JP2012161412A - 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】アスペクト比の高いX線吸収部を有するグリッドを提供する。
【解決手段】X線透過性基板30にエッチングを行ない、y方向に延伸されかつy方向に直交するx方向に沿って配列された複数の溝28と、各溝28の間を隔てる複数のX線透過部25と、X線透過部25の側面からx方向に突出されて溝28内に配置された複数の支持部27とを形成する。支持部27は、X線透過部25の両側面に、y方向に沿って交互に設けられている。支持部27は、溝28内に電解メッキによってX線吸収材が充填される際にX線透過部25を支持し、X線透過部25がメッキ液の揺動やX線吸収材の不均一成長によって倒れるのを防止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射線画像の撮影に用いられるグリッド及びその製造方法と、このグリッドを用いた放射線画像撮影システムとに関する。
X線は、物体に入射したときの相互作用により強度と位相とが変化し、位相の変化が強度の変化よりも高い相互作用を示すことが知られている。このX線の性質を利用し、被検体によるX線の位相変化(角度変化)に基づいて、X線吸収能が低い被検体から高コントラストの画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。
2枚の透過型の回折格子(グリッド)によるタルボ干渉効果を用いて、X線位相イメージングを行なうX線画像撮影システムが考案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。このX線画像撮影システムは、X線源から見て、被検体の背後に第1のグリッドを配置し、第1のグリッドからタルボ干渉距離だけ下流に第2のグリッドを配置している。第2のグリッドの背後には、X線を検出して画像を生成するX線画像検出器(FPD:Flat Panel Detector)が配置されている。第1のグリッド及び第2のグリッドは、一方向に延伸されたX線吸収部及びX線透過部を、延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配列した縞状の一次元グリッドである。タルボ干渉距離とは、第1のグリッドを通過したX線が、タルボ干渉効果によって自己像(縞画像)を形成する距離である。
上記X線画像撮影システムでは、第1のグリッドの自己像と第2のグリッドとの重ね合わせ(強度変調)により生じる縞画像を、縞走査法により検出し、被検体による縞画像の変化から被検体の位相情報を取得する。縞走査法とは、第1のグリッドに対して第2のグリッドを、第1のグリッドの面にほぼ平行で、かつ第1のグリッドの格子方向(条帯方向)にほぼ垂直な方向に、格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動させながら複数回の撮影を行い、X線画像検出器で得られる各画素値の変化から、被検体で屈折したX線の角度分布(位相シフトの微分像)を取得する方法であり、この角度分布に基づいて被検体の位相コントラスト画像を得る。この縞走査法は、レーザ光を利用した撮影装置においても用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
第1及び第2のグリッドは、X線の照射方向に直交する延伸方向に延伸されたX線吸収部をX線照射方向及び延伸方向に直交する配列方向に所定ピッチで配列した縞状(ストライプ状)の構造を有する。X線吸収部の幅及び配列ピッチは、X線焦点から第1のグリッドまでの距離と、第1のグリッドと第2のグリッドとの距離によって決定され、数μm〜数十μmである。また、第2のグリッドの線吸収部は、高いX線吸収性を必要とするため、X線の進行方向の厚みが数十〜数百μm程度という高アスペクト比の構造を必要とする。
特許文献1には、図16(A)に示すように、支持基板100上に設けられた感光性樹脂層101にフォトリソグラフィによって複数の溝102を形成することにより、支持基板100上に感光性樹脂からなる複数の板状部103が垂直に立っているような格子パターンを形成し、各溝102内に電解メッキによってAuを充填してX線吸収部を形成するグリッドの製造方法が開示されている。
非特許文献3には、X線吸収部に相当する格子線と、X線透過部に相当する格子間隙とを周期的に交互に並べたグリッドにおいて、格子構造を安定させるために、隣り合う格子線を接続する梁を、格子間隙の延伸方向に沿って不規則に設けることが開示されている。また、特許文献2には、非特許文献3の格子間隙に毛細管力が発生して格子線が湾曲するのを防止するため、格子間隙の延伸方向における梁の間隔を不規則ではなく、所定の幾何学的条件を満たすようにすることが開示されている。
特開2006−259264号公報 米国公開公報2010/0278297号
