JP2013146537A - 放射線撮影装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズがない精細な位相微分画像を得ることができる放射線撮影装置を提供する。
【解決手段】X源から射出され、被検体を透過したX線を検出して画像データを生成するX線検出器と、X線源とX線検出器との間に配置され、所定方向の格子線を有する格子部と、X線検出器により得られた画像データ51,52に基づいて位相微分画像を生成する位相微分画像生成部40と、位相微分画像にアンラップ処理を施すアンラップ処理部41と、アンラップ処理後の位相微分画像から、被検体がない場合のオフセットノイズを表すオフセット画像を減算するオフセット除去部43と、オフセットノイズが除去された位相微分画像を格子線に対して垂直な積分方向に積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部44と、位相コントラスト画像に残存するノイズ成分であるトレンドを検出し、除去するトレンド除去部45と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、被検体による放射線の位相変化に基づく画像を検出する放射線撮影装置及びこれに用いられる画像処理方法に関する。
放射線、例えばX線は、物質を構成する元素の重さ(原子番号)と物質の密度及び厚さとに依存して吸収され減衰するといった特性を有する。この特性に着目し、医療診断や非破壊検査等の分野において、被検体の内部を透視するためのプローブとしてX線が利用されている。
一般的なX線撮影装置では、X線を放射するX線源と、X線を検出するX線画像検出器との間に被検体を配置して、被検体を透過したX線の撮影を行う。この場合、X線源からX線画像検出器に向けて放射されたX線は、被検体を透過する際に吸収され減衰した後、X線画像検出器に入射する。この結果、被検体によるX線の強度変化に基づく画像がX線画像検出器により検出される。
X線吸収能は、原子番号が小さい元素ほど低くなるため、生体軟部組織やソフトマテリアルなどでは、X線の強度変化が小さく、画像に十分なコントラストが得られないといった問題がある。例えば、人体の関節を構成する軟骨部とその周辺の関節液は、いずれも殆どの成分が水であり、両者のX線吸収能の差が小さいため、コントラストが得られにくい。
このような問題を背景に、被検体によるX線の強度変化に代えて、被検体によるX線の位相変化に基づいた画像を得るX線位相イメージングの研究が近年盛んに行われている。X線位相イメージングは、被検体に入射したX線の位相変化が強度変化より大きいことに基づき、X線の位相変化を画像化する方法であり、X線吸収能が低い被検体に対しても高コントラストの画像を得ることができる。X線位相イメージングの一種として、2枚の回折格子とX線画像検出器とを用いてX線タルボ干渉計を構成することにより、X線の位相変化を検出するX線撮影装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このX線撮影装置は、X線源から見て被検体の背後に第1の回折格子を配置し、第1の回折格子からタルボ距離だけ離れた位置に第2の回折格子を配置し、その背後にX線画像検出器を配置したものである。タルボ距離は、第1の回折格子を通過したX線が、タルボ効果によって第1の回折格子の自己像(縞画像)を形成する距離であり、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長とに依存する。この自己像は、被検体でのX線の位相変化で屈折が生じることにより変調される。この変調量を検出することにより、X線の位相変化が画像化される。
上記変調量の検出方法として縞走査法が知られている。縞走査法とは、第1の回折格子に対して第2の回折格子を、第1の回折格子の面に平行でかつ第1の回折格子の格子線方向に垂直な方向に、所定の走査ピッチで並進移動(走査)させながら、各走査位置において、X線源からX線を放射し、被検体、第1及び第2の回折格子を通過したX線をX線画像検出器により撮影する方法である。このX線画像検出器により得られる各画素の画素値の上記走査に対する変化を表す信号(強度変調信号)について位相ズレ量(被検体が存在しない場合の初期位置からの位相差)を算出することにより、上記変調量に関連する画像が得られる。この画像は、被検体の屈折率を反映した画像であり、X線の位相変化(位相シフト)の微分量に対応するため、位相微分画像と呼ばれる。
特許文献1に示されているように、上記位相ズレ量は、複素数の偏角を抽出する関数(arg[…])や、逆正接関数(tan−1[…])を用いて算出される。このため、位相微分画像は、上記関数の値域(−πから+π、または、−π/2から+π/2)に畳み込まれた(ラップされた)値により表現される。このようにラップされた位相微分画像には、値域の上限から下限に変化する箇所、または下限から上限に変化する箇所で不連続点が生じることがあるため、この不連続点をなくして連続化するようにアンラップ処理を行うことが知られている(例えば、特許文献2参照)。
アンラップ処理は、画像内の所定位置を起点とし、該起点から所定の経路に沿って順に行われる。この経路中に上記不連続点が検出されると、この不連続点以降のデータに、上記関数の値域に相当する値が一律に加算または減算される。これにより、不連続点がなくなり、データが連続化する。
また、位相微分画像にはノイズが重畳され、画像ムラが生じ、被検体の観察の妨げになることがある。こうしたノイズは、例えば、各格子や線源等の配置誤差や撮影時の温度環境等、撮影時状況による様々な原因によって生じるが、配置誤差や温度環境等の撮影時の状況がほぼ同じであれば、被検体の有無に関わらず、同じ態様のノイズとして現れる。このため、被検体を撮影して得られた位相微分画像から、ほぼ同環境で被検体のない状態で撮影して得られた位相微分画像を減算することにより、ノイズ成分を除去することが知られている(特許文献1,2参照)。
WO2004/058070号公報 特開2011−045655号公報
しかしながら、被検体を撮影して得られた位相微分画像から、被検体のない状態で撮影して得られた位相微分画像を減算した後にも、被検体の像とは関連しないノイズ成分(以下、トレンドという)が残存してしまうことがある。トレンドは、撮影のたびに変化する点が、前述のノイズ成分と異なる。また、トレンドは、被検体を表す画素値に比べれば小さい値であるので、位相微分画像においては目立たないこともある。
しかし、被検体の観察には、位相コントラスト画像が用いられることがある。位相コントラスト画像は、位相微分画像を積分することにより生成される画像であるため、位相微分画像において微小であったトレンドも、位相コントラスト画像においては顕著に現れ、被検体の観察の妨げになることがある。また、トレンドが位相微分画像に顕著に現れている場合には、当然、位相コントラスト画像ではさらに顕著になり、被検体の観察の妨げになる。
こうしたことから、位相コントラスト画像によって被検体を観察する場合には、重畳されたトレンドを除去することが求められる。
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、トレンドがない精細な位相コントラスト画像が得られる放射線撮影装置を提供することを目的とする。また、トレンドのない位相コントラスト画像を得るための画像処理方法を提供することを目的とする。
本発明の放射線撮影装置は、放射線源から射出され、被検体を透過した放射線を検出して画像データを生成する放射線検出器と、前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置され、所定方向の格子線を有する格子部と、前記放射線検出器により得られた画像データに基づいて、位相微分画像を生成する位相微分画像生成部と、前記位相微分画像にアンラップ処理を施すアンラップ処理部と、前記アンラップ処理後の前記位相微分画像から、前記被検体がない場合のオフセットノイズを表すオフセット画像を減算することにより、前記オフセットノイズを除去するオフセット除去部と、前記オフセットノイズが除去された位相微分画像を前記格子線に対して垂直な積分方向に積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部と、前記位相コントラスト画像に残存するノイズ成分であるトレンドを検出して除去するトレンド除去部と、を備えることを特徴とする。
前記トレンド除去部は、前記位相コントラスト画像から、前記積分方向に沿って画素値を抽出し、抽出した画素値を所定関数でフィッティングすることにより、前記積分方向に沿って前記トレンドを検出することが好ましい。
前記所定関数は、二次関数または一次関数であることが好ましい。
前記トレンド検出部は、前記位相コントラスト画像から検出した前記トレンドを画素値とするトレンド画像を生成し、前記位相コントラスト画像から前記トレンド画像を減算することにより、前記トレンドが除去された前記位相コントラスト画像を生成することが好ましい。
前記トレンド検出部は、前記位相コントラスト画像から、前記積分方向に沿って画素値を抽出した後、抽出した画素値から前記被検体がある被検体領域と、前記被検体がない素抜け領域を検出し、前記被検体領域を無視し、前記素抜け領域の画素値に基づいて前記トレンドの検出を行うことが好ましい。
前記トレンド検出部は、前記積分方向に沿った画素値の抽出及び前記トレンドの検出を、1行ずつ全ての行について行うことが好ましい。
