JP2012022239A - 回折格子及びその製造方法、放射線撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】支持基板上に複数枚の小格子を配列した回折格子を湾曲させた際に、湾曲の際の応力が集中する応力集中線によって支持基板が折れるのを防止する。
【解決手段】第2の回折格子13を円筒状に湾曲させる際に応力が集中する支持基板21の応力集中線Fに、少なくとも1枚の小格子が重なるように複数枚の小格子22a〜22dを配列する。これにより、応力集中線Fにおける支持基板21の剛性が向上するので、応力集中線Fにおいて支持基板21が折れるのを防止することができる。更に、小格子間の境界、例えば小格子22a及び22bの境界U1と、小格子22c及び22dの境界U2とが応力集中線F方向において一致しないように、複数枚の小格子22a〜22dを支持基板21上に配列することで、応力集中線F以外で支持基板21が折れるのも防止することができる。
【選択図】図2
【解決手段】第2の回折格子13を円筒状に湾曲させる際に応力が集中する支持基板21の応力集中線Fに、少なくとも1枚の小格子が重なるように複数枚の小格子22a〜22dを配列する。これにより、応力集中線Fにおける支持基板21の剛性が向上するので、応力集中線Fにおいて支持基板21が折れるのを防止することができる。更に、小格子間の境界、例えば小格子22a及び22bの境界U1と、小格子22c及び22dの境界U2とが応力集中線F方向において一致しないように、複数枚の小格子22a〜22dを支持基板21上に配列することで、応力集中線F以外で支持基板21が折れるのも防止することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、位相イメージングを行なう放射線撮影装置と、この放射線影装置に用いられる回折格子及びその製造方法とに関する。
被検体によるX線の位相変化(角度変化)に基づいた画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの一種として、タルボ干渉効果を用いたX線撮影システムが考案されている。
上記X線撮影システムは、被検体の背後に配置した第1の回折格子と、第1の回折格子の格子ピッチとX線波長で決まる特定距離(タルボ干渉距離)だけX線の照射方向の下流に配置した第2の回折格子と、その背後に配置したX線画像検出器とを有する。第1の回折格子を通過したX線は、タルボ干渉効果により第2の回折格子の位置で自己像(縞画像)を形成する。この自己像は、被検体とX線との相互作用(位相変化)により変調を受けているので、第2の回折格子との重ね合わせにより強度変調された縞画像を縞走査法によって検出することにより、被検体による縞画像の変化(位相ズレ)から被検体の位相コントラスト画像を取得することができる。
第1及び第2の回折格子は、X線を透過するX線透過部と、X線を吸収するX線吸収部とを交互に配列した縞状(ストライプ状)の構造を有し、被検体による縞画像の変化を検出するため、X線遮蔽部の配列方向におけるピッチが数μmという微細な構造を必要とする。また、第2の回折格子は、X線吸収部に高いX線吸収性を必要とするため、X線の進行方向の厚みが100μm程度という高アスペクト比な構造を必要とする。そのため、第2の回折格子の製作には、微細な加工が可能なシリコン半導体プロセスが用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記X線撮影システムにおいて、撮影視野サイズを拡大するには、第2の回折格子の面積を大きくすればよい。しかし、シリコン半導体プロセスでは、加工可能なウエハのサイズが制限されるので、ウエハ以上に大きな回折格子を製作することができない。
また、第2の回折格子を大面積化した場合、第1及び第2の回折格子の周縁部でのX線のケラレへの対処と、格子の厚さ方向における収束性のコントロールとが必要になる。すなわち、X線源は点光源とみなせるため、X線源から照射されたコーンビーム状のX線は、そこから離れた距離の分だけスポットサイズが拡大される。そして、その波面は、光源からの等距離の関係が維持されるため湾曲した面になり、回折格子の中心部と周縁部でのX線の入射角度は異なるものとなる。したがって、大面積の回折格子を使用した場合、入射角度の違いにより周縁部のX線の入射角度と回折格子の角度が平行でないためケラレが発生し、結果として不透過の領域ができ、有効面積が制限される。
