JP2012228371A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 干渉パターンに対して遮蔽格子を1方向へ走査することで交差する2つの方向に微分された位相の情報を得ることが可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】 撮像装置は、光源からの光を回折することによって、明部と暗部とが2次元に配列した干渉パターン10を形成する回折格子と、回折格子からの光を透過する透過部と回折格子からの光を遮る遮蔽部とが2次元に配列した遮蔽格子12と、干渉パターン10と遮蔽格子12との相対位置を変化させる移動手段と、遮蔽格子12からの光を複数回検出する検出器と、検出器による複数の検出結果に基づいて、第1の方向28と第1の方向28と交差する第2の方向30とにおける位相の微分値を算出する算出手段と、を備える。検出器は、移動手段が相対位置を第1および第2の方向と異なる第3の方向24に変化させている間に相対位置の変化に対応して光を複数回検出することで、複数の検出結果を取得する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、撮像装置に関し、特にトールボット干渉法を用いて被検体を撮像する撮像装置に関する。
トールボット干渉法はX線を含む様々な波長の光のトールボット効果を利用して、被検体の位相像または微分位相像を得る方法である。
トールボット干渉法の概要を説明する。回折格子に光を照射すると、回折格子から特定の距離に自己像と呼ばれる干渉パターンが生じる。被検体を光源と回折格子の間に置くと、被検体によって位相が変化した光が回折格子に回折された干渉パターンが形成される。この干渉パターンを検出器によって検出し、その検出結果に基づいて演算を行うと被検体の位相像を得ることができる。
一般的に、周期が小さい回折格子を用いると干渉パターンの周期も小さくなり、干渉パターンの周期が検出器の空間分解能よりも小さくなることがある。その場合、検出器で直接干渉パターンを検出することは困難である。
そこで、光を遮蔽する遮蔽部と光を透過する透過部とが配列されている遮蔽格子を干渉パターンに対して走査することで干渉パターンを検出する位相シフト法が提案されている。
特許文献1には、1次元の周期構造を持つ回折格子(以下、1次元回折格子と呼ぶことがある。)に対して1次元の周期構造を持つ遮蔽格子(以下、1次元遮蔽格子と呼ぶことがある。)を回折格子の周期と交差する方向へ走査することで、回折格子の周期方向に空間的に微分された位相の情報を得る方法が提案されている。(以下、空間的に微分された位相の情報を位相の微分値と呼ぶ場合がある。)
特許登録4445397号
しかし、特許文献1に示す方法では1次元回折格子の周期方向に微分された位相の情報、つまり、被検体の1次元の位相の微分値しか得ることができない。また、一般的に、2方向に微分された位相の情報を得るためには、干渉パターンに対して遮蔽格子を2方向へ走査する必要がある。
しかし、2方向へ走査するためには、1方向へ走査するよりも複雑な装置が必要になる。
そこで本発明は、干渉パターンに対して遮蔽格子を1方向へ走査することで交差する2つの方向に微分された位相の情報を得ることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明の一側面としての撮像装置は、光源からの光を回折することによって、明部と暗部とが2次元に配列した干渉パターンを形成する回折格子と、前記回折格子からの前記光を透過する透過部と前記回折格子からの前記光を遮る遮蔽部とが2次元に配列した遮蔽格子と、前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置を変化させる移動手段と、前記遮蔽格子からの前記光を検出する検出器と、前記検出器による検出結果に基づいて、第1の方向と該第1の方向と交差する第2の方向とにおける位相の微分値を算出する算出手段と、を備え、被検体を撮像する撮像装置であって、前記検出器は、前記移動手段が前記相対位置を前記第1および第2の方向と異なる第3の方向に変化させている間に該相対位置の変化に対応して前記光を複数回検出することで、複数の検出結果を取得し、前記算出手段は、前記複数の検出結果に基づいて、前記第1および第2の方向における前記位相の微分値を算出することを特徴とする。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
本発明の一側面としてのX線撮像装置によれば、干渉パターンに対して遮蔽格子を1方向へ走査することで、交差する2つの方向に微分された位相の情報を得ることが可能な撮像装置を提供することができる。
本発明の実施形態1に係るトールボット干渉計の模式図。 本発明の実施形態1に係る回折格子と干渉パターンと遮蔽格子の模式図。 本発明の実施形態1に係る位相シフト法を説明する模式図。 本発明の実施形態1に係る位相シフト法における干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を説明する模式図。 本発明の実施形態1に係る干渉パターンに対して遮蔽格子を走査する方法を説明する模式図。 本発明の実施形態2に係る回折格と干渉パターンと遮蔽格子の模式図。 本発明の実施形態2に係る位相シフト法における干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を説明する模式図。 本発明の実施例2に係るX線撮像装置の模式図。
