JP2016224957A - 押ボタン箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピーカーの取り付けや音を外部に出すことが容易な押ボタン箱を提供する。【解決手段】歩行者用信号灯器の作動を指示する押ボタン箱10において、各種構成部品を収納する筐体11は、背面側となり前面側が開口したベース本体20と、該ベース本体20の開口を前方から覆うように組み合わされる前面ケース30とから成り、前面ケース30は、ベース本体20の開口を前方から覆う状態で、背面側が筐体11の斜め後方へ下向きに開口する。前面ケース30の前面部31の内面側にスピーカー60が配され、前面部31にてスピーカー60の前面側が対向する箇所に、音を外部に出すための小孔37が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、一般道路の交差点等に設置された歩行者用信号灯器の付帯設備であって、該歩行者用信号灯器の作動(例えば点灯色変更)を指示するための押ボタン箱に関する。
従来、一般道路の交差点等に設置されている歩行者用信号灯器に対しては、歩行者の便宜のために点灯色の変更を指示する押ボタン箱が設置されている場合が多い。押ボタン箱は、交差点近くの電信柱等の適当な支持体に固定され、押ボタン箱の筐体正面には、歩行者用信号灯器の点灯色が赤色の際に青色への変更を指示するための押ボタンが配されていた。
図20に示すように、従来の押ボタン箱1は、前面側が大きく開口した箱型の筐体2と、この筐体2の前面開口を内側から塞ぐ平板状のフタ3で、いわゆる前面開口型として構成されている。筐体2は全体的には立方体形状であり、フタ3には押ボタン4が配されている。また、筐体2の上面および底面は水平、筐体2の背面や両側面やフタ3は垂直となる状態で電信柱等に固定される。筐体2の背面や底面に、電信柱等に固定する取付金具や配管等が設けられていた。また、筐体2の上面には防水対策として、上面前端側がフタ3前面より前方へ延出した庇状のエッジ部5が設けられていた。
このような従来の押ボタン箱1では次のような問題があった。すなわち、エッジ部5が前面に突出しているため、歩行者が接触した際に怪我する虞がある。また、エッジ部5が歩行者の接触や風雨に晒されることにより、特に塗装が剥げやすく錆も発生していた。また、筐体2の上面は平らな水平面であるため、ゴミ等の異物の放置が多かった。さらに、視覚障害者等が手探りで押ボタン箱1を操作しようとした場合、押ボタン4の位置が手探りで探すには分かり難く、使い勝手が良くないだけでなく、手が汚れたり怪我をする虞もあった。
そこで、本件出願人は、前述した従来の押ボタン箱1が有する問題に鑑みて、例えば、特許文献1,2に開示された新たなデザインの押ボタン箱を既に提案している。これらは登録意匠であり、前面ケースをベース本体に対して斜め上方より被せるように組み合わせて、これらの合わせ目より内部に上方からの雨水等が浸入し難い構造としている。また、ベース本体の開口周縁のエッジは全て前面カバーで覆うようにして、怪我防止および錆防止のための配慮もなされていた。
意匠登録第1514909号公報 意匠登録第1518469号公報
しかしながら、前述した特許文献1,2に記載された従来技術は、あくまで意匠出願に関するものであり、その願書および図面の記載だけからでは、当業者と言えども技術常識を参酌したとしても、前記問題を解決するための本意匠の技術的な特徴までは明確に把握することが困難である可能性があった。
また、特許文献1,2に記載された従来技術には、押ボタン箱が備えるスピーカーの構成に関しては何ら開示されていなかった。一般に、筐体内に収納されるスピーカーは、制御基板上に配されていたが、限られた面積の制御基板上におけるスペース確保が難しいだけでなく、所定の音圧を得ることも難しいという問題もあった。
本発明は、以上のような従来の技術の有する問題点に着目してなされたものであり、スピーカーの取り付けや音を外部に出すことが容易となり、筐体の構造における防水性や安全性を高めることができ、押ボタンの操作性を高めて使い勝手を良くすることができ、筐体上への異物の放置を防ぐことも可能となり、デザイン性のみならず技術的な価値にも優れた押ボタン箱を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、以下の各項の発明に存する。
[1]歩行者用信号灯器の作動を指示するための押ボタン箱(10)において、
各種構成部品を収納する筐体(11)の前面部(31)の内面側にスピーカー(60)が配され、
前記前面部(31)にて前記スピーカー(60)の前面側が対向する箇所に、音を外部に出すための小孔(37)が設けられていることを特徴とする押ボタン箱(10)。
[2]前記前面部(31)の外面側に押ボタン(40)が配され、前記小孔(37)は、前記押ボタン(40)の内側に隠れる箇所に設けられていることを特徴とする前記[1]に記載の押ボタン箱(10)。
[3]前記スピーカー(60)は、前記前面部(31)の内面より斜めに傾斜して離隔する状態に支持されていることを特徴とする前記[1]または[2]に記載の押ボタン箱(10)。
[4]前記筐体(11)は、背面側となり前面側が開口したベース本体(20)と、該ベース本体(20)の開口を前方から覆うように組み合わされて前記押ボタン(40)が配される前面ケース(30)と、から成り、
前記前面ケース(30)の前面部(31)が、前記筐体(11)の前面部となり、
前記前面ケース(30)は、前記ベース本体(20)の開口を前方から覆う状態で、背面側が前記筐体(11)の斜め後方へ下向きに開口したことを特徴とする前記[1]、[2]または[3]に記載の押ボタン箱(10)。
[5]前記ベース本体(20)は、垂直な背面部(21)と、該背面部(21)の下端縁から前方へ水平に延出した底面部(22)と、前記背面部(21)の上端縁から前記底面部(22)より短く斜め上方へ延出した上面部(23)と、それぞれ側方を囲む側面部(24,24)とを備え、前面側が斜め前方へ上向きに開口しており、