図11に示すように、第2の回折格子60を大面積化する手法として、X線遮蔽部及びX線透過部を有するサイズの小さな回折格子(以下、小格子と呼ぶ)61を支持基板62上に複数枚配列することが考えられる。また、第2の回折格子60を大面積化した際に、第2の回折格子60の周縁部で生じるX線のケラレを解消するには、小格子61の接合前あるいは接合後に支持基板62を円筒状に湾曲させればよい。しかし、支持基板62を円筒状に湾曲させると、湾曲方向の中央には、湾曲方向に直行する方向に沿って湾曲時の応力が集中する応力集中線Fが生じるため、この応力集中線Fに小格子61の外形線が重なると、図12に示すように支持基板62に折れが生じて変形してしまい、小格子61に剥がれや割れ等が発生し、回折格子としての機能が損なわれてしまう。
本発明の目的は、回折格子の湾曲時に応力集中線によって支持基板が折れるのを防止することにある。
上記課題を解決するために、本発明の回折格子は、湾曲された支持基板上に、放射線遮蔽部と放射線透過部とからなる格子構造を有する少なくとも1枚の小格子を接合した回折格子であって、支持基板を湾曲させたときに応力が集中する応力集中線に、少なくとも1枚の前記小格子が重なるように配置している。
小格子が互いに隣接するように複数枚が配列されている場合には、小格子間の境界の全部が応力集中線方向において一致しないように、支持基板上に小格子が配列されていることが好ましい。また、小格子間の境界は、応力集中線を挟んで等距離に配置されていることが好ましい。
また、小格子が互いに隣接するように複数枚が配列されている場合には、小格子間の境界が応力集中線と交差するように、支持基板上に小格子を配列してもよい。この場合、小格子は、格子方向と外形線とが非平行であることが好ましい。
支持基板の湾曲は、円筒状の湾曲にすることができる。この場合の応力集中線は、支持基板の湾曲方向の両端縁の中間を通り、かつ支持基板上において湾曲方向に直交する。また、支持基板の湾曲は、球面状の湾曲であってもよい。この場合の応力集中線は、支持基板の中心を通って放射状に延びる。
また、支持基板は、放射線透過性を有し、かつ小格子と同程度の熱膨張係数を有することが好ましい。
本発明の放射線撮影装置は、放射線を放射する放射線源と、放射線を通過させて縞画像を生成する第1の回折格子と、縞画像の周期パターンに対して位相が異なる複数の相対位置で前記縞画像に強度変調を与える第2の回折格子と、放射線源と第1の回折格子との間に配置され、放射線源から照射された放射線を領域選択的に遮蔽して複数の線光源とする第3の回折格子と、第2の回折格子により各相対位置で強度変調された縞画像を検出する放射線画像検出器とを有する放射線撮影装置であって、第1〜第3の回折格子の少なくとも1つに、上述したいずれかの回折格子を用いている。
また、本発明の回折格子の製造方法は、湾曲された支持基板上に、放射線遮蔽部と放射線透過部とからなる格子構造を有する少なくとも1枚の小格子を接合した回折格子の製造方法であって、支持基板を湾曲させる工程の前、もしくは支持基板を湾曲させる工程の後に、支持基板を湾曲させたときに応力が集中する応力集中線に、少なくとも1枚の前記小格子が重なるように配置する工程を含んでいる。
本発明の回折格子及びその製造方法によれば、応力集中線に重なるように配置された少なくとも1枚の小格子が、支持基板を湾曲させたときに応力集中線に生じる折れを防止するので、支持基板の折れによる小格子の剥がれや割れ等の発生を防止し、回折格子としての機能を維持することができる。
また、隣接して配置された小格子間の境界の全部が、応力集中線方向において一致しないように小格子を配置したので、応力集中線以外の部分で支持基板が折れてしまうのも防止することができる。この場合、応力集中線に対する小格子間の境界を等距離にすることにより、応力集中線を中心とした支持基板の剛性が均一になるので、支持基板の湾曲状態が安定する。
また、隣接して配置された小格子間の境界が応力集中線と交差するように小格子を配置しても、支持基板が応力集中線で折れるのを防止することができる。この場合、小格子の格子方向と外形線とを非平行にすることにより、外形線に影響されずに小格子の格子方向を適切な方向に配置させることができる。