C. David, et al., Applied Physics Letters, Vol.81, No.17, 2002年10月,3287頁 Hector Canabal, et al., Applied Optics, Vol.37, No.26, 1998年9月,6227頁 "Fabrication of, high aspect ratio submicron gratings by soft X-ray SU-8 lithography" by E. Reznikova et al., in Micro. Syst. Techn. (2008),
特許文献1のグリッド製造方法では、感光性樹脂層101への露光及び現像により複数の溝102及び板状部103からなる格子パターンが形成されているが、感光性樹脂は軟らかく、格子パターンは微細でアスペクト比が非常に高いため、現像中の溶液の揺動あるいは乾燥時の水の表面張力によるスティッキング(隣接するパターンがくっつく現象)による変形が起こりやすい。そのため、図16(B)に示すように、板状部103が倒れてとなりの板状部103と接触してしまい、高い精度で格子の幅及び高さを維持するのが難しいという問題があった。また樹脂よりもAuの方が剛性が高いため、Auメッキの成長度合いによっては板状部103の変形が起こり易く、グリッドとしての性能が著しく劣化してしまう。
また、特許文献1では、感光性樹脂層の露光にシンクロトロン放射光を用いているが、シンクロトロン放射光による露光が可能な露光設備は、国内でもごく限られた施設にしかなく、その露光には長時間を要するためスループットが悪く製造には適さない。上記各問題を解決するため、感光性樹脂層に代えて、シリコン基板等を用いることも考えられるが、格子パターンが微細かつ高アスペクト比であるため、感光性樹脂層よりも剛性の高い材質を用いても、スティッキングを抑えることは難しい。
特許文献2及び非特許文献3記載の発明は、X線吸収部に相当する格子線の間を梁によって接続しているため、格子線の構造強化には効果がある。しかし、特許文献2及び非特許文献3に記載されている梁は、例えば特許文献1の手法を用いて格子線を形成する際に、感光性樹脂層のスティッキング防止には効果がない。
本発明の目的は、アスペクト比の高いX線吸収部を有するグリッドと、そのグリッドを精度よく製造する方法とを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の放射線画像撮影用グリッドは、一方向に延伸されかつ延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配置された複数の放射線吸収部及び放射線透過部と、放射線透過部の側面から配列方向に突出された複数の支持部とを備えている。
支持部の突出量は、隣接する放射線透過部に接触しない突出量であることが好ましい。また、支持部は、放射線透過部の両側面に、延伸方向に沿って交互に設けられていてもよいし、放射線透過部の同位置の両側面から突出されていてもよい。また、支持部は、配列方向で隣接した放射線透過部から互いに対面するように突出されていてもよい。更に、支持部は、放射線透過部を折れ線状に屈曲させる屈曲部から構成してもよい。
支持部の延伸方向のピッチは、放射線吸収部の配列方向の幅の5倍以上であることが好ましい。また、支持部の延伸方向のピッチは、放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の画素サイズ以下であることが好ましい。更に、本発明の放射線画像撮影用グリッドには、放射線吸収部の側面から突出された吸収部用支持部を設けてもよい。
本発明の放射線画像撮影システムは、放射線を透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置され、放射線源から照射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1のグリッドと、第1の周期パターンに対して位相が異なる少なくとも1つの相対位置で第1の周期パターン像に強度変調を与える強度変調手段と、強度変調手段により相対位置で生成された第2の周期パターン像を検出する放射線画像検出器と、放射線画像検出器により検出された少なくとも1つの第2の周期パターン像に基づいて、位相情報を画像化する演算処理手段とを備えた放射線画像撮影システムであって、第1のグリッドに上記放射線画像撮影用グリッドを用いたものである。
強度変調手段は、第1の周期パターンを透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置された第2のグリッドと、第1及び第2のグリッドのいずれか一方を、第1及び第2のグリッドのグリッド構造の周期方向に所定のピッチで移動させる走査手段とからなり、走査手段により移動される各位置が相対位置に対応する放射線画像撮影システムの場合には、第2のグリッドに上記放射線画像撮影用グリッドを用いてもよい。
また、放射線源と第1のグリッドとの間に配置され、放射線源から照射された放射線を部分的に遮蔽して多数の線光源とする第3のグリッドを有する放射線画像撮影システムの場合には、第3のグリッドに上記放射線画像撮影用グリッドを用いてもよい。
