JP2012122840A - 放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに、放射線画像撮影システム - Google Patents

放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに、放射線画像撮影システム Download PDF

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Abstract

【課題】高アスペクト比で、かつ幅が均一な放射線画像撮影用グリッドを提供する。
【解決手段】透光性基板21上にシード層22をパターン形成し、この上にネガ型のレジスト層34を形成する。次いで、透光性基板21の下側から露光光を照射し、シード層22をフォトマスクとしてレジスト層34を露光する。次いで、現像処理によりシード層22上に溝部35を形成し、この溝部35を覆うように反射防止膜36を形成する。そして、メッキ法により溝部35にX線吸収材37を埋め込み、CMP法により表面全体を研摩して平坦化する。この後、平坦化された表面に、新たにネガ型のレジスト層を形成し、上記工程を繰り返す。以下の工程では、シード層22及びX線吸収材37がフォトマスクとしてレジスト層の露光が行われるが、反射防止膜36が露光光の反射を防止することにより、該レジスト層は、直進性の高い露光光で露光される。
【選択図】図5

Description

本発明は、X線等の放射線を用いた放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに、放射線画像撮影システムに関する。
X線は、物体に入射したとき、相互作用により強度及び位相が変化し、位相変化(角度変化)が強度変化よりも大きいことが知られている。このX線の性質を利用し、被検体によるX線の位相変化に基づいて、X線吸収能が低い被検体から高コントラストの画像(以下、位相コントラスト画像と称する)を得るX線位相イメージングの研究が盛んに行われている。
X線位相イメージングの一種として、2枚の透過型の回折格子(グリッド)によるタルボ干渉効果を用いたX線画像撮影システムが考案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。このX線画像撮影システムは、X線源から見て、被検体の背後に第1のグリッドを配置し、第1のグリッドからタルボ干渉距離だけ下流に第2のグリッドを配置している。第2のグリッドの背後には、X線を検出して画像を生成するX線画像検出器が配置されている。第1及び第2のグリッドは、一方向に延伸されたX線吸収部及びX線透過部を、延伸方向に直交する配列方向に沿って交互に配列した縞状のグリッドである。タルボ干渉距離とは、第1のグリッドを通過したX線が、タルボ干渉効果によって自己像を形成する距離である。タルボ干渉効果によって形成された自己像は、被検体とX線との相互作用(位相変化)により変調を受けている。
上記X線画像撮影システムでは、第1のグリッドの自己像と第2のグリッドとの重ね合わせ(強度変調)により生じる縞画像を、縞走査法により検出し、被検体による縞画像の変化から被検体の位相情報を取得する。この縞走査法とは、第1のグリッドに対して第2のグリッドを、第1のグリッドの面にほぼ平行で、かつ第1のグリッドの格子方向(条帯方向)にほぼ垂直な方向に、格子ピッチを等分割した走査ピッチで並進移動させながら複数回の撮影を行い、X線画像検出器で得られる各画素値の強度変化から、被検体で屈折したX線の角度分布(位相シフトの微分像)を取得する方法であり、この角度分布に基づいて被検体の位相コントラスト画像を得る。この縞走査法は、レーザ光を利用した撮影装置においても用いられている(例えば、非特許文献2参照)。
第1及び第2のグリッドのX線吸収部は、高いX線吸収性が求められる。特に第2のグリッドは、縞画像を確実に強度変調させるため、第1のグリッドよりも高いX線吸収性を必要とする。そのため、第1及び第2のグリッドのX線吸収部は、原子量の重い金(Au)で形成され、第2のグリッドのX線吸収部は、X線の進行方向に対して比較的大きな厚みを有すること(高アスペクト比であること)が必要とされている。このような第2のグリッドは、例えば、X線吸収部のピッチが数μm、X線の進行方向の厚みが数十〜百数十μmという微細な構造を有する。