前記前面ケース(30)は、前記ベース本体(20)の開口に対して斜め後方へ下向きに被さる形状であり、
前記ベース本体(20)の底面部(22)に、配管を取り付け可能であることを特徴とする前記[4]に記載の押ボタン箱(10)。
[6]前記前面ケース(30)の前面部(31)は、上半側に斜め前方へ下向きに傾斜した前方傾斜面(31a)が形成され、下半側に前記前方傾斜面(31a)の下端に連なり垂下する前方垂直面(31b)が形成され、
前記前方傾斜面(31a)および前記前方垂直面(31b)のそれぞれの外面側に、前記押ボタン(40A,40B)が配されたことを特徴とする前記[4]または[5]に記載の押ボタン箱(10)。
[7]前記前方傾斜面(31a)に配された前記押ボタン(40A)は、視覚障害者用として設定されていることを特徴とする前記[6]に記載の押ボタン箱(10)。
[8]前記筐体(11)の上面部(23)は、斜め後方へ下向きに傾斜した後方傾斜面(23a)であることを特徴とする前記[4]、[5]、[6]または[7]に記載の押ボタン箱(10)。
[9]前記ベース本体(20)の上端側に亘る開口周縁と、該開口周縁を前方から覆う前記前面ケース(30)の上端側に亘る開口周縁との合わせ目は、前記筐体(11)の後方傾斜面(23a)上に配されたことを特徴とする前記[8]に記載の押ボタン箱(10)。
[10]前記ベース本体(20)の開口周縁に沿って、突条として延びる凸部(20a)および溝状に延びる凹部(30a)のいずれか一方が形成され、前記前面ケース(30)の開口周縁に沿って、前記凸部(20a)および前記凹部(30a)のいずれか他方が形成され、前記凸部(20a)が前記凹部(30a)内に係合して互いに組み合わされたことを特徴とする前記[9]に記載の押ボタン箱(10)。
[11]前記前面ケース(30)の上端側に亘る開口周縁に、前記ベース本体(20)の上端側に亘る開口周縁を上から覆うように重なり合うフランジ(30c)が形成されたことを特徴とする前記[9]または[10]に記載の押ボタン箱(10)。
次に、前述した解決手段に基づく作用を説明する。
前記[1]に記載の押ボタン箱(10)によれば、筐体(11)内におけるスピーカー(60)は、従来のように制御基板上ではなく、前面部(31)の内面側に配置する。ここで前面部(31)にて、スピーカー(60)の前面側が対向する箇所に、音を外部に出すための通音用の小孔(37)を設ける。
このようなスピーカー(60)の配置によれば、前面ケース(30)の内面側のデッドスペースを配置スペースとして活用することができ、取付作業も容易となる。また、前面部(31)に設けた小孔(37)より、スピーカー(60)の音を外部に出すことができる。
前記[2]に記載の押ボタン箱(10)によれば、前面部(31)の外面側に押ボタン(40)が配され、小孔(37)は、押ボタン(40)の内側に隠れる箇所に設ける。これにより、小孔(37)から筐体(11)内部に雨水等が浸入する虞はない。
また、スピーカー(60)は、前記[3]に記載したように、前面部(31)の内面より斜めに傾斜して離隔する状態に支持すると良い。
前記[4]に記載の押ボタン箱(10)によれば、筐体(11)は、背面側となり前面側が開口したベース本体(20)と、該ベース本体(20)の開口を前方から覆うように組み合わされて押ボタン(40)が配される前面ケース(30)と、から成る。このように、従来の押ボタン箱(1)の筐体(2)における前面開口型の前面側と背面側を反転させ、押ボタン(40)を配する前面側の前面ケース(30)により背面側のベース本体(20)の開口を前方から覆うような形状(背面開口型)を基本的な構造とする。
これにより、ベース本体(20)の開口周縁は、前面ケース(30)で隠蔽されると共に、前面ケース(30)の開口周縁(エッジ)も、人の手が通常触れない背面側に配され、筐体(11)全体の前面側では、その外面上に出る突起物を最小限に抑えることが可能となる。従って、歩行者の怪我を防止できると共に、従来のエッジ部は存在せず、当該部位からの塗装の剥げや錆付きも防止することができる。ここで前面ケース(30)の前面部(31)が、そのまま前記筐体(11)の前面部(31)となる。
特に、前面ケース(30)は、ベース本体(20)の開口を前方から覆う状態で、背面側が筐体(11)の斜め後方へ下向きに開口する。これにより、前面ケース(30)の開口周縁が、ベース本体(20)の開口周縁やその外側に重なる合わせ目からも、雨水や塵が浸入しづらくなり、より確実に塗装の剥げや錆付きも防止することができる。
前記[5]に記載の押ボタン箱(10)によれば、ベース本体(20)は、垂直な背面部(21)と、該背面部(21)の下端縁から前方へ水平に延出した底面部(22)と、前記背面部(21)の上端縁から前記底面部(22)より短く斜め上方へ延出した上面部(23)と、それぞれ側方を囲む側面部(24,24)とを備え、前面側が斜め前方へ上向きに開口している。
一方、前面ケース(30)は、ベース本体(20)の開口に対して斜め後方へ下向きに被さる形状であり、ベース本体(20)の底面部(22)には、配管を取り付け可能なスペースを確保することができる。
前記[6]に記載の押ボタン箱(10)によれば、前面ケース(30)にて、上半側に前方傾斜面(31a)が形成され、下半側に前方傾斜面(31a)の下端に連なり垂下する前方垂直面(31b)が形成される。ここで前方傾斜面(31a)と前方垂直面(31b)の両方の外面側に押ボタン(40A,40B)を設ける。
前方傾斜面(31a)は、視覚障害者にとって触りやすい位置ないし方向となるため、前方傾斜面(31a)上の押ボタン(40A)は視覚障害者用として、前方垂直面(31b)上の押ボタン(40B)は健常者ないし高齢者用にする等と、2つのボタンを区別する使用も可能となる。
