JP2016222725A - モノクローナル抗体を生成し、検証し、そして使用するための方法およびシステム - Google Patents

モノクローナル抗体を生成し、検証し、そして使用するための方法およびシステム Download PDF

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Abstract

【課題】モノクローナル抗体を生成し、検証し、そして使用するための方法およびシステムを提供すること。【解決手段】本明細書では、複数のモノクローナル抗体、単一特異性抗体、または免疫沈降抗体を含みうる、抗体のライブラリーが提供される。本明細書ではまた、抗体のライブラリーを作製および使用する方法も提供される。本明細書ではまた、標的を検出する方法であって、(a)標的を、抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップと、(b)前記標的と、前記複数の抗体との結合の存在または非存在を決定するステップと、(c)標的が、ライブラリーの少なくとも1つの抗体に結合する場合に、標的を検出するステップとを含む方法が提供される。【選択図】なし

Description

関連出願への相互参照
本願は、2010年6月16日に出願された米国仮特許出願第61/355,329号の利益を主張し、この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
政府支援の研究に対する陳述
本発明は、国立衛生研究所により授与されたRR020839およびGM076102の下、合衆国政府の支援により成された。政府は本発明に一定の権利を有し得る。
背景
生物医学コミュニティーには、可能な最高度の品質を伴い再現可能な抗体試薬を作製する信頼できる技術を求める重要な必要性が存在する。現在進行しているこの技術パイプラインの改善は、保健研究コミュニティーと、それより大きな生物医学コミュニティーとの両方に直接的な利益をもたらすであろう。
エピトープ、抗原、またはタンパク質の結合または検出は、研究製品業界の大きな構成要素であり、学界および製薬業界の両方に用いられるほか、診断業界および治療剤業界でも用いられる。エピトープ、抗原、またはタンパク質を検出するための抗体の使用は、新たなバイオマーカーの同定および多くのアッセイの実施に用いることができる。例えば、抗体はまた、臨床医学などのための診断適用にも広く用いられる(例えば、ELISAシステムおよびラジオイムノアッセイシステム)。病理学検査室における細胞および組織の解析は、組織切片およびフローサイトメトリー解析における抗体の使用を包含する。抗体はまた、治療剤としても有用である。
抗体の作製は、費用がかかり、時間もかかる可能性があり、このため、ハイスループットの抗体作製法、特に、より費用効果が高く、時間もそれほどかからない、特異性の高い抗体を作製する方法が望ましい。本開示は、これらの必要を満たし、関連する利点を提供する。
要旨
本発明は一般に、抗体を作製し、生成させ、特徴付け、使用する方法およびシステムを含めた、抗体のライブラリーに関する。抗体は、高度に特異性でありうる。一部の実施形態では、抗体がモノクローナル抗体である。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体は同じプラットフォーム(platform)により作製される。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体内または複数の異なる抗体のサブセット内では、各抗体が単一特異性抗体であるか、その標的タンパク質の天然形態に結合するか、モノクローナル抗体であるか、免疫沈降抗体であるか、IgG抗体もしくはIgGアイソタイプ抗体であるか、その標的に対する結合アフィニティーが複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーと同様である(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20%以内である)か、その標的に対する結合アフィニティーが少なくとも10−7M(K)(例えば、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど)であるか、またはこれらの任意の組合せである。
抗体のライブラリーは、高い再現性で作製することができる。例えば、第1の抗体のライブラリーおよび第2の抗体のライブラリーでは、第1および第2のライブラリーが、異なる抗体の同じセットを含み、第1のライブラリーの各抗体が有する結合アフィニティーが、第2のライブラリーの同じ抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20%以内である。
本発明の一態様は、複数の異なる抗体を含み、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%が、同じプラットフォームにより作製される、抗体のライブラリーである。一実施形態では、ライブラリーが、複数の異なる抗体を含み、複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームにより作製される。
同じプラットフォームにより作製される複数の抗体のうちの各抗体は、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態(native form)に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
同じプラットフォームにより作製される抗体は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
さらに別の実施形態では、同じプラットフォームにより作製される抗体は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合し、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7Mである場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
同じプラットフォームにより作製される抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明の別の態様は、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など、少なくとも10%が単一特異性抗体である、抗体のライブラリーである。複数の異なる抗体のうちの各単一特異性抗体は、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
ライブラリーのうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%を含む単一特異性抗体は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10%の複数の単一特異性抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%を含む単一特異性抗体は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10%の複数の単一特異性抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%を含む単一特異性抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本明細書ではまた、複数の異なる抗体を含み、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%の、その標的である、その標的タンパク質に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である、抗体のライブラリーも提供される。その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である複数の抗体のうちの各抗体は、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である抗体は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である抗体は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明の別の態様は、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%が、その標的タンパク質の天然形態に結合する、抗体のライブラリーである。一実施形態では、ライブラリーが、複数の異なる抗体を含み、複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、その標的タンパク質の天然形態に結合する。その標的タンパク質の天然形態に結合する複数の異なる抗体のうちの各抗体は、単一特異性抗体である場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
その標的タンパク質の天然形態に結合する抗体は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
さらに別の実施形態では、その標的タンパク質の天然形態に結合する抗体は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
その標的タンパク質の天然形態に結合する抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明の別の態様は、少なくとも75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なるモノクローナル抗体など、少なくとも50の異なるモノクローナル抗体を含む、抗体のライブラリーである。ライブラリーの各抗体は、単一特異性である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
さらに別の実施形態では、少なくとも75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体など、少なくとも50の異なるモノクローナル抗体を含む抗体のライブラリーが、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合し、モノクローナル抗体またはモノクローナル抗体のサブセットが単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
少なくとも75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なるモノクローナル抗体など、少なくとも50の異なるモノクローナル抗体を含む抗体のライブラリーが、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、モノクローナル抗体またはモノクローナル抗体のサブセットが単一特異性である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明のさらに別の態様は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%など、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%に結合する複数の異なる抗体を含む、抗体のライブラリーである。複数の異なる抗体の各抗体は、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%など、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%に結合する複数の異なる抗体を含む抗体のライブラリーは、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%など、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%に結合する複数の異なる抗体を含む抗体のライブラリーは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明の別の態様は、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など、少なくとも10%の、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である、抗体のライブラリーである。複数の異なる抗体のうちの各抗体は、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7Mである場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など、少なくとも10%の、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である抗体のライブラリーは、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
さらに別の実施形態では、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など、少なくとも10%の、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である抗体のライブラリーは、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合し、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など、少なくとも10%の、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である抗体のライブラリーは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本明細書ではまた、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%が、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である、抗体のライブラリーも提供される。一実施形態では、ライブラリーが、複数の異なる抗体を含み、複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームにより作製されるIgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)である。各IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)は、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
さらに別の実施形態では、IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合し、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本発明の別の態様は、抗体のライブラリーおよび基材を含むアレイであり、抗体、または抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%などのサブセットが、基材上に固定化されている。基材は、平面の場合もあり、粒子の場合もあり、固体材料を含む場合もあり、多孔性材料を含む場合もある。固定化は、可逆性の場合もあり、不可逆性の場合もある。
アレイは、複数の異なる抗体を含む抗体のライブラリーを含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
アレイは、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含む抗体のライブラリーを含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7Mである場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
アレイは、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合する抗体のライブラリーを含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
アレイは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能な抗体のライブラリーを含むことが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本明細書ではまた、抗体のライブラリーを作製する方法であって、(a)動物を、複数の抗原で免疫化するステップと、(b)抗体生成細胞を、前記動物から単離するステップと、(c)複数の抗体を、前記抗体生成細胞から単離するステップと、(d)ステップc)の前記複数の抗体を、ヒトプロテオームアレイによりスクリーニングするステップであって、ヒトプロテオームアレイが、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%、または表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%を含むことが可能であるステップと、(e)プロテオームアレイに単一特異性である抗体を選択するステップとを含む方法も提供される。一部の実施形態では、ステップ(e)で選択された抗体を、ライブラリーに付加するが、この場合、ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
方法は、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含むことが可能な抗体のライブラリーを作製することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、その標的タンパク質の変性形態には結合せず、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
方法は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能な抗体のライブラリーを作製することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
方法は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能な抗体のライブラリーを作製することが可能であり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
抗体のライブラリーを作製する方法は、免疫細胞化学を実施すること、または前記抗体生成細胞に由来する抗体の、天然タンパク質など、1または複数の標的抗原を含む混合物との結合を決定することなどを介して、ステップc)の前に、抗体生成細胞に由来する複数の抗体をプレスクリーニングするステップをさらに含みうる。混合物は、粗溶解物、1もしくは複数の細胞、1もしくは複数のタンパク質、1もしくは複数のペプチド、または1もしくは複数の核酸、あるいは生物学的試料を含み、生物学的試料は、細胞混合物、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液(broncheoalveolar lavage fluid)、精液、前立腺液、カウパー液(Cowper’s fluid)、尿道球腺液(pre−ejaculatory fluid)、女性射精液(female ejaculate)、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血(menses)、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔(sinus cavity)からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液(blastocyl cavity fluid)、または臍帯血でありうるがこれらに限定されない。
抗体のライブラリーを作製する方法は、動物を複数の抗原で免疫化するステップを含む場合があり、複数の抗原は、粗溶解物、1もしくは複数の細胞、1もしくは複数のタンパク質、1もしくは複数のペプチド、または1もしくは複数の核酸を含みうる。複数の抗原はまた、生物学的試料も含む場合があり、生物学的試料は、細胞混合物、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液、尿道球腺液、女性射精液、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液、または臍帯血でありうるがこれらに限定されない。一部の実施形態では、複数の抗原が、少なくとも12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原など、少なくとも11,000の異なる抗原を含む。一部の実施形態では、複数の抗原が、ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%など、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%を含む。
