JP2016220787A - X線タルボ撮影装置 - Google Patents

X線タルボ撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016220787A
JP2016220787A JP2015108208A JP2015108208A JP2016220787A JP 2016220787 A JP2016220787 A JP 2016220787A JP 2015108208 A JP2015108208 A JP 2015108208A JP 2015108208 A JP2015108208 A JP 2015108208A JP 2016220787 A JP2016220787 A JP 2016220787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
holder
lattice
grating
pressing
receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015108208A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6515682B2 (ja
JP2016220787A5 (ja
Inventor
北村 光晴
Mitsuharu Kitamura
光晴 北村
泰憲 坪井
Yasunori Tsuboi
泰憲 坪井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2015108208A priority Critical patent/JP6515682B2/ja
Priority to US15/157,714 priority patent/US10078058B2/en
Priority to EP16170043.0A priority patent/EP3101661B1/en
Publication of JP2016220787A publication Critical patent/JP2016220787A/ja
Publication of JP2016220787A5 publication Critical patent/JP2016220787A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6515682B2 publication Critical patent/JP6515682B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
    • G01N23/20075Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials by measuring interferences of X-rays, e.g. Borrmann effect
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/06Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diffraction, refraction or reflection, e.g. monochromators
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
    • G01N23/20008Constructional details of analysers, e.g. characterised by X-ray source, detector or optical system; Accessories therefor; Preparing specimens therefor
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K2207/00Particular details of imaging devices or methods using ionizing electromagnetic radiation such as X-rays or gamma rays
    • G21K2207/005Methods and devices obtaining contrast from non-absorbing interaction of the radiation with matter, e.g. phase contrast

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)
  • Measurement Of Radiation (AREA)
  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】第1格子や第2格子等の複数の格子に損傷が生じることがなく、かつ、複数の格子を的確に湾曲させてケラレが生じることなく放射線を的確に透過させることが可能なX線タルボ撮影装置を提供する。【解決手段】X線タルボ撮影装置1は、複数の格子20、21、22をそれぞれ保持するホルダー30を備え、ホルダー30は、カーブが付けられた受け面31Bや押さえ面32Bを有する受け部31や押さえ部32を有し、格子は、ホルダー30の受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bとの間で挟持されることにより、放射線源2の一点を中心とする円弧状に湾曲されており、格子の一方側の面Rと押さえ面32Bとの間、または、格子の反対側の面rと受け面31Bとの間に弾性部材33が配置されており、ホルダーの受け部31や押さえ部32と弾性部材33には放射線を遮らないようにするための開口部31A、32A、33Aが設けられている。【選択図】図5