前記[7]に記載の押ボタン箱(10)によれば、前方傾斜面(31a)に配された押ボタン(40A)は、視覚障害者用として設定される。これにより、特に視覚障害者に対する操作性を向上させることができる。
前記[8]に記載の押ボタン箱(10)によれば、筐体(11)の上面部(23)は、斜め後方へ下向きに傾斜した後方傾斜面(23a)である。従って、後方傾斜面(23a)上には、その傾斜により異物等を放置できなくなる。
前記[9]に記載の押ボタン箱(10)によれば、ベース本体(20)の上端側に亘る開口周縁と、該開口周縁を前方から覆う前面ケース(30)の上端側に亘る開口周縁との合わせ目は、筐体(11)の後方傾斜面(23a)上に配される。これにより、合わせ目が筐体(11)の上面部(23)にあっても、後方傾斜面(23a)の傾斜により、合わせ目に沿って雨水や塵が滞留することはない。
前記[10]に記載の押ボタン箱(10)によれば、ベース本体(20)の開口周縁に沿って、突条として延びる凸部(20a)および溝状に延びる凹部(30a)のいずれか一方が形成され、前面ケース(30)の開口周縁に沿って、凸部(20a)および凹部(30a)のいずれか他方が形成され、凸部(20a)が凹部(30a)内に係合して互いに組み合わされる。
前記[11]に記載の押ボタン箱(10)によれば、前面ケース(30)の上端側に亘る開口周縁には、ベース本体(20)の上端側に亘る開口周縁を上から覆うように重なり合うフランジ(30c)が形成されている。これにより、いっそう防水性を高めることができる。
本発明に係る押ボタン箱によれば、スピーカーの取り付けや音を外部に出すことが容易となり、筐体の構造における防水性や安全性を高めることができ、押ボタンの操作性を高めて使い勝手を良くすることができ、筐体上への異物の放置も防ぐことも可能となり、デザイン性のみならず技術的な価値も高めることができる。
本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す右側面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す背面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱を示す底面図である。 図2におけるVII−VII線断面図である。 図7における上端部を拡大して示す部分断面図である。 図2におけるIX−IX線断面図である。 図9における右端部を拡大して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱の前面ケースに取り付ける押ボタンを分解して示す分解斜視図である。 図7における下側の押ボタン付近を拡大して示す部分断面図である。 本発明の実施の形態に係る押ボタン箱の前面ケースに取り付けるスピーカーを分解して示す分解斜視図である。 図7におけるスピーカー付近を拡大して示す部分断面図である。 図7におけるXV−XV線断面図である。 図7におけるXVI−XVI線断面図である。 従来および本発明に係る押ボタン箱が、当該デザインに至った経緯を模式的に示す説明図である。 本発明に係る押ボタン箱の前面ケースとベース本体の合わせ目に傾斜を設ける意図を示す説明図である。 本発明に係る押ボタン箱のデザインのバリエーションを模式的に示す説明図である。 従来一般の押ボタン箱を示す斜視図である。
以下、図面に基づき、本発明を代表する実施の形態を説明する。
図1〜図19は、本発明の実施の形態を示している。
本実施の形態に係る押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器の作動を指示するものである。ここで歩行者用信号灯器は、図示省略したが一般道路の交差点等に設置された各車両用信号灯器に対して、それぞれ付帯するよう横断歩道の両端等に設置されている。
押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器ごとに近くの電信柱等の支持体に固定されて使用される。車両用信号灯器や歩行者用信号灯器における点灯色変更やそのタイミング等の具体的な作動は、図示省略した交通信号制御装置の所定プログラムに従って制御される。また、押ボタン箱10における機能の一部も、交通信号制御装置の所定プログラムに従って制御される。車両用信号灯器や歩行者用信号灯器、それに押ボタン箱10は、それぞれ信号線を介して交通信号制御装置と接続されている。
図1に示すように、押ボタン箱10は、電子部品等の各種構成部品やこれらのユニットを収納する箱状の筐体11を本体とする。筐体11は、その背面側となり前面側が開口したベース本体20と、該ベース本体20の開口を前方から覆うように組み合わされて押ボタン40が配された前面ケース30とから成る。なお、本実施の形態では、前面ケース30の上下に2つの押ボタン40A,40Bが設けられており、これらを総称する際には押ボタン40と表記する。
押ボタン箱10では、押ボタン40に触れることにより、歩行者用信号灯器の作動を指示するが、ここでの作動とは、点灯色変更(青点灯開始)に限らず、他に音声案内等も含まれる。また、詳しくは後述するが、押ボタン40は、操作時に押す必要はなく、単に触れることで操作可能な静電容量センサ45から構成されている。以下、便宜上「押す」ないし「触れる」ことを含めて単に「操作」と表記する。
ベース本体20は、前面側が開口した底浅なケース状の部材であり、例えばアルミニウム等の金属材料やAAS樹脂等の樹脂材料等、強度に優れた任意の材料から一体成形される。詳しく言えばベース本体20は、縦長矩形の背面部21と、背面部21の下端縁より前方へ延出した横長矩形の底面部22と、背面部21の上端縁より斜め上方へ少しだけ延出した上面部23と、これらの側方を囲む略直角三角形の側面部24,24とを備え、前面側が開口している。ここで上面部23が、主として押ボタン箱10全体の上面部を成し、その外面は水平面より斜め後方へ下向きに傾斜した後方傾斜面23aと成る。