以下に、本発明の好ましい実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[実施形態1]
本実施形態では、光としてX線を用いてトールボット干渉法を行う撮像装置に関して説明する。但し、本明細書においてX線とはエネルギーが2以上100keV以下の光を指す。
図1は本実施形態におけるX線撮像装置の構成例である。図1に示したX線撮像装置1aはX線源部4aと、X線源部4aからのX線を回折する回折格子8と、回折格子8で回折されたX線の一部を遮る遮蔽格子12と、遮蔽格子12を経たX線を検出する検出器14を備える。更に、遮蔽格子を移動させる移動手段としてステッピングモータ13と、検出器14の検出結果に基づいてX線の位相の微分値を算出する算出手段として計算機15がX線撮像装置1aに備えられている。X線撮像装置1aは計算機15による算出結果に基づいた画像を表示する画像表示装置17と接続されており、撮像システムを構成している。
以下、各構成について説明をする。
本実施形態のX線撮像装置1aは光源としてX線源部4aを備えている。X線源部4aはX線源2と線源格子(光源格子)3を有しており、X線源2からのX線が線源格子3によって細いビーム状に分割されて回折格子に照射される。X線源としては、連続X線を出射するX線源を用いても、特性X線を出射するX線源を用いても良く、平行X線(平行光)を出射するX線源を用いても、発散X線(発散光)を出射するX線源を用いても良い。但し、X線源部4aからのX線は回折格子8で回折されることにより、干渉パターンを形成する必要があるため、X線源部4aからのX線には干渉パターンを形成できる程度の空間的可干渉性が求められる。X線源2のX線発生領域の面積が大きく、回折格子8に対して可干渉性がない場合は、図1に示したX線撮像装置のように線源格子3を用いて、X線源2から発生したX線に空間的可干渉性を付与してもよい。又、X線源部4aは波長選択フィルタを有していてもよい。
X線源部4aからのX線は、被検体6を透過すると被検体の屈折率及び形状に応じて位相が変化する。図1では、被検体6をX線源部4aと回折格子8の間に配置しているが、回折格子8と遮蔽格子12の間に配置しても良い。
回折格子8は、透過したX線の位相を周期的に変調させる位相型回折格子である。
図2(a)に本実施形態で用いる回折格子8の構造を示した。回折格子8は位相進行部20と位相遅延部22が市松格子状に配列している。位相遅延部22を透過したX線と位相進行部20を透過したX線の位相差(位相シフト量)はπラジアンである。但し、位相シフト量はπラジアン以外の値でも良い。一般的に、位相シフト量がπラジアン又はπ/2ラジアンの回折格子が良く用いられるが、その他のシフト量の回折格子を用いることもできる。回折格子8のような位相型回折格子の代わりに、振幅を変調する振幅型回折格子を用いることもできるが、位相型回折格子の方がX線量(光量)の損失が少ないので有利である。
透過したX線の位相をシフトさせるためには同じ材料で厚みを変えても良いし、異なる材料を使っても良いが、例えばシリコンのような、X線の透過率が高い物質を用いることが好ましい。又、回折格子は位相進行部と位相遅延部が周期的に配列されていれば良く、図2(a)に示した構造以外の構造をとることもできる。
図2(a)に示した構造を有する回折格子8を用いると、井桁格子状の干渉パターンが形成する。ここで、井桁格子状の干渉パターンとは、図2(b)に示すような複数の明部16が暗部18に囲まれて2次元に配列されている干渉パターン10のことを指す。このときに回折格子8から干渉パターン10が形成される位置までの距離はトールボット距離ztと呼ばれ、
zt=(n+1/2)×d/8λ
で表わされる。ここで、nは整数、dは回折格子8のピッチ、λはX線(光)の波長である。
尚、回折格子8の周期方向は、X線源部4aの線源格子3の周期方向と一致させることが好ましい。線源格子3と回折格子8との周期方向がずれている場合、干渉パターン10の明部のX線強度の低下が生じる。
遮蔽格子12は回折格子8からトールボット距離はなれて配置されることで、干渉パターンとの相対位置によっては干渉パターンの一部を遮る。
図2(c)に本実施形態に用いる遮蔽格子12の構造を示した。遮蔽格子12はX線を透過する透過部17とX線を遮蔽する遮蔽部19が井桁格子状に配列した構造を有している。尚、遮蔽部はX線を完全に遮らなくても良い。また、本実施形態では、遮蔽格子12を透過したX線がモアレを形成しないように、遮蔽格子のピッチを干渉パターンのピッチと等しくし、透過部の配列方向170を明部の配列方向160と等しくした。ここで、本明細書における透過部の配列方向とは、透過部の中心と、その透過部の中心と最も近い透過部の中心を結んだ方向である。また、本明細書における明部の配列方向とは、明部の中心と、その明部の中心と最も近い明部の中心を結んだ方向である。本実施形態では明部の配列方向160と透過部の配列方向170は夫々2つずつ存在し、互いに直交している。