Description

本発明は、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計を用いたX線タルボ撮影装置に関する。
X線が物体を透過するときに生じるX線の位相シフトを捉えて画像化する、タルボ(Talbot)干渉計やタルボ・ロー(Talbot-Lau)干渉計と放射線検出器(Flat Panel Detector:FPD)とを用いたX線画像撮影装置が知られている(例えば特許文献1、2等参照)。なお、以下では、このようなタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計等を用いたX線画像撮影装置を、X線タルボ撮影装置という。
X線タルボ撮影装置は、一定の周期でスリットが設けられた第1格子(G1格子等ともいう。)と第2格子(G2格子等ともいう。)を備え(タルボ・ロー干渉計を用いる場合にはさらに線源格子(G0格子、マルチ格子等ともいう。)を備え)、X線源から第1格子にX線を照射することにより第1格子のX線照射方向下流側で第1格子の自己像が一定周期で結ばれる位置に第2格子を配置し、この第2格子におけるスリットの延在方向を第1格子におけるスリットの延在方向に対してわずかに傾けるように第2格子を配置することで、第2格子上にモアレ縞を形成させる。そして、このモアレ縞が重畳された画像(以下、これをモアレ画像という。)を第2格子の下流側に配置したX線検出器で検出して撮影するように構成される。
そして、X線源(或いは線源格子)と第1格子との間や第1格子と第2格子との間に被写体を配置すると、被写体によりモアレ縞に歪みが生じる。そのため、X線タルボ撮影装置で、第1格子と第2格子とを相対的に移動させながら複数枚のモアレ画像を撮影し(縞走査法)、画像処理において、それらのモアレ画像を画像解析することで微分位相画像や吸収画像、小角散乱画像等の画像を再構成して生成することができる。また、被写体が存在する状態で、X線タルボ撮影装置でモアレ画像を1枚撮影し、画像処理において、そのモアレ画像をフーリエ変換する等して微分位相画像等の画像を再構成して生成することも可能である(フーリエ変換法)。
ところで、X線タルボ撮影装置では、放射線源から照射された放射線(或いは放射線源から照射され線源格子を透過した放射線)は、通常、コーンビーム状に拡がるため、格子が平板状に形成されていると、格子の周縁部でいわゆるケラレの問題が生じる。すなわち、図示を省略するが、格子のスリットS(後述する図3参照)が、格子の放射線入射面の法線方向に入射する放射線を透過するように形成されていると、格子の周縁部では放射線が放射線入射面の法線方向に対してやや傾いた方向に入射する状態になるため、格子の中央部よりも格子の周縁部で放射線の透過率が悪化するという問題が生じる。
そのため、例えば特許文献1、2では、第1格子や第2格子(或いは線源格子)を湾曲させるように構成することが記載されている。すなわち、特許文献1の図6に示された方法では、格子の両端部をそれぞれ放射線源の向きに押圧し、そのやや内側をそれとは反対向きにそれぞれ押圧することで格子を湾曲させることが記載されている。また、特許文献1の図7に示された方法では、格子の両端部を固定した状態で、格子の放射線入射面側に加える圧力と放射線出射面(放射線入射面とは反対側の面)側に加える圧力とを異ならせることで格子を湾曲させることが記載されている。
また、特許文献2では、平板状の複数の小格子を並べて第1、第2の支持基板で挟み込んで接合格子板を形成する。そして、接合格子板を凹面ステージと凸面ステージとで挟み付けることで接合格子板を湾曲させることが記載されている。そして、上記のように構成することで、放射線が、湾曲した接合格子板内の各格子に対して、格子の放射線入射面のどの部分においても放射線入射面の法線方向に入射するようになるため、上記のケラレの問題が生じることを防止することが可能となる。
特開2007−206075号公報 特開2012−13530号公報
しかしながら、例えば格子がシリコンウェハーのような硬い材料で形成されているような場合に、上記の特許文献1の図6に示された方法を用いると、硬い格子を湾曲させるためには格子に強い力を加えなければならないが、そのような強い力で格子の両端部やその内側の各点を押圧すると(すなわちいわゆる点当たり)、格子が割れる等して損傷する虞れがある。また、上記の特許文献1の図7に示された方法では、格子の少なくとも一方の面側に気密性が高い空間を形成し、その空間を真空に引く等の操作が必要になり、あまり現実的とは言い難い。
また、特許文献2に記載された方法では、複数の小格子を第1、第2の支持基板で挟み込んで1枚の接合格子板が形成されるが、第1、第2の支持基板で放射線が吸収されてしまう。そのため、上記のようにして撮影されたモアレ画像を再構成して生成される微分位相画像等の信号値が低下し、微分位相画像等のS/N比が悪化する等の問題が生じ得る。
そのため、X線タルボ撮影装置では、例えばシリコンウェハー等で形成された1枚の平板状の格子を湾曲させるようにして第1格子や第2格子(或いは線源格子)を形成することが好ましいが、上記のように割れる等の損傷を生じず、格子以外の部材で放射線を遮ることなく、しかも、曲率を一定の状態で格子を的確に湾曲させることが求められる。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、第1格子や第2格子等の複数の格子に損傷が生じることがなく、かつ、複数の格子を的確に湾曲させてケラレが生じることなく放射線を的確に透過させることが可能なX線タルボ撮影装置を提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明のタルボ撮影装置は、
スリットが形成された複数の格子と、
複数の前記格子を透過するように放射線を照射する放射線源と、
モアレ画像を撮影する放射線検出器と、
前記格子を保持するホルダーと、
を備え、
前記ホルダーは、カーブが付けられた受け面を有する受け部と、カーブが付けられた押さえ面を有する押さえ部とを有し、
前記格子は、前記ホルダーの前記受け部の受け面と前記押さえ部の押さえ面との間で挟持されることにより、前記放射線源の一点を中心とする円弧状に湾曲されており、
前記格子の一方側の面と前記押さえ部の押さえ面との間、または、前記格子の前記一方側の面とは反対側の面と前記受け部の受け面との間に、弾性部材が配置されており、
前記ホルダーの前記受け部および前記押さえ部と前記弾性部材には、前記格子に照射される放射線を遮らないようにするための開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
本発明のような方式のタルボ撮影装置によれば、第1格子や第2格子等の複数の格子に損傷が生じることがなく、しかも、複数の格子を的確に湾曲させてケラレが生じることなく放射線を的確に透過させることが可能となる。そのため、X線タルボ撮影装置でモアレ画像を的確に撮影することが可能となり、的確に撮影されたモアレ画像を再構成して微分位相画像等を的確に生成することが可能となる。
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の全体像を表す斜視図である。 タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計の原理を説明する図である。 第1格子や第2格子、線源格子に所定の周期で複数のスリットが配列されて設けられていることを説明する図である。 本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の下部の第2のカバーユニット内の構成を説明する図である。 (A)第1格子をホルダーに取り付けた状態を表す斜視図であり、(B)(A)のA−A線に沿う断面図である。 ホルダーの分解図である。 (A)、(B)弾性部材を設けない場合の図5(A)のB−B線に沿う概略断面図である。 (A)、(B)第1格子とホルダーの押さえ部との間に弾性部材を設ける場合の図5(A)のB−B線に沿う概略断面図である。 (A)、(B)第1格子とホルダーの受け部との間に弾性部材を設ける場合の図5(A)のB−B線に沿う概略断面図である。 弾性部材の端部がホルダーの(A)受け部の受け面または(B)押さえ部の押さえ面の端部より外側にはみ出している状態を表す概略断面図である。 温度が上昇してホルダーの受け部や押さえ部が伸び、弾性部材が変形した状態を表す概略断面図である。 弾性部材33に形成された(A)溝状の凹部や(B)円形状等の所定の形状の凹部や穴を表す図である。 (A)ホルダーの受け部や押さえ部が伸びる前の元の状態、および(B)ホルダーの受け部や押さえ部が伸びて第1格子等の曲率が小さくなった状態を表す図である。 (A)ホルダーの受け部や押さえ部が伸びる前の元の状態、および(B)ホルダーの受け部や押さえ部が伸び、受け部が撓んだ状態を表す図である。
以下、本発明に係るタルボ撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置の全体像を表す斜視図である。本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、図1に示すように、放射線源2と、後述する線源格子20等を含む第1のカバーユニット3と、第1のカバーユニット3等を支持する支持部4と、被写体台5と、後述する第1格子21や第2格子22、放射線検出器23(後述する図4参照)等を含む第2のカバーユニット6と、支柱7等を備えて構成されている。
ここで、X線タルボ撮影装置1に用いられるタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計に共通する原理について、図2を用いて説明する。なお、図2では、タルボ干渉計の場合が示されているが、タルボ・ロー干渉計の場合にも基本的に同様に説明される。
タルボ干渉計では、放射線源2と第1格子21と第2格子22とが、放射線の照射方向(すなわちz方向)に順番に配置される。なお、図示を省略するが、タルボ・ロー干渉計の場合には、放射線源2の近傍に線源格子20(図1等参照)が配置される。そして、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計では、図2に示すように、被写体Hが放射線の照射方向(すなわちz方向)において第1格子21の上流側の位置に配置されるように構成される。なお、図示を省略するが、被写体Hを、放射線の照射方向において第1格子21の下流側の位置に配置するように構成することも可能である。
図3に示すように、第1格子21や第2格子22には(タルボ・ロー干渉計の場合は線源格子20にも)、放射線の照射方向であるz方向と直交するx方向に、所定の周期dで複数のスリットSが配列されて形成されている。なお、所定の周期dは、第1格子21や第2格子22、線源格子20でそれぞれ異なる。また、図3では、スリットSを見易くするため、格子に比べてスリットSが相対的に非常に大きく記載されている。
そして、放射線源2から照射された放射線(タルボ・ロー干渉計の場合は放射線源2から照射された放射線が線源格子20で多光源化された放射線)が第1格子21を透過すると、透過した放射線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像(格子像等ともいう。)といい、このように自己像がz方向に一定の間隔をおいて形成される現象をタルボ効果という。