前記格子部は、放射線源からの放射線を通過させて第1の周期パターン像を生成する第1の格子と、前記第1の周期パターン像を部分的に遮蔽して第2の周期パターン像を生成する第2の格子と有し、前記放射線画像検出器は、前記第2の周期パターン像を検出して画像データを生成することが好ましい。
前記格子部は、前記第1の格子または第2の格子を所定の走査ピッチで移動させ、複数の走査位置に順に設定する走査機構を備え、前記放射線画像検出器は、前記各走査位置で前記第2の周期パターン像を検出して画像データを生成し、前記位相微分画像生成部は、前記放射線画像検出器により生成される複数の画像データに基づいて位相微分画像を生成することが好ましい。
前記走査機構は、前記第1の格子または第2の格子を、格子線に直交する方向に移動させることが好ましい。
前記走査機構は、前記第1の格子または第2の格子を、格子線に対して傾斜する方向に移動させることが好ましい。
前記位相微分画像生成部は、前記放射線検出器により得られる単一の画像データに基づいて前記位相微分画像を生成することが好ましい。
前記第1の格子は、吸収型格子であり、入射した放射線を幾何光学的に投影することにより前記第1の周期パターン像を生成することが好ましい。
前記第1の格子は、吸収型格子または位相型格子であり、入射した放射線にタルボ効果を生じさせて前記第1の周期パターン像を生成することが好ましい。
前記放射線源から放射された放射線を部分的に遮蔽して焦点を分散化するマルチスリットを備えることが好ましい。
本発明の画像処理方法は、放射線源と放射線検出器との間に格子部を配置して被検体のない状態で撮影を行うことにより得られる画像データに基づいて、前記被検体がない場合のオフセットノイズを表すオフセット画像を生成するオフセット画像生成ステップと、放射線源と放射線検出器との間に格子部を配置して被検体の撮影を行うことにより得られる画像データに基づいて、位相微分画像を生成する位相微分画像生成ステップと、前記位相微分画像から前記オフセット画像を減算することにより、前記位相微分画像から前記オフセットノイズを除去するオフセットノイズ除去ステップと、前記オフセットノイズが除去された位相微分画像を前記格子線に対して垂直な積分方向に積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成ステップと、前記位相コントラスト画像に残存するノイズ成分であるトレンドを検出して除去するトレンド除去ステップと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被検体のない状態で撮影した位相微分画像の減算により除去されるノイズ成分だけでなく、トレンドも残存しない精細な位相微分画像が得られる放射線撮影装置を提供することができる。
X線撮影装置の構成を示すブロック図である。 X線画像検出器の構成を示す模式図である。 第1及び第2の格子の構成を説明する説明図である。 強度変調信号を示すグラフである。 画像処理部の構成を示すブロック図である。 アンラップ処理の態様を示す説明図である。 プレ撮影時の動作態様を示すフローチャートである。 本撮影時の動作態様を示すフローチャートである。 プレ撮影画像データにモアレが生じる様子を示す説明図である。 モアレが位相微分画像中にノイズとして現れる態様を示す説明図である。 オフセットノイズの態様を示す説明図である。 本撮影時に生成される各種画像の態様を示す説明図である。 オフセット画像の減算により位相微分画像にトレンドが残存する態様を示す説明図である。 位相コントラスト画像及び位相コントラスト画像の生成態様を示す説明図である。 X方向に沿って画素値を抽出し、トレンドのX方向成分を検出する態様を示す説明図である。 トレンドのX方向成分から生成されるX方向成分画像である。 Y方向に沿って画素値を抽出し、トレンドのY方向成分を検出する態様を示す説明図である。 トレンドのY方向成分から生成されるY方向成分画像である。 トレンドが除去された位相コントラスト画像である。 位相微分画像に一様なトレンドがある場合に、位相コントラスト画像に重畳されるトレンドの態様を示す説明図である。 位相微分画像に積分方向に変化するトレンドがある場合に、位相コントラスト画像に重畳されるトレンドの態様を示す説明図である。 位相微分画像に積分方向に対して垂直な方向に変化するトレンドがある場合に、位相コントラスト画像に重畳されるトレンドの態様を示す説明図である。 第2実施形態において生成されるトレンド画像である。 第2実施形態において位相コントラスト画像からトレンドを除去する態様を示す説明図である。 被検体の配置を制限するための指標を設ける例を示す図である。 素抜け領域に擬似吸収体を設ける例を示す説明図である。 位相微分画像のトレンドを積分して位相コントラスト画像のトレンドを見積もる態様を示す説明図である。 マルチスリットを有するX線撮影装置を説明する説明図である。
[第1実施形態]
図1において、X線撮影装置10は、X線源11、格子部12、X線画像検出器13、メモリ14、画像処理部15、画像記録部16、撮影制御部17、コンソール18、及びシステム制御部19を備える。X線源11は、例えば、回転陽極型のX線管と、X線の照射野を制限するコリメータとを有し、撮影制御部17の制御に基づき、被検体Hに向けてX線を放射する。
格子部12は、第1の格子21、第2の格子22、及び走査機構23を備える。第1及び第2の格子21,22は、X線照射方向であるZ方向に関してX線源11に対向配置されている。X線源11と第1の格子21との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。X線画像検出器13は、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器であり、第2の格子22の背後に、検出面13aがZ方向に直交するように配置されている。
第1の格子21は、Z方向に直交する格子面内の一方向であるY方向に延伸された複数のX線吸収部21a及びX線透過部21bを備えた吸収型格子である。X線吸収部21a及びX線透過部21bは、Z方向及びY方向に直交するX方向に交互に配列されており、縞状のパターンを形成している。第2の格子22は、第1の格子21と同様にY方向に延伸され、かつX方向に交互に配列された複数のX線吸収部22a及びX線透過部22bを備えた吸収型格子である。X線吸収部21a,22aは、金(Au)、白金(Pt)等のX線吸収性を有する材料により形成されている。X線透過部21b,22bは、シリコン(Si)や樹脂等のX線透過性を有する材料や空隙により形成されている。
第1の格子21は、X線源11から放射されたX線を部分的に通過させて第1の周期パターン像(以下、G1像という)を生成する。第2の格子22は、第1の格子21により生成されたG1像を部分的に透過させて第2の周期パターン像(以下、G2像という)を生成する。被検体Hが配置されていない場合において、G1像は、第2の格子22の格子パターンとほぼ一致する。
X線画像検出器13は、G2像を検出して画像データを生成する。メモリ14は、X線画像検出器13から読み出された画像データを一時的に記憶する。画像処理部15は、メモリ14に記憶された画像データに基づいて位相微分画像を生成し、この位相微分画像に基づいて位相コントラスト画像を生成する。画像記録部16は、位相微分画像と位相コントラスト画像とを記録する。
走査機構23は、第2の格子22をX方向に並進移動させ、第1の格子21に対する第2の格子22の相対位置を順次に変更する。走査機構23は、圧電アクチュエータや静電アクチュエータにより構成され、後述する縞走査を実行するために、撮影制御部17の制御に基づいて駆動される。メモリ14には、縞走査の各走査位置でX線画像検出器13により得られる画像データが一括して記憶される。
コンソール18は、操作部18a及びモニタ18bを備えている。操作部18aは、キーボードやマウス等により構成され、X線源11の管電圧、管電流、照射時間等の撮影条件の設定や、本撮影またはプレ撮影のモード選択、撮影実行指示等の操作入力を可能とする。本撮影とは、X線源11と第1の格子21との間に被検体Hを配置した状態で行う撮影モードである。プレ撮影とは、X線源11と第1の格子21との間に被検体Hを配置せずに行う撮影モードである。詳しくは後述するが、プレ撮影は、第1及び第2の格子21,22の製造誤差や配置誤差等により生じるバックグランド成分をオフセット画像として取得するために用いられる。
モニタ18bは、撮影条件等の撮影情報や、画像記録部16に記録された位相微分画像及び位相コントラスト画像の表示を行う。システム制御部19は、操作部18aから入力される信号に応じて各部を統括的に制御する。
図2において、X線画像検出器13は、入射X線により半導体膜(図示せず)に生じた電荷を収集する画素電極31と、画素電極31によって収集された電荷を読み出すためのTFT(Thin Film Transistor)32とを備えた画素部30が2次元状に多数配列されたものである。半導体膜は、例えば、アモルファスセレンにより形成されている。
また、X線画像検出器13は、ゲート走査線33、走査回路34、信号線35、及び読み出し回路36を備える。ゲート走査線33は、画素部30の行ごとに設けられている。走査回路34は、TFT32をオン/オフするための走査信号を各ゲート走査線33に付与する。信号線35は、画素部30の列ごとに設けられている。読み出し回路36は、各信号線35を介して画素部30から電荷を読み出し、画像データに変換して出力する。各画素部30の詳細な層構成については、例えば、特開2002−26300号公報に記載されている層構成と同様である。
