JP2011528905A - 抗体レパートリーアレイ(ara)を使用する標的特異的抗体を発見するための方法および組成物 - Google Patents

抗体レパートリーアレイ(ara)を使用する標的特異的抗体を発見するための方法および組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、標的抗原に特異的な抗体アレイを提供する。天然ヒト抗体を含む組成物、このような抗体、このような抗体を発現する不死化B細胞、およびこのような抗体を発現するB細胞を含む非不死化B細胞ライブラリーを含むアレイ、ならびにその発見法を提供する。本発明は、標的細胞表面分子に特異的な抗体レパートリーアレイを使用して、受容体などの細胞表面分子に対する機能的影響に関してモノクローナル抗体をスクリーニングするための方法を提供する。標的を対象とする機能性抗体、およびこのような抗体に由来する治療剤も提供する。潜在的治療用抗体に関するハイスループットおよびパラレルスクリーニング法を提供する。このような抗体に由来する標的およびワクチンおよび治療剤に相当する、機能性エピトープクラスターを対象とする抗体も提供する。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2008年7月25日に出願された、表題「Methods and Compositions for Discovery of Target−Specific Antibodies using Antibody Repertoire Arrays (ARA)」の仮特許出願U.S.第61/083,696号、2008年10月29日に出願された、表題「Methods and Compositions for Discovery of Target−Specific Antibodies using Antibody Repertoire Arrays (ARA)」のU.S.第61/109,418号、および2009年3月12日に出願された、表題「Function−Based Screening of Target−Specific Antibodies using Antibody Repertoire Arrays (ARA)」のU.S.第61/159,704号(これらの内容は、その全体が参考として本明細書に援用される)の優先権を主張する。
発明の技術分野
本発明は一般に、標的抗原に特異的な抗体アレイに関する。具体的には本発明は、天然ヒト抗体を含む組成物、このような抗体およびこのような抗体を発現するヒトB細胞を含むアレイ、ならびにその発見法に関する。本発明はさらに、潜在的治療用抗体のハイスループットおよびパラレルスクリーニング法に関する。本発明はさらに、標的に相当する機能性エピトープクラスターを対象とする抗体、ならびにこのような抗体に由来するワクチンおよび治療剤に関する。
発明の背景
細胞表面受容体の細胞外ドメインを認識するモノクローナル抗体は、それらの受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる。モノクローナル抗体(MAb)263は、成長ホルモン(GH)受容体の細胞外ドメイン(ECD)を認識する広く使用されているモノクローナル抗体であり、in vitroとin vivoの両方でGHアゴニストとして作用することが示されている(非特許文献1)。
しかしながら、受容体と結合する全ての抗体が、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有するのではないようである。追加的な立体配座の変化が、シグナル伝達を誘導するのに必要とされる可能性がある。ホルモン結合部位を対象としホルモン結合に関する完全競合剤として作用するモノクローナル抗体でさえ、全てがアゴニストとして作用しシグナルを誘導することができる訳ではない(非特許文献2)。アゴニズムが狭い範囲のモノクローナル抗体に限定されていることもエリスロポエチン受容体に関して報告されており、この場合広範囲の研究が、この受容体に対する96のモノクローナル抗体の中で、わずか4個がアゴニスト活性を有していたことを示した(非特許文献3)。
細胞表面受容体を刺激するアゴニスト活性を有する抗体は、長期の半減期が必要とされる状況、および低頻度の投与が望まれる状況において、魅力的な治療上の選択肢であり得る。モノクローナル抗体がどのようにして受容体を活性化できるのかの洞察を得るために、公知のアゴニストモノクローナル抗体を用いたエピトープマッピングが利用されている。さらに、アゴニストモノクローナル抗体の細胞表面受容体上の結合部位のマッピングは、この受容体の構造機能関係に関する本発明者らの理解を向上させ得る。トロンボポイエチン(TPO)に対する細胞表面受容体(c−Mpl)を特異的に認識する、ヒト巨核球系細胞に対して産生したBAH−1と呼ばれるマウスモノクローナル抗体は、アゴニスト活性を示す(非特許文献4)。
タンパク質を特異的に検出および定量化するための現在の方法には、抗原/抗体ベースのイムノアッセイがある。これらのアッセイには、(a)免疫拡散法、免疫電気泳動法、凝集作用および免疫沈降アッセイなどの古典的な直接イムノアッセイ、および(b)免疫蛍光、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素イムノアッセイ(EIA)およびウエスタンブロットアッセイなどの、近年開発された方法がある。これらの手法は、抗原−抗体相互作用の特異性を利用する。しかしながら、これらは1度に1つの作用物質のみを分析するように設計されており、したがって1回のアッセイ中で分析することができる分子の数に関して制限を受ける。
様々なディスプレイ手法が最適化ヒト抗体の操作に利用される。ファージディスプレイは、これらの分子の巨大ライブラリーからの、特異的結合性を有するペプチドおよびタンパク質の単離に広く使用されている技術である。抗体ライブラリーのファージディスプレイは、標的に対する抗体断片を発見するための別の方法であり得る。新規な高親和性リガンドおよびそれらの受容体をスクリーニングする際のファージディスプレイの使用は、機能ゲノミクスおよびプロテオミクスにおいて必須となっている。ディスプレイ法は、癌、AIDS、心臓血管疾患、および自己免疫障害を含めた、多くの異なる疾患内の必須成分および経路の標的化を可能にし得る。
ファージディスプレイは、これらの分子の巨大ライブラリーからの、特異的結合性を有するペプチドおよびタンパク質の単離に広く使用されている技術である。抗体ライブラリーのファージディスプレイは、標的に対する抗体断片を発見するための別の方法であり得る。新規な高親和性リガンドおよびそれらの受容体をスクリーニングする際のファージディスプレイの使用は、機能ゲノミクスおよびプロテオミクスにおいて必須となっている。ディスプレイ法は、癌、AIDS、心臓血管疾患、および自己免疫障害を含めた、多くの異なる疾患内の必須成分および経路の標的化を可能にし得る。
一般的なファージミド/ヘルパーファージ系の欠点は、対象のタンパク質を提示しないが、選択標的に対する非特異的結合のため繁殖するファージの高い感染バックグラウンドである。これ、および組換えタンパク質を発現しない異常なファージミドを有する細菌の高い増殖率は、選択効率で重大な低減をもたらす。抗体に適用する場合における、この方法の重大な欠点は、軽鎖と重鎖の本来の組合せが失われ、多くの偽陽性の組合せが作成されることである。したがって、(本来の免疫系によって生じる)L鎖とH鎖の最適な組合せを発見する確率は非常に低い。
ヒト後期胚中心(後期GC)B細胞によって発現される親和性成熟抗体は、感染疾患およびバイオテロ被爆の治療に関して大きな期待が見込める(非特許文献5)。これらの抗体の最良の供給源は、特異的感染または予防接種から回復しており、したがって明確な、防御的抗体応答を生み出している個体であり得る。
天然ヒト抗体は、完全なヒト免疫系の機能の結果として自然に生じる抗体である。ヒトウイルス疾患の治療に関する天然抗体の有用性は、高免疫ヒトグロブリンの経験によって確立されている。ボツリヌス神経毒に対する親和性成熟ヒトIgG抗体が非常に豊富である安定したハイブリドーマ集団を生成するための、ヒト末梢血B細胞を使用する1つの3ステップ法が記載されている。この方法では、末梢血単核細胞(PBMC)を(a)CD27、後期胚中心B細胞のマーカーの発現用に選択し、(b)in vitroで培養してB細胞増殖およびクラス変更を促進し、および(c)遺伝子改変メラノーマ細胞系と融合する(非特許文献6)。
天然抗体は、クラスとして、組換えライブラリー法によって得られる抗体といくつかの点で異なり(ファージまたはトランスジェニックマウス)、それらをヒト疾患に理想的な治療剤にすることができる異なる性質を有する(Dessainら、Exploring the Native Human Antibody Repertoire to Create Antiviral Therapeutics in Current Topics in Microbiology and Immunology 317巻:155〜183頁(2008年)、(著作権)Springer−Verlag New Yorkを参照)。具体的には、原型または天然重鎖:軽鎖対の全てを再現するためのファージ手法が制約されており、したがって重要な抗体構造がファージ作成ライブラリーに組み込まれるのを妨げるため、ファージ由来抗体に優るヒトB細胞から発現される天然抗体のライブラリーの具体的利点が存在する。したがって、ハイスループット法による病原体の検出、診断、治療および療法用の、ヒトB細胞から発現される高品質の天然ヒト抗体を得ることが望ましい。
さらに、病原体のゲノム由来のそれぞれの潜在的エピトープの免疫認識は必要とされない可能性がある。感染性病原体由来の抗原およびエピトープのサブセットに対する応答は、優れた防御に十分である可能性がある。したがって、「イムノーム由来抗ウイルス」は、(プロテオームまたはゲノムによって示される)生物全体ではなく宿主免疫系(イムノーム)と連結する抗原およびエピトープのサブセットに対する応答は、防御に十分であり得るという概念に基づく。癌に対する優れた免疫応答も、おそらく新生物によって誘発されるイムノームに限られる。したがって、任意の所与の感染または新生物と関係があるヒトイムノーム(immunome)を含む抗体ライブラリーを得ることが望ましい。
抗体ライブラリーをスクリーニングするための現在の方法の別の欠点は、得られる情報が標的と結合する能力にほぼ基づいており、標的との結合時の抗体の機能的効果に基づくスクリーニングをほとんどまたは全く与えないことである。90年代後期には、ゲノムおよびプロテオミクスの技術分野の広がりが見られ、あらゆる新規な標的の発見を約束した。正常および腫瘍組織由来のヌクレオチドおよびタンパク質アレイの、ハイスループットスクリーニングおよびコンピュータ支援解析は、理論上癌治療で標的化され得るタンパク質レベルでの微妙な差の世界を明らかにした。しかしながら、これらはいずれも、臨床上有用および妥当な標的をもたらしていない。発現パターンの微妙な差はそれほど重要ではない可能性があり、腫瘍選択的機能がより適切である可能性がある。どれが腫瘍細胞と機能差があるかを確定するための新たな標的の調査はエピトープ識別のレベルであってよく、この場合1つのエピトープとの結合はシグナル伝達の変化をもたらし、一方で別のエピトープとの結合には異なる性質がある。これは、単剤療法レジメンがその有効性を失っている状況において、異なる機能を阻害し相乗的に作用する抗体を用いた併用療法または二次選択療法を可能にし得る。
例えば、TRASTUZUMAB(登録商標)(HERCEPTIN(登録商標);Genentech、San Francisco、CA)は、HER−2(ヒト上皮成長因子受容体2;erb−B2;neu)チロシンキナーゼ受容体の細胞外ドメインを対象とする組換えヒト化モノクローナル抗体である。臨床試験によって、TRASTUZUMAB(登録商標)はHER−2過剰発現転移性乳癌に対して活性があることが確定し、米国食品医薬品局によって1998年にその承認に至った(Carter P、Presta L、Gorman CMら、Humanization of an anti−p185her2 antibody for human cancer therapy. Proc Natl Acad Sci USA(1992年)89巻:4285〜4289頁)。別のHER−2標的モノクローナル抗体、PERTUZUMAB(登録商標)(OMNITARG(登録商標)2C4;Genentech)が、異なる型の固形腫瘍を有する癌患者において第1相臨床試験で現在試験されている。TRASTUZUMAB(登録商標)とは対照的に、PERTUZUMAB(登録商標)は他のHER受容体とHER−2の二量体化を立体的に阻害することにより異なって機能し、HER−2/EGFRおよびHER−2/HER−3ヘテロ二量体からのリガンド活性化シグナル伝達を阻害する(Agus DBら、Cancer Cell(2002年)2巻:127〜137頁)。TRASTUZUMAB(登録商標)に初期応答する乳癌の大部分は1年以内に再度進行し始めるので(Cobleigh MAら、J Clin Oncol 1999年;17巻:2639〜2648頁)、組合せてTRASTUZUMAB(登録商標)とPERTUZUMAB(登録商標)を用いる治療は、HER−2過剰発現BT474乳癌細胞の生存を相乗的に阻害することが分かっている(Nahta Rら、Cancer Res. 64巻、2343〜2346頁(2004年))。したがって、迅速およびハイスループット形式で機能性またはエピトープ特異性によって分類した抗体群を含む抗体ライブラリーを得ることが望ましい。
erbB2癌遺伝子は成長因子受容体をコードする。erbB2の過剰発現はより悪性の腫瘍および乏しい予後と関係している。この分子を対象とするいくつかの抗体はin vivoで抗腫瘍効果があるが、いくつかの抗体には抗腫瘍効果がない(Wangら、Mol Immunol. 2004年2月;40巻(13号):963〜969頁)。明らかに、いくつかのエピトープはerbB2の腫瘍増殖関連機能が対応し、一方他のエピトープは対応しない。したがって、所与の標的内のエピトープ空間の広範囲の調査が必要である。
Wan Yら、Molecular Endocrinology(2003年)17巻(11号):2240〜2250頁 Rowlinson SWら、J Biol Chem(1998年)273巻:5307〜5314頁 Elliott Sら、J Biol Chem(1996年)271巻:24691〜24697頁 Deng Bら、Blood(1998年)92巻(6号):1981〜1988頁 Casadevall、A.、Pirofski、L.A.、Expert Opin. Biol. Ther.(2005年)5巻、1359頁 Adekarら、J Immunol Methods.(2008年4月20日)333巻(1〜2号):156〜66頁
方法、組成物、およびキットの様々な実施形態の以下の記載は、添付の特許請求の範囲の主題を制限するとは決して解釈すべきでない。
本発明は、天然ヒト抗体レパートリーから得られる、新規、有力な治療、診断および予後を生み出すのを容易にするに違いない天然ヒト抗体の発見法に関する。本発明は、それらの天然ヒト形状で抗体を含むライブラリーの作成法を提供する。本発明は、特異的抗原を標的化する天然ヒト抗体を発見するための、天然ヒト抗体のライブラリー由来の抗体を含む新規な抗体レパートリーアレイ(ARA)をさらに提供する。本発明は、本発明のARAの使用によって発見される、特異的抗原を標的化する天然ヒト抗体を含む新規な組成物およびキットを提供する。
本発明は、受容体などの特異的標的細胞表面分子を対象とするモノクローナル抗体のプールから、特異的機能を有するモノクローナル抗体を迅速に同定するための方法に関する。本発明は、本発明の標的特異的抗体レパートリーアレイ(ARA)の使用によって発見される、特異的抗原を標的化し特異的機能を有する天然ヒト抗体を含む新規な組成物およびキットを提供する。
本発明は、生物学的機能の存在に関してモノクローナル抗体をスクリーニングするための方法であって、細胞表面上に存在する特異的標的分子に対するものである複数のモノクローナル抗体を含む抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供するステップ、細胞表面上に存在する特異的標的分子を含む細胞をARAと接触させるステップ、ならびに細胞表面上に存在する特異的標的分子に対する阻害効果または活性化効果を有するモノクローナル抗体を同定するステップを含む方法に関する。
この方法は、レポーター細胞をARAと接触させるステップであって、レポーター細胞の表面上に存在する細胞表面標的分子のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させたときに検出可能なシグナルを発現するようにレポーター細胞が操作されている、ステップ、ならびに検出可能なシグナルを生成するのに必要な基質の存在下でモノクローナル抗体とレポーター細胞をインキュベートするステップであって、検出可能なシグナルのレベルの変化が、モノクローナル抗体の細胞表面標的分子のアンタゴニストまたはアゴニスト機能の存在を示す、ステップをさらに含むことができる。
いくつかの態様では、細胞表面上に存在する特異的標的分子は受容体分子である。
いくつかの態様では、受容体は、末梢膜タンパク質受容体、膜貫通型受容体、代謝生成物産性受容体、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、受容体型チロシンキナーゼ、グアニル酸シクラーゼ受容体、細胞外リガンドに応答性があるイオンチャネル型受容体、受容体型チロシンキナーゼ、サイトカイン受容体、受容体型グアニル酸シクラーゼ(receptor guanylyl cyclase)、受容体型セリン/スレオニンプロテインキナーゼ、インシュリン受容体、インシュリン様成長因子受容体、ヒト成長ホルモン受容体、グルコース輸送担体、トランスフェリン受容体、上皮成長因子受容体、低密度リポタンパク質受容体、レプチン受容体、インターロイキン受容体、IL−1受容体、IL−2受容体、GPCR、ムスカリン性アセチルコリン受容体、アデノシン受容体、アドレナリン受容体、gaba受容体、アンギオテンシン受容体、カンナビノイド受容体、コレシストキニン受容体、ドーパミン受容体、グルカゴン受容体、代謝生成物産性グルタミン酸受容体(metabotropic glutamate receptor)、ヒスタミン受容体、嗅覚受容体、オピオイド受容体、ロドプシン、セクレチン受容体、セロトニン受容体、ソマトスタチン受容体、カルシウム感知受容体、成長因子受容体、共起刺激分子受容体、プロテアーゼ活性化受容体、T細胞受容体、B細胞受容体、ITIM含有受容体、ITAM含有受容体、TNFRスーパーファミリーのメンバー、TNFスーパーファミリーのメンバー、イオンチャネル、およびケモカイン受容体からなる群より選択される。