抗体のライブラリーを作製するときの抗体生成細胞は、B細胞でありうる。抗体のライブラリーを作製する方法は、抗体を基材へと固定化するステップをさらに含む場合があり、基材は、平面の場合もあり、粒子の場合もあり、固体材料を含む場合もあり、多孔性材料を含む場合もあり、これらの任意の組合せの場合もある。抗体は、基材上に可逆的に固定化することもでき、不可逆的に固定化することもできる。
本明細書ではまた、ヒトタンパク質に単一特異性である抗体を同定する方法であって、(a)複数の抗体を、ヒトプロテオームアレイと接触させるステップと、(b)前記複数の抗体と、ヒトプロテオームアレイ上に存在する標的との結合を決定するステップと、(c)抗体がプロテオームアレイ上の単一に単一特異性である場合に、前記抗体を単一特異性と同定するステップであって、ヒトプロテオームアレイが、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%、または表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、もしくは100%を含むことが可能であるステップとを含む方法も提供される。
本明細書ではまた、標的に対する抗体を同定する方法であって、(a)標的を、抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップと、(b)前記標的と、前記複数の抗体との結合を決定するステップと、(c)標的が、ライブラリーの抗体に結合する場合に、標的に対する抗体を同定するステップとを含む方法も提供される。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
標的に対する抗体を同定する方法は、標的を、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含む、抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップを含む場合があり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
標的に対する抗体を同定する方法は、標的を、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能な抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップを含む場合があり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
標的に対する抗体を同定する方法は、標的を、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合することが可能な抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップを含む場合があり、抗体または抗体のサブセットは、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。
本明細書ではまた、標的を検出する方法であって、(a)標的を、抗体のライブラリー、または抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるステップと、(b)前記標的と、前記複数の抗体との結合の存在または非存在を決定するステップと、(c)標的が、ライブラリーの少なくとも1つの抗体に結合する場合に、標的を検出するステップとを含む方法が提供される。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームから作製される場合もあり、単一特異性抗体である場合もあり、その標的タンパク質の天然形態に結合する場合もあり、モノクローナル抗体である場合もあり、免疫沈降抗体である場合もあり、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、同じプラットフォームにより作製された複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内など、少なくとも20%以内である場合もあり、その標的に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7M(K)である場合もあり、またはこれらの任意の組合せである場合もある。一部の実施形態では、方法が、複数の標的を検出するステップをさらに含む。一部の実施形態では、方法が、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる標的を検出するステップを含む。一部の実施形態では、方法が、1または複数の標的のレベルを検出するステップを含む。
本発明の好ましい実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
複数の異なる抗体を含む抗体のライブラリーであって、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%が、同じプラットフォームにより作製される、抗体のライブラリー。
(項目2)
前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、前記同じプラットフォームにより作製される、項目1に記載のライブラリー。
(項目3)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体が単一特異性抗体である、項目1から2に記載のライブラリー。
(項目4)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体の、その標的タンパク質に対する結合アフィニティーが少なくとも10−7M(K)である、項目1から3に記載のライブラリー。
(項目5)
前記結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mである、項目4に記載のライブラリー。
(項目6)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体がその標的タンパク質の天然形態に結合する、項目1から5に記載のライブラリー。
(項目7)
前記複数の異なる抗体が少なくとも50の異なる抗体を含む、項目1から6に記載のライブラリー。
(項目8)
前記複数の異なる抗体が少なくとも75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なる抗体を含む、項目7に記載のライブラリー。
(項目9)
前記複数の異なる抗体がヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%に結合する、項目1から8に記載のライブラリー。
(項目10)
前記複数の異なる抗体が、ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合する、項目9に記載の抗体のライブラリー。
(項目11)
前記複数の異なる抗体が表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合する、項目1から10に記載のライブラリー。
(項目12)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体が有する、その標的に対する結合アフィニティーが、前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも20%以内である、項目1から11に記載のライブラリー。
(項目13)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体が有する、その標的に対する結合アフィニティーが、前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19%以内である、項目12に記載のライブラリー。
(項目14)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体がモノクローナル抗体である、項目1から13に記載のライブラリー。
(項目15)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体が免疫沈降抗体である、項目1から14に記載のライブラリー。
(項目16)
前記同じプラットフォームにより作製される前記複数の抗体のうちの各抗体がIgG抗体である、項目1から15に記載のライブラリー。
(項目17)
項目1から16に記載の抗体のライブラリーを含むアレイであって、各抗体が基材上に固定化されているアレイ。
(項目18)
前記基材が平面である、項目17に記載のアレイ。
(項目19)
前記基材が粒子である、項目17に記載のアレイ。
(項目20)
前記基材が固体材料を含む、項目17から19に記載のアレイ。
(項目21)
前記基材が多孔性材料を含む、項目17から19に記載のアレイ。
(項目22)
前記固定化が可逆性である、項目17から21に記載のアレイ。
(項目23)
前記固定化が不可逆性である、項目17から21に記載のアレイ。
(項目24)
項目1から16に記載のライブラリーを作製する方法であって、
a)動物を、複数の抗原で免疫化するステップと、
b)抗体生成細胞を、前記動物から単離するステップと、
c)複数の抗体を、前記抗体生成細胞から単離するステップと、
d)ステップc)の前記複数の抗体を、ヒトプロテオームアレイによりスクリーニングするステップと、
e)前記プロテオームアレイ上の単一の標的に単一特異性である抗体を、前記ライブラリーのために選択するステップと
を含む方法。
(項目25)
ステップc)の前に、前記抗体生成細胞に由来する前記複数の抗体をプレスクリーニングするステップをさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記プレスクリーニングするステップが、免疫細胞化学を実施することによる、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記プレスクリーニングするステップが、前記抗体生成細胞に由来する抗体の、1または複数の標的抗原を含む混合物との結合を決定することによる、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記混合物が、粗溶解物、細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸を含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記混合物が生物学的試料を含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記複数の抗原が、粗溶解物、細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸を含む、項目24から29に記載の方法。
(項目31)
前記複数の抗原が生物学的試料を含む、項目24から29に記載の方法。
(項目32)
前記生物学的試料が、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液、尿道球腺液、女性射精液、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液、または臍帯血である、項目29および31に記載の方法。
(項目33)
前記複数の抗原が、少なくとも11,000の異なる抗原を含む、項目24から32に記載の方法。
(項目34)
前記複数の抗原が、少なくとも12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原を含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記複数の抗原が、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%を含む、項目24から32に記載の方法。
(項目36)
前記複数の抗原が、ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含む、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記抗体生成細胞がB細胞である、項目24から36に記載の方法。
(項目38)
前記抗体を基材へと固定化するステップをさらに含む、項目24から37に記載の方法。
(項目39)
前記基材が平面である、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記基材が粒子である、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記基材が固体材料を含む、項目38から40に記載の方法。
(項目42)
前記基材が多孔性材料を含む、項目38から40に記載の方法。
(項目43)
前記固定化が可逆性である、項目38から42に記載の方法。
(項目44)
前記固定化が不可逆性である、項目38から42に記載の方法。
(項目45)
ヒトタンパク質に単一特異性である抗体を同定する方法であって、
a)複数の抗体を、ヒトプロテオームアレイと接触させるステップと、
b)前記複数の抗体と、前記ヒトプロテオームアレイ上に存在する標的との結合を決定するステップと、
c)抗体が前記プロテオームアレイ上の単一の標的に結合する場合に、前記抗体を単一特異性と同定するステップと
を含む方法。
(項目46)
前記ヒトプロテオームアレイが、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%を含む、項目24から45に記載の方法。
(項目47)
前記ヒトプロテオームアレイが、ヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含む、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記ヒトプロテオームアレイが、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含む、項目24から47に記載の方法。
(項目49)
標的に対する抗体を同定する方法であって、
a)標的を、項目1から16に記載の抗体のライブラリーと接触させるステップと、
b)前記標的と、前記複数の抗体との結合を決定するステップと、
c)前記標的が、前記ライブラリーの抗体に結合する場合に、前記標的に対する抗体を同定するステップと
を含む方法。
(項目50)
標的に対する抗体を同定する方法であって、
a)標的を、項目17から23に記載のアレイと接触させるステップと、
b)前記標的と、前記複数の抗体との結合を決定するステップと、
c)前記標的が、前記アレイの抗体に結合する場合に、前記標的に対する抗体を同定するステップと
を含む方法。
(項目51)
標的を同定する方法であって、
a)標的を、項目1から16に記載の抗体のライブラリーと接触させるステップと、
b)前記標的と、前記複数の抗体との結合を決定するステップと、
c)前記標的が、前記ライブラリーの抗体に結合する場合に、前記標的を同定するステップと
を含む方法。
(項目52)
標的を同定する方法であって、
a)標的を、項目17から23に記載のアレイと接触させるステップと、
b)前記標的と、前記複数の抗体との結合を決定するステップと、
c)前記標的が、前記アレイの抗体に結合する場合に、前記標的を同定するステップとを含む方法。
参照による組込み
本明細書において言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個別の刊行物、特許、または特許出願が、参照により組み込まれることが明確かつ個別に示されたと仮定した場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の新規の特徴は、付属の特許請求の範囲において、具体的に示される。本発明の原理が用いられる例示的な実施形態と、付属の図面とを示す以下の詳細な記載を参照することにより、本発明の特徴および利点についてのより良い理解が得られるであろう。
図1は、A.動物を免疫化し、動物からハイブリドーマを生成させ、ハイブリドーマを播種し、作製された抗体をライブラリーに対してプロービングし、所望のプロファイルを伴う抗体を選択することにより、抗体を選択する方法を示す図であり、B.生細胞の免疫化、ハイブリドーマの選択、MAbの同定、および検証により、超特異的モノクローナル抗体(MAb)を作製および検証する方法を示す図である。 図1は、A.動物を免疫化し、動物からハイブリドーマを生成させ、ハイブリドーマを播種し、作製された抗体をライブラリーに対してプロービングし、所望のプロファイルを伴う抗体を選択することにより、抗体を選択する方法を示す図であり、B.生細胞の免疫化、ハイブリドーマの選択、MAbの同定、および検証により、超特異的モノクローナル抗体(MAb)を作製および検証する方法を示す図である。 図2は、3Dプーリング戦略を示す図である。 図3は、8,064のクローンのBsrGI消化を伴う、目的とするベクターへのLR組換えクローニングのフローチャートを示す図である。 図4は、ヒトプロテオームチップの作製を示す図である。A.17,000のヒトタンパク質を、N末端GST−His×6融合タンパク質の形態で精製し、銀染色および免疫ブロット解析により品質をモニタリングしたことを示す図である。B.17,000の精製されたヒトタンパク質および対照を、単一のスライドガラス上に2連でスポットしたことを示す図である。固定化されたタンパク質は、抗GSTで可視化した。C.B.の高倍率画像により、アレイが高品質であることを示す図である。 図5は、ヒトタンパク質チップ上のモノクローナル抗体(mAb)の品質プロファイリングを示す図である。A.1,058のタンパク質によるヒトタンパク質チップのGST画像を示す図である。B.ピリンに対して生成させたモノクローナル抗体(mAb)を、チップ上の1,058のタンパク質に対して試験したところ、ピリンだけが認識されたことを示す図である。紫色のボックスは、マウスIgGランドマークを示す。C.他の4つのmAbもまた、抗ピリンmAbと同様の特異性を示したことを示す図である。 図6は、プーリング戦略により、mAbの特異性についてのタンパク質マイクロアレイ解析が容易となることを示す図である。ハイブリドーマの上清(A〜L)を、「垂直方向」のプールおよび「水平方向」のプールに組み合わせ、次いで、ヒトタンパク質マイクロアレイを用いて、これらの結合特異性を試験した。マイクロアレイ上のどのタンパク質には、垂直方向のプールと水平方向のプールとのどのような組合せが結合するのかを決定することにより、個別のmAbの特異性を同定する。本明細書で示される例では、特定のタンパク質を認識するmAbプールを、Xにより示す。結果は、「D」のmAbを含有するプールだけが、抗原を認識することを示す。 図7は、細菌について開発された、ハイスループットのタンパク質精製プロトコールを示す図である。A.プロトコールの概略を示す図である。B.1.5mLのE.coli培養物から精製されたタンパク質についてのクーマシー染色を示す図である。C.E.coliによるプロテオームチップの作製を示す図である。 図8は、ICCを用いる、4つのヒトタンパク質の細胞内局在化を示す図である。それらの細胞内局在化について公知でないC11orf68、CNTD1、DYDC2、およびTXNDC9が、今や、それぞれ、ミトコンドリア、細胞質ゾル、細胞膜、および小胞体/ゴルジ装置に局在化されている。 図9は、mMAb(単一特異性モノクローナル抗体)の検証および特徴付けを示す図である。細胞を、V5でタグ付けした抗原構築物(レーン1)、もしくは空ベクター(レーン2)でトランスフェクトするか、またはそれらの対応するshRNA構築物を伴う抗原構築物で共トランスフェクトした(レーン3)。トランスフェクションの2日後、細胞を溶解させ、対応する各mMAbで免疫ブロッティングした(上パネル)。比較として、同じブロットをストリッピングし、抗V5抗体で再プロービングした(下パネル)。 図10は、多くのmMAbが、IPグレードであることを示す図である。V5でタグ付けした抗原構築物でトランスフェクトしたHeLa細胞を、それらの対応するmMAbで免疫沈降させ、抗V5抗体で免疫ブロッティングした。レーン1:投入された:レーン2:mMAbにより免疫沈降した抗原、レーン3:IgGによる陰性対照、レーン4:抗V5抗体による陽性対照。 図11は、抗HNRPC mMAbの特徴付けを示す図である。A.抗HNRPCを用いるICC解析により、異なる核内局在化が明確に示されることを示す図である。B.トランスフェクトされたHeLa細胞が、抗HNRPCによりIP処理され、抗V5により免疫ブロッティングされた後で、V5でタグ付けされたHNRPCの単一バンドが可視化されることを示す図である。抗マウスIgGおよび抗V5抗体を、それぞれ、陰性対照および陽性対照として用いた。C.使用してChIPを実施して成功したことを示す図である。 図12は、斜入射反射率差(OIRD)法を用いるmAbアフィニティーの逐次測定を示す図である。赤色、青色、および黒色の曲線は、それぞれ、抗ウサギ二次抗体、抗マウス二次抗体、および抗ヒト二次抗体でパイロットIgGマイクロアレイをプロービングすることにより得た、なめらかに平均されたIm{OIRD}値を表す。赤色の点線は、飽和相の推定される出発点を示す。
