JP2012249847A - 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】アスペクト比が高いX線吸収部を有し、アーチファクトの発生が少ないグリッドを提供する。
【解決手段】位相コントラスト画像の撮影に用いられる第2のグリッド14は、X線の照射方向に直交するxy面上に平行な平板状であり、x方向に延伸されたX線吸収部24及びX線透過部25が、y方向に沿って交互に配列されている。各X線透過部25の間には、x方向で隣接するX線透過部25の間を接続する複数の透過用ブリッジ部27が設けられている。透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUは、第2のグリッド14のX線透過部25を透過したX線を検出するX線画像検出器の画素15aのy方向の長さSの1/n(n:正の整数)とされている。これにより、各画素15a内に配置される透過用ブリッジ部27の個数が一定になるので、透過用ブリッジ部27を原因とする位相コントラスト画像のアーチファクトの発生を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、放射線画像の撮影に用いられるグリッド及びその製造方法と、このグリッドを用いた放射線画像撮影システムとに関する。
X線は、物体に入射したときの相互作用により強度と位相とが変化し、位相の変化が強度の変化よりも高い相互作用を示すことが知られている。このX線の性質を利用し、被検体によるX線の位相変化(角度変化)に基づいて、X線吸収能が低い被検体から高コントラストの画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。
2枚の透過型の回折格子(グリッド)によるタルボ干渉効果を用いて、X線位相イメージングを行なうX線画像撮影システムが考案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。このX線画像撮影システムは、X線源から見て、被検体の背後に第1のグリッドを配置し、第1のグリッドからタルボ干渉距離だけ下流に第2のグリッドを配置している。第2のグリッドの背後には、X線を検出して画像を生成するX線画像検出器(FPD:Flat Panel Detector)が配置されている。第1のグリッド及び第2のグリッドは、一方向に延伸されたX線吸収部及びX線透過部を、延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配列した縞状の一次元グリッドである。タルボ干渉距離とは、第1のグリッドを通過したX線が、タルボ干渉効果によって自己像(縞画像)を形成する距離である。
上記X線画像撮影システムでは、第1のグリッドの自己像と第2のグリッドとの重ね合わせ(強度変調)により生じる縞画像を、縞走査法により検出し、被検体による縞画像の変化から被検体の位相情報を取得する。縞走査法とは、第1のグリッドに対して第2のグリッドを、第1のグリッドの面にほぼ平行で、かつ第1のグリッドの格子方向(条帯方向)にほぼ垂直な方向に、格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動させながら複数回の撮影を行い、X線画像検出器で得られる各画素値の変化から、被検体で屈折したX線の角度分布(位相シフトの微分像)を取得する方法であり、この角度分布に基づいて被検体の位相コントラスト画像を得る。この縞走査法は、レーザ光を利用した撮影装置においても用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
第1及び第2のグリッドは、X線の照射方向に直交する延伸方向に延伸されたX線吸収部をX線照射方向及び延伸方向に直交する配列方向に所定ピッチで配列した縞状(ストライプ状)の構造を有する。X線吸収部の幅及び配列ピッチは、X線焦点から第1のグリッドまでの距離と、第1のグリッドと第2のグリッドとの距離によって決定され、数μm〜数十μmである。また、第2のグリッドの線吸収部は、高いX線吸収性を必要とするため、X線の進行方向の厚みが数十〜数百μm程度という高アスペクト比の構造を必要とする。
特許文献1には、図42(A)に示すように、支持基板200上に設けられた感光性樹脂層201にフォトリソグラフィによって複数の溝202を形成することにより、支持基板200上に感光性樹脂からなる複数の板状部203が垂直に立っているような格子パターンを形成し、各溝202内に電解メッキによってAuを充填してX線吸収部を形成するグリッドの製造方法が開示されている。
非特許文献3には、X線吸収部に相当する格子線と、X線透過部に相当する格子間隙とを周期的に交互に並べたグリッドにおいて、格子構造を安定させるために、隣り合う格子線を接続する梁を、格子間隙の延伸方向に沿って不規則に設けることが開示されている。また、非特許文献3のグリッドの改良に関する特許文献2には、格子線の間を接続している梁の間隔が不規則であることを原因として格子線が湾曲するのを防止するため、格子間隙の延伸方向における梁の間隔を、所定の幾何学的条件を満たすようにすることが開示されている。
特開2006−259264号公報 米国公開公報2010/0278297号
C. David, et al., Applied Physics Letters, Vol.81, No.17, 2002年10月,3287頁 Hector Canabal, et al., Applied Optics, Vol.37, No.26, 1998年9月,6227頁 "Fabrication of, high aspect ratio submicron gratings by soft X-ray SU-8 lithography" by E. Reznikova et al., in Micro. Syst. Techn. (2008),
特許文献1のグリッド製造方法では、感光性樹脂層201への露光及び現像により複数の溝202及び板状部203からなる格子パターンが形成されているが、感光性樹脂は軟らかく、格子パターンは微細でアスペクト比が非常に高いため、現像中の溶液の揺動あるいは乾燥時の水の表面張力によるスティッキング(隣接するパターンがくっつく現象)によって変形が起こりやすい。そのため、図42(B)に示すように、板状部203が倒れてとなりの板状部203と接触してしまい、高い精度で格子の幅及び高さを維持するのが難しいという問題があった。また樹脂よりもAuの方が剛性が高いため、Auメッキの成長度合いによっては板状部203の変形が起こり易く、グリッドとしての性能が著しく劣化してしまう。
また、特許文献1では、感光性樹脂層の露光にシンクロトロン放射光を用いているが、シンクロトロン放射光による露光が可能な露光設備は、国内でもごく限られた施設にしかなく、その露光には長時間を要するためスループットが悪く製造には適さない。上記各問題を解決するため、感光性樹脂層に代えてシリコン基板等を用いることも考えられるが、格子パターンは微細かつ高アスペクト比であるため、感光性樹脂層よりも剛性の高い材質を用いても、スティッキングを抑えることは難しい。
特許文献2及び非特許文献3記載の発明は、X線吸収部に相当する格子線の間を梁によって接続しているため、格子線の構造強化には効果がある。しかし、特許文献2及び非特許文献3に記載されている梁は、例えば特許文献1の手法を用いて格子線を形成する際に、感光性樹脂層のスティッキング防止には効果がない。また、特許文献2及び非特許文献3記載の梁は、格子線と同様にX線を吸収するため、この格子を使用して撮影された位相コントラスト画像の画質に影響を及ぼす。例えば、位相コントラスト画像の撮影に用いられるFPDの1画素あたりの梁の個数が各画素間で異なるとき、各画素でのX線検出量にバラツキが生じるため、位相コントラスト画像にアーチファクトが発生してしまう。
本発明の目的は、アスペクト比の高いX線吸収部を有するグリッドと、そのグリッドを精度よく製造する方法とを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の放射線画像撮影用グリッドは、一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配置された複数の放射線吸収部及び放射線透過部と、放射線吸収部から配列方向に突出された複数の吸収用支持部と、放射線透過部から配列方向に突出された複数の透過用支持部とのいずれか一方または両方と、を有し、吸収用支持部の延伸方向におけるピッチと、透過用支持部の延伸方向におけるピッチを、放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)としたものである。
吸収用支持部は、配列方向で隣接する放射線吸収部の間をそれぞれ接続し、透過用支持部は、配列方向で隣接する放射線透過部の間をそれぞれ接続するように構成してもよい。この場合、放射線吸収部は、配列方向の複数本ごとに吸収用支持部によって接続させてもよいし、放射線透過部は、配列方向の複数本ごとに透過用支持部によって接続させてもよい。
配列方向において隣接する吸収用支持部または透過用支持部は、互いに対面しないように配置してもよい。また、吸収用支持部または透過用支持部は、延伸方向の位置がランダムであってもよい。吸収用支持部または透過用支持部は、配列方向に対して斜めに設けられていてもよい。
