JP2016221936A - 深絞り用多層フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ボイル殺菌による深絞り成型部の収縮が抑制され、ボイル殺菌前に貼付されたラベルにシワの発生が生じず、且つ耐ピンホールが良好な深絞り用フィルムを提供する。【解決手段】 最外層はポリプロピレン、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンから選ばれる少なくとも1種からなり、中間層は少なくとも1層のポリアミド樹脂層と少なくとも1層のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物層とを含み、シール内層はエチレン系樹脂および熱可塑性エラストマーの少なくとも1種からなり、シール表層は融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含有してなり、フィルムの総厚は70μm以上300μm以下であり、シール層表層厚は2μm以上10μm未満であることを特徴とする深絞り用多層フィルム。【選択図】 図1

Description

本発明は、包装用フィルムに関し、特に、ブロックハム、ローストビーフ、焼豚等を深絞り包装し、商品ラベルや内容表示ラベル等の粘着ラベルを深絞りの外表面に貼付する商品用途に好適に使用できる深絞り用多層フィルムに関する。
従来のブロックハム等の深絞り包装品の一般的な製造工程は、深絞り包装、ボイル殺菌、ラベルの貼付、という順で行われてきた。
そのうちの深絞り包装の一般的な工程は、底材フィルムのシール層側を熱板へ向けて設定して接触加熱させ、圧空等で絞りの型に密着させて深絞り成型し、成型した深絞り部に内容物を収容し、蓋材フィルムを被せ真空にしてヒートシール後、シール部を所定の大きさに横及び縦のカットを行って、個々のパック包装品に切り分け、深絞り包装機より搬出するという順で行われる。
そして、従来のブロックハム等を内容物とする深絞り包装用の底材フィルムには、耐ピンホール性を付与するためにポリアミド樹脂層を外層に厚く配し、ポリエチレン系樹脂を主成分とした層をシール層に配したフィルムが広く使用されてきた。
一方で、底材フィルム面に商品ラベルを自動貼付するラベラー装置が付設された深絞り包装機での製造も併用されている。
その深絞り包装の製造工程は、深絞り包装、ラベル貼付、ボイル殺菌の順となる。
この場合、ラベルを底材フィルム面に貼付したままボイル殺菌されるので、従前の底材フィルムでは熱収縮してしまい、貼付したラベルにシワが入ったり、殺菌漕中でラベルが剥がれたりする等の現象が発生し、その結果、商品価値を損ねたり、不良品となって商品歩留りを著しく低下させるといった問題を引き起こす。
例えば、特許文献1では、ハム等のボイル殺菌用に、ナイロン12含有層/ポリアミド樹脂層/エチレン系樹脂層の層構成が開示されている。ラベル接着性に関する記述もあるが、これは、ボイル殺菌後のラベル貼付において、ラベル接着性が最外層組成に依存することに関するものである。また、エチレン系樹脂層は1層で構成され、実施例では総厚200μmに対して層厚約100μmを有しているため、ボイル殺菌処理工程で大きく熱収縮してしまい、ラベル貼付後にボイル殺菌を行う用途に用いると粘着ラベルに激しくシワが寄り、引いてはラベル剥離に至ってしまう。
また例えば、特許文献2では、ボイル用深絞り底材フィルムとして、ポリアミド樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)/エチレン−α−オレフィン共重合体/ポリプロピレンの層構成が開示されている。この技術では、低温耐ピンホール性のためにLLDPE層を必須としているが、剛性とカール改良のためにポリプロピレン層厚をフィルム総厚の25〜75%とすることが適当としているため、硬質のポリプロピレン層を厚く配する影響の方が強く現れ、低温時のフィルムの耐ピンホール性が実用上不十分であった。
特許2920458号公報 特許3760003号公報
そこで、本発明は、ボイル殺菌による深絞り成型部の収縮が抑制され、ボイル殺菌前に貼付されたラベルにシワの発生が生じず、且つ包装商品の製造工程から消費者の使用に至るまでの間でピンホールが生じない、深絞り用フィルムを提供することを課題とする。
