JP2015037532A - 線源格子、干渉計及び被検体情報取得システム - Google Patents

線源格子、干渉計及び被検体情報取得システム Download PDF

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Abstract

【課題】複数の線源格子を用いて構成される2次元の線源格子であって、発散X線が照射された場合に生じるケラレが従来よりも少ない線源格子を提供する。【解決手段】線源格子4は、X線を透過する透過部124と、X線を遮蔽する遮蔽部114と、が第1の方向に配列した第1の部分線源格子104と、透過部224と、遮蔽部214と、が第1の方向と交差する第2の方向に配列した第2の部分線源格子204とを備える。第1の部分線源格子は第1の方向に湾曲した形状を有し、第2の部分線源格子は第2の方向に湾曲した形状を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、照射されたX線を分割する線源格子、X線を用いた干渉計、および被検体情報取得システムに関するものである。
被検体により生じるX線の位相変化を利用したX線位相コントラスト法の一つとして、X線トールボット・ラウ干渉法(タルボ・ロー法とも呼ばれる。)がある。X線トールボット・ラウ干渉法は、X線のトールボット干渉とラウ条件を利用したX線位相コントラスト法である。
X線トールボット・ラウ干渉法には、X線を分割する線源格子と、線源格子からのX線を回折する回折格子と、回折格子からのX線を検出するX線検出器とを備えるX線干渉計が用いられる。以下、トールボット・ラウ干渉法の概要を説明する。
線源格子は、X線透過部(以下、単に透過部と呼ぶことがある)とX線遮蔽部(以下、単に遮蔽部と呼ぶことがある)を有し、照射されたX線を分割して複数のX線ビームを形成する。これにより、空間的可干渉性を有するX線ビームを回折格子に照射することができる。回折格子は、線源格子からのX線を回折し、トールボット効果によって干渉パターン(以下、自己像と呼ぶことがある)を形成する。X線検出器は、回折格子からのX線を検出する。線源格子と回折格子の間または回折格子とX線検出器の間に被検体を配置すると、被検体によりX線の位相と強度が変化し、自己像も変化する。そのため、この自己像を形成するX線をX線検出器により検出すれば、被検体による自己像の変化の情報を取得することができる。必要に応じて自己像の情報(検出結果)に各種演算を施すと、被検体によるX線の位相変化、強度変化、散乱量、の情報等を取得することができる。尚、本明細書では、被検体による自己像の変化の情報と、自己像の変化の情報から取得される種々の被検体に関する情報(被検体によるX線の位相変化の情報、X線の強度変化の情報、X線の散乱の情報等)を合わせて、被検体の情報と呼ぶ。
一般的に、自己像は非常にピッチが小さい。そのため、自己像をX線検出器で直接検出することが難しいことがある。そこで、自己像が形成される位置に遮蔽格子を配置し、自己像よりもピッチが大きいパターン(所謂モアレ)を形成し、これをX線検出器により検出する方法が提案されている。遮蔽格子を用いる場合、検出器は自己像と遮蔽格子により形成されるパターンを形成するX線を検出するが、この場合も被検体による影響を受けたX線により形成される自己像を間接的に検出している。そのため、自己像と遮蔽格子により形成されるパターンを形成するX線を検出しても、被検体による自己像の変化の情報を取得することができる。
明部と暗部が2方向に配列した自己像(以下、2次元の自己像又は2次元の干渉パターンと呼ぶことがある)を形成するためには、2方向(回折格子の配列方向)に対して空間的可干渉性を有するX線を回折格子に照射する必要がある。そのためには、透過部が2方向に配列した線源格子(以下、2次元の線源格子と呼ぶことがある)を用いればよい。
非特許文献1には、ライン状の透過部が1方向に配列した2枚の遮蔽格子を開口部の配列方向が垂直になるように用いることで、2次元の遮蔽格子として機能する遮蔽格子について記載されている。この遮蔽格子と同様の構造をもつ線源格子を用いれば、2方向(透過部の配列方向)に対するX線の空間的可干渉性を向上させることができる。
Physical Review Letters 105(2010) 248102
非特許文献に記載の一般的な遮蔽格子のように、矩形の遮蔽部と矩形の透過部とが交互に配列した格子に、発散して広がるX線を照射すると、X線干渉計の光軸から離れるにしたがって、X線は線源格子の遮蔽部に対して斜めに入射し、X線のケラレが生じる。このケラレにより、光軸からの距離によっては自己像の強度が低下することがあった。以下、発散して広がるX線のことを発散X線と呼ぶことがある。
本発明は、発散X線が照射された場合に生じるケラレが非特許文献1よりも少ない2次元の線源格子及び該線源格子を備えるX線干渉計、及び被検体情報取得システムを提供することを目的とする。
本発明の一側面としての線源格子は、X線を透過する透過部と、X線を遮蔽する遮蔽部と、が第1の方向に交互に配列した第1の部分線源格子と、X線を透過する透過部と、X線を遮蔽する遮蔽部と、が前記第1の方向と交差する第2の方向に交互に配列した第2の部分線源格子とを備え、前記第1の部分線源格子は前記第1の方向に湾曲した形状を有し、前記第2の部分線源格子は前記第2の方向に湾曲した形状を有することを特徴とする。
本発明の一側面としての線源格子によれば、発散X線が照射された場合に生じるケラレが非特許文献1よりも少ない2次元の線源格子を提供することができる。
本発明のその他の側面については、以下で説明する実施の形態で明らかにする。
実施形態1に係る被検体情報取得システムの模式的な断面図。 実施例1に係る回折格子、自己像、遮蔽格子の模式図。 実施形態1〜4に係る線源格子の模式図。 実施例1に係る線源格子の模式図。 実施例1に係る線源格子と支持部の模式図。 実施例1に係る線源格子と支持部の変形例の模式図。 実施形態1に係る第1と第2の部分線源格子の模式図。 実施形態1に係る第1と第2の部分線源格子の模式図。 実施形態2に係る回折格子の模式図。 実施例2に係る遮蔽格子の模式図。 実施形態4に係る回折格子の模式図。
以下に、本発明の好ましい実施形態と実施例を添付の図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
以下では、実施形態1〜4を挙げ、各実施形態について説明をする。実施形態1〜4は、線源格子4が第1の部分線源格子104と第2の部分線源格子204を備える点が共通している(図3参照)。各実施形態において、第1の部分線源格子104は、透過部124と遮蔽部114が第1の方向(X方向)に交互に配列しており、第2の部分線源格子204は、透過部224と遮蔽部214が第2の方向(Y方向)に交互に配列している。第1の部分線源格子は第1の方向に湾曲した形状を有しており、第2の部分線源格子は第2の方向に湾曲した形状を有している。言い換えれば、第1と第2の部分線源格子は、夫々、透過部と遮蔽部との配列方向に湾曲した形状を有している。尚、配列方向に湾曲しているとは、配列方向における座標が変化したときに、第1の方向と第2の方向とのそれぞれと垂直に交わる方向(Z方向)における座標が変化する形状のことを指す。つまり、第1の方向に湾曲した形状とはx座標の変化に伴ってz座標が変化する形状のことであり、第2の方向に湾曲した形状とはy座標の変化に伴ってz座標が変化する形状のことを指す。また、第1の方向と第2の方向は交差するものであり、第1の方向と第2の方向とが交差する角度は垂直又は垂直に近い方が好ましい。
また、第1と第2の部分線源格子は、それぞれ、配列方向に垂直な軸を有する円柱の側面に沿うように湾曲した形状を有する(シリンドリカル面を有する)ことが好ましい。尚、円柱の軸とは、円柱の底面の中心同士を結んだ線分のことを指し、円柱を回転体とみなしたときの回転軸のことを指すものとする。
第1と第2の部分線源格子がシリンドリカル面を有するように湾曲した形状を有するとき、円柱の底面と平行な面の一つにおける断面形状は、X線軸20のうち、X線源から第1又は第2の部分格子までの部分を半径とする円弧であることが好ましい。また、第1と第2の部分線源格子がシリンドリカル面を有するように湾曲した形状を有するとき、円柱の軸のことを湾曲の軸と呼ぶ。また、第1と第2の部分線源格子がシリンドリカル面を有するように湾曲した形状を有するとき、円柱の底面の半径を曲率半径と呼ぶ。第1と第2の部分線源格子がそれぞれ、X線源からの距離と等しい曲率半径を有するとき、第1の部分線源格子の湾曲の軸と第2の部分線源格子の湾曲の軸は、X線源を通り、且つ、各々の部分線源格子の配列方向とX線軸とに垂直な線分である。以下、第1の部分線源格子の湾曲の軸を第1の湾曲軸134と呼び、第2の部分線源格子の湾曲の軸を第2の湾曲軸234と呼ぶことがある。尚、第1と第2の部分線源格子それぞれの曲率半径は、透過部が配列されている範囲において一定であることが好ましいが、10%以内で曲率半径が変化していても構わない。以下で説明する各実施形態において、第1と第2の部分線源格子は、このように湾曲した形状を有するものとする。
