JP2016221776A - 両面孔版印刷装置及び両面孔版印刷装置の制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】両面孔版印刷装置においてインキ調整のための捨て印刷を行う際に、使用する印刷用紙の枚数をより軽減しつつ、印刷用紙面に転移されたインキによる用紙搬送経路の汚れを防止すること。
【解決手段】用紙への印刷に用いられるインキの粘度を調整するに際して、用紙を搬送する搬送部と接する用紙の領域にインキを付着させない両面製版マスタの製版を制御し、インキの粘度を調整するに際して製版された両面製版マスタに基づき、1枚の用紙の同一面上に少なくとも2回以上、画像を印刷するよう両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御することを特徴とする。
【選択図】図10
【解決手段】用紙への印刷に用いられるインキの粘度を調整するに際して、用紙を搬送する搬送部と接する用紙の領域にインキを付着させない両面製版マスタの製版を制御し、インキの粘度を調整するに際して製版された両面製版マスタに基づき、1枚の用紙の同一面上に少なくとも2回以上、画像を印刷するよう両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御することを特徴とする。
【選択図】図10
Description
本発明は、両面孔版印刷装置及び両面孔版印刷装置の制御方法に関する。
印刷装置の一つに孔版印刷装置がある。孔版印刷装置は、製版処理に相当する穿孔処理によって原稿画像に応じた孔が形成されたマスタを、インキ透過構造を備えた印刷ドラムに巻き付けるように構成されている。そして、孔版印刷装置は、印刷ドラム内に設けられたインキ供給機構からのインキを浸出させ、印刷ドラムに押し付けられた印刷用紙にインキを転移させることにより画像を印刷するように構成されている。
また、近年、孔版印刷装置として、印刷用紙の片面にのみ印刷を行う片面印刷(全面印刷ともいわれる)の他、印刷用紙の消費量および書類の保管スペースを低減させるため等の目的から、印刷用紙の両面に印刷を行う両面印刷が可能な両面孔版印刷装置がある。
この両面孔版印刷装置は、印刷ドラムの回転方向に沿って第1の製版画像と第2の製版画像とが2面分並んで分割製版されたマスタを印刷ドラムに巻き付け、第1の製版画像及び第2の製版画像のいずれか一方に対応した印刷(表面印刷)を印刷部で行う。そして、両面孔版印刷装置は、表面印刷済みの印刷用紙を両面再給紙部にて印刷部へ再給紙し、表面印刷済みの印刷用紙の裏面に印刷する。
また、孔版印刷装置では、印刷用インキとしてエマルションインキが使用されることが多い。エマルションインキは、カーボンを含む油相成分と水相成分及びインキによっては溶剤とからなり、空気に触れた状態で放置されると、水相成分及び溶剤成分が徐々に蒸発し、インキ中の油相成分の相対比率が上昇してくる。油相成分率が上昇してくると、インキは粘性が下がり、所謂緩んだ状態となる。
このため、孔版印刷装置において、最終ジョブでの印刷後、長い時間印刷を行わない(装置停止期間が長い)場合、印刷ドラム内のインキが緩んだ状態であるため、そのまま印刷を実行するとマスタに形成された孔からのインキ透過量が多くなる。その結果、印刷用紙へのインキの過剰転移が起きてしまう。
そこで、孔版印刷装置において、最終印刷(前回の印刷)からある程度の時間が経過した後に印刷を行う際には、インキのリフレッシュのため、正規の印刷を行う前に、インキ調整として捨て印刷を実行することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
両面孔版印刷装置の場合、特許文献1に開示された技術により両面印刷に用いられる印刷用紙に第1の製版画像及び第2の製版画像に基づく捨て印刷を実行すると、印刷用紙面に過剰転移されたインキが両面再給紙部の反転ローラや用紙搬送経路を汚してしまう。その結果、正規の印刷時にインキによる印刷用紙の汚れを防止するため、別途清掃が必要になる。また、安定した通紙性能を確保できなくなり、印刷ドラムと印刷用紙との貼り付き力が大きくなることで、印刷ドラムからの印刷用紙の剥がし損ねが生じ、用紙搬送不良が生じてしまう。
このような問題を解決するために、両面再給紙部を経由せず、印刷ドラム1回転で第1の製版画像及び第2の製版画像いずれかに基づき印刷用紙の片面に捨て印刷することを交互に繰り返すことが考えられる。これにより、両面再給紙部へ搬送される印刷用紙が直接排紙部に搬送されるので、印刷用紙面に過剰転移されたインキによる両面再給紙部の反転ローラ等の用紙搬送経路の汚れを防止することができる。
しかしながら、この場合、印刷ドラム1回転で第1の製版画像及び第2の製版画像の一方のみが印刷用紙の片面に印刷されることを繰り返すので、多量の印刷用紙が必要となる。
本発明は、このような課題を鑑みてなされたものであり、両面孔版印刷装置においてインキ調整のための捨て印刷を行う際に、使用する印刷用紙の枚数をより軽減しつつ、印刷用紙面に転移されたインキによる用紙搬送経路の汚れを防止することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、用紙の表面に印刷するための画像である表面画像及び前記用紙の裏面に印刷するための画像である裏面画像を孔版原紙に副走査方向に並べて穿孔製版された両面製版マスタを装着した版胴に前記用紙を給紙して押圧し、前記用紙の一方の面に前記表面画像を印刷し、前記表面画像が印刷された前記用紙を前記版胴に給紙して押圧し、前記表面画像が印刷された前記用紙の他方の面に前記裏面画像を印刷する両面孔版印刷装置であって、前記用紙への印刷に用いられるインキの粘度を調整するに際して、前記用紙を搬送する搬送部と接する前記用紙の領域に前記インキを付着させない前記両面製版マスタの製版を制御する製版制御部と、前記インキの粘度を調整するに際して製版された前記両面製版マスタに基づき、1枚の前記用紙の同一面上に少なくとも2回以上、前記画像を印刷するよう前記両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御するインキ調整制御部とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、両面孔版印刷装置においてインキ調整のための捨て印刷を行う際に、使用する印刷用紙の枚数をより軽減しつつ、印刷用紙面に転移されたインキによる用紙搬送経路の汚れを防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、用紙の両面に孔版印刷を行う両面孔版印刷装置を例として説明する。図1は、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1の機械的構成を例示する概略正面図である。図1に示すように、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1は、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、補助トレイ8、再給紙部9、切替部10を含む。
印刷部2は、印刷装置本体11のほぼ中央に配置されており、印刷ドラムとしての版胴12と、押圧手段としてのプレスローラ13とを有している。版胴12は印刷装置本体11に着脱自在かつ回転自在に支持されており、例えばDCモータからなるメインモータを含む印刷ドラム駆動手段によって図中矢印方向(時計回り)に回転駆動される。
版胴12の外周面には、製版部3で穿孔製版された製版済みマスタの先端を保持するクランパ19が設けられている。本実施形態においては、両面印刷時には分割製版済みマスタ(両面製版マスタ)が、片面印刷時には製版済みマスタ(片面製版マスタ)がそれぞれ巻き付けられる(図示は分割製版済みマスタ65)。最大でA3サイズの印刷用紙に片面印刷が可能な製版済みマスタを版胴12に巻き付けることができる。
版胴12には、インキ通過性の多数の開孔が開けられた印刷可能な画像形成領域(以下、「開口部」という)と、クランパ19が配置された非画像形成領域(以下、「非開口部」という)とが、版胴12の回転方向に沿って形成されている。上記画像形成領域は、図中の版胴12における第1の画像領域12a(以下、「表面領域12a」という)と、中間領域12sと、第2の画像領域12b(以下、「裏面領域12b」という)とを含む領域である。