本発明者は、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のフィルムの構成により、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、最外層、中間層、シール内層、シール表層の順で構成される多層フィルムにおいて、シール内層とシール表層は隣接してなり、前記最外層はポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種からなり、前記中間層は少なくとも1層のポリアミド樹脂層と少なくとも1層のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物層とを含み、前記シール内層はエチレン系樹脂および熱可塑性エラストマーの少なくとも1種からなり、前記シール表層は融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含有してなり、フィルムの総厚は70μm以上300μm以下であり、シール表層厚は2μm以上10μm未満であることを特徴とする深絞り用多層フィルムに存する。
本発明の深絞り用多層フィルムによれば、ホイル殺菌処理を経ても、ボイル処理前に貼付されたラベルにシワが発生し難く、且つ耐ピンホール性が良好であるので、保存安定性の良いブロックハム等のギフトラベル包装等が美観良く生産できる深絞り用底材フィルムを提供できる。
は、深絞り用多層フィルム1を深絞り成形し、ブロックハム、ローストビーフ、焼豚等の内容物3を収容し、蓋材フィルム2とを合わせて包装し、商品ラベルや内容表示ラベル等のラベル5を深絞りフィルム側の外表面に貼付した深絞り包装体の断面略例図である。
本発明のフィルムは、最外層、中間層、シール内層、シール表層の順で構成される多層フィルムであり、シール内層とシール表層とを隣接して配設する。
本発明の多層フィルムを用い包装体を作製した場合、包装体の外表面側に位置する層が最外層であり、最外層の表面に商品ラベルや内容表示ラベル等の粘着ラベルを貼付する。また、内容物側に位置する層がシール表層であり、内容物を収容した周囲を深絞りフィルムと蓋材フィルムで密封する際に蓋材フィルムのシール層と共に熱融着シールする機能を有する。
<最外層>
本発明のフィルムの最外層には、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリエチレン樹脂(PE)から選ばれる少なくとも1種を用いる。最外層に他の樹脂を混合する場合は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
ポリプロピレン樹脂としては、特に制限はなく、ホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー等が好適に使用できる。特に、炭素数1〜20のα−オレフィンと共重合したランダムコポリマーが、透明性や耐ピンホール性の点で好ましい。
ポリアミド樹脂としては、特に制限はないが、耐ピンホール性及び光沢の観点から、6ナイロンや6−66ナイロン、12ナイロン、11ナイロンが好ましい。
ポリブチレンテレフタレート樹脂としては、特に制限はなく、ホモポリマーやコポリマーが好適に使用できる。コポリマーの酸成分としては、例えばテレフタル酸やイソフタル酸が挙げられる。
ポリエチレン樹脂としては、ボイル殺菌に耐えられれば特に限定はないが、軟化点温度が100℃以上のものが好ましい。
最外層厚は、フィルム総厚に対して5%以上20%未満が好ましく、上限は15%未満がより好ましい。5%未満ではフィルム強度が不十分となり、20%を超えると深絞り性が不十分となり易い。
<中間層:ポリアミド樹脂層>
本発明のフィルムの中間層には、フィルムに耐ピンホール性を付与する目的で、少なくとも1層のポリアミド樹脂(PA)層を配する。
ポリアミド樹脂の組成は、特に限定されないが、具体的に例示すると、例えば、4ナイロン、6ナイロン、7ナイロン、11ナイロン、12ナイロン、46ナイロン、66ナイロン、69ナイロン、610ナイロン、611ナイロン、6Tナイロン、6Iナイロン、MXD6ナイロン、6−66ナイロン、6−610ナイロン、6−611ナイロン、6−12ナイロン、6−612ナイロン、6−6Tナイロン、6−6Iナイロン、6−66−610ナイロン、6−66−12ナイロン、6−66−612ナイロン、66−6Tナイロン、66−6Iナイロン、6T−6Iナイロン、66−6T−6Iナイロン等が挙げられる。
中でも、耐ピンホール性の観点から、6ナイロンや6−66ナイロンを用いることが好ましい。また、PA層は2層以上設けることもでき、その場合、各層が異なる種類のポリアミドで形成されていてもよい。
中間層のPA層厚は、特に限定されないが、最外層にPA層を配する場合を含めて、多層フィルム中に配される全てのポリアミド樹脂層の合計厚が、フィルム総厚に対して、下限は30%以上が好ましく、35%以上がより好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。下限を30%以上とすることにより、フィルムに十分な耐ピンホール性を付与することができ、上限を70%以下とすることにより、シール部に柔軟性を保持することができる。
<中間層:エチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂>