本発明は一般に、抗体を作製し、生成させ、特徴付け、使用する方法およびシステムを包含する抗体のライブラリーに関する。抗体は、高度に特異性でありうる。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体は同じプラットフォームにより作製される。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体内または複数の異なる抗体のサブセット内では、各抗体が単一特異性抗体であるか、その標的タンパク質の天然形態に結合するか、モノクローナル抗体であるか、免疫沈降抗体であるか、IgG抗体もしくはIgGアイソタイプ抗体であるか、その標的に対する結合アフィニティーが複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーと同様であるか、その標的に対する結合アフィニティーが少なくとも10−7M(K)であるか、またはこれらの任意の組合せである。
プラットフォーム
抗体のライブラリーは、同じプラットフォームにより作製される複数の異なる抗体を含みうる。一実施形態では、抗体のライブラリーが、複数の異なる抗体を含み、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%が、同じプラットフォームにより作製される。例えば、ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、前記複数の異なる抗体のうちの少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、同じプラットフォームにより作製される。
第1の抗体と第2の抗体とが同じプロトコールにより作製される場合、抗体は、同じプラットフォームにより作製されると考えられる。例えば、複数の抗体は、図1Aおよび/またはBに示されるプラットフォームにより作製することができる。図1Aのステップ102で示される通り、一実施形態では、動物を、複数の抗原で免疫化することができる。動物は、ウシ、ニワトリ、イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、または霊長動物など、ヒト以外の動物でありうる。動物は、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、またはヤギなど、哺乳動物でありうる。
複数の抗原は、精製された細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸など、精製された試料を含む場合もあり、精製されていない細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸など、精製されていない試料を含む場合もある。別の実施形態では、複数の抗原が、粗溶解物、または精製されていない細胞、タンパク質、ペプチド、もしくは核酸試料など、精製されていない試料を含む場合もある。
複数の抗原は、生物学的試料を含みうる。例えば、複数の抗原は、生物に由来する単一の細胞もしくは複数の細胞、タンパク質、代表的なペプチド、または組織を含みうる。生物は、ヒトの場合もあり、ヒト以外の場合もある。ヒト以外の生物は、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、またはヤギなど、哺乳動物でありうる。生物学的試料は、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液、尿道球腺液、女性射精液、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液、または臍帯血でありうる。一実施形態では、生物学的試料から、アルブミンまたはIgGなどであるがこれらに限定されない、一般的な血清タンパク質を実質的に枯渇させることができる。枯渇は、濾過、画分化、またはアフィニティー精製を含みうる。
生物学的試料は、幹細胞、未分化細胞、分化細胞、または疾患を患う対象もしくは特定の状態を伴う対象に由来する細胞などの細胞を含みうる。疾患または状態は、がん、炎症性疾患、免疫疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、神経疾患、感染性疾患、代謝性疾患、または周産期状態でありうる。例えば、がんは、乳がん、卵巣がん、肺がん、結腸がん、結腸直腸がん、前立腺がん、黒色腫、膵臓がん、脳腫瘍、血液腫瘍、肝細胞癌、子宮頸がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、食道がん、消化器間質腫瘍(GIST)、腎細胞癌(RCC)、または胃がんでありうる。
複数の抗原はまた、生物により過剰発現されるタンパク質など、細菌(E.coliなどであるがこれに限定されない)細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、または昆虫細胞において生成した試料も含みうる。対象の抗原を発現する過剰発現細胞または過剰発現細胞混合物の形態などにおける、精製された抗原または精製されていない抗原を用いて、動物を免疫化することができる。
複数の抗原は、少なくとも12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原など、少なくとも11,000の異なる抗原を含みうる。
次いで、ステップ104では、複数の抗体を作製するために、動物に由来するリンパ球様細胞などの抗体生成細胞を単離することができる。抗体生成細胞を用いて、ハイブリドーマを生成させることができる。抗体生成細胞は、B細胞でありうる。B細胞を骨髄腫細胞に融合させて、ハイブリドーマを創出することができる。骨髄腫細胞の例には、NS−1細胞、P3U1細胞、SP2/0細胞、AP−1細胞などの細胞が含まれるがこれらに限定されない。
次いで、ステップ106では、ハイブリドーマ細胞などの抗体生成細胞を用いて、クローン系を生成させることができる。例えば、ハイブリドーマ細胞を半固体培地上に置いて、クローン系を迅速に生成させることができる。蛍光タグ付けした抗原またはアイソタイプ特異的プローブを用いて、特徴付けおよび増殖のための対象のクローンを単離することができる。
ステップ108では、対象のクローンを抗原のライブラリーに対してプロービングし、各抗体が認識する抗原を検出し、同時に、抗体がどの抗原には反応しないかについての情報を得る(偽陽性を排する)。抗原のライブラリーは、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を代表しうる。抗原のライブラリーは、細菌プロテオーム、ウイルスプロテオーム、真菌プロテオームなど、生物プロテオームの実質的部分または全体を代表しうる。抗原のライブラリーは、昆虫のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もある。例えば、抗原のライブラリーは、少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原を含みうる。抗原のライブラリーは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。抗原のライブラリーはまた、過剰発現細胞(E.coli細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または他の生物の細胞)のコレクションなど、精製されていない形態において生物のプロテオームを代表する、融合タンパク質ライブラリーも含みうる。
プロービングは、融合タンパク質などの抗原を過剰発現する細胞、または異なる細胞系(がん細胞系など)の細胞をアレイし、ハイブリドーマ上清を、アレイされた細胞に対して試験することにより実施することができる。アレイされた細胞は、透過処理することができる。プロービングはまた、蛍光フローサイトメトリーを介して実施することもでき、標的は、PCRまたは細胞内の組換えDNAの配列解析を介して同定することができる。
ステップ110では、抗体が所望のプロファイルを有する。選択される抗体は、その生物のプロテオームライブラリー内の1つの標的だけを認識し、他の標的とは交差反応しない、高度に特異的なモノクローナル抗体でありうる。これらのモノクローナル抗体を分泌する細胞系は、増殖させることができる。同じプラットフォームまたはプロトコールにより作製される抗体を用いて、抗体のライブラリーを作製または形成することができる。
抗体がライブラリーを作製する方法において、以下でさらに記載される方法またはプロトコールなど、同じ方法またはプロトコールにより作製される場合、抗体はまた、同じプラットフォームによっても作製することができる。
単一特異性
抗体のライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、各抗体は、その標的に対する特定の結合特異性を有する。例えば、抗体のライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体は単一特異性である。一実施形態では、抗体のライブラリーが、複数の異なる抗体を含み、複数の抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、単一特異性である。
抗体は、表5に列挙される抗原を含むアレイ上でインキュベートする場合、タンパク質または抗原に対して、A値が6を超え、S値が3を超える場合に、単一特異性である。ある抗体について、アレイ全体にわたる平均シグナル強度を超える標準偏差の数を、A値と称する。ある抗体について、シグナル強度を、アレイ全体に対してランク付けする場合、アレイ上の最大のシグナルと、2番目に大きなシグナルとの差を、S値とする。例えば、抗体生成細胞またはハイブリドーマに由来する個別の上清を、12×12の二次元プールのセットへと組み合わせ、これらのプールをアレイ(ヒトプロテオームマイクロアレイなど)上でインキュベートし、抗体を標識化する(Cy5を結合させた抗IgG二次抗体、または抗体を検出する任意の他の方法などを介して)ことにより、計算することができる。洗浄および走査の後、各スポットのシグナル強度(アレイ上におけるタンパク質または抗原に対する抗体の結合を表す)を、バックグラウンドシグナルに対するフォアグラウンドシグナルの比として検出する。アレイ全体にわたる平均シグナル強度を超える標準偏差の数を、A値と称する。A>3である二連スポット(タンパク質または抗原の各二連対について)を標識付けし、結果をデコンボリュートして、単一の水平方向プールと単一の垂直方向プールとの交点に存在し、したがって、個別のモノクローナル抗体により認識されるタンパク質または抗原を同定する。高度に特異的な各候補モノクローナル抗体(すなわち、A>3)を、アレイ全体に対して個別に試験し、スポットされた各タンパク質についてAを測定する。次いで、シグナル強度を、ランク付けし、アレイ上の最大のシグナルと、2番目に大きなシグナルとの差を計算し、S値をもたらす。A>6かつS>3であるモノクローナル抗体を、単一特異性モノクローナル抗体(mMAb)として同定する。二重特異性モノクローナル抗体(dMAb)は、アレイ上の2つの異なるタンパク質に強く結合し、A>6かつS<3である。
一部の実施形態では、mMAbは、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100を超えるA値を、かつ/または、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100を超えるS値を有することができる。
一実施形態では、抗体の単一特異性を決定するためのアレイが、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%など、生物のプロテオームライブラリーを含む。抗原のライブラリーは、細菌プロテオーム、ウイルスプロテオーム、真菌プロテオームなど、生物プロテオームの実質的部分または全体を代表しうる。抗原のライブラリーは、昆虫のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もある。例えば、生物のプロテオームライブラリーは、少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原を含みうる。生物のプロテオームライブラリーは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。
結合アフィニティー
抗体のライブラリーは、その標的に対する特定の結合アフィニティーを有する、複数の異なる抗体を含みうる。例えば、ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%が、特定の結合アフィニティーを有する。例えば、複数の抗体は、その解離定数(K)により決定される、その標的タンパク質に対する結合アフィニティーが、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど、少なくとも10−7Mでありうる。
複数の抗体の結合アフィニティーは、その会合速度定数(kon)により測定することができ、この場合、複数の抗体の結合アフィニティーは、少なくとも10−1−1、少なくとも5×10−1−1、少なくとも10−1−1、少なくとも5×10−1−1、少なくとも10−1−1、少なくとも5×10−1−1、少なくとも10−1−1、少なくとも5×10−1−1、または少なくとも10−1−1である。複数の抗体の結合アフィニティーは、その解離速度定数(koff)により測定することができ、この場合、複数の抗体の結合アフィニティーは、10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、または10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、10−1−1未満、5×10−1−1未満、または1010−1−1未満である。
結合アフィニティーは、表面プラズモン共鳴、クロマトグラフィー、または当技術分野で公知の他の任意の方法により決定することができる。結合アフィニティーはまた、生体分子間相互作用を検出するリアルタイム法および/または無標識法などを用いることによって、光学的にも決定することができる。一実施形態では、斜入射反射率差(OIRD)法を用いる。
抗体のライブラリーは、その標的タンパク質の天然形態に結合する複数の異なる抗体を含みうる。例えば、ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%は、その標的タンパク質の天然形態に結合する。一実施形態では、その標的タンパク質の天然形態に結合する複数の抗体が同じ結合条件下において、その標的タンパク質の変性形態には結合しない。
抗体のライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、ライブラリーのうちの1または複数の抗体のその標的に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーと同様である。例えば、抗体のライブラリーは、第1の抗体および第2の抗体を含むことが可能であり、第1のタンパク質に対する第1の抗体の結合アフィニティーは、第2のタンパク質に対する第2の抗体の結合アフィニティーと同様である。ライブラリーのうちの1つの抗体のその標的に対する結合アフィニティーは、ライブラリーのうちの1または複数の他の抗体の結合アフィニティーの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%以内でありうる。ライブラリーの第1の抗体のその標的に対する結合アフィニティーは、ライブラリーのうちの1または複数の他の抗体の結合アフィニティーの少なくとも20%以内でありうる。一実施形態では、抗体のライブラリーが、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の、その標的タンパク質に対する結合アフィニティーが、複数の異なる抗体のうちの残りの抗体の、それらの各標的タンパク質に対する結合アフィニティーの少なくとも20%以内である。
プロテオーム
本明細書ではまた、生物のプロテオームの一部に結合する複数の異なる抗体を含みうる抗体のライブラリーも提供される。複数の異なる抗体は、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合しうる。例えば、複数の異なる抗体は、生物の少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000のタンパク質に結合しうる。プロテオームは、細菌プロテオーム、ウイルスプロテオーム、真菌プロテオームでありうる。プロテオームは、昆虫のプロテオームの場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物のプロテオームの場合もある。一部の実施形態では、プロテオームが、ヒトプロテオームである。
例えば、複数の異なる抗体がヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%に結合しうる。一実施形態では、複数の異なる抗体がヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合しうる。複数の異なる抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合しうる。
他の抗体の特徴
抗体のライブラリーはまた、複数の異なる抗体も含むことが可能であり、抗体は、IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)である。例えば、抗体のライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%は、IgG抗体またはIgGアイソタイプ抗体である。
抗体のライブラリーはまた、複数の異なる抗体も含むことが可能であり、抗体は、免疫沈降抗体である。例えば、抗体のライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%は、免疫沈降抗体である。免疫沈降抗体とは、抗体を含まない陰性対照および抗V5抗体による陽性対照と比較して、細胞ホモジネートに由来する標的タンパク質を免疫沈降させうる抗体である。免疫沈降した標的の検出は、ウェスタンブロットを介して可能となる。免疫沈降は、清明化された細胞溶解物および約2μgの抗体の後で、4℃で2時間にわたりインキュベーションし、次いで、基材を添加して、任意の抗体−タンパク質複合体(プロテインGによるDynabeadなど)に結合させ、次いで、4℃でさらに2時間にわたるインキュベーションにより実施することができる。インキュベーション後、基材を、氷冷TBSTなどで2回にわたり洗浄し、基材を新たな反応容器へと移し、氷冷TBSTで再び洗浄してから、SDS−PAGEおよびウェスタンブロット解析にかける。
生物学的経路
一態様では、本発明が、共通経路の抗原に特異的な複数の抗体を含む抗体のライブラリーに関する。抗原は、明確な特徴を遺伝子のセットおよびそれらの産物に割り当てるコレクションである遺伝子オントロジーにおいて、1または複数の属性を共有する場合に、共通経路に属する。Gene Ontology(「GO」)Consortiumにより運営されている上記オントロジーは、この点で特に有用である。共通経路に属する抗原は、1または複数の属性を共有する遺伝子について、GOなどの遺伝子オントロジーを検索することにより同定することができる。共通の属性は、例えば、共通の構造的特徴、共通の場所、共通の生物学的過程、または共通の分子的機能でありうるであろう。