第2の部分線源格子は、第1の部分線源格子の湾曲の凹側(内側)に配置され、第1の部分線源格子は、第2の部分線源格子の湾曲の凸側(外側)に配置される。第1と第2の部分線源格子がシリンドリカル面を有するように湾曲した形状を有するとき、第1の湾曲軸134は第2の部分線源格子の湾曲の凹側にあり、第2の部分線源格子は、第1の湾曲軸と第1の部分線源格子との間に配置されている。つまり、第2の部分線源格子が有する2つの格子面のうち、一方の面の側(図3中だと、左手前側)に、第1の湾曲軸と第2の湾曲軸が存在し、もう一方の面の側に第1の部分線源格子がある。また、第1の部分線源格子が有する2つの格子面のうちの一方の面の側に、第2の部分線源格子と第1の湾曲軸と第2の湾曲軸がある。尚、格子面とは、格子の表面のうち、干渉計に配置した時に、X線源と対向する面と、検出器と対向する面のことを指す。格子面は遮蔽部と透過部の配列により形成される格子パターンを有する。線源格子は、交差する2方向に透過部と遮蔽部が配列した格子パターンを有し、この格子パターンは、第1の部分線源格子の透過部と遮蔽部と、第2の部分線源格子の透過部と遮蔽部と、により形成される。
このとき、第1の湾曲軸134と第2の部分線源格子204の距離は、第1の湾曲軸と第1の部分線源格子104の距離よりも小さく、第2の湾曲軸234と第2の部分線源格子204の距離は、第2の湾曲軸と第1の部分線源格子104までの距離よりも小さい。但し、第1又は第2の湾曲軸と、第1又は第2の部分線源格子との距離は、第1又は第2の部分線源格子から第1又は第2の湾曲軸上のある点に対して引いた垂線の距離とする。
第2の部分線源格子の曲率半径は第1の部分線源格子の曲率半径よりも小さい。第1の部分線源格子の遮蔽部が格子面に対して垂直に形成されているとき、第1の湾曲軸上に発散X線を射出するX線源の焦点の中心を配置すると、第1部分線源格子の遮蔽部の厚み方向とX線の進行方向が一致する。そのため、第1の部分線源格子によるX線のケラレを効果的に軽減することができる。同様に、第2の湾曲軸上に発散X線を射出するX線源の焦点の中心を配置すると、第2部分線源格子によるケラレを効果的に軽減することができる。よって、図3のように第1の湾曲軸と第2の湾曲軸は交わることが好ましい。また、第1の湾曲軸と第2の湾曲軸の交点にX線源の焦点の中心を配置して被検体にX線を照射することが好ましい。尚、第2の部分線源格子が第1の方向に湾曲していても良いし、第1の部分線源格子が第2の方向に湾曲していても良い。但し、第2の部分線源格子の第1の方向へ湾曲は、ケラレの発生軽減にはほとんど影響せず、第1の部分線源格子の第2の方向への湾曲も、ケラレの発生軽減にほとんど影響しない。よって第2の部分線源格子の第1の方向への湾曲は、第2の方向への湾曲に比べて小さてよく、且つ、第1の部分線源格子の第2の方向への湾曲は、第1の方向への湾曲に比べて小さくてよい。第1の方向へも第2の方向へも同様に湾曲した、球欠状の部分線源格子よりも、第1の方向への湾曲よりも第2の方向への湾曲が小さい、又は第2の方向への湾曲よりも第1の方向への湾曲が小さい部分線源格子の方が容易に作製することができる。
以下、各実施形態と実施例について説明をする。
〔実施形態1〕
本実施形態では、2次元のX線トールボット・ラウ干渉法を行う干渉計を備える被検体情報取得システムについて説明をする。但し、本明細書においてX線とはエネルギーが2keV以上100keV以下の電磁波を指す。
図1は本実施形態の被検体情報取得システム100の構成例を示した模式的な断面図である。図1に示した被検体情報取得システム100は、干渉計1と、干渉計にX線を照射するX線源2と、干渉計1が有する検出器14の検出結果に基づいて被検体6の情報を取得する演算装置とを備える。干渉計1は、X線源からのX線を分割する線源格子4と、線源格子からのX線を回折して干渉パターン(自己像とも呼ばれる)を形成する回折格子8と、自己像を形成するX線の一部を遮蔽する遮蔽格子12と、遮蔽格子からのX線を検出する検出器14を備える。
X線源2は、線源格子4に対してX線を射出して、線源格子4にX線を照射する。この時、X線源2が射出するX線はコーンビームのように2方向に対して発散するX線(以下、発散X線と呼ぶことがある)である。
線源格子4は、X線源2からのX線を分割することでX線の空間的可干渉性を向上させる。線源格子からのX線が、回折格子により回折されて干渉パターンを形成できる程度までX線の空間的可干渉性を向上させれば良い。
上述のように、線源格子は第1の部分線源格子104と第2の部分線源格子204を有し、第1の部分線源格子104は第1の方向Xに湾曲した形状を有し、第2の部分線源格子は第2の方向Yに湾曲した形状を有する。第1の部分線源格子は、後述する回折格子の配列方向である第3の方向におけるX線の空間的可干渉性を向上させる。つまり、第1の部分線源格子の、第3の方向における透過部の幅により、空間的可干渉性が決まる。第1の方向における透過部の幅をaとするとき、第1の方向と第3の方向が一致するときの第3の方向における透過部の幅はaであり、第1の方向と第3の方向がずれるとaよりも大きくなる。そのため、効率的に第3の方向における空間的可干渉性を向上させるためには第3の方向と第1の方向とが一致することが好ましい。但し、同一の部分線源格子を用いて空間的可干渉性を調整する場合にはこの限りではない。また、第2の部分線源格子は、後述する回折格子のもう一つの配列方向である第4の方向におけるX線の空間的可干渉性を向上させる。つまり、第2の部分線源格子の、第4の方向における透過部の幅により、空間的可干渉性が決まる。
第1と第2の部分線源格子は、図7(a)に示すように帯状の遮蔽部44を複数有していてもよいし、図7(b)に示すように帯状の遮蔽部が連結したような形状の遮蔽部46を有していてもよい。遮蔽部はX線の遮蔽率(吸収率)が大きい材料からなり、例えば、金、鉛、金を含む合金等を用いることができる。図7(a)のように遮蔽部同士を分離することで遮蔽部を構成する材料の使用量を減らすことができるため、コスト低減に効果がある。一方、図7(b)のように遮蔽部が連結していると、透過部が中空である場合に遮蔽部が歪むことを抑制し、ピッチずれを低減する効果がある。
図8は、第1と第2の部分線源格子の断面図であり、遮蔽部48が配列している。第1と第2の部分線源格子において透過部は、図8(a)のように中空であっても良いし、図8(b)のようにX線の吸収係数の低い充填材50が充填されていてもよい。また、図8(a)、(c)のように、第1と第2の部分線源格子は、遮蔽部48を支持する基板52を有してもよい。但し、基板52もX線の吸収係数の低い材料からなることが好ましい。充填材50や基板52には、遮蔽部48が歪むことを抑制し、ピッチずれを低減する効果がある。第1と第2の部分線源格子は、充填材50と基板52のどちらか一方のみを有してもよいし、両方を有してもよい。また、図8(c)のように充填材50と基板52とは異なる材料でもよいし、図8(d)のように充填剤と基板を同じ材料で製造し、充填剤と一体化した基板54にしてもよい。充填材50や基板52の材料としては、樹脂材料でもよいし、シリコンのような半導体でもいし、アルミのようなX線の吸収係数が低い金属でもよい。
第1の部分線源格子と第2の部分線源格子は離間して配置されており、その距離はdである。但し、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離とは、X線の光軸(以下、X線軸と呼ぶことがある)上における第1の部分線源格子と、第2の部分線源格子の距離とする。尚、X線の光軸とは、X線源の焦点の中心と検出器の検出面上におけるX線照射範囲の中心とを結んだ線分のこととする。干渉計に設置されていない線源格子の場合は、第1の湾曲軸と第2の湾曲軸の交点に対して第1の部分線源格子から垂線を引き、この垂線上における第1の部分線源格子と、第2の部分線源格子の距離を、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離とする。第1の湾曲軸と第2の湾曲軸が交わらない場合は、第1の湾曲軸を第2の湾曲軸に投影したときに形成される第1の湾曲軸の投影像と、第2の湾曲軸との交点に対して第1の部分線源格子から垂線を引くものとする。