吸収用支持部は、配列方向において放射線吸収部の間に配置させてもよいし、透過用支持部は、配列方向において放射線透過部の間に配置されていてもよい。また、吸収用支持部は、放射線吸収部と一体に設けてもよいし、透過用支持部は、放射線透過部と一体に設けてもよい。更に、吸収用支持部または透過用支持部は、延伸方向及び配列方向に直交する放射線透過方向の幅が放射線吸収部または放射線透過部よりも狭くてもよい。
吸収用支持部は、放射線透過部を跨いで隣接する放射線吸収部を連結するように構成してもよいし、透過用支持部は、放射線吸収部を跨いで隣接する放射線透過部を連結するように構成してもよい。また、吸収用支持部は、放射線透過部を貫通して隣接する放射線吸収部を連結するように構成してもよいし、透過用支持部は、放射線吸収部を貫通して隣接する放射線透過部を連結するように構成してもよい。
吸収用支持部は、配列方向で隣接する放射線吸収部に当接しない突出量であり、透過用支持部は、配列方向で隣接する放射線透過部に当接しない突出量であってもよい。この場合、吸収用支持部は、放射線吸収部の両側面に配列方向において互いに対面しないように設けられていてもよいし、透過用支持部は、放射線透過部の両側面に配列方向において互いに対面しないように設けられていてもよい。
吸収用支持部は、放射線吸収部の延伸方向の同位置で両側面から突出させてもよいし、透過用支持部は、放射線透過部の延伸方向の同位置で両側面から突出させてもよい。また、吸収用支持部は、配列方向で隣接した放射線吸収部から互いに対面するように突出させてもよいし、透過用支持部は、配列方向で隣接した放射線透過部から互いに対面するように突出させてもよい。吸収用支持部または放射線透過部は、放射線吸収部または放射線透過部を折れ線状に屈曲させた屈曲部から構成してもよい。
本発明の放射線画像撮影システムは、線源グリッド、第1のグリッド、第2のグリッド、放射線画像検出器、及び演算処理手段を備えており、線源グリッドと第2のグリッドとのいずれか一方または両方に、上記放射線画像撮影用グリッドを用いることを特徴としている。線源グリッドは、放射線源から照射された放射線を部分的に遮蔽して多数の線光源にする。第1のグリッドは、放射線を透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置され、放射線源から照射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する。第2のグリッドは、第1の周期パターンに対して位相が異なる少なくとも1つの相対位置で第1の周期パターン像に強度変調を与える。放射線画像検出器は、第2のグリッドにより相対位置で生成された第2の周期パターン像を検出する。演算処理手段は、放射線画像検出器により検出された少なくとも1つの第2の周期パターン像に基づいて位相情報を画像化する。
本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法は、放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部とを形成する工程と、放射線透過部から配列方向に突出され、延伸方向のピッチが放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の透過用支持部を形成する工程と、吸収部用溝内に、放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程とを備えたものである。
上記製造方法には、放射線吸収部から配列方向に突出され、延伸方向のピッチが放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の吸収用支持部を形成する工程を含めてもよい。
また、本発明の放射線画像撮影用グリッドの別の製造方法は、放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部とを形成する工程と、吸収部用溝内に、放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程と、放射線吸収部から配列方向に突出され、延伸方向のピッチが放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の吸収用支持部を形成する工程とを備えたものである。
本発明の放射線画像撮影用グリッドによれば、放射線画像検出器の1画素内に配置される吸収用支持部または透過用支持部の個数が一定になるので、吸収用支持部または透過用支持部を原因とする位相コントラスト画像のアーチファクトの発生を抑制することができる。また、吸収用支持部及び透過用支持部により、放射線吸収部及び放射線透過部を支持することができるので、グリッドの強度が向上する。これにより、放射線画像撮影用グリッドの歪みによる放射線吸収部及び放射線透過部のピッチズレ等を抑えることができるので、本発明の放射線画像撮影用グリッドを使用する放射線画像撮影システムは、高画質な位相コントラスト画像を撮影することができる。
本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法によれば、吸収用支持部または透過用支持部により、放射線透過部または放射線透過部を支持することができるので、放射線透過部の間の溝内に放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する際に、放射線透過部が倒れるのを防止することができる。
X線画像撮影システムの構成を模式的に示す概略図である。 第1実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図及び断面図である。 第1実施形態の第2のグリッドの製造工程を示す断面図である。 X線透過部及び透過用ブリッジ部が形成されたX線透過性基板を示す斜視図である。 第2実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第2実施形態の第2のグリッドの別の構成を示す平面図である。 配列方向において支持部を斜めに配置した第2のグリッドの平面図である。 第3実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第3実施形態の第2のグリッドの別の構成を示す平面図である。 第4実施形態の第2のグリッドの構成を示す斜視図である。 第4実施形態においてX線透過性基板上に第1絶縁層が形成された状態を示す断面図である。 第4実施形態に用いられる第1エッチングマスクの平面図である。 第4実施形態による溝及び透過用ブリッジ部の形成工程の前半部分を示す説明図である。 第4実施形態による溝及び透過部用ブリッジ部の形成工程の後半部分を示す説明図である。 第4実施形態に用いられる第2エッチングマスクの平面図である。 第5実施形態の第2のグリッドの構成を示す斜視図である。 第5実施形態に用いられるエッチングマスクの平面図である。 第5実施形態の透過用ブリッジ部の製造手順を示す断面図である。 第6実施形態の第2のグリッドの構成を示す斜視図である。 第6実施形態においてエッチング基板上に透過用ブリッジ部が形成された状態を示す平面図である。 第6実施形態による溝及び透過用ブリッジ部の形成工程を示す断面図である。 第6実施形態に用いられるエッチングマスクの平面図である。 第7実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図及び断面図である。 第7実施形態の第2のグリッドの斜視図である。 第7実施形態のエッチング後のX線透過性基板の状態を示す斜視図である。 第8実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第8実施形態の第2のグリッドの別の構成を示す平面図である。 第9実施形態の吸収用ブリッジ部のバリエーションを示す断面図である。 第10実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図及び断面図である。 第11実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図及び断面図である。 第11実施形態のエッチング後のX線透過性基板を示す斜視図である。 第12実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第12実施形態の第2のグリッドの別の構成を示す平面図である。 第12実施形態の第2のグリッドの更に別の構成を示す平面図である。 第12実施形態の第2のグリッドの更にまた別の構成を示す平面図である。 第13実施形態の第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第13実施形態の第2のグリッドの別の構成を示す平面図である。 第13実施形態の第2のグリッドの更に別の構成を示す平面図である。 第13実施形態の第2のグリッドの更にまた別の構成を示す平面図である。 第14実施形態の透過用支持部の形状を示す断面図である。 第14実施形態の透過用支持部の別の形状を示す断面図である。 従来のグリッド製造時において板状部が倒れた状態を示す斜視図である。
[第1実施形態]