本発明のフィルムの中間層には、酸素バリア性を付与する目的で、少なくとも1層のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(EVOH)層を配する。
EVOHのエチレン含有率は、特に限定されるものではないが、フィルム製膜安定性の観点から、下限は32モル%以上が好ましく、38モル%以上がより好ましく、上限は47モル%以下が好ましく、44モル%以下がより好ましい。
EVOHのケン化度は、90モル%以上が好ましく、95モル%以上がより好ましい。EVOHのエチレン含有量およびケン化度を上記範囲に保つことにより、本発明の多層フィルムの共押出性、強度を良好なものとすることができる。
EVOH層厚は、下限は5μm以上が好ましく、7μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、上限は30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。下限を5μm以上とすることによりフィルムに十分な酸素バリア性を付与することができ、また、上限を20μm以下とすることにより、耐ピンホール性の低下や製造コストの増大を抑制することができる。
<シール内層>
本発明のフィルムのシール内層は、エチレン系樹脂および熱可塑性エラストマーの少なくとも1種からなる。
エチレン系樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のアイオノマーからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましく、中でも、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)が主成分であることが耐ピンホール性の点でより好ましい。
シール内層に熱可塑性エラストマーを用いると、フィルムに柔軟性を付与できる点で好ましい。
熱可塑性エラストマーの種類や配合比率は、特に制限はないが、例えば、ダウケミカル製バーシファイ、インフューズ、アフィニティ、旭化成ケミカルズ製タフテック、三井化学製タフマー、日本ポリプロ製ウェルネックス等が、好適に使用できる。
シール内層厚は、特に制限されないが、フィルム総厚に対する比率として、下限は20%以上が好ましく、25%以上がより好ましく、30%以上が更に好ましい。また、上限は70%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、60%以下が更に好ましい。下限を20%以上とすることにより、フィルムに適度な柔軟性をもたせることができ、上限を70μm以下とすることにより、耐ピンホール性を保持できる。
<シール表層:ポリプロピレン樹脂層>
本発明のフィルムのシール表層は、包装体を作製した場合に深絞り成形の熱板に接触する側となり、また内容物に接する側となる。そして、内容物を収容した深絞りフィルムに蓋材を被せ密封する際には、蓋材とのシール面となる。
シール表層は、融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含有して構成する。
それにより、深絞り成形加工温度が150℃を超えてもシール表層が熱板にべた付いたり、取られたりすること(熱板取られ)を防止できる。従って、本発明のフィルムは、150℃のような高温の成形加工を施すことが可能となり、深絞り成型によってフィルムに発生する歪を大きく軽減することができ、ボイル処理によるフィルムの熱収縮を抑制できる。
融点は、JIS K 7121に準拠して測定できる。
シール表層に用いるポリプロピレン系樹脂としては、例えばプロピレンのホモポリマー、炭素数1〜20のα−オレフィンとのブロックコポリマー、ランダムコポリマーが挙げられる。高融点の点からホモポリマー、ブロックポリマーが好適である。
また、シール表層を、融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂に対してポリエチレン系樹脂を混合して構成することにより、フィルムに高温加工性と共に易開封性や柔軟性を付与することが出来る。ポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂の質量混合比は、50:50〜90:10が好ましい。
混合するポリエチレン系樹脂の種類は、特に限定はされないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)のアイオノマー、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)のアイオノマーが挙げられ、中でも耐熱性の点で、LLDPE、HDPEが好ましい。