ヒト遺伝子およびヒトタンパク質の機能に関する、論評される公表文献において存在する情報の豊かさは、Gene Ontology(GO)Consortium(http://www.geneontology.org/)により運営されている、管理された語彙の共同システムを用いて構成および維持されている。ヒトゲノムにおける約40,000の転写単位のうち、約20,000は、注記のあるタンパク質をコードし、これらのタンパク質のうちの約14,000は、GOデータベースにおいて機能が注記されている。GOデータベースに包含される機能の注記は、階層的に構成されており、この情報にはGOデータベースからアクセスし、同じ生物学的過程に関与するか、同じ細胞成分中に存在するか、または同じ分子的機能を果たすことが注記されている、ヒトゲノム内の全ての遺伝子について検索することが可能である。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、遺伝子オントロジーにより注記される同じ生物学的過程または同じ分子的機能に関与する遺伝子の発現産物である。この1つの例は、DNA損傷に対する応答に関与する遺伝子である。別の例は、特定の組織、細胞型、または器官の転写因子の遺伝子産物など、転写因子の遺伝子産物である。一例は、脳の転写因子の遺伝子産物である。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、全て同じ転写因子タンパク質、転写因子タンパク質の複合体、他の核酸結合タンパク質、または他の分子が結合する遺伝子の遺伝子産物である。これらの相互作用は、生細胞において(in vivoにおいて)生じる場合もあり、精製された分子の溶液中で(in vitroにおいて)生じる場合もある。例えば、低酸素症誘導転写因子タンパク質が結合する遺伝子の全ての遺伝子産物である。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、それらの転写物レベルまたはタンパク質レベルが、処置または同じ刺激に対する曝露に際して変化し、このため、共制御される遺伝子の遺伝子産物である。例えば、UV照射に対する曝露時に誘導または抑制される全ての抗原である。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、類似の配列特徴を含有する抗原である。これらの特徴は、DNA配列モチーフの場合もあり、DNA配列モチーフのコレクションの場合もあり、ランダムゲノム配列のバックグラウンドモデルから識別可能な高次の配列特徴の凝縮の場合もある。本明細書で用いられる配列モチーフとは、2つ以上の核酸塩基(A、T、C、またはG)の連なりである。DNA配列モチーフは、コンセンサス配列により規定することもでき、モチーフの各位置における各塩基の識別を確率として定義する確率行列により規定することもできる。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、それらの配列、転写物、またはタンパク質が、代謝性形質転換および/または物理的なタンパク質間相互作用、タンパク質−DNA間相互作用、およびタンパク質−化合物間相互作用を介して連結される遺伝子の遺伝子産物でもありうるであろう。酵素がこれらの反応を触媒し、適正に機能するには、食餌中のミネラル、ビタミン、および他の共因子を必要とすることが多い。関与しうる化学物質が多いために、経路は、極めて精密でありうる。
一部の実施形態では、経路のメンバーが、共通の構造または機能的属性を共有する。例えば、タンパク質は、亜鉛フィンガーまたは膜貫通領域などの共通配列モチーフを共有しうるであろう。
一部の実施形態では、共通経路内の抗原が、同じシグナル伝達経路に属する。生物学において、シグナル伝達とは、細胞が、1つの種類のシグナルまたは刺激を、酵素により実行され、第2のメッセンジャーにより活性化され、その結果、シグナル伝達経路として考えられる経路をもたらす、細胞内部の生化学的反応の順序付けられた連鎖を伴うことが極めて多い別のシグナルまたは刺激へと変換する任意の過程を指すことが典型的である。通常、シグナル伝達は、細胞外のシグナル伝達分子(またはリガンド)が、細胞膜から外部に面し、細胞内部のイベントを誘発する、細胞表面受容体に結合することを伴う。加えて、細胞内のシグナル伝達カスケードは、細胞外マトリックス内に見出されるリガンドに結合するインテグリンの場合のように、細胞−底質間相互作用を介して誘発されうる。ステロイドは、それらの親油性または疎水性の性質のために、細胞膜を透過しうる細胞外シグナル伝達分子の別の例を代表する。その全てではないが、多くのステロイドは、細胞質内に受容体を有し、通常、それらの受容体が、ステロイド応答性遺伝子に結合することを刺激することにより作用する。多細胞生物内には、全体としての生物の文脈における細胞の個別の生物学的活性を協調させるのに用いられる、多様な数の低分子およびポリペプチドが存在する。これらの分子の例には、ホルモン(例えば、メラトニン)、増殖因子(例えば、上皮増殖因子)、細胞外マトリックス成分(例えば、フィブロネクチン)、サイトカイン(例えば、インターフェロン−ガンマ)、ケモカイン(例えば、RANTES)、神経伝達物質(例えば、アセチルコリン)、および神経栄養物質(例えば、神経増殖因子)が包含される。
上記で列挙した多くの通常のシグナル伝達刺激に加えて、複雑な生物ではまた、シグナル伝達過程を開始する、さらなる環境的刺激の例も存在する。環境的刺激はまた、分子的な性質の場合もあり、眼の網膜内の細胞に当たる光、鼻腔上皮内の嗅覚受容体に結合する匂い物質、味覚芽内の味覚受容体を刺激する苦味および甘味、細胞内のDNAを変化させるUV光、ならびに細胞における一連のイベントを活性化する低酸素症など、より物理的な性質の場合もある。ある種の微生物分子、例えば、ウイルスのヌクレオチド、細菌のリポ多糖、またはタンパク質抗原は、シグナル伝達過程を介して媒介される、進入する病原体に対する免疫系の応答を誘発することが可能である。
遺伝子の活性化、代謝における変化、細胞増殖の持続および細胞死、ならびに移動の刺激または抑制は、シグナル伝達を必要とする細胞外刺激に対する細胞応答の一部である。多くの応答遺伝子のタンパク質産物は、酵素および転写因子自体を包含するので、遺伝子の活性化は、さらなる細胞効果をもたらす。シグナル伝達カスケードの結果としてもたらされる転写因子は、なおさらなる遺伝子を活性化しうる。したがって、初期刺激は、遺伝子の全コホートの発現を誘発することが可能であり、これは、任意の数の複合的な生理学的イベントの活性化をもたらしうる。これらのイベントには、例えば、インスリンにより刺激される、血流からのグルコースの取込みの増大、および細菌性産物により刺激される、感染部位への好中球の遊走が包含される。
大半の哺乳動物細胞は、細胞分裂だけではなく、細胞存続も制御するための刺激を必要とする。増殖因子の刺激が存在しない場合、大半の細胞では、プログラム細胞死が引き続き生じる。細胞外刺激に対するこのような要請は、単細胞生物の文脈および多細胞生物の文脈のいずれにおいても細胞挙動を制御するのに必要である。シグナル伝達経路は、生物学的過程にとって極めて重要であるため、多くの疾患が、それらの制御異常に帰せられているのは驚くにあたらない。
一部の実施形態では、本発明が、オンコロジー経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。オンコロジー経路における抗原は、過形成、新組織形成、および/またはがんの発症に関与する遺伝子の遺伝子産物である。オンコロジー経路の例には、低酸素症経路、DNA損傷経路、アポトーシス経路、細胞周期経路、およびp53経路が包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、膜経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。膜経路の例には、輸送タンパク質経路、G結合受容体経路、イオンチャネル経路、細胞接着タンパク質経路、および受容体経路が包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、核受容体経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。核受容体経路内の抗原の例には、グルココルチコイド受容体タンパク質経路、エストロゲン受容体タンパク質経路、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体タンパク質経路、アンドロゲン受容体タンパク質経路、ならびに、ABC輸送体およびSLC輸送体を包含する、輸送体タンパク質経路により制御される遺伝子産物が包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、神経経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。神経経路内の抗原の例には、神経伝達物質など、ニューロン内で発現する遺伝子の遺伝子産物、および細胞接着タンパク質が包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、血管経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。血管経路内の抗原の例には、血管新生、脂質代謝、および炎症に関与する抗原が包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、シグナル伝達経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。シグナル伝達経路内の抗原の例には、細胞間シグナル伝達に関与する遺伝子産物、ホルモン、ホルモン受容体、cAMP応答配列結合タンパク質、およびサイトカインが包含されるがこれらに限定されない。
一部の実施形態では、本発明が、酵素経路の一部である抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを包含する方法および組成物を提供する。酵素経路内の抗原の例には、解糖、嫌気性呼吸、クレブス回路/クエン酸回路、酸化的リン酸化、脂肪酸の酸化(β−酸化)、糖新生、HMG−CoAレダクターゼ経路、ペントースリン酸経路、ポルフィリン合成(またはヘム合成)経路、尿素回路、光合成(植物、藻類、シアノバクテリア)、および化学合成(一部の細菌)に関与する遺伝子の遺伝子産物が包含されるがこれらに限定されない。
本発明はまた、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、共通経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。
一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、オンコロジー経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、低酸素症経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、DNA損傷経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、アポトーシス経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、細胞周期経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、p53経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、低酸素症経路、DNA損傷経路、アポトーシス経路、細胞周期経路、およびp53経路からなる群から異なる形で選択される、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、膜結合経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、核受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、グルココルチコイド受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、エストロゲン受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、アンドロゲン受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、チトクロームP450受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、輸送体受容体経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、グルココルチコイド受容体経路、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体経路、エストロゲン受容体経路、アンドロゲン受容体経路、チトクロームP450経路、および輸送体経路からなる群から異なる形で選択される、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、血管経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、神経経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、転写因子経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%が、シグナル伝達経路の一部である、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
本発明はまた、ゲノム内の共通経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のオンコロジー経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内の低酸素症経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のDNA損傷経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のアポトーシス経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内の細胞周期経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のp53経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内の膜結合経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内の核受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のグルココルチコイド受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のエストロゲン受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のアンドロゲン受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内のチトクロームP450受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。一部の実施形態では、本発明が、ゲノム内の輸送体受容体経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーを提供する。
本発明はまた、ゲノム内の神経経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。本発明はまた、ゲノム内のシグナル伝達経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。本発明はまた、ゲノム内の血管経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。本発明はまた、ゲノム内の転写因子経路の一部である全ての抗原のうちの少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、99%、または100%を代表する、複数の抗原に特異的な複数の抗体を含むライブラリーも提供する。
抗体のライブラリーを作製する方法
本明細書ではまた、抗体のライブラリーを作製する方法も提供される。一実施形態では、方法が、(a)動物を、複数の抗原で免疫化するステップと、(b)抗体生成細胞を、動物から単離するステップと、(c)複数の抗体を、抗体生成細胞から単離するステップと、(d)ステップc)の複数の抗体を、タンパク質アレイ(ヒトプロテオームアレイなど)によりスクリーニングするステップと、(d)プロテオームアレイ上の単一の標的に単一特異性である抗体を選択するステップとを含む。一実施形態では、方法が、ステップc)の前に、抗体生成細胞に由来する複数の抗体をプレスクリーニングするステップをさらに含みうる。
動物は、ウシ、ニワトリ、イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、または霊長動物など、ヒト以外の動物でありうる。動物は、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、またはヤギなど、哺乳動物でありうる。
動物は、精製された細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸など、精製された試料を含む場合もあり、精製されていない細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸など、精製されていない試料を含む場合もある、複数の抗原で免疫化することができる。別の実施形態では、複数の抗原が、粗溶解物、または精製されていない細胞試料、タンパク質試料、ペプチド試料、もしくは核酸試料など、精製されていない試料を含む場合もある。複数の抗原は、生物学的試料を含みうる。例えば、複数の抗原は、ウシ、ニワトリ、イヌ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ブタ、または霊長動物など、生物に由来する単一の細胞もしくは複数の細胞、タンパク質、代表的なペプチド、または組織を含みうる。生物は、ヒトの場合もあり、ヒト以外の場合もある。ヒト以外の生物は、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、またはヤギなど、哺乳動物でありうる。
生物学的試料は、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液、尿道球腺液、女性射精液、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液、または臍帯血でありうる。一実施形態では、生物学的試料から、アルブミンまたはIgGなどであるがこれらに限定されない、一般的な血清タンパク質を実質的に枯渇させることができる。枯渇は、濾過、画分化、またはアフィニティー精製を含みうる。
生物学的試料は、幹細胞、未分化細胞、分化細胞、または疾患を患う対象もしくは特定の状態を伴う対象に由来する細胞などの細胞を含みうる。疾患または状態は、がん、炎症性疾患、免疫疾患、自己免疫疾患、心血管疾患、神経疾患、感染性疾患、代謝性疾患、または周産期状態でありうる。例えば、がんは、乳がん、卵巣がん、肺がん、結腸がん、結腸直腸がん、前立腺がん、黒色腫、膵臓がん、脳腫瘍、血液腫瘍、肝細胞癌、子宮頸がん、子宮内膜がん、頭頸部がん、食道がん、消化器間質腫瘍(GIST)、腎細胞癌(RCC)、または胃がんでありうる。
複数の抗原はまた、生物により過剰発現されるタンパク質など、細菌(E.coliなどであるがこれに限定されない)細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、または昆虫細胞において生成した試料も含みうる。対象の抗原を発現する過剰発現細胞または過剰発現細胞混合物の形態などにおける、精製された抗原または精製されていない抗原を用いて、動物を免疫化することができる。
複数の抗原は、少なくとも12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原など、少なくとも11,000の異なる抗原を含みうる。一部の実施形態では、前記複数の抗原が、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%を含む。複数の抗原は、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。複数の抗原は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。複数の抗原は、表5に列挙されるタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。抗原のライブラリーはまた、過剰発現細胞(E.coli細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または他の生物の細胞)のコレクションなど、精製されていない形態において生物のプロテオームを代表する融合タンパク質ライブラリーも含みうる。
動物に由来する抗体生成細胞は、B細胞などのリンパ球様細胞でありうる。抗体生成細胞を用いて、ハイブリドーマを生成させることができる、例えば、抗体生成細胞を骨髄腫細胞などの不死細胞に融合させて、ハイブリドーマを創出することができる。
一実施形態では、プレスクリーニングするステップを実施するが、この場合、複数の抗体を抗体生成細胞から単離する前に、抗体生成細胞に由来する複数の抗体をスクリーニングする。プレスクリーニングは、血清または抗体生成細胞の上清を用いて、前記抗体生成細胞に由来する抗体の、天然抗原またはタンパク質など、1または複数の標的抗原を含む混合物との結合を決定することにより実施することができる。プレスクリーニングは、免疫組織化学、免疫細胞化学、ELISA、クロマトグラフィー、または結合を決定するのに適することが当技術分野において公知である他の任意の方法を用いて実施することができる。プレスクリーニングを用いて、本明細書で記載されるプロテオームアレイなどを介するさらなるスクリーニングのために、抗体生成細胞(これらには、ハイブリドーマなど、不死化細胞に融合させた抗体分泌細胞が包含されうる)を選択することができる。