版胴12の内部にはインキ供給手段15が設けられている。インキ供給手段15は、インキ供給パイプを兼ねた支軸14、インキローラ16、ドクターローラ17等を有している。支軸14には複数の小さな孔が開けられており、支軸14から供給されたインキが、インキローラ16とドクターローラ17との近接部に形成される空間に溜まることにより、インキ溜まり18が形成される。
版胴12の下方には、版胴12の外周面に対して接離自在なプレスローラ13が設けられている。プレスローラ13は、アーム部材にその両端を回転自在に支持されており、そのアーム部材は揺動手段によって揺動自在に支持されている。プレスローラ13は、その周面が版胴12より離間する図示の離間位置と、その周面が版胴12上の製版済みマスタに圧接する圧接位置とを選択的に占める。
プレスローラ13の周面近傍には、プレスローラ13の周面に接触してクリーニングを行うクリーニングローラ26が設けられている。クリーニングローラ26は駆動手段によって回転駆動される。
プレスローラ13の右方近傍には再給紙部9から送られてきた表面印刷済みの印刷用紙Pをプレスローラ13の周面に沿わせて搬送することにより、印刷用紙Pの表裏を反転して再給紙するための再給紙案内部材22が設けられている。
プレスローラ13の下方には、補助トレイ8上に貯留されている表面印刷済みの印刷用紙Pをプレスローラ13の周面に接触させて送り出す再給紙レジストローラ23が設けられている。プレスローラ13の左下方には上面に補助トレイ8を有する再給紙搬送ユニット25が設けられており、これには再給紙位置決め部材24が一体的に設けられている。
版胴12とプレスローラ13との接触位置の左方であって印刷用紙Pの搬送経路上には、切替部10が設けられている。切替部10は、印刷用紙搬送方向Xaの下流側端部が印刷装置本体11に回動自在に支持されており、移動手段によって移動され、図1に実線で示す第1の位置と一点鎖線で示す第2の位置とを選択的に占める。
版胴12とプレスローラ13との間を通過した印刷用紙Pは、切替部10が第1の位置を占めているときに排紙部6へと案内され、切替部10が第2の位置を占めているときにガイド板56により補助トレイ8へと案内される。
これら補助トレイ8、再給紙案内部材22、再給紙レジストローラ23、再給紙位置決め部材24、再給紙搬送ユニット25、およびガイド板56によって、再給紙部9が構成されている。
印刷部2の右上方には製版部3が設けられている。製版部3は、マスタ64をロール状に巻成したマスタロールを保持するマスタ保持部材57、プラテンローラ58、サーマルヘッド59、マスタ切断手段60、マスタストック部61、テンションローラ対62、反転ローラ対63等を有する周知のものである。
ここで、図2を用いて、両面孔版印刷装置1における両面印刷及び片面印刷における印刷用紙及び製版済みマスタについて説明する。図2(a)は、両面印刷における印刷用紙及び製版済みマスタであり、図2(b)は、片面印刷における印刷用紙及び製版済みマスタである。
製版部3は、マスタ64に製版を行い、両面印刷時には、図2(a)に示すように、版胴12の回転方向に沿って、表面印刷用の第1の製版画像65aと、裏面印刷用の第2の製版画像65bとを有する分割製版済みマスタ65を作成する。すなわち、分割製版済みマスタ65は、第1の製版画像65a及び第2の製版画像65bを孔版原紙に副走査方向に並べて穿孔製版された両面製版マスタである。
また、製版部3は、片面印刷時には、図2(b)に示すように、版胴12の回転方向に沿って表面製版画像65aと裏面製版画像65bとの2面分の画像領域を有する第3の製版画像66aを有する製版済みマスタ66を作成する。
第1の製版画像65aは、分割製版済みマスタ65が版胴12の外周面上に巻き付けられたときに、図1に示す表面領域12aと対応する位置に形成され、第2の製版画像65bは裏面領域12bと対応する位置に形成される。また、第1の製版画像65a、第2の製版画像65bにより、両面印刷用の印刷用紙(例えばA4サイズ)の表面Pa、裏面Pbに画像が印刷される。
第3の製版画像66aは、製版済みマスタ66が版胴12の外周面上に巻き付けられた(装着された)ときに、図1に示す表面領域12a、中間領域12s、および裏面領域12bに対応する位置に形成される。また、第3の製版画像66aにより、片面印刷用の印刷用紙(例えばA3サイズ)の表面Pcに画像が印刷される。
図1の説明に戻る。製版部3の下方には給紙部4が設けられている。給紙部4は、印刷用紙Pを積載する給紙トレイ67、給紙ローラ68、分離ローラ69、分離パッド70、レジストローラ対71等を有する周知のものである。給紙トレイ67には、その上面に積載された印刷用紙Pのサイズを検知する複数の用紙サイズ検知センサ73が設けられている。
印刷部2の左上方に配設された排版部5も、上排版部材74、下排版部材75、排版ボックス76、圧縮板77等を有する周知のものである。排版部5は、使用済みの分割製版済みマスタ65及び製版済みマスタ66を版胴12の外周面より剥離して排版ボックス76の内部に廃棄する。
排版部5の下方には排紙部6が設けられている。排紙部6は、剥離爪84、排紙搬送ユニット85、排紙トレイ86等を有する周知のものであり、版胴12の外周面上より印刷用紙Pを剥離して排紙トレイ86上に排出する。なお、排紙部6には、印刷用紙Pの先端部(用紙搬送方向の前端部)を版胴12の外周面から浮き上がらせ、剥離爪84による剥離を補助する印刷用紙剥離用のファンやエアーノズルなどの送風手段が設けられてもよい。
印刷装置本体11の上部には、画像読取部7が設けられている。画像読取部7は、原稿を載置するコンタクトガラス93、コンタクトガラス93に対して接離自在に設けられた圧板94、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー95、96、97、98および蛍光灯99、走査された原稿画像に係る反射光を集束するレンズ100、集束された原稿画像に係る反射光を光電変換処理する画像センサ101等を有している。原稿画像の読取動作はスキャナモータ等を含む読取駆動手段の作動によって行われる。
版胴12を構成するフランジの外面にはドグ133が取り付けられており、版胴12の周囲近傍には印刷装置本体11に取り付けられたホームポジションセンサ134が設けられている。ホームポジションセンサ134は、クランパ19がプレスローラ13と対向する位置を版胴12が占めたときにドグ133を検知して後述するコントローラ140(図4参照)にその検知信号を送信する。
次に、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1のハードウェア構成を説明する。図3は、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等と同様の構成を含む。
すなわち、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1は、CPU(Central Processing Unit)121、RAM(Random Access Memory)122、ROM(Read Only Memory)123、HDD(Hard Disk Drive)124及びI/F125がバス128を介して接続された構成である。また、I/F125にはLCD(Liquid Crystal Display)126及び操作部127が接続されている。この他、両面孔版印刷装置1の場合、画像形成出力やスキャンを実行する専用デバイスが含まれる。
CPU121は演算手段であり、両面孔版印刷装置1全体の動作を制御する。RAM122は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU121が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM123は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD124は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。なお、HDDの他、SSD(Solid State Drive)等の半導体記憶装置を用いても良い。