図1は、位相コントラスト画像の撮影に用いられるX線画像撮影システム10の構成を示す概念図である。X線画像撮影システム10は、X線照射方向であるz方向に沿って配置されたX線源11と、線源グリッド12と、第1のグリッド13と、第2のグリッド14、及びX線画像検出器15とを備えている。
X線源11は、例えば、回転陽極型のX線管と、X線の照射野を制限するコリメータとを有し、被検体Hにコーンビーム状のX線を放射する。X線画像検出器15は、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)であり、第2のグリッド14の背後に配置され、被検体Hを透過したX線を検出する。X線画像検出器15には、その検出結果に基づいて位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部16が接続されている。
線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14は、X線を吸収する吸収型グリッドであり、z方向においてX線源11に対向配置されている。線源グリッド12と第1のグリッド13との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。また、第1のグリッド13と第2のグリッド14との距離は、最小のタルボ干渉距離以下とされている。すなわち、本実施形態のX線画像撮影システム10は、タルボ干渉効果を用いず、X線を投影することによって位相コントラスト画像を撮影する。
第2のグリッド14及び走査機構18は、本発明の強度変調手段を構成する。走査機構18は、位相コントラスト画像の撮影時に第2のグリッド14を、格子ピッチを等分割(例えば、5分割)した走査ピッチで、格子ピッチ方向(x方向)に並進移動させる機構である。
第2のグリッド14を例にして、本発明のグリッドの構造を説明する。図2(A)は、第2のグリッド14の一部をX線画像検出器15側から見た正面図であり、同図(B)は同図(A)のA−A断面図である。第2のグリッド14は、グリッドとして機能するグリッド層20と、このグリッド層20のX線原11側に設けられた支持基板21と、グリッド層20と支持基板21との間に設けられたシーズ層22とからなる。
グリッド層20は、z方向に直交する面内で延伸方向(y方向)に延伸された複数のX線吸収部24及びX線透過部25を備えている。X線吸収部24及びX線透過部25は、z方向及びy方向に直交する配列方向(x方向)に沿って交互に配列されており、縞状の1次元グリッドを構成している。X線透過部25は、X線吸収部24よりも低いX線吸収性を有する材質からなる。X線吸収部24及びX線透過部25は、X線源11から照射されたX線をそれぞれ吸収(遮蔽)及び透過することにより、縞状の画像を形成する。
支持基板21は、X線透過部25と同様に低いX線吸収性を有し、かつグリッド層20を支持する剛性を備えた材質からなる。シーズ層22は、導電性を有する材質からなり、X線吸収部24を電解メッキによって形成する際に、電極として用いられる。シーズ層22は、グリッド層20及び支持基板21に比べて薄いため、X線透過性に関する影響は少ない。
X線吸収部24の幅W2及びピッチP2は、線源グリッド12と第1のグリッド13との間の距離、第1のグリッド13と第2のグリッド14との間の距離、及び第1のグリッド13のX線吸収部のピッチ等によって決まり、幅W2はおよそ2〜20μm、ピッチP2は4〜40μm程度である。また、X線吸収部24のz方向の厚みT2は、高いX線吸収性を得るには厚いほどよいが、X線源11から放射されるコーンビーム状のX線のケラレを考慮して、例えば100〜200μm程度となっている。本実施形態では、例えば、幅W2が2.5μm、ピッチP2が5μm、厚みT2が100μmであり、X線吸収部24のアスペクト比は40である。
各X線透過部25の側面には、x方向に突出されることにより、x方向で隣接したX線透過部2の間を接続する複数の透過用ブリッジ部27が一体に設けられている。透過用ブリッジ部27は、z方向の高さがX先透過部25と同じであるため、X線吸収部24は透過用ブリッジ部27によって分断されている。透過用ブリッジ部27は、X先透過部25の倒れを防止し、第2のグリッド14の強度を向上させて歪み等の発生を抑える。なお、透過用ブリッジ部27は、本発明の透過用支持部を構成する。
透過用ブリッジ部27は、x方向において直線上に並ぶように配置されている。透過用ブリッジ部27のy方向の幅Fは、例えばX線透過部25の幅と同一、または広くされている。また、透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUは、X線画像検出器15の画素15aのy方向の長さSの1/n(n:正の整数)とされている。X線画像検出器15の画素15aの一般的なサイズは、例えば150〜300μm角である。
X線透過部25と一体に設けられている透過用ブリッジ部27は、X線透過部25と同様に高いX線透過性を有しているため、各画素15a内の透過用ブリッジ部27の個数に大きな差が生じると、各画素15aのX線検出量にばらつきが生じ、位相コントラスト画像にアーチファクトが発生する可能性がある。本実施形態では、透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUを画素15aのy方向の長さSに基づいて規定しているため、各画素15a内に配置される透過用ブリッジ部27の個数が一定になる。したがって、透過用ブリッジ部27を原因とする位相コントラスト画像のアーチファクトの発生を抑制することができる。
なお、透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUは、X線画像検出器15に投影される透過用ブリッジ部27の大きさを考慮して設定されるのが好ましい。すなわち、X線原11から照射されるX線がコーンビームであるため、X線原11から第2のグリッド14までの距離をL1、第2のグリッド14からX線画像検出器15までの距離をL2としたとき、X線画像検出器15にはL2/L1倍に拡大された透過用ブリッジ部27が投影されることになるからである。
透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUは、画素15aのサイズに応じて適宜選択可能である。例えば、マンモグラフィー用のX線画像検出器の画素サイズは、50〜70μm角であり一般撮影用のX線画像検出器に比べて小さく、透過用ブリッジ部27の個数が多くなると画質に影響を及ぼすため、画素サイズに応じて適切なサイズを用いることが好ましい。
なお、図2は、画素15aと透過用ブリッジ部27との関係を概略的に図示するため、画素15aに対するX線吸収部24及びX線透過部25のサイズを大きく図示し、かつピッチP2に対するピッチUの長さを小さく図示しているが、実際にはX線吸収部24のピッチP2に対し、透過用ブリッジ部27のピッチUはかなり長くなるように設定される。
次に、第2のグリッド14の製造方法について説明する。図3は、第2のグリッド14の製造手順を示しており、図1及び図2のx方向及びz方向で規定されるxz面に沿う断面図である。図3(A)に示すように、最初の工程では、グリッド層20のX線透過部25を構成するX線透過性基板30と、一方の面にシーズ層22が設けられた支持基板21とが接合される。
X線透過性基板30の材質には、X線吸収性が低くかつ強度を有し、加工し易いことが必要である。このような特性を満たす材質として、例えばシリコン(Si)が望ましいが、GaAs、Geまたは石英またはレジスト等を用いてもよい。レジストとしては、例えばSU−8(化薬マイクロケム株式会社製、または日本化薬株式会社製)等を用いることができる。X線透過性基板30の厚みは、上述したX線吸収部24のz方向の厚みT2に相当し、例えば20〜150μmである。
支持基板21には、X線吸収性が低く、X線透過性基板30との熱膨張係数差が少ない材質が用いられる。このような材質として、例えば、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、石英、アルミナ、GaAs、Ge等が望ましく、更にはX線透過性基板30と同じシリコンが望ましい。ホウケイ酸ガラスとしては、例えばパイレックス(登録商標)ガラス、テンパックス(登録商標)ガラス等を用いることができる。支持基板21の材質にX線透過性基板30との熱膨張係数差が少ないものを用いるのは、X線透過性基板30との接合時及び使用時の熱応力による歪みを防止するためである。
シーズ層22は、例えば、AuまたはNi、もしくはAl、Ti、Cr、Cu、Ag、Ta、W、Pb、Pd、Pt等からなる金属膜、あるいはそれらの合金からなる金属膜から構成するのが好ましい。また、シーズ層22は、X線透過性基板30に設けられていてもよいし、X線透過性基板30と支持基板21との両方に設けられていてもよい。シーズ層22は、数μm程度の厚さであるため、Au等のX線吸収性の高い材質を用いた場合でもX線透過性に影響しない。
シーズ層22を含む支持基板21の厚みは、X線透過性基板30よりも厚くなっており、例えば100〜700μm程度である。なお、支持基板21は、接合前は厚くしておき、接合後に研磨して所望の厚さに調整してもよい。