混合物は、粗溶解物、細胞、タンパク質、ペプチド、または核酸を含みうる。混合物は、組織、血液、血清、血漿、尿、脳脊髄液(CSF)、痰、唾液、骨髄、滑液、房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液、カウパー液、尿道球腺液、女性射精液、汗、涙液、嚢胞液、胸膜液、腹腔液、心膜液、リンパ、糜粥、乳糜、胆汁、間質液、経血、膿、皮脂、膣分泌物、粘膜分泌物、糞便水分、膵液、副鼻腔からの洗浄液、気管支肺吸引物、胚盤胞液、または臍帯血など、生物学的試料を含みうる。一実施形態では、生物学的試料から、アルブミンまたはIgGなどであるがこれらに限定されない、一般的な血清タンパク質を実質的に枯渇させることができる。枯渇は、濾過、画分化、またはアフィニティー精製を含みうる。生物学的試料は、幹細胞、未分化細胞、分化細胞、または疾患を患う対象もしくは特定の状態を伴う対象に由来する細胞などの細胞を含みうる。
抗体生成細胞に由来する複数の抗体は、生物のプロテオームの全体または一部によるスクリーニングにかける前に、先行するプレスクリーニングステップを伴って単離することもでき、これを伴わずに単離することもできる。例えば、単離された抗体は、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%によりスクリーニングすることができる。例えば、単離された抗体は、生物の少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000のタンパク質によりスクリーニングすることができる。プロテオームは、細菌プロテオーム、ウイルスプロテオーム、真菌プロテオームでありうる。プロテオームは、昆虫のプロテオームの場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物のプロテオームの場合もある。一部の実施形態では、プロテオームが、ヒトプロテオームである。
例えば、単離された抗体は、ヒトプロテオームのうちの少なくとも0.5%によりスクリーニングすることができる。一実施形態では、単離された抗体がヒトプロテオームのうちの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%によりスクリーニングされる。単離された抗体は、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%によりスクリーニングすることができる。抗体をスクリーニングするのに用いられるプロテオームまたはその一部は、アレイ上に存在させることができる。
スクリーニングの後は、抗体を、その結合プロファイルに基づき選択することができる。例えば、抗体がヒトプロテオームアレイの単一の標的など、プロテオームの単一の標的に結合する場合は、抗体を、本明細書で記載されるライブラリーのために選択することができる。
方法を用いて、抗体のハイスループットの作製を実施することができる。例えば、マウスを免疫化するための抗原は、ハイスループットで作製することができる。これは、組換えタンパク質を、遺伝子発現ライブラリーから誘導的に作製することにより行うことができ、この場合、対象のタンパク質は、必要に応じて発現させることもでき、全異種細胞、組織、標的種からの粗細胞抽出物または濃縮細胞抽出物を介して発現させることもでき(非誘導的手法)、異種タンパク質を発現するように操作された全哺乳動物細胞を介して発現させることもできる(誘導的手法)。注射のための抽出物は、細胞および細胞内膜、細胞内小器官、細胞内粒子、または細胞内のタンパク質複合体などの細胞内成分を包含する場合があり、示差的遠心分離または他の周知の方法を用いて調製することができる。タンパク質の複合混合物によるこれらの免疫化は、最終的に、最高度に免疫原性であるタンパク質に対する抗体をもたらす可能性があるが、この場合、抗原供給源は、とりわけ抗原性である任意のタンパク質を除去するために既に単離された抗体を用いて免疫枯渇させることができる。加えて、可溶性タンパク質および膜タンパク質の両方を、サイズ除外クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、もしくはアフィニティークロマトグラフィーにより、または個別に回収された小画分を用いて、数千のタンパク質ではなく、数十〜数百のタンパク質で免疫化することにより、それらの天然状態(複数可)または変性状態(複数可)においてクロマトグラフィー処理することができる。同様に、抽出物の単純な硫酸アンモニウム画分により、多種多様な抗原サブセットがもたらされる。タンパク質の特定のクラスを標的とする特異的な技法を用いることができる。例えば、SNOシグナル伝達に関与するタンパク質は、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)により精製することができ、次いで、溶出された金属を含まないタンパク質を免疫化のための抗原として用いることもでき、リンタンパク質をTiO2によるアフィニティーマトリックスへと結合させ、これにより大幅に濃縮することもできる。生細胞または固定細胞から直接単離されるか、または直接得られた天然タンパク質は、免疫原の好ましい供給源でありうる。
ハイスループット法はまた、抗体分泌リンパ球様細胞をもたらすための、短い時間スケールの免疫化も含みうる。例えば、動物は、後足の足蹠を介して、複数の抗原および付加投与調製物により免疫化することができる。免疫化の7〜21日後に、膝窩リンパ節を回収する。免疫化された動物におけるリンパ節は、足蹠にEvans blueを注射することにより直接明示する。
ハイスループット法はまた、GST忍容性マウスにおいて抗体を生成させるステップも含みうる。多くの抗原は、GST融合体として発現するので、GST発現マウス系列(S.japonicumに由来するGSTを活発に発現するマウス)を用いて、融合タンパク質のGST以外の成分に対する特異的抗体の収量を増大させ、抗GST抗体の生成を消失させることができる。
抗体を作製するためのハイスループット法はまた、抗体作製のための細胞融合体/ハイブリドーマの創出も含みうる。プライミングされたリンパ球様細胞と骨髄腫細胞とを融合させ、融合生成物を、免疫グロブリン分子の所望のサブクラスを認識する蛍光タグ付けされた抗体を含有する半固体培地(メチルセルロース培地)上、または所望の抗体を分泌するコロニーを有徴化する蛍光タグ付けされた抗原を含有する半固体培地中に播種する。上記の方法の組合せもまた用いることができる。倒立蛍光顕微鏡を、Drummond製の毛細管およびDrummond WireTrolデバイスを用いる、手作業による採取と組み合わせて用いた後で、個別のクローンを増殖させて、蛍光により有徴化したコロニーを、半固体培地から液体培地へと移す。
組換えタンパク質または天然タンパク質を用いるハイスループット法において生成させたモノクローナル抗体の場合、原因抗原は、タンパク質マイクロアレイのデコンボリューションにより同定することができる。単一ステップのデコンボリューションを実施することができる。
例えば、全細胞または細胞溶解物を用いてハイブリドーマを生成させる場合は、二次元のプーリング戦略を用いて、各モノクローナル抗体が認識する抗原の識別を明示する。ハイブリドーマの上清を二次元のグリッドにアレイして、3×3〜100×100のプールサイズで水平方向および垂直方向の両方にプールする。ハイブリドーマを、プレートセットにアレイして、プレートプールならびに3×3×3〜100×100×100のフォーマットによる水平方向および垂直方向のプールを生成させる、三次元のプーリング戦略もまた実施することができる。結果として得られるプールは、タンパク質マイクロアレイと個別にハイブリダイズさせ、マイクロアレイ解析ソフトウェアを用いてスコア付けする。水平方向および垂直方向の各対の共通の陽性(ヒット)、またはプレートの三方向の各交点における共通の陽性(ヒット)、二次元デザインおよび三次元デザインのそれぞれにおける水平方向のプールおよび垂直方向のプール(トリオと称する)の共通の陽性(ヒット)を、同じ対またはトリオの交点においてモノクローナル抗体により認識される抗原として同定する。必要な場合は、同定された抗原を、対応する抗体でマイクロアレイをプロービングすることにより検証する。アレイの費用は高価であり、例えば、10×10のプールは、100のクローンを解析するのに必要とされるアレイ数を、100から20へと削減し、20×20のプールでは、必要とされるアレイ数が、400から40へと削減されるため、プーリング戦略は、抗体を特徴付けるかまたは作製する費用を削減しうる。例えば、三次元プールは4096のハイブリドーマのプールをスクリーニングしうるが、16×16×16の3D戦略が必要とするアレイは48に過ぎない。10×10の戦略を用いると、820のアレイを用いることができる。96ウェルプレートに基づく3Dプーリング戦略(12×8×12)を、図2に示す。
ハイスループット法で生成させたモノクローナル抗体の特徴付けは、全プロテオームマイクロアレイを用いて実施することができる。マイクロアレイを用いて、所与のモノクローナル抗体が結合する特異的抗原を決定することができる。モノクローナル抗体のアフィニティー、他の抗原との潜在的な交差反応性、または他の抗原との交差反応性の欠如についての重要品質情報は全て、アレイ解析により示される。
ハイスループット法におけるモノクローナル抗体の作製は、融合クローンにより可能である。モノクローナル抗体は、in vitroまたはin vivoにおいて、所望の量で作製される。十分に確立された多様な方法を用いて、これらを精製することができる。
タンパク質マイクロアレイを用いるモノクローナル抗体の特徴付けに基づき、高品質(例えば、高アフィニティーおよび低交差反応性)のモノクローナル抗体を選択し、これらを用いて抗体アレイを作製することができる。抗体を選択し、それらの濃度を、同様の力価へと標準化する。マイクロアレイロボット(例えば、Nanoprint、ArrayIt,Inc.)を用いて、選択された抗体を、適正な陽性対照(例えば、希釈したヒトIgG)および陰性対照(例えば、ヒトIgMおよびBSA)と共にマルチウェルフォーマット(例えば、96ウェルフォーマット、384ウェルフォーマット、または1562ウェルフォーマット)でアレイして、抗体マイクロアレイを作製することができる。異なるマイクロアレイ構成におけるモノクローナル抗体の配列をカスタマイズして、広範なプロテオーム規模の研究を容易にすることができる。
抗体のライブラリーを用いる方法
本明細書ではまた、標的に対する抗体を同定する方法であって、標的を、抗体のライブラリーと接触させるステップと、標的と、複数の抗体との結合を決定するステップと、標的が、ライブラリーの抗体に結合する場合に、標的に対する抗体を同定するステップとを含む方法も提供される。また、標的を同定する方法であって、標的を、抗体のライブラリーと接触させるステップと、標的と、複数の抗体との結合を決定するステップと、標的が、ライブラリーの抗体に結合する場合に、標的を同定するステップとを含む方法も提供される。標的を、抗体のライブラリーを含むアレイと接触させるように、抗体のライブラリーを基材に付けることができる。
ライブラリーは、上記で記載された複数の異なる抗体など、複数の異なる抗体を含みうる。例えば、抗体のライブラリーは、同じプラットフォームにより作製される抗体を含みうる。ライブラリーは、複数の異なる抗体を含むことが可能であり、複数の異なる抗体内または複数の異なる抗体のサブセット(複数の異なる抗体のうちの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%など)内では、抗体が同じプラットフォームにより作製されるか、単一特異性抗体であるか、その標的タンパク質の天然形態に結合するか、モノクローナルであるか、免疫沈降抗体であるか、IgG抗体(例えば、IgGアイソタイプ抗体)であるか、その標的に対する結合アフィニティーが、複数の抗体のうちの別の抗体の結合アフィニティーと同様である(例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20%以内である)か、各抗体がその標的に対する結合アフィニティーが少なくとも10−7M(K)(例えば、少なくとも10−8M、10−9M、10−10M、10−11M、10−12M、10−13M、10−14M、10−15M、または10−16Mなど)であるか、またはこれらの任意の組合せである。ライブラリーは、少なくとも50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、または1000の異なるモノクローナル抗体を含む場合もあり、生物のプロテオーム(例えば、ヒトプロテオーム)のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合する場合もあり、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%に結合する場合もあり、またはこれらの任意の組合せの場合もある。
本明細書ではまた、ヒトタンパク質などのタンパク質に単一特異性である抗体を同定する方法であって、複数の抗体を、ヒトプロテオームアレイなどのプロテオームアレイと接触させるステップと、複数の抗体と、プロテオームアレイ上に存在する標的との結合を決定するステップと、抗体を単一特異性と同定するステップとを含む方法も提供される。アレイは、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含む複数の抗原またはタンパク質を含みうる。例えば、プロテオームアレイは、生物の少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000のタンパク質を含みうる。生物は、細菌の場合もあり、ウイルスの場合もあり、または真菌の場合もある。生物は、昆虫の場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物の場合もある。例えば、プロテオームは、ヒトプロテオームの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。プロテオームアレイは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。
結合は、当技術分野で公知の技法(例えば、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素免疫測定アッセイ))、「サンドイッチ」イムノアッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散アッセイ、in situイムノアッセイ(例えば、金コロイド標識、酵素標識、または放射性同位元素標識を用いる)、ウェスタンブロット、沈降反応、凝集アッセイ(例えば、ゲル凝集アッセイ、血球凝集アッセイなど)、補体固定アッセイ、免疫蛍光アッセイ、プロテインAアッセイ、および免疫電気泳動アッセイ)により検出することができる。
抗体の結合は、一次抗体上の標識を検出することにより検出することができる。代替的に、一次抗体は、二次抗体または試薬の一次抗体への結合を検出することにより検出する。例えば、二次抗体を標識化することができる。一部の実施形態では、自動検出アッセイまたはハイスループットシステムを用いる。例えば、捕捉マイクロ酵素結合免疫測定アッセイ(ELISA)では、抗体を固定化し、その後、結合した標識化抗原を直接的または間接的に比色検出、蛍光検出、発光検出、または放射性検出することにより、抗体/抗原反応を測定可能とする。例えば、ビオチン、または下流における検出を可能とする他の標識により、抗原を標識化することができる。
固定化された抗体は一般に、存在する単一の抗原決定基に結合する。抗原決定基は、抗原決定基を含むバイオマーカーを標識化することなどを介して標識化することができる。この反応の特異性は、ELISA測定における定量化を可能とする。ELISA反応をハイスループットフォーマットで用いて、後続のステップによりすべてのハイブリドーマ上清をスクリーニングすることができる。ELISA以外の原理により構築されるスクリーニングアッセイ(例えば、抗体マイクロアレイ、MALDI/MSおよび/またはマルチチャネルキャピラリー電気泳動に基づくハイスループットスクリーニング)も行うことができる。ELISAデータまたはマイクロアレイデータは、例えば、公表された方法により評価する。データ解析工程の目標は、重要な臨床パラメータを伴う最良のコレクションを示し、解析物群のうちの1つに特異的である、ハイブリドーマ上清の選択である。
マイクロアレイ基材
一部の実施形態では、本発明が、抗体のライブラリーと基材とを含むアレイ(またはマイクロアレイ)を提供する。一部の実施形態では、各抗体を基材上に固定化する。抗体は、基材上に可逆的に固定化することもでき、不可逆的に固定化することもできる。基材は、平面の場合もあり、粒子の場合もあり、固体材料を含む場合もあり、多孔性材料を含む場合もある。基材は、有機材料の場合もあり、無機材料の場合もあり、生物学的材料の場合もあり、非生物学的材料の場合もあり、またはこれらの材料の任意の組合せの場合もある。
一実施形態では、基材が透明または半透明である。パッチを留置する基材表面の部分は、平坦で、硬質または半硬質であることが好ましい。多くの材料が、基材としての使用に適する。基材は、ケイ素、シリカ、ガラス、またはポリマーを含みうる。例えば、基材は、ケイ素、シリカ、石英、ガラス、孔径制御ガラス、炭素、アルミナ、二酸化チタン、ゲルマニウム、窒化ケイ素、ゼオライト、およびヒ化ガリウムからなる群から選択される材料を含みうる。金、白金、アルミニウム、銅、チタン、およびこれらの合金などの多くの金属もまた、アレイ基材の選択肢である。加えて、多くのセラミックスおよびポリマーもまた、基材として用いることができる。基材として用いうるポリマーには、以下:ポリスチレン、ポリ(テトラ)フルオロエチレン(poly(tetra)fluorethylene)、(ポリ)ビニリデンジフルオリド、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルエチレン、ポリエチレンイミン、ポリ(エーテルエーテル)ケトン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリビニルフェノール、ポリラクチド、ポリメタクリルイミド(PMI)、ポリアルケンスルホン(PAS)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリジメチルシロキサン、ポリアクリルアミド、ポリイミド、コブロックポリマー、およびEupergit(登録商標)が包含されるがこれらに限定されない。本発明ではまた、フォトレジスト、重合化ラングミュア−ブロジェット膜、およびLIGA構造も基材として用いることができる。
一実施形態では、異なる抗体によるマイクロアレイを、ポリカチオン性ポリマーでコーティングしたスライドガラスに結合させる。基材は、本発明の別の態様により形成し、標的分子の、1または複数の異なる抗体への結合を検出するときの使用を意図する。一実施形態では、基材に、その表面上にポリカチオン性ポリマー、好ましくは、ポリリシンまたはポリアルギニンなど、カチオン性ポリペプチドのコーティングを形成しているガラス製基材が包含される。ポリカチオン性コーティング上では、各々が、選択された公知のアレイ領域に配置された異なる生体ポリマーのマイクロアレイが形成される。
均一の厚さのポリカチオン性ポリマーの膜、例えば、ポリ−l−リシンの膜を、スライド表面に配置し、膜を乾燥させて乾燥コーティングを形成することにより、スライドをコーティングすることができる。添加されるポリカチオン性ポリマーの量は、ガラス表面上にポリマーの少なくとも単層を形成するのに十分である。ポリマー膜は、表面における負のシリル−OH基と、ポリマー中の荷電したアミン基との静電結合を介して表面に結合する。ポリ−l−リシンでコーティングしたスライドガラスは、例えば、Sigma Chemical Co.(St.Louis,Mo.)から市販され入手できる。
適切なマイクロアレイ基材はまた、ガラスを化学的に誘導体化することによっても作製することができる。末端のSiにおいて適切な脱離基を伴うシラン化合物は、ガラス表面に共有結合する。誘導体化分子は、ガラス基材表面に所望の化学反応性を付与するようにデザインすることができる。このような二官能性試薬の例が、アミノ−プロピル−トリ(エトキシ)シランであり、これは、この分子のトリ(エトキシ)シラン部分においてガラス表面と反応する一方で、この分子のアミノ部分は脱離させる。末端のアミノ基を有する表面は、ポリリシンでコーティングしたスライドと同様に、生体ポリマーの吸着に適する。末端表面基の内実は、さらなる化学反応により修飾することができる。例えば、上記の例における末端アミンの、グルタルアルデヒドとの反応は、結果として、末端アルデヒド基をもたらす。さらなる修飾層を適用して、所望の反応性を達成してから、シリル化させたガラスにプロテインA溶液またはプロテインG溶液を適用することなどにより、マイクロアレイをスポットすることができる。ポリペプチドに結合するさらなる表面は、Schleicher and Schuellから市販されている、ニトロセルロースでコーティングしたスライドガラス、およびポリスチレンなどのタンパク質に結合するプラスチックである。