そして、図2に示すように、第1格子21の自己像が像を結ぶ位置に第2格子22が配置されるが、その際、第2格子22のスリットSの延在方向(すなわち図2等ではy軸方向)が、第1格子21のスリットSの延在方向に対して僅かに角度を持つように配置する。そして、このように配置することで、第2格子22上にモアレ縞のみからなるモアレ画像Moが現れる。なお、図2では、モアレ画像Moを第2格子22上に記載するとモアレ縞とスリットSとが混在する状態になって分かりにくくなるため、モアレ画像Moを第2格子22から離して記載しているが、実際には第2格子22上やその下流側でモアレ画像Moが形成される。
また、被写体Hが、放射線が照射される範囲内に存在すると、被写体Hによって放射線の位相がずれる。そのため、モアレ画像Moのモアレ縞に被写体の辺縁を境界とした乱れが生じ、第2格子22上やその下流側に、図2に示すように被写体Hにより乱れが生じたモアレ画像Moが現れる。
以上が、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計の原理である。そして、第2格子22の下流側に配置された放射線検出器23(後述する図4参照)で上記のモアレ画像Moを撮影するように構成される。本実施形態では、このようにして、上記の原理に従って、X線タルボ撮影装置1が構成されている。
以下、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1の構成について説明する。なお、本実施形態では、X線タルボ撮影装置1が、線源格子20を備えるタルボ・ロー干渉計を用いたX線タルボ撮影装置である場合について説明するが、線源格子20を備えず、第1格子21や第2格子22のみを備えるタルボ干渉計を用いたX線タルボ撮影装置であっても同様に説明される。
また、以下では、図1に示すように、X線タルボ撮影装置1が、上側に設けられた放射線源2から下方の被写体に向けて放射線を照射するように構成されている場合について説明するが、本発明はこの場合に限定されず、放射線源2から放射線を水平方向や任意の方向に照射して被写体のモアレ画像Moを撮影するように構成することも可能である。
本実施形態では、放射線源2は、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線源や回転陽極X線源等を備えているが、それ以外のタイプの放射線源(管球)を備えるように構成することも可能である。
そして、本実施形態では、放射線源2の、放射線の照射方向(すなわちz方向)下流側に線源格子20が設けられているが、放射線源2の振動が線源格子20等に伝わらないようにするために、本実施形態では、線源格子20は、放射線源2に取り付けられるのではなく、支柱7に取り付けられた固定部材4に取り付けられるようになっている。なお、図示を省略するが、固定部材4には、線源格子20のほか、線源格子20を透過した放射線の線質を変えるためのろ過フィルター(付加フィルター等ともいう。)や、照射される放射線の照射野を絞るための照射野絞り等が取り付けられている。
そして、線源格子20の、放射線の照射方向(すなわちz方向)下流側には、被写体を載置可能な被写体台5や、第1格子21や第2格子22、放射線検出器23(後述する図4参照)等を防護するためのカバーユニット6が設けられている。なお、図示を省略するが、被写体台5上に保持装置を配置したり、被写体台5に保持装置を設ける等して、被写体を保持装置で保持して、被写体の位置や放射線の照射方向に対する角度等を固定するように構成することも可能である。
図4に示すように、カバーユニット6内には、第1格子21や第2格子22、放射線検出器23等が配置されている。そして、その際、前述したように、放射線源2から照射され第1格子21を透過した放射線が第1格子21からz方向に一定の間隔で自己像を結ぶ位置に第2格子22が配置されるように、第1格子21と第2格子22との間隔を調整することができるようになっている。
また、第2格子22の直下に放射線検出器23が配置され、上記のように第2格子22上に生じたモアレ画像Moが放射線検出器23で撮影されるようになっている。なお、図示を省略するが、放射線検出器(FPD)23は、照射された放射線に応じて電気信号を生成する変換素子が二次元状(マトリクス状)に配置されて構成されており、変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取ることで上記のモアレ画像Moを変換素子ごとの画像信号として撮影するようになっている。
また、X線タルボ撮影装置1がいわゆる縞走査法を用いてモアレ画像Moを複数枚撮影するように構成されている場合には、第1格子21と第2格子22との相対位置を図4におけるx軸方向(すなわちスリットSの延在方向(y軸方向)に直交する方向)にずらしながらモアレ画像Moを複数枚撮影するため、第1格子21と第2格子22との相対位置をx軸方向ずらすための図示しない移動装置等が設けられる。なお、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを1枚撮影し、それをフーリエ変換する等して微分位相画像等を再構成して生成するように構成されている場合には移動装置等を設ける必要はない。
なお、図示を省略するが、X線タルボ撮影装置1で撮影されたモアレ画像Moはコントローラーや画像処理装置に送信され、コントローラーや画像処理装置は、放射線検出器23で撮影された1枚或いは複数枚のモアレ画像Moに基づいて吸収画像や微分位相画像等を再構成して生成するように構成される。
[格子の湾曲構造について]
次に、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1における各格子(線源格子20や第1格子21、第2格子22)を湾曲させるための構成等について詳しく説明する。なお、図2や図4では、第1格子21等が平面状であるように記載されているが、本実施形態では、実際には、各格子20、21、22の放射線入射面Rのどの部分においても放射線入射面Rの法線方向に入射するようにするために、各格子20、21、22が、放射線源2の一点(すなわち放射線源2の図示しない焦点或いは放射線源2の図示しない出射口の位置等)を中心とする円弧状に湾曲されている。なお、以下では、第1格子21の場合を例示して説明するが、線源格子20や第2格子22を湾曲させる場合にも同様に構成される。
本実施形態では、図5(A)、(B)や図6に示すように、第1格子21は、湾曲された状態でホルダー30に保持されるようになっている。そして、ホルダー30は、受け部31と、押さえ部32と、弾性部材33とを備えている。なお、図5(A)は、第1格子21をホルダー30に取り付けた状態を表す斜視図であり、図5(B)は、図5(A)のA−A線に沿う断面図である。また、図6は、ホルダー30の分解図である。
なお、本実施形態では、第1格子21等の各格子はそれぞれ1枚のシリコンウェハー等で形成されており、ホルダー30の受け部31や押さえ部32等は硬さや加工容易性、価格等の観点からアルミニウムや鉄等で形成されているが、格子やホルダー30を構成する材質がどのような材質であっても本発明を適用することができる。また、図5(A)、(B)や図6において、放射線は図中上側から下向き(z方向)に照射される。
また、以下の説明では、図中上側すなわち放射線の照射方向上流側を上側や上方等とし、図中下側すなわち放射線の照射方向下流側を下側や下方等として説明するが、前述したように、例えば、X線タルボ撮影装置1の放射線源2から放射線を水平方向に照射してモアレ画像Moを撮影するように構成するような場合には、放射線の照射方向上流側や照射方向下流側が左右方向になることは言うまでもない。
さらに、図5(A)や図6では、第1格子21にスリットSが代表して1本のみ記載されており、図5(B)ではスリットSの記載が省略されているが、前述したように、第1格子21には、スリットSが多数設けられている。
本実施形態では、基本的に、ホルダー30の受け部31を第1格子21の下側(すなわち第1格子21の放射線出射面r側)に配置し、ホルダー30の押さえ部32を第1格子21の上側(すなわち第1格子21の放射線入射面R側)に配置し、第1格子21の周縁部を、ホルダー30の受け部31と押さえ部32とで上下方向から挟み付けて保持するようになっている。
そして、本実施形態では、図5(B)に示すように、ホルダー30の受け部31と押さえ部32の周縁部を全周にわたってネジ34で締結することで、受け部31と押さえ部32で第1格子21を挟持するようになっている。ホルダー30の受け部31と押さえ部32の周縁部の所定の位置のみをネジ34で締結すると、第1格子21の高い剛性で、ネジ34で締結していない部分で第1格子21が的確に湾曲しない場合が生じ得るが、本実施形態のようにホルダー30の受け部31と押さえ部32の周縁部を全周にわたってネジ34で締結することで、そのような事態が生じることを的確に防止して、受け部31と押さえ部32で第1格子21(および後述する弾性部材33)を均一な力で挟持することが可能となる。
また、本実施形態では、ホルダー30は、第1格子21を押圧する受け部31の受け面31B(すなわちホルダー30の受け部31の、後述する開口部31Aを除く額縁状の受け面31Bの部分)に所定の曲率でカーブが付けられている。また、第1格子21や弾性部材33を介して受け部31のそれらの受け面31Bに対向する押さえ部32の押さえ面32B(すなわちホルダー30の押さえ部32の、後述する開口部32Aを除く額縁状の押さえ面32Bの部分)にも所定の曲率でカーブが付けられている。すなわち、本実施形態では、ホルダー30の受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bは、前述した放射線源2の一点(すなわち放射線源2の図示しない焦点或いは放射線源2の図示しない出射口の位置等)を中心とする円弧状に湾曲されている。
そして、第1格子21をホルダー30で保持する際、第1格子21が、放射線の照射方向下流側(図中下側)に設けられた受け部31の、カーブが付けられた受け面31Bと、放射線の照射方向上流側(図中上側)に設けられた押さえ部32の、カーブが付けられた押さえ面32Bとの間で挟持されることにより、前述したように、放射線源2の一点(すなわち放射線源2の図示しない焦点或いは放射線源2の図示しない出射口の位置等)を中心とする円弧状に湾曲されるようになっている。
なお、ホルダー30の受け部31と押さえ部32を製造する際には、受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bは、上記のように、放射線源2の一点(すなわち放射線源2の図示しない焦点或いは放射線源2の図示しない出射口の位置等)を中心とする円弧状に湾曲するように製造されるが、機械による加工精度には限界があるため、実際には、受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bとが寸分の狂いもなく放射線源2の一点を中心とする円弧状になることはない。そのため、本願では「放射線源2の一点を中心とする円弧状」と表現するが、それには機械による加工の誤差が含まれる。