いくつかの態様では、受容体タンパク質の完全アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニストまたは逆アゴニストとして抗体が機能する。
いくつかの実施形態では、検出可能なシグナルは、フルオロフォア、化学色素、放射性結合物質、化学発光性結合物質、電気化学発光性物質、磁性結合物質、常磁性結合物質、プロ磁性(promagnetic)結合物質、着色産物を生成する酵素、化学発光産物を生成する酵素、磁性産物を生成する酵素またはルテニウムである。
本発明は、細胞表面分子の活性化が基質に影響を与えることができる酵素の活性と関連がある細胞内シグナル伝達経路と共役している、スクリーニング法に関する。
いくつかの実施形態では、酵素は、β−ラクタマーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼおよびホスホジエステラーゼIIからなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、基質は、p−アミノフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニルホスフェート、およびp−アミノフェニルホスホリルコリンまたはその誘導体からなる群より選択される。
いくつかの実施形態では、基質に対する酵素の影響は、化学反応、発光定量的な反応(luminometric reaction)、比色反応または蛍光定量的な反応(fluorimetric reaction)と関連している。
本発明は、抗体機能の検出前に流体せん断力によって、ARAの表面から非結合レポーター細胞を除去することをさらに含むスクリーニング法に関する。
いくつかの態様では、ARAを96または384ウエルプレート中に配置する。それぞれのウエルが単一B細胞クローン由来のモノクローナル抗体を含み、モノクローナル抗体の濃度は細胞表面標的分子からシグナルを誘導するのに十分である。それぞれのウエルは10個を超えるレポーター細胞と接触させる。いくつかの実施形態では、それぞれのウエルは10個未満のレポーター細胞と接触させ、検出可能な標識を観察する前に10個以上のレポーター細胞がそれぞれのウエルに存在するまで、適切な条件下で細胞増殖が可能である。
いくつかの態様では、レポーター細胞から分泌される可能性がある、または可能性がない検出可能な標識を、それが生成するウエル内で検出する。
いくつかの態様では、それぞれのウエルをレポーター細胞と接触させ、それらを約10、10、10個以上のレポーター細胞濃度に達するまで細胞増殖に適した条件下でインキュベートする。細胞増殖条件は、検出可能な標識の発現にも適している。
いくつかの態様では、スクリーニングはハイスループットスクリーニングである。いくつかの態様では、スクリーニングはハイコンテントスクリーニングである。
いくつかの態様では、検出可能な標識は細胞表面標的分子の活性化から間接的に生成する。
いくつかの態様では、細胞表面標的分子のシグナル伝達経路の活性化はβ−ラクタマーゼ発現と共役し、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)系基質を使用してβ−ラクタマーゼの発現を定量化する。
本発明は、抗体ライブラリーを作成するための方法であって、有効な数のヒトドナーのそれぞれから少なくとも10個のB細胞を得るステップ、ならびにB細胞の集団を形成するステップであって、前記集団が少なくとも10、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有し、抗体のそれぞれがヒトイムノーム全体を実質的に表す自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する、ステップ、前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1、5、10、20、50または100種の異なる抗体を産生する、ステップ、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、不死化B細胞培養物を生成するための増殖の前後に、前記B細胞培養物のそれぞれを場合によっては不死化するステップ、前記B細胞が前記培養培地中に抗体を分泌する条件下において培養培地中で、前記B細胞培養物のそれぞれを培養するステップ、ならびに前記抗体のそれぞれを固体表面上の異なる位置に結合または配置させ、それによって抗体アレイを作成するステップを含む方法を提供する。
さらなるステップでは、この方法は、前記標的に特異的である抗体を同定するステップを含む。この方法は、どの不死化または非不死化B細胞培養物が前記標的抗体を産生するかを決定するステップ、ならびに前記B細胞培養物から前記標的抗体を産生するB細胞を単離するステップをさらに含むことができる。
本発明は、1つまたは複数の個体ドナーから抗体を産生するための方法であって、自然に発現される抗体を有する前記1つまたは複数のドナーから少なくとも10個のB細胞を得るステップ、少なくとも1種の抗体を産生する亜集団、好ましくは約1〜100の抗体を産生する亜集団に前記B細胞を分けるステップ、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、不死化B細胞培養物を生成するための増殖の前後に、前記B細胞培養物のそれぞれを場合によっては不死化するステップ、前記B細胞が前記培養培地中に抗体を分泌する条件下において培養培地中で、前記B細胞培養物のそれぞれを培養するステップ、ならびに前記抗体を固体表面上の異なる位置に結合させるステップを含む方法を提供する。この方法は、標的に対する前記抗体をスクリーニングするステップをさらに含むことができる。
本発明は、前記ヒトドナーの数が少なくとも10、50、100または500である方法を提供する。
本発明は、前記B細胞集団を少なくとも10、20、50、100、1000、10および最大10の亜集団に分ける方法を提供する。
本発明は、自然に対形成したVおよびV領域を有する、少なくとも10、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも10個の天然に存在する抗体を含む抗体ライブラリーであって、前記抗体が十分多様な患者集団から得たヒトB細胞、好ましくは不死化ヒトB細胞から発現されており、したがって前記ライブラリー中の抗体がヒトイムノーム全体と実質的に類似した多様な結合活性を有する、抗体ライブラリーを提供する。
本発明は、自然に対形成したVおよびV領域を有する、少なくとも10、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも10個以上の本来発現されるヒト天然抗体を含むアレイおよび抗体ライブラリーであって、前記抗体がヒトB細胞から発現されているアレイおよび抗体ライブラリーを提供する。いくつかの実施形態では、抗体ライブラリーまたはARAは、少なくとも10個の異なる特有抗原または標的、好ましくは少なくとも10個、およびより好ましくは少なくとも10個以上の異なる特有抗原または標的を認識する。例えば、参照により本明細書に完全に組み込む、米国特許第6,319,690号を参照。
本発明は、少なくとも10、好ましくは少なくとも10、およびより好ましくは少なくとも10個以上の異なる種の天然に存在する抗体を産生するヒトB細胞の集団を含むライブラリーであって、抗体のそれぞれが自然に対形成したVおよびV領域を有し、ヒトB細胞の集団がB細胞の亜集団に分かれ、それぞれの亜集団が平均して1〜100種の異なる抗体を産生し、前記ヒトB細胞が十分多様な患者集団から得られ、したがって前記ライブラリー中のB細胞により産生される抗体がヒトイムノーム全体と実質的に類似した多様な結合活性を有する、ライブラリーを提供する。
本発明は、非不死化B細胞ライブラリーを作成するための方法であって、有効な数のヒトドナーのそれぞれから少なくとも10個の記憶B細胞を得るステップ、ヒトB細胞の集団を調製するステップであって、前記集団が少なくとも10、好ましくは少なくとも10、およびより好ましくは少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有し、抗体のそれぞれが自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する、ステップ、前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1〜100種の異なる抗体を産生し、場合によっては、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、ならびにそのRNA内容物を保存するのに適した条件下にそれぞれの亜集団を保管するステップであって、それぞれが平均して1〜100の異なる種の抗体を発現する非不死化B細胞集団のライブラリーを生成するステップを含む方法を提供する。この方法は、それぞれの保存したB細胞亜集団に対応するRNA試料を調製するステップ、それぞれのRNA試料に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに自然に対形成した免疫グロブリン(Ig)が形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクスト(context)で前記VおよびV領域を発現させるステップをさらに含むことができる。
本発明は、標的特異的抗体を単離するための方法であって、標的に事前に曝したヒトドナーからB細胞を得るステップであって、前記B細胞の集団が自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有する、ステップ、前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1〜100の異なる種の抗体を産生する、ステップ、前記B細胞が前記培養培地中に抗体を分泌する条件下において、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、固体表面上の異なる位置に前記B細胞培養物のそれぞれから培養培地中に分泌された前記抗体を配置して、抗体レパートリーアレイ(ARA)を作成するステップ、天然標的分子を用いて抗体レパートリーアレイを調べて(interrogate)、前記標的に特異的である1つまたは複数の抗体集団を同定するステップ、前記標的に特異的である抗体集団に対応する前記B細胞培養物のそれぞれからRNA試料を調製するステップ、前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、標的はウイルス、細菌、酵母、寄生虫、真菌、または他の病原体である。いくつかの実施形態では、天然標的分子はビリオン、ウイルス様粒子、ウイルス感染細胞、またはウイルスタンパク質である。一実施形態では、標的はヒト免疫不全ウイルス(HIV)である。
一態様では、方法は、多種の標的または複数の血清型の同じ標的を含む複数の標的を提供するステップ、ならびに交差反応性抗体を同定するステップをさらに含む。
本発明は、本明細書に記載する任意の方法によって調製する抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供する。
本発明は、エピトープクラスタリング(epitope clustering)に基づいて抗体をスクリーニングするための方法であって、標的タンパク質の一部分を表す遺伝子断片から作成した遺伝子断片ファージディスプレイ(GFPD)ライブラリーを提供するステップであって、GFPDライブラリーのメンバーを1つまたは複数のエピトープとの対応に従いクラスタリングするステップ、インタクトな標的タンパク質を提供するステップ、免疫応答を高めるのに十分な量の標的に事前に曝した被験体の血液試料から作成した抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供するステップ、標的由来のGFPDライブラリーのメンバーのインタクトな標的およびエピトープ特異的クラスターを用いてARAを調べるステップ、前記インタクトな標的および少なくとも1つのエピトープクラスターに特異的である1つまたは複数の抗体集団を同定するステップ、前記エピトープクラスターに特異的である抗体集団に対応する前記B細胞培養物のそれぞれからRNA試料を調製するステップ、前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップを含む方法を提供する。
一態様では、この方法は、インタクトな標的およびGFPDライブラリーのメンバーによるARAの認識パターンに基づいて、新たなエピトープを同定するステップをさらに含む。この方法は、新たなエピトープクラスターに特異的である抗体集団に対応する前記B細胞培養物のそれぞれからRNA試料を調製するステップ、前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップの、追加ステップを含む。
本発明は、本明細書に記載する方法に従い同定およびクローニングしたVおよびV鎖を発現させることによって調製した、治療用抗体に関する。
本発明は、遺伝子断片ファージディスプレイ(GFPD)ライブラリーの調製法に関するものであり、この場合GFPDのメンバーは、標的タンパク質をコードする遺伝子を提供するステップ、前記遺伝子を遺伝子断片に断片化するステップ、GFPDライブラリーのメンバーを含むファージディスプレイライブラリーを調製するステップ、標的に特異的なヒト抗体に関してGFPDライブラリーをパニングするステップ、ならびに1つまたは複数のクラスターとの対応に従いそれぞれのGFPDを分類するステップを含む方法によって、1つまたは複数のエピトープとの対応に従いクラスタリングする。
この方法は、標的の公知の三次元構造にGFPDライブラリーのメンバーをオーバーレイ(overlay)してGFPDライブラリーのメンバーを分類することをさらに含み、この場合標的の機能は、標的の公知の三次元構造の一部分と関係がある。
本発明は、本明細書に記載する方法により同定した2つ以上のエピトープクラスター間の相乗機能を試験するための方法に関するものであり、この方法は、エピトープクラスターに特異的である抗体集団から配列決定したVおよびV領域の発現によって形成される第一の自然に対形成した免疫グロブリンを調製するステップ、異なるエピトープクラスターに特異的である抗体集団から配列決定したVおよびV領域の発現によって形成される第二の自然に対形成した免疫グロブリンを調製するステップ、第一および第二の自然に対形成した免疫グロブリンの両方を個別または組合せで、インタクトな標的の活性を測定するために試験系に与える(administer)ステップ、ならびに公知の機能と関連がある新たなエピトープの活性または活性の相乗作用を決定するステップを含む。
本発明は、本明細書に記載する方法により決定した1つまたは複数のエピトープクラスターと関係がある標的の機能を調節する際に有効である、小分子および治療用抗体調製物を提供する。本発明は、本明細書に記載する方法により決定した機能性エピトープクラスターに対して有効な抗体を含む、ワクチン調製物を提供する。
本発明は、細胞表面受容体の機能を改変することができる治療用抗体を含むキットを提供する。
本発明は、特異的機能を有するモノクローナル抗体をスクリーニングするためのキットを提供し、このキットは、細胞表表面上に存在する特異的標的分子に対するものである複数のモノクローナル抗体を含む抗体レパートリーアレイ(ARA)、および場合によっては、レポーター細胞の表面上に存在する細胞表面標的分子のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させたときに検出可能なシグナルを発現するように操作されているレポーター細胞を含む。
本発明、ならびに本発明の他の目的、特徴、および利点は、以下の発明の詳細な説明および添付の図面および実施形態において、さらに明らかになる。
図1は、抗体レパートリーアレイを使用する、抗体発見プロセスの概略を示す図である。 図2は、ARAプラットフォームを使用する、HIVに対するモノクローナル抗体の発見に関するプロセスの概略を示す図である。 図3は、ヒト遺伝子に相当するエピトープレパートリーのファージディスプレイの作成に関する、プロセスの概略を示す図である。 図4は、標的として完全タンパク質または病原体およびさらに標的として個々のエピトープを用いたARAのスクリーニングに関する、プロセスの概略を示す図である。 図5は、標的上の個々の機能性エピトープを対象とする特有抗体クラスターの単離に関する、プロセスの概略を示す図である。
さらなる詳述なしで、当業者は、以下の説明を使用して、その最大限まで本発明を利用することができると考えられる。以下の説明は単なる例示的なものであり、決して何であれ本開示の残り部分を制限するものではない。
感染疾患の治療のための受動的抗体療法の有用性および必要性は認められている。(Keller and Stiehm. Clin. Microbiol. Rev. 13巻:602〜614頁(2000年);Oral HBら、Mol. Biotechnol. 21巻:225〜239頁(2002年);Casadevallら、Nat. Rev. Microbiol. 2巻:695〜703頁(2004年)。ウイルス感染から回復した個体または治療予防接種を受けた個体は、ウイルスからの生涯免疫に貢献する抗体の集団を含有する。これらの「天然抗体」は、機能性ヒト免疫系によって生成されるのと全く同じ形状で対形成する重鎖および軽鎖を有する。それらは、これらがヒト系によって自然に生成する完全長抗体の「野生型」構造を複製しない点で、組換え系からまたはトランスジェニックマウス系を使用して生成するヒトまたはヒト化抗体と異なる。
天然ヒト抗体レパートリーには、新規なモノクローナル抗体療法の開発に関する未開拓の可能性がある。天然ヒト抗体レパートリーはヒト疾患に対する明確な免疫学的解決を含有し、ヒト臨床用途に最も安全である可能性がある。静注用免疫グロブリンを使用する(IVIG;血漿由来の天然IgGを使用する)ポリクローナル抗体療法は過去に使用されてきたが、本発明は、クローニングした天然ヒト抗体の治療可能性を一層高い有効性で利用するための新規な方法に関する。抗体ライブラリーまたはアレイが構築されているが(例えば、参照により本明細書に完全に組み込む、米国特許第4,829,010号および米国特許第4,591,570号を参照)、しかしながら、本明細書に記載し特許請求するような、実質的に全てのヒト天然イムノームを含む天然ヒト抗体のライブラリーまたはARAは存在していない。