干渉パターン10と遮蔽格子12との周期が異なっている場合や、明部の配列方向と透過部の配列方向がずれている場合、モアレが発生する。その場合、回折格子8や遮蔽格子12の配置する位置やアライメントを調整し、少なくとも被検体の微分位相像に関する情報を算出するのに用いる領域ではモアレを消すことが望ましい。モアレが存在すると、良好なX線強度分布を検出することが難しい。
本実施形態のステッピングモータ13は、遮蔽格子12を移動させることにより遮蔽格子12を干渉パターン10に対して走査する。但し、本明細書においては、遮蔽格子12を固定し干渉パターンを移動させることで遮蔽格子12と干渉パターン10の相対位置を変化させることも遮蔽格子12を干渉パターンに対して走査するという。この走査により、干渉パターン10と遮蔽格子の相対位置が変化し、本実施形態の撮像装置は位相シフト法を行うことができる。走査の詳細は本実施形態のX線撮像装置で行う位相シフト法と共に後程説明をする。
ステッピングモータ13が遮蔽格子12を移動させることができる方向が特定の1方向のみの場合、ステッピングモータ13へ遮蔽格子12を取り付ける角度(取り付け角度)を調整可能な機構をステッピングモータに取り付けることが望ましい。取り付け角度を調整可能な機構があることで、ステッピングモータ13の移動方向に対して、遮蔽格子12の移動方向をより厳密に決定することができる。
検出器14は、X線の強度分布を検出することのできる撮像素子(例えばCCD)を有し、X線の強度分布を2次元で検出することができる。また、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置の変化に対応してX線の強度分布を複数回検出することで複数の検出結果を取得する。本実施形態では干渉パターンと遮蔽格子の相対位置の変化の前後に強度分布を検出するが、相対位置の変化毎に強度分布の検出を行わなくても良いし、相対位置の変化中に検出を行っても良い。但し、相対位置の変化中に検出を行うと、検出されるX線の強度分布がぼける可能性がある。
本実施形態の撮像装置1aは算出手段として計算機15を備える。
計算機15は、検出器14と接続され、検出器の検出結果に基づいて算出処理を行う。算出処理は複数の検出結果を用いて第1の方向と、第1の方向と交差する第2の方向における位相の微分値を算出する。この位相の微分値は被検体によるX線(光)の位相の変化量の情報を持つ。第1の方向と第2の方向における位相の微分値から、被検体の2次元の微分位相像を得ることができる。また、得られた位相の微分値から、積分を用いて被検体の位相像を得ることもできる。
本実施形態の撮像装置1aには画像表示装置17が接続され、撮像システムを構成している。画像表示装置17は計算機15の算出結果に基づいた被検体の位相像や微分位相像を表示することができる。尚、画像表示装置17は微分位相像や位相像以外の画像を表示しても良い。
本実施形態のX線撮像装置で行う位相シフト法について説明をする。
図3に本実施形態に係る位相シフト法を説明する模式図を示す。図3(a)、図3(b)、図3(c)は、図1の干渉パターン10と遮蔽格子12と検出器14の拡大図である。干渉パターン10は、明部16と暗部18が2次元周期的に配列されている。図3(a)に示すように、明部16が形成されている位置と遮蔽格子12の透過部17の位置が一致しているとき、検出器14に検出されるX線の強度は最大となる。図3(b)や図3(c)に示すように明部16と遮蔽格子12の透過部が干渉パターン10の周期の1/3ずつずれる場合、検出器14に検出されるX線の強度は図3(a)の時よりも低下する。図3(d)は干渉パターン10と遮蔽格子12との相対位置を連続的に変化させたときの、検出器14の一つの画素が検出するX線の強度の変化を示したグラフで、縦軸がX線の強度、横軸が遮蔽格子と干渉パターンの相対位置である。実線は、X線源部4aと回折格子8の間(または回折格子8と遮蔽格子12の間)に被検体6が置かれていないときの強度変化、破線はX線源部4aと回折格子8の間に被検体6を配置したときの(被検体を透過したX線の)強度変化を示している。実線と破線で示した強度変化は、干渉パターン10と遮蔽格子12の相対位置が図3(a)から図3(c)の位置をとる時に検出器14の1つの画素で検出される3つの強度から計算して求めることができる。図3(d)の実線と破線を見ると分かるように、被検体と透過することによりX線に位相変化があると強度変化の曲線にずれが生じる。このずれの情報から、第1の方向と第2の方向における位相の微分値を算出することができる。
次に、本実施形態における干渉パターン10に対して遮蔽格子12を走査する方法について、図4に基づいて説明する。尚、本実施形態のステッピングモータ13は遮蔽格子12を移動させるため図4では、干渉パターン10を固定し、遮蔽格子12を移動させているように示しているが、遮蔽格子12を固定し、干渉パターンを移動させても良い。干渉パターンを移動させる方法については後程説明をする。