上記のような高アスペクト比のグリッドの製造方法が種々提案されている。このうち、製造効率のよい方法として、基板上にグリッドのパターンを有するX線吸収層を形成し、このX線吸収層をマスクとしてフォトリソグラフィを繰り返すことにより、該X線吸収層上に自己整合的に複数のX線吸収層が積層されてなる高アスペクト比のグリッドを製造する方法が知られている(特許文献2、3参照)。
この従来のグリッド製造方法を具体的に説明する。まず、透光性基板上にグリッドのパターンを有するシード層を形成し、この上にネガ型のレジスト層を形成する。次いで、透光性基板の下側からシード層をフォトマスクとして該レジスト層を露光し、シード層上の未感光部を現像により除去することにより、シード層上に溝部を形成する。次いで、この溝部に、メッキ法を用いてX線吸収材を埋め込む。そして、残存したレジスト層と溝部に埋め込まれたX線吸収材とを覆うように、新たにネガ型のレジスト層を形成し、同様の露光・現像処理、及びX線吸収材の埋め込みを行なう。以上の工程を繰り返すことにより、高アスペクト比のグリッドが形成される。
特許第4445397号公報 特開2009−037023号公報 特開2009−282322号公報
C. David, et al., Applied Physics Letters, Vol.81, No.17, 2002年10月,3287頁 Hector Canabal, et al., Applied Optics, Vol.37, No.26, 1998年9月,6227頁
しかしながら、上記従来の製造方法では、2層目以上のレジスト層を露光する際には、その下層に形成されたシード層及びX線吸収材がフォトマスクとして機能するが、このX線吸収材の側壁により露光光の一部が乱反射され、乱反射された光により露光対象のレジスト層が露光されてしまうといった問題がある。X線吸収材の側壁で乱反射された光は、透光性基板に対して垂直な露光方向に対して斜めに伝搬するため、パターンニング精度が劣化し、現像後に形成される溝部の壁部の垂直性が劣化する。すなわち、上下に積層されるX線吸収材の自己整合が劣化する。したがって、上記従来の製造方法で製造されたグリッドの幅は不均一となる。
特許文献2には、金や白金等のX線吸収材にチタンを混ぜることが記載されており、チタン自体は露光光(紫外線)に対して反射防止性を有するものであるが、X線吸収材にチタンを混入させているため、露光光の乱反射を防止する効果は得られない。
本発明の目的は、X線等の放射線を用いた放射線画像撮影用グリッドに関し、高アスペクト比で、かつ幅が均一な放射線画像撮影用グリッド及びその製造方法、並びに、この放射線画像撮影用グリッドを用いた放射線画像撮影システムを提供することにある。
本発明の放射線画像撮影用グリッドは、放射線吸収材からなる複数の放射線吸収部と、放射線透過材からなり、前記放射線吸収部と交互に配置された複数の放射線透過部と、前記放射線吸収部の側壁に形成されたチタン、ニッケル、クロムから選択された1又は2以上の組み合わせからなる膜と、を備えることを特徴とする。
なお、前記放射線吸収部及び前記放射線透過部は、それぞれ一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する方向に沿って交互に配置されていることが好ましい。
また、本発明の放射線画像撮影用グリッドの製造方法は、透光性基板の上側に形成された金属パターン層を覆うようにネガ型の感光性樹脂層を形成する第1の工程と、前記透光性基板の下側から露光光を照射し、前記金属パターン層をフォトマスクとして前記感光性樹脂層を露光する第2の工程と、現像処理により前記金属パターン層上に溝部を形成する第3の工程と、前記溝部の少なくとも側壁を覆うように、前記露光光の反射を防止する反射防止膜を形成する第4の工程と、前記溝部に放射線吸収材を埋め込む第5の工程と、を有し、前記第1の工程から第5の工程を2回以上繰り返すことを特徴とする。ここで、金属パターン層とは、透光性基板上に形成されたシード層、または上記第5の工程で形成された放射線吸収材による放射線吸収パターン層である。
前記露光光は、紫外線であることが好ましい。前記反射防止膜は、チタン、ニッケル、クロムから選択された1又は2以上の組み合わせからなることが好ましい。
前記第5の工程では、メッキ法により前記溝部に放射線吸収材を埋め込むことが好ましい。また、前記第5の工程で前記溝部に放射線吸収材を埋め込んだ後、表面全体を研摩して平坦化することが好ましい。