更に、本発明の回折格子は、円筒状または球面状の湾曲にも対応することができる。更に、支持基板には、放射線透過性を有する材質を用いたので、支持基板を用いることによる回折格子としての性能低下は小さい。また、支持基板に、小格子と同程度の熱膨張係数を有する材質を用いたので、熱膨張量の差による支持基板と小格子との剥がれも防止することができる。
更に、本発明の放射線撮影装置によれば、大面積化された回折格子を用いるので、広い撮影範囲を得ることができる。また、湾曲された回折格子を用いるので、回折格子による放射線のケラレが少ない、高画質を得ることができる。更に、支持基板が応力集中線で折れることによる回折格子の破損が少なくなるので、メンテナンス負荷が小さくなり、コストダウンも可能である。
まず始めに、本発明の回折格子を用いたX線撮影装置について説明する。図1に示すように、X線撮影装置10は、z方向に配置された被検体HにX線を放射するX線源11と、z方向においてX線源11に対向配置された位相型回折格子である第1の回折格子12と、第1の回折格子12からz方向にタルボ干渉距離だけ離れた位置に平行に配置された振幅型回折格子である第2の回折格子13と、X線源11の直後に配置された吸収型格子である第3の回折格子14と、第2の回折格子13に対向配置されたX線画像検出器15とからなる。X線画像検出器15としては、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)が用いられている。
第1の回折格子12は、略矩形状であり、z方向に直交するy方向に直線状に延伸され、かつz方向及びy方向に直交するx方向に沿って所定のピッチで周期的に配列されたX線遮蔽部16が複数設けられている。第2及び第3の回折格子13、14も第1の回折格子12と同様に矩形状であり、X線遮蔽部16と同方向に伸びかつ同方向に配列された複数のX線遮蔽部17、14aが設けられている。各X線遮蔽部16、17、14aの間には、X線透過部が設けられている。X線遮蔽部16、17、14aには、X線の吸収性に優れた金、白金、鉛等が用いられている。第1〜第3の回折格子12〜14は、その周縁部におけるコーンビーム状のX線のケラレを防止するため、収束型に湾曲されている。
X線撮影装置10では、X線源11から照射されたX線は、第3の回折格子14のX線遮蔽部14aによって部分的に遮蔽されることにより、x方向に関する実効的な焦点サイズが縮小され、x方向に多数の線光源(分散光源)が形成される。被検体Hを通過することによりX線には位相差が生じ、このX線が第1の回折格子12を通過することにより、第2の回折格子13の位置には、被検体Hの屈折率と透過光路長とから決定される被検体Hの透過位相情報を反映した縞画像が生成される。この縞画像は、第2の回折格子13により強度変調され、例えば、縞走査法により検出される。
縞走査法とは、第1の回折格子12に対し第2の回折格子13を、X線焦点を中心として格子面に沿った方向に格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動させながら、X線源11から被検体HにX線を照射して複数回の撮影を行なってX線画像検出器15により検出し、X線画像検出器15の各画素の画素データの位相のズレ量(被検体Hがある場合とない場合とでの位相のズレ量)から位相微分像(被検体で屈折したX線の角度分布に対応)を取得する方法である。この位相微分像を上記の縞走査方向に沿って積分することにより、被検体の位相コントラスト画像が得られる。
[第1実施形態]
次に、本発明の回折格子及びその製造方法について説明する。第1の回折格子12は、全体として略矩形状になるよう支持基板19上に配列された4枚の小格子20a〜20dからなる。上述したX線遮蔽部16は、各小格子20a〜20dに設けられている。第2の回折格子13も第1の回折格子12と同様に、支持基板21と4枚の小格子22a〜22dから構成されており、各小格子22a〜22dにX線遮蔽部17が設けられている。第2の回折格子13を例に説明すると、図2に示すように、第2の回折格子13は、例えば1辺が10cmの正方形状の小格子22a〜22dを、100μm程度の間隔を設けて支持基板21上に配列することにより大面積化している。
