JP5204857B2 - 放射線撮影システム及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、X線等の放射線により被検体の撮影を行う放射線撮影システムに関し、特に、位相イメージングを行う放射線撮影システム及びその制御方法に関する。
X線は、物質を構成する元素の原子番号と、物質の密度及び厚さとに依存して減衰するといった特性を有することから、被検体の内部を透視するためのプローブとして用いられている。X線を用いた撮影は、医療診断や非破壊検査等の分野において広く普及している。
一般的なX線撮影システムでは、X線を放射するX線源とX線を検出するX線画像検出器との間に被検体を配置して、被検体の透過像を撮影する。この場合、X線源からX線画像検出器に向けて放射された各X線は、X線画像検出器までの経路上に存在する物質の特性(原子番号、密度、厚さ)の差異に応じた量の減衰(吸収)を受けた後、X線画像検出器の各画素に入射する。この結果、被検体のX線吸収像がX線画像検出器により検出され画像化される。X線画像検出器としては、X線増感紙とフイルムとの組み合わせや輝尽性蛍光体のほか、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が広く用いられている。
しかし、X線吸収能は、原子番号が小さい元素からなる物質ほど低くなるため、生体軟部組織やソフトマテリアルなどでは、X線吸収能が小さく、X線吸収像としての十分な画像の濃淡(コントラスト)が得られないといった問題がある。例えば、人体の関節を構成する軟骨部とその周辺の関節液は、いずれも殆どの成分が水であり、両者のX線の吸収量の差が小さいため、画像のコントラストが得られにくい。
近年、被検体によるX線の強度変化に代えて、被検体の屈折率の違いによるX線の位相変化(角度変化)に基づいた画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。X線が物体に入射したとき、X線の強度よりも位相のほうがより高い相互作用を示すため、位相差に基づいたX線位相イメージングでは、X線吸収能が低い弱吸収物体であっても高コントラストの画像を取得することができる。
このようなX線位相イメージングとして、第1の格子と第2の格子とを所定の間隔で平行に配置し、第1の格子によるタルボ干渉効果によって、第2の格子の位置に第1の格子の自己像を形成し、この自己像を第2の格子によって強度変調することにより位相コントラス画像を取得する放射線撮影システムが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。被検体の位相情報は、自己像を強度変調することにより得られる縞画像に反映される。
上記縞画像から被検体の位相情報を求めるには種々の方法があり、縞走査法、モアレ干渉測定法、フーリエ変換法などが知られている。特許文献1では、縞走査法が用いられている。縞走査法は、第1の格子に対して第2の格子を、格子線方向にほぼ垂直な方向に、格子ピッチよりも細かい所定量ずつ相対的に並進移動(走査)させながら、各走査位置で撮影を行うことにより複数の縞画像を取得し、各画素値の強度変化に基づいてX線の位相変化量に対応する位相微分値を取得する方法である。この位相微分値の2次元像(位相微分像)に基づいて位相コントラスト画像を生成することができる。この縞走査法は、X線の分野に限られず、レーザ光を利用した撮影装置でも用いられている(非特許文献2参照)。
縞走査法では、第1及び第2の格子に製造誤差や歪み、配置ずれ等が生じると、各画素について取得される位相微分値には、被検体に関係のない値が加算されてしまう。特許文献1では、X線源とX線画像検出器との間に被検体を配置して上記一連の撮影を行う「本撮影」と、被検体を配置せずに上記一連の撮影を行なう「プレ撮影」とを行ない、本撮影で得られた第1の位相微分像から、プレ撮影で得られた第2の位相微分像を減算する減算処理を行うことにより、被検体のみに起因した位相微分像を生成することが提案されている。
特許第4445397号公報
C. David, et al., Applied Physics Letters, Vol.81, No.17, 2002年10月,3287頁 Hector Canabal, et al., Applied Optics, Vol.37, No.26, 1998年9月,6227頁
プレ撮影は、本撮影のたびに行う必要がなく、放射線撮影システムの立ち上げ時等に実行しておき、得られた第2の位相微分像を補正データとしてメモリに格納しておけばよい。
しかしながら、上記第1及び第2の位相微分像のそれぞれには、第1及び第2の格子の位置に依存したモアレ縞が生じるため、プレ撮影と本撮影との間において、第1及び第2の格子の位置関係が変化してモアレ縞が変化した場合には、上記減算処理にてモアレ縞が相殺されず、アーチファクトとして残存するという問題がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、プレ撮影と本撮影との間でのモアレ縞の変化によるアーチファクトの発生を低減することを可能とする放射線撮影システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の放射線撮影システムは、放射線源から放射された放射線を撮影して画像データを生成する放射線画像検出器と、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された少なくとも1つの格子と、前記放射線画像検出器により生成された画像データに基づいて位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に被検体を配置して行なわれる本撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第1の位相微分像から、前記被検体を配置せずに行なわれるプレ撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第2の位相微分像を減算し、補正済み位相微分像を生成する減算手段と、前記本撮影と前記プレ撮影との間で、前記第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の変化を検出し、該変化に対応した特性量を算出するモアレ縞変化検出手段と、前記特性量に基づき、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定する判定手段と、を備えることを特徴とする。