本発明は、抗体発見用の抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供する。一態様では、所与のドナーまたはドナープールの抗体レパートリーの包括的調査用の、ハイスループット、多重および測定可能プラットフォームを提供する。一態様では本発明は、独自の機能性を有する高品質抗体を同定する確率を高めるための、巨大な候補のプールを提供する。
本発明は、抗体レパートリーアレイ(ARA)中に提供されるモノクローナル抗体のプールから、特異的機能を有する抗体を迅速に同定するための方法に関する。一態様では、所与のドナーまたはドナープールの抗体レパートリーの包括的調査用の、ハイスループット、多重および測定可能プラットフォームを提供する。一態様では本発明は、独自の機能性を有する高品質抗体を同定する確率を高めるための、巨大な候補のプールを提供する。
受容体は、移動性シグナル伝達(または「シグナル」)分子が結合することができる、細胞の原形質膜または細胞質のいずれかに埋め込まれたタンパク質分子である。受容体と結合する分子は「リガンド」と呼ばれ、それはペプチド(神経伝達物質など)、ホルモン、薬剤、毒素、または抗体であってよく、アゴニストとのこのような結合が生じると、受容体は立体配座が変化し、これが通常細胞応答を開始させる。いくつかのリガンド(例えば、アンタゴニスト)は、いかなる応答も誘導せずに単に受容体を阻害する。受容体のリガンド誘導型変化は、リガンドの生物活性を構成する生理的変化をもたらす。
本発明による受容体には、末梢膜タンパク質受容体、膜貫通型受容体、代謝生成物産性受容体、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、受容体型チロシンキナーゼ、グアニル酸シクラーゼ受容体、細胞外リガンドに応答性があるイオンチャネル型受容体などがある。膜貫通型タンパク質は、1個〜数個の膜貫通ドメインを含有することができる。例えば、受容体型チロシンキナーゼ、特定のサイトカイン受容体、グアニル酸シクラーゼ受容体、および受容体型セリン/スレオニンプロテインキナーゼは、1個の膜貫通ドメインを含有する。しかしながら、イオンチャネルおよびアデニル酸シクラーゼを含めた様々な他のタンパク質は、多数の膜貫通ドメインを含有する。多くの重要な細胞表面受容体は「7回膜貫通ドメイン」(7TM)タンパク質として分類される。それらは、7個の膜貫通領域を含有するからである。重要な膜貫通タンパク質受容体には、インシュリン受容体、インシュリン様成長因子受容体、ヒト成長ホルモン受容体、グルコース輸送担体、トランスフェリン受容体、上皮成長因子受容体、低密度リポタンパク質受容体、レプチン受容体、インターロイキン受容体、例えば、IL−1受容体、IL−2受容体などがあるが、これらだけには限られない。GPCRには、ムスカリン性アセチルコリン受容体、アデノシン受容体、アドレナリン受容体(アドレナリン作動受容体としても知られる)、GABA受容体、アンギオテンシン受容体、カンナビノイド受容体、コレシストキニン受容体、ドーパミン受容体、グルカゴン受容体、代謝生成物産性グルタミン酸受容体、ヒスタミン受容体、嗅覚受容体、オピオイド受容体、ロドプシン、セクレチン受容体、セロトニン受容体、ソマトスタチン受容体、カルシウム感知受容体、ケモカイン受容体、サイトカイン受容体などがある。特定の受容体はシグナル伝達に関与する。
膜貫通ドメインの特性には、帯電アミノ酸が付随し得る約20の連続する疎水性アミノ酸がある。したがって、特定タンパク質のアミノ酸配列の分析によって、タンパク質内の膜貫通ドメインの局在および数を予想することができる。
膜貫通タンパク質の細胞外ドメインは多様であるが、しかしながら、保存モチーフは様々な細胞外ドメイン中で繰り返し見られる。保存構造および/または機能は異なる細胞外モチーフに起因している。例えば、サイトカイン受容体はシステインおよびWSXWS(W=トリプトファン、S=セリン、X=任意のアミノ酸)モチーフのクラスターによって特徴付けられる。免疫グロブリン様ドメインは高度に保存されている。ムチン様ドメインは細胞接着と関係がある可能性があり、ロイシンリッチリピートはタンパク質−タンパク質相互作用に関与する。
多くの細胞外ドメインは他の分子との結合に関与する。一態様では、細胞外ドメインは受容体である。受容体ドメインと結合する因子には、ペプチド、タンパク質、またはアデノシンなどの小分子などであってよい循環リガンドがある。例えば、EGF、FGFおよびPDGFなどの成長因子は、それらの同種受容体と結合して様々な細胞応答を開始させる、循環成長因子である。他の因子には、サイトカイン、マイトジェン因子、神経栄養因子などがある。
本発明によれば、機能性モノクローナル抗体は細胞表面タンパク質の細胞外ドメインと相互作用し、直接的または間接的に、生物学的応答を誘導する。
アゴニストは受容体を活性化することができ、最大の生物学的応答をもたらす。大部分の天然リガンドは完全アゴニストである。部分的アゴニストが受容体を完全に活性化することはなく、完全アゴニストの応答と比較して部分的である応答を引き起こす。アンタゴニストは受容体と結合するが、それらを活性化しない。これは受容体の阻害をもたらし、他のアゴニストの結合を阻害する。逆アゴニストは、それらの常時活動を阻害することによって受容体の活性を低下させる。受容体と結合するモノクローナル抗体は、任意の1つまたは複数のこれらの影響を有することができる。
本発明は、個体またはドナー集団における非常にまれな抗体(10〜10分の1)の高感度の検出を可能にする。迅速な時間枠(3カ月以下)で、標的特異的な天然ヒト抗体集団を同定および確認するための方法を提供する。
さらに本発明の方法は、天然軽鎖および重鎖対を有する天然ヒト抗体を用いた天然形状の標的分子の調査を可能にし、特異的標的に対する高品質抗体を同定するスクリーニングをもたらす。
ヒトドナー由来のヒトIgG+記憶B細胞
ヒト免疫系は、10個を超えるコンビナトリアル抗体で個体において1012個のB細胞クローン型を含む(Jerne NK、Scand J Immunol. 38巻(1号):1〜9頁(1993年))。しかしながら、本明細書で使用するように、少なくとも10、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも10個の異なる種のIgG抗体を含有するB細胞の集団は、疾患、障害または感染因子に相当する抗原(複数可)に応答性があるヒト天然イムノームを表すと考えられる。それぞれのドナーから、少なくとも10個のB細胞を回収する。本明細書で企図するヒト天然抗体ライブラリーおよびアレイは、疾患、障害または感染因子に相当する抗原(複数可)に応答性がある、機能的な、完全ヒト免疫系によって生成し得る実質的に全ての考えられる天然ヒト抗体を含み、少なくとも10の異なるドナーから回収した、少なくとも10、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも10個の異なる種のヒト天然抗体を典型的には含有する。
静注用免疫グロブリン(IVIG)は血漿から得られる天然ヒトIgG抗体の精製集団を含み、それが生成する集団の集合的抗体イムノームを表す。地理的に異なるドナープールは、特異的抗体の力価が異なることは観察されてきている。したがって、本発明の一態様では、地理的に多様な集団からドナープールを生成して、標的特異的抗体の多様性を高める。
本発明の一態様では、ドナー集団は未治療である、または一般的な感染因子による感染に曝されていない、または一般的な治療予防接種を受けている。
本発明の別の態様では、特異的感染因子またはヒト疾患を標的化する抗体が望ましい場合、一般的な疾患に罹患する集団、または一般的な感染因子に感染しているかそれに対する予防接種を受けた集団用のドナープールを選択する。
一実施形態では、インフルエンザウイルス感染、C型肝炎ウイルス(HCV)感染、単純ヘルペスウイルス(HSV)感染、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染、メチシリン耐性Staphylococcus aureus(MRSA)感染、エプスタインバーウイルス(EBV)感染、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)感染、Pseudomonas、Candida感染などの感染障害に起因する少なくとも1つの疾患、喘息、アレルギー、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、特発性肺線維症(IPF)、成人呼吸逼迫症候群(ARDS)などの呼吸器障害、薄弱性、カヘキシー、サルコペニア、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、心筋梗塞(MI)、慢性腎不全(CRF)骨粗鬆症、消化系障害、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、脂肪肝疾患、線維症、薬剤誘導型肝疾患などの代謝障害、アルツハイマー病、多発性硬化症(MS)、パーキンソン病、牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)などの神経障害、乳、腎臓、胃、メラノーマ、肺、結腸、グリオーマ、リンパ腫および前立腺癌などの癌などの標的疾患を、ドナーが発症していることは公知である。
一実施形態では、Bリンパ球を、神経状態と関係があるポリペプチド、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、接着分子、共起刺激分子、腫瘍細胞抗原、悪性腫瘍細胞抗原およびそれらの受容体などの治療上関連がある標的に対する抗体の存在に関してスクリーニングする。
ハンチントン病(HD)、パーキンソン病(PD)、アルツハイマー病(AD)、および筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの様々な神経変性疾患と関係があるポリペプチドには、ハンチングチン、アトロフィン−1、アンドロゲン受容体、アタキシン−1、アタキシン−2、アタキシン−3、CACNA1A(カルシウムチャネル、電位依存性、P/Q型、α1Aサブユニット)、アタキシン−7、αシヌクレイン、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、tau、βアミロイドペプチド、低分子量神経フィラメント(LNF)、αインターネキシン、ペリフェリン、N−Cor、mSin3a、CBP(c−AMP−応答エレメント結合タンパク質)、α−アダプチン、α−1−アンチキモトリプシン、シンフィリン−1、パーキン、UCH−L1(ユビキチンカルボキシル末端エステラーゼL1)、hip−1、カスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−6、カスパーゼ−8、カルパイン、アスパルチルプロテアーゼ、ヒストンデアセチラーゼ2(HDAC2)、トランスグルタミナーゼ、ポリグルタミン結合タンパク質−1(PQBP1)、βシヌクレイン、γシヌクレイン、SOD1、アポリポタンパク質E(APOE)、hip−1、プレセニリンPS−1、およびプレセニリンPS−2がある。
サイトカインは、免疫系および炎症応答を含めた多数の機能の活性化と関係している、ポリペプチドメディエーターの異種群である。サイトカインファミリーには、インターロイキン(IL−1α、IL−1β、ILIraおよびIL−2〜IL−18)、腫瘍壊死因子(TNF−αおよびTNF−β)、インターフェロン(INF−α、βおよびγ)、コロニー刺激因子(G−CSF、M−CSF、GM−CSF、IL−3および他のILのいくつか)、および成長因子(EGF、FGF、PDGF、TGFα、TGFβ、BMP、GDF、CTGF、およびECGF)があるが、これらだけには限られない。サイトカインには、カルジオトロフィン−1(CT−1);CD27;CD27L;CD30Ki−1;CD30L;CD40L(TRAP);インターフェロンα(IFN−α);インターフェロンβ(IFN−β);インターフェロンγ(IFN−γ);インターフェロンω(IFN−ω);インターフェロン感受性遺伝子15(ISG−15);レプチンOB;白血病抑制因子LIF;リンホトキシンLT/TNFβ;マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF);マクロファージ刺激タンパク質−α(MSP−α);マクロファージ刺激タンパク質−β(MSP−β);遊走阻止因子(MIF);オンコスタチンM(OSM);RANKL;可溶性IL6R複合体sIL6RC(gp130+sIL6R);可溶性FasリガンドsCD95L;TNFI型受容体TNF−RI;TNFII型受容体TNF−RII;TNFSF−18;腫瘍壊死因子αTNF−α;およびTNFSF−12があるが、これらだけには限られない。
ケモカインは、白血球を活性化または化学誘引することができるサイトカインである。ケモカイン受容体は、Gタンパク質共役クラスの受容体に属する。例えば、宿主細胞中へのHIVの進入はケモカイン受容体を必要とし、それらのアンタゴニストはAIDSを治療するのに有用である。ケモカインには、Bリンパ球走化性因子(BLC);ケモカイン受容体(CCK−1);皮膚T細胞誘引性ケモカインCTACK;エオタキシン−1;エオタキシン−2MPIF−2;エオタキシン−3CCL26;ニューロタクチン;顆粒球走化性タンパク質2(GCP−2);MGSA;MIP−2α;MIP−2β;血液浸潤CC1(HCC−1);血液浸潤CC4(HCC−4);IFNγ誘導性タンパク質−10(IP−10);IFN誘導性T細胞αケモカイン(I−TAC);インターロイキン−8(IL−8);白血球細胞由来ケモタキシン−2;ラングカイン;リンホタクチン(LPTN);マクロファージ炎症タンパク質1α;マクロファージ炎症タンパク質1β;マクロファージ炎症タンパク質1δ;マクロファージ炎症タンパク質1γ;マクロファージ炎症タンパク質3α;マクロファージ炎症タンパク質3β;マクロファージ由来ケモカイン(MDC);単球走化性因子タンパク質−1(MCP−1);単球走化性因子タンパク質−2(MCP−2);単球走化性因子タンパク質−3(MCP−3);単球走化性因子タンパク質−4(MCP−4);単球走化性因子タンパク質5(MCP−5);IFNγによって誘導されるモノカイン(MIG);骨髄性前駆細胞抑制因子(MPIF);血小板塩基性タンパク質(PBP);血小板因子4;肺活性化制御ケモカイン(PARC);RANTES(発現および分泌されるT細胞の活性化によって制御される);二次リンパ組織ケモカイン(SLC);間質細胞由来因子1(SDF−1);胸腺活性化制御(TARC);および胸腺発現ケモカイン(TECK)があるが、これらだけには限られない。
増殖因子には、酸性線維芽細胞増殖因子(aFGF);アクチビンβA;アゴウチ関連タンパク質(AGRP);アンフィレグリンAR;アンギオポイエチン様因子(ALF);塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);βセルリン;骨形態形成タンパク質2(BMP2);骨形態形成タンパク質4(BMP4);骨形態形成タンパク質5(BMP5);骨形態形成タンパク質6(BMP6);骨形態形成タンパク質7(BMP7);クリプト−1増殖因子(CRGF);上皮増殖因子(EGF);エリスロポイエチン(EPO);線維芽細胞増殖因子17(FGF−17);線維芽細胞増殖因子18(FGF−18);線維芽細胞増殖因子19(FGF−19);線維芽細胞増殖因子2(FGF−2);線維芽細胞増殖因子4(FGF−4);線維芽細胞増殖因子6(FGF−6);線維芽細胞増殖因子7(FGF−7);線維芽細胞増殖因子8(FGF−8);線維芽細胞増殖因子9(FGF−9);Flt3リガンド(Flt3L);フォリスタチン(FSP);顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF);顆粒球/マクロファージCSF(GM−CSF);増殖および分化因子11(GDF−11);増殖および分化因子15(GDF−15);増殖停止特異的遺伝子6(Gas−6);ヘパリン結合性上皮増殖因子(HB−EGF);肝細胞増殖因子(HGF);ヘパトポイエチンA(HPTA);ニューレグリン;ヘレグリンα;ヘレグリンβ;IGF結合タンパク質−1(IGFBP−1);IGF結合タンパク質−2(IGFBP−2);IGF結合タンパク質−3(IGFBP−3);IGF結合タンパク質−4(IGFBP−4);インヒビンA;インヒビンB;インシュリン様増殖因子IA(IGF−IA);インシュリン様増殖因子IB(IGF−IB);インシュリン様増殖因子II(IGF−II);マクロファージガラクトース特異的レクチン1(MAC−1);ニューリチン;ニュールツリン;オレキシンA;オステオネクチン;オステオプロテグリン;血小板由来増殖因子α(PDGF−A);血小板由来増殖因子β(PDGF−B);プロラクチン(PRL);感覚および運動ニューロン由来因子(SMDF);可溶性GM−CSF受容体(sGM−CSFR);幹細胞因子(SCF);トロンボポイエチン(TPO);胸腺間質性リンパ球タンパク質(TSLP);チモポイエチン(Tpo);形質転換増殖因子α(TGF−α);形質転換増殖因子β1(TGF−β1);形質転換増殖因子β2(TGF−β2);形質転換増殖因子β3(TGF−β3);および血管内皮増殖因子(VEGF)があるが、これらだけには限られない。
白血球の侵出および移動のレギュレーターとしての細胞接着分子およびケモカイン/ケモカイン受容体の標的化は、関節リウマチおよび骨関節炎などの慢性炎症障害を治療するための手法を与える。Vergunst CEら、Scandinavian Journal of Rheumatology 34頁:6巻、415〜425頁。細胞接着分子(CAM)は、細胞接着と呼ばれるプロセスにおいて他の細胞または細胞外マトリクス(ECM)との結合に関与する、細胞表面上に位置するタンパク質である。大部分のCAMは、4つのタンパク質ファミリー:Ig(免疫グロブリン)スーパーファミリー(IgSF CAM)、インテグリン、カドヘリンおよびセレクチンに属する。免疫グロブリンスーパーファミリー(CAM)(IgSF CAM)は同種または異種のいずれかであり、インテグリンまたは異なるIgSF CAMと結合する。IgSF CAMには、NCAM(神経細胞接着分子);ICAM−1(細胞間細胞接着分子);VCAM−1(血管細胞接着分子);PECAM−1(血小板−内皮細胞接着分子);L1;CHL1;MAG;ネクチンおよびネクチン様分子があるが、これらだけには限られない。カドヘリンファミリーのメンバーには、E−カドヘリン(上皮)、P−カドヘリン(胎盤)およびN−カドヘリン(神経)がある。セレクチンファミリーのメンバーの例は、E−セレクチン(内皮)、L−セレクチン(白血球)およびP−セレクチン(胎盤)である。インテグリンは、細胞外マトリクス(ECM)と相互作用し様々な細胞内シグナル伝達を仲介する細胞表面受容体である。細胞接着は感染疾患および神経障害と関係がある。