本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法は、放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部と、放射線透過部の側面から前記配列方向に突出された複数の支持部とを形成する工程と、吸収部用溝内に放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程とを備えている。また、上記放射線画像撮影用グリッドと同様に、支持部の突出量は、隣接する放射線透過部に接触しない突出量としている。
本発明の放射線画像撮影用グリッドによれば、支持部により放射線透過部を支持することができるので、強度が向上する。これにより、放射線画像撮影用グリッドの歪みによる放射線吸収部及び放射線透過部のピッチズレ等を抑えることができるので、本発明の放射線画像撮影用グリッドを使用する放射線画像撮影システムは、高画質な位相コントラスト画像を撮影することができる。
本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法によれば、支持部により放射線透過部を支持することができるので、放射線透過部の間の溝内に放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する際に、放射線透過部が倒れるのを防止することができる。また、支持部は、隣接する放射線透過部に接触しない突出量としているので、電解メッキによって溝内にX線吸収材を充填する際に、支持部によって溝内のメッキ液の流れを阻害することがない。
本発明のX線画像撮影システムの構成を模式的に示す概略図である。 第2のグリッドの構成を示す平面図及び断面図である。 第2のグリッドの製造工程を示す断面図である。 X線透過部及び支持部が形成されたX線透過性基板を示す斜視図である。 X線透過部の高さ方向で突出量を変化させた支持部を示す断面図である。 X線透過部の高さ方向の途中から設けた支持部を示す断面図である。 配列方向において支持部を斜めに配置した第2のグリッドの平面図である。 隣接するX線透過部にそれぞれ設けられている支持部の間隔をランダムにした第2のグリッドの平面図である。 X線透過部の同位置の側面から支持部を突出させた第2のグリッドの平面図である。 隣接するX線透過部から互いに対面するように支持部を突出させた第2のグリッドの平面図である。 X線透過部を除去した第2のグリッドの断面図である。 吸収部用支持部と透過部用支持部とを備えた第2のグリッドの平面図である。 透過部用支持部に対面する位置に同形状の吸収部用支持部を設けた第2のグリッドの平面図である。 形状の異なる透過部用支持部に対面する位置に、対応する形状の吸収部用支持部を設けた第2のグリッドの平面図である。 X線吸収部及びX線透過部を折れ線状に配置した第2のグリッドの平面図である。 従来のグリッド製造時において板状部が倒れた状態を示す斜視図である。
図1は、本発明のX線画像撮影システム10の構成を示す概念図である。X線画像撮影システム10は、X線照射方向であるz方向に沿って配置されたX線源11、線源グリッド12、第1のグリッド13、第2のグリッド14、及びX線画像検出器15を備えている。X線源11は、例えば、回転陽極型のX線管と、X線の照射野を制限するコリメータとを有し、被検体Hにコーンビーム状のX線を放射する。X線画像検出器15は、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)であり、第2のグリッド14の背後に配置されている。X線画像検出器15には、X線画像検出器15により検出された画像データから位相コントラスト画像を生成する位相コントラスト画像生成部16が接続されている。
線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14は、X線を吸収する吸収型グリッドであり、z方向においてX線源11に対向配置されている。線源グリッド12と第1のグリッド13との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。また、第1のグリッド13と第2のグリッド14との距離は、最小のタルボ干渉距離以下とされている。すなわち、本実施形態のX線画像撮影システム10は、タルボ干渉効果を用いず、X線を投影することによって位相コントラスト画像を撮影する。
第2のグリッド14及び走査機構18は、本発明の強度変調手段を構成する。走査機構18は、位相コントラスト画像の撮影時に、第2のグリッド14を格子ピッチを等分割(例えば、5分割)した走査ピッチで、格子ピッチ方向(x方向)に並進移動させる機構である。
第2のグリッド14を例にして、本発明のグリッドの構造を説明する。図2(A)は、第2のグリッド14をX線画像検出器15側から見た正面図であり、同図(B)は同図(A)のA−A断面図である。第2のグリッド14は、グリッドとして機能するグリッド層20と、このグリッド層20のX線原11側の面に設けられた支持基板21と、グリッド層20と支持基板21との間に設けられたシーズ層22とからなる。
グリッド層20は、z方向に直交する面内で延伸方向(y方向)に延伸された複数のX線吸収部24及びX線透過部25を備えている。X線吸収部24及びX線透過部25は、z方向及びy方向に直交する配列方向(x方向)に沿って交互に配列されており、縞状のグリッドを構成している。X線透過部25は、X線吸収部24よりも低いX線吸収性を有する材質からなる。X線吸収部24及びX線透過部25は、X線源11から照射されたX線をそれぞれ吸収(遮蔽)及び透過することにより、縞状の画像を形成する。