次に、本発明の回折格子及びその製造方法について説明する。第1の回折格子12は、全体として略矩形状になるよう支持基板19上に配列された4枚の小格子20a〜20dからなる。上述したX線遮蔽部16は、各小格子20a〜20dに設けられている。第2の回折格子13も第1の回折格子12と同様に、支持基板21と4枚の小格子22a〜22dから構成されており、各小格子22a〜22dにX線遮蔽部17が設けられている。第2の回折格子13を例に説明すると、図2に示すように、第2の回折格子13は、例えば1辺が10cmの正方形状の小格子22a〜22dを、100μm程度の間隔を設けて支持基板21上に配列することにより大面積化している。
第1〜第3の回折格子12〜14は、その周縁部におけるコーンビーム状のX線のケラレを防止するため、収束型に湾曲されている。これらの湾曲は、X線源11の焦点を通り、z方向に直交するy方向の直線を中心軸とした円弧状の面である。第2の回折格子13を例に説明すると、図3に示すように、X線源11の焦点と第2の回折格子13との距離Lが例えば200cmであるとき、第2の回折格子13は、半径R=200cmに湾曲される。その際に、第2の回折格子13の周縁部でコーンビーム状のX線を通過させるために必要な湾曲量kは、およそ3mmとなる。湾曲量kは、第2の回折格子13の中心と端部とのz方向の距離である。
小格子20a〜20d及び22a〜22dと、第3の回折格子14は、シリコン半導体プロセスによって形成されている。小格子22aを例にその製造工程について簡単に説明すると、図4(A)に示すように、最初の工程では、小格子22aのベースとなる導電基板25とエッチング基板26とが接合される。導電基板25は、支持層27と、支持層27上に設けられた導電性薄膜28とからなる。支持層27には、X線吸収性が低くかつフレキシブル性を備えた有機材料が用いられ、導電性薄膜28には、Au、Ni等の金属膜が用いられる。また、エッチング基板26には、シリコンウエハが用いられる。
次に、図4(B)に示すように、一般的なフォトリソグラフィ技術を用いて、エッチング基板26の上面にエッチングマスク30が形成される。このエッチングマスク30は、紙面方向に直線状に延伸され、かつ左右方向に所定ピッチで周期的に配列された縞模様のパターンを有する。同図(C)に示すように、エッチングマスク30を用いたドライエッチングにより、エッチング基板26に複数の溝26aが形成される。溝26aは、例えば、幅が数μm、深さ100μm程度の高いアスペクト比を必要とするため、溝26aを形成するドライエッチングには、例えば、ボッシュプロセス、クライオプロセス等が用いられる。
図4(D)に示すように、導電性薄膜28をシーズ層として用いる電解メッキ法により、溝26a内に金(Au)32が埋め込まれ、X線遮蔽部17が形成される。その後、エッチング基板26及び導電基板25が規定サイズに切断され、小格子22aが完成する。なお、電解メッキ後にエッチング基板26または導電基板25のいずれかを除去してもよい。
図5(A)に示すように、第2の回折格子13は、平板状に保持された支持基板21に複数枚の小格子22a〜22dが接合された後、同図(B)に示すように、支持基板21が円筒状に湾曲されることにより形成されている。支持基板21は、X線に対して低吸収で、かつ熱膨張係数が小格子22a〜22dと同程度の材質によって形成されている。小格子22a〜22dを構成するシリコン及びAuの熱膨張係数がそれぞれ4.3/°C及び14.3/°Cなので、支持基板21には、例えば、ガラス(8.3/°C)、カーボン板(5/°C)、アルミ(23/°C)、鉄(12×10−6/°C)等を用いることができる。なお、円筒状に湾曲された支持基板21に小格子22a〜22dを接合してもよい。
図1に示すように、第1及び第2の回折格子12、13を円筒状に湾曲させると、支持基板19、21の湾曲方向の中央には、湾曲方向に直行する方向に沿って湾曲時の応力が集中する応力集中線Fが生じ、図12の支持基板62のように、応力集中線Fで支持基板19、21が折れてしまうことがある。支持基板19、21が応力集中線Fで折れると、小格子20a〜20d、22a〜22dに剥がれや破損が生じ、回折格子としての機能が損なわれてしまう。そのため、本発明では、図2及び図3に示すように、少なくとも1枚の小格子が応力集中線Fに重なるように、複数枚の小格子22a〜22dを支持基板21上に配列している。これによれば、応力集中線Fにおける支持基板21の剛性が向上するので、応力集中線Fにおいて支持基板21が折れるのを防止することができる。
