート層が形成された面とは反対側の面)を、−5℃の成膜ロールに接触させて、PETフィルムを冷却しながら実施した。
得られた密着層は、Si2p軌道の結合エネルギーが102.2eVである厚み2nmのケイ素化合物層であった。なお、密着層の屈折率は1.74であった。
(光学調整層の形成)
次いで、Arを導入した気圧0.2Paの真空雰囲気に、Oを導入しながら、下記の条件にてスパッタリングを実施して、密着層の上面に光学調整層を形成した。
電源: 交流中周波(AC/MF)電源
ターゲット: Si(三井金属鉱業社製)
ガス流量比: Ar:O=100:41
得られた光学調整層は、厚み14nmのSiO層(屈折率1.47)であった。
(エッチング調整層の形成)
次いで、Arを導入した気圧0.3Paの真空雰囲気に、Oを導入しながら、下記の条件にてスパッタリングを実施して、光学調整層の上面にエッチング調整層を形成した。
電源: 交流中周波(AC/MF)電源
ターゲット: Si(三井金属鉱業社製)
ガス流量比: Ar:O=100:0.1
なお、エッチング調整層の形成において、PETフィルムの下面(光学調整層が形成された面とは反対側の面)を、−5℃の成膜ロールに接触させて、PETフィルムを冷却しながら実施した。
得られたエッチング調整層は、Si2p軌道の結合エネルギーが102.2eVである厚み2nmのケイ素化合物層であった。
(透明導電層の形成)
下記の条件にてスパッタリングを実施して、光学調整層の上面に、厚み15nmのインジウムスズ酸化物層からなる第1透明導電層を形成した。
気圧: 0.4Pa
ガス比:ArおよびO(流量比 Ar:O=99:1)
電源: 直流(DC)電源
ターゲット: 酸化スズ(10質量%)と酸化インジウム(90質量%)との焼結体
続いて、下記の条件にてスパッタリングを実施して、第1透明導電層の上面に、厚み7nmのインジウムスズ酸化物層からなる第2透明導電層を形成した。
気圧: 0.3Pa
ガス比: ArおよびO(流量比 Ar:O=99:1)
電源: 直流(DC)電源
ターゲット: 酸化スズ(3質量%)と酸化インジウム(97質量%)との焼結体
ガス流量比: Ar:O=99:1
このようにして、第1透明導電層および第2透明導電層の積層体からなる非晶質ITO層(22nm)を光学調整層の上面に形成した。
(結晶転化処理)
次いで、非晶質ITO層が形成されたフィルムを、140℃のオーブン内で60分加熱処理して、透明導電層として結晶質ITO層(厚み22nm)を形成した。加熱処理した透明導電層は、20℃の塩酸(濃度5質量%)に15分間浸漬した後、水洗・乾燥し、15mm程度の間の端子間抵抗を測定し、ITO層が結晶質であることを確認した。これにより、実施例1の透明導電性フィルムを製造した(図1参照)。
実施例2
エッチング調整層を形成する際、Oを導入しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、エッチング調整層(Si2p軌道の結合エネルギーは98.9eV)を形成した。これにより、実施例2の透明導電性フィルムを製造した。
実施例3
エッチング調整層を形成する際、ArとOとの流量比をAr:O=100:0.3とする以外は、実施例1と同様にして、エッチング調整層(Si2p軌道の結合エネルギーは102.5eV)を形成した。これにより、実施例3の透明導電性フィルムを製造した。
比較例1
エッチング調整層を形成する際、ArとOとの流量比をAr:O=100:32にし、成膜ロールの温度を40℃にする以外は、実施例1と同様にして、ケイ素含有層(Si2p軌道の結合エネルギーは103.1eV)を形成した。これにより、比較例1の透明導電性フィルムを製造した。
(1)各層の厚み
ハードコート層、密着層、光学調整層、エッチング調整層および透明導電層の厚みは、透過型電子顕微鏡(日立製作所製、「H−7650」)を用いて断面観察により測定した。透明基材の厚みは、膜厚計(Peacock社製 デジタルダイアルゲージDG−205)を用いて測定した。
(2)ハードコート層、密着層および光学調整層の屈折率