なお、前記モアレ縞変化検出手段は、前記補正済み位相微分像に生じる縞状のアーチファクトの周期を前記特性量として算出することが好ましい。
また、前記判定手段は、前記アーチファクトの周期と前記放射線画像検出器の視野サイズとを比較し、該周期が該視野サイズより小さい場合に、前記プレ撮影の再実行が必要であると判定することが好ましい。前記判定手段は、前記アーチファクトの周期と前記放射線画像検出器の視野サイズとの比率を所定値と比較し、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定するようにしてもよい。
また、前記減算手段は、前記プレ撮影が再実行された場合には、再実行時に前記位相微分像生成手段により生成された第2の位相微分像を、前記第1の位相微分像から減算することにより、補正済み位相微分像を生成することが好ましい。
また、前記判定手段により前記プレ撮影の再実行が必要であると判定された場合に、プレ撮影の再実行を促すメッセージを報知する報知手段を備えることが好ましい。
また、前記補正済み位相微分像を積分処理することにより位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成手段を備えることが好ましい。
また、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に、格子線方向が一致するように対向配置された第1及び第2の格子が配置されていることが好ましい。
また、前記第1の格子に対する第2の格子の相対位置を変更し、複数の走査位置に順に設定する走査手段を備え、前記位相微分像生成手段は、前記画像データを構成する画素値の前記走査位置に対する変化を表す強度変調信号の位相ズレ量を求めることにより位相微分像を生成することが好ましい。
また、前記第1の格子は、吸収型格子であり、前記放射線源から入射した放射線を幾何光学的に前記第2の格子に投影することが好ましい。
また、前記第1の格子は、位相型格子であり、タルボ干渉効果により前記放射線源から入射した放射線にタルボ干渉効果を生じさせ、前記第2の格子の位置に自己像を形成するものであってもよい。
さらに、本発明の放射線撮影システムの制御方法は、放射線源から放射された放射線を撮影して画像データを生成する放射線画像検出器と、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された少なくとも1つの格子と、前記放射線画像検出器により生成された画像データに基づいて位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に被検体を配置して行なわれる本撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第1の位相微分像から、前記被検体を配置せずに行なわれるプレ撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第2の位相微分像を減算し、補正済み位相微分像を生成する減算手段と、を備えた放射線撮影システムの制御方法において、前記本撮影と前記プレ撮影との間で、前記第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の変化を検出して、該変化に対応した特性量を算出し、前記特性量に基づき、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定することを特徴とする。
本発明によれば、プレ撮影と本撮影との間で、第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の変化を検出し、該変化に対応した特性量に基づき、プレ撮影の再実行が必要か否かを判定するので、プレ撮影と本撮影との間でのモアレ縞の変化によるアーチファクトの発生を低減することができる。
X線撮影システムの構成を示すブロック図である。 X線画像検出器の構成を示す模式図である。 第1及び第2の格子の構成を示す概略側面図である。 縞走査法を説明する説明図である。 プレ撮影及び本撮影時の強度変調信号を例示するグラフである。 画像処理部の構成を示すブロック図である。 モアレ縞変化検出部の構成を示すブロック図である。 2次元フーリエペクトルの0次ピークを通るu方向のプロファイルである。 補正済み位相微分像に生じるアーチファクトの特徴量について説明する図である。
図1において、X線撮影システム10は、X線源11、撮影部12、メモリ13、画像処理部14、画像記録部15、撮影制御部16、コンソール17、及びシステム制御部18を備えている。X線源11は、例えば、回転陽極型のX線管と、X線の照射野を制限するコリメータとを有し、被検体HにX線を放射する。