ベース本体20の各面部の外面は、突起物がなく滑らかな平面であり、二面ないし三面が接合する角は丸みを付けて安全性を考慮している。また、押ボタン箱10は、電信柱等の支持体に固定されるが、ベース本体20の背面部21には、支持体の適当な高さ位置に、例えば抱き込むように固定するバンド状の取付金具が設けられる。背面部21には、取付金具を留めるネジ孔が予め設けられている。ただし、押ボタン箱10の具体的な取り付け方法は、特に限定されるものではない。なお、押ボタン箱10の取付位置は、車椅子や子供でも操作しやすい高さの範囲に設定すると良い。
前面ケース30は、背面側が開口して前記ベース本体20の開口周縁に被さるように整合する底浅なフタ状の部材であり、前記ベース本体20と同様の材料から一体成形される。詳しく言えば前面ケース30は、押ボタン箱10全体の前面を成す前面部31と、前面部31の側方を囲む略二等辺三角形の側面部32,32とを備え、背面側が開口している。ここで前面部31は、その少なくとも一部が水平面より斜め前方へ下向きに傾斜した前方傾斜面31aとして形成されている。
詳しく言えば前面部31は、その上半側が水平面より斜め前方へ下向きに傾斜した前方傾斜面31aとして形成され、下半側は前方傾斜面31aの下端に連なり垂下する前方垂直面31bとして形成されている。前方傾斜面31aと前方垂直面31bとの境は緩やかに湾曲している他、前面ケース30の各面部の外面も突起物がなく滑らかであり、二面ないし三面が接合する角は丸みを付けて安全性を考慮している。
図7に示すように、筐体11は、その前面側となる前面ケース30を背面側のベース本体20の開口を前方から覆うような形状(背面開口型)を基本的な構造とする。すなわち、前面ケース30はベース本体20に対して斜め上方より合わさるように取り付けられている。ここでベース本体20の上面部23に沿う開口周縁と、該開口周縁を前方から覆う前面ケース30の前面部31の上端縁との合わせ目は、筐体11全体の上面部の少なくとも一部である前述の後方傾斜面23a上に配されている。
このように、前面ケース30の背面側の開口は、ベース本体20の前面側の開口に合わさる。詳しくは図8および図10に示すように、ベース本体20の開口周縁に沿って、突条として延びる凸部20aが形成され、一方、前面ケース30の開口周縁に沿って、溝状に延びる凹部30aが形成されている。ここで凸部20aは凹部30a内に係合して、互いに組み合わされるものである。凹部30aの奥底には、凸部20aが圧接して防水性を高めるように、弾性体から成る環状のパッキン30bが内挿されている。なお、逆の形態として、ベース本体20側に凹部を設ける一方、前面ケース30側に凸部を設けるように構成しても良い。
図7〜図10に示すように、前面ケース30の開口周縁のうち、前面部31(の前方傾斜面31a)の上端縁と各側面部32の後端縁には、ベース本体20の開口周縁に単に合わさるだけでなく、ベース本体20の開口周縁を上から覆うように重なり合うフランジ30cが形成されている。かかるフランジ30cの端縁が、実際にはベース本体20に対する前面ケース30の合わせ目となり、特に、前面ケース30の前面部31の上端縁に沿ったフランジ30c(合わせ目)は、前述したように後方傾斜面23a上に配されている。なお、前面部31(の前方垂直面31b)の下端縁にはフランジ30cはない。すなわち、ベース本体20と前面ケース30の開口周縁のうち下端縁同士の合わせ目に段差やエッジはない。
このように、ベース本体20と前面ケース30が組み合わされてネジ止めされ、いわゆる背面開口型の筐体11が構成される。筐体11の内部空間には、一部図示省略したが電子部品等の各種構成部品やこれらのユニットが収納される。ベース本体20に前面ケース30を固定するネジ30dは、ベース本体20の上面側ではなく前面ケース30の前面側に設けられている。詳しく言えば、前面ケース30の前面部31の四隅にネジ孔が設けられ、ベース本体20の開口周縁で合致する位置にも同じくネジ孔が設けられている。これらのネジ孔に螺合させるネジ30dは、例えば、悪戯防止のために専用工具でなければ取り外しが困難な特殊なネジを用いると良い。
ネジ30dを配置した前面ケース30の前面側は、上面より傾斜角度が垂直に近いため水滴が滞ることなく、ネジ孔からの水の浸入をより確実に防止することができる。また、押ボタン箱10の前方より工具を用いて締めたり外したりできるため、押ボタン箱10を固定した支柱体が作業の邪魔になることはなく、容易に前面ケース30を取り外して筐体11の内部確認やメンテナンスが可能となる。なお、図11に示すように、前面ケース30の開口周縁に沿ってパッキン30bを嵌る凹部30aは、その四隅において前記ネジ孔より内側に位置するように配され、防水性が高められている。
図1に示すように、前面ケース30には、本実施の形態では2つの押ボタン40A,40Bが設けられている。一方の押ボタン40Aは、前面部31の上半側である前方傾斜面31aに形成され、他方の押ボタン40Bは、前面部31の下半側である前方垂直面31bに形成されている。ここで前方傾斜面31aは、視覚障害者にとって触りやすい位置ないし方向となるため、この前方傾斜面31a上の押ボタン40Aは、特に視覚障害者用として設定されている。また、前方垂直面31b上の押ボタン40Bは、健常者ないし高齢者用として設定されている。なお、押ボタン40の数は特に限定されるものではなく、前面部31の傾斜を問わず何れか任意の箇所に一つだけ、あるいは3つ以上設けても良い。
図7に示すように、詳しく言えば押ボタン40は、前面部31の外面側に配される箇所の基準面に対して段状に出っ張り平行に広がる操作面部41を備えている。操作面部41は、矩形状に広がっており周縁は丸みを帯びた段と成っている。操作面部41は、前面部31の前方傾斜面31aと前方垂直面31bにそれぞれ設けられた円形の孔部33を外面側から覆うように配され、操作面部41の裏側が前面部31の内面側からネジ止めされている。操作面部41は、機械的に可動するものではなく、前面部31の外面側に動かないように固定される。なお、操作面部41の裏側の周縁に沿って、前面部31の外面に圧接して防水性を高めるように、弾性体から成る環状のパッキン42が装着されている。
