JP2016221758A - 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置 Download PDF

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善博 濱田
千秋 村岡
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千秋 村岡
徳治 工藤
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徳治 工藤
晋平 吉川
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Abstract

【課題】外部配線及び電極パッドとの間に気泡が残留することが抑えられる液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供する。【解決手段】液体吐出ヘッドの製造方法は、配線500の周囲に、スピンコーティングによって樹脂材料を塗布することで樹脂部材111を形成する樹脂部材形成工程を供えている。また、液体吐出ヘッドの製造方法は、樹脂部材111を覆うように樹脂材料を塗布することによって封止剤を形成する封止剤形成工程とを備えている。【選択図】図5

Description

本発明は、電気的な接続部分を覆うように封止剤が配置された液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に関するものである。
外部電源から延びた外部配線と、液体吐出ヘッドにおける電極パッドとを接続する方法として、電極パッド上にバンプを配置し、電極パッドとバンプとの間及びバンプと外部配線との間を接合させる方法が知られている。このような方法は、TAB(Tape Automated Bonding)実装法と呼ばれている。特許文献1には、TAB実装法によって、外部配線と、記録素子基板における電極パッドとが電気的に接続されている液体吐出ヘッドについて開示されている。特許文献1には、外部配線と、記録素子基板における電極パッドとの間の接続位置の周囲に熱硬化性接着剤が充填されることが記載されている。
特開2003−025587号公報
特許文献1に開示された液体吐出ヘッドでは、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性接着剤が、外部配線及び電極パッドに直接接触するように接続位置の周囲に配置されている。一般に、金属によって形成された外部配線及び電極パッドと、エポキシ系樹脂を主成分とする熱硬化性接着剤と、の間では、親和性が比較的低く、ぬれ性が比較的低い。そのため、熱硬化性接着剤が外部配線及び電極パッドの周囲に上から単純に盛られる方法によって配置されると、外部配線及び電極パッドと、熱硬化性接着剤との間に、気泡が残留する可能性がある。気泡が残留したまま熱硬化性接着剤が硬化してしまうと、気泡の部分でイオンマイグレーションが発生する可能性がある。イオンマイグレーションによって析出した析出物が複数の配線に跨って形成された場合には、電気回路がショートしてしまう可能性がある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、外部配線及び電極パッドとの間に気泡が残留することが抑えられる液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置を提供することを目的とする。
本発明は、吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、前記素子に供給される電流を受け取る電極と、前記素子と前記電極との間を接続し、前記電極からの電流を素子に伝達する基板内配線とを備えた素子基板と、前記電極に接続され、前記電極に電流を供給するために前記素子基板の外部に配置された外部配線とを備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記基板内配線の周囲に、スピンコーティングによって樹脂材料を塗布することで樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、前記樹脂部材を覆うように樹脂材料を塗布することによって封止剤を形成する封止剤形成工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、封止剤によって記録素子基板における電極とインナーリードとの間の電気的な接続部を封止した際に、封止部分に気泡が残留することを抑えることができる。