さらに、本発明の放射線画像撮影システムは、放射線源から放射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を生成する第1のグリッドと、前記第1の周期パターン像を部分的に遮蔽して第2の周期パターン像を生成する第2のグリッドとを有する放射線画像撮影システムであって、前記第1及び第2のグリッドの少なくとも一方に、請求項1または2に記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする放射線画像撮影システム。
本発明の製造方法によれば、溝部の少なくとも側壁を覆うように、露光光の反射を防止する反射防止膜を設けるので、高アスペクト比で、かつ幅が均一な放射線画像撮影用グリッドを製造することができる。
また、本発明の放射線画像撮影用グリッドは、チタン、ニッケル、クロムから選択された1又は2以上の組み合わせからなる膜が、放射線吸収部と放射線透過部とを密着させる密着性膜として機能するため、耐久性を向上させることができる。
第1実施形態のX線画像撮影システムの構成を示す模式図である。 第2のグリッドの構成を示す平面図である。 第2のグリッドの構成を示す断面図である。 第2のグリッドの製造工程を示す断面図である。 第2のグリッドの製造工程を示す断面図である。 第2のグリッドの製造工程を示す断面図である。
図1において、X線画像撮影システム10は、X線源11、第1のグリッド13、第2のグリッド14、及びX線画像検出器15を備えている。X線源11は、例えば、回転陽極型のX線管と、X線の照射野を制限するコリメータとを有し、被検体HにX線を放射する。第1のグリッド13及び第2のグリッド14は、X線を吸収する吸収型グリッドであり、X線照射方向であるz方向においてX線源11に対向配置されている。X線源11と第1のグリッド13との間には、被検体Hが配置可能な間隔が設けられている。X線画像検出器15は、例えば、半導体回路を用いたフラットパネル検出器(FPD:Flat Panel Detector)であり、第2のグリッド14の背後に配置されている。
第1のグリッド13は、z方向に直交する面内の一方向であるy方向に延伸された複数のX線吸収部13a及びX線透過部13bを備えている。X線吸収部13a及びX線透過部13bは、z方向及びy方向に直交するx方向に沿って交互に配列されており、縞状のグリッドを構成している。第2のグリッド14は、第1のグリッド13と同様にy方向に延伸され、かつx方向に沿って交互に配列された複数のX線吸収部14a及びX線透過部14bを備えている。
以下、第2のグリッド14を例にして、グリッドの構成を説明する。なお、第1のグリッド13は、X線吸収部13aのx方向の幅及びピッチと、z方向の厚さ等が異なる以外は第2のグリッド14とほぼ同様の構成である。そのため、第1のグリッド13についての詳しい説明は省略する。
図2は、第2のグリッド14をX線源11の側から見た平面図である。図3は、図2のA−A断面を表している。第2のグリッド14は、主としてX線吸収部14a及びX線透過部14bからなるグリッド層20と、グリッド層20を支持する透光性基板21とからなる。X線吸収部14aは、金(Au)や白金(Pt)等のX線吸収性を有する金属からなる。X線透過部14bは、X線透過性を有する樹脂材からなる。
透光性基板21は、露光光(紫外線)を透過させるガラス、石英、水晶等の材料からなる。X線吸収部14aは、透光性基板21上にパターン形成されたシード層22上に積層されている。シード層22は、クロム(Cr)等の導電性材料からなる。また、X線吸収部14aの側壁には、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)等からなる反射防止膜23が形成されている。反射防止膜23は、露光光の反射を防止する。
X線吸収部14aのx方向の幅W及び配列ピッチPは、X線源11と第1のグリッド13との間の距離、第1のグリッド13と第2のグリッド14との距離、及び第1のグリッド13のX線吸収部13aのピッチ等に応じて決定される。例えば、幅Wは、およそ2〜20μmであり、ピッチPはその倍の4〜40μm程度である。X線吸収部14aのz方向の厚みTは、X線源11から放射されるコーンビーム状のX線のケラレを考慮して、例えば100μm程度となっている。本実施形態の第2のグリッド14は、例えば幅Wが2.5μm、ピッチPが5μm、厚みTが100μmとなっている。