操作面部41の内側には、一回り小さい矩形状のスペーサー43が設けられている。スペーサー43は、ステンレスや鉄等の金属製の薄板材から成り、その背面側には、前記孔部33を通って前面部31の内面側に突出する段状の接触部43aが設けられている。また、前面部31の内側には、前記孔部33を囲むようにネジ止めされる支持ケース44を介して、静電容量センサ45が取り付けられている。
静電容量センサ45は、検出電極に物体が接近した時の電極の静電容量変化を検出してON動作するものであり、その構成は一般的であるので詳細な説明は省略する。静電容量センサ45の検出電極に対して、前記スペーサー43の接触部43aが当接している。すなわち、金属製のスペーサー43は、静電容量センサ45の感知領域を広げるものである。なお、スペーサー43の接触部43aは、前面部31の孔部33と、支持ケース44に設けられたさらに小径の孔部44aを挿通するが、孔部44aは静電容量センサ45全体の大きさよりも小径であるため、孔部を通してセンサが外部に持ち出される虞はない。
操作面部41の平面状の表面には、操作の案内や次の行動を示唆するピクトグラム41aが表示されている。ピクトグラム41aの具体的な図案としては、図1に示したように、上側の押ボタン40Aでは、主に視覚障害者用のデザインとして、視覚障害者が、後述するスピーカー60から出る誘導音を聞きながら、横断歩道を渡っている様子が表現されている。また、下側の押ボタン40Bでは、主に健常者用として単に横断歩道が表現されている。
ベース本体20において外部に露出する各側面部24の外面側にも、必要に応じてピクトグラムが表示された側面シール24aが貼り付けられている。さらに、前面ケース30の前面部31にて押ボタン40Aの上側には、視覚障害者用の点字銘板38を配置しても良い。
図1に示すように、前面ケース30には、歩行者用信号灯器の作動に関する各種情報を表示する表示部50が設けられている。表示部50は、前面部31において前方傾斜面31aと前方垂直面31bとの間の湾曲した境界辺りに沿って配されており、当該箇所には表示部50の表示面を外部に露出させる横長矩形の開口部34が設けられている。表示部50は、その表示面が開口部34に合致する状態で、前面部31の内面側より固定される。ここで表示部50の具体的な種類は特に限定されるものではないが、例えば液晶ユニットやLED表示器等と何れの形態であっても、その表示面に各種情報として文字や図形等を表示可能なものであれば良い。
表示部50は、2つの押ボタン40のうち下方の押ボタン40Bに対応しており、この押ボタン40Bの直ぐ上側(傍ら)に配されるだけでなく、前面部31の外面上に細溝で区画された同一の枠35内に収められて、より明確に互いに関連付けられている。また、枠35内を前面ケース30と違う色に塗り、より関連付けを強くしても良い。なお、表示部50における表示面の角度は、ベース本体20に対する前面ケース30の合わせ目(側面部32の後端縁)と平行に傾いている。
このような表示部50の表示を含む押ボタン箱10の各種機能は、前述した交通信号制御装置の他、筐体11内部に収納された制御基板の所定プログラムによって制御される。制御基板は、通常のCPU、RAM、ROM、インターフェース等から構成されたマイクロコンピュータから構成され、表示部50の他、前記押ボタン40の静電容量センサ45や後述のスピーカー60等の電子部品に配線を介して接続されている。
本実施の形態では、表示部50は下方の押ボタン40Bに対応しており、この押ボタン40Bが操作された時だけ表示するように制御される。このように、表示部50は、一または複数の何れかの押ボタン40の操作に連動して表示可能に設定すると良い。表示部50の具体的な表示内容としては、例えば押ボタン40Bの操作に基づき押ボタン箱10が感応状態になったことを知らせるため、「おまちください」の文字等、歩行者用信号灯器の作動に関する各種情報が該当する。
表示部50は、通常は消灯ないし無表示の状態であるが、前記押ボタン40Bが操作されると、歩行者用信号灯器の点灯色が赤色から青色に変化するまでの間に亘り点灯して、「おまちください」等の文字を表示する。各種情報として、他に例えば、歩行者用信号灯器の「待時間」等を表示しても良い。すなわち、表示部50には、歩行者用信号灯器が赤色の際に、前記押ボタン40の操作時点より青色に変化するまでの待時間をデジタル数字で減算表示することが考えられる。その他、表示部50には、現在地点の地名、現在時刻、近未来の天気予報の他、道案内(進行方向にある主な建物名等)等を表示しても良い。
また、押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器の作動に関する音声を出力するスピーカー60を備えている。スピーカー60は、従来は制御基板上に配設されていたが、本実施の形態に係る押ボタン箱10では、制御基板ではなく前面ケース30に配設されている。すなわち、図7に示すように、前面ケース30の前面部31にてスピーカー60を配する箇所の内面側には、スピーカー60の外周を両側から囲むように突出した取付部36が設けられている。ここで取付部36は、前面ケース30自体の成形時に一体成形すると良い。
図13〜図16に示すように、スピーカー60は、前面部31の内面側で取付部36に位置決めした状態で、スピーカー60を背面側より覆う板状のブラケット61を介して取付部36に固定されている。すなわち、スピーカー60は、前面部31の内面側にて取付部36とブラケット61との間に挟持された状態でネジ止めされている。また、ブラケット61も、前面部31の内面側に別途ネジ止めされている。