読み出し回路36は、積分アンプ、A/D変換器、補正回路(いずれも図示せず)等を備える。積分アンプは、各画素部30から信号線35を介して出力された電荷を積分して画像信号を生成する。A/D変換器は、積分アンプにより生成された画像信号を、デジタル形式の画像データに変換する。補正回路は、画像データに対して、暗電流補正、ゲイン補正、リニアリティ補正等を行う。この補正後の画像データがメモリ14に記憶される。
X線画像検出器13は、入射X線を半導体膜で直接電荷に変換する直接変換型に限られず、ヨウ化セシウム(CsI)やガドリウムオキシサルファイド(GOS)等のシンチレータで入射X線を可視光に変換し、可視光をフォトダイオードで電荷に変換する間接変換型であってもよい。さらに、X線画像検出器13を、シンチレータとCMOSセンサを組み合わせて構成してもよい。
図3において、X線源11から照射されるX線は、X線焦点11aを発光点としたコーンビームである。第1の格子21は、タルボ効果が生じず、X線透過部21bを通過したX線をほぼ幾何光学的に投影するように構成される。具体的には、X方向へのX線透過部21bの幅を、X線源11から照射されるX線の実効波長より十分大きな値とし、X線の大部分がX線透過部21bで回折しないようにすることで実現される。X線源11の回転陽極としてタングステンを用い、管電圧を50kVとした場合には、X線の実効波長は約0.4Åである。この場合には、X線透過部21bの幅を1〜10μm程度とすればよい。
これにより、G1像は、第1の格子21からZ方向下流への距離に依らず、常に第1の格子21の自己像となる。G1像は、X線焦点11aからZ方向下流への距離に比例して拡大される。
第2の格子22の格子ピッチpは、前述のように、第2の格子22の格子パターンが第2の格子22の位置におけるG1像に一致するように設定されている。具体的には、第2の格子22の格子ピッチpは、第1の格子21の格子ピッチp、X線焦点11aと第1の格子21との間の距離L、第1の格子21と第2の格子22との間の距離Lと、下式(1)をほぼ満たすように設定されている。以下、X,Y,Z方向の座標を、x,y,zとする。
G1像は、被検体HでX線に位相変化が生じて屈折することにより変調される。この変調量には、被検体HでのX線の屈折角φ(x)が反映される。同図には、被検体HでのX線の位相変化を表す位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折するX線の経路が例示されている。符号X1は、被検体Hが存在しない場合にX線が直進する経路を示し、符号X2は、被検体Hにより屈折したX線の経路を示している。
位相シフト分布Φ(x)は、X線の波長をλ、被検体Hの屈折率分布をn(x,z)として、下式(2)で表される。
屈折角φ(x)は、位相シフト分布Φ(x)と、下式(3)の関係にある。
第2の格子22の位置において、X線は、屈折角φ(x)に応じた量だけX方向に変位する。この変位量Δxは、X線の屈折角φ(x)が微小であることに基づいて、近似的に下式(4)で表される。
このように、変位量Δxは、位相シフト分布Φ(x)の微分値に比例する。したがって、変位量Δxを後述する縞走査により検出することにより、位相シフト分布Φ(x)の微分値が得られ、位相微分画像が生成される。
縞走査は、格子ピッチpをM個に分割した値(p/M)を走査ピッチとし、走査機構23により、この走査ピッチで第2の格子22を並進移動させ、第2の格子22を並進移動させるたびに、X線源11からX線を放射してG2像をX線画像検出器13により撮影することにより行われる。Mは3以上の整数であり、例えば、M=5であることが好ましい。
上式(1)を僅かに満たさない場合や、第1の格子21と第2の格子22との間にZ方向周りの回転や、XY平面に対する傾斜が僅かに生じている場合には、G2像にはモアレ縞が生じる。このモアレ縞は、第2の格子22の並進移動に伴って移動し、X方向への移動距離が格子ピッチpに達すると元のモアレ縞に一致する。このモアレ縞の移動を確認することで、第2の格子22の並進移動量を検証することができる。
上記縞走査により、X線画像検出器13の各画素部30について、M個の画素値が得られる。図4に示すように、M個の画素値Iは、第2の格子22の走査位置kに対して周期的に変化する。走査位置kは、第2の格子22を一周期分並進移動させた場合の走査ピッチ(p/M)ごとの各位置である。走査位置kに対する画素値Iの変化を表す信号を強度変調信号と呼ぶ。
同図中の破線は、被検体Hを配置しない状態で得られる強度変調信号を示している。これに対して、実線は、被検体Hを配置した状態で、被検体Hにより位相ズレ量ψ(x)が生じた強度変調信号を示している。この位相ズレ量ψ(x)は、上記変位量Δxと下式(5)の関係にある。
したがって、各画素部30について、縞走査で得られるM個の画素値Iに基づき、強度変調信号の位相ズレ量ψ(x)を求めることにより、位相微分画像が得られる。
次に、位相ズレ量ψ(x)の算出方法について説明する。強度変調信号は、一般に下式(6)で表される。
ここで、Aは入射X線の平均強度を表し、Aは強度変調信号の振幅を表す。nは正の整数、iは虚数単位である。なお、図4に示すように、強度変調信号が正弦波を描く場合には、n=1である。
本実施形態では、走査ピッチ(p/M)が一定であるため、下式(7)が成立する。
上式(7)を上式(6)に適用すると、位相ズレ量ψ(x)は、下式(8)で表される。
ここで、arg[…]は、複素数の偏角を抽出する関数である。また、位相ズレ量ψ(x)は、逆正接関数を用いて下式(9)のように表すことも可能である。
複素数の偏角は、値域が−πから+πの範囲であるため、上式(8)に基づいて位相ズレ量ψ(x)を算出した場合には、位相ズレ量ψ(x)は、−πから+πの範囲に畳み込まれた(ラップされた)値を取る。これに対して、逆正接関数は、通常、値域が−π/2から+π/2の範囲であるため、上式(9)に基づいて位相ズレ量ψ(x)を算出した場合には、位相ズレ量ψ(x)は、−π/2から+π/2の範囲に畳み込まれた値を取る。なお、上式(9)において、逆正接関数内の分母及び分子の正負を判別することにより、値域を−πから+πとすることができるため、−πから+πの範囲で位相ズレ量ψ(x)を算出することも可能である。
本実施形態では、各画素部30について算出された位相ズレ量ψ(x)を画素値とするデータを位相微分画像という。なお、位相ズレ量ψ(x)に定数を乗じたり加算したりしたデータで表される画像を位相微分画像としてもよい。以下、位相微分画像の画素値は、幅αを有する所定の値域(例えば0からαの範囲)にラップされているとする。
図5に示すように、画像処理部15は、位相微分画像生成部40、アンラップ処理部41、オフセット画像記憶部42、オフセット除去部43、位相コントラスト画像生成部44、トレンド除去部45等を備える。
位相微分画像生成部40は、プレ撮影の縞走査でX線画像検出器13により得られるM枚分の画像データ(プレ撮影画像データ)51を用い、上式(8)または上式(9)に基づいて演算を行うことにより、位相微分画像を生成する。同様に、位相微分画像生成部40は、本撮影の縞走査でX線画像検出器13により得られるM枚分の画像データ(本撮影画像データ)52に基づいて位相微分画像を生成する。位相微分画像生成部40で生成された位相微分画像は、アンラップ処理部41に入力される。
アンラップ処理部41は、位相微分画像生成部40から入力される位相微分画像にアンラップ処理を施す。アンラップ処理は、図6に示すように、所定の経路に沿って、位相微分画像の画素値が所定の値域にラップされていることにより大きく変化(いわゆる位相飛び)する点を不連続点DPとして検出し、検出した不連続点DP以降の画素値に値域の幅αを加算または減算することで不連続点DPをなくし、画素値の変化をほぼ連続化する処理である。不連続点DPの検出は、画素値の変化量が所定量(例えば、α/2)以上である箇所を求めることにより行われる。
また、アンラップ処理部41は、位相微分画像の各行または各列の端部に位置する画素に起点を複数設定し、ある起点から所定の経路(例えば、行または列に沿った直線経路)に沿ってアンラップ処理を行った後、ここでアンラップ処理を行った起点と隣接する起点のアンラップ処理を行い、隣接する起点から経路に沿ってアンラップ処理を行うという処理を、起点及び経路を変更しながら順に繰り返すことにより、位相微分画像の全体にアンラップ処理を施す。
アンラップ処理部41は、プレ撮影時には、プレ撮影画像データ51から生成された位相微分画像にアンラップ処理を施すと、これをオフセット画像として、オフセット画像記憶部43に記憶させる。オフセット画像には、第1の格子21や第2の格子22の歪や僅かな位置ずれ(回転や傾斜を含む)、第2の格子22を走査したときに生じる僅かな配置誤差等によって発生するノイズ成分(以下、オフセットノイズという)が写し出される。本撮影時のX線源11の温度環境、撮影回数や被検体との接触状況に応じたX線検出器13の温度環境等がプレ撮影時とほぼ同じであれば、本撮影時に得られる位相微分画像にもオフセット画像に写し出されるオフセットノイズとほぼ同じノイズ成分が重畳される。なお、オフセット画像記憶部43は、新たにプレ撮影を行って新たなオフセット画像が入力された場合には、既に記憶されているオフセット画像を消去した後、新たに入力されたオフセット画像を記憶する。また、本撮影時には、アンラップ処理部41は、本撮影画像データ52から生成された位相微分画像にアンラップ処理を施し、オフセット除去部43に入力する。