本実施形態においては、第1の湾曲軸と第2の湾曲軸の交点にX線源の焦点の中心を配置することで、線源格子によるX線のケラレを効果的に軽減させることができる。そのため、第2の部分線源格子の曲率半径はr2、第1の部分線源格子の曲率半径r1=r2+dとする。そして、X線軸上における第2の部分線源格子のX線源側(湾曲形状の内側)の表面とX線源の焦点の中心との距離がr2になるようにX線源を配置する。第1の湾曲軸と第2の湾曲軸が交わらない場合は、X線源の焦点の中心はX軸方向において第1の湾曲軸と第2の湾曲軸との間に配置されていることが好ましい。また、xy平面内においては、X線源の焦点の中心が、第1の湾曲軸を第2の湾曲軸に投影したときに形成される第1の湾曲軸の投影像と、第2の湾曲軸との交点の近くに配置されていることが好ましい。更に好ましくは、第1の湾曲軸の投影像と第2の湾曲軸との交点にX線源の焦点の中心を配置することである。
一般的なトールボット・ラウ干渉法を行う場合、線源格子が有する複数の透過部から出射したX線により形成される干渉パターンの明部同士と暗部同士が重なり合う必要がある。つまり、線源格子が透過部Aと透過部Bを有する場合、透過部AからのX線が回折格子により回折されて形成される干渉パターンの明部と、透過部BからのX線が回折格子により回折され形成される干渉パターンの明部が重なりあう必要がある。暗部同士も同様である。このように、複数の透過部から出射したX線により形成される干渉パターンの明部同士と暗部同士が重なり合う条件をラウ条件と呼び、下記式(1)で表される。
P0=Ps×L/z 式(1)
但し、P0は線源格子のピッチ、Psは自己像のピッチ、Lは線源格子と回折格子の距離、zは回折格子と自己像の距離である。尚、線源格子のピッチとは、線源格子の透過部のピッチ(回折格子のパターンの配列方向におけるピッチ)のことを指す。また、回折格子と自己像の距離は、遮蔽格子を用いる場合は回折格子と遮蔽格子の距離であり、遮蔽格子を用いずに自己像を直接検出する場合は回折格子と検出器の距離である。自己像のピッチとは、遮蔽格子を用いる場合は遮蔽格子上における自己像の明部のピッチであり、遮蔽格子を用いずに自己像を直接検出する場合は検出器の検出面上における自己像の明部のピッチである。
本実施形態のように第1の部分線源格子と第2の部分線源格子を離間して配置する場合、第1の部分線源格子と回折格子との距離(L)と、第2の部分線源格子と回折格子との距離(L+d)とが異なる。そのため、第1の部分線源格子の第3の方向における透過部のピッチP0aと、第2の部分線源格子の第4の方向におけるピッチP0bが等しいと、第1と第2の部分線源格子の少なくともいずれかが、上述のラウ条件を満たさない位置に配置されることになる。すると、例えば透過部AからのX線で形成される干渉パターンの明部と、透過部BからのX線で形成される干渉パターンの明部が、ずれて重なりあう。このずれ量はdの大きさにもよるが、dが4mmより大きいと、この干渉パターン同士のずれによる干渉パターンのコントラストが無視できない程度まで低下することが本発明者らの検討によって明らかになった。
そこで、本実施形態では、第1の部分線源格子のピッチP0aを第2の部分線源格子のピッチP0bよりも小さくする。これにより、第3の方向においてラウ条件が成立する距離よりも第4の方向においてラウ条件が成立する距離が短くなるため、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の配置位置とラウ条件が成立する位置とのズレ(差)が軽減される。これにより、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子との距離dにより生じる干渉パターンのコントラストの低下が軽減する。第1と第2の部分線源格子のピッチP0a、P0bは、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離dに合わせて決めることが好ましい。回折格子の第3の方向におけるピッチと第4の方向におけるピッチが等しいとき、下記式(2)が成立するように、第1の部分線源格子のピッチP0aを第2の部分線源格子のピッチP0bよりも小さくすることが好ましい。下記式(2)が成立するとき、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の両方をラウ条件を満たす位置に配置することができる。
P0a=P0b×(L+z)/(L+d+z) 式(2)
式(2)は、式(1)から導いた、下記式(1−a)、(1−b)、(3)(4)から導かれたものである。
P0a=Psa×L/z 式(1−a)
P0b=Psb×(L+d)/z 式(1−b)
P1a=A×Psa×L/(L+Z) 式(3)
P1b=A×Psb×(L+d)/(L+d+z) 式(4)
但し、Aとは、回折格子の種類により決まる定数である。例えば、回折格子が位相格子であり、第2の位相変調領域を透過したX線と第1の位相変調領域を透過したX線の位相シフト量がπであればAは2であり、位相シフト量がπ/2であればAは1である。また、回折格子が振幅格子である場合は、Aは1である。
尚、式(3)、(4)は、下記式(5)から導いた。
P1=A×Ps×L/(L+Z) 式(5)
以下、単に第1の部分線源格子のピッチというときは、第1の部分線源格子の第3の方向における透過部のピッチを指し、単に第2の部分線源格子のピッチというときは、第2の部分線源格子の第4の方向における透過部のピッチを指すものとする。尚、第1と第2の部分線源格子のピッチP0a、P0bが上記式(2)を満たさなくても、上述のように第1の部分線源格子のピッチP0aが第2の部分線源格子のピッチP0bよりも小さければ距離dによる干渉パターンのコントラストの低下を軽減できる。第1と第2の部分線源格子のピッチP0a、P0bが上記式(2)を満たさない場合、(実際の)第1の部分線源格子のピッチが、理想的な第2の部分線源格子のピッチよりも、理想的な第1の部分線源格子のピッチに近いことが好ましい。また、(実際の)第2の部分線源格子のピッチが、理想的な第1の部分線源格子のピッチよりも、理想的な第2の部分線源格子のピッチに近いことが好ましい。但し、理想的な第1又は第2の2の部分線源格子のピッチとは、式(2)から算出されるP0aまたはP0bである。また、第2の部分線源格子が第1の方向へも湾曲していたり、第1の部分線源格子が第2の方向へも湾曲していたりすると、第1の部分線源格子が第1の方向へのみ湾曲し、第2の部分線源格子が第2の方向へのみ湾曲している場合と比較して第1と第2の部分線源格子間の距離を小さくすることができる。
回折格子8は、線源格子4からのX線を回折して、トールボット効果により自己像と呼ばれる干渉パターンを形成する。回折格子は、線源格子からのX線を回折して、明部と暗部が2方向に配列した、2次元の自己像を形成できれば、特に限定されるものではない。例えば、周期的にX線の位相を変調する位相型の回折格子(以下、位相格子呼ぶことがある)を用いてもよいし、周期的にX線の振幅を変調する振幅型の回折格子(以下、振幅格子と呼ぶ)を用いても良い。回折格子は第3の方向と第4の方向に変調パターンの配列方向(以下、回折格子の配列方向と呼ぶことがある)を有する。尚、変調パターンとは、回折格子が位相格子の場合は第1の位相変調領域と第2の位相変調領域がなすパターンであり、回折格子が振幅格子の場合は透過部と遮蔽部がなすパターンのことを指す。変調パターンは、市松模様(チェッカーボード状)であっても良いし、網目状(2つのストライプ模様をほぼ垂直に重ねた模様)であっても良い。尚、第3の方向と第4の方向は交差する方向であり、垂直に交差することが好ましい。また、第3の方向と第4の方向に変調パターンの配列方向を有するとは、回折格子が位相格子の場合は第1の位相変調領域と第2の位相変調領域が第3の方向と第4の方向に配列されていることを指す。回折格子が振幅格子の場合は、透過部と遮蔽部が第3の方向と第4の方向に配列されていることを指す。また、変調パターンのピッチとは、回折格子が位相格子の場合は第1の位相変調領域のピッチを指し、回折格子が振幅格子の場合は透過部のピッチのことを指す。
また、図1に示した回折格子8のような平面状の回折格子を用いても良いし、球欠状(ボウル状)に湾曲させても良い。また、線源格子4のように、2枚の1次元回折格子を重ねて2次元の回折格子として機能させても良い。その場合、本実施形態では1次元回折格子間の距離は4mm以下であることが好ましく、回折格子同士が接していることがより好ましい。