スピーカー60は、前面側のコーン紙が取付部36により前面部31の内面より斜めに傾斜して離隔する状態に支持され、コーン紙が対向する前面部31には、音を外部に出すための通音用の小孔37が設けられている。この小孔37は、前記押ボタン40Bの操作面部41の内側に隠れる箇所に配置されている。スピーカー60のコーン紙は耐水性のものを用いると良い。また、ブラケット61は、スピーカー60の背面視で全体を覆い得る面積の矩形状に加工されたステンレスや鉄等の金属板から成る。
このようなスピーカー60からは、押ボタン40の操作時に、操作されたことを知らせる所定の音や「おまちください」の音声メッセージを出力する他、視覚障害者用の押ボタン箱10である旨や、押ボタン箱10の所在を知らせるための所定の音を常時出力するようにしても良い。かかるスピーカー60からの音や音声も、前述した交通信号制御装置の他、筐体11内部に収納された制御基板の所定プログラムによって制御される。
図17は、本発明の係る押ボタン箱10が、当該デザインに至った経緯を模式的に示している。図17(a)は、図20に示した従来の押ボタン箱1を模式的に示したものであり、既に説明したが前面側が大きく開口した箱型の筐体と、この筐体の前面開口を内側から覆う平板状のフタにより、いわゆる前面開口型として構成したものである。そして、図17(b)は、前記(a)の前面開口型の構造の前面側と背面側を反転させて、押ボタンを配する前面側の前面ケースにより背面側のベース本体の開口を前方から覆うような、いわゆる背面開口型の基本的な構造を示している。
図17(b)に示す背面開口型の基本的な構造は、図17(a)に示したものと同様であり、縦長長方形の箱型を基本形状とする。このように、筐体の前面側と背面側との重なり合いを反転させたことにより、開口周縁であるエッジは全て背面側に配置される。従って、エッジの前面露出による歩行者の怪我を防止できると共に、従来の庇状のエッジ部5(図20参照)は存在せず、当該部位からの塗装の剥げや錆付きも防止することができる。
図17(c)は、前記(b)の背面開口型の構造から、さらに筐体の上面部に異物を置けない構造にするため、また視覚障害者の操作性向上のため、筐体自体を傾斜させることにより、ボタン設置面(操作面)を水平面より斜め前方へ下向きに傾斜させている。かかる構造ないし配置姿勢によれば、前面ケースは、ベース本体の開口を前方から覆う状態で、背面側が筐体の斜め後方へ下向きに開口することになる。
図17(d)は、前記(c)の背面開口型の構造に、電信柱等への取り付け、および配管の取り付けを考慮して、ベース本体側に背面と底面を追加している。図中にも示したように、電柱への取り付けを考慮して、ベース本体側の背面は垂直な平面とし、また、配管の取り付けを考慮して、ベース本体側の底面は水平な平面としている。また、前面ケースを上下で屈曲させ、視覚障害者用の押ボタンを傾斜上面に設置することで、ボタンを複数個設置しても視覚障害者の利便性を損なうことがない。
本実施の形態に係る押ボタン箱10は、ベース本体20と前面ケース30の合わせ目を傾斜させることで、筐体11全体を薄型化することが可能となる。詳しくは図18に示したように、前面ケースに傾斜上面を設ける場合において、同図(a)は、ベース本体と前面ケースの合わせ目を傾斜させた構造を示し、同図(b)は、合わせ目が鉛直となる構造を示している。
図18(a),(b)の比較から分かるように、同じ傾斜面と同じ底面を確保する場合、合わせ目を傾斜させている方が全体的に薄型化することが可能となる。すなわち、図中に示したように、(a)と(b)の傾斜面は、同一長さで同一角度であり、(a)と(b)の底面も、同一長さとなるが、(a)の厚みaは(b)の厚みbよりも小さくなる。また、(a)では上面の平面部もなくなる。
以上、押ボタン箱10の参考事項についても補足したが、次に、本実施の形態に係る押ボタン箱10の具体的な作用について説明する。
図1〜図7に示すように、本押ボタン箱10によれば、その筐体11は、背面側となり前面側が開口したベース本体20と、該ベース本体20の開口を前方から覆うように組み合わされて押ボタン40が配される前面ケース30と、から成る。
このような背面開口型の構造によれば、既に概略は説明したが、ベース本体20の開口周縁は前面ケース30で隠蔽されると共に、前面ケース30の開口周縁(エッジ)も人の手が通常触れない背面側に配され、筐体11全体の前面側では、その外面上に出る突起物を最小限に抑えることが可能となる。従って、歩行者の怪我を防止できると共に、従来の庇状のエッジ部5(図20参照)は存在せず、当該部位からの塗装の剥げや錆付きも防止することができる。
特に、前面ケース30は、ベース本体20の開口を前方から覆う状態で、背面側が筐体11の斜め後方へ下向きに開口する。これにより、前面ケース30の開口周縁が、ベース本体20の開口周縁やその外側に重なる合わせ目からも、雨水や塵が浸入しづらくなり、より確実に塗装の剥げや錆付きも防止することができる。
しかも、前面ケース30の開口周縁のうち、前面部31の上端縁と各側面部32の後端縁には、図7〜図10に示すように、ベース本体20の開口周縁に単に合わさるだけでなく、ベース本体20の開口周縁を上から覆うように重なり合うフランジ30cがある。これにより、いっそう防水性を高めることができ、マイナスドライバ等の工具を用いてこじ開けるような悪戯も防止することができる。
また、図7および図8にも示すように、ベース本体20に対する前面ケース30の合わせ目となる前記フランジ30cは、筐体11の上面部の少なくとも一部として水平面より斜め後方へ下向きに傾斜した後方傾斜面23a上に配されている。これにより、合わせ目が筐体11の上面部に配されていても、後方傾斜面23a上に位置することで、合わせ目に沿って雨水や塵が滞留することはない。しかも、後方傾斜面23a上には、その傾斜によって異物等を放置できなくなる。