従って、接続部が電気的に確実に接続されると共に電気回路にショートが発生することを抑えることができ、信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置の斜視図である。 (a)は図1の液体吐出装置に搭載される液体吐出ヘッドの斜視図であり、(b)は(a)のIIB−IIB線に沿う断面図であり、(c)は(a)の要部について拡大して示した平面図である。 (a)は、図2(c)の記録素子基板側の配線とインナーリードとの間の電気的な接続部分について拡大して示した平面図であり、(b)は、(a)のIIIB−IIIB線に沿う断面図である。 図2(c)の記録素子基板側の配線とインナーリードとの間の接続が行われている際の、接続部について示した断面図である。 (a)〜(d)は、記録素子基板側の配線とインナーリードとの間の接続を行う際の各工程について示した平面図である。
以下に、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は本発明の実施形態に係る液体吐出ヘッド(記録ヘッド)の搭載された液体吐出装置(インクジェット記録装置)1についての斜視図である。図1に示されるように、本実施形態の液体吐出装置1は、インクジェット方式に従って、液体吐出ヘッド3から記録媒体にインクを吐出することで記録を行う。液体吐出ヘッド3を搭載したキャリッジ2にキャリッジモータによって発生する駆動力を伝達機構より伝え、キャリッジ2を往復移動させる。キャリッジ2が往復移動を行うことで液体吐出ヘッド3が走査を行いながら、液体吐出ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行う。
液体吐出装置1のキャリッジ2には液体吐出ヘッド3が搭載されるだけでなく、液体吐出ヘッド3に供給するインクを貯留するインクタンク6が搭載可能に構成されている。インクタンク6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。なお、液体吐出ヘッド3とインクタンク6とは、一体に形成されていても良い。図1に示した液体吐出装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)のインクをそれぞれ収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジはそれぞれ独立に着脱可能である。
図1に示されているように、キャリッジ2はキャリッジモータの駆動力を伝達する伝達機構の駆動ベルト7の一部に連結されている。これにより、キャリッジ2は、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されるようになっている。また、液体吐出ヘッド3を搭載したキャリッジ2は、キャリッジモータの駆動力によって往復移動される。それと同時に、液体吐出ヘッド3に記録信号を与えて記録媒体にインクが吐出される。従って、キャリッジ2は、キャリッジモータの正転及び逆転によってガイドシャフト13に沿って記録媒体の搬送が行われる搬送方向に交差する主走査方向に往復移動する。また、キャリッジ2の移動方向(矢印A方向)に沿ってキャリッジ2の位置を示すための不図示のスケールが備えられている。このように、液体吐出ヘッド3の搭載されたキャリッジ2を主走査方向に往復移動させて走査させる走査手段を有している。走査手段により液体吐出ヘッド3が走査しながら記録が行われることで、記録媒体Pの全幅に亘って記録が行われる。
さらに、液体吐出装置1は、記録媒体を搬送するために搬送モータによって駆動される搬送ローラ14を有している。また、液体吐出装置1は、バネ(不図示)により記録媒体を搬送ローラ14に当接するピンチローラ15、ピンチローラ15を回転自在に支持する不図示のピンチローラホルダ、搬送ローラ14に接続された不図示の搬送ローラギアを有している。そして、搬送ローラギアに中間ギアを介して伝達された搬送モータの回転により、搬送ローラ14が駆動される。このように、液体吐出装置1は、記録媒体を搬送する搬送手段を有している。
なお、本実施形態の液体吐出装置1は、液体吐出ヘッドの主走査方向の移動と、記録媒体の副走査方向の搬送と、を伴って画像を記録するいわゆるシリアルスキャンタイプの液体吐出装置である。しかし、本発明は、記録媒体の幅方向の全域に亘って延在する液体吐出ヘッドを用いるフルラインタイプの液体吐出装置にも適用可能である。
図2(a)は、本実施形態の液体吐出ヘッドの斜視図であり、電気接続部周辺の説明のために封止剤400について透視した図となっている。図2(b)は、図2(a)に示す液体吐出ヘッドのIIB−IIB線に沿う断面図であり、図2(c)は、図2(a)に示される液体吐出ヘッドの平面図である。