I/F125は、バス128と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD126は、ユーザが両面孔版印刷装置1の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部127は、キーボード、マウス、各種のハードボタン、タッチパネル等、ユーザが両面孔版印刷装置1に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
このようなハードウェア構成において、ROM123やHDD124若しくは図示しない光学ディスク等の記憶媒体に格納されたプログラムがRAM122に読み出され、CPU121がそれらのプログラムに従って演算を行うことによりソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1の機能を実現する機能ブロックが構成される。
次に、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1の機能を説明する。図4は、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1の機能構成を例示するブロック図である。図4に示すように、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1は、コントローラ140、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読み取り部7、再給紙部9、切替部10、ホームポジションセンサ134、環境センサ135及び操作パネル200を含む。
また、コントローラ140は、主制御部150、駆動制御部141、センサ制御部142及び操作表示制御部143を有する。なお、図4に示した構成のうち図1に示した符号と同じ符号の構成は図1と同一の構成である。
コントローラ140は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成され、例えば、印刷装置本体11内の制御基板配置部に設けられる。具体的には、ROM123やHDD124等の不揮発性記憶媒体に格納されたファームウェア等の制御プログラムがRAM122にロードされる。そして、それらのプログラムに従ってCPU121が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ140が構成される。コントローラ140は、両面孔版印刷装置1全体を制御する制御部として機能する。
主制御部150は、コントローラ140に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ140の各部に命令を与える。主制御部150による制御のうちインキ調整のための捨て印刷の制御が本実施形態に係る要旨である。主制御部150による捨て印刷の制御についての詳細は後述する。
駆動制御部141は、主制御部150の制御に従い、印刷部2、製版部3、給紙部4、排版部5、排紙部6、画像読取部7、再給紙部9、切替部10等をそれぞれ駆動する駆動手段、モータ、ソレノイド等の動作を制御する役割を担う。センサ制御部142は、ホームポジションセンサ134及び環境センサ135等の各種センサから入力される信号を主制御部150対して出力する。また、主制御部150は、センサ制御部142を制御し、各種センサにアクセスする。
例えば、主制御部150は、センサ制御部142から入力されたホームポジションセンサ134からのホームポジション信号と印刷部2を駆動する印刷ドラム駆動手段に設けられたエンコーダからの信号とに基づいて、版胴12の回転位置を割り出す。環境センサ135は、両面孔版印刷装置1内や周囲の温度及び湿度等の環境情報を検知する。
操作表示制御部143は、後述する操作パネル200に情報表示を行い若しくは操作パネル200を介して入力された情報を主制御部150に通知する。操作パネル200は、両面孔版印刷装置1の状態を視覚的に表示する出力インタフェースであると共に、タッチパネルとしてユーザが両面孔版印刷装置1を直接操作し若しくは両面孔版印刷装置1に対して情報を入力する際の入力インタフェースでもある。すなわち、操作パネル200は、図3に示したLCD126及び操作部127により実現される。操作パネル200は、例えば、印刷装置本体11の上部前面に配置される。
図5は、操作パネル200を例示する図である。図5に示すように、操作パネル200には、スタートキー、クリア/ストップキー、プリントキー、テンキー、等の周知のキーの他、インキ調整キー201が配置されている。また、操作パネル200には、LCD126により実現される液晶表示部202が配置されている。また、操作パネル200には、キー203〜206が配置されている。キー203〜206は、液晶表示部202に表示された項目に対応し、キー203〜206のいずれかが押下されると、押下されたキーに対応する項目が選択される。
インキ調整キー201は、インキ調整処理を有効にするか否かを設定するためのボタンである。例えば、インキ調整キー201が押下されると、液晶表示部202にインキ調整処理を有効にするか否かの選択肢が表示され、キー203〜206を用いてインキ調整処理の有無を設定する。
また、インキ調整キー201により設定された内容は、両面孔版印刷装置1のROM123やHDD124に格納されてもよい。これにより、両面孔版印刷装置1の電源がオフされた場合であっても、再度電源がオンされた際に、最後に設定された内容が反映される。その他、インキ調整処理の設定は、インキ調整キー201によらず予め定められていてもよいし、ユーザにインキ調整処理を行うか否かを、操作パネル200を介してその都度選択させるようにしてもよい。
なお、図5に示した操作パネル200に表示されているキーは一例であり、その他、印刷モード(片面印刷モード及び両面印刷モード)を設定するための印刷モードキー(片面印刷キー及び両面印刷キー)等が操作パネル200に配置されていてもよい。
次に、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1における通常製版印刷について説明する。通常製版印刷の印刷モードには、両面印刷及び片面印刷があり、以下、それぞれの印刷モードにおける両面孔版印刷装置1の動作を順に説明する。
両面孔版印刷装置1が両面印刷モードで動作する場合、画像読取部7に原稿がセットされ、ユーザにより操作パネル200の両面印刷キーが押下されると、主制御部150は、両面印刷用の動作プログラムに従って動作を開始する。そして、スタートキーが押下されると、主制御部150の制御に従って、画像読取部7において原稿画像の読取動作が行われると共に排版部5が作動して版胴12の外周面から使用済みの分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66が剥離される。
排版後、製版部3が作動することにより、マスタ64に第1の製版画像65a及び第2の製版画像65bが形成されて新たな分割製版済みマスタ65が製版され、版胴12に巻き付けられる。
巻き付け動作が完了し、両面孔版印刷装置1が両面印刷待機状態となった後、各種印刷条件設定後にプリントキーが押下されると、版胴12が設定速度で回転駆動すると共に、給紙部4より印刷用紙Pとして両面印刷用の印刷用紙(例えばA4サイズ)が1枚給送される。給送された印刷用紙Pは、レジストローラ対71で一時停止された後、所定のタイミングで版胴12とプレスローラ13との間の印圧ニップ部に向けて送られる。なお、各種印刷条件の設定は、スタートキーの押下前に行ってもよい。
版胴12が所定の角度まで回転して、その表面領域12aがプレスローラ13と対応する所定位置を占めると、プレスローラ13が圧接位置を占めることにより印刷用紙Pが版胴12上の分割製版済みマスタ65の第1の製版画像65aに圧接される。これにより、印刷用紙Pの一方の面(表面)に、用紙の表面に印刷するための画像である表面画像(第1の製版画像65a)が転写される。