図4(a)に、図2(a)の回折格子8による干渉パターン10を示す。(図2(b)の干渉パターンと同一)図4(a)において、遮蔽格子12は第3の方向24(破線矢印)にそって走査され、遮蔽格子12の左下角がX線検出座標26に来ると遮蔽格子12の走査が停止する。このときに、検出器14はX線の強度分布を検出する。図4(a)に示す干渉パターン10に重ねる遮蔽格子12は、図2(C)に示した井桁格子状の遮蔽格子である。図4においては、干渉パターン10に比べて遮蔽格子12を小さく表わしているが、実際には遮蔽格子12と干渉パターン10の面積は同じか遮蔽格子の方が大きい。干渉パターン10と遮蔽格子12が図4(b)に示す相対位置にある場合、干渉パターン10のX線はすべて遮蔽格子12を透過する。第3の方向24にそって遮蔽格子12を図4(c)の位置まで移動させると、第1の方向28における遮蔽格子12の移動距離は干渉パターンの約1/3ピッチ分になる。そのため干渉パターン10と遮蔽格子12の相対位置は図4(b)と比較して、第1の方向28に干渉パターンの約1/3ピッチ分変化する。
この時、第2の方向30における遮蔽格子12の移動距離は干渉パターンの1ピッチ分と等しくなるため、図4(b)と比較しても第2の方向30方向における干渉パターンと遮蔽格子の相対位置は変化しない。同様に、第3の方向24に沿って遮蔽格子12を図4(d)の位置まで移動させると、遮蔽格子12は図4(c)の位置から、第1の方向28へ干渉パターンの約1/3ピッチ分、第2の方向30へ干渉パターンの1ピッチ分移動する。この時、干渉パターン10と遮蔽格子12の相対位置は図4(c)から第1の方向28に干渉パターンの約1/3ピッチ分変化し、第2の方向30には変化しない。すなわち、図4(b)と図4(c)と図4(d)の夫々の位置で遮蔽格子からのX線の強度を測定することで、第1の方向への走査に相当する図3(d)に示すような曲線を描くことができる。
次に遮蔽格子12を第3の方向24に沿って図4(e)の位置まで移動させる。この位置は、図4(d)から第1の方向28へ干渉パターンの約1/3ピッチ分、第2の方向へ干渉パターンの約4/3ピッチ分移動した位置である。この移動により遮蔽格子12と干渉パターン10の相対位置も第1の方向28と第2の方向30へ干渉パターンの約1/3ピッチ分ずつ変化する。図4(b)と図4(e)を比較すると、図4(e)の位置は図4(b)の位置から第1の方向へ干渉パターンの1ピッチ分、第2の方向へ約10/3ピッチ分移動した位置であり、相対位置は第2の方向30へのみ干渉パターンの約1/3ピッチ分変化している。
更に遮蔽格子12を第3の方向24に沿って図4(f)の位置まで移動させると、遮蔽格子は第1の方向に干渉パターンの1ピッチ分、第2の方向に干渉パターンの約10/3ピッチ分移動する。つまり、干渉パターン10と遮蔽格子12の相対位置は、図4(e)から第2の方向にのみ干渉パターンの約1/3ピッチ分変化する。すなわち、図4(b)と図4(e)と図4(f)の夫々の位置でX線の強度を検出することで、第2の方向30への走査に相当する図3(d)に示すような曲線を描くことができる。
以上のように本実施形態によれば、井桁格子状の遮蔽格子12を井桁格子状の干渉パターン10に重ね、第3の方向24に沿って遮蔽格子12を移動させてX線の強度を5回検出することで、第1及び第2の方向への走査に相当する検出結果を得ることができる。また、その検出結果を用いることで第1及び第2の方向における位相の微分値を得ることができる。
本実施形態では、第1の方向への走査に相当する検出を行う際(図4(b)、図4(c)、図4(d))は、第1の方向に干渉パターンの1/3ピッチ分、第2の方向に1ピッチ分、干渉パターンに対して遮蔽格子を移動させることが望ましい。
一方、第2の方向への走査に相当する検出を行う際(図4(b)、図4(e)、図4(f))は、第1の方向に干渉パターンの1ピッチ分、第2の方向に10/3ピッチ分、干渉パターンに対して遮蔽格子を移動させることが望ましい。
この第1の方向への走査に相当する検出と第2の方向への走査に相当する検出を、遮蔽格子を1つの方向(第3の方向)への移動で行うために、夫々の検出毎の移動は誤差を伴う。そのため、本実施形態では夫々の移動の際の誤差がなるべく小さくなるような方向に第3の方向を設定した。その結果、第1の方向への走査に相当する検出を行う際の第1の方向への遮蔽格子の移動量が干渉パターンの約1/3ピッチ分、第2の方向への走査に相当する検出を行う際の第2の方向への遮蔽格子の移動量が約10/3ピッチ分とし、誤差は無視した。
尚、第3の方向と第1の方向のなす角度と、第3の方向と第2の方向のなす角度の差が大きいほど、この誤差を小さく抑えることができる。また、この角度の差を大きくした方が、X線の強度検出毎の遮蔽格子の移動距離が長くなるため、遮蔽格子の移動を担うステッピングモータ13に求められる精度も粗くてすむ。
また、遮蔽格子を第3の方向へ移動させることによって、第1の方向と第2の方向への走査を行うためには、第1の方向への移動距離と第2の方向への移動距離が異なり、相対位置の変化量も第1の方向への変化量と、第2の方向への変化量で異なる必要がある。
本実施形態においては、図4(b)と図4(e)を比較すると分かるように、遮蔽格子12の位置が第1の方向28へ干渉パターンの1ピッチ分移動する間に、第2の方向28へピッチの約10/3分移動する。このように、第1の方向への移動距離と、第2の方向への移動距離を異ならせるには、第3方向24と第1の方向のなす角度と第3の方向と第2の方向のなす角度を異ならせればよい。