共刺激シグナルは、T細胞活性化中に使用される抗原非特異的シグナルであり、抗原提示細胞およびT細胞の膜上で発現される共起刺激分子間の相互作用によって与えられる(Tackeら、Eur. J. Immunol.、1997年、27巻:239〜247頁)。T細胞によって発現される共起刺激分子の一例は、APCの膜上のCD80およびCD86と相互作用するCD28である。T細胞によって発現される他の共刺激受容体には、ICOS(誘導性共刺激剤)、CTLA−4、およびPD1がある。共刺激シグナルの阻害は、関節リウマチの治療、および腎移植中、およびT細胞の共刺激がない疾患、特にB細胞型の慢性リンパ球性白血病(B−CLL)、無γグロブリン血症、選択的IgA欠損症、および共通可変免疫不全(CVID)などの選択的免疫グロブリン欠損症の治療に使用される。
リンパ球を含有する試料を、様々な時間地点で患者ドナーから回収することができる。一実施形態では、少なくとも1、5、10、15、20、25日、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11カ月、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年で、標的疾患(複数可)から回復した患者からリンパ球を回収する。別の実施形態では、回収時に標的疾患(複数可)を有する患者、および回収前少なくとも1、5、10、15、20、25日、または少なくとも1、2、3、4、5、6、8、9、10カ月、または1、2、3、4、または5年でその疾患(複数可)を有すると診断された患者から、リンパ球を回収する。
ドナー特異的ヒト抗体ライブラリーを調製するため、Bリンパ球を含有する試料を個体(患者ドナー)から回収する。試料は、例えば、骨髄、血液、脾臓、リンパ節、扁桃腺、胸腺などに由来してよい。末梢血単核細胞は試料の最も一般的な供給源であるが、骨髄は個体ドナーの成熟抗体レパートリーの完全な「化石保管所」を表し、脾臓中の単核細胞は高い割合のIgG抗体を含有することを記す。初代ヒトB細胞の最良の供給源は、脾臓単核細胞、扁桃腺および末梢血単核細胞である(Olssonら、J. Immunol. Methods 61巻:17〜32頁(1983年);Karpas A. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 98巻:1799〜1804頁(2001年))。
その手順は、典型的にはFicoll勾配の使用による、当技術分野で公知であるヒト血液からの末梢血単核細胞(PBMC)の分離で始まる。PBMCは、抗CD19などのB細胞選択的マーカーで染色する。染色したB細胞はフローサイトメトリーによってソーティングする。本発明の一態様では、5mLの血液試料当たり約5〜10×10個のB細胞を得る。
抗体産生B細胞のクローニング
抗体産生B細胞はマルチウエルプレート中で培養することができる。一実施形態では、96、384または1536ウエルプレートのそれぞれのウエルはオリゴクローナルであり、2つ以上のB細胞クローンを含有する。ウエルは少なくとも1、2、5、10、15または20の異なるB細胞クローン、好ましくは1〜100のB細胞クローンを含有することができる。ウエルは、約10の異なるB細胞クローンを含有することが好ましい。Loveら、Nature Biotechnology、24巻、703〜707頁(2006年)に従い高密度ライブラリーを構築することができる(「Love」)。B細胞は、マイクロタイタープレート、より具体的には96、384または1536ウエルのマイクロタイタープレート内に配することが好ましい。(例えば、ナノ形式のLoveと比較した)マイクロタイタープレート形式を使用する利点は、B細胞の検索しやすさである。マイクロタイタープレートは1つのウエル中に多数のB細胞を含むことができ、それぞれのウエル中の複数のB細胞は異なるヒト天然抗体を産生すると企図される。別の実施形態では、96、384または1536ウエルプレートのそれぞれのウエルはクローナルであり、平均してただ1つのB細胞クローンを含有し、この実施形態はヒトB細胞が不死化状態でないときが好ましい。
ウエル当たり約10細胞の限界希釈でマイクロタイタープレートに細胞をソーティングするための2つの代替法には、半固体培地からのクローン採取(Davis、J.Mら、J. Immunol. Methods 50巻、161〜171頁(1982年);Rueda、A.Z.& Coll、J.M. J. Immunol. Methods 114巻、213〜217(1988年))および蛍光活性化細胞選別(FACS;Herzenberg、L.Aら、Clin. Chem. 48巻、1819〜1827頁(2002年);Carroll、S.& Al−Rubeai、M. Expert Opin. Biol. Ther. 4巻、1821〜1829頁(2004年))がある。
場合によっては、B細胞クローンをウエル中で増殖させる。in vitroでのB細胞の刺激は細胞当たりでより多くの免疫グロブリンmRNAの産生をもたらし、細胞の分裂はクローン増殖、および培地に放出される可溶性免疫グロブリンの産生の増大をもたらす。
初代B細胞の有効なin vitro刺激のための様々な方法が記載されている。Zublerおよび同僚(Wenら、Eur J. Immunol. 1987年17巻:887頁)は、B細胞培養中の突然変異EL4サブクローン、刺激剤/フィーダー細胞としてのEL4−B5の使用を記載した。Banchereauおよび同僚(Valleら、Eur J Immunol. 1989年19巻:1463頁)は、フィーダー細胞として使用されるFc−γ受容体発現線維芽細胞上で提示されるアゴニスト抗CD40モノクローナルの使用を記載した。さらに近年、刺激剤/フィーダー細胞としてCD40Lトランスフェクト細胞系(Armitageら、Nature. 1992年357巻:80頁およびSpriggsら、J Exp Med. 1992年176巻:1543頁)、およびCD40Lの組換え可溶性断片(Hollenbaughら、EMBO J. 1992年11巻:4313頁およびMazzeiら、J Biol. Chem. 1995年270巻:7025頁)が使用されている。米国特許第5,540,926号は、有効濃度の可溶性gp39タンパク質にin vitroで活性化B細胞を曝すことを含む、B細胞増殖を促進するための方法を記載する。ヤマゴボウマイトジェンまたはEBVとのハイブリドーマ融合前の、増殖刺激による初代B細胞の処理が記載されている。(Olssonら、J. Immunol. Methods 61巻:17〜32頁(1983年);Butler JLら、J. Immunol. 130巻:165〜168頁(1983年))。米国特許第5,851,531号は、ヤマゴボウ科植物、Phytolacca americana由来のレクチンを含むヤマゴボウマイトジェンによる、B細胞刺激のための方法を記載する。特定の塩基含量の非メチル化CpGデオキシヌクレオチド(CpGモチーフ)を含有するオリゴデオキシヌクレオチドの免疫刺激効果は、ヒト白血球に対して非常に刺激効果があり、B細胞増殖を誘導することは公知である。(Krieg、1999年Biochim. Biophys. Acta 93321巻:1〜10頁;Krieg、A.M.、Applied Antisense Oligonucleotide Technology、24巻:431〜448頁(1998年))。
刺激B細胞による培地中への可溶性免疫グロブリンの放出は、抗原特異的重鎖抗体の有無に関してB細胞培養物を都合よくスクリーニングすることを可能にする。例えば、細胞から条件付き培地を除去することによって培養上清を試験することができ、イムノアッセイ中で試料の全部または一部を使用して培地中に存在する免疫グロブリン濃度を定量化して、どの刺激培養物が刺激B細胞を首尾よく含有するかを明らかにすることができる。これによって、免疫グロブリン遺伝子クローニング手順の後のステップ中で、刺激に失敗したB細胞培養物を除外することができる。
B細胞クローンの不死化
天然ヒト抗体を産生する初代ヒトB細胞を、EBV形質転換、ハイブリドーマ形成、またはこれらの組合せによってin situで不死化し、そして保存する。これらの抗体をクローニングするためのハイブリドーマ法には、好都合、高収率の抗体発現、およびそれらの本来の形状で抗体を捕捉する能力を含めた、多くの考えられる利点がある。
当技術分野で公知であり例えばHarlowら、Antibodies:A Laboratory Manual、(Cold Spring Harbor Laboratory Press、第2版、1988年);Hammerlingら、Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas 563〜681頁中(Elsevier、N.Y.、1981年)中に教示されている技法を含むハイブリドーマ技法の使用を含めた、当技術分野で公知の技法によって、B細胞クローンを増殖することができる。
改善されたハイブリドーマ産生法において、Dessainら(J. Immunol. Methods 291、109巻(2004年))は、ヒトテロメラーゼ(hTERT)およびマウスインターロイキン−6(mIL−6)を発現するマウス融合パートナー細胞系(MPT)を使用して、安定したヒトB細胞ハイブリドーマを生成することができることを実証した。
ヒトB細胞系を増殖するための別の周知の方法は、エプスタインバーウイルス(EBV)を使用する形質転換である。EBV形質転換B細胞系を生成するためのプロトコール、例えば参照によりその全容が本明細書に組み込まれる、Current Protocols in Immunology、Coliganら、Eds.、1994年、John Wiley & Sons、N.Y.の7.22巻中で総説されたプロトコールなどは、当技術分野で一般に公知である。組織は一般に、EBV形質転換の前に単細胞縣濁液にする。さらに、(例えば、シクロスポリンAを用いた処理によって)B細胞含有試料中のT細胞を物理的に除去する、またはそれらを不活性化するいずれかのために、ステップを着手することができる。抗EBV抗体に関して血清反応陽性の個体由来のT細胞は、EBVによるB細胞不死化を抑制する可能性があるからである。
一般に、ヒトB細胞を含有する試料にEBVを接種し、3〜4週間培養する。EBVの典型的な供給源は、B95−8細胞系(ATCC#VR−1492)の培養上清である。EBV形質転換の物理的兆候は、3〜4週間の培養期の最後に向かって一般に見ることができる。位相差顕微鏡によって、形質転換細胞は大きく、透明で、毛深く見え、固い細胞集団に凝集する傾向があるようである。当初、EBV系は一般にポリクローナルである。しかしながら、長期の細胞培養で、特定B細胞クローンの選択的増殖の結果として、EBV系がモノクローナルまたはポリクローナルになる可能性がある。あるいは、ポリクローナルEBV形質転換系をサブクローニングすることができ(例えば、限界希釈培養によって)、または適切な融合パートナーと融合することができ、限界希釈で平板培養してモノクローナルB細胞系を得ることができる。EBV形質転換細胞系に適した融合パートナーには、マウス骨髄腫細胞系(例えば、SP2/0、X63−Ag8.653)、ヘテロ骨髄腫細胞系(ヒト×マウス;例えば、SPAM−8、SBC−H20、およびCB−F7)、およびヒト細胞系(例えば、GM1500、SKO−007、RPMI8226、およびKR−4)がある。
近年改善されたEBV不死化法では、ヒト初代CD19IgGB細胞を、EBV曝露前にCpGオリゴヌクレオチドで刺激する(Hartmann and Krieg. J. Immunol. 164巻:944〜953頁(2000年))。
この手順は、それぞれ1、2、3、4、5および/または10の異なるIgG種を産生することができるクローン増殖IgG記憶B細胞培養物のライブラリーをもたらす。これらのハイブリドーマまたはEBV不死化細胞は、それぞれのウエル中に示す特異的抗体種の供給源として保存することができる。
抗体の供給源としての非不死化B細胞ライブラリー
上清分析前に相当するB細胞由来の培養上清を分離し、上清の分析中に全B細胞培養物を保存した。最も興味深い抗体に相当するウエルの原型B細胞培養物中に存在するB細胞を検索することができ、これらを使用して、当技術分野で公知の方法を使用し天然ヒトIgGコードmRNAをレスキューすることができる。本発明の一態様では、それぞれ特異的抗原特異性に相当するおよび/またはそれぞれ1、2、5、10または20の天然ヒトIgG産生B細胞クローンを表す、このようなB細胞のライブラリーを作成し、(例えば、凍結ペレット)保管および保存する。
そこから培養上清を分析用に除去したB細胞ペレットは、生きた哺乳動物細胞を保存するのに適した培地(すなわち、10%のDMSOを含有する細胞培養培地)を使用して完全凍結細胞として、RNA保護細胞溶解溶液(すなわち、TRIzol(登録商標)、Invitrogen(Carlsbad、California))を使用した細胞ペレットの溶解によって調製した凍結細胞溶解物として、または細胞を溶解せずに室温以下での分解からRNAを保護するように設計したバッファー(すなわち、RNAlater(登録商標)、Ambion(Austin、Texas))中に、培養上清の分析中に様々な方法で保存することができる。
明確な起源の単一ヒトB細胞からの抗体のクローニングおよび発現のための戦略は、当技術分野で公知である(Wardemannら、Science 301巻:1374〜1377頁(2003年))。本発明の後の態様によれば、保存したBリンパ球からRNAを単離する。得られるRNAは、既に免疫レパートリーから選択された核酸の集合であり、天然ヒト免疫グロブリンをコードするmRNAを含有する。本発明の一態様では、対象の抗原との結合用に免疫グロブリンを予め選択する。RNAを単離するための方法は当技術分野で公知であり(Liedtkeら、PCR Methods Appl. 1994年12月;4巻(3号):185〜187頁)、TRIzol(登録商標)試薬(Invitrogen)を含む。十分な量のRNAを、RT−PCRによる抗体のレスキュー用に非不死化抗原特異的Bリンパ球から得ることができる。
抗体遺伝子をコードする核酸配列と隣接する配列とハイブリダイズする種特異的オリゴヌクレオチドを使用して、単細胞逆転写酵素PCRなどの方法を使用して、可変重鎖および軽鎖核酸配列またはその断片を増幅する(Coronellaら、(2000年)Nucleic Acids Res. 28巻(20号):E85)。例えば、ヒト可変重鎖および軽鎖抗体ドメインを、ヒト特異的オリゴヌクレオチドを使用してPCR増幅することができる(例えば、Sblattero and Bradbury Immunotechnology 3巻:271〜278頁(1998年)を参照)。増幅した配列はDNA配列決定によって特徴付けすることができ、個々の配列として発現系に直接クローニングすることができる。個々のB細胞から従来型4鎖抗体の免疫グロブリン配列を増幅するための他の技法は、Takahashiら、Journal of Biotechnology 49巻(1996年)、201〜210巻;およびEmbletonら、Nucleic Acids Research、20巻、15号、3831〜3837頁中に記載されている。蛍光活性化細胞選別によって単離した単一ヒトB細胞クローンから、重鎖および相当する軽鎖遺伝子転写産物を増幅するためにネストRT−PCRを使用する方法は、Tillerら(J Immunol Methods. 329巻(1〜2号):112〜124頁(2008年))により記載される。
後に、増幅した核酸配列を、保存および後の使用に適した発現系に導入することができる。発現系中で抗体などの組換えタンパク質を産生するための方法は、当技術分野で周知である。一般に、抗体をコードする核酸配列を、宿主細胞中での抗体、またはその断片の発現に適した形で、組換え発現ベクター中に組み込む。発現に適した形は、組換え発現ベクターが、mRNAへの核酸の転写およびタンパク質へのmRNAの翻訳を可能にする形式で、抗体、またはその断片をコードする核酸に作動可能に連結した1つまたは複数の制御配列を含むことにつながる。制御配列はプロモーター、エンハンサーおよび他の発現制御エレメント(例えば、ポリアデニル化シグナル)を含むことができ、これらは当業者には公知である(Goeddel D.D.、ed.、Gene Expression Technology、Academic Press、San Diego、Calif.(1991年))。発現ベクターの設計は、トランスフェクトする宿主細胞の選択および/または必要とされる発現のレベルなどの要因に依存する可能性があることは理解されるはずである。