スポットした抗体は、吸着または共有結合を介して結合させることができる。吸着は、スポットされたポリペプチドとアレイ基材との静電相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用、または水素結合相互作用を介して生じる。水性環境において、ポリペプチド溶液を表面へと適用するだけで、ポリペプチドを吸着するのに十分である。共有結合は、ポリペプチド上の官能基の、化学的に活性化された表面との反応により達成される。例えば、表面が、アルデヒド基またはスクシンイミド基など、高度に反応性の求電子基により活性化されている場合、修飾されていないポリペプチドは、リシン残基または末端アミンなどのアミン基において反応し、共有結合を形成する。
マイクロアレイを形成するには、当技術分野において公知である任意の適切な方法を用いて、規定容量の異なる生体ポリマーを、ポリマーでコーティングしたスライド上に沈着させる。基材の重要な特徴によれば、試料中の標識化されたリガンドの、基材アレイ中の同種の結合パートナーへの結合を可能とする条件下で、水性試料を基材に適用する場合、沈着した抗体は、コーティングされたスライド表面に対する非共有結合的な結合を維持する。
一部の実施形態では、各マイクロアレイが、約1cm未満の表面積当たりに少なくとも50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、または1000の異なる抗体を含有する。一実施形態では、マイクロアレイが、約16mmの面積中に50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、もしくは400の領域、または2.5×10個/cmの領域を含有する。また、好ましい実施形態では、各マイクロアレイ領域における抗体が約0.1フェムトモル〜100ナノモルの規定量でも存在する。
また、好ましい実施形態では、生体ポリマーの長さが、少なくとも約50単位、例えば、50アミノ酸、50ヌクレオチドなどである、すなわち、多様なin situにおける合成スキームによる高密度アレイにおいて形成されうるポリマーより実質的に長い。
マイクロアレイの使用
本発明のマイクロアレイは、医療的診断、薬物の発見、分子生物学、免疫学、および毒性学において用いることができる。
本発明に従い調製される固定化された抗体のマイクロアレイは、多くの診断適用およびスクリーニング適用における大スケールの結合アッセイに用いることができる。多数の標的(例えば、タンパク質)のレベルにおける定量的な変化をマルチプレックスで測定することにより、複数〜多くの異なる標的(例えば、タンパク質)により規定されるパターンの認識が可能となる。多くの生理学的パラメータおよび疾患特異的パターンを同時に評価することができる。
一実施形態は、生物学的試料中に存在するタンパク質の分離、同定、および特徴付けを伴う。例えば、疾患試料と対照試料とを比較することにより、「疾患特異的タンパク質」を同定することが可能となる。これらのタンパク質は、薬物開発または疾患の分子マーカーのための標的として用いることができる。
抗体アレイを用いて、試料中のタンパク質の発現レベルをモニタリングすることができるが、この場合、このような試料には、対象の組織生検、培養細胞、微生物細胞集団、血液、血漿、リンパ液、滑液、脳脊髄液、細胞溶解物、培養物上清、羊膜液などを包含する生物学的流体、およびこれらの派生物が包含されうる。特に重要なのは、血液およびその派生物、脳脊髄液、尿、唾液、リンパ液、滑液などを包含する生物学的流体の臨床試料である。このような測定は、定量的な場合もあり、半定量的な場合もあり、または定性的な場合もある。アッセイを、定量的または半定量的とする場合、アッセイは、例えば、標識化した試料と標識化されていない試料との競合型フォーマット、または示差的に標識化された試料間における競合型のフォーマットを含むことが好ましい。
固定化されたポリペプチドに対する標的分子の存在を検出するアッセイは、以下の通りに実施することができるが、方法が、本明細書に示される方法に限定される必要はなく、当技術分野において公知である任意の適切な方法が包含される。
試料、それらの画分、またはアリコートを、抗体を含むマイクロアレイに添加する。試料は、上記に記載した通り、多種多様な生物学的流体または生物学的抽出物を含みうる。公知濃度の対照リガンド(複数可)を含有する一連の基準物質を、試料またはそれらのアリコートと並列的にアッセイし、対照として用いる。インキュベーション時間は、標的分子がポリペプチドに結合するのに十分であるべきである。一般に、約0.1〜3時間であり、通常、1時間であるが、1日間以上の長さでもありうるであろう。
一般に、インキュベーション後、不溶性の支持体から、結合しなかった成分を洗い流す。一般に、適切なpH、一般にはpH7〜8である非イオン性の希釈洗浄媒体を、洗浄媒体として用いる。試料中に存在する、非特異的に結合したタンパク質を完全に洗い流すのに十分な容量による、1〜6回の洗浄を用いることができる。
結合した標的の存在を検出するには、多様な方法を用いることができる。これらは、3つの一般的な群に分かれる。標的自体は、検出可能な標識により標識化することができ、結合した標識の量は、直接測定することができる。代替的に、標識化した試料は、競合アッセイにおいて、示差的に標識化した試料または標識化されていない試料と共に混合することもできる。さらに別の実施形態では、試料自体は標識化しないが、存在するリガンドの量を定量化するために、第2段階の標識化試薬を添加する。
リガンド結合の直接的な測定を可能とする標識の例には、Hまたは125Iなどの放射性標識、蛍光物質、色素、ビーズ、化学発光物質、コロイド状粒子などが包含される。当技術分野では、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)、ロダミンおよびロダミン誘導体、Texas Red、フィコエリトリン、アロフィコシアニン、6−カルボキシフルオレセイン(6−FAM)、2’,7’−ジメトキシ−4’,5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン(JOE)、6−カルボキシ−X−ロダミン(ROX)、6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、5−カルボキシフルオレセイン(5−FAM)、N,N,N’,N’−テトラメチル−6−カルボキシロダミン(TAMRA)、スルホン化ロダミン、Cy3、Cy5などを包含する適切な蛍光色素が公知である。標識化される化合物は、リガンド上に存在する基、例えば、アミン基、チオール基、アルデヒド基などと反応する活性化色素と組み合わせることが好ましい。
特に、例えば、標的を認識する標識化抗体の添加を介して第2段階の検出を実施する場合は、適切な基材を添加した後で、標識を、検出可能な生成物シグナルをもたらすことが可能な酵素に共有結合させることができる。コンジュゲートにおいて用いるのに適する酵素の例には、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、リンゴ酸デヒドロゲナーゼなどが包含される。市販されていない場合は、このような抗体−酵素コンジュゲートを、当業者に公知の技法により容易に作製される。第2段階の結合試薬は、それが、存在する他の成分から識別されうるように、十分な特異性で標的分子に結合する任意の化合物でありうる。好ましい実施形態では、第2段階の結合試薬が、モノクローナル血清またはポリクローナル血清、例えば、マウス抗ヒト抗体など、リガンドに特異的な抗体である。
シグナルを増幅するには、リガンドを、ビオチン、ジゴキシゲニンなどの薬剤で標識化することができるが、この場合、第2段階の試薬は、標識に適切なアビジン、ストレプトアビジン、抗ジゴキシゲニン抗体などを含む。
例えば、走査レーザー顕微鏡を用いることにより、蛍光測定、改変ELISAプレートリーダーなどにより、マイクロアレイを走査して、リガンドの結合を検出することができる。例えば、走査レーザー顕微鏡は、用いられる各フルオロフォアに適切な励起線を用いて、個別の走査を実施することができる。次いで、走査により作成されるデジタル画像を、後続の解析のために組み合わせる。任意の特定のアレイエレメントについて、1つの標識による蛍光シグナルの比を、他の標識DNAに由来する蛍光シグナルと比較し、相対量を決定する。
マイクロアレイおよび標的分子を検出する方法は、多くのスクリーニングアッセイ、探索アッセイ、および診断アッセイに用いることができる。一適用では、抗体アレイを、生物に由来する全タンパク質に結合させ、研究目的または診断目的のために、タンパク質の発現をモニタリングする。正常細胞に由来する全タンパク質を1つの色のフルオロフォアで標識化し、疾患細胞に由来する全タンパク質を別の色のフルオロフォアで標識化し、2つの試料を同じアレイに同時に結合させることにより、示差的なタンパク質発現を、2つのフルオロフォア強度の比として測定することが可能となる。この二色実験を用いて、異なる組織型、疾患状態、薬物に対する応答、または環境因子に対する応答における発現をモニタリングすることができる。
例えば、1または複数のタンパク質が、疾患経路に関与しているかどうか、または疾患特異的な表現型と相関しているかどうかを決定するためのスクリーニングアッセイでは、培養細胞から測定値を求めることができる。このような細胞は、標的または対象の経路に作用する薬理学的な活性薬剤を添加することにより、実験的に操作することができる。この適用は、生物学的機能の解明または治療標的の発見に重要である。
多くの診断目的および探索目的には、血液または血清中の標的分子、例えば、標的タンパク質のレベルを測定することが有用である。この適用は、特定の診断または予後診断と相関する臨床的に有用なマーカーの発見およびこれによる診断に重要である。例えば、抗体またはT細胞受容体の特異性の範囲を並行してモニタリングすることにより、自己免疫疾患、感染、移植片拒絶などにおける抗体のレベルおよび反応速度を決定することができる。代替的に、対象の疾患と関連する新規のタンパク質マーカーは、正常血液試料と疾患血液試料とを比較することにより開発することもでき、疾患の異なる病期における臨床試料を比較することにより開発することもできる。
生物のゲノムにおけるタンパク質発現についての情報は、疾患の発生、発症、疾患の耐性、疾患の感受性、または薬物の応答などの表現型との関連により、個別化された形での疾患の診断および処置(また、「個別化医療」としても公知である)が包含されるがこれらに限定されない多種多様な適用を有しうる。また、細胞特異性または組織特異性との関連で、生物のゲノムにおける生物学的経路に対して関与性であるタンパク質を同定し、特徴付けることにより、治療効果が増強され、副作用が軽減された治療用のトランスジェニック発現構築物をデザインする一助ともなりうる。また、細胞特異性または組織特異性との関連でタンパク質の発現を同定し、特徴付けることにより、疾患を診断し、予防し、処置するための機能的なマーカーを開発する一助ともなりうる。「疾患」には、変化させることが望ましい、生物の任意の状態、形質、または特徴が包含されるがこれらに限定されない。例えば、状態は、物理的状態、生理学的状態、または心理学的状態である可能性があり、症候的な場合もあり、非症候的な場合もある。
本発明の別の実施形態では、抗体アレイを用いて、シグナル伝達経路および細胞制御を研究するのに重要である、タンパク質における翻訳後修飾を検出する。翻訳後修飾は、タンパク質のリン酸化状態、グリコシル化状態、ファルネシル化状態など、タンパク質の特定の状態に特異的な抗体を用いて検出することができる。
リガンドとポリペプチドとのこれらの相互作用を検出することにより、医学的診断をもたらすことができる。例えば、未知の病原体の試料を、公知の病原性抗原に特異的な多くの種類の抗体を含有するアレイに結合させることにより、病原性微生物の識別を明確に確立することができる。
キット
一実施形態では、抗体のライブラリーを含むキットが提供される。一部の実施形態では、抗体のライブラリーを、支持体、例えば、96ウェルまたは384ウェルにアレイする。一実施形態では、キットが、抗体のマイクロアレイを含む。キットは、レポーターアッセイ基材、特定の生物学的経路を誘導もしくは抑制するための試薬(サイトカインまたは他の精製されたタンパク質、低分子、cDNA、siRNAなど)、および/またはデータ解析ソフトウェアをさらに包含しうる。
加えて、本発明の方法を実施するか、または本発明の組成物、ライブラリー、アレイ、もしくは製品アセンブリーのうちのいずれかを用いて試験またはアッセイを実施するための試薬および指示書を含むキットも提供される。キットは、緩衝液、酵素、アダプター、標識、二次抗体、および、場合によってトラブルシューティング情報を包含する、キットを用いるのに必要な指示書をさらに含みうる。
さらに別の実施形態では、キットが、本明細書で記載のものなどの抗体のライブラリーと、生物のプロテオームなどの抗原のライブラリーとを含みうる。キットは、生物のプロテオームのうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。抗原のライブラリーは、細菌プロテオーム、ウイルスプロテオーム、真菌プロテオームなど、生物プロテオームの実質的部分または全体を代表しうる。抗原のライブラリーは、昆虫のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もあり、マウス、ラット、ウサギ、ネコ、イヌ、サル、ヤギ、またはヒトなど、哺乳動物のプロテオームの実質的部分または全体を代表する場合もある。例えば、生物のプロテオームライブラリーは、少なくとも11,000、12,000、13,000、14,000、15,000、16,000、17,000、18,000、19,000、または20,000の異なる抗原を含みうる。生物のプロテオームライブラリーは、表5に列挙されるヒトタンパク質のうちの少なくとも0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%を含みうる。
(実施例1)
発現ベクター内への約17,000の全長ヒトORFのサブクローニング
さらなる1,000の全長ヒトORFと共に得た、約16,000の固有のORF(Invitrogen、CA)によるGateway(登録商標)ORFコレクションをサブクローニングした。ガラクトースで誘導すると、酵母内でN末端6×His6::グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質を生成させる、酵母に適合性であるGateway(登録商標)発現ベクター(pEGH−A)を構築した(図3)。その後、約17,000の全ヒトORFを、制限消化により決定される99%の成功率でサブクローニングした。とりわけ、コレクションの3つの複製配列を作製し、これらのうちの1つからエントリーDNAを抽出し、アガロースゲル上でプラスミドDNAの品質を点検した。次いで、結果として得られる組換え体を細菌へと形質転換し、Amp含有プレート上で単一のコロニーを選択した。各LR組換えについて、4つの単一コロニーを採取して、グリセロールストックを生成させ、これらのうちの2つをさらに加工して、プラスミドDNAを、96ウェルフォーマットで抽出した。抽出されたプラスミドDNAを制限酵素で消化して、挿入配列を放出し、アガロースゲル上で泳動させ、ベクターおよび挿入配列のサイズを、サブクローニングの成功の指標として検証した(図3)。各制限イベントを、予測される挿入配列のサイズに基づきスコア付けしたところ、成功率は99.3%として決定された。
>200のランダム発現クローンを配列決定したところ、配列の100%が正確であることが示された。確認された発現構築物を再度アレイして、酵母用の発現クローンのマスターセットを生成させた。細菌発現ベクターでも、同様の大スケールクローニングを完了させた。
(実施例2)
5000のヒト抗原によるマイクロアレイのデザインおよび作製
マイクロアレイを作製するために、フォールディングが適正な組換えタンパク質を迅速に精製する能力について試験するために、パイロット実験を実施した。これらのタンパク質は、5つの異なる機能的範疇:転写因子および転写共制御因子、RNA結合タンパク質、タンパク質キナーゼ、クロマチン関連タンパク質およびクロマチン修飾タンパク質、ならびにミトコンドリア内タンパク質へと分けられる。タンパク質は、一次配列、文献による注記、およびGene Ontologyによる注記に基づき、これらの範疇に分けられた。発現したORFは、関与性である機能的範疇における全てのヒトタンパク質のうちの最大85%(転写因子の場合)を代表した。発現したタンパク質のうちの90%超が、アレイの構築に十分なレベルで精製された(Ho, S.W.ら、「Linking DNA−binding proteins to their recognition sequences by using protein microarrays 」、Proc Natl Acad Sci U S A、2006年、103巻(26号):9940〜5頁)。
複数の機能試験を実施して、発現したタンパク質が、固体表面上で固定された後でも機能的であることを確認した。酵母に由来する119の個別に精製されたタンパク質キナーゼを含有するキナーゼチップ上で自己リン酸化アッセイを実施し、キナーゼのうちの約85%が、検出可能なキナーゼ活性を示すことを観察した(Zhu, H.ら、「Analysis of yeast protein kinases using protein chips」、Nat Genet、2000年、26巻(3号)、283〜9頁)。固体表面に共有結合的に結合させるにもかかわらず、これらのタンパク質キナーゼのうちの大半は、それらの酵素活性を維持することが明らかであった。約300の酵母転写因子からなるタンパク質チップを用いて、多様なDNAモチーフと転写因子との特異的な相互作用を同定およびプロファイリングした(Ho, S.W.ら、「Linking DNA−binding proteins to their recognition sequences by using protein microarrays 」、Proc Natl Acad Sci U S A、2006年、103巻(26号):9940〜5頁)。また、DNAモチーフとヒト転写因子との相互作用も研究したが、この場合、約1,000のヒト転写因子からなるパイロットのタンパク質チップを用いて、公知のDNAモチーフは、それらの記録されている転写因子に特異的に結合するが、逆に、これらのモチーフに点突然変異を施すと、それらの結合アフィニティーが劇的に低減されることを示した(Hu, S.ら、「Profiling the human protein−DNA interactome reveals ERK2 as a transcriptional repressor of interferon signaling」、Cell、2009年、139巻(3号):610〜22頁)。
(実施例3)
ヒト抗原タンパク質チップの作製
酵母細胞から17,000のヒトタンパク質抗原の完全なセットを精製するために、ヒトORFの全マスターセットを、pEGH−Aにより酵母へとクローニングし、単一のコロニーを採取し、グリセロールストックを調製した。組換えタンパク質を作製するために酵母細胞を誘導し、−80℃で保存した。誘導された培養物の品質をモニタリングするため、24のランダム株を各培養物調製バッチにつき2連で接種し、それを、まず、タンパク質精製ステップにかけた。免疫ブロット法および銀染色法を用いて、培養物誘導の成功率を推定した(図4A)。精製されたタンパク質のうちの少なくとも85%が、免疫ブロット解析および銀染色解析のいずれにおいても、予測される分子量範囲に主要なバンドを示す場合に限り、成功が示された。成功が示されなかった場合は、失敗したバッチの培養物調製を繰り返した。この基準を用いて、17,000の抗原タンパク質全てを、85%の成功率で精製した。マイクロアレイ作製装置を用いて、精製されたヒト抗原タンパク質を、多様なガラス表面(例えば、FAST、Ni−NTA、およびFullMoon)へとスポットし、ヒト抗原チップを作製した。スライドを抗GST抗体およびCy3で標識化した二次抗体でプロービングすることにより、チップの品質をモニタリングした。チップを走査し、GenePixソフトウェアを用いてシグナルを収集および解析した。結果は、チップが高品質であり、プリントされたタンパク質のうちの>90%が、バックグラウンドより著明に高値のシグナルをもたらすことを示した(図4B、C)。
(実施例4)
抗原マイクロアレイにおける抗体品質のプロファイリング