図3(B)に示すように、次の工程では、一般的なフォトリソグラフィ技術を用いて、X線透過性基板30の上にSiO2等からなるエッチングマスク32が形成される。エッチングマスク32は、紙面方向であるy方向に直線状に延伸され、かつx方向に所定ピッチで周期的に配列された縞模様のパターンと、この縞模様のパターンからx方向に突出された透過用ブリッジ部27用のパターンとから構成されている。透過用ブリッジ部27用のパターンのy方向のピッチは、画素15aのy方向長さSの1/n(n:正の整数)である。
図3(C)及び図4に示すように、次の工程では、エッチングマスク32を介してX線透過性基板30にエッチングが行なわれる。これにより、X線透過性基板30には、複数の溝28と、各溝28を構成する板状のX線透過部25と、複数の透過用ブリッジ部27とが形成される。溝28は、例えば、幅が数μm、深さ100〜200μm程度の高いアスペクト比を必要とするため、溝28を形成するエッチングには、例えば、ボッシュプロセス、クライオプロセス等の深堀用のドライエッチング、またはウェットエッチングが用いられる。エッチングマスク32は、エッチング工程後に除去される。なお、シリコン基板に代えて感光性レジストを使用し、シンクロトロン放射光で露光して溝を形成してもよい。
図3(D)に示すように、次の工程では、X線透過性基板30にX線吸収材の電解メッキが施される。この電解メッキでは、X線透過性基板30は、シーズ層22に電流端子が接続された状態でメッキ液中に浸漬される。X線透過性基板30と対向させた位置には、もう一方の電極(陽極)が用意され、この問に電流が流されてメッキ液中の金属イオンが還元され、金属がシーズ層22に析出される。これにより、溝28内にX線吸収材が充填されてX線吸収部24が形成される。X線吸収材としては、金、白金、銀、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、パラジウム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、レニウム及びそれらの合金等が好ましい。
電解メッキ時のX線透過部25は、メッキ液の揺動や、メッキの不均一成長によって押圧されるが、複数の透過用ブリッジ部27がX線透過部25を支持して補強しているので、X線透過部25の倒れによるスティッキングの発生を防止することができる。また、完成後の第2のグリッド14は、各X線透過部25を支持する複数の透過用ブリッジ部27を備えているので強度が向上する。
線源グリッド12及び第1のグリッド13は、第2のグリッド14と同様に、グリッド層及び支持基板から構成されている。線源グリッド12及び第1のグリッド13のグリッド層は、第2のグリッド14のグリッド層20と同様に、y方向に延伸されx方向に沿って交互に配列されたX線吸収部及びX線透過部を備えており、X線透過部には複数の透過用ブリッジ部が一体的に設けられている。また、線源グリッド12及び第1のグリッド13の透過用ブリッジ部も、第2のグリッド14の透過用ブリッジ部27と同様に、y方向のピッチがX線画像検出器15の画素15aのy方向の長さSの1/n(n:正の整数)とされており、より好ましくはX線画像検出器15に投影される透過用ブリッジ部の大きさを考慮して設定されている。
このように、線源グリッド12及び第1のグリッド13は、X線吸収部及びX線透過部のy方向の幅及びピッチと、z方向の厚さ等が異なる以外は第2のグリッド14とほぼ同様の構成であるため、詳しい説明は省略する。また、線源グリッド12及び第1のグリッド13は、第2のグリッド14と同様に製造されるため、製造方法についても詳しい説明も省略する。なお、第1のグリッド13は、線源グリッド12及び第2のグリッド14ほど高アスペクト比である必要がなく、放射線透過部の倒れが問題とならないため、透過部用ブリッジ部を有しない通常のグリッドを用いてもよい。
次に、X線画像撮影システム10の作用について説明する。X線源11から放射されたX線は、線源グリッド12のX線吸収部によって部分的に遮蔽されることにより、x方向に関する実効的な焦点サイズが縮小され、x方向に多数の線光源(分散光源)が形成される。線源グリッド12により形成された多数の線光源のX線は、被検体Hを通過することにより位相差が生じ、このX線が第1のグリッド13を通過することにより、被検体Hの屈折率と透過光路長とから決定される被検体Hの透過位相情報を反映した縞画像(第1の周期パターン像)が形成される。各線光源の縞画像は、第2のグリッド14に投影され、第2のグリッド14の位置で一致する(重なり合う)ので、縞画像のコントラストを低下させずにX線強度を向上させることができ、位相コントラスト画像の画質を向上させることができる。
第1のグリッド13により生成された縞画像は、第2のグリッド14により強度変調される。強度変調された縞画像(第2の周期パターン像)は、例えば、縞走査法により検出される。縞走査法とは、第1のグリッド13に対し、第2のグリッド14を走査機構18によって、X線焦点を中心として格子面に沿った方向に格子ピッチを等分割(例えば、5分割)した走査ピッチで並進移動させながら、X線源11から被検体HにX線を照射して複数回の撮影を行なってX線画像検出器15により検出し、位相コントラスト画像生成部16により、X線画像検出器15の各画素の画素データの位相のズレ量(被検体Hがある場合とない場合とでの位相のズレ量)から位相微分像(被検体で屈折したX線の角度分布に対応)を取得する方法である。位相コントラスト画像生成部16により、位相微分像を上記の縞走査方向に沿って積分することにより、被検体Hの位相コントラスト画像を得ることができる。
以上で説明したように、本実施形態の線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14は、X線透過部25に透過用ブリッジ部27を備えているので、X線透過部25のスティッキングの発生が抑えることができ、精度のよいグリッドを製造することができる。これにより、本実施形態の線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14を用いたX線画像撮影システム10では、位相コントラスト画像の画質を向上させることができる。また、透過用ブリッジ部27によりグリッドの強度が向上するので、グリッドの歪み等も小さくすることができる。
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、同符号を用いて詳しい説明は省略する。また、各実施形態は、透過用ブリッジ部のy方向のピッチが、画素15aのy方向長さSの1/n(n:正の整数)とされている点で共通している。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、全てのX線透過部25を透過用ブリッジ部27によって連結したが、X線透過部25を複数本ごとに透過用ブリッジ部27によって連結してもよい。例えば、図5に示す第2のグリッド35は、3本のX線透過部25を1組として透過用ブリッジ部27により連結している。また、図6に示す第2のグリッド37のように、5本のX線透過部25を1組として透過用ブリッジ部27により連結してもよい。なお、ブリッジ部により連結するX線透過部25の本数は、3本または5本に限定されるものではなく、その他の本数であってもよい。
[第3実施形態]
また、上記各実施形態では、透過用ブリッジ部27をx方向、すなわちX線透過部25の配列方向に沿って直線状に配列したが、図7に示す第2のグリッド40のように、x方向で隣接する透過用ブリッジ部27同士がx方向において対面しないように千鳥状に配列してもよい。また、図8に示す第2のグリッド42のように、透過用ブリッジ部27をx方向またはy方向に対して斜めに配列してもよい。
図9に示す第2のグリッド45のように、透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUを一定に維持しながら、各透過用ブリッジ部27のy方向の位置をランダムに配置してもよい。グリッドの性能低下を小さくするという観点からすれば、透過用ブリッジ部27をランダムに配置することにより、X線遮蔽能力が低くなる位置が一定にならないようにすることができるので、透過用ブリッジ部27をy方向においてランダムに配置するのが好ましい。また、図8に示した傾斜した透過用ブリッジ部27もy方向の位置をランダムに配置してもよい。
[第4実施形態]
図10に示す第2のグリッド50のように、X線透過部25の間の溝28の底部にのみ透過用ブリッジ部51を配置してもよい。これによれば、z方向の透過用ブリッジ部51の高さが低くなるので、位相コントラスト画像に対する透過用ブリッジ部51の影響を小さくしながら、X線透過部25の倒れ防止及び第2のグリッド50の強度向上を図ることができる。
透過用ブリッジ部51の形成方法について説明する。図11に示すように、本実施形態では、支持基板21が接合された後のX線透過性基板30の上面に、蒸着等によってSiO2等からなる第1絶縁層53が厚さdで形成される。次いで、図12に示すように、第1絶縁層53の上には、y方向に延びかつx方向に沿って配列された複数のラインパターン55を有する第1エッチングマスク56が、液状レジストの塗布、露光及び現像等によって形成される。
図13は、図12のA−A断面を左列に、B−B断面を右列に表しており、同図(A)は、第1エッチングマスク56が形成された後のA−A断面及びB−B断面を表している。なお、B−B断面は、上記透過用ブリッジ部51が形成される位置の断面であり、A−A断面は透過用ブリッジ部51が設けられない位置の断面である。