次に、X線画像撮影システム10の作用について説明する。X線源11から放射されたX線は、被検体Hを通過することにより位相差が生じ、このX線が第1のグリッド13を通過することにより、被検体Hの屈折率と透過光路長とから決定される被検体Hの透過位相情報を反映した第1の周期パターン像が形成される。
第1の周期パターン像は、第2のグリッド14により部分的に遮蔽されることにより強度変調され、第2の周期パターン像となる。本実施形態では縞走査法に従い、第1のグリッド13に対し第2のグリッド14を、X線焦点を中心としてグリッド面に沿ったx方向にグリッドピッチを等分割(例えば、5分割)した走査ピッチで並進移動させながら、並進移動を行なうたびにX線源11から被検体HにX線を照射してX線画像検出器15により第2の周期パターン像を撮影する。そして、X線画像検出器15の各画素の強度変調信号(並進移動に対する画素データの強度変調を表す波形信号)の位相ズレ量を算出することにより位相微分像(被検体で屈折したX線の角度分布に対応)を取得する。この位相微分像を上記の縞走査方向に沿って積分することにより、被検体Hの位相コントラスト画像を得ることができる。
次に、第2のグリッド14の製造方法について説明する。なお、第1のグリッド13は、第2のグリッド14と同様に製造されるので、詳しい説明は省略する。図4〜図6は、第2のグリッド14の製造手順を示しており、前述のx方向及びz方向で規定されるxz面に沿う断面図である。
まず、図4(a)に示すように、ガラス等からなる透光性基板21の表面に、スパッタリングやCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりクロム等からなる導電性層30が蒸着される。次いで、図4(b)に示すように、導電性層30の表面に、感光性樹脂材料からなるレジスト層31が形成される。レジスト層31は、例えば、液状レジストをスピンコート等の塗布方法によって導電性層30の表面に塗布する工程と、塗布された液状レジストから有機溶剤を蒸発させるプリベーク等の工程を経て形成される。
次いで、図4(c)に示すように、ピッチPのラインパターンを有する縞模様の露光マスク32がレジスト層31の上方に配置され、露光マスク32を介して紫外線等の露光光がレジスト層31に照射される。次いで、図4(d)に示すように、現像液によってレジスト層31の露光部分が除去され、ポストベークが行なわれる。これにより、レジスト層31上には、y方向に延伸されかつx方向に沿って配列されたラインパターンを有する縞模様のエッチングマスク33が形成される。エッチングマスク33の各ラインパターンの幅及び開口部分の幅は、例えばそれぞれ2.5μmである。なお、上記レジスト層31は、ポジ型レジストであるが、ネガ型レジストを用いることも可能である。また、レジスト層によるエッチングマスクに代えて、金属などからなるエッチングマスクを用いることも可能である。
次いで、図4(e)に示すように、エッチングマスク33に基づき、ドライエッチングまたはウェットエッチングで導電性層30がエッチングされ、前述のシード層22が形成される。そして、図4(f)に示すように、アッシングや有機溶剤による溶融除去等の方法により、シード層22上のエッチングマスク33が除去される。
次いで、図5(a)に示すように、シード層22上を覆うように、ネガ型の感光性樹脂材料からなるレジスト層34が形成される。このレジスト層34は、液状レジストや板状のドライフィルムによって形成される。レジスト層34を液状レジストで形成する場合には、塗布後、ベークを実施する。レジスト層34はX線透過性である。
次いで、図5(b)に示すように、透光性基板21の裏面(シード層22の形成面とは反対の面)側から紫外線等の露光光が照射される。この露光光は、透光性基板21を透過し、レジスト層34を感光させるが、シード層22によって一部が遮られ、レジスト層34のうちシード層22上の部分が未感光のまま残る。すなわち、シード層22がフォトマスクとしての役割を果たす。この後、図5(c)に示すように、現像液で現像が行なわれることにより、レジスト層34の未感光部が除去され、シード層22上に溝部35が形成される。
次いで、図5(d)に示すように、スパッタリングやCVD法により、チタン、ニッケル、クロム等からなる反射防止膜36が、溝部35内を覆うように表面全体に形成される。そして、上記各層が形成された透光性基板21の全体がメッキ液に浸され、図5(e)に示すように、メッキ法により、金等のX線吸収材37が析出され、溝部35内にX線吸収材37が埋め込まれる。なお、本実施形態では、反射防止膜36が導電性であるため、X線吸収材37が溝部35外の表面にも形成される。