図4には干渉パターンのピッチの約1/3ずつ相対位置を変化させる場合について示したが、相対位置の変化量は干渉パターンのピッチの約1/3には限らない。交差する第1及び第2の方向における位相の微分値を得るためには、X線の強度分布を合計5回以上検出すればよく、例えば干渉パターンのピッチの1/5ずつ変化させて、合計で9回検出を行ってもよい。相対位置の変化量を小さくし、X線強度分布の検出回数を増加させることで、図3(d)に示すような曲線をより精度よく描くことができるため、被検体の微分位相像に関する情報の算出精度を向上させることができる。
また、X線の強度分布の検出回数が合計で5回の場合でも、相対位置の変化量は干渉パターンの約1/3ピッチ分ずつでなくても良い。例えば、図4(b)の位置で一度X線の強度分布を検出し、そこから第1の方向に干渉パターンの1/5ピッチ分、第2の方向に1ピッチ分遮蔽格子を移動させた位置でX線の強度分布を検出する。さらに第1の方向に2/5ピッチ分、第2の方向に1ピッチ分(図4(b)の位置から第1の方向へ3/5ピッチ分、第2の方向へ2ピッチ分)移動させた位置でX線の強度分布を検出する。このように3回X線の強度分布の検出を行えば、本実施形態同様、第1の方向への走査に相当する図3(d)に示すような曲線を描くことができる。
尚、本実施形態では遮蔽格子を1方向(第3の方向)にのみ移動させるステッピングモータを用いた場合を例に遮蔽格子の移動について説明したが、2方向(例えば第1の方向と第2に方向)に移動させるステッピングモータを用いて遮蔽格子を移動させても良い。
第1の方向と第2の方向に遮蔽格子を移動させることができるステッピングモータを用いる場合、例えば図4(b)の位置から遮蔽格子を第1の方向へ干渉パターンの約1/3ピッチ分移動させた後、第2の方向へ1ピッチ分移動させれば良い。このように移動させれば、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置は図4(c)と同様になる。
干渉パターン10に対して遮蔽格子12を走査する方法は、様々な方法で実現できる。図5(a)〜(c)に本実施形態において可能な相対位置の走査方法の例を示した。図5(a)のX線撮像装置1bは線源格子3を用いるトールボット干渉法を行うX線撮像装置であり、線源格子3を走査することで干渉パターンに対して遮蔽格子を走査する。この走査方法は国際公開WO2006131235号公報に記載されているため、詳細は述べないが、簡単に説明をする。線源格子3は、X線を遮蔽する基板にX線を透過する微細な開口部が配列されたものを用いる。一つひとつの微細な開口部は仮想的にX線源とみなすことができるため、線源格子3を移動手段としてのステッピングモータ130により移動方向124に移動させると、仮想的なX線源が移動したことに相当する。そのため、線源格子3が移動した方向と逆の方向へ干渉パターン10が移動することになる。線源格子3の隣り合う微細な開口部の距離を線源格子3の1ピッチとすると、線源格子3を線源格子3の1ピッチ分動かすと、干渉パターン10も干渉パターンの1ピッチ分移動することになる。すなわち、線源格子3の移動方向124と移動量を制御することで、干渉パターン10と遮蔽格子12の相対位置を走査することができる。
図5(b)のX線撮像装置1cはターレット5を備えている。ターレット5は、X線を曲げることができるレンズを複数有し、移動手段としてのモータ230によって回転することでX線の光路中に挿入されるレンズが交換される。これにより回折格子8へのX線の入射角度が変化し、図5(a)のX線撮像装置1bのようにX線源を移動させたような効果が得られる。
図5(c)のX線撮像装置1dは、回折格子8を移動させることで干渉パターンに対して遮蔽格子を走査する。移動手段としてのステッピングモータ330によって回折格子8を移動させることで、回折の結果生じる干渉パターン10も回折格子と同様に移動する。
尚、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置の走査方法は、本実施形態と上述の3つに限定されるものではなく、干渉パターンと遮蔽格子の相対位置を変化させることができれば良い。
また、発散X線(発散光)を用いて撮像を行う場合、米国特許7486770号に記載されているように、X線源を中心とした球体の表面の一部にそわせたように湾曲した回折格子と遮蔽格子を用いることがある。これらの格子を用いて本実施形態を行う場合、干渉パターンまたは遮蔽格子を、X線源を中心とした球体の表面の一部に沿うように移動させることが好ましいが、平面状の格子を用いた時と同様に移動させても撮像可能である。
[実施形態2]
以下図面6から8を用いて実施形態2の説明をする。
実施形態2は、回折格子の位相シフト量がπ/2である点で実施形態1と異なる。それに伴い干渉パターンも異なるため、遮蔽格子の形状も異なる。その他は実施形態1と同様なので説明は省略する。
図6(a)に本実施形態で用いる回折格子80の構造を示す。回折格子80は位相型回折格子であり、位相進行部200と位相遅延部220が市松格子状に配列している。位相進行部200と位相遅延部220の位相シフト量はπ/2である。図6(a)に示した回折格子を用いると、図6(b)に示すような明部16と暗部18とが市松格子状に配列した干渉パターン100が形成される。この干渉パターンの明部の配列方向は160で示した直交する2つの方向である。