図13(B)に示すように、次の工程では、第1絶縁層53が第1エッチングマスク56を介してエッチングされ、第1絶縁層53からなるラインパターンが形成される。第1エッチングマスク56は、第1絶縁層53のエッチング後に除去される。次いで、同図(C)に示すように、X線透過性基板30とエッチング後の第1絶縁層53との上に、第1絶縁層53と同様に第2絶縁層57が厚さdで形成される。これにより、第1絶縁層53と第2絶縁層57とが積層された部分57aの厚みは、2dとなる。なお、第1絶縁層53の厚さを2dにし、エッチングを厚さの半分dで止めるハーフエッチングをしてもよい。
図13(D)及び図15に示すように、次の工程では、第2絶縁層57の上に、第1エッチングマスク56と同様のラインパターン58と、B−B断面の位置で各ラインパターン58を連結するブリッジパターン59とを有する第2エッチングマスク60が、第1エッチングマスク56と同様に形成される。
図14(E)に示すように、次の工程では、第2絶縁層57が第2エッチングマスク60を介してエッチングされる。これにより、X線透過性基板30の上面には、第1絶縁層53と第2絶縁層57とが積層されたラインパターン61と、第2絶縁層57からなるブリッジパターン62とからなる第3エッチングマスク63が形成される。第2エッチングマスク60は、第3エッチングマスク63の形成後に除去される。
図14(F)、(G)に示すように、次の工程では、第3エッチングマスク63を介してボッシュプロセスによりX線透過性基板30がエッチングされる。このエッチングでは、X線透過性基板30だけでなく、第3エッチングマスク63もある割合でエッチングして薄くしていき、ラインパターン61とブリッジパターン62との厚み差によるエッチング速度差を利用して先にブリッジパターン62を消失させ、ブリッジパターン62の下に透過用ブリッジ部51を形成する。
X線透過性基板30が所定深さだけエッチングされたときにブリッジパターン62を消失させるための条件は、X線透過性基板30の材質であるシリコンと第3エッチングマスク63の材質であるSiO2との選択比をA、シリコンのエッチングを行なう目標深さをt、シリコンが目標深さtだけエッチングされるときにSiO2がエッチングされるエッチング割合をB、ブリッジパターン144の厚みをdとしたとき、式「d=B×t/A」により求めることができる。
例えば、選択比A=1000、目標深さt=100μm、エッチング割合B=0.3としたとき、ブリッジパターン62の厚みdは、d=30nmとなる。このように設定すると、X線透過性基板30を30μmの深さまでエッチングしたときにブリッジパターン62が消失してその下のシリコンのエッチングが始まり、結果として溝28内には、高さ30μmの透過用ブリッジ部51が形成される。
第3エッチングマスク63のラインパターン61は、透過用ブリッジ部51の形成後に除去される。その後、第1実施形態と同様に、溝28内に金等のX線吸収材が充填されてX線吸収部24が形成される。なお、透過用ブリッジ部51を溝28の底部に設けたが、溝28の上部または中間部に設けてもよい。
[第5実施形態]
図16に示す第2のグリッド70のように、X線透過性基板30のエッチング時に使用されるエッチングマスク71からなる透過用ブリッジ部72を用いてもよい。これによれば、透過用ブリッジ部72のz方向の厚みを薄くすることができるので、位相コントラスト画像に対する透過用ブリッジ部72の影響を小さくしながら、X線透過部25の倒れ防止及び第2のグリッド70の強度向上を図ることができる。
透過用ブリッジ部72の形成方法について説明する。図17に示すように、支持基板21と接合された後のX線透過性基板30上に、一般的なフォトリソグラフィ技術を用いて、X線透過性基板30の上にSiO2等からなるエッチングマスク71が形成される。エッチングマスク71には、y方向に延びかつx方向に沿って配列された複数のラインパターン73と、各ラインパターン73間を連結する複数の透過用ブリッジ部72とが設けられている。なお、図17は、エッチングマスク71の最小構成を表しており、実際は多数の透過用ブリッジ部72及びラインパターン73を有している。
図18は、図17のA−A断面を左列に、B−B断面を右列に表しており、同図(A)は、エッチングマスク71が形成された後のA−A断面及びB−B断面を表している。同図(B)に示すように、次の工程では、エッチングマスク71を介してボッシュプロセスまたはクライオプロセスによりX線透過性基板30がエッチングされ、x方向に沿って配列された複数の溝28及びX線透過部25が形成される。
ボッシュプロセスまたはクライオプロセスでは、垂直性の高い形状を形成することができるが、ある程度のサイドエッチングが発生する。例えば100μmの深さをエッチングすると0.5μm程度のサイドエッチングが生じる。したがって、透過用ブリッジ部72のy方向の幅Fを適切に設定することにより、透過用ブリッジ部72の下のシリコンを除去することができる。エッチング後のX線透過性基板30には、複数の溝28及びX線透過部25が一緒に形成され、各X線透過部25は、複数の透過用ブリッジ部72によって連結される。
X線透過性基板30のエッチング終了後、第1実施形態と同様に、電解メッキによって溝28内にX線吸収材が充填され、図16に示す第2のグリッド70が形成される。X線透過部25は、透過用ブリッジ部72によって連結されているので、電解メッキ時にX線透過部25にスティッキングが発生することはない。なお、エッチングマスク71からなる透過用ブリッジ部72では強度が足りない場合には、第4実施形態で説明したz方向の高さが低い透過用ブリッジ部と併用してもよい。
[第6実施形態]
図19に示す第2のグリッド75のように、X線吸収部24及びX線透過部25を貫通するように透過部ブリッジ部76を設けてもよい。これによれば、透過用ブリッジ部76のz方向の厚みを薄くすることができるので、位相コントラスト画像に対する透過用ブリッジ部76の影響を小さくしながら、X線透過部25の倒れ防止及び第2のグリッド75の強度向上を図ることができる。
透過用ブリッジ部76の形成方法について説明する。図20に示すように、本実施形態では、X線透過性基板30の上面に、x方向に延びかつy方向に沿って配列された複数の透過用ブリッジ部76をSiO2によって形成する。透過用ブリッジ部76は、例えば、X線透過性基板30の上面にSiO2層を形成し、透過用ブリッジ部76と同一形状のパターンを備えたエッチングマスクを介してSiO2層をエッチングすることにより形成される。2点鎖線は、後の工程でX線透過性基板30に形成される溝28及びX線透過部25であり、透過用ブリッジ部76はこれらを貫通する。
図21は、図20のA−A断面を表しており、同図(A)は、透過用ブリッジ部76が形成された後のA−A断面を表している。同図(B)に示すように、次の工程では、X線透過性基板30の膜成長(例えばCVD)あるいはシリコン基板の接合及び研磨により、透過用ブリッジ部76がX線透過性基板30内に埋め込まれる。同図(C)に示すように、次の工程では、X線透過性基板30の下面に支持基板21が接合される。
図21(D)及び図22に示すように、次の工程では、X線透過性基板30の上面に、y方向に延びかつx方向に沿って配列された複数のラインパターン77を有するエッチングマスク78が、液状レジストの塗布、露光及び現像等によって形成される。次に、同図(E)に示すように、エッチングマスク78を介してボッシュプロセスによりX線透過性基板30がエッチングされ、x方向に沿って配列された複数の溝28及びX線透過部25が形成される。
第5実施形態と同様に、このエッチング時にもサイドエッチングによって透過用ブリッジ部76の下のシリコンが除去される。これにより、透過用ブリッジ部76は、各X線透過部25を貫通するように配置される。なお、透過用ブリッジ部76の幅は、サイドエッチングが0.5μmであるとき、例えば0.8μmであることが好ましい。
透過用ブリッジ部76は、X線透過性基板30のエッチングでは消失しないように設けられている。例えば、X線透過性基板30の材質であるシリコンと透過用ブリッジ部76の材質であるSiO2との選択比が1000であるとき、透過用ブリッジ部76の厚みを100nm以上にすれば、目標深さ100μmまでX線透過性基板30をエッチングしても透過用ブリッジ部76は消失させずに残すことができる。X線透過性基板30のエッチング終了後、第1実施形態と同様に、電解メッキによって溝28内にX線吸収材が充填され、図19に示す第2のグリッド75が形成される。
[第7実施形態]
上記各実施形態では、X線透過部25間を連結する透過用ブリッジ部について説明したが、透過用ブリッジ部とともに、X線吸収部24間を連結する吸収用ブリッジ部を設けてもよい。図23(A)は、本実施形態の第2のグリッド80をX線画像検出器15の側から見た平面図であり、同図(B)は同図(A)のA−A断面を表している。また、図24は、第2のグリッド80の斜視図を表している。第2のグリッド80は、X線透過部25を連結する複数の透過用ブリッジ部27とともに、X線吸収部24を連結する複数の吸収用ブリッジ部81とを備えている。透過用ブリッジ部27は、X線透過部25と同じ材質によって一体に設けられており、第2のグリッド80の強度を向上させる。吸収用ブリッジ部81は、X線吸収部24と同じ材質によって一体に設けられており、透過用ブリッジ部27と同様に第2のグリッド80の強度を向上させる。なお、透過用ブリッジ部27は、第1実施形態と同じ構成であるため、詳しい説明は省略する。