また、応力集中線F以外で支持基板21が折れるのを防止するため、小格子間の境界、例えば小格子22a及び22bの境界U1と、小格子22c及び22dの境界U2とが応力集中線F方向において一致しないように、複数枚の小格子22a〜22dを支持基板21上に配列するのが好ましい。この場合、応力集中線Fと境界U1及び境界U2との距離D1、D2を等しくすれば、応力集中線Fを中心とする支持基板21の湾曲方向の剛性が均一になるので、回折格子の湾曲状態が安定する。これにより、本実施形態のX線撮影装置10は、大面積化された回折格子12、13を用いるので、広い撮影範囲を得ることができる。また、湾曲された回折格子12、13を用いるので、回折格子による放射線のケラレが少ない、高画質を得ることができる。更に、支持基板19、21が応力集中線で折れることによる回折格子12、13の破損が少なくなるので、メンテナンス負荷が小さくなり、コストダウンも可能である。
[第2実施形態]
図6に示す回折格子35のように、小格子36a〜36eが応力集中線F方向において複数列に配列されているときには、境界U3及びU4が応力集中線F方向において連続しないように、小格子36b及び36cを配置するのが好ましい。このような配置においても、支持基板37が応力集中線Fまたはそれ以外の部位で折れ曲がるのを防止することができる。
図6に示す回折格子35のように、小格子36a〜36eが応力集中線F方向において複数列に配列されているときには、境界U3及びU4が応力集中線F方向において連続しないように、小格子36b及び36cを配置するのが好ましい。このような配置においても、支持基板37が応力集中線Fまたはそれ以外の部位で折れ曲がるのを防止することができる。
[第3実施形態]
図7に示す回折格子40のように、小格子41a〜41dの境界U5〜U8が応力集中線Fと交差するように、支持基板42上に小格子41a〜41dを配列してもよい。小格子41a〜41dのように、X線遮蔽部43の延伸方向と外形線とが非平行となるようにすれば、応力集中線Fと交差する境界U5〜U8を得ることができる。
図7に示す回折格子40のように、小格子41a〜41dの境界U5〜U8が応力集中線Fと交差するように、支持基板42上に小格子41a〜41dを配列してもよい。小格子41a〜41dのように、X線遮蔽部43の延伸方向と外形線とが非平行となるようにすれば、応力集中線Fと交差する境界U5〜U8を得ることができる。
[第4実施形態]
図8に示す回折格子45のように、小格子46a〜46jが応力集中線Fの方向において千鳥状になるように支持基板47に配列してもよい。また、小格子間の境界が応力集中線F方向で全て一致しないという構成を満たさないが、図9に示す回折格子50のように、小格子51a〜51iが応力集中線F方向及びその直交方向に直線状に並ぶように、支持基板52に配列してもよい。
図8に示す回折格子45のように、小格子46a〜46jが応力集中線Fの方向において千鳥状になるように支持基板47に配列してもよい。また、小格子間の境界が応力集中線F方向で全て一致しないという構成を満たさないが、図9に示す回折格子50のように、小格子51a〜51iが応力集中線F方向及びその直交方向に直線状に並ぶように、支持基板52に配列してもよい。
[第5実施形態]
図10に示すように、凹状または凸状の球面状に湾曲された回折格子55を用いる場合には、支持基板56の中心cを通って放射状に伸びる応力集中線Fは、支持基板56の全周方向に存在することになる。この場合でも、1つの応力集中線Fに少なくとも1つの小格子57が重なり、応力集中線F方向で小格子間の境界が全て一致しないように支持基板56上に複数枚の小格子57を配列するのが好ましい。
図10に示すように、凹状または凸状の球面状に湾曲された回折格子55を用いる場合には、支持基板56の中心cを通って放射状に伸びる応力集中線Fは、支持基板56の全周方向に存在することになる。この場合でも、1つの応力集中線Fに少なくとも1つの小格子57が重なり、応力集中線F方向で小格子間の境界が全て一致しないように支持基板56上に複数枚の小格子57を配列するのが好ましい。