オフセット除去部43は、本撮影時に得られる位相微分画像からオフセットノイズを除去する。より具体的には、オフセット除去部43は、本撮影時にアンラップ処理部41から位相微分画像が入力されると、オフセット画像記憶部42からオフセット画像を取得する。そして、入力された位相微分画像からオフセット画像を減算することにより、オフセットノイズが除去された位相微分画像を生成する。オフセットノイズが除去された位相微分画像は、位相コントラスト画像生成部44に入力される。式(3)から分かるように、位相微分画像は、位相シフト分布ΦのX方向への微分量に対応する。
位相コントラスト画像生成部44は、ノイズ除去部43でオフセットノイズが除去された位相微分画像をX方向に沿って積分処理することにより、位相シフト分布Φを表す位相コントラスト画像を生成する。位相微分画像を積分する方向であるX方向は、第1の格子21及び第2の格子22の格子線に垂直な方向であり、また、第2の格子22の走査方向である(図1及び図3も参照)。こうして生成された位相コントラスト画像は、トレンド除去部45に入力される。
トレンド除去部45は、入力された位相コントラスト画像からトレンドを検出し、トレンドを除去する。これにより、トレンドのない位相コントラスト画像が生成される。位相微分画像と、トレンドが除去された位相コントラスト画像は、画像記録部16に記録され、被検体Hの観察に用いられる。
以下、X線撮影装置10の作用を説明する。X線撮影装置10を用いて被検体Hの撮影を行う場合、図7に示すように、被検体Hの撮影の前に、プレ撮影を行う。操作部18aを用いて撮影モードとしてプレ撮影モードが選択されると(ステップS10)、撮影指示の入力待機状態となる(ステップS11)。その後、操作部18aを用いて撮影指示が入力されると、走査機構23により第2の格子22が所定の走査ピッチずつ並進移動されながら、各走査位置kにおいて、X線源11によるX線照射及びX線画像検出器13によるG2像の検出が行われる(ステップS12)。この縞走査の結果、M枚のプレ撮影画像データ51が生成され、メモリ14に格納される。
プレ撮影画像データ51は、画像処理部15に読み出される。画像処理部15内では、位相微分画像生成部40によってプレ撮影画像データ51から位相微分画像が生成される(ステップS13)。この位相微分画像は、アンラップ処理部41によってアンラップ処理が施された後(ステップS14)、オフセット画像としてオフセット画像記憶部42に記憶される。プレ撮影動作は、以上で終了する。なお、このプレ撮影は、X線撮影装置10の立ち上げ時等に被検体Hを配置しない状態で少なくとも一度行われればよく、本撮影の前に毎回行われる必要はない。また、ここでは本撮影の前に予めオフセット画像を生成しておくためにプレ撮影を行う例を説明したが、本撮影後にオフセット画像を生成するための撮影を行っても良い。
次に、図8に示すように、被検体Hを配置し、本撮影を行う。本撮影を行う場合、操作部18aを用いて撮影モードとして本撮影モードが選択される(ステップS20)。本撮影モードが選択されると、撮影指示の待受状態となる(ステップS21)。操作部18aを用いて撮影指示がなされると、縞走査が行われ(ステップS22)、メモリ14にM枚の本撮影画像データ52が格納される。
その後、本撮影画像データ52は、画像処理部15に読み出される。画像処理部15内では、位相微分画像生成部40によって本撮影画像データ52から位相微分画像が生成され(ステップS23)、アンラップ処理部41によってアンラップ処理が施される(ステップS24)。
アンラップ処理が施された位相微分画像はオフセット除去部43に入力される。オフセット除去部43では、位相微分画像からオフセット画像を減算することにより、オフセットノイズが除去される(ステップS25)。
オフセットノイズが除去された位相微分画像は、位相コントラスト画像生成部44に入力され、積分されることにより、位相コントラスト画像が生成される(ステップS26)。生成された位相コントラスト画像は、トレンド除去部45に入力され、重畳されたトレンド成分が検出され(ステップS27)、除去される(ステップS28)。こうしてトレンドが除去された位相コントラスト画像と、前述の位相微分画像は、画像記録部16に記録されるとともに、モニタ18bに画像表示され(ステップS29)、被検体Hの観察に使用される。
以上のように、X線撮影装置10は、本撮影において生成した位相微分画像からオフセット画像を減算することによりオフセットノイズを除去するとともに、オフセットノイズ除去後に残存するノイズ成分であるトレンドを、位相コントラスト画像において検出し除去する。このため、X線撮影装置10によれば、単にオフセットノイズを除去する場合よりも、よりノイズが低減された精細な位相コントラスト画像を得ることができる。
以下、トレンドの発生原因やトレンドを除去するための処理態様をより具体的に説明する。
まず、プレ撮影を行うとプレ撮影画像データ51が得られるが、プレ撮影は被検体Hがない状態で行う撮影であるため、本来であればプレ撮影画像データ51にはほぼ何も写し出されない。しかし、例えば、図9に示すように、プレ撮影画像データ51にモアレ56が発生することがある。モアレ56は、例えば、プレ撮影画像データ51上に破線で示すライン上の画素値Iを抜き出してみれば、X方向に周期的に増減する縞状のノイズである。また、縞走査によるM枚のプレ撮影画像データ51を比較すると、モアレ56は走査位置kに応じてX方向に徐々に移動する。
モアレ56は、第1の格子21や第2の格子22の歪や僅かな位置ずれ(回転や傾斜を含む)、第2の格子22を走査したときに生じる僅かな配置誤差によって発生する。第1の格子21や第2の格子22の歪や僅かな位置ずれは、撮影回数や被検体との接触状況に応じた温度環境によっても変化することがあり、第1の格子21や第2の格子22の温度変化による膨張/収縮により、同様のモアレが生じることがある。
図10に示すように、モアレ56が発生したプレ撮影画像データ51に基づいて位相微分画像57を生成すると、モアレ56は、元のプレ撮影画像データ51上のモアレ周期の例えば1/2倍の周期を持ったノイズ58に変換される。このモアレ56に起因するノイズ58は、値域の幅αを上限/下限とした、いわゆるのこぎり波状である。位相微分画像57にアンラップ処理を施すと、のこぎり波状のノイズ58は、図11に示すように、X方向に画素値ψが単調増加するオフセットノイズ61となってオフセット画像59に重畳される。なお、ノイズ58の周期がモアレ周期の1/2倍となるのは、上式(9)で表される値域が−π/2から+π/2の逆正接関数を用いて位相微分画像57を生成した場合である。一方、上式(8)で表される値域が−πから+πの偏角抽出関数を用いた場合や、逆正接関数の値域を−πから+πに拡張した場合には、位相微分画像57のノイズ58の周期は、モアレ周期と同一である。
同様に、図12(A)に示すように、本撮影を行って得られる本撮影画像データ52には、被検体Hが写し出されると同時に、モアレ62が重畳されることがある。このようにモアレ62が発生した本撮影画像データ52に基づいて位相微分画像を生成すると、モアレ62は、図12(B)に示す位相微分画像63のように1/2倍の周期ののこぎり波状のノイズ64となり、さらにアンラップ処理を施すことによって図12(C)に示す位相微分画像65(被検体画像)のようにオフセットノイズ66となる。
プレ撮影時と本撮影時とで、第1の格子21や第2の格子22の歪や僅かな位置ずれ等がなく、撮影条件がほぼ同じ状態であれば、オフセット画像59上のオフセットノイズ61と、本撮影時に得た位相微分画像65上のオフセットノイズ66は大局的にはほぼ同じ態様の像となっている。このため、位相微分画像65からオフセット画像59を減算すれば、位相微分画像65からオフセットノイズ66が除去される。
しかし、プレ撮影時と本撮影時とで第1の格子21や第2の格子22の歪や僅かな位置ずれ等が厳密に同じ状態となることは殆どなく、プレ撮影時のモアレ56と本撮影時のモアレ62とを比較すると、周期や画像内での傾き等が若干異なっていることが通常である。したがって、モアレ56,62が反映されたオフセットノイズ61,66には若干の差異がある。このため、図13に示すように、本撮影時に得られた位相微分画像56からオフセット画像59を減算して得られる位相微分画像71には、プレ撮影時のオフセットノイズ61と本撮影時のオフセットノイズ66の差異によるノイズ成分がトレンド72として残存する。
図13では、便宜上、オフセットノイズ61,66を示す濃淡と、トレンド72を示す濃淡とが同程度に描いているが、トレンド72は、例えばオフセットノイズ61,66の概ね1/10程度の大きさのノイズ成分である。このように、トレンド72はオフセットノイズに比べて小さいが、トレンド72の大きさが被検体Hを表す成分と同程度か、被検体Hを表す成分以上の大きさの場合には、位相微分画像71による被検体Hの観察の妨げになることがある。但し、具体的な被検体Hの態様にもよるが、多くの場合、被検体Hを表す成分よりもトレンド72は小さい。このため、位相微分画像71はトレンド72を除去しなくても被検体Hを観察可能である。