シール表層厚は、特には限定はされないが、下限は2μm以上が好ましく、3μm以上がより好ましい。また、上限は10μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。下限を2μm以上とすることにより、良好なヒートシール性を保持でき、上限を10μm以下とすることにより、耐ピンホール性の低下を防止することができる。
シール表層厚のフィルム総厚に対する比率は、フィルム全体に及ぼすプロピレン樹脂層の剛直さの影響度から、1%以上10%以下が好ましい。下限は2%以上がより好ましく、3%以上が更に好ましい。上限は8%以下がより好ましく、6%以下が更に好ましい。
<その他の層>
本発明のフィルムは、上述の最外層、中間層、隣接するシール内層とシール表層の順で各層を配すれば、各層の間に他の層を配しても構わない。
<接着樹脂層>
各層の層間剥離強度を高める目的で、必要に応じて接着樹脂層を設けることができる。接着樹脂層は、一層であってもよいし、複数であってもよい。
接着樹脂層を構成する接着性樹脂は、低密度ポリエチレン(LDPE)、線形低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMMA)、エチレン−メチルメタアクリレート共重合体(EMMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)、エチレン系アイオノマー(ION)等のエチレン共重合体系樹脂が例示でき、その他、変性ポリオレフィン系樹脂、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体若しくはエチレン系エラストマーに、アクリル酸若しくはメタアクリル酸などの一塩基性不飽和脂肪酸、またはマレイン酸、フマール酸若しくはイタコン酸等の二塩基性脂肪酸の無水物を化学的に結合させたものを例示できる。中でも、ポリエチレンをベースとした接着性樹脂を用いることが好ましい。
接着樹脂層厚は、作業性、経済性、取扱い性の観点から、下限は3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、8μm以上がさらに好ましい。また上限は特に制限はないが、30μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下がさらに好ましい。3μm以上であれば、層間剥離強度を向上させることができる。また厚過ぎると透明性の悪化や、製造コストもかさむため上限は30μm以下であることが望ましい。
<フィルム全体>
本発明のフィルムは、総厚70μm以上300μm以下である。下限は100μm以上がより好ましく、120μm以上が更に好ましい。上限は200μm以下がより好ましく、180μm以下が更に好ましい。
内容物の大きさや重量、製造から使用に至るまでの工程の点から必要とされるフィルム強度、深絞りの程度などから、厚みを設定することができる。例えば、薄過ぎると耐ピンホール性が悪化し、厚過ぎると底材と蓋材を面シールしたフランジ部が硬くなり商品の箱詰め梱包が行い難くなる。
本発明のフィルムは、本発明の効果を著しく阻害しない範囲内で、成形加工性、生産性等の諸性質を改良・調整する目的で、シリカ、タルク、カオリン、炭酸カルシウム等の無機粒子、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、難燃剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、溶融粘度改良剤、架橋剤、滑剤、核剤、可塑剤、老化防止剤などの添加剤を、必要とする層に適宜添加できる。
本発明の深絞り用多層フィルムは、公知の方法を用いて作製することができる。例えば、押出ラミネーション法、共押出インフレーション法および共押出Tダイ法等を用いることができ、特に共押出Tダイ法を用いることが好ましい。
本発明のフィルムは、深絞り包装体の底材用フィルムとして好適に用いることが出来る。
その場合に、蓋材フィルムは、フィルム強度や張り、ガスバリア性、耐ピンホール性の観点から、原料樹脂や製法を選んで構成することが出来る。また、本発明のフィルムのシール表層が融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂で構成されることに合わせ、蓋材フィルムのシール層もポリプロピレン系樹脂から構成されることによって、底材と蓋材のシール密着強度が十分となる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
<深絞り用多層フィルムおよび深絞り包装体の作製>
深絞り底材用フィルムとして、各例に示す層構成の多層フィルムを共押出Tダイ法により作製した。
次いで、各例の底材用多層フィルムを、深絞り包装機(大森機械工業社製、FV6300)を用いて、縦160mm、横110mm、絞り深さ80mmの形状に深絞り成形し、その深絞り部にネット付きブロックハム400gを入れ、続いて、蓋材を被せ、真空脱気すると共に、底材と蓋材とを面シールし、深絞り包装体を作製した。