支持基板21は、X線透過部25と同様に低いX線吸収性を有し、かつグリッド層20を支持する剛性を備えた材質からなる。シーズ層22は、導電性を有する材質からなり、X線吸収部24を電解メッキによって形成する際に、電極として用いられる。シーズ層22は、グリッド層20及び支持基板21に比べて薄いため、X線透過性に関する影響は少ない。
X線吸収部24の幅W2及びピッチP2は、線源グリッド12と第1のグリッド13との間の距離、第1のグリッド13と第2のグリッド14との間の距離、及び第1のグリッド13のX線吸収部のピッチ等によって決まり、幅W2はおよそ2〜20μm、ピッチP2は4〜40μm程度である。また、X線吸収部24のz方向の厚みT2は、高いX線吸収性を得るには厚いほどよいが、X線源11から放射されるコーンビーム状のX線のケラレを考慮して、例えば100〜200μm程度となっている。本実施形態では、例えば、幅W2が2.5μm、ピッチP2が5μm、厚みT2が100μmであり、X線吸収部24のアスペクト比は40である。
各X線透過部25の側面には、X線透過部25の支持基板21からの高さ方向(z方向)の全域において配列方向に突出された柱状の支持部27が、X線透過部25と一体に複数設けられている。支持部27は、第2のグリッド14の強度を向上させて歪み等の発生を抑える。また、支持部27は、第2のグリッド14の製造時には、X線透過部25が倒れないように補強する。
支持部27は、X線透過部25の延伸方向に沿って、X線透過部25の両側面に交互に設けられている。なお、支持部27が第2のグリッド14の外縁から突出しないようにするため、第2のグリッド14の端縁に配置されているX線透過部25に対しては、内側の側面のみに支持部27が設けられている。また、各X線透過部25の支持部27は、x方向に沿って配列されている。なお、支持部27は、x方向において隣接するX線透過部25に接触しないように設けられている。これは、X線透過部25の間の溝28内に電解メッキによってAuを充填してX線吸収部24を形成する際に、支持部27によって溝28内でメッキ液の流れが滞るのを防ぐためである。
支持部27のy方向の幅Wsは、例えばX線吸収部24のx方向の幅W2と同じ大きさである。また、1本のX線透過部25に設けられている支持部27のy方向のピッチPsは、幅W2の5倍以上となっている。これは、支持部27の数が多くなりすぎることによるグリッド性能の低下を防止するためである。また、支持部27のピッチPsは、X線画像検出器15の画素サイズのy方向の長さ以下であることが好ましい。これは、ピッチPsが1画素以上の長さになると、支持部27に対面する画素と対面しない画素とが発生し、各画素におけるグリッドのX線透過率に差異が生じてしまうためである。なお、X線画像検出器15は、その用途によって画素サイズが異なっており、一般撮影用では、例えばxy方向の画素サイズが150〜300μm角であり、マンモグラフィ用では50〜70μm角程度である。したがって、支持部27のピッチPsは、使用されるX線画像検出器15に合わせて設定されることが好ましい。
次に、第2のグリッド14の製造方法について説明する。図3は、第2のグリッド14の製造手順を示しており、図1及び図2のx方向及びz方向で規定されるxz面に沿う断面図である。図3(A)に示すように、最初の工程では、グリッド層20のX線透過部25を構成するX線透過性基板30と、一方の面にシーズ層22が設けられた支持基板21とが接合される。
X線透過性基板30の材質には、X線吸収性が低くかつ強度を有し、加工し易いことが必要である。このような特性を満たす材質として、例えばシリコン(Si)が望ましいが、GaAs、Geまたは石英等を用いてもよい。X線透過性基板30の厚みは、上述したX線吸収部24のz方向の厚みT2に相当し、例えば20〜150μmである。
支持基板21には、X線吸収性が低く、X線透過性基板30との熱膨張係数差が少ない材質が用いられる。このような材質として、例えば、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、石英、アルミナ、GaAs、Ge等が望ましく、更にはX線透過性基板30と同じシリコンが望ましい。ホウケイ酸ガラスとしては、例えばパイレックス(登録商標)ガラス、テンパックス(登録商標)ガラス等を用いることができる。支持基板21の材質にX線透過性基板30との熱膨張係数差が少ないものを用いるのは、X線透過性基板30との接合時及び使用時の熱応力による歪みを防止するためである。
シーズ層22は、例えば、AuまたはNi、もしくはAl、Ti、Cr、Cu、Ag、Ta、W、Pb、Pd、Pt等からなる金属膜、あるいはそれらの合金からなる金属膜から構成するのが好ましい。また、シーズ層22は、X線透過性基板30に設けられていてもよいし、X線透過性基板30と支持基板21との両方に設けられていてもよい。シーズ層22は、数μm程度の厚さであるため、Au等のX線吸収性の高い材質を用いた場合でもX線透過性に影響しない。