撮影部12は、X線画像検出器20と、第1及び第2の格子21,22とからなる。第1及び第2の格子21,22は、吸収型格子であり、X線照射方向であるz方向に関してX線源11に対向配置されている。X線源11と第1の格子21との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。X線画像検出器20は、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器であり、第2の格子22の背後に、検出面がz方向に直交するように配置されている。
第1の格子21は、z方向に直交する面内の一方向であるy方向に延伸された複数のX線吸収部21a及びX線透過部21bを備えている。X線吸収部21a及びX線透過部21bは、z方向及びy方向に直交するx方向に沿って交互に配列されており、縞状のパターンを形成している。第2の格子22は、第1の格子21と同様にy方向に延伸され、かつx方向に沿って交互に配列された複数のX線吸収部22a及びX線透過部22bを備えている。X線吸収部21a,22aは、金(Au)、白金(Pt)等のX線吸収性を有する金属からなる。X線透過部21b,22bは、シリコン(Si)や樹脂等のX線透過性を有する材料からなる。
メモリ13は、撮影部12から読み出された画像データを一時的に記憶する。画像処理部14は、メモリ13に記憶される複数の画像データに基づいて位相コントラスト画像を生成する。画像記録部15は、画像処理部14により生成された位相コントラスト画像を記録する。撮影制御部16は、X線源11及び撮影部12の制御を行う。
コンソール17は、撮影条件や、後述するプレ撮影や本撮影の実行指示等の入力を可能とする操作部17aや、撮影情報や画像等の表示を行うモニタ17bを備えている。システム制御部18は、操作部17aから入力される信号に応じて、各部を統括的に制御する。
撮影部12には、第2の格子22をx方向に並進移動させ、第1の格子21に対する第2の格子22の相対位置を変更する走査機構23が設けられている。走査機構23は、例えば、圧電素子等のアクチュエータにより構成される。走査機構23は、後述する縞走査の際に、撮影制御部16の制御に基づいて駆動される。詳しくは後述するが、メモリ13には、縞走査の各走査位置でX線画像検出器20により撮影される画像データがそれぞれ記憶される。
また、撮影部12には、プレ撮影と本撮影との間での画像データに生じるモアレ縞の変化を検出するモアレ縞変化検出部24が設けられている。モアレ縞変化検出部24による検出結果はシステム制御部18に入力され、システム制御部18は、再度プレ撮影を行う必要があるか否かを判定する。システム制御部18は、再度プレ撮影を行う必要がある場合には、その旨をモニタ17bに表示させる。
図2において、X線画像検出器20は、X線を電荷に変換して蓄積する複数の画素30が、x方向及びy方向に沿ってアクティブマトリクス基板上に2次元配列されてなる受像部31と、画素30からの電荷の読み出しタイミングを制御する走査回路32と、画素30から電荷を読み出し、電荷を画像データに変換して出力する読み出し回路33とから構成されている。走査回路32と各画素30とは、行ごとに走査線34によって接続されている。読み出し回路33と各画素30とは、列ごとに信号線35によって接続されている。画素30の配列ピッチは、x方向及びy方向にそれぞれ100μm程度である。
画素30は、アモルファスセレン等の変換層(図示せず)によりX線を電荷に直接変換し、変換された電荷を変換層の下部の電極に接続されたキャパシタ(図示せず)に蓄積する直接変換型のX線検出素子である。各画素30には、TFTスイッチ(図示せず)が設けられ、TFTスイッチのゲート電極が走査線34、ソース電極がキャパシタ、ドレイン電極が信号線35に接続されている。走査回路32からの駆動パルスによってTFTスイッチがオン状態になると、キャパシタに蓄積された電荷が信号線35に読み出される。
なお、画素30は、酸化ガドリニウム(Gd)やヨウ化セシウム(CsI)等からなるシンチレータ(図示せず)でX線を一旦可視光に変換し、変換された可視光をフォトダイオード(図示せず)で電荷に変換して蓄積する間接変換型のX線検出素子としてもよい。また、X線画像検出器20には、TFTパネルをベースとしたFPDに限られず、CCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子をベースとした放射線画像検出器を用いることも可能である。
読み出し回路33は、積分アンプ、A/D変換器、補正回路(いずれも図示せず)等により構成されている。積分アンプは、各画素30から信号線35を介して出力された電荷を積分して電圧信号である画像信号に変換する。A/D変換器は、積分アンプにより変換された画像信号を、デジタルの画像データに変換する。補正回路は、画像データを構成する各画素値に対して、暗電流補正、ゲイン補正、及びリニアリティ補正等を行い、補正済みの画像データをメモリ13に入力する。
図3において、X線源11から放射されるX線は、X線焦点11aを発光点としたコーンビームであり、第1の格子21を通過することにより生成されるX線の第1の周期パターン像(以下、G1像という)は、X線焦点11aからの距離に比例して拡大される。第2の格子22のX線吸収部22aのx方向の配列ピッチpは、X線焦点11aと第1の格子21との間の距離L、第1の格子21と第2の格子22との間の距離L、及び第1の格子21のX線吸収部21aの配列ピッチpを用いて下式(1)に示すように決定される。
例えば、配列ピッチpは5μmである。X線吸収部21aのz方向の厚みは、X線源11から放射されるコーンビーム状のX線のケラレを考慮して、例えば100μm程度となっている。