包装条件は、深絞り成型温度150℃、成型加熱時間2秒、シール温度170℃、シール時間2秒で行った。
<深絞り包装体へのラベル貼付およびボイル殺菌処理>
ネット付きブロックハムの商品ラベル実物の代わりに、市販のクラフトテープを縦70mm、幅50mmの大きさにカットして用い、作製した深絞り包装体の深絞りの中央部外面に、クラフトテープのカット版を貼付した。
その後、95℃30分間のボイル殺菌処理を行った。
<評価>
以下の評価を行い、表1にまとめた。
(成形熱板取られ)
フィルムを150℃2秒で深絞り成形する工程において、シール層が溶融して成形熱板側にシール層が明らかに取られた場合を「×」、シール層が熱板側に若干取られ白化が見られた場合を「△」、シール層が熱板側にほとんど取られなかった場合を「○」と評価した。
(クラフトテープのシワ)
ボイル殺菌処理後に、ラベルの代わりに貼付したクラフトテープにシワがほとんど生じなかった場合を「○」、シワが生じた場合を「×」と評価した。
また、深絞り成形温度150℃で熱板取られが発生したものについては、熱板取られが発生しない成形温度まで下げて包装体を作製し、同様の評価を行った。
(耐ピンホール性)
ボイル殺菌処理後の深絞り包装体の水分を拭き取り、冷蔵庫にて5℃24時間保管し冷蔵庫から取り出した直後に、ダンボール箱に包装体を20個入れ、水平落下を高さ1.5mから50回行い、ピンホールが発生しなかったものを「○」、発生したものを「×」と評価した。
<原料樹脂>
各例の多層フィルムに用いた原料樹脂とその略号を示す。
Ny1:6ナイロン
Ny2:6−66共重合ナイロン 66ナイロン比率15質量%
PBT:ポリブチレンテレフタレート
EVOH1:エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物 エチレン含有率38モルタイプ
LLDPE1:直鎖状低密度ポリエチレン 融点117℃
LLDPE2:LLDPE1(70質量%)とエチレン−ブテン共重合体(25質量%)の混合
PP1:プロピレンホモポリマー 融点163℃
PP2:プロピレンランダムコポリマー 融点143℃
PP3:プロピレンブロックコポリマー 融点162℃
AD1:接着性樹脂 LLDPEベース
AD2:接着性樹脂 PPベース
EP1:PP1(60質量%)とLLDPE1(40質量%)の混合
EP2:LLDPE1(60質量%)とPP2(40質量%)の混合
<実施例1>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
Ny1(20μm)/AD1(10μm)/Ny2(40μm)/EVOH1(10μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(52μm)/PP1(8μm)
蓋材には、次の層構成のドライラミネートフィルムを用いた。尚、バリアNyフィルムには三菱樹脂社製スーパーニールを用いた。
二軸延伸PETフィルム(12μm)//バリアNyフィルム(15μm)//未延伸PPフィルム(50μm)
<実施例2>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
PP2(20μm)/AD2(10μm)/EVOH1(10μm)/Ny2(40μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(55μm)/PP3(5μm)
蓋材には、実施例1と同じフィルムを用いた。
<実施例3>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
PBT(20μm)/AD1(10μm)/Ny2(40μm)/EVOH1(10μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(53μm)/EP1(7μm)
蓋材には、実施例1と同じフィルムを用いた。
<実施例4>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
Ny1(20μm)/接着樹脂1(10μm)/EVOH1(10μm)/Ny2(40μm)/接着樹脂1(10μm)/LLDPE2(56μm)/PP1(4μm)
蓋材には、二軸延伸PPフィルム(20μm)を次の層構成の共押出多層フィルムのEVOH1層面にドライラミネートしたフィルムを用いた。
EVOH1(10μm)/Ny1(20μm)/AD1(7μm)/LLDPE1(18μm)/EP2(5μm)
<比較例1>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
Ny1(20μm)/AD1(10μm)/Ny2(40μm)/EVOH1(10μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(52μm)/PP2(8μm)