一方、本実施形態では、第1格子21の放射線入射面Rとホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bとの間に弾性部材33が配置されている。なお、図5(A)(B)や図6では、第1格子21と押さえ部32との間に弾性部材33が配置されている場合を示したが、後述する図9(A)、(B)に示すように、第1格子21の放射線出射面rとホルダー30の受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33を配置するように構成することも可能である。
そして、ホルダー30の受け部31や押さえ部32と、弾性部材33には、第1格子21に照射される放射線を遮らないようにするための開口部31A、32A、33Aがそれぞれ設けられている。その際、放射線が第1格子21に照射された際に、放射線がホルダー30の受け部31や押さえ部32等に当たり反射されたり散乱されたりして悪影響が生じるような場合には、例えば、受け部31や押さえ部32を鉛等の放射線を透過しない金属で形成したり、或いは、受け部31の表面のうち放射線が当たりそうな部分等に鉛等の金属層を設ける等することも可能である。
[作用]
次に、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1、特に線源格子20、第1格子21、第2格子22の各格子部分の作用について説明する。
なお、以下においても、第1格子21の場合を例示して説明するが、線源格子20や第2格子22の各部分についても同様に説明される。また、以下においても、第1格子21とホルダー30の押さえ部32との間に弾性部材33が配置されている場合について説明するが、第1格子21の放射線出射面rと受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33を配置する場合についても同様に説明される。
前述したように、特許文献2に記載された回折格子は、複数の小格子を並べて第1、第2の支持基板で挟み込んで1枚の接合格子板を形成し、接合格子板を凹面ステージと凸面ステージとで挟み付けることで接合格子板を湾曲させる。そのため、接合格子板が、本実施形態における第1格子21(線源格子20、第2格子22)に対応し、凹面ステージと凸面ステージが、本実施形態におけるホルダー30の受け部31と押さえ部32に対応する。
そして、この特許文献2に記載された回折格子を含む従来の格子部分では、第1格子21(特許文献2では接合格子板)と、ホルダー30の受け部31や押さえ部32(特許文献2では凹面ステージや凸面ステージ)との間に、本実施形態のような弾性部材33が設けられていない。
前述したように、ホルダー30の受け部31と押さえ部32を製造する際には、受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bとが放射線源2の一点を中心とする円弧状になるように製造しようとしても、機械による加工精度に限界があるため、実際には、受け部31の受け面31Bと押さえ部32の押さえ面32Bの円弧の中心が必ずしも正確に放射線源2の同じ一点になるとは限らない。
そのため、第1格子21(接合格子板)とホルダー30の受け部31や押さえ部32(凹面ステージや凸面ステージ)との間に本実施形態のような弾性部材33を設けない場合、第1格子21(接合格子板)を挟んだ状態で受け部31と押さえ部32(凹面ステージと凸面ステージ)をネジ34(図5(B)参照)で締結すると、図7(A)に示すように、例えば押さえ部32(凸面ステージ)の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心が、受け部31(凹面ステージ)の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側に近い状態になっている場合には、第1格子21(接合格子板)と押さえ部32(凸面ステージ)とが略中央の位置で点当たりする状態になる。
また、図7(B)に示すように、例えばホルダー30の押さえ部32(凸面ステージ)の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心が、受け部31(凹面ステージ)の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側から遠い状態になっている場合には、第1格子21(接合格子板)と受け部31(凹面ステージ)とが両端の位置で点当たりする状態になる。なお、第1格子21がシリコンウェハー等の剛性がある材質で形成されている場合、第1格子21は、図7(B)に示すように、押さえ部32(凸面ステージ)の押さえ面32Bに沿う状態になる。
なお、図7(A)、(B)は、弾性部材33を設けない場合の図5(A)のB−B線に沿う概略断面図であり、後述する図8(A)、(B)、図9(A)、(B)は、弾性部材33を設ける本実施形態の場合の図5(A)のB−B線に沿う概略断面図である。
また、図7(A)、(B)や後述する図8(A)、(B)、図9(A)、(B)では、理解し易くするために、ホルダー30の受け部31(凹面ステージ)と押さえ部32(凸面ステージ)の円弧の曲率や曲率半径の違いが実際よりも強調されて記載されている。実際には両者が形成する円弧の図示しない中心の位置にはほとんど違いはないが、上記のように機械による加工精度の限界のために中心の位置に僅かに違いが生じる。そのため、図7(A)、(B)に示すように、第1格子21(接合格子板)と受け部31(凹面ステージ)や押さえ部32(凸面ステージ)とが点当たりする状態になる。
そして、上記のように、第1格子21(接合格子板)とホルダー30の受け部31や押さえ部32(凹面ステージや凸面ステージ)とが点当たりする状態になると、点当たりしている部分に応力が集中するため、前述した特許文献1の図6に示された方法の場合と同様に、点当たりの部分で第1格子21が割れるなど第1格子21が損傷する場合がある。
それに対し、本実施形態のように、第1格子21の放射線入射面Rとホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bとの間に弾性部材33を配置することで、図8(A)、(B)に示すような状態になる。なお、図8(A)、(B)はそれぞれ図7(A)、(B)に対応しており、ホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心が、受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側に近い状態になっている状態(図8(A))或いは前者が形成する円弧の図示しない中心が後者が形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側から遠い状態になっている状態(図8(B))だが、第1格子21の放射線入射面Rと押さえ部32の押さえ面32Bとの間に弾性部材33が配置されている状態を表している。
すなわち、第1格子21の放射線入射面Rとホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bとの間に弾性部材33を配置することで、受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に僅かに違いがあるとしても、図8(A)、(B)に示すように、弾性部材33が押さえ部32の押圧力で適宜に収縮して(すなわち潰れて)、第1格子21を、受け部31の受け面31Bに全面的に押し付ける状態になる。すなわち点当たりではなく、第1格子21の周縁部(図6参照)が受け部31の受け面31Bに面接触する状態になる。そのため、第1格子21は、放射線入射面R側が弾性部材33に全面的に圧接されるとともに、放射線出射面r側が受け部31の受け面31Bに全面的に圧接される状態になる。
そのため、第1格子21の放射線入射面Rとホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bとの間に弾性部材33を配置することで、第1格子21と、ホルダー30の押さえ部32とが点当たりする状態になることを的確に防止することが可能となるだけでなく、押さえ部32の押さえ面32Bからの押圧力によって第1格子21が受け部31の受け面31Bや弾性部材33と面当たりする状態になる。そのため、点当たりの場合のような応力集中が生じることがないため、第1格子21に割れる等の損傷が生じることが的確に防止される。
また、第1格子21が押し付けられるホルダー30の受け部31の受け面31Bの曲率が一定になるように予め加工しておけば、受け部31の受け面31Bに面当たりしている第1格子21が、受け部31の受け面31Bの曲率と同じ曲率(すなわち一定の曲率)で湾曲する状態になる。すなわち、第1格子21が、受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心(すなわち前述した放射線源2の一点)と同じ点を中心とする円弧状に湾曲する状態になる。
一方、例えば図9(A)、(B)に示すように、第1格子21の放射線出射面rとホルダー30の受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33を配置するように構成することも可能である。なお、図9(A)、(B)もそれぞれ図7(A)、(B)に対応しており、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心が、受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側に近い状態になっている状態(図9(A))或いは前者が形成する円弧の図示しない中心が、後者が形成する円弧の図示しない中心よりもホルダー30側から遠い状態になっている状態(図9(B))だが、第1格子21の放射線出射面rと受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33が配置されている状態を表している。
そして、このように、第1格子21の放射線出射面rとホルダー30の受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33を配置する場合も、受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に僅かに違いがあるとしても、図9(A)、(B)に示すように、弾性部材33が受け部31の押圧力で適宜に収縮して、第1格子21を、押さえ部32の押さえ面32Bに全面的に押し付ける状態になる。そのため、第1格子21は、放射線出射面r側が弾性部材33に全面的に圧接されるとともに、放射線入射面R側が押さえ部32の押さえ面32Bに全面的に圧接される状態になる。
そのため、第1格子21の放射線出射面rとホルダー30の受け部31の受け面31Bとの間に弾性部材33を配置することで、第1格子21と、受け部31や押さえ部32とが点当たりする状態になることを的確に防止することが可能となるだけでなく、受け部31の受け面31Bからの押圧力によって第1格子21が押さえ部32の押さえ面32Bや弾性部材33と面当たりする状態になる。そのため、点当たりの場合のような応力集中が生じることがないため、第1格子21に割れる等の損傷が生じることが的確に防止される。