第1及び第2の格子21,22は、X線透過部21b,22bを通過したX線を幾何光学的に投影するように構成される。具体的には、x方向に関するX線透過部21b,22bの幅を、X線源11から放射されるX線のピーク波長より十分大きな値とすることで、第1及び第2の格子21,22は、大部分のX線を回折させずに、直進性を保ったまま通過させる。例えば、X線源11のX線管の回転陽極としてタングステンを用い、管電圧を50kVとした場合には、X線のピーク波長は約0.4Åである。この場合には、X線透過部21b,22bの幅として、1〜10μm程度の範囲が許容される。
距離Lは、タルボ干渉計の場合にはタルボ干渉距離に制約されるが、本実施形態では、第1及び第2の格子21,22がX線を幾何光学的に投影するため、距離Lをタルボ干渉距離とは無関係に設定することができる。
上記のように本実施形態の撮影部12は、タルボ干渉計を構成するものではないが、第1の格子21でX線の回折が生じ、タルボ干渉が生じた場合のタルボ干渉距離Zは、配列ピッチp,p、X線の波長λ、及び正の整数mを用いて、下式(2)で表される。
上式(2)は、X線源11から放射されるX線がコーンビーム状である場合のタルボ干渉距離を表す式であり、「Atsushi Momose, et al., Japanese Journal of Applied Physics, Vol.47, No.10, 2008年10月, 8077頁」により知られている。
本実施形態では、距離Lをタルボ干渉距離Zと無関係に設定することができるため、撮影部12の薄型化を目的とし、距離Lを、m=1の場合の最小のタルボ干渉距離Zより短い値に設定する。
以上のように構成された撮影部12では、第1の格子21により生成されたG1像が第2の格子22との重ね合わせにより強度変調されることにより第2の周期パターン像(以下、G2像という)が生成され、X線画像検出器20で撮像される。第2の格子22の位置におけるG1像のパターン周期と、第2の格子2の格子周期(配列ピッチp)と配置誤差などによる若干の差異により、G2像にはモアレ縞が生じる。
X線源11と第1の格子21との間に被検体Hを配置するとG2像が被検体Hにより変調を受ける。この変調量には、被検体Hでの屈折によって偏向したX線の角度が反映される。
次に、本実施形態で用いる縞走査法の原理について説明する。同図には、被検体Hのx方向に関する位相シフト分布Φ(x)に応じて屈折するX線の1つの経路が例示されている。符号X1は、被検体Hが存在しない場合に直進するX線の経路を示している。この経路X1を進むX線は、第1及び第2の格子21,22を通過してX線画像検出器20に入射する。符号X2は、被検体Hが存在する場合に、被検体Hにより屈折したX線の経路を示している。この経路X2を進むX線は、第1の格子21を通過した後、第2の格子22のX線吸収部22aにより吸収される。
被検体Hの位相シフト分布Φ(x)は、被検体Hの屈折率分布をn(x,z)として、下式(3)で表される。ここで、説明の簡略化のため、y座標は省略している。
第1の格子21により第2の格子22の位置に形成されたG1像は、被検体Hを透過する際のX線の屈折により、その屈折角φに応じた量だけx方向に変位する。この変位量Δxは、X線の屈折角φが微小であることに基づいて、近似的に下式(4)で表される。
ここで、屈折角φは、X線の波長λと位相シフト分布Φ(x)を用いて、下式(5)で表される。
このように、変位量Δxは、被検体Hの位相シフト分布Φ(x)に関連している。また、変位量Δx及び屈折角φは、X線画像検出器20で検出される各画素30の強度変調信号の被検体Hによる位相ズレ量ψと、下式(6)に示すように関連している。詳しくは後述するが、強度変調信号とは、第1の格子21に対する第2の格子22の走査位置に対する画素値の変化を表す波形信号である。
したがって、各画素30の強度変調信号の位相ズレ量ψを求めることにより、上式(5),(6)から位相シフト分布Φ(x)が求まる。位相ズレ量ψの2次元分布が上記位相微分像に対応する。
縞走査法では、強度変調信号を得るために、第1及び第2の格子21,22の一方を他方に対して相対的にx方向に並進移動(走査)させながら、所定の複数の走査位置でG2像の撮影を行う。本実施形態では、第1の格子21を固設し、走査機構23により第2の格子22をx方向に移動させる。G2像に生じるモアレ縞は、第2の格子22の移動に伴って移動し、移動距離が第2の格子22の格子周期(配列ピッチp)に達すると、元の位置に戻る。
図4は、配列ピッチpをM(2以上の整数)個に分割した値(p/M)を走査ピッチとし、この走査ピッチごとに第2の格子22を並進移動させる様子を模式的に示している。走査機構23は、k=0,1,2,・・・,M−1のM個の各走査位置に、第2の格子22を順に移動させる。
k=0の位置では、主として、X線源11から放射され被検体Hにより屈折されなかったX線が第2の格子22を通過する。k=1,2,・・・と順に第2の格子22を移動させていくと、第2の格子22を通過するX線は、被検体Hにより屈折されなかった成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折された成分が増加する。特に、k=M/2の位置では、第2の格子22を通過するX線は、ほぼ被検体Hにより屈折された成分のみとなる。k=M/2の位置を超えると、第2の格子22を通過するX線は、被検体Hにより屈折された成分が減少する一方で、被検体Hにより屈折されなかった成分が増加する。
k=0,1,2,・・・,M−1の各走査位置で、X線画像検出器20によりG2像の撮影を行うと、メモリ13にM枚の画像データが記憶される。各画素30について得られるM個の画素値が上記強度変調信号を構成する。この縞走査によるM枚の画像データの取得は、被検体Hを配置して行われる本撮影と、被検体Hを配置せずに行われるプレ撮影とのそれぞれにおいて実行され、メモリ13に記憶される。