遮蔽格子12は、X線を透過する透過部と、X線を遮蔽する遮蔽部が第5の方向と第6の方向とに配列しており、自己像が形成される位置に配置される。自己像のピッチと遮蔽格子12のピッチが異なっている場合や、配列方向(第3の方向と第5の方向、第4の方向と第6の方向)がずれている場合、自己像と遮蔽格子の組み合わせによりモアレが発生する。尚、遮蔽格子のピッチとは、遮蔽格子における透過部のピッチのことを指す。
例えば、自己像の配列方向と遮蔽格子の配列方向が等しく(つまり、第3の方向と第5の方向が平行で、且つ、第4の方向と第6の方向が平行で)、ピッチが異なる場合、平行モアレが生じる。平行モアレの第3の方向におけるピッチは、第3の方向における自己像のピッチと遮蔽格子のピッチの差により決まる。同様に、第4の方向における自己像のピッチと遮蔽格子のピッチの差により、第4の方向におけるモアレのピッチが決まる。また、第3の方向における自己像のピッチと第5の方向における遮蔽格子のピッチが等しく、且つ、第3の方向と第5の方向が交差する場合、第3の方向と第5の方向がなす角度によってモアレのピッチが決まる。同様に、第4の方向における自己像のピッチと第6の方向における遮蔽格子のピッチが等しく、且つ、第4の方向と第6の方向が交差する場合、第4の方向と第6の方向がなす角度によってモアレのピッチが決まる。尚、自己像の配列方向と遮蔽格子の配列方向が等しい場合は、自己像の配列方向と等しい配列方向を有するモアレが生じるが、自己像の配列方向と遮蔽格子の配列方向が異なる場合、自己像の配列方向とモアレの配列方向が異なることがある。
モアレのピッチは検出器の検出範囲の一辺の長さよりも短くてもよいし、長くてもよい。また、本明細書中では、自己像と遮蔽格子のピッチが等しく、配列方向も一致する場合に生じるパターンのことを、ピッチが無限大のモアレとみなし、モアレの一種として扱う。
尚、図1において、遮蔽格子12はx方向とy方向に湾曲した、球欠形状を有することで、遮蔽格子によるX線のケラレを軽減させている。しかし、遮蔽格子の大きさや構造などによっては、遮蔽格子が平板状であっても遮蔽格子によるX線のケラレを無視できるため、平板状の遮蔽格子を用いても良い。
検出器14は、遮蔽格子12からのX線を検出することで、モアレの強度分布の情報を取得する。線源格子4と回折格子8の間、または回折格子8と検出器14の間(但し、遮蔽格子12を用いる場合は、線源格子4と回折格子8の間、または回折格子8と遮蔽格子12の間)に被検体6を配置すると、被検体6によりX線の位相と強度が変化する。そのため、被検体を透過したX線が形成する自己像は、被検体6の情報を持つようになる。つまり、線源格子4と検出器14の間に被検体が配置されると、検出器により検出されたX線は被検体の情報を有する。本実施形態の干渉計は、被検体の情報を有するX線によりモアレを形成し、このモアレを形成するX線を検出する。これにより、被検体の情報を取得することができる。
以上、遮蔽格子を用いてモアレを形成し、このモアレを撮像する場合を説明したが、自己像のパターンを直接検出できる程度に検出器14の空間分解能が高ければ、遮蔽格子12を用いずに自己像を形成するX線を直接検出してもよい。この場合、干渉計は被検体の情報を有するX線により形成される自己像の強度分布の情報を取得することにより被検体の情報を取得する。また、自己像もモアレも干渉パターンであるため、遮蔽格子を用いるかどうかに関わらず、本実施形態の干渉計は被検体の情報を有するX線により形成される干渉パターンの強度分布の情報を取得することにより被検体の情報を取得する。
演算装置16は、検出器14による検出結果から被検体の情報を取得する。
被検体の情報とは、例えば、被検体によるX線の位相変化に関する情報、被検体によるX線の強度変化(つまり、被検体によるX線の吸収量)に関する情報、被検体によるX線の散乱(反射を含んでも良い)に関する情報が挙げられる。被検体の情報を有するX線により形成されたモアレ(又は自己像)の強度分布そのものも被検体の情報の一種であるが、これは演算装置16による演算(テーブル参照を含む)を経なくても取得することができる。
被検体情報の取得方法は特に問わない。例えば、被検体によるX線の位相変化に関する情報は、国際公開WO2010/050483号に記載されているような、検出結果をフーリエ変換する方法により取得できる。また、国際公開WO04/058070号に記載されているような、縞走査法(位相シフト法とも呼ばれる)を用いても被検体によるX線の位相変化に関する情報を取得することができる。また、検出結果と被検体によるX線の位相変化に関する情報の関係を示す表を予め作成しておき、その表を参照すること(テーブル参照)で被検体の情報を取得しても良い。尚、演算装置16は取得した被検体の情報を画像表示装置に出力することで、被検体によるX線の位相変化に関する情報から作成された被検体の微分位相像または位相像や、被検体によるX線の散乱に関する情報から作成された被検体の散乱像等を表示しても良い。
〔実施形態2〕
本実施形態では、実施形態1と異なるX線干渉計ついて説明をする。本実施形態のX線干渉計は、第1の部分線源格子のピッチと第2の部分線源格子のピッチが等しく、回折格子が有する変調パターンの、第3の方向におけるピッチと第4の方向におけるピッチとが異なる点が実施形態1と異なる。その他の構成は実施形態1と同様であるため省略する。
本実施形態の線源格子は第1の部分線源格子のピッチと第2の部分線源格子のピッチが等しいこと以外は実施形態1の線源格子と同じである。
上述のように、第1の部分線源格子のピッチと第2の部分線源格子のピッチが等しい場合、第1と第2の部分線源格子の距離dが大きくなるほど、第1と第2の部分線源格子の少なくともいずれかは、ラウ条件が成立する位置から離れた位置に配置される。これにより、自己像のコントラストが低下する。
実施形態1では、第1の部分線源格子のピッチを第2の部分線源格子のピッチよりも小さくすることで、自己像のコントラスト低下を軽減させた。本実施形態では、第1の部分線源格子のピッチを第2の部分線源格子のピッチと同じに設計し、代わりに回折格子の第3の方向におけるピッチP1aを第4の方向におけるピッチP1bよりも大きくする。これにより、第3の方向における自己像のピッチが第4の方向における自己像のピッチよりも大きくなり、ラウ条件が成立する距離を短くすることができる。つまり、本実施形態では、第3の方向における回折格子のピッチを第4の方向における回折格子のピッチよりも大きくすることにより、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の配置位置とラウ条件が成立する位置とのズレ(差)を軽減する。これにより、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子との距離dにより生じる干渉パターンのコントラストの低下が軽減する。第3の方向における回折格子のピッチP1aと第4の方向における回折格子のピッチP1bは、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離dに合わせて決めることが好ましい。より具体的には、下記式(6)が成立するとき、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の両方をラウ条件を満たす位置に配置することができる。
P1a=P1b×(L+d+z)/(L+z) 式(6)
(L+d+z)/(L+z)は1より大きいため、P1a>P1bである。本実施形態の回折格子が有する変調パターンの一例を図9に示す。
尚、回折格子の第3と第4の方向におけるピッチが式(6)を満たさなくても、上述のように第3の方向における回折格子のピッチが第4の方向における回折格子のピッチよりも大きければ、距離dによる干渉パターンのコントラストの低下を軽減できる。回折格子の第3と第4の方向におけるピッチが上記式(6)を満たさない場合、(実際の)第3の方向における回折格子のピッチが、理想的な第4の方向における回折格子のピッチよりも、理想的な第3の方向における回折格子のピッチに近いことが好ましい。また、(実際の)第4の方向における回折格子のピッチが、理想的な第3の方向における回折格子のピッチよりも、理想的な第4の方向における回折格子のピッチに近いことが好ましい。但し、理想的な第3又は第4の方向における回折格子のピッチとは、式(6)から算出されるP1aまたはP1bである。
〔実施形態3〕
本実施形態では、実施形態1、2と異なるX線干渉計ついて説明をする。本実施形態のX線干渉計は、第1の部分線源格子のピッチが第2の部分線源格子のピッチよりも小さく、且つ、回折格子が有する変調パターンの、第3の方向におけるピッチと第4の方向における回折格子ピッチとが異なる点が実施形態1、2と異なる。その他の構成は実施形態1、2と同様であるため省略する。