また、第1格子21が押し付けられるホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bの曲率が一定になるように予め加工しておけば、押さえ部32の押さえ面32Bに面当たりしている第1格子21が、押さえ部32の押さえ面32Bの曲率と同じ曲率(すなわち一定の曲率)で湾曲する状態になる。すなわち、第1格子21が、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心(すなわち前述した放射線源2の一点)と同じ点を中心とする円弧状に湾曲する状態になる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1によれば、第1格子21等(すなわち線源格子20や第1格子21、第2格子22)をホルダー30で保持する際に、第1格子21等の放射線入射面Rと押さえ部32の押さえ面32Bとの間、或いは第1格子等の放射線出射面rと受け部31の受け面31Bとの間に、弾性部材33を配置するように構成した。
そのため、機械による加工精度の限界でホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に違いがある場合であっても、弾性部材33が押し付け部材32や受け部31の押圧力で適宜に収縮して、第1格子21を、受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32Bに全面的に押し付ける状態、すなわち面当たりの状態にすることが可能となる。
このように、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1では、第1格子21等をホルダー30で保持する際に、点当たりのような応力集中が生じないため、第1格子21等が割れる等の損傷が生じることを的確に防止することが可能となる。
また、第1格子21が押し付けられるホルダー30の受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32Bの曲率が一定になるように予め加工しておくことで、それらに面当たりする第1格子21等の曲率が一定の曲率になり、第1格子21等を一定の曲率で的確に湾曲させることが可能となる。そのため、第1格子21等を、放射線源2の一点(図1や図2参照)を中心とする円弧状に的確に湾曲させることが可能となる。
そのため、第1格子21等の放射線入射面Rのどの部分においても、放射線が放射線入射面Rの法線方向に入射するようになるため、ケラレの問題が生じることを的確に防止することが可能となり、放射線を的確に透過させることが可能となる。また、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1では、それとともに、ホルダー30の受け部31や押さえ部32、弾性部材33には、第1格子21等に照射される放射線を遮らないようにするための開口部31A、32A、33Aがそれぞれ設けられているため、受け部31や押さえ部32、弾性部材33で放射線が反射されたり散乱されたりすることなく、放射線を的確に透過させることが可能となる。
なお、本実施形態では、上記のように、機械による加工精度に限界があるが、基本的には、ホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の中心の位置と、押さえ部32の押さえ面31Bが形成する円弧の中心の位置とが、放射線源2の同じ一点(すなわち放射線源2の図示しない焦点或いは放射線源2の図示しない出射口の位置等)になるように受け部31や押さえ部32を形成することを前提として説明した。
しかし、上記の説明からも分かるように、例えば図8(A)、(B)に示したように、ホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に違いがあったとしても、第1格子21等の放射線入射面Rとホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bとの間に配置された弾性部材33が、押さえ部32の押圧力で適宜に収縮して(すなわち潰れて)第1格子21等を受け部31の受け面31Bに全面的に押し付ける状態になれば、弾性部材33により第1格子21等が受け部31の受け面31Bから浮くことなく的確に面当たりする状態になり、第1格子21等をホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心(すなわち前述した放射線源2の一点)と同じ点を中心とする円弧状に(すなわち所定の曲率で)的確に湾曲させることができる。
また、例えば図9(A)、(B)に示したように、ホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に違いがあったとしても、第1格子21等の放射線出射面rとホルダー30の受け部31の受け面31Bとの間に配置された弾性部材33が、受け部31や押さえ部32の押圧力で適宜に収縮して(すなわち潰れて)第1格子21等を押さえ部32の押さえ面32Bに全面的に押し付ける状態になれば、弾性部材33により第1格子21等が押さえ部32の押さえ面32Bから浮くことなく的確に面当たりする状態になり、第1格子21等をホルダー30の押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心(すなわち前述した放射線源2の一点)と同じ点を中心とする円弧状に(すなわち所定の曲率で)的確に湾曲させることができる。
そのため、弾性部材33が受け部31や押さえ部32の押圧力で適宜に収縮して(すなわち潰れて)、第1格子21等を、ホルダー30の第1格子21等を受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32Bから浮くことなく的確に面当たりする状態を形成することが可能である限りにおいて、ホルダー30の受け部31の受け面31Bが形成する円弧の図示しない中心の位置と、押さえ部32の押さえ面32Bが形成する円弧の図示しない中心の位置に違いがあってもよい。
そして、この場合、弾性部材33により第1格子21等が押し付けられる側の面(すなわちホルダー30の受け部31の受け面31B(図8(A)、(B)の場合)或いは押さえ部32の押さえ面32B(図8(A)、(B)の場合))が放射線源2の一点を中心とする円弧状に的確に湾曲されて形成されていれば、上記のようにして弾性部材33により第1格子21等を当該面に押し付けて当該面と面当たりさせることで、第1格子21等を、当該面と同じ所定の曲率で的確に湾曲させることが可能となる。
[弾性部材等のより詳細な構成等について]
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1の上記の有益な効果をより的確に発揮させるために、以下のように構成することが好ましい。
[構成1]
本実施形態では、上記のように、弾性部材33が、ホルダー30の押さえ部32の押圧力(図8(A)、(B)の場合)や受け部31の押圧力(図9(A)、(B)の場合)で適宜に潰れて、第1格子21を、受け部31の受け面31B(図8(A)、(B)の場合)や押さえ部32の押さえ面32B(図9(A)、(B)の場合)に全面的に押し付ける、すなわち面当たりさせる状態になる。
そして、この状態を的確に形成するためには、弾性部材33の厚みは1.6mm以上であることが好ましいことが分かっている。そして、弾性部材33は、1cmあたり400g荷重をかけた際に潰しシロ(すなわち厚みの変化量)が0.6〜0.7mmの範囲であることが好ましい。
弾性部材33が軟らかすぎると、弾性部材33の押圧力で剛性が高い第1格子21等を押し付けることが困難になり、図7(B)に示した場合のように第1格子21等がホルダー30の受け部31の受け面31B等から浮いた状態になり、第1格子21等を所定の曲率や所定の円弧状に保つことができなくなる。他方、弾性部材33が硬すぎると、弾性部材33や第1格子21等を挟み込んだ状態で受け部31と押さえ部32をネジ34(図5(B)参照)で締結すると、弾性部材33や第1格子21等の剛性で、受け部31や押さえ部32が変形してしまい、受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32B(すなわち第1部材21等を押し付ける側の面)の曲率や円弧が、所定の曲率や円弧からずれてしまう状態になる。
そして、弾性部材33が上記の程度の硬度(或いは柔軟性)であれば、上記のような各状態が生じることを的確に防止して、第1格子21等をホルダー30で保持することで第1格子21等を的確に湾曲させて適切な曲率とすることが可能となる。すなわち、第1格子21を、それが当接する側(すなわちホルダー30の受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32B)が形成する円弧の図示しない中心(すなわち前述した放射線源2の一点)と同じ点を中心とする円弧状に的確に湾曲させることが可能となる。
[構成2]
例えば、図10(A)に示すように、弾性部材33を、第1格子21等とホルダー30の押さえ部32との間に配置する場合に、弾性部材33の端部が、第1格子21等が当接している(すなわち弾性部材33を介さずに接している)受け部31の受け面31Bの端部αより外側にはみ出していると、押さえ部32で弾性部材33を押圧した際に、受け部31の受け面31Bの端部αの部分で応力集中が生じ、第1格子21等がその部分で割れる等の損傷が生じる場合がある。
これは、弾性部材33を、第1格子21等とホルダー30の受け部31との間に配置する場合も同様であり、図10(B)に示すように、弾性部材33の端部が、第1格子21等が当接している押さえ部32の押さえ面32Bの端部βより外側にはみ出していると、受け部31で弾性部材33を押圧した際に、押さえ部32の押さえ面32Bの端部βの部分で応力集中が生じ、第1格子21等がその部分で割れる等の損傷が生じる場合がある。
そのため、弾性部材33は、例えば図5(B)に示したように、その端部が、第1格子21等と当接している側のホルダー30の面(すなわち受け部31の受け面31Bや押さえ部32の押さえ面32B)の端部の外側にははみ出さないように構成されていることが好ましい。このように構成すれば、第1格子21等がその部分で割れる等の損傷が生じることを的確に防止することが可能となる。
[温度によるホルダー等の変形等に対する対策について]
一方、上記のように、例えば、ホルダー30の受け部31や押さえ部32がアルミニウムや鉄等で形成されており、第1格子21等がシリコンウェハー等で形成されていると、アルミニウムや鉄等とシリコンウェハーでは熱膨張係数が異なるため、温度が上昇した場合等に、受け部31や押さえ部32の変形の大きさと、第1格子21等の格子の変形の大きさが異なる大きさになる。
そのため、例えば、第1格子21等が受け部31内で位置ズレを起こす等して、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを適切に撮影することができなくなる等の問題が生じ得る。
[構成3]