従来の方法を用いて、肝臓において発現するヒトタンパク質に対するモノクローナル抗体のプロファイリングを実施した(Hu, S.ら、「A protein chip approach for high−throughput antigen identification and characterization」、Proteomics、2007年、7巻(13号):2151〜61頁)。大量のモノクローナル抗体を腹水から精製し、1%のBSAを含有するPBS中で10,000倍に希釈した。mAbの品質(例えば、アフィニティーおよび特異性)を評価するために、ヒト肝臓タンパク質チップを用いた。文献/データベース検索に基づき、ヒト肝臓において発現することが公知である1,058の全長cDNAを、これらのタンパク質をN末端GST融合タンパク質として発現する発現ベクターへとクローニングした。ヒト肝臓タンパク質チップを作製するために、グルタチオンアフィニティークロマトグラフィーを用いて、これらの遺伝子を酵母細胞から発現させ、精製し、スライドガラス上にスポットした。また、マウスIgGも、チップ上にスポットして、ランドマークとして用いた。抗GST抗体を用いて、抗原マイクロアレイ上に固定化されたヒト肝臓タンパク質の量を視覚化および定量化した(図5A)。結論は、98.5%(1,042/1,058)のタンパク質が、バックグラウンドを上回る著明なシグナルを示し、タンパク質チップが高品質であることを示した。
異なるヒト肝臓タンパク質に対して生成させた複数のモノクローナル抗体の特異性を評価するため、自家製の加湿チャンバー内で静かに振とうしながら、室温(RT)で少なくとも1時間にわたり、PBS緩衝液中に1%のBSAでチップをブロッキングした。この間、腹水から精製したモノクローナル抗体を、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)緩衝液中で20,000倍に希釈した。ブロッキングの後、希釈したmAbを異なるチップに添加し、静かに振とうしながら、RTで30分間にわたりインキュベートした。次いで、振とうしながら、42℃で10分間、PBST(1%のTween 20)緩衝液中で3回にわたり、チップを洗浄した。Cy3(Jackson Laboratories、USA、PBS中で11,000倍の希釈率)で標識した抗マウスIgG抗体をチップに添加し、暗所においてRTで1時間にわたりインキュベートした。次いで、静かに振とうしながら、42℃で10分間、あらかじめ加熱したPBS+0.1% Tritonで3回にわたり、チップを洗浄した。フィルターで滅菌した二段脱イオン水で2回にわたりすすいだ後、チップをスピンして乾燥させた。結合プロファイルを可視化するため、本発明者らは、チップを、マイクロアレイスキャナーで走査し、GenePixソフトウェアにより結合シグナルをさらに解析した。図5Bに示す通り、ピリンに対して生成させたmAbの特異性を、スライド上にスポットした1,058のタンパク質に対して試験したところ、このmAbは、ピリンだけを認識した。スポットされた各タンパク質の量が劇的に変化するわけではないため、この結果は、抗体が高度に特異性であることを示した。他の4つのヒトタンパク質に対して生成させたmAbについてもまた、同様の結果が得られた(図5C)。
(実施例5)
モノクローナル抗体の生成および特徴付け
組換えヒトタンパク質およびヒトがん生細胞系の両方による免疫化に応答する、2,000を超える強力なIgG分泌モノクローナル抗体を生成させた。17,000のヒトタンパク質を含有するタンパク質マイクロアレイを用いて、これらのモノクローナル抗体のうちの88の結合特異性を解析した。
この解析に用いられるマイクロアレイの数を低減するため、最大7つの異なるハイブリドーマに由来する上清の均等な混合物を、図6に概略的に記載される交差解析において用いて、これらのプールされた抗体の特異性を探索した。マイクロアレイ上の単一のタンパク質だけが、これらのモノクローナル抗体により認識されるという点では、88のうち11のモノクローナル抗体だけが、真に単一特異性である。他の7つのモノクローナル抗体は、アレイ上の3つの異なるタンパク質だけに結合したことから、高度ではあるが限定的な特異性が示される。単一特異性モノクローナル抗体のうちの4つについては、いかなる種類の抗体(ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の)も市販されていないが、他の7つに対する市販抗体のうちのいずれかが単一特異性であるかどうかは公知ではない。これらのタンパク質を認識する、これらの単一特異性モノクローナル抗体、および市販抗体のリストを、表1に示す。11の単一特異性モノクローナル抗体により認識される抗原を、Gene Symbol IDにより列挙する。カッコ内のこの抗原に対するモノクローナル抗体の数と共に、このタンパク質に対する全ての市販抗体(モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体の両方)の数もまた列挙する。
(実施例6)
ヒト脳で発現する転写因子に対するモノクローナル抗体
抗原の作製
E.coli内の準備的発現ベクターからヒトタンパク質を発現させた。既に記載した通り、ヒトタンパク質は、N末端にタグ付けしたGST:His6融合タンパク質として発現させ、精製した。一部のヒトタンパク質は、他のヒトタンパク質より、細菌宿主から大量に発現させ、精製するのがはるかに容易であるので、どのヒト染色体タンパク質がこの範疇に入るかを決定するための大スケールのスクリーニングを実施する。図7に示す通り、10時間以内にE.coliから>4,000の個別のタンパク質の精製を可能とする、極めてハイスループットのタンパク質精製プロトコールを実施することができる(Chen, C.S.ら、「A proteome chip approach reveals new DNA damage recognition activities in Escherichia coli」、Nat Methods、2008年、5巻(1号):69〜74頁)。このプロトコールを用いると、精製が容易な約200の候補タンパク質が同定される。菌株のうちの約30%は、培養物250mL当たり2mgのタンパク質をもたらし、60%は、培養物250mL当たり0.5mgのタンパク質をもたらし、40%は、培養物250mL当たり<0.1mgのタンパク質をもたらすはずである。
大量の細菌培養物から得られる「容易な」高収量タンパク質は精製される。略述すると、菌株を、小規模の一晩にわたる培養で活性化させ、250mLの培地へと接種し、翌朝に約0.1の最終のOD600をもたらす。250rpmで振とうしながら37℃で0.7〜0.9のOD600へと細胞を増殖させた後で、最終濃度を1mMとするイソプロピルβ−D−チオガラクトシド(IPTG)で約3.5時間にわたりタンパク質の発現を誘導する。遠心分離により細胞を回収し、300mMのNaCl、20mMのイミダゾール、CelLytic B(Sigma)、1mg/mlのライソザイム、50単位/mlのベンゾナーゼ、プロテイナーゼ阻害剤カクテル(Sigma)、および1mMのPMSFと共に、50mMのNaHPO、pH8を含有する溶解緩衝液中、4℃で再懸濁させる。氷上で30分間にわたるインキュベーション後、遠心分離により細胞破砕物を除去し、あらかじめ洗浄したNi−NTA Superflow(QIAGEN)を、細胞溶解物に添加する。氷上で40分間にわたるインキュベーション後、ニッケル樹脂を回収し、低温室において、洗浄緩衝液I(300mMのNaCl、10%のグリセロール、20mMのイミダゾール、および0.01%のTriton X−100を伴う、50mMのNaHPO、pH8)で3回にわたり洗浄し、洗浄緩衝液II(150mMのNaCl、25%のグリセロール、20mMのノイミダゾール、0.01%のTriton X−100を伴う、50mMのNaHPO、pH8)で3回にわたり洗浄した。精製されたタンパク質は、3Cプロテアーゼによる切断を介して溶出させ、GSTおよびHis6タグを除去した。溶出させたタンパク質を混合およびアリコート分割し、これらのうちの小画分を、クーマシー染色を用いて、PAGEゲル上でタンパク質の品質および量を決定するのに用いる。
中程度の収量範疇に分けられるタンパク質については、培養容量を1Lまで増大させ、収量を2mgに到達させる。細菌内で十分に発現しないタンパク質については、GSTアフィニティータグを用いて、タンパク質を、酵母培養物から精製する。既に記載した通り、ガラクトースを添加することにより、酵母におけるヒトタンパク質の発現を誘導することができる。これらの難しいタンパク質を精製するには、市販のin vitroにおける転写/翻訳系(例えば、Roche社製のウサギ網状赤血球系)を用いてタンパク質を合成する。用いられるベクター系内ではT7プロモーターが既に組み込まれているので、さらなるサブクローニングは要請されない。まとめると、ヒトタンパク質のうちの少なくとも85%は、約2mgをもたらすことが予測される。この抗原量は、免疫化、モノクローナル抗体の作製、およびスクリーニングの目的に十分な量を超える。
抗体の作製
最大4回にわたる抗原の背側皮下注射の単一ラウンドを用いる、複数部位における急速な免疫化(RIMMS)の14日間後における腹腔内(IP)追加投与、および3〜4日間後における脾臓細胞採取(Bynum, J.ら、「Development of class−switched, affinity−matured monoclonal antibodies following a 7−day immunization schedule 」、Hybridoma、1999年、18巻(5号):407〜11頁)か、または後足の足蹠への抗原/付加投与の1ラウンドの注射の7〜14日間後における、追加投与注射を必要としない排出リンパ節(膝窩リンパ節および鼠径リンパ節)の採取(Mirza, I.H.ら、「A comparison of spleen and lymph node cells as fusion partners for the raising of monoclonal antibodies after different routes of immunisation」、J Immunol Methods、1987年、105巻(2号):235〜43頁)を用いて、動物を免疫化する。
2つの細胞型である免疫B細胞と、培養安定性の骨髄腫細胞系とを融合させることにより、ハイブリドーマを生成させる。これは、PEGなどの融合性化合物の存在下で実施する。ピリミジン/プリン合成経路、新規のスカベンジング経路の2つの代謝経路の存在を利用することにより、融合しなかった細胞から、所望のハイブリッド細胞生成物を選択することができる。一般的に用いられる骨髄腫細胞系は、8−アザグアニンまたは6−チオグアニンに対する耐性について選択され、したがって、ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)を欠損させているので、サルベージ経路を欠損させている。したがって、融合反応物をHAT培地へと播種すると、融合しなかった免疫細胞および骨髄腫細胞は除去されるが、ハイブリドーマの増殖は許容される。用いられる骨髄腫細胞系は、X63−Ag8.653細胞、NSO/1細胞、またはSp2/0−Ag−14細胞である。
所望のハイブリドーマを同定するためのスクリーニングは、分散させた細胞融合反応物に由来する各マイクロ滴定ウェルの培養物上清のアリコートを解析することにより実施する。抗原をポリビニル製の96ウェルプレート上に固定化し、次いで、コロニー含有ウェルの全てに由来する上清と共にインキュベートするELISA型のアッセイを、各個別の抗原について考案する。抗原結合抗体を生成させる培養物ウェル内の細胞を採取し、クローンコロニーを単離するために希釈形態で再播種する。個別の細胞を、アッセイ可能なコロニーへと増殖させるためには、この限界希釈によるクローニングステップに、最長約2週間のインキュベーションを要する。一般には、第2のスクリーンをELISAアッセイに組み込むが、これにより、ハイブリドーマにより分泌される抗体のクラスが明らかとなる。
モノクローナル抗体の単離における最後の2つのステップは、ハイブリドーマ系のクローン性を確立し、次いで、これらの系列を増殖させて、有用量の抗体を生成させることを伴う。標準的な方法を用いてハイブリドーマを作製した場合は、細胞系をクローニングして、非類縁抗体を生成させうる夾雑ハイブリドーマの存在を消失させる。これは、細胞をマイクロ滴定ウェルへと限界希釈播種した後で、抗原特異的ELISAで上清を再スクリーニングすることにより実施することが典型的である。元の融合反応物を、ペトリディッシュ内の半固体培地(メチルセルロース)中に播種する場合は、細胞が初めから明確なクローンとして増殖するので、限界希釈クローニングを回避することができる(Davis, J.M.ら、「A simple, single−step technique for selecting and cloning hybridomas for the production of monoclonal antibodies」、J Immunol Methods、1982年、50巻(2号):161〜71頁)。抗原に対する抗体を発現するクローンは、抗原を半固体培地中に組み入れ、事実上、抗原:抗体複合体をクローンの近傍に沈殿させるオクタロニー反応を実施することにより、同定することができる。次いで、第1の増殖ステップとして、クローンを、毛細管により12ウェルプレートへと採取する。次いで、容量を増大させる培養器を用いて、いずれの種類のクローニング工程に由来する小スケールの培養物も増幅させる。ハイブリドーマを、20〜100mg/lをもたらすことが典型的な大容量の培養系(例えば、大型固定フラスコ、スピナーフラスコ、中空糸反応器)内に維持することにより、または5〜10mg/mlでありうるが、実質的に少量の全容量をもたらしうる、腹水生成のための、マウスへの細胞の注射により、有用量の抗体を採取する。
ヒト抗原マイクロアレイの作製
十分なヒト抗原チップをもたらすため、まず、確立されたハイスループットプロトコール(上記で論じた)を用いて、約17,000のヒト抗原を、酵母細胞に由来するN末端GST−His6融合タンパク質として精製する。まず、酵母菌株をSC−Ura寒天プレートに播種し、96ウェル内に800μlのSC−Ura培地中で一晩にわたり培養する。次いで、飽和させた各培養物を、12mlのSC−Uraへと接種し、培養物が0.7のO.D.に到達した後で、2%のガラクトースにより4時間にわたり誘導した。誘導された酵母細胞を回収し、−80℃で保存した。誘導された培養物の品質をモニタリングするため、各培養物調製バッチにつき24ずつのランダム株を2回にわたり接種し、まず、十分な誘導レベルを確認するために、タンパク質精製ステップにかける。免疫ブロット法および銀染色法を用いて、培養物誘導の成功率を推定し、>85%の成功率を示すバッチだけを、大スケールの精製にかける。ヒト抗原チップを作製するため、150チップ/日のスループットで、2つのマイクロアレイ作製装置であるChipWriter Pro(Bio−Rad)およびNanoPrint(TeleChem、USA)を用いて、精製されたヒト抗原タンパク質と、陰性対照としてのBSAおよびGST−His6の希釈系列と、陽性対照としてのヒストン、ヒトIgGおよびIgM、ならびにEBNA1の希釈系列とを包含する対照タンパク質とを、FullMoonスライド(FullMoon Biosystems、USA)上に2連でスポットする。各バッチのチップの品質、および表面上に固定化されるタンパク質の量は、チップを、抗GST抗体の後、Cy3で標識した二次抗体でプロービングすることにより、モニタリングする。プリンティングの成功率は、>90%に到達すると予測される。
ヒト抗原マイクロアレイを用いる、染色体タンパク質に対する抗体の検証
mAbの特異性の決定:ヒト染色体タンパク質に対して生成させたmAbの特異性を評価するため、腹水から精製したmAbを、作業用原液として、PBS中で1000倍に希釈する。自家製の加湿チャンバー内で静かに振とうしながら、室温(RT)で最低1時間にわたり、PBS緩衝液中に1%のBSAで、チップ(マイクロアレイ)をブロッキングする。PBS緩衝液中で適正に希釈されたmAbを、静かに振とうしながら、30分間にわたりRTのチップ上でインキュベートする。次いで、チップを、振とうしながら、PBST(1% Tween 20)緩衝液中42℃で3〜10分間にわたる洗浄にかける。Cy−5(Jackson Laboratories、USA、PBS中1:1,000の希釈率)で標識化した抗マウスIgG抗体をチップに添加し、暗所内RTで1時間にわたりインキュベートする。同じ洗浄ステップの後、チップを、フィルターで滅菌した二段脱イオン水中で短時間にわたりすすぎ、スピンして乾燥させる。結合プロファイルを可視化するため、チップを、マイクロアレイスキャナーで走査し、GenePixソフトウェアにより結合シグナルを解析する。陰性対照実験として、Cy5で標識化した二次抗体をプロービングし、非特異的結合活性を同定する。17,000のタンパク質によるマイクロアレイに対して試験したところ、約150のタンパク質(例えば、MGMTおよびPCBP1)が、Cy5で標識化したマウスIgGに対する二次抗体に対する結合活性を示した。非特異的相互作用性タンパク質は、さらなる解析から除外する。
プーリング解析:予備的データに基づき、プーリング法を用いて、単一特異性を示すmAbを迅速に同定する。「水平方向」のプールおよび「垂直方向」のプールにおいて高レベルのIgG陽性mAbを分泌するハイブリドーマの上清を、図6に概略的に示す。マイクロアレイ上のタンパク質が、問題のハイブリドーマに由来する上清をそれらのいずれもが含有する、単一の水平方向および垂直方向のプールにより認識される場合に、抗体を単一特異性と分類する。スクリーニングされた全てのハイブリドーマのうちのおおよそ10%が単一特異性を示し、このようなmAbのうちの大多数を単離しうることが予測される。合計14のマイクロアレイを用いて、49の異なるハイブリドーマの特異性を解析することができることから、解析のスループットが実質的に増大する。
二次スクリーニング:次いで、プーリングされた上清を解析することにより単一特異性であることが決定された抗体を、タンパク質マイクロアレイを用いる二次スクリーニングのラウンドにかけて、それらのアフィニティーおよび特異性の両方をさらに特徴付ける。単一特異性のmAbよりは与えられる優先度が低いが、高度に選択的な(必ずしも単一特異性ではないにせよ)タンパク質の認識特性を伴うmAbもまた、ある範囲の適用では有用でありうるので、アレイ上で認識する異なるタンパク質が3つ以下である抗体もまた、このようにしてさらなる解析のために取り置く。これらの実験では、二次スクリーニングの過程において、希釈率を10,000倍とする各mAbで1つのヒトプロテオームチップをプロービングする。mAbがその対応する標的タンパク質を特異的に認識しうることが、チップ上の他の任意のタンパク質に対して明らかな結合シグナルが観察されないことを意味する(上記で記載された通り、非特異性タンパク質を除外する)場合は、希釈率を50,000倍とするmAbでチップを再度プロービングし、最適の希釈率を規定する一助とする。結合シグナルが観察されない場合は、力価を100倍まで増大させ、チップを再度プロービングする。結合シグナルが発生する場合は、希釈率を1000倍増大させる。100倍の希釈率で結合シグナルを示さないものは、失敗と考えられる。したがって、典型的な抗原の場合、マイクロアレイベースのスクリーニングのこの第2ラウンドでは、抗原1つ当たり6つずつのチップ(1つの抗原当たり3つずつのmAbを試験し、それぞれにつき2つずつのチップを用いる)を用いる。
上記で概括した通り、特異性を評価するための主要なツールは、17,000の抗原によるマイクロアレイにおける、単一のタンパク質との反応である。抗原マイクロアレイベースのスクリーンにおいて高度な特異性を示す抗体は、適用試験パイプラインと称する試験ワークフローへと統合される試験バッテリーを介してさらに試験される。免疫ブロッティング試験では、同種抗原に対する各抗体の特異性、および多様な組織培養物の細胞型からの少なくとも3つのヒト細胞抽出物に対する各抗体の特異性を点検する。これらは、混合された同種抗原(抗原はGSTタグ付けされているので、天然抗原とは識別される)を伴って試験するが、これらを伴わずにも試験する。
複数の異なる神経芽腫細胞系を用いて、抗体特異性についてのこれらのさらなる研究を実施する。Gene Expression Omnibus(GEO)ウェブサイトでは、大量の遺伝子発現データが公開されており、これにより、問題の転写因子およびその推定標的遺伝子の両方が、容易に培養および解析されうるヒト細胞系において発現するかどうかを、容易に決定することが可能となる。表2に示す通り、既に公表されているマイクロアレイデータを解析して、容易に入手可能などの細胞系が、モノクローナル抗体を生成させるのに用いられた各抗原について、頑健なレベルのmRNA発現を示すかどうかを決定した。
略号:BFLS=ベルエソン−フォルスマン−レーマン症候群、MD=気分障害、NI=同定なし、NSMR=無症候性精神遅滞、PWS/AS=プラダー−ウィリー症候群/アンジェルマン症候群、RS=レット症候群、SZ=統合失調症、WBS=ウィリアムズ−ボイレン症候群。
*ChIPグレードの抗体が市販されていないことを示す。
対象の抗原の大半については、十分に特徴付けられたSH−SY5Y神経芽腫細胞系を用いる。しかし、他の場合には、対象の抗原に対応するmRNAが、例えば、容易に培養される異なる神経芽腫細胞系またはニューロン以外の細胞系において著明により高度に発現する。これらを表3に示す。
*標的遺伝子が、ChIP、ルシフェラーゼ解析などにより直接検証されるのではなく、機能喪失解析から推定されることを示す。