一方、図14に示すように、位相コントラスト画像81には、被検体Hの像にトレンド82が重畳される。位相コントラスト画像81にトレンド82が重畳されるのは、トレンド72が残存する位相微分画像71を積分して、位相コントラスト画像81を生成していることによる。位相コントラスト画像81のトレンド82は、位相微分画像71のトレンド72を積分したものに対応する。なお、図14に破線矢印で示す積分方向83のように、位相微分画像71の積分は、位相微分画像71の行毎に左端を積分の始点として右側に積分の終点をずらしながら行われる。
位相微分画像71のトレンド72が被検体Hの観察の妨げにならない程度の目立たない大きさであったとしても、位相コントラスト画像81のトレンド82は、位相微分画像71におけるトレンド72よりも顕著になり、被検体Hの観察の妨げになる。このため、トレンド除去部45は、位相コントラスト画像81からトレンド82を検出し、これを除去することにより、位相コントラスト画像における被検体Hの視認性を向上させる。以下、トレンド除去部45が位相コントラスト画像81からトレンド82を検出し、除去する態様を説明する。
図15に示すように、トレンド除去部45は、位相コントラスト画像81からX方向(横方向)に沿って1行分の画素値を抽出する。一例として、図15では、位相コントラスト画像81上に破線で示す行の画素値を抽出した場合のグラフを示している。このように、1行分の画素値を抽出すると、トレンド除去部45は抽出した行の画素値の画素値のグラフを多項式(Φ=ΣK)でフィッティングして、各次の係数Kを算出することにより、画素値を抽出した行についてトレンド82のX方向成分を検出する。
図15にグラフで示すように、X方向に沿って1行分の画素値を抽出すると、被検体がない部分(いわゆる素抜け領域)E2a,E2bと、被検体Hがある領域(以下、被検体領域という)E1とでギャップがあるので、例えば二次関数でフィッティングすると、二点鎖線で示すように、本来検出すべきトレンド82からずれが大きくなることがある。このため、トレンド検出部45は、被検体領域E1と素抜け領域E2a,E2bを検出し、素抜け領域E2a,E2bの画素値に多項式をフィティングすることによってトレンド82のX方向成分を検出する。ここでは、素抜け領域E2a,E2bの画素値に多項式をフィッティングする例を挙げたが、抽出した画素値をスムージングすることにより、被検体領域E1と素抜け領域E2a,E2bのギャップを解消してから多項式をフィッティングすることによっても、ほぼ正確なトレンド82のX方向成分を検出することができる。
なお、トレンド除去部45は、積分の起点となる位相コントラスト画像81の左辺(x=0)において、抽出した画素値と二次関数の値が一致するようにフィッティングを行うことによっても、フィッティングにより得られた多項式は、トレンド82を表す関数となる。
図16に示すように、トレンド検出部45は、上述のようにある行について検出したトレンド82のX方向成分をY方向に並べた画像(以下、X方向成分画像という)83を生成する。そして、図17に示すように、トレンド検出部45は、X方向成分画像83を位相コントラスト画像81から減算することにより、トレンド82のX方向成分が除去された位相コントラスト画像81bが生成する。
その後、トレンド除去部45は、位相コントラスト画像81bからY方向(縦方向)に沿ってある列の画素値を抽出し、抽出した画素値に多項式をフィッティングすることによってトレンド82のY方向成分を検出する。例えば、図17では破線に沿って画素値を抽出してトレンド82のY方向成分を検出する。ここでは素抜け領域E1aの画素値をY方向に抽出しているため、抽出した列には被検体Hは含まれていないが、画素値を抽出した列に被検体Hが含まれている場合は、前述のX方向成分を抽出する場合について説明したように、画素値を抽出した列に沿って被検体領域と素抜け領域を検出し、被検体領域の画素値を多項式でフィッティングすることによって、トレンド82のY方向成分を検出すれば良い。また、抽出した画素値をスムージングしてから多項式でフィッティングすることにより、トレンド82のY方向成分を検出しても良いことも前述と同様である。
図18に示すように、トレンド除去部45は、上述のようにある列について検出したトレンド82のY方向成分をX方向に並べた画像(以下、Y方向成分画像という)84を生成し、位相コントラスト画像81b(図17参照)から減算する。これにより、図19に示すように、トレンド82が除去された位相コントラスト画像81cが生成される。こうしてトレンド除去部45によりトレンド82が除去された位相コントラスト画像81cが画像記録部16に記録され、被検体Hの観察に用いられる。
なお、上述の第1実施形態では、位相コントラスト画像81からトレンド82のX方向成分を検出及び除去し、その後さらにトレンド82のY方向成分を検出及び除去する例を説明したが、先にトレンド82のY方向成分を検出及び除去し、その後X方向成分を検出及び除去しても良い。
また、上述の第1実施形態では、位相コントラスト画像81の縦横(X方向及びY方向)に沿ってトレンド82の成分を検出し、除去する態様を説明したが、トレンド82を検出する方向は位相コントラスト画像81の縦横に沿った方向でなくても良い。例えば、ある任意の方向(例えば、斜め45度方向)とこれに垂直な方向に沿って各々トレンド82の成分を検出し、除去しても良い。
なお、上述の第1実施形態では、トレンド82のX方向成分やY方向成分を検出するときに、X方向やY方向に沿って抽出した画素値を多項式(Φ=ΣK)でフィッティングする例を説明したが、以下に説明するように、多くの場合、トレンド82は高々二次関数で表すことができる。このため、X方向やY方向に沿って抽出した画素値をフィッティングする多項式は二次関数(Φ=K+Kx+K)で良い。むやみにより高次の多項式を用いて抽出した画素値をフィッティングすると、フィッティングに時間を要し、かつ、フィッティングの結果が不正確になることもあるので、抽出した画素値を二次関数でフィッティングしてトレンド82の各方向成分を検出することが好ましい。
以下、トレンド82が概ね二次関数で表せることを説明する。まず、位相微分画像71のトレンド72は、主に次の3種類の成分の重ね合わせで表すことができる。このため、位相コントラスト画像81のトレンド82もまた3種の成分の重ね合わせとして表すことができる。
図20(A1)及び(A2)に示すように、位相微分画像71におけるトレンド72の第1の成分は、位相微分画像71の全体に一様な成分(以下、一様成分という)72aである。一様成分72aは、第2の格子22を走査するときの初期位置が、走査を行うたびにばらつくことが主な発生原因である。図20(B1)及び(B2)に示すように、一様成分72aをX方向に積分すると、X方向に沿って一定の傾斜を有し、X方向の画素値を抽出すれば一次関数で表され、Y方向の画素値を抽出すれば一定値で表される像になる。これが、位相コントラスト画像81におけるトレンド82の第1成分82aである。
また、図21(A1)及び(A2)に示すように、位相微分画像71におけるトレンド72の第2の成分は、X方向に沿って一定の傾斜で増大あるいは減少する成分(以下、X方向成分という)72bである。トレンド72のX方向成分72bは、第1の格子21及び第2の格子の傾斜方向や回転方向の誤差が主な発生原因である。図21(B1)及び(B2)に示すように、X方向成分72bをX方向に積分すると、X方向に沿って単調に増大あるいは減少し、X方向に画素値を抽出すれば二次関数で表され、Y方向に画素値を抽出すれば一定値で表される像になる。これが、位相コントラスト画像81におけるトレンド82の第2成分82bである。
さらに、図22(A1)及び(A2)に示すように、位相微分画像71におけるトレンド72の第3の成分は、Y方向に沿って一定の傾斜で増大あるいは減少する成分(以下、Y方向成分という)72cである。トレンド72のY方向成分72cは、X方向成分72bと同様、第1の格子21及び第2の格子の傾斜方向や回転方向の誤差が主な発生原因である。また、Y方向成分72cは、積分方向であるX方向に沿って画素値を抽出すれば一定値である。図22(B1)及び(B2)に示すように、Y方向成分72cをX方向に積分すると、X方向及びY方向の正側に増大あるいは減少し、X方向に画素値を抽出すれば一次関数で表され、Y方向に画素値を抽出すれば二次関数で表される像になる。これが、位相コントラスト画像81におけるトレンド82の第3成分82cである。なお、前述のように第1成分82aもX方向に画素値を抽出すると一次関数で表されるものであるが、第1成分82aはY方向のどの位置においても同じ傾斜であるのに対し、第3成分82cは画素値を抽出するY方向の位置によって傾斜角度が異なる。このため、第3成分82cは、図22(B2)に示すような像になる。
以上のように、位相コントラスト画像81におけるトレンド82は、一様成分72aに由来する第1成分82aと、位相微分画像71におけるX方向成分72bに由来する第2成分82bと、位相微分画像71におけるY方向成分72cに由来する第3成分82cとの重ね合わせで表すことができる。そして、前述の通り、X方向に沿って見れば、第1成分82a及び第3成分82cは一次関数で表され、第2成分82bは二次関数で表されるので、位相コントラスト画像81からX方向に沿って画素値を抽出すると、抽出した画素値に重畳されたトレンド82の成分は高々二次関数で表すことができる。同様に、Y方向に沿って見れば第1成分82a及び第2成分82bは一定値であり、第3成分82cは二次関数で表せるので、位相コントラスト画像81(あるいはX方向成分を除去した位相コントラスト画像81b)からY方向に沿って画素値を抽出すると、抽出した画素値に重畳されたトレンド82の成分は高々二次関数で表すことができる。したがって、位相コントラスト画像81からX方向やY方向に沿って抽出した画素値を、二次関数でフィッティングすることにより、トレンド82のX方向成分及びY方向成分を検出することができる。