シーズ層22を含む支持基板21の厚みは、X線透過性基板30よりも厚くなっており、例えば100〜700μm程度である。なお、支持基板21は、接合前は厚くしておき、接合後に研磨して所望の厚さに調整してもよい。
図3(B)に示すように、次の工程では、一般的なフォトリソグラフィ技術を用いて、X線透過性基板30の上にエッチングマスク32が形成される。エッチングマスク32は、紙面方向であるy方向に直線状に延伸され、かつx方向に所定ピッチで周期的に配列された縞模様のパターンと、この縞模様のパターンからx方向に突出された支持部27用のパターンとから構成されている。
図3(C)及び図4に示すように、次の工程では、エッチングマスク32を介してX線透過性基板30にドライエッチングが行なわれる。これにより、X線透過性基板30には、複数の溝28と、各溝28を構成する板状のX線透過部25と、複数の支持部27とが形成される。溝28は、例えば、幅が数μm、深さ100〜200μm程度の高いアスペクト比を必要とするため、溝28を形成するドライエッチングには、例えば、ボッシュプロセス、クライオプロセス等の深堀用のドライエッチングが用いられる。なお、シリコン基板に代えて感光性レジストを使用し、シンクロトロン放射光で露光して溝を形成してもよい。
図3(D)に示すように、次の工程では、X線透過性基板30に電解メッキが施される。この電解メッキでは、X線透過性基板30は、シーズ層22に電流端子が接続された状態でメッキ液中に浸漬される。X線透過性基板30と対向させた位置には、もう一方の電極(陽極)が用意され、この問に電流が流されてメッキ液中の金属イオンがパターン加工されたX線透過性基板30に析出される。これにより、溝28内に金などのX線吸収材が充填されてX線吸収部24が形成される。エッチングマスク32は、電解メッキ工程後に、CMP装置等を用いて除去される。
電解メッキ時のX線透過部25は、メッキ液の揺動や、メッキの不均一成長によって押圧されるが、複数の支持部27がX線透過部25を支持して補強しているので、X線透過部25の倒れによるスティッキングの発生を防止することができる。また、各溝28は、支持部27によって分断されていないので、溝28内でのメッキ液の流動性が低下しない。これにより、メッキ液の滞留によるメッキの不均一な成長が発生しにくくなり、それを原因とするスティッキングも防止することができる。また、完成後の第2のグリッド14には、各X線透過部25を支持する複数の支持部27を備えているので強度が向上する。
なお、特許文献2及び非特許文献3に開示されている梁のように、支持部27によって隣り合うX線透過部25同士を接続することも考えられる。しかし、支持部27によってX線透過部間を接続すると、支持部27によって溝28が分断され、メッキ液の流れが滞ってしまうため、X線透過部25同士が接続されないように支持部27で支持するのが好ましい。
線源グリッド12及び第1のグリッド13は、第2のグリッド14と同様に、グリッド層及び支持基板から構成されている。線源グリッド12及び第1のグリッド13のグリッド層は、第2のグリッド14のグリッド層20と同様に、y方向に延伸されx方向に沿って交互に配列されたX線吸収部及びX線透過部を備えており、X線透過部には複数の支持部が一体的に設けられている。このように、線源グリッド12及び第1のグリッド13は、各小グリッドのX線吸収部及びX線透過部のy方向の幅及びピッチと、z方向の厚さ等が異なる以外は第2のグリッド14とほぼ同様の構成であるため、詳しい説明は省略する。また、線源グリッド12及び第1のグリッド13は、第2のグリッド14と同様に製造されるため、詳しい説明は省略する。
次に、X線画像撮影システム10の作用について説明する。X線源11から放射されたX線は、線源グリッド12のX線吸収部によって部分的に遮蔽されることにより、x方向に関する実効的な焦点サイズが縮小され、x方向に多数の線光源(分散光源)が形成される。線源グリッド12により形成された多数の線光源のX線は、被検体Hを通過することにより位相差が生じ、このX線が第1のグリッド13を通過することにより、被検体Hの屈折率と透過光路長とから決定される被検体Hの透過位相情報を反映した縞画像(第1の周期パターン像)が形成される。各線光源の縞画像は、第2のグリッド14に投影され、第2のグリッド14の位置で一致する(重なり合う)ので、X線強度を低下させずに、位相コントラスト画像の画質を向上させることができる。
縞画像は、第2のグリッド14により強度変調される。強度変調された縞画像(第2の周期パターン像)は、例えば、縞走査法により検出される。縞走査法とは、第1のグリッド13に対し、第2のグリッド14を走査機構18によって、X線焦点を中心として格子面に沿った方向に格子ピッチを等分割(例えば、5分割)した走査ピッチで並進移動させながら、X線源11から被検体HにX線を照射して複数回の撮影を行なってX線画像検出器15により検出し、位相コントラスト画像生成部16により、X線画像検出器15の各画素の画素データの位相のズレ量(被検体Hがある場合とない場合とでの位相のズレ量)から位相微分像(被検体で屈折したX線の角度分布に対応)を取得する方法である。位相コントラスト画像生成部16により、位相微分像を上記の縞走査方向に沿って積分することにより、被検体Hの位相コントラスト画像を得ることができる。