具体的には、各画素30で得られたM個の画素値は、図5に例示するように、走査位置kに対して周期的に変化する。同図中の破線は、プレ撮影時に得られる強度変調信号を例示している。これに対して、実線は、本撮影時に被検体Hの影響により位相ズレ量ψ(x,y)が生じた強度変調信号を例示している。ここで、x,yは、画素30の座標を示しており、各画素30について位相ズレ量ψ(x,y)を算出することにより、位相微分像が得られる。
次に、位相ズレ量ψ(x,y)の算出原理について説明する。走査位置kに対する画素値I(x,y)の変化を表す強度変調信号は、一般に下式(7)で表される。
ここで、Aは入射X線の強度に対応し、Aは強度変調信号の振幅に対応する値である。nは正の整数、iは虚数単位である。
配列ピッチpを等分割し、走査ピッチを一定とした場合には、下式(8)が成立する。この関係式を適用すると、位相ズレ量ψ(x,y)は、下式(9)で表される。
位相ズレ量ψ(x,y)の2次元分布が位相微分像に対応する。位相ズレ量ψ(x,y)は、三角関数を用いて下式(10)のように表すことも可能である。
G2像に生じたモアレ縞が生じた場合には、結果的に位相微分像にもモアレ縞が生じることになる。位相微分像は、−π/2からπ/2の値を取る上式(10)を用いて算出されるものであり、いわゆる「位相飛び」によりモアレ縞が生じる。このため、位相微分像のモアレ周期は、X線画像検出器20により検出されるG2像のモアレ周期の1/2倍である。
次に、画像処理部14及びモアレ縞変化検出部24の構成について説明する。図6において、画像処理部14は、位相微分像生成部40、補正データ記憶部41、減算処理部42、及び位相コントラスト画像生成部43を備える。矢印に付された“A”は、本撮影時に動作する構成部間の各種データの移動経路を表し、“B”は、プレ撮影時に動作する構成部間の各種データの移動経路を表し、“A/B”は、本撮影時及びプレ撮影時に動作する構成部間の各種データの移動経路を表している。
位相微分像生成部40には、本撮影時及びプレ撮影時に、縞走査により取得されメモリ13に記憶されたM枚分の画像データが読み出される。位相微分像生成部40は、前述した方法によりM枚の画像データから位相微分像を生成する。本撮影時に位相微分像生成部40により生成された第1の位相微分像は、減算処理部42に入力される。一方、プレ撮影時に位相微分像生成部40により生成された第2の位相微分像は、補正データとして補正データ記憶部41に入力される。補正データ記憶部41は、入力された第2の位相微分像を記憶し、本撮影が行われた際に、記憶している第2の位相微分像を減算処理部42に入力する。
減算処理部42は、本撮影時に入力された第1の位相微分像から第2の位相微分像を減算する補正処理を行い、補正後の位相微分像(以下、補正済み位相微分像という)を位相コントラスト画像生成部43に入力する。位相コントラスト画像生成部43は、入力された補正済み位相微分像をx方向に沿って積分処理を行うことにより、位相コントラスト画像を生成し、位相コントラスト画像を画像記録部15に入力する。
図7において、モアレ縞変化検出部24は、モアレ周期検出部50、モアレ周期記憶部51、及び特性量算出部52を備える。矢印に付された符号の意味は上記と同様である。
モアレ周期検出部50には、本撮影時及びプレ撮影時に、縞走査により取得されメモリ13に記憶されたM枚分の画像データのうちから1枚分の画像データ(例えば、k=0の走査位置で得られた画像データ)が入力される。モアレ周期検出部50は、画素値I(x,y)からなる画像データに対して、下式(11)に基づいて離散フーリエ変換を行うことにより得られる2次元フーリエペクトルF(u,v)からモアレ周期を算出する。ここで、N,Nは、それぞれ画像データ中のx方向及びy方向における画素数である。
具体的には、モアレ周期検出部50は、図8に示すように、2次元フーリエペクトルF(u,v)から、0次ピークP0を通るu方向に沿ったプロファイルを切り出し、0次ピークP0から分離された1次ピークP0までの距離uを求め、この逆数を求めることによりモアレ周期を算出する。なお、上記離散フーリエ変換は、周知の高速フーリエ変換アルゴリズムを用いて行なう。
本撮影時にモアレ周期検出部50により算出された第1のモアレ周期Tは、特性量算出部52に入力される。一方、プレ撮影時にモアレ周期検出部50により算出された第2のモアレ周期Tは、モアレ周期記憶部51に入力される。モアレ周期記憶部51は、入力された第2のモアレ周期Tを記憶し、本撮影が行われた際に、記憶している第2のモアレ周期Tを特性量算出部52に入力する。
特性量算出部52は、画像処理部14の減算処理部42により生成される補正済み位相微分像に生じるアーチファクトの特性量を、入力された第1及び第2のモアレ周期T,Tに基づいて算出する。
図9は、補正済み位相微分像に生じるアーチファクトの特徴量について説明する図である。同図(A)は、本撮影時にモアレ周期検出部50に入力される第1の画像データを例示しており、同図(B)は、プレ撮影時にモアレ周期検出部50に入力される第2の画像データを例示している。第1のモアレ周期Tは、第2のモアレ周期Tより約1割小さい値に変化している。ここでは、プレ撮影と本撮影とでのモアレ縞の変化について説明を行なうため、被検体Hによるモアレ縞の変化は示していない。
同図(C)は、本撮影時に同図(A)の第1の画像データを含むM枚の画像データに基づいて生成される第1の位相微分像を示しており、同図(D)は、プレ撮影時に同図(B)の第2の画像データを含むM枚の画像データに基づいて生成される第2の位相微分像を示している。第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の周期S,Sは、上記したように第1及び第2のモアレ周期T,Tの1/2倍となる。