一実施形態では、免疫グロブリンの逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)レスキュー用に、RT反応とPCR反応の両方用に新たに調製したプライマーと酵素のマスター混合物/ヌクレオチド混合物を、−80℃で保存した選別B細胞を含有する新たに解凍したPCRストリップの全てのウエルに加える。cDNAの逆転写反応とPCR増幅の両方を、両反応用の同じまたは異なる適切な3’プライマーを使用して、同じ試験管中で連続的に実施する。反応は当技術分野で公知の条件下においてサーモサイクラーで実施する。RT反応とPCR反応の両方を実施した後、反応混合物を分析する(例えば、SYBR(登録商標)Safe染色アガロースゲル上で)。アンプリコンを含有することが分かったPCR反応混合物は精製する。例えば、Qiagen PCR精製スピンカラム(Qiagen)を使用してアンプリコンを精製し、適切な制限酵素を使用して消化し、消化産物はQiaquick(登録商標)ゲル抽出キット(Qiagen)を使用しアガロースゲルを介して精製する。天然ヒト免疫グロブリンの軽鎖および重鎖に相当するDNAを、標準的な方法を使用して、誘導性プロモーターおよびペリプラズム空間移行リーダーシグナルを含有する事前消化発現ベクターに次いで結合させる。結合混合物はエレクトロポレーションによってコンピテント細胞に導入し、選択培地で増殖した。個々のコロニーは、それぞれクローニング部位の5’および3’付近に位置する配列とアニーリングする2つのプライマーを用いたコロニーPCRを使用して、プラスミド挿入体の存在に関してスクリーニングし、SYBR(登録商標)Safe染色アガロースゲルを使用してPCRアンプリコンの長さを検出する。軽鎖および重鎖遺伝子のクローニングは、配列決定によって確認することができる。本発明者らは、有効な数のヒトドナーのそれぞれから少なくとも10個の記憶B細胞を得るステップ、ヒトB細胞の集団を調製するステップであって、前記集団が少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有し、抗体のそれぞれが自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する、ステップ、前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1〜100種の異なる抗体を産生する、ステップ、場合によっては、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、ならびにそのRNA内容物を保存するのに適した条件下にそれぞれの亜集団を保管するステップであって、それぞれが平均して1〜100の異なる種の抗体を発現する非不死化B細胞集団のライブラリーを生成するステップを使用するライブラリーの作成法を企図する。さらなるステップで、本発明者らは、複数の保存したB細胞亜集団に対応するRNA試料を調製するステップ、前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、ならびに自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップを企図する。他のさらなるステップで、本発明者らは、前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップを企図する。
クローニングした天然ヒトIgG遺伝子の抗原反応性のスクリーニングは、配列決定に使用したのと同じ培養物の複製に実施することができる。培養抽出物は、抗原コーティングELISAプレート上で平行して、結合に関してスクリーニングすることができる。
特異的抗原に対する抗体に関するB細胞ライブラリーのスクリーニング
抗原結合免疫グロブリンを検出するように設定したイムノアッセイ中でのB細胞培養上清の使用によって、どのウエルが免疫グロブリン結合抗原をコードする刺激B細胞を含有するかを決定することができる。免疫グロブリン選択的イムノアッセイに必要な試薬は、当業者には利用可能である。例えば、このような試薬は、抗体の軽鎖および/または重鎖に対して産生したポリクローナルまたはモノクローナル抗体を含むことができるが、これらだけには限られない。このようなポリクローナルまたはモノクローナル抗血清を調製および特徴付けするための方法は、当業者には周知である。前に記載したこのようなマーカーを検出するのに適した試薬の非制限的な例は、Daleyら(Clin Diag Lab Immunol. 2005年12巻:380頁)中に与えられる。
刺激B細胞による培地中への可溶性免疫グロブリンの放出は、抗原特異的重鎖抗体の有無に関してB細胞培養物を都合よくスクリーニングすることを可能にする。例えば、細胞から条件付き培地を除去することによって培養上清を試験することができ、イムノアッセイ中で試料の全部または一部を使用して培地中に存在する免疫グロブリン濃度を定量化して、どの刺激培養物が刺激B細胞を首尾よく含有するかを明らかにすることができる。これによって、免疫グロブリン遺伝子クローニング手順の後のステップ中で、刺激に失敗したB細胞培養物を除外することができる。このようなスクリーニングアッセイを使用することによって、唯一の関連B細胞クローン(抗原特異的、天然ヒト免疫グロブリン産生細胞)を対象とする免疫グロブリン遺伝子の下流クローニングに焦点を当てることができる。
刺激B細胞の培養上清を利用する機会を得ることによって、いずれか一方が問題の抗原である場合に受容体/リガンド相互作用を中和することができること、受容体活性化に対するアゴニストまたはアンタゴニスト効果を有すること、高い抗原結合親和性を有すること、または酵素活性を阻害することができることなどの、望ましい機能特性を有する、免疫グロブリンを産生するB細胞クローンをスクリーニングすることもできる。このような特性のスクリーニングは、B細胞培養物から回収した培養上清から単離した抗体に実施することができるが、通常は培養上清自体により都合よく実施することができる。前述の型の活性に関してB細胞培養上清などの抗体含有溶液をスクリーニングするための方法は、当業者には公知である。不均一法(プレート中、ビーズ上での、発色、蛍光または放射性読み出しイムノアッセイ、またはマイクロアレイおよびバイオアッセイなど)と均質アッセイ(LANCE(登録商標)、Alphascreen(登録商標)、またはABIのFMAT(登録商標)もしくはEvotechのOpera(登録商標)などの共焦点イメージングシステムの使用など)の両方が、結合および活性アッセイに適している。親和性決定のための方法として、バイオアッセイ、表面プラズモン共鳴またはカンチレバーMEMS系デバイスおよびオフレート選択的イムノアッセイ(Friguetら、J Immunol Methods. 1985年77:305巻)を、包括的な例として述べる。
一実施形態では、抗体産生B細胞をクローン増殖前にスクリーニングする。Loveら(Nature Biotech. 24巻(6号):703〜707頁(2006年)は、各細胞により分泌される分子の相当アレイをプリントするために個々の細胞を含有するマイクロウエル(それぞれ0.1〜1nl)の高密度アレイを使用する、マイクロエングレービング用のソフトリソグラフィ技術を記載する。エングレービング後に細胞は培養物中に留まり、タンパク質または抗体の市販のマイクロアレイと同様の形式でマイクロアレイを調べる。この方法は、抗原特異的抗体の分泌などの望ましい性質を示す細胞の迅速な同定、およびクローン増殖のためのそれらのその後の回収を可能にする。
B細胞培養上清によって産生される任意の抗体は、当技術分野で公知である任意の方法によって免疫特異的結合に関してアッセイすることができる。使用することができるイムノアッセイには、数例を挙げると、ウエスタンブロット、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)、「サンドウィッチ」イムノアッセイ、免疫沈降アッセイ、沈降反応、ゲル核酸沈降反応、免疫拡散アッセイ、凝集アッセイ、補体結合アッセイ、イムノラジオメトリックアッセイ、蛍光イムノアッセイ、およびプロテインAイムノアッセイなどの技法を使用する競合および非競合アッセイ系があるが、これらだけには限られない。このようなアッセイは一般的であり、当技術分野で周知である(例えば参照によりその全容が本明細書に組み込まれる、Ausubelら、1994年、Current Protocols in Molecular Biology、1巻、John Wiley & Sons、Inc.、New Yorkを参照)。
抗体レパートリーアレイ(ARA)の作成
ARA用の材料は、分泌IgG抗体の産生用の不死化クローンを培養することによって作成する。ヒト免疫グロブリンの分泌は、ELISAアッセイの標準的な技法を使用して分析することができる(E. Harlow、D. Lane、Antibodies:A laboratory manual.(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、1988年))。一例では、標準的な96ウエルまたは384ウエルELISAプレート中のウエルを、重鎖および軽鎖抗体に特異的な一次ウサギ抗ヒトIgGでコーティングする。ホースラディッシュペルオキシダーゼと結合した同じ抗体は、リン酸緩衝生理食塩水/0.1%ウシ血清アルブミンに1:3000希釈で二次抗体として使用する。発色基質を用いた標準的な技法を使用してアッセイを開発する。
それぞれのウエル中の増殖B細胞培養物から発現されるB細胞培養上清を使用して、抗体レパートリーアレイ(ARA)を作成する。典型的には、10〜10の特徴、好ましくは5×10の特徴をそれぞれのARAに二連でプリントする。このようなプリンティングのいくつかの技法は当技術分野で公知である。
ヒトイムノームを表すARAの形成には、ELISAマイクロアレイの活性を消失せずに固形支持体上に抗体を固定することが必要である。タンパク質はDNAより構造上さらに複雑な分子であり、表面との疎水性またはイオン性相互作用のため、固形支持体上に固定するとアンフォールディングし活性を失う可能性がある。乾燥プロセス中にタンパク質が変性する可能性もある。マイクロアレイELISA用の捕捉抗体は低体積(0.3〜1nL)でプリントする。捕捉抗体スポットは低いプリント体積のため非常に早く乾燥し、長期の保存条件は典型的にはチップが乾燥状態であることを必要とする。抗体は大部分のタンパク質より安定性があるが、乾燥および保存により活性を失う可能性が依然として存在する。
抗体をスライドガラスに結合させる固定化学の3つの一般的なカテゴリー、(i)物理的吸着、(ii)反応基を介した共有結合、および(iii)スライド上の官能基と抗体の間の親和性ベースの相互作用がある(Reviewed in Seurynck−Servoss SLら、Frontiers in Bioscience 12巻:3956〜3964頁(2007年)。
(i)タンパク質の物理的吸着は、例えばアガロース、ポリアクリルアミド、ニトロセルロース、ポリ−L−リシン、またはアミノシランでコーティングしたスライド表面とタンパク質の間の疎水性またはイオン性相互作用によって起こる。これは簡単な固定技法であるが、それは容易に制御することはできず、高い変動性および表面上の抗体分子の望ましくないランダムな配向をもたらす可能性がある。表面上にランダムに固定された抗体は、いくつかの抗体の抗原結合領域をガラス表面と直接結合させ、したがってアクセス不能にする可能性がある。
(ii)リシンまたはアルギニン中の第一級アミン、定常(Fc)領域のH2ドメインと結合したヒンジ領域、または炭水化物中のシステイン中の反応性チオールを含めた、官能基によって仲介される共有結合を使用して、表面上に抗体を永久に固定することができる。チオールまたは炭水化物を介した結合は抗体の指定配向を可能にするが、結合に関するプロトコールはさらに複雑である。具体的には、これらの基に対して反応性がある表面との結合前に、ジスルフィド結合は還元されなければならず、または炭水化物基は酸化されなければならない。これらの酸化還元反応は抗体構造を不安定な状態にし、活性を低下させる可能性があり、追加的精製ステップを必要とする可能性がある。
抗体の共有結合固定化に最も一般的に使用される表面の化学物質は、エポキシド、アルデヒド、およびN−ヒドロキシスクシニミジルエステルであり、これらは全てタンパク質表面上の第一級アミンに対して反応性がある。ヒドラジンコーティング表面は炭水化物残基を介して結合し、マレイミドコーティング表面はチオール残基を介して結合する。
(iii)親和性ベースの相互作用を介した抗体の固定は、抗体上の特有官能基またはタンパク質配列を典型的に利用し、抗原結合部位の配向をもたらす。親和性ベースの抗体固定に使用するいくつかの現代の技法は、(i)抗体のFc領域に対して高い親和性を有する、プロテインAまたはGコーティングスライド(Kusnezow、W.& J.D. Hoheisel:Journal of Molecular Recognition、16巻、165〜176頁(2003年);Anderson、G.Pら、Biosensors and Bioelectronics、12巻、329〜336頁(1997年)、または(ii)抗体中の特有タグに特異的である親和性スライド(Cha、Tら、Proteomics、5巻:416〜419頁(2005年);Wingren、Cら、Proteomics、5巻:1281〜1291頁(2005年))である。Fc特異的抗体による固定は魅力的である。市販のモノクローナル抗体は、任意のさらなる処理なしで使用することができるからである。プロテインAおよびGは特定IgGサブクラスのみに特異的であり、全てのモノクローナル抗体に共通して使用することはできない。プロテインAまたはGの親和性は、抗体種およびバッファー条件に対して変化する。したがって、全ての条件下でプロテインAまたはGを使用して全ての抗体を固定することはできない可能性があり、抗ヒトFc抗体をその代わりに使用することができる。
ストレプトアビジン−ビオチン相互作用には非常に強い親和性があり、いくつかの試験は、ストレプトアビジン−またはアビジン−ビオチン相互作用による抗体の固定は、非常に高感度のアッセイをもたらす可能性があることを示している(Delehanty、J.B.& F.S. Ligler. Analytical Chemistry、74巻、5681〜5687頁(2002年))。しかしながら、ストレプトアビジン−またはアビジン−コーティングスライド上での捕捉用に、ビオチニル化抗体を使用することが必要である。ビオチンを化学的に加えることができる。架橋層およびポリ−L−リシンコーティンググラス上にスポットした抗体を含むアレイ(Haab、B.Bら、Genome Biol. 2巻、research 0004.1〜0004.12(2001年))、および光反応性架橋層(Molecular Biosciences、Boulder、Colo.)またはポリアクリルアミドベースのハイドロゲル(Packard Bioscience、Meriden、Conn.)ガラススライドでポリ−L−リシン上の(CEL Associates、Pearland、Tex.)IgGアレイが記載されている。(Miller、JCら、Proteomics 3巻、56〜63頁(2003年))。
典型的なARAはそれぞれのウエル中の増殖B細胞培養物から発現されたB細胞培養上清を含むが、それは試験する標的抗原の陽性対照、およびバーコードおよびARAの組成に関する同様の識別情報を含有する可能性もある。
一実施形態において、本発明者らは、ARA上のスポットまたは部位当たり2つ以上の特有抗体、好ましくはスポット当たり少なくとも1つの抗体クローン、より好ましくはスポット当たり1〜50個の抗体クローン、さらにより好ましくはスポット当たり10〜20個の抗体クローンを用いた、ARAのプリンティングまたはスポッティングを企図する。
標的結合に関するARAのスクリーニング
天然タンパク質、ペプチド、または任意の作用物質または疾患状態を含めた任意の抗原を表す他の分子を用いた調査によって、ARAをスクリーニングすることができる。スクリーニングのための方法は、Haab BB(Molecular & Cellular Proteomics 4巻:377〜383頁(2005年))によって総説されている。タンパク質のハイスループットスクリーニングおよび定量的プロファイリングに抗体アレイを使用するための方法は、当技術分野では公知である(Chaga GS 441巻:129〜151頁、in Tissue Proteomics、B.C.−S.Liu and J. R.Ehrlich eds.、Methods in Molecular Biology(2008年)Springer−Verlag (NY);Cahill D.、Journal of Immunological Methods、250巻(1〜2号):81〜91頁(2001年);Sanchez−Carbayo M.、Clin Chem. 52巻(9号):1651〜1659頁(2006年))。癌プロテオミクスにおいて抗体アレイを使用するための方法は、Sanchez−Carbayo M.、Methods Mol Biol. 428巻:263〜87頁(2008年);およびKopfら、Int J Biochem Cell Biol. 39巻(7〜8号):1305〜1317頁(2007年)中に論じられる。
ARAは、マイクロアレイの表面をコーティングする抗体を含むことができる。ARAに加え一定時間インキュベートし、それによって適切な抗体の存在を検出する、蛍光、化学発光または生物発光タグまたは酵素基質(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼまたはアルカリホスファターゼ)などの検出可能な化合物と結合した対象の抗原を用いてARAを調べることができる。検出可能な化合物と結合した第二の抗体を、コーティングしたウエルへの対象の抗原の添加後に加えることができる。検出に適した任意の標識またはスクリーニングツールを、調査に使用することができる。当業者は、検出するシグナルを増大するために改変することができるパラメーター、および当技術分野で公知である他のバリエーションのELISAに関して精通しているであろう。ELISAに関するさらなる考察に関しては、例えば、Ausubelら、eds、(1994年)、Current Protocols in Molecular Biology、1巻、John Wiley & Sons、Inc.、New York、11.2.1巻を参照。
いくつかの実施形態では、完全ウイルスまたは細胞を用いてARAを直接スクリーニングすることができ、この場合抗原は細胞表面上で発現される。この実施形態では、ウイルスまたは細胞をARAに固定し、前に論じた検出技術を含めた任意の公知の検出技術によって検出する。
抗原と抗体の結合親和性および抗体−抗原相互作用のオフレートは、競合結合アッセイによって決定することができる。競合結合アッセイの一例は、多量の非標識抗原の存在下での対象の抗体と標識抗原(例えば、Hまたは125I)のインキュベーション、および標識抗原と結合した抗体の検出を含むラジオイムノアッセイである。特定の抗原に対する対象の抗体の親和性および結合オフレートは、スキャッチャードプロット解析によるデータから決定することができる。第二抗体との競合も、ラジオイムノアッセイを使用して決定することができる。この場合、多量の非標識第二抗体の存在下で標識化合物(例えば、Hまたは125I)と結合した対象の抗体と抗原をインキュベートする。
ARA「ヒット」に相当するウエルからの抗体産生クローンのレスキュー
したがって不死化抗体産生クローンは、限界希釈培養、次に逆捕捉ELISAによる陽性抗体の検出によって、デコンボリューション処理することができる。特異的抗原に対する天然ヒト抗体を産生すると同定したB細胞クローンを、ウエル濃度当たり1個のB細胞に連続希釈し、逆IgG捕捉ELISAにより望ましい抗体の産生に関してスクリーニングする。したがって、特異的抗原に特異的である個々の抗体産生B細胞ハイブリドーマを、同定および単離することができる。