アルミニウムの熱膨張係数が約23×10−6/Kであり、鉄の熱膨張係数が約12×10−6/Kであるのに対し、シリコンウェハーの熱膨張係数は約3.3×10−6/Kであるため、シリコンウェハーの熱膨張係数に対するアルミニウムや鉄の熱膨張係数の比は、約7倍(Al)や約3.6倍(Fe)になっている。そして、この熱膨張係数の違いが、上記のように温度が上昇した場合等に、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こす原因の1つとなっていると考えられる。
そして、本発明者らが、熱膨張係数が小さいことで知られるインバー(invar。Fe−Ni合金の一種。熱膨張係数は1.5×10−6/K)でホルダー30の受け部31や押さえ部32を形成し、弾性部材33やシリコンウェハーで形成された第1格子21等をそれらで挟持するように構成したところ、X線タルボ撮影装置1の通常の使用状態における温度上昇の範囲内では、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことはなかった。
そして、本発明者らが、ホルダー30の受け部31および押さえ部32や、第1格子21等の格子を、熱膨張係数が異なる種々の材料で形成して、温度を変化させたところ、第1格子21等の格子の熱膨張係数に対する受け部31および押さえ部32の熱膨張係数の差の絶対値が4×10−6以下の範囲であれば、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことがなく、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを適切に撮影することが可能となることが分かった。
一方、本発明者らが研究したところでは、上記の構成3のように構成してもよいが、上記の構成3のように構成しなくても、以下のように構成することで、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことがなく、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを適切に撮影することが可能となることが分かっている。
[構成4]
上記のように、第1格子21等と当接するホルダー30の受け部31の受け面31B(図8(A)、(B)参照)や押さえ部32の押さえ面32B(図9(A)、(B)参照)の表面を、例えばアルマイト処理したりフッ素コーティング等で表面加工する等して、表面を滑り易くするための表面加工を施すことが効果的である。
例えば、このような表面加工が施されていないと、温度が上昇して、第1格子21等と当接しているホルダー30の受け部31や押さえ部32が例えば図8(A)、(B)や図9(A)、(B)に示した状態から図中左右方向に伸びた際に、第1格子21等が受け部31や押さえ部32に引き摺られて図中の左方向或いは右方向に移動し得る。そして、このように第1格子21等が移動することで、ホルダー30内で第1格子21等の位置ズレが生じる。
しかし、上記のように、第1格子21等と当接する側の表面を滑り易くなるように表面加工すると、温度が上昇して、第1格子21等と当接しているホルダー30の受け部31や押さえ部32が例えば図8(A)、(B)や図9(A)、(B)に示した状態から図中左右方向に伸びても、第1格子21等は、受け部31や押さえ部32に引き摺られて移動することなく、元の位置に留まる。
そのため、上記のように表面加工を施すことで、温度が上昇しても、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことを的確に防止することが可能となり、X線タルボ撮影装置1でモアレ画像Moを適切に撮影することが可能となる。
[構成5]
また、上記の構成1では、弾性部材33が、ホルダー30の押さえ部32の押圧力(図8(A)、(B)の場合)や受け部31の押圧力(図9(A)、(B)の場合)で適宜に潰れて、第1格子21を、受け部31の受け面31B(図8(A)、(B)の場合)や押さえ部32の押さえ面32B(図9(A)、(B)の場合)に適切に面当たりさせる状態になるための弾性部材33の好適な硬度(或いは柔軟性)について説明した。
一方、弾性部材33が適度な硬度(或いは柔軟性)を有していると、上記のように、温度が上昇して、ホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びても、弾性部材33が適切に変形して、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことを防止することができることが分かっている。
すなわち、温度が上昇すると、図11に示すように、ホルダー30の受け部31や押さえ部32が元の状態(図中の一点鎖線参照)から左右に伸びる。その際、弾性部材33が硬すぎると(すなわち変形しにくいと)、受け部31や押さえ部32とともに弾性部材33が左右に伸びる際に、第1格子21等を図中の左方向或いは右方向に引き摺ってしまい、ホルダー30内で第1格子21等の位置ズレが生じる場合がある。
しかし、弾性部材33が適度な硬度(或いは柔軟性)を有していると、図11に示すように、弾性部材33は、ホルダー30の押さえ部32(或いは図9(A)、(B)のように構成した場合には受け部31)に当接する面側が、左右に伸びる押さえ部32に引き摺られて左右に移動して、弾性部材33が変形する。
その際、弾性部材33は、左右で対称的に変形するため(すなわち例えば弾性部材33の図中左側の部分の方が右側の部分よりも大きく変形する等の現象が生じないため)、第1格子21等を図中の左右方向に均等に(すなわち同じ力で)引っ張る状態になる。そのため、第1格子21等は図中の左右方向には移動しない。そのため、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こすことを防止することが可能となる。
このように、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こさないようにするために弾性部材33に求められる硬度を本発明者らが研究したところ、デュロメータ硬さ(国際規格ISO7619に準拠)でA15以下であれば好ましいことが分かっている。
[構成6]
なお、上記のように、ホルダー30内で第1格子21等が位置ズレを起こさないようにするためには、弾性部材33が柔軟に変形することが好ましいが、弾性部材33に変形を生じさせ易くするために、例えば、弾性部材33の、ホルダー30の押さえ部32(或いは図9(A)、(B)のように構成した場合には受け部31)に当接する面に、図12(A)に示すように溝状の、或いは図12(B)に示すように円形状等の所定の形状の凹部33dを形成するように構成することが可能である。
また、図12(B)に示す円形状等の所定の形状の凹部を貫通穴33hとして形成することも可能である。そして、図12(B)に示すように、所定の形状の凹部33dや穴33hを規則的に形成することも可能であり、或いはランダムに形成することも可能である。なお、図12(A)、(B)では、溝状の凹部33dや所定の形状の凹部33dや穴33hを、弾性部材33の所定の辺(すなわち第1格子21等のスリットS(図6参照)に平行な辺)の部分にのみ形成する場合を示したが、弾性部材33の全ての辺に設けることも可能である。
このように構成すれば、凹部33dや穴33hが存在することにより弾性部材33がより容易に変形するようになり、温度が上昇してホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びても、弾性部材33が的確に変形して、第1格子21等を均等に引っ張る状態になり、第1格子21等が移動しないため、ホルダー30内で第1格子21等の位置ズレが生じることを的確に防止することが可能となる。
また、このように構成すれば、弾性部材33の硬度がデュロメータ硬さでA15より大きい場合でも、弾性部材33に凹部33dや穴33hを的確に形成することで、ホルダー30内で第1格子21等の位置ズレが生じることを的確に防止することが可能となる。
[温度による第1格子等の変形を防止するための構成等について]
ところで、例えば図13(A)に示す状態から、温度が上昇してホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びると、図13(B)に示すように、受け部31や押さえ部32に挟持された第1格子21等が、図13(A)に示した元の状態から曲率が小さくなる(すなわち曲率半径が大きくなる)ように変化する場合がある。
そして、第1格子21等の曲率が変化してしまうと、放射線が、湾曲した第1格子21等の法線方向に入射しなくなるため、上記のケラレの問題が生じる可能性がある。なお、図13(A)、(B)や後述する図14では、ホルダー30の受け部31や押さえ部32等の変形や曲がり具合等が実際よりも強調されて記載されている。
そこで、このように、温度が上昇してホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びることにより第1格子21等の曲率が変わってしまうことを防止するために、受け部31を、押さえ部の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料で形成するように構成することが可能である。
このように構成すると、例えば図14(A)に示す状態から、温度が上昇してホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びると、受け部31の方が押さえ部32よりも熱膨張係数が大きいため、図14(B)に示すように、受け部31が押さえ部32から離れる方向に撓む状態になる。なお、このように受け部31が撓んでも弾性部材33が第1格子21等を受け部31に押し付けるため、第1格子21等の曲率は、撓んだ受け部31の曲率と同じになる。
そして、ホルダー30の受け部31の熱膨張係数や押さえ部32の熱膨張係数を適切に調整することで、温度が上昇して撓んだ受け部31の曲率と、温度が上昇する前の受け部31の曲率とが同じ曲率(或いはケラレの問題が生じない程度に同等の曲率)になるように構成することができる。
そのため、上記のように構成することで、温度が上昇してホルダー30の受け部31や押さえ部32が伸びても受け部31が的確に撓むため、受け部31や押さえ部32が伸びる前と後での第1格子21等の曲率を同じ(或いはケラレの問題が生じない程度に同等)にすることが可能となり、温度上昇によってケラレの問題が生じることを的確に防止することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、線源格子20や第1格子21、第2格子22がシリコンウェハーで形成されている場合について説明したが、それらの格子が別の材料で形成されている場合にも、本発明を適用することが可能である。
また、本発明が上記の実施形態や変形例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 X線タルボ撮影装置
2 放射線源
20 線源格子(格子、複数の格子)
21 第1格子(格子、複数の格子)
22 第2格子(格子、複数の格子)
23 放射線検出器
30 ホルダー
31 受け部
31A 開口部
31B 受け面
32 押さえ部
32A 開口部
32B 押さえ面
33 弾性部材
33A 開口部
33d 凹部
33h 穴
34 ネジ
Mo モアレ画像
R 放射線入射面(格子の一方側の面)
r 放射線出射面(反対側の面)
S スリット
α、β 端部