発散X線を用いて自己像を形成する場合、自己像のピッチは回折格子の変調パターンのピッチと拡大率によって変化する。拡大率は、線源格子と回折格子の距離と、回折格子と自己像が形成される距離(遮蔽格子を用いる場合は回折格子と遮蔽格子の距離のことを指し、自己像を直接撮像する場合は回折格子と検出器の距離のことを指す。)の比によって決まる。つまり、第1と第2の部分線源格子が離間されて配置される場合、第1の部分線源格子により可干渉性が向上したX線により形成される自己像の拡大率と、第2の部分線源格子により可干渉性が向上したX線により形成される自己像の拡大率が異なる。これにより、第3の方向における自己像のピッチと、第4の方向における自己像のピッチとの差が生じる。但し、自己像のピッチとは、撮像装置が遮蔽格子を備える場合は遮蔽格子上の自己像のピッチのことを指し、遮蔽格子を備えない場合は検出器の検出面上のピッチのことを指す。
そこで本実施形態では、自己像の拡大率変化に合わせて、第3の方向における変調パターンのピッチと、第4の方向における変調パターンのピッチを変化させる。これにより、第3の方向における自己像のピッチと、第4の方向における自己像のピッチとの差を小さくする。第3の方向における自己像のピッチと、第4の方向における自己像のピッチとの差は無視できる程度まで小さくすることが好ましい。例えば、第3の方向における自己像のピッチが、第4の方向におけるピッチの1.05倍以下0.95倍以上の範囲内に収まることが好ましい。また、第3の方向と第4の方向における自己像のピッチに合わせて、第1の部分線源格子のピッチを第2の部分線源格子のピッチよりも小さくすることで、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の配置位置と、ラウ条件が成立する位置とのズレを軽減する。
以下、より詳細に説明をする。
第3の方向における自己像のピッチと、第4の方向における自己像のピッチとの差を小さくするためには、第3の方向における回折格子のピッチP1aを第4の方向における回折格子のピッチP1bよりも小さくすればよい。第3の方向における変調パターンのピッチP1aが、下記式(7)を満たすとき、第3の方向における自己像のピッチと、第4の方向における自己像のピッチとが等しくなる。
P1a=P1b×L(L+d+z)/(L+z)(L+d) 式(7)
尚、式(7)は、式(3)、(4)Psa=Psbを代入して導出した。
第3の方向における変調パターンのピッチが上記式(7)を満たす場合、第3の方向における自己像のピッチと第4の方向における自己像のピッチが等しくなる。そのため、第3に方向における遮蔽格子のピッチと第4の方向における遮蔽格子のピッチが等しくても、交差する2方向におけるピッチが等しいモアレを形成することができる。演算装置による被検体情報の算出の際に、フーリエ変換法を行う場合、フーリエ空間上において1次スペクトル(被検体の位相情報を有するピーク)が現れる。交差する2方向におけるピッチが等しいモアレをフーリエ変換すると、フーリエ空間上において1次スペクトルが現れる座標は同心円上にあり、かつ原点を基準に鏡像関係にある2組の1次スペクトルのそれぞれを結んでえられる線分が直交する。よって、従来のX線トールボット干渉法を行う干渉計に用いられる方法を修正する必要なく、被検体の情報を取得できる。また、縞走査法を行う場合、自己像と遮蔽格子の相対位置を自己像のピッチ方向に自己像のピッチの1/n(nは3以上の整数)ずつ変化させてX線の検出をn回行う。2方向に対するピッチが等しいモアレを形成すると、1回の検出毎の相対位置変化量(線源格子、回折格子、遮蔽格子のいずれかの移動量)を2方向に対して等しくすることができる。そのため、2方向に対する相対位置変化量が異なるよりも、相対位置変化量を制御しやすい。
尚、実施形態1と実施形態2では、第3の方向における自己像のピッチと第4の方向における自己像のピッチが異なる。しかし、自己像のピッチに合わせて、第3の方向における遮蔽格子のピッチと、第4の方向における遮蔽格子のピッチを調整することで、交差する2方向におけるピッチが等しいモアレを形成することができる。上述のように、平行モアレは、第3の方向における自己像のピッチと遮蔽格子のピッチの差により、第3の方向におけるモアレのピッチが決まり、第4の方向における自己像のピッチと遮蔽格子のピッチの差により、第4の方向におけるモアレのピッチが決まる。よって、第3の方向における、遮蔽格子のピッチと自己像のピッチとの差が、第4の方向における、遮蔽格子のピッチと自己像のピッチとの差の1.05倍以下0.95倍以上の範囲内に収まるように遮蔽格子と回折格子を設計、配置する。これにより、交差する2方向におけるピッチがほぼ等しいモアレを形成することができる。
本実施形態では、実施形態1と同様に、第1の部分線源格子のピッチを第2の部分線源格子のピッチよりも小さくすることで、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の配置位置と、ラウ条件が成立する位置とのズレを軽減する。但し、実施形態1では第3の方向における回折格子のピッチP1aと第4の方向における回折格子のピッチP1bが等しいことを前提として式(2)を算出した。本実施形態においても、第1の部分線源格子のピッチを第2の部分線源格子のピッチよりも小さくすることで、干渉パターンのコントラスト低下を軽減できるが、理想的なピッチ(P0a,P0b)が式(2)から算出されるピッチと異なる。
本実施形態において、第3の方向における自己像のピッチと第4の方向における自己像のピッチとが等しいとき、理想的なピッチは下記式(8)を用いて算出することができる。
P0a=P0b×L/(L+d) 式(8)
式(8)について説明する。
式(1)から、
P0a=Psa×L/z 式(1−a)
P0b=Psb×(L+d)/z 式(1−b)
である。よって、第3の方向における自己像のピッチPsaと第4の方向における自己像のピッチPsbが等しい場合、式(8)が導かれる。そして、式(7)と式(8)が成立するときに、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の両方をラウ条件を満たす位置に配置することができる。尚、式(7)が成立しない場合は、式(1−a)と式(1−b)とを用いれば理想的な(ラウ条件が成立する)P0aとP0bを算出することができる。
実施形態1、2同様に、第1と第2の部分線源格子のピッチが、式(8)(又は式(1−a)と式(1−b))から算出される理想的な第1の部分線源格子のピッチと第2の部分線源格子のピッチでなくても、コントラスト低減を抑制する効果は得ることができる。その場合、(実際の)第1の部分線源格子のピッチが、理想的な第2の部分線源格子のピッチよりも理想的な第1の部分線源格子に近いことが好ましい。また、(実際の)第2の部分線源格子のピッチが、理想的な第1の部分線源格子のピッチよりも理想的な第2の部分線源格子に近いことが好ましい。
〔実施形態4〕
本実施形態では、実施形態1〜3と異なるX線干渉計ついて説明をする。本実施形態のX線干渉計は、第1の部分回折格子81と第2の部分回折格子82とを有する回折格子を備える点が実施形態1〜3と異なる。
本実施形態の線源格子は、実施形態2の線源格子と同様なので詳細は省略するが、第1の部分線源格子のピッチと第2の部分線源格子のピッチは等しい。
本実施形態の回折格子を図11に示す。本実施形態の回折格子は、第1の部分回折格子と第2の部分回折格子を備える。第1の部分回折格子は、第3の方向に配列方向を有し、第2の部分回折格子は、第4の方向に配列方向を有する。尚、配列方向とは、回折格子が位相型の回折格子の場合は第1の位相変調領域と第2の位相変調領域が配列した方向のことを指し、回折格子が振幅型の回折格子の場合は透過部と遮蔽部が配列した方向のことを指す。配列ピッチは一定でなくても良い。第1の部分回折格子と第2の部分回折格子の距離d2と、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離dとの差が4mm以下になるように、第1の部分回折格子と第2の部分回折格子とを配置する。第1と第2の部分回折格子の距離d2と、第1と第2の部分線源格子の距離dとの差は小さい方が好ましく、2mm以下だとより好ましく、0mm(d2=d)であることが更に好ましい。このとき、第1の部分回折格子のピッチと第2の部分回折格子のピッチは等しいことが好ましい。これにより、第1の部分線源格子と第1の部分回折格子がラウ条件を満たす位置に配置され、第2の部分線源格子と第2の部分回折格子もラウ条件を満たす位置に配置される。尚、第1の部分回折格子と第2の部分回折格子の距離d2が第1と第2の部分線源格子の距離dと等しくない場合は、距離d2に応じて第1の部分線源格子と第2の部分線源格子のピッチや、第1の部分回折格子と第2の部分回折格子のピッチを調整しても良い。第1の部分線源格子と第2の部分線源格子のピッチと第1の部分回折格子と第2の部分回折格子のピッチの調整方法は実施形態1又は2を参考にすればよい。つまり、第1の部分線源格子と第1の部分回折格子がラウ条件を満たし、且つ、第2の部分線源格子と第2の部分回折格子がラウ条件を満たすように調整することが好ましい。