[第2実施形態]
なお、上述の第1実施形態では、位相コントラスト画像81から、トレンド82のX方向成分(Y方向成分)を検出し、除去するときに、ある行(ある列)の画素値を抽出してトレンド82のX方向成分を検出し、これをY方向(X方向)に並べたX方向成分画像83(Y方向成分画像84)を生成して位相コントラスト画像から減算する例を説明したが、以下に第2実施形態として説明するようにトレンド82を検出し、除去しても良い。
まず、前述の第1実施形態と同様に、トレンド除去部45は、位相コントラスト画像81からX方向に沿って画素値を抽出し、画素値を抽出した行についてトレンド82のX方向成分を検出する。但し、前述の第1実施形態ではある行について検出したトレンド82のX方向成分をトレンド82全体のX方向成分の代表として扱い、ある行におけるトレンド82のX方向成分をY方向に並べたX方向成分画像83を生成したが、ここでは、トレンド検出部45はトレンド82のX方向成分の検出を全ての行について行い、各行で検出したトレンド82のX方向成分を並べた画像を生成する。
こうして位相コントラスト画像81の全行について各々検出したX方向成分を並べて生成した画像は、図23に示すようにトレンド82を表すトレンド画像85である。トレンド検出部45が各行で検出するのはトレンド82のX方向成分であるが、トレンド画像85にはトレンド82のY方向への変化も反映されている。これは、ある行で検出したトレンド82のX方向成分を代表とすることなく、位相コントラスト画像81の全行でそれぞれトレンド82のX方向成分を検出しているため、各行で検出したトレンド82のX方向成分を比較すれば、トレンド82のY方向成分によるオフセットが含まれているからである。
したがって、トレンド除去部45は、上述のようにトレンド82を検出し、画像化したトレンド画像85を、位相コントラスト画像81から減算する。これにより、図24に示すように、トレンド82が除去された位相コントラスト画像81cが生成される。
このように、トレンド82のX方向成分を全行で検出し、トレンド画像85を生成して、位相コントラスト画像81から減算する場合、前述の第1実施形態のようにトレンド82のY方向成分を検出し、除去する必要がない。
なお、上述の第2実施形態では、位相コントラスト画像81のX方向成分を全行で検出してトレンド画像85を生成する例を説明したが、位相コントラスト画像81のY方向成分を前列で検出し、これをX方向に並べることでもトレンド画像85を得ることができる。これは、位相コントラスト画像81のX方向及びY方向に沿わない方向(例えば45度方向)に沿ってトレンド82の成分を検出する場合も同様である。
なお、上述の第2実施形態では、位相コントラスト画像81の全行でトレンド82のX方向成分を検出するが、トレンド画像85の生成には、厳密に全行でトレンド82の検出を行わなければならないわけではない。例えば、1行おきにトレンド82のX方向成分を検出し、検出を行わなかった行におけるトレンド82のX方向成分は、前後の行で検出したトレンド82のX方向成分の値やその他の行で検出したトレンド82のX方向成分の値に基づいて、Y方向に補間することにより求めても良い。
なお、上述の第1,第2実施形態では、トレンド82のX方向成分やY方向成分を検出するときに、被検体領域E1及び素抜け領域E2a,E2bを検出する例を説明したが、素抜け領域E2a,E2b及び被検体領域E1の検出は、例えば、次のように行うことができる。トレンド除去部45は、位相コントラスト画像81から1行分の画素値を抽出したときに、所定閾値と比較して画素値の変化量が急峻な点を検出する。素抜け領域E2a,E2bは、トレンド82がなければ画素値がほぼ0になるはずの領域であり、被検体領域E1は、素抜け領域E2a,E2bに対して、被検体Hの組織性状等に応じた画素値を有している領域である。このため、1行分の画素値を見たときに、検出した画素値の変化量が急峻な点を境界として、画素値が部分的に増大している箇所が被検体領域E1、画素値が低い箇所を素抜け領域E2a,E2bとして検出すれば良い。
なお、上述の第1,第2実施形態では、位相コントラスト画像81から素抜け領域E2a,E2bを検出する例を説明したが、位相微分画像71や吸収微分画像、吸収コントラスト画像を用いて素抜け領域E2a,E2bを検出することもできる。吸収コントラスト画像は、本撮影画像データ52を平均することによって生成される画像であり、被検体HのX線吸収量を表す。また、吸収微分画像は、吸収コントラスト画像を例えばX方向に微分することによって生成される画像であり、被検体Hの微分方向へのX線吸収量の変化率を表す画像である。
位相微分画像71や吸収微分画像は、被検体Hと素抜け領域の境界点で画素値が大きく(あるいは小さく)なっており、吸収コントラスト画像では、被検体Hと素抜け領域の境界点を境に画素値が変化する。このため、これらの画像から1行分の画素値を抽出し、画素値の変化率が大きい箇所を被検体Hと素抜け領域の境界点として検出することができる。そして、検出した境界点を境に、X線の吸収が小さい側(例えば画素値が大きい側)を素抜け領域として検出することができる。素抜け領域は画像の種類によらず同じ位置にあるので、位相微分画像71や吸収微分画像、吸収コントラスト画像を用いて素抜け領域を検出した場合、位相コントラスト画像81の対応する箇所が位相コントラスト画像81における素抜け領域である。
また、素抜け領域E2a,E2bの画素値に基づいてトレンド82の検出を行う場合、被検体Hの配置や撮影条件等によらず、位相コントラスト画像81に安定して素抜け領域E2a,E2bが発生するようにすることが好ましい。位相コントラスト画像81に素抜け領域ができやすくするためには、以下のようにすれば良い。
例えば、図25に示すように、第1,第2の格子21,22やX線画像検出器13が収められた筐体91の前面に、被検体Hを配置する推奨範囲を示す指標92を設ける。また、指標92の示す推奨範囲は、X線検出器13の検出面13aのサイズよりも小さくしておく。この場合、指標92にしたがって、被検体Hが指標92内に配置されれば、検出面13aと指標92との差分領域が素抜け領域になる。また、被検体Hの大きさが指標92が示す範囲を超える場合であっても、検出面13aと指標92との差分領域に素抜け領域ができやすい。図25では、検出面13aの中央に指標92を設ける例を示したが、指標92は検出面13aに対して上下左右のどの方向に偏って設けても良い。
また、上述のようにして、位相コントラスト画像81に素抜け領域ができやすくするために、指標92によって被検体Hの配置を制限する場合には、素抜け領域に被検体Hと同程度のX線吸収率を持つ擬似吸収体を配置しておくことが好ましい。例えば、図26に示すように、被検体Hの配置制限によってできる素抜け領域F2a,F2bに対応する検出面13aの前面に、擬似吸収体96を配置する。こうすると、素抜け領域F2a,F2bに対応する画素値ψが飽和して、トレンド72の検出ができなくなってしまうことを防止することができる。なお、図21では、X線検出器13内に擬似吸収体96を配置する例を説明したが、素抜け領域F2a,F2bに対応する位置に配置されていれば、擬似吸収体96の配置は任意であり、擬似吸収体96は、例えば第2の格子22とX線検出パネル13の間や第1,第2の格子21,22の間に設けても良い。また、筐体92の前面92a(あるいは前面92aの筐体92内部側)に、指標92の外周を取り巻くように擬似吸収体96を配置しても良い。
なお、上述の第1,第2実施形態では位相コントラスト画像81からX方向またはY方向に沿って抽出した画素値を多項式でフィッティングしてトレンド82のX方向成分,Y方向成分を検出することを基本とし、特にトレンド82が主要な第1成分82a、第2成分82b、及び第3成分82cの重ね合せで表される場合には二次関数でフィッティングすることがより好ましいことを説明した。しかし、X線撮影装置10の具体的な構成によっては、トレンド82がX方向やY方向に沿って画素値を抽出したときに一次関数で表され、二次関数やそれ以上の次数の多項式で表される成分が殆ど含まれないことがある。例えば、第1成分82aと第2成分82bが発生するが、第3成分82cが殆ど発生しない装置構成の場合、位相コントラスト画像81には二次関数で表されるトレンド成分は発生しない。こうした場合には、位相コントラスト画像81から抽出した画素値を二次関数やそれ以上の高次多項式でフィッティングする必要はなく、一次関数でフィッティングすれば良い。
また、X線撮影装置10やX線画像検出器13の具体的構成によっては、第1〜第3成分82a〜82c以外の成分がトレンドとして現れることがある。例えば、周期的に変化する成分等が発生することがある。こうした場合は、一次関数や二次関数でフィッティングしても、トレンド82を正確に検出することは難しい。このため、周期的なトレンド等、第1〜第3成分82a〜82c以外の成分が発生する装置構成の場合には、これらを考慮して、より高次の多項式や三角関数、指数関数等によってフィッティングし、トレンドを検出すれば良い。但し、多くの場合、第1〜第3成分82a〜82cが支配的であり、これらに比べてその他の成分は小さいので、二次関数でのフィッティングでトレンド82を好適に検出することができる。