このときに回折格子80から干渉パターン100が形成される位置までの距離は実施形態1と同様にトールボット距離であるが、位相シフト量が異なるため、本実施形態におけるトールボット距離ztは、
zt=(n+1/2)×d/2λ
で表される。ここで、nは整数、dは回折格子80の縦横周期の長さ、λはX線の波長である。
図6(c)と図6(d)に本実施形態に用いる遮蔽格子120(120a,120b)の例を示した。図6(c)は透過部117と遮蔽部119が市松格子状に配列した構造を有する。この遮蔽格子の透過部の配列方向は矢印1170で示した直交する2つの方向である。図6(d)は正方形を45度傾けた透過部217が遮蔽部219中に配列した構造を有する。これは、図2(c)に示したような、井桁格子状の遮蔽格子を45度傾けた構造と一致する。この遮蔽格子の透過部の配列方向も図6(c)に示した遮蔽格子と同様に矢印2170で示した直交する2つの方向である。このように、遮蔽格子は透過部の配列方向を干渉パターンの配列方向と一致させることが好ましい。本実施形態のX線撮像装置には、図6(c)に示した遮蔽格子も、図6(d)に示した遮蔽格子も用いることができる。但し、図6(c)に示した市松格子状の遮蔽格子(開口率50%)は図6(d)に示した井桁格子状の遮蔽格子(開口率25%)よりも開口率が高い。開口率が高い遮蔽格子を用いた方が、検出器に検出される単位時間当たりのX線量が多い(X線利用効率が高い)ため、1回の検出毎の検出に必要な時間(露光時間)を短くすることができる。
次に、本実施形態における干渉パターン100に対する遮蔽格子120の走査方法について、図7((a)〜(e))に基づいて説明する。本実施形態においても第1の方向と第2の方向は互いに直交し、干渉パターンの2つの配列方向に一致する。
図6(b)に示した、図6(a)の回折格子80による干渉パターン100と、図6(c)の遮蔽格子120の相対位置が図7(a)の相対位置にある時、干渉パターン100のX線はすべて遮蔽格子120により遮蔽される。
実施形態1と同様、遮蔽格子120は第3の方向240(破線矢印)に沿って走査され、遮蔽格子120の左下角がX線検出座標260に来ると遮蔽格子120の走査が停止する。このときに、検出器14はX線の強度分布を検出する。
尚、実施形態1同様、図7においては、干渉パターン100に比べて遮蔽格子120を小さく表わしているが、実際には同じか大きい面積を有する。
図7(a)の位置から、第3の方向240にそって図7(b)に示した位置まで遮蔽格子120を移動させると、遮蔽格子120は第1の方向280へ干渉パターンの5/6ピッチ分、第2の方向300へ干渉パターンの1/2ピッチ分移動する。
そのため、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置を図7(a)と比較すると、第1の方向280に干渉パターンの5/6ピッチ分、第2の方向300に干渉パターンの1/2ピッチ分変化する。これは、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置が、図7(a)と比較して第1の方向280の矢印の向きに干渉パターンの1/3ピッチ分変化した相対位置に一致する。
更に図7(b)の位置から第3の方向にそって図7(c)の位置へ遮蔽格子120を移動させると、遮蔽格子120の移動量は第1の方向280と第2の方向300の夫々に干渉パターンの1/6ピッチ分である。この時、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置は図7(a)の時と比較すると第2の方向300の矢印と逆の向きに干渉パターンの1/3ピッチ分変化した相対位置である。
更に遮蔽格子120を第3の方向240にそって図7(d)に示す位置まで移動させると、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置は、図7(a)と比較して第2の方向300の矢印の向きに干渉パターンの1/3ピッチ分変化した位置である。
同様に、遮蔽格子120を第3の方向240にそって図7(e)に示す位置まで移動させると、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置は、図7(a)と比較して第1の方向280の矢印と逆の向きに干渉パターンの1/3ピッチ分変化した位置である。
すなわち、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置が図7(a)と図7(b)と図7(e)の夫々の位置の時にX線の強度を測定することで、第1の方向280への走査に相当する図3(d)で示すような曲線を描くことができる。また、図7(a)と図7(c)と図7(d)の夫々の位置の時にX線の強度を測定することで、第2の方向300への走査に相当する図3(d)に示すような曲線を描くことができる。以上のように本実施形態によれば、市松格子状の干渉パターン100に市松格子状の遮蔽格子120を重ね、第3の方向240に沿って遮蔽格子120を走査してX線の強度分布を検出することで、第1及び第2の方向の走査に相当する検出結果を得ることができる。