同図(E)は、上記第1の位相微分像から上記第2の位相微分像を減算することにより生成される補正済み位相微分像を示している。この補正済み位相微分像には、第1及び第2の位相微分像のモアレ周期S,Sの差異により相殺されなかったモアレ縞の成分が縞状のアーチファクトとして残存している。このアーチファクトのx方向に関する周期Uは、下式(12)で表される。
さらに、この周期Uは第1及び第2のモアレ周期T,Tを用いて下式(13)で表される。
前述の特性量算出部52は、上式(13)に基づき、アーチファクトの周期Uを算出し、周期Uをシステム制御部18に供給する。システム制御部18は、周期UがX線画像検出器20のx方向への視野サイズWより大きい場合には、アーチファクトが目立たず、問題がないという観点に基づき、周期Uを視野サイズWと比較する。なお、視野サイズWとは、図2に示す受像部31のx方向に関する長さである。
システム制御部18は、周期Uが視野サイズWより小さい場合には、画像処理部14の処理を停止させ、モニタ17bに位相コントラスト画像を表示させる代わりに、プレ撮影の再実行を促すメッセージをモニタ17bに表示させる。
次に、以上のように構成されたX線撮影システム10の作用を説明する。まず、被検体Hを配置せずに、操作部17aからプレ撮影指示が入力されると、走査機構23により第2の格子22が所定の走査ピッチ(p/M)ずつ並進移動されながら、各走査位置kにおいて、X線源11によるX線照射及びX線画像検出器20によるG2像の検出が行われる。この結果、M枚の画像データが生成され、メモリ13に格納される。
この後、画像処理部14によりメモリ13に格納されたM枚の画像データが読み出される。画像処理部14内では、位相微分像生成部40により第2の位相微分像が算出され、補正データとして補正データ記憶部41に格納される。また、同時に、モアレ縞変化検出部24により、メモリ13に格納されたM枚の画像データから1枚の画像データが読み出される。モアレ縞変化検出部24では、モアレ周期検出部50により第2のモアレ周期Tが検出され、モアレ周期記憶部51に格納される。プレ撮影時の動作は以上で終了する。
次いで、被検体Hを配置して、操作部17aから本撮影指示が入力されると、同様に第2の格子22が並進移動されながら、各走査位置kにおいて、X線照射及びG2像の検出の検出が行われ、M枚の画像データがメモリ13に格納される。
この後、画像処理部14によりメモリ13に格納されたM枚の画像データが読み出される。画像処理部14内では、位相微分像生成部40により第1の位相微分像が算出される。これと同時に、モアレ縞変化検出部24により、メモリ13に格納されたM枚の画像データから1枚の画像データが読み出される。モアレ縞変化検出部24では、モアレ周期検出部50により第1のモアレ周期Tが検出され、この第1のモアレ周期Tが特性量算出部52に入力されるとともに、モアレ周期記憶部51に記憶された第2のモアレ周期Tが特性量算出部52に入力される。
そして、特性量算出部52により、第1及び第2のモアレ周期T,Tに基づいて、アーチファクトの周期Uが算出され、この周期Uがシステム制御部18に供給される。システム制御部18により、周期Uと視野サイズWとの大小関係が判定され、周期Uが視野サイズWより小さい場合には、画像処理部14の処理が停止され、モニタ17bに「再度プレ撮影を実行してください」といったプレ撮影の再実施を促すメッセージ表示が行われる。
一方、周期Uが視野サイズWより大きい場合には、画像処理部14の処理が続行される。画像処理部14内では、減算処理部42に第1の位相微分像が入力されるとともに、補正データ記憶部41に記憶された第2の位相微分像が入力される。そして、減算処理部42により、第1の位相微分像から第2の位相微分像を減算する処理が行われ、補正済み位相微分像が生成される。この補正済み位相微分像は、位相コントラスト画像生成部43に入力され、積分処理が施されることにより、位相コントラスト画像が生成される。この位相コントラスト画像は、画像記録部15に記録された後、モニタ17bに表示される。
なお、上記のプレ撮影の再実施を促すメッセージ表示の後、再度プレ撮影が行われた場合には、このプレ撮影で得られた第2の位相微分像と、先の本撮影で得られた第1の位相微分像とを用いて、減算処理部42により減算処理が行われ、補正済み位相微分像が生成される。この補正済み位相微分像は、同様に、位相コントラスト画像に変換され、画像記録部15に記録された後、モニタ17bに表示される。
以上のように、X線撮影システム10では、プレ撮影と本撮影との間での画像データのモアレ縞の変化が大きい場合には、再度プレ撮影を実行することが促されるため、減算処理部42により生成される補正済み位相微分像のアーチファクトの発生は常に低減される。
なお、上記実施形態では、プレ撮影と本撮影との間で画像データのモアレ縞の周期が変化した場合を例示しているが、本発明は、プレ撮影と本撮影との間で画像データのモアレ縞が回転した場合や、モアレ縞の周期が不均一となり粗密変化が生じた場合にも対応可能である。
モアレ縞が回転した場合には、画像データの2次元フーリエペクトルF(u,v)に生じる0次ピークが原点(u=v=0の点)からずれることになるが、この場合も0次ピークから1次ピークまでのu方向の距離を求めることで、x方向のモアレ周期を検出することが可能である。また、モアレ縞の周期が不均一となった場合には、1次ピークの分布に広がりが生じることになるが、同様にx方向のモアレ周期(平均値)を検出することが可能である。