液体吐出ヘッド3は、記録素子基板(素子基板)101及び支持部材300を備えている。支持部材300上に、中間層401を介して記録素子基板101が取り付けられている。記録素子基板101は、基体120及びオリフィスプレート105を備えている。オリフィスプレート105における記録媒体に対向する面には、複数の吐出口106が形成されている。基体120とオリフィスプレート105との間には、液体としてのインクを貯留可能な液室121が形成されている。吐出口106は、液室121の内部と外部とを連通するように形成されている。複数の吐出口106は、列状に並べられて吐出口列が配列されている。オリフィスプレート105は、中間層109を介して基体120上に取り付けられている。中間層109は、オリフィスプレート105と基体120との間の密着性を向上させるために、オリフィスプレート105と基体120との間に配置されている。また、記録素子基板101及び支持部材300には、吐出口106に向かう方向に液体を供給する液体供給口104が形成されている。本実施形態では、インク供給口104は、記録素子基板101における吐出口列の配列された方向のほぼ中央に、表面から裏面に貫通するように形成されている。インク供給口104は、吐出口列に沿う方向に延びている。インクは、インク供給口104から共通液室16を介して液室121に供給される。インクは、吐出口106の内部にてメニスカスを形成することにより、安定に保持される。
キャリッジ2と液体吐出ヘッド3とは、両部材の接合面が適正に接触されて所要の電気的接続を達成維持できるようになっている。液体吐出ヘッド3は、記録信号に応じてエネルギーを印加することにより、複数の吐出口からインクを選択的に吐出して記録する。本実施形態の液体吐出ヘッドの記録素子基板には、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が形成されている。本実施形態においては、エネルギー発生素子として、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体としての発熱抵抗体(素子)108を用いている。
液体吐出ヘッド3は、発熱抵抗体108に印加される電気エネルギーを熱エネルギーに変換させる。そして、その熱エネルギーをインクに与えることによりインクに膜沸騰を生じさせ、これによって生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させる。この発熱抵抗体108は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する発熱抵抗体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
図2(b)に示されるように、液体吐出ヘッド3における記録素子基板101上には、複数の発熱抵抗体108が配置されている。発熱抵抗体108は、液室121の内部に貯留されたインクに熱エネルギーを付与することが可能に構成されている。発熱抵抗体108は、それぞれの吐出口106に対応する位置に配置されている。また、発熱抵抗体108は、等間隔にインク供給口104の両側に配列されている。
インク供給口104を通ったインクは、記録素子基板101とオリフィスプレート105との間に形成されたインク流路を通って液室121に供給される。所定の発熱抵抗体108を選択的に駆動することで、所定の吐出口106からインクを吐出する。本実施形態では、一回のインクの吐出による吐出量が約4ng±1ngである吐出口が、1200dpiで1536個配置されている。また、本実施形態では、液体吐出ヘッドに形成された全ての吐出口を16グループに分け、最大で96個の吐出口からインクを同時に吐出する。
また、各吐出口からのインクの吐出による吐出周波数は、最大21kHzである。記録素子基板101の両端では発熱抵抗体108に電力を供給するためのインナーリード(外部配線)204が、記録素子基板101よりも外側の領域に設置されている。インナーリード204は、記録素子基板101上に形成された電極パッド102と結線されている。
記録素子基板101に配置された発熱抵抗体108は、配線(基板内配線)500に接続されている。発熱抵抗素子108に接続された配線500が、記録素子基板における吐出口列の配列方向の端部に向かって延びて形成されている。配線500における吐出口列の配列方向の端部の付近に電極パッド102が接続されている。配線500は、電極パッド102に向かって延びている。
記録素子基板101には、電極パッド102及び電極パッド102と発熱抵抗素子との間に延びた配線500が形成されているので、これらの電極パッド102及び配線500が記録素子基板101の表面からインクの吐出される方向に向かって突出している。配線500がインクの吐出される方向に向かって突出しているので、配線500の縁部で、記録素子基板101の表面との間で段差が形成されている。