第1と第2の部分回折格子は、第1と第2の部分線源格子のように湾曲させても良いし、平板状であっても良い。第1と第2の部分回折格子を湾曲させる場合は、第1と第2の部分線源格子のように配列方向に湾曲させることが好ましい。また、第1の部分回折格子の湾曲軸と、第2の部分回折格子の湾曲軸が、第2の部分回折格子側にあり、第2の部分回折格子の曲率半径は第1の部分回折格子の曲率半径よりも小さい。更に、第1の部分回折格子の湾曲軸と第2の部分回折格子の湾曲軸が交わることが好ましく、第1の部分回折格子の湾曲軸と第2の部分回折格子の湾曲軸の交点がX線源の焦点の中心と一致することがより好ましい。
第1の部分回折格子と第2の部分回折格子が離間して配置されると、第1の部分回折格子により自己像が形成される位置と第2の部分回折格子により自己像が形成される位置も距離d分ずれる。よって、遮蔽格子も、第5の方向に透過部が配列した第1の部分遮蔽格子と、第6の方向に透過部が配列した第2の部分遮蔽格子で構成されることが好ましい。但し、ラウ条件が成立しないことと比較すると、トールボット距離からのズレ(遮蔽格子または検出器の配置位置ずれ)が自己像のコントラストに与える影響は小さい。そのため、図2(c)に示したような、第5の方向と第6の方向に透過部が配列した1枚の遮蔽格子を用いても良い。遮蔽格子を第1と第2の部分遮蔽格子で構成する場合、第1と第2の部分遮蔽格子の距離d3が、第1と第2の部分線源格子の距離dの1.05倍以下0.95倍以上になるように、第1の部分遮蔽格子と第2の部分遮蔽格子とを配置することが好ましい。
以上、実施形態1〜4について説明をした。実施形態1〜4において、第1の部分線源格子のピッチと第3の方向における自己像のピッチがラウ条件を満たし、且つ、第2の部分線源格子のピッチと第4の方向における自己像のピッチがラウ条件を満たす。そのためには、下記式(1−a)と(1−b)が同時に成立すればよい。
P0a=Psa×L/z 式(1−a)
P0b=Psb×(L+d)/z 式(1−b)
但し、Psaは第3の方向における自己像のピッチ、Psbは第4の方向における自己像のピッチである。
実施形態1〜4は、線源格子と回折格子とのジオメトリが、第3と第4の両方の方向においてラウ条件を満たす。そのために、線源格子のピッチ、回折格子のピッチ、線源格子と回折格子(変調パターン)の距離の少なくともいずれかを第3と第4の方向とで異ならせることが共通している。これらの実施形態同士を組み合わせて、第1と第2の部分線源格子と回折格子とのジオメトリがそれぞれラウ条件を満たすようにしても良い。例えば、線源格子のピッチを第3の方向と第4の方向とで異ならせ、且つ、回折格子のピッチも第3の方向と第4の方向とで異ならせることで、線源格子と回折格子のジオメトリが、第3の方向でも第4の方向でもラウ条件を満たすようにしても良い。また、第2の部分線源格子が第1の方向へも湾曲していたり、第1の部分線源格子が第2の方向へも湾曲していたりすると、第1の部分線源格子が第1の方向へのみ湾曲し、第2の部分線源格子が第2の方向へのみ湾曲している場合と比較して第1と第2の部分線源格子間の距離dを小さくすることができる。これを利用して、線源格子と回折格子とのジオメトリが、第3の方向と第4の方向の両方の方向においてラウ条件を満たすようにしてもよい。尚、実施形態1〜4では線源格子を備える干渉計について説明をしたが、線源格子と、線源格子へ発散X線を射出するX線源とでX線照射手段を構成しても良い。X線照射手段は、干渉計と組み合わせることで被検体の情報を取得する被検体情報取得システムを構成することができる。
以下では、実施形態のより具体的な実施例について説明する。
本実施例では、実施形態3のより具体的な実施例について説明をする。
本実施例の干渉計が備える線源格子は、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子を有し、第1の部分線源格子における透過部の配列方向(第1の方向)と第2の部分線源格子のおける透過部の配列方向(第2の方向)は直交する。各々の部分線源格子は、各々の部分線源格子の配列方向に湾曲した形状を有しており、第1の部分線源格子の曲率半径はr1、第2の部分線源格子の曲率半径はr2であり、r1=r2+dである。第1の部分線源格子の湾曲軸と第2の部分線源格子の湾曲軸の交点にX線源の焦点の中心を配置する。尚、第1の部分線源格子の湾曲軸と第2の部分線源格子の湾曲軸は垂直に交わる。
本実施例では、第2の部分線源格子のピッチP0bを22.55μm、第1の部分線源格子のピッチP0aを22.07μm、各々の部分線源格子の遮蔽部の厚さを50μm、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離dを20mmとする。また、第1の部分線源格子の曲率半径r1を150mm、第2の部分線源格子の曲率半径r2を130mmとする。
本実施例の線源格子は、第1と第2の部分線源格子を支持する支持部40を有し、第1と第2の部分線源格子の距離dは支持部40により保持される。支持部40を用いることは、第1と第2の部分線源格子の距離dのずれが低減するとともに、第1と第2の部分線源格子の曲率を一定に保つのに有効である。本実施例における支持部40の構造を図4に示す。図4(a)は、線源格子を遮蔽格子側から見た図であり、図4(b)は線源格子をX線源側からみた図である。支持部40の一方の面には第1の部分線源格子104を取り付け、支持部40の他方の面には第2の部分線源格子204を取り付ける。
図4(a)に示す線分ABを含む支持部40の断面図を図5(a)に示す。断面の中心線(点線で図示)が通る厚さが、距離dに相当する。第1の部分線源格子104を取り付ける面の曲率半径は、第1の部分線源格子104の曲率半径r1と同じである。図4(b)に示す線分CDを含む支持部40の断面図を図5(b)に示す。第2の部分線源格子204を取り付ける面の曲率半径は、第2の部分線源格子204の曲率半径r2と同じである。本実施例において支持部40の材料はX線の吸収係数が小さいものであればよく、例えばポリエチレンを用いる。他にもX線の吸収係数の低い炭素や水素、窒素、酸素を構成原子とする樹脂を材料としてよい。樹脂材料のようにX線の吸収係数が小さい材料を用いることで、支持部40でのX線の減衰を低下することができ、同じX線源2を用いた場合でも、被検体にX線を照射する時間を短縮することができる。
支持部の材料としてステンレススチールのような金属を用いてもよい。金属を用いることで、加工の精度が向上し、X線の照射による劣化や経年劣化を抑えることができる。金属材料は一般にX線の吸収係数が大きいものが多い。そこで、X線吸収係数が大きい材料を用いる場合には、図6に示した支持部42のように、格子領域に孔43を形成することが好ましい。図6(a)は、金属からなる支持部42の上面図であり、図6(b)は図6(a)の線分EFを含む断面図であり、図6(c)は図6(a)の線分GHを含む断面図である。孔を形成する代わりに、支持部42の厚さを薄くしても良い。また、格子領域全体でなく、透過部を透過したX線の光路上に存在する支持部周辺に孔を設けたり、厚さを薄くしたりしても良い。
本実施例における回折格子を図2(a)に示す。図2(a)のように、本実施例の回折格子は、第1の位相変調領域24と第2の位相変調領域26とがチェッカーボード状に配列した位相格子を用いる。本実施例の位相格子の、第3の方向におけるピッチはP1a、第4の方向におけるピッチはP1bであり、P1a=12.07μm、P1b=12.00μmとし、第3の方向と第4の方向は直交する。また、第1の位相変調領域24を透過したX線と第2の位相変調領域26を透過したX線の位相差はπ(π格子)であり、位相変調を与える領域の高さ(第1の位相変調領域と第2の位相変調領域の厚みの差)を22.4μmとする。
本実施例において、回折格子により形成される自己像は図2(b)に示したように網目状のパターンであり、明部58が離散的に配列している。本実施例で形成される自己像の、第3の方向におけるピッチはPsa、第4の方向におけるピッチはPsbであり、Psa=Psb=8.24μmである。また、第3の方向における明部の幅と暗部の幅は1:1であり、第4の方向における明部の幅と暗部の幅も1:1である。