吸収用ブリッジ部81のy方向の幅Eは、X線吸収部24の幅と同じか、またはX線吸収部24の幅W2よりも大きくされている。また、吸収用ブリッジ部81のy方向の配置ピッチVは、透過用ブリッジ部27のy方向のピッチUと同様に、X線画像検出器15の画素15aのy方向の長さSの1/n(n:正の整数)とされており、より好ましくは、X線画像検出器15に投影される吸収用ブリッジ部81の大きさを考慮して設定されている。これにより、各画素15a内に配置される透過用ブリッジ部27及び吸収用ブリッジ部81の個数が一定になるので、各ブリッジ部27、81を原因とする位相コントラスト画像のアーチファクトの発生を抑制することができる。透過用ブリッジ部27及び吸収用ブリッジ部81は、x方向で隣接する透過用ブリッジ部27同士及び吸収用ブリッジ部81同士がx方向において対面しないように配列されている。
次に、第2のグリッド170の製造方法について説明する。第1実施形態と同様に、X線透過性基板30と支持基板21との接合、エッチングマスクの形成、溝28及びX線透過部25の形成、及び電解メッキによるX線吸収部24の形成の各工程によって製造される。これらの工程のうち、第1実施形態と異なっているのは、エッチングマスクの形態であり、エッチングマスクには、第1実施形態と同様に透過用ブリッジ部27の形状を規定するパターンの他、吸収用ブリッジ部81の形状を規定するパターンが設けられる。
図25は、エッチング後のX線透過性基板30の形状を示している。X線透過性基板30には、溝28、X線透過部25及び透過用ブリッジ部27とともに、吸収用ブリッジ部81を構成する連結用溝83が形成されている。連結用溝83は、電解メッキによってX線吸収材が充填されることにより吸収用ブリッジ部81を構成する。連結用溝83は、溝28の間を連結しているので、溝28内のメッキ液の流動性が向上する。これにより、溝28内でメッキ液が滞留することによるメッキの不均一成長を防止することができる。
[第8実施形態]
X線吸収部24及びX線透過部25をx方向の複数本ごとに、吸収用ブリッジ部及び透過用ブリッジ部によって連結してもよい。例えば、図26(A)に示すように、3本のX線吸収部24及びX線透過部25をそれぞれ1組として、吸収用ブリッジ部81及び透過部用ブリッジ部27により連結してもよい。また、同図(B)に示すように、5本のX線吸収部24及びX線透過部25をそれぞれ1組として、吸収用ブリッジ部81及び透過用ブリッジ部27により連結してもよい。
更に、図26(C)に示すように、全てのX線透過部25を透過用ブリッジ部27によって連結し、X線吸収部24については、複数本ごと、例えば2本ごとに吸収用ブリッジ部81によって連結するようにしてもよい。これによれば、X線透過部24の強度は維持しつつ、吸収用ブリッジ部81によるX線透過性能の低下を抑制することができる。なお、ブリッジ部によって連結するX線吸収部24及びX線透過部25の本数は、2本、3本または5本に限定されるものではなく、その他の本数でもよい。
また、上記実施形態では、x方向で隣接する透過用ブリッジ部27同士、及び吸収用ブリッジ部81同士が対面しないように配置したが、図27(A)に示すように、x方向に対して直線状に配列してもよいし、同図(B)に示すように、x方向及びy方向に対して斜めに配列してもよい。また、同図(C)に示すように、第3実施形態の透過用ブリッジ部27と同様に、透過部用ブリッジ部171及び吸収部用ブリッジ部172のy方向のピッチを一定に維持しながら、x方向で隣接する透過部用ブリッジ部171間及び吸収部用ブリッジ部172間のy方向の間隔がランダムになるように配置してもよい。
[第9実施形態]
第7及び第8実施形態では、X線吸収部24と同じ高さを有する吸収用ブリッジ部81を設けたが、図28(A)に示すように、X線の照射方向の出射側であるX線吸収部24の上部のみが連結されるように吸収用ブリッジ部85を設けてもよい。吸収用ブリッジ部85は、溝28の形成時に、吸収用ブリッジ部85が形成される連結用溝85aを同時に形成し、この連結用溝85a内に溝28と同時にX線吸収材を充填することにより形成することができる。
図28(B)に示すように、X線の照射方向において、X線吸収部24aの中間部分を連結する吸収用ブリッジ部87を設けてもよい。吸収用ブリッジ部87は、エッチングによる溝形成と、電解メッキによるX線吸収材の充填と、蒸着等によるシリコンの堆積とを組み合わせることによって形成することができ、X線透過部25を貫通するようにしてX線吸収部24の間を接続する。
図28(C)に示すように、X線の照射方向の入射側であるX線吸収部24の底部を連結する吸収用ブリッジ部89を設けてもよい。吸収用ブリッジ部89は、X線透過性基板30の底面にエッチングによって吸収用ブリッジ部89が形成される連結用溝89aを形成し、X線透過性基板30の底面に金の蒸着等によってシーズ層90を形成する際に一緒に形成することができる。その後、X線透過性基板30に溝28を形成し、溝28内にX線吸収材を充填してX線吸収部24を形成することにより、シーズ層90とX線吸収部24が結合して吸収用ブリッジ部89となる。
図28(D)に示すように、X線吸収部24の形成後に、X線の照射方向の出射側であるX線吸収部24の上部を連結する吸収用ブリッジ部92を設けてもよい。吸収用ブリッジ部92は、Ni、Cu、Al等のX線透過性を有する金属をメッキ、蒸着等により成膜し、吸収用ブリッジ部92の形状となるようにエッチング等することにより形成することができる。
上述したように、X線吸収部24の上部、中間部、底部のいずれかのみを吸収用ブリッジ部により連結することにより、X線透過性が低下するのを抑制することができる。また、吸収用ブリッジ部に使用する金の量を少なくすることができるので、グリッドのコストダウンが可能となる。
[第10実施形態]
上記各実施形態では、透過用ブリッジ部を備えたグリッドと、透過用ブリッジ部及び吸収用ブリッジ部の両方を備えたグリッドとを説明したが、図29に示す第2のグリッド100のように、X線吸収部24にのみ吸収用ブリッジ部101を設けてもよい。これによれば、X線吸収部24が透過用ブリッジ部に分断されることがないので、第2のグリッド100の強度がより向上する。なお、吸収用ブリッジ部101の製造方法、y方向の幅E、配置ピッチS及び配置等は、第7〜第9実施形態の吸収用ブリッジ部と同様であるため、詳しい説明は省略する。
吸収用ブリッジ部を有する第7〜第10実施形態のグリッドは、X線吸収部24の形成後にエッチング等によってX線透過部25を除去してもよい。これによれば、X線透過部が何もない空間部となるため、X線透過率が向上する。また、X線吸収部24は、吸収用ブリッジ部を有するため、倒れ等の発生を抑制することができる。
[第11実施形態]
第1実施形態では、x方向で隣接するX線透過部25の間を接続する透過用ブリッジ部27について説明したが、図30に示す第2のグリッド110のように、X線透過部25の間を接続しない透過用支持部111を用いてもよい。
透過用支持部111は、各X線透過部25の側面から、X線透過部25と同じz方向の高さでx方向に突出されており、X線透過部25と一体に複数が設けられている。透過用支持部111は、上述した透過用ブリッジ部と同様に、第2のグリッド110の強度を向上させて歪み等の発生を抑えるともに、第2のグリッド110の製造時には、X線透過部25が倒れないように支持する。
透過用支持部111は、X線透過部25の両側面にx方向において互いに対面しないように設けられている。なお、透過用支持部111が第2のグリッド110の外縁から突出しないようにするため、第2のグリッド110の端縁に配置されているX線透過部25に対しては、内側の側面のみに透過用支持部111が設けられている。また、各X線透過部25の透過用支持部111は、x方向に沿って配列されている。なお、透過用支持部111は、x方向において隣接するX線透過部25に接触しないように設けられている。これは、X線透過部25の間の溝28内に電解メッキによってX線吸収材を充填してX線吸収部24を形成する際に、透過用支持部111によって溝28内でメッキ液の流れが滞るのを防ぐためである。
透過用支持部111のy方向の幅Wsは、例えばX線吸収部24のx方向の幅W2と同じ大きさである。また、1本のX線透過部25に設けられている透過用支持部111のy方向のピッチPsは、第1実施形態の透過用ブリッジ部と同様に、X線画像検出器15の画素15aのy方向の長さSの1/n(n:正の整数)とされており、より好ましくはX線画像検出器15に投影される透過用支持部111の大きさを考慮して設定されている。これにより、各画素15a内に配置される透過用支持部111の個数が一定になるので、透過用支持部111を原因とする位相コントラスト画像のアーチファクトの発生を抑制することができる。