本実施形態では、配線500は、複数形成されている。また、配線500同士の間の領域(基板内配線同士の間の領域)に、配線500同士の間の段差を埋めるように、樹脂部材111が形成されている。本実施形態では、樹脂部材111は、バンプ(接続部材)103を介してインナーリード204との電気的な接続を行う部分を除いた、配線500における記録素子基板101から突出した部分のほぼ全体を覆うように形成されている。また、電極パッド102及び配線500の周囲には、封止剤400が配置される。封止剤400としては、例えば、エポキシ系樹脂が用いられる。
図3(a)は、本発明の第1実施形態の液体吐出ヘッドの電気的な接続部について示した平面図である。図3(a)では、電気的な接続部について部分的に示されている。図3(b)は、図3(a)に示す液体吐出ヘッドのIIIB−IIIB線に沿う断面図である。電極パッド102周囲における隣り合う配線500間の幅w1は約40μmであり、配線500の厚みh7は約1μmである。
この樹脂部材111は、図2(c)に示されるように、電極パッド102の部分を除いて、配線500同士の間の領域を含めた電極パッド102の周囲を覆うように設けられている。電極パッド102及び配線500の形成された部分の断面図を見ると、図3(b)に示されるように、配線500同士の間の領域が埋められ、配線500が形成されることによる段差を小さくするように、樹脂部材111が配置されている。これにより、電気パッド102周囲の配線は樹脂111で覆われ、配線が配置されることによる段差が埋められている状態となる。
また、中間層109と樹脂部材111とが、同一の材料によって形成されている。本実施形態では、いずれも絶縁材料によって形成されている。これらは、フォトリソ技術によって同時に形成することができる。本実施形態では、中間層109及び樹脂部材111は、ポリエーテルアミド樹脂によって形成されている。
電極パッド102上には、バンプ103(例えば、厚み5um)が形成される。バンプ103は、電極パッド102の表面からインクの吐出される方向に向かって突出するように形成される。
電気配線基板(TABテープ)200のインナーリード204を用いたTAB実装法によって、バンプ103を介して電極パッド102とインナーリード204との間が電気的に接続されている。ここで、電極パッド102上に突出するバンプ103を形成する際に、バンプ103を電極パッド102上にめっき法により形成することにより、バンプ103の高さをより低くすることができる。
TAB実装法によって電極パッド102とインナーリード204とが電気的に接続されているので、結果的に、封止剤400によって電気的な接続部を封止する封止高さを低くすることが可能である。これにより、液体吐出ヘッド3を小型化することができる。また、このインナーリード204により、外部から供給される電気信号を記録素子基板に伝達する。また、TABテープ200は、ポリイミドテープ201上に銅箔203を接着剤202により接着し、パターニングし、銅箔203の一部をインナーリード204としている。
次に、液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。まず、記録素子基板101上に配線500及び電極パッド102が形成される。図5(a)〜(d)に、本実施形態の液体吐出ヘッド3を製造する際の各工程について示した斜視図を示す。まず、図5(a)に示されるように、記録素子基板101に配線500及び電極パッド102が形成される。
記録素子基板101に配線500及び電極パッド102が形成されると、図5(b)に示されるように、電極パッド102上にバンプ103が形成される。本実施形態では、電極パッド102上でのバンプ103の形成は、めっき法によって形成される。なお、電極パッド102上におけるバンプ103の形成は、ワイヤボンディングによるボール電極が形成されるスタッドバンプによって行われてもよい。
電極パッド102上にバンプ103が形成されると、図5(c)に示されるように、配線500上に樹脂材料が塗布されることで樹脂部材111が形成される(樹脂部材形成工程)。本実施形態では、記録素子基板101上に中間層109を形成する工程(中間層形成工程)のタイミングと同じタイミングで、配線500上に樹脂部材111が形成される。樹脂部材111は、スピンコーティングによって、樹脂を含む樹脂部材111を形成する材料が、配線500上に塗布される。本実施形態では、記録素子基板101を回転させながら配線500の周囲に樹脂部材111を形成する材料が塗布されて、スピンコーティングによって樹脂部材111が形成される。樹脂部材111は、電極パッド102上を除いて、配線500上を覆うように形成される。特に、本実施形態では、樹脂部材が配線500同士の間の領域を覆って、樹脂部材111が形成される。