本実施例における遮蔽格子を図2(c)に示す。図2(c)のように、本実施例の遮蔽格子は、透過部30と遮蔽部28の幅が1:1となる網目状の構造を有する。本実施例の遮蔽格子の、第5の方向におけるピッチはP2a、第6の方向におけるピッチはP2bであり、P2a=P2b=8.24μm、遮蔽部の厚みは50μmである。尚、第5の方向と第6の方向は直交する。
第1の方向と第3の方向が平行になり、第2の方向と第4の方向が平行になるように、線源格子と回折格子を配置する。また、第1の部分線源格子と回折格子の距離(L)を934mm、回折格子と遮蔽格子の距離を349mmとする。この配置により、線源格子の各透過部からのX線によってできる自己像の明部同士と暗部同士が重なる。また、第3の方向における自己像のピッチと第4の方向における自己像のピッチが一致する。自己像に遮蔽格子を重ね、遮蔽格子12を面内方向に回転することで明部が格子状に配列したモアレパターンが形成される。
検出器は、遮蔽格子の下流に設置し、遮蔽格子からのX線を検出する。検出器と遮蔽格子との距離はできるだけ小さいことが望ましい。自己像の強度は、回折格子との距離がタルボ距離になる位置で最も大きいため、回折格子と遮蔽格子の距離はタルボ距離に近いほうが好ましい。遮蔽格子の回転角度を調整し、検出器が有する画素の4画素分のピッチを有するモアレを検出器の検出面に形成する。このモアレを、被検体が線源格子と遮蔽格子の間の光路中に配置されたときと、配置されていないときとで検出し、2つの検出結果を演算装置に送信する。演算装置は、2つの検出結果から被検体の微分位相像、吸収像、散乱像を取得する。演算方法としては、例えばフーリエ変換法を用いた縞解析により行う。
フーリエ変換法の代わりに、縞走査法を行っても良いが、その場合は、自己像に対して遮蔽格子を2方向に走査する必要がある。2方向への走査は、ラスター走査が一般的に用いられる。ここでは、第3の方向と第5の方向を平行にし、第4の方向と第6の方向を平行にして縞走査を行う場合について説明をする。上述のように、縞走査法については国際公開WO04/058070号に記載されており、縞走査を2方向に対して行う方法についても特開2012−005820号に記載されているため、概要だけ説明をする。
自己像に対して遮蔽格子をラスター走査するためには、自己像と遮蔽格子の相対位置を第5の方向と第6の方向のそれぞれに変化させる。相対位置の変化は、線源格子、回折格子、遮蔽格子のうちのいずれかを走査することで実現できる。本実施例では、遮蔽格子を走査する。遮蔽格子の第5の方向におけるピッチP2aをma分割した値(P2a/ma)を第5の方向への1ステップあたりの移動距離とし、第6の方向におけるピッチP2bをmb分割した値(P2b/mb)を第6の方向への1ステップあたりの移動距離とする。ただし、maとmbは3以上の整数である。本実施例においては、ma=mb=3とする。第5の方向と第6の方向にそれぞれ3ステップずつラスター走査を行い、ステップ毎にモアレの強度分布を検出する。この操作を被検体が線源格子と遮蔽格子の間の光路中に配置されているときと配置されていない時とで行い、合計18回(被検体配置の有るときと無いときで3×3回ずつ)の検出による結果から、画素毎に微分位相情報、吸収情報、散乱情報を取得する。これらの情報を2方向に配列することによって、微分位相像、吸収像、散乱像が得られる。
本実施例では、実施形態1について具体的に説明をする。本実施例は、第1の部分線源格子のピッチ、第3の方向における回折格子のピッチ、第5の方向における遮蔽格子のピッチが実施例1と異なるが、その他の構成は実施例1と同様であるため説明は省略する。
本実施例の線源格子は、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子とを有し、第1の部分線源格子のピッチp0aを22.07μm、第2の部分線源子のピッチp0bを22.42μmとする。また、回折格子の第3の方向におけるピッチP1aと第4の方向におけるピッチp1bとを共に12.00μmとする。さらに、遮蔽格子の第5の方向におけるピッチp2aを8.19μm、第6の方向におけるピッチp2bを8.24μmとする。遮蔽格子は例えば図10のように、透過部が長方形を有する。第1の部分線源格子と回折格子の距離(L)は934mm、回折格子と遮蔽格子との距離(z)は349mmとする。この配置により、線源格子の各透過部からのX線によってできる干渉パターンの明部同士と暗部同士が重なる。また、自己像の第3の方向におけるピッチpsaと、第5の方向における遮蔽格子のピッチp2aが一致し、自己像の第4の方向におけるピッチpsbと、第6の方向における遮蔽格子のピッチp2bが一致する。
遮蔽格子の面内角度を調整し、検出器が有する画素の4画素分のピッチを有するモアレを検出器の検出面に形成する。このモアレを、被検体が線源格子と遮蔽格子の間の光路中に配置されたときと、配置されていないときとで検出し、フーリエ変換法又は縞走査法により被検体の情報を取得する。
本実施例では、実施形態1について具体的に説明をする。本実施例は、第5の方向における遮蔽格子のピッチP2aと第6の方向における遮蔽格子のピッチP2bとが等しい点が実施例2と異なるが、その他の構成については実施例2と同様であるため説明は省略する。
本実施例では、P2a=P2b=8.24μmとする。すると、第3の方向における自己像のピッチと第5の方向における遮蔽格子のピッチは等しいが、第4の方向における自己像のピッチと第6の方向における遮蔽格子のピッチが異なる。そのため、遮蔽格子の面内角度を調整し、検出器の検出面にモアレを形成したとき、モアレの一方の配列方向におけるピッチと他方の配列方向におけるピッチとが異なり、且つ、一方の配列方向と他方の配列方向が直交しない。
このモアレを、被検体が線源格子と遮蔽格子の間の光路中に配置されたときと、配置されていないときとで検出し、被検体の情報を取得する。
本実施例のように、モアレの一方の配列方向におけるピッチと他方の配列方向におけるピッチとが異なる場合は、検出結果をフーリエ変換することによって得られる1次スペクトルの、X軸に対しての原点からの距離とY軸に対しての原点からの距離が異なる。つまり、1次スペクトルのピーク位置を(x、y)とすると、x≠yである。そのため、1次スペクトルのピーク位置に合わせた位相回復を行う必要があるが、例えば国際公開WO2010/050483号に記載のフーリエ変換法を用いる場合はピークの切り出し位置を一次スペクトルのピーク位置に合わせればよい。また、縞走査法を行う場合も、1ステップあたりの自己像又は遮蔽格子の移動距離を2方向に対する自己像又は遮蔽格子のピッチに応じて変えれば良い。
また、一方の配列方向と他方の配列方向が直交しない場合は、原点を基準に鏡像関係にある2組の1次スペクトルのそれぞれを結んで得られる線分も直交しない。しかしながら、得られる微分位相情報の微分方向は回折格子の周期方向で決まっている。そのため、回折格子が有する変調パターンの配列方向(第3の方向と第4の方向)が直交していれば、微分位相像の二つの微分方向も直交する。そのため、微分位相情報を積分して位相情報を取得する場合であっても、モアレの周期方向の直交性は問題にならない。
本実施例は第2の実施形態を具体的に説明するものである。本実施例は線源格子の第1の部分線源格子のピッチP0aと第2の部分線源格子のピッチP0bが同じであり、第3の方向における変調パターンのピッチと第4の方向における変調パターンのピッチとが異なる点が実施例2と異なっている。その他の構成については、実施例2と同様である。
本実施例では、線源格子の第1の部分線源格子のピッチP0aと第2の部分線源格子のピッチP0bの両方を22.07μmとする。また、第3の方向における変調パターンのピッチP1aを12.00μm、第4の方向における変調パターンのピッチP1bを11.82μmとする。さらに、第5の方向における遮蔽格子のピッチP2aを8.24μm、第6の方向における遮蔽格子のピッチP2bを8.07μmとする。各格子の配置は実施例2と同じである。この配置により、線源格子の各透過部からのX線によってできる干渉パターンの明部同士と暗部同士は重なり合う。また、第3の方向における自己像のピッチと第5の方向における遮蔽格子のピッチが一致し、第4の方向における自己像のピッチと第6の方向における遮蔽格子のピッチが一致する。