一実施形態では、望ましい天然ヒト抗体の「レスキュー」は、適切な宿主中での、その本来の対形成に相当するクローニングした重鎖および軽鎖の発現を含む。Coronella(Nucleic Acids Res.28巻(20号):E85(2000年))は、FACSにより単離した一種Bリンパ球からヒト免疫グロブリン重鎖および軽鎖を増幅するための方法を開示する。ネストRT−PCRプロトコールを使用して、Coronella(2000年)は、多数の細胞からVおよびV領域の対をin vivoで再形成するための方法を記載する。Tiller(J. Immunol Methods. 329巻(1〜2号):112〜124頁(2008年))も、ネストRT−PCRを使用して蛍光活性化細胞選別により単離した単一ヒトB細胞クローンから、重鎖および対応する軽鎖遺伝子転写産物を増幅するための方法を記載する。Tiller(2008年)は、それらの生殖細胞配列への体細胞変異したIg遺伝子の復帰、真核生物発現ベクターへの一種ヒトB細胞由来の免疫グロブリン遺伝子のクローニング、およびヒト腎臓細胞系における組換え抗体の産生をさらに記載する。Coronella(2000年)およびTiller(2008年)の方法の教示は、それらの全容が参照により本明細書に明確に組み込まれる。組換え天然対形成ヒト抗体は、ELISAおよび免疫蛍光アッセイなどの方法によってスクリーニングすることができる。この方法によって、組換え天然対形成ヒト免疫グロブリンを発現する細胞系を得る。本発明は組換えヒトIg、および天然軽鎖と重鎖の対を含む組換えIgを発現する細胞系に関する。
抗体の特徴付けおよびリード選択(lead selection)/検証
B細胞ハイブリドーマまたはEBV不死化クローンを、望ましい種のIgGを産生するとして同定した後、当技術分野で公知の標準的な方法により不死化B細胞系を大規模に産生して、ミリグラム量のいわゆる「ヒット」抗体を産生することができる(Monoclonal Antibody Production、The National Academies Press(1999年)を参照)。
このような不死化B細胞系は、一抗体産生クローンからの相当するVおよびV遺伝子のレスキューによって、さらに特徴付けすることができる。当技術分野で公知の方法による、VおよびV遺伝子のクローニングおよび配列決定などの追加手順を使用して、新規な不死化B細胞系を増殖することができる。
ARAプラットフォームを使用する新たな機能性エピトープの発見
本発明の抗体レパートリーアレイ(ARA)はハイスループットプラットフォームを提供して、保護対象のB細胞からの新たな機能性エピトープおよび対応するヒトモノクローナル抗体(mAb)の同定を容易にする。プラットフォームは、その本来の形状で標的と結合するヒトmAbの発見を可能にする。天然標的または抗原の異なるエピトープが異なるモノクローナル抗体によって結合した、抗体のライブラリーを作成することができる。所与のタンパク質または抗原上の異なるエピトープは標的タンパク質の異なる機能特性と関連し得るので、ARAプラットフォームはヒト免疫系によって標的化される多数の機能性エピトープの同定をもたらすことができる。ARAプラットフォームを典型的に使用して、特定の疾患に特異的な抗原に曝露している数百のヒト被験体をスクリーニングすることができる。それぞれの被験体はおよそ約10のIgG種を提供するので、ARAプラットフォームは、ヒト免疫系によって標的化され得るほぼ全ての機能性エピトープを標的化するモノクローナル抗体の、ハイスループットライブラリーを作成するのに有用である。ARAプラットフォームによって可能となるハイスループットプロセスは、少ない試薬使用での、小型の、マイクロアレイベースのスクリーニング形式で、数百のドナーからの試料に基づく迅速なスクリーニングを可能にする。
本発明の一態様では、ARAプラットフォームを使用して、図2中に示すようなヒト免疫不全ウイルス(HIV)などのウイルス標的を対象とする約10個の組換えIgG種を回収する。この実施例では、HIVに曝露しIgG記憶B細胞を含有する被験体由来の血液試料を提供する。単一B細胞はマルチウエルプレート中で培養し、クローン増殖および抗体分泌細胞への分化をもたらす。個々のB細胞培養物由来のIgGの固定によってARAを形成する。次いでARAは、HIV感染に相当する天然ウイルス標的でスクリーニングする。このような標的は、全ビリオンまたはウイルス様タンパク質、個々のタンパク質(例えば、表面またはエンベロープタンパク質)、またはHIVに感染した細胞から選択することができる。ARAの標的結合スポットに相当するB細胞培養物を同定し、組換えIgGはそれぞれの培養物から単離した溶解B細胞からレスキューする。
ARAプラットフォームを使用して抗HIVモノクローナル抗体を発見するためのこの方法は、おそらく防御的な抗ウイルス応答に対応するヒトIgG記憶B細胞から作成される保管所を与える。スクリーニングは本来の形状の標的で実施し、したがってより関連性のある結果をもたらす。
本発明の一態様では、HIVの所与の系統由来の多数の標的または多様な系統由来の同じ標的タンパク質内におけるパラレルスクリーニングを実施する。これは、広範囲の交差反応性を有する抗体の同定をもたらす。
所与の標的における個々のエピトープクラスターに相当する抗体の発見
erbB2癌遺伝子は、その過剰発現がより悪性の腫瘍および乏しい予後と関係がある、成長因子受容体をコードする。この分子を対象とするいくつかの抗体はin vivoで抗腫瘍効果があるが、いくつかの抗体には抗腫瘍効果がない。コンピュータ支援のタンパク質操作および部位特異的突然変異誘発による、阻害性(HERCEPTIN(登録商標))および非阻害性(HF)抗体に関するerbB2における結合エピトープの分析は、2つの異なる結合相互作用を明らかにした。(Wangら、Mol Immunol. 2004年;40巻(13号):963〜969頁)。非阻害性抗体HFはerbB2外部ドメイン(ECD)のN末端部分のみ認識し、一方で阻害性抗体HERCEPTIN(登録商標)はそのC末端部分のみと結合した。
ARAスクリーニングプラットフォームは、所与の標的上の異なるエピトープを対象とする抗体の同定および特徴付けに使用することができる。これは、それぞれのエピトープクラスターと関係がある特異的機能に対して考えられる活性を有する、抗体の発見を可能にする。
本発明のこの態様では、そのメンバーが所与の標的の遺伝子断片由来タンパク質の一部分を発現する、ファージディスプレイライブラリーを使用して、その標的に対する所与の免疫応答の標的の、エピトープレパートリーを同定する。一実施形態では、部位特異的突然変異誘発などの標準的な技法と併せた標的の機能アッセイを使用して、個々または群の遺伝子断片と特異的機能を関連付ける。
ARAスクリーニングプラットフォームを使用して、ファージディスプレイによって提供された遺伝子断片により決定したエピトープの特異性によって、抗標的抗体をクラスタリングする。したがって、機能性エピトープクラスター由来の代表的な抗体の試料の詳細な特徴付け(例えば、配列決定)を使用して、相互作用のさらなる特徴を明らかにすることができ、これを使用してそれぞれのクラスターと肯定的または否定的に機能関連付けすることができる。
本発明の一態様では、2つ以上のエピトープクラスターを使用するペアワイズ分析を使用して、おそらく潜在性の機能性エピトープを同定する。このような潜在性エピトープは相乗的に作用して、公知の機能と関係がある異なるエピトープと関係がある機能を高めることができる。この方法は、既存の方法に基づいた文献中の利用可能な調査と比較して、エピトープ空間の広範囲の調査を可能にする。
一実施形態では、遺伝子断片ファージディスプレイ(GFPD)ライブラリーを図3中に示すように作成する。遺伝子断片ファージディスプレイ発現ライブラリーは、当技術分野で公知の方法によって作成することができる(Silverman G.J.、20章:Construction and Selection from Gene Fragment Phage−Display Expression Libraries、in Phage Display:A Laboratory Manual by Carlos F. Barbas III、Dennis R.Burton、Jamie K.Scott、Gregg J.Silverman、(著作権)CSHL Press、2004年を参照)。エンドヌクレアーゼを用いた消化による所与の標的をコードする遺伝子の消化によって、遺伝子断片を作成する。したがってGFPDライブラリーは、標的タンパク質の一部分がファージの表面上で発現される形式で、ファージのゲノムDNAに遺伝子断片を挿入することによって作成する。標的を対象とするヒト抗体でGFPDライブラリーを「パニング」することによって、回収した遺伝子断片を含むヒトエピトープレパートリーを得る。異なるエピトープA、B、Cなどに相当する遺伝子断片(GFPDライブラリーのメンバー)を同定する。一実施形態では、遺伝子断片を標的タンパク質の公知の三次元構造にオーバーレイして、どの遺伝子断片が特定のエピトープに相当するか決定する。
完全タンパク質または病原体標的でのARAプラットフォームにおけるスクリーニングは、図4中に示すように多数のヒットを通常もたらす。エピトープA、B、Cなどに相当するGPDLメンバーでの同一のARAのさらなるスクリーニングを次いで実施する。典型的には、エピトープ当たり2〜3のGPDLメンバーをスクリーニングするが、スクリーニングすることができるエピトープ当たりのGPDLメンバーの数に対する上限はない。エピトープ特異的遺伝子断片クラスターにより生成したそれと完全タンパク質に関する「ヒット」パターンの比較によって、以前に同定されていなかった新規なエピトープを明らかにすることもできる。エピトープ特異的遺伝子断片とインタクトな標的は、いずれも抗体によって認識されることが好ましい。したがって、特定標的抗原における数千の「ヒット」は、エピトープクラスターに相当する10、20、30、40以上の抗体「ファミリー」に分けることができる。新規なエピトープを認識する抗体のV領域に相当する遺伝子の配列決定によって、抗体をさらに特徴付ける。
図5は、機能性エピトープを対象とする抗体を同定するための、ARAプラットフォームの使用に関するステップの概略図を示す。機能関係に関してスクリーニングした公知および新たに同定したエピトープに対する代表的な抗体は、V領域で配列決定し、さらなる開発のためレスキューする。この方法によって、標的と関係がある特異的機能に対して有効な、治療剤、ならびに能動および受動ワクチンの開発に適した、特有抗体を同定することができる。本発明は、本発明の方法によって得られる抗体由来の特異的標的に対して有効な、特異的抗体ライブラリー、抗体、ならびに治療剤およびワクチンにも関する。
ARAを使用する抗体の機能ベースのスクリーニング
喘息は、気道過敏症(AHR)、好酸球性炎症、粘液過分泌、上皮下線維症、および高いIgEレベルによって特徴付けられる肺の複雑な炎症疾患である。インターロイキン−13(IL−13)は、喘息におけるアレルギー応答のエフェクター段階の重要なメディエーターである。(Huang SKら、J Immunol.(1995年);155巻(5号):2688〜2694頁)。喘息を治療する際に有用である抗IL−13抗体は、IL−13と関係があるシグナル伝達経路を一般に阻害する。(WO/2005/062967)。IL−13はホジキン病(HD)とも関係があり、HD由来細胞系において過剰発現されることが分かっている。(Kapp、Uら、J. Exp. Med.、Volume 189、Number 12、1999年;1939〜1946頁)。ホジキン病において有用である抗IL−13抗体は、IL−13による受容体の結合に影響を与える。
モノクローナル抗体(MAb)263は、成長ホルモン(GH)受容体の細胞外ドメイン(ECD)を認識する広く使用されているモノクローナル抗体であり、in vitroとin vivoの両方でGHアゴニストとして作用することが示されている(Wan Yら、Molecular Endocrinology 17巻(11号):2240〜2250頁(2003年))。トロンボポイエチン(TPO)に対する細胞表面受容体(c−Mpl)を特異的に認識する、ヒト巨核球系細胞に対して産生したBAH−1と呼ばれるマウスモノクローナル抗体は、アゴニスト活性を示す。(Deng Bら、Blood、92巻(6号):1981〜1988頁(1998年))。
ホルモン結合部位を対象としホルモン結合に関する完全競合剤として作用する全てのモノクローナル抗体が、アゴニストとして作用しシグナルを誘導することができる訳ではない(Rowlinson SWら、1998年、J Biol Chem 273巻:5307〜5314頁)。狭い範囲のモノクローナル抗体に対するアゴニズムの制約もエリスロポエチン受容体に関して報告されており、この場合広範囲の研究が、この受容体に対する96のモノクローナル抗体の中で、わずか4個がアゴニスト活性を有していたことを示した(Elliott Sら、1996年、J Biol Chem 271巻:24691〜24697頁)。
erbB2癌遺伝子は成長因子受容体をコードする。erbB2の過剰発現はより悪性の腫瘍および乏しい予後と関係している。この分子を対象とするいくつかの抗体はin vivoで抗腫瘍効果があるが、いくつかの抗体には抗腫瘍効果がない(Wangら、Mol Immunol. 2004年2月;40巻(13号):963〜969頁)。
腫瘍壊死因子(TNF)の機能を阻害するために使用されるいくつかの抗体は、異なる機能に影響を与える形式でTNFと結合することによって働く。INFLIXIMAB(登録商標)は、可溶性(血液中に浮遊)および膜貫通(T細胞および同様の免疫細胞の外膜上に位置する)型のTNFαと高い親和性で結合することによってTNFαの生物活性を中和し、それらの受容体とTNFαの有効な結合を阻害または予防する。REMICADE(登録商標)およびHUMIRA(登録商標)(別のTNFアンタゴニスト)は、「抗TNF抗体」のサブクラス中にあり(それらは天然に存在する抗体の型であり)、全ての型(細胞外、膜貫通、および受容体結合)のTNFαを中和することができる。(Choy EHら、N Engl J Med. 2001年;344巻:907〜916頁)。ENBREL(登録商標)、第三のTNFアンタゴニストは異なるサブクラス中にあり(受容体−構築物融合タンパク質)、かつ、その修飾型のため、受容体結合TNFαを中和することができない。
CD28はT細胞の表面上に存在し、それらの活性化において重要な役割を果たす。シグナル伝達は、そのリガンドとの結合によってそれが活性化された(誘発された)後にCD28を介して起こる。CD28の活性化は、その細胞質ドメインのリン酸化に依存する。CD28は内因性リン酸化活性を有していないが、その代わりに外因性キナーゼ、例えばp56lckに依存する。しかしながら、いくつかの抗体は、受容体の近辺から(キナーゼではなく)ホスファターゼを優先的に除外することによって、CD28受容体のスーパーアゴニストになることができる。
本発明のARAプラットフォームにより可能となった、異なるエピトープに対する天然抗体のハイスループットの同定および分類は、異なるエピトープクラスターに相当する異なる機能を調節する際に有効な、多数の抗体ファミリーの同時の同定を可能にする。この方法は、潜在性エピトープの同定も可能にする。同定したいくつかの潜在性エピトープの機能の調節は、公知の機能性エピトープまたは全標的の機能の調節との、相乗作用を示す可能性もある。
一実施形態では、モノクローナル抗体を固体表面上に配置し、ARA中の別個の標的特異的エレメントにおけるクローンにより分類することができる。いくつかの実施形態では、マイクロタイターウエル、マイクロタイタープレート、試験管、ペトリ皿、マイクロ流体チャネル、およびマイクロアレイからなる群より選択される容器の内部表面にモノクローナル抗体を固定する。次いで抗体は、適切なレポーター細胞からシグナルを誘導する能力に関してin situで試験することができる。一般に、本明細書の方法の好ましい実施形態では、単離試料受入領域を有する不溶性支持体(例えば、マイクロタイタープレート、アレイなど)と抗体を不拡散的に結合させる。不溶性支持体は結合することが可能である任意の組成で構成されてよく、可溶性材料から容易に分離され、他の場合は全体的なスクリーニング法と適合性がある。このような支持体の表面は固体または多孔質、および任意の好都合な形状であってよい。適切な不溶性支持体の例には、マイクロタイタープレート、アレイ、膜およびビーズがある。これらは、典型的にはガラス、プラスチック(例えば、ポリスチレン)、多糖、ナイロンまたはニトロセルロース、Teflon(登録商標)などでできている。マイクロタイタープレートおよびアレイは特に好都合である。少量の試薬および試料を使用して、多数のアッセイを同時に実施することができるからである。組成物の個々の結合形式は、それが試薬および全体的な本発明の方法と適合性があり、組成物の活性が維持され、拡散性でない限り重要ではない。
細胞表面受容体の活性の調節に応答して、測定可能な「レポーター」物質(検出可能な標識)を直接的または間接的に発現するように操作した細胞系を使用して、それらの受容体を活性化または阻害するモノクローナル抗体をスクリーニングすることができる。いくつかの実施形態では、細胞表面分子(例えば、受容体)の活性化は、基質の共有結合の切断に影響を与えることができる酵素の活性と共役している。酵素は、β−ラクタマーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼおよびホスホジエステラーゼIIからなる群より選択することができる。基質は、p−アミノフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニルホスフェート、およびp−アミノフェニルホスホリルコリンまたはその誘導体からなる群より選択することができる。基質の切断は、典型的には検出可能な比色または蛍光反応と関係がある。
いくつかの実施形態では、検出可能な標識は、フルオロフォア、化学色素、放射性結合物質、化学発光性結合物質、電気化学発光性物質、磁性結合物質、常磁性結合物質、プロ磁性結合物質、着色産物を生成する酵素、化学発光産物を生成する酵素、および磁性産物を生成する酵素である。非常に特定の実施形態では、検出可能な標識は、ルテニウムまたは多重ルテニウム標識である。
色素および蛍光試薬で処理した細胞のスクリーニングは、当技術分野で周知である。レポーター分子として修飾緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光タンパク質を産生するための、細胞の遺伝子工学に関する相当な量の文献が存在する。野生型GFPのいくつかの性質は、Moriseら(Biochemistry 13巻(1974年)、2656〜2662頁)、およびWardら(Photochem.Photobiol. 31巻(1980年)、611〜615頁)によって開示される。クラゲAequorea victoriaのGFPは395nmで最大励起および510nmで最大発光を有し、蛍光活性の外的要因を必要としない。ルシフェラーゼなどの発光性の検出可能な基質も利用することができる。