上記各実施形態は、第2の回折格子13を例に説明したが、第1の回折格子12及び第3の回折格子14にも用いることができる。また、小格子の配列は、上記各実施形態で例示したものに限定されず、応力集中線Fに少なくとも1つの小格子が重なること、更に好ましくは、小格子間の境界が応力集中線F方向において全て一致しないことを満たせば、本発明に含まれる。そのため、支持基板に接合される小格子が1枚の場合も本発明に含まれる。各実施形態は、矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することも可能である。また、タルボ干渉効果を用いたX線撮影装置の回折格子について説明したが、本発明は、タルボ干渉効果を用いずに位相コントラスト画像を撮影するX線撮影システムの回折格子にも適用可能である。
10 X線撮影装置
11 X線源
12 第1の回折格子
13、35、40、45、50、55、60 第2の回折格子
14 第3の回折格子
15 X線画像検出器
20a〜20d、22a〜22d、36a〜36e、41a〜41d、51a〜51i、57、61 小格子
16、17 X線遮蔽部
19、21、37、43、47、52、56、62 支持基板
F 応力集中線
U1〜U8 境界
11 X線源
12 第1の回折格子
13、35、40、45、50、55、60 第2の回折格子
14 第3の回折格子
15 X線画像検出器
20a〜20d、22a〜22d、36a〜36e、41a〜41d、51a〜51i、57、61 小格子
16、17 X線遮蔽部
19、21、37、43、47、52、56、62 支持基板
F 応力集中線
U1〜U8 境界
Claims (12)
- 湾曲された支持基板上に、放射線遮蔽部と放射線透過部とからなる格子構造を有する少なくとも1枚の小格子を接合した回折格子であって、
前記支持基板を湾曲させたときに応力が集中する応力集中線に、少なくとも1枚の前記小格子が重なるように配置したことを特徴とする回折格子。 - 前記小格子は、互いに隣接するように複数枚が配列されており、前記小格子間の境界の全部が前記応力集中線方向において一致しないように、前記支持基板上に配列されていることを特徴とする請求項1記載の回折格子。
- 前記小格子間の境界は、前記応力集中線に対して等距離に配置されていることを特徴とする請求項2記載の回折格子。
- 前記小格子は、互いに隣接するように複数枚が配列されており、前記小格子間の境界が前記応力集中線と交差するように、前記支持基板上に配列されていることを特徴とする請求項1記載の回折格子。
- 前記小格子は、格子方向と外形線とが非平行であることを特徴とする請求項4記載の回折格子。
- 前記支持基板の湾曲は、円筒状の湾曲であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の回折格子。
- 前記応力集中線は、前記支持基板の湾曲方向の両端縁の中間を通り、かつ前記支持基板上において前記湾曲方向に直交することを特徴とする請求項6記載の回折格子。
- 前記支持基板の湾曲は、球面状の湾曲であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の回折格子。
- 前記応力集中線は、前記支持基板の中心を通って放射状に延びることを特徴とする請求項8記載の回折格子。
- 前記支持基板は、放射線透過性を有し、かつ前記小格子と同程度の熱膨張係数を有することを特徴とする請求項1〜9いずれか記載の回折格子。
- 放射線を放射する放射線源と、前記放射線を通過させて縞画像を生成する第1の回折格子と、前記縞画像の周期パターンに対して位相が異なる複数の相対位置で前記縞画像に強度変調を与える第2の回折格子と、前記放射線源と前記第1の回折格子との間に配置され、前記放射線源から照射された放射線を領域選択的に遮蔽して複数の線光源とする第3の回折格子と、前記第2の回折格子により前記各相対位置で強度変調された縞画像を検出する放射線画像検出器とを有する放射線撮影装置であって、
前記第1〜第3の回折格子の少なくとも1つに、請求項1〜10いずれか記載の回折格子を用いたことを特徴とする放射線撮影装置。 - 湾曲された支持基板上に、放射線遮蔽部と放射線透過部とからなる格子構造を有する少なくとも1枚の小格子を接合した回折格子の製造方法であって、
前記支持基板を湾曲させる工程の前、もしくは前記支持基板を湾曲させる工程の後に、前記支持基板を湾曲させたときに応力が集中する応力集中線に、少なくとも1枚の前記小格子が重なるように配置する工程を含むことを特徴とする回折格子の製造方法。
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