この後、図5(f)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、レジスト層34の表面が露呈するまで表面全体が研摩され、表面全体が平坦化される。以上で、X線吸収材37による第1層目のパターン層が完成する。
次いで、図6(a)に示すように、X線吸収材37及びレジスト層34の表面を覆うように、ネガ型の感光性樹脂材料からなるレジスト層38が形成され、透光性基板21の裏面側から露光光が照射される。このレジスト層38は、レジスト層34と同様の材料で形成されている。この工程では、シード層22及びX線吸収材37をフォトマスクとしてレジスト層38が露光される。X線吸収材37の側壁には反射防止膜36が形成されており、反射防止膜36に入射した露光光は吸収され反射が防止されるため、レジスト層38には、直進性の高い露光光が入射する。
次いで、図6(b)に示すように、現像液で現像が行なわれることにより、レジスト層38の未感光部が除去され、X線吸収材37上に溝部39が形成される。この溝部39には、上記の直進性の高い露光光による露光により、垂直性の高い壁部が形成される。次いで、図6(c)に示すように、チタン等からなる反射防止膜40が、溝部39内を覆うように表面全体に形成され、図6(d)に示すように、メッキ法により、溝部39内に金等のX線吸収材41が埋め込まれる。
この後、図6(e)に示すように、CMP法により、レジスト層38の表面が露呈するまで表面全体が研摩され、表面全体が平坦化される。以上により、X線吸収材41による第2層目のパターン層が、第1層目のパターン層と高い自己整合性を有して形成される。図6(a)〜(e)のパターン層の積層工程は、所望とする第2のグリッド14の厚さTに応じた回数だけ繰り返される。
以上の工程により、図2及び図3に示した均一な幅Wを有する第2のグリッド14が完成する。X線吸収材37,41がX線吸収部14a、レジスト層34,38がX線透過部14b、反射防止膜36,40が反射防止膜23に対応する。
反射防止膜23は、上記のように露光光の反射を防止する機能のほかに、X線吸収部14aをX線透過部14bに密着させる機能を有するため、グリッド構造が強固となり耐久性が向上する。また、反射防止膜23は、チタン、ニッケル、クロムのうちの1種の材料に限られず、複数種の材料により形成してもよい。
なお、上記製造方法では、溝部35,39の底部に反射防止膜36,40が残存する。この残存部は第2のグリッド14の性能において特に問題はないが、図5(d)の工程の後、及び図6(c)の工程の後に、全体に異方性エッチングを行なうことにより、溝部35,39の底部及びレジスト層34,38の表面に位置する反射防止膜36,40を除去してもよい。
上記実施形態では、第1及び第2のグリッドを例に本発明を説明したが、本発明は、X線源11の射出側に線源グリッド(マルチスリット)を設けた場合に、その線源グリッドに適用することも可能である。
また、上記実施形態では、第1及び第2のグリッドを、そのX線透過部を通過したX線を線形的に投影するように構成しているが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、X線透過部でX線を回折することにより、いわゆるタルボ干渉効果が生じる構成(特許第4445397号公報等に記載の構成)としてもよい。ただし、この場合には、第1及び第2のグリッドの間の距離をタルボ干渉距離に設定する必要がある。また、この場合には、第1のグリッドを吸収型グリッドに代えて、位相型グリッドを用いることが可能であり、第1のグリッドに代えて用いた位相型グリッドは、タルボ干渉により生じる縞画像(自己像)を、第2のグリッドの位置に形成する。
また、上記実施形態では、第1及び第2のグリッドの相対位置を変化させて複数回の撮影を行うことにより位相コントラスト画像を生成する例を示しているが、第1及び第2のグリッドを固定したまま1回の撮影を行うことにより位相コントラスト画像を生成することも可能である。例えば、国際公開WO2010/050483号公報に記載のX線画像撮影システムでは、第1及び第2のグリッドにより生成されたモアレ縞をX線画像検出器により検出し、この検出されたモアレ縞の強度分布をフーリエ変換することによって空間周波数スペクトルを取得し、この空間周波数スペクトルからキャリア周波数に対応したスペクトルを分離して逆フーリエ変換を行なうことにより微分位相像を得ている。このようなX線画像撮影システムにも、本発明のグリッドは好適である。