Claims (10)

  1. スリットが形成された複数の格子と、
    複数の前記格子を透過するように放射線を照射する放射線源と、
    モアレ画像を撮影する放射線検出器と、
    前記格子を保持するホルダーと、
    を備え、
    前記ホルダーは、カーブが付けられた受け面を有する受け部と、カーブが付けられた押さえ面を有する押さえ部とを有し、
    前記格子は、前記ホルダーの前記受け部の受け面と前記押さえ部の押さえ面との間で挟持されることにより、前記放射線源の一点を中心とする円弧状に湾曲されており、
    前記格子の一方側の面と前記押さえ部の押さえ面との間、または、前記格子の前記一方側の面とは反対側の面と前記受け部の受け面との間に、弾性部材が配置されており、
    前記ホルダーの前記受け部および前記押さえ部と前記弾性部材には、前記格子に照射される放射線を遮らないようにするための開口部がそれぞれ設けられていることを特徴とするX線タルボ撮影装置。
  2. 前記ホルダーの受け部の受け面と押さえ部の押さえ面とは、前記放射線源の一点を中心とする円弧状に湾曲されていることを特徴とする請求項1に記載のX線タルボ撮影装置。
  3. 前記ホルダーの受け部の受け面または押さえ部の押さえ面の少なくとも一方が前記放射線源の一点を中心とする円弧状に湾曲されており、
    前記格子は、前記弾性部材により、前記円弧状に湾曲されている前記受け面または前記押さえ面に全面的に押し付けられていることを特徴とする請求項1に記載のX線タルボ撮影装置。
  4. 前記弾性部材は、その端部が、前記格子と当接している前記ホルダーの前記受け部の前記受け面の端部または前記ホルダーの前記押さえ部の前記押さえ面の端部の外側にははみ出さないように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  5. 前記格子および前記弾性部材を挟持した状態の前記ホルダーの前記受け部と前記押さえ部が、その周縁部を全周にわたってネジで締結されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  6. 前記格子と当接する前記ホルダーの前記受け部の前記受け面または前記押さえ部の前記押さえ面が、滑り易くするために表面加工されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  7. 前記格子の熱膨張係数に対する前記ホルダーの前記受け部および前記押さえ部の熱膨張係数の差の絶対値が4×10−6以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  8. 前記弾性部材は、硬度がデュロメータ硬さでA15以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  9. 前記弾性部材は、前記ホルダーの前記受け部または前記押さえ部に当接する面に凹部または穴が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
  10. 前記ホルダーの前記受け部は、前記押さえ部の熱膨張係数より大きい熱膨張係数を有する材料で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載のX線タルボ撮影装置。
JP2015108208A 2015-05-28 2015-05-28 X線タルボ撮影装置及び格子保持具 Active JP6515682B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015108208A JP6515682B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 X線タルボ撮影装置及び格子保持具
US15/157,714 US10078058B2 (en) 2015-05-28 2016-05-18 X-ray talbot capturing apparatus
EP16170043.0A EP3101661B1 (en) 2015-05-28 2016-05-18 X-ray talbot capturing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015108208A JP6515682B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 X線タルボ撮影装置及び格子保持具