また、上記実施形態では、プレ撮影及び本撮影で得られた画像データに離散フーリエ変換を施すことによりモアレ周期T,Tを検出し、このモアレ周期T,Tに基づいてアーチファクトの周期Uを算出しているが、これに代えて、第1及び第2の位相微分像に離散フーリエ変換を施すことによりモアレ周期S,Sを検出し、このモアレ周期S,Sに基づいてアーチファクトの周期Uを算出してもよい。
また、上記実施形態では、システム制御部18により、アーチファクトの周期Uと視野サイズWとの大小関係の判定を行っているが、これに代えて、周期Uと視野サイズWとの比率に基づいて判定を行ってもよい。例えば、補正済み位相微分像のアーチファクトが、周期Uの間に位相がπだけずれる変調がかり、視野サイズWにおける位相の変調量ψが、下式(14)で表されることに基づいて判定を行う。
変調量ψが小さいほどアーチファクトが目立たないことから、変調量ψを所定の閾値ψと比較判定し、閾値ψより大きい場合にプレ撮影の再実行を促す。この閾値ψは、例えば、被検体Hによる変調量を基準として定めればよい。例えば、被検体Hが生態軟組織である場合には、X線の被検体Hによる屈折角φは、10−7rad程度となる。この屈折角φより1桁程度小さい値に相当する位相の変調量を閾値ψとすればよい。この場合の閾値ψは、下式(15)で表される。
また、上記実施形態では、視野サイズWを、受像部31のx方向への長さとしているが、受像部31中の被検体Hが撮影される所定領域の長さとしてもよい。
また、上記実施形態では、プレ撮影の再実施を促す旨の報知を、モニタ17bへのメッセージ表示により行なっているが、これに限られず、音声やLED等により報知を行なってもよい。
また、上記実施形態では、走査機構23により第2の格子22を並進移動させる際に、走査位置の初期位置をk=0の位置としているが、初期位置として、k=0,1,2,・・・,M−1のうちのいずれの位置を選択してもよい。
また、上記実施形態では、位相コントラスト画像を画像記録部15に記録してモニタ17bに表示しているが、位相コントラスト画像に代えて、若しくは、位相コントラスト画像とともに、補正済み位相微分像を画像記録部15に記録してモニタ17bに表示してもよい。
また、上記実施形態では、第1及び第2の位相微分像を減算処理部42によりそのまま減算処理しているが、第1及び第2の位相微分像のそれぞれに位相アンラッピング処理を施したうえで減算処理を行ってもよい。位相アンラッピング処理とは、第1及び第2の位相微分像において、−π/2からπ/2の範囲に折り畳まれた位相情報を解いて連続的にする(すなわち、位相飛びを除去する)処理である。また、この位相アンラッピング処理を、減算処理部42により生成された補正済み位相微分像に施してもよい。
また、上記実施形態では、強度変調信号の位相ズレ量の2次元分布を位相微分像として定義しているが、位相シフト分布Φ(x,y)の微分値と比例関係を有するものであれば、屈折角φ等、いかなる物理量の2次元分布を位相微分像としてもよい。
また、上記実施形態では、被検体HをX線源11と第1の格子21との間に配置しているが、被検体Hを第1の格子21と第2の格子22との間に配置してもよい。
また、上記実施形態では、X線源11の後に線源格子(マルチスリット)を設けていないが、X線源11の後に線源格子を設け、焦点を分散化してもよい。
また、上記実施形態では、第1の格子21を、そのX線透過部21bを通過したX線を幾何光学的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、X線透過部21bでX線を回折することによりタルボ干渉効果が生じる特許第4445397号公報等に記載の構成としてもよい。ただし、この場合には、第1及び第2の格子21,22の間の距離Lを前述のタルボ干渉距離Zに設定する必要がある。また、この場合には、第1の格子21を吸収型格子に代えて、位相型格子にすることが可能であり、第1の格子21は、タルボ干渉効果により生じる自己像を、第2の格子22の位置に形成する。
また、上記各実施形態では、X線源11とX線画像検出器20との間に第1及び第2の格子21,22を設けているが、第2の格子22は、必ずしも設ける必要はない。例えば、X線画像検出器20に代えて、特開平2009−133823号公報に開示されたX線画像検出器を用いることにより、第2の格子22を排することができる。このX線画像検出器は、X線を電荷に変換する変換層と、変換層において変換された電荷を収集する電荷収集電極とを備えた直接変換型のX線画像検出器において、各画素の電荷収集電極が、一定の周期で配列された線状電極を互いに電気的に接続してなる複数の線状電極群を、互いに位相が異なるように配置することにより構成されたものである。
また、上記各実施形態では、縞走査法により位相微分像を求めているが、これに限られず、国際公開WO2010/050483に記載されたフーリエ変換法により位相微分像を求めてもよい。フーリエ変換法を採用した場合には、モアレ縞が生じた画像データをフーリエ変換することによってフーリエスペクトルを取得し、このフーリエスペクトルからキャリア周波数に対応したスペクトルを分離して逆フーリエ変換を行なうことにより位相微分像が得られる。この場合には、走査機構23が不要となる。
さらに、本発明は、医療診断用の放射線撮影システムに限定されず、工業用等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。また、放射線として、X線以外に、ガンマ線等を用いることも可能である。
10 X線撮影システム
11 X線源
14 画像処理部
17 コンソール
18 システム制御部
20 X線画像検出器
21 第1の格子
21a X線吸収部
21b X線透過部
22 第2の格子
22a X線吸収部
22b X線透過部
24 モアレ縞変化検出部

Claims (12)