遮蔽格子の面内角度を調整し、検出器が有する画素の4画素分のピッチを有するモアレを検出器の検出面に形成する。このモアレを、被検体が線源格子と遮蔽格子の間の光路中に配置されたときと、配置されていないときとで検出し、被検体の情報を取得する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
1 干渉計
2 X線源
4 線源格子
104 第1の部分線源格子
114 遮蔽部
124 透過部
204 第2の部分線源格子
214 遮蔽部
224 透過部

Claims (20)

  1. X線を透過する透過部と、X線を遮蔽する遮蔽部と、が第1の方向に交互に配列した第1の部分線源格子と、
    X線を透過する透過部と、X線を遮蔽する遮蔽部と、が前記第1の方向と交差する第2の方向に交互に配列した第2の部分線源格子とを備え、
    前記第1の部分線源格子は前記第1の方向に湾曲した形状を有し、
    前記第2の部分線源格子は前記第2の方向に湾曲した形状を有することを特徴とする線源格子。
  2. 前記第1の部分線源格子における前記透過部のピッチが、
    前記第2の部分線源格子における前記透過部のピッチよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の線源格子。
  3. 前記第2の部分線源格子の曲率半径は第1の部分線源格子の曲率半径よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の線源格子。
  4. 第1の部分線源格子の曲率半径をr1、第2の部分線源格子の曲率半径をr2、第1の部分線源格子と第2の部分線源格子の距離をdとするとき、
    r1=r2+dであり、dは4mmよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の線源格子。
  5. X線源からの発散X線を空間的に分割する線源格子と、
    前記線源格子からのX線を回折して干渉パターンを形成する回折格子と、
    前記回折格子からのX線の強度を検出し、強度分布の情報を取得する検出器とを備え、前記線源格子が、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の線源格子であり、
    前記回折格子が、第3の方向と、前記第3の方向と交差する第4の方向とに変調パターンを有することを特徴とする干渉計。
  6. 前記第3の方向における前記第1の部分線源格子のピッチをP0a、
    前記第4の方向における前記第2の部分線源格子のピッチをP0bとすると、
    下記式が成り立つことを特徴とする請求項5に記載の干渉計。
    P0a=P0b×(L+z)/(L+d+z)
    但し、Lは前記第1の部分線源格子と前記回折格子との距離、zは前記回折格子と前記干渉パターンとの距離、dは前記第1の部分線源格子と前記第2の部分線源格子との距離とする。
  7. 前記回折格子は、
    前記第3の方向における前記変調パターンのピッチと、前記第4の方向における前記変調パターンのピッチとが異なることを特徴とする請求項5に記載の干渉計。
  8. 前記回折格子の前記第3の方向における変調パターンのピッチをP1a、
    前記回折格子の前記第4の方向における変調パターンのピッチをP1b、とすると、
    下記式が成り立つことを特徴とする請求項7に記載の干渉計。
    P1a=P1b×(L+d+z)/(L+z)
    但し、Lは前記第1の部分線源格子と前記回折格子との距離、zは前記回折格子と前記干渉パターンとの距離、dは前記第1の部分線源格子と前記第2の部分線源格子との距離とする。
  9. 前記回折格子は第1の部分回折格子と第2の部分回折格子を有し、
    前記第2の部分回折格子は、前記第1の部分回折格子と前記第1の部分線源格子との間に配置され、
    前記第1の部分回折格子は、前記第2の部分回折格子と前記検出器との間に配置され、前記第1の部分線源格子と前記第2の部分線源格子との距離と、
    前記第1の部分回折格子と前記第2の部分回折格子との距離との差が4mm以下であることを特徴とする請求項5に記載の干渉計。
  10. 前記干渉パターンの一部を遮蔽する遮蔽格子を備え、
    前記検出器は、前記遮蔽格子からのX線を検出し、
    前記遮蔽格子は第1の部分遮蔽格子と第2の部分遮蔽格子とを有し、
    前記第1の部分遮蔽格子は、前記第2の部分遮蔽格子と前記検出器との間に配置され、前記第1の部分遮蔽格子と前記第2の部分遮蔽格子との距離が、
    前記第1の部分線源格子と前記第2の部分線源格子との距離の1.05倍以下0.95倍以上であることを特徴とする請求項9に記載の干渉計。
  11. 前記第4の方向における前記干渉パターンのピッチが、前記第3の方向における前記干渉パターンのピッチとの1.05倍以下0.95倍以上であることを特徴とする請求項5、7、9、10のうちいずれか1項に記載の干渉計。
  12. 前記第3の方向における前記第1の部分線源格子のピッチをP0a、
    前記第4の方向における前記第2の部分線源格子のピッチをP0b、
    前記第3の方向における前記変調パターンのピッチをP1a、
    前記第4の方向における前記変調パターンのピッチをP1b、とすると、
    下記式が成り立つことを特徴とする請求項5、7、11のうちいずれか1項に記載の干渉計。
    P0a=P0b×L/(L+d)
    P1a=P1b×L(L+d+z)/(L+z)(L+d)
    但し、Lは前記第1の部分線源格子と前記回折格子との距離、zは前記回折格子と前記干渉パターンとの距離、dは前記第1の部分線源格子と前記第2の部分線源格子との距離とする。
  13. 前記干渉パターンの一部を遮蔽する遮蔽格子を備え、
    前記遮蔽格子は、第5の方向と前記第5の方向と異なる第6の方向とにおいてX線を透過する透過部とX線を遮蔽する遮蔽部とが配列しており、
    前記検出器は、前記遮蔽格子からのX線を検出することを特徴とする請求項5乃至8、11、12のいずれか1項に記載の干渉計。
  14. 前記第4の方向における、前記遮蔽格子のピッチと前記干渉パターンのピッチとの差が、
    前記第3の方向における、前記遮蔽格子のピッチと前記干渉パターンのピッチとの差の、1.05倍以下0.95倍以上であることを特徴とする請求項13に記載の干渉計。
  15. 請求項5乃至14のいずれか1項に記載の干渉計と、
    前記検出器による検出結果の情報を用いて、前記線源格子と前記回折格子の間又は前記回折と前記検出器の間に配置された被検体の情報を取得する演算装置を備えることを特徴とする被検体情報取得システム。
  16. 請求項5乃至15のいずれか1項に記載の干渉計と、
    前記検出器による検出結果の情報をフーリエ変換することにより、前記線源格子と前記回折格子の間又は前記回折格子と前記検出器の間に配置された被検体の情報を取得する演算装置を備えることを特徴とする被検体情報取得システム。
  17. 請求項11、12又は14のいずれか1項に記載の干渉計と、
    前記検出器による検出結果の情報を用いて、前記線源格子と前記回折格子の間又は前記回折格子と前記検出器の間に配置された被検体の情報を取得する演算装置を備え、
    前記干渉計は、前記第3の方向における前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置と、前記第4の方向における前記干渉パターンと前記遮蔽格子との相対位置と、を変化させて縞走査法による検出を行い、
    前記演算装置は、前記縞走査法による検出により得られた複数の検出結果を用いて被検体の情報を取得することを特徴とする被検体情報取得システム。
  18. 前記線源格子にX線を照射するX線源を備えることを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の被検体情報取得システム。
  19. X線源からの発散X線を空間的に分割する線源格子と、
    前記線源格子からのX線を回折して干渉パターンを形成する回折格子と、
    前記回折格子からのX線の強度を検出し、強度分布の情報を取得する検出器とを備える干渉計に用いられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の線源格子。
  20. 発散X線を射出するX線源と、前記X線源からのX線を分割する線源格子とを備え、
    前記線源格子は、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の線源格子であることを特徴とするX線照射手段。
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