第2のグリッド110は、第1実施形態と同様に、X線透過性基板30と支持基板21との接合、エッチングマスクの形成、溝28及びX線透過部25の形成、及び電解メッキによるX線吸収部24の形成の各工程によって製造される。これらの工程のうち、第1実施形態と異なっているのは、エッチングマスクの形態であり、エッチングマスクには、透過用支持部111の形状を規定するパターンが設けられる。図31は、エッチング後のX線透過性基板30の形状を示している。X線透過性基板30には、溝28、X線透過部25及び透過用支持部111が形成されている。
X線透過性基板30のエッチング終了後、第1実施形態と同様に、電解メッキによって溝28内にX線吸収材が充填される。電解メッキ時のX線透過部25は、メッキ液の揺動や、メッキの不均一成長によって押圧されるが、複数の透過用支持部111がX線透過部25を支持して補強しているので、X線透過部25の倒れによるスティッキングの発生を防止することができる。また、透過用支持部111は、隣接するX線透過部25に当接していないので、溝28内のメッキ液の流動性が向上する。これにより、溝28内でメッキ液が滞留することによるメッキの不均一成長を防止することができる。
[第12実施形態]
第11実施形態では、透過用支持部111がx方向で直線状に並ぶように配置したが、図32に示す第2のグリッド120のように、透過用支持部111をx方向及びy方向に対して斜めに配列してもよい。また、図33に示す第2のグリッド125のように、同一のX線透過部25に設けられている透過用支持部111のピッチPsを一定に維持しながら、各透過用支持部111のy方向の位置がランダムになるように配置してもよい。
図34示す第2のグリッド130のように、各X線透過部25のy方向の同位置から両側面に突出するように透過用支持部111を形成し、隣接するX線透過部25間で透過用支持部111が対面しないように千鳥状に配置してもよい。これによれば、X線透過部25をより強固に支持することができる。また、図35に示す第2のグリッド135のように、同一のX線透過部25から突出される透過用支持部136が対面せず、かつ隣接するX線透過部25間では透過用支持部136が対面するように、透過用支持部136を形成してもよい。この場合、互いに対面する透過用支持部136同士が接触しないように、透過用支持部136の突出量を上述した透過用支持部111よりも少なくするのが好ましい。
[第13実施形態]
図36に示す第2のグリッド140のように、透過用支持部111とともに、X線吸収部24を支持する吸収用支持部141を設けてもよい。これによれば、X線吸収部24とX線透過部25とが互いに透過用支持部111及び吸収用支持部141によって結合されるので、グリッドの強度が向上する。透過用支持部111及び吸収用支持部141は、図37に示す第2のグリッド145のように、透過用支持部111に対面する位置に、同形状の吸収用支持部141を同方向に対して設けてもよい。
さらには、図38に示す第2のグリッド150のように、X線透過部25に形状の異なる透過用支持部151a、151b、151cを設け、X線吸収部24の透過用支持部に対面する位置に、同形状の吸収用支持部152a、152b、152cを同方向に設けてもよい。また、図39に示す第2のグリッド155のように、X線吸収部156及びX線透過部157を折れ線状に屈曲させ、x方向に沿った屈曲部156a、157aをそれぞれ支持部として用いてもよい。
また、透過用支持部を省略し、吸収用支持部のみを有するグリッドを構成してもよい。この場合、吸収用支持部の配置は、第11〜第13実施形態で説明した透過用支持部と同様の配置を用いることができる。
[第14実施形態]
第11〜第13実施形態では、X線透過部25の側面からの突出量を一定にした透過用支持部を用いたが、図40に示す第2のグリッド160のように、X線透過部25の上端から下端に向かって側面からの突出量が徐々に多くなり、側方から見たときに三角形状になるような透過用支持部161を用いてもよい。また、図41示す第2のグリッド165のように、X線透過部25の高さ方向の途中から下端に向かって側面からの突出量が徐々に多くなり、側方から見たときに三角形状になるような透過用支持部166を用いてもよい。このような透過用支持部161、166であっても、柱状の透過用支持部111と同様にX線透過部25のスティッキングを防止することができ、柱状の透過用支持部111に比べてグリッドのX線吸収量に対する影響を小さくすることができる。また、吸収用支持部を透過用支持部161、166と同様の形状にしてもよい。
[第15実施形態]
吸収用ブリッジ部を有する第7〜第10実施形態のグリッドと、吸収用支持部を有する第13実施形態のグリッドは、X線吸収部の形成後にX線透過部をエッチング等によって除去してもよい。これによれば、X線透過部が何もない空間部となるため、X線透過率が向上する。また、X線吸収部は、吸収用ブリッジ部または吸収用支持部によって支持されるため、倒れ等の発生を抑制することができる。
また、上記各実施形態では、被検体HをX線源と第1のグリッドとの間に配置しているが、被検体Hを第1のグリッドと第2のグリッドとの間に配置した場合にも同様に位相コントラスト画像の生成が可能である。また、第2のグリッドを走査機構により走査しているが、第1のグリッドを走査してもよい。更に、線源グリッドを備えたX線画像撮影システムについて説明したが、本発明は、線源グリッドを使用しないX線画像撮影システムにも適用可能である。また、上記各実施形態は、矛盾しない範囲で相互に組み合わせることが可能である。
上記各実施形態は、第1及び第2のグリッドを、そのX線透過部を通過したX線を線形的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、第1及び第2のグリッドでX線を回折することにより、いわゆるタルボ干渉効果が生じる構成(国際公開WO2004/058070号公報等に記載の構成)としてもよい。この場合には、第1及び第2のグリッド間の距離をタルボ干渉距離に設定し、線源グリッドまたは第2のグリッドの少なくとも一方に本発明のグリッドが使用される。また、第1のグリッドの種類を、吸収型グリッドではなく、比較的アスペクト比が低い位相型グリッドにすることも可能である。
また、上記各実施形態では、第2のグリッドにより強度変調された縞画像を縞走査法によって検出して位相コントラスト画像を生成しているが、1回の撮影によって位相コントラスト画像を生成するX線画像撮影システムも知られている。例えば、国際公開WO2010/050483号公報に記載されているX線画像撮影システムでは、第1及び第2のグリッドにより生成されたモアレをX線画像検出器により検出し、この検出されたモアレの強度分布をフーリエ変換することによって空間周波数スペクトルを取得し、この空間周波数スペクトルからキャリア周波数に対応したスペクトルを分離して逆フーリエ変換を行なうことにより微分位相像を得ている。このようなX線画像撮影システムの線源グリッドまたは第2のグリッドの少なくとも一方に、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、1回の撮影により位相コントラスト画像を生成するX線画像撮影システムには、強度変調手段として、第2のグリッドの代わりに、X線を電荷に変換する変換層と、変換層により生成された電荷を収集する電荷収集電極とを備えた直接変換型のX線画像検出器を用いたものがある。このX線画像撮影システムは、例えば、各画素の電荷収集電極が、第1のグリッドで形成された縞画像の周期パターンとほぼ一致する周期で配列された線状電極を互いに電気的に接続してなる線状電極群が、互いに位相が異なるように配置されたものであり、各線状電極群を個別に制御して電荷を収集することにより、1度の撮影により複数の縞画像を取得し、この複数の縞画像に基づいて位相コントラスト画像を生成している(特開2009−133823号公報等に記載の構成)。このようなX線画像撮影システムの線源グリッドに、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、1回の撮影により位相コントラスト画像を生成する別のX線画像撮影システムとして、第1及び第2のグリッドを、X線吸収部及びX線透過部の延伸方向が相対的に所定の角度だけ傾くように配置し、この傾きにより上記延伸方向に生じるモアレ周期の区間を分割して撮影することにより、第1及び第2のグリッドの相対位置が異なる複数の縞画像を取得し、これらの複数の縞画像から位相コントラスト画像を生成することも可能である。このようなX線画像撮影システムの線源グリッドまたは第2のグリッドの少なくとも一方に、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、光読取型のX線画像検出器を用いることにより、第2のグリッドを省略したX線画像撮影システムが考えられる。このシステムでは、第1のグリッドによって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される光読取型のX線画像検出器を強度変調手段として用いており、電荷蓄積層を線状電極の配列ピッチよりも細かいピッチで格子状に形成することにより、電荷蓄積層を第2のグリッドとして機能させることができる。このようなX線画像撮影システムの線源グリッドに、本発明のグリッドを用いてもよい。
以上で説明した実施形態は、医療診断用の放射線画像撮影システムのほか、工業用や、非破壊検査等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。また、本発明は、X線撮影において散乱線を除去する散乱線除去用グリッドにも適用可能である。更に、本発明は、放射線として、X線以外にガンマ線等を用いることも可能である。