図1に示すように、前面ケース30は、上半側に前方傾斜面31aが形成され、下半側に前方傾斜面31aの下端に連なり垂下する前方垂直面31bが形成される。ここで前方傾斜面31aは、視覚障害者にとって操作しやすい位置ないし方向となるため、この前方傾斜面31a上に視覚障害者用の押ボタン40Aを設ける。これにより、視覚障害者はちょうど手を伸ばした位置で自然に押ボタン40Aに触れることができ、操作性が向上する。
一方、前方垂直面31b上には、健常者用の押ボタン40Bを設ける。前方垂直面31bにある押ボタン40Bは、特に低い位置にあるため、子供や高齢者でも容易に操作することができる。このように2つの押ボタン40A,40Bを利用者ごとに区別して使用することができる。また、ベース本体20と前面ケース30の合わせ目が傾斜していることで、筐体11全体の薄型化が可能となり、前面ケース30のデザインの自由度も向上する。
図7に示すように、何れの押ボタン40A,40Bも、前面ケース30の外面側に配される箇所の基準面に対して段状に出っ張り平行に広がる操作面部41と、該操作面部41の内側に配される金属製のスペーサー43と、該スペーサー43の一部と当接する状態で前面ケース30より内側に配される静電容量センサ45と、を有して成る。このような構成の押ボタン40によれば、従来一般のボタン構造に比べて、視覚障害者等が手探りで操作しやすく、また、耐久性や強度も向上させることができる。また、従来の押ボタンは、一般的にセンサそのものにカバーを被せて構成していたが、静電容量センサ45を筐体11の内部に設けて外部に露出させないため、悪戯による破損も防止することができる。
静電容量センサ45が筐体11の内部にあっても、静電容量センサ45の検出電極は、前面部31の孔部33を通じて金属製のスペーサー43の接触部43aと当接している。ここでスペーサー43は、操作面部41によって覆われるが前面部31の外面上で薄板状に展開しているため、静電容量センサ45の検出電極より広い面積の範囲でセンサを感知させることができる。
このような静電容量式のセンサによれば、機械式のボタン構造のように寒冷地で凍って動作不能となる虞もない。また、スペーサー43の接触部43aが内部に向かって挿通する前面部31や支持ケース44の孔部33,44aの内径は、静電容量センサ45全体の大きさよりも小さいため、操作面部41が外れても孔部33,44aを通じて静電容量センサ45が外部に持ち出される虞はない。
また、操作面部41の表面には、操作の案内や次の行動を示唆するピクトグラム41aが表示されている。このようなピクトグラム41aによれば、押ボタン40の操作時の機能を、従来の「人」だけを表すシンボルマークではなく、「人」と「機能」を表す独自のピクトグラムにより、文字に代わって誰でも直感的に理解することが可能となる。
ピクトグラム41aは、操作面部41の表面に直接印刷しても良いが、例えばアルミニウム等の金属薄板に印刷したものを貼り付けるように構成すれば、なおさら静電容量センサ45における感度を高めることができる。なお、操作面部41の具体的な形状は、図示したような矩形状に限定されることなく、様々な形状にデザインすることも容易である。また、操作面部41は合成樹脂の成形品であるが、各押ボタン40ごとに異なる色の樹脂で成形したり塗装しても良い。
実際に押ボタン40を操作すると、静電容量センサ45が感知してON信号を交通信号制御装置に出力する。このON信号を交通信号制御装置が受けると、交通信号制御装置は、歩行者用信号灯器の点灯色を所定時間経過後に赤色から青色へと切り換える。また、筐体11内部の制御基板は、下側の押ボタン40Bの静電容量センサ45からのON信号に基づいて表示部50の表示を制御する。歩行者用信号灯器の点灯色変更が終了すると、表示部50は消灯ないし無表示の状態に戻る。
表示部50には、前述したように押ボタン40Bの操作に基づき押ボタン箱10が感応状態になったことを知らせる「おまちください」の文字等、歩行者用信号灯器の作動に関する各種情報が表示される。ここで文字情報に関する対応言語は、日本語に限らず英語や中国語等の複数の言語の文字情報を予め制御基板のROMに設定しておくと良い。また、前述したが表示部50は、一または複数の何れかの押ボタン40の操作に連動して表示可能であり、表示部50による表示を特定の押ボタン40の操作に関連付けることができ、不必要な表示を省くことが可能となる。
また、押ボタン箱10は、歩行者用信号灯器の作動に関する音や音声を出力するスピーカー60を備えている。かかるスピーカー60の筐体11内における配置は、従来のように制御基板上に配することなく、前面ケース30の内面側に取り付ける。すなわち、図13に示すように、前面ケース30の内面側でスピーカー60を配する箇所に取付部36を設け、該取付部36にスピーカー60を位置決めした状態でスピーカー60を背面側より覆う板状のブラケット61を介して、スピーカー60を取付部36にネジ止めする。
このようなスピーカー60の取付構造によれば、前面ケース30の内面側のデッドスペースを配置スペースとして活用することができ、取付作業も容易となる。また、制御基板上にスピーカー60をブラケットを介して固定する場合、その配置スペースの確保が難しかったが、前記デットスペースを有効活用することにより、様々な大きさ形状のスピーカーを取り付けることが可能となる。
スピーカー60の背面側は、その全域に亘って板状のブラケット61で覆われる。そのため、例えばT字形状の板金で単にスピーカー60の背面側の一部を支持する場合のように、音が板金の隙間から背面側(筐体11内部)へ逃げることがなく、十分な音圧も確保することができる。スピーカー60の前面側のコーン紙が対向する前面部31には、通音用の小孔37が設けられているが、この小孔37は、前記押ボタン40Bの操作面部41の内側に隠れる箇所に配置されるため、小孔37から筐体11内部に雨水等が浸入する虞もない。