  1. 放射線源から放射された放射線を撮影して画像データを生成する放射線画像検出器と、
    前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された少なくとも1つの格子と、
    前記放射線画像検出器により生成された画像データに基づいて位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、
    前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に被検体を配置して行なわれる本撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第1の位相微分像から、前記被検体を配置せずに行なわれるプレ撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第2の位相微分像を減算し、補正済み位相微分像を生成する減算手段と、
    前記本撮影と前記プレ撮影との間で、前記第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の変化を検出し、該変化に対応した特性量を算出するモアレ縞変化検出手段と、
    前記特性量に基づき、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする放射線撮影システム。
  2. 前記モアレ縞変化検出手段は、前記補正済み位相微分像に生じる縞状のアーチファクトの周期を前記特性量として算出することを特徴とする請求項1に記載の放射線撮影システム。
  3. 前記判定手段は、前記アーチファクトの周期と前記放射線画像検出器の視野サイズとを比較し、該周期が該視野サイズより小さい場合に、前記プレ撮影の再実行が必要であると判定することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  4. 前記判定手段は、前記アーチファクトの周期と前記放射線画像検出器の視野サイズとの比率を所定値と比較し、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の放射線撮影システム。
  5. 前記減算手段は、前記プレ撮影が再実行された場合には、再実行時に前記位相微分像生成手段により生成された第2の位相微分像を、前記第1の位相微分像から減算することにより、補正済み位相微分像を生成することを特徴とする請求項1から4いずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  6. 前記判定手段により前記プレ撮影の再実行が必要であると判定された場合に、プレ撮影の再実行を促すメッセージを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  7. 前記補正済み位相微分像を積分処理することにより位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成手段を備えることを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  8. 前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に、格子線方向が一致するように対向配置された第1及び第2の格子が配置されていることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の放射線撮影システム。
  9. 前記第1の格子に対する第2の格子の相対位置を変更し、複数の走査位置に順に設定する走査手段を備え、
    前記位相微分像生成手段は、前記画像データを構成する画素値の前記走査位置に対する変化を表す強度変調信号の位相ズレ量を求めることにより位相微分像を生成することを特徴とする請求項8に記載の放射線撮影システム。
  10. 前記第1の格子は、吸収型格子であり、前記放射線源から入射した放射線を幾何光学的に前記第2の格子に投影することを特徴とする請求項8または9に記載の放射線撮影システム。
  11. 前記第1の格子は、位相型格子であり、タルボ干渉効果により前記放射線源から入射した放射線にタルボ干渉効果を生じさせ、前記第2の格子の位置に自己像を形成することを特徴とする請求項8または9に記載の放射線撮影システム。
  12. 放射線源から放射された放射線を撮影して画像データを生成する放射線画像検出器と、
    前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に配置された少なくとも1つの格子と、
    前記放射線画像検出器により生成された画像データに基づいて位相微分像を生成する位相微分像生成手段と、
    前記放射線源と前記放射線画像検出器との間に被検体を配置して行なわれる本撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第1の位相微分像から、前記被検体を配置せずに行なわれるプレ撮影時に前記位相微分像生成手段により生成される第2の位相微分像を減算し、補正済み位相微分像を生成する減算手段と、
    を備えた放射線撮影システムの制御方法において、
    前記本撮影と前記プレ撮影との間で、前記第1及び第2の位相微分像に生じるモアレ縞の変化を検出して、該変化に対応した特性量を算出し、
    前記特性量に基づき、前記プレ撮影の再実行が必要か否かを判定する
    ことを特徴とする放射線撮影システムの制御方法。
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