蓋材には、実施例1と同じフィルムを用いた。
<比較例2>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
Ny1(20μm)/AD1(10μm)/Ny2(40μm)/EVOH1(10μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(53μm)/EP2(7μm)
蓋材には、二軸延伸PPフィルム(20μm)を次の層構成の共押出多層フィルムのEVOH1層面にドライラミネートしたフィルムを用いた。
EVOH1(10μm)/Ny1(20μm)/AD1(7μm)/LLDPE1(23μm)
<比較例3>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
Ny1(20μm)/AD1(10μm)/Ny2(40μm)/EVOH1(10μm)/AD1(10μm)/PP1(60μm)
蓋材には、実施例1と同じフィルムを用いた。
<比較例4>
底材フィルムとして、次の層構成の共押出多層フィルムを用いた。
PP2(20μm)/AD2(10μm)/EVOH1(10μm)/Ny2(40μm)/AD1(10μm)/LLDPE1(30μm)/PP3(30μm)
蓋材には、実施例1と同じフィルムを用いた。
Figure 2016221936
表1より、実施例1〜4の深絞り用複合フィルムにおいては、ボイル処理後の深絞り成形部の収縮が抑制でき、ボイル処理前に貼付されたラベル代替のクラフトテープにシワが発生しなかった。また、冷蔵保管後の落下においてもピンホールが発生しなかった。
これに対して、比較例1及び2では、シール層の融点が低すぎるため、深絞り成形温度150℃でシール層が熱板に取られて熱板が汚れ、連続成形が出来なかった。また、熱板にシール層が融着しない成形温度で加工した場合でも、ボイル処理による熱収縮が大きく、クラフトテープに皺が寄った。
比較例3及び4では、シール層のPP層が厚すぎるため、耐ピンホール性が悪かった。
以上、現時点において、もっとも実践的であり、且つ好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う深絞り用多層フィルムもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の深絞り用多層フィルムによれば、ボイル殺菌処理前に商品ラベルや内容表示ラベル等の粘着ラベルを貼付し、その後ボイル殺菌処理を行う製造工程の場合においても、ボイル殺菌処理後にラベルのシワが発生しないので、ラベル貼付とボイル処理の製造工程順に依らずに同じフィルムを用いることができるので、生産効率を格段に向上させることが出来る。また、冷蔵後の耐ピンホール性も良好であり、ブロックハム等のギフトラベル包装等が美観良く出来、かつ食品安全性も良好に生産することが出来る。
1; 深絞り用多層フィルム
2; 蓋材フィルム
3; 内容物
4; 深絞り用多層フィルムと蓋材フィルムとを面シールした包装体のフランジ部
5; 商品ラベル

Claims (6)

  1. 最外層、中間層、シール内層、シール表層の順で構成される多層フィルムにおいて、シール内層とシール表層は隣接してなり、前記最外層はポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、およびポリエチレン樹脂から選ばれる少なくとも1種からなり、前記中間層は少なくとも1層のポリアミド樹脂層と少なくとも1層のエチレン酢酸ビニル共重合体けん化物層とを含み、前記シール内層はエチレン系樹脂および熱可塑性エラストマーの少なくとも1種からなり、前記シール表層は融点155℃以上のポリプロピレン系樹脂を50質量%以上含有してなり、フィルムの総厚は70μm以上300μm以下であり、シール表層厚は2μm以上10μm未満であることを特徴とする深絞り用多層フィルム。
  2. 多層フィルム中に配される全てのポリアミド樹脂層の合計厚が、フィルム総厚に対して30%以上70%以下である請求項1に記載の深絞り用多層フィルム。
  3. ボイル殺菌を経る包装体に用いられる請求項1または2に記載の深絞り用多層フィルム。
  4. 加工温度が140℃以上の深絞り成形に用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り用多層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り多層フィルムを用いてなる深絞り包装体。
  6. 商品に関するラベルを深絞り部表面に貼付してなる請求項5に記載の深絞り包装体。
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