樹脂部材111がスピンコーティングによって塗布されて形成されるので、樹脂部材111を形成する際に、樹脂部材111に気泡が残留することが抑えられる。従って、樹脂部材111と配線500との間に気泡が残留することが抑えられる。
また、中間層109を形成した後に、中間層109上にオリフィスプレート105を配置してオリフィスプレート105と基体120とが貼り付けられる(貼り付け工程)。これによって、図2(a)に示されるような液体吐出ヘッド3が形成される。
次に、図5(d)に示されるように、電極パッド102とインナーリード204との間の電気的な接続が行われる。本実施形態では、TAB実装法によって、電極パッド102とインナーリード204との間の電気的な接続が行われる。バンプ103とインナーリード204との間の電気的な接続が行われる。本実施形態では、バンプとインナーリードとの間の電気的な接続方法としては、例えば、図4に示されるような、シングルポイントボンディング法が用いられる。
図4には、接続端子であるインナーリード204とバンプ103とを、シングルポイントボンディングツール502を用いて接続する際の接続部周辺について示した断面図が示されている。図4に示されるように、電極パッド102上に配置されたバンプ103上にインナーリード204を当接させた状態でバンプ103及びインナーリード204に超音波振動と荷重を加えることで、バンプ103とインナーリード204とが電気的に接続される。超音波振動によってバンプ103が加熱されて溶融された状態でインナーリード204の上から荷重が加えられることで、バンプ103を介して電極パッド102とインナーリード204とが溶着される。この方法によって、インナーリード204とバンプ103との間を電気的に接続することができる。これにより、結果的に、記録素子基板101における配線500と、インナーリード204とが電気的に接続される。
その後、ディスペンサーを用いて、バンプ103を介した電極パッド102とインナーリード204との接続部分の周囲に樹脂材料が塗布されることで封止剤400が形成される(封止剤形成工程)。このとき、接続部分に配置された樹脂部材111の上に封止剤400が配置される。その後、封止剤400を加熱することによって硬化させることで、電気的な接続部の周囲の封止が行われる。
また、記録素子基板101は、支持部材300上に取り付けられる。このとき、支持部材300に形成されたインク供給口302が、記録素子基板101に形成されたインク供給口104に連通するように、接着剤107によって記録素子基板101と支持部材300とが接着される。また、支持部材300には段部301を設け、接着剤205により、TABテープを接着固定している。
以上のように構成された液体吐出ヘッドにおいては、電極パッドに接続された配線同士の間に樹脂部材111が設けられている。樹脂部材111及び封止剤400がいずれも樹脂によって形成されているので、樹脂部材111と封止剤400との間の親和性が高く、樹脂部材111と封止剤400との間のぬれ性が高くなる。これにより、配線と樹脂部材との間及び配線と封止剤との間に、気泡が形成され難くなる。
仮に、配線500と樹脂部材111との間あるいは配線500と封止剤400との間に気泡が残留した場合には、配線500を形成する金属のイオンが気泡の部分で析出するイオンマイグレーションが発生する可能性がある。金属を含む導体の析出物が他の配線に跨ぐように形成された場合には、そこで電気回路がショートを引き起こす可能性がある。そのため、配線500と封止剤400との間に気泡が残留していることが検出された場合には、その液体吐出ヘッドについては廃棄されることが考えられる。気泡が残留した液体吐出ヘッドについて廃棄する場合には、配線と封止剤との間に気泡が残留することにより液体吐出ヘッドの製造上の歩留まりが低下する可能性がある。
本実施形態では、封止剤400を配置する前に、樹脂部材111が、記録素子基板101内部の配線500同士の間の領域を覆って配置される。封止剤400が配置されるのは、樹脂部材111が配線500同士の間の領域を埋めて配置された後のタイミングである。封止剤400が配置される際には既に樹脂部材111が配置されているので、配線500を構成する金属上に直接配置される封止剤400の量を少なくすることができる。封止剤400は、多くが樹脂部材111上に形成されることになる。封止剤400と樹脂部材111とが、互いに樹脂によって形成されているので、これらの間の親和性が高く、ぬれ性が高い。従って、封止剤400と樹脂部材111との間においては、気泡が残留することを抑えることができる。