表面印刷済み用紙となった印刷用紙Pは、第2の位置を占めている切替部10の先端によって版胴12の外周面より剥離され、再給紙搬送ユニット25へと送られる。このとき、印刷用紙Pはその先端がガイド板56によって案内され、後端側から補助トレイ8上に載置される。補助トレイ8上の印刷用紙Pは、再給紙搬送ユニット25によって図1の矢印方向に搬送され、その先端が再給紙位置決め部材24に当接した状態で一時停止する。
1枚目の印刷用紙Pが補助トレイ8上に案内されている間も、版胴12の回転は続いており、給紙部4からは1枚目の印刷用紙Pと同じタイミングで2枚目の印刷用紙Pが給送される。給送された2枚目の印刷用紙Pは、1枚目の印刷用紙Pと同様に、プレスローラ13によってその一方の面に第1の製版画像65aを転写された後、第2の位置を占めている切替部10によって再給紙搬送ユニット25へ送られる。
給紙部4から2枚目の印刷用紙Pが給送された後、版胴12の裏面領域12bがプレスローラ13と対応する位置に到達するよりもやや早いタイミングで、再給紙レジストローラ23が作動する。再給紙レジストローラ23が作動することにより、補助トレイ8上に貯留されている1枚目の印刷用紙Pが、プレスローラ13の周面に圧接される。
プレスローラ13の周面に圧接された1枚目の印刷用紙Pは、版胴12に圧接して従動回転しているプレスローラ13の回転力によって版胴12との当接部に向けて搬送され、分割製版済みマスタ65の第2の製版画像65bに圧接される。これにより、印刷用紙Pの他方の面(裏面)に、用紙の裏面に印刷するための画像である裏面画像(第2の製版画像65b)が転写される。
裏面画像を転写されて両面印刷済み用紙となった1枚目の印刷用紙Pは、第1の位置を占めている切替部10によって排紙部6へ案内され、剥離爪84の先端によって版胴12の外周面より剥離される。剥離された両面印刷済みの印刷用紙Pは、排紙搬送ユニット85へと送られた後、排紙トレイ86上に排出されて積載される。このような動作を繰り返し、設定された枚数の両面印刷が完了すると各部位の作動が停止する。
両面孔版印刷装置1が片面印刷モードで動作する場合、画像読取部7に原稿がセットされ、ユーザにより操作パネル200の片面印刷キーが押下されると、主制御部150は、片面印刷用の動作プログラムに従って動作を開始する。そして、スタートキーが押下されると、画像読取部7において原稿画像の読取動作が行われると共に排版部5が作動して版胴12の外周面から使用済みの分割製版済みマスタ65あるいは製版済みマスタ66が剥離される。排版後、製版部3が作動することにより、マスタ64に第3の製版画像66aが形成されて新たな製版済みマスタ66が製版され、版胴12に巻き付けられる。
巻き付け作が完了して両面孔版印刷装置1が片面印刷待機状態となった後、各種印刷条件設定後にプリントキーが押下されると、版胴12が設定速度で回転駆動されると共に、給紙部4より印刷用紙Pとして片面印刷用の印刷用紙(例えばA3サイズ)が1枚給送される。給送された印刷用紙Pは、レジストローラ対71で一時停止された後、所定のタイミングで版胴12とプレスローラ13との間の印圧ニップ部に向けて送られる。なお、各種印刷条件の設定は、スタートキーの押下前に行ってもよい。
版胴12が所定の角度まで回転して、その表面領域12aがプレスローラ13と対応する所定位置を占めると、プレスローラ13が圧接位置を占めることにより印刷用紙Pが版胴12上の製版済みマスタ66の第3の製版画像66aに圧接され、画像が転写される。
画像を転写されて印刷済みとなった印刷用紙Pは、第1の位置を占めている切替部10によって排紙部6へ案内され、剥離爪84端によって版胴12の外周面より剥離される。剥離された印刷用紙Pは、排紙搬送ユニット85へと送られた後、排紙トレイ86上に排出されて積載される。このような動作を繰り返し、設定された枚数の片面印刷が完了すると各部位の作動が停止する。
次に、本実施形態に係る主制御部150の機能のうちインキ調整のための捨て印刷の制御に関する機能を説明する。図6は、本実施形態に係る主制御部150の捨て印刷の制御に関する機能構成を例示するブロック図である。図6に示すように、本実施形態に係る主制御部150は、設定情報取得部151、センサ情報取得部152、経過時間計測部153、インキ調整制御部154及び製版制御部155を含む。
設定情報取得部151は、操作パネル200を介してユーザにより設定された情報を取得して、インキ調整制御部154に対して出力する。具体的には、例えば、設定情報取得部151は、操作パネル200のインキ調整キー201により設定されたインキ調整処理の有無を示す設定情報をインキ調整制御部154に対して出力する。
センサ情報取得部152は、センサ制御部142から入力された各種センサからの信号をセンサ情報として取得し、インキ調整制御部154に対して出力する。経過時間計測部153は、両面孔版印刷装置1において最後に印刷された時間(日時)からの経過時間を計測し、インキ調整制御部154に対して出力する。なお、経過時間計測部153による経過時間の計測タイミングは、例えば、両面孔版印刷装置の電源投入時や省電力モードからの復帰時とする。
インキ調整制御部154は、上述した設定情報取得部151から入力される設定情報、センサ情報取得部152から入力されるセンサ情報及び経過時間計測部153から入力される経過時間に基づき、インキ調整のための各部の動作を制御する。インキ調整制御部154による動作の詳細は後述する。製版制御部155は、インキ調整制御部154による制御に従い、製版部3によるマスタの製版を制御する。製版制御部155による製版制御の動作の詳細は後述する。
次に、インキ調整制御部154による動作の詳細を、図7以降を参照して説明する。図7、図9、図10、図13は、本実施形態に係るインキ調整制御部154による動作を例示するフローチャートである。以下、これらのフローチャートを参照して、インキ調整制御部154による動作を説明する。
図7に示すように、インキ調整制御部154は、経過時間計測部153から入力された経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する(S701)。すなわち、インキ調整制御部154は、両面孔版印刷装置1において最後に印刷された時間から所定時間以上経過しているか否かを判定する。
最後に印刷された時間から所定時間以上経過している場合、両面孔版印刷装置1において用いられるインキが緩んだ状態になり、印刷用紙へのインキの過剰転移が発生する。すなわち、最後に印刷された時間から所定時間以上経過していることは、捨て印刷によるインキ調整を必要とする判定基準となる。なお、所定時間は、例えば、両面孔版印刷装置1の設定情報としてROM123等に格納されている他、ユーザやサービスマン等により操作パネル200を介して設定されてもよい。
経過時間が所定時間未満である場合(S701/NO)、インキ調整制御部154は、処理を終了する。すなわち、両面孔版印刷装置1は、上述した通常製版印刷の実行が可能な状態になる。一方、経過時間が所定時間以上である場合(S701/YES)、インキ調整制御部154は、操作表示制御部143を介して、インキ調整を実行するか否かの選択画面を操作パネル200に表示する(S702)。なお、経過時間が所定時間以上である場合の他、経過時間計測部153による経過時間の計測が行われない場合も、インキ調整制御部154は、S702の処理と同様な処理を行う。
図8は、インキ調整を実行するか否かの選択画面を例示する図である。なお、図8は、操作パネル200のうち液晶表示部202とキー203〜206を示す。図8に示すように、液晶表示部202には、インキ調整を実行するか否かを確認する旨のメッセージと、「実行する」及び「実行しない」の項目とが表示されている。図8に示す画面においては、ユーザによりキー203が押下されると、インキ調整を実行することが選択され、ユーザによりキー204が押下されると、インキ調整を実行しないことが選択される。
インキ調整を実行するか否かの選択画面を表示したインキ調整制御部154は、インキ調整を実行することが選択されたか否かを判定する(S703)。インキ調整を実行することが選択された場合(S703/YES)、インキ調整制御部154は、インキ調整処理を実行する(S704)。インキ調整処理(S704)の動作の詳細は後述する。一方、インキ調整を実行しないことが選択された場合(S703/NO)、インキ調整制御部154は、インキ調整処理を行うことなく処理を終了する。