以上で説明したように、本実施形態の線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14は、X線透過部25に支持部27を備えているので、X線透過部25のスティッキングの発生が抑えることができ、精度のよいグリッドを製造することができる。これにより、本実施形態の線源グリッド12、第1のグリッド13及び第2のグリッド14を用いたX線画像撮影システム10では、位相コントラスト画像の画質を向上させることができる。また、支持部27によりグリッドの強度が向上するので、グリッドの歪み等も小さくすることができる。
上記実施形態では、X線透過部25の側面からの突出量を一定にした柱状の支持部27を用いたが、図5に示す第2のグリッド40のように、X線透過部25の上端から下端に向かって側面からの突出量が徐々に多くなり、側方から見たときに三角形状になるような支持部41を用いてもよい。また、図6に示す第2のグリッド45のように、X線透過部25の高さ方向の途中から下端に向かって側面からの突出量が徐々に多くなり、側方から見たときに三角形状になるような支持部46を用いてもよい。このような支持部41、46であっても、柱状の支持部27と同様にX線透過部25のスティッキングを防止することができる。また、支持部41、46は、支持部27に比べてグリッドのX線吸収量に対する影響を小さくすることができる。
また、上記実施形態では、各X線透過部25の支持部27がx方向で直線状に並ぶように配置したが、図7に示す第2のグリッド50のように、支持部27をx方向に対して斜めに配列してもよい。
また、図8に示す第2のグリッド55のように、同一のX線透過部25に設けられている支持部27のピッチPsを一定に維持しながら、隣接するX線透過部25にそれぞれ設けられている支持部27のy方向の間隔がランダムになるように配置してもよい。また、支持部27のピッチが支持部27の幅Wsの5倍以上で、かつX線画像検出器15の画素サイズ以下という条件を維持した上で、各X線透過部25における支持部27のピッチをランダムにしてもよい。グリッドの性能低下を小さくするという観点からすれば、支持部27によってX線遮蔽能力が低くなる位置が偏在するのを防ぐことができるので、支持部27をランダムに配置するのが好ましい。
また、図8に示す支持部27のピッチPsは、所定の中心値aからある範囲b内で分布する値(a±b/2)としてもよい。例えば、中心値aを30μm、範囲bを10μmとしたとき、ピッチPsは、25μm〜35μmの範囲内となる。また、ピッチPsは、整数の倍数にならない素数としてもよい。この場合、25μm以上で、例えばX線画像検出器15のx方向及びy方向の画素サイズ(例えば150μm角)以下の素数を順に、あるいはランダムに用いてもよい。また、例えば「0、1、3、5、7、11、13、17、19」までの素数を、基準となるブリッジピッチUの開始値25μmに加算し、その加算した値「25、26、28、30、32・・・」を順に、あるいはランダムに用いてもよい。
図9に示す第2のグリッド60のように、各X線透過部25の同位置から両側面に突出するように支持部27を形成し、隣接するX線透過部25間で支持部27を千鳥状に配置してもよい。これによれば、X線透過部25をより強固に支持することができる。また、図10に示す第2のグリッド65のように、隣接するX線透過部25間で対面するように、持部66を形成し、かつ千鳥状に配置してもよい。この場合、互いに対面する支持部66同士が接触しないように、支持部66の突出量を支持部27よりも少なくするのが好ましい。
上記各実施形態では、X線吸収材からなるX線吸収部24と、X線透過性基板30からなるX線透過部25とを有しているが、図3(D)に示すように、溝28内にX線吸収材を充填してX線吸収部24を形成した後に、図11に示す第2のグリッド70のように、X線透過性基板30をエッチング等により除去してもよい。これによれば、X線透過部が空隙から構成されるので、X線透過率を向上させることができる。
上記第2のグリッド70は、X線透過性基板30の除去により、各X線吸収部24が支持基板21上に垂直に立っている状態となるため倒れやすくなる。これを解消するため、例えば、図12に示す第2のグリッド75のように、X線吸収部24及びX線透過部25に対し、吸収部用支持部76及び透過部用支持部77を設けてもよい。また、図13に示す第2のグリッド80のように、透過部用支持部81に対面する位置に、同形状の吸収部用支持部82を同方向に対して設けてもよい。さらには、図14に示す第2のグリッド85のように、X線透過部25に形状の異なる透過部用支持部86a、86b、86cを設け、X線吸収部24の透過部用支持部に対面する位置に、対応する形状の吸収部用支持部87a、87b、87cを同方向に設けてもよい。また、図15に示す第2のグリッド90のように、X線吸収部91及びX線透過部92を折れ線状に屈曲させるx方向に沿った屈曲部93、94を支持部として用いてもよい。