なお、上述の第1,第2実施形態では、トレンド除去部45が位相コントラスト画像81に基づいてトレンド82を検出する例を説明したが、トレンド82の検出態様はこれに限らない。例えば、図27に示すように、トレンド除去部45は位相微分画像71を取得し、位相微分画像71のトレンド72を検出し、検出したトレンド72に基づいて位相コントラスト画像81のトレンド82を検出しても良い。
具体的には、位相微分画像71のトレンド72は、前述のように、主に一様成分72a、X方向成分72b、Y方向成分72cの重ね合せで表せるが、後の積分方向であるX方向に沿って位相微分画像71の画素値を1行分抽出する場合には、一様成分72aとY方向成分72cは一定値であり、X方向成分72bは一次関数によって表すことができる。このため、トレンド除去部45は、位相微分画像71からX方向に沿って行毎に画素値を抽出し、一次関数(ψ=Jx+J)でフィティングをし、係数J,Jを算出することによって、この行のトレンド72を検出する。そして、位相微分画像71の全行についてトレンド72を検出し、各行で得た一次関数の値を画素値としたトレンド72を表すトレンド画像98を生成する。トレンド除去部45は、こうして生成したトレンド画像98をX方向に積分することによって、トレンド画像84を生成することにより、位相コントラスト画像81のトレンド82を検出する。
なお、ここでは、位相微分画像71からX方向に画素値を抽出し、一次関数でフィッティングすることにより、位相微分画像71のトレンド72を検出する例を説明したが、一様成分72a,X方向成分72b,Y方向成分72cを各々検出し、これらを合算してトレンド72を検出しても良い。
例えば、位相微分画像71の任意のある行の画素値を代表として抽出し、一次関数でフィッティングすることにより、抽出した行のX方向成分72bを検出する。上述の例では、他の行でも同様の検出を行ったが、X方向成分72bはY方向については一様なので、ここでは代表として抽出した行で検出したトレンドをY方向に並べたX方向成分画像を生成する。そして、位相微分画像71からX方向成分画像を減算して、トレンド72からX方向成分72bを減算する。
次に、X方向成分72bを除去した位相微分画像からY方向に沿って、ある列の画素値を代表として抽出し、一次関数でフィッティングすることにより、Y方向成分72cを検出する。Y方向成分72cはX方向に一様なので、代表の列で検出したY方向成分72cをX方向に並べたY方向成分画像を生成し、X方向成分72bが除去された位相微分画像からさらにY方向成分画像を減算した位相微分画像を生成する。
最後に、X方向成分72b及びY方向成分72cが除去された位相微分画像の任意の方向(例えばX方向)に沿って画素値を抽出し、平滑化等して、一様成分72aを算出し、全画素の画素値をここで算出した値とする一様成分画像を生成する。トレンド除去部45は、こうして生成したX方向成分画像、Y方向成分画像、一様成分画像を合算することによりトレンド画像98を生成し、さらに、これをX方向に積分することによってトレンド画像84を得ることができる。
なお、上記実施形態では、被検体HをX線源11と第1の格子21との間に配置しているが、被検体Hを第1の格子21と第2の格子22との間に配置してもよい。
また、上記実施形態では、縞走査時に第2の格子22を格子線に直交する方向(X方向)に移動させているが、本出願人により特願2011−097090号として出願されているように、第2の格子22を格子線に対して傾斜する方向(XY平面内でX方向及びY方向に直交しない方向)に移動させてもよい。この移動方向は、XY平面内で、かつY方向以外であれば、いずれの方向であってもよい。この場合には、第2の格子22の移動のX方向成分に基づいて、走査位置「k」を設定すればよい。第2の格子22を格子線に対して傾斜する方向に移動させることにより、縞走査の一周期分の走査に要するストローク(移動距離)が長くなるため、移動精度が向上するといった利点がある。
また、上記実施形態では、縞走査時に第2の格子22を移動させているが、第2の格子22に代えて、第1の格子21を格子線に直交する方向または傾斜する方向に移動させてもよい。
また、上記実施形態では、X線源11から射出されるコーンビーム状のX線を射出するX線源11を用いているが、平行ビーム状のX線を射出するX線源を用いることも可能である。この場合には、上式(1)に代えて、p=pをほぼ満たすように第1及び第2の格子21,22を構成すればよい。
また、上記実施形態では、X線源11から射出されたX線を第1の格子21に入射させており、X線源11は単一焦点であるが、図28に示すように、X線源11の射出側直後に、WO2006/131235号公報等に記されたマルチスリット(線源格子)150を設けることにより、X焦点を分散化してもよい。マルチスリット150の格子線方向はY方向である。これより、高出力のX線源を用いることが可能となり、X線量が向上するため、位相微分画像の画質が向上する。この場合、マルチスリット150のピッチpは、下式(10)を満たす必要がある。ここで、距離Lは、マルチスリットから第1の格子21までの距離を表す。ここで、距離Lは、マルチスリットから第1の格子21までのZ方向への距離を表す。その他の構成や作用については、上記各実施形態と同一である。但し、マルチスリット150の位置がX線焦点の位置となるため、上記各実施形態(例えば式(1)等)において、距離Lを距離Lに置き換える必要がある。これは下記の変形例においてマルチスリット150を用いる場合も同様である。
また、マルチスリットを設けた場合には、マルチスリット150を固定したまま、第1の格子21または第2の格子22を移動させて縞走査を行うことの他に、第1及び第2の格子21,22を固定したまま、マルチスリット150を移動させることにより縞走査を行うことが可能である。この場合、マルチスリット150のピッチp0を前述のMで割った値(p0/M)を走査ピッチとして、マルチスリット150をX方向に間欠移動させればよい。これにより、第1及び第2の格子21,22に対するマルチスリット150の走査位置kは、k=0,1,2,・・・,M−1と順に変更される。
また、上記実施形態では、第1の格子21が入射X線を幾何光学的に投影するように構成しているが、WO2004/058070号公報等で知られているように、第1の格子21をタルボ効果が生じる構成としてもよい。第1の格子21でタルボ効果を生じさせるためには、X線の空間干渉性を高めるように、小焦点のX線光源を用いるか、上記マルチスリットを用いればよい。
第1の格子21でタルボ効果が生じる場合には、第1の格子21の自己像(G1像)が、第1の格子21からZ方向下流にタルボ距離Zだけ離れた位置に生じるため、第1の格子21から第2の格子22までの距離Lをタルボ距離Zとする必要がある。
タルボ距離Zは、第1の格子21の構成とX線のビーム形状とに依存する。第1の格子21が吸収型格子であり、X線源11から射出されるX線がコーンビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(11)で表される。ここで、「m」は、正の整数である。この場合には、格子ピッチp,pは、式(1)をほぼ満たすように設定される(ただし、マルチスリット150を用いる場合には、距離Lは距離Lに置き換えられる)。
また、第1の格子21がX線にπ/2の位相変調を与える位相型格子であり、X線源11から射出されるX線がコーンビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(12)で表される。ここで、「m」は、「0」または正の整数である。この場合には、格子ピッチp,pは、式(1)をほぼ満たすように設定される(ただし、マルチスリット150を用いる場合には、距離Lは距離Lに置き換えられる)。
また、第1の格子21がX線にπの位相変調を与える位相型格子であり、X線源11から射出されるX線がコーンビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(13)で表される。ここで、「m」は「0」または正の整数である。ここで、「m」は、「0」または正の整数である。この場合には、G1像のパターン周期が第1の格子21の格子周期の1/2倍となるため、格子ピッチp,pは、式(14)をほぼ満たすように設定される(ただし、マルチスリット150を用いる場合には、距離Lは距離Lに置き換えられる)。
また、第1の格子21が吸収型格子であり、X線源11から射出されるX線が平行ビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(15)で表される。ここで、「m」は正の整数である。この場合には、格子ピッチp,pは、p=pの関係をほぼ満たすように設定される。
また、第1の格子21がX線にπ/2の位相変調を与える位相型格子であり、X線源11から射出されるX線が平行ビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(16)で表される。ここで、「m」は、「0」または正の整数である。この場合には、格子ピッチp,pは、p=pの関係をほぼ満たすように設定される。