なお、本実施形態において、インキ調整制御部154は、図8に示した選択画面を介したユーザの操作によりインキ調整を実行するか否かの設定情報を取得する場合を例として説明した。その他、インキ調整制御部154は、上述したインキ調整キー201により予め設定されたインキ調整処理の有無に基づいて、インキ調整処理を実行するか否かを判定してもよい。また、インキ調整制御部154は、経過時間が所定時間以上である場合に、インキ調整を実行するか否かを別途判定することなく、インキ調整処理を実行してもよい。
次に、図9を参照して、図7に示したS704の処理の動作の詳細を説明する。図9に示すように、インキ調整制御部154は、捨て印刷に用いられる印刷用紙のサイズを取得する(S901)。具体的には、例えば、インキ調整制御部154は、センサ情報取得部152から入力された給紙トレイ67に設けられた用紙サイズ検知センサ73からの信号により用紙のサイズ情報を取得する。
なお、インキ調整制御部154は、用紙サイズを取得した際に、操作表示制御部143を介して、取得した用紙サイズの確認画面を操作パネル200に表示して、ユーザに確認を促してもよい。また、インキ調整制御部154は、給紙トレイ67に用紙サイズ検知センサ73が設けられていない場合、用紙サイズ設定画面を操作パネル200に表示して、ユーザに用紙サイズの設定を促してもよい。
用紙サイズを取得したインキ調整制御部154は、取得した用紙サイズが両面印刷用(例えば、「A4」)であるか否かを判定する(S902)。用紙サイズが片面印刷用(例えば、「A3」)である場合(S902/NO)インキ調整制御部154は、全面インキ調整を実行する(S903)。全面インキ調整は、上述した通常製版印刷における片面印刷の動作と同様の動作により片面印刷用の印刷用紙を用いて捨て印刷を行う処理である。
一方、用紙サイズが両面印刷用である場合(S902/YES)、インキ調整制御部154は、捨て印刷時の製版領域を変更するか否かを判定する(S904)。両面孔版印刷装置1において用いられるエマルジョンインキの粘度は、放置時間が長くなるほどエマルション状態が破壊されて低下する。粘度が低下したエマルションインキを用いて印刷を実行した際、印刷用紙面に過度のインキが付着すると、版胴12と印刷用紙間の貼りつき力が増す。引き剥がす力に対し貼りつき力が大きい場合、版胴12から引き剥がすことができなくなり、排紙ジャムが発生する。
このような排紙ジャムの発生防止には、印刷用紙の先端(搬送方向の前端)の余白を広く取ることが有効である。印刷用紙の先端の余白を広く取ることにより、印刷用紙剥離用の送風手段からの風が印刷用紙と版胴12との間に入りやすくなり、安定して印刷用紙を剥離できるようになるためである。
また、インキの粘度は放置時間が長くなるほど低下する性質から、最後に印刷された時間からの経過時間に基づいておおよそのインキの粘度を推定することができる。そこで、インキ調整制御部154は、経過時間計測部153から入力された経過時間に基づいて推定したインキ粘度に応じて印刷用紙の給紙タイミングが早くなるよう制御して、印刷用紙の先端余白を確保する。
一方で、給紙タイミングが早くなるよう制御することにより、印刷用紙の後端での余白がなくなり、製版領域が印刷用紙の後端に近い、もしくは印刷用紙の後端よりも後ろにある場合は、プレスローラ13がインキで汚れる場合がある。このようなプレスローラ13の汚れを防止するために、インキ調整制御部154は、給紙タイミングの制御に応じて、副走査方向の製版領域を、通常の両面印刷時の製版領域よりも狭めるよう制御する。
そこで、インキ調整制御部154は、経過時間計測部153から入力された経過時間に基づいて製版領域を変更するか否かを判定する(S904)。製版領域を変更する場合(S904/YES)、インキ調整制御部154は、繰り返し製版を実行するか否かを判定する(S905)。具体的には、インキ調整制御部154は、繰り返し製版を実行するか否かを選択するための選択画面を、操作表示制御部143を介して操作パネル200に表示し、設定情報取得部151が取得した選択結果に応じて繰り返し製版を実行するか否かを判定する。
版胴12に残存する放置インキを短時間で除去するためには、製版を繰返し、排版されるマスタにインキを付着させ廃棄することが有効であるが、その反面、マスタの消費が多くなる。ユーザによっては、インキ調整によるマスタの消費を極力抑えたい場合もある。そこで、ユーザに繰り返し製版を実行するか否かを選択させる構成としている。しかしながら、この構成は必須ではなく、繰り返し製版の実行有無が予め設定により定められていてもよい。
繰り返し製版を実行する場合(S905/YES)、インキ調整制御部154は、予め定められた製版回数を設定する(S906)。なお、製版回数は、予め定められている場合の他、操作パネル200を介してユーザにより設定されてもよい。製版回数を設定したインキ調整制御部154は、両面インキ調整モードでインキ調整を行うか否かを判定する(S907)。
具体的には、インキ調整制御部154は、両面インキ調整モードでインキ調整を行うか否かを選択するための選択画面を、操作表示制御部143を介して操作パネル200に表示する。そして、インキ調整制御部154は、設定情報取得部151が取得した選択結果に応じて、両面インキ調整モードでインキ調整を行うか否かを判定する。
インキ調整モードには、片面インキ調整モードと両面インキ調整モードがある。片面インキ調整モードでは、両面印刷用の印刷用紙の片面のみに捨て印刷を行い、両面インキ調整モードでは、印刷用紙の両面に捨て印刷を行う。ただし、両面インキ調整モードのインキ調整は、単独で行われることはなく、片面インキ調整モードのインキ調整の後に行われる。
両面インキ調整モードでインキ調整を行う場合(S907/YES)、インキ調整制御部154は、両面インキ調整モードへ切り替えるまでに片面インキ調整モードによるインキ調整に用いられる版数(以降、「切替版数」とする)を取得する(S908)。具体的には、例えば、インキ調整制御部154は、操作パネル200を介してユーザにより設定された切替版数を取得する。
切替版数を取得したインキ調整制御部154は、両面インキ調整モードによるインキ調整処理を実行する(S909)。両面インキ調整モードによるインキ調整処理の詳細は後述する。
一方、製版領域を変更しない場合(S904/NO)、インキ調整制御部154は、繰り返し製版に関する設定を行うことなく、上述したS907の処理に進む。また、繰り返し製版を実行しない場合(S905/NO)又は両面インキ調整モードでインキ調整を行わない場合(S907/NO)、インキ調整制御部154は、片面インキ調整モードによるインキ調整処理を実行する(S910)。片面インキ調整モードによるインキ調整処理の詳細は後述する。
次に、図10を参照して図9に示した片面インキ調整モードによるインキ調整処理(S910)の動作の詳細を説明する。図10に示すように、インキ調整制御部154は、インキ調整に必要な印刷用紙の枚数を算出する(S1001)。具体的には、例えば、インキ調整制御部154は、経過時間計測部153から入力された経過時間に基づいて必要な印刷用紙の枚数を算出する。上述したように、最後に印刷してからの経過時間が長いほど、インキの粘度が低下する傾向があるので、経過時間が長いほど必要な印刷用紙の枚数は多くなる。
なお、インキ調整制御部154は、必要な印刷用紙の枚数を算出した際に、操作表示制御部143を介して、取得した枚数の確認画面を操作パネル200に表示して、ユーザに確認や修正を促してもよい。
必要な印刷用紙の枚数を算出したインキ調整制御部154は、操作表示制御部143を介して、1枚の印刷用紙を繰り返し使用(通紙)するか否かの選択画面を操作パネル200に表示する(S1002)。1枚の印刷用紙を繰り返し使用するとは、1枚の印刷用紙の同一面上に少なくとも2回以上、繰り返し印刷することを意味する。図11は、繰り返し使用するか否かの選択画面を例示する図である。なお、図11は、操作パネル200のうち液晶表示部202とキー203〜206を示す。
図11に示すように、液晶表示部202には、印刷用紙を繰り返し使用するか否かを確認する旨のメッセージと、「使用する」及び「使用しない」の項目とが表示されている。図11に示す画面においては、ユーザによりキー203が押下されると、印刷用紙を繰り返し使用することが選択され、ユーザによりキー204が押下されると、印刷用紙を繰り返し使用しないことが選択される。