さらに、上記実施形態では、被検体HをX線源と第1のグリッドとの間に配置しているが、被検体Hを第1のグリッドと第2のグリッドとの間に配置してもよい。この場合にも同様に位相コントラスト画像の生成が可能である。
以上説明した実施形態は、医療診断用の放射線画像撮影システムのほか、工業用や、非破壊検査等のその他の放射線撮影システムに適用することが可能である。また、本発明は、X線撮影において散乱線を除去する散乱線除去用グリッドにも適用可能である。更に、本発明は、放射線として、X線以外にガンマ線等を用いることも可能である。
10 X線画像撮影システム
11 X線源
13 第1のグリッド
14 第2のグリッド
14a X線吸収部
14b X線透過部
15 X線画像検出器
21 透光性基板
22 シード層
23,36,40 反射防止膜
31,34,38 レジスト層(感光性樹脂層)

Claims (8)

  1. 放射線吸収材からなる複数の放射線吸収部と、
    放射線透過材からなり、前記放射線吸収部と交互に配置された複数の放射線透過部と、
    前記放射線吸収部の側壁に形成されたチタン、ニッケル、クロムから選択された1又は2以上の組み合わせからなる膜と、
    を備えることを特徴とする放射線画像撮影用グリッド。
  2. 前記放射線吸収部及び前記放射線透過部は、それぞれ一方向に延伸されかつ前記延伸方向に直交する方向に沿って交互に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影用グリッド。
  3. 透光性基板の上側に形成された金属パターン層を覆うようにネガ型の感光性樹脂層を形成する第1の工程と、
    前記透光性基板の下側から露光光を照射し、前記金属パターン層をフォトマスクとして前記感光性樹脂層を露光する第2の工程と、
    現像処理により前記金属パターン層上に溝部を形成する第3の工程と、
    前記溝部の少なくとも側壁を覆うように、前記露光光の反射を防止する反射防止膜を形成する第4の工程と、
    前記溝部に放射線吸収材を埋め込む第5の工程と、
    を有し、
    前記第1の工程から第5の工程を2回以上繰り返すことを特徴とする放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  4. 前記露光光は、紫外線であることを特徴とする請求項3に記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  5. 前記反射防止膜は、チタン、ニッケル、クロムから選択された1又は2以上の組み合わせからなることを特徴とする請求項3または4に記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  6. 前記第5の工程では、メッキ法により前記溝部に放射線吸収材を埋め込むことを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  7. 前記第5の工程で前記溝部に放射線吸収材を埋め込んだ後、表面全体を研摩して平坦化することを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の放射線画像撮影用グリッドの製造方法。
  8. 放射線源から放射された放射線を通過させて第1の周期パターン像を生成する第1のグリッドと、前記第1の周期パターン像を部分的に遮蔽して第2の周期パターン像を生成する第2のグリッドとを有する放射線画像撮影システムであって、
    前記第1及び第2のグリッドの少なくとも一方に、請求項1または2に記載の放射線画像撮影用グリッドを用いたことを特徴とする放射線画像撮影システム。
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JP2015184277A (ja) * 2014-03-21 2015-10-22 株式会社東芝 半導体x線検出器用コリメータ作製方法
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