スピーカー60からは、前述したように押ボタン40の操作に基づき押ボタン箱10が感応状態になったことを知らせる「おまちください」の音声メッセージ等が出力される他、視覚障害者用の押ボタン箱10である旨や、押ボタン箱10の所在を知らせるための所定の音等が出力される。かかるスピーカー60からの音や音声も、前述した交通信号制御装置の他、筐体11内部に収納された制御基板の所定プログラムによって制御される。なお、音声情報に関しても、日本語に限らず英語や中国語等の複数の言語で用意しておくと良い。
ところで、スピーカー60による音声出力や前記表示部50による表示に限らず、押ボタン箱10全般の機能として、例えば視覚障害者、健常者、高齢者等に対応した複数のバリエーションが有る場合、これらの機能は一つの制御基板で実現できるように設計して、制御基板上のスイッチの切り換え操作により適宜選択できるように構成すると良い。さらに、制御基板には、例えば、高齢者や障害者が所持する所定の発信器からの電波を受信して自動的に作動する機能等も適宜付加すると良い。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述したような実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば筐体11全体やベース本体20および前面ケース30等の具体的な形状も図示した例に限定されることはなく、様々な形状が考えられる。また、押ボタン40の個数、形状、具体的な種類についても適宜設計変更することができる。
図19は、押ボタン箱10のデザインの変形例を模式的に示している。
同図(a)〜(e)の何れの押ボタン箱においても、前面ケースは、ベース本体の開口を前方から覆う状態で、背面側が筐体の斜め後方へ下向きに開口している。ここで前面ケースとベース本体の合わせ目の傾斜角度や、筐体の上面部の傾斜角度、それに前面ケースの前面部の傾斜面の数や傾斜角度は、特に限定されるものではなく、様々な形状に形成することができる。また、必要に応じて同図(e)に示すように、傾斜面は平面ではなく曲面として形成しても良い。
本発明に係る押ボタン箱は、一般道路の交差点等に設置された歩行者用信号灯器の付帯設備であって、該歩行者用信号灯器の作動(例えば点灯色の変更)を指示するための押ボタン箱として幅広く利用することができる。
10…押ボタン箱
11…筐体
20…ベース本体
21…背面部
22…底面部
23…上面部
23a…後方傾斜面
24…側面部
30…前面ケース
30a…凹部
31…前面部
31a…前方傾斜面
31b…前方垂直面
32…側面部
33…孔部
34…開口部
35…枠
36…取付部
37…小孔
40…押ボタン
40A…押ボタン
40B…押ボタン
41…操作面部
41a…ピクトグラム
42…パッキン
43…スペーサー
43a…接触部
44…支持ケース
45…静電容量センサ
50…表示部
60…スピーカー
61…ブラケット

Claims (11)

  1. 歩行者用信号灯器の作動を指示するための押ボタン箱において、
    各種構成部品を収納する筐体の前面部の内面側にスピーカーが配され、
    前記前面部にて前記スピーカーの前面側が対向する箇所に、音を外部に出すための小孔が設けられていることを特徴とする押ボタン箱。
  2. 前記前面部の外面側に押ボタンが配され、前記小孔は、前記押ボタンの内側に隠れる箇所に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の押ボタン箱。
  3. 前記スピーカーは、前記前面部の内面より斜めに傾斜して離隔する状態に支持されていることを特徴とする請求項1または2に記載の押ボタン箱。
  4. 前記筐体は、背面側となり前面側が開口したベース本体と、該ベース本体の開口を前方から覆うように組み合わされて前記押ボタンが配される前面ケースと、から成り、
    前記前面ケースの前面部が、前記筐体の前面部となり、
    前記前面ケースは、前記ベース本体の開口を前方から覆う状態で、背面側が前記筐体の斜め後方へ下向きに開口したことを特徴とする請求項1、2または3に記載の押ボタン箱。
  5. 前記ベース本体は、垂直な背面部と、該背面部の下端縁から前方へ水平に延出した底面部と、前記背面部の上端縁から前記底面部より短く斜め上方へ延出した上面部と、それぞれ側方を囲む側面部とを備え、前面側が斜め前方へ上向きに開口しており、
    前記前面ケースは、前記ベース本体の開口に対して斜め後方へ下向きに被さる形状であり、
    前記ベース本体の底面部に、配管を取り付け可能であることを特徴とする請求項4に記載の押ボタン箱。
  6. 前記前面ケースの前面部は、上半側に斜め前方へ下向きに傾斜した前方傾斜面が形成され、下半側に前記前方傾斜面の下端に連なり垂下する前方垂直面が形成され、
    前記前方傾斜面および前記前方垂直面のそれぞれの外面側に、前記押ボタンが配されたことを特徴とする請求項4または5に記載の押ボタン箱。
  7. 前記前方傾斜面に配された前記押ボタンは、視覚障害者用として設定されていることを特徴とする請求項6に記載の押ボタン箱。
  8. 前記筐体の上面部は、斜め後方へ下向きに傾斜した後方傾斜面であることを特徴とする請求項4、5、6または7に記載の押ボタン箱。
  9. 前記ベース本体の上端側に亘る開口周縁と、該開口周縁を前方から覆う前記前面ケースの上端側に亘る開口周縁との合わせ目は、前記筐体の後方傾斜面上に配されたことを特徴とする請求項8に記載の押ボタン箱。
  10. 前記ベース本体の開口周縁に沿って、突条として延びる凸部および溝状に延びる凹部のいずれか一方が形成され、前記前面ケースの開口周縁に沿って、前記凸部および前記凹部のいずれか他方が形成され、前記凸部が前記凹部内に係合して互いに組み合わされたことを特徴とする請求項9に記載の押ボタン箱。
  11. 前記前面ケースの上端側に亘る開口周縁に、前記ベース本体の上端側に亘る開口周縁を上から覆うように重なり合うフランジが形成されたことを特徴とする請求項9または10に記載の押ボタン箱。
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