また、封止剤400が配置される前に樹脂部材111が配線500同士の間の領域に配置されるので、配線500が形成されることによる段差の部分の上の部分に封止剤400が配置されることを抑えることができる。配線500は液体の吐出される方向に突出して形成されるので、配線500が形成されることで、配線500の表面と記録素子基板101における基体120の表面との間に段差が形成される。配線500が形成されることで段差が生じた場合、封止剤400が配置されたとしても、樹脂が段差の部分に回り込むことができずに樹脂に気泡が残留する可能性がある。
しかしながら、本実施形態では、配線500が形成されることで生じる段差の部分には樹脂部材111が形成されるので、配線500が形成されることによる段差の部分が樹脂部材111によって埋められている。従って、配線500が形成されることによる段差の部分に樹脂が回り込むことができなくなることを抑えることができ、樹脂の内部に気泡が残留することを抑えることができる。
また、最近では、大きな電流を記録素子基板に供給するために、配線500の厚みが大きくなる可能性がある。配線500の厚みが大きくなった場合、樹脂が段差によって回り込むことができない領域がさらに増加し、樹脂の内部に気泡が残留する可能性がさらに高くなる。そのような場合であっても、本実施形態では、配線500が形成されることによる段差の部分を埋めるように樹脂部材111が形成されるので、段差の部分に気泡が残留することを抑えることができる。従って、配線500の厚みが大きくなったとしても、樹脂の内部に気泡が残留することを抑えることができる。
また、配線500を厚く形成したとしても、配線500と樹脂部材111との間及び配線500と封止剤400との間に気泡が残留することを抑えることができるので、配線500を厚く設計することができる。従って、配線500が薄く形成されることにより生じる電圧降下を抑制することができる。これにより、複数の発熱抵抗体に電流を同時に印加して液滴を複数同時に吐出する際における、それぞれの発熱抵抗体にかかる電圧のばらつきを抑制することができる。そのため、安定した吐出制御を行うことが可能となり、高画質な記録が可能な液体吐出ヘッドを提供することができる。また、記録素子基板101が長尺化し、同時に吐出の行われる吐出口の数が多くなったとしても、それに対応して安定した吐出制御を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、中間層109と樹脂部材111とが同一の材料によって形成され、これらが同時にフォトリソ技術によって形成される。従って、中間層109及び樹脂部材111を同じタイミングで行うことができる。従って、液体吐出ヘッド3の製造工程を簡略化することができ、液体吐出ヘッド3の製造にかかる時間を短縮することができる。また、液体吐出ヘッドの製造コストを少なく抑えることができる。
なお、本実施形態の液体吐出ヘッドは発熱抵抗体により液体内で膜沸騰を発生させて発泡させ液滴を吐出する方式としたが、本発明はこれに限定されない。圧電素子を変形させ、これによって液体吐出ヘッド内部の液体を吐出する形式の液体吐出ヘッドが液体吐出装置に適用されても良く、また、他の形式の液体吐出ヘッドが本発明の記録装置に適用されても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて説明する。第1実施形態では、中間層109と樹脂部材111を同一の材料から形成される形態について説明した。これに対し、第2実施形態では、中間層109と樹脂部材111とが別の材料によって形成されている。
封止剤400と樹脂部材111とは直接接触するので、これらの間の材料の組み合わせによっては、樹脂部材111と封止剤400との間に気泡が残留する可能性がある。樹脂部材111と封止剤400との間は、なるべく親和性が高くぬれ性の高い材料同士の組み合わせが好ましい。従って、樹脂部材111と封止剤400との間の相性を考慮し、中間層109と樹脂部材111とが、別の材料によって形成されてもよい。
樹脂部材111と封止剤400との間では、親和性の高い材料の組み合わせであるほど、これらの間の濡れ性が高くなり、気泡も残りにくくなる。そのため、例えば、封止剤400がブタジエン系エポキシ樹脂である場合に、樹脂部材111もブタジエン系エポキシ樹脂とすることにより、封止剤400と樹脂部材111との間に気泡が残留することを抑えることができる。封止剤400と樹脂部材111との間で親和性が高くなるため、実装時に気泡が残りにくい。このとき、第1実施形態で述べたように中間層109がポリエーテルアミド樹脂によって形成されている場合には、中間層109とブタジエン系エポキシ樹脂によって形成された樹脂部材111との間で、形成される材料が異なっていてもよい。