この場合は、後出で記載される通り、これらの他の細胞系を、免疫細胞化学解析、およびクロマチン免疫沈降に用いる。スクリーンの過程において生成させるモノクローナルが、免疫ブロットを介して内因性タンパク質を検出しうるかどうかを決定するためには、以下の試験パネル:抗原単独、系列1〜3の抽出物、1μGm/mLで混合した系列1〜3の抽出物+抗原を用いる。免疫沈降(IP)試験では、最終的なリードアウトが、抗原を検出するための、抗GSTを伴う免疫ブロット(IB)である点を除き、同じ出発材料を用いる。免疫組織化学(IHC)を介して内因性タンパク質の発現を検討するには、間接的な免疫蛍光ベースの検出を実施して、ポリ−D−リシンでコーティングしたカバースリップ上で増殖させた神経芽腫細胞をスクリーニングする。陰性対照としては、マウス線維芽細胞系(3T3)をスクリーニングする。
これらの試験の両方により特異的であると確認される限定数の抗体はまた、それらがクロマチン免疫沈降(ChIP)を成功裏に媒介する能力についてもスクリーニングすることができる。この目的で、定量的ChIPプロトコール(Onishi, A.ら、「Pias3−dependent SUMOylation directs rod photoreceptor development」、Neuron、2009年、61巻(2号):234〜46頁; Peng, G.H.およびS. Chen、「Chromatin immunoprecipitation identifies photoreceptor transcription factor targets in mouse models of retinal degeneration, new findings and challenges」、Vis Neurosci、2005年、22巻(5号):575〜86頁)を用いる。略述すると、1マイクログラムの各抗体を用いて、ホルムアルデヒドで架橋され、超音波でせん断処理された同量のクロマチンを、培養細胞(5×10個の細胞)から免疫沈降させる。遺伝子特異的なプライマーを伴うリアルタイムqPCRを用いて、IP試料中で濃縮された特異的なゲノム領域を、投入された対照と対比して検出し定量化する。非特異的なマウスIgGを、陰性対照として用いる。遺伝子の多様なゲノム領域におけるIP/投入量比を用いて、同じタンパク質に対して作製された異なる抗体を、それらの特異性および有効性について比較する。表3に示される通り、標的抗原を高レベルで発現する細胞系をこの解析に用いる。
ゲノム領域を増幅および解析について選択する場合は、複数の基準を考慮する。ChIP能を確認されたポリクローナル抗体が既に入手可能である抗原に対するモノクローナル(表2に示される)の場合、新規の試薬の有効性を評価しうるように、問題のタンパク質を発現し、その転写因子の標的遺伝子が既に公知であるゲノム領域および細胞型を選択する。これらの抗原のうちの多くの場合は、ポリクローナル抗体を用いて、SH−SY5Y細胞に対するChIP解析が既に実施されており、これらの場合は、この細胞型においてこれらの因子が結合することが既に示されているゲノム領域を解析する。他のタンパク質の場合は、通常、市販されていない抗体によるが、他の細胞型または組織型においてChIP解析を実施する。表3は、生成させる抗体について公知であり、かつ、提起されてもいる、直接的な標的遺伝子を列挙する。これらの因子の標的遺伝子についてChIPが既に実施されている場合は、既に試験されたプライマーセットを用いる。他の場合には、TRANSFACdbなどのバイオインフォーマティックスのツールを用いて、これらの因子に共通の結合部位を同定し、次いで、これらの転写物についての推定制御領域内で見出されるか、またはハイスループットのタンパク質マイクロアレイベースのタンパク質−DNA間相互作用についての解析を用いて特徴付けられている部位に対応する、進化において保存的な配列を挟むプライマー対をデザインする。このバイオインフォーマティックスのデータを、既に公表されている遺伝子発現データと組み合わせることにより、探索下にある転写因子に対する、高い確率の直接的標的のリストを作成し、プライマーセットを、抗体についてのChIP解析に用いる。
(実施例7)
単一特異性モノクローナル抗体(mMAb)の特徴付け
単一特異性MAbのICCによる検証:ショットガン法を用いて生成させたmMAbをさらに特徴付けるために、高解像度の免疫細胞化学(ICC)を実施して、mMAbが固定された細胞内のタンパク質に結合する能力を評価した。透過処理したHeLa細胞、HepG2細胞、またはHCT−116細胞を、パラホルムアルデヒド中で固定し、3%BSA+3%FBS中でブロッキングした。各mMAbを10μg/mLまで希釈し、4Cで一晩にわたりインキュベートした。DyLight(商標)conjugated Goat anti−Mouse IgG antibody(Rochland)を、二次抗体として用いた。染色した細胞を観察し、蛍光顕微鏡を用いて画像を収集した。核、ミトコンドリア、小胞体/ゴルジ装置、細胞質ゾル、および細胞膜を包含する5つの単純な範疇を用いて、mMAbにより検出される所与の抗原の細胞内局在化を分類した。
予測される通り、HeLa細胞を抗原供給源とした場合、59の被験mMAbのうち、52がHeLa細胞内で識別可能なパターンをもたらしたのに対し、6つのmMAbおよび1つのmMAbは、それぞれ、HCT−116細胞およびHepG2細胞において、それらの対応する抗原を適正に認識した。これらの59のヒトタンパク質の細胞内局在化の分布を、表4にまとめる。
ICCの結果を、文献およびデータベース(例えば、NCBI)と比較することにより、これらのうちの39が公知のパターンにマッチする一方で、16はマッチしなかった。この懸隔は、被験細胞系/組織内の差違、および/または基底にある生物学的特徴の差違を反映する可能性が高い。加えて、それらの細胞内の位置が知られていない4つの抗原、すなわち、C11orf68、CNTD1、DYDC2、およびTXNDC9は、今やそれぞれ、ミトコンドリア、細胞質ゾル、細胞膜、および小胞体/ゴルジ装置に局在化されている(図8)。したがって、生成させたmMAbは、100%のICC成功率を示すだけでなく、この情報が以前は知られていなかったタンパク質の局在化を決定する一助にもなった。
免疫ブロットおよびshRNAベースの遺伝子ノックダウンを用いるmMAbの検証/特徴付け
本発明者らは、tet制御型のヒトプラスミド発現ベクターを構築しつつある。42のヒトORFを、HeLaにおいて、V5タグ付けした融合タンパク質として過剰発現させるために、Gateway(登録商標)LR組換えを介して、市販の哺乳動物発現ベクターであるpcDNA3.1−v5(Invitrogen)へとサブクローニングした。略述すると、全てのプラスミドを、E.coliのDH5αにより増幅し、アルカリ性溶解により単離した。精製後、全てのクローンを、制限消化により検証した。ヒト細胞を一過性でトランスフェクトするため、6ウェルの組織培養プレート内のウェル1つ当たりの細胞約0.6×10個で播種したHeLa細胞を、対応するORF発現構築物でトランスフェクトした。トランスフェクションの2日後、細胞を溶解させ、次いで、各溶解物の一部を、mMAb(希釈率を1:1000とする)を用いる免疫ブロット解析にかけた。
免疫ブロット解析にはまた、陰性対照としての空ベクターのDNAでトランスフェクトした細胞も包含した。場合によっては、所与のmMAbにより、トランスフェクトされた細胞において2つのバンドが検出された。例えば、α−EFHD2により、V5でタグ付けしたEFHD2でトランスフェクトした細胞において2つのバンドが認識されたが、ベクターをトランスフェクトされた細胞では1つのバンドだけが認識された(図9、左上パネルのレーン1、2)。同じブロットをストリッピングし、抗V5抗体でプロービングしたところ、いずれの細胞でも遊走の速いバンドが消滅したことから、α−EFHD2が、細胞における、V5でタグ付けしたEFHD2および天然EFHD2の両方を忠実に検出したことが示される。42の被験mMAbのうち、30(71%)は、mMAbを、V5ブロットと比較することにより、対応するタンパク質を正確に検出すると確認された(図9、上パネルおよび下パネルのレーン1、2)。
これらのmMAbが高度に特異性であることをさらに確認するため、shRNAを用いる遺伝子ノックダウン解析を実施した。1マイクログラムの発現構築物を、3μgのshRNA発現構築物と共に、HeLa細胞に共トランスフェクトした。トランスフェクションの24〜36時間後に細胞を採取し、溶解させ、対応するmMAbおよび抗V5抗体を用いて免疫ブロット解析にかけた(図9、上パネルおよび下パネルのレーン3)。被験6例の全て(これらのうちの4例を、図9に示す)において、対応するshRNAは、mMAbおよび抗V5の両方の免疫ブロッティングにより決定される通り、抗原の発現を有効にノックダウンした。これらの結果は、パイプラインにおいて作製されるmMAbが、高度に特異的であり、したがって、免疫ブロット解析に極めて有用である可能性が極めて高いことについての極めて厳密な確証を直接的に確認した。さらに、shRNAノックダウン試薬が、アレイに配置されるタンパク質を発現させるのに用いられるORFコレクション(Invitrogen)とは全く異なるコレクション(Sigma)に由来するので、これらの結果は、アレイの作製からアレイ画像の解釈までのパイプラインの全体において、タンパク質の適正な識別が維持されることの究極的な検証をもたらす。
免疫沈降を用いるmMAbの特徴付け
ヒト細胞のための免疫沈降(IP)検証プロトコールを実施した。HeLa細胞を、N末端をV5でタグ付けしたタンパク質の形態で対象の抗原を発現するプラスミドによりトランスフェクトし、溶解させた。対応するmMAAbを用いて抗原を免疫沈降させ、抗V5抗体による免疫ブロッティングを用いて解析した。抗マウスIgG抗体および抗V5抗体を、IPにおいて、それぞれ、陰性対照および陽性対照として用いた。27の被験mMAbのうちの16が、HeLa細胞において、それらの対応する抗原を有効にIPさせることが示され、全体の成功率は59%であった(図10に例を示す)。したがって、mMAbのうちの大部分はIPグレードである。
クロマチン免疫沈降を用いるmMAbの特徴付け
hnRNP(異種核リボヌクレオタンパク質)の1つである、RNA結合タンパク質のHNRPCを包含する、多くの異例のDNA結合タンパク質(uDBP)が、配列特異的な結合特性を示す(Huら、Cell、2009年)。hnRNPは、異種核内RNA(hnRNA)と複合体を形成することが公知である。hnRNPはまた、核内におけるプレmRNAとも会合し、プレmRNAのプロセシングならびにmRNAの代謝および輸送の他の側面にも影響を及ぼすと考えられている。hnRNPタンパク質は、40SのhnRNP粒子の形成など、異なる核酸結合特性を有するが、タンパク質結合マイクロアレイ(PBM)を用いる近年の研究は、hnRNPタンパク質が、二本鎖DNAおよび一本鎖DNAのいずれにも、配列依存的な形で結合することを示した。CDIパイプラインでは、HNRPCに対する高度に特異的なmMAb(アイソタイプのIgG2b)を生成させたので、本発明者らは、多様な標準的アッセイを用いて、この抗体を完全に特徴付けることに決定した。
図11Aに示す通り、HeLa細胞におけるこの抗体によるICC染色は、HNRPCの明確な核内局在化を示し、細胞内におけるその公知の局在化(すなわち、核質および前核)と符合する。このmMAbは、HeLa細胞における天然のHNRPCを検出しうるので、このmMAbが、DNAに対する架橋後にHNRPCを特異的に免疫沈降させうるかどうかを試験する前に、このmMAbが、IP解析に有用であるかどうかを決定するための試験を実施した。
V5でタグ付けしたHNRPCを過剰発現する200万個のHeLa細胞を溶解させ、20μgの抗HNRPC mMAbを溶解物に添加し、一晩にわたりインキュベートした。プロテインGをコンジュゲートしたビーズを添加して抗体を捕捉した後で、十分に洗浄した。抗マウスIgG抗体および抗V5抗体はまた、それぞれ、陰性対照および陽性対照として、並行的なIP実験でも用いた。次いで、煮沸したビーズの上清を、抗V5抗体で免疫ブロットした。図11Bに示す通り、V5でタグ付けしたHNRPCの単一のバンドが、投入されたレーンおよびV5のレーンの両方において観察される分子量と同じ分子量で検出されることから、このmMAbを用いるHNRPC IPの成功が示される。予測される通り、IgG陰性対照は、いかなるシグナルも示さなかった。
次に、本発明者らは、内因的に発現させたHNRPCに対するクロマチン免疫沈降(ChIP)を実施して、このmMAbが、HNRPCをChIPさせることが可能であるかどうか、および、成功する場合、HNRPCタンパク質は、in vivoにおいてどのような特異的DNA配列と関連するのかを決定した。略述すると、5×10個のHeLa細胞を架橋、抑制、採取、および洗浄した。穏和な条件下における細胞の溶解後、核ペレットを回収し、洗浄し、超音波でせん断処理した。HNRPCをChIPさせるには、10μgの抗HNRPC抗体(または陰性対照としての10μgのマウスIgG)を添加し、4℃で一晩にわたりインキュベートした。プロテインGを結合させたDynabeadを添加して、DNA−HNRPC複合体を捕捉した後、溶出させた。溶出物のうちの約10%を、免疫ブロッティングに用いた。図11Cに示す通り、内因的に発現させたHNRPCは、1回目および2回目のいずれの溶出でも観察される通り、ChIPしうるが、IgG対照は、検出可能なシグナルを示さなかった。どのDNA断片が抗体によりChIPしたかどうかを決定するため、ChIPした複合体を、65℃で一晩にわたり逆架橋処理した。HNRPCは、公知のRNA結合タンパク質であるため、溶出物をRNアーゼで処理した後で、除タンパク質処理した。Agilent 2100 Bioanalyzerを用いて、濃縮されたDNA試料の品質および濃度を決定した。図11Dにおいて示される通り、高収量の高品質DNAが得られた。
MAbアフィニティーの逐次測定
図12に示される通り、標識化されない抗体を用いて、3つの抗原−抗体間相互作用の動態を、リアルタイムで同時にモニタリングする。3つの抗体を、IgGマイクロアレイを覆うフローチャンバーに逐次的に注入したところ、図12の赤色の直線により示される通り、結合シグナルは、約20分間で飽和に到達すると考えられた。このデータは、ハイスループットシステムにおけるMAbのアビディティーを逐次的に測定するこの方法の実現可能性を実証する。
(実施例8)
単一特異性モノクローナル抗体(mMAb)を作製および特徴付けするためのプラットフォーム
注記されたヒトプロテオームのうちの70%超を含む、17,263の固有の全長ヒトタンパク質を含むタンパク質マイクロアレイを構築した。これらのタンパク質を発現させ精製するために、Invitrogen Ultimate ORFコレクションを、400のさらなるORFと共に、N末端をGSTおよび6×Hisでタグ付けした組換えタンパク質のガラクトース依存性過剰発現を可能とする酵母発現ベクターへとサブクローニングした。精製されたタンパク質の品質は、組換えタンパク質のランダムサブセットに対するGST免疫ブロッティングおよび銀染色の両方により決定した。これらの結果に基づくと、全てのタンパク質のうちの約85%を、高収量で、少なくとも80%の純度まで精製することができるであろう。これらの組換えタンパク質を含むマイクロアレイを作製し、抗GST抗体でプロービングすることにより、その品質を試験した。スポットされたタンパク質のうちの85%超が、バックグラウンドを上回る著明なシグナルをもたらした。
モノクローナル抗体(mAb)を生成させるための、全細胞または組織など、抗原の高度に複合的な混合物は、免疫細胞化学(ICC)にも良好に作用した。この「ショットガン」的方法でmAbを生成させることにより、mAbが、天然のタンパク質エピトープを認識する可能性が増大し、このため、潜在的な適用の範囲が増大する。しかし、この手法の主要な限界は、所与のmAbにより優先的に認識される抗原を同定するときの困難であり、これは、典型的には、質量分析と組み合わせたアフィニティー精製を介して可能であるに過ぎなかった。ヒトプロテオームマイクロアレイに対してmAbを直接スクリーニングすることにより、複合的な生物学的試料で免疫化することにより生成させた所与のmAbにより認識される対応する抗原を直接同定することが可能となる。
このショットガン法を用いて、マウスを、異なる多様ながん細胞系で免疫化した。ヒト生細胞を足蹠に直接注射し、3週間後、膝窩リンパ節を回収し、ハイブリドーマを生成させた。有用なmAbを濃縮するため、!2200のハイブリドーマに由来する上清を用いて、1または複数の細胞系に対してハイスループットのICCプレスクリーニングステップを実施した。次いで、ICC陽性のハイブリドーマをさらに増殖させ、アイソタイプ生成させ、IgGアイソタイプ陽性の上清を、マイクロアレイ解析のために選択した。
個別の上清を、12×12の二次元プールのセットへと組み合わせ、次いで、これらのプールを、ヒトプロテオームマイクロアレイ上でインキュベートし、Cy5を結合させた抗IgG二次抗体と共にインキュベートした。洗浄および走査の後、各スポットのシグナル強度を、フォアグラウンドシグナルのバックグラウンドシグナルに対する比として表した。次いで、本発明者らがA値と称した値である、タンパク質の各2連対について、アレイ全体にわたる平均シグナル強度を上回る標準偏差の数を測定した。A>3である二連スポットを標識付けし、結果をデコンボリュートして、単一の水平方向プールと単一の垂直方向プールとの交点に存在し、したがって、個別のmAbにより認識されるタンパク質を同定する。これらのmAbの特異性を確認するため、高度に特異的な各候補mAbを、アレイ全体に対して個別に試験し、スポットされた各タンパク質についてAを測定する。次いで、シグナル強度をランク付けし、アレイ上の最大のシグナルと、2番目に大きなシグナルとの差を計算し、本発明者らはこれをS値と表した。A>6かつS>3が同定される多くのmAbが得られたが、本発明者らは、これらを単一特異性mAb(mMAb)と称した。多くの場合、mMAbは、極めて高度な選択性(すなわち、S>100)を示した。多くのmAbが、アレイ上の2つの異なるタンパク質に強く結合した(A>6、S<3)が、これらを、二重特異性mAb(dMAb)と称した。
mMAbおよびdMAbの有用性および特異性をさらに特徴付けるため、異なる多様なアッセイを実施した。まず、ヒトがん細胞系についてのICC解析を繰り返し、画像を収集して、標的抗原の細胞内発現パターンを評価した。個別のmAbについて観察された特異性の確認は、この研究において得られる全てのICCパターンのうちの85%が、このデータが入手可能な場合のそれらの標的タンパク質について既に報告されているICCパターンにマッチしたことに由来する。高品質のmAbが得られたタンパク質の細胞内分布が、任意の特定の細胞内区画についてそれほどの優先性を示さなかったことから、ショットガン式免疫化は、広範にわたる細胞内タンパク質に対するmAbを生成させうることが確認される。
次に、免疫ブロット解析を用いて、それらの最重要の標的タンパク質を検出する能力について解析した。HeLa細胞において、個別の標的タンパク質は、N末端をV5でタグ付けした融合タンパク質として過剰発現させ、発現は、V5に対する免疫ブロッティングを介して確認した。56の被験mAbのうち、31(55%)がそれらの標的タンパク質を認識する一方で、18(33%)は、これらの細胞における内因性のタグ付けされていないタンパク質を認識した。これらの結果の精度をさらに裏付けるため、V5でタグ付けしたORFを、この遺伝子を標的とする個別のshRNAと共に共トランスフェクトした。被験9例の全てにおいて、免疫ブロットシグナルの実質的な低減が観察されたが、対照shRNAは、対応するシグナルの低減をもたらさなかった。
次に、これらのmAbを試験し、これらが、免疫沈降に有効に作用するかどうかを決定し、これにより、細胞ホモジネート中の天然タンパク質を認識した。51の被験mAbのうち、28(55%)は、トランスフェクトされたタンパク質を効率的に沈降させることができたが、次いで、これを、V5に対する免疫ブロッティングを介して検出した。免疫ブロッティング適用および免疫沈降適用のいずれにおいても、mAbのうちのかなりの画分が有効に作用する。まとめると、タンパク質マイクロアレイベースのショットガン法は、広範な適用に有用な高度に特異的なmAbを生成させるための迅速で有効な方法である。
本明細書では、本発明の好ましい実施形態を示し、これらについて記載してきたが、当業者には、このような実施形態が、例を目的として提示されるに過ぎないことが明らかであろう。今や、当業者は、本発明から逸脱することなしに、多くの変化、改変、および代替を行うであろう。本発明を実施するときには、本明細書で記載される本発明の実施形態に対する多様な代替物を用いうることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本発明の範囲を規定するものであり、これらの特許請求の範囲内にある方法および構造ならびにそれらの同等物もこれらにより対象とされることが意図される。

Claims (1)

  1. 本願明細書に記載の発明。
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