米国特許第5,401,629号および米国特許第5,436,128は、細胞表面受容体を発現し、細胞表面受容体の活性に応答性がある転写制御エレメントを含むレポーター遺伝子構築物を含有する組換え細胞を使用して、細胞外シグナルの細胞外伝達を検出および評価するためのアッセイおよび組成物を記載する。
標準的なハイスループットスクリーニング(「HTS」)は、96または384ウエルを有する標準的なマイクロタイタープレート中のウエルのアレイに充填した、化合物と生物試薬およびいくつかの指標化合物の混合物を使用する。それぞれのウエルから測定したシグナル、蛍光発光、光学濃度、または放射能のいずれかが、ウエル中の全物質からのシグナルと統合し、ウエル中の全分子の全集団平均を与える。Science Applications International Corporation (SAIC) 130 Fifth Avenue、Seattle、Wash. 98109)は、イメージングプレートリーダーを記載する。このシステムはCCDカメラを使用して、96ウエルプレートの全領域をイメージングする。イメージを分析して、ウエル中の全物質に関するウエル当たりの全蛍光を計算する。Molecular Devices、Inc. (Sunnyvale、Calif.)は、低角度レーザースキャン照射を使用するシステム(FLIPR)、および標準96ウエルプレート中のウエルの約200ミクロンの底部内の蛍光を選択的に励起して、細胞単層イメージング時のバックグラウンドを低下させるマスクを記載する。このシステムはCCDカメラを使用して、プレート底部の全領域をイメージングする。このシステムは、ウエルの底部における細胞単層から生じるシグナルを測定するが、測定したシグナルはウエルの領域にわたり平均し、したがって細胞集団の平均応答の測定値であるとさらに考えられる。イメージを分析して、細胞ベースのアッセイに関するウエル当たりの全蛍光を計算する。流体送達デバイスを、応答を開始させるために、FLIPRシステムなどの細胞ベースのスクリーニングシステムにさらに組み込んでおり、したがってこれは、マクロイメージングシステムを使用して全ウエルの集団の平均応答として観察される。
ハイスループットスクリーニングと対照的に、様々なハイコンテントスクリーニング(「HCS」)は、細胞構成成分およびプロセスの時間的−空間的動態に関するより詳細な情報の必要性に対処するために開発されている。ハイコンテントスクリーニングは、細胞中に取り込まれた特異的蛍光ベースの試薬から誘導した多色蛍光の情報の抽出を自動化する(Giuliano and Taylor(1995年)、Curr. Op. Cell Biol. 7:4巻;Giulianoら(1995年)Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 24巻:405頁)。空間的、および時間的動態を測定することができる光学システムを使用して細胞を分析する(Farkasら(1993年)Ann. Rev. Physiol. 55巻:785頁;Giulianoら(1990年)In Optical Microscopy for Biology. B. Herman and K. Jacobson (eds.)、543〜557頁。Wiley−Liss、New York;Hahnら(1992年)Nature 359巻:736頁;Waggonerら、(1996年)Hum. Pathol. 27巻:494頁)。
ハイコンテントスクリーニングは、蛍光標識抗体、生物学的リガンド、および/または核酸ハイブリダイゼーションプローブを使用して固定細胞、または多色蛍光指標および「バイオセンサー」を使用して生存細胞のいずれかに実施することができる。固定または生存細胞のスクリーニングの選択は、必要とされる特異的細胞ベースのアッセイに依存する。
固定細胞アッセイは最も簡単である。マイクロタイタープレート形式で当初生存していた細胞のアレイは、様々な化合物で処理し試験することができ、したがって細胞を固定し、特異的試薬で標識し、測定することができるからである。固定後、細胞の環境調節は必要とされない。わずか1つの時間地点ではあるが、空間的情報を得る。細胞に適用することができる数千の抗体、リガンドおよび核酸ハイブリダイゼーションプローブの有用性によって、これは多くの型の細胞ベースのスクリーニングに魅力的な手法となる。固定および標識ステップは自動化することができ、アッセイの有効な処理を可能にする。
生存細胞アッセイはさらに洗練されており強力である。望ましい試薬を含有する生存細胞のアレイは、経時的、および空間的にスクリーニングすることができるからである。細胞の環境調節(温度、湿度、および二酸化炭素)が測定中に必要とされる。細胞の生理学的健康状態を、経時的な多数回の蛍光測定用に維持しなければならないからである。細胞内の生化学的および分子活性の変化を報告することができる蛍光の生理的指標および「バイオセンサー」の群は増大している(Giulianoら(1995年)Ann. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 24巻:405頁;Hahnら(1993年)In Fluorescent and Luminescent Probes for Biological Activity. W.T. Mason、(ed.)349〜359頁、Academic Press、San Diego)。
蛍光ベースの試薬の有用性および使用は、固定細胞と生存細胞の両方のハイコンテントスクリーニングの開発を進める手助けとなっている。多色、ハイコンテントスクリーニングの情報を自動的に抽出するための計器の進歩は、HCSの自動ツールへの発展を近年可能にしている。Taylorら(American Scientist 80巻(1992年)、322〜335頁)による論説は、多くのこれらの方法およびそれらの適用例を記載する。
典型的なアッセイでは、標的受容体を発現し受容体の活性化または阻害に敏感である検出可能なレポーター遺伝子系を含むように操作した細胞を使用して、受容体分子を含むモノクローナル抗体を含むARAと接触させる。いくつかの実施形態では、ARAは、それぞれのウエルが公知のモノクローナル抗体を含む、マルチウエル(96または384ウエル)形式を含む。検出可能なシグナルを誘導するのに十分な濃度のモノクローナル抗体が存在するように、1つのモノクローナル抗体を含む複数の「スポット」を提供することが、必要である可能性がある。同様に、ウエル当たり最大10、10、または10個の細胞が、シグナルを誘導するのに必要である可能性がある。いくつかの実施形態では、米国公開特許出願No.20070275435中に記載されたミクロスケールでの細胞培養のリアルタイムモニタリング用の細胞培養チップを使用することができる。
レポーター細胞をARAデバイスの表面と接触させた後、デバイス上の個別エレメントで分類した試験用モノクローナル抗体によって捕捉されない細胞を、流体せん断力を施すことによって除去する。捕捉した細胞は、細胞増殖およびレポーター物質の発現を可能にする形式で、デバイスにおいて次いで培養する。捕捉した細胞中に保持されるレポーター物質は、(例えば、検出可能な基質の使用によって)ARAデバイスにおいて次いで直接測定する。このようにして、受容体−アゴニストまたは受容体−アンタゴニスト活性を有するモノクローナル抗体は、個々のモノクローナル抗体群を表すARAデバイスの個別エレメントで捕捉した細胞から誘導したレポーターシグナルの有無によって同定することができる。
例えば、NF−κB(活性化B細胞の核因子kappa−軽鎖−エンハンサー)は、転写因子として作用するタンパク質複合体である。NF−κBはほぼ全ての動物細胞型において見られ、刺激に対する細胞応答に関与する。RANK、TNFRなどの広く様々な細胞表面受容体の刺激は、NF−κBの活性化および非常に迅速な遺伝子発現の変化を直接もたらす。NF−κB応答エレメントの制御下でベータ−ラクタマーゼ遺伝子を安定的に発現するヒト胚腎臓細胞系(NF−κB−bla HEK 293T CellSensor Cell Line、Invitrogen Corp.、Calif.)は、腫瘍壊死因子−アルファ(TNFa)による刺激に応答し、NF−κBシグナル伝達経路の活性化および後のベータ−ラクタマーゼの発現をもたらす。ベータ−ラクタマーゼの発現は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)系基質(LiveBLAzer−FRET B/G Substrate、Invitrogen Inc.、Calif.)を使用して定量化する。この基質は、レポーター細胞系に容易に進入する、親油性、エステル化合物である。内因性細胞質エステラーゼによる切断によって、この基質は負に帯電した基質に変換され、サイトゾル中に保持される。ベータ−ラクタマーゼの切断は基質の2つの発色団を空間的に分離し、FRETを妨害し、(409nmでの励起により)450nmで青色蛍光シグナルを生成する。ベータ−ラクタマーゼの切断の不在下では、基質は(409nmでの励起により)520nmで緑色蛍光シグナルを生成する。青色蛍光と緑色蛍光の比は、ベータ−ラクタマーゼ活性の増大と共に増大する。
トール様受容体(TLR)の刺激はNF−κBの活性化をもたらす(Hayden MS、West AP、Ghosh S(2006年10月)。「NF−κB and the immune response」。Oncogene 25巻(51号):6758〜6780頁)。TLRに対するモノクローナル抗体における受容体アゴニスト活性は、TNFaによる高レベルの内因性NF−κB活性化、およびレポーター細胞系中でのその後の増大したベータ−ラクタマーゼ発現をもたらす可能性がある。逆に、アンタゴニスト活性はベータ−ラクタマーゼ発現の低下をもたらす可能性がある。TLRに対するモノクローナル抗体の存在下でのTLR調節の程度は、FRET基質によって生成する青色蛍光シグナルと緑色蛍光シグナルの比の変化をモニタリングすることによって決定することができ、例えば、青色蛍光シグナルと緑色蛍光シグナルの比の増大はTLRの活性化を示し、青色蛍光シグナルと緑色蛍光シグナルの比の低下はTLR阻害剤を示す。所与のモノクローナル抗体の存在下でのTLR活性の程度は、対照中のTLR活性のレベルと比較することができる(例えば、公知の活性を有する化合物の存在下で)。
本発明の方法は、回収したV遺伝子配列から産生することができ、標的病原体または抗原の異なる機能性エピトープを対象とし、または標的受容体に対する機能的影響を有する治療用抗体にも関する。
本発明の方法は、小分子のスクリーニングに適用することもできる。特異的機能と関係があるエピトープおよびエピトープクラスターを同定することによって、合成および天然小分子産物を、有効性および本発明の方法により同定した機能性エピトープと結合する能力に関して試験することができる。
本発明の方法は、異なるエピトープクラスターを同定すること、および標的病原体または抗原の異なる部分を対象とするワクチンの調製を可能にすることによる、ワクチン設計にも関する。
本発明の方法は、回収したV遺伝子配列から産生することができる治療用抗体にも関する。
キット
本発明は、前述の方法中で使用することができるキットを提供する。一実施形態では、キットは、1つまたは複数の容器中に本発明の抗体、好ましくは精製抗体を含むアレイ(ARA)を含む。本発明のキットは、対象のポリペプチドと反応しない対照抗体をさらに含むことが好ましい。別の特定の実施形態では、本発明のキットは、対象のポリペプチドとの抗体の結合を検出するための手段を含有する(例えば、蛍光化合物、酵素基質、放射性化合物または発光化合物などの検出可能な基質と抗体を結合させることが可能であり、または、第一の抗体を認識する第二の抗体を検出可能な基質と結合させることが可能である)。
キットは、非結合レポーター標識抗ヒト抗体を含むこともできる。この実施形態では、ポリペプチド抗原と抗体の結合は、前記レポーター標識抗体の結合によって検出することができる。細胞外ドメイン(例えば、受容体)を有するタンパク質の機能と関係があるレポーター系を含む細胞系が、いくつかのキットに含まれる。比色、または蛍光または発光検出試薬が、いくつかのキットに含まれる。
本発明の別の実施形態では、キットは、増殖および/または癌性ポリヌクレオチドおよびポリペプチドに特異的な抗体含有血清をスクリーニングする際に使用するための診断キットである。このようなキットは、対象のポリペプチドと反応しない対照抗体を含むことができる。このようなキットは、少なくとも1つの抗ポリペプチド抗原抗体と特異的に免疫反応するエピトープを含む、実質的に単離したポリペプチド抗原を含むことができる。さらに、このようなキットは、抗原と前記抗体の結合を検出するための手段を含む(例えば、抗体はフルオレセインまたはローダミンなどの蛍光化合物と結合させることが可能であり、これはフローサイトメトリーによって検出することができる)。特定の実施形態では、キットは、組換えによって生じた、または化学的に合成したポリペプチド抗原を含むことができる。キットのポリペプチド抗原は、固形支持体と結合させることも可能である。
一実施形態では、本発明は、本発明のポリペプチドの抗原含有血清をスクリーニングする際に使用するための診断キットを含む。この診断キットは、ポリペプチドまたはポリヌクレオチド抗原と特異的に免疫反応する実質的に単離した抗体アレイ、抗体とのポリヌクレオチドまたはポリペプチド抗原の結合を検出するための手段を含む。
したがって本発明は、この診断法を実施するためのアッセイ系またはキットを提供する。キットは一般に、表面結合組換え抗原を有する支持体、および表面結合抗抗原抗体を検出するためのレポーター標識抗ヒト抗体を含む。
本明細書に引用する全ての刊行物および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が、参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示されるが如く、参照により本明細書に組み込む。
前述の本発明は、明確な理解の目的で例示および実施例によってある程度詳細に記載してきたが、本発明の教示を鑑みて、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱せずに、本発明にある程度の変化および修飾を施すことができることは、当業者には容易に明らかであろう。

Claims (62)

  1. 抗体レパートリーアレイ(ARA)を作成するための方法であって、
    (a)有効な数のヒトドナーのそれぞれから少なくとも10個の記憶B細胞を得るステップ、
    (b)ヒトB細胞の集団を調製するステップであって、前記集団が少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有し、前記抗体のそれぞれが自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する、ステップ、
    (c)前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が少なくとも1種の異なる抗体を産生する、ステップ、
    (d)B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、
    (e)培養培地中で、前記B細胞が前記培養培地中に抗体を分泌する条件下において、前記B細胞培養物のそれぞれを培養するステップ、ならびに
    (f)前記培養培地中に分泌された前記抗体を固体表面上に配置し、それによって抗体ライブラリーを含む抗体レパートリーアレイ(ARA)を作成するステップ、を含む方法。
  2. (g)標的を用いて前記抗体レパートリーアレイを調べて、前記標的に特異的である抗体または抗体可変領域またはそれらの一部分を同定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記B細胞を不死化して不死化B細胞培養物を生成する、請求項1に記載の方法。
  4. (h)どのB細胞培養物が前記標的抗体を産生するかを決定するステップ、ならびに
    (i)前記B細胞培養物から前記標的抗体を産生するB細胞を単離するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記抗体を前記アレイの表面上に配置し、前記表面がプロテインAまたはプロテインGを含み、今度は前記プロテインAまたはプロテインGが前記抗体のFc領域を捕捉する、請求項1に記載の方法。
  6. ステップ(b)中の前記B細胞をマイクロタイタープレート中のウエル中に配する、請求項1に記載の方法。
  7. ステップ(b)中の前記B細胞の集団が少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ヒトドナーの有効な数が少なくとも10である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記抗体ライブラリーが自然に対形成したVおよびV領域を有する少なくとも10個の天然に存在するヒト抗体を含み、前記抗体が十分多様な患者集団から得た不死化ヒトB細胞から分泌されており、したがって前記ライブラリー中の抗体がヒトイムノーム全体と実質的に類似した多様な結合活性を有する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記天然に存在するヒト抗体が少なくとも10個の異なる標的を認識するヒトB細胞から発現される、請求項9に記載の方法。
  11. さらに前記B細胞が不死化されている、請求項9に記載の方法。
  12. 前記不死化B細胞がエプスタインバーウイルス抗原を発現する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記不死化B細胞がRNAウイルス、DNAウイルス、細菌、酵母、寄生虫、および真菌からなる群より選択される病原体に対する抗体を分泌する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記不死化B細胞が悪性または良性腫瘍細胞によって発現される抗原に対する抗体を分泌する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記不死化B細胞が神経変性疾患と関係があるポリペプチド、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、接着分子、および共起刺激分子、ならびにそれらの受容体からなる群より選択される抗原に対する抗体を分泌する、請求項11に記載の方法。
