JP2016221171A - ゴルフクラブセット - Google Patents
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Abstract
Description
図1に示すように、本実施形態に係るゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」ということがある)は、中空構造であり、フェース部1、クラウン部2、ソール部3、サイド部4、及びホーゼル部5によって壁面が形成されている。
本実施形態に係るヘッドは、図4に示すように、クラウン部2、ソール部3、及びサイド部4を有するヘッド本体10と、フェース部1及びその周縁から延びる周縁部12を有するカップ状に形成されたフェース用部材20と、を組み立てることで構成される。このヘッド本体10は、クラウン部2、ソール部3、及びサイド部4で囲まれた開口を有し、この開口を塞ぐようにフェース用部材20が取り付けられる。すなわち、フェース用部材20の周縁部12の端面が、開口61の端面と突き合わされ、これらが、後述するように溶接によって接合される。そして、フェース用部材20は、ヘッド本体10の開口に取付けられることで、ヘッド本体10と一体化され、これによって、フェース用部材20の周縁部12は、クラウン部2、ソール部3、及びサイド部4の一部として機能する。したがって、フェース用部材20の周縁部12がヘッド本体10に取付けられることで一体的に形成される面が、クラウン部2、ソール部3、及びサイド部4を構成する。そのため、厳密には、ヘッド本体10の各部は、これらの一部ではあるが、以下では、これを区別することなく、ヘッド本体10の各部も、クラウン部2、ソール部3、及びサイド部4と称することがある。
続いて、図5も参照しつつ、クラウン部2について説明する。図5は図2のA−A線断面図、つまりヘッドのスイートスポット及び重心を通過する垂直面(上述した水平面Hに垂直な面、以下同じ)に沿う断面である。同図に示すように、クラウン部2は、サイド部4と接する本体部21と、フェース部1と接する隆起部22とで構成されている。隆起部22は、フェース部1に沿ってトゥ−ヒール方向に延びる帯状の領域であり、本体部21との境界が段差23となっている。すなわち、図5に示すように、隆起部22は、傾斜するように延びる段差23を介して、本体部21よりも高い位置に形成されている。これにより、隆起部22と本体部21との段差23の分だけ、フェース部1の上下方向の高さが高くなっている。なお、隆起部22と接合されるフェース用部材20の周縁部12も、隆起部22の一部として機能する。
次に、番手毎の隆起部の相違について説明する。本実施形態に係るゴルフクラブセットを構成するユーティリティタイプのゴルフクラブは、番手ごとにロフト角が相違するのに加え、隆起部と本体部との間の段差のフェース−バック方向の長さL(以下、単に「段差の長さL」という)が相違している。段差の長さLとは、隆起部の後端縁から本体部の先端縁までのフェース−バック方向の長さである。図6に一例を示す。この例では、2番(a)、3番(b)、4番(c)、5番(d)、6番(e)、及び7番(f)のユーティリティタイプのゴルフクラブセットの断面を示しており、図中にロフト角と段差の長さLを表示している。いずれもヘッドのスイートスポット及び重心を通過する垂直面に沿う断面である。
上記のように構成されたゴルフクラブヘッドは、いずれも種々の方法で作製することができるが、例えば、次のように製造することができる。まず、ヘッド本体10は、例えば、公知のロストワックス精密鋳造法などの鋳造によって製造することができる。一方、フェース用部材20は、プレス加工により、製造することができる。そして、ヘッド本体10と、フェース用部材20とは、例えば、次に説明するように、溶接により接合される。上記のように、ヘッド本体10はロストワックス精密鋳造法などで製造できるが、溶接前のヘッド本体用素材の構造は、完成後のヘッド本体10とは若干異なっている。すなわち、図7に示すように、ヘッド本体10の開口周縁の外面、つまりクラウン部2、ソール部3,及びサイド部4の外面には、フェース部側に向けて突出する突出部101が設けられている。すなわち、この突出部101は、開口周縁に沿って環状に形成されている。そして、溶接に先立って、フェース用部材20の周縁部12の端面と、開口の端面とを接合すると、図8に示すように、周縁部12の端部の外面は、環状の突出部101により覆われた状態となる。このとき、フェース用部材20の周縁部12の端面の肉厚は、開口の端面の肉厚よりも小さいため、両端面の間には段差102が形成される。