図7においては、図7(a)から図7(e)に至るまでの走査で、第1の方向280に干渉パターンの5/3ピッチ分、第2の方向300へ干渉パターンの1ピッチ分、干渉パターン100に対して遮蔽格子120を走査した。第3の方向240と第1及び第2の方向のなす角度を調整することで、検出毎の遮蔽格子120の移動距離を大きくしたり、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置の変化量を調整したりすることができる。また、実施形態1と同様、干渉パターン100と遮蔽格子120の相対位置を変化させる量は干渉パターンのピッチの1/3には限らず、例えば1/5でもよい。尚、図7(a)に相当する相対位置は、X線が完全に遮光される相対位置でもよいし、完全に透過する相対位置でもよい。
各実施形態のより具体的な実施例について説明する。
実施例1では、実施形態1のより具体的な実施例について図5(a)を用いて説明する。
本実施例において、X線撮像装置1bはX線源部4bと、回折格子8と、遮蔽格子12と、検出器14を備える。
X線源部4bは、X線源2と線源格子3を有しており、X線源2はエネルギー17.5keVの特性X線が発生可能なモリブデンターゲットを持つ。また線源格子3は、X線を遮蔽する遮蔽部に、直径8μmの開口部が縦と横に22μmピッチで配列しており、移動手段としてのステッピングモータ130と接続されている。
移動手段130は、ステッピングモータにより、0.1μmの精度で線源格子3を特定の方向(第3の方向)に移動させることができる。移動の精度が高いほど、線源格子3を走査する精度が向上する。線源格子3は、移動手段130の第3の方向と線源格子3の縦周期方向(第1の方向)が16.7度をなすように設置する。
回折格子8は、位相シフト量がπの位相進行部と位相遅延部が市松格子状に配列した位相格子であり、縦方向と横方向の周期は共に12μmである。
遮蔽格子12は、井桁格子状の構造を有し、透過部と遮光部の幅が1:1である。遮蔽格子の縦方向と横方向の周期は共に8.23μmである。
線源格子3と回折格子8の距離は936mm、回折格子8と遮蔽格子12との距離は348mmとする。この配置により、線源格子3の各開口部を透過したX線が回折格子により回折されることでできる干渉パターン10の明部16同士が強めあい、且つ、干渉パターン10と遮蔽格子12は重なるため、位相シフト法が可能となる。
検出器14は、遮蔽格子12の下流に設置する。干渉パターン10の明部の強度は、トールボット長で最も高いため、検出器14は回折格子8からトールボット長離れた位置に近いほうがよい。回折格子8からトールボット長離れた位置には遮蔽格子12が設置されているため、検出器14は遮蔽格子12のできるだけ近くに設置することが望ましい。
また、検出器14と回折格子8、遮蔽格子12は、X線源部4bからのX線の光軸に垂直であることが望ましい。これらが光軸にたいして傾いていると、モアレが発生しやすい。また、回折格子8や遮蔽格子12に斜め方向からX線が入射する領域が拡大し、検出器14で検出する干渉パターン10の強度が低下する。
X線源部4bと回折格子8との間、かつ、回折格子8に近い場所に、被検体6を設置し、撮像を行う。まず、被検体6のない状態において、検出器14でのX線検出量が最大となる位置まで線源格子3を移動させる。次に被検体6を設置し、線源格子3の位置を保ったままX線の強度分布の検出を行う。次に、移動手段130を用いて、1ステップ当たり13.9μmの移動量で線源格子3を移動させ、移動が停止したらX線の強度分布の検出を行う操作を3ステップ行う。次に、線源格子3を41.7μm移動させ、X線の強度分布の検出を行う。こうして、合計5つの検出結果が得られる。1つ目から3つ目までの3つ、1つ目と4つ目、5つ目の3つをそれぞれ3つ1セットの検出結果とする。1セットの検出結果を特許文献1にも記載される位相シフト法による位相計算式を用いて第1の方向と第2の方向における位相の微分値を計算する。具体的には
Figure 2012228371
から導出可能である。ここで、Ip(x,y)は検出器14で検出した検出結果の各画素における強度であり、p=1からp=3は、各セット内の3枚の画像に対応する。dは遮蔽格子12の周期、ztはトールボット長であり、どちらも既知の値である。Δ(x、y)は被検体6を設置しない状態で位相シフト法で撮像を行うことでえられる。arg[]は位相の抽出を意味する。
実施例2では、実施形態2のより具体的な実施例について図8を用いて説明する。
本実施例において、トールボット干渉計は、X線源部4cと、回折格子80と遮蔽格子120と、検出器14と移動手段としてのステッピングモータ13を備える。
本実施例において、X線源部4cはX線源102を有する。X線源102は、焦点半値幅が5μmの電子源を備えた微小焦点X線源であり、エネルギー17.5keVの特性X線が発生可能なモリブデンターゲットを持つ。X線発生領域(焦点)が5μmと小さいため、線源格子を用いずとも、X線は回折格子80での可干渉性を有する。
回折格子80は、位相シフト量がπ/2の位相進行部と位相遅延部が市松格子状に配列した位相格子を用いる。この回折格子80の縦方向と横方向のピッチは8.49μmとする。遮蔽格子120は、透過部と遮蔽部が市松格子状に配列しており、透過部と遮蔽部の幅は1:1である。縦方向と横方向のピッチは11.67μmである。
ステッピングモータ13は、0.01μmの精度で遮蔽格子120を特定の方向(第3の方向)に移動させることができ、第3の方向と遮蔽格子12の縦周期方向(第1の方向)が59度をなすように設置される。