また、上記各実施形態では、被検体HをX線源と第1のグリッドとの間に配置しているが、被検体Hを第1のグリッドと第2のグリッドとの間に配置した場合にも同様に位相コントラスト画像の生成が可能である。また、第2のグリッドを走査機構により走査しているが、第1のグリッドを走査してもよい。更に、線源グリッドを備えたX線画像撮影システムについて説明したが、本発明は、線源グリッドを使用しないX線画像撮影システムにも適用可能である。また、上記各実施形態は、矛盾しない範囲で相互に組み合わせることが可能である。
上記実施形態は、第1及び第2のグリッドを、そのX線透過部を通過したX線を線形的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、第1及び第2のグリッドでX線を回折することにより、いわゆるタルボ干渉効果が生じる構成(国際公開WO2004/058070号公報等に記載の構成)としてもよい。この場合には、第1及び第2のグリッド間の距離をタルボ干渉距離に設定する必要がある。また、第1のグリッドの種類を、吸収型グリッドではなく、比較的アスペクト比が低い位相型グリッドにすることも可能である。
また、上記実施形態では、第2のグリッドにより強度変調された縞画像を縞走査法によって検出して位相コントラスト画像を生成しているが、1回の撮影によって位相コントラスト画像を生成するX線画像撮影システムも知られている。例えば、国際公開WO2010/050483号公報に記載されているX線画像撮影システムでは、第1及び第2のグリッドにより生成されたモアレをX線画像検出器により検出し、この検出されたモアレの強度分布をフーリエ変換することによって空間周波数スペクトルを取得し、この空間周波数スペクトルからキャリア周波数に対応したスペクトルを分離して逆フーリエ変換を行なうことにより微分位相像を得ている。このようなX線画像撮影システムの第1及び第2のグリッドの少なくとも一方に、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、1回の撮影により位相コントラスト画像を生成するX線画像撮影システムには、強度変調手段として、第2のグリッドの代わりに、X線を電荷に変換する変換層と、変換層により生成された電荷を収集する電荷収集電極とを備えた直接変換型のX線画像検出器を用いたものがある。このX線画像撮影システムは、例えば、各画素の電荷収集電極が、第1のグリッドで形成された縞画像の周期パターンとほぼ一致する周期で配列された線状電極を互いに電気的に接続してなる線状電極群が、互いに位相が異なるように配置されたものであり、各線状電極群を個別に制御して電荷を収集することにより、1度の撮影により複数の縞画像を取得し、この複数の縞画像に基づいて位相コントラスト画像を生成している(特開2009−133823号公報等に記載の構成)。このようなX線画像撮影システムの第1のグリッドに、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、1回の撮影により位相コントラスト画像を生成する別のX線画像撮影システムとして、第1及び第2のグリッドを、X線吸収部及びX線透過部の延伸方向が相対的に所定の角度だけ傾くように配置し、この傾きにより上記延伸方向に生じるモアレ周期の区間を分割して撮影することにより、第1及び第2のグリッドの相対位置が異なる複数の縞画像を取得し、これらの複数の縞画像から位相コントラスト画像を生成することも可能である。このようなX線画像撮影システムの第1及び第2のグリッドの少なくとも一方に、本発明のグリッドを用いてもよい。
また、光読取型のX線画像検出器を用いることにより、第2のグリッドを省略したX線画像撮影システムが考えられる。このシステムでは、第1のグリッドによって形成された周期パターン像を透過する第1の電極層と、第1の電極層を透過した周期パターン像の照射を受けて電荷を発生する光導電層と、光導電層において発生した電荷を蓄積する電荷蓄積層と、読取光を透過する線状電極が多数配列された第2の電極層とがこの順に積層され、読取光によって走査されることによって各線状電極に対応する画素毎の画像信号が読み出される光読取型のX線画像検出器を強度変調手段として用いており、電荷蓄積層を線状電極の配列ピッチよりも細かいピッチで格子状に形成することにより、電荷蓄積層を第2のグリッドとして機能させることができる。このようなX線画像撮影システムの第1のグリッドに、本発明のグリッドを用いてもよい。
以上で説明した実施形態は、医療診断用の放射線画像撮影システムのほか、工業用や、非破壊検査等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。また、本発明は、X線撮影において散乱線を除去する散乱線除去用グリッドにも適用可能である。更に、本発明は、放射線として、X線以外にガンマ線等を用いることも可能である。
10 X線画像撮影システム
11 X線源
12 線源グリッド
13 第1のグリッド
14、40、45、50、55、60、65、7、75、80、85、90 第2のグリッド
15 X線画像検出器
18 操作機構
20 グリッド層
21 支持基板
24 X線吸収部
25 X線透過部
27、41、44、66 支持部
28 溝
76、82、87a〜87c 吸収部用支持部
77、81、86a〜86c 透過部用支持部
93、94 屈曲部

Claims (14)