以上のように、本実施形態によれば、番手の小さいゴルフクラブの段差の長さが、番手の大きいゴルフクラブの段差の長さよりも長いため、次の効果を得ることができる。例えば、番手の小さいゴルフクラブを用いる場合には、アドレスに入るとき、一般的にヘッドを前方寄りに配置する。これにより、隆起部の段差が見えやすくなり、番手が大きいゴルフクラブと段差の高さ及び長さが同じであっても、段差が目立ち、より高く見える傾向にある。一方、番手の大きいゴルフクラブを用いる場合には、アドレスに入るとき、一般的にヘッドをゴルファーの正面近くに配置する。これにより、隆起部の段差は見えにくくなり、隆起部の高さが視認しがたくなる。このように、番手が小さいゴルフクラブと、大きいゴルフクラブとでは、隆起部の段差の見え方が相違するため、異なる番手のクラブを連続して用いると、違和感を持つことになり、自然にアドレスに入りがたくなる。
(1) クラウン部2が、サイド部4と接する本体部21と、フェース部1との境界に沿ってトゥ−ヒール方向に延び、本体部21から段差23を形成して隆起する隆起部22と、を備えている。これにより、クラウン部2において、隆起部22が本体部21よりも、段差23を介して高く形成されているため、隆起部22が高くなった分だけ、フェース部1の高さを高くすることができる。そのため、フェース部1における反発性能を向上することができる。また、クラウン部2においては、隆起部22のみが高く形成され、クラウン部2の大半を占める本体部21は隆起部22よりも低い位置に形成されているため、ヘッドの重心を低くすることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、以下の変更が可能である。
上記実施形態では、図6に、ゴルフクラブセットにおける段差の長さの違いの例を示したが、これは一例に過ぎない。上述した効果を得るためには、ゴルフクラブセットの中で少なくとも1組の番手の小さいゴルフクラブと、番手の大きいゴルフクラブとで、上記のような段差の長さの差があればよい。したがって、すべての番手間で段差の長さの差を設けてもよいし、あるいは、その中のいくつかだけ段差の長さの差を設けてもよい。また、段差の長さの数値も一例であり、適用するゴルフクラブによって変更可能である。
上記実施形態では、周縁部及び隆起部の合計幅Dを各番手で同じにしているが、多少変更することもできる。
上記実施形態に係るゴルフクラブの態様は、一例であり、クラウン部2に上記のような隆起部22が設けられていれば、他の構成は特には限定されない。例えば、上記ゴルフクラブでは、ヘッド本体10の開口に対し、カップ状のフェース用部材20を接合しているが、板状のフェース部をヘッド本体の開口に嵌め込むことで、ゴルフクラブヘッドを構成することもできる。
上記ゴルフクラブセットは、ユーティリティタイプのゴルフクラブによって構成されているが、フェアウェイウッド、ハイブリッド型のゴルフクラブで構成されていてもよい。なお、フェアウェイウッド向けとして、ヘッドの体積は、例えば120cm3以上200cm3以下が望ましい。また、ドライバ向けであれば、ヘッド体積はR&AやUSGAのルール規制に従う場合には460cm3以下が望ましい。
2 クラウン部
21 本体部
22 隆起部
23 段差
3 ソール部
L 段差の長さ
Claims (4)
- ロフト角が異なる複数の番手のゴルフクラブにより構成されたゴルフクラブセットであって、
前記各ゴルフクラブは、シャフトと、ゴルフクラブヘッドと、を有し、
前記各ゴルフクラブヘッドは、
クラウン部と、
フェース部と、
ソール部と、を備え、
前記クラウン部は、
前記ソール部と接する本体部と、
前記フェース部との境界に沿ってトゥ−ヒール方向に延び、前記本体部から段差を形成して隆起する隆起部と、
を備え、
前記ゴルフクラブセットに含まれる複数のゴルフクラブのうち、少なくとも一組の番手の小さいゴルフクラブと番手の大きいゴルフクラブにおいて、当該ゴルフクラブヘッドのスイートスポットと重心とを通過する垂直面に沿う前記段差のフェース−バック方向の長さは、前記番手の大きいゴルフクラブより、前記番手の小さいゴルフクラブの方が長い、ゴルフクラブセット。 - 前記少なくとも一組の番手の小さいゴルフクラブと番手の大きいゴルフクラブは、隣接する番手のゴルフクラブである、請求項1に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ゴルフクラブヘッドのスイートスポットと重心とを通過する垂直面に沿う前記隆起部のフェース−バック方向の長さは、前記番手の小さいゴルフクラブと、前記番手の大きいゴルフクラブとで、同じである、請求項1または2に記載のゴルフクラブセット。
- 前記ゴルフクラブセットに含まれる前記ゴルフクラブの少なくとも1つは、ヘッド本体と、フェース用部材とを組立てることで構成され、
前記ヘッド本体は、前記クラウン部及びソール部により構成され、当該クラウン部及びソール部で囲まれた開口を有し、
前記フェース用部材は、ボールを打撃する板状の前記フェース部と、当該フェース部の周縁から延び、前記開口の端面と接合される周縁部と、を有するカップ状に形成され、
前記フェース用部材の周縁部は、前記ヘッド本体の開口において、前記クラウン部及びソール部と接合される、請求項1から3のいずれかに記載のゴルフクラブセット。
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