X線源部4cと回折格子80の距離は935mm、回折格子80と遮蔽格子120との距離は349mmとする。この配置により、干渉パターン100と遮蔽格子120は重なり、位相シフト法が可能となる。
X線源部4cと回折格子80との間、かつ、回折格子80に近い場所に、被検体6を設置し、撮像を行う。まず、被検体6のない状態において、検出器14でのX線検出量が最少となる位置まで遮蔽格子120を走査する。次に被検体6を設置し、X線強度分布の検出を行う。次に、移動手段13を用いて、第1ステップとして遮蔽格子120を第3の方向へ11.33μm移動させ、X線強度分布の検出を行う。第2ステップとして遮蔽格子120を第3の方向へ2.28μm移動させ、X線強度分布の検出を行う。第3ステップとして、遮蔽格子120を第3の方向へ6.81μm移動させ、X線強度分布の検出を行う。第4のステップとして、遮蔽格子120を第3の方向へ2.24μm移動させ、X線強度分布の検出を行う。合計5つの検出結果について、1つ目、2つ目、4つ目の3つを1セット、1つ目と3つ目、5つ目の3つを1セットの検出結果とする。これらの検出結果2セットに対して、実施例1と同様の方法により第1及び第2の方向における位相の微分値を算出する。
8 回折格子
10 干渉パターン
12 遮蔽格子
13 移動手段
15 計算機
16 明部
17 透過部
18 暗部
19 遮蔽部
24 第3の方向
28 第1の方向
30 第2の方向

Claims (7)

  1. 光源からの光を回折することによって、明部と暗部とが2次元に配列した干渉パターンを形成する回折格子と、
    前記回折格子からの前記光を透過する透過部と前記回折格子からの前記光を遮る遮蔽部とが2次元に配列した遮蔽格子と、
    前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置を変化させる移動手段と、
    前記遮蔽格子からの前記光を検出する検出器と、
    前記検出器による検出結果に基づいて、第1の方向と該第1の方向と交差する第2の方向とにおける前記光の位相の微分値を算出する算出手段と、を備え、被検体を撮像する撮像装置であって、
    前記検出器は、前記移動手段が前記相対位置を前記第1および第2の方向と異なる第3の方向に変化させている間に該相対位置の変化に対応して前記光を複数回検出することで、複数の検出結果を取得し、
    前記算出手段は、前記複数の検出結果に基づいて、前記第1および第2の方向の夫々における前記位相の微分値を算出する撮像装置。
  2. 前記第3の方向は、
    前記第3の方向へ前記相対位置が変化することにより、
    前記第1の方向における前記相対位置の変化量と、前記第2の方向における前記相対位置の変化量とが異なるような方向であることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記検出器は、前記相対位置の前記第3の方向への変化に対応して前記光を5回以上検出することで、5つ以上の前記検出結果を取得し、
    前記算出手段は5つ以上の前記検出結果に基づいて前記第1の方向と前記第2の方向とにおける前記位相の微分値を算出するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の方向と前記第2の方向とは互いに直交し、
    前記第3の方向は、前記第1の方向と45度をなす方向と異なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記移動手段は、前記第3の方向にのみ前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置を変化させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記光はX線であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 光源からの光を回折することによって、明部と暗部とが2次元に配列した干渉パターンを形成する回折格子と、
    前記回折格子からの前記光を透過する透過部と前記回折格子からの前記光を遮る遮蔽部とが2次元に配列した遮蔽格子と、
    前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置を変化させる移動手段と、
    前記遮蔽格子からの前記光を検出する検出器と、
    前記検出器による検出結果に基づいて、第1の方向と該第1の方向と交差する第2の方向とにおける前記光の位相の微分値を算出する算出手段と、を備え、被検体を撮像する撮像装置に用いられる撮像方法であって、
    前記移動手段が前記相対位置を前記第1および第2の方向と異なる第3の方向に変化させている間に該相対位置の変化に対応して前記検出器が前記光を複数回検出することで、複数の検出結果を取得する工程と、
    前記複数の検出結果に基づいて、前記第1および第2の方向の夫々における前記位相の微分値を前記算出手段が算出する工程と、
    を有することを特徴とする撮像方法。
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