  16. 自然に対形成した免疫グロブリンを作成するための方法であって、
    (a)それぞれが平均して1〜100の異なる種の抗体を発現する非不死化B細胞集団からRNA試料を単離するステップ、
    (b)前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、ならびに
    (c)自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、
    (d)前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに
    (e)自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップ、を含む方法。
  17. それぞれが平均して1〜100の異なる種の抗体を発現する非不死化B細胞集団を、
    (a)有効な数のヒトドナーのそれぞれから少なくとも10個の記憶B細胞を得るステップ、
    (b)ヒトB細胞の集団を調製するステップであって、前記集団が少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有し、前記抗体のそれぞれが自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する、ステップ、
    (c)前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1〜100の異なる種の抗体を産生する、ステップ、
    (d)場合によっては、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、ならびに
    (e)そのRNA内容物を保存するのに適した条件下にそれぞれの亜集団を保管するステップを含む方法によって調製し、
    それぞれが平均して1〜100の異なる種の抗体を発現する非不死化B細胞集団のライブラリーを生成する、請求項16に記載の方法。
  18. 標的特異的抗体を作成するための方法であって、
    (a)標的に事前に曝したヒトドナーからB細胞を得るステップであって、前記B細胞の集団が自然に対形成した重鎖および軽鎖を有する少なくとも10個の異なる種の天然に存在する抗体を含有する、ステップ、
    (b)前記B細胞の集団をB細胞の亜集団に分けるステップであって、それぞれの亜集団が平均して1〜100の異なる種の抗体を産生する、ステップ、
    (c)前記B細胞が前記培養培地中に抗体を分泌する条件下において、B細胞のそれぞれの亜集団を増殖させて、増殖させたB細胞培養物を生成するステップ、
    (d)固体表面上の異なる位置に前記B細胞培養物のそれぞれから培養培地中に分泌された前記抗体を配置して、抗体レパートリーアレイ(ARA)を作成するステップ、ならびに
    (e)天然標的分子を用いて前記抗体レパートリーアレイを調べて、前記標的に特異的である1つまたは複数の抗体集団を同定するステップ、を含む方法。
  19. (f)前記標的に特異的である抗体集団に対応する前記B細胞培養物のそれぞれからRNA試料を調製するステップ、
    (g)前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、
    (h)自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、
    (i)前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに
    (j)自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記標的がウイルス、細菌、酵母、寄生虫、真菌、または他の病原体である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記標的がヒト免疫不全ウイルス(HIV)である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記天然標的分子がビリオン、ウイルス様粒子、ウイルス感染細胞、ウイルスタンパク質、またはそれらの断片である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記方法が、交差反応性抗体を同定するステップをさらに含み、前記標的が多種の標的または複数の血清型の同じ標的を含む複数の標的を含む、請求項18に記載の方法。
  24. エピトープクラスタリングに基づいて抗体をスクリーニングするための方法であって、
    (a)標的タンパク質の部分を表す遺伝子断片から作成した遺伝子断片ファージディスプレイ(GFPD)ライブラリーを提供するステップであって、前記GFPDライブラリーのメンバーを1つまたは複数のエピトープとの対応に従いクラスタリングするステップ、
    (b)インタクトな標的タンパク質を提供するステップ、
    (c)免疫応答を高めるのに十分な量の標的に事前に曝した被験体の血液試料から請求項1に従い作成した抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供するステップ、
    (d)前記標的由来のGFPDライブラリーのメンバーのインタクトな標的および/またはエピトープ特異的クラスターを用いて前記ARAを調べるステップ、ならびに
    (e)前記インタクトな標的および少なくとも1つのエピトープクラスターに特異的である1つまたは複数の抗体集団を同定するステップ、を含む方法。
  25. (f)前記エピトープクラスターに特異的である抗体集団に対応するB細胞培養物のそれぞれからRNA試料を調製するステップ、
    (g)前記RNA試料の複数に逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施するステップ、
    (h)自然に対形成することができるVおよびV領域に相当するDNAを単離するステップ、
    (i)前記VおよびV領域を発現することができる適切な宿主中のVおよびV領域に相当する前記DNAをクローニングするステップ、ならびに
    (j)自然に対形成した免疫グロブリンが形成されるように、免疫グロブリン重鎖および軽鎖のコンテクストで前記VおよびV領域を発現させるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記インタクトな標的および前記GFPDライブラリーのメンバーによる前記ARAの認識パターンに基づいて新たなエピトープを同定するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  27. 標的タンパク質をコードする遺伝子を提供するステップ、
    前記遺伝子を遺伝子断片に断片化するステップ、
    前記GFPDライブラリーのメンバーを含むファージディスプレイライブラリーを調製するステップ、
    前記標的に特異的な抗体に関して前記GFPDライブラリーをパニングするステップ、ならびに
    1つまたは複数のクラスターとの対応に従いそれぞれのGFPDライブラリーのメンバーを分類するステップ
    を含む方法によって、前記GFPDライブラリーのメンバーを1つまたは複数のエピトープとの対応に従いクラスタリングする、請求項24に記載の方法。
  28. 前記標的の公知の三次元構造に前記GFPDライブラリーのメンバーをオーバーレイしてGFPDライブラリーのメンバーを分類するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  29. エピトープクラスターに特異的である抗体集団から配列決定したVおよびV領域の発現によって形成される第一の自然に対形成した免疫グロブリンを調製するステップ、
    異なるエピトープクラスターに特異的である抗体集団から配列決定したVおよびV領域の発現によって形成される第二の自然に対形成した免疫グロブリンを調製するステップ、
    第一および第二の自然に対形成した免疫グロブリンの両方を個別または組合せで、前記インタクトな標的の活性を測定するために試験系に与えるステップ、ならびに
    公知の機能と関連がある新たなエピトープの活性または活性の相乗作用を決定するステップ
    によって、2つ以上のエピトープクラスターの機能間の相乗作用を試験するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
  30. 請求項24に記載の方法により決定した機能性エピトープクラスターに対して有効な抗体を含む、ワクチン調製物。
  31. 請求項24に記載の方法により決定した1つまたは複数のエピトープクラスターと関係がある標的の機能を調節する際に有効な抗体を含む、治療用抗体調製物。
  32. 細胞表面上に存在する標的分子と関係がある生物学的機能の存在に関してモノクローナル抗体をスクリーニングするための方法であって、
    請求項1に従い作成した抗体レパートリーアレイ(ARA)を提供するステップであって、前記ARAが表面上の異なる位置に位置する複数のモノクローナル抗体を含み、前記抗体が細胞表面上に存在する特異的標的分子に対するものである、ステップ、
    前記細胞表面上に存在する前記特異的標的分子を含む細胞を前記ARAと接触させるステップ、ならびに
    前記細胞表面上に存在する前記特異的標的分子に対する阻害効果または活性化効果を有するモノクローナル抗体を同定するステップ、を含む方法。
  33. レポーター細胞を前記ARAと接触させるステップであって、前記レポーター細胞の表面上に存在する細胞表面標的分子のアゴニストまたはアンタゴニストと接触させたときに検出可能なシグナルを発現するように前記レポーター細胞が操作されている、ステップ、
    検出可能なシグナルを生成するのに必要な基質の存在下で前記モノクローナル抗体と前記レポーター細胞をインキュベートするステップであって、前記検出可能なシグナルのレベルの変化が、前記モノクローナル抗体の細胞表面標的分子のアンタゴニストまたはアゴニスト機能の存在を示す、ステップ
    をさらに含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記細胞表面上に存在する前記特異的標的分子が受容体分子である、請求項32に記載の方法。
  35. 前記受容体が、末梢膜タンパク質受容体、膜貫通型受容体、代謝生成物産性受容体、Gタンパク質共役受容体(GPCR)、受容体型チロシンキナーゼ、グアニル酸シクラーゼ受容体、細胞外リガンドに応答性があるイオンチャネル型受容体、受容体型チロシンキナーゼ、サイトカイン受容体、受容体型グアニル酸シクラーゼ、受容体型セリン/スレオニンプロテインキナーゼ、インシュリン受容体、インシュリン様成長因子受容体、ヒト成長ホルモン受容体、グルコース輸送担体、トランスフェリン受容体、上皮成長因子受容体、低密度リポタンパク質受容体、レプチン受容体、インターロイキン受容体、IL−1受容体、IL−2受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、アデノシン受容体、アドレナリン受容体、gaba受容体、アンギオテンシン受容体、カンナビノイド受容体、コレシストキニン受容体、ドーパミン受容体、グルカゴン受容体、代謝生成物産性グルタミン酸受容体、ヒスタミン受容体、嗅覚受容体、オピオイド受容体、ロドプシン、セクレチン受容体、セロトニン受容体、ソマトスタチン受容体、カルシウム感知受容体、成長因子受容体、共起刺激分子受容体、プロテアーゼ活性化受容体、T細胞受容体、B細胞受容体、ITIM含有受容体、ITAM含有受容体、TNFRスーパーファミリーのメンバー、TNFスーパーファミリーのメンバー、イオンチャネル、およびケモカイン受容体からなる群より選択される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記受容体タンパク質の完全アゴニスト、部分的アゴニスト、アンタゴニストまたは逆アゴニストとして前記抗体が機能する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記検出可能なシグナルが、フルオロフォア、化学色素、放射性結合物質、化学発光性結合物質、電気化学発光性物質、磁性結合物質、常磁性結合物質、プロ磁性結合物質、着色産物を生成する酵素、化学発光産物を生成する酵素、磁性産物を生成する酵素またはルテニウムである、請求項32に記載の方法。
  38. 前記細胞表面分子の活性化が、基質に影響を与えることができる酵素の活性と関連がある細胞内シグナル伝達経路と共役している、請求項32に記載の方法。
  39. 前記酵素が、β−ラクタマーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、α−マンノシダーゼ、β−マンノシダーゼ、酸性ホスファターゼ、アルカリホスファターゼおよびホスホジエステラーゼIIからなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
  40. 前記基質が、p−アミノフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−ガラクトピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−グルコピラノシド、p−アミノフェニル−α−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニル−β−D−マンノピラノシド、p−アミノフェニルホスフェート、およびp−アミノフェニルホスホリルコリンまたはその誘導体からなる群より選択される、請求項38に記載の方法。
  41. 前記基質に対する前記酵素の影響が化学反応、発光定量的な反応、比色反応または蛍光定量的な反応と関連している、請求項38に記載の方法。
  42. 前記ARAを96または384ウエルプレート中に配置し、それぞれのウエルが単一B細胞クローン由来のモノクローナル抗体を含み、さらに前記モノクローナル抗体の濃度が前記細胞表面標的分子からシグナルを誘導するのに十分である、請求項32に記載の方法。
  43. それぞれのウエルと約10個を超えるレポーター細胞を接触させる、請求項42に記載の方法。
  44. 前記検出可能な標識が前記レポーター細胞から分泌されない、請求項42に記載の方法。
  45. 前記検出可能な標識が前記レポーター細胞から分泌される、請求項42に記載の方法。
  46. それぞれのウエルをレポーター細胞と接触させ、およそ約10個を超えるレポーター細胞濃度に達するまで細胞増殖に適した条件下でインキュベートする、請求項42に記載の方法。
  47. 前記スクリーニングがハイスループットスクリーニングである、請求項32に記載の方法。
  48. 前記スクリーニングがハイコンテントスクリーニングである、請求項32に記載の方法。
  49. 前記細胞表面標的分子の活性化が、β−ラクタマーゼ発現と関連するシグナル伝達経路の活性化を含む、請求項32に記載の方法。
  50. 蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)系基質を使用してβ−ラクタマーゼの発現を定量化する、請求項49に記載の方法。
  51. 前記ARAが、前記細胞表面上に存在する前記特異的標的分子と接触させたときに検出可能なシグナルを誘導するのに十分な濃度の抗体を、前記表面のそれぞれ異なる位置に含む、請求項32に記載の方法。
  52. 請求項1に記載の方法によって調製した抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  53. 前記ARAが少なくとも10個の異なる標的を認識するヒトB細胞から発現される少なくとも10個のヒト天然抗体を含み、異なるB細胞から分泌されるそれぞれの抗体が自然に対形成したVHおよびVL鎖を有する、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  54. 前記ARA上の抗体が少なくとも10個の異なる標的を認識する、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  55. 前記ARA上の抗体が少なくとも10個の発現したヒト天然抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  56. 前記ARAが自然に対形成したVおよびV領域を有する少なくとも10個の天然に存在するヒト抗体を含み、前記抗体が十分多様な患者集団から得た不死化ヒトB細胞から分泌されており、したがって前記ライブラリー中の抗体がヒトイムノーム全体と実質的に類似した多様な結合活性を有する、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  57. 前記ARAがRNAウイルス、DNAウイルス、細菌、酵母、寄生虫、および真菌からなる群より選択される病原体に対する天然に存在するヒト抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  58. 前記ARAが悪性または良性腫瘍細胞によって発現される抗原に対する天然に存在するヒト抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  59. 前記ARAが神経変性疾患と関係があるポリペプチド、サイトカイン、ケモカイン、増殖因子、接着分子、および共起刺激分子、ならびにそれらの受容体からなる群より選択される抗原に対する天然に存在するヒト抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  60. 前記ARAが標的を表す遺伝子断片ファージディスプレイ(GFPD)ライブラリー由来のエピトープ特異的クラスターに対する天然に存在するヒト抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  61. 前記ARAが細胞表面上に存在する標的分子に対する天然に存在するヒト抗体を含む、請求項52に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
  62. 前記細胞表面分子が受容体分子である、請求項61に記載の抗体レパートリーアレイ(ARA)。
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