印刷用紙を繰り返し使用するか否かの選択画面を表示したインキ調整制御部154は、印刷用紙を繰り返し使用することが選択されたか否かを判定する(S1003)。繰り返し使用しないことが選択された場合(S1003/NO)、インキ調整制御部154は、製版制御部155を介して、1枚の印刷用紙を1回通紙する際に用いられるマスタの製版を制御する(S1004)。
一方、繰り返し使用することが選択された場合(S1003/YES)、インキ調整制御部154は、製版制御部155を介して、1枚の印刷用紙を繰り返し通紙する際に用いられるマスタの製版を制御する(S1005)。S1004又はS1005の処理により、製版制御部155は、1回通紙用の製版画像を含むマスタ又は繰り返し通紙用の製版画像を含むマスタを製版する。
図12(a)は、1回通紙用の製版画像を含む分割製版済みマスタを例示し、図12(b)は、繰り返し通紙用の製版画像を含む分割製版済みマスタを例示する図である。図12においては、ドットでハッチングされている領域にインキが付着するものとする。図12(a)に示すように、1枚の印刷用紙を1回通紙する場合、製版画像全体がインキを付着させる領域である。
一方、図12(b)に示すように、1枚の印刷用紙を繰り返し通紙する場合、製版画像において、インキを付着させない領域(図12(b)の白抜きの領域)が含まれる。この領域は、給紙ローラ68等の用紙を搬送する搬送部と接する用紙の領域に対応する。すなわち、搬送部と接する用紙の副走査方向の領域にはインキが付着しないので、1枚の印刷用紙を繰り返し通紙しても、搬送部がインキにより汚れることがない。
繰り返し通紙用のマスタの製版を制御したインキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用する場合のインキ調整に関する設定情報を取得する(S1006)。設定情報は、例えば、繰り返し使用する印刷用紙の枚数を示す。インキ調整制御部154は、例えば、操作パネル200を介してユーザにより設定された印刷用紙の枚数を設定情報として取得する。
そして、インキ調整制御部154は、片面インキ調整モードによるインキ調整を実行する(S1007)。具体的には、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用しない場合、図12(a)に示した分割製版済みマスタを用いて、版胴12の1回転に対して表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷用紙の一方の面上に印刷するよう各部を制御する。そして、インキ調整制御部154は、S1001の処理において算出された枚数分の印刷用紙それぞれの一方の面上に、版胴12の一回転に対して表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を均等に印刷するよう各部を制御することを繰り返す。
一方、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用する場合、図12(b)に示した分割製版済みマスタを用いて、版胴12の1回転に対して表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷用紙の一方の面上に印刷するよう各部を制御する。そして、インキ調整制御部154は、S1006の処理において取得した枚数分の印刷用紙それぞれの一方の面上に表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷するよう各部を制御する。
表面画像及び裏面画像のいずれかの画像が印刷された用紙が再び給紙トレイ67にセットされると、インキ調整制御部154は、画像が印刷された印刷用紙の同一面上に表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷するよう同様に制御する。インキ調整制御部154は、S1001の処理において算出された枚数分の印刷回数になるまで、この処理を繰り返す。また、この処理において、インキ調整制御部154は、表面画像及び裏面画像の印刷回数が均等になるよう制御する。
次に、図13を参照して、図9に示した両面インキ調整モードによるインキ調整処理(S909)の動作の詳細を説明する。また、図13に示すフローチャートにおいては、製版領域を変更し(S904/YES)、繰り返し製版を実行する(S905/YES)場合の動作を例として説明する。図13に示すように、インキ調整制御部154は、図10に示したS1001〜S1005までの処理と同様の処理を行う(S1301〜S1305)。
両面インキ調整モードにおいては、図9に示したS906の処理において設定された回数の製版が行われるので、例えば、製版回数が3回の場合、3つのマスタが製版される。図14は、1回通紙用の製版画像を含む分割製版済みマスタを例示し、図15は、繰り返し通紙用の製版画像を含む分割製版済みマスタを例示する図である。図14及び図15においては、ドットでハッチングされている領域にインキが付着するものとする。
図14及び図15に示すように、例えば、S906の処理において設定された製版回数が3回である場合、それぞれ3つのマスタが製版される。例えば、図13に示したS1304の処理により、図14(a)のマスタが製版され、S1305の処理により、図15(a)のマスタが製版される。
図14(a)に示すように、1枚の印刷用紙を1回通紙する場合、製版画像全体がインキを付着させる領域である。一方、図15(a)に示すように、1枚の印刷用紙を繰り返し通紙する場合、製版画像において、インキを付着させない領域(図15(a)の白抜きの領域)が含まれる。
そして、インキ調整制御部154は、片面インキ調整モードによるインキ調整を実行する(S1306)。具体的には、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用しない場合、図14(a)に示した分割製版済みマスタを用いて、表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷用紙の一方の面上に印刷するよう各部を制御する。
そして、インキ調整制御部154は、所定枚数分の印刷用紙それぞれの一方の面上に表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を均等に印刷するよう各部を制御することを繰り返す。なお、所定枚数は、例えば、S1301の処理において算出された用紙枚数をS906の処理において設定された製版回数で割った数である。すなわち、各版において印刷される枚数は均等である。しかしながら、所定枚数の算出方法は一例であり、その他、所定枚数は、例えば、最初の版ほど印刷枚数が多くなるように算出されてもよい。
一方、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用する場合、図15(a)に示した分割製版済みマスタを用いて、表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を1枚の印刷用紙の一方の面上に印刷するよう各部を制御する。そして、表面画像及び裏面画像のいずれかの画像が印刷された用紙が再び給紙トレイ67にセットされると、インキ調整制御部154は、画像が印刷された印刷用紙の同一面上に表面画像及び裏面画像のいずれかの画像を印刷するよう同様に制御する。
インキ調整制御部154は、上述した所定枚数分の印刷回数になるまで、この処理を繰り返す。また、この処理において、インキ調整制御部154は、表面画像及び裏面画像の印刷回数が均等になるよう制御する。
なお、本実施形態においては、1つのマスタにつき1枚の印刷用紙を繰り返し使用する場合を例として説明した。しかしながら、これは一例であり、図10に示したS1006の処理と同様に、インキ調整制御部154は、使用する印刷用紙の枚数を取得し、上述した所定枚数分の印刷回数になるまで、上述の処理を繰り返してもよい。
片面インキ調整を実行したインキ調整制御部154は、図9に示したS908の処理において取得した切替版数分の版に基づく処理が終了したか否かを判定する(S1307)。切替版数分の版に基づく処理が終了していない場合(S1307/NO)、インキ調整制御部154は、製版制御部155を介して、新たなマスタの製版を制御する(S1308)。