そして、第1の格子21がX線にπの位相変調を与える位相型格子であり、X線源11から射出されるX線が平行ビーム状である場合には、タルボ距離Zは、下式(17)で表される。ここで、「m」は、「0」または正の整数である。この場合には、G1像のパターン周期が第1の格子21の格子周期の1/2倍となるため、格子ピッチp,pは、p=p/2の関係をほぼ満たすように設定される。
また、上記実施形態では、格子部12に第1及び第2の格子21,22の2つの格子を設けているが、第2の格子22を省略し、第1の格子21のみとすることも可能である。
例えば、特開平2009−133823号公報に記されたX線画像検出器を用いることにより、第2の格子22を省略し、第1の格子21のみとすることが可能である。このX線画像検出器は、X線を電荷に変換する変換層と、変換層において変換された電荷を収集する電荷収集電極とを備えた直接変換型のX線画像検出器であり、各画素の電荷収集電極が複数の線状電極群を備える。1つの線状電極群は、一定の周期で配列された線状電極を互いに電気的に接続したものであり、他の線状電極群と互いに位相が異なるように配置されている。この線状電極群が第2の格子22として機能し、線状電極群が複数存在することにより、一度の撮影で位相の異なる複数のG2像の検出が行われる。したがって、この構成では、走査機構23を省略することが可能である。
また、走査機構23を省略し、第1及び第2の格子21,22を介してX線画像検出器13により得られる単一の画像データに基づいて位相微分画像を生成する方法がある。この方法として、本出願人により特願2010−256241号として出願されている画素分割法がある。この画素分割法では、第1の格子21と第2の格子22とを、Z方向の回りに僅かに回転させて、Y方向に周期を有するモアレ縞をG2像に発生させる。X線画像検出器13により得られる単一の画像データを、該モアレ縞に対して互いに位相が異なる画素行(X方向に並ぶ画素)の群に分割し、分割された複数の画像データを、縞走査により互いに異なる複数のG2像に基づくものと見なして、上記縞走査法と同様な手順で位相微分画像を生成する。この画素分割法において、前述の強度変調信号は、単一の画像データに生じるモアレ縞の1周期分の画素値の強度変化として表される。
さらに、画素分割法と同様に、走査機構23を省略し、第1及び第2の格子21,22を介してX線画像検出器13により得られる単一の画像データに基づいて位相微分画像を生成する方法として、WO2010/050483号公報に記載されたフーリエ変換法が知られている。このフーリエ変換法は、上記単一の画像データに対してフーリエ変換を行うことによりフーリエスペクトルを取得し、このフーリエスペクトルからキャリア周波数に対応したスペクトル(位相情報を担うスペクトル)を分離した後、逆フーリエ変換を行なうことにより位相微分画像を生成する方法である。なお、このフーリエ変換法において、前述の強度変調信号は、画素分割法の場合と同様に、単一の画像データに生じるモアレ縞の1周期分の画素値の強度変化として表される。
本発明は、医療診断用の放射線撮影装置の他に、工業用の放射線撮影装置等に適用することが可能である。また、放射線は、X線以外に、ガンマ線等を用いることも可能である。
10 X線撮影装置
12 格子部
13 X線画像検出器
21 第1の格子
21a X線吸収部
21b X線透過部
22 第2の格子
22a X線吸収部
22b X線透過部
30 画素部
31 画素電極
33 ゲート走査線
35 信号線

Claims (15)

  1. 放射線源から射出され、被検体を透過した放射線を検出して画像データを生成する放射線検出器と、
    前記放射線源と前記放射線検出器との間に配置され、所定方向の格子線を有する格子部と、
    前記放射線検出器により得られた画像データに基づいて、位相微分画像を生成する位相微分画像生成部と、
    前記位相微分画像にアンラップ処理を施すアンラップ処理部と、
    前記アンラップ処理後の前記位相微分画像から、前記被検体がない場合のオフセットノイズを表すオフセット画像を減算することにより、前記オフセットノイズを除去するオフセット除去部と、
    前記オフセットノイズが除去された位相微分画像を前記格子線に対して垂直な積分方向に積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部と、
    前記位相コントラスト画像に残存するノイズ成分であるトレンドを検出して除去するトレンド除去部と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
  2. 前記トレンド除去部は、前記位相コントラスト画像から、前記積分方向に沿って画素値を抽出し、抽出した画素値を所定関数でフィッティングすることにより、前記積分方向に沿って前記トレンドを検出することを特徴とする請求項1記載の放射線撮影装置。
  3. 前記所定関数は、二次関数または一次関数であることを特徴とする請求項2記載の放射線撮影装置。
  4. 前記トレンド検出部は、前記位相コントラスト画像から検出した前記トレンドを画素値とするトレンド画像を生成し、前記位相コントラスト画像から前記トレンド画像を減算することにより、前記トレンドが除去された前記位相コントラスト画像を生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  5. 前記トレンド検出部は、前記位相コントラスト画像から、前記積分方向に沿って画素値を抽出した後、抽出した画素値から前記被検体がある被検体領域と、前記被検体がない素抜け領域を検出し、前記被検体領域を無視し、前記素抜け領域の画素値に基づいて前記トレンドの検出を行うことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  6. 前記トレンド検出部は、前記積分方向に沿った画素値の抽出及び前記トレンドの検出を、1行ずつ全ての行について行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  7. 前記格子部は、放射線源からの放射線を通過させて第1の周期パターン像を生成する第1の格子と、前記第1の周期パターン像を部分的に遮蔽して第2の周期パターン像を生成する第2の格子と有し、
    前記放射線画像検出器は、前記第2の周期パターン像を検出して画像データを生成することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  8. 前記格子部は、前記第1の格子または第2の格子を所定の走査ピッチで移動させ、複数の走査位置に順に設定する走査機構を備え、
    前記放射線画像検出器は、前記各走査位置で前記第2の周期パターン像を検出して画像データを生成し、
    前記位相微分画像生成部は、前記放射線画像検出器により生成される複数の画像データに基づいて位相微分画像を生成することを特徴とする請求項7記載の放射線撮影装置。
  9. 前記走査機構は、前記第1の格子または第2の格子を、格子線に直交する方向に移動させることを特徴とする請求項8記載の放射線撮影装置。
  10. 前記走査機構は、前記第1の格子または第2の格子を、格子線に対して傾斜する方向に移動させることを特徴とする請求項8記載の放射線撮影装置。
  11. 前記位相微分画像生成部は、前記放射線検出器により得られる単一の画像データに基づいて前記位相微分画像を生成することを特徴とする請求項7記載の放射線撮影装置。
  12. 前記第1の格子は、吸収型格子であり、入射した放射線を幾何光学的に投影することにより前記第1の周期パターン像を生成することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  13. 前記第1の格子は、吸収型格子または位相型格子であり、入射した放射線にタルボ効果を生じさせて前記第1の周期パターン像を生成することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  14. 前記放射線源から放射された放射線を部分的に遮蔽して焦点を分散化するマルチスリットを備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の放射線撮影装置。
  15. 放射線源と放射線検出器との間に格子部を配置して被検体のない状態で撮影を行うことにより得られる画像データに基づいて、前記被検体がない場合のオフセットノイズを表すオフセット画像を生成するオフセット画像生成ステップと、
    放射線源と放射線検出器との間に格子部を配置して被検体の撮影を行うことにより得られる画像データに基づいて、位相微分画像を生成する位相微分画像生成ステップと、
    前記位相微分画像から前記オフセット画像を減算することにより、前記位相微分画像から前記オフセットノイズを除去するオフセットノイズ除去ステップと、
    前記オフセットノイズが除去された位相微分画像を前記格子線に対して垂直な積分方向に積分することにより、位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成ステップと、
    前記位相コントラスト画像に残存するノイズ成分であるトレンドを検出して除去するトレンド除去ステップと、
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
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