10 X線画像撮影システム
11 X線源
12 線源グリッド
13 第1のグリッド
14 第2のグリッド
15 X線画像検出器
18 走査機構
20 グリッド層
21 支持基板
24 X線吸収部
25 X線透過部
27 透過用ブリッジ部
28 溝
81 吸収用ブリッジ部
111 透過用支持部
141 吸収用支持部

Claims (20)

  1. 一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配置された複数の放射線吸収部及び放射線透過部と、
    前記放射線吸収部から前記配列方向に突出された複数の吸収用支持部と、前記放射線透過部から前記配列方向に突出された複数の透過用支持部とのいずれか一方または両方と、を有し、
    前記吸収用支持部の前記延伸方向におけるピッチと、前記透過用支持部の前記延伸方向におけるピッチは、前記放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)であることを特徴とする放射線画像撮影用グリッド。
  2. 前記吸収用支持部は、前記配列方向で隣接する前記放射線吸収部の間をそれぞれ接続し、前記透過用支持部は、前記配列方向で隣接する前記放射線透過部の間をそれぞれ接続していることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  3. 前記放射線吸収部は前記配列方向の複数本ごとに前記吸収用支持部によって接続され、前記放射線透過部は前記配列方向の複数本ごとに前記透過用支持部によって接続されていることを特徴とする請求項2記載の放射線画像撮影用グリッド。
  4. 前記配列方向において隣接する前記吸収用支持部または前記透過用支持部は、互いに対面しないように配置されていることを特徴とする請求項2または3記載の放射線画像撮影用グリッド。
  5. 前記吸収用支持部または前記透過用支持部は、前記延伸方向の位置がランダムであることを特徴とする請求項2または3記載の放射線画像撮影用グリッド。
  6. 前記吸収用支持部または前記透過用支持部は、前記配列方向に対して斜めに設けられていることを特徴とする請求項2〜5いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  7. 前記吸収用支持部は前記配列方向において前記放射線吸収部の間に配置されており、前記透過用支持部は前記配列方向において前記放射線透過部の間に配置されていることを特徴とする請求項2〜6いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  8. 前記吸収用支持部は前記放射線吸収部と一体に設けられており、前記透過用支持部は前記放射線透過部と一体に設けられていることを特徴とする請求項7記載の放射線画像撮影用グリッド。
  9. 前記吸収用支持部または前記透過用支持部は、前記延伸方向及び前記配列方向に直交する放射線透過方向の幅が前記放射線吸収部または前記放射線透過部よりも狭いことを特徴とする請求項8記載の放射線画像撮影用グリッド。
  10. 前記吸収用支持部は前記放射線透過部を跨いで隣接する前記放射線吸収部を連結し、前記透過用支持部は前記放射線吸収部を跨いで隣接する前記放射線透過部を連結していることを特徴とする請求項2〜6いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  11. 前記吸収用支持部は前記放射線透過部を貫通して隣接する前記放射線吸収部を連結し、前記透過用支持部は前記放射線吸収部を貫通して隣接する前記放射線透過部を連結していることを特徴とする請求項2〜6いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  12. 前記吸収用支持部は前記配列方向で隣接する前記放射線吸収部に当接しない突出量であり、前記透過用支持部は前記配列方向で隣接する前記放射線透過部に当接しない突出量であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  13. 前記吸収用支持部は前記放射線吸収部の両側面に前記配列方向において互いに対面しないように設けられており、前記透過用支持部は前記放射線透過部の両側面に前記配列方向において互いに対面しないように設けられていることを特徴とする請求項12記載の放射線画像撮影用グリッド。
  14. 前記吸収用支持部は前記放射線吸収部の前記延伸方向の同位置で両側面から突出されており、前記透過用支持部は前記放射線透過部の前記延伸方向の同位置で両側面から突出されていることを特徴とする請求項12記載の放射線画像撮影用グリッド。
  15. 前記吸収用支持部は前記配列方向で隣接した前記放射線吸収部から互いに対面するように突出されており、前記透過用支持部は前記配列方向で隣接した前記放射線透過部から互いに対面するように突出されていることを特徴とする請求項12記載の放射線画像撮影用グリッド。
  16. 前記吸収用支持部または前記放射線透過部は、前記放射線吸収部または前記放射線透過部を折れ線状に屈曲させた屈曲部からなることを特徴とする請求項12記載の放射線画像撮影用グリッド。
  17. 放射線源から照射された放射線を部分的に遮蔽して多数の線光源とする線源グリッドと、
    放射線を透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置され、前記放射線源から照射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1のグリッドと、
    前記第1の周期パターンを透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置され、前記第1の周期パターンに対して位相が異なる少なくとも1つの相対位置で前記第1の周期パターン像に強度変調を与える第2のグリッドと、
    前記第2のグリッドにより前記相対位置で生成された第2の周期パターン像を検出する放射線画像検出器と、
    前記放射線画像検出器により検出された少なくとも1つの前記第2の周期パターン像に基づいて、位相情報を画像化する演算処理手段とを備え、
    前記線源グリッドと前記第2のグリッドとのいずれか一方または両方に、請求項1〜16いずれかに記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする放射線画像撮影システム。
  18. 放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、前記吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部とを形成する工程と、
    前記放射線透過部から前記配列方向に突出され、前記延伸方向のピッチが前記放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の透過用支持部を形成する工程と、
    前記吸収部用溝内に、放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  19. 前記放射線吸収部から前記配列方向に突出され、前記延伸方向のピッチが前記放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の吸収用支持部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項18記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  20. 放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、前記吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部とを形成する工程と、
    前記吸収部用溝内に、放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程と、
    前記放射線吸収部から前記配列方向に突出され、前記延伸方向のピッチが前記放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の1画素の長さの1/n(n:正の整数)とされた複数の吸収用支持部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015079100A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 株式会社アルバック ワイヤーグリッド偏光子の製造方法、および、ワイヤーグリッド偏光子用基材
WO2015137063A1 (ja) * 2014-03-14 2015-09-17 株式会社 日立メディコ 干渉測定装置、干渉測定方法及びx線撮像装置
JP2017154205A (ja) * 2016-03-01 2017-09-07 大日本印刷株式会社 構造体及びその製造方法

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