1枚の印刷用紙を1回通紙する場合、インキ調整制御部154は、例えば、図14(b)に示した新たなマスタが製版される。一方、1枚の印刷用紙を繰り返し通紙する場合、図15(b)に示した新たなマスタが製版される。また、製版画像の先端余白は徐々に狭くなるようマスタが製版され、図14(b)(図15(b))に示した2版目のマスタの製版画像の先端余白は、図14(a)(図15(a))に示した1版目のマスタの製版画像の先端余白よりも狭い。このように、先に印刷に用いられる版ほど用紙の搬送方向の先端側の余白が広くなるよう複数のマスタが製版される。
また、本実施形態においては、製版画像の印字率を高くするようマスタが製版され、図14(b)(図15(b))に示した2版目のマスタの製版画像の印字率は、図14(a)(図15(a))に示した1版目のマスタの製版画像の印字率よりも高い。このように、先に印刷に用いられる版ほど印刷対象となる領域における印字率が低くなるよう複数のマスタが製版される。新たなマスタの製版を制御したインキ調整制御部154は、新たなに製版されたマスタを用いて、片面インキ調整モードによるインキ調整を実行する(S1306)。
一方、切替版数分の版に基づく処理が終了した場合(S1307/YES)、インキ調整制御部154は、両面インキ調整モードによるインキ調整を実行する(S1309)。具体的には、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用しない場合、図14(c)に示した分割製版済みマスタを用いて、印刷用紙の一方の面上に表面画像を印刷し、他方の面上に裏面画像を印刷するよう各部を制御する。
一方、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙を繰り返し使用する場合、図15(c)に示した分割製版済みマスタを用いて、印刷用紙の一方の面上に表面画像を印刷し、他方の面上に裏面画像を印刷するよう各部を制御する。なお、最後の版に基づく印刷においては、未使用の用紙を使用する場合、図15(c)に示すように、製版画像全体がインキを付着させる領域である。未使用の用紙を使用しない場合は、最終版においても、製版画像において、インキを付着させない領域が含まれるものとする。
なお、図14(c)(図15(c))に示した3版目のマスタの製版画像の先端余白は、図14(b)(図15(b))に示した2版目のマスタの製版画像の先端余白よりも狭い。また、図14(c)(図15(c))に示した3版目のマスタの製版画像の印字率は、図14(b)(図15(b))に示した2版目のマスタの製版画像の印字率よりも高い。
以上説明したように、本実施形態に係る両面孔版印刷装置1は、インキの粘度を調整するに際して、搬送部と接する用紙の領域にインキを付着させないマスタを製版し、このマスタを用いて、1枚の印刷用紙の同一面上に少なくとも2回以上画像を印刷する。これにより、両面孔版印刷装置においてインキ調整のための捨て印刷を行う際に、使用する印刷用紙の枚数をより軽減しつつ、印刷用紙表面に転移されたインキによる用紙搬送路の汚れを防止することが可能になる。
なお、本実施形態において、環境センサ135が検知する環境状態に応じて、ユーザに1枚の印刷用紙の繰り返しの使用を許可するか否かを確認するようにしてもよい。図16は、環境状態に応じてユーザに印刷用紙の使用を許可するか否かを確認する場合のインキ調整制御部154の動作を例示するフローチャートである。なお、図16に示したフローチャートは、図10に示したフローチャートに環境状態に応じた動作が追加された構成であるが、図13に示したフローチャートについても同様である。
図16に示すように、インキ調整制御部154は、図10に示したS1001〜S1003と同様な処理を行う(S1601〜S1603)。繰り返し使用することが選択された場合(S1603/YES)、インキ調整制御部154は、センサ情報取得部152から入力された環境センサ135により検知された環境情報を取得する(S1604)。環境情報は、両面孔版印刷装置1における用紙の給排紙性能に影響を及ぼす温度や湿度等の環境状態を示す。
環境情報を取得したインキ調整制御部154は、取得した環境情報が所定の環境条件を満たす否かを判定する(S1605)。具体的には、例えば、インキ調整制御部154は、取得した環境情報が示す湿度や温度が、所定の湿度や温度よりも高い場合に、所定の環境条件を満たすと判定する。
環境条件を満たす場合(S1605/YES)、インキ調整制御部154は、操作表示制御部143を介して、印刷用紙の繰り返し使用を許可するか否かを選択するための選択画面を操作パネル200に表示する(S1606)。両面孔版印刷装置1内や周囲の環境が高温高湿状態である場合、印刷用紙が給水し、給排紙性能が劣化するため給排紙に関する不具合が起こりやすくなる。そのため、印刷済の用紙を繰り返し給排紙するとより不具合が起こりやすくなることから、印刷用紙の繰り返しの使用を許可するか否かをユーザに確認するために、インキ調整制御部154は、上述の選択画面を操作パネル200に表示する。
図17は、印刷用紙の繰り返し使用を許可するか否かの選択画面を例示する図である。なお、図17は、操作パネル200のうち液晶表示部202とキー203〜206を示す。図17に示すように、液晶表示部202には、装置の環境が印刷用紙を繰り返し使用する条件を満たしていない旨のメッセージと、印刷用紙の繰り返し使用を許可するか否かを確認する旨のメッセージと、「許可する」及び「許可しない」の項目とが表示されている。図17に示す画面においては、ユーザによりキー203が押下されると、印刷用紙の繰り返し使用を許可することが選択され、ユーザによりキー204が押下されると、印刷用紙の繰り返し使用を許可しないことが選択される。
繰り返し使用を許可しないことが選択された場合(S1607/NO)、インキ調整制御部154は、S1004の処理と同様の処理を行う(S1608)。一方、繰り返し使用を許可することが選択された場合(S1607/YES)、インキ調整制御部154は、S1005の処理と同様の処理を行う(S1609)。また、環境条件を満たさない場合(S1605/NO)、インキ調整制御部154は、S1005の処理と同様の処理を行う(S1609)。以降、インキ調整制御部154は、図10に示したS1004以降の処理又はS1005以降の処理と同様な処理を行う。
このような構成により、両面孔版印刷装置1の環境状態に応じて、ユーザに対して印刷用紙の繰り返しの使用を警告し、印刷用紙の繰り返しの使用による給排紙の不具合を未然に回避しやすくすることが可能になる。なお、インキ調整制御部154は、環境情報が環境条件を満たさない場合に、ユーザによる使用可否の選択を受け付けることなく、印刷用紙の繰り返し使用を禁止するようにしてもよい。
また、本実施形態において、両面孔版印刷装置1は、給紙ローラ68等の搬送部と接する用紙の領域にインキが付着しないようマスタを製版する場合を例として説明した。その他、用紙搬送の際に用紙と接する部分がある場合、両面孔版印刷装置1は、例えば、図18に示すように、その部分の副走査方向の領域にもインキが付着しないようマスタを製版する。
また、本実施形態において、1つの版の製版画像は同じ印字率である場合を例として説明した。その他、1つの版の製版画像において、印刷用紙が最初に版胴12から剥がれる側(すなわち、印刷用紙の先端側)の印字率が、印刷用紙の後端側の印字率よりも低くなるようにしてもよい。
図19は、印刷用紙の先端側の印字率が後端側の印字率よりも低い製版画像を含む分割製版済みマスタを例示する図である。図19(a)は、1回通紙用の製版画像を含む分割済マスタであり、図19(b)は、繰り返し通紙用の製版画像を含む分割製版済みマスタである。図19に示すように、用紙の搬送方向の先端から予め定められた位置までの印刷対象の領域における印字率が、用紙の他の印刷対象の領域における印字率よりも低くなっている。
このような構成により、印刷用紙が最初に版胴12から剥がれる側のインキ付着量が少なくなるので、版胴12と印刷用紙との貼り付き力が大きくなり、用紙搬送不良が発生することを防止することが可能になる。なお、図19に示した印字率の異なる製版画像は、例えば、経過時間計測部153により計測された経過時間に応じて生成される。