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016220787A true JP2016220787A (ja) 2016-12-28
JP2016220787A5 JP2016220787A5 (ja) 2017-12-28
JP6515682B2 JP6515682B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=56014875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015108208A Active JP6515682B2 (ja) 2015-05-28 2015-05-28 X線タルボ撮影装置及び格子保持具

Country Status (3)

Country Link
US (1) US10078058B2 (ja)
EP (1) EP3101661B1 (ja)
JP (1) JP6515682B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019005048A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 株式会社島津製作所 X線位相差イメージング装置
EP3434749A1 (en) 2017-07-24 2019-01-30 Konica Minolta, Inc. Scintillator

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6753342B2 (ja) * 2017-03-15 2020-09-09 株式会社島津製作所 放射線格子検出器およびx線検査装置
JP7020169B2 (ja) * 2018-02-23 2022-02-16 コニカミノルタ株式会社 X線撮影システム

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57501599A (ja) * 1980-09-10 1982-09-02
JP2007206075A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Siemens Ag X線装置の焦点−検出器装置
JP2012013530A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Fujifilm Corp 回折格子及びその製造方法、並びに放射線撮影装置
CN104062735A (zh) * 2014-06-05 2014-09-24 中国科学院西安光学精密机械研究所 大口径衍射光栅的夹持装置及夹持方法
WO2015008524A1 (ja) * 2013-07-16 2015-01-22 コニカミノルタ株式会社 X線撮影装置及びx線撮影方法
JP2015037532A (ja) * 2013-07-16 2015-02-26 キヤノン株式会社 線源格子、干渉計及び被検体情報取得システム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57501599A (ja) * 1980-09-10 1982-09-02
JP2007206075A (ja) * 2006-02-01 2007-08-16 Siemens Ag X線装置の焦点−検出器装置
JP2012013530A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Fujifilm Corp 回折格子及びその製造方法、並びに放射線撮影装置
WO2015008524A1 (ja) * 2013-07-16 2015-01-22 コニカミノルタ株式会社 X線撮影装置及びx線撮影方法
JP2015037532A (ja) * 2013-07-16 2015-02-26 キヤノン株式会社 線源格子、干渉計及び被検体情報取得システム
CN104062735A (zh) * 2014-06-05 2014-09-24 中国科学院西安光学精密机械研究所 大口径衍射光栅的夹持装置及夹持方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019005048A (ja) * 2017-06-22 2019-01-17 株式会社島津製作所 X線位相差イメージング装置
EP3434749A1 (en) 2017-07-24 2019-01-30 Konica Minolta, Inc. Scintillator

Also Published As

Publication number Publication date
EP3101661B1 (en) 2018-08-01
JP6515682B2 (ja) 2019-05-22
EP3101661A1 (en) 2016-12-07
US20160349197A1 (en) 2016-12-01
US10078058B2 (en) 2018-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6224352B2 (ja) コリメータ板、コリメータ・モジュール、放射線検出装置、放射線撮影装置、及びコリメータ・モジュールの組み立て方法
JP2016220787A (ja) X線タルボ撮影装置
JP6399833B2 (ja) 線源格子、干渉計及び被検体情報取得システム
WO2018016369A1 (ja) X線位相差撮像装置
JP2012161412A (ja) 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム
US8983029B2 (en) Radiographic apparatus and method for the same
JP6217381B2 (ja) 格子湾曲方法
US10643760B2 (en) Method of producing diffraction grating
US9239304B2 (en) X-ray imaging apparatus
JP6365299B2 (ja) 回折格子および回折格子の製造方法、格子ユニットならびにx線撮像装置
US20180294065A1 (en) Focussing of gratings for differential phase contrast imaging by means of electro-mechanic transducer foils
JP2012022239A (ja) 回折格子及びその製造方法、放射線撮影装置
WO2018066198A1 (ja) 回折格子ユニット、格子ユニットの製造方法およびx線位相イメージ撮影装置
JP2007082870A (ja) X線ct装置及びx線ct装置製造方法
EP3538879B1 (en) Grating-based phase contrast imaging
WO2017212687A1 (ja) X線位相差撮像システム、x線位相差撮像装置およびx線位相差撮像方法
WO2012081376A1 (ja) 放射線画像撮影用グリッド及び放射線画像撮影システム
JP6696296B2 (ja) タルボ撮影装置
WO2019111505A1 (ja) X線位相差撮像システム
JP2014006047A (ja) 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム
US11249034B2 (en) X-ray Talbot capturing apparatus
JP2012228371A (ja) 撮像装置
JP2018189933A (ja) 格子及びx線タルボ撮影装置、格子の製造方法
JP2016001264A (ja) 格子、格子ユニット、湾曲型格子及びx線撮像装置
JP2012130503A (ja) 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171114

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171114

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181012

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190319

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6515682

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150