屈折率は、ハードコート層、密着層または光学調整層を形成した後に、それぞれ、高速分光エリプソメーター(J.A.Woollam社製、M−2000DI)を用いて、測定試料からの反射光の偏光状態の変化を測定し、取得したデータを解析ソフトWVASE32で計算することにより求めた。なお、本明細書の屈折率の数値は、波長550nmにおける屈折率である。
(3)エッチング調整層のSi2p軌道の結合エネルギー
各実施例および比較例の透明導電性フィルムに対して、下記の条件にてX線光電子分光法(ESCA:Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)を実施して、デプスプロファイルを取得し、エッチング調整層(上面から厚み方向0〜2nmの領域)におけるSi2p軌道の結合エネルギーを求めた。
測定装置:Quantum2000、アルバック・ファイ社製
X線源:モノクロAlKα
X Ray setting:200μmφ、15kV、30W
光電子取り出し角:試料表面に対して45°
帯電中和条件:電子中和銃とArイオン銃(中和モード)の併用
結合エネルギー:C1sスペクトルのC−C結合由来のピークを285.0eVに補正(最表面のみ)
Arイオン銃の加速電圧:1kV
Arイオン銃のエッチング速度:2nm/分(SiO換算)
エッチング面積:2mm×2mm
(4)密着層のSi2p軌道の結合エネルギー
各実施例および比較例の透明導電性フィルムに対して、上記(3)エッチング調整層のSi2p軌道の結合エネルギーの測定条件と同一の測定条件にて、X線光電子分光法を実施して、デプスプロファイルを取得し、密着層(下面から厚み方向0〜2nmの領域)におけるSi2p軌道の結合エネルギーを求めた。
(5)エッチング性
各実施例および比較例の透明導電性フィルム(5cm×5cm)を、50℃の10質量%HCl水溶液に含浸させた。その後、透明導電体をHCl水溶液から所定間隔で取り出し、電極間を1cmとしてテスターで抵抗値を測定し、60MΩ以上となったところでエッチングが完了したと判断した。
エッチングが完了するまでに必要な時間が75秒以下であった場合を○と評価し、75秒を超過し105秒以下であった場合を△と評価し、105秒を超過した場合を×と評価した。結果を表1に示す。
(6)光透過率
ヘーズメーター(スガ試験機社製、形式:HGM−2DP)を用いて、各実施例および比較例の透明導電性フィルムの全光線透過率を測定した。
全光線透過率が90%以上であった場合を○と評価し、全光線透過率が80%以上90%未満であった場合を△と評価し、全光線透過率が80%未満であった場合を×と評価した。結果を表1に示す。
Figure 2016225019
1 透明導電性フィルム
2 透明基材
3 ハードコート層
4 密着層
5 光学調整層
6 エッチング調整層
7 透明導電層

Claims (5)

  1. 透明基材と、エッチング調整層と、透明導電層とを厚み方向に順に備え、
    前記エッチング調整層は、前記透明導電層と接触しており、
    前記エッチング調整層は、ケイ素またはケイ素化合物から形成され、
    前記エッチング調整層は、前記透明導電層と接触する側の表面から厚み方向において、X線光電子分光法により求められるSi2p軌道の結合エネルギーが、98.0eV以上103.0eV未満である領域を含むことを特徴とする、透明導電性フィルム。
  2. 前記透明導電層が、インジウムスズ複合酸化物を含有することを特徴とする、請求項1に記載の透明導電性フィルム。
  3. 前記透明導電性フィルムは、前記透明基材と前記エッチング調整層との間に配置され、前記エッチング調整層と接触する光学調整層をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記透明導電性フィルムは、前記透明基材と前記エッチング調整層との間に配置され、前記透明基材と接触するハードコート層をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記透明導電性フィルムは、前記ハードコート層と前記エッチング調整層との間に配置され、前記ハードコート層と接触する密着層をさらに備えることを特徴とする、請求項4に記載の透明導電性フィルム。
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