また、本実施形態において、インキ調整制御部154は、1枚の印刷用紙の同一面上に複数回画像を印刷する場合、印刷回数に応じて印刷速度を変更するようにしてもよい。1枚の印刷用紙の同一面上に複数回画像を印刷する場合、印刷用紙の面にはすでにインキが付着しているので、印刷回数が多くなるほど排紙性能が悪くなり、排紙不良や排紙不揃いが発生する場合がある。
そこで、インキ調整制御部154は、例えば、1枚の印刷用紙の同一面上への印刷回数が多くなるほど、印刷速度が遅くなるよう各部を制御する。このような構成により、排紙不良や排紙不揃いの発生を防止することが可能になる。なお、印刷速度は、例えば経過時間計測部153により計測された経過時間に応じて算出される。その他、印刷速度は、例えば両面孔版印刷装置1において使用されるインキの種類に応じて算出されてもよい。また、インキ調整制御部154は、ユーザの設定により、印刷速度の制御を行わないようにしてもよい。
また、本実施形態に係る両面インキ調整モードにおけるインキ調整処理においては、製版領域を変更する場合を例として説明した。製版領域を変更しない場合、図14及び図15に示した各版における製版画像の領域は同一である。また、本実施形態においては、各版における製版画像の印字率を徐々に高くする場合を例として説明した。しかしながら、このような構成は必須ではなく、各版における製版画像の印字率が同一であっても、使用する印刷用紙の枚数をより軽減しつつ、印刷用紙表面に転移されたインキによる用紙搬送路の汚れを防止することは可能である。
1 両面孔版印刷装置
2 印刷部
3 製版部
4 給紙部
5 排版部
6 排紙部
7 画像読取部
8 補助トレイ
9 再給紙部
10 切替部
12 版胴
13 プレスローラ
64 マスタ
65 分割製版済みマスタ
121 CPU
122 RAM
123 ROM
124 HDD
125 I/F
126 LCD
127 操作部
128 バス
140 コントローラ
141 駆動制御部
142 センサ制御部
143 操作表示制御部
150 主制御部
151 設定情報取得部
152 センサ情報取得部
153 経過時間計測部
154 インキ調整制御部
155 製版制御部
200 操作パネル
2 印刷部
3 製版部
4 給紙部
5 排版部
6 排紙部
7 画像読取部
8 補助トレイ
9 再給紙部
10 切替部
12 版胴
13 プレスローラ
64 マスタ
65 分割製版済みマスタ
121 CPU
122 RAM
123 ROM
124 HDD
125 I/F
126 LCD
127 操作部
128 バス
140 コントローラ
141 駆動制御部
142 センサ制御部
143 操作表示制御部
150 主制御部
151 設定情報取得部
152 センサ情報取得部
153 経過時間計測部
154 インキ調整制御部
155 製版制御部
200 操作パネル
Claims (7)
- 用紙の表面に印刷するための画像である表面画像及び前記用紙の裏面に印刷するための画像である裏面画像を孔版原紙に副走査方向に並べて穿孔製版された両面製版マスタを装着した版胴に前記用紙を給紙して押圧し、前記用紙の一方の面に前記表面画像を印刷し、前記表面画像が印刷された前記用紙を前記版胴に再給紙して押圧し、前記表面画像が印刷された前記用紙の他方の面に前記裏面画像を印刷する両面孔版印刷装置であって、
前記用紙への印刷に用いられるインキの粘度を調整するに際して、前記用紙を搬送する搬送部と接する前記用紙の領域に前記インキを付着させない前記両面製版マスタの製版を制御する製版制御部と、
前記インキの粘度を調整するに際して製版された前記両面製版マスタに基づき、1枚の前記用紙の同一面上に少なくとも2回以上、前記画像を印刷するよう前記両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御するインキ調整制御部と
を含むことを特徴とする両面孔版印刷装置。 - 前記インキ調整制御部は、前記1枚の用紙の同一面上への印刷回数に応じて、前記用紙への印刷速度を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の両面孔版印刷装置。 - 前記インキ調整制御部は、
前記両面孔版印刷装置における用紙の給排紙性能に影響を及ぼす環境状態を示す環境情報を取得し、
取得した前記環境情報に基づいて、前記1枚の用紙の同一面上に少なくとも2回以上、前記画像を印刷するよう前記両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の両面孔版印刷装置。 - 前記製版制御部は、前記インキの粘度を調整するに際して、先に印刷に用いられる版ほど前記用紙の搬送方向の先端側の余白が広くなるよう複数の前記両面製版マスタの製版を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面孔版印刷装置。 - 前記製版制御部は、前記インキの粘度を調整するに際して、先に印刷に用いられる版ほど印刷対象となる領域における印字率が低くなるよう複数の前記両面製版マスタの製版を制御する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の両面孔版印刷装置。 - 前記製版制御部は、前記インキの粘度を調整するに際して、前記用紙の搬送方向の先端から予め定められた位置までの印刷対象の領域における印字率が前記用紙の他の印刷対象の領域における印字率よりも低くなるよう前記両面製版マスタの製版を制御する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の両面孔版印刷装置。 - 用紙の表面に印刷するための画像である表面画像及び前記用紙の裏面に印刷するための画像である裏面画像を孔版原紙に副走査方向に並べて穿孔製版された両面製版マスタを装着した版胴に前記用紙を給紙して押圧し、前記用紙の一方の面に前記表面画像を印刷し、前記表面画像が印刷された前記用紙を前記版胴に給紙して押圧し、前記表面画像が印刷された前記用紙の他方の面に前記裏面画像を印刷する両面孔版印刷装置の制御方法であって、
前記用紙への印刷に用いられるインキの粘度を調整するに際して、前記用紙を搬送する搬送部と接する前記用紙の領域に前記インキを付着させない前記両面製版マスタの製版を制御し、
前記インキの粘度を調整するに際して製版された前記両面製版マスタに基づき、1枚の前記用紙の同一面上に少なくとも2回以上、前記画像を印刷するよう前記両面孔版印刷装置の各部の駆動を制御する
ことを特徴とする両面孔版印刷装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015109059A JP2016221776A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 両面孔版印刷装置及び両面孔版印刷装置の制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015109059A JP2016221776A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 両面孔版印刷装置及び両面孔版印刷装置の制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016221776A true JP2016221776A (ja) | 2016-12-28 |
Family
ID=57746344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015109059A Pending JP2016221776A (ja) | 2015-05-28 | 2015-05-28 | 両面孔版印刷装置及び両面孔版印刷装置の制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016221776A (ja) |
-
2015
- 2015-05-28 JP JP2015109059A patent/JP2016221776A/ja active Pending
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