このように、樹脂部材111と封止剤400との間でさらに親和性の高い材料の組み合わせにすることにより、樹脂部材111と封止剤400との間で気泡が残留することをさらに確実に抑えることができる。従って、樹脂部材111あるいは封止剤400の内部に気泡が残留することにより、イオンマイグレーションが発生することを抑えることができる。これにより、電気回路がショートを引き起こすことを抑えることできる。気泡の残留が検出されるとその液体吐出ヘッドについて廃棄される場合には、液体吐出ヘッドの製造上の歩留まりの低下を抑えることができる。
なお、樹脂部材111を形成する材料については、封止剤400の材料との相性に応じて、より気泡の残留が少なくなるものが選択されればよい。そのため、樹脂部材111の材料や、封止剤400の材料は、ポリエーテルアミド樹脂やブタジエン系エポキシ樹脂に限られるものではない。他の材料が用いられてもよい。
101 記録素子基板
102 電極パッド
106 吐出口
108 発熱抵抗体
111 樹脂部材
204 インナーリード
400 封止剤
500 配線

Claims (8)

  1. 吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、
    前記素子に供給される電流を受け取る電極と、
    前記素子と前記電極との間を接続し、前記電極からの電流を素子に伝達する基板内配線と
    を備えた素子基板と、
    前記電極に接続され、前記電極に電流を供給するために前記素子基板の外部に配置された外部配線と、を備えた液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    前記基板内配線の周囲に、スピンコーティングによって樹脂材料を塗布することで樹脂部材を形成する樹脂部材形成工程と、
    前記樹脂部材を覆うように樹脂材料を塗布することによって封止剤を形成する封止剤形成工程と、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記電極と前記外部配線との間に接続部材が配置され、前記接続部材を介して前記電極と前記外部配線とが接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記素子基板は、前記吐出口の形成されたオリフィスプレートと、前記素子の配置された基体とを備え、
    前記オリフィスプレートと前記基体との間に、前記オリフィスプレートと前記基体との間の密着性を向上させる中間層を形成する中間層形成工程と、
    前記オリフィスプレートと前記基体とが貼り付けられる貼り付け工程とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記中間層と前記樹脂部材とが同一の材料によって形成され、
    前記中間層形成工程と、前記樹脂部材形成工程とが同時に行われることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記基板内配線が複数形成され、
    樹脂部材形成工程では、前記樹脂部材が、前記基板内配線同士の間の領域を覆って形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 吐出口から液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生する素子と、
    前記素子に供給される電流を受け取る電極と、
    前記素子と前記電極との間を接続し、前記電極からの電流を素子に伝達する複数の基板内配線と、
    前記複数の基板内配線同士の間を覆い、前記複数の基板内配線の周囲に配置され、樹脂材料によって形成された樹脂部材と、
    前記樹脂部材を覆い、樹脂材料によって形成された封止剤と
    を備えた素子基板と、
    前記電極に接続され、前記電極に電流を供給するために前記素子基板の外部に配置された外部配線と、を備えることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 前記樹脂部材は、ポリエーテルアミド樹脂によって形成されており、
    前記封止剤は、エポキシ系樹脂によって形成されていることを特徴とする請求項6に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 請求項6または7に記載の液体吐出ヘッドが搭載され、前記吐出口から液体を吐出することが可能な液体吐出装置。
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