  1. 一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配置された複数の放射線吸収部及び放射線透過部と、
    前記放射線透過部の側面から前記配列方向に突出された複数の支持部と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影用グリッド。
  2. 前記支持部の突出量は、隣接する前記放射線透過部に接触しない突出量であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  3. 前記支持部は、前記放射線透過部の両側面に、前記延伸方向に沿って交互に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像撮影用グリッド。
  4. 前記支持部は、前記放射線透過部の同位置の両側面から突出されていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像撮影用グリッド。
  5. 前記支持部は、前記配列方向で隣接した前記放射線透過部から互いに対面するように突出されていることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像撮影用グリッド。
  6. 前記支持部は、前記放射線透過部を折れ線状に屈曲させる屈曲部からなることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影用グリッド。
  7. 前記支持部の前記延伸方向のピッチは、前記放射線吸収部の前記配列方向の幅の5倍以上であることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  8. 前記支持部の前記延伸方向のピッチは、前記放射線透過部を通過した放射線を検出する放射線画像検出器の画素サイズ以下であることを特徴とする請求項7記載の放射線画像撮影用グリッド。
  9. 前記放射線吸収部の側面から突出された吸収部用支持部を備えたことを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の放射線画像撮影用グリッド。
  10. 放射線を透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置され、放射線源から照射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を形成する第1のグリッドと、前記第1の周期パターンに対して位相が異なる少なくとも1つの相対位置で前記第1の周期パターン像に強度変調を与える強度変調手段と、前記強度変調手段により前記相対位置で生成された第2の周期パターン像を検出する放射線画像検出器と、前記放射線画像検出器により検出された少なくとも1つの前記第2の周期パターン像に基づいて、位相情報を画像化する演算処理手段と、を備えた放射線画像撮影システムであって、
    前記第1のグリッドに、請求項1〜9いずれかに記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする放射線画像撮影システム。
  11. 前記強度変調手段は、前記第1の周期パターンを透過する部分と吸収する部分とからなるグリッド構造が周期的に配置された第2のグリッドと、前記第1及び第2のグリッドのいずれか一方を、前記第1及び第2のグリッドのグリッド構造の周期方向に所定のピッチで移動させる走査手段とからなり、前記走査手段により移動される各位置が前記相対位置に対応する放射線画像撮影システムであって、
    前記第2のグリッドに、請求項1〜9いずれか記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする請求項10記載の放射線画像撮影システム。
  12. 前記放射線源と前記第1のグリッドとの間に配置され、前記放射線源から照射された放射線を部分的に遮蔽して多数の線光源とする第3のグリッドを有し、前記第3のグリッドに、請求項1〜9いずれか記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする請求項10または11記載の放射線画像撮影システム。
  13. 放射線透過性基板に、一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する配列方向に沿って配置された複数の吸収部用溝と、前記吸収部用溝の間を隔てる複数の放射線透過部と、前記放射線透過部の側面から前記配列方向に突出された複数の支持部と、を形成する工程と、
    前記吸収部用溝内に、放射線吸収材を充填して放射線吸収部を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  14. 前記支持部の突出量は、隣接する前記放射線透過部に接触しない突出量であることを特徴とする請求項13記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
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